TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1036/19-Jul-2010

Apple の iPhone 4 におけるアンテナのトラブルが今週の話題の多くを占める。まずは任務に忠実な Jeff Carlson が、iPhone で信号強度のアルゴリズムを修正する iOS 4.0.1 アップデートについてと、この問題に関して開かれた Apple の記者会見について、両方ともお伝えする。また、Rich Mogull は以前にレスキュー隊員や緊急救助隊員として働いた経験をもとに、iPhone 4 のアンテナに二つの別個の問題が存在することを説明する。一つはすべての携帯電話に共通の問題で、もう一つは iPhone 固有の問題だ。さて、別の話題としては、iTunes アカウントのパスワードを iOS がキャッシュする方法について Adam が警告を発する。意図しない購入をしてしまう結果になることがあり得るからだ。Adam はまた、IT のプロや開発者向けに今年開催される MacTech Conference のニュースもお伝えする。売り切れにならないうちに早く予約しよう! それから、今週の DealBITS の賞品は Apago の PDF Shrink なので、送信の効率化のために PDF を圧縮する必要のある人はぜひ応募を! 今週注目すべきソフトウェアリリースは、ChronoSync 4.1 と ChronoAgent 1.1、Panorama 6.0.0 build 92277、それに AppleJack 1.6 だ。

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iOS アップデートが、iPhone 信号強度バーを修正、iPad にも修正

  文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
  訳: 柳下 知昭 <tyagishi@gmail.com>

アップルは、iPhone での信号強度バーを表示する際の問題に対処し、iPad での不具合を修正するために2 つのモバイル OS の アップデートをリリースした。iPhone 向けには、iOS 4.0.1 が、iPad 向けには、iOS 3.2.1 が利用可能となっている。

iPhone 向け iOS 4.0.1 -- iOS 4.0.1 は、主として電波強度の計算式を変更した。アップルは、iPhone を握った時にiPhone 4 の外部アンテナを覆ってしまうことで発生する受信問題に対応するために、月の初めにこのアップデートを約束していた。("iPhone、信号強度バー設定が高すぎ" 2010 年 7 月 2 日を参照のこと)この変更は、電波の問題ではなく、電波強度をより正確に表示するものと位置付けられている。アップルは、そのように修正したが、より目立つように最初の 3 本のバーのサイズを大きくしてた。(それは、間違いなく、減ってしまった受信感度をより良いと感じさせるためだろう。)

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アップデートは、Exchange のメール、連絡先、カレンダーの同期が失敗する、もしくは、遅くなるという問題も修正した。何人かの Exchange Server 管理者は、この問題で Exchange Server が遅くなってしまうことに気付いた。アップデートは、これらの問題を新しいコンフィグレーションファイルをインストールすることで、解決する。コンフィグレーションファイルには、iOS 4 デバイスからのシンク要求に対するExchange Serverからのレスポンス待ち時間を増やすように設定されている。

アップルは、開発者たちに、iOS 4.1 ベータ版を配布して、そして、メディアの注目を集めている信号問題についてのiPhone 4 プレス発表を行なった。("Apple、iPhone 4 アンテナ問題に答える" 2010 年 7 月 16 日を参照のこと)それには、米国のチャールズ・シューマー(Charles Schumer)上院議員まで介入してきた。

アップデートは、iPhone 4, iPhone 3GS, iPhone 3G にインストールできる。初代 iPhone は、iOS 4 が動作しないし、iPod touch は、依然バージョン 4.0 のままで残されている。

iPad 向け iOS 3.2.1 ソフトウェアアップデート -- Wifi モデルと3G モデルの両方の iPad は、iOS 3.2.1 で少数の不具合が修正された。アップルによると修正は、次のような点である。

どちらのアップデートも、iTunes 経由で、行なえる。デバイスを接続して、サイドバーからデバイスを選択、そして、"アップデートを確認"をクリックする。iOS 4.0.1 は、 579.3 MB, iOS 3.2.1 は、456.9 MB のサイズとなっている。(アップデートは、パッチではなく、iOS の全体のイメージであり、このように大きいサイズとなってしまっている。このようなアップデート手法は、デバイスでなんらかの悪いことが起こった場合に、簡単に復旧できるようにしてくれる。)

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IT プロや開発者向けに新しい MacTech カンファレンス

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

MacHack/ADHOCが失われ 、より最近には C4も、WWDC の IT 講座もなくなって、Apple の世界は IT プロや開発者に向けた高度に技術的なカンファレンスがないという、ちょっと寂しい状態となっている。確かに、Macworld Expo には MacIT Conference 講座があってとても役に立つけれど、そもそも Macworld ではカンファレンスの参加者全員が一つのホテルに一緒に泊まることがないので、MacHack や C4 ではお決まりとなっていた、人脈を作ったり、さらに議論を深めたりするという、濃密な体験を味わうことができない。

そしてそれこそが、MacTech Conference 2010 の目的だ。開発者たちや IT のプロたちが、重要なツールやテクノロジー、Apple 製品のエコシステムに関係したさまざまのテクニックについてさらに深く学ぶことのできる、濃密な環境の技術カンファレンスと作り出そうというのだ。それから、近ごろ Apple は iOS にばかり重点を置いているようだが、この MacTech Conference は決して Macintosh を忘れていない。

かの比類なき Andy Ihnatko による基調講演があり、それから二つの講座に分かれてそれぞれ IT と開発者コミュニティーの有名人たちが 多くのセッション を担当する。このカンファレンスには食事がすべて含まれており、形式張らずに人脈を深められる機会を最大限に広げようというのも大きな目的だ。こうした非公式の交わりこそが、公式のプレゼンテーションに劣らず価値あることが多いものだ。

