TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1001/26-Oct-09

いろいろなことが落ち着いたかなと思っていたら、Apple がどっさりと新しいハードウェアを出してきた。Doug McLean と Glenn Fleishman が中心となって、新型 iMac、新しいユニボディの MacBook、アップデートされた Mac mini、それから Magic Mouse と、Apple が高速化した AirPort Extreme と Time Capsule ベースステーションについて記事をお届けする。Doug はそこで筆を止めることをせず、iPhoto '09 の Faces (人々) 機能に潜む困ったバグについて報告し、また Glenn と協力して Barnes & Noble から新しく出た Nook 電子ブックリーダーを紹介する。Glenn と Jeff Carlson は協力して Apple の Q4 2009 業績報告を伝え、一方 Matt Neuburg はリリースされたばかりの LaunchBar 5.0.1 に、毎日時々刻々の Mac の使用で自分がどれほど依存しているかを物語る。それから、私たちの電子ブックに二冊新刊が出た。“Take Control of Users & Accounts in Snow Leopard”と“Take Control of Sharing Files in Snow Leopard”だ。最後に、今週の注目すべきソフトウェアリリースとしては iPhoto2Twitter 1.6.1、Business Card Composer 5、SpamSieve 2.7.7、それに CrashPlan 10.19.2009 がある。

記事:

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iPhoto '09 の「人々」バグ、Apple アップデートを待ち望む

  文: Doug McLean <[email protected]>
  訳訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

つい最近、TidBITS 読者の "Rene Belloq" が知らせてくれたのだが、Apple の Support Discussion フォーラムに現在大きくてますます増え続けているスレッドがある。(現時点で閲覧数が 20,000 を超え、投稿数も 300 近くになっている。)このスレッドは iPhoto '09 のあるバグにより Faces (人々) 機能がいったん顔を認識した後は追加の照合を認識できなくなるという問題についてさまざまの詳しいユーザー体験を集めている。ユーザーたちが見つけ出したところによれば、特定の顔が他にマッチしているところがないかと調べようとすると、くるくる回る進行矢印の横に「X は以下の写真の中にもあるかもしれません」というテキストが出るという。たいていのユーザーのところでは結局マッチは発見されず、進行矢印はいつまでも回り続けるだけだ。場合によっては、非常に長い時間が経った後で iPhoto が見たところランダムなでたらめのマッチ候補を返してくるという。

iPhoto-Faces-scanning

この問題は Leopard と Snow Leopard 双方のユーザーに起こっており、さまざまの Mac で、ライブラリのサイズも百枚以下のものから何万枚も含むものまで、多様な状況で起こっている。

フォーラムにはいくつかの解決法が提案されている。Faces データベースの再構築( iPhoto Library Manager を使えという意見もあった)から、アクセス権の修復、iPhoto をアンインストールしてインストールし直すというものもあった。残念ながら、確実にうまく行くものはまだ見つかっていないようだ。それに、どれかの方法で一時的に問題が解消したとしても、いずれ問題が再発するのは避けられないようだ。

Apple のサービス担当者が Belloq に話したところによれば(Belloq は今も問題に苦しめられている)Apple は問題の存在を認識しており、既にバグ対策プロジェクトを開始していて、これを解消した iPhoto '09 のアップデートを出す予定だという。(ただしまだリリース日は設定されていない。)

Apple のエンジニアたちも、この問題はどうやら顔認識エンジンがハングアップするか混乱に陥るかすることに関係あるらしいと伝えている。また、問題の発生に寄与していると思われる追加要因として、ライブラリのサイズや MPEG ビデオがライブラリに存在しているかどうかといったことも関係するようだ。

もしもあなたがこの問題に遭遇したら、iPhoto のアップデートがリリースされるのを待つ以外にあなたにできることはあまりない。もしも何かアクションを起こさずにいられない気持ちになったのなら、上記でリンクした現在継続中のスレッドにあなたの体験を投稿するか、あるいは Apple に連絡して(オンラインで、またはリテール店の Apple Genius と話して)あなたの懸念を伝えるのがよい。私たちは今後もこの問題に注目しているし、Apple ができるだけ早く修正を出してくれることを願っている。

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新刊電子ブックで Snow Leopard のユーザアカウントとファイル共有を学ぶ

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

もしもあなたがアカウントとかファイル共有とかについて Snow Leopard 関係の疑問をお持ちなら、Take Control シリーズの新刊がお役に立つだろう。Kirk McElhearn の“Take Control of Users & Accounts in Snow Leopard”と、Glenn Fleishman の“Take Control of Sharing Files in Snow Leopard”だ。

"Take Control of Users & Accounts in Snow Leopard" -- この電子ブックを読めば、あなたの Mac でいろいろなアカウントをプロのように使いこなす方法が学べる。たとえその Mac に普段ログインするのがあなただけだったとしてもこの情報は役に立つ。あなたの Mac でいろいろの違った人たちのためにどんなアカウントを作っておくのがよいか、どんな場合でも少なくとも二つのアカウントを作っておくべきなのはなぜか、ペアレンタルコントロールの数多いオプションはどんなことに応用できるかといった説明がある。また、Kirk はあなたを手引きして、問題解決用のトラブルシュートのアカウントを設定するにはどうするか、Fast User Switching をどう使うか、ユーザ間でファイルを共有する方法、ログイン項目と起動項目の管理のしかた、なども解説する。さらに Kirk はあなたの Mac 上で iTunes や iPhoto を使う複数のユーザーが音楽や写真をうまく共有できるコツまで明かしてくれる。Snow Leopard で提供されるものよりもさらに踏み込んだペアレンタルコントロールのオプションを好む人のために、Intego の ContentBarrier X5 の価格が 25 パーセント割引になるクーポンがこの電子ブックの最後のページに付いている。102 ページ、$10。

"Take Control of Sharing Files in Snow Leopard" -- Glenn の文章を読み進めば、ファイル共有を設定するために必要となる核心的情報をすべて、彼があなたのガイドとなって示してくれる。これで、ファイル共有が高速かつ効率的、しかもセキュアなものとなる。あなたの目的と予算に応じて正しいハードウェアとソフトウェアを選ぶにはどうするかを知り、さまざまのファイル共有の選択肢の長所と短所を比較検討し、Mac OS X のファイル共有サービスのコアとなる AFP、SMB、FTP それぞれのセットアップの手順を学び (いろいろな問題やセキュリティのリスクを回避するためのヒントもある)、アカウント設定の詳細情報を確認し、さらには各種のメジャーなオペレーティングシステムから Mac のファイルサーバへログインする方法も学べる。また、この電子ブックでは Snow Leopard に新設された Wake on Demand 機能、Snow Leopard におけるファイアウォールの気まぐれな挙動、iPhoto '09 や iTunes 9 からファイルを共有する方法についても特に取り上げて解説している。109 ページ、$10。

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MacTech 25 投票は 2009 年 10 月 31 日まで

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

MacTech Magazine が、今年も 2009 MacTech 25 の投票受け付けを開始した。Macintosh コミュニティーにおける最も影響力ある人たちを選ぶ投票だ。他の同種のリストと異なっているのは、この MacTech 25 が Mac コミュニティーに対して最も大きな技術的支援を提供した人たちを集めようとしている点だ。著述や、プログラミング、トレーニング、講演、技術サポート、その他の形による技術的支援が評価の対象となる。

過去に、さまざまの TidBITS スタッフメンバーたちがこのリストの受賞者に名を連ねてきたのは私たちの誇りとするところだ。(2007 年 6 月 11 日の記事“TidBITS スタッフ、2007 MacTech 25 の栄誉を受ける”や 2006 年 7 月 17 日の記事“Adam と Tonya Engst が MacTech 25 で栄誉に輝く”参照。)そして、皆さんにもぜひ、最も役に立った最近の技術的コンテンツを提供したのは誰だったかと考えて、票を投じて頂ければと思う。MacTech スタッフと Apple 従業員は投票対象から除外されているので、それ以外の人物で、あなたが Mac を使う際に技術的に最も大きな力となったのは誰だったか、じっくり考えて下さるようお願いしたい。

投票の受け付けは 2009 年 10 月 31 日までとなっている。

Voting is open through 31 October 2009.

