TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1030/07-Jun-2010

本日、WWDC キーノートにおいて、期待の高かった iPhone 4 を覆う幕が開かれた。Steve Jobs が深い気持ちを込めて語ったその機能の数々を、Glenn Fleishman が紹介する。キーノートではそれに続いて、新しい iOS 4 (従来 iPhone OS 4 と呼ばれていたもの)、PDF 対応となった iBooks アプリ、新しい FaceTime ビデオチャット用アプリ、等々が登場した。それらについても、詳しく紹介しよう! でも、前号以来いろいろと他のニュースもあった。まず、セキュリティ関係の厄介な問題がいくつかあり、Rich Mogull と Adam が一つ一つ説明する。また、AT&T が iPhone と iPad ユーザー向けの無制限データプランを終了し、Apple 社の時価総額が Microsoft 社に追い付いた。それから、iPad を扱った新刊の Take Control 電子プックもいくつか出版され、そのうちの一つ、Tonya の書いた "Take Control of iPad Basics" は完全無料にて配布されている! ここ二週間での注目すべきソフトウェアリリースは、Yojimbo 2.2、BusyCal 1.3、Camino 2.0.3、TweetDeck 0.34.2、Carbon Copy Cloner 3.3.2、VMware Fusion 3.1、それに Boot Camp Update for MacBook Pro (13 インチ、Mid 2010) だ。

記事:

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Apple、時価総額で Microsoft に追い付く

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

1997 年のあの暗黒の時代、Michael Dell が、自分ならば会社そのものを閉鎖してお金を株主に返金することで Apple を「修正」するだろうとまで言ったあの時代から、私たちは大きな進歩を目にしてきた。今年のエイプリルフール特別号で、私は Apple が現金で Dell を買収することさえできるんじゃないかと冗談を書いたくらいだ。Apple は 4 百億ドル以上を貯め込み、一方 Dell の株式時価総額はそれを大きく下回るからだ。(現在は 260 億ドル、2010 年 4 月 1 日の記事“Apple が 4 百億ドルで出来る事”参照。)

もちろんあれは安っぽい冗談に過ぎなかったが、先週 Apple の株式時価総額が Microsoft のそれと肩を並べたというニュースを聞いて、私はあの冗談を思い出さずにはいられなかった。簡単に言えば、時価総額 とはその会社の株価に株式数を掛け算したもので、つまりこれは一般大衆がその会社の価値をどの程度のものと見ているかを反映している。言うまでもなく、株価が上下するにつれて時価総額も急激に変化するので、 Apple が Microsoft を一時的に超えたとはいっても、数字の順位とはコロコロ変わるものであり、現に今私がこの記事を書いている時点で Microsoft の方が紙一重で上になっている。

その瞬間にどちらの馬が鼻の差で先になっているかなどということよりもっと興味深いのは、長期的視点からの観察だ。Apple がどれほど高く登ってきたか、Microsoft がどれほど大きく落ち込んだか、ということだ。Apple が 1999 年から 2003 年までずっとほぼ一定の率で時価総額を伸ばしてきたことは注目に値すると思うし、iPod と iPhone が、そして今や iPad が株価に刺激を与えることで、米国内で Apple の時価総額を大幅に越える会社が ExxonMobil 以外にないという状況にまで至ったことを考えてみるのも興味深い。(ついでに言い添えると、下のチャートは YChartsのものだが、ここは財務データを閲覧できる非常に洗練されたウェブサイトで、一見の価値がある。)

image

おそらくもっと多くを語っているのが、Apple の)企業価値だ。これは時価総額よりもさらに踏み込んで、キャッシュ、負債、優先株、その他も勘定に入れて企業の市場価値を算定したものだ。この基準で、Apple は Microsoft よりも上回っている。(少なくとも YCharts のデータによればそうなる。企業価値はその計算方法が少々微妙だ。特に、Apple がキャッシュを算定する方式が、ここに関係してくる。)でも、他の巨大企業たちと比較して、Apple がいかに大きなものとなってきたかを見れば、これは本当に驚くべきことではないか。

要するにこれは「ねえトト、ここはカンザスじゃないみたいよ」ってことだ。今日の Apple は、Macintosh 初期の時代と比べれば大きく異なる、はるかにパワフルな会社となった。

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無料の "iPad Basics" 電子ブックを完璧なる iPad 説明書に

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

iPad が 4 月に登場して以来、目覚めている間の一刻一刻がほとんどすべて iPad に占められているような気もするが、私たちは別にだらだらと電子ブックを読んだり、Netflix をストリームしたり、ボンボンを食べたりしていた訳ではなかった。そうではなくて、私たちは無我夢中で働き続け、iPad に関する新刊の電子ブックを一冊、いや二冊、いや三冊、いやいや四冊も、仕上げていたのだった。その第一冊目、Tonya の "Take Control of iPad Basics" は完全に無料で、残り三冊はこの Tonya の本でカバーし切れなかった題材を扱っている。Jeff Carlson の "Take Control of Media on Your iPad" は iPad をメディアマシンとして使いこなすヒントを提供し、Joe Kissell の "Take Control of Working with Your iPad" は iPad を使ってさまざまな種類の生産的な仕事をする助けになり、Glenn Fleishman の "Take Control of iPad Networking & Security" は内部の仕組みに分け入ってネットワーキングとセキュリティの詳細を扱う。

これらの電子ブックは個別に購入することもできるが、まとめて値引きバンドルとして購入もできる。それぞれの内容をもう少し詳しく見てみよう:

これらの電子ブックのうち二冊以上に興味のある方のために、値引きバンドルで購入できる方法をいくつか用意してある。まず第一に、Improve Your iPad IQ Bundle では、これら新刊の iPad 電子ブック四冊全部に加えて、Joe が最近リリースした "Take Control of Mail on Your iPad, iPhone, and iPod touch" も加えた、合計 500 ページを超える実用向けの iPad アドバイスが読める。通常価格ならば $45 だが、$15 値引きのバンドル価格でたった $30 となる。

それから、既に "Take Control of Mail on Your iPad, iPhone, and iPod touch" をお持ちの方は、上記リンクのどの本のページにでもクリックして入り、左側にある Bundle Discount チェックボックスを使えば、電子ブック三冊の購入で 30 パーセント割引になる。(無料の "iPad Basics" 電子ブックも一冊と数えられる。)必ず一番下までスクロールして Buy Selected Ebooks ボタンをクリックして頂きたい。

Mac 関係の話題よりもさらに高い可能性で、iPad の世界は今後大きく変わることが予想されるので、これらの電子ブックの表紙では Check for Updates ボタンをクリックして、新情報についてのブログ記事を読んだり、無料アップデートがリリースされればそれをダウンロードしたりして頂きたい。

最後にもう一言。EPUB フォーマットについて、また iBookstore について、たくさんの質問を頂いているが、それらの質問には Take Control News 記事でできるだけお答えするようにしている。要約して言えば、私たちの電子ブックの EPUB 版ももう間もなく出版できる予定で、その際にはすべての読者の方々に通知させて頂くつもりだ。それから、私たちの本を iBookstore で販売するための手続きは済ませてあるけれど、現在のところ技術的な問題によって私たちはアップロードができないでいる。現在、Apple と協力して解決法を探っているところだ。

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DealBITS 抽選: iStopMotion Home 2 が当たる

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私はまだ 42 歳で、引退するのはまだ遠い先の話だし、その時点で私たちとテクノロジーとの関係がどうなっているかは知る由もないが、時間さえたっぷりあればやってみたいと思っていることが私にはたくさんある。そのうちの一つが、Boinx Software の iStopMotion だ。基本的に、iStopMotion はコマ撮りで作るアニメーション用のソフトウェアで、多数の静止画像を一コマ一コマ撮影してそれらを組み合わせることによってムービーを作ることができる。私は Wallace & Gromit のクレイメーション映画の大ファンだ。膨大な時間を費やして粘土の人形を少しずつ動かし、iStopMotion を使ってたくさんの写真を撮影してそれを映画に仕上げる自分が、目に浮かぶ思いだ。子供時代に、こういった種類のことに夢中になって何日も費やした経験は誰にでもあるだろう。この iStopMotion でどんなことができるか感じが知りたいと思えば、Boinx のウェブサイトで人々が iStopMotion で作った実例をいろいろ見ることができる。

プロフェッショナルのために、Boinx では iStopMotion Express ($99) と iStopMotion Pro ($499) も提供している。これらにはアニメーションの熱狂的なファンやプロたちのためにさまざまの上級機能が追加されている。例えば、連続録画、ロトスコープ (実写ビデオの上にトレースしてアニメーションを作る方法)、サウンドトラック追加、カスタムプロジェクトのプリセット、Final Cut Pro との統合、前景および背景のマスクを自分で作れる機能、などがある。けれども、一般人の私たちにとっては、$49 の iStopMotion Home だけでもたくさんのことができ、十分に楽しめるだろう。

だから、今週賞品とする 2 本の iStopMotion Home 2.0 (それぞれ $49 相当の製品) に興味ある方は、ぜひ奮って DealBITS ページで応募して頂きたい。寄せられた情報のすべては TidBITS の包括的プライバシー規約の下で扱われる。また、もしもあなたがこの抽選を紹介して下さった方が当選すれば、紹介に対するお礼としてあなたの手にも同じ賞品が届くことになるのもお忘れなく。

[訳注: 応募期間は 11:59 PM PDT, 13 June 2010 まで、つまり日本時間で 6 月 14 日(月曜日)の午後 4 時頃までとなっています。]

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新種のフィッシング攻撃 Tabnabbing に注意しよう

