TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1085/18-Jul-2011

先週はまだ Lion 登場の兆候がなかったので、この号は多岐にわたる内容となった。まずセキュリティ関係の iOS アップデートが出たニュースがあり、AT&T からは新しい国際データプランが発表された。次に Adam が、Apple が iCloud を単なる高級な同期ケーブルとしてのみ推し進めようとしており共同作業のコンピューティングを念頭に置いていないのではないかと考察し、さらに人気のマクロユーティリティに最近の新リリースでプログラムのロジックを追加した Keyboard Maestro 5.0 をレビューする。最後に、これはいつもの私たちとはちょっと違った調子の記事だが、移動特派員の Jeff Porten が The Amazing Meeting 2011 をレポートする。これは懐疑論者のカンファレンスで、批判的思考法の技術を広めることに焦点を置いている。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Aperture 3.1.3、iDVD 7.1.2、iWeb 3.0.4、Snapz Pro X 2.3.1、DEVONthink と DEVONnote 2.2、GarageBand '11 6.0.4、iPhoto '11 9.1.5、TypeIt4Me 5.2、Sandvox 2.1、iBank 4.2.4、Firefox 5.0.1、BusyCal 1.5.4、Transmit 4.1.6、それに Skype 5.2 だ。

記事:

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PDF の脆弱性を修正する iOS 4.3.4 と 4.2.9

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 柳下 知昭 <tyagishi@gmail.com>

アップルは、GSM iPhone 4 と 3GS 及び iPad, iPad2, 第 3 世代および第 4 世代の iPod touch 向けに iOS 4.3.4 を、CDMA iPhone 4 向けに iOS 4.2.9 をリリースした。どちらのアップデートも悪意のある PDF ファイルを閲覧するときのセキュリティ脆弱性に対処する。また、ユーザとして実行されている悪意のあるコードがシステムのアクセス権を取得する可能性のあった脆弱性も修正している。

PDF 処理の脆弱性は、TrueType と Type 1 のフォント処理時のバッファオーバーフローに起因するが、最近の jailbreak で使用されている- 定義によると、jailbreak するとは、iOS のセキュリティーホールを突くことと結び付いている。

このアップデートは、iTunes 経由でのみ利用可能であり、ごく小さな修正ではあるが、アップデートのサイズは大きい、そのためダウンロードとインストールのために十分な時間を用意して欲しい。

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AT&T が国際データプランのデータ許容量を増やす

  文: Mark H. Anbinder <mha@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

米国から外国へ旅行する人たちには大いに歓迎すべきニュースだろう。AT&T が、新しい国際データパッケージを発表した。これは国内用の通話及びデータプランに追加して契約するものであり、場合によっては既存のプランに比べて安くつくこともあり、すべてのケースにおいて月ごとのデータ使用量上限が以前の二倍以上になる。iPhone ユーザー向けにも他のスマートフォン顧客向けにも、これらの新しいパッケージは 2011 年 7 月 17 日から有効となる。

最も安価な国際データパッケージは、月額 $24.99 で、現在の毎月 20 MB の割当量から 50 MB へと一挙に増える。最も高価なものは月額 $199.99 で、現在の毎月 200 MB から 800 MB へと四倍に増える。それらの中間にある二つのパッケージでは価格が下がり割当量が増えて、毎月 $59.99/50 MB のものは $49.99/125 MB となり、毎月 $119.99/100 MB のものは $99.99/275 となる。いずれの場合も、請求サイクルの中で顧客がデータ割当量を超えた場合はデータ 10 MB あたり $10 の超過料金がかかる。

AT&T の新しいパッケージ料金は、同社が現在データローミングを提供している「200 ヵ国以上」のうち「100 ヵ国以上」で適用されるという。それ以外の国においては、使用量に応じた料金がかかる。

私たちの予想では、気軽な旅行をする人ならば以前通りに外国ではローミング使用を最小限に抑えておく方がよいだろうと思う。けれども、控え目な程度の使用であってもデータがいつも使える安心感を得たいという人は、この AT&T の新しいアドオンパッケージを使うことでちょっとした余裕ができるだろう。(もしもあなたがあらかじめこの種のプランを有効にしておくことをせずに国際ローミングでセルラーデータを使えば、1 MB あたり $19.95 という狂気のような料金がその使用に対して課されることになる。だから、何らかのプランにサインアップしておくことは絶対にその価値がある。)

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そこのお前さん! 私の iCloud の邪魔をしないで!

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Rich Mogull の "iCloud、Dropbox、Elastic Computing について: クラウド入門" (7 June 2011) はあるが、"クラウドコンピューティング" は未だ多くの人にとってはっきりしない概念のままである。私の考えでは、もしクラウドベースのサービスの例を挙げよと言われたら、多くの人はオンラインのワードプロセッササービスである Google Docs、ファイル共有サイトの Dropbox、Zoho が提供している多種多様なサービス、オンラインのプロジェクト管理サイトである Basecamp 等々を挙げるのではなかろうか。より単純な出版サービスである YouTube, Flickr, そして Blogger と言ったものすらも当てはまるかもしれない。

これらのサービスに共通するのは、これらには複数の人々が関係することである。それは Google Docs のドキュメント上で、或いは Basecamp のプロジェクトで共同作業をする少人数のグループの場合もあろうし、或いは一対多の YouTube や Blogger という場合もある。

