TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1038/02-Aug-2010

今週の大ニュースは Apple が新機種の iMac と Mac Pro、新しい 27 インチ Cinema Display、新しい Magic Trackpad と、新しい Apple Battery Charger をリリースしたことだ。Jeff Carlson と Doug McLean がこれらすべての新製品を詳しく紹介する。Doug はまた Safari 5.0.1 と新しい Safari Extension Gallery についても報告し、Jeff は Magic Trackpad の中のバッテリが良くないと何が起こるか説明する... いや、結局大したことではなかった。それから Glenn Fleishman が、iPhone の jailbreak (ロック解除) が合法だという Librarian of Congress (アメリカ議会図書館) による最新の DMCA 除外事項裁定が出た(とはいえ jailbreak が易しい訳ではない)ことについて分析する。今週の目玉は、Joe Kissell が二台のポータブル書類スキャナ、ScanSnap S1300 と Doxie を詳細にレビュー・比較した記事だ。また、Take Control の 50% 割引セールが火曜日に終了するのもお忘れなく! 今週注目すべきソフトウェアリリースは、Snapz Pro X 2.2.3、Retrospect 8.2、BBEdit 9.5.1 だ。

記事:

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Take Control 半額セール 2010 年 8 月 3 日に終了

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

TidBITS の号が届いてもすぐには読む暇がないという方々からのお便りもよく頂く。(決して気を悪くしたりはしていない。私たちだって同じ問題を抱えている。)だから、先週号を読みそびれたという方々のために、もう一度 Take Control 電子ブックと Macworld Superguides シリーズがすべて 50 パーセント値引きでセール中であることをお知らせしておこう。ただし、このセールは 2010 年 8 月 3 日の火曜日の夜に終了する。詳しくは 2010 年 7 月 26 日の記事“Take Control 半額セール: アカウント管理を祝して 50% 割引”をお読み頂きたい。[訳者注: この日本語翻訳版が出る頃にはもうセールは終了しています。あしからずご了承ください。]

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Safari 5.0.1 で、バグの修正と Safari 機能拡張ギャラリーが導入された

  文: Doug McLean <[email protected]>
  訳: 大石哲伸<tedz2000@gmail.com>

Apple がSafari を 5.0.1 へアップデートし、機能拡張に対する新機能と Safari 機能拡張ギャラリーを導入した("Apple、Safari 5 で Reader、HTML5、パフォーマンスを拡張"2010年6月9日を参照)。Web ベースのギャラリーによってユーザーは機能拡張を探す事ができ、機能拡張カテゴリーを見て歩いてワンクリックで機能拡張をインストールできる。そして( Safari を)再起動する必要はない。

Safari では Flash プレイヤーのようなプラグインの利用が出来ていたし、サポート外の方法によって拡張する事も出来ていたが、サファリ機能拡張はこれとは異なる。最も重要な事は、セキュリティーが向上している事であり、Apple による電子署名を必要とするため、すべての更新が開発者自身によって提供される事が確実になり、不正な変更が行えないのだ。機能拡張は「サンドボックス化」される。この意味は、機能拡張が Safari を迂回してユーザーのシステムと直接やりとりできない、あるいは、(機能拡張の)開発者が指定していない Web サイトに対して情報が送られてしまう事がない。Safari 機能拡張は、開発者から見てその作成がより簡単になると思われる。つまり、オープンスタンダードである、HTML5、CSS3、JavaScript Web 標準に依っているし、Extension Builder と云うアプリケーションを開発者に提供している。最後に Apple はその管理とインストールに対してより優れたサポートを提供している(そのようなサポートとしてワンクリックインストールは使いやすい)。

Safari 5.0 から Safari 機能拡張がサポートされていたにもかかわらず、デフォルトでは無効になっていて、ユーザーは自分で機能拡張を Web 上から探し出さなければならなかった。Safari 5.0.1、そして Safari 機能拡張ギャラリーでは、機能拡張がデフォルトで有効であり、 Safari 機能拡張ギャラリーの項目が Safari のアプリケーションメニューに現れる。ユーザーは依然としてギャラリーに現れない機能拡張を探し出してダウンロードすることが出来るが、Apple のサイトでは多くの人にとって最も有用で興味の持てる機能拡張が簡単に見つけられるようになるだろう。

Safari 機能拡張ギャラリーを紹介する最近の Apple によるプレスリリースでは、いくつかの新しい機能拡張がハイライトされていた。その中に Amazon wish-list 機能拡張と云うものがあり、これを使うとユーザーはどんな Web サイトからでも Amazon の wish list(Amazon の日本語表示では「欲しいものリスト」)に追加できる。Bing search engine 機能拡張では、文章を選択した時に関連すると思われる情報を提供する。例えば、住所を選択した時に地図が現れるというような事だ。Twitter 機能拡張は Web でたまたま何かを見つけた際に、Safari から直接 Tweet を行う事を可能にする。

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もっと興味深いものは、生産性を上げるための機能拡張だ。SafariRestore は Safari が起動した時に自動的に前回のセッションを復元する。Sessions はさらにもう一歩進めて履歴管理マネージャを提供する。AutoPagerize は長くて複数のページにまたがった Web ページ、つまり、Ars Technica や New York Times のようなサイトを一つのスクロール表示できる Web ページに変換する。

Safari 5.0.1 はさらにいくつかの小さな機能を追加しており、安定性の問題を解決しようとしている。改良の中に含まれるものとして、アドレスフィールド内に表示されるトップヒットがもっと精密になった事、CSS アニメーションのタイミングがさらに正確になった事、Safari Reader のキーボードショートカットを使用した際の安定性が向上した事、Mobile Me Mail をスクロールした場合の安定性が向上した事がある。問題解決に向けたいくつかの変更にはサイトに依存した問題も含まれており、Safari reader で Rolling Stone's Web サイトの複数ページ記事を表示した際の問題、American Airlines Web サイトの搭乗券を印刷した際の問題。さらに、32ビットシステムで Google Wave を使用した場合の問題も修正された。Leopard システム上でネットワークホームディレクトリーから Safari を起動できないバグも修正された。DNS の先読みによっていくつかのルーターが過負荷になってしまう問題も解消している。すべての変更を網羅したリストは Apple の Web サイトで手に入る。

このアップデートではいくつかの致命的なセキュリティーの脆弱性対策がなされている。これらのセキュリティー問題は WebKit による Web エレメントの取り扱い方法、悪意のある RSS フィード、AutoFill に関係している。これは任意のコード実行を可能にし、遠隔地のシステムにファイルを送り、AutoFill の場合は、ユーザーに問い合わせる事なしに悪意のある Web ページに情報を公開してしまう。この最後の対策は、Jeremiah Grossman が発見した脆弱性に対するものであり、対策がなされたので AutoFill を再び、安全に有効にできる。Safari 5.0.1 は 37.57 MB であり、Software Update 、あるいは Apple Support Downloads ページからダウンロードできる。

最後に、Apple は Safari 4.1.1 を Mac OS X 10.4 Tiger 用にリリースした。ほぼ同じ改良が行われ、安定性が向上し、セキュリティー問題対策がなされている。しかし、Safari 機能拡張は含まれていない。これも同様に Software Update あるいは Apple Support Downloads ページでダウンロードでき、29.53 MB である。

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アップル、魔法を新しいトラックパッドとバッテリーチャージャーへ

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: 柳下 知昭 <tyagishi@gmail.com>

アップルは、先週、新製品を発表した。Mac のデスクトップコンピュータでマルチタッチジェスチャーを使うことができるようにするワイヤレス接続のマルチタッチトラックパッド Magic Trackpad だ。

