TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1045/20-Sep-2010

今週号のテーマは「実用性」だ。Sharon Zardetto が、Keyboard Viewer (キーボードビューア) を使って特殊文字にアクセスする方法を説明し、Matt Neuburg が Fake をレビューする。Fake はウェブブラウザだが、Automator 風のやり方でウェブページ上のアクションを自動化するために使える。また、Adam が EPUBReader を使ってみる。これは Firefox アドオンで、EPUB を手軽に見られるようにするためのものだ。それから Glenn Fleishman が、RSS フィードを読む作業を新たなるグラフィカルなレベルへと引き上げてくれる iPad アプリを二つ、詳しく検討する。最後にもう一つ、新刊の Take Control 電子ブックがある。Kirk McElhearn の "Take Control of iTunes 10: The FAQ" だ。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Dialectic 1.7、Transmit 4.1.1、MarsEdit 3.1、Savescreenie 2.0、それに 1Password 3.4.1 だ。

記事:

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"Take Control of iTunes 10: The FAQ" が、iTunes の 100 の質問に答える

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 柳下 知昭 <tyagishi@gmail.com>

まったく新しい Take Control 電子ブック -"Take Control of iTunes 10: The FAQ" についてお知らせできることに興奮している。iTunes のエキスパートで、熱心な音楽ファンの Kirk McElhearn によって書かれ、146 ページ、$10 の電子ブックは、最新であり、あなたの iTunes に関する質問への答えがはち切れそうなほどつまっている。たくさんの Take Control のタイトルや他の書籍を書くとともに、Kirk は、TidBITS へ寄稿したこともあり、MacWorld へはプレイリストのコラムに非常に多く寄稿している古参の寄稿者でもある。

あなたを iTunes のパワーユーザーへと変貌させるというおおきなゴールの先に、Kirk のこの電子ブックの目的がある。iTunes へのメディアの追加方法やタグ付け、アルバムアートワークの付加やプレイリストを使った管理方法のやり方についてその真価がわかり、よく理解してもらうことである。それらセットアップが完了したなら、音楽やムービー、オーディオブック、電子ブックなど楽しむことができ、あなたが、特定の項目を見つけたい時や音楽の特定の一部分を iPod と同期したい、パーティ用プレイリストを作成したい、しばらく聞いていなかった音楽を識別したい、オーティオブックを正しい章の順番で聞きたいというような特別な何かをしたいと考えた時にも苦労することなく楽しむことができる。あなたの iTunes ライブラリが私のものと同じようなものだったならば、それは、滅茶苦茶になっていて、iTunes を使うことはひどく難しくなっているでしょう。しかし、そのままである必要はない。Kirk のアドバイスがあれば、iTunes 内のあなたのメディアについてコントロールを取り戻すことができます。

メディアといえば、あなたが現在もしくは将来の iPad オーナーであるならば、Jeff Carlson の "Take Control of Media on Your iPad" とまとめて購入すると25% オフで購入できる。2 つの電子ブックは、通常 $20 であるが、まとめることでたった $15 で購入できる。

購入の特典として、この電子ブックの最後には、2 つのクーポンが付いている。欠けているアルバムのアートワークを見付けたり、曲タイトルを修正したり、詩を追加したり、不明な曲を確認することを自動で行なうことができるツールEquinux の SongGenie を $5 値引きで購入できる。AirPort Express base station を持っているならば、どのような音源(例えば、Safari で動作している Pandora Web サイト)からもワイヤレスでオーディオ再生することができる Rogue Amoeba の Airfoilsoftware を$3 値引きで購入できる。

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フィードをリードに: RSS を美しさへと転換する

  文: Glenn Fleishman <glenn@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

ニュースリーダーソフトウェアは、RSS フィードを受けて、最新のニュース、ブログ記事、その他の項目を最新のものから順番のレイアウトによるリストとして提示する。けれども、私の知る人たちの多くは RSS リーダーの電子メール風の整理方法を気に入ったことが一度もなく、さらにはウェブページを見る方がよいので RSS になど手をつけたこともないという人たちさえいる。(それに、ここにいる我らが怖いもの知らずのリーダー Adam Engst は、数え切れないほどの見出しがずらりと並ぶのを見るとこれを全部読まなければならないのかという気がして圧倒されてしまうので、ニュースリーダーというものは使わないようにしているとのことだ。)

でも、ニュースリーダーを否定する人たちにも、ぜひともこれだけは知ってもらいたい。iPad が、フィードを読むための新しいアプローチをもたらそうとしており、私たちの許に届く無数のアップデート情報とつき合うための新たな関係を作り出してくれるかもしれないのだ。これなら、転向して来る人たちもいくらかはいるかもしれない。

特に有望に思えるプログラムが二つある。私は、もしもこれらが App Store 市場で良い成績をあげれば、今後同じようなものが数多く iPad に、それからもっと小型の兄弟機にも、出てくるに違いないだろうと思うし、iOS の側から逆に Mac OS X へと浸透して行くこともあるのではないかと思う。

Times for iPadFlipboard は、次々と流れ込むアップデートを受けて、自動的に新聞や雑誌のレイアウトを作り出す。このアプローチは、実際にやってみると最初聞いた印象よりもずっとうまく行くことが分かる。自動レイアウトというのはちょっと怪しげな課題に思えるけれど、いずれのプログラムも、なかなか興味深い結果を生み出してくれる。

表示できる限りの RSS を -- Acrylic Software の Times for iPad は $7.99 で、初めは科学、テクノロジー、アートと娯楽、それにスポーツのタブが設定されている。それぞれのタブはニュースの要約をマルチカラムに並べて表示する。それぞれのカラムの表示を設定したり、それぞれの横幅を広くしたり狭くしたり、またあなたが自分で RSS フィードを追加したりもできる。(現在のバージョンでは残念ながらフィードを上下方向に並べ替えることはできないようだ。並べ替えたければ、望みの順序になるように削除してから追加し直すという作業をしなければならない。)

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また、記事をいくつ表示するかも設定できる。個々の表示のページを右へ拡大して、新たなカラムを追加することもできる。

