TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1057/03-Jan-2011

あけましておめでとうございます! 気分も新たに元気一杯で仕事に戻った私たちスタッフから、ブレーク目前のニュースをいくつかお届けしたい。まず Glenn Fleishman は、Apple が最近リリースした AirPort と Time Capsule ファームウェアアップデートで何が変更されたかを概観する。Glenn はまた、iOS 用 GadgetTrak が Find My iPhone に比べて優れている点についても説明する。さらにこちらも iOS 世界の話だが、Michael Cohen が iBooks 1.2 での主要な変更点について検討する。Mac の世界に戻って、Adam が Dropbox 1.0.10 の覆いの中を覗き込む(これは自動アップデートをせず、また重複した衝突ファイルを生む可能性がある)とともに、存続の危機に直面していたブックマーク同期サービス Xmarks がパスワード管理およびフォーム記入サービスの LastPass に買収されたことを報告する。最後にもう一つ、今週、TidBITS では大がかりなメーリングリストの移行を計画している! ここ数週間の注目すべきソフトウェアリリースを挙げれば、Mailsmith 2.3、VirtualBox 4.0、SpellCatcher X 10.3.7、GraphicConverter 7.0.3、iPhoto '11 9.1.1、Digital Camera Raw Compatibility Update 3.5、Opera 11、Raskin 1.2、Airfoil 4.0、Evernote 2.0、iTunes 10.1.1、LED Cinema Display Firmware Update 1.0、"Canon (2.4.1), FujiXerox (2.1), Lexmark (2.3.1) Printer Drivers"、Rumpus 7、Sound Studio 4.0.1、BBEdit 9.6.2、Disc Cover 3.0.1、Printopia 1.0.4、それに Microsoft Office for Mac 2011 14.0.2 Update だ。

記事:

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Apple、改訂版の AirPort Firmware と AirPort Utility をリリース

  文: Glenn Fleishman <glennimagetidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple が AirPort Extreme Base Station と Time Capsule 用のファームウェアにマイナーなアップデートをリリースした。今回の新バージョン 7.5.2 は 2007 年以後にリリースされた 802.11n 対応のベースステーション各機種のみで働く。このベースステーションアップデートでは AirPlay ストリーミングを改善し、外付けハードドライブまたはフラッシュドライブでの USB の問題点を修正し、NAT に関係したいくつかの問題を解決している。

今回最も重大な変更点は、802.11n ネットワーキングで使用する際に Wi-Fi Protected Access (WPA) に対応する TKIP 暗号化キータイプが 削除 されたことだ。正規に認証されたバージョンの 802.11n は、WPA ではなくよりセキュアな AES 暗号化キータイプのみで動作すべきものだ。

このアップデートは、AirPort Utility を起動させた後で利用可能になる。起動の際にファームウェアアップデートをインストールするように促すメッセージが出るかもしれないし、あるいは AirPort Utility > Check for Updates を選ぶこともできる。このファームウェアはいくつかのマイナーなセキュリティの問題も解消している。

Apple はまた AirMac ユーティリティ 5.5.2 もリリースした。この最新バージョンではクラッシュを一つ修正し、DHCP 設定での表示の問題に対処し、5 GHz のネットワークが 2.4 GHz ネットワークと異なる名前になっていた場合にネットワークパスワードがキーチェーンに保存されない問題を解決している。

このアップデートで、少し旧型の 802.11n ベースステーションにごく小さな変更がようやくもたらされた。具体的には、付属させたドライブへの遠隔アクセスや、Back to My Mac を用いて AirPort Utility 経由の遠隔設定をするために、複数個の MobileMe アカウントを追加することができるようになった。(AirPort Utility の中で、ベースステーションを選択し、Manual Setup をクリック、Advanced ボタンをクリック、そして MobileMe をクリックする。)

従来は、2007 年や 2008 年に作られたベースステーション、つまりデュアルバンド同時接続に対応した機種が 2009 年にリリースされた時点より古い機種に対しては、この機能を持たない古いファームウェアリリースしか使えなかった。Apple は私の質問に対する返事として 2007 年や 2008 年の機種にもこの機能を追加する予定だと答えたが、彼らがそう述べたのは 2009 年のことだった。これはごくマイナーな変更かもしれないが、すべての機種が同じリリースのファームウェアを走らせることができ、同じ修正を享受できるようになったのは素晴らしいことだ。

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Dropbox 1.0.10 で選択的同期を追加、パフォーマンスを改善

  文: Adam C. Engst <aceimagetidbits.com>
  訳: 柳下 知昭 <tyagishi@gmail.com>

アプリケーションがバックグラウンドで(Growl で変更を通知するようにしていない限り)静かに動作してDropbox フォルダの中身を共有指定先と同期していることを考えると自動でアップデートすることに意味のあるソフトウェアの中で、リストの上位に Dropbox が挙げられる。(我々は、Take Control のために Dropbox に非常に依存していて、著者と編集者は、Dropbox にあるファイルで作業しているため、だれもが、メールでの送受信や手作業でコピーすることなく、作業中の最新バージョンのファイルをいつも手にすることができる。)

自動アップデートは、以前のバージョン 0.7.110 の機能としてリストされているが、それは完全な動作をしなかったか、もしくは、Dropbox は最近リリースされたバージョンであり メジャーアップデートである 1.0.10 のアップデートを、プッシュサービスしていなかった。そのため、 アップデートを手動でダウンロードしてインストールしなければならない。現在使用しているバージョンを知るためには、メニューバーにある少し青い Dropbox アイコンにカーソルを重ねることで、黄色のツールチップがバージョンとアップデート状況を知らせてくれる。

あなたは、アップデートしたいと考えるだろう。 Dropbox 1.0.10 では、選択的同期が追加された。この機能で、どのフォルダをどのコンピュータにダウンロードするかを選択できるようになり、例えば、自宅と職場のファイルを分けることができるようになったり、MacBook Air の少ない SSD の容量を巨大フォルダで使ってしまうことを、抑えることができる。(高度設定ボタンで、最上位のフォルダだけでなく、サブフォルダを除外することもできる。)

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新しいリリースの重要点として、パフォーマンスの改善も挙げられる。Dropbox はクライアント側の同期エンジンのレスポンス時間とリソース消費を抑え - メモリ使用量は、以前の 50% まで低減された -、 数百万のファイルに対応するために、アーキテクチャから再設計された。Dropbox は、任意のフォルダを共有可能とするのではなく、共有フォルダは Dropbox フォルダ(それはDropbox Advanced preferences で指定することでディスク上のどこにでも置くことが可能である)の中に置いてあることが必要である。それはすこしだけ残念であるが、おそらく新しいリリースが実世界のテストでのパフォーマンスが検証された後にリリースされるだろう。