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

インターネットユーザーを攻撃できる可能性のある新しい方法を発見した善意の人がそれを公表した場合、それを歓迎してよいものかどうか私はいつも迷う。結局のところ、問題が世の中に広まるより前に私たちが問題の存在を知る方が良いには違いないが、そのヒントがなければ悪意ある人間がその方法に気付くこともなかったのではないかという疑いがいつも付きまとう。さて、その種のものの最新のニュースがある。Firefox の Creative Lead (創造担当主任) の Aza Raskin が発見した、"tabnabbing" だ。(彼は Jef Raskin の息子だ。)

それは次のように働く。あなたも、概念実証用のページをロードさせて実際に目の前で動くのを見ることができる。(これは、Raskin 自身がその攻撃方法を説明しているページでもある。)Aza Raskin は主に Firefox でこれをテストしたが、私は Mac 版の Safari、Camino、Opera、OmniWeb でもそれぞれにこの攻撃が働くことを確認することができた。ただし、それぞれの挙動に少し違うところはあったが。現在のバージョンの Google Chrome (5.0.375.55) はどうやらこの攻撃を受ける心配がないようだ。これは、Google が素早く修正を施した結果なのかもしれない。Chrome にも攻撃が働くという報告も、以前出ていたことがあるからだ。

あなたがウェブをブラウズしていたとして、あるページにたどり着いたとしよう。仮にそのページを SneakyPage (卑劣なページ) と呼んでおく。一見したところでは、別に悪いページには見えない。実際、それは完全に正当なサイトであって、ただ悪い奴に手を加えられているだけなのかもしれない。でも、そのページの内部には悪意あるほんの小さな JavaScript が含まれていて、それがページと共にロードされる。その JavaScript は、単純にあなたを別のタブに切り替え、元の SneakyPage のタブはそのままに残す。

この時点で、その悪意ある JavaScript が突然行動を起こして、SneakyPage タブのファビコンやタイトル、ページ内容などを別のものに入れ替えてしまう。けれども思い出して頂きたいが、あなたは既に別のタブにいるので、または既に別のプログラムに移ってしまっているかもしれないので、この時点であなたは裏にあるタブの状況になど気が付かない。

SneakyPage は Gmail や Hotmail や Citibank など、よく使われるサイトになりすましているかもしれない。だが細かいことは今は関係ない。それがしようとすることはただ一つ、あなたに、いつも使っているサービスの正当なログイン画面がそのタブに開いていると、信じ込ませることだ。

その後どこかの時点で、あなたはそのタブを前面に持ってくる。ログイン用のフォームがそこに開いているのを見て、電子メールをチェックするとか口座の残高を調べるとかの目的でログインし直さなければならないのだな、とあなたは思い込む。そこであなたがそうすると、途端に SneakyPage の JavaScript はあなたのログイン認証情報をサッと取り込む。将来不正な目的でそれを利用するためだ。それから、あなたを実際のサイトにリダイレクトする。こうして、あなたはたった今自分がフィッシング攻撃の犠牲者になったことにすら少しも気付かない。

あなたはきっとこう言うだろう。「でも、いったいどうやってその悪意あるスクリプトは私が Gmail なり Citibank なりを使っていることがわかるのだろうか」と。問題は、ユーザーが特定のサイトを訪れたことがあるかどうかを知るのが可能だという点だ。多くのサイトで、訪れたことのあるリンクを CSS を使って色を変えて表示しているが、そのことがこれを知る手段となる。だから、今回問題となった悪意ある JavaScript は、あなたが特定のいくつかのウェブサイトのうちでどれを使っているか知ることができ、そうして適当なものの偽物ページを表示するのだ。ブラウザの履歴のこのような情報漏洩については、 LWN.net が詳しく解説した記事を出している。それでも信じられないという人は、 StartPanic.com に行けば個人用に特化したデモ実演が見られる。

象打ち銃を持ち出すような解決策は、JavaScript を完全にオフにすることだ。あるいは、Firefox ユーザーならば、NoScript 機能拡張を走らせればよい。NoScript はあなたが許可したサイト以外での JavaScript をすべてブロックする。(同様の機能が Google Chrome にもある。)残念ながら、JavaScript を完全にオフにすると、今どきのウェブはほとんど使いものにならなくなってしまう。また NoScript は Firefox ユーザーのみが使えるオプションであり、その上使えるユーザーであっても(あるいは Google Chrome の同様の機能を使えるユーザーでも)毎日の使用には相当煩わしく感じられるのが現実だ。

さらに悪いことに、セキュリティ研究者 Aviv Raff が JavaScript を使わずにこの攻撃と同じことをできる方法を見つけ出した。Brian Krebs が、自身の Krebs on Security ブログ記事に Raff の概念実証へのリンクを載せている。試すには、その記事のページから始めるのがよい。この概念実証は、Krebs の記事のモックアップ模型を Gmail のログイン画面に変貌させるからだ。もしも NoScript 機能拡張があれば Raff のやり方に対しても防御になるかもしれないが、いずれにしても tabnabbing に騙されやすいタイプのユーザーはおそらく NoScript を走らせるような種類の人たちではないと思われる。

では、この tabnabbing はどの程度心配すべきことなのか? また、これに対してあなたに何ができるのだろうか? 私の直感は、メインストリームの正当なウェブサイトだけを訪れている限り、ほとんど心配は要らないだろうということだ。けれども、だからと言って、ファイルダウンロードサイトのような怪しげな場所さえ避けていれば安全だとは必ずしも言い切れない。2009 年 9 月に、New York Times のウェブサイトがウイルスをスキャンすると称した悪質な広告を載せてしまったことがある。もしも犯罪的な組織が tabnabbing のための JavaScript を広告に潜り込ませ、広告ネットワークを通じてそれを正当なサイトに掲載することができたとしたら、大惨事になるかもしれない。

安全の保証がないのだとすれば、少なくともブラウザのメーカーが解決策を見つけるまでの間、自衛のために私たちに何ができるだろうか? 現実的な方策で、大して余分の努力も必要とせず、しかもかえって物事が楽にできるようになる、そんなやり方がいくつかある。

さて、この記事の冒頭で私が提起した難題に話を戻すと、この種のトリックを発見した善意の人は、どうすべきなのだろうか? これは、セキュリティ攻撃を許してしまうブラウザのバグを見つけるのとは別の話だ。そういう場合には、そのバグを非公式に報告して、悪い奴らが攻撃をする前にブラウザのメーカーがバグを修正できるようにすることに意味がある。ブラウザのメーカーは必ずしも十分素早く修正してくれるとは限らないが、少なくとも理論的にはそうだ。

けれども今回のような状況では、ブラウザはそれぞれ基本的にすべきことをきちんとしているだけだ。だからこそ、tabnabbing は複数のブラウザで動作するのだ。また、CSS によるブラウザの履歴流出の問題は何も今に始まったことではないし、これもまた複数のブラウザで動作する。そういうわけで、問題を完全な形で公にし、複数のブラウザのメーカーが協調してこれらの脆弱性を塞ぐための方法を探るよう促すことこそ、最良の道だと私は思う。特に今回のような場合は、ユーザーたちを教育することが最良の防御なのだから。だから、あなたもどうか教育されて頂きたい。そして、Apple や Mozilla やその他のメーカーに、tabnabbing を予防するよう促すためあなたにできることを実行して頂きたい。

それにしても、こんなことを心配する必要などなかったインターネット初期の時代が、懐かしく思い出されるではないか。

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セキュリティのニュース: Flash 攻撃、iPhone 漏洩、スパイウェア発見

  文: Rich Mogull <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

ここ数週間、Apple ユーザーはセキュリティの厄介な問題に見舞われ続けた。まず、Adobe Flash、Reader、および Acrobat に深刻なゼロデイ脆弱性が現われ、iPhone には大規模なデータアクセス脆弱性が発覚し、それから卑劣なスパイウェアまで登場した。この記事では、これら三つの問題を順々に見て行き、自分自身を守るためにあなたに何ができるのかについて考えて行こう。

問題:メジャーな未パッチの Adobe 脆弱性 -- 2010 年 6 月 4 日、Adobe は Flash と Reader に新たな、未だパッチのされていない 脆弱性があって、現に実際の悪用事例もあるという警告を出した。現行版および旧版の Flash および Reader (Acrobat 9 と共にインストールされるコンポーネントを含む) は (Windows や Mac OS X も含む) 複数のオペレーティングシステム上で攻撃を受ける可能性がある。

知っているべきこと: これは極めて深刻な脆弱性であって、攻撃者があなたのシステムを制御できてしまうおそれがある。現在、アクティブに活動している悪用事例が存在しており、パッチはまだ存在していない。

私たちにまだ分かっていないのは、Mac が現時点で攻撃対象になっているかどうかだ。この問題に関して現在出回っている情報のほとんどすべては Windows に関したものばかりだ。それでも、Mac にも脆弱性が存在していることは事実なので、もっとはっきりした情報が判明するまでは、私たち Mac ユーザーも同様に攻撃を受ける可能性があると思っている方が賢明だろう。

どうやって自分自身を守るか: Adobe によれば、 Flash 10.1 Release Candidate は、攻撃を受けることがなく、それゆえすべての Mac ユーザーは今すぐこのプレリリースソフトウェアをインストールすべきだという。(さきほどリンクしたセキュリティ情報ページで、Adobe は Windows システムにおける回避方法も説明している。)

もしもあなたが Adobe Reader または Acrobat をインストールしているのならば、PDF ファイルをそれで開くのは止めて、代わりに Apple Preview を使って開くべきだ。それでもやはり Reader や Acrobat を使う必要があるというのならば、どのファイルを開くのかに十分な注意を払い、できる限り信用できる出所からの PDF ファイルのみに扱う対象を限定すべきだ。それで本当にあなたが守られるかどうか確実なことは言えないが、悪意を持って作られたファイルを開かなければ攻撃は受けないという可能性が高い。