項目を一つタップすれば、RSS プレビューが開く。画像やメディアが付属していればそれも表示される。横長表示ならば(奇妙なことに、縦長表示ではこれができない)その項目を Safari で開いたり、その項目をこのアプリの中でグローバルに記事を保存しておく棚に(言わばニュースのクリッピング領域のようなものだ)追加したり、電子メール、Twitter、Facebook で共有したり、といったボタンが使える。

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Times for iPad のメーカーでは、既に Mac OS X 版も計画中だ。

パタパタと飛んで行く -- 無料の Flipboard は、あなたが何を追加できるかという点に関してはずっと自由度が劣るものの、美しさの点、プレゼンテーションの多彩さの点で優れている。これは、新聞というより雑誌を思わせる。いくつかのフィードがあらかじめ設定されている。ソースとなるフィードは、最初のページでは最大 9 個まで、それ以後のページでは最大 12 個まで、正方形の並ぶグリッド状に表示される。

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このプログラムを起動すると、まるで表紙のように、フルスクリーンサイズの画像が現われる。右の端から左へとスワイプすれば、contents (目次) ページが 9 個の正方形を示して開く。どのソースも変更可能だが、今のところは、Flipboard Inc. の提供するフィードの中から選んでおいてもよい。あるいは、Twitter リストを追加したり個人を追加したりもできる。

一つのソースの正方形をタップすると、Flipboard が開くページにはそこからリンクされた項目の宣伝文句と画像まで併せて表示される。Twitter については、これはかなり注目すべきことだ。なぜなら、誰かが書いた 140 文字以下の tweet に含まれるリンクも、それ自体フル項目となって並べて表示されるからだ。

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項目をタップすれば、それが独自のページに開き、その行き先への参照項目や tweet がサイドバーにコメントとして表示される。また、Read on Web ボタンをタップすればフルの記事が元のウェブコンテクストとして読める。(これにより、Flipboard はニュースソースの機嫌を損じないようにしているのだ。)

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記事や項目を電子メールや Twitter で共有することもでき、また項目表示の中で一つの tweet を選んでお気に入りとマークすることもできる。

いずれのアプリも、次々と流れ込む情報をグラフィカルに処理できる方法として私の目を見開かせてくれた。私は自分の RSS リーダーで何百ものフィードをフォローしているが、だんだん自分がそれをあまり使わなくなってきていることに気付いている。なぜなら、その量があまりにも膨大で、さっと斜め読みして既読とマークするだけでも圧倒されてしまうからだ。(こう書いている今から Adam の高笑いの声が聞こえるようだ。)

変化に富む見栄えを提供し、たくさんの項目を孤立した状態でなく文脈に沿って表示できることにより、これらのアプリで RSS フィードを読む方が私の目にも脳にもずっと優しくなっていると思う。そして結局は、私はただ斜め読みするだけでなく、また内容を読むようになるのだ。

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EPUBReader で EPUB を Firefox に表示する

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple の iBooks アプリのリリースと iBookstore とで、EPUB フォーマットの電子本は次第に普及し始めてきた。しかしながら驚くべきは、EPUB を読むのに iBooks 以外にこれといって良い方法があまり無いと言うことで、もしあなたがしたい事はあなたの Mac 上でさっと見てみたいと言うことであればとりわけそう言える。

O'Reilly Labs は Threepress のオンライン Bookworm サービスを提供しているが、これは本をアップロードしそれをオンラインで保存する必要があり、そんな手間隙はかけていられないと思われるかもしれないし、同様の事が同じ人達の中の何人かが書いた Ibis Reader についても当てはまる。他にもクロスプラットフォームでオープンソースアプリケーションの Calibre と呼ばれるものがあり、これも EPUB を変換し表示出来るが、無骨で使い辛い。そして Stanza の Mac 用バージョンもあるが、Stanza iOS アプリとは違い、この Mac 版は EPUB から全てのフォーマットと画像を取り去ってしまうし、タイトルの中には読めなくなってしまうものすらある。最後に、Adobe Digital Editions と言うものがあり、これは Adobe AIR ベースのアプリケーションで、元々は複数のマシン上の DRM 保護された電子本ファイルを扱うのを手助けすることを一つの目的として開発されたものである;それはひどいと言うわけではないが、私は大ファンであるとも言えない。

と言うわけで、私は EPUBReader に出くわした時は嬉しかった。これは Firefox Web ブラウザ (Mac, Windows, 或いは Linux 上で走っているかに拠らず) に対する無料のアドオンである。大抵の Firefox アドオンは Web 体験を多少変えてしまうものだが、EPUBReader は単に Firefox のレンダリングエンジンを利用して Firefox ウィンドウ又はタブ内に EPUB のコンテンツをカスタム表示するだけである。(EPUB は Zip アーカイブの中にある XHTML と CSS であることを思い出してみると良い。)

Firefox に EPUBReader をインストールするには、EPUBReader ホームページ上で Add to Firefox ボタンをクリックする;インスタレーションを完了するには Firefox を再起動する必要がある。

EPUBReader は、Web ページ上の .epub ファイルをクリックするとそれをダウンロードし、処理し、そして表示するように Firefox の設定を変更する。もし Finder で EPUB の Get Info ウィンドウの中で Open With application for .epub を Firefox に変更してやると、Firefox のウィンドウに手元にある EPUB ファイルをドロップすることも出来るし、或いはダブルクリックすることも可能になる。

Web ブラウザの中で見るダウンロードした PDF ファイルとは違って、この場合はそのファイルを含むタブを一旦閉じると "失われて" しまうが、EPUBReader によってダウンロードされ或いは表示された EPUB は ePub-Catalog と呼ばれる手元の蓄積域に保存されるので、Firefox の Tools メニュー、Bookmarks メニュー (リストの一番下にある)、或いはあなたの読んでいるどの EPUB の下部にあるボタン経由でアクセスできる。更に良い話は、ePub-Catalog ウィンドウにはポップアップメニュがあり、そこには更なる EPUB フォーマットのタイトルがダウンロード出来るサイトが幾つかリストされている。

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EPUBReader 内で EPUB が一旦開かれてしまえば、それを読む仕掛けは極めて直感的である。目次はウィンドウの左側にリサイズ出来るペインに現れ、そして実際の本は右側に現れる。目次の項目をクリックすればその内容は右に表示され、そしてもしコンテンツの中にナビゲーションリンクがあれば、それをクリックすればテキストの中であなたを動き回らせてくれる。

