TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1087/01-Aug-2011

先週号は Lion に焦点を合わせた特大号だったが、今週はちょっと落ち着いていくつか別の話題を集めてみた。Adam が Mac OS X 10.6.8 追加アップデート(および Mac OS X 10.6.8 Update のバージョン 1.1)について報告する。これは、Apple が 10.6.8 で導入してしまった印刷やオーディオに関係する問題点を修正するためのものだという。それから Adam は BBEdit 10 をじっくりと調べる。パワフルなテキストエディタへの今回の大幅なアップグレードでは、Dropbox 経由でアプリケーションのサポートファイルを共有できる機能を追加し、プロジェクトウィンドウと HTML マークアップのインターフェイスを磨き上げ、EPUB 編集機能を追加、その他多数の新機能がある。また、Jeff Porten が再び The Amazing Meeting からのレポートをお届けする。今回は彼が会場で何人かの人気あるポッドキャスターたちにインタビューした話題が中心だ。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Carbon Copy Cloner 3.4.1、ClamXav 2.2.1、それに Transmit 4.1.7 だ。

記事:

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Apple、10.6.8 の問題点に対処

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

数週間ほど前に、記事“Mac OS X 10.6.8 に印刷とオーディオに関する問題”(2011 年 7 月 1 日) の中で、私は Mac OS X 10.6.8 Snow Leopard にアップグレードした人たちが数々の問題を経験していると書いた。最も目立つ問題は、印刷とオーディオに関するものであった。(10.6.8 で何が変わるはずであったかについての詳細は 2011 年 6 月 24 日の記事“Mac OS X 10.6.8 アップデートが Lion に備える”を参照。)

Apple は今回、これらの問題に対処した多数のアップデートをリリースした。どのアップデートを得るべきかはあなたが走らせている Mac OS X のバージョンによる。既に 10.6.8 にアップグレードした人には、Mac OS X v10.6.8 追加アップデート (10.19 MB) が、ネットワークプリンタでプリントジョブがすぐに一時停止して完了できない問題と、HDMI または光学式オーディオ出力を使用しているときにシステムオーディオが動作を停止する問題を修正するという。それに加えて、このアップデートは Snow Leopard の走る Mac から 10.7 Lion の走る新しい Mac へデータを転送する際の問題も解決しているという。それはつまり、Mac OS X Snow Leopard 用の移行アシスタント・アップデートがここに組み込まれていることを意味しているのだろう。Apple はまた Mac OS X Server v10.6.8 追加アップデートもリリースしたが、これはおそらく上記と同じ問題を修正するとともに、サーバモニタ使用時にサーバ側で起きるパフォーマンスの問題も改善している。

もしもあなたが用心深く 10.6.8 にまだアップデートしていないのならば、Apple は Mac OS X 10.6.8 Update v1.1 をリリースしている。(はっきりとそう書いてある訳ではないが)おそらくこれは Mac OS X 10.6.8 追加アップデートが対処したのと同じ問題に対処していると思われる。だから、これらの問題が実際に対処を施されていて、新たな問題が発生していないと仮定すれば、おそらく今これで 10.6.8 にアップグレードするのが安全策であると思われる。そうは言っても、もしもあなたが従来のバージョンの Snow Leopard を使っていて、特にアップグレードする必要を感じていないのならば、私としてはあと一・二週間待って何も新たな問題が発生しないのを確認することをお勧めしたい。例えば、どの程度広範囲に広がった問題なのかははっきりしないけれども、今でも私は Wi-Fi がドロップアウトしたり Mail でメッセージが送信できなかったりという話を耳にする。それからもちろん、もしもあなたが 10.6.7 に十分満足していて、かつ今すぐ Lion にアップデートする予定がないのならば、10.6.8 にアップデートすべき緊急の必要は何もないと言えるだろう。

いつもと同様、Mac OS X 10.6.8 Update v1.1 は四つのバージョンで出ている。10.6.7 からの差分アップデートと、10.6 のどのバージョンにも使える統合アップデートが、Snow Leopard のデスクトップ版とサーバ版それぞれにある。

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BBEdit 10 が UI、HTML マークアップ、EPUB 編集を改良

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

思うに、初めにまずはちょっと考えを巡らせてみるのも有益ではなかろうか。Apple が Mac OS X 10.7 Lion の目玉機能の多くを、主として現在 Mac ユーザーでないか、あるいは伝統的なデスクトップのメタファーに馴染めないできた人たちを対象として出してきたことを。(2011 年 6 月 9 日の記事“Lion の二つの顔”参照。)だからと言って Lion が長年の Mac ユーザーが歓迎する機能を備えていないという訳ではないけれど、少なくとも我々古顔の面々が主たる対象でないことだけは確かだ。

