今週の大ニュースは、Amazon が新しいタブレット機 Kindle Fire を発表したことだ。Glenn Fleishman が、これこそ Apple 以外の会社から出た初めての存続可能なタブレット機だと論ずる。だが、これは iPad のライバルとなるだろうか? 今週号ではまた Adam が印象的な写真グループ共有サイト ZangZing をレビューし、Tonya が中学生の母親としての毎日を Fujitsu ScanSnap が簡素化してくれていると語る。それから TidBITS の最新スポンサーとして Mac および iOS アプリの開発者 Global Delight を歓迎する。そしてもう一つ、バックアップに関する解説書の決定版、Joe Kissell の "Take Control of Backing Up Your Mac" が出版された。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Adobe Photoshop Lightroom 3.5 と Camera Raw 6.5、Firefox 7.0、PopChar X 5.3、それに Teleport 1.1 だ。
記事:
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文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
私たちの出した電子ブックすべての中でトップのベストセラーが Joe Kissell の "Take Control of Mac OS X Backups" であったという事実は多くを語っていると思う。単純に、私たちと同じように、仕事や、重要なコミュニケーション、また個人的な写真やビデオなど代わりの利かないデータなどのために Mac に依存して使っている人なら誰にとっても、バックアップより重要な話題など何もない。百以上もあるさまざまの種類のバックアッププログラムがあなたの注目を得ようと競っている。Apple の Time Machine から、最もシンプルな同期プログラムまでさまざまだ。それからまた、オンラインバックアップサービスもあって、こちらもそれぞれ他より良いところがあると競い合っている。そうしたさまざまのものたちを通して、この分野を系統的に研究し尽くしたのは Joe をおいて他になく、彼が実体験から得た経験こそが彼の本に対する人気の根源にある。
さて、Mac OS X 10.7 Lion もリリースされ、ここ一年間にバックアップの世界では数多くの変化が起こったので、Joe は "Take Control of Mac OS X Backups" と、その弟分にあたる本 "Take Control of Easy Mac Backups" とに書きつづった細かい点をすべてアップデートし、さまざまの助言に磨きをかけた。そうして彼はこれら二冊の本の内容を、ほとんどすべての Mac ユーザーの要求に応えられるような形で忠告を集大成した新しい一冊の本にまとめあげた。こうして出来上がったのが、210 ページから成る "Take Control of Backing Up Your Mac," で、現在 $15 で販売中だ。
"Take Control of Backing Up Your Mac" の中で何が提供されるかを、Joe は次のようにまとめている:「Mac のバックアップについての現代的なアプローチを示し、さまざまな基礎的内容はカバーするけれども本筋から外れた詳細であなたを圧倒することはしたくない。」この本は注意深くデザインされていて、あなたにとって重要である部分だけを拾い読みしてもよいようになってはいるけれども、この電子ブックを全部読み通せば、信頼できるバックアップシステムをデザインし、バックアップ関係の用語を理解し、ハードウェアを買い求め、バックアップソフトウェアを選び、Time Machine を管理し (かつまた Time Machine が良い選択肢であるかどうか判断するとともにそうでなければどうすべきかも決め)、バックアップを実行し、何か特殊なバックアップの必要が起こればそれにも対処し、そして最も重要なこととして、クラッシュやその他の惨事が起こった際には失われたデータを復旧する、そうしたすべてのことを成し遂げるにはどうすればよいかが分かるだろう。
"Take Control of Backing Up Your Mac" を読めば次のようなことが学べる:
うまく行くバックアップ戦術の三つの主要コンポーネントを理解する。
既存のバックアップ関係を、習慣の変化あるいは新たに利用できるようになったオプションを踏まえて再評価する。
Time Machine と同様に「バージョン化」されたバックアッププログラムを選び、もしも Time Machine があなたの必要を満たさなかった場合にはどうすべきか決断する。
バックアップ用のハードドライブ(一台または複数台)を探して買い物し、使えるように準備する。
バックアップソフトウェアをセットアップしてバックアップが信頼性をもってスムーズに働けるようにする。
さまざまな方法でオフサイトのバックアップを作る。オンラインサービスへのバックアップもこれに含まれる。
膨大な量の写真など、特殊なバックアップの必要がある状況を処理する。また、自宅にある複数台の Mac をバックアップする。
惨事が起こった後にバックアップされたデータを復旧する。
長年のうちに私たちは皆あまりにも何度も経験から学ばされたように、Mac が正常に動かなくなるのは非常に不便なことだけれど、動かなくなって、かつ代わりの利かないデータも一緒に消えてしまえば、それは心に痛みの突き刺さる大惨事だ。"Take Control of Backing Up Your Mac" に網羅された、深く考え抜かれ、時間をかけて実地にテストされた Joe の導きの手があれば、きっとあなたも災難を避けることができ、そのために財政破綻したり時間を空費したりすることもないだろう。それから、バックアップについて、またこの本についてもっと詳しい話が聞きたければ、 MacVoices で Joe が Chuck Joiner にインタビューを受けているのでどうぞ!
