TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1011/25-Jan-2010

今週号のニュースの大部分は Mac をめぐるものだが、これは Apple が水曜日に何を発表するかが分かるのは発表の後のみであって、発表前には何も分からないという事実の反映でもある。最も注目すべきニュースは、Apple が記録的な売り上げと収益を示した業績を今日発表したことだ。Mac の (そしてiPhone の) 販売台数は過去最高となった。それから、Mozilla が注目すべき(ただし必ずしも良い方向を向いたものとは言えない)新バージョンの Firefox を出荷し、Apple がようやく Boot Camp をアップデートして Windows 7 をサポートし、最近のコミュニティーの動向としてはパワーユーザー向けの電子メールクライアントを作ろうという草の根運動が盛り上がっている。Joe Kissell は Photoshop Elements で作った写真がウェブに出すとひどい見栄えになるのはなぜかについて詳しく検討した記事を寄稿し、Adam は Amazon が Kindle の門戸を開発者たちに開くことで Apple のアイデアを盗もうという無駄な努力をしていると報告する。今週の注目すべきソフトウェアリリースは、Phone Amego 1.1.9、Firmware Restoration CD 1.8、Things 1.2.9、Spell Catcher 10.3.3、TextWrangler 3.1、Mac Pro EFI Firmware Update 1.4、Xserve EFI Firmware Update 1.2、それに Security Update 2010-001 だ。

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草の根運動で創る新しい電子メールクライアント、Letters

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

あなたは電子メールにかけてはパワーユーザーだと思っていますか? 現在の電子メールクライアントに不満がありますか? そう思っているのは、あなただけじゃない。Mac にはたくさんの電子メールクライアントがある。Mail、Entourage、Thunderbird、Eudora、Mailplane、Mailsmith、GyazMail、PowerMail、MailForge、Outspring Mail、その他にも数え切れないほどあるが、パワーユーザーならば一つのプログラムで同時に満たし切れないような一連の要望の数々を持っている、というのはほぼ間違いない事実だろう。

その状況が、NetNewsWire の開発者 Brent Simmons の書いたブログ記事に端を発した草の根運動のお陰で、これから変わるかもしれない。一つのプログラムで夢を実現するには何が必要かを議論するために Simmons がスタートさせた Email Init メーリングリストにほんの数日のうちに何百通ものメッセージが寄せられ、熱い議論はそのプログラムが3パネルのウィンドウを同時に複数個許すべきかという話題から会話のスレッド処理をするベストの方法まで多岐にわたった。Simmons の執筆による初期ビジョンを述べた書類にはこれら初期段階での決断のいくつかが記してあるが、おそらく今後の議論によってさらに改訂され改良されてゆくのであろう。

その一方で、このプロジェクトが実際に何かの実を結ぶ可能性が、Daring Fireball で有名な John Gruber が非公式グループの代表に選出されたことでぐっと高まった。(Gruber は このグループの Twitter アカウントを引き受けたので、低バンド幅の方法でフォローしたい人はそれも利用できる。)Flying Meat Software (Acorn や VoodooPad のメーカー) の Gus Mueller が技術主任を務めるが、これはオープンソースのプロジェクトなので、あくまでも多くの人々が貢献することが前提となる。

おおよそ似たようなプロジェクトは過去にもいくつかあって(私が始めたものもある)結局うまく行かなかったものが多いが、私に言わせれば Letters と名付けられた今回のプロジェクトは、この話にかけては人並み以上に殺気立って意見を述べ立てる人たちの必要に応えなければならないという点で、多くの困難に直面していると思う。プロフェッショナル級のソフトウェアを開発するのは容易なことではない。それに、電子メールは単純なものと捉えられがちだが、実際これは膨大な種類の境界領域を抱えたエコシステムなのだ。多くの電子メールサーバやクライアントの間での適合性の問題もあるし、当然ながらスパムによる大量の不正使用の問題もある。

そうは言うものの、十分に機能的な Letters 1.0 を出荷にまで持って行くのが容易でないのは確かだけれど、私はそれが実現する可能性は十分あると思う。なぜなら、このプロジェクトに参加している人々の多くが、この仕事の難しさを理解していると同時に、それを実現させるために必要な経験と能力を持った人物だからだ。でも、すぐには実現しないだろう。Gruber は、最近の議論のスレッドの中で、Letters 1.0 が Mac OS X 10.7 を要するかもしれない、と述べている。Mac OS X 10.7、それについて Apple はまだ一言も公に発言していない。

そういうわけで、もしもあなたが貢献できるようなスキルを持っているなら、あるいは標準のメール体験を改善できるためによく考え抜かれたはっきりとした意見があるだけでもよい、そういうあなたはぜひ、Email Init メーリングリストに参加して、何か力になれるかどうか確かめてみてはいかがだろうか。

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Apple、Q1 2010 で史上最高の売上げと利益を記録

  文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple は本日 2010 年最初の会計四半期の業績を発表した。売上げ $15.68 billion そして四半期利益 $3.38 billion、或いは希薄化後一株当り利益 $3.67 である。しかしながら、気をつけなければいけないことは、これが当該四半期での iPhone の販売からの売上げが組み込まれた初めての四半期であることである。これまでは、この機器からの収入は想定される寿命である 2 年間にわたり分配されて計上されていた。

ああ、問題じゃないよね!Apple は Mac と iPhone でこれまで最高の売上げを記録し巨額のお金を稼いだことには変わりなく、これで最高の四半期を更に更新したこととなる。一年前の数字を言うと - 第一四半期は Apple のホリデーシーズン売上げを計上する四半期であることからも意味がある - 売上げは $11.88 billion で利益は $2.26 billion であった、つまり売上げは 32% 増え利益は 50% 増えたということである。教育市場に対する売上げはこれまた印象的な前年比 16% 増であり、12月の売上げを歴代最高とした。同社のこの四半期末の手持ちの現金及び有価証券は $39.8 billion であり、前四半期から $5.8 billion の増加となった。

2009年の世界経済は 2008年に引き続き極めて悲惨な状況を経験し、消費者は支出を劇的に減らし、企業は IT 予算を制限し、そして中小企業は日常の融資を受けることすら困難な状況に直面した。コンピュータの販売もマイナス成長となり前例の無いほどの落ち込みとなったことを考慮すれば、Apple の売上げ増は極めて異例であると言わざるを得ない。

Apple は、その全体の粗利率も、ただ維持するだけでなく、改善させることが出来、四半期の粗利率を前年同期の 37.9% から 40.9% へと増加させた。利幅は望ましさを表すには良い指標である:Apple は売価を保ったまま製造コストを減らしそして販売を実際に増加させたのである。大抵のコンピュータメーカーは一般のコンピュータ機器分野でどん底に向けての競争にさらされ、利幅は狭まる一方である。

四半期結果のリリースに引き続いたアナリストとの電話会議の最中、Apple の Chief Operating Officer である Tim Cook は、Apple が今週後半に San Francisco で予定している発表に関して更なる詳細を引出そうとアナリスト達が試みるのに対して、慎重ではあったが同時に冗談も交えていた。ある質問に答えて Cook は言った、 "皆さんが水曜日に我々の最新の創作を見た時の喜びと驚きを今台無しにしたくは無いので。"

Mac の売行き -- このごろでは iPhone の方が Mac よりもより注目を浴びるしそして Apple の売上げに占める割合も大きいが、Mac を過小評価するのはまだ早い。Q1 2010 に Apple は 3.36 百万台の Mac を販売し、前年同期に Apple が販売した 2.5 百万台から見ると 33% の増加である。Cook によれば、これもまた史上最高の販売台数であり、その成長率も業界の率の二倍となっている。それから彼は、Apple の小売店で Mac を買った人の半分は Mac を始めて買うと言う人達であったとも言っている。

ラップトップの方がデスクトップよりも多く売れることに変わりはないが (全 Mac 販売の 63%)、2009年後半に出された新しい iMac モデルはデスクトップの比率を上昇させ、前年同期の 28% から現在の 37% へと押し上げた。悪い方の話では、Mac 一台当りの正味売上げが 6% 下がり一年前の $1,412 から $1,324 となった、と言うことは Apple は Mac 一台当り昨年よりも儲けが少ないということである。

Mac の販売は海外でも好調で、中国では 100% の増加;France, Italy, Switzerland, そして Spain では 40% 以上増;そして Australia では 70% 増であった。