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MacBook がプラスチックのユニボディを得、スペックも向上

  文: Doug McLean <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple の長年にわたるラップトップの主力機、13 インチのホワイト MacBook が、新しいポリカーボネート製のユニボディ筐体とアップデートされたスペックを備えて改訂された。新しい筐体はおそらく以前より強くしっかりしているのだろうが、デザインそのものは従来のものと同じ 1.08 インチ (2.7 cm) の厚さのままだ。ただし重さは従来より 4.8 オンス (136 g) 減量した 4.7 ポンド (2.13 kg) となっている。筐体の底面には従来あったような四隅のラバーフィートがなくなり、その代わりに底面全体が滑り止めのゴムで覆われている。

格好良い新ボディに加え、この新型 MacBook には 1280 × 800 ピクセルの LED バックライト光沢(クリアワイド)ディスプレイと、ジェスチャーをフルにサポートしたマルチタッチトラックパッド、それに 7 時間駆動と謳われる本体一体型で交換不可のバッテリ(従来のモデルは 5 時間駆動とされていた)が付く。(現実にはいずれの数字も実用上の結果とは異なるだろうと思う。)

ベースとなる構成では、この新型 MacBook は 2.26 GHz Intel Core 2 Duo プロセッサ (従来は 2.13 GHz)、2 GB RAM (4 GB まで拡張可能)、250 GB ハードドライブ (従来は 160 GB)、それに Nvidia GeForce 9400M グラフィックプロセッサを装備する。また、この最新版には従来と同じく 8 倍速 2 層式 SuperDrive、内蔵 AirPort Extreme 802.11n、Bluetooth 2.1+EDR、ギガビット Ethernet、2 基の USB 2.0 ポート、それに 60 ワットの MagSafe 電源アダプタが付く。

この MacBook には外部モニタやプロジェクタで使うための Mini DisplayPort が付いているが、従来の $999 のホワイト MacBook モデルとは違って FireWire 400 ポートがない。13 インチアルミニウム MacBook でこれがなくなったことであれほど大騒ぎになったというのに。(今回この MacBook モデルをもって、すべての Apple ラインアップから Firewire 400 ポートが消えた。)FireWire ポートが必要な人は、6 月の WWDC で登場した 13 インチアルミニウム MacBook Pro にステップアップする必要がある。(2009 年 6 月 8 日の記事“Apple、WWDC で MacBook 製品群を刷新”参照。)

この新型 MacBook の価格は以前と同じ $999 で、現在既に入手可能だ。

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Mac mini がアップデート、サーバ搭載構成も登場

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple が Mac mini に目覚ましい新スペックを盛り込んでアップデートした。さらに、小・中規模のビジネス(いわゆる "SMB" 市場)をターゲットとしたサーバ搭載オプションも新たに付け加えた。

入門レベルの Mac mini は以前と同じ $599 という価格だが、2 GB の RAM と 2.26 GHz Intel Core 2 Duo プロセッサを含むようになった。2009 年 3 月に出た前回のアップデートでは 2.0 GHz の CPU であった。内蔵ハードドライブも従来の 120 GB から 160 GB になった。$799 出せば、2.53 GHz プロセッサと 4 GB の RAM、320 GB ハードドライブが付く。(2009 年 3 月 3 日の記事“Mac mini が様々なパフォーマンスを強化”参照。)

Apple が今回 Mac mini に施した一ひねりは、Snow Leopard Server があらかじめインストールされた $999 モデルだ。このモデルでは低価格モデルにある SuperDrive がなくなってその代わりに 500 GB ハードドライブが 2 基搭載されている。このモデルのプロセッサ速度は 2.53 GHz で、4 GB の RAM を持つ。光学ドライブなしの他の Mac と同じく、この Mac mini もネットワークドライブオプションが使える。外付けの SuperDrive が $99 で入手できる。

これらの使用により、この Mac mini は小規模のネットワークにおける強力なサーバとして働くことができ、電子メールとスパムのフィルタリング、内部ウェブサービス、ファイル共有、その他多数のタスクを駆動できるだけのパフォーマンスを持つ。ただ、第二の Ethernet ポートがないのでファイアウォールの付いたネットワークのゲートウェイとして働くことはできない。(そのような構成で使用されるコンピュータの Ethernet 接続は、インターネットに向かうためのものが一つと、それに加えてローカルネットワークに接続するためのもう一つが必要だ。)

この Mac mini のドライブは 5400-rpm と比較的低速なので、高速のディスクアクセスを要するタスクでは支障が出ることも考えられる。そこで Apple は $799 で Promise SmartStor DS4600 RAID という注目すべきアドオンを提供するという。これは 4 ベイの筐体に 1 TB ドライブを組み込んだものだ。この SmartStor には FireWire 800 と USB 2.0 双方のインターフェイスが付いており、RAID 5 構成で出荷されてストレージ量合計が 3 TB となる。(1 TB はエラー検出のための冗長機構として消費される。)FireWire 800 を経由して、パフォーマンスは内蔵ドライブのものを超えるだろう。このユニットは速度を重視するか冗長チェックを重視するかに応じて RAID 0、1、あるいは 10 の構成にすることもできる。

Mac OS X Server のライセンス条件は 10.5 と 10.6 の間で手直しされた。従来は数回のリリースにわたり Apple は無制限ライセンスを $999 で、10-ユーザライセンスを $499 で提供してきた。この 10-ユーザの制限はある種の同時ログインの際にのみ適用されたので、アカウントは無制限の個数が作成できた。現在は、新たな独立価格が(ユーザ数無制限で)$499 となっている。

Mac mini のその他のスペックは従来のモデルと変わっていない。256 MB の RAM(メインメモリと共有される)を持つ Nvidia GeForce 9400M グラフィックプロセッサ、内蔵 AirPort Extreme 802.11n、Bluetooth 2.1+EDR、それにギガビット Ethernet だ。このユニットにもまた 1 基の FireWire 800 ポートと 5 基の USB 2.0 ポートが付き、mini-DVI ポートと Mini DisplayPort によって 2 台のモニタを繋ぐことができる。

Apple は Mac mini にキーボードもマウスも付属させていない。いつも通り、これは既にディスプレイ、キーボード、マウスを持つ古いデスクトップ Mac や Windows システムを置き換えるマシンとして、いわゆる交換機市場を狙っているからだ。

入門レベルの構成は、別途 BTO オプションとして 2.53 GHz Intel Core 2 Duo プロセッサ、320 GB あるいは 500 GB (片方) のハードドライブ、また 4 GB RAM のうちから選んで付けることが可能だ。いずれのバージョンも、現在既に入手可能だ。

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新型 iMac が大きなスクリーンと SD カードスロットを装備

  文: Doug McLean <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

慣れ親しんだ Apple の 20 インチと 24 インチの iMac 各機種が、それぞれ新型の 21.5 インチと 27 インチ機種で置き換えられ、新しいディスプレイ、向上したプロセッサ速度、容量の増したハードドライブ、その他の改良が加えられた。

基本の構成で、この新型 21.5 インチ iMac は 3.06 GHz プロセッサ、4 GB の RAM、500 GB ハードドライブ、それに Nvidia GeForce 9400M グラフィックプロセッサを装備する。第二の構成では 1 TB ハードドライブと、256 MB メモリを持つ ATI Radeon HD 4670 グラフィックプロセッサが付く。いずれの機種も最大 8 GB の RAM をサポートでき、3.33 GHz プロセッサに替える BTO オプションもある。第二の構成については 2 TB ハードドライブにすることもできる。

27 インチの iMac にも二種類の構成がある。一つは 3.06 GHz Intel Core 2 Duo プロセッサ、もう一つは 2.66 GHz Intel Core i5 クアッドコア・プロセッサだ。クアッドコアのプロセッサが iMac に提供されるのは今回が初めてだ。このクアッドコア機種は注文時に 2.8 GHz Intel Core i7 クアッドコア・プロセッサの構成にすることもできる。いずれの 27 インチモデルにも 4 GB の 1066 MHz DDR3 SDRAM (16 GB にアップグレード可能) と 1 TB ハードドライブ (2 TB にアップグレード可能) が標準で付く。