他の変更点としてリソースフォークの同期が含まれる。それは、ドキュメントのリソースフォークにデータを保存するようなアプリケーション(例えば、Quicken,QuarkXPress,OmniGraffle など)にとって重要である。Dropbox は、"Windows 上で不正となるファイル名、奇妙な Unicode の正規化, Word や Excel のファイルロック, 基準から外れたシンボリックリンク, Mac 上の大文字小文字を区別するファイルシステム, 暗号化仮想ディスクのサポート"などのような複雑で面倒な問題を修正するためにも数千時間を費やしてきた。もし、過去に Dropbox がうまく動かないようなきわどい問題に遭遇していたとしたら、もう一度試してみる価値はある。残りの変更点は、初期化セットアップウィザードがアップデートされたこと、Dropbox のメニューが再構成されたこと、Mac OS X のクライアントが純粋なCocoa アプリケーションになったことである。

不利な点としては、Dropbox 1.0.10 でリソースフォークをサポートしたために、1 回のコンフリクトであることを期待しているが、お互いに異なったリソースフォークを持つために異なったバージョンであると判断されてしまうというコンフリクトダンス が発生する。その結果として、共有している Dropbox フォルダ内に、ものすごい量のファイルが作成され、"何々's conflicted copy" というファイル名がつけられる。我々が説明できる範囲では、これらのファイルは、それぞれのオリジナルと同一であり、ファイル名として、"conflicted copy" で検索することで簡単に削除することができるが、我々が使用しているファイルフォーマットには、リソースフォークへの依存しているものはなかった。リフォースフォークに重要なデータが保存されているファイルには、さらに気をつける必要がある。

Dropbox 1.0.10 は、21.5 MB のダウンロードであり、Mac OS X 10.4 Tiger かそれ以降を必要とする。Dropbox は、2 GB の容量は無料のままであり、月額 $9.99 で 50 GB へ、月額 $19.99 で 100 GB へアップグレードできる。Dropbox のモバイルバージョンは、iPhone, iPad, Android, BlackBerry の他に、非常に多くの開発者達が、彼らのアプリケーションと Dropbox のサポートを統合している。

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iBooks 1.2、電子本の水準を引上げる

  文: Michael E. Cohen <lymondimagemac.com>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

休日シーズンと電子本ギフトによる購入がきっとあふれ出るのに乗っかろうと、Apple は最近その iPad, iPhone, そして iPod touch に対する 無料の iBooks アプリのバージョン 1.2 をリリースした。この最新バージョンには、本の表示の仕方と本のコレクションとメモをユーザーが管理する能力の改良が盛り込まれている。

レイアウトの強化 -- 本を読む時 iBooks の横位置2ページ同時表示のフォーマットが好きな我々のような人達や、読み易くするためフォントを大きくして読みたい人達は。新しい自動ハイフンの機能を歓迎するであろう。これによりちょっと長めの単語だと数語しか並ばず後は醜い空間ばかりの行も減らす事が出来る。両端揃えの様に、自動ハイフンも Settings アプリの中の設定で入り切り出来る。しかしながら、あなたの iOS 機器を iOS 4.2 に未だアップデートしていないと、iOS の新バージョンを必要とするこの機能を生かす事は出来ない。

App Store の中の iBooks ページにある "バージョン1.2 の新機能" のリストの中で、Apple は次の様に記している、"子供向けの絵本から美しいデザインのアートブックまで、イラスト満載のブックを iBookstore でダウンロードしてお楽しみいただけます。" これが何を意味しているのか私には定かでない、と言うのも iBooks 1.0 でユーザーに提示された最初の本である A.A. Milne の Winnie the Pooh ですら全色のイラストを使っていたからである。しかしながら、App Store ページ上にある二つのスクリーンショットにはイラストのページを背景にテキストが重畳して現れている本のページが示されている;これとは対比的に Milne の本のイラストはテキストとは別に載せられていて、テキストはその上と下に表示されている。

大々的には扱われていないが、iBooks で Take Control 電子本 (或いはその他のリンクが多用されている本) を読む人にはとりわけ嬉しい変更は、リンクを追った先でページの左下隅に現れる新しい "Back to page X" リンクである。これでリンクを追ってもそれまで読んでいた所に簡単に戻る事が出来る。

他の隠れた改善点に (EPUB の専門家 Liz Castro に感謝!)、出版者が EPUB にフォントを埋め込める能力 (実際には iBooks 1.1.2 に入っていたのだが iOS 4.2 下で初めて見える様になった)、そして EPUB ファイル内での改ページのサポートが含まれる。これで EPUB も PDF では簡単なことにほんの少し近づいたと言える。

管理強化 -- もし iBooks を使い始めてしばらくになると言うのであれば、集めた本はあなたの iBooks ライブラリの画面一枚や二枚では収まりきれないほどになっていて、それらを何らかの順番で並べ替えてみるのに苦労していませんか?iBooks 1.2 は、新しい Collections 機能で本棚の過負荷状態を改善する手助けをする。iPad では、iBooks の以前の幾つかのバージョンで Library の一番上に現れていた Books/PDF ボタンを Collections ボタンが置き換えている;iPhone や iPod touch では、現在表示されている本のコレクションの名前を冠したボタンが iPad の Collections ボタンと同じ役割をする。ボタンをタップすればあなたの持っている本のコレクションの全てを見る事が出来、そしてコレクションの名前をタップすれば Library の棚に表示される本を見る事が出来る。iBooks 1.2 でのデフォルトのコレクションは二つあって、驚くにはあたらないと思うが、Books と PDFs であるが、これらの名前はその内容とは関連しないものとなっ ている:もしやりたいなら、PDF をあなたの Books コレクションに入れること、或いはその反対も、が出来る。

Collections リストを使って新たなコレクションのカテゴリを作成したり、コレクションを削除したり、そしてコレクションが現れる順序を整理したりする事が出来る。もしコレクションを削除すると、そこにあった本もあなたの機器から削除するか、或いは元々属していたコレクションに戻すかのどちらかの選択が出来る。