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アップルのワイヤレスキーボードと同じ高さと奥行きを持つMagic Trackpad は、サポートするプログラムで、スワイプ、ピンチ、回転ができる。アップルのウェブページでは、"表面全面がクリックできるボタンとなっている"としており、Macworld の Dan Frakes によると、このトラックパッドは、ゴム足がボタンとなっていて、クリックできるようになっている。

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トラックパッドは、Mac と ブルートゥース経由で通信し、電源は、2 つの単三電池となっている。動作していないときには、消費電力を節約するし、電源オン/オフボタンもついている。

Magic Trackpad および Multi-Touch アップデート 1.0 (75.09MB) を適用することで、システム環境設定のトラックパッド項目にマルチタッチコントロールが現われる。(そのなかで、どの項目を有効にするかというオプションが提供される。)このことで、いくつかの MacBook や MacBook Pro モデルで、慣性スクロールと 3 本指ドラッグジェスチャーサポートが提供される。

Magic Trackpad は、$69 で既に発売中である。

Apple Battery Charger -- 予想していなかったものがある。アップルは、 Apple Battery Charger を発表した。それは、$29 の充電器で、6 本の単三型充電池が付属し、同時に 2 本充電することができる。アップルは、アップルが提供するニッケル水素充電池は、10 年も使い続けることができ、フル充電した後 1 年未使用のままでもフル充電状態の 80% の電力が残っているほど自己放電率が低いとしている。充電器は、他社のニッケル水素充電池にも使用できる。

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アップルの充電器が、充電池を一旦充電してしまったあとの、待機時消費電力は、30 ミリワット(mW)であり,他社の充電器は、315 mW である。"バンパイアの分け前"(アップルはそう呼んでいる)を、減らすことは、自宅やオフィスの全体の電力消費を減らすことにつながる。Apple Battery Charger は既に発売中である。

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Magic TrackPad の故障への理性的な対応

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: 柳下 知昭 <tyagishi@gmail.com>

先週、アップルからレビュー用にと Magic Trackpad を受け取った。その直後に、問題にぶつかった: 電源が入らないのである。(デバイスの詳細については、"アップル、魔法を新しいトラックパッドとバッテリーチャージャーへ "2010 年 7 月 27 日を参照のこと)

電源ボタンを一度押したり、押したままにしたりした、さらにそれを何度か繰り返した - しかし、動作しなかった。そこで、電池室を開けてみたところ、上側の典型的なエナジャイザーのアルカリ単 3 電池が腐食していた。

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いま、我々は、アップルの製品について話しているということを意識しよう。アップルは絶対的に正しく、アップルが作りだす製品はすべて完璧であることは、常識である ... そうでないときを除いては。そうだとすると、こんな状況でのわかりやすい対応はどんなものだろうか?製品リコール ? 集団訴訟 ? Magic Trackpad だけでなく、使用していた電池も含め、アップルの使っているもの全てについて設計し直すよう要求する怒りのブログを書く ?もちろん、ふつふつと心の底から沸き立つ気持ちも忘れてはならない。

いや、そんな気持ちは抑えるべきかもしれない。私は、現実世界で生きているのだから。

この Magic Trackpad の電池が、中国の工場で取り付けられたことは、間違いない。アップルの広報部門から送られてきたが、パッケージはシュリンクラップされていたため、この Magic Trackpad は、どんな顧客の手に渡った可能性がある。

Green Batteries よると、毎年、150 億個以上の電池が製造され、全世界で販売されている。それほどの数量になれば、品質管理の方法をきちんと考慮されていたとしても、うまく動作しなかったり、軽微な製造上の不具合を持つものが、かなりの数、確実に存在する。

科学技術製品には必ずこのようなことがつきまとう、そう、アップルの製品についても同じである。iPhone 4 が、正しく動作しなかったり、Mac が到着時にすでに完全に壊れていたり - そして、ひどく興奮する人々もいる。アップル製品やアップルのニュースを長年追いかけているため、このようなことを何度も繰り返し見てきた。

今回のケースでは、trackpad は、アップルの広報から送られてきたので担当者に事の経緯をメールした; 担当者は、シリアルナンバーを聞いてきたので、回答した。広く電池供給問題が起こるというめったにない場合には、アップルは、原因を突き止めるため、情報を使用することができる。もし、私が trackpad を、アップルストアで購入していたら、返品して、新しい trackpad か、新しい電池をもらっていたことは確かだろう。

そうして、私は、新しい電池をセットした、そうすると Magic Trackpad は完璧に動作した。これで話は終りだ、もう事件はいらない。

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Librarian of Congress によって牢破りが合法化される

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Digital Millennium Copyright Act (DMCA) は言ってみればおぞましい法律の一つと言える物で、デジタル音楽、ゲーム、そしてビデオの野放しの海賊行為を防ぐと言う名目で、あなたが購入したメディアにまつわる通常の行動を犯罪化してきた。それがどの様にうまく働いて来たかは我々が見てきた通りである。

DMCA の鍵となる条項の一つは、メディアの違法なコピーを防ぐために意図された暗号化を破るツールの使用を規制することである - digital rights management (DRM) はその良い例である。DMCA は、その意図された目的のための訴訟では成功裏に使用されてきたが、一方では、誤用と言わざるを得ないが、サードパーティのインクカートリッジの使用を妨げるコードを保護するといった馬鹿げた利用にも役立ってきた。

この法律には裏口があった:Librarian of Congress と呼ばれ、米国における著作権のお偉いさんで、この法律で直接触れられていない事案に対する例外を切り出すのも一つの仕事である。これらの例外は、DRM の様な技術的手段で防御された版権のある作品の合法的使用を可能にする。

これらの例外は三年毎に出されるはずであった; 最新のものは先週認められたばかりであるが、これは前回の法制からほぼ四年も経過している。

Electronic Frontier Foundation (EFF) の様な団体は、個人や研究者達の所有下にあるメディアや機器に対するより大きなコントロールを持つ権利を得ようとするロビー活動をするためにこの例外ツールを使って来た。EFF はこの新しい規則では広く引用され、そして歓迎のプレスリリースを出した。

最新の例外は、Registrar of Copyrights によって起草され Librarian of Congress によって承認されたのだが、iPhone の牢破りを合法化している。これは対象が極めて特定化されており、と言うのも Apple の電話はユーザーが任意のサードパーティソフトウェアをインストール出来ないようロックされた最も人気のある機器だからである。この規則は他の機器にも適応される;それらは単に列挙されていない。

この例外には、単一のキャリアのネットワークでしか働かない様設定されている電話のロックを外すため暗号を破ることを合法化した 2006 年の規則の更新も含まれている。新しい法律では中古電話のロック外しのみが許されているが、ここで言っている電話とはある特定のキャリアネットワークで使用することを意図して購入されそして使われたものを指している様である。この場合キャリアは、勿論と言えるであろうが、キャンセル料金を課することが可能である。

牢破りに関する法制化はかなり複雑であるが、それは "一見の価値ありの表現" のかたまりで結論付けられているので、あなたのために私がそれをバラバラにしてみよう:

無線通信ハンドセットがソフトウェアアプリケーションを実行出来るようにするコンピュータプログラムで、その様なアプリケーションの相互互換性をその電話ハンドセット上のコンピュータプログラムと確保する事だけを目的に回避が達成される場合で、それらが合法的に入手された場合、

