TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1049/18-Oct-2010

今週は興味深いニュースが三つある。一部の Mac Pro ビデオカードを対象とした Apple の交換プログラムと、Verizon Wireless が(米国で)MiFi モバイルブロードバンド Wi-Fi ホットスポットとのバンドルで iPad を販売開始するという発表、それからウェブをより匿名性を高くしてサーフィンできる Safari 機能拡張 Incognito のリリースだ。けれども今週号のメイン記事は、同じセットのメディアファイルを家族で共有することができるように iTunes メディアサーバを作る方法について Michael E. Cohen と Adam Engst が詳しく調べ上げた解説だ。最後にもう一言、今週号に載せるには間に合わなかったが、私たちのウェブサイトで Apple の最新の四半期決算発表のニュースをお読み頂きたい。今週注目すべきソフトウェアリリースは、MacGourmet 3.0.1、LaunchBar 5.0.3、Postbox 2.0.1、Microsoft Office 2008 12.2.7/Office 2004 11.6.1、Logic Pro/Express 9.1.2、FotoMagico 3.6、Dragon Dictate 2.0.1、SpamSieve 2.8.4、MacBook/MacBook Pro SMC Firmware Update 1.4、それに PDFpen/PDFpenPro 5.0.2 だ。

記事:

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アップル、ATI X1900 XT ビデオカード交換プログラム

  文: Michael E. Cohen <lymond@mac.com>
  訳: 柳下 知昭 <tyagishi@gmail.com>

あなたは、2006 年 8 月から 2008 年 1 月のあいだに購入したMac Pro を持っているだろうか?映像が歪んだり、見苦しくなったりしたのを見たことがあるだろうか?もしそうなら、アップルは、特別な修理プログラムをあなたのために作ったことになる。プログラム条件によると、あなたの古いビデオカードを、(あなたの Mac Pro のシリアル番号を添えて)アップルストアかアップルの正規サービスプロバイダに持っていくことで、新しいカードと交換してもらうことができる。

プログラムで交換対象としているビデオカードは、カードのシリアル番号の最後の部分に、"V6Z" という文字列が含まれているものである。カードのシリアル番号を確認するためには、Mac Pro を開いて、カードを取り外す必要があり、カードが装着された状態では、シリアル番号を見ることはできない。アップルは、"Mac Pro:ATI X1900 XT ビデオカードで画像が歪む" というサポート情報を公開して、カードの外し方とシリアル番号の確認の仕方を説明している。サポート情報では、画像の歪みが見られないならば、交換する必要がないことも指摘している。

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アップルによると交換プログラムの対象は、" 対象となる ATI X1900 XT ビデオカードの最初の購入日から 3 年間、または 2011 年 1 月 31 日までのうち、どちらか長い方の期間を対象とします。"としている。とはいえ、アップルは、必要に応じてプログラムの期間を延長するかもしれない。

もしあなたが、既にカードの修理/交換のための費用を支払っているならば、返金してもらえる可能性がある。詳細は、アップルへ問い合せてほしい。

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iPad が MiFi オプション付きで Verizon Wireless から

  文: Michael E. Cohen <lymond@mac.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple が間もなく Verizon Wireless と互換で Verizon Wireless から購入できる機種の iPhone を出す可能性がますます強まったという噂や報告が渦巻く中、ついに 公式の発表 があった。このセルラーキャリアは、この 10 月末に、同社の携帯電話販売店にて(iPhone の兄貴分である)iPad の販売を開始するという。

2010 年 10 月 28 日以降、米国内に 2,000 店舗以上ある Verizon Wireless ストア店頭にて、Wi-Fi iPad が購入できるようになる。単体でも購入できるが、セルラールータの MiFi とのバンドル販売もされる。iPad の基本価格は Apple Store での価格より ほんの 少しだけ高い。違いは 1 ドル以下だ。16 GB iPad が $499.99、32 GB モデルが $599.99、64 GB モデルが $699.99 となる。

3G モデルの iPad は GSM ネットワーク経由でしか働かず、これは米国では AT&T の 3G 速度のみの対応なので、Verizon と Apple はネットワーク互換性の問題を切り抜けるための興味深い方法を採ろうとしている。Verizon の CDMA ネットワーク上で 3G アクセスをしようと思えば、料金にあと $130 追加して MiFi 2200 Intelligent Mobile Hotspot を手に入れることになる。この $130 というのは、Apple とそのリテールパートナー各社が iPad の Wi-Fi モデルと 3G モデルの間に設定している価格差と同一だ。

ポケットサイズの MiFi は Verizon のセルラーデータネットワークに接続し、最大で 5 台の Wi-Fi 機器がその接続を共有することができる。(眼力ある読者の方々は、iPad-MiFi バンドルを一組買うだけで、そのモバイルブロードバンド接続を他に最大 4 台の Wi-Fi 対応機器でも共有できるようになることにお気付きだろう。)この MiFi 2200 は充電可能なバッテリを持ち、連続利用で 4 時間、待機状態で 40 時間は充電せずに使える。このバンドルを購入した人は Mac または PC と同期させることで MiFi をアクティベートする必要があり、それをした後はもうコンピュータにアクセスする必要なく使える。

Verizon はこの MiFi バンドルに、三種類の独自のデータプランを提供する。$20 で 1 GB (追加の GB ごとに $20 加算)、$35 で 3 GB、$50 で 5 GB (追加の GB ごとに $10 加算) というものだ。Verizon の他のデータ機器でこれらと同じプランが付いているものはない。

購入の際には Verizon とのサービス契約にサインすることが必要だが、これらのデータプランそれ自体は毎月独立の契約で、いつでも好きな時に解除手数料なしに変更あるいは解約ができる。この MiFi を別途に購入することもできるが、その場合には二年契約、月額 $60 で 5 GB 限定、メガバイト単位で超過料金のあるプランが必要となり、解約手数料も発生する。

(眼力ある読者の方々は、バンドルを購入して、Wi-Fi iPad だけを元の箱に入ったままの状態で転売し、MiFi だけを手許に残すこともできるとお気付きだろう。)