コレクションを並べる順序は大事である、とりわけ沢山のコレクションを持っていたり、或いは Collections リストから選択するのではなくあなたの Library の本棚を左に右になでて見つけ出そうとするのであれば尚更である。一番よく使うコレクションをリストの一番上に、アーカイブした本は最後に置くようにするのが良いと思われる。

コレクション間で本を移動させるのは簡単である:Library ツールバーにある Edit ボタンをタップそして移動させたい本をタップする。タップした本にはチェックマークバッジが表示される。Library ツールバーにある Move をタップ別のコレクションに移動させる。Library で選択した本を削除するには赤い Delete ボタンをタップするだけである。

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iBooks 1.2 はまた隠れた Search 機能も提供している:Library の本棚上をさっとなで下げると、本の一番上の棚のすぐ上に隠れていた Search フィールドが見える。iTunes 検索の様に、タイプを始めると同時に Search フィールドの下の本棚の上に検索結果が現れ始める。検索出来るのは題名と著者名である;"フィクション" の様なカテゴリ名はダメである。(我々は、この様な基本機能を隠すことが iOS ユーザーインターフェースの前例とならないことを希望するものである、とりわけこの事が iBooks の検索機能を殆ど発見不能にしていることを思えば尚更である。)

Notes 上のメモ -- iBooks には前から本の中のどの選択したテキストに対してでもユーザーメモを付ける機能があった、しかし iBooks 1.2 でついにメモを作成した読者がそのメモを iBooks の外へ取り出すことが可能にした。方法はメール経由か印刷の形で、後者の場合は iOS 4.2 の AirPrint 機能を利用している。

メモをメール或いは印刷するには、本のどのページでも上部に現れる Table of Contents ボタンをタップ、それから Table of Contents で、新しい Share ボタンをタップする。このボタンはページの右上にあり本の中のメモを印刷するのかメールするのかの選択をする。注意すべきは、あなたが印刷或いはメールするメモにはそれを付けた選択したテキストは含まれないことである。これはコピー防止の付いていない本でもそうである。代わりに得るものは、メモが現れる章の名前、メモの内容、そして、メモの最後に付される本の名前、著者、そして出版者の一般的な引用である。

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結論 -- もし iOS 4.2 を持っていて iBooks を走らせる事が出来るのであれば、この最新版を入手すべきでない理由は思いつかない。この 15.2 MB のダウンロードは無償で、このバージョンでの改良で以前のバージョンにあった多くの問題点が解決されている。この新しい iBooks についてはもっと言いたい事はあるが、丁度今読んでいる面白い本の終りに近いところにいるので、失礼させて頂いて続きを読みたいと思う。

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LastPass が Xmarks を買収

  文: Adam C. Engst <aceimagetidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

9 月の末ごろに、人気あるブックマーク同期サービス Xmarks が、ブラウザ間でブックマークを動かし続けられるだけのビジネスモデルを構築できなかったという理由で 2011 年 1 月にサービスを終了する予定だと発表した。幸いなことに、ユーザーたちから巻き起こった抗議の声に押されて Xmarks サービスの終了は延期され、さらに今回、パスワード管理およびフォーム記入サービスの LastPass による保護の下に、Xmarks には本物の未来が見えてきたようだ。

私はかなり前から Xmarks を気に入っていたが、これを扱った記事を書く時間を見つけることはできなかった。簡単に言えば、これはオンラインサービスとウェブブラウザ機能拡張とを組み合わせたもので、Safari、Firefox、Chrome、それから Windows ユーザーのためには Internet Explorer、の間で全く同一のブックマークのセットが使えるようにする。Xmarks はさらに、開いたタブ(Firefox、Chrome、Internet Explorer のみ)や、パスワード(Firefox と Chrome のみ、ただしこの機能は LastPass を優先させるため今後は消滅するものと思われる)とブラウザ履歴(Firefox のみ)の同期も提供できる。

私にとって、これは非常に便利だ。私はいつも、Firefox、Safari、それに Chrome を走らせたままにしているからだ。その理由は、それぞれで異なったログイン状態を保てるから、サイトによっては特定のブラウザの方が他のブラウザよりもうまく動作することがあるから、個々のブラウザごとにそれぞれユニークな機能があるから、そして、私がしばしば複数のブラウザで何かをテストしなければならないことがあるからでもある。(その上、私は Camino を動かすこともかなり頻繁にある。ログインのテストの際に、誰か他の人物になりすます必要がある場合などだ。)

Xmarks の登場以前の私は、必要とするブックマークが別のブラウザにしかないために特定のブラウザで何かをするのがあまり簡単に行かないという状況によく悩まされた。けれどもその悩みはもはや過去のものとなった。私の Mac Pro 上にあるすべてのブラウザも、また私の MacBook の上にあるすべてのブラウザも、ことごとく完全に同一のブックマークのセットを備えていて、私がそこにどんな変更を加えても素早く他のすべてにその変更が反映されるからだ。だから、Xmarks が消滅しないことになったと聞いて私はとても嬉しい。

では、LastPassとは何なのか? こちらの方のサービスを私が知ったのはほんの数ヵ月前のことだが、それ以来私はずっとこれを使って来て満足している。こちらはオンラインのウェブパスワード管理サービスで、たいていのウェブブラウザに内蔵されているパスワード保存機能や、独立で動く 1Password ユーティリティなどと似た機能を提供するためにウェブブラウザ機能拡張を使っている。けれども、LastPass はパスワードをオンラインで保存(当然ながら、暗号化した形で)するので、複数のコンピュータ上の複数のブラウザでその情報が利用できる。言うまでもなく、自分のウェブパスワードがオンラインサービスによって管理されるのを許すことに抵抗がないことが条件だ。それは我慢できないという人たちもいるだろう。でも、現時点で LastPass が 1Password に比べて優っている最も主要な点は、ログイン用のフォームの中にユーザ名とパスワードを自動的に記入して、あなたが一切手を触れる必要なしにフォームを提出することもできるという機能だ。(1Password の場合は、ログイン用のフォームに記入させたり提出させたりするためにメニュー項目を選ぶかホットキーを押すかすることが必要だ。大して難しいことではないが、ログインの度に手間がかかることは否定できない。)

もしもあなたがログインを必要とするウェブアプリでたくさんの時間を費やしているのならば、LastPass を使うことでユーザ名やパスワードに煩わされる時間を大幅に節約することができるかもしれない。ログイン用以外のフォームに自動記入することもでき、これは Safari 以外のブラウザを使っている場合に役立つ。Safari は、私の知る限り今も最高のフォーム自動記入機能を備えたブラウザだ。