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多くの EPUB は独自のフォーマットを持っていて、それは内部の CSS ファイルで規定されているが、EPUBReader 設定で多くの表示オプションを変更できる。目次では、背景とリンクの色及びフォントとフォントサイズを設定出来る。同じ背景とフォントのオプションはコンテンツにも適用できるし、他にはマージン幅と最小コラム幅も可変である。もしフォントサイズだけ変えたいと言うのであれば、サイズを増やしたり減じたりする一対のボタンがある。(奇妙なことには、Firefox の Zoom In コマンドは全てのテキストのサイズを増加させられる - 目次も実際の本のテキストも。しかし Zoom Out コマンドの方は最初に目次のペインにクリックしていない限り、本のコンテンツペインでしか働かない。)

他のボタンは ePub-Catalog ウィンドウにアクセスさせてくれ、ファイルをあなたのハードディスク上の別の場所に保存しそしてブックマークを設定することが可能となる (もっとも、私自身はこのブックマーク機能がどう働くのかを理解できていない)。最後に、一対の巨大な緑色のボタンが前の或いは次の章へとジャンプさせてくれる。これらのコマンドの全てがキーポードショートカットととして提供されている (ツールバーを Control クリックすることでキーボードショートカットを表示するメニューにアクセス出来る;同様にしてツールバー全てを隠すことも出来る)。

EPUBReader のインターフェース要素が醜いというのは否定できないが - Macintosh 開発者ならこの様にひどいボタンは決して作らないであろう - 通常の利用に限れば、EPUBReader はすぐに姿を消し EPUB のクリック可能な目次に取って代わられる。そして、私が我々の Take Control 電子本の一冊の EPUB バージョンをチェックしようとしているのか、或いはオンラインで見つけた或いは送られてきたものをちょっと見ようとしているかに拘わらず、Firefox をちょっとクリックするか或いはそこへドラッグするかすることが、EPUB を EPUBReader にロードするのに必要なこと全てなのである。

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スクリプト対応ウェブブラウザ Fake は本物だ

  文: Matt Neuburg <matt@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今の時代、新しいアプリケーションを見て、私が頭をピシャリと叩き、思わず「ワーォ! どうしてもっと早く誰かがこれに気付かなかったんだろう?」と叫んでしまうことも、もうあまりなくなった。でも、Todd Ditchendorf の作った新しいウェブブラウザ Fake について聞いた時の私の反応こそ、まさにそれだった。それから、茫然とした状態から立ち直った私は、こうつぶやいた: 「ワーォ! こんなに見事に実装できる人がいるなんで、信じられない!」

いったいなぜまたもう一つ新しいウェブブラウザなんか必要なんだ、と思いながら皆さんが危険を察して逃げ出す前に、どうか私の言うことを最後まで聞いてほしい。Fake は単なるウェブブラウザではない。それに、これは現在お使いのブラウザを置き換えるためのものでもない。これには特別の目的があって、その目的のためだけに使えばよいものなのだ。でも、あなたがこれを使うとなれば、他に同じことのできるものはない。

Fake は、プログラミングのできる ウェブブラウザだ。その目標は、あなたが手軽にスクリプトを書いてウェブブラウザ自体を動かせるようにすることで、しかもそのスクリプトは、現在表示されているウェブページを対象にし、そのインターフェイスに作用して走らせることができる。そのようなスクリプトを書く方法は他にもある。例えば、JavaScript のコードを書いて同じことをさせることもできる。また、ウェブページを対象にそのようなスクリプトを多かれ少なかれ自動的に走らせる方法も、他にいろいろある。例えば、Firefox の中で働く Greasemonkey はまさにそのようなものだ。けれども、私が「手軽に」と言ったことを見逃さないで頂きたい。一つのウェブページの HTML を調べ上げて、その要素に JavaScript からアクセスするにはどうするかを見つけ出し、それを実現する JavaScript コードを書いてメンテナンスもする、というのはとうてい「手軽」とは言えない。けれども Fake ならば、ポイント&クリックのインターフェイスを使ってスクリプトを作り上げることができる。

Fake のインターフェイスは、意図的に Apple 自身の Automator を思わせるように作ってある。(2005 年 5 月 2 日の記事“Automator を紹介します”参照。)出来合いの、しかし設定可能でもある「アクション」を組み合わせて「ワークフロー」を作る。たいていの場合、これが AppleScript でコードを書くことの代わりとなる。けれども Fake は Automator よりもさらに一歩先を行く。Apple はこれまで一度もまともなプログラミングの論理構造、例えばループとか条件文とかエラー処理などを Automator に組み込んだことはなかったが、Fake のアクションにはそういうものが含まれている。基本的なアクションとしては、リンクやその他の要素のクリック、要素あるいはフォームの値の設定、フォームの送信などがある。また、もっと一般的な意味でブラウザをコントロールすることもできる。例えば、指定された URL に行ったり、ブラウザのタブを開いたり閉じたり、といったことだ。さらに、プログラマーが自らワークフローの中に JavaScript、AppleScript、あるいは Unix シェルスクリプトの断片を組み込むこともできる。

基本的なワークフローを作ることがどれだけ簡単か、ここに一つ例を示してみよう。私は TidBITS サイトの中で自分が書いた過去の記事を検索することがよくある。私が見つけたいのは私が著者である記事であって、私の名前がどこかに触れられている記事ではない。私たちのサイトには Advanced Search ページがあって、そこで Author フィールドに名前を入力することができる。そこへ行くためには、メインページの左上にある検索フィールドの横の歯車アイコンをクリックしなければならない。では、Advanced Search へ行ってからその Author フィールドに "Neuburg" と入力する、というワークフローを作ってみよう。

まず、Load URL アクションから始める。そこに私たちのホームページの URL である http://www.tidbits.com/ をペーストする。次に、Click HTML Element アクションを追加する。ここにはフィールドがあって、あの小さな歯車アイコンの識別子を入力できる。でも、この小さな歯車アイコンはいったい どの 要素なのか? いや、私はその答を知っている必要はない。ただ単に、そのアクションからその歯車アイコン自体の上へと、Control-ドラッグするだけでよいのだ。すると、自動的にその要素を表わす表式がそのフィールドに出てくる。それから最後に、Set Value of HTML Element アクションを追加する。ここでもやはり、Author フィールドへ Control-ドラッグすれば、そのアクションの最初のフィールドが設定されるので、そこで第二のフィールドに "Neuburg" とタイプすればよい。

ここまでで私がしたのは、何らかのアクションをワークフローの中へとドラッグし、作用する先の要素の上へと Control-ドラッグすることによってアクションを設定し、あとは私の名前を一回タイプしただけだ。別に難しいことは何もない。けれども、まだ必要なことがある。欲しいページがロードを終えて、作用する先の要素が現われるまで待つための、何らかの方法を提供しなければならない。それも大丈夫。さきほど作った三つのアクションの間に、Wait For Condition アクションを二つ、組み入れるだけだ。次に進む前に存在していなければならない要素の情報を、既存のアクションからコピーしてきてペーストすればよい。これで、私のワークフローは完成だ!