以前、2009 年 10 月 16 日の記事“Adobe Acrobat と Reader の脆弱性から自分自身を守ろう”で、Acrobat と Reader に関する Adobe のセキュリティ問題についてお伝えしたことがある。今回の状況があの時と違うのは、今回はまだパッチがない点と、脆弱性の悪用事例が(少なくとも Windows 上で)現にアクティブに存在している点だ。

問題: iPhone と iPad のデータ漏洩 -- セキュリティを扱うブログ筆者の Bernd Marienfeldt が、どの機種の iPhone も、電話機の電源を切った状態で Ubuntu コンピュータに接続すれば、特定のデータが露出されてしまうという事実を発見した。(Ubuntu は Linux ベースのオペレーティングシステムだ。)Heise Security がさらに調査を進めた結果、さらにもっと多くのデータを露出させるテクニックも判明した。

知っているべきこと: この脆弱性は、どうやら私が 2009 年 8 月 7 日の記事“iiPhone 3GS ハードウェア暗号化は簡単に破れる”で説明したテクニックと関係があるように見える。(その記事を書くために調査していた際に、私はそれに関係したもう一つ別の脆弱性を発見し、それを Apple に報告した。けれどもそれに対するパッチがまだ出ていないうちはその内容を明かすことはできない。)

Bernd が発見したのは、電源の入っていない iPhone を Ubuntu システムに接続した場合、たとえそれが PIN ロックのかかった暗号化された iPhone 3GS であったとしても、そこに含まれる iTunes データのすべてと、一部のサードパーティアプリのデータとが、露出されてしまうということだ。その後 Heise が見つけ出したのは、iPhone が起動している最中にその iPhone を Windows コンピュータに接続した場合、さらに多くの情報にアクセスできてしまうということだった。Heise は「システムへのフルアクセス」が得られたと主張していて、そこには SMS メッセージや、プレインテキストの形でのパスワードも含まれ、完全な iTunes バックアップを作ることもできたという。その後のテストで、iPad にも同様の脆弱性があることが分かった。

ここで明らかになったのは二つの問題点だ。まず第一に、PIN ロックのかかった iPhone であっても信用できないシステムに接続できてしまうことだ。そして第二に、暗号化と PIN が施されていたとしても、状況により、少なくとも部分的には保護を回避してデータを暴露することができてしまうことだ。言い替えれば、iPhone 3GS のハードウェア暗号化は、あまり知識のない攻撃者に対してさえもデータを保護する役には立たないのだ。

どうやって自分自身を守るか: これだけのことを知った以上、いったんあなたが iPhone を物理的に手許から失ってしまえば、もはやあなたのデータが保護されているとは言えないことが明らかだろう。実際問題として、iPhone をなくしたり盗まれたりしても、たいていの場合は攻撃を受けたり犯罪学的な分析をされたりするより、売り飛ばされたり無料の携帯電話が欲しい人に使われたりするだけの方が多いだろう。それでも、企業ユーザーや、有名人、その他社会的地位のある人などは、データ漏洩に関してより大きなリスクを負っていることは確かだ。

あなたのリスクを最小限に抑えるために、必ず PIN コードを使い、システム終了する際には前もって手動でロックをする(とは言っても私も携帯電話を完全にオフにしたことなど記憶にないが)ようにし、General > Auto-Lock 環境設定を使って一定の時間が過ぎれば電話機が自動的にロックされるように設定しておこう。今回問題となっている脆弱性は、おそらくあなたが電源を入れた際に電話機がどのように起動するかの方法に関係していると思われる。つまり、ロックせずに電話機をシステム終了しない限り、この脆弱性には見舞われないということになる。

もしも iPhone や iPad をなくしたら、そして、もしもあなたが MobileMe 購読者であるかそれともあなたの電話機が Microsoft Exchange サーバに接続されているかするなら、リモートワイプを発動させて保存されているデータを消去することができる。ただしこれはその機器がインターネットに接続されていなければ働かない。MobileMe 購読者の場合はリモートワイプを MobileMe の Find My iPhone セクションで発動させることができる。Exchange ユーザーの場合は Exchange 管理者に連絡して発動してもらう必要がある。

良い知らせがある。iPhone OS 4.0 では、この脆弱性の危険度が減るかもしれない。Apple の発表によれば、ユーザーが PIN コードを鍵として使って電子メールのデータにより良い暗号化を施すオプションが加わるとのことだし、またソフトウェアベンダーたちもそれぞれのアプリにより高度な暗号化を組み込むことができるようになるとのことだ。

問題: 新手のスパイウェア -- 2010 年 6 月 1 日に、Mac 用セキュリティソフトウェアベンダー Intego が、 新しいタイプの Mac スパイウェアについて詳細情報をリリースした。このスパイウェアは、通常信用されているサイト、例えば MacUpdate、VersionTracker、Softpedia といったところにホストされたダウンロード可能なスクリーンセーバの中に見つかったという。

知っているべきこと: このマルウェアは OSX/OpinionSpy と呼ばれ、Windows システムに 2008 年に初めて登場したスパイウェアプログラムの、Mac 版だ。興味深いことに、OpinionSpy はダウンロードしたものの中に実際に含まれている訳ではなく、そのホストソフトウェアをインストールする過程でダウンロードされるようになっているという。その結果として、アンチウイルスソフトウェアがそのアプリケーションあるいはスクリーンセーバのインストーラをスキャンしても発見できない可能性が高い。

場合にもよるが、このソフトウェアはインストールの最中にそれが「市場調査プログラム」を含んでいると警告を出すことがある。ただし、必ずあなたは管理者認証情報を入力するように求められる。他のどんなソフトウェアでも同じことだが、あなたが管理者パスワードを入力すれば、そのプログラムにあなたの Mac 上で何でも好きなことができる権限が許されてしまう。

この OpinionSpy が Mac OS X の持つ何らかの脆弱性を利用していると考えられる根拠は何もない。これは、ただユーザーを騙してインストールさせているだけだ。

いったんインストールされれば、OpinionSpy はあなたのシステムをスキャンして、あなたの行動を記録し、情報を外部のコントロールサーバに送信する。そのトラフィックは暗号化されるので、具体的にどの情報が持ち出されるのかははっきりしない。また、時によってフォームやアンケートなどに書き込むよう求めてくることもある。

OpinionSpy はスパイウェアだ。つまり、このソフトウェアはあなたの行動をスパイして見張り、その情報を運営会社に送る。すべてのスパイウェアが必ずしも悪意あるものとは限らないが、OpinionSpy は時によってそのインストールの段階で自分自身を隠したり、Safari や iChat など他のプログラムの中に自分自身を潜り込ませたりし、コントロールサーバに送信する内容を明かすことはなく、あなたがオフにした後もこっそりと動作し続けようとする。これは、悪意あるものと見るのが妥当だろう。

OpinionSpy はウイルスではなく、自分自身を複製したりはしない。

どうやって自分自身を守るか: いつもと同様、常識を持つことと、少しばかりの懐疑主義こそが、まず何よりも最初の防衛線となる。市場調査に参加しませんかと言ってくるアプリケーションがあれば、警戒しよう。また、インストールの際に管理者認証情報を要求するプログラムには、十分に注意しよう。それがスクリーンセーバのようなごく単純なものならばなおさらだ。もちろん、管理者アクセスを必要とする正当なプログラムはたくさんあるが、もしもそれがあなたが今まで知らなかったアプリケーションで、あなたに馴染みのない会社から来たものであったならば、パスワードを入力する前に、少しだけ時間を割いて調べてみるべきだろう。

スクリーンセーバとか気軽なゲームといったような、いわば使い捨てのプログラムは、スパイウェアやバックドア、その他いろいろなマルウェアの出所となることがよくある。そうしたプログラムが信用あるダウンロードサイトに出てしまうのは別に特別なことではない。なぜなら、そうしたサイトの運営者たちには、すべてのプログラムを掲載に先立って徹底的にテストする時間などないからだ。私は、知らない作者、信用できない作者によるソフトウェアについては、インストールの前に十分注意することをいつもお勧めしている。特に、今回のようなアプリケーションの場合には通常とは違う方法で広められているので、必ずしもアンチウイルスソフトウェアに検出されるとは限らないのだからなおさらだ。(もしもあなたがアンチウイルスソフトウェアをお使いならばの話だが。2008 年 3 月 18 日の記事“Mac ユーザーはアンチウイルスソフトウェアを使うべきか?”にも書いた通り、私は一般的にお勧めしていない。)

個人的に、私は Objective Development の Little Snitch ($29.95) も併用している。これは外向き通信のファイヤウォールで、どんなプログラムでもインターネットへ外向きの接続をしようとすれば、その度に Little Snitch が確認を求めてくる。それが私の知らないプログラムなら、私は接続を拒否する。(その上でそれがどんなプログラムなのか調べる。)私が何らかの意味で疑いを持っているプログラムについても同様にしている。

ウィジェットや、スクリーンセーバ、よく知らない開発者の作った小さなゲームなどのソフトウェアをもしもあなたがいつもダウンロードしているのならば、Little Snitch に加えてアンチウイルスソフトウェアも使うことも考えた方がよいかもしれない。大多数の Mac ユーザーにはお勧めしないけれど、いつも大量にダウンロードをする人、ギャンブルに凝っている人、あるいはアダルト向けのコンテンツを見ている人たちは、追加の保護を得るために少し投資することを考えるべきだろう。

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AT&T、iPhone と iPad の無制限データプランを廃止

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>, Mark H. Anbinder <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