その上、初日の晩には Griffith 天文台を貸し切りでグループ訪問することになっている。プラネタリウムのアニメーションをどうやって作成するかについての舞台裏の話が聞けて、この天文台の誇る 12 インチの Zeiss 望遠鏡で星を見る機会もある。二日目の晩には Jillian's でグルメとアミューズメントの夜が企画されており、ボーリング大会は MacTech Bowl募金の一環として、小学5年生たちを Griffith 天文台での校外学習に招く基金の一助とすることになっている。

カンファレンスの日程は三日間で、2010 年 11 月 3 日水曜日の午前 10 時にスタートする。終わるのは 2010 年 11 月 5 日金曜日の午後だ。参加者数とホテルの部屋数には限りがあり、近年の C4 や WWDC カンファレンスで早々と売り切れが出たことを考えれば、今回も売り切れが予想される。 カンファレンスの登録 料金は $899 で、これにはすべての食事と、MacTech Magazine の購読、すべてのセッションへの参加費用が含まれている。ただし、2010 年 6 月 22 日までに限り、限定枚数の早期特別割引パスが $699 で販売されている。また、学生向けの部分補助および全額補助の奨学金パスも限定枚数だが用意されている。当然ながら旅費とホテルの宿泊費は含まれていない。(カンファレンスの会場となる)Sheraton Universal ホテルに、特別カンファレンス価格の一泊 $169 (税別) の部屋が限定数ながら用意されている。

私 (Adam) は今年は参加できそうにないが、皆さんお馴染みの Matt Neuburg が、講演者の一人として参加する予定だ。私自身大学生時代に Matt の授業を受けた経験から言わせてもらうと、彼の話はきっと面白いこと保証付きだ。

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DealBITS 抽選: PDF Shrink 4.5 が当たる

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

PDF 制作過程における一つの局面で、私たちが Take Control 電子ブックを制作する際に慎重に注意を払っていることがある。それは、PDF ファイルのファイルサイズだ。今日のインターネットでは数メガバイトの違いは大したことがないように思えるかもしれないが、バンド幅の限られた環境にいる人たちがまだまだどれほど多くいるかを知れば、きっとあなたも驚かれるだろう。その上、実際問題として、iPhone や iPad でのセルラーデータ接続の利用が増えることにより、不必要にサイズの大きなファイルはますます大きな問題を起こすようになっている。さらに、5 MB を超える添付ファイルを拒否する電子メールサーバも多い。これもまた、PDF を圧縮すべき理由の一つだ。画像の多い PDF を Keynote や PowerPoint のようなプログラムで作るとサイズが膨大になる傾向があるが、どんな場合に PDF のサイズが膨張するのかを予測するのは不可能だ。私たちの Take Control 電子ブックのいくつかでは、当初のサイズが 100 MB を超えていて、それを 1 から 5 MB の間に縮ませることに成功したものもある。

私たちの場合、電子ブックの PDF を Apago の業務用ツール PDF Enhancer を使って圧縮している。私たちはこのツールを他のいろいろの目的にも使っている。でも、ただ単に PDF のサイズを手早く簡単に減らしたいだけという人には、Apago から $35 で出ている PDF Shrink で十分だろう。PDF ファイルを PDF Shrink にドロップすれば、その PDF の中にある画像が素早く圧縮され、その他にもさまざまな処理が施されてサイズの節約がなされる。それでいて、出来上がった PDF はフル機能であって元のものと互換だ。(PDF ファイルのサイズを減らせる他のツールのすべてが必ずしもこのことを満たしているわけではない。)適切な設定を選ぶために PDF の内部での動作方法を理解している必要はない。PDF Shrink はマルチコア CPU の利点を生かして複数のファイルを同時に処理することができる。フォルダを丸ごと PDF Shrink に送ることによって、一気に多数のファイルを処理させることさえできる。

そういうわけで、今週の DealBITS 抽選では、PDF Shrink 4.5 を2本、賞品にする。それぞれ定価 $35 相当の製品だ。寄せられた情報のすべては TidBITS の包括的プライバシー規約の下で扱われる。また、もしもあなたがこの抽選を紹介して下さった方が当選すれば、紹介に対するお礼としてあなたの手にも同じ賞品が届くことになるのもお忘れなく。

[訳注: 応募期間は 11:59 PM PDT, 25 July 2010 まで、つまり日本時間で 7 月 26 日(月曜日)の午後 4 時頃までとなっています。]

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iTunes パスワードキャッシュに注意

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 大石哲伸<tedz2000@gmail.com>

先頃、ブログへの投稿によるちょっとした騒ぎがあり、Apple が行ったある設計上の妥協点に注目が集まった。これは App Store と In App Purchase を iOS から使用した際に起こる。

要約すると、デザイナー、Mike Rohde は彼所有の iPad のためにアプリを買った。ダウンロードを待っている間、彼の7歳になる息子が無料版の Fishies と云う水槽アプリで遊んでいた。このアプリでは追加のアイテムを in-app purchase で購入できるようになっていた。自分が何をしているか知らずに、 Mike の息子は Fishies の中からいくつかのアイテムを購入しており、その中には真珠の小箱が149.99ドルで含まれていた。 -彼はその日の内に200ドル近い出費をするはめになってしまった。当然、Mike は iTunes からの請求を見て怒った。幸運な事に、iTunes の契約ではすべての販売は変更不可能だと書かれていたにもかかわらず、Apple サポートに電話をかけ、最も高額な請求を取り戻すことが出来た。