LastPass は無料だが、年額 $12 を払えば LastPass Premium が利用できる。その場合にはモバイルクライアント (例えば LastPass for iPhone) と、YubiKey 経由のマルチファクター認証、電子メールおよび電話による優先的なサービスが使えるようになるほか、広告が取り除かれる。

Xmarks は今回からそれと同様のビジネスモデルを使うようになる。Xmarks Premium の料金は年額 $12 で、LastPass Premium と組み合わせた料金は年額 $20 だ。Xmarks サイトを読む限りでは、開いたタブの同期は今後 Xmarks Premium 専用の機能となり、そこに加わるのは iOS および Android 用のアプリと、三ヵ月間分のブックマークのバックアップとリストア、それから優先的電子メールサポートのようだ。(この iOS アプリは単に素敵さを求めるためだけのものだ。Safari のブックマークを Xmarks で同期してから、それをもう一度 MobileMe へ、あるいは iTunes 経由で iOS 機器に送ることはいつでもできるのだから。)

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iOS 用 GadgetTrak が位置情報のバックグラウンド更新を追加

  文: Glenn Fleishman <glennimagetidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

コンピュータやモバイル機器に盗難対策ソフトウェアをインストールすべきかどうか考慮すべき最悪のタイミングがいつかご存じだろうか? それは、盗まれたすぐあとだ! では最良のタイミングは? それは、今すぐだ! iOS アプリの GadgetTrak は、$0.99 で購入でき、このレビューを読んでからすぐにでもインストールできるので、なかなか有力な候補となるだろう。iOS 4 のバックグラウンド位置情報更新機能を利用して、あなたはほとんど労力を要せずに機器の追跡ができる。(なくしたり、盗まれたり、ひょっとしたら子供が押し入れに隠れてこっそりと Angry Birds ゲームで遊んでいるかもしれない。)

盗難対策ソフトウェアの目的は単純だ。機器をなくした後で、その機器から何らかの形でアップデート情報を提供するためにある。その情報には、GPS 受信機または Wi-Fi 位置計算、あるいはその両方から得られた位置座標が含まれていることが望ましい。私たちは以前から何度もこれに関する記事を書いてきた。それは、そのためのソフトウェアが比較的安価なことが多く、なくしたハードウェアを買い直すことに比べれば安くつくからだ。(最近の記事としては、2010 年 8 月 4 日の記事“GadgetTrak 3、盗まれたラップトップを見つける”や、2010 年 4 月 19 日の記事“盗難回復ソフトウェア Undercover のアップデートであなたも詳細情報が分かる”がある。)

この GadgetTrak アプリの設定は簡単だ。まず、この会社で新規にアカウントを作成する。これで、ウェブサイト経由の追跡にアクセスできるようになる。既に GadgetTrak の Mac OS X 用ソフトウェアを使っている人は、その既存のアカウントを使うことができる。アプリを使ってパスコードを設定し、いったん有効化した後は無効化できないようにできる。App Drawer からアプリを終了させられるが、私の見たところこの方法ではバックグラウンド情報更新は止まらないようだ!(その代わりに、Settings > General > Location Services を選び、GadgetTrak のところまでスクロールして、スイッチを Off にセットすればバックグラウンド情報更新が止まる。)

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アプリの登録が済めば、追跡は現在無効となっているというメッセージが表示される。その後、アカウントのウェブサイトを訪れて、ログインし、その携帯電話を選択すれば追跡が有効化される。また、追跡レポートを保持したり、現在の位置を表示するだけの設定に切り替えてレポートを削除させることもできる。GadgetTrak は最近の結果履歴を地図上に表示できる。この会社は情報を直接警察に通知することはしない(他の会社ではするものもある)が、盗難品の捜索に協力はする。警察に通知する代わりに、この会社はあなたに直接情報を提供するのだ。

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位置情報追跡のために Location Services を常時使い続けるとバッテリを浪費してしまうのではないかと心配になるかもしれない。けれども GadgetTrak は GPS ナビゲーションプログラムではない。更新情報を送信するのは追跡がオンになっている間だけ、つまりあなたがその機能を最も必要としている間だけだ。私は何日にもわたってテストしてみたが、バッテリ消費に何も変わったところは感じられなかった。

あなたは携帯電話を再起動する度に毎回 GadgetTrak を起動しなければならない。iOS には起動時にアプリを自動起動する機能がないからだ。また、メモリ量を確保するために iOS がバックグラウンドのアプリを終了させることがあるため、知らないうちにアプリが終了していることもあり得る。ただ、実際に私がそれを経験した訳ではない。数日前に GadgetTrak を起動して以来、私は何十もの他のアプリを走らせているけれども、GadgetTrak は問題なく動き続けている。また、GadgetTrak が動作するためには、何らかのインターネット情報源に接続されている必要がある。賢い盗人ならば、iPhone や 3G iPad のような 3G 機器ならば電源を落とし、Apple モバイル機器は Wi-Fi に接続しないで、ワイプされないようにするだけの知恵があるだろう。それでも、けちくさい盗人たちは必ずしも先見の明や計画遂行力に優れているとは限らない。

もちろん、iOS 用の盗難対策アプリは GadgetTrak だけではない。Apple の Find My iPhone (iPhone を探す) は iPad や iPod touch でも動作し、バックグラウンドの位置情報更新を MobileMe の Find My iPhone サービスに対して提供する。こちらは手動で起動する手間も要らない。Find My iPhone アプリとウェブサイトがあって、あなたのアカウントに登録してあればいくつでも好きな数の iOS 機器を追跡できる。

以前、Find My iPhone 機能を利用するには有料の MobileMe サービスを購読してそれを有効にしていることが必要であった。けれども 11 月に、Apple は Find My iPhone を iPad、iPhone 4、あるいは第4世代の iPod touch の上で iOS 4.2 を走らせている人ならば誰でも無料で利用できるようにした。また、そのアカウントを使ってそれらの機器も、また旧型の機器も利用できるようになった。MobileMe の代わりに、Apple ID アカウントを使うように変更したからだ。(2010 年 11 月 22 日の記事“Find My iPhone が、最新の iOS 機器の所有者には無料となる”参照。)