Apple の売上げの中で Mac は $4.45 billion を占めた、これに対して iPod は $3.34 billion そして iPhone は何と $5.58 billion である。iTunes Store やその他の音楽関連の製品とサービスで利益に $1.16 billion 貢献した;周辺機器とその他のハードウェアは $469 million の貢献;そしてソフトウェアとサービスが $631 million の貢献となっている。

iPhone と iPod の売行き -- Apple はこの四半期に 8.7 百万台の iPhone を売った、これは前四半期の 7.4 百万台よりも多く、前年同四半期の 4.3 百万台からは倍増となっている。Cook と Peter Oppenheimer (Apple のシニア VP で CFO) は 70% の Fortune 100 会社が iPhone を現在採用しているかその為の試験中であると語ったが、これは iPhone は企業環境には向かないとするアナリスト達への明らかな反撃である。

過去の数四半期の流れを引き継いで、iPod の総販売数は 21 百万台で、前年同期比で 8% 減となった。しかしながら、同社は売上げの内訳や特定モデル毎の販売数量は明らかにしていないが、iPod touch の売上げは前年に較べて 55% _上昇_ した、そして iPod は今だ MP3 プレーヤーの市場の 70% を占めていると Apple は語っている。

我々の思う所、iPod は、買いそうな人の多くは既に一台持っており、そして技術の方も (コアとなる iPod ラインの中で) 古いモデルから買い換えようと思わせるほどの変化を見せていないという点まで到達したのであろう。そうではあるが、iPod touch は明らかに違っており、そのお陰で Apple の iPod の一台当りの正味売上げ - ドル/台 - も前年同期の $148 から to $162 へと増加している。

iPhone 売上げに関する一番大きな変化は - Apple TV にも影響がある - U.S. Financial Accounting Standards Board によってなされた変更で、これは企業が如何にして売上げと費用とを記録し報告するかのやり方を決めている。古い基準では、定常的なソフトウェアアップグレードが見込まれている製品の初期価格からの売上げは定期的に計上することを義務付けていた。

旧基準下では、iPhone 又は Apple TV が購入された四半期にその販売が認識されそして期の報告に含まれる代わりに、Apple はその売上げとそれに関わる費用を 24 ヶ月又は 8 四半期にわたって分割していた。この基準の変更で Apple はソフトウェアアップグレードの価値に対して一定のドル価値を - iPhone に対しては $25 そして Apple TV に対しては $10 - 付与することが可能になり、機器が販売された四半期に対して全ての売上げとこの金額以外の費用とを計上することが許されるようになった。

Apple は SEC に対して Q1 2007 にまで遡って改訂した会計報告書を提出した。これは、同じ基本の会計上の条件設定を使って年から年への同じ(apples-to-apples - 失礼)比較を提供するためである。

これで毎日を締めた時に Apple が儲けたお金の額が変わるわけではないが、Apple の四半期報告を読みそして同社が現在の製品の売上げからどれだけ稼いでいるのかを理解するのはやり易くなる。Apple はまたもはやもう一式の別の数字- non-GAAP (Generally Accepted Accounting Principles) と呼ばれる - はリリースしないとも言っている。今や GAAP の数字だけで十分だからである。

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Amazon、Kindle を開発者に開き、印税も変更

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Amazon は Kindle - 現時点では単なる電子本を読む機器 - をソフトウェア開発者に対して Amazon が "アクティブコンテンツ" と呼ぶものを作成するため開放する予定だ と発表した。開発者達は今や Kindle Development Kit n についてもっと知ることが出来そして来月ベータが始まる時に通知を貰うのに申し込んでおくことが出来る。"アクティブコンテンツ" は、無料、一回払い、そして定期購読の形で入手出来る。印税料率は明らかにされていないが、Apple が iPhone アップスに払っているものと似たようなものになるのではなかろうか。

Amazon は "アプリ" と言う表現を避けるため遠回りの言い方をしている様に思える、と言うのも Kindle の E-Ink スクリーンは動作が遅すぎて、我々 - そして他の多くの人 - が "アプリ" と見做すものには使えないであろうからである。Apple が iPhone や iPod touch 上で走るソフトウェアに対するこの表現を所有してはいないかもしれないが、それはアプリが出来なければいけない最低限の標準を設定しており、そして Kindle はそれに挑戦するだけのものは持っていない。

私には Kindle アプリが、更新できる Web ページ以上のことを出来るとは思えない;多分 Amazon のプレスリリースでも言及された Zagat ガイド、或いはクロスワードパズルの様なものには使えるであろうが、その他にあまり沢山あるとは思えない。もっとダメなのは、Kindle の入力メカニズムで - 幾つかのボタンと極めて扱いにくいキーボード、そして選択をするための、オリジナルの Kindle にあるローラーバーそして Kindle 2 と Kindle DX のずんぐりしたジョイスティック - これで双方向性を保つのは難しい。Kindle の無料の Whispernet 3G ネットワーキングがどの様に開発者達にも解放されるのかも不明である、Amazon が書籍に対して課している 15-cent-per-MB の配信コストのこともある。

最後に、Kindle Development Kit の能力も私にとっては疑わしいと思わざるを得ない。例えば、Amazon 自身ですら未だそこそこの Web ブラウザを世に出せていないし、Kindle 電子本の表示コードは HTML テーブルすら扱えないのである。

Amazon が Kindle を開発者達に早い時点で開放すると言う考えを持っていたであろう事に疑いは持たないが、Amazon の Kindle 担当の VP である Ian Freed が New York Times に語ったように、その発表の時期は、噂されていた Apple のタブレット機器であろうと広く信じられていたものの来るべき発表から少しでも勢いをそごうと直接狙ったものであるのは明らかなようである。もっともこの Amazon の動きが Apple のニュースに少しでも弱らせる効果があったかどうかは水曜日になるまで知りようもないが、我々としてはそちらに賭ける気はない。

Amazon はまた電子本を出版するのに Kindle Digital Text Platform を使用した作者と出版者に対する印税構造を変更するであろうと発表 した。表示価格が $9.99 かそれ以下の本に対しては、表示価格の 70% の印税を支払う (配達料金を引いた後、Amazon は平均すると一冊当り約 6% になると言っている)。表示価格が $9.99 よりも高いか或いは Amazon の新しい印税構造のほかの要件に合わない本は標準の印税の適用対象となり、それは表示価格の 35% のままである。

Kindle Development Kit の発表と同じ様に、この新しい印税構造も iPhone アップスに対する Apple の 70% 印税に対する対抗処置の様にも見える。これも Apple が来週発表するものが何であれ伝統的な出版者が船を乗り換えてしまうのを心配してのことかもしれない。Apple の発表が実際出版も含むとしたら、個人の作者も TidBITS Publishing の様な小さな出版者も参加するのを許されることを望みたい、ちょうど App Store が全ての開発者に開かれた様に。

もし Amazon が November 2007 に Kindle Development Kit と一緒に Kindle を出荷しそして 70% の印税を提供していたら ("Amazon の Kindle を iPhone と Sony Reader と較べる" 19 November 2007 参照)、それは Apple が iPhone を開発者に開くよりずっと前であり、かなりの影響はあったのではなかろうか。今となっては、これらの変更は延命工作の戦いでしかない。もっともこれらは Kindle 電子本の販売から得られる収入を二倍に出来る作者や出版者にとっては大歓迎であろうことは間違いないが。

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Firefox 3.6、流行のピカピカを装備 (それでも良いところは良い)

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

念のために言っておこう。私は Firefox が好きだ。アドレスバーに何でもタイプできて良い結果が得られるのが気に入っているし、終了した後でも自動的にタブを開き直すことができたり、検索がウェブアプリの textarea フィールド内部まで調べてくれるという事実も嬉しい。私のメインのウェブブラウザはこれだ。

だから、先週 Firefox 3.6 がリリースされたのを見て、私はワクワクしながらそのリリースノートを読み始めた。きっと、Firefox を今まで以上に便利なものにしてくれる新機能があるだろうと思ったからだ。良いニュースはある。Mozilla によれば Firefox 3.6 は、3.5 に比べて 20 パーセント高速化し、フォームの自動補完が頻度と最新度の組み合わせに基づいて項目のリスト順序を決めるようになり、リンクから開いたタブが現在のタブの隣に開くようにできる(そうでなくすることもできる)ようになったという。この最後の新機能が値打ちのあるものかどうかはしばらく使ってみないと分からないが、タブがたくさん開いている状況で新たに開いたタブがずっと離れた右の端に出てくるのは具合が悪いこともある。まあ、感じはいい。でも形勢大逆転というほどではない。