Core i5 と Core i7 のプロセッサはいずれもターボモードを持ち、チップをより低速の4コアモードから高速の2コアモードに切り替えることで最高速度を i5 では 3.2 GHz に、i7 では 3.46 GHz に、それぞれ加速することが可能だ。Core i5 と i7 はいずれも Intel の Nehalem ベースのプロセッサ・ファミリーの一員で、初代の Core と Core 2 ラインアップの後継者となるべきも のたちだ。

27 インチ iMac の 3.06 GHz モデルには 21.5 インチ版のものと同じ 256 MB メモり付きの ATI Radeon HD 4670 グラフィックプロセッサが付くが、クアッドコアの 27 インチモデルは 512 MB のメモリを持つ ATI Radeon 4850 グラフィックプロセッサを使う。(ただし、後者のスペックで前者を注文することもできる。)

すべての iMac に今回新たに導入されたのが、LED バックライトのディスプレイだ。21.5 インチモデルでは解像度が 1920 × 1080 ピクセル、27 インチモデルでは何と 2560 × 1440 ピクセルを誇る。従来の 24 インチ iMac に比べて 60 パーセントも多くなっている。また、すべての iMac が IPS ディスプレイテクノロジーを使うようになり、角度 178 度の範囲内からカラーシフトなしに画面が見えるようになった。

いつもと同様、これらの新型 iMac にも iSight カメラとマイク、スピーカーが内蔵される。また、光学ドライブの下に SD カードスロットが新設され、第二モニタを接続するための Apple の Mini DisplayPort、内蔵の AirPort Extreme 802.11n、Bluetooth 2.1+EDR、ギガビット Ethernet、4 基の USB 2.0 ポート、それに 1 基の FireWire 800 ポートが付く。すべての iMac は Apple ワイヤレスキーボードと新しいワイヤレス・マルチタッチの Magic Mouse を付けて出荷される。ワイヤードの入力デバイスを好むユーザーは(追加料金なしで)システム構成の注文時にそう指定することができる。新しくなったアルミニウム製の赤外線リモコン Apple Remote は、今回から $19 のアドオンとなる。(2009 年 10 月 20 日の記事“Apple、Magic Mouse と、新 Remote、強化したベースステーションを発表”参照。)

27 インチの iMac にはもう一つ素敵な機能がある。アダプタを使えば、外部ソースからのビデオを再生できるのだ。つまり、少なくとも理論的には、あなたの Blu-ray あるいは DVD プレイヤーが iMac のスクリーンを乗っ取ることができ、実質的に HDTV として使えるようになるというわけだ。Apple は同社がそのようなアダプタを製造することはなく、代わりにサードパーティが作ってくれることを期待すると明言している。

また、27 インチモデルは別の Mac の外部ディスプレイとして使うこともできる。例えば、Mini DisplayPort to Mini DisplayPort のケーブルを使えば、最近の機種の Mac ポータブル機を iMac に繋ぐことができる。すると iMac は接続を探知して自動的にその別の Mac のコンテンツを表示する状態に切り替わる。Apple によれば、その状態でも iMac は機能し続けている。実際、メディア再生キーを除いてキーボード上の大多数のキーは自動的に無効になるので、あなたは iMac からの音楽を聴き続けられる一方、開いている書類のどれかを誤って台無しにしてしまう心配はない。Command-F2 を押せば Target Display モードと iMac の通常の環境とが切り替わる。

そういうわけで、この 27 インチモデルは Apple の VESA Mount Adapter Kit を使って壁掛けマウントや、関節アーム、あるいは他のどんな VESA 互換マウント方式にも取り付けて使うことができる。

最も安価な二つの構成オプション(つまり 3.06 GHz 21.5 インチモデル)の価格は、従来と同じく $1,199 と $1,499 だ。その一方で、3.06 GHz の 27 インチモデルは従来モデルより $100 値下げされて $1,699 となり、ハイエンドの 2.66 GHz Intel i5 Core モデルは従来の最上級基本構成よりも $200 下がった $1,999 となる。2009 年 11 月に出荷予定のクアッドコア機種を除き、それ以外のすべての機種は現在出荷可能だ。

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Apple、Magic Mouse と、新 Remote、強化したベースステーションを発表

  文: Doug McLean <[email protected]>, Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

先週はまだ他にもあと3つアップデートがあって、このため私たちは魔法のように遠く離れていつつ速度は速くなった、という感覚に包まれている。Apple は新しいマウスと、リモコンとをリリースし、AirPort Extreme と Time Capsule ベースステーションにはよく分からないアップデートを施した。

ほうら助けに来たぞ... おっと待て、これは魔法 (Magic) だ -- 人々よ、喜べ! 散々だった Mighty Mouse の時代は終わりを告げた! あの Mighty Mouse のスクロールボールが働かなくなるのに悩まされたことのある人なら、きっとこの Apple の決断を喜び讃えるだろう。Apple は今回の新しいワイヤレスマウス Magic Mouse で、機械式のスクロールを完全になくすことにしたのだ。(名前の変更の一因は、コンピュータのハードウェアに Mighty Mouse という言葉を使うことに対する商標権をめぐる争いを解消するためだった。)

Magic-Mouse

最近の Mac トラックパッドと同じく、マルチタッチのジェスチャーを使うことによって、マウスの上面で指をすべらせるだけでどの方向にでもスクロールできる。筐体はタッチセンシティブになっているので、指の場所を探知することでシングルボタンマウスとしてもマルチボタンマウスとしても機能できる。

Apple によれば、Bluetooth に依存するこの Magic Mouse はコンピュータから 10 メートル近く離れた場所でも使用できるという。(27 インチ iMac の新しい壁掛けマウント機能を利用するにはそれくらいが健康的な距離だ。)このマウスは2個の AA (単3) 電池を電源とし、しばらく使っていなければ自動的に省電力モードに切り替わる電源管理システムを内蔵している。

この Magic Mouse は現在出荷中の新型 iMac には付属しており、今週後半には $69 での別売も始まる。Magic Mouse の動作には Mac OS X 10.5.8 かそれ以降が必要で、その上にソフトウェアアップデートも必要だ。新型 iMac 以外の Mac に搭載のシステムではまだこのマルチタッチ機能が利用できず、Apple Store にあるメモによればまだリリースされていない Wireless Mouse Software Update 1.0 が必要になるという。[訳者注: 2009 年 10 月 27 日に、Leopard 用Snow Leopard 用それぞれの Wireless Mouse Software Update 1.0 がリリースされました。]

格好良い Remote -- Apple はまた、Apple Remote の改訂版も静かにリリースした。Mac のメディア再生やその他の操作のための、赤外線コントローラだ。この新型リモコンは $19 で(以前のプラスチック製から)アルミニウム製に変わったが、4方向のボタンとメニューボタン、再生/一時停止ボタンという構成は以前と同じだ。

Apple-Remote

ボタンのレイアウトは少し変わった。再生/一時停止ボタンは以前は4方向ボタンの中央に配置されていたが今回は下の方になった。

ベースステーションの調整 -- AirPort Extreme と Time Capsule ベースステーションも、微妙なものながら重要なアップグレードを受けた。ただ、その詳細について Apple は記者会見の席でしか語っていない。Macworld がそのことを教えてくれた

どちらの機種のベースステーションにもアンテナのデザイン改良が盛り込まれ、Apple のサイトによれば「前世代の AirPort Extreme Base Station と比較して、Wi-Fi のパフォーマンスが最大 50 パーセント向上し、通信範囲が最大 25 パーセント拡大」したという。

Apple は明らかに、802.11n ルータに対応した multiple-in, multiple-out (MIMO) アンテナシステムを改良することによって、従来の 802.11g ワイヤレスネットワーキング標準に比べてこれほどに進化した結果を実現しているのだろう。このことは、Engadget が見つけ出した FCC 書類によっても確認できる。

Apple は従来 2x2 配列を使っていた。受信アンテナが2本と送信アンテナが2本だ。これが今回 3x3 に昇格させられた。このため、例えばベースステーションから 30 フィート (9 m) 以上離れた場所で移動中であっても通信速度が高速に保てるようになった。通信レートを低くする代わりに、受信アンテナの感度の向上と送信アンテナの送信容量の拡大とによってレートを高く保てるのだ。このことでまた通信範囲も全体的に改善できる。