Apple がどのようなターゲット戦略を持っているかという話を持ち出したのは、Bare Bones Software がそのパワフルなテキストエディタの最新バージョン、BBEdit 10 を作った際の姿勢が、それとまさに対照的だと思えたからだ。私たち TidBITS スタッフはプログラミングコードよりも散文を主に書いているが、それでも BBEdit は何年もの間、私たちのメインの物書きツールとなっている。それは、バージョンコントロールシステム Subversion に対応していること、プレインテキストにスタイル付けする Markdown フォーマットに対応したシンタックスカラーリングを持つこと、grep ベースの検索、その他のお陰だ。

何らかの理由でこれまで BBEdit を購入したことのなかった新規ユーザーを追い求めるよりも、Bare Bones は既存のユーザーたちのために、BBEdit の重要機能の数々をどうすれば改善できるかということを、じっくりと考え抜いた。(新規ユーザーも、以前より値下げされた $49.99 という価格を歓迎するだろう。さらに 2011 年 10 月 19 日までは $39.99 という特別価格だ。) 今回の BBEdit アップデートにはプログラマーたちが歓迎するところも数多くあるけれども、BBEdit 10 の新機能や改善された機能の多くは、コード以外のテキストを書くプロフェッショナルたちに特に関係の深いものとなっている。例えば Markdown フォーマットで書かれた散文、HTML で書かれたウェブページ、EPUB ベースの電子ブック、等々に関するものが多い。では、主要な新機能について見て行こう。

サポートファイルを Dropbox ベースで共有 -- 私が早速大いに気に入った新機能が、アプリケーションサポートファイルを Dropbox によって共有できることだ。BBEdit は ~/Library/Application Support の中に BBEdit フォルダを作って管理し、ここにさまざまの種類の重要なファイルを保存する。例えば text factory、スクリプト、クリッピングなどがすべてここにある。これまでは、複数のマシンの間でそれらを共有するのがかなり面倒だった。最近に作った text factory やクリッピングが MacBook 上ではアクセスできないことに気付いてイライラする、という経験を私は何度もしたことがある。

BBEdit のアプリケーションサポートファイルを共有するには、Dropbox フォルダの中に "Application Support" という名前のフォルダを作成してから、~/Library/Application Support/ から ~/Dropbox/Application Support/ へ BBEdit フォルダを移動(あるいはテストしたいだけならばコピー)すればよい。(この作業は BBEdit が動作中でない時にする。BBEdit が新しい場所を探すのは起動時のみだからだ。)必要なのはそれだけだ。BBEdit は最初に Dropbox フォルダの中でサポートファイルを探し、そこに見つからなければ、その後で従来の場所を探す。

一つ注意すべきことがある。Dropbox フォルダの中の Application Support フォルダは、何も BBEdit 専用ではない。Bare Bones が共有のためにこの方法を採用することを決めたのは、他の Mac 開発者たちで Dropbox を使ってサポートファイルファイルを共有させたいと考える人たち(例えば 1Password や TextExpander のようなタイプのユーティリティ)にも同様に ~/Dropbox/Application Support/ フォルダを使うことを考慮してもらいたいと考えたからだ。さあ、伝言を広めよう!

共有といえば、何かのプロジェクトで誰かと共同作業をしている場合、プロジェクトに対応した一連の BBEdit サポートファイルをその人に送りたいと思うことが時々ある。その目的で Dropbox を使うのは適当でない。なぜなら、共同作業をしている相手はおそらくあなたの BBEdit 環境設定すべてを欲しがってはいないからだ。それに代わる方法として、BBEdit は今回から "package" と呼ばれる新たな概念を提供するようになった。これは、スクリプト、クリッピング、言語モジュール、テキストフィルタ、その他をそれぞれ適切に名前付けられたフォルダ (Contents/ScriptsContents/Clippings,その他) の中に入れて、それらすべてを拡張子 .bbpackage を使った一つのフォルダの中に入れ、Application Support/BBEdit/Packages フォルダ(これはローカルまたは Dropbox のいずれでもよい)の中に入れるようになっている。