Firefox 3.6 をよりセキュアにするであろう新機能も二つある。注目すべきはプラグインが古かったりセキュアでなかったりした場合にプログラムが警告を出せるようになったことだ。(プラグインを機能拡張やテーマと混同してはいけない。プラグインとは、Firefox 自体がサポートしていないタイプのデータ、例えば QuickTime ムービーなどを表示できるようにしたり、外部のハードウェア、例えば Garmin Forerunner GPS 時計などとコミュニケーションできるようにしたりするものだ。)Add-ons ウィンドウの Plugins 表示で Find Updates をクリックすると、Firefox があなたに プラグインチェックページを開き、これがあなたの持っているプラグインの状況を表示する。ただ、一つだけ問題があって、Firefox は私が持っている十個のプラグインのうち六個のバージョンを判定することができなかった。そのうち三個は名前の中にバージョン番号が含まれているというのに。これではあまり役に立たない。それに、残りの四個は最新だと表示されたが、そのうち二個 (Silverlight と Shockwave Flash) には実際 Up to Date ボタンをクリックしてみたところマイナーなアップデートが出ていることがわかった。まあ、あんまり信頼できないということだ。

Plugin-Check

その他にはウェブ開発者向けの変更点がある。ページのロード時間を短縮するためスクリプトが非同期的に走るように開発者が指定できるようになったし、新しいWOFF フォントフォーマット を使ったダウンロード可能ウェブフォントを指定することもできるようになった。Firefox 3.6 にはまた新しい CSS 属性、例えばグラディエント、バックグラウンドサイジング、ポインタイベントなどのサポートも含まれたし、新しい DOM および HTML5 規格もサポートされた。この二つの規格により、ドラッグ&ドロップや、ローカルファイルシステムへのアクセスをウェブアプリに組み込めるようになった。これでまた一歩、ウェブアプリとデスクトップアプリケーションの境界線が不明瞭になったわけだ。最後にもう一つ、Firefox 3.6 ではサードパーティのソフトウェアがこのプログラムと結合するために使っていた旧来の方法が排除され、そうしたソフトウェアの起こすクラッシュの可能性が減らされた。

それからまた、私は個人的に使うと思わないが、きっとこれをありがたいと思う人はいるだろうと思える変更点がいくつかある。例えば Full Screen モードはキオスクなどで使うのに便利だろう。Ogg/Theora ビデオもフルスクリーンで観られるようになったが、私がそんなものに出くわすかどうか疑わしい。もう一つ、プライベートブラウズ機能が TEMP ファイルを使わなくなったのは素敵だと思うが、これは主に公共の共有システムで使うためのもののようだ。

Personas -- 以上述べてきた機能はすべてどちらかと言えばマイナーな感じがするし、実際マイナーに違いない。けれども Mozilla としてはどうやらこの Firefox 3.6 リリースに何かもっとセクシーな目玉機能が必要だと感じたらしく、そのために "Personas" (ペルソナ) なるものを思い付いたようだ。ご存じかどうかは知らないが、Firefox はテーマをサポートしている。テーマによって、プログラムのビジュアルな見栄えを変更することができる。従来の Firefox 3.5 やそれ以前では、テーマを見つけてインストールする作業は機能拡張を見つけてインストールするのと同じ手間を要した。つまり、あなたが自分でウェブのどこか(Mozilla のアドオン・ディレクトリでもよい)でテーマを見つけ出して、そのページにあるインストールボタンをクリックし、それから Firefox を再起動しなければならなかった。まあ、あまりユーザーフレンドリーとは言い難い。

そこで、Mozilla は Firefox 3.6 で Personas を導入した。私の知る限り、これは単なるグラフィックであって、ツールバーやタブ、その他 Firefox ウィンドウの上部にあるウィンドウ装飾物の背後にある標準のグレイ一色を置き換えるために使う。どうやら persona とは最小化したテーマらしい。その管理には Add-ons ウィンドウの Themes 表示を使うが、そこで Firefox のボタンのタイプやダイアログを変更することができないのでこれはテーマとは異なる。また、フルのテーマを変更するには依然としてインストールしてから再起動という手間が必要だが、persona はサムネイルの上にカーソルを置くだけでプレビューができ、Firefox の再起動は必要ない。(おそらく、ウィンドウの見栄えを変更するのはごく簡単なことで、ボタンやその他を変更する方がずっと困難なのだろう。)

さて、私は決してどうしようもなく古臭い人間と思われたいわけではないが、この persona を 30 個か 40 個プレビューしてみた感想を言わせてもらえば、ツールバーのボタンやタブを頼りにして使っている人がこんなものを使うとは到底思えない。Mozilla は Personas Gallery に 30,000 個以上のデザインがあると宣伝しているが、ほんの数分テストしさえすれば、ツールバーのボタンのテキストやタブのタイトルを読みにくくさせることなく見栄えが良くなることのできるものを見つけ出すのは不可能に近いと分かるだろう。具合の悪いことに、persona の多くは追加のツールバーを表示させることで初めて提供される余分の垂直方向の高さを必要とする。私は 1Password と Google それぞれのツールバーを使っているが、それによりテキスト画像とずれてくるため余計に文字が読みにくくなってしまう。

例として、Fractal Elemental persona を見てみよう。クールな画像であることは間違いない。でも、これでは私のツールバー上の文字がほとんど読めなくなる。それから、Martin Luther King Day の "Keep Climbing" persona は私のブックマーク、1Password、Google のツールバーを全部非表示にするとほとんど何も見えなくなってしまう。うまく行かない実例を見つけるのに検索も何も必要なかった。今挙げた二つとも Personas Gallery のメインページに載っている。

Unreadable-persona
Too-large-persona

この Personas Gallery にはそれぞれの persona ごとにどれだけ多くの人たちがそれを使っているかが表示される。それによると、かなり人気度が高くて何千人ものアクティブなユーザーがいるものもあるらしい。(この記事の最初の原稿を書いていた時点で、最も人気ある persona には 208,000 人のユーザーがあり、その次のものには 54,000 人のユーザーがあった。それから三日後、それぞれの数字は 176,000 と 46,000 に落ち、全体的に人気度の数字はどんどん落ちて行っているように見えた。)それでも、こうした persona によって使い勝手が大きく落ちるという問題は、Apple が Mac OS X にテーマを採用したことが一度もないという事実を考えてみれば火を見るよりも明らかだろう。私は決して良い persona があり得ないと言っているのではない。現在提供されている 30,000 個の中に良いものがないとさえ言っていない。でも、間違いなくビジュアルな大問題を起こすことが保証付きの persona が現に何千個もあるという事実を見れば、プロフェッショナルなインターフェイスデザイナーたちに求人のある理由が分かるというものだろう。

私の助言は何かって? どうぞご自由に、いろいろな persona を試してみられるとよい。でも、あなたがお使いのツールバーの組み合わせに縦の高さがぴったりと合致する persona で、見て美しく、しかもツールバーやタブの文字を見にくくさせない、そういうものが運良く見つからない限り、この機能はパスした方がよい。

それ以外の点では、Firefox 3.6 は既に有能であったウェブブラウザの、素敵なアップデートだ。もしもあなたが既にお使いなら、アップグレードしない理由は何もない。(いや、これは Firefox にいつも言えることだが、新バージョンではいくつかの機能拡張にアップデートが必要なことがある。だから、例えば Google Gears など、あなたが依存している機能拡張でまだアップデートされていないものだあるなら、それがアップデートされるまで待った方がよいかもしれない。)でも、満足して Safari を使っているユーザーがどうしても乗り換えたいと思うほど、Firefox 3.6 は特別なものとは言えない。個人的に、私は現在 Firefox と Safari と Chrome を全部同時に走らせている。それでね、こいつらはみんな、なかなかうまく動いている。それぞれにちょっとしたところで長所や短所はあるが、明らかに大きな違いなんて何もない。

Firefox 3.6 for Mac OS X は 17.6 MB のダウンロード(少なくとも英語 (US) 版はそのサイズ)で、Mac OS X 10.4 Tiger かそれ以降を要する。

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Apple、Boot Camp を Windows 7 対応にアップデート