最後に、私のワークフローを "Articles By Moi" という名前のファイルに保存する。するとたちまち、ダブルクリック可能なファイルができて、これをダブルクリックするだけで詳細検索ページが開き、その Author セクションに私の名前が入力されるところまで自動的に進む。あとは、私が検索のための追加の情報を入力して検索を走らせるだけだ。そして、驚くべきなのは、これだけのものがあっという間に出来上がったということだ。マニュアルを見る必要も、何かのプログラミング言語を学ぶ必要もない。

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もちろん、もしもあなたが何らかのプログラミング言語を知って いる のならば、あなたのその知識をワークフローに組み込むこともできる。例として、TidBITS の記事からその出版日付を抽出するワークフローを作ってみよう。私たちの記事のウェブページはすべて(例えばこの記事のページも)その初めに小さなヘッダ部分があって、その記事の属するカテゴリーと、記事の日付(その後にさらにいくつかの情報)が並んでいる。そのヘッダを Fake に取り込むために、私はまず Set Variable アクションを作る。(お察しの通り)そのアクションをそのヘッダ部分へと Control-ドラッグする。また、このアクションには変数名も割り当てておく。ここでは "meta_article" という名前にしておこう。こうして、このワークフローを走らせれば、その結果 "meta_article" という名前の変数に、例えば次のような文字列がコンテンツとして含まれるようになる:

Blog Post | 04 Aug 2010 | Listen | Print | Comment (27)

さて、私はこの中から "04 Aug 2010" の部分だけを抽出したい。実は、JavaScript によって Fake の変数を見ることができる。そして JavaScript では正規表現が使えるので、その部分を抽出するのは簡単だ。そこで、このワークフローに入れるべき私の第二のアクションは、Do JavaScript アクションだ。これは "meta_article" 変数の中から日付を抽出し、その結果を "date" 変数として返す:

var meta = window.fake.get("meta_article");
var res = meta.match(/\| (.*?) \|/);
window.fake.set("date", res[1]);

そして最後に、私はその情報をクリップボードに移したい。これは、単純な Unix シェルスクリプトでできる。そこで、私の次のアクションは、Run Unix Script アクションだ。Unix シェルスクリプトも Fake の変数を見ることができるが、そのやり方はさきほどと異なっている:

#!/bin/sh
echo ${date} | pbcopy

さて、こうして記事の日付がクリップボードに収められたので、私は今書いているどんな記事の中へでもそれをペーストすることができる。わかったわかった、大したもんだ、という声が聞こえてきそうだ: ただ単に、選択してコピーすればよかったじゃないかと。でも、この例は、もっと大きなワークフローの一部として組み込んで、記事のタイトルと日付とを取り込み標準的な参照用情報としてまとめ上げることなどもできる。さきほど参照した私の Automator 記事にも同じような例が紹介してある。

Fake には他にもたくさんのクールな機能が付いている。例えば、Apple の WebKit を利用してウェブページで要素レベルの解析を提供できる。ウェブページの一部を選択して Window > Web Inspector を選べば、Safari で 開発 > Web インスペクタを表示 を選ぶ(あるいはコンテクストメニューで 要素の詳細を表示 を選ぶ)のと同じパネルが開く。ウェブページがロードし終わった後で、スクリプトを走らせることも、スタイルシートを適用することもできる。(この点は Greasemonkey と同じだ。)それに、Fake 自身もスクリプト対応なので、ワークフローを書く代わりに、AppleScript やその他を用いて Fake を動かし、リアルタイムでアクションを定義しつつ一連のアクションを実行させることもできる。

思うに、ウェブブラウザとの相互作用を自動化する必要のある開発者たちにとって、この Fake は天からの恵みとも言えるのではないだろうか。(例えば、ウェブアプリケーションをテストするのにも使える。Take Control注文プロセスなどもその一例だ。)それなのに、これはあまりにも信じられないほど使い方が簡単だ。最も基本的なところでは、ただアクションを一つ選んでワークフローの中へドラッグし、それからそのアクションをウェブページ上の作用したい対象の上へとドラッグするだけだ。これならば、ブラウザ上で繰り返し使う操作で Safari のフォーム自動入力機能が使えないようなものに対して、誰でも 使って役に立つのではないだろうか。もしもあなたが自分には Fake は何の役にも立たないとお思いなら、上の例をもう一度よく読んで、あなたのブラウザ利用法をもう一度思い返してみて頂きたい。きっとあなたにも何らかのウェブフォームや、繰り返して使う一連のウェブページなどがあって、Fake があなたのために多数のマウスクリックをたった一回に凝縮できるところが見つかるに違いないと思う。

さきほども述べたように、Fake は素晴らしいアイデアであり、しかも素晴らしく実装されていると私は思う。これは、開発者の長年の努力が結実した成果だ。彼はその過程で、努力の結果をいくつものツールという形で気前よく分け与えてきた。(他にも彼の作品としては Fluid およびCruz という特殊化された無料のブラウザがあり、それらの使っているコードの多くも気前よく分け与えてきている。)彼はまた Fake 専用の Google グループでもアクティブな、反応の良い、極めて辛抱強くて助けになるメンバーとして活躍してきた。Fake の価格は非常に手頃な $29.95 で、機能の限定された試用版もあり(注意すべきは、試用版ではワークフローを保存することができない)ダウンロードサイズは 4.9 MB だ。Mac OS X 10.5 かそれ以降を必要とする。私はこれをお薦めしたい。