勿論、個人が他の人々を巻き込むことなくこれらのサービスを使うことを禁止するものは何もないが、多くの点で (機器間での Dropbox 同期は良き反例であろうが)、私はそんなことを言いたいのではない。もし書いたものを最初から何らかの方法で共有するつもりもないのであれば、 TextEdit の代わりになぜ Google Docs を一人で使って書く意味があるのであろうか? 目的がデータ共有でない限り、オンラインサービスがローカルのアプリケーションよりもより良く出来ることなど殆どない。(何人かの人が適切なコメントを寄せてくれているが、一般的なオンラインサービスは、自分のデータに複数の異なった機器、そこには自分のではないものも含まれる場合もある、からアクセス出来ることを望む場合にも有用である。事実、これが Google の Chromebook の目指すものである;それは Web ブラウザを走らせること以外何もしない汎用ハードウェアである。)

Apple の iCloud (背景については "iCloud の出現で、長期予報は嵐を予想" 6 June 2011 参照) を考えてみよう。North Carolina にある巨大なデータセンターにサポートされそして先月の Worldwide Developer Conference で華々しく発表されたが、iCloud は個人に力を与えるという Apple のビジョンを恥ずかしがらずに前面に出してきており、グループ共同作業とかデータの共有と言った概念はほぼ全面的にあきらめている (唯一の例外はカレンダー共有のように見える、もっともこれも MobileMe からの移行後もこの機能は無くならないという前提の上ではあるが)。

しかしどうか私の言葉だけで判断しないで欲しい。Apple が iCloud Web ページ上で現在使用しているタグラインを見ると (強調は私のもの):

"あなたの コンテンツを保存そしてアクセスする新しい方法。"

"クラウドとはこうあるべきです:自動で、簡単。iCloud は あなたの 様々なアプリケーションとシームレスに統合するので、すべての デバイス上で 自分の コンテンツにアクセスできるようになります。"

"iCloud は あなたの コンテンツを保存し、 あなたの デバイスにワイヤレスでプッシュします。"

Apple は、iCloud を他の人達と意味のあるやり方で意思疎通を図ったり共同作業を行ったりすることにも使えるという概念に対して口先だけの支持すら与えていない。私はこの事実に失望している、何故ならば私は私をもっと生産的にしてくれるから Mac を使うし、そして私をより生産的にしてくれるから他の人とも共同作業をするからである。私の理想の世界では、私は業界一の Mac ソフトウェアを使って私の同僚と共同作業をしたい。

しかし現実は Apple はインターネット上で人々がどの様にお互いに作用し合うかを理解したことがない。iTools から .Mac へ MobileMe へ iWork.com へ、Apple はいつも失敗してきた。こんなことがあります:

言い方を変えれば、Apple は長年にわたって複数ユーザーのインターネットサービスを提供しようとしてきたが、大々的に受けたものは何もなく、多くが今では元オウムだし、残ったものも殆ど意味をなさない。

大方の場合、この結果は予見できたものである、何故ならば広く人気を博したインターネット通信そして共同作業サービスは全て無料オプションを持って始まりそして急速に進化した。これとは対照的に、Apple がこれまでやった事の多くは .Mac/MobileMe 課金の壁の後ろにあって、大々的に聴衆を掴むのは自動的に難しくなる。(公正を期すれば、Apple は恐らくこれらの .Mac 及び MobileMe の有料サービスから馬鹿にならない額のお金を稼いだであろうが、一方では成功したインターネット新興企業は一つのビジネスモデルに辿りつく過程でベンチャーキャピタルに頼りカスカスの生活をして来た。)

同時に、Apple の複数ユーザーインターネットサービスには良いものは殆どなく、中には iWork.com の様に失笑を誘う程どうしようもないものもある。きっとこれにはいくつもの理由があると思われ、例を挙げれば、これらサービスのどれをも良くする事が Apple の生死の問題とはならなかったというのは事実であろう。更に、同社のユーザーインターフェース設計の経験は全て個人に焦点が当てられており、グループにではなかった。

私の推測は、そして単なる推測にすぎないが、Apple は複数ユーザーインターネットサービスは同社の得意分野ではないことを自覚し、そして彼らは意図的に iCloud を一人の個人が所有する複数の機器上で走るアップスのためのデータの導管を提供することに焦点を当ててきたのではないかということである。それは確かに Apple の得意とする所であり、そして開発者達の長年の頭痛の種であったデータ同期に関する一連の問題の解決策となる可能性が大である (勿論、これは iCloud 同期が MobileMe カレンダやコンタクト同期のこれまでの実績以上に良く働くであろうという前提の下での話ではあるが)。

いずれにしても、iCloud が最初に何を開発者達にやらせてくれるかに関して私が知っている限りでいえば、カレンダ項目やコンタクトを超えて我々にお互いにデータを共有させてくれたり、或いは実時間で共同作業をさせてくれたり、或いは何かを世界の人が見られるよう出版させてくれたりする iCloud 対応のアップスを見ることは無いであろう。こんなことは Apple がやりたいと望んでいる事の範疇外だということかも知れないが、私が失望したままであることには変わりはない。

私にとってインターネットの面白さはそれが人々をくっつける方法となるところにあるのに対して、Apple はインターネットを、そしてとりわけ iCloud を、一個人の種々の機器上の特定のアップスを接続する手ごろな仮想のケーブルとしてしか見ていない。この辺りが iCloud が進化するにつれて変わって欲しいところである。

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Keyboard Maestro 5 がプログラミングロジックその他を追加