将来、Apple は全体的なデータレートを高くすることに踏み切るかもしれない。送信・受信のアンテナは組になって、組ごとに独自のデータストリームを送る。現行のベースステーションでは2つのストリームを 2.4 GHz で、さらに2つのストリームを 5 GHz で送ることができる。将来の機器ではこれらが3つずつとなり、データレートを 300 Mbps から 450 Mbps に引き上げることができるようになるだろう。かなり詳細にわたった技術情報が、Glenn の Wi-Fi Networking News 記事にある。

Apple はまた Snow Leopard における Time Machine バックアップを Time Capsule にする際の調整も行ない、Time Capsule ウェブページの記述によれば 2009 年 3 月にリリースされた機種に比べて今回の新型 Time Capsule ではバックアップが最大 60 パーセント高速になったという。

Time Capsule はネットワーク経由でバックアップすると信じられないほど効率が落ちることがあるが、このためにハードウェアとソフトウェア双方の変更が必要だったのは驚くべきことだ。Apple が Time Capsule の中でプロセッサ速度を上げたことも考えられる。ただ、独立ハードウェアやモバイル機器の技術仕様を同社が公表することはほとんどない。

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Apple、Q4 2009 で $1.67 Billion の利益を計上

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>, Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple は、四半期の業績発表の度に新たに破る記録を見つけ出すようである。2009年の第4四半期でも、同社は幾つかの注目に値する記録を打ち立てた:これまでのどの四半期よりも多くの Mac (3.05 百万台) と iPhone (7.4 百万) を販売し、売上げ $9.87 billion、純利益 $1.67 billion、または希薄化後一株当たり利益 $1.82 に貢献した。また教育市場に対しても最高の四半期を記録し、前年対比で 12% の成長であった。

これに対して前年同期は売上げ $7.9 billion、利益 $1.14 billion であり、2009年第3四半期は売上げ $8.34 billion で利益 $1.23 billion であった ("Apple の Q3 決算、12 億 3 千万ドルの純益" 21 July 2009 参照)。この四半期の売上げは Apple の史上最高の四半期にほんのちょっと及ばないだけのものであった。史上最高だったのは 2009年第1四半期で、これには 2008 年のホリデイシーズンの売上げも含まれていた ("Apple の Q3 決算、12 億 3 千万ドルの純益" 21 January 2009 参照。)

Apple は iPhone と Apple TV の売上げは機器の想定寿命に亘って計上するので、売上げの数字には実際の売上げに伴うお金の全てが計上されるわけではない。非 GAAP (Generally Accepted Accounting Principles) の結果だと - 実際に入ってくるお金 - 売上げは $12.25 billion (前四半期は $9.74 billion) で、利益は $2.85 billion (前四半期の $1.94 billion から上昇して) となる。

Apple の経営陣は極めて率直で、Chief Financial Officer Peter Oppenheimer と Chief Operating Officer Tim Cook の両者とも、Apple がこの四半期にある種の製品、とりわけ iPhone 3GS についてはもっと販売のための在庫があったらと正直に悔しがって見せた。彼らは、昨年の轍を踏まぬよう今年のホリデイシーズンに製品が小売店に十分に行き渡るようにするため空輸費用が増加していることについても正直に認めた。

国際市場での iPhone の拡大 -- Apple は 10月の終盤にも iPhone が中国でも売られ始め、そして英国とカナダではキャリアとの関係も拡大し - それぞれの国で一つ以上のキャリアが iPhone を提供するようになると語った。中国は以前から予想されていた市場ではあるが、中国向けの iPhone は Wi-Fi が不能にされ他の機能も変更されるだろうという噂もある。

カナダと英国は、競合するキャリアが iPhone を売るようになるたった二番目と三番目のスマートフォン市場になる。フランス政府は今年初めに Apple に対して、最初の独占プロバイダである Orange の他に二つのキャリアからも販売させるよう強制した。米国では、AT&T 以外では T-Mobile のみが iPhone をサポートできる仕組みを持っているが、その非標準の 3G セルラー周波数帯とその規模の小ささから、T-Mobile が AT&T に対抗できると見做せる様になる可能性はきわめて低い。

売行きの良かったモデル -- Cook はこの三ヶ月は "ポータブルの四半期" であったと言い、同社の記録となった Mac の販売は 6月に装いを新たにした MacBook Pro モデルの後を追って出された注文に後押しされたことを認めていた。販売された Mac のほぼ四分の三がラップトップであった。(その前の四半期の 2.4 百万台の Mac の販売も又ポータブル Mac への需要によって間違いなく影響を受けた。)

誰にとってもびっくりする話ではないと思うが、$29 というアップグレードコストのお陰で Mac OS X 10.6 Snow Leopard の販売開始 5 週間でのその売上げは、Mac OS X 10.5 Leopard の同じ期間の売上げの倍となっている。

iPhone の販売も特筆すべきであろう、と言うのもそれが四半期で一番売れたと言うだけ無く、相当苦労して達成したものであるらしいからである。Cook も Oppenheimer も iPhone 3GS に対する需要は完全に在庫を空にしてしまったと繰り返し述べていたが、同社が在庫補充が出来るようになったのは 9月後半から 10月前半になってからだと言う。

iPhone を語るのに App Store に触れないわけにはいかない。そこには今や 85,000 のアップスがある。Apple によると、これまでに顧客によるダウンロードは 20億に達し、そのうちの 5億はこの 9月四半期に記録されたものだと言う。

いつもの様に、同社は App Store の売上げを公表していないし、無料のと有料のアプリケーションとの間のダウンロードの割合も明らかにしていない。この区別もアプリケーション内での購入やアップグレード、そして無料アプリケーションがアプリ内で有料アップグレードを提供するのを許すと言う App Store の方針変更で更にはっきりしなくなるであろう ("アプリ内課金で無料アプリの機能ロック解除が可能に" 16 October 2009 参照)。

一方 iPod の売行きは前年比でやや落ちたが (10.2 百万台、8% の減少)、購入者の半分は初めての iPod を手にした人達で、米国、日本、オーストラリア、カナダ、そして英国の人達がそこに含まれると Apple は語っている。iPod touch のお陰で売れ筋も変化があり、iPod touch は同じ比較期間で 100% の伸びを示した。Apple は iPod のモデル間での具体的な売上げ割合の数字は公表していないが、これまでの販売数字の公表を基にして見ると、最大で全 iPod 売上げの半分は iPod touch によるものだと言うことが可能かもしれない。

同社は、9月下旬に発表された製品構成と値段の変更とが来るべきホリデイショッピングに対するお膳立てとなったことを認めている。変更があったものには、最低価格の iPod touch の値下げ、そしてiPod nano, shuffle, そして classic モデルの更新が含まれる。

販売店も脚光を浴びる -- Apple はその販売店に関する少々の詳細についても公表したが、それによるとこの実店舗の方も成績がよく記録となる $1.87 billion の売上げを達成した。この額に貢献したのは 670,000 台の Mac の販売で、このうち半分は Mac は初めてと言う人によって購入されたものである。店舗当りの平均売上高は $7.1 million で、小売部門でのマージンは $410 million, 又は 22% であった。販売店は 45.9 百万人の訪問者を迎え、608,000 の個人トレーニングを行い、そして 208,000 の One-To-One メンバーシップを販売した。

この四半期の間に、Apple は 72 の店舗を改装し、15 の新店を開いて全世界では 273 店舗となった。史上初めて海外での新店の数が米国のそれを上回った;フランスでも更に二つの店が開く予定であり、その一つがルーブルである。("Mona Lisa, Lisa をよろしく"?)