この例外が何故承認されたかの説明を読んで行けば明らかになる事は、お役人が、iPhone にロックをかけるために Apple が理由付けした著作権に関係したもの全てが密接な関係を持たず、そして個人は Apple が認めなかったソフトウェアを合法的にインストールするために iPhone のロックを外すことが出来ないまま放置されるべきではないと結論付けたからである。

上記の意味する所は、iOS (ハンドセットがソフトウェアを走らせられる様にするコンピュータプログラム) は、Apple によって提供された或いは販売されたものの外に、動作可能な他のプログラムのインストールを可能にするよう改造されても良いということである。("合法的に入手された" と言う言い回しに注目:これは海賊版ソフトウェアをインストールすることを間違って合法化してしまうのを避けるために挿入されている。)

この規則は Apple が牢破りを許可することを求めてはいないが、 Apple はもはや牢破りは違法であると言う事は出来ない。同社は、これまでも牢破りのやり方を作成したり或いはそれをしたかどで誰かを訴えた事は無いようである。

Apple はまた、牢破りはその製品保証を無効にすると言い続ける事は可能である (Cult of Mac の Leander Kahney に Apple PR が言った様に)。ある製品に対する保証の限度を規定するのは Apple の力の範囲内であるが、その製品保証が法に適合しているかどうかを定めるのは、州の法廷であり州の検事総長である。牢破りに関する DMCA に対する例外は、州の消費者保護訴訟に追い風となるかもしれないし、或いは Apple に対する個人からの小額請求裁判所での訴訟にも影響するかもしれない。消費者保護法は、もしある製品が故障した場合、購入者が理に適ったそして適切な使用をしてきた限り、その製品保証がどの様な言い回しをしようとしているかには係わらず、その製品の購入者に味方する傾向にあると言える。

この規則改訂により牢破りの状況そのものが必ずしも変わるというわけではない。牢破りソフトウェア或いはそのサービスが DMCA の元で違法なのかどうかははっきりしない、と言うのもその様な情報やサービスを提供する行為はこの例外では触れられていないからである。"商業利益或いは個人の収入を目的として" DMCA に違反した者には重い罰が科せられるが、iPhone の牢破りの方法を無料で公開している Web サイトはこれでは取り締まれないように見受けられる。

それでは App Store をめぐる景観は変わったのであろうか?開発者はアップスを売るのに、Apple 経由かサードパーティの店経由で直接消費者に売るかの選択をするようになるのであろうか?今時点ではそうはならないようである。Apple は開発者をなだめるためにもっと懸命に努力しなければならないかも知れないが、同社はこれまでも一貫して牢破りによって攻撃された脆弱性の穴を塞いできたし、これでそのことにもっと一生懸命になるかも知れない。

しかしながら、この例外は重要な原則を設定した:つまり著作権を機器を人々がどう使うかまで強制する道具としては使えないと言うことである。これで iOS がオープンプラットフォームに変わる事は無いであろうが、少なくとも Apple に緊張を強いることにはなるであろう。

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Apple が iMac、Mac Pro、Cinema Display をアップデート

  文: Doug McLean <[email protected]>, Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

先週、Apple は同社の iMac および Mac Pro ラインアップのアップグレードを発表するとともに、新しい 27 インチ Cinema Display をお披露目した。

iMac -- Apple はiMac ラインアップを改訂し、より高速のプロセッサとグラフィックスを盛り込んだ。ローエンドの iMac の方が大きな変更を受け、Intel Core Duo のアーキテクチャから離れて新しい Intel Core i3 や i5 のプロセッサへ、Nvidia GeForce 9400M グラフィックプロセッサをやめて ATI パワーの独立グラフィックユニットへと、それぞれ移行した。これで、Intel Core i3、i5、または i7 プロセッサと ATI 独立グラフィックプロセッサが、すべての機種の iMac で標準装備となった。

21.5 インチと 27 インチのモデル双方とも iMac 標準のフォームファクターを踏襲しており、小さい方のモデルは三種類、大きい方のモデルは四種類の異なったプロセッサ構成を提供する。ベース構成とそれぞれの受注オプションは以下の通りだ:

すべての機種に、USB 2.0 ポート 4 基、FireWire 800 ポート 1 基、802.11n Wi-Fi、Bluetooth 2.1+EDR、8 倍速 SuperDrive、Gigabit Ethernet コネクタ、それに SDXC フォーマット(大容量のカード用)をサポートするようになった SD カードスロットが標準で付く。また、内蔵 iSight カメラ、マイクロフォン、スピーカー (Apple によれば従来のバージョンより改善されたという)、ヘッドフォンとオーディオ入力ジャック、それから DVI、VGA、デュアルリンク DVI 接続をサポートした Mini DisplayPort 出力も標準装備だ。

今回アップデートされた各機種は環境問題に関連して大きく変わったところはないが、Apple は引き続き環境基準を掲げている。Apple はプレスリリースの中で、iMac が Energy Star 5.0 要件を満たし、EPEAT の Gold 認定を達成し、水銀やヒ素を含まないディスプレイを搭載し、BFR (臭素化難燃材) や PVC (ポリ塩化ビニル) を含まずリサイクル性の高い素材で作られていると述べた。

Apple が Mac OS X v10.6.4 Update iMac (Mid 2010) (452.62 MB) と Mac OS X Server v10.6.4 Update iMac (Mid 2010) (460.91 MB) をリリースしたことに注意しよう。このアップデートでは、互換性およびパフォーマンスに関連するグラフィックスの問題を修正し、大容量の SDXC メモリカードとの互換性を改善し、Magic Trackpad のサポートを追加している。あなたの新しい iMac がこれらのアップデートを必要とするかどうかを知るには、ソフトウェア・アップデートを使うのが最も手軽な方法だ。

Mac Pro -- Apple のデスクトップパワーマシン Mac Pro が、最大 12 のプロセッサコアと、最大 4 台の 512 GB ソリッドステートドライブを装備するオプションを身に付け、一段とたくましくなった。また、より改善された ATI グラフィックプロセッサも装備した。

ローエンドの構成にはクアッドコア Intel Xeon "Nehalem" プロセッサ 1 基(従来ハイエンドの Mac Pro ラインに付いていたもの)が付き、速度は最大で 3.2 GHz だ。ハイエンドの構成になるとクアッドコアまたは 6 コアの機種で Intel の "Westmere" プロセッサが付く。(4 コアのことを "quad-core" と呼ぶが、6 コアは何と呼べばよいのだろうか。"sex-core" か?) Mac Pro には 1 基または 2 基のプロセッサを装備することができ、6 コアシステムならば 3.33 GHz、8 コア ("octo-core" か?) システムならば 2.4 GHz、12 コア ("duode-core" か?) ならば最大 2.93 GHz を提供できる。Apple はまた、Westmere チップにはプロセッサ 1 基あたり 8 MB または 12 MB の L3 キャッシュが含まれてパフォーマンスを改善していると述べた。

グラフィック処理は ATI Radeon HD 5770 が担い、これに 1 GB の GDDR5 メモリが付く。Apple の発表によれば従来の最速オプションよりさらに高速だという。あるいは、1 GB の GDDR5 の付いた ATI Radeon HD 5870 にすることもできる。こちらはより幅広いメモリバス (256-bit で毎秒 153.6 GB、標準では 128-bit で毎秒 76.8 GB) と、よりパフォーマンスの高い GPU が利用できる。いずれのカードにも、Mini DisplayPort 出力 2 基とデュアルリンク DVI ポート 1 基が付いている。Mac Pro に 2 枚の ATI Radeon HD 5770 カードを装着すれば、最大で 6 台のディスプレイが接続できるわけだ。