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キーボードビューアで特殊文字をタイプする

  文: Sharon Zardetto <szardetto@szardetto.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

[編集者注: この記事は、TidBITS 出版史上 Unicode を要する個所の最も多い記事だ。従って、これがさまざまなメールサーバやクライアントを通過する際にそうした文字がどのように表示されることになるか、私には全く見当がつかない。もしも記事中の特殊文字が変な風に表示されてしまっていたら、申し訳ないと思う私の気持ちを汲んで下さり、すぐ上に示した URL で原文記事のページをお読み頂きたい。そのページでは、すべての文字が正しく表示されているはずだから。よろしくお願いします! -Adam][訳者注: 日本語版のメール版は JIS エンコードにて配布されています。この記事に多数登場するアクセント付き文字その他は、JIS エンコードではサポートされていませんので、日本語版の記事ではアクセントなしの通常文字などで代用させていただきます。あしからずご了承ください。]

文字を入力? それって、昔から言う「タイプする」ってことじゃないの? それはそうだ。けれども、キーボードに書かれていない文字をタイプするには、どうすればよいのだろうか。あるいは、どんなキー組み合わせでも出てこない文字は、どうすればよいのか。もちろん、特殊文字を頻繁に入力する必要がある人のためには、敬うべき Ergonis 製ユーティリティ PopChar X がある。けれども、著作権記号や、チェックマーク、セント記号、あるいは「等しくない」記号がほんの時たま必要になるだけ、という人はどうすればよいのだろうか?

実は、Apple は文字を見つけたり入力したりするための便利なツールをいくつか提供している。電子ブック "Take Control of Fonts in Snow Leopard" の抜粋であるこの記事では、そういうツールのうちの一つ、キーボードビューアについて、あなたが知っているべきことをまとめてみよう。

もしもあなたが Mac OS X でのフォントの取り扱いについて全般的に興味があるならば、この電子ブックに目を通してみて頂きたい。225 ページのこの本には、フォントの歴史とアーキテクチャ、Mac OS X においてフォントがどのように動作するか、フォントの整理はどのようにすればよいか、Adobe Creative Suite や Microsoft Office、あるいは Apple の iLife や iWork スイートからのフォントにどう対処すればよいか、といったことが詳しく書かれている。価格はたったの $15 だが、これこそ Mac OS X フォント解説書の決定版だ。

キーボードビューアと文字ビューアを開く -- Mac OS X は二つのテキスト入力ツール、キーボードビューアと文字ビューアを提供して、文字入力に関する三つの問題点に対処するための助けとなるようにしている。問題点は、キーボードのキーの上にはすべての文字が印刷されている訳ではない(著作権記号 (c) はいったいどこにある?)こと、アクセント付きの文字の大部分は特別の順序でキーを次々に打つ必要があること、それから、多くのフォントにはどんなキーを組み合わせてもタイプできない文字が含まれていることだ。

(注意: Mac OS X 10.5 Leopard から 10.6 Snow Leopard へ移行する際のマイナーな変更により、文字パレットが文字ビューアと名前を変えた。以下の説明の中で「文字ビューア」と書かれている場合、Leopard をお使いの方はそれを「文字パレット」と読み替えて頂きたい。)

Snow Leopard でこれらのツールをオンにするには:

  1. システム環境設定の「キーボード」パネルで、キーボード ボタンをクリックする。
  2. メニューバーにキーボードと文字ビューアを表示 をチェックして、メニューバーの入力メニューがこれら二つの項目を表示するようにする。

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Leopard でこれらのツールをオンにするには:

  1. 「言語環境」パネルで、入力メニュー ボタンをクリックする。
  2. リストの中で、文字パレット と キーボードビューア にチェックを入れる。
  3. ウィンドウの一番下で メニューバーに入力メニューを表示 をチェックして、メニューバーに入力メニューを加えておく。リストで項目にチェックを入れればそれがメニューに加わる。メニューには「言語環境」パネルを開くショートカットもある。

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文字ビューアは、他にもいくつかの場所から開くことができる。これは Leopard でも Snow Leopard でも言える。Finder や TextEdit、その他 Apple のガイドラインを忠実に守っているいくつかのアプリケーションの中で、メニュー項目 編集 > 特殊文字... を選べば文字ビューアが開く。このコマンドは、あなたが入力メニューをメニューバーに加えているかどうかにかかわらず働く。

もしもあなたが外国語キーボードのために入力メニューを使っているけれどもそのメニューの中にキーボードビューアと文字ビューアを出していない場合、特殊文字... コマンドを使えば文字ビューアが開くだけでなく、二つのビューアの項目がメニューに追加される。

キーボードビューアのフォントメニュー -- すべての進化が必ずしも向上とは言えない。そして、キーボードビューアがまさにその典型的な例だ。最初のバージョンは、ただ単にアクセント付きの文字を見つけるだけでなくそれよりずっといろいろなことができて便利だった。そこにはフォントメニューがあって、それぞれのフォントでどの文字がどこにあるかが分かった。けれどもすべてのフォントが Unicode 対応ということが前提となるに至り、文字はフォントと関係なしにいつも同じ場所にあるべきだということになった。Leopard が出現した時点で、キーボードビューアにはメニューバー上のフォントメニューがなくなってしまった。

Leopard では、キーボードビューア上にポップアップするフォントメニューがある。(むしろ「フォントマッピング」メニューと言うべきだろう)そこにある選択肢は限られていて、Standard つまり現在選択されている言語用の文字配列と、少数の PiFont (ピクチャフォント) で Mac OS X が名前を出す価値ありと判断したもの、だけが並んでいる。下のスクリーンショットをご覧頂きたい。Mac フォントの中で価値あるものはたったこれだけらしい。あなたが Microsoft Office 2008 をお持ちならば、このリストに Bookshelf Symbol 7、Marlett、MS Reference Specialty、それに MT Extra が加わる。残念なことに、ここにリストされていないピクチャフォントをあなたが使っていたとしても、キーボードビューアは何もしてくれない。例えば、おお、あの懐かしき、ほとんど使われずあまり知られていない、Zapf Dingbats フォントもそうだ。

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Snow Leopard の Keyboard Viewer の進化はさらにもう一歩進んだ。つまり、フォントメニューがどこにもなくなってしまった!