その上、これは BBEdit 10 の新機能ではないが私が今回初めて使ったものだが、いくつかのオプションを書類ごとに Emacs 変数ブロックを用いて設定することができる。例えば、私たちは内部的に Markdown フォーマットにはファイル名拡張子 .tb を使っているが、寄稿してくれた人にチェックしてもらうために Markdown フォーマットにした記事を送り返す際に、Markdown のシンタックスカラーリングをその人にも見てもらえるように、私たちは下記のような一行をファイルの冒頭に挿入することができる。これは、BBEdit に対してそのファイルを Markdown として構文解析するようにという指令となる。この機能のためのインターフェイスには、Edit > Insert > Emacs Variable Block を選ぶ。(これらのブロックはファイルの冒頭または末尾に置かれる。)

<!-- -*- mode: markdown; -->

書類へのアクセスをより高速に -- 標準の編集ウィンドウ(従来はデフォルトで右側にドロワが付いて複数の開いたファイルをリストしていた)を BBEdit のプロジェクトウィンドウ(左側にサイドバーがあって複数のファイルをリストする)により近いものとするために、BBEdit 10 ではドロワが廃止されて、その代わりに左側にマルチパネルのサイドバーが付くようになった。

標準の編集ウィンドウでは、サイドバーの二つのパネルは上側が現在開いている書類をリストし、最近アクセスした書類のリストが下側に表示される。プロジェクトウィンドウでは、現在開いている書類と最近の書類の他に、そのプロジェクトにあるファイルを(現在開いているか、最近使ったかに関係なく)リストしたプロジェクトパネルと、プロジェクト特定のスクラッチパッドと Unix ワークシートのために使うパネルとが加わる。(スクラッチパッドというのは、あとで使うかもしれないテキストを何でも置いておく単なる保管場所だ。Unix ワークシートは、Terminal に似た Unix コマンドライン環境を提供する。)

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作業中の書類にさらに素早くアクセスできるように、BBEdit 10 はデフォルトで、前回終了した時点で開いていた書類を自動的に保存しておいて再び開く。これは Lion の再開機能とよく似ている。けれども BBEdit は Lion に依存して書類を自動保存したり再開したりしている訳ではないので、この機能は Snow Leopard でもきちんと動作する。ここで本当にすごいと思うのは、一つかそれ以上の書類にまだ保存されていない変更があっても BBEdit はそのまま終了できて、再び BBEdit を起動すると、それらの書類が前回終了した時点と全く同じ「未保存」の状態で開くということだ。いつでも "untitled text" というウィンドウがたくさん開いている、というタイプの人にとっては、これは素敵な機能と言えるだろう。(ただし警告しておかなければならないが、この機能に依存するあまり保存をやめてしまうのは良くない。私は一度、BBEdit の二つのコピーを同時に走らせていて、それぞれが untitled ファイルを開いていたことがあるが、片方を終了してそれをもう一度起動してみると、それが開いていた untitled ファイルはもはや開かれず、その代わりにもう片方で現在も開いている二つの untitled ファイルが開いてしまった。)

HTML マークアップのインターフェイスとテンプレートによるプレビュー -- BBEdit の利用で特に人気のある分野の一つが HTML オーサリングだ。一日中 HTML をいじり回している人たちのために、BBEdit 10 ではユーザーインターフェイスが完全に書き換えられ、以前よりもはるかに賢いものとなった。素早く BBEdit でタグを挿入するという基本的方法は変わっていない(階層メニューまたはフローティングパレットを使う)けれども、BBEdit 10 では個々のタグのすべての属性を設定できるポップオーバーが表示されるようになり、BBEdit のシンタックスチェッカーの働きで獲得されたスマートのお陰でそこに適切なオプションのみが賢く提示されるようになった。それだけでなく、既存のタグを Control-クリックして Edit Markup を選べばその属性がポップオーバーで編集できるようにもなった。

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BBEdit 10 で HTML オーサリング用に追加されたもう一つの大きな新機能は、BBEdit 内部でプレビューするための HTML および CSS テンプレートを作成したり切り替えたりできる機能だ。テンプレートベースのコンテンツ管理システムが普及したことによる問題点の一つは、HTML で丸ごと一つのページを作ることがめったになくなった点だ。その代わりに、作るのはいくつかの断片で、コンテンツ管理システムがコアとなる HTML テンプレートや CSS ファイルと共にそれらの断片を全部寄せ集めることによってフルページを生成する。従来は、個々の断片を BBEdit でプレビューしてもあまり良い結果が得られなかった。なぜなら、断片そのものの見栄えと、最終的なページの中での見栄えとは決して同じでないからだ。けれども今回からは、HTML や CSS のテンプレートを作って設定しておけば、あなたの断片はすべてプレビューされる前にあらかじめそれらのテンプレートの中に組み込まれる。動的に生成されるサイトではこの機能があっても依然として断片のプレビューに問題が残るが、それでも多くのユーザーにとってこの機能はプレビューにおける問題点を解決するものとなるだろう。