ストレージの面では、Mac Pro には 3.5 インチのドライブベイが 4 つ内蔵され、2 TB SATA 3Gb/s ドライブ 4 台を入れれば最大 8 TB のストレージが提供できる。Apple はまた 512 GB のソリッドステートドライブを最大 4 台まで組み込めるオプションを用意しており、その場合データアクセス速度は最大で毎秒 230 MB に達する。あるいは、4 つのベイが一杯になるまでハードドライブとソリッドステートドライブを混ぜて組み合わせることもできる。

これら新型の Mac Pro は 2010 年 8 月中に入手可能となる。オンラインの Apple Store ではまだ予約注文の受け付けを開始していないので、オンラインで構成を組んでみて特定のプロセッサとドライブの組み合わせがどんな値段になるのか試してみることはまだできない。けれども、Apple の Mac Pro プレスリリースに基本的な組み合わせ二種類が具体的に示されている:

いずれの機種にも PCI Express 2.0 スロット 4 基、USB 2.0 ポート 5 基、FireWire 800 ポート 4 基、AirPort Extreme 802.11n ワイヤレスネットワーキング、Bluetooth 2.1+EDR、Gigabit Ethernet、それに Apple Keyboard (テンキー付き) と Magic Mouse が付く。

27 インチ Cinema Display -- 新しい 27 インチ Cinema Display は、IPS (In-Plane Switching) と呼ばれるテクノロジーのおかげで 178 度の視角を確保し、従来の 24 インチ版に比べて 60 パーセントもスクリーン面積の増えた 2560 × 1440 ピクセルの解像度を提供する。Apple 標準である縦横比 16:9 を保持した隅から隅までガラス製のディスプレイが、角度調整ヒンジの付いたアルミニウム製スタンドにマウントされ、iSight カメラと 49 ワットのスピーカー、マイクロフォン、それに USB 2.0 ハブも内蔵される。

また、このディスプレイには Mini DisplayPort コネクタも内蔵され、統合型の MagSafe コネクタも付いているので MacBook や MacBook Pro に電源を供給することもできる。さらに環境光センサーが搭載され、部屋の環境にあわせて自動的にスクリーンの明るさを調節する。

興味深いことに、この 27 インチ Cinema Display は今後 Apple の外部ディスプレイとして唯一のものとなる。Apple はこれまでいくつかのニュース源で現行の 24 インチと 30 インチの Cinema Display は新しい 27 インチモデルのリリースとともに引退することになると発表してきた。だから、そちらのモデルが欲しい人は、Apple で在庫切れにならないうちに、今すぐ買っておこう。

この 27 インチの Cinema Display は Mini DisplayPort に対応する Mac を必要とし、価格は $999、リリースは 2010 年 9 月の予定だ。

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ScanSnap S1300 対 Doxie: ポータブル書類スキャナ二つ

  文: Joe Kissell <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

以前から私は散らかった部屋を片付けるための戦いを続けてきた。数年前に、私は机の上にある紙の書類のほとんどすべてをスキャナでスキャンする習慣を身に付けた。スキャンの済んだ紙の多くをリサイクルするかシュレダーにかけるかして、貴重なスペースが確保できた。でも、たとえ何らかの理由でオリジナルの紙のままで保存しておかなければならなかった場合でさえも、すべてスキャンしておくことによってデジタルファイルとあわせ重要な紙の書類も全部バックアップしておけるようになった。その上、私はスキャンしたものすべてを OCR (optical character recognition、光学式文字認識) にかけているので、すべての書類を対象に検索したり、選択したり、テキストをコピーしたりが手軽にできる。私はこのことについて Macworld 記事 "The Real Paperless Office" に書き、その後 OCR 用に改善した AppleScript について "Update: The Paperless Office" に書いた。

ペーパーレスのオフィスで中心的なコンポーネントといえば、もちろんスキャナだ。今年初めの Macworld Expo で、私は書類スキャナの新機種がいろいろ展示されているのを見て嬉しくなった。最近になって、私は最新のスキャナのうち二つをテストする機会を得た。 Fujitsu ScanSnap S1300 と、 Apparent の Doxie だ。どちらも 600-dpi の書類スキャナで、持ち運びしやすいようにデザインされ、そのため従来型のデスクトップスキャナに比べてずっと小型で軽量に作られている。私はどちらにもそれぞれ相当の時間をかけて使ってみて、両者を比べるとどうか、私のデスクトップ型 ScanSnap スキャナと比べればどうか、試してみた。どちらも完璧ではなかったが、それぞれに興味深い長所があって、特定のタイプのユーザーにお薦めできるものとなっている。

Fujitsu ScanSnap S1300 -- 私はもう何年も前から Fujitsu 製の ScanSnap スキャナのファンで、以前のデスクトップモデル二つ (S510M と fi-5110EOXM) を使ってきた。2007 年には Macworld で S510M をレビューした こともある。その結果不満なところはほとんど見つからなかった。少なくとも表面上、今回の新型 S1300 は従来型のモデルと比べて大きく二つの点で違いがある。一つはサイズが小さいこと (それに応じて動作速度もフィーダーの容量も小さくなっている)、もう一つはソフトウェアだ。従来型の ScanSnap に付属していたソフトウェアよりも、アップデートされたものが付いている。

この S1300 は大きさが 11.18 x 3.90 x 3.03 インチ (284 x 99 x 77 mm) で、重量が 3.08 ポンド (1.4 kg) だ。つまり、最も近いデスクトップ機種である ScanSnap S1500M と比べて、容積にして約3分の1、重量ではおよそ半分ということになる。これは相当なものだ。ことに、Fujitsu のデスクトップスキャナもそれ自体かなり小さいのだから。けれども実用上は、リッドを上げペーパーホルダーを広げれば、S1300 が机の上に占める面積もそれほど小さくないことが分かった。サイズの小ささがありがたいのは、スキャナをしまって持ち運ぶ時だけだ。(それに、超小型の Doxie に比べれば、この S1300 ははっきりと巨大に見える。そのことについてはあとで述べる。)

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この S1300 のペーパーフィーダーは紙を 10 枚収納できる。それに対して S1500M の方は 50 枚だ。いずれにしろ私は 10 ページより長い書類をスキャンすることはめったにないので、容量が少なくても私は気にならない。速度について言えばデスクトップモデルよりも若干遅い。デフォルトの解像度で、カラーの書類が毎分 8 ページ、グレイスケールの書類で毎分 16 ページとなっている。(S1500M ではカラー・グレイスケールともに 20 ppm だ。)速度の違いははっきり分かるが、それで非常に困るということはない。私は主に白黒の書類をスキャンするので、実際の違いはほんの数秒余分に待たされるという程度だ。けれども、これらの数字は少々誤解を招くおそれがある。あなたがスキャナを使うやり方、つまり電源が何かということも関係してくるからだ。

この S1300 は、標準の(適度に小型の)AC アダプタも使えるし、USB 経由で電源を得ることもできる。電源アダプタを家に置いて旅行に出ることもできるとなれば、当然これは利点となる。けれども、重大な問題が二つある。まず第一に、このスキャナが USB から電源を得ている場合、稼動速度がずっと遅くなる。そして第二に、アダプタなしで動かすためには、コンピュータとスキャナの間に二本の別々の USB ケーブルを走らせなければならない。一本はデータを送るため、もう一本(こちらは DC コネクタが片側に付いている)は電源を供給するためのものだ。たいていの Mac ラップトップ機にはもともと二つしか USB ポートがない(MacBook Air には一つしかない)ので、ハブを持ち歩かない限り他の USB 機器は何も使えないということだ。ハブを使えば、おそらくそれ自身のための AC アダプタが必要になるだろう! それに、この特別の、独自仕様の USB ケーブルをなくしてしまわないように注意しなければならない。これがなければ、何もできなくなる。