AT&T は 2010 年 6 月 7 日から、iPhone および 3G iPad 用の無制限セルラーデータプランの新規契約を廃止する。その代わりとして、同社は使用量に制限のあるより安価な二つのデータプランを提供するとともに、米国では最も安価な超過料金も適用する。

AT&T はまた、長い間実現の遅れていたテザリングのオプションについても、iPhone OS 4 (今は iOS 4 と呼ばれている) が 2010 年 6 月 21 日に利用可能となるのに合わせてスタートさせると発表した。これは新しい二つのデータプランのうち高い方に組み合わせて提供される。

今回のニュースは、明らかに Apple の Worldwide Developers Conference (WWDC) において Apple が iPhone 4 と iOS 4 の発表を行なったのにタイミングを合わせたものだ。それはまた、新しい iPhone 4 のために無制限サービスを提供する羽目になるのを AT&T が望まなかったことをも意味している。

今回の発表は、Apple が Verizon Wireless との提携を発表するのではないかという観測を裏付けているようにも思える。ただ、これは WWDC の場では実現しなかったが。過去三年間にわたり、Apple は AT&T に対し iPhone についての独占契約と、3G iPad でのセルラーデータサービスを AT&T のみが実行できる技術規格上の制限とを認める引き換えとして、無制限プランの提供を AT&T に要求してきたらしい。今回 AT&T が契約内容を変更しようとしているという事実は、Apple が将来の iPhone や iPad 各機種について無制限データプランにこだわるのをやめて、米国内で複数のキャリアと契約する道を選んだことを示しているのかもしれない。

もはや無制限ではない -- AT&T の発表で最も大きなニュースは、新規の契約者は無制限データプランが利用できなくなるという点だ。既存の iPhone と 3G iPad の契約者は、そのサービスプランをキャンセルしたり変更したりするまでは引き続き無制限プランを使い続けられる。

無制限のデータが約束されたことは iPhone 革命に弾みをつけたが、それと同時に AT&T にとってはさまざまの問題を生み出した。セルラーネットワークがあっという間にダウンすることもあり、特にニューヨークやサンフランシスコなど大都市圏のような使用度の高い地域でそれが多く見られた。AT&T はその過負荷を処理するために数十億ドルという資金を注ぎ込んでいるが、それでもこの問題が依然として同社の重荷となっていることは明らかだ。同社は最近、巨大な Wi-Fi ホットゾーンを作ってデータ負荷をそちらに移すことをテストするための実験プロジェクトをマンハッタンの Times Square でスタートさせたばかりだ。

AT&T は初代の 2G iPhone に月額 $20 の無制限 EDGE (2.5G) とテキストメッセージングのプランを付けた。2008 年の iPhone 3G のスタートに際しては、AT&T は料金を月額 $30 に値上げするとともに、基本的なテキストメッセージプランについても課金を始めた。

2010 年 1 月の iPad 導入に際しては、AT&T が同種の無制限プランを提供することが約束された。いくつかのヨーロッパのキャリアが提供しているような「公正使用」プラン、つまりはっきりした上限あるいは隠れた上限が適用されるようなプランではないということが明言された。AT&T が提供したプランは二つ、月額 $14.99 で最大 250 MB のデータ、または月額 $29.99 で無制限のデータだった。

2010 年 6 月 7 日以降、AT&T は新規の iPhone 顧客に対して二つの選択肢を提供する。毎月 200 MB までの DataPlus プランが $15、毎月 2 GB までの DataPro プランが $25 だ。AT&T は、毎月使用量が制限に近づくごとにテキストメッセージと電子メールで警告してくれる。

一方、3G iPad ではこれまでの $29.99 の無制限プランに代わり、DataPro に類似した $25 の 2 GB プランが登場する。$14.99 の 250 MB プランは引き続き利用できる。

AT&T に確認してみたところでは、もしもあなたが現行の iPhone あるいは他のスマートフォンでの契約を DataPlus または DataPro に切り替えた場合、あるいはもしもあなたが現在 3G iPad で自動更新の無制限プランを持っていてその更新を一時中止にするか 250 MB プランに切り替えるかした場合、その後の無制限サービスの再開はできないということだった。だから、もしもあなたが 2 GB の 3G データ制限を超えることがよくあるのなら、古い無制限プランを中断せずにずっと使い続けるのを忘れてはいけない。

AT&T は、スマートフォン顧客の 65 パーセントが(同社が「iPhone ユーザー」とは言っていないことに注意しよう)平均して毎月 200 MB 以下のデータしか使っていないと主張している。また、スマートフォン契約者の 98 パーセントが毎月平均して 2 GB 以下の使用量だとも述べている。

こういった発言はいわば逃げ口上だが、良い情報でもある。iPhone ユーザーが他より大量のセルラーデータを消費するというのははっきりと立証された事実だ。「平均して」という限定語が意味するのは、AT&T 顧客が使用量の上限を超える月が多くあったとしても、それでも平均すればずっと低くなるということだ。明らかに AT&T としては iPhone での使用量や毎月の使用量の棒グラフ表示を公表することはできない。なぜなら、そんなことをすれば、これらのプランが同社が見せかけようとしているほど有利なものでないことがあまりにも明白に示されてしまうからだ。そうして iPhone ユーザーたちや、おそらく同じようなデータ量を使っている Android ユーザーたちにも、痛みを与えることになるだろうからだ。(AT&T のスポークスパーソンは私たちの問い合わせに対して、AT&T としては特定のスマートフォンの使用度パターンを公表することはないと認めた。)

それでも、いつも 200 MB 以内だったユーザーたちには今後毎月の請求額が半分になるのだし、ヘビーユーザーであっても 2 GB の制限内にいる限り毎月の額が以前より $5 安くなる。Glenn が 2010 年 2 月に調べてみたところ、彼の場合 2009 年後半で平均して毎月 200 MB を少し超える程度であり、その使用量は少しずつ減る傾向にあった。その記事のための調査をしながら、彼は最近の数ヵ月で自分の使用量がさらに減っていることに気付いた。AT&T は現在、使用量のシンプルな棒グラフ表示を提供している。 自分の AT&T アカウントにログインし、Usage & Recent Activity をクリックし、View Past Data Usage をクリックすれば図表を見ることができる。(2010 年 2 月 2 日の記事“あなたは毎月 250 MB のデータ量でやって行ける?”も参照。)

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3G データ使用量を抑えるために役立つ一つの方法として、AT&T のプランがいずれも米国内 21,000 ヵ所の Wi-Fi ホットスポットネットワークでの無制限アクセスを含んでいることに注意しよう。ただし、そのうち 19,000 ヵ所以上が McDonald's や Starbucks の店内サービスであることは言っておかねばならない。どちらも無料のサービスを提供している。(McDonald's 店内のサービスは完全に無料だ。Starbucks の場合は Starbucks Card に登録すれば毎日2時間まで使える。2010 年 3 月 25 日の記事“Find Free and Inexpensive Wi-Fi”参照。)

超過分と残り分の扱い -- 今回の新しいプランでの超過料金は、従来 AT&T やその他のキャリアが出していた 3G 価格とは異なった構造になっている。従来は、設定された量を超えた場合、超過分に対してキャリアがメガバイト単位で計測して課金していた。

超過料金は MB あたり 20 セント (GB あたり $200 に相当する!) のこともあったが、年月の経過に従って各キャリアはこの価格を少しずつ下げてきた。現在、多くのキャリアで MB あたり 5 から 10 セント程度になっている。(T-Mobile は他と違っていて、超過料金のない 5 GB プランを提供し、その月の使用量が 5 GB を超えれば通信を低速に切り替えている。)

AT&T によれば、毎月のデータプラン使用量が上限の 65%、90%、100% に達した場合、そのスマートフォンユーザーにテキストメッセージと(同社がアドレスをファイルしていれば)電子メールで通知が送信されるという。また、データ使用量のライブ表示も、AT&T myWireless iPhone アプリで、または iPhone から *DATA# に電話することによって、または AT&T のウェブサイトでアカウントをチェックすることで、それぞれ見ることができる。(3G iPad のユーザーも同様の警告を iPad 上で、また電子メール経由でも受けることができるが、警告の出る残量割合はちょっと違ったところに設定されている。)

30 日の請求期間内にそのスマートフォンでの使用量制限を超えた場合、AT&T は自動的にあなたのアカウントに新たなデータ量を追加する。AT&T はこれをメガバイト単位で計測することはせず、その代わりにもっと大きなデータ単位で課金する。DataPlus の 200 MB 契約者の場合、追加の 200 MB ごとに $15 が課金される。DataPro ユーザーの場合は、追加の 1 GB ごとに $10 を払うことになる。つまり、MB あたり 1 セントだ。私たちが AT&T に確認したところでは、追加を繰り返してもずっと 1 GB あたり同じ価格が適用され、追加できる回数に制限はないという。

AT&T がラップトップ 3G 機用に 5 GB で $60 というプランを出していることを考えれば、2 GB に $25 プラス追加の 3 GB に $30 というのはちょっと安いとも言える。

残念なことに、AT&T は未使用のデータ割当量を未使用の音声通話時間のようには扱ってくれない。30 日の請求期間内に割当てのデータ量を使い切らなければ、未使用の分は単に失効するのみで、次の請求期間に繰り越されることはない。これは馬鹿げている。なぜなら、AT&T は音声通話時間についてはちゃんと繰り越しているからだ。きっと、どこか別のキャリアが競争目的で未使用データ量の繰り越しを打ち出してくるのではないだろうか。

iPad については自動的な超過料金を含まないプリペイドの課金体系が別途に決められているが、これが今後も引き続き用いられる。つまり、250 MB または 2 GB のデータを購入して自動継続することができ、いつでもペナルティーなしにその両者の間で切り替えたりキャンセルしたりもできる。どの 30 日の請求期間の途中にでも割当てのデータ量を超えれば、その時点で 250 MB または 2 GB の新たな 30 日間プランを購入でき、その再入金時点で時計が新たな 30 日を刻み始める。