Zip 内編集と EPUB -- BBEdit の次のメジャーな機能は、たいていの人には関心がないかもしれないが、その特殊な必要が起こった場合には重要なものとなる。BBEdit 10 は、Zip アーカイブ内部にあるテキストファイルを _見る_ ことができるのみならず、それらのファイルを _編集する_ こともできるようになった。編集は手動でも、あるいはテキストフィルタやマルチファイル検索などでも、Zip アーカイブの内部でそのままできる。そして、BBEdit は編集結果をまたそのアーカイブの内部へ書き戻すことができる。これは決してあなどれない手品のような技であって、必ずやさまざまの状況で便利に使えることだろう。

けれども、この機能が真の意味で輝きを放つのは、EPUB ファイルに関してだ。EPUB ファイルというのは HTML および CSS ファイルと、他に若干のテキストベースのサポートファイル、それに必要なら画像やマルチメディアのファイルを寄せ集めて、Zip 圧縮したものに他ならない。従来は、EPUB ファイルに対して単にタイプミスを一つ修正したいというだけの場合であっても、まずそのファイルを unzip 展開し、それから変更を施して、正しい MIME タイプにするために適切なコマンドラインの呪文を添えて再び zip 圧縮する、という手間がかかっていた。日常的に EPUB で作業する人たちの多くは、何らかの方法でこの作業を自動化していた。(私たちの場合は Automator ベースのコンテクストメニューコマンドを作って EPUB を unzip して再 zip していた。これはダウンロードできるようにしておいたので、お望みならばどうぞ。)しかしそれでも、EPUB をそのままの状態で、中途のファイルなど扱わず編集できるに越したことはない。そしてそれを、BBEdit 10 が提供してくれる。

単に EPUB ファイルを BBEdit 10 で開けば、ディスクブラウザウィンドウが開くので、そこで正しいファイルを見つけて、普通のファイルと同様に編集すればよい。あなたが変更を保存すれば、BBEdit は Zip 圧縮された EPUB ファイルをアップデートする。ただし重要なことは、BBEdit は EPUB ファイル内の構造の他の部分については何も知らないので、その EPUB が正当でないものとなることを予防することもできないし、たとえそうなっても警告もしてくれない。けれども、BBEdit には非常に優れたスクリプティングのサポートがあるので、必要ならば自分で EPUB 検証用のスクリプトを書くこともできる。

スクリプトとテキストフィルタ、あれれ! -- 最初は混乱を招くかもしれない重要な変更点が一つある。BBEdit 10 では、スクリプトとテキストフィルタとが新たな意味で区別されるようになった。従来は、BBEdit はスクリプトをその _タイプ_ で分類していた。つまり、AppleScript、Unix シェルスクリプト、BBEdit 独自の text factory、その他だ。これはあるレベルにおいては論理的な分類であるけれど、たいていの人々はスクリプトを考える際にスクリプト言語によって区別したりはしない。それよりも、それらのスクリプトが何を _する_ かによって区別するものだ。

そのために、BBEdit 10 はいろいろのタイプのスクリプトを二つの機能的タイプに分類する。スクリプトと、テキストフィルタだ。BBEdit 10 における「スクリプト」とは、ワークフローの一部だ。つまり、複数個のファイルに作用したり、Subversion をアップデートしたり、といったことをする。それに対して「テキストフィルタ」は、最前面にある書類の内容のみを操作する。これら二つのタイプはそれぞれ対応するフォルダを /Application Support/BBEdit の中に持っていて、スクリプトは Scripts メニューから、テキストフィルタは Text > Apply Text Filter から、それぞれアクセスする。

BBEdit 10 は既存の text factory をそれぞれ正しいフォルダに置こうと努めるけれども、その結果は必ずしも完璧に正しいとは限らないので、もしもあなたがテキストフィルタであるはずなのに Scripts フォルダに入ってしまったものを見つけたら、ただそれを移動させればよい。古い Text Factories フォルダも残っているが、将来新たな text factory を保存する際に混乱することのないように、この不要なフォルダは手で捨てておく方が良いだろう。

BBEdit 10 は Automator ワークフローについても、それぞれ何をするものかによってスクリプトまたはテキストフィルタのいずれかとして扱う。

新しい環境設定ウィンドウと Text Colors パネル -- 最後に、BBEdit 10 は非常に広範囲の働きをするこのプログラムの Preferences ウィンドウを完全に新たに作り直した。環境設定をいくつかのグループに分けて、それらを左側にリストしている。項目を一つ選ぶ度に、必要なオプションを収容するために動的にウィンドウをリサイズする。滅多に使われないオプションのいくつかは複雑度を減らすために削除されているが、Terminal で defaults write コマンドを使えば引き続きすべての細かいオプションにアクセスできる。コマンドのフルリストは Help > BBEdit Help > Expert Preferences にある。