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私が初めて購入した Mac 用プログラムは CE Software の QuicKeys で、その昔の 1989 年のことだった。それから 22 年間、私は KeyQuencer、OneClick、iKey などいろいろのマクロユーティリティを使ってきた。私の所有してきたどの Mac にも、必ずそういうものが一つは入っていた。けれども現在の私のお気に入りは Keyboard Maestro、これは Stairways Software の Peter Lewis の作品だ。私が絶対的に必要とする作業、例えばファンクションキーを押してアプリケーションを切り替えたり、よく使うテキスト文字列を入力したり、さまざまなアプリケーションでキーボードショートカットを割り当て直したり新たに作成したり、アプリケーションからアプリケーションへのデータの移動を自動化したり、クリップボード内容に BBEdit の text factory を適用したり、特定の時刻にアクションを実行したり、そういったことすべてに、Keyboard Maestro はずっと以前から私の望む通りの仕事をしてくれている。また、前回のクリップボード内容や保存しておいたクリップボード内容にアクセスできるようにする機能もあり、この機能のためだけに他のクリップボードユーティリティを使わずに済むようにもしてくれる。

けれども告白しておかねばならないが、時折、Keyboard Maestro には私の必要とするパワーが欠けていると感じることもあった。誤解しないで頂きたいが、私は決してプログラマーではない。私はさまざまの種類の言語をどうにかこうにか使うことはあるけれど、それは主にコピー&ペーストの力のお陰だ。それでも、私はプログラミングの際の制御フローを理解することはでき、PHP とか ExpressionEngine とかのコードをちょっといじってみようと思う度に悪魔のごとく私を悩ますシンタックスとか句読点とかいった落とし穴さえなければ、きっと私も制御フローを効果的に使いこなせるのにと思っている。そしてまさにそれこそが、Peter が Keyboard Maestro 5 で実現してくれたものであった。このメジャーなアップデートには、制御フロー以外にも歓迎すべき追加機能が数多く盛り込まれている。

制御フローのお陰で、基本的に Keyboard Maestro は従来のようにただ指定された一連の手順を順番通りに走らせるのではなく指定された個所で何をすべきかを判断できるようになった。従来、Keyboard Maestro はユーザーがあらかじめ指定した時間間隔のみ一時停止することができたが、これからは特定の時刻まで停止したり、if/then/else 構成を使ったり、何らかの条件が成立している間ずっと、あるいは何らかの条件が満たされるまで、アクションを繰り返したりすることもできるようになる。もちろん、それがパワフルに働けるためには環境に対していろいろな条件をチェックできることが前提となるわけだが、Keyboard Maestro はそのようなチェック可能な条件を盛り沢山に用意している。例えば:

これらの項目を眺めてお気付きの通り、Keyboard Maestro はその制御フローと条件チェック機能を補うために「変数」と「計算」を用いる。この二つがあるからこそ、賢いお猿さんがマウスとキーボードでできる程度のレベルを超えたアクションが実行可能となる。また、テキストやパスワード、ポップアップメニュー、チェックボックスなどの形でユーザーが入力をするよう求めることもできる。変数は恒久的に保存され、テキストまたは数字の配列を含むことができる。変数を利用してポインタの位置を調整したり、ウィンドウのサイズや位置を動かしたり、その他いろいろのことができるし、変数はシェルスクリプトや AppleScript との間で互いにアクセスしたり書き込んだりもできる。それからもっと本格的に楽しみたい人なら、変数の内容に対して grep ベースの検索・置換を走らせることさえ可能だ。

確かに、最も困難な問題は自分自身の考え方を Keyboard Maestro に合うものに変えなければならないという点だろう。けれども大体において、私が自動化したいと考える逐次的タスクはごく簡単にステップ・バイ・ステップのマクロに翻訳できるものがほとんどだ。過去に同様の機能を提供する他のユーティリティを使って経験したことを思い返してみると、私が Mac を使う現実的状況を、何らかの判断を含んだマクロに翻訳しようと試みても、どうしてもその方法が見つからなかったことがさまざまの状況で何度かあった。

例えば、私がこれまで自動化の方法を一度も考え付けなかったタスクとして、こんなものがある。TidBITS のどの号がどの日付で出るかを追跡しようとして、私は BusyCal で毎週月曜日のカレンダーイベントを作り[訳者注: 英語版の TidBITS 電子メール号は毎週月曜日に出されています]イベントごとに号の番号を一つずつ増やしてみた。けれども、私たちは毎年何回かずつ休刊にすることがあるし、時には特別号を出すこともあるので、発行は完璧に定期的という訳には行かない。さらに問題を複雑にしているのが、これらのイベントの作成が完全にキーボードのみではできないことで、私の経験から言ってマクロにマウスクリックを組み込めばウィンドウが動く度にそのマクロが正しく働かなくなってしまうことが多い。それにもちろん、すべてのカレンダー月が同じに見える訳ではないという単純な事実がある。月曜日が四回ある月もあれば、五回ある月もあり、時には前の月や次の月の月曜日が BusyCal の月表示の最初または最後の行に出て来ることもある。こうしてさまざまの複雑性がこのマクロには絡んでくるので、それらすべてに対処するだけの時間が私にはない。でも Keyboard Maestro 5.0 を使ってみると、私は今までなかったほど解決に近い点にまで到達することができた。手順でまだ手を付けていないのは、変数をインクリメントしてその月の中で次の月曜日でのクリックをシミュレートするか、あるいは BusyCal の Info パネルから日付をコピーして変数を用いて適切に日付を増やすかのどちらかだ。

image

Keyboard Maestro 5 はただプログラミング機能を増やしただけではない。クリップボード機能が大幅に拡張されているので、Quick Look を使ってクリップボード履歴や名前付きクリップボード切替パネルの項目の内容を表示したり、Keyboard Maestro が走っている他の Mac に(相手方でウェブサーバのオプションがオンになっていれば)クリップボードを送信したり、クリップボード内容に対して grep ベースの検索・置換を実行したりできるようになった。私は Keyboard Maestro のクリップボード履歴機能にすっかり夢中になっているので、例えば前々回にコピーしたものをペーストするというマクロを作ってこれを頻繁に使っている。