もしも接続に Verizon が使えない場合、Virgin Mobile も MiFi を提供していて、こちらは無制限サービスプラン (30 日間で $40) だ。これについては Glenn Fleishman が数ヵ月前にレポートしている。2010 年 6 月 23 日の記事“Virgin Mobile、契約無しで MiFi モバイルホットスポットを提供”参照。)

今日 iPad に関する発表をしたのは Verizon だけではなかった。 Apple も、Wi-Fi および 3G 双方の iPad が米国内の 2,200 店舗以上の AT&T ストアで発売されると発表した。こちらの発売日も同じ、2010 年 10 月 28 日だ。価格は Apple Store での販売価格と同じだ。AT&T での iPad データプランは現時点では 250 MB まで月額 $14.99、2 GB まで月額 $25 で、長期契約義務はなく、いつでも解約できる。

今や中国でも iPad が販売されるというニュース もあり、この魔法の石板が 1,743 店以上の Target ストアや数千店もある Wal-Mart ストアでも最近売り出された(米国で従来販売されていた Best Buy や Micro Center に加わった)ことを考え合わせれば、iPad は非常に活気あるホリデーシーズンを Apple にもたらそうとしているのではないだろうか。本当に!

もう間もなく Android や Windows 7 に基づいたタブレット機が出るのを目前にして、これはとりわけ意味のあるニュースだ。それらのタブレット機についてはものごとを劇的に扱うのが好きなマスコミがいろいろ取り上げるだろうが、近い将来にそうしたタブレット機が iPad に対して大きく詰め寄ることはありそうもない気がする。現在の市場における Apple の支配的な地位を見ても分かるし、今回 Apple の流通ネットワークが大きく広がったこともその支えとなるだろう。

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Safari 機能拡張で Google と Facebook から身を隠す

  文: Glenn Fleishman <glenn@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Orbicule は、複数の Web サイトに亘ってあなたの行動を追ういくつかの方法をブロックする Safari 5 のための無料の機能拡張をリリースした。この Incognito 機能拡張は Google の AdSense と Analytics JavaScript がその母艦に対して報告を戻すのを阻止出来る。ちなみに、これは Google の広告が表示されるのもブロックするが、それは第一の目的ではない。この機能拡張は、更に Google に対する全てのコールバックを差し止めること、そして Facebook と YouTube が彼ら自身以外のサイト上で動くのも阻止出来る。

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(Orbicule は Undercover のメーカーである。これは素晴らしい盗難回復のプログラムで我々も何度も取り上げてきた、"盗難回復ソフトウェア Undercover のアップデートであなたも詳細情報が分かる" 19 April 2010 参照)

Incognito 機能拡張は、マルチサイト追跡に対して反撃するべく意図されたツール群への新入りである。広告主はクッキー、JavaScript、そしてその他の方法を使ってあなたが同じ ID を使って幾つものサイトにまたがるあなたの行動を関連付け、そしてそれを利用してあなたを標的にし広告を送りそして売り込みをする。この同じ情報が他人に売られ、その挙句に "実世界" データ、あなたの住宅ローン、クレジット記録、そしてその他の情報の様な、と関連付けるのである。

アドブロッカー、スクラバー、アノニマイザー、そして他の同様のものは両方向の情報の流れを阻止する事が出来る。広告、Flash コンテンツ、或いはこれに類したものは見たくないと言う人は、Web ブラウザにこの様なものが表示されるのを防止出来る。そしてもしあなたが見ているページに現れる要素のどれからも追跡や連想的データマイニングされたくないというのであれば、それも可能である。

Incognito はこの問題の一部を攻撃するだけである。Google AdSense をブロックすることで、広告が Web サイト上に現れるのを防ぎ、そして Google があなたのブラウズ行動についての情報を集めるのを止める。(TidBITS は Google AdSense 広告を表示する。) Analytics はもっと込み入っている。無料指標サービスは TidBITS の様なサイトにそのサイトがどの様に利用されそして往来状況はどうなのかを調べさせてくれる。我々は、どの記事が一番読まれているのか、等々のことを見るために利用している。しかし、Google もまた、我々の Analytics の使用からある種の集約情報を得ていて、そのデータを自らの調査のために利用する。Google は、AdSense のための非許可オプションとそして Analytics を非許可にするブラウザプラグインを提供している - しかしこれは Safari には対応していない。

Incognito はまたオプションとして全ての Google API をオフにさせてくれるが、これは同社と会話をするのに JavaScript を使用している。こうすることで "ウェブサイトによっては壊してしまう" 可能性があることをこの機能拡張は警告している。これは Google のアプリケーションインターフェースが色々な理由ため追跡以上のことに使われているからである。

Facebook に関しては、問題は多少異なっている。Facebook は、もし訪問者が同じブラウザ上で Facebook に最近ログインした事がある場合、提携していないサイトが訪問者のソーシャルネットワーキングプロファイルに入り込むのを許している。これの影響は、大抵の場合、Like ボタンがメディア、ブログ、そしてその他のサイトに現れることになる。

その結果、Facebook は、単にあなたが Like ボタンを持っているサイトを訪問することであなたのブラウジング習慣についての情報を入手することになる。この Like ボタンをクリックすれば、あなたの Facebook プロファイルと共に保存されていた更に多くのデータを Facebook に送ることになる。 Facebook は、あなたがサードパーティ Like ボタンが現れるのを不能にすることを許さないので、Orbicule は自ら立ち上がりこの機能を Incognito で提供している。(あなたはまた、あなたの Facebook 認証情報を使って多くの Web サイトにログイン出来るが、これもまたあなたのブラウジング習慣についての情報を Facebook に与えることになる;Incognito はこの件には対応していない。)

最後に、Incognito は YouTube がサードパーティ Web ページに埋め込まれたムービーとして現れるのを不能にする事も出来る。これらの埋め込みビデオは、たとえあなたがそのビデオを見なくとも追跡情報を Google の YouTube 部門に送り返す。YouTube は広告と幾つかの追跡を不許可にする独自のページを掲載している。あなたはまた、Flash ブロッカーを使って特定のサイトで選択的に YouTube を許可する事も出来る。(TidBITS も YouTube ビデオを記事の中に埋め込んで使っているが、これは読者が YouTube Web サイトへとクリックして移る必要の無いようにしたものである。一旦そちらへ行ってしまえばもっとビデオを見るようにとあなたの注意を惹くよう意図されている。)