けれども、Find My iPhone はその機器の現在の位置に関する情報しか提供せず、位置追跡の履歴情報は提供しない。また、このサービスは常時オンになっている。もっともバッテリ電力の消費は非常に少ない。これは、サードパーティのアプリ開発社ならば特定のプログラミングインターフェイスを利用しなければならないのに対して、Apple が位置情報更新の管理に対してより大きなコントロールを持っているからだ。さらに、Find My iPhone ではすべての機器上で同じアカウントを使うことが必須となる。これに対して GadgetTrak は追加の費用を払うことなくいろいろな iOS 機器に共通の iTunes アカウントを使ってインストールできるけれども、ユーザーがそう望めばそれらの機器をそれぞれ別々の GadgetTrak ウェブアカウントに登録することも可能だ。

GadgetTrak には今後さらに多くの強力な競合相手が登場してくるだろう。例えば、Orbicule は同社の Undercover アプリをまだバックグラウンドで位置情報を更新できるようにアップデートしていない。それでも GadgetTrak には Find My iPhone にない独自のはっきりとした利点がある。特に、MobileMe を購読していない人や、最新の素敵な iOS 機器を持っていない人には利点が大きいだろう。さあ、何をぐずぐずしているんだい? 今すぐ手に入れようよ!

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TidBITS メーリングリストに大幅な変更を計画中

  文: Adam C. Engst <aceimagetidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今から七年前の記事“Web Crossing 開始”(2004 年 1 月 5 日) で、私はここ TidBITS のすべてのインターネットサービスを Web Crossing サーバソフトウェアへ切り替える作業について書いた。その切り替えに伴い、サーバマシンも当時の最先端機種であったデュアル G4 の Xserve に移した。それ以来、この Xserve も、Web Crossing ソフトウェアも、毎週毎週忠実に TidBITS の各号を配布し続けてくれた。けれどもハードウェアは年を取り、ほぼ 4 GB にもなる私たちの Web Crossing データベースにも綻びたデータビットが目立つようになってきた。そろそろ、もう一度メジャーな移行をする時期が来たということだろう。

どうひいき目に見ても、メーリングリストのソフトウェアというものは以前私が調べた時以来あまり進化していない。例えばオープンソースの Mailman のようなものは今世紀に入った頃そのままのインターフェイスをまだ提示し続けているし、また ListSTAR や LetterRip Pro のような Mac ベースのパッケージはもはや影が薄くなりつつある。料金を取って私たちの配布の仕事を喜んで引き受けてくれる大会社はいろいろあるが、購読者数 30,000 人以上ともなれば継続コストが法外なものとなってしまう。無料の手段、例えば Yahoo Groups のようなものは、私たちが必要とする種類の機能やコントロール方法を全く提供してくれない。(Mailman は一見すると十年も古いもののように見えるかもしれないが、それでもまだ高度に機能的なので、現在私たちはこれを討論リストのTidBITS Talkといくつか小規模な内輪のリストのために既に使っており、近日中にはオランダ語版と日本語版の TidBITS の配送リストにも使い始めることにしている。)

そこでもう一度、私たちは腕まくりをして、自分たち独自のデータベース駆動によるメーリングリスト管理ソフトウェアをデザインすることにした。熟練の腕を持つ Glenn Fleishman によって見事に perl で実装され、私たちの新しいメーリングリストソフトウェアは既にここ数ヵ月間、Take Control 関係の電子メールを配送するために舞台裏で働き続けてきた。そして、最近になって Glenn が施した機能の拡張や強化のお陰で、この TidBITS Publishing System はただ単に私たちのウェブサイトや毎週の号の生成にとどまらず、毎週の号の配送まで扱えるようになった。今日でさえも、欲しい機能を手に入れるためにはカスタムのソフトウェアを書くことが未だに要求されるというのは驚くべきことではないか?

さて、読者の皆さんにとっては、私たちが切り替えを実行しても皆さんの目に見える変更は非常に少ないはずだ。ちなみに、テストがうまく行き次第、切り替えはできるだけ早く、今週か来週の内にも実行するつもりだ。電子メールで皆さんの手元に届く TidBITS の号では、電子メールのヘッダが以前とは少々違ったものになる。メッセージ発信元のマシンが、emperor.tidbits.com の代わりに sparky.tidbits.com という名前になる。柔軟性のないスパムフィルタがこのマシン名の変更をとがめて TidBITS をスパムと判定するような事態もあり得るかもしれないが、そのようなことが起こらないことを願っているし、もしも心配に思われるならばあらかじめ sparky.tidbits.com をホワイトリストに入れておかれるのがよいかもしれない。

でも、実質的に変わるものもある。そしてこれは今後起こる予定のアカウント関係の多数の変更の最初のものに過ぎないのだが、あなたが購読を開始したり、購読を中止したり、パスワードを変更したり、その他あなたが購読登録を管理するための方法が、大きく変わる。そのためのインターフェイスはシンプルなもので、今週私たちはそれをもっとシンプルなものに仕上げるために作業を続けるつもりだ。覚えておくべき秘訣が一つある。もしもあなたが Take Control アカウントを既にお持ちならば(これまでの Take Control 電子ブックを一つでも購入したことのある方はお持ちのはずだ)あなたの TidBITS アカウントは単にその同じデータの別の顔に過ぎない。つまり、あなたの Take Control アカウントのパスワードを使ってあなたの TidBITS アカウントにもログインできる。もしもあなたが片方のアカウントでパスワードを変更すれば、自動的にもう片方のアカウントもそのパスワードに変わる。それから、もしもあなたが別々の電子メールアドレスを使うなどの理由で TidBITS と Take Control それぞれに別々のアカウントをお持ちなら、あなたの Take Control アカウントにログインして両方を一つのアカウントに統合することもできる。(もちろん、そのまま別々のアカウントを使い続けることもできるが、その場合は別々に管理し続ける必要がある。)

もしもすべてがうまく行けば、あなたが受け取る次回のメッセージは新しいシステムから届くもののはずだ。現在 Take Control のアカウントデータベースにない電子メールアドレスで購読しておられる方には、新規の TidBITS アカウントを作成した上で、一時的パスワードをお知らせするメッセージが届く。既に Take Control のアカウントをお持ちの方には、Take Control パスワードが TidBITS アカウントにも使えるというお知らせのメッセージが届く。今回の移行がうまく行くよう、幸運を祈りたい。