Option 文字を見つける -- Mac の黎明期の時代から、私たちはキーボード上の一つ一つのキーごとに最大四つずつの文字にアクセスすることができていた。Shift キーなしと Shift キーあり、Option キーあり、Option-Shift キーありの四種類だ。Option 文字や Option-Shift 文字の多くは、特にあなたがよく使う可能性の高いものたちは、それぞれの配置に心配りがされているために比較的覚えやすくなっている。キー上に印刷されている文字の少なくとも一つが、その Option あるいは Option-Shift 文字に何らかの関係を持っていることが多い。

Option 文字と Option-Shift 文字のすべてを確認したり、覚えられない文字のある場所を調べたりすることが、キーボードビューアを使ってできる。入力メニューからキーボードビューアを開き、Option キーあるいは Option-Shift キーを押し込めば、それらの修飾キーが生成する文字を見ることができる。

キーボードビューアの上でキーをクリックしたり、あるいは単にタイプしても、表示されている文字が入力される。けれども、最も賢明な使い方は、あなたがよく使う文字を生成するキー組み合わせをキーボードビューアで覚え、例えば下の一覧表に示したような語呂合わせを使って思い出す助けにすることだろう。

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(注意: この一覧表や、この記事の他の個所に説明してあるキー組み合わせは、すべて U.S. キーボード配列についてのものだ。他の種類の入力キーボード、あるいは他の Mac OS X システム言語については、よく使う文字も異なった場所にあるかもしれない。)

アクセント付き文字をタイプする -- Mac にはいつも、最もよくある五つのアクセント記号 (déjà vu, naïve, rôle, El Niño のような単語の中で文字の上に付く記号) の付いた文字を、手軽にタイプできる方法が提供されてきた。それは、デッドキーを利用する方法だ。つまり、そのキーを押しても何も入力されず、その次にもう一つキーを押して初めて文字が生成されるというものだ。Mac のデッドキーは Option キーの組み合わせで、後に文字を続ければアクセント付き文字が生成される。

  1. まず、アクセント付き文字を生成するための Option キー組み合わせを押す。
  2. Mac OS X においては、デッドキーは半分だけしか「デッド」でない。つまり、それを押すと、アクセント記号のみがテキストの中に見えるようになるが、その部分には波線が付くか、あるいは何か別の方法でハイライト表示されて(どのように表示されるかはプログラムによる)もう一つ文字をタイプしなければならないことが示される。
  3. それから、アクセント記号を付けるべき文字をタイプする。

アクセント記号が付けられるのは一部の文字に限られている。例えば、ただその気分になったからという理由だけで文字 x の上にウムラウト記号を載せる訳には行かない。使えるアクセント記号と、それを出すキー組み合わせが、このスクリーンショットに示されている:

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例えば、アクセント付きの é を得るためには、まず鋭アクセント記号のために Option-e を押し、その後で e をタイプするだけでよい。あなたがそうやってタイプすることで得られたアクセント付き文字は、これだけで一つの文字なので、backspace キーを一回押せば消せる。

デッドキーを使うのは、キーボードからは他の方法で得られない文字をタイプするための、一つの賢い方法に過ぎない。もちろん他にもその文字を入力する方法はある。例えば、文字ビューアを使ってもアクセント付きの e を入力できるし、外国語用キーボードを使うこともできる。でも、こんなに簡単な方法があるなら、どうして他の方法を気にする必要があるだろうか?

アクセント付き文字のどれかが必要になったけれどもキー組み合わせを思い出せない場合には、キーボードビューアが役に立つ。このスクリーンショットのように、アクセント記号そのものも、アクセント付き文字も、両方とも表示される:

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キーボードビューアで Option キーを押したままにすると、アクセント記号がハイライト表示 (左図) される。そのうちのどれかをクリックまたはタイプすると、そのアクセント記号を付けた文字が表示 (右図) される。この図では、Option-e を用いて生成されるアクセント付き文字が示されている。ただし、赤丸は私が書き加えたものだ。キーボードビューアは、そこまで熱心にアクセントの付いた文字を強調表示してはくれない。

あなたがタイプ中にキーボードビューアを開いたままにしておけば、そのキーをクリックしてアクセントや文字を入力することもできる。

  1. キーボードビューアが開いた状態で、Option キーを押し下げる。
    すると、キーボードビューアはアクセント記号をハイライト表示する。
  2. Option を押さえたままで、ハイライト表示されたキーを押すか、またはキーボードビューアの上でそれをクリックする。
  3. Option キーを放す。
    するとキーボードビューアの表示が変わり、アクセントを使える文字の上にアクセントを付けたものが表示される。
  4. そのアクセントの付いた文字のどれかをタイプ(またはクリック)すれば、その文字が入力される。

アクセント記号だけをタイプするには、そのアクセント記号の Option キー組み合わせを使ってからスペースバーを押せばよい。

U.S. 拡張キーボードでもっと他のアクセントをタイプする -- Roman ベースの言語には、Mac のデッドキーがいつも提供してきた五つの基本的なもの以外にもっとさまざまのアクセントを使うものがある。たくさんの文字を扱おうという Unicode の精神に倣って、Mac OS X は 19 種類のデッドキーによるアクセントを、特別の U.S. Extended 入力キーボード配列によって提供している。(入力キーボード配列については、私の電子ブックの "Use Different Keyboards for Foreign Languages or Other Special Input" セクションに詳しい説明を書いておいた。)U.S. Extended 入力キーボード配列を有効にするには、次のようにする:

  1. システム環境設定スクリーンを開く。
  2. 入力方法のリストの中で、U.S. Extended にチェックを入れる。これにより、自動的に U.S. にもチェックが入る。
  3. 入力メニューからキーボードビューアを開く。
  4. 入力メニューから U.S. Extended キーボード配列を選ぶ。(そのメニューバーアイコンは標準の U.S. キーボード配列のアイコンとちょっと違っていて、右下に小さな U の文字が見える。これは Unicode の意味だ。)

時として、入力メニューから入力キーボード配列を切り替えても、キーボードビューアの表示がアップデートされないことがある。もしもキーボードビューアのタイトルバーの表示でキーボード配列の変更が反映されていなければ、いったんキーボードビューアを閉じてから開き直せばよい。