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BBEdit 自体の一部として新しく組み込まれたのが Text Colors 環境設定パネル(上図参照)だ。これを使って、さまざまの異なったカラーのセットが作れ、それぞれのセットをさまざまのタイプのファイルに付属させるようにできる。例えば、Markdown ファイルは暗い背景色の上に明るい色の文字を表示し、HTML ファイルでは明るい背景色の上に暗い色の文字を表示する、といったこともできるので、使いようによっては便利かもしれない。私たちが作業するファイルのタイプはますます多岐にわたりつつあるので、どの種類のファイルが開いているかがカラーによって一目で区別できれば役に立つのではないか。

Preferences ウィンドウとは別に、新たに Setup ウィンドウというものもできた。これは BBEdit > Setup で開く。ここで、あなたが繰り返しアクセスする必要があるかもしれない四種類の永続的セッティングを設定できる。BBEdit の FTP/SFTP ブラウザで使うブックマーク、ディスクブラウザ用のフィルタ、Find ウィンドウで使う検索パターン、HTML オーサリング用のサイト、の四種類だ。四つは互いに無関係な気がするが、こういったものを集めて管理するにはこの Setup ウィンドウが良い方法なのだろうとも思う。

価格と入手方法 -- もしもあなたが現在 BBEdit ユーザーならば断然アップグレードすべきだ、と言っておくだけで十分だろう。Bare Bones は、BBEdit のインターフェイスを改善し、歓迎すべき新機能を提供して、見事な結果を出してくれた。現在は BBEdit ユーザーでないけれども、あらゆる種類のテキストを、たとえそれが巨大なサイズのファイルであっても、編集し、操作できるパワフルなツールがないか探しているのなら、BBEdit は十分以上に見てみる価値がある。価格も以前よりぐっと下がったので(下記参照)これまでよりもずっと気軽にお薦めできる。

BBEdit 10 は現在 Bare Bones から入手可能だ。Mac App Store では今のところまだ Apple からの承認が得られていない。Bare Bones からの購入で(そして Mac App Store でも、Apple がこれを承認する気になり次第)BBEdit の定価は $49.99 だが、2011 年 10 月 19 日までの期間限定で、$39.99 の特別価格で販売中だ。従来のバージョンからのアップグレード価格も $39.99 だが、2011 年 1 月 1 日以降に BBEdit 9 を購入した人は無料でアップグレードできる。この無料アップグレードの期間設定は、喜ばしいことに BBEdit が Mac App Store に初登場した時点と同期されているので、直接 Bare Bones から購入した人がアップグレードのために余分に払わなければならないということはない。無料の試用版もある。

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The Amazing Meeting 2011: 懐疑派ポッドキャスト

  文: Jeff Porten <jporten@gmail.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

The Amazing Meeting (TAM) カンファレンスから今日お届けするレポートは、懐疑主義コミュニティーで最も人気のあるポッドキャスト2つの背後にいる人たちそれぞれに私がインタビューしたものが基になっている。(2011 年 7 月 15 日の記事“The Amazing Meeting 2011: JREF って何だ?”参照。)残念ながら、私は TAM の金曜日のセッションに遅刻した上に MacBook のバッテリが死んでいたので、午後のセッションからのレポートであるこの記事は簡潔なものとなる。

午後のセッションの最初は、宇宙開発の未来に関するパネルディスカッションだった。司会は Phil Plait (The Bad Astronomer)、参加したのは Bill Nye (The Science Guy)、Neil deGrasse Tyson (Hayden プラネタリウム所長)、Pamela Gay (Astronomy Cast)、Lawrence Krauss ("The Physics of Star Trek" その他著書多数) という面々だ。議論は大変に興味深いと同時に驚くほど陽気なものとなり、宇宙旅行は有人のものにすべきかロボットによるものにすべきかを巡って、また宇宙開発における純粋科学の役割に関して、熱い論争が繰り広げられた。

それから Neil deGrasse Tyson が壇上に立って基調講演を語った。その話題は、米国にはびこる科学的無知に関する彼の体験を愉快に概観したものから、彼と Richard Dawkins との論争 (YouTube でヒット数 1,400 万を記録した) の一コマ、一千年前にアラブ世界に起こった知性追求主義の衰退、現在米国に同様の衰退が起こりつつあることを示す極めて憂慮すべき統計結果、それから、わが地球上の生活が宇宙の他の部分と同じ元素で出来ておりその相対的分布も宇宙の他の部分と何ら変わらないという 20 世紀に発見された事実から導かれる、宇宙における私たちの位置に関する見事な要約、など多岐にわたった。