  文: Joe Kissell <joe@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

何ヶ月にも及ぶベータテストを経て、Microsoft はようやく Windows 7 を 22 October 2009 に出荷した。それからたった数日後、Apple はその Boot Camp ソフトウェア (これは Intel-based Mac を Mac OS X か Windows のどちらかに起動することを可能にする) を年末までには Windows 7 をサポートするようアップデートすると語った。それまでは、Boot Camp は Windows XP (SP2 かそれ以降) と Windows Vista のみをサポートしていた。そして中には Windows 7 をインストールするのにある程度の成功を収めた人もいたが、数多くのバグとコンパチ性の問題が報告されていた。Apple も Boot Camp 上で Windows 7 をサポートするという約束をようやく守った - もっとも数週間の遅れと幾つもの警告付ではあるが。

第一に、アップデートされたソフトウェアをダウンロードする前に、あなたはまず Windows 7 の 32-bit 或いは 64-bit のどちらのバージョンを走らせるのか決めなければならない - Apple はそれぞれに対して異なった Boot Camp を提供している。Boot Camp 3.1 for Windows 64 bit はたったの 275 MB のダウンローであるが、Boot Camp 3.1 for Windows 32 bit の方は 381 MB と重たい。どちらのバージョンも Windows 7 の Home, Premium, 或いは Professional エディションを Mac の内部ハードドライブ上の別個のパーティションにインストールさせてくれる。加えて、このアップデートでは Apple トラックパッドに関わる内容は明らかにされていない問題を解決し、Apple ワイヤレスキーボードとマウスへのサポートを追加、そしてノートブック上の赤いデジタルオーディオポートの LED を使われていない時はオフにする。

第二に、Apple は未だその理由を説明していないが、全ての Intel-based Mac が Boot Camp で Windows 7 を走らせられるわけではない;出来ないモデルは Windows XP か Vista に限定される。Apple のサポートされないモデルのリストには 2006年に出された iMac, MacBook Pro, そして Mac Pro の一部が含まれる;それより新しい全ての Mac は Windows 7 を問題なく走らせられるはずである。

第三に、Boot Camp に Vista がインストールしてあってそれを Windows 7 にアップグレードしたいという人は新しい Boot Camp Utility for Windows 7 Upgrade をインストールしなければならない (Boot Camp 3.1 アップグレードの _後_ でかつ Windows 7 をインストールする _前_ に)。このアップデート無しだと、Mac ボリューム (Vista の下では read-only として表示される) はアップグレードの最中にアンマウントするのに失敗する可能性があり、その場合曖昧なエラーメッセージが表示される。

そして最後に、ある種の Mac は Windows 7 を Boot Camp で走らせるにはもう一つか二つのアップデートを必要とする (これらも新しいオペレーティングシステムをインストールする _前_ に当てられていなければならない):

勿論、これらのアップデートは、もしあなたが VMware Fusion, Parallels Desktop, 或いは VirtualBox といった仮想化ソフトウェアを使って Windows 7 を走らせようと思えば、どれも必要でない。Windows をこの様なやり方で走らせる便利さを思えば - オペレーティングシステムを切替えるのに再起動は必要ない - 仮想化はますますもってより理に適った技術と言える。

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Photoshop Elements の色ずれ問題を解決する

  文: Joe Kissell <joe@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Adobe の Photoshop Elements のユーザーの数多くが、写真を編集して、保存し、ウェブサイトにアップロードしてみたところ、そのカラーが(元の画像は素晴らしく見えるのに)不思議にもブラウザで写真を見るとすっかり色落ちして見える、という奇妙な体験でフラストレーションを募らせてきた。私もこの問題の原因と解決法を見つけ出そうとして長い時間を費やしたが、その過程で私はたくさんのことを学んだ。カラープロファイルとは何かとか、ブラウザによってさまざまに異なったところがあるとか、Photoshop Elements がいろいろな保存の方法ごとにそれぞれ特性を持っているなどという、これまで知る必要があるとは一度も思ったことのなかった事柄を、数多く学んだのだ。(それに、ずばり要点を言ってしまえば、Elements 自体には実際この問題を効果的に解決することはできず、より安価な GraphicConverter ならば解決できるということも私は学んだ。ただし、何をどうすればよいのかはっきりと分かっていればの話だが。)

もしもあなたがこの問題に遭遇したことがあるなら(あるいはこれまでそれと気付かなかったとしても、これから私の説明を読んでそうだったと気付かれたなら)きっとあなたのお役に立てるアドバイスが提供できると思う。もしもあなたが非常にお急ぎで、フランス菓子の説明だのカラープロファイルの本質に関する細かな説明だのを読んでいる暇がないとおっしゃるなら、「実際にはどうやって解決するか (警告付き!)」セクションまでジャンプして頂いてよい。でも、私の話におつき合い頂いて背景情報に少し触れれば、きっとそれも無駄ではなかったと思って頂けるだろう。この記事の文章は長々しいが、いったん私の説明のようにすべての設定が済めば、実際にファイルを使えるフォーマットへと直す変換作業はほんの2秒ほどで、クリックたった一つでできる。毎回長々しい手順を踏む必要はない。でも、自分が何をしているかについての理解が深まれば深まるほど、期待通りに物事が進まなかった際にもうまく適合して対応できるようになるだろうと思う。

料理店の構成要素 (Elements) -- 私は、フランスに引っ越すよりずっと以前から、David Lebovitz のブログをいつも読んでいた。David は長年、あの有名な Berkeley のレストラン Chez Panisse でパティシエ(デザート職人)として働いていた。そう、伝説の Alice Waters が創立した店だ。その後彼はパリに移り、デザートに関する本を書いたり、チョコレートツアーを企画したり、フランスでの体験を記したブログ(もちろん主な話題は食べ物だ)を書いたりしている。そして、知性的で洗練された人物である彼は、当然のことながら Mac ユーザーでもある。

食べ物(特にデザート)と Mac、それにパリ、と興味の共通する点が多かったので、私はぜひ David に会いたいものだと思っていた。でもなぜかその機会がないまま時間が過ぎ、パリに来てから二年が経った去年の夏に、ようやくそれが実現した。近所の料理本専門の書店で David がサイン会を開いていたので、私はそこへ行き、サイン入りの彼の著書 "The Sweet Life in Paris" を買ってから、彼と楽しくおしゃべりをした。私が自分の職業を明かしたところ、すぐに彼はこう言い出した。「おお、それなら、Photoshop Elements で私が悩まされている問題で、助けてもらえませんか。」私はできる限りのことをしたいと答えた。私自身 Elements ユーザーだったし、同僚の TidBITS 管理編集者 Jeff Carlson は Elements についての本を書いていたので、このプログラムに関する何か一般的な技術的問題で私が解決の手助けになることができないとすればそれはプロとして恥ずべきことだと思えたからだ。私は彼に自分の電子メールアドレスを教え、その後彼は問題の詳細を書き送ってきた。

彼が説明した問題はこうだ。(彼のメールにはサンプル写真もあり、また同じような問題に出会った他の Elements ユーザーたちによるオンラインの議論にリンクする URL も多数付いていた。)Photoshop Elements で(あるいは別の画像編集プログラムで)完璧なまでにレタッチを入れて最高の出来映えの写真を仕上げる。その写真のカラーは、カメラのディスプレイでも、iPhoto でも、Elements でも、さらには Preview でさえも、鮮やかで素晴らしく見える。でも、その写真がウェブに上がってそれをブラウザで見ると、何かが起こってしまっているのだ。

ウェブ上の写真と、Mac 上の元の写真とを並べて見れば、その違いは明らかだ。ウェブに上がった写真は、光沢のない、のっぺりした感じなのだ。理由はあとの説明で理解して頂けるが、この効果はセットアップの環境によってはうまく再現するのが難しいこともある。とにかくここに問題の実例となるサンプル画像を示しておこう。左半分が意図したカラーで、それを Firefox 3.0 に登場させると右半分のようになる。(ここで私が「元のカラー」と言わずに「意図したカラー」と形容したことに注意されたい。このサンプルでは問題を強調するためにあえて元の写真に修正を加えてある。)

Image

さて、あなたがどんな写真を撮ってそれをどのように使うかによって、この効果は(たとえ気付いたとしても)実際問題としては別に気にならないかもしれない。それに、この効果は必ずしもすべてのカメラやすべてのファイルフォーマットで起こるわけでもないし、あなたが Photoshop Elements なり他のプログラムなりで写真の処理をしたかどうか、したとすればどのようにしたかにも依存する。けれども、例えばあなたがプロのフードライターで、ブログの読者たちに完熟したトマトや桃の色がどんなに美しいかをありのままに見てもらいたいと願っているとすれば、これは本当に大問題だ。