Safari 5 での機能拡張利用はデフォルトではオフにされている。 Safari >Preferences を選択しそして Extensions をクリックしスイッチを On に切替える。そして Orbicule のサイトから Incognito 機能拡張をダウンロード、インストール、そして設定を行う。

私は、広告ブロックと Web 追跡について、そして大手の Web サイトが今や常套的にそして合法に (少なくとも米国内では) 行っているプライバシーへのある種の侵害には引き続き複雑な思いを抱いている。個人は自分が見るものを絶対的に選択できる;我々は我々の眼を開いているよう強制されている "A Clockwork Orange" の中の Alex ではない。そして我々のオンラインでの一歩一歩は後世に残すため記録されるべきでもない;初期の意図に拘わらず、その種のデータには、追跡される側の人々の役に立たない様な形で使われる傾向がある。

一方で、私の生計の殆どは出版物のために書くことから得られていて、出版は広告収入に依存しそして基本的な事業判断は Web 分析によってなされている。私は私のブラウザの中でデフォルトとして Flash をブロックしているが (純粋に機能的な理由で)、広告はブロックしない - そして時には気になるものもあるしクリックすることもある。そして私は出版側が私が訪問しある特定の記事を読んだことを知ることを嫌だとは思わない、何故ならば、それは言ってみれば、出版物に対する、ある特定の記事に対する、そして私が使用している Web ブラウザに対してすらの信任投票とも言えるからである。私はこの様な投票することが問題だとは思わない。

更にもっと肝心なことを言えば、我々のプライバシーに入り込もうと一生懸命なのは真に大手のサイトであり広告主だけなのである。より小さな出版物は (TidBITS の様な) Web ログからプライバシー破りの情報を抽出できるだけ大量の訪問者もないしそれをやれるだけの人手も持ち合わせていない。同様に、より小さな広告主は一般的には特定の出版物を支えることで自らの広告を人手で方向付けしているもので、複数のサイトにまたがった行動を追跡することで何か利用できるものを得ようなどとはしないものである。

多くの人にとって、Incognito 機能拡張とオンラインプライバシー論争に関する問題の核心はオンライン広告を認めるかどうかではない。むしろ、それは、我々の個人データと習慣が如何に巨大な企業によって記録されそして使われるかに関して我々が持つ信頼感の欠如であり、そしてこの様な企業はプライバシー保護に十分な動機も、内部管理も持たず、プライバシーは人間の権利であることを認知する外的法制も欠如している様に見えることである。

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iTunes メディアサーバを探し求めて

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>, Michael E. Cohen <lymond@mac.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

そもそもの初めから、iTunes はパーソナル(個人用)の音楽プレイヤーであり、音楽オーガナイザであった。この、「パーソナル」という点が、ここでは重要だ。iTunes は、一人の人のメディアコレクションを処理することに合わせて、言ってみれば「調整 (tune)」されていた。

デフォルトで、iTunes はあなたのメディアを、あなたのアカウントのホームディレクトリの中、~/Music/iTunes に置く。Mac OS X にはあちこちの場所にたくさん Fonts フォルダがあるが、それとは違い、一台の Mac の大勢のユーザーたちが共通に使えるような Music フォルダは存在していない。iTunes アプリケーション自体は一台の Mac の(あるいは Windows 機の)上ですべてのユーザーが共に使うようになっているものの、個々のユーザーが、それぞれに自分のホームディレクトリの中にある Music フォルダの中に、自分の iTunes フォルダを持っている。そして、iTunes が動作する際にはその個々のインスタンスがたった一つの iTunes フォルダのみを見て、個々のユーザーのためにたった一つのメディアコレクションのみの内容を表示するようになっている。

けれども、夫婦や、仲間たち、兄弟、親子などで、音楽の趣味と生活の拠点とを共にしている場合には、この「一人の人に一つずつのメディアコレクション」という原則が具合の悪いことになる。その上、一人だけの人についても、例えばその人が自宅の仕事部屋と居間に一台ずつコンピュータを持っていて、両方の場所で同じ iTunes ライブラリにアクセスしたいと思うような場合、やはりこの原則は具合が悪い。そのような場合に私たちが望むのは、中心的な iTunes ライブラリが一つあって、家庭内ネットワーク上のすべての人たちが(または一台の Mac 上で別々のユーザーアカウントを使っている人たちが)それぞれに iTunes を走らせつつ、その中心的 iTunes ライブラリを共有できるような環境だ。でも、Apple が私たちに与えてくれたのはそういうものではない。

Apple による共有方法 -- 長年にわたり、さまざまのバージョンの iTunes の中で、Apple はメディア共有の問題を少しでも改善しようと試みてきた。けれども彼らの試みにはいつも大きな妨げが立ちはだかっていた。ことに、iTunes Music Store に楽曲を供給する音楽出版各社との契約の約定と、それら各社の影響力とが、大きな力としてのしかかった。(これらの会社は、正直に言えば、あなたが聴く一つ一つの楽曲に、あなたが聴くその一回一回ごとに、あなたが料金を支払ってくれればこれ以上の喜びはないと思っているのだから。)

けれどもその前に、ちょっとだけ脱線しておこう。Apple 以外のメディア共有方法もいくつか存在している。ただ、これは非常に込み入った話題なので、それだけで別の記事を一つ書くに値するくらいだ。TidBITS でその記事を書く時が来るまでの間は、わがスタッフの一員 Joe Kissell の書いた Macworld 記事 "Sync your iTunes libraries" を参照して頂きたい。

さて、本題に戻って、iTunes Media フォルダの共有の話を続けよう...

iTunes フォルダとその内容 -- iTunes は ~/Music/iTunes の中にある iTunes Library を「探す」ようになっている。頭文字が大文字の Library であって、カタカナの「ライブラリ」ではないことに注意して頂きたい。この iTunes Library は一つの ファイル であって ~/Music/iTunes のトップレベルに存在している。このファイルの中に、あなたの iTunes コレクションの中にあるすべての楽曲やその他のメディアに関する情報を集めたデータベースが含まれていて、プレイリストについての情報やその他維持管理のための情報も入っている。