(ただし、iPad のプランは基本的に $25 の 2 GB 単位で販売されるので、スマートフォンの DataPro プランで最初の 2 GB が $25、その後 30 日の請求期間内は追加の 1 GB ごとに $10 ずつ増えるというものとは異なる。)

注意しておかなければならないのは、世界の大多数の国の iPhone プランではこれまで一度も無制限のデータが提供されたことがないという事実だ。例えば、カナダの Rogers は毎月 500 MB から 5 GB までのさまざまなデータプランを出しているし、英国の Orange が「無制限モバイルインターネット」と称するものには「公正使用ポリシー」が含まれていて、実際には毎月 750 MB までの制限が課されている。

米国以外の多くの iPad データプランでは、使用量の上限が iPhone プランより大きくなっている(毎月 1 GB から 10 GB までさまざまだ)が、いったん上限に達すればその請求期間内の残りについてはキャリアがそのサービスを 64 Kbps にスピードダウンしてしまう。(2010 年 5 月 10 日の記事“国際版 iPad 出荷日と価格、発表される”参照。)

オーストラリアの Vodafone 無制限プラン は、私の知る限り現在世界で唯一、スピードダウンもなく計測による追加料金もないサービスを提供している。価格は月額 49.95 オーストラリアドル (US$42) だ。

テザリング -- 無制限サービスがなくなるという悲しいニュースと、たいていのユーザーで価格が下がるという嬉しいニュースとの間に、もう一つ喜ばしいことが、ほとんど忘れ去られたかのように隠れていた。それは、iPhone を使ったテザリングを AT&T が許すようになることだ。テザリングによって、携帯電話がブロードバンドモデムとして機能するようになり、その 3G データ接続を Bluetooth または USB 経由で他の機器(通常はコンピュータ)と共有できるようになる。ただしその機器が適切なドライバのサポートを備えていることが必要で、iPad にはそのようなサポートはないが、Mac OS X、Windows、それに Unix/Linux の多くの変種がそれをサポートしている。

Apple は一年前の iPhone OS 3.0 でテザリングをオプションとして追加した。けれども AT&T はこれまで一度もこのサービスを利用できるプランを作ったことがなかった。いくつかの国際キャリアは iPhone でのテザリングサービスを販売してきたし、米国のキャリアの大多数が他の携帯電話で追加料金を取ってテザリングを許している。

AT&T は今回、月額たったの $20 でテザリングが使えるようにした。ただしそれには月額 $25 の DataPro プランが要件となる。米国の多くのキャリアは、データプランにテザリングを追加した場合月額 $30 の追加料金を課している。テザリングによるテータ使用も 2 GB 制限の対象に含まれるので、ユーザーとしてはビデオのストリーミングやソフトウェアのダウンロードなど大量のデータを扱う活動には注意を払う必要がある。

テザリングは、モバイルホットスポットサービスとは異なる。後者はスマートフォンが 3G データ接続を Wi-Fi 経由で近くの機器に共有できるというものだ。この機能は Android 2.2 や、数ヵ月以内に登場予定の Sprint HD Evo 4G 携帯電話、また Verizon 版の Palm Pre Plus および Pixi Plus 電話などに見られる。Verizon は最近 Palm 電話でモバイルホットスポット料金を課すのを止めた。おそらく販売促進のためだろう。同社は他の携帯電話についてはテザリングに料金を課している。

AT&T によれば、この新しいテザリング機能は Apple が 2010 年 6 月 21 日に iOS 4 をリリースし次第、iPhone で利用できるようになるという。推測だが、おそらく昨年リリースされた時点に比べてこの機能に何らかの変更が加えられているのだろう。AT&T の発表の文面から汲み取れるのは(直接そう述べている訳ではないが)既存の iPhone 3G データプラン契約者はテザリングを追加したいと思えば DataPro に切り替えなければならない(つまり無制限のサービスはあきらめなければならない)ということだ。まあ、それが妥当な見方だろう。

幸いにも、AT&T は新しい二つのデータプランの間で必要に応じて行き来して切り替えることができる とはっきり述べている。おそらく、個々の請求期間単位でテザリングのプランを iPad データプランの場合と同様にオン・オフすることもできるのだろうと思われるが、AT&T は私たちの知る限りその点についてはっきりとは明言していない。ただ、この話題を扱った TUAW の記事 には、テザリングが契約を必要としないと書いてある。

結果として、どうやらこの新しい二つのデータプランは私たちの多くがこれまで望んできたことを提供してくれるようだ。つまり、通常の使用の場合には量に上限の指定された安価なデータプランを使い、大量のデータの必要が見込まれる場合にはそれに適したプランに切り替えることができる。さらにはそれにテザリングのプランを組み合わせることも可能となる。例えば、Macworld Expo に行く予定があればその月だけ DataPro プランに切り替えてテザリングも付け、次の月にはまた DataPlus に切り替えて戻るということもできる訳だ。

正味の効果 -- 無制限のサービスがなくなることの影響を一番大きく受けるのは、3G iPad のユーザーたちだろう。iPad は iPhone に比べてはるかに大量のデータを消費する。ストリーミングには Netflix などのアプリがあり、フル解像度の写真やビデオを iPad Camera Connection Kit で転送して、その後それをアップロードしたりすることもあるだろうからだ。3G 使用量が 2 GB に制限されていることは、ユーザーによってはどの作業が可能かという点での制限を受けることを意味する結果となるだろう。

けれども iPhone ユーザーにとっては、これはそれほど厳しい制限ではないかもしれない。2 GB プランがあれば、ユーザーとしてはアプリやポッドキャスト、メディアなどのダウンロードを避ける必要がある程度だろう。Apple は既にその種のダウンロードを1件あたり 20 MB までに制限している。ただ、こういうものは往々にして積み重なって大きくなりがちだ。Wi-Fi ネットワークが使えるようにならない限り、注意は怠るべきでない。

実際問題として、AT&T はこれで自社のネットワークの使用量を減らすことに成功したのだろう。(少なくとも将来の増大を遅らせることにはなるだろう。)しかもそれと同時に、毎月のデータ料金が半額になった一部のユーザーに満足を与えることもできる。ヘビーユーザーたちにとっては AT&T に支払う料金が増える可能性があるが、その種の人たちならば料金を払うかそれとも使い方を修正するかを自分で判断することができるはずだ。

今回の AT&T の行動が生み出す本当の効果は、今年の後半になってから現われるのかもしれない。明らかに、AT&T は Apple との何らかの合意に基づいて、それを無制限サービスを提供する根拠としてきたのだろう。その合意がどんなものだったのかは分からないが、どうやら今やその合意は取り払われたようだ。ならば、今後 Verizon Wireless との間にも何らかの提携が実現する可能性が浮上してきたのではないかと思われる。

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Apple 社、WWDC 2010 キーノートスピーチで iOS 4 等を発表

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
    訳: 大石哲伸<tedz2000@gmail.com>

Stave Jobs は 今年のApple 社の Worldwide Developers Conferenceに登場し、またまた帽子の中からウサギを取り出した。つまり、iPhone 4 や iPhone OS 4(iOS 4と改名)の事だ。いつものように Jobs は幅広い統計内容を見せ、 Appleがその様々な製品とビジネスをどのように市場に拡大させたかを示す。しかし、もちろんこれは Appleのメッセージを伝えるため広告用に都合の良い数字だけを取り出したものではあるが、それでも興味深くはある。彼は iBooksの新機能にも触れ、既に発表されたいくつかの機能が iOS 4 にある事を思い出させ、デモを行って、ビデオ会議アプリが iPhone 4 にFaceTime として搭載されている事を見せた。

Jobs が与えたデモ用の時間を使って、 Netflix 社は新しい iPhone アプリを、Activision 社は iPhone 版のGuitar Hero を、Zynga 社は iPhone アプリ 版の FarmVilleを見せた。最後のデモは他のものよりも政治的な意味合いが強い。と云うのは、FarmVille は7千万のフラッシュアプリユーザーをFacebook 上に持っているし( Apple が Adobe に対して仮想家畜を使って攻撃すると誰が予想しただろう)、Zynga社は最近 Facebook とゲームの利益をめぐって争ったところだ。

数字 -- Apple社がどの程度有名になったのかを知るのに、まず、WWDCには5,200人の参加者が57カ国から参加している事を示せるだろう。実際、チケットを取るには相当うまくやる必要がある。このカンファレンスはたった8日間で売り切れたのだ。

Jobs は iPad の販売成績を見せ、Apple社が既に200万個を販売した事を示した。この機器は市場に出てからの60日間で平均3秒に一個売れていることになる。現在、iPadは10カ国で販売されていて2010年7月までに9カ国が追加される。

同じくらいに重要なのは iPad アプリ の数が販売国の数と共に急速に増えている事で、8,500となった。また、225,000 個のiPhone アプリ が iPad と互換である。iPadユーザーは既に3,500万の アプリ をダウンロードしており、これは一つのiPad あたり17個のアプリにあたる。App Store からすべての機器へのダウンロード数は50億回を超えている。

App Store はアプリの申請を猛烈な勢いで受け付けており、現時点で毎週15,000アプリの割合である(その多くがアップデート版の申請である事には疑いがない)。Appleはこのうち95%を一週間以内に承認しているとしている。また、アプリが作られている言語は30種類にのぼる。