何が起こったのだろうか?開発者、Manton Reece は自分のブログへの投稿でこれをうまく説明している。要するに、Mike は彼の iPad 用にアプリを購入した後、すぐに彼の息子へ与え Fishes を遊ばせていた。iTunes は Mike のパスワードをキャッシュしており、彼の息子が Fishies 内で購入をした際にこれを使用し、再度尋ねる事はしなかった。 Mike の息子は購入の度に注意書きを見たが、iOS がパスワードを要求しなかったので、この7歳の子供は in-app purchase の注意書きに簡単に同意してしまい、何が起こっているかには全然気がつかなかった。

この状況は設計上の妥協によって引き起こされた。iTunes アカウントのパスワードを、購入する際にあるいは無料ダウンロードのために入力する必要がある事で、 Apple は認証済みユーザーがその機器を操作している事を確実にできる。これは良い事だ。それからパスワードを15分間キャッシュすることによって、Apple はパスワード(特に数字と句読点を含んだ強力なもの)を仮想キーボードでタイプする際のうっとうしい手間を省いた。通常の使用ではこの事は良い設計であるが、意図しない副作用が明らかに起こりえるのだ。

このような副作用をなくすために、Apple はすべての購入、あるいは無料ダウンロードの際にパスワード要求を行うようにする事ができる。しかし、そうするとユーザー体験を損ねてしまいかねない。実際、ほとんどの場合、連続した購入を行う際に複数回の確認をする必要はない。このような購入は同一の認証済みユーザーが行っていると考えることができるからである。

議論の余地はあるが、Apple はアプリの購入と in-app purchase で別のパスワードをキャッシュするようにして、アプリの購入が in-app purchase を有効にしないようにし、パスワード要求なしで利用できないようにできる。しかし、このような変更が簡単にできるかどうかはわからないし、どんなキャッシュ方法であっても意図しない購入につながることはあり得るので、結局大きな効果はないかもしれない。

別の解決策ではストアの設定パネルにオプションを追加し、このようなことが起こるのを心配しているユーザーに対して、パスワード要求がもっと頻繁にトランザクションが特定回数起こる毎か、あるいは、トランザクション毎に起こるようにする。

最後に、いままでの話と違うが一番の助言としては、こう云った事が起こる可能性に自覚的である事だ。つまり、キャッシュされた iTunes パスワードが購入に使用されるかもしれない、特に iOS 機器を小さな子供と共有していて不用意に購入がされてしまう可能性がある事。大きな子供は抜け穴に気づき、意識的に利用するかもしれない、しかし、これは躾で解決する事ができる。技術ではなく。こういった事はオートロックのドアに似ている。-もし、セキュリティーを気にしているのならば、ビルへの出入りの際にドアが閉まるのを待ってあなたの背後で鍵がかかるのを確認しなければいけない。もし、注意を怠れば誰かが閉まろうとしているドアを掴んでかぎ無しで入ってきてしまうかもしれない。

これでわかるのは、パスワードの恒常的な増加、- 複数の機器で -は、ユーザー体験上の問題を引き起こし、私たちはこれと対峙する必要がある。Apple には、ぜひともこの問題をよく考えてみてもらいたい。

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Apple、iPhone 4 アンテナ問題に答える

  文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple は、世界で一番良い広報関係の幾つかを享受し - そして報いも受け - ているが、先週の特別の記者会見で Steve Jobs と同社は、iPhone 4 と共に発生したアンテナ問題を説明するため、都合の良い解釈にではなく科学に焦点を当てていた。(Apple は、 この記者会見のストリーミングビデオを載せているが、最後にあった長く興味深い Q&A の部分は載せていない。)

問題に取組むm -- プレゼンテーションの核となる部分は関係する問題に焦点を当てているが、Apple は具体的な解も少しではあるが提供している。

この問題が最初に現れた時約束したように、Apple は iOS 4.0.1 をこの記者会見の一日前にリリースした。このアップデートは信号強度を計算し表示する iPhone のアルゴリズムを変更する。これで信号の受信が改善されるわけではないが、信号品質の小さな変化がよりはっきりと見える様にし、そしてより劣悪な信号品質をより正確に表示する。

このアップデートではまた最初の三つの信号強度バーの大きさを大きくしていて、信号の低下度をあまり目立たなく見える様にしている ("i)iOS アップデートが、iPhone 信号強度バーを修正、iPad にも修正" 15 July 2010 参照)。

Apple はまた全ての iPhone 4 購入者に 30 September 2010 まで無料のケース (通常 $29) を提供する、そして Apple の iPhone バンパーケースを購入した人には払い戻しするとしている。これは米国以外での購入も含まれる。同社はこの四半期の終りまでは十分な数のバンパーを作りきれないと Jobs は言っており、そこで Apple は今週末から好みのサードパーティのケースを提供するという。(全てのサードパーティケースが提供されるわけではない、そして払い戻しはバンパーに限られ、既に購入されたサードパーティのものは対象とならない。)

同社はまた初期の購入者に購入日から 30日以内ならば傷の付いていない iPhone 4 に対して全額払い戻しを認める;同じ事が AT&T に対しても適用される。Apple は、プレゼンテーションに引き続いて行われた Q&A の最中に、AT&T が払い戻しを求めた顧客に対してサービスコントラクトのキャンセル費用も免除する事に関しても保証した。AT&T も他のキャリアも通常は 14日間の契約解除期間しか与えない。

アンテナ問題以外に、Jobs は Apple が iPhone 4 の中には近接センサーが正常に動作しないものがありその原因を一生懸命に調査中であると言い、次の iPhone ソフトウェアアップデートではその修正も取り込まれるであろうことを暗示した。それから、売り出し時には間に合わなかった白色の iPhone 4 は 7月末に出荷が開始される予定であると言う。

アンテナ-ゲート -- Jobs によれば、問題の核心はこのアンテナ問題は全てのセルラーフォンに影響を与えているもので、何も iPhone 4 に限ったものではないと言う。Jobs はジョークで、Apple は二つのアンテナが合わさる左下の端の部分を明らかにしたことで自分の立場をより難しいものにしてしまったとして、次の様に言った、"皆さん、触るのはここですよ!"