これの他にもいくつかのデータベースファイルが ~/Music/iTunes の中にある。例えば iTunes Library Genius.itdb には iTunes の Genius 機能に関する情報が含まれている。iTunes は ~/Music/iTunes の中にあるこれらすべてのデータベースファイルを調べるが、もしもそこになければ新規にそれらのファイルを作成する。

けれども、あなたの実際の iTunes メディアコレクション(この記事でカタカナを使って「iTunes ライブラリ」と言っているもの)は、これらのファイルのいずれにも含まれていない。あなたのすべての楽曲、ビデオ、ポッドキャスト、電子ブック、iOS アプリ、その他のメディアは、少なくとも iTunes 9 によって初めて作成された iTunes コレクションについては、あなたの iTunes Media フォルダの中に入っている。このフォルダこそが、あなたが作る自家製 iTunes メディアサーバの基盤として使うべきものだ。

ちょっと待て! どの iTunes Media フォルダの話だ? -- きっと読者の皆さんの何人かは、ご自分の ~/Music/iTunes フォルダを開いてみてもそこには iTunes Media などという名前のフォルダはなかったとおっしゃるだろう。そういう方には、おそらく "iTunes Music" をはじめとするいくつかのフォルダが見えていることだろう。そういう方は、きっともう何年も前から iTunes をお使いのはずで、あなたの iTunes フォルダの内容は iTunes 9 より前のバージョンの iTunes が要求していた方法に従って配置されたものだ。この古い方法による iTunes フォルダの構造は、iTunes 9 やそれ以降によってもそのまま使用され続ける。だからこそ、そのような場合には iTunes Media フォルダが存在しないのだ。

それにもかかわらず、もしもあなたが iTunesメディアサーバを構築したいと思い、そのために iTunes Media フォルダを使いたいと思うのならば、あなたはまず、iTunes フォルダの内容を整理し直して、それを統合し、すべてのメディアが iTunes Media フォルダの中に整理されるよう適切に構成しておかなければならない。(これは厳密な意味で絶対に必要なものとは言えない。もしも、あなたの家族全員の iTunes がすべてこの同じ古いバージョンの iTunes フォルダ構成方法によってセットアップされているのならば、すべてを新しい iTunes Media フォルダの中に入れる手間をかけずそのまま古い iTunes フォルダ階層を使うことも可能だ。けれども、この記事では新しい iTunes Media フォルダ階層を使うことを前提に話を進めることにしよう。)次のセクションで、あなたの iTunes フォルダを適切に整理し直す方法を説明するとともに、重大かつ元には戻せないこの行動の結果どんなことが起こり得るかについてもいくつか指摘しておきたい。既に iTunes Media フォルダの中にすべてが適切に整理されているという方は、次のセクションを飛ばしても差し支えない。

iTunes Media フォルダを最適化する -- あなたの iTunes コレクションを整理し直すのは、再配置される対象の分量だけを考えれば膨大な作業となるかもしれないが、あなたがしなければならない作業は大したことではない。なぜなら、iTunes がすべての力仕事を引き受けてくれるからだ:

  1. ファイル >ライブラリ >ライブラリを整理... を選ぶ。

  2. 「ライブラリを整理」ダイアログで、「ファイルを統合」と「ファイルの整理方法を iTunes Media 方式にアップグレード」の両方がチェックされていることを確かめて、OK をクリックする。

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すると、iTunes はあなたの ~/Music/iTunes フォルダの中にあるすべてのメディアファイルを、それぞれ iTunes Media フォルダの中の適切な場所へと移動してくれる。また、あなたが Mac 上の別の場所にメディアファイルを置いてそれをあなたのライブラリに含めていた場合(そういうことができるとご存じでしたか?)は、それらのメディアファイルのコピーを作ってそれを iTunes Media フォルダの中の適切な場所に置いてくれる。たとえメディアコレクションの大きさが 100 GB を超えていたとしても、通常この移動の作業は数分で済むだろう。

このコマンドを走らせた結果として、いくつかのことが起こり得る:

iTunes Media フォルダの中で何がどこに置かれるかについて詳しくは、Apple のサポートノート“iTunes 9:iTunes Media 方式によるファイルの整理方法について”をご覧頂きたい。

共有メディアフォルダをセットアップ -- さて、あなたが独自に iTunes メディアサーバを作る際にキーポイントとなる事実はこれだ: iTunes は、どこに iTunes Media フォルダが保存されていようとも、それがどんな名前であろうとも、気にしないのだ。あなたが iTunes の環境設定で(念のために言っておくと、環境設定は ~/Library/Preferences/com.apple.itunes.plist に保存されている)iTunes があなたが置いた場所にあるメディアフォルダを探すよう指定しておきさえすれば、指定されたそのフォルダを iTunes が使う。データベースファイル、つまり、さきほど説明したようなプレイリストなどの情報を含んだファイルは、引き続き ~/Music/iTunes の中に留まるのであって、そのことはあなたの音楽その他のメディアファイルがどこにあろうと関係ない。だから、もしもあなたがその iTunes Media フォルダを共有ボリュームに置いたり、あるいはあなたのネットワーク上のファイルサーバに置いたりすれば、何人もの人たちがそれを利用することができ、それでいてその人たちはそれぞれ個々に自分用のプレイリストや、その他自分だけのやり方で iTunes ライブラリを表示させるためのあらゆる情報を保持し続けることができる。(単純に iTunes Media フォルダを Finder の中で手で移動したりコピーしたりもできるのだが、Apple は iTunes Media フォルダを移動するためのもっと込み入った方法も説明している。サポートノート“iTunes for Mac:「iTunes Media」フォルダを移動する”参照。)

以下の説明では、あなたが既に iTunes Media フォルダをあなたの家庭内ネットワーク上のファイルサーバにコピーして、そのフォルダのアクセス権をネットワーク上の他のユーザーたちがそのフォルダへの読み/書き双方をできるよう設定済みだ、ということを前提として話をする。一人のユーザー(おそらくあなた)がメインの人物となり、iTunes Media にメディアを追加する作業はその人が担当する。この記事では、Media Librarian (メディア司書) としてその人が指名されたと考えることにしよう。他のユーザーたちも読み/書きのアクセス権を持っているのでメディア追加の作業をしたとしても特に大きな問題となる訳ではないが、メディアサーバの利用と維持管理はやはり一人の人が作業を一手に引き受けた方が混乱が少なくて済むだろう。