[訳者注: この日本語版 TidBITS の今週号は、本家の英語版に先行して今週から新しいメーリングリストサーバに移行しました。ですから、購読者の皆さんは既に「"TidBITS-jp" メーリングリスト へようこそ」というメールを受け取っていらっしゃるはずです。以前から TidBITS 日本語版を購読している方は、特に何もする必要はありません。何もなさらなくても、TidBITS 日本語版は(以前とは異なるサーバからですが)そのまま今後も届くはずです。将来、退会したり、メールアドレスを変更したり、その他メーリングリストの設定を変更したりされる場合には、その手続きが新しいものに変わります。なお、今後届くメールには
To: TidBITS Japanese Distribution <[email protected]>
List-Id: TidBITS Japanese <TidBITS-jp.tidbits.com>
というメールヘッダが付きますので、電子メールフィルタをお使いの方はこれに合わせて調整してくださればと思います。]

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2011 年 1 月 3 日

  文: TidBITS Staff <editorsimagetidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Mailsmith 2.3 -- Stickshift Software が Mailsmith のアップデートをリリースした。もともと Bare Bones Software によって作られた、無料の電子メールクライアントの選択肢だ。新バージョン Mailsmith 2.3 は、Mac OS X 10.5 Leopard かそれ以降のみで動作する初めてのバージョンだ。このアップデートでメニュー項目 Rebuild Mailboxes と Reconstruct Mailboxes が新たに追加されたが、開発者によればこれらのメニュー項目は極めて慎重に使うべきものであり「誰か Mailsmith のソースコードにアクセスできる人の助言を得て」使うのがよいとのことだ。このバージョンでのその他の新機能としては、添付ファイルを開く際に Mac OS X から出る警告をオフにする上級オプション(Terminal コマンドによってのみアクセス可能)や、Time Machine を使わない人たちにとって起動時間が短くなるオプションなどがある。詳細なリリースノート(上記のような Terminal コマンドの使用法説明もある)は Mailsmith ウェブサイトで読める。注意点が一つ: 既存の Mailsmith ユーザーは、バージョン 2.3 にアップグレードする前に、あらかじめ Mailsmith 2.1.5 にアップデートしておく必要がある。(無料、24.9 MB)

Mailsmith 2.3 へのコメントリンク:

VirtualBox 4.0 -- 仮想化ソフトウェアVirtualBox がバージョン 4.0 にアップデートされた。今回のメジャーリリースでは、このソフトウェアが基本パッケージと数多くの Extension Pack とに切り分けて再構成された。インターフェイスが大幅に開発し直され、新たな仮想化ハードウェアも導入された。詳細なリリースノートは VirtualBox ウェブサイトにある。(無料、79.2 MB)

VirtualBox 4.0 へのコメントリンク:

SpellCatcher X 10.3.7 -- 綴りをよく打ち間違える人々よ、完結せよ! Rainmaker が、SpellCatcher X 10.3.7 をリリースした。このマイナーなアップデートではいくつかマイナーな新機能を追加するとともに、マイナーな修正もいくつか施されている。今回から Quick Look 生成ツールが含まれて、これによりさまざまの SpellCatcher 書類のプレビューを作ることができる。また、スペルチェックの際にソフトハイフン文字の処理が向上し、Google Chrome との相性も改善された。さらに、クラッシュの可能性一件と、TypeIt4Me や TextExpander から読み込んだショートカットに関係する問題点一件が修正された。(新規購入 $39.95、無料アップデート、21.4 MB)[訳者注:「完結せよ」は「団結せよ」の打ち間違いです。]

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GraphicConverter 7.0.3 -- Lemkesoft は 2011 年を迎えるにあたりゆっくり時間を取ることをしなかった。その代わりに、GraphicConverter 7.0.3 のリリースに向けて働き続けていた。人気の画像処理ソフトウェアの最新バージョンだ。今回のアップデートではブラウザ上のファイルのフルスクリーンでのプレビューや、選択ハンドルの処理やクリップボードの種類の選択に関する新たな環境設定項目などが追加された。Find サブメニューが最適化され、Zoom to 100% に新たなキーボードショートカット (Command-#) が導入され、スライドショーでの時間間隔に新たなオプションが加わった。フルのリリースノートは Lemkesoft のサイトにある。(新規購入 $39.95、無料アップデート、100 MB)

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iPhoto '11 9.1.1 -- Apple はホリデー写真の共有をもっと簡単にできるようにしたかったと見え、最近iPhoto 9.1.1.1 をリリースしていくつか具体的な修正や改善を施した。最も注目すべきは、写真を電子メールで送信する際に(iPhoto '11 に内蔵の電子メール機能に依存せず)特定の外部メールアプリケーションを開く環境設定が追加されたことと、新しい電子メールテーマが二つ追加されたことだ。また、iPhoto 内部でメールに添付する写真のサイズを「小」「中」「大」から選べるようになった。以前のバージョンの iPhoto からアップグレードする際の信頼性も向上し、イベントの並べ替え順序が保たれるようになった。その他、対処の施されたバグとしては MobileMe に写真が重複して追加される問題、写真をレートで並べ替える際の問題、フォトカレンダーを編集している際にテキストフォーマットのコントロールにアクセスできなくなる問題などがある。(iLife '11 としての新規購入は $49、無料アップデート、62.09 MB)

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Digital Camera Raw Compatibility Update 3.5 -- Apple の最新のデジタルカメラ RAW 互換性アップデート 3.5では、Aperture 3 と iPhoto '11 に新たに七つのカメラに対するサポートを盛り込んだ拡張がなされる。新たにサポート対象となったカメラは、Canon PowerShot G12、Leica D-Lux 5、Leica V-Lux 2、Nikon D7000、Nikon COOLPIX P7000、Panasonic Lumix DMC-GF2、それに Panasonic Lumix DMC-GH2 だ。このアップデートはソフトウェア・アップデートから、または Apple Support Downloads ページからも入手できる。Apple はサポート対象となるカメラのフルリストも公開している。(無料、6.3 MB)

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Opera 11 -- もし Safari も Chrome も Firefox も、あなたの好みに合うウェブブラウザでなかったなら、いつでも Opera 11 がそこにある。その他のその他の、また その他 のブラウザの、最新バージョンだ。アドレスフィールドが改造されたのは「長いウェブアドレスの複雑さを隠す」ことを狙ってのものだ。新設の自動アップデート機能によりあなたの機能拡張や Opera Unite アプリケーションが常に最新に保たれる。Personal バーは無くなり、その代わりに Opera Bookmarks バーが新設された。今回から Opera がサポートするようになった機能拡張は、Safari のものと同じく HTML5、CSS、JavaScript に基づいている。プラグイン (Flash など) があなたがクリックした時にのみロードされるようになり、Presto レンダリングエンジンがアップデートされ、Mail パネルに多数の改善が施され、その他にも多数の変更点がこのリリースに盛り込まれている。(無料、13.2 MB)