さて、これであなたはキーボードビューアを使ってアクセントとアクセント付き文字のより多くの選択肢にアクセスできるようになった。使い方は、標準の U.S. キーボード配列での五つのアクセント記号と同じだ。つまり、Option を押し下げてアクセント記号を表示させ、使いたいアクセント記号をタイプし、それから文字をタイプする。スクリーンショットを見て頂きたい。この例では Option-C つまりセディーユのアクセントを使った結果が示されている。

image

必ずしもすべてのフォントがキーボードビューアに見えるアクセント付き文字をすべて含んでいるとは限らない。あなたの現在のフォントに含まれていない文字をあなたがタイプした場合、あなたの書類にはその文字が別のフォント、その文字を実際に含むフォントを使って入力される。

では、なぜこの Extended キーボード配列を常時使わないのだろうか? それは、一つキーが与えられれば、別のキーが一つ奪われるからだ。これだけ多数のアクセントが Option キーに託されたことによって、標準の Option 文字のいくつか、例えば Option-V のチェックマーク(√)とか、Option-P のπとかが失われてしまうからだ。

事後にアクセントを適用 -- いくつかのアプリケーションで、さらにある種のフォントで(ぼんやりした言い方で申し訳ないが、変化する要因があまりにもたくさんあるので、ここではせいぜい「どちらかと言えば多くの場合」程度のことしか言えない)文字を一つタイプしてから、その後で Option-Shift-アクセントの組み合わせを押すことによって、文字にアクセント記号を付けられることもある。ただし、U.S. Extended キーボード配列になっていればの話だ。

だから、例えば TextEdit で、Helvetica フォントを選び、まず o をタイプしてから Option-Shift-U を押せば、o の上にウムラウトの付いた文字 ö が得られる。(Motley Crue などヘビーメタルのバンドの名前を正しく綴るにはこれが必要だ。)この方法でアクセント記号を付けるために使える Option-Shift 組み合わせの一覧表が Tom Gewecke の diacritics ページにある。

文字入力についてもっと詳しくは -- キーボードビューアは Option 文字や Option-Shift 文字、あるいはアクセント付き文字を入力するには便利だが、キーボードからタイプして入力することが全然できない文字を入力したい場合にはどうすればよいのだろうか? そこで出番となるのが、文字ビューアだ。電子ブック "Take Control of Fonts in Snow Leopard" では、16 ページを費やして、そのような文字を文字ビューアで探し出して入力する方法を説明している。そこに至るまでに、12 ページを割いてフォント文字へのグリフによるアプローチを説明し、Unicode ID を持たない文字がどのように扱われるかを解説し、なぜ代替文字のことを気にしなければならないかの理由も示している。さらに、Zapf Dingbats や Webdings などのフォントに含まれる文字だけでは足りないという人たちは、他のフォントで利用できる絵文字をすべて探訪して楽しむことさえできる。Hiragino Kaku Gothic Pro というフォントに含まれている絵文字は素敵だ!

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2010 年 9 月 20 日

  文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Dialectic 1.7 -- JNSoftware がDialectic 1.7 をリリースした。同社の人気の Mac OS X 用電話ソフトウェアの大きなアップデートだ。TidBITS のお気に入りでもある(2008 年 4 月 10 日の記事“Dialectic で如何なる電話も簡単ダイヤル”参照)Dialectic は、あなたがどんなタイプの電話を使っても、あなたのかける電話を管理することができる。バージョン 1.7 での新機能としては、64-bit 互換性 (Mac OS X 10.6 Snow Leopard の下のみ)、Exchange、CardDAV、および LDAP アカウントのサポート、MagicJack や Aastra IP フォンなど幅広い機器のサポート拡大と改良などがある。このソフトウェアは Mac OS X 10.4 Tiger かそれ以上を要する。フルのリリースノートもある 。(新規購入 $25、アップデート無料、7.8 MB)

Dialectic 1.7 へのコメントリンク:

Transmit 4.1.1 -- Panic が、ファイル転送ソフトウェア Transmit をバージョン 4.1.1 にアップデートした。フルのリリースノートには 60 件近くも修正点が挙げられているが、主なものを紹介すると: Transmit Disk、これは遠隔 FTP、SFTP、Amazon S3、その他のサーバをあなたのデスクトップにまるでハードディスクを接続したかのようにマウントできる機能だが、これが大幅に改良された。64-bit カーネルとフル互換になり、MobileMe サポートが改善され、消去機能も改良、MacFUSE に依存することもなくなった。今回のアップデートではまたより多くの言語ローカライズ版も追加され、ファイル転送中のメモリ消費も減り、多数の見栄え上のバグが修正され、シンボリックリンクやリダイレクトされた項目の扱いも改善された。(新規購入 $34、アップデート無料、22 MB)

Transmit 4.1.1 へのコメントリンク:

MarsEdit 3.1.1 -- Red Sweater Software が、同社のブログ編集用ソフトウェア MarsEditをバージョン 3.1.1 にアップデートした。この新バージョンは 64-bit 互換となった。それ以外にもさまざまな新機能が導入され、その主なものとしては、アップロードした画像をあらかじめ設定したサイズに制限できるブログごとの設定を新設、Lightroom 3 メディアライブラリのサポート、リッチテキストエディタをプラグインでサポート (これで、例えば埋め込まれたムービーを観ることもできるようになった) などが挙げられる。また、今回のアップデートで修正されたバグもあり、主なものとしてはプレビューウィンドウが空白になることのあったバグや、外部メディアボリュームを排出できなくしていたバグなどがある。フルのリリースノートは Red Sweater のウェブサイト で読める。(新規購入 $39.95、アップデート無料、6.0 MB)

MarsEdit 3.1 へのコメントリンク:

Savescreenie 2.0 -- ずっと以前、私たちの記事“スクリーンキャプチャーのフォーマットの変え方”(2005 年 6 月 27 日) をきっかけに、Christian Franz が Savescreenie と呼ばれる小さなユーティリティを作った。Mac OS X デフォルトのスクリーンショットフォーマットを変更する手順を簡略化しようというものだ。それから 5 年が経って、Christian の会社 cf/x Software は、無料の Savescreenie 2.0 をリリースした。多数の追加のファイルフォーマット(全部で 10 種類)をサポートするようになり、スクリーンショットを保存するデフォルトの場所と基準名が設定できるようになった。Savescreenie 2.0 は Mac OS X 10.5 Leopard かそれ以降を必要とし、Intel ベースおよび PowerPC ベース双方の Mac で動作する。だから、もしもあなたがスクリーンショットのフォーマットを Mac OS X のデフォルトである PNG と違うものにしたいなら、あるいはデスクトップ以外の場所にスクリーンショットを保存するようにしたいなら、Savescreenie を試してみるとよい。(無料、1.0 MB)