あえて「家庭内ネットワーク上のファイルサーバ」という曖昧な言い方をし、アクセス権の設定方法についてもはっきり説明しなかったことにお気付きかもしれない。それは、残念ながら、意図的にそうしたのだ。私たちとしてはあなたがどのような設備をお持ちか知る由もないので、それがどんな機器なのか、あるいはどういう風に設定するべきか、正確に述べることができない。それは、古くなった Mac が使われずに残っていたのをファイルサーバとして活用するようにしたものかもしれない。それは AirPort Extreme ベースステーションに接続した外付け USB ドライブかもしれない。また、それは何らかの NAS (network-attached storage, ネットワーク接続ストレージ) 機器かもしれない。それらはすべて、うまく行く かもしれない (ただし保証はできない - 最後の“ひょっとしてうまく行かないことが起こる可能性は?”セクションを参照)が、サーバをインストールする詳しい手順や、アクセス権を適切に設定する方法などは機器によって異なる。

もしも、別の方法として、あなたの Mac から iTunes Media フォルダを共有させたい場合は、「情報を見る」ウィンドウを使ってそれを共有フォルダとして設定する必要がある:

  1. iTunes Media フォルダを、あなたのアカウントの Public (パブリック) フォルダの中へ移動する。(これは絶対に必要なことではないが、パブリックフォルダの中に入れておくことによって、あなたの Mac 上の他のアカウントからもアクセスできるようになるし、iTunes Media フォルダが公開されているという事実をあなたに思い出させる手掛かりともなる。

  2. そのフォルダを選択し、ファイル >情報を見る を選ぶ。

  3. 情報 ウィンドウの 一般情報 セクションで「共有フォルダ」をクリックする。

  4. 情報 ウィンドウの一番下で、錠前アイコンをクリックして認証し、それからすべての人に読み/書きのアクセス権を与える。これは、他のユーザーたちがポッドキャストやその他の購読をできるようにするために必要なことだ。(ただし、そうしたタイプのデータはまた別の厄介な問題を持ち込むことになる - これについてはあとで“ポッドキャストやその他の購読”のところで述べる。)

  5. 情報 ウィンドウの一番下にあるアクションメニュー(歯車アイコン)から、Apply To Enclosed Items を選び、それに対する確認ダイアログで OK をクリックする。これで、他のユーザーたちがあなたのパブリックフォルダにゲストとして接続し、フォルダとその内容を見ることができるようになる。

もしもあなたの Mac から iTunes Media フォルダを共有させているのならば、気を付けておくべきことが二つある。まず、その場合、あなたの Mac は常に電源が入って目覚めていなければならない。そうでなければネットワーク上の他のユーザーたちがそのフォルダにアクセスできない。あなたの Mac 今はファイルサーバなのだから。第二に、当然のことながら、さきほど述べた Media Librarian はあなただ。マスクとマントを着用するのもよかろう。

共有された iTunes Media へ他の人たちが接続できるようにする前に、済ませておくべき手順がもう一つある。メディアごとに、それを共有するユーザーたちの名前を「スタンプ」しておくのだ。なぜそんなことをしなければならないのか? それは、こうすることで後になって新たなメディアが見分けやすくなるからだ。共有させたいメディアのタイプすべて(つまり、音楽、映画、テレビ番組、EPUB ベースの電子ブックなど - この手順は PDF やアプリには使えない)に「スタンプ」するには、Command-A ですべてを選択し、Command-I を押して 複数項目の情報 ダイアログを開き、その コメント フィールドにそのフォルダを共有するすべての人の名前を、スペース文字で区切って入れておく。(例えば "Adam Tonya Tristan" といった具合だ。)

さて、この共有フォルダを使うには、それぞれのユーザーがそれぞれの Mac で、以下のような手順を済ませておく必要がある:

  1. Finder で、好きな Finder ウィンドウのサイドバーの 共有 の下で、iTunes Media フォルダのあるサーバを選ぶ。もしもそのサーバがサイドバーに見えていなければ、移動 >サーバへ接続を選ぶ。(あなたがあなたの パブリック フォルダからそのフォルダを共有させているのなら、あなた自身はこの「1.」は必要ない。)

  2. 適切なアカウントを使ってサーバに接続する。(あなたがあなたの パブリック フォルダからそのフォルダを共有させているのなら、他のユーザーたちはゲストとして接続できる。もちろんあなた自身は何にも接続する必要はない。)

  3. iTunes で、iTunes >環境設定を選び、詳細 をクリックする。

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  4. "iTunes Media" フォルダの場所 パネルの右側にある 変更 ボタンをクリックし、さきほどマウントしたばかりのサーバにナビゲートしてそのボリュームにある共有 iTunes Media フォルダを選ぶ。(あなた自身のフォルダを共有させている場合は、単純にあなたの Mac にあるそのフォルダにナビゲートすればよい。)

  5. 「"iTunes Media" フォルダを整理」と「ライブラリへの追加時にファイルを "iTunes Media" フォルダにコピーする」の両方がチェックされている状態にする。こうしておくことで、すべてが共有 iTunes Media フォルダの中に追加されることが保証される。

  6. Finder で、共有された iTunes Media フォルダを開き、その中にあるメディアフォルダのうちで購読ベースのコンテンツ(特にポッドキャストがこれに相当するが、テレビ番組もこれに当たる可能性がある)以外の ものをすべて選択して、それらを iTunes ウィンドウの中へドラッグして読み込む。理由は分からないが、Books フォルダの中にある PDF はこの方法では読み込まれない。それらの PDF については、ファイルとして選択した上で別途ドラッグしてやらなければならない。(あなた自身の iTunes Media を共有させている場合は、この「6.」は必要ない。その場合は、iTunes が既にすべてのファイルをあなたの iTunes Library の内容として認識しているからだ。)

注意すべきことは、今述べた手順はすべて、Media Librarian 以外のすべてのユーザーが、空っぽの iTunes ライブラリを持っていることを前提としていることだ。もしもそうでないならば(たいていの場合はそうでないだろうが)あなた、つまり Media Librarian が一人一人のユーザーと交渉して、それぞれのユーザーの個人的メディアコレクションを集めてそれを共有 iTunes Media フォルダの中へ追加しておかなければならない。複数のライブラリを一覧して統合する作業では、ホームシェアリングを利用するのが最も有効な方法だろう。