新たに装備されたアクションを使えば、Keyboard Maestro がテキストを読み上げたり、サウンドを鳴らしたり、Growl 経由またはカスタムウィンドウを使ってテキストを表示したり、ウェブを検索したりといったこともできる。さらに、既存のアクションで機能を拡張したものもあって、Keyboard Maestro の Quit アクションに再び開いたり強制終了させたりするオプションが加わり、現在のアプリケーションをそれが何でも終了させられるようにもなった。Open File、Open Folder、Open URL の各アクションは、開くアプリケーションを Finder によるデフォルトに頼らず特定のアプリケーションを指定して開かせることもできるようになった。さらに、Growl アクションは Growl がインストールされていなくても働くようになった。私はよく PDF を Acrobat Pro 9 で開かせたいと思うことがある。(PDF を開くデフォルトアプリケーションは Preview だ。)そこで、そのために「このアプリケーションで開く」を使う方法 (遅い) や、Dock 上の Acrobat Pro アイコンの上にドラッグする方法 (長いドラッグになる)、あるいは LaunchBar を使う方法 (面倒な手順なので私はさっぱり覚えられない) に代わる方法として Keyboard Maestro のマクロを作って単純なキー操作でできるようにしようと思っている。

また、Keyboard Maestro 5 は従来よりずっと多くのトークンを持つようになった。トークンとは、例えば日付や時刻など、環境から取り出すことのできるテキスト断片だ。新たに使えるようになったトークンとしては、変数の内容、名前付きクリップボードの内容、iTunes における現在のトラック情報 (曲名、アルバム、アーティスト名、レーティング)、現在のアプリケーション名、現在のマウス位置、前面ウィンドウ詳細情報 (名前、サイズ、位置、フレーム)、スクリーンサイズ、システム音量、アドレスブック詳細情報 (名前、ファーストネーム、ラストネーム、ニックネーム、所属)、それから現在実行中のマクロ名およびマクログループ名がある。

こうやっていろいろ書きつつ、私はこんなにたくさん Keyboard Maestro が機能を拡張した点をただただ書き並べることにちょっと気が引ける思いがしている。このように書き並べているのはすべての人がすべての項目に注目すべきだと思うからではない。そうではなくて、従来何かのタスクを自動化しようと試みて挫折した人たちに、想像力を掻き立てて欲しいと思うからだ。今回のアップグレードがいかに大規模のものであるかは、私がまだ Keyboard Maestro 5 の新機能のすべてを挙げ切っていないことからもお分かり頂けるだろう。

でも、結びに一言付け加えさせて頂くと、Keyboard Maestro 4 について私が毎日の Mac の使用に必須のものだと考えたのと同じように、私は Keyboard Maestro 5 の新機能も、ただただこのアプリケーションを以前にも増して必須のものとすると思っている。あなたは私ほど自動化に夢中になるタイプの人ではないかもしれないけれど、私自身について言えば、マクロベースの自動化がなければ Mac ユーザーとしての私の生産性は大幅に落ちてしまうという確信がある。

もしもあなたが Keyboard Maestro 4 を使っているなら、バージョン 5 はあなたに新機能をどっさり提供してくれるので、2011 年 8 月 31 日まで $18 のアップグレード料金に十分以上見合っていると思う。その日を過ぎた場合、また 4.0 よりも古いバージョンを使っている人には、アップグレード料金が $25 となる。新規購入の場合は $36 だ。(個人使用で最大 5 台までの Mac で使える。) Keyboard Maestro 5.0 は Mac OS X 10.6 Snow Leopard を必要とし、64-bit ネイティブだ。Mac App Store では Keyboard Maestro 4.4 が入手可能だが、Apple はまだバージョン 5.0 を承認しておらず、残念なことに Mac App Store から入手したライセンスを移譲することは認められない。ただし、Mac App Store からバージョン 4.4 を購入した人は (もしも) Apple が 5.0 を承認すればその時に無料アップグレードが受けられる。無料の試用版が 12.7 MB のダウンロードで入手可能だ。

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The Amazing Meeting 2011: JREF って何だ?

  文: Jeff Porten <jporten@gmail.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

こんにちは。皆さんの移動特派員が、 The Amazing Meeting からのレポートをお届けする。The Amazing Meeting は、James Randi Educational Foundation (JREF) が毎年開催しているカンファレンスだ。私が普段 TidBITS のために出席するテクノロジー系やガジェット系のカンファレンスとはちょっと毛色が違っているが、ここで繰り広げられる科学的・懐疑論的な議論の中には思慮深い TidBITS 読者の皆さんの興味を引くものもあろうかと判断して私たちはこれを記事にすることに決めた。このカンファレンスで議論される話題の感じをつかんで頂くために、私はまず JREF 会長の D.J. Grothe にインタビューしたが、そこで Apple との意外な関係を見出して驚くこととなった。

James Randi ってどこかで聞いた名前だとお思いの方、特に「中年」と呼ばれる年代の方々のために言い添えると、彼は Johnny Carson の Tonight Show に出演して自称「霊能者」の Uri Geller (ユリ・ゲラー) をやっつけたことで有名になった。Geller は、スプーンを曲げたり本のページを空中浮揚させたりする超常能力を持っていると主張したが、Randi は手品師たちがスプーン曲げをする方法を示し、テーブルの上に発泡スチロールをまき散らす(Geller が本に軽く息を吹きかけることをできなくする)ことで空中浮揚のトリックの裏をかいてみせた。Geller が Tonight Show に出演した時の様子は YouTube クリップでうかがい知ることができる。ここに、その信仰治療師が暴かれるところも映っている。