いくつかの開発会社にとって、アプリは大きなビジネスであり、たとえそのアプリが無料であってもこれは同じだ。eBay の CEO 、John Donahoe が述べた事だが、無料 eBay アプリは2009年に一千万回ダウンロードされ、最初の年に6億ドル相当の売買がなされた。今年は15億ドルから20億ドルにのぼるだろうと予想している。有料アプリに関しては、10億ドル程を開発会社が売り上げた。アプリの利益の70%を開発会社が受け取るので、appleは4億3千万ドルを得ていることになる。これは小銭を集めたにしては大きい。

アプリがこんなに売れているのは何故か?とんでもない数のユーザーがいるからである。Apple は今月には一億台の iOS 機器が売れるとみている。そのうち iPhone は一番大きなパイを占め、競合とよく闘っている。ニールセンが発表したの2010年第1 4半期のスマートフォン市場シェアの28%を取っている。RIM の BlackBerry はいまだに35%、Windows Mobileは3番目で19%、Android は4番目で9%、そしてその他の機器が9%を占める。

BlackBerry が市場売れているにしても、その使われ方は全然違う。アプリの事はたいした違いではない。もちろん、携帯Webブラウザの使用が著しく低かった事だ。この見方で云えばiPhone は58.2%のシェアを携帯ブラウザの市場で持っている。Android が22.7%で後を追い、RIMが12.7%、そしてその他が6.5%である。

数字の紹介はもう十分だろう。ここで発表内容を見てみよう。私たちはその発表の細かい部分まで記事にしている。Glenn Fleishmanの"新しい iPhone 4 には未だ暴く秘密があった"(2010年6月7日)を参照していただきたい。発表内容の中で最も意義のある点が説明されている。

iBooks -- Apple が事前に発表したように、iBooks が iPhone にやってくる。 iPad用もアップデートされ、今月後半にリリースされる。

我々の多くが注目していると思うが、iBooks は PDF を格納し、表示するようになった。新しいタブが最上段につき、iBooks アプリでは本を切り替えることが出来るようになった。EPUB形式、もしくはPDF形式で購入と転送が出来る。PDF形式は iTunesで転送する必要があり、この事は他から調達したEPUB形式の本を転送する場合も同じである。しかし、Appleは電子メールに添付したPDFファイルも iBooks に取り込めると云っている。Safari でダウンロードしたPDFファイルをiBooks 内に保存できるかどうかはわからないが、その可能性は高いように思える。もう一つ不明な事がある。ありそうもない事だけれど、Apple社がPDFファイルを iBookstore で売るような事にはならないだろうか(幸運を祈ろう)。

新しいリリースでは付箋機能も付いた。これは大きな糊付きの付箋のように見え、スティッキーユーティリティーを思い出させる。しおり機能も改良された。この機能では付箋としおりを参照するために目次に新しいページが追加されるようになった。この機能によりiPad は教育市場で競合製品より優位に立つだろう。("Princeton Tests Kindle DX - Could the iPad Do Better?" 2010年6月4日参照)

Jobs の確約ではこれから出てくるリリースで、しおりと付箋の自動同期ができ、同じアカウントを使用しているすべての機器で、何処まで読んでいるのかを参照できる。購入した本を他の機器でダウンロードしても追加の費用は発生しない。この新機能はAmazon の Whispersync for Kindle のまねであり、Amazon はKindle softwareでもこれをサポートしている。

比較的少ないタイトルしか並んでない割に iBookstore はウケているように見える。iPadユーザーは最初の2ヶ月で500万の電子書籍をダウンロードした。その多くは疑う余地もなく無料のものだが、販売実績も快調であるようだ。Jobsが云うには、アメリカ合衆国で大手の6つの発行元のうち5つの報告では、Apple を通した電子書籍販売が全体の22%となっていると云う。

iOS 4 -- おそらく iPhone OS 4 に関するキーノート発表で一番大きなニュースはその名前だろう:iOS 4。この変更は論理的には歓迎されるべきだが、そもそも "iPhone OS"と云う言い方に公式に切り替えたのは2010年の一月からにすぎない。この事実は興味深い("iPhone 開発者ライセンスがさらなる新デバイスを示唆?"2010年1月28日を参照)。おそらく、そのうちに iPhone開発者プログラムライセンス契約の更新を見ることになるだろう。

今、「iOS機器」と云えるようになり、これは「iPhone OS機器」と云わなければいけないややこしさに比べるとかなりましになったと云える。とは言え、疑問はこの言葉が十分に広く広がるかどうかであり、「iPhoneアプリ」と呼ばないで "iOS アプリ" と呼ぶ事でそのような機器すべてで動作するアプリを示す事ができると云う事だ。この事は iPad用を"iPadアプリ" とし、iPhone 用の特別な機能を利用して音声コールを行うようなものを "iPhoneアプリ"と呼ぶ事も可能にする。

名前の事はさし置いて、Apple は 数ある iOS 4 の機能をデモした。しかしその多くは2ヶ月前の iPhone OS 4の発表で明らかになったものだった("Apple、iPhone OS 4 の主な新機能をプレビュー"2010年4月8日 を参照)。iOS 4の最も意味のある機能はマルチタスク、フォルダー、そして Mail の統一された受信箱とスレッドだ。Jobs はさらに iOS 4では企業用機能が加わった事に触れ、これにはデータの保護("セキュリティのニュース: Flash 攻撃、iPhone 漏洩、スパイウェア発見" 2010年6月7日参照)、携帯機器の管理、無線アプリ配信、複数のExchangeアカウントサポート、Exchange Server 2010のサポート、そしてSSL VPNのサポートだ。最後に一つの新機能が公開された:Microsoft Bingが検索エンジンに追加され、Safari の検索バーの中で使用できる(初期設定で、設定 > Safari > 検索エンジン)。

Apple は iOS 4 を2010年6月21日に出荷し、iPhone 3G と iPhone 3GS 、第2、第3世代の iPod touch に対しては無料のアップデートになる。しかし、iPhone 3G と第2世代の iPod touchにはマルチタスクサポートのためのハードウエアがない。初代の iPhone と iPod touch では iOS 4は動作しない。Apple の会計ルールが変更されたので iPod touch ユーザーも無料でアップデートできるようになった。以前には、Apple 社は iPod touch のアップグレードに課金しなければならなかった。

FaceTime -- Steve Jobs のキーノート史上、おそらく、一番驚かなかった「さらにもう一つ、」。Apple社は iPhone 4 に FaceTimeを導入した。これはビデオチャット機能であり、前面に付いたカメラの利点を最大に活かすものであるが、Jobsはそのプレゼンの中でカメラについては既に触れていた。FaceTimeは宇宙家族ジェットソンのようなビデオチャット機能を約束するものではあるが、いくつかのテストコールは別にして、iPhone 4 と Wi-Fiが必要であると云う条件で人々がこれを使うだろうか?もし、FaceTime がビデオ iChat機能と共に使えれば劇的に普及すると思われるが。

iPhone 4 機器で通常の通話を行っている時に、FaceTime のボタンが電話 アプリの画面に表示される(通常、保留ボタンが現れる場所に現れる)。この機能は現在では Wi-Fi でしか使用できない;Appleは携帯電話網での接続は将来のオプションであると云っている(これを翻訳すると、「私たちは携帯電話会社がこの機能に対して十分な帯域を用意して通話の品質を高めてくれる事を待っています」)。iChatでのビデオチャットのように相手をフルスクリーンで見ることが出来(縦画面でも横画面でも)、画面の角には自分のプレビューが iPhone前面のカメラを通して映し出される。

ボタンをタップすると、背面のカメラに切り替わり、この別カメラに映っている事は何でも送ることが出来る。ビデオに対して Appleは素晴らしい作り込みを行っている。祖父母や旅行中の両親に対して赤ちゃんの記録を取るのに、よちよち歩きの幼児をラップトップパソコンの前にじっと座らせる必要はなく、単にiPhone のカメラを切り替えて電話を子供がやっているかわいらしい事に対して、何にでも振り向ければ良い。

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新しい iPhone 4 には未だ暴く秘密があった

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Steve Jobs は新しい iPhone についての彼の説明を、あの iPhone 4 と呼んで、顔をしかめて開始した。これは最近忘れ物とされた或いは盗まれたプロトタイプを指してのことである:"さて、皆さんの中にはもう既にこれをご覧になった方もおられるかもしれない。" しかし彼は次の様に続けた、"正直な話、皆さんは何も見ていない、手にとってご自分で見てみなければ。" (Apple はこの第四世代の iPhone を "iPhone 4G" とは名付けられなかった、何故ならば 4G セルラーデータネットワーク、例えば WiMax とか LTE と言ったものが世界中で出現し始めている、のことを聞いている消費者を混乱させるであろうからである。)

新しい iPhone 4 は最初の三世代のものより間違いなく角張っているが - Jobs はこれを美しいクラシックのライカカメラのようだと形容している - 9.3 mm の厚さで前の iPhone 3GS モデルよりも 24% も薄くなっている。これが平らになった縁を和らげている、そしてそこには全周に亘ってアンテナが組み込まれており、Bluetooth, Wi-Fi, そして GPS、更に幾つかのセルラー周波数 (GSM 及び UMTS) をまかなっている。

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iPhone 4 には改訂された 3.5-inch スクリーンが搭載されており、ピクセルの数も 4 倍となって (960 x 640) 極めてきめ細かいディスプレイとなっている。Apple はこれを "Retina(網膜)ディスプレイ" と呼んでいるが、これは同社独自の造語のようである。インチ当たり 326 ピクセルとなり、Jobs はこのディスプレイは個々のピクセルを区別する網膜の能力、彼によると最高でも 300 ppi までである、を超えていると語っている。スクリーンのコントラスト比は 800 対 1 で、iPhone 3GS よりも 4 倍高い。スクリーンには IPS 技術を使った LCD が採用されており、丁度 iPad の様に、視野角もずっと大きくなっている。