David には、ひょっとしたら自分が正しい方法で写真を保存していなかったのではないかという気がしていた。Elements には Save As と Save for Web という別々のコマンドがあって、これらは異なった挙動をする。それに両者ともそれぞれに多数のオプションを提供していて、平均的市民にとってはわけがわからないものもある。でも、保存の手順をいろいろに変えてみても、やはりうまく行かなかった。何時間も Google してみたり、討論フォーラムに書かれていたヒントを試してみたり、直接 Adobe に連絡を取ってみたり(この会社は Elements は何も変なことをしていないと言うだけでそれ以上は助けにならなかった)したあげく、結局 David にはフラストレーションが溜まっただけで、彼としては私が解決法を見つけられることを願うしかなかった。

調べ始めた当初、私にはこの問題の原因がどこにあるのかさっぱり見当がつかなかった。David は Photoshop Elements が何か変なことをしているのではないかと疑っていたが、同時にこれは (彼の写真がホストされている) Flickr か、アップロードの手順か、それとも彼の使っているブログ用ソフトウェアに、何らかの問題があるのかもしれないとも思っていた。そこで私はまずこの問題に関係ありそうな記事をウェブで見つかる限り探して読んでから、たくさんの実験をしてみた。手始めに、彼のカメラにあった写真を、そのカメラにあるそのままのフォーマットで取り出した。私はそれをさまざまの方法で処理して、さまざまの方法で保存したりアップロードしたりしてみた。それからさまざまのブラウザで表示させてみた。色落ちした見栄えが再現できるやいなや、私はさらにたくさんの実験をして、何が問題を引き起こしているのか、これを避ける方法が何かないかどうか、見つけようと試みた。

カラープロファイルはどう動く (あるいは動かない) か -- 私がテストをしながら発見したのは、この問題が「カラープロファイル」と呼ばれているものに何らかの関係があるということだった。その時点で、これが何なのかについて私はただぼんやりとした感じしか持っていなかった。David から聞いたこの問題についてさまざまの議論を読みながら私が拾い集めた、カラープロファイルについてのいくつかの事実をここにまとめておこう。

David のカメラから来た元の JPEG 画像は(他の多くのカメラから来たものもそうだが)ただ画像の生データ(つまり、このピクセルはこのカラーであちらのピクセルはあのカラー、といった情報)を含んでいるだけではない。それ以外に「カラープロファイル」と呼ばれる一塊のメタデータも含んでいる。これはカメラによってそこに置かれたもので、表示プログラムがカラーをどのように解釈すべきかを指定するものだ。(David のカメラの場合、写真に追加されたプロファイルの中には、他のいろいろの情報とともに、彩度を上げよという指示が含まれている。だから、この写真の色は生の画像データが作り出すものに比べてより鮮やかでより豊かなものに見える。他のカメラのプロファイルはまた違った挙動をするかもしれない。)Photoshop は、通常版 Photoshop も Photoshop Elements も、問題なくそのプロファイルを読み取れる。(さらにさまざまの異なったプロファイルの間で切り替えることもできるし、写真からプロファイルを丸ごと削除することもできる。)Preview も Safari もそうだ。だから、そうしたプログラムはどれも、元の画像を見たときにあなたが期待する通りのカラーで表示するのだ。

それに加えて、もしあなたが (Elements でも他の版でも) Photoshop で画像の調整を施して、それから Save As または Save for Web で最も正しい設定の組み合わせを選択したならば、保存または書き出しされたそのグラフィックも適切なカラープロファイルを持つことになるので、正しくプロファイルを読み取れるプログラムならばどんなもので見てもやはり完璧な写真として見える。

こうしたことの結果、もしもあなたが、そしてあなたのサイトを見ているすべての人たちが、常に Safari (これはカラープロファイルをサポートしている) を使って見ていさえすれば、解決法はごく単純だ。なぜなら、必要なことはたった一つ、どんな種類の保存にせよあなたが保存のコマンドを使う際に正しいやり方で設定をチェックしたりチェックを外したりすればよいからだ。そうすれば、正しいカラープロファイルがその保存された画像の中に埋め込まれるので、ウェブページの中で見た場合にもあなたの Mac で Photoshop Elements を使って見た場合と同じに見えるようになる。

でも、当然ながらすべての人たちが Safari を使っているわけではない。(古いバージョンの Firefox は駄目だが)Firefox 3.5 もやはりこれらのプロファイルを読み取れることになっているのだけれども、私が実験してみた限りではそれがどうも一貫していないのだ。(これはあくまでも私の観察の範囲だが、リリースされたばかりの Firefox 3.6 では何も問題がなかった。)その一方で、Windows の Internet Explorer や、他にも多くのブラウザは、どうやらプロファイルを完全に無視するようだ。だから、Safari ユーザーや、その他賢くて最先端のブラウザを使っている幸運な一部の人たちを除けば、あなたが画像を保存した際に正しいプロファイルが保たれるようにときちんと選択した設定が、結局何の役にも立たないことになってしまう。

手短に言い直せば、カラープロファイルというものは理論的には素晴らしいアイデアだし、カメラや Mac や Safari という宇宙の範囲内にいる限りにおいては何の問題もなく働くのだが、そうした世界の外側に踏み出したとたんに、働かなくなってしまうかもしれない。あなたが何をしたとしても、画像のカラーを期待通りのものにするためにあなたがプロファイルに依存しているならば、そしてプロファイルを尊重しないプログラムでその画像を見るならば、画像は正しく見えないだろう。

問題の解決はどうあるべき (でも実際はそうでない) か -- そういうわけで、多くのプログラムが無視しているという現実の結果としてカラープロファイルに依存することができないのならば、いったいどうすればその画像をプロファイルが尊重された場合と同じに見えるようにすることができるのだろうか?

原理上は、簡単に解決できる。あなたの写真編集ソフトウェアが、まずプロファイルを _削除_ して、それから生のピクセルデータに変更を加えることによってカラーに(もしもプロファイルが存在していてそれが利用された場合に得られるのと同等の)ブースト効果を与えればよいのだ。もしもこの作業が実行されて、しかもそれが正確に動作したならば、その場合には画像はどんなプログラムでも同じ見栄えになるだろう。その画像にプロファイルは付随していないが、もはやプロファイルは必要でない。なぜなら、プロファイルが提供していた情報がすべて元の画像そのものに組み込まれているだろうからだ。こうして、ブラウザがプロファイルを無視するかどうかは無関係となるだろう。

普通の感覚を持つ人なら誰でも、Photoshop Elements の Save for Web 機能のどこかを使えばきっとその通りのことができるに違いないと思うことだろう。つまり、カラープロファイルの情報を画像自体に統合することが可能なはずと考えるだろう。ところが、Photoshop Elements にはそんなことはできない。その上、そのようにデザインされていないためにできないのか、それとも機能が壊れているためにできないのかが、はっきりしないのだ。いずれにしても、このやり方は実現不可能だ。

いろいろなウェブサイトで、何やらオカルト的な手順を Elements の中でさまざまに組み合わせて実行すればうまくカラープロファイルの統合ができると提案しているところがいくつかある。私は全部やってみた。香を焚いたり、言われた通りに神や悪魔に犠牲を捧げたり、Mountain View に向かって祈ったり拝んだり、さらにはそれらのサイトにも載っていない高度にギーク的なトリックを試してみさえした。でも、Elements は、断固としてプロファイルの統合を拒み続けた。

Photoshop のフル版には追加機能がたくさんあって、私の聞いたところでは、この問題を本当に解決できるかもしれないという。けれども私はフル版の Photoshop を持っていないので試してみることができず、いずれにしてもこの時点で私は Adobe にも、同社の非協力的なプログラムにも嫌気が差していたので、さらにまた David も Photoshop のフル版にお金を出す気はないと言っていたので、他の道はないかと探究を始めることにした。

私は他の画像エディタもいくつか試してみた。(もちろん)iPhoto も、それから良く出来ている Acorn, b も調べた。けれどもいずれも挙動は Elements と全く同じだった。実際、Apple の Aperture と Adobe の Lightroom も同じ問題を持っているという記事さえ私は目にした! 技術的に言えば、これらのプログラムはいずれも何も _悪い_ ことはしていない。つまり、もしもカラープロファイルが存在していれば、プロファイルを使用する必要のあるプログラムならばそれをするだろうという(普通の状況なら至極論理的な)仮定の下に、プロファイルをそのままにする。だから、Adobe が何も問題ないと述べたのは _厳密には_ 嘘をついていたわけではないのだ。Elements はデータを削除しているのでもないし、画像を変更しているのでもない。ただ、現実世界の実態における多数派の状況の下で明らかに必要となる仕事(をオプションで提供すること)をしていないだけだ。他の写真エディタも皆そうだ。こういう事情なので、いずれのプログラムの開発者も、自分はただ業界の標準的なやり方に従っているだけだと言うのだろう。でも、そうすることは、自分が顧客たちの必要に完全に無頓着だということを実証している以外の何物でもない。

実際にはどうやって解決するか (警告付き!) -- さて、私はあきらめずに探索と実験を続けた。そうしてついに、"Merge Color Profile (カラープロファイルとイメージを統合)" という機能をはっきりと提供しているばかりでなく、ショッキングなことに、事実その機能が働く (!) Mac プログラムを発見した。Lemkesoft の古参のプログラム、GraphicConverter ($34.95) だ。私はたくさんの機会を捉えて、数え切れないほどさまざまな状況の下でテストしてみたが、GraphicConverter は毎回正確に動作した。画像を Safari や、Firefox や、その他何で表示させても、いつでも元のものと全く同じに見えた。元通りの、鮮やかなカラーだ。やった!