この問題がどの様に広範囲にわたって広がっているかを示すため、彼は Apple の技術者達が BlackBerry Bold 9700, HTC Droid Eris, Samsung Omnia II, そして iPhone 3GS を持っているビデオを流したが、底部にあるアンテナを手で覆い隠す様に保持すると全ての電話機が信号を失っている。(このビデオは Apple が自分の Web サイトに作ったページで見られる。)

Apple は iPhone 4 を売り出す前に適切な試験をしなかったのではと言う意見に反論して、Jobs は、同社は $100 million を投じて 17 の無響室からなる最先端技術の試験施設を作り、そこで働く人には博士号を持つ 18人の科学者や技術者が含まれると説明している。Apple はこれらの試験室とその試験方法に関するビデオも載せた。(これは増え続ける Apple のハイテク舞台裏シーンのライブラリの一つとなった、そこには iPhone 4 スクリーンがどの様に製造され検査されているかとか、或いはユニボディ MacBook Pro はどの様に加工されているのかとかが含まれている。)

このアンテナ問題と何故無料のケースを提供することが役立つのかをもっと詳しく知りたい人は、Rich Mogull の記事 "iPhone 4 にケースを使うとなぜ信号強度が良くなり得るか" (16 July 2010) を見て欲しい。

認識を再校正する -- Jobs は認めている、"ある特定のやり方で握ると、バーは多少減っていったが、これはどのスマートフォンでも同じだった。そして我々はこれが大問題だとは思わなかった" と。

Apple の記者会見での真の仕事は、この点に関して iPhone 4 は他のものより悪いのではないかという疑念を晴らすことであった。つまるところ、Apple がこの記者会見を開いた (そして明らかにハワイで休暇中の Jobs を引っ張り出した) 理由は、この問題が受けた高い注目度に対応することであった。

これをするために、Jobs は数字を取り出して、この問題の大きさは報道や推測が言っているよりもずっと小さなものであることを示そうとした:

Jobs は、これらの最後の数字についての "ペット理論" を披露した。iPhone 3GS は iPhone 3G と同じ形状を受け継いだので、アップグレードした人達はそのケースをそのまま使い続けた。これらの人はこのアンテナ問題は経験しなかった、何故ならばこの人達は電話に直接触れていないからであると。

そして集まった記者達にも一言 -- Jobs は繰り返し Apple は技術の会社であることを強調した。"我々は技術者の様に考える、" 彼は言う、"我々はそれを誇りに思っている。我々はそれが真の問題を解く正しいやり方だと思っている。" しかし、彼はまた、Apple はその顧客を大切に思っているしそして喜んで欲しい、このアンテナ問題で影響を受けるユーザーの割合は少ないとは言っても例外にはしないと、10回以上も、繰り返した。

プレゼンテーションに続いての質疑応答で、Jobs はこの問題の報道は "あまりにも誇張されすぎている" と思ったと言う事実を隠そうともしなかった。Jobs、それに Chief Operating Officer Tim Cook そして Mac Hardware Engineering の Senior Vice President Bob Mansfield は Gizmodo (このサイトが iPhone 4 のプロトタイプを怪しげな方法で入手したことを指して) を軽く批判し、そして二つの特定の報道記事に反論を加えた。この問題について開発段階で一人の Apple 技術者が警告を発していたと報じた Bloomberg の記事 は "全くのたわ言" で "全く馬鹿げている" と。また単にソフトウェアのアップデートでこの問題は解決出来るのにとした New York Times の記事は、 Scott Forstall, Senior Vice President iPhone Software によれば "完全に間違っている" と。

"Web サイトのため何かを夢中で探していると、人は自分の通った道に何を残すことになるかまで気が回らなくなる" と Jobs は言った。"報道陣の中には、我々の動機、我々にはこれら問題を必ず解決すると言う確信があることを信じ、疑わしきは罰せずの少々の配慮を我々にも与えても良いと思うだけの信頼と信用に我々は値すると認めてくれる人はいないのであろうか?我々はその信用を我々のユーザーからは貰えていると私は思っているが、残念ながら報道陣からは見えてこない。この話はあまりにも誇張されすぎてしまった。しかしながら、我々に落ち度は無いと言うつもりは無い。我々は教育が足りていなかった。"

無料ケース (今や承認された) と iPhone 4 のリコール (Jobs によると、まじめに検討された事もない) への期待にも拘らず、このアンテナをめぐる状況は、今日もこの記者会見の前と何も変わっていない。この記者会見の真の目的は手に負えなくなっている憶測を鎮めることであった。終ってみれば、Apple は最近の同社としては似合わないことをやって見せた:それは真の問題に対してより透明性を高め、自らの間違いを認め、そして改善すると約束したのである。何と気持ちのよいことであろう。

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iPhone 4 にケースを使うとなぜ信号強度が良くなり得るか

  文: Rich Mogull <rich@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

独立消費者保護団体の発行する Consumer Reports 誌は 2010 年 7 月 12 日、iPhone 4 の左側の縁にある外部アンテナの切れ目部分を手の一部が覆うようにして持った場合に通話やデータ通信の品質が落ちるという問題を、同誌の実験室でテストした結果再現させることができたと述べた。同誌のテストによれば、左手で電話機を握ることで二つの金属部分の間の切れ目を電気的に橋渡しする状態を生じさせると、この電話機の通信状態に劇的な影響が起こり、通信中の通話が切れてしまうこともあるという。