既存の iPhone アップスは変わらず同じ縮尺で動作し、iPhone OS 4 - 今や iOS 4 と呼ばれる - とだと、開発者側での何らの手直しも必要とせず 4 倍の密度でタイプや他の要素をレンダー出来る。開発者は後でこのより密度の高いディスプレイの特徴を生かして使う事が出来るのは勿論である。(これが Apple が iPad 上でインターフェース要素やタイプを二倍の大きさでなぜレンダー出来なかったのかの疑問に対する答えなのかもしれない。この様な機能は iPad 用の iPhone OS 3.2 ではまだ準備が出来ていなかった可能性はある。) 更に新しいものの一つに正面を向いたカメラがあり、これは FaceTime ビデオ会議に使われた、そして二つ目のカメラが背面に LED フラッシュと一緒に付いている。iPhone の上部には二つ目のノイズキャンセル用のマイクが追加され底部のスピーカーのそばにあるもう一つを補っている;Android 電話にも騒々しい環境での音声品質を向上するために同様の設計を使用したものが既にある。

iPhone 4 には 16 GB と 32 GB の容量しか選択肢がないのはちょっとした驚きである。iPad にはどちらのネットワークモデルにも 64 GB のオプションがある、しかし 64 GB のメモリモジュールを詰め込むには隙間が無さ過ぎたのは間違いないであろう。Jobs は発表の最中に部品はぎっちり詰め込まれていると語っていた。

ネットワーク -- Apple は iPhone 4 のネットワーキング仕様をアップグレードし 802.11n を追加しているが、これは 2.4 GHz 帯だけしか持たない。iPad は 2.4 と 5 GHz Wi-Fi をサポートしているが、ちっぽけな iPhone 4 に二つ目の無線とそれ用のアンテナを押し込むのは無理な相談と言うものであったのかも知れない。

セルラーデータの側で言うと、iPhone 4 は未だ HSDPA 7.2 (生で 7.2 Mbps のダウンストリーム) に限定されている、多くのネットワークオペレータは世界中で 14 から 21 Mbps の HSDPA 速度を運用しているにも拘らずである。AT&T は HSPA+ (21 Mbps) ネットワークを今年後半には計画していて、T-Mobile は米国内の一部ですでにその運用を開始している。

しかし、iPhone 4 は上り規格の一つである最大 5.8 Mbps の生データレートを持つ HSUPA をサポートする最初の Apple 電話となる。これまでは、iPhone 3G と 3GS は上り方向には 384 Kbps UMTS に限定されていた。殆どのセルキャリアは現在 HSUPA を約 2 Mbps 迄しかサポートしていないので、iPhone 4 は将来の上り速度の改善に対しては対策済みと言える。

iPhone 4 はいまだ唯一の "四バンド" 電話である。これが何を意味するかと言えば、世界中の GSM ネットワーク上で広く使われている四つの周波数帯のどれとでも働くということであるが、どうも EDGE (2.5G) 以上の速度の T-Mobile の 3G ネットワーク上で機能するために必要な特有のサポートは欠いているようである。Jobs は iPhone 4 の Verizon Wireless バージョンについては何も触れなかった、これは AT&T に満足していない多くの人々が一番望んでいるものの一つである。

iPhone 4 は iPad の 3G モデル様に micro-SIM を使用するので、幾つもの電話を持ちその間でアカウントを交換しようとするのをやや難しくする。

カメラ -- 背面カメラは 5 メガピクセルにアップグレードされ LED フラッシュも付いた。5x ディジタルズームも iOS 4 のアップデートで iPhone 3G 及び 3GS と共に iPhone 4 でも使える様になる。しかし Jobs はメガピクセルは俗物のためのものであると言っていた (もっとも同社はその Web サイトで 5 メガピクセルを誇示しているが);気をつける事は最も素晴らしい、そして雑音最小の範囲の光をセンサー素子上に捕らえられる様にすることであり、彼はこの新しいカメラはそれをやってくれるといっている。

このカメラのセンサーアレイは、背面照明を持ち、iPhone 3GS の 3 メガピクセルのカメラと同じ大きさのセンサー素子を持っているが、センサー部分の面積を増やしている。センサーの面積を増やすと言う事は、レンズを通った光が個々の素子に配分される量は減ると言うことであり、とりわけ実効シャッター速度が遅い場合 (動きを捉えるため)、或いは薄暗い時には光をはかるために感度が増していなければならない。(これは直感にそぐわないと思えるかもしれないが、ある有限の量の光しかレンズを通り抜ける事が出来ない;面積が大きいと言う事は個々の部分に対してはより少ないフォトンしかない事を意味する。)

背面側カメラはまたビデオを驚愕の 720p (高精細度ビデオの一つで短い方の一辺に亘って 720 ピクセルある) で毎秒 30 フレームで記録できる。これで Flip HD と Kodak HD カメラのビデオ機能が iPhone に入ってしまう。ビデオ録画機能には今やタップしてフォーカスを含むが、これはこれまで iPhone 3GS 用の iPhone OS 3 で静止画像用に提供されていた;タップしてフォーカスはビデオに対しても iOS 4 で 3GS にも追加される。前面カメラは VGA (640 x 480 ピクセル) 録画を 30 fps で提供する。

iPhone 3GS では簡単なビデオクリップのトリミングが取り入れられたが、それ以上のことをするにはクリップをコンピュータ上のビデオエディタに持ち込む必要があった。来るべき iMovie for iPhone ($4.99 で App Store から入手可) は全幅のビデオ編集をこの小さなスクリーンにもたらす。幾つかのビデオクリップを一つのプロジェクトに加える事が出来る;クリップの端にあるクロッピングハンドルを使って長さをトリム出来る;そしてトランジション、タイトル、音楽、そして写真を追加出来る (後者はカスタム化出来る Ken Burns パン効果をサポートする)。このアプリには五つのテーマが含まれており、スタイル付きテキスト、トランジション、そして音楽が加えられ映画を一体化する。完成した映画は MobileMe Gallery 又は YouTube にアップロードする、或いはメール或いは MMS 経由で共有することが出来る。解像度は次の三つから選択出来る:Medium (360p), Large (540p), そして HD (720p) である。

すぐに思いつく質問も幾つかあるが、このアプリを我々自身で使える様になるまで答えは分からないであろう。このアプリは iPhone 4 で撮られたビデオを使う様に意図されているのは明らかだが、他のクリップもソース材料として持ち込めるだろうか?そこには HD のものも含まれるだろうか?Apple のサイトは完成した映画はあなたのコンピュータに同期出来ると述べているが、載せられた情報に基づくと、iMovie for iPhone で作成されたプロジェクトをもって Mac 上の iMovie でそれを更に編集するのはどうも出来そうには見えないのである。

他のハードウェア -- Apple は iPhone 4 での内部マイクロセンサーの数を増やした。これまでの加速度計、近接センサー、環境光センサー、そして方位計に、ジャイロスコープを追加したのである。このジャイロスコープは三軸の動作感知を可能にし (ピッチ、ロール、そしてヨー)、ゲームを更に改善するであろうが、正確な位置出しに依存するプログラムにもある程度の影響を及ぼす。加速度計は動きの変化を追うのに対して、ジャイロスコープは他のセンサーと一緒になって働き感度、とりわけ向きの感度を劇的に改善するであろう。Apple はジャイロスコープと加速度計を合わせて六軸を感知すると言っている。

改訂された電池は、A4 チップのより優れた電力制御と合わせて、話し時間を 40% 延長している - これまでの上限の 5 時間から最大 7 時間へと。加えて、ユーザーは最大 6 時間の 3G ブラウジング、10 時間の Wi-Fi ブラウジング、10 時間のビデオ再生、 300 時間の待機、そして 40 時間の音楽を楽しむ事が出来る。

Apple の最近の環境努力に沿って最新の iPhone には、砒素、臭素系難燃剤、水銀、PVC は含まれておらず、そしてリサイクルしやすくなっている。

多分もっと驚きの少ないニュースは、iPhone 4 は iPad に使われていたのと同じ Apple が独自に開発した A4 プロセッサを使っていると言うことであろうか。

手に入れるには -- iPhone 4 には黒と白のバージョンがあり、16 GB モデルの価格は $199、そして 32 GB モデルの価格は $299 となっている。出荷開始は 24 June 2010 で、Apple は予約注文を 15 June 2010 から受付ける。

勿論、携帯電話の常で、アップグレードするのは、二年契約があるので簡単ではない。幸いにして、AT&T は 2010年に期限切れとなる契約を持っている顧客なら誰でも iPhone 4 へのアップグレードを許すと言っている - と言う事は、通常より 6ヶ月早くアップグレード出来る人もいると言うことである!