GraphicConverter に馴染みのない方のために説明しておくと、「グラフィックの変換」を意味する名前に惑わされてはいけない。このプログラムは、実際にはフル機能の写真エディタだ。その機能の多彩さは Photoshop にもひけを取らない。私は David に、もし気が向けば Elements を使うのをやめて代わりに GraphicConverter を使ってみてはどうか、そうすればたぶん望みの結果が得られるだろう、と言ってみた。けれども、きっと彼は私の第一印象と同じように反応するだろうという気もした。このプログラムのユーザーインターフェイスがとても奇妙で、かなり時代錯誤的なのを見て、私は思わず「うえっ」と叫んでしまったのだ。とにかく見た目にいいものじゃない。実際、少しでも標準のものとは違う作業をしようとすると、とたんにわけが分からなくなる。インターフェイスなど気にしない、習得するのが難しくてもかまわない、という人には問題ないだろうが、ずっとモダンで(多くの場合)エレガントな方法をとる Photoshop の方が好みだという人が多いのも無理からぬことだ。

でも良いニュースもある。(このプログラムの名前に立ち戻って)ドラッグ&ドロップによるファイル変換に使えるよう設定することが(曲がりなりにも)可能なのだ。だから、iPhoto なり、Elements なり、他のどんなプログラムでも、いつも通りに作業してから、その後で、つまり Elements でファイルを保存してからそれをウェブサイトにアップロードするまでの間に、そのファイルをアイコンの上にドロップすれば、GraphicConverter がするべきことをして(作業にはほんの一秒ほどしかかからない)新しいファイルを吐き出してくれる。この新しいファイルは、元のファイルと全く同じに見えるのだが、カラープロファイルが画像自体の中に組み込まれている。

すぐ後で、私はテクニックを二つ説明しようと思う。一つは GraphicConverter 版の Save As コマンドを利用してプロファイルの統合をする方法、もう一つはいろいろ設定することによりドラッグ&ドロップのみで変換ができるようにする方法だ。

ちょっと寄り道: Elements にプロファイルを保存させる -- すぐ後で説明する方法がうまく行くためには、あなたの写真がそれぞれにカラープロファイルを持っていなければならない。(その画像が Elements で正しく見えているからといって、必ずしもそのプロファイルがきちんとしているとは限らない。なぜなら、個々の画像ファイルがプロファイルを持っていなかったとしても、Elements がひそかに独自バージョンのプロファイルを適用していることがあり得るからだ。まったくもう。)あなたが画像を Elements で開いて、何かの作業をそれにしたとして、保存の際にあなたはその画像のプロファイルがきちんと保たれるように気を付けておかなければならない。Save As での保存も Save for Web での保存も、いずれの場合にもこれを忘れてはならない。(それと、もしもあなたが既にプロファイルなしで画像を保存してしまっていたのならば、この節の最後のところに解決策が記してある。)

Save As コマンドを使う際にプロファイルを保つには:

  1. Elements で画像が開いている状態で、File > Save As を選ぶ。
  2. Embed Color Profile ボックスがチェックされていること、Format が JPEG に設定されていることを確認する。他の項目(名前、場所、その他)も設定を済ませてから、Save をクリックする。あなたの好みの JPEG オプションを設定してから OK をクリックする。

Save for Web コマンドを使う際にプロファイルを保つには:

  1. Elements で画像が開いている状態で、File > Save for Web を選ぶ。
  2. 右上隅の Preset 領域で、フォーマットのポップアップメニューが JPEG を表示していることを確認する。それから(ここが一見しただけでは全然分からないところだ)Help ボタンのすぐ左にある丸の中に三角の形をした小さなボタンをクリックする。(Preset 領域の右上隅にある似たようなボタンと間違えてはいけない。)そして、Use Document Color Profile にチェックが付いていることを確認する。もし付いていなければそれを選んでおく。その後で、必要に応じて変更を加えてから OK をクリックする。

以上すべてのことは、あなたが扱っている写真の中に依然としてプロファイルが埋め込まれていることが前提だ。では、もしもその写真が既にプロファイルを失っていたとしたらどうするのか? 実際のピクセルは何も変わらず、Elements の中では問題なく見えるかもしれないが、多くのブラウザで見たときにもその画像が元通りの見栄えになることを望むのならば、まずその画像にプロファイルを再適用してから必要な手順を踏まなければならない。残念ながら、あなたのカメラから来た _元通りの_ プロファイルを再適用する方法を私は知らない。でも、おそらく元のものに非常に近いと思われる別のプロファイルを適用することは可能で、少なくともそれであなたは土俵に立つことができる。こうすればよい:

  1. Elements で画像が開いている状態で、Image > Convert Color Profile > Apply sRGB Profile を選ぶ。("Apply Adobe sRGB Profile" ではない!)注意: もしもそのメニューコマンドが選択できなければ、最初に Remove Profile を選ぶ。そうすれば選択できるようになるだろう。
  2. その後で、さきほどの方法のどちらかで画像を保存する。

"Save As (別名で保存)" の方法 -- さてと。それでは、GraphicConverter を使ってプロファイルを統合する方法に戻ろう。

  1. GraphicConverter で写真(カメラから来たばかりのものでも、iPhoto からドラッグしたものでも、あるいは既に Elements の中でいろいろいじった後のものでもよい)を開く。(初めて開いた際に、GraphicConverter がたくさんの追加物をインストールするようにと促してくるが、それはしてもしなくてもどちらでもよい。私たちの目的にはそれは関係ない。それから、まだライセンス料金を払っていなくてデモ版を走らせている場合は、プログラムを実際に使えるようになるまでに数秒間タイマーのカウントが終わるまで待たされる。)もしもここでもっとグラフィックをいじりたいのならば、それをしておく。
  2. File > Save As を選ぶ。
  3. Format ポップアップメニューから JPEG/JFIF (*.JPG, *.JPEG) を選ぶ。
  4. "Merge color profile into image (for web usage)" (カラープロファイルとイメージを統合(ウェブ用)) ボックスをチェックする。他のチェックボックスはそのままにしておく。
  5. 普通通りに、ファイルの名前を決め、保存したい場所を指定する。
  6. Save をクリックする。
  7. 続いて現われるダイアログで、Quality (画質) スライダを好きな位置にする。おそらく最高設定の 100 (高い) がよいだろう。それ以外はすべてそのままにしておく。そして OK をクリックする。
  8. 他の画像についても同様に繰り返す。

"ドラッグ&ドロップ" の方法 -- こちらの方法は最初の設定にかなり奇妙な手順が必要だが、それさえ済めばあとはドラッグ&ドロップだけだ。

一回限りのセットアップ作業は次の通り:

  1. GraphicConverter で、File > Convert & Modify (変換&修正) を選ぶ。
  2. 一番上のポップアップメニューは Convert (変換) と表示されているはずだ。もし違っていればそうなるようにする。
  3. Dest. Format (ファイル形式) ポップアップメニューから JPEG/JFIF (*.JPG, *.JPEG) を選ぶ。
  4. WWW Ready (WWW 対応) ボックスを(チェック状態でなければ)チェックする。
  5. Options (オプション) ボタンをクリックする。スライダを好きな位置に、おそらく 100 (高い) にする。そして OK をクリックする。
  6. もしチェックされていなければ(たぶんされていないだろうが)Use Batches (バッチ使用) ボックスをチェックする。
  7. Edit Batches (バッチ処理) ボタンをクリックする。そこで現われる Batch ウィンドウの中で、左側の Possible Functions (使用可能のバッチ機能) リストを下の方にスクロールして、Merge Profile into Image (プロファイルとイメージを統合) を見つけ、それを選択して Add (追加) をクリックする。次に、Possible Functions (使用可能のバッチ機能) リストに戻って Change Format (フォーマットを変更) を選び、また Add (追加) をクリックする。すると、Batch Table (バッチテーブル) リストで Change Format (フォーマットを変更) が選ばれた状態でウィンドウの一番下に新たに Format (フォーマット) ポップアップメニューが現われる。そのメニューからも JPEG/JFIF (*.JPG, *.JPEG) を選ぶ。それから Save (保存) ボタンをクリックし、名前として "Merge" とタイプし、それ以外のものには一切 _触らずに_、Save (保存) をクリックする。最後に OK をクリックする。
  8. Convert & Modify (変換&修正) ウィンドウを閉じる。
  9. 私が書いた AppleScript ドロップレット "Merge Profiles" をダウンロードして、どこか便利な場所、例えばアプリケーションフォルダかデスクトップなどに置いておく。(もし zip アーカイブ "Merge Profiles.zip" のままならば、最初にダブルクリックして zip を解いておく。)このドロップレットは、その上に何でもファイルをドロップすれば GraphicConverter に命じてあなたがさきほど手順 7 で作った "Merge" バッチ機能を使ってそれらのファイルを変換させるというものだ。

実際の使用法は次の通り:

  1. プロファイル統合をさせたい写真を、一つでも、あるいは複数個同時にでも、ドロップレット "Merge Profiles" のアイコンの上にドロップする。
  2. すると、GraphicConverter が(もし既に走っていなければ)起動し、ダイアログを開いて、改名するかそれとも既存のファイルを上書きするかと尋ねてくる。あなたがドロップした実際のファイルを変更したいならば、一つ一つについて Overwrite をクリックする。
  3. 手順 3 なんてない。あなたの写真はもう既に変換済みだ。

私が書いたスクリプトを、別の書き方にするようにもできたことにも注意しておこう。例えば、元のファイルには一切変更を加えようとせず、あなたが選んだ場所で別のフォルダの中に変換後の写真を別ファイルとして置くようにすることもできた。その場合には手順 2 が要らなくなるだろうが、その代わり個々のグラフィックごとに(変換前と変換後の)2つずつのファイルが常に残ることになり、これは人によって好き嫌いがあるだろう。そういうやり方がお好みならば、もちろんご自分で AppleScript ドロップレットに修正を加えてくださればよい。あとは読者のための宿題としておこう。

本当にこれでうまく行っているのか実証する方法 -- いろいろ言ってきたが、これだけ散々手間をかけても結局期待通りの結果が得られなかったということだけは誰しも避けたいところだろう。そこで、最初にまずちょっとしたテストをして、すべてがうまく行っているのを確認しておくことをお勧めしたい。

  1. あなたのカメラで、問題をはっきりと示すような写真を撮影する。(鮮やかな赤のある写真が一番分かりやすいようだ。)
  2. その画像を Photoshop Elements で開き、あなたが普段するような編集作業を何でもよいので施しておく。
  3. ファイルを保存する。(Save As か Save for Web のいずれを使ってもよいが、上で説明したように、必ずそのファイルがプロファイルを含んで保存されるようにしておく。)
  4. ファイルを Flickr に(あるいはどこかあなたのお好きなウェブでアクセスする場所に)アップロードする。
  5. 二つのブラウザ、Safari と Firefox 3.0.x (またはその他カラープロファイルを正しく処理しないブラウザ)を開く。双方のブラウザでそれぞれに、あなたがアップロードしたばかりの画像を載せた Flickr ページに行く。両者を並べて見比べる。
  6. Safari ではカラーが正しく、Firefox ではぼんやりした色になっていることを確認する。
  7. そこで、手順 3 で保存しておいたファイルを、Merge Profiles ドロップレットにドロップする。
  8. 変換後のファイルを Flickr にアップロードして、画像を Safari と Firefox の双方で開く。今度は、両者が同じに見えるはずだ。

最後に食後酒を一杯 -- プロファイルについて学び、そこから解決法を編み出すという、これだけの苦労を重ねた私は、自分の発見したことを David に説明した。Elements が(この点以外では非常に気に入っている Elements が)すべきはずのこともできないと聞いて彼が困った表情をしたのも、また新たに別のプログラムにお金を払い、インストールし、使い始めなければならないと知って彼ががっかりしたのも、無理からぬことだった。そうした不便には私としても同情するしかないが、やはりここで述べた解決法より良いものは私には見つからなかった。

それから二ヵ月ほどして、偶然私は David と再会することができた。興奮した様子で彼は問題がすっかり消え去ったと言ってくれた。ただし、ああ何たることか、私の解決法のお陰ではなかった。彼は、フル版の Photoshop をインストールしようと決意したのだった。すると、あら不思議、それまでのワークフローを一切変更する必要なく、あの問題がもはや起こらない(あるいは少なくとも、ほとんど気付かない程度になった)ことに、彼は気付いたのだった。

これは、私にとってはちょっと拍子抜けだった。彼の問題が解決したのは嬉しいことだったし、彼が私の解決法を採用しようとしまいと別にそれはどうでもよかったのだが、どうやら問題を解消したらしいというフル版の Photoshop がどこでどう違うことをしているのか、また、その違いが何であるかにせよ、Elements にそれが欠けているのはなぜなのか、私にはさっぱり分からない。それでも、とにかく私は自分の 2009 年用 to-do リストから "Meet David Lebovitz" という項目を消すことができたし、グラフィックスについての知識がかなり増えたし、これはやはり全体的に見れば成功に終わった仕事と言ってもよいだろう。それに、もしも私が発見したことが同じ問題に見舞われている誰かの助けとなれるのなら、ことわざにも言うじゃないか、それはケーキの上の砂糖飾り (icing on the cake) というわけさ。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2010 年 1 月 25 日

  文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Phone Amego 1.1.9 -- Sustainable Softworks が Phone Amego にいくつかのマイナーな機能改良やバグ修正を施した最新版リリースを出した。これは、Bluetooth モバイルフォン (iPhone を含む) を Mac からコントロールできるようにするユーティリティだ。(2009 年 9 月 3 日の記事“Phone Amego: Macintosh と iPhone の精神が融合”参照。)バージョン 1.1.9 では発信者番号の通知が Linksys/Sipura VoIP 電話でもサポートされ、電話番号のフォーマットが Address Book での様式に従うように改善され、メインウィンドウとツールチップの双方で Google Voice の "number to ring" を表示するようになり、ユーザーがキーボードにいながらにして SMS メッセージを送信できる(Send ボタンにタブ切り替えできる)ようになった。また、Call Waiting Caller ID、国際通話の番号をダイヤルする際のいろいろなフォーマット、Caller ID 情報を持たない通話などに関係したいくつかのバグにも対処が施された。($20、アップデート無料、2 MB)

Phone Amego 1.1.9 へのコメントリンク

Firmware Restoration CD 1.8 -- 従来からのやり方を踏襲して、Apple は early 2009 Mac Pro および Xserve 用の Firmware Restoration CD をリリースした。この CD を使って、アップデートが失敗あるいは中断した場合にコンピュータのファームウェアが復元できる。ただし、もしもその事態が既に起こってしまっている場合は、別のコンピュータを使ってこのディスクイメージをダウンロードして CD を作るか、あるいはマシンを Apple Store や Apple 認定サービスプロバイダに持ち込むかする必要がある。この CD はどんな Mac でも作ることができるが、使用することができるのはサポート対象の機種のみだ。(無料、22.5 MB)

Firmware Restoration CD 1.8 へのコメントリンク

Things 1.2.9 -- バグ挙動に悩まされてきた人は、Cultured Code の人気のタスクマネージャ Things の最新リリースをとりわけ歓迎するだろう。厄介な問題点が多数修正されている。バージョン 1.2.9 では Today リストで同期の衝突に関係した後戻りの問題に対処がなされ、時として Things が空のウィンドウを開いたまま反応しなくなることのあった長年来のバグが修正され、サブタグの付いたタグを検索すると検索結果が空になるという問題も解消した。また、このアップデートでは Empty Trash メニューコマンドを選ぶ際に Option キーを押さえることでゴミ箱がすぐに空になるようになり、詳細は発表されていないがフランス語と日本語のローカライズ版での問題が修正され、to-do タイトルが複数の行を持たないように対策が施された。($49.95、アップグレード無料、8.4 MB)