Consumer Reports はこの問題が非常に深刻であって、そのため同誌としては iPhone 4 の購入を推奨することはできない、同誌によるスマートフォンの他のランク付けでいくら最上位にランクされていようとそのことに変わりはない、と述べた。その記事の最後に、Consumer Reports は他の出版社も広く報告している手早くて簡単な解決策を勧めている。すなわち、小さなテープあるいは透明なマニキュア液などを iPhone 4 の左下隅側面にあるこの切れ目に貼り付けたり塗ったりするだけで問題は解決するし、また電話機を何らかのケースに入れたり、あるいは Apple 自身の出している Bumper ケースを使って電話機の側面全体を覆うようにしても問題は解決する。

このテスト団体の報告が出された後、その週のうちに Apple は緊急記者会見をしてこれに応えた。Apple は、この問題に対処するため(また Apple としても広報活動の災難を和らげるため)すべての iPhone 4 オーナーに無償で Bumper ケースを提供すると発表した。また、Apple は既に Bumper ケースを購入した人に対しては返金をするとした。(2010 年 7 月 16 日の記事“Apple、iPhone 4 アンテナ問題に答える”参照。)

それでも、私たちの手が電話機を覆うように持った場合に手がラジオ電波を吸収してしまうことが問題の中心なのではないか、それならば切れ目にテープを貼っただけで直るというのは変だ、と思っている人は多いのではないだろうか。そういう人たちは、この雑誌の勧めた解決策を見て混乱させられた気持ちになるだろう。

ケースに入れる(あるいはテープを貼る)ことで問題が改善する理由は、実は iPhone 4 にはアンテナに関する二つの異なった問題があるからだ。その一つはすべての携帯電話に共通の問題であって、もう一つは iPhone が独特の外部アンテナというデザインを採用したことに起因する問題だ。

ラジオ電波と吸収について -- 私はラジオ用アンテナのエンジニアではないが、ずっと昔私はかなり長期間にわたってレスキュー・緊急救助の方面で働いていたことがある。中でも Rocky Mountain Rescue では十年間以上働いた。厳しい、人里離れた環境の中で、私たち自身も互いのラジオ通信を処理しなければならなかったが、それ以外にも私たちは緊急救難信号をどうやって発見するかという訓練にかなりの時間を割いていた。バックカントリー・スキーをする人たちや、飛行機に搭載されている機器から発信される救難信号を探知する訓練だ。(それから船にも搭載されているが、コロラドのロッキー山脈の中にいては船からの救難信号を探す機会はあまりない。)

当時私が非常に驚いたのは、この仕事をするためにはラジオ電波の伝播についての基礎知識と、さらにはアンテナのデザインについての知識まで必要だということだった。受信機に差し込むアンテナを間違えただけで、遭難した飛行機を探知するのがとたんに難しくなってしまう。

さて、iPhone 4 における一つ目の問題点は、左手で持った場合、セルラー音声およびデータ通信の送受信に使われるアンテナをあなたの手が覆う形になって、あなたの手が信号の一部を減衰させてしまうことだ。アンテナの立場から見れば、人体というのは水を満たした容器のようなもので、水はラジオ電波を非常に吸収しやすい。(減衰という用語は、信号が吸収によって妨害されることで、それは人体でも、壁でも、その他の素材でも起こる。私たちのまわりにある空気でさえ信号を減衰させる。)

これはすべての携帯電話に共通する問題であって、iPhone に特有のものではない。それなのに、この問題がこれほどはっきりと浮かび上がることはこれまで一度もなかった。Apple は記者会見の場で、競合する他のスマートフォンでも、Apple エンジニアたちがよくあるやり方でそれを手で持って、最悪の減衰が起こるような形で「弱点スポット」を覆うようにすると信号強度が落ちることを示して見せた。

他のモバイルフォンメーカー各社と同様、Apple も iPhone 4 の設計の際にアンテナの出力が最大になる点ができるだけユーザーの頭部から離れた位置に来るように配置した。非常に長期間、非常に多数の人々を対象にした調査でも、携帯電話の使用と健康上の問題、例えば頭部の電話機を使う場所に最も近い部分に発生する癌など、との因果関係は証明できないという結果がますます多く出されつつある。けれども、加熱効果を避けるためにも頭部に集中する電磁波被爆は最小限に抑えるのが最善の策だという点に議論の余地はない。また、連邦通信委員会 (FCC) の定める電磁波吸収量の基準が人の頭部の近くのみに基づくものであって、手に関する事柄は無視されているという点にも注意したい。

その昔は、どこにアンテナを置くかという問題は携帯電話の上部から長いアンテナを突き出させることで解決されていた。けれども大きなアンテナが突き出すというのは現在の文明化社会ではもはや完全に流行遅れだ。いくらそういうアンテナの方が性能が良くても、流行には勝てない。

頭部が吸収する放射量を減らせる方法でアンテナの位置を決められるのならば、FCC の基準を満たす範囲内で最大限に全体的出力を上げることができる。ところが残念なことに、アンテナの位置が異なれば信号への障害が生まれる可能性も増すことがある。

周波数が異なれば挙動も異なる -- 問題を複雑にしているのが、現在の携帯電話がさまざまの周波数の電波を使っている点だ。使用する周波数帯の大多数は、昔のアナログ電話の使っていたものよりもはるかに高周波だ。以前ならば、高周波帯(この場合は 1700 MHz や 2100 MHz といった領域)で動作することのできるチップを作るのにはかなりコストがかかった。けれども今では価格の障害はなくなり、世界中でますます多くの周波数帯が次々と解放されて、携帯電話やその他の機器がさまざまの周波数帯を使えるようになってきている。

古典的な三角関数のサイン曲線を思い浮かべてみればすぐ分かるように、周波数が高くなればなるほど、隣り合う山と山、谷と谷の距離は短くなる。その距離が、波長だ。例えば、850 MHz の信号は毎秒 8 億 5 千万回振動して走る。