さて、以上述べてきたようなあら探しの結果は別として、実際にこれはどれくらいうまく動作するのか? 簡潔に言ってしまえば、使い方は手軽で、うまく動く。フィーダーに書類を一枚差し込んで、スキャナに一つだけ付いているボタンを押す。すると S1300 は高速でページの両面を同時にスキャンし、自動的に書類サイズ、カラーの有無、紙の向きなどを判定する。テスト書類をピクセルごとの精密さで検査することはしなかったが、S1300 によるスキャンと私のデスクトップ ScanSnap によるものに、パッと見て分かる品質の違いは気付かなかった。(言い替えれば、見栄えは素晴らしいということだ。)

ScanSnap Manager をどう設定したかに依存するが、スキャンが終わるといろいろのことが起こるようにできる。いくつか例を挙げよう:

さらに、スキャンに際していろいろの活動に関するさまざまのプロファイルを保存することもでき、それぞれに圧縮、ファイルフォーマット、保存先などの設定を指定できる。クリック一つ二つで、それらを切り替えることもできる。もしも個々の書類ごとに挙動を指定したいと思えば、Quick Menu を表示するようにも設定できる。これはポップアップウィンドウで、その上のボタンをクリックすれば七種類のよくある活動のうち好きなものが実行できる。

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大体において、私が最も気に入っているワークフローは、考えたり行動したり介入したりが最も少なくて済むものだ。私は単純に、すべてのスキャンを直接 DEVONthink Pro Office に送り込むようにしている。そちらには独自の OCR 機能があるし、私の書類の大部分を自動的にカテゴリー分けすることもできるからだ。(このことについては電子ブック "Take Control of Getting Started with DEVONthink 2" の中で詳しく述べている。)

古い ScanSnap モデルに付属していたソフトウェアと比べて、S1300 のソフトウェアパッケージ(ここにはドライバと、ScanSnap Manager と呼ばれるコントロールセンター、ScanSnap OCR ソフトウェア用の ABBYY FineReader、それに Cardiris for ScanSnap が含まれている)には、多くの面で改善が施されている。スキャンの結果を編集可能な Word または Excel ファイルに変えられる機能を私は初めて見たが、私のテスト書類で見た限りでは、ショッキングと言えるほどにうまく動いた。たいていの場合、出て来た Office ファイルはオリジナルに非常に近くて、フォントもきちんとマッチしていたので、初めのうち私はビットマップ画像を見ているのかと思ったくらいだ。ただ、なかなか愉快な欠点もあった。例えば、妻と私が二人とも署名を書いた手紙をスキャンして、ScanSnap Manager にそれを Word ファイルにするよう指定してみた。出て来た書類を見ると、私の署名がフローティング画像として独立に選択できるものになっていて、私は夢でも見ているのかと思った。これこそまさに起こるべきことだったが、このソフトウェアがそれほど賢いとは予期していなかったからだ。ところが、そのすぐ横にある妻の署名の方は、判読できない訳の分からぬ文字の羅列と化していた。勝つ時もあれば、負ける時もありだ。

古いスキャナには付いていなかったもう一つのコンポーネントが、スキャンした名刺を処理するための Cardiris ソフトウェアだ。こちらは、結果がはっきりと良くないものだった。理論的には、このソフトウェアが名前、肩書き、住所、電話番号などの要素を判定してピックアップし、それぞれを正しいフィールドに割り当てることになっている。その後で、Address Book (あるいはあなたの好きなコンタクトマネージャ) に読み取れる形でデータを書き出しすればよい。ところが、私が試した名刺の大多数で、正しく認識されたのはほんの少数の要素に過ぎなかった。いくつかの名刺では(ことに、暗い色の背景の上に明るい色の文字が印刷されている名刺では)文字が一つも認識されないこともあった。これはとても残念なことだ。Cardiris の生成したデータをクリーンアップするために、すべてのデータを手で入力するのとあまり変わらない時間がかかってしまうのだから。それでも、私が集めた名刺の数はあまり多くないので、私にはそれほど大きな苦行というほどでもなかった。

これまでは、スキャンした書類を検索可能な PDF に変えたいと思えば、まずは ScanSnap Manager の Scan to Searchable PDF 機能を使ってスキャン結果のファイルを ABBYY FineReader for ScanSnap と呼ばれる別アプリケーションで開かせ、そのアプリケーションに OCR を実行させていた。FineReader の挙動を微調整するには環境設定を使って、認識すべき言語、画像の品質、ファイル名を尋ねるかどうか、などを指定した。それらの設定はすべて分かりやすく、実際今でもそれらすべてが できる のだが、今の ScanSnap Manager では第二の、全く違った方法による OCR が可能になっている。このプログラムの File Option タブで、Convert to Searchable PDF チェックボックスを選んでおけば、外部アプリケーションを開くことなく OCR が実行されるようにできる。可能なオプションの選択肢の幅は狭くなった。例えば、対象言語は一つだけしか指定できない。独立アプリケーションの FineReader では複数の言語も指定できたし、その書類がどの言語で書かれているかを自動的に判定できた。その一方で、この内蔵機能の方を使う場合は、あなたがハイライトツールでマークしておいたテキストをソフトウェアがチェックして、自動的に OCR をすべてのマークされたセクションのみに、あるいは冒頭から最初のマークされたセクションまでに、限定して走らせることができるし、マークされたテキストをキーワードとして使って Adobe Acrobat 製品が読み取れるようにもできる。これは非常に便利な仕掛けだ。

問題は、独立な別々の OCR 方法が二つあることで、混乱してしまうのだ。両者を同時にオンにしておいても、ソフトウェアがそれを防止することはない。この場合、実際 OCR プロセスが二度走る! それに、マニュアルを読んでも、二つのテクニックのうちどちらをどのような状況で使うべきなのか、手掛かりになるようなことは何も書かれていない。理想的には、これら二つの方法は融合させられるべきだろう。一つのインターフェイスで二つの機能セットのどちらにもアクセスできるようにし、できれば別途のアプリケーションを起動する必要もないようにして欲しいと思う。

でも、大問題がここにある。例えばあなたが、この新しい OCR 機能か、またはスキャンして Word に変換する機能か、あるいはこのバージョンのソフトウェアが提供している他のたくさんある改善やバグ修正か、そういうもののどれかが特に気に入ったとしよう。でも、あなたが持っているのは去年の機種の ScanSnap だったとしよう。S1300 に付属しているソフトウェアパッケージは旧型の ScanSnap スキャナ、例えば S510M や S300M でも問題なく働くし、マニュアルを読めば旧型のスキャナで必要なハードウェア機能が欠けているために利用できない少数の機能の一覧表さえ載っている。だから、もちろんあなたも、最新のソフトウェアにアップグレードして、新機能を使えるようにできるはずだよね? ところが違うのだ。Fujitsu では、旧型のモデルを持っている人が、新しいスキャナそのものを購入することなく最新のソフトウェアにアップグレードすることは、できないのだ。確かにこの会社は古いソフトウェアに Snow Leopard 互換性を盛り込むためのバージョンを一度リリースしたことはある。けれども、既存の ScanSnap オーナーが新しいソフトウェア機能を欲しいと思った場合は、繰り返して言うが その新機能は古いスキャナでも完璧に動作する にもかかわらず、新しいスキャナを購入しなければそのソフトウェア機能を入手することができない。サードパーティのソフトウェアをバンドルして販売する際にはライセンス上の問題が起きることがあるのは理解しているが、もちろんここでは Fujitsu 自身の ScanSnap Manager ソフトウェアの話なのでそういった問題は起きるはずがない。