会計規則の変更で将来の数字に影響が出る -- COO Oppenheimer は最近の Financial Accounting Standards Board (FASB) の規則変更に触れて、iPhone と Apple TV の売上げが計上される基礎が修正されると語った。その結果同社が新しい規則を採用した後の四半期は Apple の売上げも利益も増えたように見えるであろう - 勿論 iPhone の売上げと利益率が引き続き強いまま推移すればの話ではあるが。

これら二つの製品はハードウェアとソフトウェアがバンドルされて売られていて、Apple は製品が売れた時点でその初期の売上げをある一定期間 - 同社は 24 ヶ月と決めた - にわたって配分しなければならなかった、これは最初に売られた機器の機能を変えるソフトウェアアップグレードを勘定に入れるためである。

この規則変更は、企業は一年以内に採用しなければならない、Apple が売上げの多くを最初に計上し、比較的小さな部分だけをアップグレードのために 24ヶ月間の準備金にまわすことを可能にする。"我々はこれらの製品に対して売上げのかなりの部分を販売時に計上することになるであろうと思っている" と Oppenheimer は語っている。会計基準の採用に関わる複雑さに言及して、彼は Apple が何時からこの変更を採用するかをはっきり言わなかったが、期限よりは早めになる可能性を示唆した。

勿論、これによって Apple がいくら儲けていくら使うかが変わる訳ではないが、投資家やアナリストは Apple の現在の財務状態の絵に対するより的確な感触を、更なる分析を加えることなく得ることが出来るであろう。Apple が現在行っているカテゴリ割では分析すると言ってもその中には不可能なものもある。

アナリスト達が増大した空輸費用に関して何かもっと具体的な情報を引出そうと試みた後、Cook はこの電話会議の終わりにちょっとパンチを利かせてきた。"空輸費用が増えているのは、私がどうやったらホリデイシーズンを動かせるか分かっていないせいだ。" と彼は語り、それから "我々もこの様な催しでは多少は楽しまないとね。" と締めくくった。Cook は明らかに翌日に予定されていた新しい iMac, Mac mini, そして MacBook モデルのリリースについて口を閉ざして楽しんでいたのであろう。

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Barnes & Noble の Nook が本を読む

  文: Doug McLean <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Barnes & Noble[訳者注: 米国最大の書店チェーンです]が、Nook という独自の機器で、電子ブックリーダーの世界に正式に参入した。この Nook 機には 6 インチの E-ink Vizplex ディスプレイに加えて第二の 3.5 インチカラー液晶タッチセンサー式スクリーンもナビゲーション用に付いており、Amazon の Kindle リーダーに対する本格的な対抗機種となるだろう。現在既に予約注文を受け付け中で、2009 年 11 月後半には出荷が始まる予定だ。

高さ 7.7 インチ、横幅 4.9 インチ、厚さ 0.5 インチ (19.6 × 12.5 × 1.3 cm) という Nook は、Kindle に比べて少し小さいけれども少し厚い。また、Nook の方が 11.2 オンス対 10.2 オンス (317 対 289 g) と少し重く、バッテリ寿命は少し短い (10 日対 14 日)。でも、両者で全く同じところが一つだけある。$259 という価格だ。単に電子ブック業界のシェアにあずかりたいという気持ちを示すのみならず、Barnes & Noble は、国内書籍販売業界のもう一つの巨人にぴたりと照準を合わせてきたのだ。

Nook

それぞれに独自の用途を持った二つのディスプレイを搭載するという決断は、本を読むためとナビゲーション用の両方に E-Ink ディスプレイを使う際の弱点を克服するための試みだ。E-Ink のテクノロジーはリフレッシュが遅いので、本の中を動き回ったりメモをマークしたりするために使うとフラストレーションがたまる。ただし、Amazon は第二世代の Kindle でこの点に見事な仕事をしてみせた。

Barnes & Noble は 6 インチの E-Ink ディスプレイを Nook の上部に置き、これを本を読むため専用に使う。この E-ink スクリーンはサイズもその他の仕様も Kindle のものとほとんど同一で、同じ 16 階調のグレイと調整可能な文字サイズを提供する。

Nook の下側、E-Ink ディスプレイの手前に、3.5 インチのカラー液晶スクリーンが置かれ、これがタッチスクリーンとなっているのでナビゲーションや機器のコントロールに使える。このカラースクリーンに、あなたのライブラリにある本の色鮮やかな表紙が表示される。Amazon がしたようなハードウェアのキーボードは装備せず、その代わりにこの Nook では iPhone のものに似たソフトウェアキーボードを提供して、入力が必要になれば現われるようになっている。

Nook には 2 GB のストレージが内蔵されており、その点は Kindle と同じだが、これに加えて microSD フォーマットを用いたメモリ拡張スロットも備えている。Nook は最大 16 GB のサイズの microSD カードを読むことができる。

興味深いことに、Nook は Android 1.5 をベースにしている。これは Google が開発し、後に Open Handset Alliance によって引き継がれたモバイル用オペレーティングシステムで、これまでスマートフォン以外の機器には使われていなかった。

Nook は基本的にワイヤレスと USB という二つの接続性を提供する。これも Kindle と同じだ。Kindle と同様に、Nook から購入するのはワイヤレス接続を通じてしかできず、個人的なコンテンツ(PDF や MP3、スクリーンセイバの画像など)は USB で転送しなければならない。

けれども Amazon の機器とは異なり、Barnes & Noble は 3G セルラーネットワーク接続(このアクセス料金は本体の購入価格に含まれている)と 802.11g Wi-Fi 接続の両方を盛り込んだ。この 3G サービスは AT&T のネットワークに依存するが、AT&T のデータ標準は世界中で支配的なものであるので、これは将来の展開を予感させるものかもしれない。Amazon は最近国際版の Kindle をリリースしたが、これは Sprint のネットワークの代わりに AT&T のネットワークを使うという点以外は従来の機種と同じものだ。(2009 年 10 月 8 日の記事“Amazon が Kindle を米国以外に拡張”参照。)

Wi-Fi 接続をどうやって設定するかの情報は乏しい。国内用の Kindle にあるような(Amazon はこれを「実験的」と称しているが)内蔵ブラウザはないので、ウェブベースのデータ入力やボタンのクリックを必要とするネットワークにログインすることは不可能だ。おそらくこの機器は設定画面経由で完全にオープンなネットワークか、あるいはシンプルな WEP または WPA/WPA2 Personal パスワードを要するネットワークかに接続するのだろうが、まだ確認はできていない。

Barnes & Noble によれば、同社の店舗内では自動的に Wi-Fi サービスに接続されて、来店するすべての顧客に無料で Wi-Fi が提供されるという。さらにボーナスとして、Barnes & Noble の Wi-Fi ネットワークを使えば、来店中のみ同社のライブラリにある本が一冊無料で読めるという。

Kindle に対してしばしば寄せられている批判の一つが、オープンなフォーマットで読めないものがある点だ。EPUB ファイルもそうだ。EPUB は業界標準フォーマットの一つで、デジタル著作権管理のために暗号化で保護(何をどこで読めるかをコントロール)でき、その一方で機器から機器へと自由に転送できるオープンなフォーマットとして使うこともできる。また、標準版の Kindle は PDF ファイルもサポートしていない。大判の Kindle DX には PDF のサポートがあるが、ブックマークやリンクを扱うことはできない。PDF やオープンな EPUB ファイルを(あまりうまく行かないこともあるが)変換して Kindle に直接転送することはできる。

この Nook では、変換なしに EPUB や PDF ファイルが読める。さらに、ネイティブのフォーマットで Barnes & Noble が直接販売する電子ブックに採用した eReader フォーマットも読める。Nook はまた内蔵のモノラルスピーカーあるいはステレオヘッドフォンジャックを通じて MP3 の再生もできる。

Nook の技術仕様ページは、どのブックフォーマットがワイヤレスにダウンロードできるか、どれが USB 接続を要するかについて少し分かりにくい書き方をしている。このサイトの書きぶりでは、EPUB および eReader ファイルは USB 接続を必要としないと読める。ということは、Barnes & Noble のライブラリ以外の場所から 3G あるいは Wi-Fi の接続を使って本を購入したり無料の本をダウンロードしたりすることも可能なのかもしれない。PDF や、画像ファイル (JPEG、GIF、PNG、BMP の各フォーマット)、それに MP3 ファイルについては USB 経由でコピーしてこなければならない。(画像はカスタムのスクリーンセーバとして用いることができる。)

Barnes & Noble は、Kindle の弱点と思われるもう一つの点も突くことに決めた。Amazon のリーダーの内蔵バッテリはユーザーが交換することはできない。この Nook は交換可能なバッテリを持っており、電源へのアクセスのない長い旅行をする人、あるいは古いバッテリが切れかけてきた際にも便利だ。