高周波を使うことの難点は、低周波よりも速いペースで信号強度が減衰してしまうことだ。周波数が高いほど、より「エネルギッシュ」だが、何かにぶつかったり、建物や木や空気自体などあらゆるものに吸収されたりする度に、高速で衰えてしまう。

だからこそ、802.11b や当初の g で用いられ、802.11n でもサポートされる 2.4 GHz Wi-Fi の場合は家中をカバーできるのに、802.11a で用いられ、n でもサポートされる 5 GHz 帯の場合は隣の部屋くらいまでしかカバーできない。また、少し昔の時代に VHF テレビの受信が UHF テレビの受信より楽だったのも同じ理由だ。VHF (very high frequency、超短波) の方が UHF (ultra high frequency、極超短波) よりも低周波で、そのためより遠くまで信号損失なしに到達できた。

実際問題として、その意味するところは私がレスキュー隊にいた頃、私たちはできるだけ低周波帯のラジオチャンネルを使うようにしたということだ。なぜなら、低周波の方が同じ出力でも(バッテリの大きさを寿命を考えれば出力を抑えることは重要だ)遠くまで届くし、障害物があっても通り抜けられるからだ。高周波帯を使うためには(真空以外で)同じ距離を行くためにもより多くのエネルギーが必要だし、障害物に「跳ね返る」可能性も増える。もしもあなたが地上一千フィートの断崖絶壁にロープでぶら下がっていて、誰か他の人がそのロープのブレーキを操っているとしたら、できる限りクリアな、はっきりした信号を望むのが人情というものだろう。

携帯電話の場合、ここから直接生じる結果がある。周波数が高ければ高いほど、同じ距離をカバーするためにより大きなエネルギーが必要となり、信号が障害物や建物などを通り抜けるためにより多くの困難が生じる。信じられないような話だが、携帯電話のキャリア各社は、木々の葉が落ちたことをその木の近くの基地局の信号状態の変化によって知ることができるそうだ。

また、携帯電話はアンテナにおける干渉を最小限にすることを念頭にデザインされているとも言える。初代の iPhone が金属製の背面を一部分だけプラスチック製にしなければならなかったもこのためだった。金属は信号を妨げてしまうが、プラスチックはかなりよく電波を通す。iPhone 3G と 3GS では、背面を全面プラスチック製にすることによってこの問題を解決していた。

iPhone 4 の場合は、さらにこれをもう一歩進めて、電話機の 外側 にアンテナを持って来たわけだ。信号強度が全体的に改善されたのは、これも一つの理由となっているのだろう。ただ、電話機の左側にある切れ目部分を大きな水の容器(つまりあなたの手)で覆えば、信号の一部分は失われてしまう。この世界に現存するどんな携帯電話であっても、アンテナを手で覆ってしまえば必ずある程度の信号は失われる。

だからこそ、Steve Jobs はこのアンテナ記者会見でどこを持てばアンテナを覆えるかの目標個所を Apple はわざわざ示したのだよ、と冗談を言ったのだ。覆って持った場合に他の場所に比べて確実に減衰が起こると保証できる場所がこれほどはっきりとわかる携帯電話は他にない、というわけだ。

さて、アンテナを外部に置くことによって電話機本体による減衰が減ることは確かだが、逆にそのことによって第二の問題が発生することになる。

iPhone 4 の二つのアンテナを橋渡しする -- この、iPhone 4 のまわりを取り巻く金属の帯は、単なる一本のセルラー電話用アンテナではない。実際これは二つの異なったアンテナから成っている。だからこそ、あの小さな黒い切れ目があるのだ。一つのアンテナはセルラー電話自体のためのもので、もう一つは Wi-Fi、GPS、それに Bluetooth のためのものだ。右側にある黒い小さな帯は単なる飾りで、アンテナはプラスチックの下に続いて延びているのだが、左側にある黒い帯は物理的な切れ目になっている。

外部アンテナを作り上げるのは実際とても難しい問題だ。アンテナの大きさと形は、変わらぬわが友、つまり波長によって厳然と決められている。アンテナというのは、どんな金属の棒でもよいわけではない。扱うべき周波数にきちんとマッチするようにサイズの決められた、いくつかのコンポーネントから成るように注意深くデザインされるものなのだ。周波数が低ければ波長は長くなり、従って長いアンテナが必要になる。

例えば、潜水艦との通信に使う超長波 (Very Low Frequency) の周波数帯では、携帯電話のちっぽけなアンテナとは比べ物にならないほど大きなアンテナを使っている。さらには、地球自体を通り抜けられるので軍隊や鉱山で使われている超低周波 (Ultra Low Frequency) 通信システムさえ存在している。コロラド州 Fort Collins から 60 KHz の周波数で送信されている信号は、アメリカ合衆国すべての電波時計に受信されて時刻を自動調整している。

アンテナが持ついわゆる「スイート・スポット」は、その波長のさまざまの約数(あるいは倍数)に分布している。だから、セルラー基地局のアンテナはあなたの携帯電話のアンテナよりもずっと大きいけれど、いずれも同じ周波数で動作することができる。他にも多くの要因が絡んでくるが、今回の iPhone 4 の問題で重要となるのはこの点だ。周波数が指定された場合、大きなアンテナほどうまく働くのだが、ただしそれは処理すべき波長(の約数または倍数)にぴったり合致した大きさと形になっていなければならない。