(ところで、最近のバージョンの iTunes では、iTunes を起動する際に Option キーを押していると、ダイアログが出て新規に空の iTunes Library を作成するか、あるいは既存のものから選択するかが選べる。この方法で、必要ならば二つの異なった iTunes ライブラリを行き来して切り替えて使える。)

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この時点で、どの人もそれぞれに、自分の iTunes ライブラリの中に共有メディアを持っている状態になった。万歳! でも、この方法で iTunes Media フォルダを共有すると、一つ大きな不都合が伴う。それは、誰かがあらたなメディアを追加した場合、例えば新しく買った CD をリッピングしたり、iTunes Store から何かを購入したりした場合、その度に毎回個々のユーザーがそれを iTunes にドラッグして手動で読み込みしなければならないことだ。ただし、ポッドキャストなど、あなたが購読しているものにではまた事情が異なる。この点については最後の“ひょっとしてうまく行かないことが起こる可能性は?”セクションにヒントを書いておいた。

共有 iTunes Media フォルダに新たなメディアが追加された場合、それを他の人たちに知らせて他の人たちもそれぞれのコンピュータ上でそれを iTunes にドラッグして読み込めるようにするかどうかは、すべて Media Librarian に任されている。残念ながら、これは口で言うほど簡単なことではない。ことに、前回追加した時以来多数のメディアが Media Librarian によって読み込まれていればなおさらだ。

では、新たに追加されたメディアをどうやって見分けるのか? 日付をチェックしてみることはできるが、それは必ずしもうまく行かない。変更日は変わることがあるし、作成日はそのファイルの出所によって本来の作成日を表わしているとは限らないからだ。良い方法が二つある。読者が提案してくれた手軽な方法は、どうやらうまく動くように見えるけれど、私たちはまだ十分にテストしていない。もう一つの方法は、若干手間のかかるものだ。

まず手軽な方法の方を説明しよう。Doug's AppleScripts for iTunes サイトから、AppleScript アプリケーション Music Folder Files Not Added をダウンロードする。これを起動し、Find ボタンをクリックすれば、iTunes Media フォルダの中に存在するけれども現在の iTunes Library にはないファイルがリストされる。初めてこれを走らせた際、ちょっと変なところが目につくかもしれない。特に、対応するファイルへのリンクを失ったトラック(そういうものはただ iTunes から削除して、このユーティリティに取り戻させればよい)や、重複した項目(これらは手で調整する必要がある)などで問題が起こるかもしれない。もしもこれが問題なく動けば、さきほど述べた「スタンプ」する手間や、すぐ次に述べる別の方法も、必要がなくなる。

もしも Music Folder Files Not Added ユーティリティを使いたくないのならば、あるいはこのユーティリティが何らかの理由でうまく動かないのならば、以下に述べる別の方法、ちょっと難しくて手間のかかる方法がある。(さきほどメディアに「スタンプ」する手順を説明したのはこの方法のために必要だからだ。)誰かがメディア(楽曲、映画、テレビ番組、EPUB 電子ブックなど - アプリにはこの方法は使えない)を共有 iTunes Media フォルダへ追加する度に、その人は次の手順を実行する必要がある:

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    新たに追加した項目をすべて選択し、Command-I を押して 複数項目の情報 ダイアログを開く。

  2. コメント フィールドに、そのメディアを追加した人の名前を書き込む。例えば、そこに Adam と書いてあれば、それは Adam の iTunes Library ファイル(ライブラリではなく、情報ファイルのことだ)がその追加されたメディアを「知っている」ことを示す。

  3. 他の Mac の一つ一つで、Finder で共有 iTunes Media フォルダを開き、その Finder ウィンドウの検索フィールドに "comment:" とタイプし、その後にそのメディアを追加した人の名前と、空白、その後にハイフンに続いてその別の Mac の持ち主の名前をタイプする。例えば "comment:Adam -Tonya" という具合だ。(もちろん、検索ツールバーで iTunes Media ボタンが選ばれていなければならない。ここで This Mac を検索すれば的外れな結果になる。)この検索の結果、共有 iTunes Media フォルダの中で、その一人の人に読み込まれたけれども、他の人のライブラリには追加されていない、そういう項目がすべてリストされる。この例では、Adam が読み込んだけれども Tonya はまだ読み込んでいない、そういう項目が見つかる。

  4. そうやって見つかった項目すべてを iTunes ウィンドウにドラッグして、その Mac の iTunes Library に追加する。

  5. iTunes ウィンドウを コメント カラムで並べ替えるか 追加日 カラムで並べ替えるかして、新たに追加した項目をすべて選択し、それから Command-I を押して 複数項目の情報 ダイアログを開く。

  6. コメント フィールドの中に、そのメディアを追加した人の名前を 含める ように変更する。(既存の名前を消してはいけない。)例えば、コメントの内容を "Adam Tonya" に変更すれば、それはこれらのファイルが Tonya の iTunes Library に追加されたことを意味している。

残念ながら、この方法によればそれぞれのファイルの Comments メタデータに "Adam Tonya" が含まれるようになるけれども、ユーザー Adam (つまり最初にこの楽曲を読み込んだ人) の iTunes Library は、Adam が何か楽曲を再生するか、他のメタデータを変更するかする時になるまで、この変更を表示しない。メディアファイルの内部に含まれたメタデータを強制的に iTunes に再読み込みさせる方法はないようだ。

ここで注意しておくべきは、同じメディアサーバの個々のユーザーがそれぞれに、共有メディアファイルのうちどれを自分が読み込むかを選ぶことができる点だ。つまり、あなたの娘が読み込んだ Justin Bieber の曲を自分の iTunes Library に入れたくないと思えば、あなたはただそれを無視すればよいのだ。また、この iTunes メディアと iTunes Library との違いがユーザー特定のメタデータ、例えばプレイリストや、レーティング、再生回数などに及ぼす意味も認識しておきたい。iTunes が追跡するのはその個々のユーザーの iTunes Library ファイルの中にある情報のみなので、全員で同じメディアを共有していても、個々のユーザーはそれそれ別々に自分独自のメタデータを持つことになる。一般的に言って、それは良いことだ。なぜなら、あなたは娘のプレイリストになど興味がないだろうし、娘が再生した回数があなたの iTunes Library に入り込んでくることは望まないだろうから。あなたのスマートプレイリストは再生回数に依存して作られるので、娘のデータが入ってくれば予期せぬ結果になるかもしれない。