この,どう見ても正気とは思えない状況は、別に今に始まった話ではない。過去のどの世代の ScanSnap も、ハードウェアと(後方互換な)ソフトウェアの両面で毎回改善を重ねてきた。けれども、新しいソフトウェアの恩恵を受けることができるのは新しいハードウェアを購入した人たちだけなのだ。それに輪を重ねて正気と思えないのが、既存の顧客がアップグレード後のソフトウェアを 購入する ことさえできないという事実だ。新しいソフトウェアを入手する方法が何もないのだ。このことについて私は Fujitsu の係員に問い合わせてみたが、彼女は問題があることは認めたものの、これは日本にある Fujitsu 本社の決定によるものなので、米国支社としてこれを解決できる権限はないとのことだった。

そういう訳で、ハードウェアを新たに購入しなければ私の古い ScanSnap には得られない機能があることで、S1300 から1ポイント減点しておこう。

でも、全体的に見れば、私はこの S1300 を、一年前にレビューしたデスクトップの S510M と同じくらい気に入った。ソフトウェアの機能が増え、よりコンパクトになり、いざという時には AC アダプタでも動かすことができ、動作速度もほんの少し遅くなっただけだ。でも値段はずっと安い! そう、言い忘れたが、この S1300 の小売価格は $295 で、S1500M (現行の Mac ユーザー用デスクトップモデル) より $200 も安い。追加のお金で、デスクトップモデルには容量の大きなフィーダーと、いくらか速い動作速度、超音波を使ったフィード重複探知センサー、それからバンドル付属の Adobe Acrobat 8 Professional が付く。けれども私を含め、多くの人たちにとってそういうものは重要でない。だから、新しい デスクトップ スキャナの市場に私がいるとして、私はためらうことなく S1500M よりも S1300 を選ぶだろう。そして、持ち運びができることを素敵なボーナスと捉えるだろう。

でも、もしも持ち運びできることが何よりも重要な要素ならば、この S1300 でさえ Doxie の足元にも及ばない。ここからはそれを見て行こう。

Doxie -- 非常に小さなこの Doxie スキャナについて、まずは二つほど文句を言わせて頂こう。(良いことの話もいずれするのでご心配なく。)Apparent の Doxie 広告キャンペーンはこのスキャナが出荷され始めた 2010 年 4 月より何ヵ月も前から猛烈に展開されていたが、そこには「スキャンを直接クラウドに送る」のがこの製品の鍵となる際立った特徴だと宣伝されていた。当初私はこの表現に戸惑った。今でも私にはピンと来ない。私がスキャナに望むことはたくさんあるが、スキャンをクラウドに送るというのがそこに含まれていたことは一度もない。もちろん意味は分かる。スキャンした書類が(ある意味)直接にインターネット上どこかにあるサーバへ送られるのだろう。だから何?

オンラインアクセスができるのだと言いたいのなら、まあそれは結構なことには違いないが、でも別にそれほど興味あることとも思えない。そんなことは私の古いスキャナでもできる。Dropbox か iDisk をスキャンの保存先フォルダとして指定すれば済む話だし、あるいはスキャンのフォルダを SugarSync で同期させるか、CrashPlan や Backblaze でバックアップするか、その他にも方法はいくらでもある。でも、Doxie で実際重要なのはオンラインのストレージそのものではない。これは、同期 の話なのだ。Doxie でスキャンした書類を送ることのできるクラウドベースのサービスは、Flickr、Google Docs、Picnik、Scribd、Tumblr、それに Twitter だ。名前を眺めただけで分かることがあるだろう。あなたが「スキャンを直接クラウドに」送りたいと思う理由は、他の人たち(たいていの場合は一般大衆)に見てもらいたいと思うからであって、オンラインのバックアップを持てるからとか、自分が複数の場所からその書類にアクセスできるからとかいった動機ではないのだ。

では、その点をもう少し追求してみよう。私が 紙の形で 持っている書類であって、それをこうしたサービスを通じて私がオンラインで共有したいと思うのは、どんな書類だろうか? 時々見つかる、デジタル以前の時代の古い写真だろうか? 子供が書いたばかりのお絵描きの芸術だろうか? ロックスターのサインの入ったチケットの半券だろうか? まあ、たぶん、そういうものもあるだろう。でも正直言って、そんな書類に私が遭遇することはそうめったにあるものではない。99.99 パーセントほどの確率で、私が目にする紙の書類でスキャンしたいと思うものは、私が決してインターネットで共有したいと思わないもの、例えば契約書、請求書、領収書、法律関係書類、納税証明書、といったものだ。もちろん、その種の書類を会計士や弁護士やその他の人と共有する必要が生じる状況もあるかもしれない。でもそんなものは数も少なく、滅多にないことだ。それに、書類をそういう人たちと共有する方法なら他にもいくらでもある。けれども写真について言えば、私が共有したいものとして真っ先に思い付くのは写真しかないのだが、今日では事実上ほとんどの場合そもそも初めからデジタルな形で存在しているのだ。

こんな風にくどくど述べてきたのはすべて、Doxie の使用目的を考えてのことだ。Doxie は実際なかなか素敵な機器で、お薦めしたいところもたくさんあるが、根本的な欠陥がある。けれどもその欠陥は、ソフトウェアに細かな変更をいくつか施し、マーケティングの手法に大幅な変更を施せば、簡単に是正されるはずのことだと思う。その欠陥とは、わざわざ問題を探し求めた結果の解答であるかのように見えることだ。

でもちょっと待って欲しい! クラウドへスキャンするのは Doxie にできることのうちの一つだが、他にできることがない訳ではない。他のスキャナと同じようにローカルにファイルを保存することもできる。だから、それはきっと欠点を補うために盛り込まれた機能なのだろう! いやいや、その答はイエスでもありノーでもある。それがどういう意味かを述べるために、まず Doxie が正確に言ってどういうことをするのか見て行こう。

スキャンできるようにするために、まず Doxie アプリケーションを起動しておかなければならない。シンプルさを追求するために、このソフトウェアにはドライバが含まれていないが、そのためスキャナを監視するためのバックグラウンドプロセスは使われない。まあ、そんなことはどうでもよい。Doxie ウィンドウの中で、ポップアップメニューで解像度を選び、さらにモード(カラーかグレイスケールか白黒か)を選ぶ。それから書類を挿入して、一つだけあるボタンを押す。ピンク色の大きなハート形のボタンだ。(そう、本当に。)すると Doxie は紙をスキャナに引き込む。私のテストでは、このプロセスに白黒の 200 dpi で 20 秒ほど、カラーの 600 dpi で 80 ほどかかった。これは高速のスキャナではない。

いったん書類のスキャンと処理が終われば、プレビューウィンドウが現われる。そこで Done をクリックすれば1ページのスキャンとしてファイルが処理されるし、Scan Another Page をクリックすれば複数ページの書類を手動で作ることができる。(ScanSnap と違って、Doxie は一度にページの片面しかスキャンできない。 また自動シートフィーダーはなく、シートは一枚ずつ手で挿入してやらなければならない。)次に、別のウィンドウが現われるので、そこでファイルフォーマット (PDF、PNG、または JPEG) と、保存先を選ぶ。保存先としては、ローカルファイル、ローカルアプリケーション (例えば Preview、Evernote、iPhoto など)、さきほど述べたクラウドベースのサービス、Doxie 独自のクラウドストレージ、あるいは(最近のソフトウェアアップデートの結果として)あなたのお好きな iOS 機器の上の iBooks アプリも選べる。一つの書類をスキャンし直さずに複数の保存先へ送ることさえできる。