Savescreenie 2.0 へのコメントリンク:

1Password 3.4.1 -- Agile Web Solutions にいる素晴らしき人たちが、1Password 3.4.1 をリリースしてくれた。同社の人気のパスワード管理ユーティリティの、増分更新だ。アップデート内容の主なものとしては Firefox 4 ベータ版の部分的サポートがあるが、Autosave と HTTP Authentication がまだ機能しないことに注意しなければならない。また、今回のアップデートで Sync Conflict Resolver が大きく改善され、コンフリクトの診断と修正が以前よりずっと簡単にできるようになった。特に Dropbox 同期の問題の扱いが改善された。その他の修正点としてはローカライズ版の改善、1PasswordAnywhere のための最適化などがある。フルのリリースノートもある。(新規購入 $39.95、アップデート無料、17.3 MB)

1Password 3.4.1 へのコメントリンク:

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ExtraBITS、2010 年 9 月 20 日

  文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Google はハンドセット機のメーカー各社に圧力をかけて、Google 独自の地理位置情報機能を使わせようとしたのだろうか。Skyhook Wireless の出した告訴状によれば、Android プラットフォームは Google の言うほどオープンなものではないという。11 月に MacTech Conference に行こうと思っている方は、仮想化についての新しいセッションと、Apple Certification Exams (資格検定) の時間が設けられたことに注意しよう。さて、話は変わって Scottevest を着ていれば iPad を(あるいは他にもたくさん)持ち運べるし、夢見たければ Dentsu London の作り上げた 3D ライトペインティングの素晴らしい効果に浸ることもできる。それから心強い声を聞きたければ、Joy of Tech にいるわが友人たちが、最もイヤなタイプの Twitter ユーザー 12 人を漫画に仕上げてくれた。最後にもう一つ、Adobe Acrobat 9.3.4 に対するセキュリティ攻撃が実際に出回っていて、Windows で任意のコードが実行されてしまうおそれがある。ただし同じ脆弱性が他のプラットフォームにも存在している。マルウェアが心配でその被害に遭うかもしれないと思う人は、2010 年 9 月 20 日まで限定で MacScan を無料で入手できる。

MacScan が今日のみ無料で入手可能 -- 昨日の Talk Like a Pirate Day を記念して、SecureMac は通常価格 $29.99 の MacScan セキュリティソフトウェアを本日 2010 年 9 月 20 日(太平洋時間の真夜中まで。このお知らせが間に合わなかった方々には申し訳なく思っている。これ以上早く皆さんにお知らせする方法はなかった)のみ、無料で提供している。MacScan はキーストローク・ロガーやトロイの木馬などのマルウェアを探知し、分離し、除去する。また、ウェブを追跡するクッキーをクリーンアップする助けにもなる。もちろん最良の予防法は怪しげなウェブサイトや疑わしいソフトウェアを避けることだが、もしもあなたが Mac で走らせているものについて心配を感じるのなら、MacScan を試してみても損はないだろう。

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Google、Android 携帯電話メーカーへの圧力で訴えられる -- Google は Android をオープンなプラットフォームとしている。Apple のクローズドなプラットフォームとは対照的だ。けれども、モバイル機器用に Wi-Fi 信号を地理的位置情報に変換している会社 Skyhook Wireless の出した告訴状は、Google がハンドセット機メーカー各社に対して、Android アプリ市場へのアクセスと、"Android-compatible" という文言の使用、携帯電話から Google アプリへのフルアクセスを差し止める圧力をかけていると申し立てている。Skyhook によれば、Google は Motorola やその他の携帯電話メーカーに対し、契約を中止しなければそれらを失うことになると強制したという。

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街中で iPad を着よう -- いつも街中で iPad を持ち歩くことが多いという人たちのために、いろいろなケースが出回っている。でも、ただ iPad をポケットに放り込むだけで、そのまま出かけられるとしたらどうだろうか。ちょうど iPhone を持ち運ぶのと同じようにだ。そのために、Scottevest 製のジャケットやベストがある。いずれも普通のジャケットやベストに見えるが、ポケットの中にたくさんのギーク用の品物をしまっておける。

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MacTech が Virtualization Panel と Apple Certification を追加 -- この 11 月上旬に迫った MacTech Conference の主催者たちが、仮想化のトレンドをテーマにしたパネルを追加すると発表した。座長は Macworld VP であり Editorial Director でもある Jason Snell だ。また、現行のすべての Apple Certification Exams (資格検定) の勉強時間と模擬試験セッションがカンファレンスの最後に実施されるとも発表した。

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Twitter をどう使うべきでないか、Joy of Tech 流 -- Snaggy と Nitrozac による今回の Joy of Tech 漫画は、最もイヤな 12 のタイプの Twitter ユーザーを描き出している。私たちも、tweet する前によく考えるようにしたい!

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iPad で 3D ライトペインティング -- マーケティング会社 Dentsu London が、ストップモーション写真とカスタム 3D ソフトウェアを駆使して、光のアニメーションを主役にしたムービーを作った。光を生み出したのは iPad だ。(ご存じの通り、クリエイティブなことには使えない貧弱な娯楽機器と陰口をたたかれているものが...)

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Adobe Acrobat/Reader 9.3.4 が悪意ある TTF フォントの脆弱性 -- 悪意を持って作られた TrueType フォントを含む PDF ファイルを Adobe Acrobat または Reader 9.3.4 で開くと、任意のコードを実行されたりクラッシュしたりする可能性がある。この脆弱性は Adobe Acrobat や Reader の走るすべてのプラットフォームで存在しているが、現在実際に攻撃が出回っているのは Windows のみだ。安全を期したいならば、Adobe が 2010 年 10 月 4 日のリリースで脆弱性を埋めるまでの間は Apple の Preview や Smile の PDFpen、あるいはその他の PDF アプリケーションを使うようにしよう。

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