一言で言えば、もしもあなたがどこかで彼が一般向けの講演をするという話を聞いて、その会場まで片道4時間以内で行けるのならば、犬を預けて、猫には魚を与えて、子供たちを後部座席に乗せて、行くべきだ。絶対に後悔しないだろう。この午後のセッションは二つとも非常に内容が濃かったので、私は午前のセッションはどんなだったろうかと思い迷いつつ、これからは同じ過ちを繰り返すまいと心に固く誓った。

さて、インタビューの話に移ろう。私が最初にインタビューしたのは Brian Dunning、彼は Skeptoid のホストだ。その次のインタビュー相手は "Rogues"、Skeptic's Guide to the Universe をホストする Steve、Jay、Bob Novella、Evan Bernstein、Rebecca Watson の五人だった。まず Skeptoid は、疑似科学や大衆文化に関する話題を毎回一つずつ選んで論じている。一方 Skeptic's Guide to the Universe の方は、ニュース総まとめ、インタビュー、週替わりのコンテストなどを集めたパネル構成の番組となっている。番組で交わされる気さくな会話は、私が Steve と Evan に彼らが今どのくらいの数のリスナーを持っているのかと尋ねたときの彼らの語り口と共通するものがある。

Steve: 「それは、人数をどうやって数えるかによるね。」[それから彼は、聴衆の人数を数えるための定量的テクニックの数々について軽く論じた。]

Evan: 「僕は単純に多い方の数を採用するよ。」

どうやって数えるにせよ、どちらのポッドキャストも視聴者の数は軽く十万人を超える。Skeptic's Guide to the Universe は現在 iTunes の科学系ポッドキャストのセクションで一位にランクされているし、Skeptoid の方は五位だ。(編注: Skeptic's Guide to the Universe チーム五人のうち三人は Novella 兄弟なので、この記事では彼ら五人ともファーストネームで呼ぶことにした。)

Skeptoid の Brian Dunning は本業がプロの FileMaker 開発者なので、私たちの会話はまずコンピュータのコミュニティーにおける疑似科学についての話から始まり、コンピュータウイルスやマルウェアの危険の認知と、実際のそれらの危険度とを比較した。エンドユーザーが体験することの多くは、セキュリティソフトウェアによって提示されるダイアログやユーザーインターフェイスから来ているので、例えば Internet Explorer がユーザーに対してウェブサイトが情報をクッキーに保存しているという警告を出せば、実際には使っても完璧に無害であるにもかかわらず、その警告によって人々はクッキー全般に対し恐怖を感じるようになる。同じように、Norton のアンチウイルスやメンテナンスソフトウェアのオーナーたちは、そのソフトウェアが自分のためにしてくれているさまざまの事柄について安心させるメッセージを数多く目にしているので、その時そのうちのどれだけのものが必要であるかについてはほとんど分かっていない。

私たちが会った日の少し前に、World Health Organization (世界保健機関) から携帯電話による潜在的発がん性の危険についての発表が出されていたので、私はひょっとして Norton も WHO と同じ意味で故意に人々を怖がらせているのではないかと彼に尋ねた。すると Dunning は私の誤りを正してくれた。がんとの関連を誇張して伝えているのは WHO ではなくて、リスクを誇張して表現する大見出しを並べたマスメディア各社なのだ、と。放射の仕組みについて科学は十分理解を進めており、ハンドヘルドの携帯電話から出る程度の低いレベルの放射によって相当程度以上の脅威があるとはあまり考えられない。

インターネットウイルスのような新しい問題にせよ、私たちの健康に関して古くから言われている問題にせよ、人間の脳というものはありとあらゆる誤った考えに影響を受けやすい。その問題が新しいものならばそこに目新しさという付加価値が加わり、理解の基盤とすべき評価基準が少ないままでまかり通る。

Dunning は、本当の情報を一般の人たちに届けるためにはいつも苦しい戦いが必要となると考えている。障害となるのは利益の動機だ。病気を癒すと称する 魔法の腕輪の販売には、たくさんの現金が絡んでいる。輪ゴムを腕にはめても効果は同じ(効果がないという意味で同じ)だと人々に伝えても、一銭の金にもならない。