ここで指摘しておきたいのは、たとえあなたが前回のスキャンですべてデフォルトの設定を受け入れていたとしても、Doxie で最もシンプルなスキャンを完了させるまでに最低3つのウィンドウと4回のクリックが必要になるということだ。これと対照的に ScanSnap では、ボタンを1回押すだけですべてが済むように設定しておくことが可能だ。言い替えれば、シンプルさにはそれなりの代償が伴うということだ。

何はともあれ、あなたの書類はスキャンされた。残ったのは一つの PDF、PNG、または JPEG のファイルであって、これはあなたのハードディスクか、クラウドか、あなたの iOS 機器の上か、それともそれらのうち複数の場所かに存在している。さて、何か抜けているものはないか? そう、たった一つ最も重要なものだ。Doxie には、OCR が付いていない。

いや、きちんと言い直しておこう。Doxie には 内蔵 の OCR 機能はない。もしも書類を Google Docs に保存すれば、そこのサーバがあなたのスキャンの 一ページ だけに OCR を施してくれる。けれども私が試してみたところ、結果はとんでもなくひどいものだった。その上、Google Docs は認識できたテキストしか保存せず、元の画像は保存してくれない。(その点が検索可能 PDF と違うところだ。)また、スキャンした書類を Evernote に送ることもでき、Evernote は複数ページの OCR が 可能 で、検索可能 PDF ファイルも出力してくれる... でも、それができるのは Evernote Premium (月額 $5 または年額 $45) を購読するのが条件だ。無料版の Evernote では検索可能 PDF を提供してくれない。もちろん、何かサードパーティのデスクトップソフトウェアで OCR 機能のあるもの (例えば PDFpen Pro、Readiris Pro、Acrobat Professional など) をたまたま持っていれば、Doxie がスキャンした画像にそれを使えばよい。ただし、そのソフトウェアを購入して設定するのはすべてあなた次第ということになる。

だからと言って、いつも期待通りの結果が得られるとは限らない。私は Doxie ソフトウェアにスキャンを PDF フォーマットにして DEVONthink Pro Office に送らせてみた。DEVONthink はその PDF を読み込んだが、ScanSnap を使った場合のように自動的に OCR を実行してくれなかった。確かに、一つの書類あたり2回ずつクリックして検索可能 PDF にすることはできたが、ScanSnap ですべてお任せの簡単作業に慣れた私にとって、失望以外の何物でもなかった。

Apparent は、Doxie の使用目的に OCR は場違いだと主張している。OCR を必要とするような人たちは彼らの意図した顧客層ではないというのだ。そして彼らは、そんな機能を提供せずとも十分 Doxie に満足している顧客は大勢いると言っている。けれども私の感じでは、書類のスキャンにおける肝心のポイントを Doxie は見逃していると思う。Doxie のウェブサイトには、この製品が名刺や、請求書、領収書、報告書をスキャンして保存し、整理するのに最適だと書いてある。けれども OCR なしに、どうしてそれが便利だというのか? 何百もの請求書の 画像 に目を通して、探しているものを見つけたいと本気で思っているのか? もちろんそんなことはあり得ない。単語や日付をタイプして、即座にそれが検索で見つかる方を望むに決まっている。また、見つかった情報をコピーして、そのまま他のプログラムで使えるようにしたいに決まっている。事実上市場にある他のすべての書類スキャナは、Fujitsu のものに限らず Avision、Canon、Epson、Iris、iVina、Neat その他のデスクトップやポータブルの各機種は、検索可能な PDF が作れることをこぞって主要な使用目的として謳っている。それが本来あるべき姿であり、その機能を除外している Doxie は、冗談抜きで流れに乗り遅れている。

でも...

こうして Doxie が OCR をしないのがどんなにひどいことか、心ゆくまで語り尽くして納得できたところで (皆さんにも納得して頂けたと思うが)、ここで少し話題を変えて、結局のところそれはそんなに深刻な問題ではないかもしれないという話に移ろう。少なくとも、あるタイプのユーザーたちにとっては。

__1. Doxie は、安い。__ Doxie の小売価格は $129 だ。つまり、Fujitsu ScanSnap S1300 を買うのと同じお金で、Doxie 一台と、本当に優れた OCR ソフトウェアを買っても、まだまだ素敵なレストランで二人分のディナーができる分くらい残るだろう。言い替えれば、値段相応ということだ。あなたにもし OCR が必要なら (つまりあなたには必要なの だから)、スキャナが安かったおかげで残ったたくさんのお金を使って好きな OCR ソフトウェアを別途に買えば何の問題もない。

__2. Doxie は、小さい。__ 私が初めて「フルサイズ」のデスクトップ ScanSnap を見た時、私は「おお、これはコンパクトなスキャナだ、以前机の上に置いていた StyleWriter より小さいぞ」と思ったものだ。その後 ScanSnap のポータブル機種を初めて見た時、私は「おお、これに比べればデスクトップの ScanSnap がすごく大きく見えてしまうぞ」と思った。そして、Doxie を初めて見た時、私は「何てこった! これじゃ ScanSnap S1300 が巨人みたいに見えるぞ」と叫んでしまった。これは単に小さい (11.5 x 2 x 1.6 インチ、つまり 291 x 51 x 40 mm) だけでなく、10.9 オンス (309 g) と軽い。この小ささは OCR と何か関係あるだろうか? 考えてみれば、S1300 を抱えて持って行くのが思いもよらないような場所へも、この Doxie ならば持って行ける。つまり、その紙の書類のある場所に持って行ってどんどんスキャンすることができ、紙の書類をたくさん自宅やオフィスへ持ち込む必要もない。OCR が(他のスキャナに比べて多少不便だったとしても)可能であるには違いないことを考えれば、Doxie のおかげでオフィスに書類の山ができることがなくなるという事実が他の多くの罪を帳消しにすると言えなくもない。

__3. Doxie にも将来 OCR が付くかもしれない。__ Apparent は、Doxie Cloud サービスに Evernote Premium のものと似た OCR 機能を追加するかもしれない。つまり、ソフトウェアアップデートの必要さえなく、Doxie オーナーたちが検索可能 PDF を手にすることができるようになる可能性がある。あるいは、サードパーティの OCR ソフトウェアをバンドル販売する(おそらく価格を少々高くして)ということも考えられる。この会社がどういう方針に出るのか、私には知る由もないが、少なくともそういうことができない技術的理由はない。スキャナ自体には必要な機能がすべて既に揃っている。だから、正しい方向に向けてほんのちょっと押してやるだけで、真に偉大な製品となるかもしれないのだ。

さて、そういうことはすべてさておき、Doxie についてその他の注目すべき点をいくつか挙げておこう。

プラスの面では:

マイナスの面では:

結論を言えば、書類をスキャンする目的が結局検索可能 PDF を得るためだという、私と同じような用途を考えている人には、特に、スキャンしたい書類の多くが両面に印刷されていたり、あるいは複数のページから成る書類が多かったりするような場合には、Doxie を唯一のスキャナとして用いることはお勧めできない。その一方で、もしもあなたが既にデスクトップのスキャナと独立の OCR ソフトウェアを持っているのならば、Doxie はビジネス旅行の友として持ち運ぶのに理想的なものとなる。なぜなら、非常に小型なのでいつでも何も考えずにただ鞄に放り込んで出かけることができるからだ。それから、小型であることと安価であることが何よりも重要ならば(そういう人たちが多いことは間違いない)そしてあまり大量のスキャンは必要ないならば、しかも OCR のことなんか全然気にしないのならば(あるいは他に OCR をする方法があるのならば)これはもう何の躊躇もなく Doxie を使ってみるのがよい。

その他のポータブルスキャナ -- さきほど述べたように、ScanSnap S1300 と Doxie は、ますます増え続けている Mac 互換なポータブルスキャナのうちのたった二つに過ぎない。(Windows ユーザーならばさらにもっと選択肢は広がる。)今のところ私が自分の手で試してみたのはこの二つだけだが、あなたが何か別の機種の方をもっと気に入るということは十分あり得るだろう。候補に入れておくべき選択肢として、次のようなものが考えられる:

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2010 年 8 月 2 日

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Snapz Pro X 2.2.3 -- Ambrosia Software 製の人気のスクリーンショットおよびビデオキャプチャユーティリティ、 Snapz Pro X がバージョン 2.2.3 にアップグレードされた。このアップデートではクラッシュのバグ二件に対処している。一つは比較的新しい MacBook のみの上でオブジェクトを選択する際に起こったもので、もう一つはモニタをミラー設定にして使っている場合にキャプチャを試みた際に起こったものだった。また、今回アップデートされたバージョンのソフトウェアでは、ムービーがハードディスクを一杯にする前にビデオのキャプチャを自動的に停止するようになった。(新規購入 $69、アップデート無料、10.8 MB)

Snapz Pro X 2.2.3 へのコメントリンク:

Retrospect 8.2 -- クロスプラットフォームのバックアップソフトウェア Roxio Retrospect(最近 Roxio の親会社に買収されたことは、2010 年 5 月 27 日の記事“Retrospect バックアップソフトウェアを Sonic Solutions が買収”参照)が、バージョン 8.2 にアップグレードされた。ソフトウェアがシンプルに使えることを目的にデザインされたインターフェイス拡張のほか、今回のアップグレードではネットワークバックアップのパフォーマンスが従来より最大三倍も高速になった。また、この新バージョンでは 64-bit メモリ利用のサポートが加わったため、同社によれば「何千万個ものファイル」のあるボリュームも扱えるようになった。さらに、このアップグレードでは古い Retrospect 6 で作られたバックアップからの復旧ができる機能も復活した。(ただしその場合、バックアップは読み出し専用として扱われる。)添付の Retrospect 8.2 Read Mee の中で、Roxio は Retrospect サーバを Intel ベースの Mac で走らせるよう勧めており、このソフトウェアは PowerPC ベースの Mac では動作が遅くなると警告している。同社はまた、インターネット/FTP のバックアップはまだサポートされていないこと、さらに今回のリリースでは光学ドライブのサポートが無効化されていることも注意している。(ただし、ドライブを Retrospect 専用と化しても構わないのならば、手動で有効に戻すこともできる。) フルのリリースノートもある。(新規購入は最大三人のユーザーまで $129、アップデート無料、無料の試用版も利用可、258 MB)

Retrospect 8.2 へのコメントリンク:

BBEdit 9.5.1 -- Bare Bones Software が、同社のパワフルなテキストエディタ BBEditにマイナーなアップデートをリリースした。今回のアップデートには新機能が何も含まれていないが、幅広い多種多様な問題点に対する数多くの修正が提供される。BBEdit 9.5 で Capitalize Sentences と Capitalize Lines の挙動が変更されてイライラした人のために、何十もの修正のうち一つが 9.5 より前のバージョンの BBEdit の挙動を復活させ、選択域を頭文字化する前にあらかじめテキストすべてを小文字化するやり方に戻してくれた。この修正以外にも、今回のリリースでは HTML マークアップ環境設定のアップデートに関する問題点を修正し、前置キーを含む Emacs コマンドでのバグに対処し、書類を保存する際にファイルのアクセス権をより正しく保つよう試みるようになった。その他にも、スクリプト添付に関するいくつかの修正により、書類を閉じた際に自動的に働くスクリプトが正しく動作するようになった。(新規購入 $125、アップデート無料、16.4 MB)

BBEdit 9.5.1 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2010 年 8 月 2 日

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Glenn Fleishman がラジオ番組 TechFlash に出演したほか、Ars Technica による Magic Trackpad のレビュー、Amazon が新型の Kindle をリリースするニュース、一日中机の前に座っている人にとって恐ろしい知らせとなるかもしれない New York Times のブログ記事などをご紹介しよう。

Glenn Fleishman、ラジオ番組で Windows Phone と未来の石板を語る -- Glenn Fleishman と、長年の Windows 観察者 Mary Jo Foley が、北西部テクノロジービジネスおよびベンチャーキャピタルニュースサイト TechFlash の Todd Bishop が司会する KIRO-FM の週刊テクノロジー番組に出演した。話題は、Microsoft が iPad に対抗すべき機会を逸したという話と、モバイル機器のエコシステムの中で Kindle が占める位置をめぐってのものだった。

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Ars Technica が Magic Trackpad をレビュー -- 痛々しいほど巧みな題名の付いたこの記事で、Jacqui Cheng が Apple の新製品 Magic Trackpad に取り組む。彼女が気付いたのは、素晴らしいところもあるけれどあまり素晴らしくないところもあるというものだった。マルチタッチのショートカットの大多数がこのトラックパッドを使ってできるのは本当に素敵だが、彼女にとって精密な操作ができるかどうかが問題だった。これはトラックパッドすべてに共通する問題だが。結論を明かすのは差し控えたいが、このレビューは単に Magic Trackpad が良いかどうかに答えるのみならず、$70 の価値に見合った良さがあるかどうかに答えようとしている。

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Amazon の新型 Kindle は $139 から -- Amazon が、Kindle 2 の代替となる製品として、6 インチディスプレイを持つ二つの新型 Kindle をリリースする。Wi-Fi 専用モデルは $139 で、AT&T 3G と Wi-Fi の双方を持つモデルが $189 だ。これらの新機種では従来よりコントラストが 50 パーセント上がり、新しいフォントと、パフォーマンス高速化、長くなったスタンバイ時間 (何と一ヵ月!)、ストレージ容量の倍増を誇る一方、重量は以前より軽くなっている。これらの新型モデルは米国では 2010 年 8 月 27 日に出荷される。

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あなたは椅子に殺される -- New York Times の「健康」ブログで Gretchen Reynolds が議論するのは、長時間座っている人が(それがコンピュータの前でも、テレビの前でも、あるいは車の中であっても)心臓病関係の疾患で死亡する率が劇的に増大するという話題だ。私たちのように、時々はスクリーンの前を離れてエクササイズに出かけることを心がけている人たちにとってさらに気掛かりなことに、最近の研究結果によれば日課としてエクササイズを取り入れてもデスクワークの生活習慣による健康への悪影響はそれほど減らないという。それより、われわれ「デスク」ジョッキーたちは、仕事をしながら何らかの方法で体を動かすことを考えるべきなのだそうだ。頻繁に休憩をとって散歩したり、電話で話しながらそこらを歩き回ったり、立ち机に替えたりすれば、それが本当に命を救ってくれるかもしれない。

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©Copyright 2010 TidBITS: 再使用は Creative Commons ライセンスによります。

Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2011年 1月 8日 土曜日, S. HOSOKAWA