けれども、あなたが自分自身の複数のマシンの間でコンテンツを共有している場合は、例えば地下の仕事部屋の Mac と、上の階のステレオシステムに音楽を供給している Mac mini があるような場合は、共通のプレイリストを持てなくて困ることもあるかもしれない。そういう状況ならば、iTunes フォルダを丸ごとサーバに移動させて、iTunes を Option-起動することによって必要に応じてそれを選ぶようにした方が良いかもしれない。この場合、それぞれの iTunes が正しい場所にある iTunes Media フォルダ自体を見るようにしておく必要がある。また、無視できない問題点としては、iTunes Library ファイルの取り合いが起こる(常にただ一つの iTunes のみしか同時にその iTunes Library ファイルで走ることができない)こと、iTunes Library ファイルが大きかった場合にパフォーマンスの問題が起こること、などの可能性がある。

ひょっとしてうまく行かないことが起こる可能性は? -- この疑問に対する解答は「いろいろある」だ。忘れてならないのは、過去十年にわたり Apple がカフェイン漬けのハチドリにも劣らないほどの猛烈な勢いでかけずり回って、ただただ iTunes とその複雑きわまるエコシステムが、あらゆる機器と Apple のサポートするあらゆるユーザー挙動とに互換であり続けるよう努めてきたことだ。自家製の iTunes メディアサーバというものを Apple は禁止している訳ではないが、特にサポートしている訳でもない。

あなたが iTunes メディアサーバを実際に作ろうとした際に障害になるかもしれない問題点を、ここにいくつか挙げておこう。これらの問題の結果として、結局あなたには記事前半の“Apple による共有方法”セクションで紹介した Apple のサポートする方法に戻るしかないということもあり得るだろう。

でも、ここで述べてきたような問題点がどれもそれほど困難な障害でないのならば、あなたも今すぐ共有 iTunes メディアサーバを使いこなすことができる。遠い未来の輝かしい日、Apple と、Apple がパートナー関係を結んだすべてのメディア会社が、真の意味で Apple のサポートする iTunes Media Server の開発にようやくゴーサインを出してくれる日を、待ち望む必要もない。それが実現するためにはどんなことが必要かの考察については、Kirk McElhearn が Macworld に書いた論説 "Opinion: Apple needs an iTunes Server version" をお読み頂きたい。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2010 年 10 月 18 日

  文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

MacGourmet 3.0.1 -- MacGourmet 3.0 が Advenio から、 MacGourmet Deluxe 3.0 が Mariner Software から、それぞれリリースされた。(両者は同じプログラムだが、後者には MacGourmet にオプションで付けられる $9.95 の Cookbook、Mealplan、Nutrition プラグインがバンドルされている。)MacGourmet 3.0 ではインターフェイスが完全に一新され、サマリー表示でレシピごとに調理済み、フラグ付き、星印付き、その他のマークを入れる際により自由なコントロールができるようになったほか、新しいテーマや、テーマの見栄えに関する柔軟性の向上なども盛り込まれた。 その他の変更点としては、レシピエディターで調理の過程の説明に画像を入れたり、一つのレシピを他のレシピの内容の一部に含めたりできるようになった。シェフ表示(実際の調理の際に使用するフルスクリーンモード)が音声と Apple Remote をサポートし、レシピを音声で読み上げることもできるようになった。レシピ読み込みアシスタントは MacGourmet の最もパワフルな機能の一つだが、これが今回からどんなウェブサイトからでも読み込みができるようになった。最後にもう一つ、レシピを拡大縮小しても元のレシピが変更されなくなった。バージョン 3.0.1 アップデートではいくつかの新しいテーマが加わり、AllRecipes.com からの読み込みでのクラッシュが修正され、その他多数のバグにも対処が施された。また、Advenio は MacGourmet touch という名前の iOS アプリも出しており、これはデスクトップ版の MacGourmet との間で同期する。(MacGourmet 3.0: 新規購入 $29、アップグレード $10、2010 年 7 月 1 日以降に購入した場合は無料アップデート、12.7 MB。MacGourmet Deluxe 3.0: 新規購入 $49.95、アップグレード $24.94、サイドグレード $34.95、26.5 MB。MacGourmet touch: 新規購入 $4.99)

MacGourmet 3.0.1 へのコメントリンク:

LaunchBar 5.0.3 -- 前回のアップデートから 11 ヵ月が過ぎて、LaunchBar がバージョン 5.0.3 に上がった。今回の新バージョンではさまざまの新機能や改善、バグ修正などがある。LaunchBar が Firefox のブックマークフォルダをサポートするようになり、iTunes との統合を改善し、Aperture の最近の項目のライブラリをブラウズする機能を新設し、Address Book 環境設定にさらなるオプションを追加した。LaunchBar 内蔵の電卓にも二点の改良が施された。具体的には、文字 "a" で最新の計算結果を参照することができるようになり、桁を丸める方法に新たなオプションが加わった。また、LaunchBar は今回から Bing、Bing Images、Linguee の検索テンプレートを装備した。フルのリリースノート(多数のマイナーな修正点もある)が Objective Development のウェブサイトで読める。(新規購入 $35、アップデート無料、2.22 MB)

LaunchBar 5.0.3 へのコメントリンク:

Postbox 2.0.1 -- Thunderbird ベースの電子メールクライアント Postboxがバージョン 2.0.1 になった。今回のアップデートでは Growl 通知が改善され、新規のメッセージの Subject 行も通知内容に含まれるようになった。また、1Password や、アップデートされたばかりの SpamSieve 2.8.4 のサポートも新機能として加わった。さまざまのマイナーな問題点、例えば送信する HTML メッセージのフォントサイズが正しくなかった問題、URL が正しく自動リンクされなかった問題などにも対処が施された。(MacUpdate にフルリリースノートがある。)(新規購入 $39.95、アップデート無料、12 MB)