さて、Skeptic's Guide の Rogue 連中とのインタビューは、同じ点に対するより肯定的な見方から始まった。インターネットのお陰で、大会社の大量資金を持たない人々でも放送をすることが可能になったので、ただ一生懸命に働いて絶えず努力を注ぎ込むことができるかどうかということだけが、良い情報を提供できるための条件となる。けれども Steve が言うには、インターネットは正しく科学的な情報を広める人々に対して恩恵を不均衡な形で与える。批判的思考の本質は、人々が良い情報を結び合わせ広めることを後押しする。こうして、確固たる情報が検索のトップ 10 にランクされる。そのことは、たとえ検索をしようとしている人が魔法の腕輪を探していたとしても変わらない。

Rebecca もそれに付け加えて、インターネットの文化はギーク文化だと言った。つまり、インターネット上の多くの自己編成のグループの間では、科学的、批判的思考を良しとする先入観が存在しているのだという。Steve も、そのことが非営利グループにとっては有利に働くと指摘した。利益を追求するビジネスならば互いに競争するのが常だが、情報を提供する立場の者たちならば、協力して仕事をすることによってお互いのメッセージを広げ合うことができる。

私たちはまた古いタイプのメディアとインターネットとの比較についても議論した。例えば、予防接種に反対するグループの影の推進力の一つとなっているのが、彼らが Jenny McCarthy のような有名人を使ってメディアの注目を集めることのできる力だが、そのメッセージには科学的根拠が一切無い。(私と違う考えを持っている人たちに対して申し訳ないとは思うが、ためらうことなく私はそれを言うことができる)それでもやはり、良いマーケティング戦略は必要であり、しっかりした情報をきちんとしたスタイルで飾って提供しなければならない。古いタイプのメディアならばオンラインのメディアに比べてはるかに大規模の視聴者を持っているので、批判的思考法を広めたい人はそれぞれの問題点に関して十分に知識を持った専門家となり、ニュースのプロデューサーたちに対して自分自身を情報源として売り込めるようになれることが鍵となる。そうなれば、多くの記者たちが記事をできるだけ早くひねり出すために専門家の方を向くことになるけれども、そのためには彼らがどの専門家を呼び出せばよいのかを知っている必要がある。

私は Dunning にも、また Rogue たちにも、成功するポッドキャストを生み出すための核心について尋ねた。彼らはいずれも、鍵となるテクニックとして同じことを答えてくれた。それは、決まったスケジュールに従って次々と新しいエピソードを出すことこそが、厚い視聴者層を築き上げプロフェッショナルなイメージを作り出すための鍵となる、ということだ。そして、Jay が Steve を形容して言ったように「身を粉にして働く」ことだ。私の印象では、それは今日私がインタビューした人たちすべてに当てはまることだと思う。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2011 年 8 月 1 日

  文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Carbon Copy Cloner 3.4.1 -- Bombich Software は Carbon Copy Cloner 3.4.1 をリリースした。これは同社の人気のドネーションウェアであるディスククローニングとバックアップユーティリティに対する大幅なアップデートである。Version 3.4.1 - 3.4 アップデートに対する手早い修正 - には、数多くの改良が含まれ、その中には、非 HFS+ ネットワークボリュームへ、そしてそこからバックアップする、フォルダからフォルダへのバックアップを実行する、そして起動ディスクに直接データを復元する能力が含まれている。Carbon Copy Cloner 3.4. 1 は更に Mac OS X 10.7 Lion の全ディスク暗号化ともコンパチであり、特定の構成やエラーに対する助言のための "Cloning Coach" を導入し、メールと Growl 通知を追加、ディスク動作の統計を報告、そしてスペースを節約するためアーカイブされたファイルを自動的に刈り込みをする。他の注目すべき改良には、ローカル、ネットワーク、そして暗号化ボリュームを自動マウントする能力、更にスケジュールされたタスクの終了時に Mac をスリープさせる、再起動する、或いは終了するオプションが含まれる。このアップデートはバグ修正、セキュリティ強化、そして性能改善で締めくくられている。(無料アップデート、5.6 MB, リリースノート)

Carbon Copy Cloner 3.4.1 へのコメントリンク:

ClamXav 2.2.1 -- Mark Allan は ClamXav 2.2.1 をリリースした。これは彼の無料ウィルスチェックソフトウェアに対するマイナーアップデートである。このリリースでの最も重要な変更は、Mac OS X 10.4 Tiger ユーザーに影響を与えている幾つかのスケジューリングバグの修正である。Allan によれば、これはまた Tiger ユーザーに対する最後のアップデートとなるので、自動アップデートはオフに設定するよう進言しているが、その場合でも新しいウィルス定義は引き続き受け取られる。 ClamXav 2.2.1 - Mac App Store から入手出来るバージョンではないが - は今やその Sentry 背景ウィルスチェッカはユーザーがその設定パネルで働くよう指示すれば直ちに起動する。(Allan の Web サイト或いは Mac App Store から無料、13 MB)