より最近には、Randi が TED Talks に出演して致死量を超えるホメオパシー療法用の睡眠薬を服用するところをご覧になった方もおられるだろう。大量に服用しても彼は無傷だった。つまり、ホメオパシー用薬物には有効成分が何も含まれていないということだ。

JREF の目標は、このカンファレンスのプログラムからの次の抜き書きに集約されている:「すべての人が科学的・批判的思考のためのツールにアクセスでき、いかさま師たちが人々を騙すことにより大金を得ることがないような世界を作り出す」ことだ。会長の Grothe は、JREF の使命を教育的組織と説明した。つまり、さまざまなプログラムやカンファレンスを通じて批判的思考を改善するためのツールを提供することにより、人々に訴えかけたいという。それらのツールの主たる対象には、いかさま師たちも含まれるし、また似而非科学の善意ある賛同者たちで悪い考えを広めることによりそれと気付かず大きな害を及ぼしてしまっている人たちも含まれる。

例えば、ダウジング (水脈占い) が議論の対象となった。彼らは分岐した枝、あるいは金属の棒を使って隠された物体を見つけ出せると主張する。科学的な根拠など何もないが、それでも「爆弾探知器」と称するダウジング棒を一本 $18,000 という値段でイラク政府に売りつけた恥知らずの会社がある。売上げの合計は、何と 8 千 5 百万ドルだ。もちろん、そのような金の浪費も、偽の証拠によって無実の人が逮捕されたり、偽の陰性判定によって治安部隊が荷物を安全と判断してしまったりする害に比べれば、ずっと小さな懸念と言えよう。

JREF は、懐疑的な姿勢を普及させようと努めている。自動車を購入する前にボンネットの中を見てみるのと同じように、新しい考え方を自分の世界観の中へ取り込む前にそれをきちんと調べてみるべきだ。このことは、あなたが既に採用済みの考え方にも同じように当てはまる。JREF の目標は必ずしも人々の意識を変革することではなくて、人々が他の人たちの考えを批判するのと同じやり方で自分自身の信ずることの中に誤りがないかどうか見直すことができるように教育することだ。

しかしながら、Grothe はこんな言葉で私の意表を突いた:「私が今でも転向者である宗教はただ一つ、Apple だ。」Grothe は iOS 機器を懐疑主義を教えるために使える強力なツールだと見なしていて、その目的のために、JREF は懐疑主義の背景にある方法論をインタラクティブに教えるようデザインされたいくつかのアプリをリリースしようとしている。例えば、彼らが最初に作ったアプリの一つは、あなたの iOS 機器をダウジング (水脈占い) 棒と化してくれる。そして、そのような棒を使う人たちが何か外部の力が自分の動作を導いていると強く信じてしまうことの理由を実演するのだ。これは、霊界との交信をするという Ouija 盤と似たような原理で動作する。つまり「観念運動効果」と呼ばれるプロセスが無意識の運動をあなたの目に見える効果に変換するが、そのプロセスは一見あなたがコントロールしているものでないように見える。普通のダウジング棒と違って、この iOS アプリは加速度計を利用してそのプロセスをデモンストレーションし、その上でその働きを解説する。

Grothe によれば、このアプリを第一号として、まだまだたくさんのアプリを計画中だという。その中には、積み上げたカードの中から次にめくられるカードにどの記号が書かれているかを予言する能力があなたにあるかをテストする霊能力テスト用アプリもある。ダウジング用アプリと同軸、この霊能力テスト用アプリも無料でダウンロードできるようになる予定だが、ちょいと一捻りしたボーナスが付いている。あなたが霊能力を使ってカードの予言に平均以上の能力を示すことができたならば、もしもそれを実験室の検査環境で再現できれば 100万ドルの賞金をかけたチャレンジに応募できる。

この Million Dollar Paranormal Challenge (100万ドル超能力チャレンジ) はちょっとした宣伝行為だ。その存在そのものが、すべての自称霊能者たちに向けて、いったいなぜあなたは自分で応募しないのかと挑戦する質問状として機能する。けれども Grothe によれば、JREF としては優勝者を見つけることに反対する気持ちは一切無いのだという。一つの霊能力が本物の現象であることを一貫して証明し続けられる人ならば、きっとそのまま前進して新たな科学の境界領域を切り開くことができるだろう。「そうなれば私たち皆がノーベル賞を受賞しますよ」と彼は言った。

Grothe は、JREF にはこの種のアプリに関するアイデアがまだまだたくさんあるけれども、現在のところ開発者たちに支払う資金も足りないし、またそのようなプロジェクトを管理できるスタッフの能力も足りていないと述べた。だから、この JREF の使命に興味を持たれて、iOS 開発のスキルをお持ちの読者の方は、どうぞご連絡頂ければ嬉しいとのことだ。直接開発に携わる以外にも、例えば寄付(税控除あり)をするとか、JREF のオンラインメンバーに加わるとか、オンラインフォーラム(何か研究のために調べものをしたいという方のために十年間分のアーカイブもある)に参加するとか、あるいは世界中の懐疑論関係ミーティングやローカルグループなどを一覧できる要覧を利用するとかの形で関与することもできる。