Postbox 2.0.1 へのコメントリンク:

Microsoft Office 2008 12.2.7/Office 2004 11.6.1 -- Microsoft が、 Microsoft Office 2008 および Office 2004 へのセキュリティアップデートをリリースした。いずれのアップデートも、悪意を持って作られた Excel または Word ファイルを開くとアタッカーが遠隔でコードを実行できてしまう可能性のある脆弱性を修正している。Microsoft によれば 、Office 2008 アップデートでは Excel 2008 の安定性の改善と、Entourage 2008 での Kerberos 認証の問題点と Exchange 2007 メールボックスの項目が重複してしまうことのあった問題の解消も盛り込まれているという。Office 2008 アップデートは Mac OS X 10.4.9 Tiger かそれ以降を要し、Office 2004 アップデートは Mac OS X 10.2.8 Jaguar かそれ以降を要する。(無料アップデート、Office 2008 アップデータは 333 MB、Office 2004 アップデータは 16 MB)

Microsoft Office 2008 12.2.7/Office 2004 11.6.1 へのコメントリンク:

Logic Pro/Express 9.1.2 -- Apple が、同社のプロフェッショナル向け音楽ソフトウェア Logic Express Logic Pro をバージョン 9.1.2 にアップデートした。これらのアップデート版では 6 コアおよび 12 コア Mac Pro システムとの互換性を改善し、REX ファイルを 64-bit モードでサポートするようになった。また、このソフトウェアは今回から OSC プロトコルを利用する iOS コントロールサーフェスアプリをサポートし、一部の Audio Unit プラグインとの互換性を改善している。(無料アップデート、Pro は 193.01 MB、Express は 139.67 MB)

Logic Pro/Express 9.1.2 へのコメントリンク:

FotoMagico 3.6 -- Boinx Software が FotoMagico 3.6 をリリースした。同社のスライドショー生成ツールへの最新アップデートだ。今回の新バージョンで iMediaBrowser との統合が追加されたので、画像、ムービー、オーディオの各パネルが Boinx の言うところの「シャレた新しいルックス」を備えるようになった。また、FotoMagico の内部から Flickr 画像をブラウズしそこにアクセスできる機能も新たにサポートされた。それから、新設のオーディオ機能により、特定のスライドにオーディオをリンクさせることができるようになった。その他にも多数の改良やバグ修正が今回のアップデートには含まれている。(新規購入 $149、アップデート無料、57.9 MB)

FotoMagico 3.6 へのコメントリンク:

Dragon Dictate 2.0.1 -- Nuance Communications が Dragon Dictate 2.0.1 をリリースした。同社の口述筆記ソフトウェアへのマイナーなアップデートだ。今回のアップデートでは MouseGrid と複数モニタに関係したいくつかの問題点が修正され、環境設定をアップデートする際に起こったクラッシュを解消し、Dictate 1.5 プロファイルをアップグレードする際の問題点も修正している。また、Spelling モードでの特殊キーの適切な動作に関する一つの問題点の修正と、Snow Leopard の下でより正しく挙動するための Page Setup メニュー項目削除も、今回のリリースで施された。Nuance のウェブサイトには無料試用版のダウンロードリンクが見当たらなかったが、最新版を MacUpdate から入手することができる。このソフトウェアは Mac OS X 10.5.6 かそれ以降を要する。(新規購入 $199.99、アップデート無料、13.3 MB)

Dragon Dictate 2.0.1 へのコメントリンク:

SpamSieve 2.8.4 -- C-Command Software が SpamSieve をバージョン 2.8.4 に上げた。アップデートされたこのスパムフィルター用ツールは、Microsoft から出る予定の Outlook 2011 for Mac OS X と、新しい Thunderbird ベースの電子メールクライアント Postbox 2 とも統合するようになった。SpamSieve 2.8.4 ではまたフィルターの動作の正確性が向上し、Apple Mail でのトレーニングを改良し、ローカライズ版の改善もなされた。もしもあなたが Gmail 愛好家でないのならば、Mac 上であなたの受信箱からスパムをなくすための最良のツールが SpamSieve だという David Pogue と John Gruber の意見に私たちも同意したい。(新規購入 $30、アップデート無料、7.8 MB)

SpamSieve 2.8.4 へのコメントリンク:

MacBook/MacBook Pro SMC Firmware Update 1.4 -- Apple が、2007 年と 2008 年の MacBook および MacBook Pro ラップトップ機で充電に関する問題点に対処したファームウェアアップデートを二つリリースした。MacBook Pro SMC ファームウェア・アップデート 1.4MacBook SMC ファームウェア・アップデート 1.4 によって、これらの古いラップトップ機でも新しい 60 ワットや 85 ワットの MagSafe 電源アダプタを使って充電できるようになる。Apple によれば、このファームウェアアップデートのインストール中はコンピュータのファンが全速で回転するが、インストール完了後に通常の挙動に戻るという。アップデートをインストールするには、ラップトップ機の電源コードがコンセントに接続されているか、バッテリが 25 パーセント以上充電されている必要がある。これらのファームウェアアップデートのインストールには Mac OS X 10.5.8 か 10.6.4 を要するが、必要ならばそれらのオペレーティングシステムを含むディスクで起動しておいて、アップデートをインストールし、その後で古いバージョンの Mac OS X で再起動することもできる。(無料、880 KB)

MacBook/MacBook Pro SMC Firmware Update 1.4 へのコメントリンク:

PDFpen/PDFpenPro 5.0.2 -- Smile が PDFpenPDFpenPro のアップデートをリリースした。PDF 書類を作成・編集するための、同社のソフトウェアだ。今回のアップデートではいずれのアプリケーションとも、サイズの大きな書類での所要メモリ量が減り、AppleScript プロパティに "needs OCR" が追加され、Combine PDFs スクリプトを使用中に起こることのあったハングを解消し、クリップをした際に印刷で跡が残っていた問題を修正するなど、さまざまなマイナーな修正や改善も施された。これらのアップデートについての詳細な説明が Smile のプレスリリースで読める。(新規購入 $59.95/$99.95、アップデート無料、41 MB)

PDFpen/PDFpenPro 5.0.2 へのコメントリンク:

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