Things 1.2.9 へのコメントリンク

Spell Catcher 10.3.3 -- Rainmaker Research のシステムワイド・スペルチェックユーティリティ Spell Catcher X をここで記事にしてからかなり長い期間が過ぎてしまったが、この古参のプログラムは元気に生き続けていて、つい最近バージョン 10.3.3 にアップデートされた。主な変更点を挙げれば Snow Leopard 互換性、64-bit アプリケーションのサポート、読み込み機能の拡充、環境設定項目の追加、ドイツ語ローカライズ版の登場、参照文献の自動保存機能などがある。バージョン 10.3.3 ではまた最新の Proximity Linguistic System (これによりプログラムが最新のスペル辞書を利用するようになる) が組み込まれ、DirectCorrect やプログラム起動の速度が向上し、書類の処理やエラー報告の改善のためにプログラムコードが調整された。 変更点のフルリストは Rainmaker のウェブサイトにある。(新規購入 $39.95、アップデート無料、22 MB)

Spell Catcher 10.3.3 へのコメントリンク

TextWrangler 3.1 -- その兄貴分でありよりパワフルな存在である BBEdit と競合することはできないが、Bare Bones Software の TextWranglerは今も手許に現金の余裕のないユーザーにしっかりしたテキストエディタを提供し続けている。この最新バージョン 3.1 では、非常に多数の改善点や修正点がずらりと取り揃えられた。注目すべきものを挙げれば、新しい Unix コマンドを使ってコマンドラインから複数ファイルにわたる検索を走らせられるようになり、内蔵の FTP/SFTP ブラウザの中から遠隔サーバに新規ファイルや新規フォルダの作成ができるようになり、誤ってミススペルが辞書に追加されてしまった場合に新設の Unlearn Spelling コマンドが使えるようになった。また、修正されたバグも多数あり、ある種の gzip ファイルを読み込む際、Multi-File Search ウィンドウを開く際、Multi-File Search ウィンドウを特定の検索ソースを選択した状態で閉じた際などに関係したいくつかのクラッシュのバグも含まれている。非常に長いフルの変更点リストは Bare Bones ウェブサイトで読める。(無料、12.1 MB)

TextWrangler 3.1 へのコメントリンク

Mac Pro EFI Firmware Update 1.4 -- Apple が early 2009 Mac Pro におけるいくつかの 問題点に対処したファームウェアアップデートをリリースした。このアップデートでは「VT-d を利用した仮想化製品との互換性、Boot Camp ユーザが Windows XP を使用している場合のストレージ性能、およびブートプロセス中のシステムの信頼性」が向上しているという。アップデートをインストールするには、インストーラが終了した後に自動的に起動するアップデータアプリケーション (/アプリケーション/ユーティリティ/MacPro EFI ファームウェア・アップデート.app) の指示に従えばよい。Intel ベース Mac におけるファームウェアアップデートのインストールに関する詳細は Apple のウェブサイトで読める。このアップデートはソフトウェア・アップデートから、また Apple のサポートダウンロードページからも入手できる。(無料、1.96 MB)

Mac Pro EFI Firmware Update 1.4 へのコメントリンク

Xserve EFI Firmware Update 1.2 -- Apple は early 2009 Xserve に対するファームウェアアップデートもリリースした。「VT-d を利用した仮想化製品との互換性と、ブートプロセス中のシステムの信頼性」が向上しているという。Intel ベース Mac におけるファームウェアアップデートのインストールに関する詳細は Apple のウェブサイトで読める。ヘッドレスの(つまりモニタのない)Xserve をアップデートする手順の説明もある。(無料、1.81 MB)

Xserve EFI Firmware Update 1.2 へのコメントリンク

Security Update 2010-001 -- Apple が 2010 年用にセキュリティアップデートのカウンターをリセットし、セキュリティアップデート 2010-001 をリリースした。今回は少数の具体的な脆弱性が修正された。注目すべきは Flash Player プラグインがバージョン 10.0.42 にアップデートされて複数の脆弱性に対処したことで、中でも最も深刻な脆弱性は悪意を持って作成されたウェブサイトの閲覧により任意のコードが実行される可能性のあるものだった。それ以外にも脆弱性を塞ぐ修正がいくつかあり、悪意ある TIFF 画像や DNG 画像、MP4 オーディオファイルなどを使って攻撃される可能性に対処した。また、CUPS (Mac OS X のプリントアーキテクチャの基盤となる Common Unix Printing System) に対するサービス妨害攻撃の可能性があった問題も解消した。最後にもう一つ、 OpenSSL には中間者攻撃 (man-in-the-middle) の脆弱性 があり、 SSL-保護下のセッションでアタッカーがデータを傍受したり実行する操作を変更したりできる可能性が残っている。この問題は OpenSSL 内部では解消されていないが、Security Update 2010-001 では予防的措置として OpenSSL での再ネゴシエーションを無効にした。

Security Update 2010-001 はソフトウェア・アップデートから、また独立の形で Mac OS X 10.6.2 Snow Leopard 用 (21.9 MB ダウンロード)Mac OS X 10.5.8 Leopard 用 (159.58 MB ダウンロード)Mac OS X 10.5.8 Leopard Server 用 (248.11 MB ダウンロード) 別々にも入手できる。

Security Update 2010-001 へのコメントリンク


ExtraBITS、2010 年 1 月 25 日

  文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple が今週何を発表して何を発表しないかという意味もないさまざまの臆測を私たちは必死で無視しようと努めているが、今週の私たちはいつもより少し広範囲の話題に目が向いたようだ。Google は救援活動の助けとなるためハイチの高解像度衛星写真をアップデートしている。ホワイトハウスが iPhone アプリをリリースした。GigaOM が App Store の多数の統計を一つの情報画像にまとめた。それから、Stanford 大学病院が最先端の(ただし 19 世紀の)ネットワーキングテクノロジーを使って建物内で検査試料を移動させるシステムを使っている。

Google、ハイチの衛星画像をアップデート -- 最近起こったハイチの大地震を受けて、Google はハイチの首都 Port-au-Prince の Google Maps 衛星写真をアップデートした。2010 年 1 月 17 日に撮影された新しい画像には、この都市の壊滅的状況が写し出されていて身のすくむ思いがする。Google がこれらの画像を出すことにしたのは「国連の多くの団体、ならびに Center for Interdisciplinary Geospatial Information Technologies などによる救援活動を援助するため」だという。これらの写真が、回復が実現するまでの長い道のりを通じてハイチが援助を必要としていることを人々にずっと思い出させる力ともなればと願っている。

コメントリンク:10941

ホワイトハウスが iPhone アプリをリリース -- White House が、モバイルコンピューティングの歴史に記憶すべき瞬間を残すものとして、その初めての iPhone アプリをリリースした。無料のこのアプリで、ユーザーは手軽に White House Blog の最新の記事が読め、Briefing Room からの最新ニュースに触れられ、舞台裏の写真にも親しめるとともに、最も重要なこととして演説や記者会見、スペシャルイベントなどのストリーミングビデオを観ることができる。ちょっと面白いのは、このアプリが WhiteHouse.gov ウェブサイトのモバイル版よりも先に利用開始となったことだ。

コメントリンク:10939

App Store の統計情報が化粧直し -- 正真正銘の成功を収めたものならば何でもそうなるが、iTunes App Store もまた熱い議論の的となっている。その活動を巡るさまざまの統計情報が、いたる所で報告され分析されている。ありふれた図表や要約を読むのにあきあきしている人は GigaOM の情報画像“The App Store Economy”を見てみるとよい。いつものデータに、ちょっとビジュアルな一ひねりが加えられている。

コメントリンク:10933

これぞ本物の「連続したパイプ」 -- いやいや、これは元上院議員の Ted Stevens がインターネットの形容として語った馬鹿げたたわ言の話ではない。Stanford 大学医学部のウェブサイトに載ったこの記事は、Stanford 大学病院のスタッフが実際に使っている、とてつもなくクールな圧縮空気送管システムを紹介する。パイプの中を通って、検査試料が毎秒 25 フィート (7.6 m) の最高速で送られる。時速にすればおよそ 18 マイル (30 km) だ。圧縮空気送管システムは 19 世紀に最先端のコミュニケーションテクノロジーだったが、物理的な物体を運ぶ手段としては、ネットワーク時代の今日でもまだまだ大いに役に立つ。

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