Barnes & Noble は 以前から電子ブックの販売をしてきた。これは Windows や Mac OS X ではデスクトップソフトウェアを使って、また iPhone や iPod touch、それに一部の機種やリリースの BlackBerry や Windows Mobile ではモバイルソフトウェアを使って読むことができる。現在のストアもそうだが、それらの本の多くは(どれだけの冊数かは発表されていない)Nook あるいは他のリーダーソフトウェアを持っている人に最大 14 日間貸し出すことが許されている。もともとその本を購入した人が貸し出している期間中その本を読むことはできない。

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LaunchBar 5.0.1、Snow Leopard で動作、クリップボード履歴を追加

  文: Matt Neuburg <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

TidBITS 読者の方々や私の Take Control 本をお読みになった方々なら、私が Objective Development Software の製品 LaunchBar なしには生きて行けないことをたぶんご存じだろう。(例えば 2007 年 8 月 6 日の記事“LaunchBar 中毒を治療する”や、“Take Control of Exploring & Customizing Snow Leopard”参照。)LaunchBar は私の毎日時々刻々の Mac 使用であまりにも決定的に重要なので、私はこれの動いていない Mac などほとんど耐えられない。そんな Mac の前でなら、私は口をポカンと開けて座ったまま、じっとして、何もできず、仕事は一つも進まないだろう。当然ながら、Snow Leopard に移行しようという時、私にとって気がかりだったのは LaunchBar に依存している私の習性がいきなり妨げられるのではないかということだった。

ところで、実際には LaunchBar 4.3.7 も Snow Leopard でちゃんと動作する。けれども私は一度もその組み合わせを使うことがなかった。なぜなら、私が Snow Leopard に切り替えてすぐ、LaunchBar 5 の存在を知ったからだ。これは 2008 年 12 月以来ベータ版として入手可能となっていて、その時には既に「リリース候補版」の段階に達していた。そこで私は喜び勇んでそれを使い始めた。それが今から何ヵ月か前のことだ。

2009 年 10 月 20 日に、LaunchBar 5.0.1 がリリースされた。バージョン番号が ".1" で終わっているが、これは LaunchBar が「リリース候補版」の段階を脱したことを示していた。だから、私たち TidBITS では通常ベータ版やその他未完成のソフトウェアについては何も記事にしないことを原則にしているので、今回のリリースが私にとって LaunchBar 5 を扱う初めての機会ということになる。

LaunchBar は、私の言う「壮大に探究可能なユーティリティ」の一つだ。それは、私が真の意味で慣れ親しんでいるものよりはるかに数多くの機能を備えている。実際、私が普段これを使っているのは驚くほど限られた少数の方法のみだ。だから、LaunchBar にできることをここですべて網羅しようとするのは止めておこう。読者の皆さんもご自分で探究できる。LaunchBar をダウンロードしたり、オンラインでその説明書を読んだりするだけだ。以下では、皆さんに私の肩越しに覗き込んで頂いて、私がこれを実際どういう風に使っているのかを眺めてみて頂きたいと思う。

まず第一に、LaunchBar とは何かについて紹介の説明を少ししておこう。定期的に、LaunchBar はあなたのハードディスク上である種の情報を索引付けする。例えばあなたの持っているアプリケーション、システム環境設定パネル、ブラウザのブックマークや履歴、それにサービスなどだ。(何を索引付けするか、どの程度頻繁にするかは設定できる。)また、その他にもいくつか内蔵のアクションを実行する。LaunchBar は、あなたがホットキーのショートカットを使って呼び出さない限り、実質的にはあなたの目に見えない。デフォルトのホットキーは Command-Space だが、私は自分のマシンではこれを Control-Space に変えている。

あなたが LaunchBar を呼び出すと、小さなバー状のウィンドウがメニューバーのすぐ下に現われる。これで、あなたは LaunchBar に「話しかける」ことができる。普通にタイプしてもよいし、キーボードショートカットを使ってもよい。「普通にタイプ」するのは、たいてい略語だ。LaunchBar は、タイプした略語を索引の中のものとマッチさせることにかけてはとても賢い。さらに、あなたが使い込むにつれて LaunchBar は学習していく。あなたがよいと思えば、それは通常あなたが Return キーを押すことを意味するのだが、LaunchBar は再び目に見えない状態に立ち戻る。だから、通常私の交流方法はすべてキーボードを通してのものだ。(LaunchBar にはいくつかドラッグ&ドロップを使った機能もある。)それは、こんな風だ: 呼び出して、タイプして、片付ける。この三拍子の作業が、かなり頻繁に起こる。時には毎分一回ずつということもあるし、もっと頻繁になることもある。

では、いったい私はそんな頻繁に LaunchBar 5 を使って何をしているのだろうか? 以下に、私がよく使うことをいくつかざっと箇条書きにしてみよう:

アプリケーションを呼び出す。 アプリケーションを指定するために、私はその略語をタイプする。例えば、TextMate を呼び出すには、Control-Space、TM、Return とタイプする。BBEdit を呼び出すには Control-Space、BB、Return で、その他も同様だ。ここで「呼び出す」と書いたのは、このテクニックがそのアプリケーションが既に走っていても走っていなくても、どちらでも働くからだ。LaunchBar にはアプリケーションスイッチャーもある。Control-Space、Command-R と押せば、現在走っているアプリケーションのリストが現われる。でも、私は走っているアプリケーションと走っていないアプリケーションの区別を完全に無視しておいた方がシンプルだと思う。実際、Mac OS X 自身の Command-Tab アプリケーション切替よりも、あるいは Dock よりも、私はさっき述べた方法で LaunchBar を使ってアプリケーションを切り替えることの方がずっと多い。なぜなら、アプリケーションを欲しいと思う時に私はそれを名前で欲するのであって、分かりにくいアイコンなんか探す時間も趣味もないからだ。

システム環境設定パネルを開く。 LaunchBar はアプリケーション以外にもさまざまのものを索引付けし略語にする。その中で私の日々の使用に最も重要な意味を持っているのはたぶん環境設定パネルだろう。私はいろいろな理由で環境設定パネルをしばしば開く。そんな時、開きたいパネルに達するまでにいちいちシステム環境設定ウィンドウを開くのは、さらに言えばシステム環境設定メニューを使うのさえも、到底効果的とは言えない。例えば、「サウンド」環境設定パネルを開きたければ、たとえシステム環境設定ウィンドウが開いていなくても、Control-Space、SOUND、Return とタイプするだけで、たちまち私の目の前に開くのだ。

アプリケーションに操作する。 ちょっとぼんやりした言い方で申し訳ないが、これはアプリケーションを呼び出すのと同じに始めるのだが、Return の代わりに別のキーボードショートカットを押すことでいろいろのことができるのだ。例えば、BBEdit アプリケーションをディスク上のファイルとして見たければ Control-Space、BB、Command-Return だ。BBEdit に対して Finder の Get Info (情報を見る) をしたければ Control-Space、BB、Command-I だ。

最近使った書類を開く。 これは実際すぐ前の段落 ("アプリケーションに操作する") の話題に属すべきことだが、私にとってこれはあまりにも重要なものなので別に取り上げて説明しておきたい。LaunchBar は、書類を最近それを開いたアプリケーションに対応させる。だから、最近使った書類をそのアプリケーションから探すことができる。私はこれが大いに気に入っている。これこそ、実際に私の頭が思考する方法に調和しているからだ。Apple メニューにも最近使った書類のリストがあるが、こんなものは私にとって意味のないごちゃ混ぜに過ぎない。まずアプリケーションに切り替えてから File > Open Recent メニューを使うのも要領が悪い。その代わりに、(例えば) BBEdit で最近開いた書類を開くには、Control-Space、BB、右矢印キーだ。すると、BBEdit の最近開いた書類のリストが出るので、そこを矢印キーでナビゲートするか、あるいは略語をタイプするかして書類を選べばよい。Return を押せば、選択されている書類が (BBEdit で) 開く。この機能は、LaunchBar がそのアプリケーションの最近開いた書類のリストを実際に認識できる場合にしか働かないので、例えば Microsoft Word とか Excel とかいったような標準的でないアプリケーションには使えない。まあ、人生とはそういうものだ。