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2010 年 6 月 7 日

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Yojimbo 2.2 -- Bare Bones Software が Yojimbo 2.2 をリリースした。テキストや画像、PDF、シリアル番号、パスワード、その他思い付くものを何でも保持しておけるように作られた同社の情報整理ツールへの、非常に興味深いアップデートだ。バージョン 2.2 で新たに登場したのは Sidekick と呼ばれる機能で、これは Yojimbo のデータをユーザーの指定したタグを付けて書き出し、HTML、CSS、JavaScript で構築された一連のウェブページを常時アップデートするために使えるというものだ。そうすることによって、そのデータがどんなウェブブラウザでもブラウズ・検索できるようになる。(Bare Bones はそのデータが HTML5 対応のブラウザでローカルにキャッシュされるための HTML5 コードも追加しているが、残念なことに現時点でのウェブブラウザはこの機能のサポートについて一貫性がない。)いったん書き出しされれば、そのデータをパーソナル Web 共有サーバに置いたり、別のウェブサイトにアップロードしたり、いくつもの機器の間で Dropbox 経由の共有をしたり、その他ウェブページでできることすべてができるようになる。Sidekick の目標とは、ユーザーが自分の Yojimbo データをどこででも見られるようにすることだ。例えば iPhone、iPad、Windows ベースの PC、あるいは他の人の Mac でも見られるようになる。もちろん、何を書き出すのか、もしもその中に秘密の情報があればデータへのアクセスをどのように制限するか、といったことをきちんと考えておかなければならない。Sidekick は、あなたが Yojimbo に Sidekick パスワードを入力した場合にのみパスワードの書き出しをするし、パスワード項目を表示する際には結果のウェブページ上でそのパスワードを入力することが必要となる。この Sidekick 機能以外にも、Yojimbo 2.2 は数多くのマイナーなバグ修正や挙動の変更などを盛り込んでいる。詳しくはフルリリーベノートを子照。(新規購入 $39、アップデート無料、6.8 MB)

Yojimbo 2.2 へのコメントリンク:

BusyCal 1.3 -- しょっちゅう誕生日を忘れてしまっていませんか? そういう心配は、BusyMac が今回 BusyCal に注目すべきアップデートをリリースしたことで多少緩和されるはずだ。これは、共有機能を備えた同社の iCal 代替用カレンダープログラムだ。バージョン 1.3 では新たに Birthdays カレンダーが追加され、これは Address Book のコンタクト情報と同期してイベントタイトルの中にその人の年齢を表示することができる。その他の新機能としては、ミーティングの招待状に Address Book との統合を追加、週番号を表示できる機能、イベントと to-do 項目との変換のためのドラッグ&ドロップ機能の拡張、Help メニューの追加などがある。また、今回のアップデートでフランス語、ドイツ語、イタリア語、オランダ語の各言語ローカライズ版も追加された。バグ修正もいくつかあり、iCal 同期に関するいくつかのバグ、ミーティングのアップデートを送信する際に起こったクラッシュのバグ、サイズの大きな添付ファイルをバックアップした際にハングすることのあったバグなどが修正された。 フルのリリースノートは BusyMac のウェブサイト にある。(新規購入 $49、アップデート無料、8.2 MB)

BusyCal 1.3 へのコメントリンク:

Camino 2.0.3 -- The Camino Project が、Mac 専用ウェブブラウザ Camino にマイナーなアップデートをリリースした。Mozilla の Gecko レンダリングエンジンのバージョン 1.9.0.19 にこのプログラムをアップデートすることによっていくつかのセキュリティおよび安定性の問題に対処している。また、このアップデートで修正されたバグとしては、何個かのタブを続けて閉じた際にプログラムがクラッシュすることのあったバグ、Camino のブックマーク読み込みで古過ぎる Firefox ブックマークが持ち込まれてしまったバグ、クッキーリストの中でセキュアでないクッキーもセキュアだと表示されることのあった問題、入手可能なアップデートに関する情報のダウンロードが失敗した場合にプログラムがクラッシュしていたバグなどがある。それから、広告ブロックのコードにも改善が加えられた。フルのリリースノートもある。(無料、15.8 MB)

Camino 2.0.3 へのコメントリンク:

TweetDeck 0.34.2 -- Iain Dodsworth による Adobe AIR ベースの Twitter クライアント TweetDeck のバージョン 0.34.2 リリースが、大きなアップデートの後に続いて出た。そのアップデートで、多くの人気あるウェブサービスとの互換性が追加された。TweetDeck 0.34 でサポートが追加されたものとしては、Foursquare, Google BuzzGoogle MapsTwitVid、それに TwitVid がある。TwitVid はビデオのアップロードとウェブカメラとの直接接続を提供している。また、ユーザーがグローバルなフィルターを適用してマッチする tweet を隠したり、カスタム Twitter API や URL 短縮を使えるようにしたり、アップデートをスケジュール化したりする機能もこのアップデートで追加された。バージョン 0.34.2 では、これらの新機能に関係した 少数のマイナーなバグが修正された。(無料、2.3 MB)

TweetDeck 0.34.2 へのコメントリンク:

Carbon Copy Cloner 3.3.2 -- Bombich Software が、長年来のバックアップ・ディスククローン作成ユーティリティ Carbon Copy Cloner に多数のバグ修正やパフォーマンス調整を加えたアップデートを最近リリースした。この新バージョン 3.3.2 での変更点よりも前バージョン 3.3.1 での変更点の方が数多く、その主なものとしては暗号化されたディスクイメージのマウント処理の改善、ターゲットボリュームを削除する際の詳細な警告パネルの追加、マニュアルへのアクセス簡略化、MacBook Air や Mac OS X 10.4 Tiger との互換性向上、ネットワークファイルシステムに登場するディスクイメージの処理改善、その他使い勝手に関するマイナーな機能拡張などがある。また、3.3.2 では Scheduled Tasks ダイアログにおけるローカライズ上の誤りを一つ修正し、スケジュール化されたタスクがディスクイメージをマウントする際にそのファイルがバックアップボリュームの root に置かれていなかった場合にエラーとなった問題を解消している。 変更点のフルリストは Bombich Software のウェブサイトで読める。(ドネーション $10 を推奨、アップデート無料、3.2 MB)

Carbon Copy Cloner 3.3.2 へのコメントリンク:

VMware Fusion 3.1 -- VMware が、同社の Mac 用仮想化ソフトウェア VMware Fusion をアップデートした。バージョン 3.1 では最近の公開ベータ版での機能の多くを拡張しており、Windows 7 と Windows Vista の OpenGL 2.1 サポートを通じてグラフィックスのパフォーマンスを改善し、新設の EasyConnect 機能で仮想マシンでの USB 機器接続性が容易になり、仮想ハードディスクのサポートを最大 2 TB まで拡張した。また、このアップデートでは 8-way SMP、新設の OVF (Open Virtualization Format) ツール、インストールアシスタントでのドラッグ&ドロップ機能、仮想マシンの設定ファイルをデフォルトのテキストエディタで開くためのショートカット機能なども追加された。(新規購入 $79.99、アップデート無料、432 MB)

VMware Fusion 3.1 へのコメントリンク:

Boot Camp Update for MacBook Pro (13-inch, Mid 2010) -- 13 インチ MacBook の最新機種が出されたばかりだが、Apple は Mid-2010 MacBook で Boot Camp を使って 32-bit 版 または 64-bit 版の Windows を走らせているユーザーのためのアップデートをリリースした。このアップデートでは、Boot Camp コントロールパネルアプレットの輝度タブをクリックした際に誤った警告メッセージが表示される問題に対処し、ヘッドフォンの音が聞こえなくなるバグを修正している。インストールの手順説明が Apple のウェブサイトにある。(無料、1.5 MB)

Boot Camp Update for MacBook Pro (13-inch, Mid 2010) へのコメントリンク:


ExtraBITS、2010 年 6 月 7 日

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

前号以来いろいろなことが起こったが、私たちはできるだけ多くをきちんとした記事としてお伝えしたかった。そこで、今週 ExtraBITS 項目としてお伝えするのは3点のみだ。まず、TidBITS ファミリーに加わったばかりの新メンバー Soren Thomas Kissell を紹介しよう。また Rich Mogull が Science Friday に出演し、"Get a Mac" 広告キャンペーンの終了についても一言お知らせする。

Soren Thomas Kissell が TidBITS ファミリーに加わる -- どうやら他の TidBITS スタッフたちはみんなそうらしいということで、Joe Kissell と彼の妻も、私たちも欲しいと思ったようだ。5 月 20 日に、予定日より三週間も早く、パリ在住の彼らの許に、長らく待ち焦がれた新製品が届けられた。表面はマルチタッチに対応し、高解像度のビデオ入力、指紋耐性のあるアンチグレア仕上げ、3D 位置センサー、ワイヤレスネットワーキング、それに(ちょっとまだ挙動が安定していないが)スリープモードもちゃんと備えている。この素晴らしいハードウェア・ソフトウェア融合体は、彼ら夫婦に何時間も楽しみと貴重な経験を与えてくれている。苛立たしいことに、説明書が一切付いていなかったので、彼ら夫婦はまだミュートボタンがどこにあるのか分からないでいるけれど、将来のアップグレードでは顔認識や、音声合成機能、二時間ごとに充電しなくてもよいエネルギー源、などの機能が加わることが約束されているという。それから、ユーザーインターフェイスはフランス語と英語の二カ国語対応となる予定だ!

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Rich Mogull が NPR の Science Friday に登場 -- 私たちスタッフの一員である Rich Mogull おめでとう。Facebook からプライバシーを守ることについて書いた TidBITS 記事によって、彼は NPR のラジオ番組 Science Friday にゲスト出演することになった。ホストの Ira Flatow は、彼自身 TidBITS 読者でもある。この番組は NPR のウェブサイトで、オーディオを聴くこともできるし、転写したテキストを読むこともできる。

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"Get a Mac" 広告キャンペーンが公式に終了 -- 4 年間にわたり 66 種類の広告を出してきたが、Apple の "Get a Mac" シリーズ広告が終わりを告げた。最後の広告が制作されたのは 2009 年 10 月のことで、2010 年 4 月に行なわれたインタビューの中で Justin "I'm a Mac" Long がこのキャンペーンが終わることをほのめかしていた。Apple の広告アーカイブへの URL は、現在は汎用の "Why You'll Love a Mac" ページにリダイレクトされる。けれども、Long と共演者 John "I'm a PC" Hodgman との掛け合いを懐かしいと思う人は、Adfreak で今でもすべての広告を観ることができる。

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