ClamXav 2.2.1 へのコメントリンク:

Transmit 4.1.7 -- 以前のバージョンは出たばかりだが、Panic の Transmit 4.1.7 が出た。これはファイル転送ソフトウェアに対するマイナーアップデートだが、もし Transmit Disks を使っているならば入手しておく価値がある、と言うのも、これは Transmit Disk ボリュームがマウントされないという問題を直しているからである。他に修正されたのは Lion に関連した問題で、行番号がエディタに現れないというものである。最後に、Panic は Transmit の Favorites サイドバーアイコンを Lion により似合うようにモノクロにした。(新品 $34, 無料アップデート、22 MB, リリースノート)

Transmit 4.1.7 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2011 年 8 月 1 日

  文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週は紹介したい記事があと四つほどある。AT&T が無制限プランでデータを大量に使うユーザーに対しデータのスループットを制限しようとしているというニュースと、Mac App Store で Lion に対する料金を重複して請求されているユーザーがいる問題があり、FDA が医療関係のアプリに対する規制について一般の意見を募集中で、「データ熱源」を住宅の暖房に利用しようという興味深い提言もある。

AT&T、無制限プランの大量データユーザーにスループットを制限 -- バンド幅というものはますます安く、ますます利用可能になりつつあるかもしれないが、最近 AT&T から出た発表を見ればそんなことはちっとも見て取れない。発表によれば同社は 2011 年 10 月 1 日以降、無制限プランのユーザーのうちデータ使用量の多い 5 パーセントのユーザーに対してスループットレートの制限を開始するという。そのようなユーザーたちが「尋常でない」データ量を使用している、と AT&T は言う。AT&T は、この制限は段階的データプランを持つ 1,500 万人のスマートフォン顧客や、無制限データプランを持つ顧客のうち残りの 95 パーセントには適用されない、とわざわざ言い添えた。

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Lion に対する Mac App Store 重複課金に注意 -- たった一日のうちに百万個の Lion を配布した Mac App Store だから、何らかの誤作動があったとしても驚かないが、あなたもダウンロードの際には注意を払っておく方がよいだろう。割合で言えば非常に少数であるに違いないけれども、何人かの人たちが、Lion に対し重複して課金されるのを経験している。発生した問題の大多数は支払いの処理に PayPal を利用したことに関係しているらしい。トラブルなく払い戻しを受けられた人たちもいるが、苦情をたらい回しにされた人たちもいる。別に特別のことをする必要はない。注文した後には、十分注意を払って、重複課金をされていないことを確認し、問題があればきちんとすべての書類を Apple と、PayPal と、あなたの銀行の、顧客サービス担当者に伝えよう。

コメントリンク:12380

FDA、医療関係アプリ規制について一般に意見募集中 -- U.S. Food and Drug Administration (FDA, 米国食品医薬品局) が、モバイル医療関係アプリが患者に危険を及ぼすことのないようにするため新たに提案されている指針について、一般から意見を募集している。けれども提案されているものは極めて限定的だ。対象となるのは、FDA の認可した医療機器で用いられるアプリ、またはモバイル機器を何らかの意味で FDA の規制にかかるようなものに転化させるアプリに限られる。それでも、もしもあなたがこの分野に関心があるなら、今こそあなたの意見を登録できるチャンスだ。

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あなたの家をホスティングサーバで暖房しよう (PDF) -- データとコンピューティングパワーとはますますクラウドへと移行しつつあるが、今回 Microsoft Research と Virginia 大学の研究者たちが共同で発表した論文は、クラウドサービスをホストするサーバを住宅地域に設置するよう提言する。サーバから発生する熱を、冬期に家庭の暖房のために利用しようというのだ。興味深いのはその研究者たちによる試算で、この「データ熱源」という概念を用いることによりサーバ一基あたり毎年 $300 にものぼる暖房料金が節約できるという。この数字が現実的に実現可能なものかどうかはさておき、私の仕事部屋にあるたった一台の Mac Pro と二つの 24-インチモニタのお陰で、私が冬の間かなり快適に過ごせていることだけは自信を持って証言することができる。

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TidBITS ISSN 1090-7017©Copyright 2011 TidBITS: 再使用はCreative Commons ライセンスによります。

Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2011年 8月 5日 金曜日, S. HOSOKAWA