Finder で書類を特定のアプリケーションで開く。 この機能は以前から便利だったが、Snow Leopard になって Mac OS X が書類とそれを作成したアプリケーションの間のクリエータコードに基づく対応を切り捨ててしまったため(2009 年 9 月 6 日の記事“Snow Leopard、クリエータコードにひじ鉄砲”参照)さらに一段と重要になった。例えば、今私が Finder にいるとしよう。そこで私は開きたい書類を選択する。例えばその書類を BBEdit で開きたかったとしよう。それには、Control-Space を押して、そのまま Control-Space を押し続ける。 これを Instant Send という。一呼吸する間押し続けると、LaunchBar は選択されているその書類を受け入れて、さらなる指示を待つ。その指示とは、アプリケーションの指定だ。つまり、操作の全体像は次のようになる: Control-Space (しばらくホールド)、BB、Return だ。こうすれば、Finder で選択されているファイルが BBEdit で開く。Mac OS X 自体にも書類を特定のアプリケーションで開かせるための方法がいろいろあるが、私の見たところいずれもこの方法に遠く及ばない。特に、その書類が多価的性質を持つものの場合は、例えば HTML のように、編集する際にはテキストエディタで、表示させる際にはブラウザでそれぞれ開くようなものでは、この機能が非常にありがたいものとなる。

ウェブを検索する。 LaunchBar にはたくさんの「検索テンプレート」が含まれている。つまり、個々の特定の検索エンジンに対して語句を提起するための方法を知っているのだ。Safari には Google フィールドがあるが、LaunchBar は言わば Google フィールドと Wikipedia フィールドと eBay フィールドと、その他にもたくさんのものを全部まとめて持っているようなものだ。Control-Space、G、Return を押すと、LaunchBar は消えずに残り、その小さなバー状のウィンドウはテキスト入力フィールドに変わる。そこに、私は検索したい語句をタイプして、また Return を押す。これで、私がタイプした検索語が私のデフォルトのブラウザから Google に送られる。その上、この機能は Instant Send と組み合わせても働く。例えば、これはよく起こる類いのことだが、友人の一人が電子メールでこんなことを言ってきたとしよう:「ねえ、eBay でアイテム番号 150381062374 を見てみろよ。」すると、私はその電子メールメッセージの中で直接 "150381062374" の部分を選択してから、Control-Space を押してホールドし、EB、Return とタイプする。するとたちまち、eBay でそのリストが開くのだ。

クリップボードの履歴に踏み込む。 Mac OS X になぜ記憶付きのクリップボードが内蔵されていないのか、私には不可解と言うほかはない。CopyPaste や PTHPasteboard など、私はこれまでいろいろなクリップボード履歴ユーティリティを使ってきた。今でもそれらは便利だと思うし、これらのユーティリティには LaunchBar にないクリップボードのパワー機能もある。けれども、現在のところ LaunchBar のバージョン 5 に新設されたクリップボード履歴機能で私には十分以上だと思える。実際、そこには私が実際に使う以上の機能が満ち満ちている。私の設定では、Shift-Control-Option-Command-V を押す。(デフォルトの Command-Option-バックスラッシュよりもこの方が覚えやすい。)すると、LaunchBar はシステムのクリップボードにコピーされた最近の 20 個のもののリストを表示する。そこから一つを選んでから Return を押せば、それが最前面のアプリケーションにペーストされる。

以上が、つまるところ、私が始終 LaunchBar を使っている典型的な方法のまとめだ。確かに、どれをとっても私を LaunchBar のパワーユーザーと呼ばせるようなものはない。実際、私が積極的に利用している LaunchBar の機能がどれだけそのごく小さな一部分に過ぎないかを考えると、ほとんど恥ずかしい気持ちがするほどだ。LaunchBar が他にできることは数多くあるが、その中には私の毎日の習慣に合わないものもあれば、私がはっきりと嫌いだと思うものもある。例えば、URL を直接タイプしてブラウザでそれを開かせるという機能を私は好きになれない。なぜなら、これでは私のブラウザの履歴やブックマークを利用してタイプの最中に候補を「賢く」提案してくれることができないからだ。Safari にも Firefox にもそういう機能がある。また、私は LaunchBar が iTunes をブラウズするインターフェイスが 本当に 大嫌いだ。なぜなら、LaunchBar の中でアルバム経由で一つの曲にナビゲートしてその曲を再生するように言うと、iTunes が順序を無視してアルバムを再生してしまうからだ。

けれども、全般的に考えれば、そのような不具合は別にどうでもいい。私がどうやらごく浅くしか LaunchBar を使いこなしていないことも、どうでもいい。ここで大切なのは、私がいつでもほとんど自動的に LaunchBar を使っているという事実、そして、LaunchBar を持たないユーザーが遅いところで私が LaunchBar のお陰で素早く作業できているという事実だ。タスクを切り替えるために、私はアプリケーションがディスク上のどこにあるとか、そのアイコンがどんなものだったかとかいうことを気にする必要がない。Dock とか、Command-Tab のスイッチャーとかをいじくりまわす必要さえない。そして、LaunchBar のいろいろのコマンドや、私がよく使う略語は、私の指にあまりにもしっかりと染み付いているので、まるで頭の中でアプリケーションの名前を考えただけでそれが前面に出て来たり、最近の、あるいは選択された書類がそれで開いたりするかのようだ。

もしも LaunchBar に興味がわいて、そのさまざまの機能のすべてを概観してみたいとお思いならば、さきほども触れたように、ぜひオンラインの説明書を一読してみられるとよい。私が触れさえしなかった LaunchBar の機能もどっさりあるからだ。(この記事は私の日常の習慣の説明であって、LaunchBar の完璧なレビュー記事ではないからだ。)例えば、LaunchBar はフォルダ階層のナビゲーションができる。あなたの Address Book や iCal カレンダーに興味深い方法で分け入ることができる。AppleScript を走らせることもできるし、オプションとしてテキストやファイル参照をそのスクリプトに渡すこともできる。辞書で単語を調べることもできる。内蔵の電卓もある。その他盛り沢山だ。

もう一つ言い添えると、私はここで LaunchBar を他の競合するランチャーのユーティリティと比較するつもりはない。例えば、私は QuickSilver について何も有用なことを言うことができない。なぜなら、それは私が使っているものではないからだ。(もちろん QuickSilver が無料だというのは長所だが。)その一方で、LaunchBar の機能が Mac OS X 内蔵の Spotlight によって何らかの意味で補完できると考えるのは、LaunchBar の本質を誤解していることになる。LaunchBar がいろいろなことに略語を認識できる機能や、あなたが使った新しい略語を学習できる機能、提供されるものの多岐にわたる広範さ、これだけ揃えばもはやこれは Spotlight とは格が違うユーティリティだ。私は両方ともを使っている。例えば、書類を名前や内容で検索するのは、明らかに Spotlight に向いた仕事だ。実際、両者は一緒に働く。グローバルなキーボードショートカット (デフォルトでは Command-Option-Control-Space) で、LaunchBar は Spotlight への窓口となるからだ。

この、ほとんど読心術を使いこなすとも言える LaunchBar をご自分で試してみるには、30 日間無料の試用版 (2.74 MB) をダウンロードすればよい。LaunchBar 5.0.1 は Mac OS X 10.4 かそれ以降に対応し、価格は 24 ユーロ(以前のバージョンからアップグレードする場合は 9 ユーロ)だ。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2009 年 10 月 26 日

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

iPhoto2Twitter 1.6.1 -- Blue Crowbar Software が iPhoto2Twitter のマイナーなアップデートをリリースした。これは、iPhoto '08 や iPhoto '09 の中で写真を Twitter で共有できるようにするための iPhoto プラグインだ。このアップデートではオンライン共有サービス Mobypicture との互換性を改善し、以前のものより 9 文字少ない URL を使うこのサービスに対応した。このため、あなたの tweet 文が 9 文字分長く書けるようになった。(新規購入 4.95 ユーロ、アップデート無料、566 KB)

Business Card Composer 5 -- BeLight Software がプロ用の名刺デザインソフトウェア Business Card Composerにメジャーなアップデートをリリースした。この最新バージョンでは数百種類の新しい名刺デザインを追加し、インターフェイスを完全に一新し、またオブジェクトのグループ分けや、直線状・放射状のグラディエント、ガイドライン機能などを新たに装備している。