[編集者注: Jeff Porten はこの The Amazing Meeting 2011 カンファレンスから他にもいくつか記事を書いてくれた。今後時間をかけて週刊の TidBITS 電子メール号でお届けしていきたいと思っている。まだフレッシュなうちに読みたいとお思いの方は、ウェブ記事 "The Amazing Meeting 2011: Skeptic Podcasts" (17 July 2011) と "The Amazing Meeting 2011: Richard Dawkins vs. Chuck Norris" (18 July 2011) でお読み頂ける。-Adam]

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2011 年 7 月 18 日

  文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Aperture 3.1.3 -- Apple が Aperture 3.1.3 をリリースした。同社のプロフェッショナル向け画像管理ソフトウェアのマイナーなアップデートだ。今回の新リリースでは細かな改善が数多く施されたが、特に分音符付きラテン文字、日本語、韓国語、または簡体字中国語の文字を処理する際の問題を解決している。Aperture がウェブに公開したアルバムの同期や、スライドショーの書き出しでの挙動が改善し、ユーザーがジェスチャーを有効・無効に切り替えられる柔軟性が加わった。またバグ修正もいくつかあり、ブックまたはプリントを注文するときに空のシートが表示される問題を修正するとともに、読み込んだオーディオファイルにメタデータプリセットを正しく適用できなかった問題に対処し、ライブラリの修復および再構築の信頼性を向上させている。Apple はこのアップデートをすべての Aperture 3 ユーザーに推奨している。(新規購入は Mac App Store から $79.99、ソフトウェア・アップデート経由または Mac App Store から無料アップデート、292.02 MB)

Aperture 3.1.3 へのコメントリンク:

iDVD 7.1.2 -- iDVD って覚えてる? iLife の DVD オーサリングソフトウェアには近ごろあまり動きがなかったが、Apple は今回 iDVD 7.1.2 をリリースした。このマイナーなアップデートでは多数のパフォーマンスの問題とマイナーなバグに対処が施され、ファイルが再リンクされない問題や、見つからないファイルを検索する際にスローダウンしてしまう問題が解決した。さらに、iDVD の今回の新バージョンには読み込んだ iPhone '11 スライドショーの信頼性を改善するコードも含まれている。(ソフトウェア・アップデートから無料アップデート、36.12 MB)

iDVD 7.1.2 へのコメントリンク:

iWeb 3.0.4 -- Apple の iWeb は絶滅の運命にあるのかもしれない。(私たちがそう推定するのはこれがもう何年もメジャーなアップグレードをしていないことと、MobileMe ベースのホスティングが失われたという事実に基づく。2011 年 6 月 24 日の記事“アップルが、MobileMe から iCloud への移行詳細を説明”参照。)けれども、いくら廃れ行く可能性が高いとしても、同社はこの iLife のウェブ出版ツールへの時折のアップデートを出すのを止めない。それが、Cupertino の素敵な人たちがリリースしてくれたばかりの バージョン3.0.4だ。新機能の追加は何もないが、「全般的な安定性が向上し、いくつかの小さな問題が解決され」ている。(ソフトウェア・アップデートから無料アップデート、178.57 MB)

iWeb 3.0.4 へのコメントリンク:

Snapz Pro X 2.3.1 -- Ambrosia Software が Snapz Pro X 2.3.1 をリリースした。世界中の著者たちが大事に大事に思っているスクリーンショットユーティリティへのアップデートだ。最も重要な点は、Mac OS X Lion との互換性のために必要となる変更が今回のアップデートで施されたことだ。(古いバージョンは Lion でうまく動作しなかった。)その他にも、H.264 カラー管理やモノラルオーディオ機器の処理で改善がなされ、マイナーなバグ修正もいくつかある。(新規購入 $69 [画像 + ムービー] / $29 [画像のみ]、無料アップデート、8.5 MB、リリースノート)

Snapz Pro X 2.3.1 へのコメントリンク:

DEVONthink と DEVONnote 2.2 -- DEVONtechnologies が、情報管理アプリケーション DEVONthinkDEVONnote のすべての版をアップデートした。いずれのアプリもバージョン 2.2 では主に Mac OS X Lion 対応ソフトウェアとなるとともに、Lion で新設されるフルスクリーンモードへの対応を追加している。このソフトウェアは Apple Mail に加えて新たに Sparrow 電子メールクライアントに対応するとともに、export-to-HTML 機能を改善した。それ以外の変更点としては、いずれのアプリも時間のかかるタスクに際して Dock アイコンに進行状態を表示できるようになった他、Tab、Return、Enter などのキーボードショートカットキーの処理が改善された。(アップデートはすべて無料。DEVONthink Professional は新規購入 $79.95、DEVONthink Personal は新規購入 $49.95、リリースノートPersonal,。DEVONnote は新規購入 $24.95、リリースノートDEVONnote)

DEVONthink と DEVONnote 2.2 へのコメントリンク:

GarageBand '11 6.0.4 -- Apple が GarageBand 6.0.4 を出し、いくつかマイナーな変更を施すとともにいつも通り「全体的な安定性とパフォーマンス」の修正を加えた。注目すべきは、GarageBand の Lesson Store でレッスンのダウンロードが完了しない問題を解決するために変更が施されたことだ。より実際的な問題としては、一部のテンポベースのエフェクトが曲の主テンポと同期しない問題を起こしていたバグに対処し、Magic GarageBand のプロジェクトファイルを GarageBand のトラック表示で正しく開けない問題を解決している。(新規購入は Mac App Store から $14.99、ソフトウェア・アップデート経由または Mac App Store から無料アップデート、53.72 MB)