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Raskin 1.2 -- Finder の代替となる Raskin が、バージョン 1.2 に改訂された。インターフェイスの導師であり Macintosh の開拓者でもあった今は亡き Jef Raskin の名を冠したこのズーミング・インターフェイスに、今回は新たな見栄えと、Bird's-Eye (鳥瞰) Application Windows、自動スクロール、ファイルやフォルダを隠せる機能などが装備された。その他、このバージョンではドラッグ&ドロップ機能の拡張のほか、40 件以上の調整や修正が盛り込まれている。(新規購入 $49、2011 年 1 月 15 日までに限り 2 ライセンスが $55、無料アップデート、2.8 MB)

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Airfoil 4.0 -- Rogue Amoeba にいる心優しい単細胞の人たちが、Airfoil for Mac 4.0 をリリースした。Mac から他の機器(他のコンピュータ、iOS 機器、Apple TV など)へとワイヤレスにオーディオを送信できる同社のソフトウェアの、大きなアップデートだ。インターフェイスが改訂されたことに加え、この新バージョンの Airfoil にはさまざまな新機能が詰め込まれた。Airfoil Speakers が Airfoil へ戻す接続を開始できるようになったので、遠隔にいながらにしてオーディオの受信が開始できる。また、Airfoil Video Player に新設されたウェブモードを使えば、インターネットビデオを観ながらそれに同期させて遠隔でオーディオを再生することもできる。(新規購入 $25、アップグレード $10、11.1 MB)[訳者注: Amoeba (アメーバ) は単細胞生物です。]

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Evernote 2.0 -- 記憶補助のためのサービス Evernote で使うソフトウェアの Mac 版が、バージョン 2.0 となった。新機能としてはデスクトップソフトウェアから直接、Evernote ウェブサイトを訪れる必要なしにノートブックを共有できる機能がある。また、複数のノートブックを読んだり組み合わせたりする新しい方法 (Stacks と呼ぶ) も今回のバージョンで装備された。さらに、左側のパネルのデザインが改められて多数のノートブックや検索条件を保存している人にも使いやすくなり、ファイル添付が手軽になり、最大 250 個までのノートブックがサポートされ、新しい Getting Started Guide が付属した。(無料、19.3 MB)

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iTunes 10.1.1 -- Apple が、デスクトップメディアおよび iOS 同期のための万能ツールとなる同社のソフトウェアに、マイナーアップデートをリリースした。iTunes 10.1.1 だ。修正されたバグとしては、特定の Mac でミュージックビデオが正しく再生できない問題や、プレイリストを削除した際に iTunes が予期せず終了することがある問題などがある。また同期に関する修正もあり、PowerPC プロセッサを搭載した Mac での同期の問題や、ミュージックビデオが iOS 機器に同期できない問題に修正が施された。(無料、90.5 MB)

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LED Cinema Display Firmware Update 1.0 -- Apple は自社製のディスプレイにはしっかりと注意を払っているらしく、今回は LED Cinema Display ファームウェア・アップデート 1.0をリリースして、同社の 27 インチ LED Cinema Display におけるオーディオの問題に修正を施した。このアップデートは、Mac からのサウンドを Cinema Display を通している場合にオーディオが聴こえなくなることがあり再接続するか Mac を再起動するかするまで直らないという特定の問題を修正するものだ。インストーラがファームウェア・アップデートをあなたの Utilities フォルダにインストールし、自動的にそのアップデータを起動する。(無料、957 KB)

iTunes 10.1.1 へのコメントリンク:

Canon (2.4.1), FujiXerox (2.1), Lexmark (2.3.1) Printer Drivers -- Apple が Mac OS X 10.6 Snow Leopard 用のプリンタドライバへのアップデートを三つリリースした。これらのアップデートは Lexmark 製 (バージョン 2.3.1)FujiXerox 製 (バージョン 2.1)Canon 製 (バージョン 2.4.1) プリンタ用の最新のドライバを提供する。アップデートのインストールに関する詳細、またサポート対象となるプリンタの一覧は Apple のウェブサイトで読める。(無料アップデート)

Canon (2.4.1), FujiXerox (2.1), Lexmark (2.3.1) Printer Drivers へのコメントリンク:

Rumpus 7 -- 新たな一騒動が持ち上がった! Maxum Development が、ハイパフォーマンスの FTP およびウェブファイル転送サーバを独自に運営できる同社のソフトウェア Rumpus のバージョン 7 をリリースした。今回の新バージョンでは特定のイベントが起こった際に自動的に管理者メッセージを出せるようになり、Folder Trigger の作成によってファイルが到着したり変更されたりした際に特定のユーザーが通知を受けられるようになった。その他の重要な改善点としては、新たに SSL のサポートを内蔵したこと、Web File Manager を改訂したことが挙げられる。また、Drop Shipments とコントロールアプリケーションに数多くの改善や単純化が施された。Enhanced Open Directory 統合にも、より細かなアクセス権コントロール機能が加わった。(新規購入 $269、バージョン 6 からは無料アップデート、それ以前のバージョンからのアップグレード料金各種、10.8 MB)[訳者注: Rumpus とは「一騒ぎ、激論」という意味の単語です。]

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Sound Studio 4.0.1 -- Felt Tip が、Sound Studio 4.0.1 をリリースした。同社のオーディオ録音・編集ソフトウェアのメジャーなアップデートだ。今回からこのアプリが 64-bit でネイティブに動作するようになった。ただし、引き続き 32-bit モードでも動作することができるし、特定のプラグインを使用するためには 32-bit モードが必須となる。デザインし直されたインターフェイスは、たった一つのウィンドウのみから成る。その他の新機能としては出力レベルメーター、サイドバーの中のマーカー、再生や録音移送の簡略化、改良された AudioUnit ホスティング、多数のバグ修正もある。Sound Studio 4 は Intel ベースの Mac と Mac OS X 10.5 Leopard かそれ以降を要する。(新規購入 $79.99、アップグレード $30、8.6 MB)

Sound Studio 4.0.1 へのコメントリンク:

BBEdit 9.6.2 -- Bare Bones Software が、同社のパワフルなテキストエディタ BBEditのバージョン 9.6.2 をリリースした。いつもと同様、今回のリリースにも 極めて詳細にわたるリリースノートが添えられている。主要な点を挙げれば、JSON に対するシンタックスカラーリングと関数ナビゲーションの新設、HTML5 書類を作成する際の XHTML マークアップ自動生成などがある。また、バグ修正も数十件あって、CVS や Subversion に関係したいくつかのエラーの修正、非常に大きな書類で Replace All を走らせる際のパフォーマンス改善、CSS の緑色の RGB 値修正、UTF-16 のデータを返すサービスで誤ってデータが途中で切れてしまう問題の修正などがある。(新規購入 $125、ただし 2011 年 1 月 6 日までに限り $99 でセール中、無料アップデート、15.9 MB)

BBEdit 9.6.2 へのコメントリンク:

Disc Cover 3.0.1 -- もしも、あなたのカバーアルバムにアルバムカバーを付けたいと思っているのなら、これが注目だ。BeLight が、 Disc Cover 3 をリリースした。Mac 上で CD や DVD のカバーを作るための同社のソフトウェアの最新バージョンだ。バージョン 3 には 140 の新しいテンプレートキットと、30 の新しいコラージュテンプレート、20 の新しい LightScribe テンプレート、それに 15,000 以上の新しいクリップアート画像 (Retail Edition のみ) が含まれている。また、七種類の業界標準バーコードがサポートされ、いくつかの素敵なインターフェイス改善、例えばビデオチュートリアル、マルチタッチのジェスチャー、Quick Look のパフォーマンス改良なども盛り込まれた。

バージョン 3 ではまた、両面印刷のプリンタや複数ページのブックレットの印刷もサポートされ、iDVD 読み込みも改良された。さらに、さまざまの新しいテキストやレイアウトのオプションも加わったので、以前よりもさらに素敵なカバーが作れるだろう。

さらにその後リリースされたバージョン 3.0.1 では、さまざまの非常にマイナーなバグが修正された。例えば、Revert to Saved コマンドを使った後の挙動が不正になるバグや、Inspector ウィンドウが消えてしまうことのある問題が解決した。(新規購入は Standard 版が $34.95、Retail 版が $44.95、バージョン 2 を 2010 年 8 月 1 日以降に購入した人はアップグレード $19.95、60.2 MB)

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Printopia 1.0.4 -- 印刷 (プリント) 業界の王子様 (プリンス) たる Ecamm が、同社の巧妙な Mac 用ユーティリティ Printopia のバージョン 1.0.4 をリリースした。どのようなプリンタでも iOS の AirPrint で使えるようにするソフトウェアだ。あなたの Mac がそのプリンタに印刷できるなら、Printopia を使えばあなたの iPhone や iPad からもそこに印刷できるようになる。今回のバージョンでは好みのペーパーサイズを選択できる機能のサポートを追加し、いくつかのプリンタとの互換性の問題を修正し、いくつかの Canon プリンタでの両面印刷に対応した。印刷中にエラーが起こった場合には Mac のプリントキューウィンドウが開くようになり、Mac OS X のファイヤウォールとの相性も改善された。また、Printopia が自動スリープを妨げることのあった問題も今回のアップデートで修正されている。(新規購入 $9.95、無料アップデート、1.3 MB)

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Microsoft Office for Mac 2011 14.0.2 Update -- Microsoft が、安定性の強化を施した Office for Mac 2011 14.0.2 更新プログラム をリリースした。このアップデートではサードパーティ製ソフトウェアを使用して Office for Mac 書類を開く際の信頼性が改善された。また、Office アップデートをインストールする際に Office for Mac Updater から Microsoft AutoUpdate を閉じるようにというメッセージが繰り返し出るという笑ってしまうような(非常に苛立たしい)問題にも対処が施された。(この問題が起こるとアップデート作業自体も止まってしまうことがあった。やれやれ。)さらに、カテゴリー名が空白の .pst ファイルを読み込んだ際に Outlook 2011 がクラッシュすることのあった問題に対する修正も含まれている。このアップデートはすべてのバージョンの Office for Mac 2011 に適用できる。(無料アップデート、110.5 MB)

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ExtraBITS、2011 年 1 月 3 日

  文: TidBITS Staff <editorsimagetidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私たちはホリデー期間中おおむねオフラインで休暇を楽しんでいたが、私たちが砂糖菓子の夢に浸るよりも前に目を惹いた重要なニュースがいくつかあったのでご紹介しよう。Tech Night Owl Live ポッドキャストで Apple がいかにクラウドを活用して Mac OS X と iOS を改良できるかという議論が盛り上がり、Parallels Desktop 6 と VMware Fusion 3.1 のベンチマーク比較が公表され、もうあと数日で Mac App Store が開店する。

Adam、Tech Night Owl Live でクラウドの未来を考察する -- Tech Night Owl のホスト Gene Steinberg との対談は 2010 年における Apple の誤りというテーマだったが、話は進んでクラウドベースのストレージやよく使うファイルの共有などの使い勝手を Mac や iOS で劇的に改善するために Apple にできることは何かという広範囲な思索の議論へと発展した。

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MacTech が Parallels Desktop 6 と VMware Fusion 3.1 をベンチマーク -- Windows を走らせる必要がある場合、それを自分の Mac 上のエミュレーションでできればやはり安心できるというものだ。MacTech の専門家たちが、Mac 上の仮想化の選択肢として人気ある二つ、Parallels Desktop 6 と VMware Fusion 3.1 をベンチマーク比較した最新結果のプレビューを発表した。ごく簡潔に言えば MacTech の一般的試験項目の大多数で Parallels が VMware を上回ったが、詳しい結果を理解するためにはやはり記事全体を読む必要がある。

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Mac App Store が 1 月 6 日に開店 -- Apple から、Mac App Store の公式スタート日が 2011 年 1 月 6 日となるという発表があった。もちろん、この Mac App Store は iOS 機器用の App Store がもたらした魔術を Mac で再現させることを狙っている。そうして Apple にも、サードパーティの開発者たちにも、たくさんのお金が入るようにしたいのだ。今回の Apple のプレスリリースで注目すべきは、その中で CEO の Steve Jobs が「PC (パソコン) 用アプリケーションの検索や購入が簡単で楽しくなる」ことを Apple が望んでいると述べている点だ。どうやら、この会社は "PC" という用語を Windows マシン専用の世界から取り戻すことも狙っているらしい。初代の App Store と同様、Apple は Mac App Store においてもすべてのソフトウェアの売上げから 30 パーセントを取り、残りのお金が開発者たち自身に還元される。

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