その他の変更点としては、Google Maps と統合してあなたの仕事場の位置を示す地図を名刺に印刷できるようになったこと、2D バーコードをサポートして追加の詳細情報を名刺に組み込めるようになったこと、iPhoto Events のサポートや Aperture ライブラリへのアクセスの単純化などにより写真関係の機能が改善されたことなどがある。変更点のフルリストは BeLight Software のウェブサイトにある。(新規購入 $34.95、アップグレード $19.95、2009 年 8 月 1 日以降にバージョン 4 を購入した場合は無料アップデート、55.9 MB)

SpamSieve 2.7.7 -- C-Command Software が強力な Bayesian スパムフィルタリングソフトウェア SpamSieve のメンテナンスアップデートをリリースした。主な変更点はプレリリース版の Mac OS X との互換性の改善、フィルタリングの正確度の向上、プログラムコードの現代化、ベトナム語ローカライズ版のアップデート、スパムを削除するための Apple Mail スクリプトの改訂版追加などだ。また、Apple Mail コマンド Train as Good が Exchange メッセージを Inbox に移動できなかったバグを修正し、HTML エンコードのメールがデフォルト設定でスパムと認識されなくなった。(新規購入 $30、アップデート無料、3.9 MB)

CrashPlan 10.19.2009 -- Code 42 Software がインターネットベース、ピア・ツー・ピアのバックアッププログラム CrashPlan (無料) をアップデートし、バックアップアーカイブにある古いバージョンを削除する際により細かなコントロールが可能となるようにした。(詳しくは 2007 年 2 月 26 日の記事“CrashPlan: バックアップ再考”参照。)従来は、バージョン履歴保持の設定にしておくと、すべてのバージョンをいつまでも保存するか、それとも最も新しいものを指定された個数だけ保持するかのいずれかしか選べなかった。今後は、過去一週間のものを一日一バージョンずつ保持したり、最近 90 日間のものを一日一バージョンずつ保持したり、過去一年間のものを毎週一バージョンずつ保持したり、あるいは過去一年間のものを毎月一バージョンずつ保持したりできるようにようになった。

CrashPlan+ ($59.99) の顧客は、保存の頻度やバージョン保持の設定についてさらに細かな調整が Settings > Backup > Backup Frequency and Versioning Settings の下にあるスライダーでできるようになり、好み通りのバックアップ頻度や古くなったバックアップの消去などを自分で決められるようになった。

Crashplan-Sliders

また、このアップデートでは Banner プロジェクト (.bnz)、Sandvox 書類 (.svxSite) や OmniGraffle で作成したファイル (.graffle) についてのバンドルサポートが拡張された。さらに、バグもいくつか修正され、主なものを挙げれば "/" によるルートの指定が正しく解釈されなかったバグ、消去されたファイルがフォルダの中に埋め込まれていた場合に正しくリアルタイムに探知されなかったバグ、CrashPlan が走るよう指定されていた時間範囲以外で回復を試みた際にローカルフォルダにあるファイルが復旧されなかったバグなどがある。

現在 CrashPlan を使っているユーザーには、自動的に CrashPlan 10.19.2009 がプログラムによってダウンロードされインストールされ、余計な手順は必要ないはずだ。CrashPlan は無料で、CrashPlan+ の価格は $59.99 だ。CrashPlan Central バックアップサービスへのアクセス料金は個人で年額 $54。ファミリープランで年額 $100 となる。


ExtraBITS、2009 年 10 月 26 日

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

必聴の MacNotables が TidBITS 初期の歴史を語る -- 二部から成るこの MacNotables ポッドキャストで、ホストの Chuck Joiner とともに Adam と Tonya が TidBITS の初期の日々について、幾度かあった苦難の時をいかにして TidBITS が乗り越えてきたかについて、次から次へと物語る。TidBITS 自体には載ったことのない話題もたくさんあるので、ぜひこれを聴いて私たちと一緒に記憶を遡る旅を楽しんで頂きたい。(リンク投稿 2009-10-26)

Dan Moren が Apple の "Disk" 対 "Disc" 説明を語る -- Dan Moren がこの MacUser ブログ記事で、"disk" と "disc" の違いを説明した Apple のサポート記事について面白おかしく語る。このような原稿校正的なことがらを Apple Support が議論するなんてこれまでなかったことなので、Dan は心ゆくまで楽しみつつこの話題を探究する。(リンク投稿 2009-10-23)

Adam が Your Mac Life で郷愁に浸る -- TidBITS の第 1,000 号を祝って、Adam が Your Mac Life ホストの Shawn King と短い対談をする。TidBITS がどうやって生まれたのか、他のインターネット出版とどこが違うのかが語られる。(リンク投稿 2009-10-22)

Adam、Tech Night Owl Live で TidBITS 1000 とクラウドバックアップを語る -- さらに対談は続く。Adam が Tech Night Owl Live ホストの Gene Steinberg と、TidBITS がどうやって生まれたのか、他のインターネット出版とどこが違うのかについて語る。また、バックアップとクラウドベースのデータについての話題や、Barnes & Noble の Nook が噂の Apple タブレットと競合できるかといった話も出る。(リンク投稿 2009-10-23)

Snow Leopard で Boot Camp の Windows 7 サポートが今年末までに -- このサポート記事によれば、Apple は今年の末までに Snow Leopard 下で Boot Camp を経由して Windows 7 の起動が可能になるようにするという。ただし、2006 年に出た Intel ベースの Mac の多くでは Windows 7 が使えない。一方 Parallels 4 は既に 32-bit モードで Windows 7 仮想マシンを走らせる機能を備えている。VMware は、2009 年 10 月 27 日に 32-bit および 64-bit での Windows 7 サポートを備えた Fusion 3 をリリースする予定だ。(リンク投稿 2009-10-22)

27 インチ iMac の大きさを手早く比較 -- Apple から出た新型 27 インチ iMac って、どのくらい大きいのか? Jeff Carlson は、これを置くために机の上を片付けなければならなかった。(それはつまり彼の机の上が散らかっていたからに過ぎないのだが。)この短いビデオは、15 インチ MacBook Pro と、20 インチ 外部ディスプレイ、それに 27 インチ iMac のサイズを彼が比べてみたものだ。(リンク投稿 2009-10-22)

あなたの生活を変えるかもしれない五つのテクノロジー -- PC World に書いた記事の中で、Glenn はあなたがテレビを見たりコンピューティング機器を使ったりするやり方を変えてしまうかもしれない五つのテクノロジーを概観する。その五つとは、USB 3.0、未来の Wi-Fi (802.11ac/ad)、拡張現実、3DTV、それに HTML5 だ。(リンク投稿 2009-10-21)

MacVoices が Glenn にインタビュー: Snow Leopard でファイル共有 -- この最新の MacVoices ポッドキャストでは Chuck Joiner が Glenn にインタビューして、Wake on Demand など Snow Leopard で追加されたファイル共有のための機能について語り合う。以前から予期されていた通り AppleTalk がネットワーキング選択肢から排除されたことについても触れる。(リンク投稿 2009-10-20)


TidBITS Talk、2009 年 10 月 26 日 のホットな話題

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

10.6.1 で iPhoto に iPhone を認識させる問題 -- 最新の Snow Leopard アップデートを施して以来、iPhoto が iPhone を認識する際にトラブルが起こるようだ。(メッセージ数 3)

1000 号 -- TidBITS の第 1000 号に対するお祝いの中から、HyperCard についての議論が起こる。(メッセージ数 17)

MacBook Pro のオーバーヒート -- ある MacBook Pro が、ロジックボードを交換して以来、動作中に熱くなるようになった。(メッセージ数 6)

Apple、Mac mini サーバをリリース -- Mac mini に Snow Leopard を搭載して販売するという Apple の決断について読者たちが議論する。(メッセージ数 35)

アプリケーションが International 環境設定を読まない -- Mac OS X 10.4 Tiger を走らせているある読者が、International (言語環境) システム環境設定に従わないアプリケーションがあることに気付いた。(メッセージ数 2)

新型 MacBook 対 MacBook Pro -- 新型の MacBook が一連のポータブル機の中で立派な一員と言えるものなのか、それとも機能があまりにも制限され過ぎているか、読者たちが議論する。(メッセージ数 9)

中古の Mac の価格 -- 中古の Mac mini を探していた読者が、その価格が意外に高いことに驚いた。(メッセージ数 8)


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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2011年 1月 8日 土曜日, S. HOSOKAWA