GarageBand '11 6.0.4 へのコメントリンク:

iPhoto '11 9.1.5 -- Apple が iPhoto 9.1.5 をリリースした。同社のコンシューマ向け写真管理ソフトウェアのマイナーなアップデートで、いくつかの問題点に対処を施している。主な点を挙げれば、“時間と日付の調整”コマンドで写真に変更を加えた場合に各イベントの日付範囲を正しくアップデートできるようになり、保存した“クラシック”スライドショーの写真に Ken Burns アニメーションが正しく適用されない問題を修正し、写真のスクロール・削除・選択・トリミング調整での問題も修正した。(新規購入は Mac App Store, から $14.99、ソフトウェア・アップデート経由または Mac App Store から無料アップデート、220.83 MB)

iPhoto '11 9.1.5 へのコメントリンク:

TypeIt4Me 5.2 -- テキスト拡張の世界での競争を続けるべく、Ettore Software が TypeIt4Me 5.2 をリリースして Mac OS X Lion 互換性を追加した。また、バージョン 5.2 での新機能として、キー組み合わせ Shift-Tab が使えるようになり、短縮形の日付を未来であっても過去であっても展開できる Date/Time Math 関数が新装備された。(新規購入 $19.99、2010 年 1 月 1 日以降の購入の場合は無料アップデート、それ以外は $8.99 のアップグレード、 リリースノート)

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Sandvox 2.1 -- Apple が MobileMe から撤退することで iWeb にもう一度とどめが刺された今、iWeb ユーザーたちは Karelia の Sandvox 2.1 をウェブサイト作成・維持用に検討してみたいと思うことだろう。 Sandvox 2.1 では Mac OS X Lion との互換性と、他のシステムからコンテンツを移す作業が手軽にできる Clear Styles コマンド、それに Block Quote オブジェクトが追加された。その他の変更点としてパフォーマンスの改善やバグ修正などもある。2011 年 7 月 31 日までに限り、クーポンコード "iWeb Graduate" を持った iWeb ユーザーは 25 パーセント割引で Sandvox を購入できる。Karelia では iWeb から Sandvox へ切り替える人たちすべてのために移行ガイドも提供している。(新規購入 $77、Sandvox 1 からのアップグレード $47、Sandvox 2.0 からは無料アップデート、29.2 MB、 リリースノート)

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iBank 4.2.4 -- IGG Software が、同社の資金管理ソフトウェア iBank のバージョン 4.2.4 をリリースした。Rosetta が消え去る結果として(2011 年 5 月 23 日の記事“Rosetta と Lion: あきらめるのか?”参照)Quicken も間もなく失われるということで多くの人たちが悲しみにくれている今、IGG は iBank が今回のリリースから Lion に対応していることを公式に確認した。メジャーリリース iBank 4.0 およびそれに続くいくつかのマイナーリリースで、iBank は Quicken および Microsoft Money から直接データを読み込むことができるようになり、予算管理ツールや投資追跡ツールもいくつか新たに導入し、取引テンプレートや新たなレポートも追加し、また多数のバグ修正やパフォーマンス強化も盛り込んでいる。(新規購入は IGG Software からも Mac App Store からも $59.99、iBank 3 ユーザーは $29.99 アップグレード、iBank 4 ユーザーは無料アップデート、19.2 MB、リリースノート)

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Firefox 5.0.1 -- Mozilla によるオープンソースのウェブブラウザの最新の Mac 専用アップデート Firefox 5.0.1 にはたった二つしか変更点がない,。けれどもその二つはいずれも重要なものだ。まず第一に、来たるべき Mac OS X Lion でダウンロード可能フォントを使っていた場合に起こることのあったクラッシュを回避している。ダウンロード可能フォントはウェブではよくあるものなので、Firefox 5.0 ユーザーは Lion へのアップグレード後に頻繁にクラッシュに見舞われていたことだろう。第二に、Apple が Mac OS X 10.5 Leopard で Java をアップデートしたことにより Firefox で Java プラグインが動かなくなっていた。(2011 年 6 月 29 日の記事 "Java for Mac OS X 10.6 Update 5 / Java for Mac OS X 10.5 Update 10" 参照。)バージョン 5.0.1 で、Firefox はもう一度 Leopard において Java プラグインを読み込めるようになった。(無料、27.8 MB、リリースノート)

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BusyCal 1.5.4 -- BusyMac が、同社のカレンダーアプリのアップデート BusyCal 1.5.4 をリリースした。この最新のリリースでは主として Apple の来たるべき Mac OS X Lion との互換性に焦点が置かれており、Lion のフルスクリーンモードや、トラックパッドジェスチャー、新しいスクロールバーのスキーム、それから年を指定しない誕生日リマインダーにも対応した。さらに、BusyCal はカレンダーアプリ Fantastical との相互作用にも対応し、Google Calendar や、その他の WebDAV サーバとも、より良く相互作用できるようになった。またこのアップデートには修正や改善もいくつか施されている。(新規購入 $49.99、無料アップデート、6.7 MB,リリースノート)

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Transmit 4.1.6 -- Panic から新たに出た Transmit 4.1.6 は、同社の人気あるファイル転送ソフトウェアのマイナーアップデートだ。今回の新リリースでは Mac OS X Lion との互換性が改善し、Amazon Web Services に新設された「東京」地域に対応し、競合アプリ Cyberduck からのブックマーク読み込みがより手軽にできるようになった。Panic はまたこのアプリが SabreDAV サーバから日付を読み込む方法に修正を加え、ダウンロード同期における Unicode ファイル名の扱いを改善している。(新規購入 $34,無料アップデート、22 MB、リリースノート)