技術的に言えば、私たちの携帯電話のアンテナは決められた波長で望ましいサイズの 約数 に当たる、小さ過ぎるサイズでしかない。読者の一人がコメントで指摘していた通り、850 MHz (これは iPhone のサポートする GSM 周波数帯の一つ) の波長は 35.27 cm (13.89 インチ) であって、そんなサイズのアンテナは、iPhone は言うまでもなく、iPad にさえ格納することができない。だから、私たちは最善の長さの約数に当たる長さのアンテナを使わざるを得ない。そして、周波数が高いほど、波長は短くなり、より効率的な、それでいて短いアンテナを使うことができるようになる。

iPhone 4 での第二の問題は、あなたの手が信号を吸収してしまうことではなくて、導電体であるあなたの手が、電話機の下側にあるアンテナと左側にあるアンテナとを結ぶ、橋渡しとなってしまうことによって起こる。その結果、二つのアンテナの間で信号が互いに干渉し合う可能性が生じてしまう(ただ、両者は独立の周波数なので、このことはおそらくそれほど大きな問題ではないと思われる)ばかりでなく、橋渡しができることによってアンテナの「サイズ」が変化してしまい、それによって正しく機能しなくなることが問題なのだ。

二つのアンテナはそれぞれにいくつかの異なった周波数で複数個のサービスを処理しているが、それらはすべてアンテナのデザインに起因する束縛の下にある。コンシューマ向け GPS 受信機は 1500 MHz で受信し Bluetooth と Wi-Fi は 2400 MHz を使う(以上すべて右側のアンテナだ)が、2400 は 1500 からあまり遠くないので、十分うまく働く。(iPhone では 5 GHz の 802.11a/n はサポートされない。)けれども、この GPS/Bluetooth/Wi-Fi のアンテナが、850、900、1800、1900、2100 MHz を扱うセルラーアンテナ(主として左側にあるもの)に橋渡しされることは、エンジニアの予定にはなかったようだ。

これが、iPhone 4 の左側面の切れ目部分にテープを貼れば問題が解決することがある理由だ。テープがアンテナとあなたの手との間の絶縁体となり、二つのアンテナが橋渡しされて信号の送信・受信が見出されるのを防ぐというわけだ。テープまたはケースを使ってアンテナを絶縁すれば、水の容れ物たるあなたの手は依然として信号の一部を吸収するだろうが、アンテナの物理的形状を変更することによってアンテナの動作に干渉する問題は消滅する。あなたの手はそれほどよく電気を通すわけではないので、おそらく切れ目部分のみを絶縁するだけで十分な効果が得られるだろう。アンテナのずっと先の部分どうしを手で橋渡ししても、それほど顕著な影響は見られないだろう。(この点について、AnandTech からもなかなか良い記事が出ている。)

理論を実証する -- さきほど書いたように、私はラジオエンジニアではない。けれども、ここで述べてきた理論が正しいのかどうか、私は自宅で簡単なテストをしてみた。私の iPhone 4 を机の上に置いて、まず一本の指で二つのアンテナの橋渡しをしてみた。すると、10 秒以内に信号強度バーが一つ減った。次に、指を舐めてから(電気伝導性を増すためだ)もう一度切れ目を橋渡しした。すると、バーが一つでなく二つ減った。この信号強度バーは過去 10 秒間の平均値を表示するようになっているので、変化がすぐには表示に反映されないのだ。

それから、短い電線を使って切れ目を橋渡しする実験もしてみた。今回も平均してバーは一つ程度減ったが、指を使った場合よりも時間が長くかかるようだった。バーを二つ減らすことはできなかった。

最後に、切れ目のすぐ横、どちらか片側に指を触れて試してみたが、どちら側を触れても信号が減る気配はなかった。

指を使った方が、電波の吸収と切れ目の橋渡しの両方をしたことで、大きく減る結果になったのだろう。けれども、電線のみでもいくらか強度が減ったということは、導電体で切れ目の橋渡しをすることも問題の要因の一つだという私の理論を裏打ちしているように思える。ことに、橋渡しをせず切れ目のすぐ横を触っただけでは何の影響もなかったのだから。

こうして、Bumper あるいは何らかのケースを使うことは、二つの問題の両方ともに対処する役に立つ。ケースで覆えば指が二つのアンテナを橋渡しをすることがなくなり、また指とアンテナの間に小さな隙間を作ることで指に吸収されずアンテナに届く電波が増えることになる。この説明は、実は Apple の説明と矛盾したところがある。Apple の説明は、指が信号を吸収することのみに集中しているからだ。

ある意味で、iPhone 4 で採用されたデザインは、競合各社のやり方に比べて利点がある。なぜなら、外部アンテナを使うことで、Apple はより大型のアンテナを使うことができ、しかもそれが電話機のケースや内部部品で邪魔されることがないからだ。けれども、それに伴う欠点は、iPhone 4 には一点だけ、信号強度の喪失効果が大きく拡大されてしまう、小さな特別の場所が生まれてしまったということだ。

私は科学的に厳密なテストができるような装備もソフトウェアも持っていないけれど、私の個人的なテストの結果は非常に一貫性のあるものだったし、またあなたもご自分で試してみることのできるものだ。(ただし、電波状態の良好な地域でテストした場合、強度が落ちる現象を観察するのは難しいかもしれない。AT&T の電波の状態が悪いといつも文句を言ってきた私だが、今回だけはそのことが私に利点となって働いたわけだ。)

以上、ラジオ電波とアンテナのデザインをめぐって、あなたが知りたくもないことまで詳しく書き過ぎたかもしれないが、Apple から、あるいは他のところから、一見奇妙に見える方法が推奨されている状況に対して、少しでも光を投げかけることができたならば嬉しい。

で、もしも私の理論が間違っていたらって? そうかもしれないが、それでも少なくともディナーパーティーの席を盛り上げる面白い話題を一つ、提供することくらいはできたんじゃないかな?