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Skype 5.2 -- 残念ながら基本的なインターフェイスは変わっていないが、Skype が Skype 5.2 をリリースした。このインターネット電話ソフトウェアの最新リリースでは、Skype アプリから他のアプリに切り替えた後もビデオ電話を見続けたりコントロールしたりできる新しい表示が追加された。Skype Premium の購読者は、一対一でなくグループでもスクリーンを共有できるようになった。同社は新型の Mac に内蔵されている HD カメラへの対応も追加し、Logitech の B910 HD カメラにも対応した。今回のリリースには詳細は不明だが多数のバグ修正も含まれている。ただし、既知の問題点で未解決のものもあり、例えばパスワードを変更した際のクラッシュや、遠隔にいる相手方がビデオを送信していない場合にスクリーン共有が開始できない問題、Mac OS X 10.5 Leopard を使っている場合にダイヤル操作がキーボードでできない問題などがまだ残っている。また、Skype 5 には自動アップデート機能があるが、少なくとも私たちの一人のところでは自動アップデートが働かず手動ダウンロードしてインストールしなければならなかった。(無料、20.8 MB、リリースノート)

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ExtraBITS、2011 年 7 月 18 日

  文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週私たちはさまざまの興味深い記事をウェブ上で見つけた。まず、プライバシーに対して「何も隠すことはない」と論じる主張の誤りを暴いた記事がある。また、最新の iOS 機器に関する噂を総まとめにした記事や、Nortel 特許の訴訟で Apple がいかにして Google に勝ったかを伝える記事、Netflix 値上げのニュース、それから Netflix にその決断をさせた理由を分析した David Pogue の記事もある。

プライバシーに対する「何も隠すことはない」論を打ち破る -- 誰かのプライバシーが侵害される可能性のある行為について論じる際に、「何も隠すことはない」という理由で心配ないと議論する人たちが多い。The Chronicle of Higher Education から出された本 "Nothing to Hide: The False Tradeoff Between Privacy and Security" の著者 Daniel J. Solove はこの抜粋記事の中で、プライバシーに関する問題にはさまざまのタイプのものがあるのであって、この「何も隠すことはない」論は主として監視活動や個人情報の暴露などにのみ焦点を当てており、情報集約、政府の強権、二次使用、情報歪曲などの問題を無視していると指摘する。プライバシー、セキュリティ、商取引などを巡る緊張関係に苦しめられている人には必読だ。

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The Next Web、iOS 機器の噂を考察 -- iPhone 5、iPad HD、3G iPod touch 等々、これからどんなものが出て来るか誰にも分からない。でも、いろいろな噂サイトでどんな話題が飛び交っているかを知りたいけれど、最新の噂を求めて毎日あちこち追跡して回るのは嫌だと思う人のために、The Next Web の Matthew Panzarino が興味深い記事をまとめて、今後 Apple がどんなものを出して来るかについてのさまざまな噂を議論した。単なる噂や推測に過ぎないことは忘れてならないけれど、あなたが将来の iOS 機器にどんなことを望むのかを考える際には参考になるかもしれない。

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Apple はいかにして Nortel 特許で Google を負かしたか -- TechCrunch に載ったこの記事は、単純にただ読んで楽しい裏情報記事の一つと言える。その結果を何かの製品の中に見出せるようなことは起こりそうもないが、それでもこれを読めば、現在のテクノロジー世界の中でいかに高額の賭け金がかかっているか、何よりも Apple がいかに重要な役割を担っているかを感じ取ることができる。いや、これは単なる Apple 対 Google の争いではない。Apple は実際 RIM、EMC、Ericsson、Sony、Microsoft などを含む共同体を支援しており、一方 Google は結局 Intel とチームを組むことになった。今どきは、スコアカードをつけていないとプレーヤーが分からなくなることが多い。

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Netflix、DVD とストリーミングのプランを分離し価格を値上げ -- Netflix は、DVD 購読プランとストリーミング購読プランを分離すると発表し、これまで無制限ストリーミングと無制限 DVD (ただし一度に一枚ずつ) が利用できた月額 $9.99 のプランの代わりに、$7.99 の無制限ストリーミングプランと $7.99 の DVD 専用プラン (やはり一度に一枚ずつ) を開始すると発表した。つまり、以前と同じレベルのサービスを得ようと思えば、価格が $9.99 から $15.98 に上がるというわけだ。変更は、既存のメンバーに対しては 2011 年 9 月 1 日以降に適用され、新規のメンバーには即時適用される。どうやらこの値上げは映画製作会社とのライセンス関係コストの増大によるもののようだが、そうだとしても、Netflix は本当のコストがいくらかかっているかについて顧客に対する情報開示がきちんとできていない。Netflix の顧客たちからはこの変更に対する怒りの声が上がっている。なにしろ、ブログ記事には逃げ口上しか書かれていないし、ストリーミング用の映画はまともに選択肢が揃っていないのだから。

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David Pogue、値上げに関して Netflix を取材 -- Netflix が最近 60 パーセントという大幅な値上げをしたことの、真の理由を知りたい? New York Times の David Pogue もそれを知りたかった。はっきりした答は得られなかったけれども、彼は少なくとも Netflix の広報担当と話をすることはできた。担当者によれば、これはストリーミングのための費用が増えたからということとは全く無関係で、ただ単に DVD プラスストリーミングのプランでもっと多くの収入が必要となったからなのだという。

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TidBITS ISSN 1090-7017©Copyright 2011 TidBITS: 再使用はCreative Commons ライセンスによります。

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