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2010 年 7 月 19 日

  文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

ChronoSync 4.1 と ChronoAgent 1.1 -- Econ Technologies が,データ管理およびバックアップのユーティリティ ChronoSync と、それに付随する遠隔アクセスユーティリティ ChronoAgent に、それぞれアップデートをリリースした。ChronoSync によって、ファイル共有でマウントされた Mac に対してフルの root アクセスが可能になる。

ChronoSync 4.1 で追加されたのは、新しいスケジューリングの挙動やオプション、同期に失敗した場合の電子メール通知、スリープ中の ChronoAgent システムを目覚めさせる機能、バックグラウンドスケジューラ用に新設された環境設定、スケジューリングオプションとして "sync when available" (利用可能となったときに同期) および "when specific volume mounts" (指定されたボリュームがマウントされたときに同期) の新設などだ。また、このアップデートでは同期のパフォーマンスを改善し、ユーザーインターフェイスを調整し、エージェントのパフォーマンス最適化機能を追加し、二つのクラッシュのバグを含む数個のバグを修正している。フルリリースノートは Econ Technologies のウェブサイトで読める。

ChronoAgent 1.1 ではパフォーマンスを改善し、ネットワーク構成の変更を自動的に探知することによって新しくなったネットワークでもそのまま利用できるようにし、接続を通じてアクセスするボリュームを制限できる機能を加え、wake-on-LAN のサポートを追加し、インストーラを拡張した。ChronoAgent についてもフルリリースノートがある。(新規購入 $40/$10、アップデート無料、20.7/3.1 MB)

ChronoSync 4.1 と ChronoAgent 1.1 へのコメントリンク:

Panorama 6.0.0 build 92277 -- ProVUE Development が、パワフルなデータベースパッケージ Panorama に、マイナーなアップデートをリリースした。コードそのものはほとんど変わっていないが、何と 4,750 ページもある PDF ベースの説明書が含まれた。アップデートされた新しい説明書には Panorama のすべてが解説され、Intel ネイティブな 6.0 リリースにおけるメジャーな新機能の説明も含まれている。クラッシュ回復、データベースの以前のバージョンに復帰できる機能、検索のライブなプレビュー、データカラムを選択的に隠せる機能、データのコンテクスト対応選択、ドラッグ&ドロップによるデータの読み込み、などの新機能だ。今回の build 92277 での変更点としては、新バージョンの自動チェック、新しい日付検索オプション、さまざまのダイアログで保存済みのお気に入りを変更できる機能、などがある。(新規購入 $299、6.0 からのアップデートは無料、従来のバージョンからのアップグレード料金は $179 から $249 までさまざま、ダウンロードサイズは説明書や実例などを含めるかどうかによって 23.6 MB から 176 MB まで)

Panorama 6.0.0 build 92277 へのコメントリンク:

AppleJack 1.6 -- オープンソースのトラブルシューティング用ツール AppleJack の最新バージョンでは、新機能やバグ修正がいくつか提供される。最も重要なのは Mac OS X 10.6 Snow Leopard との互換性だ。AppleJack が他と違っているのは、あなたが別個の起動ディスクを持っていなくても、あるいはあなたの Mac の起動が Finder が開くところまで行かないようになってしまっていても、それでもあなたのディスクに存在する問題を特定して修正するために使える点だ。ディスクの修復、アクセス権の修理、キャッシュファイルのクリーンアップ、環境設定ファイルの検証、それにスワップファイルの除去ができる。Snow Leopard 互換性以外にも、AppleJack 1.6 は Leopard と Snow Leopard 双方で起動プロセスを単純化し、SMART ステータスの検証プロセスを拡張し、付随するボリューム上にあるシステムフォルダを起動システムに指定できる機能を加えている。また、ユーザーアカウントのリストに影響を与えていたバグが何か一つ、今回のアップデートで修正された。(無料、372 KB)

AppleJack 1.6 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2010 年 7 月 19 日

  文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週のニュースは iPhone 4 のアンテナ問題に関するものが圧倒的に多かったが、今週号に載った記事の他に、いくつか注目して頂きたい記事がある。まず、Consumer Reports 誌によるテスト方法をある技術者が否定し、Apple がこれまで秘密にしてきたワイヤレス試験室に足を踏み入れてのツアーを Jason Snell がレポートする。それから、来年の 1 月に Macworld Expo に行く予定にしている人は、来週までの限定でショウフロアのパスが無料でもらえる。

Macworld が Apple の秘密のワイヤレス試験室をツアー -- iPhone 4 のアンテナ問題をめぐって展開されている不利な議論に対抗するためのキャンペーンの一環として、Apple は 11 人のジャーナリストたちを招いてこれまで秘密にしてきた同社のワイヤレス試験室の設備を見せるツアーを催した。このツアーの目的は Apple がどれほど真剣にワイヤレスの設計と試験を実行しているかを示すためであったが、Macworld の Jason Snell がこのツアーの体験を魅惑的な文章で伝えてくれた。

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Consumer Reports の iPhone テストを技術者が否定 -- Consumer Reports 誌はこれまでにも Macintosh を扱った記事について何度も非難を浴びてきたが、どうやらその傾向は iPhone の世界にも続いているらしい。電磁気の技術者 Bob Egan が自身のブログの中で、Consumer Reports が iPhone 4 のアンテナ問題に関して実施した RF テスト法には深刻な欠陥があると主張する。

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Macworld Expo 2011 に追加の無料登録 -- 今年初めごろに二週間だけ無料の Macworld Expo 2011 登録が受け付けられた機会を逸してしまった人に、もう一度チャンスがある。2010 年 7 月 25 日まで、Macworld Expo ウェブサイトで、Expo Only パスの無料サインアップを受け付けている。来年のショウは 2011 年 1 月 27 日から 2011 年 1 月 29 日まで開催される。

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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2010年 7月 24日 土曜日, S. HOSOKAWA