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文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: 柳下 知昭 <tyagishi@gmail.com>
私たちの最新の TidBITS スポンサーとなった Global Delight 社を心から歓迎したい、同社はここ数年アップルの世界で有名になったインドの会社である。彼らの最初のプログラムは、 Voila, というスクリーンショットのユーティリティであり、それはシンプルなプログラムから始まって、スクリーンの静止画やビデオをキャプチャ、それらの管理、註釈付けや編集、様々な方法での共有までできるようなフル装備のパッケージへと発展している。
つい最近、Global Delight 社は、Boom をリリースした、それは、Mac を通して再生される音のボリュームを増大させるシンプルなものである。最初のうちは、使う必要がないように見えたが、私は、Boom が必要不可決なものであることを、つい最近、13 インチ MacBook に配信された Netflix 映画の音声トラックを聞こうと耳をそばだてていいる時に、気付いた - いくつかの Nexflix で配信される映画は、Boom やこの状況では利用できない電源供給されたスピーカーなしには、十分な音量にならない。私は、同様の音量問題を voice-over-IP プログラムでも経験した。(Mac App Store では、Voila は、$29.99 であり、Boom は、$8.99 である。)
iOS に関するところでは、Global Delight は、Camera Plus Pro で有名である、それは、最近の iPhone や iPod Touch で写真やビデオ録画に関する様々な待ち望まれていた機能を提供してくれる。写真やビデオを撮る際にライブフィルタを適用したりすることや、写真の編集やリタッチ、いくつものウェブサービスを経由した写真の共有、写真やビデオを非公開にしたり、バーストモードで最大 40 枚の写真を撮ったり、ぼやけを減少させるための手ぶれ防止オプションの使用など、他にもたくさんのことが可能となる。
Global Delight 社は、Photo Delight というカラー化する App も開発している。( App Store 上では、Camera Plus Pro が、2011 年 10 月 6 日までセールとして$0.99 で販売されていて、 Photo Delight は、$1.99 である。)
Global Delight 社の TidBITS とアップルコミュニティーへのサポートを感謝したい!
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文: Glenn Fleishman <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
Amazon は、中途半端な形では参入しない。同社の発表には、Apple の iPad と競合(「抹殺」ではない)するよう作られたタブレット機だけでなく、あと二つの新型 Kindle 機が三つの機種で出されることの詳細情報も加えられた。けれどももちろん、最大の注目を集めたのは Kindle Fire であった。これは 7 インチ、フルカラーのタッチスクリーンモデルで、Wi-Fi を装備し、小売価格は $199、出荷予定は 2011 年 11 月 15 日だ。グレイスケールのタッチスクリーンを備えた Kindle Touch は、その一週間後に出荷される。一方、入門レベルの Kindle は現在既に入手可能だ。
予想の通り、この Kindle Fire は直接 iPad の競争相手になるわけではない。むしろ代替製品というか、ひょっとすると補完する製品と言えるかもしれない。小さめのスクリーンと、Amazon が読むこと、観ること、聴くこと、ゲームすることに重点を置いている点に着目すれば、この石板がメディアを消費するための機器として競争するよう作られていることが明らかとなる。また、カメラやマイク、Bluetooth ネットワーキングといったものもない。Fire を使って人がどのように独創的になれるのかは、多くの人々がこれに手を触れるようになって初めて分かってくるだろう。
そうそう、これは Flash も走る。
点火する -- この Kindle Fire は 7 インチ、フルカラーのタブレットで、他のタブレット機と同様に静電容量方式のタッチスクリーンと、視野角の広い IPS (in-plane switching) 方式の液晶ディスプレイ (LCD) を装備する。重さは 15 オンス以下 (400g あまり) で、Amazon のクラウドサービスを利用してメディアのダウンロードやストリームをする。今回の初めてのバージョンでは Wi-Fi のみを搭載するとともに、ストレージ容量も 8 GB に固定されている。小売価格は $199 だ。(Amazon のみで販売されるので、これが唯一の価格となる。)Amazon によれば Fire は読書ならば連続 8 時間、ビデオ再生ならば 7.5 時間のバッテリ容量が(Wi-Fi をオフにした状態で)あるという。この最初のバージョンは米国の顧客にのみ販売される。
Kindle Fire に欠けているものについても注意しておかなければならない。カメラは付いていない。ヘッドフォンジャックと内蔵スピーカーはあるが、マイクはない。それに、外付けのオーディオ機器やキーボードと使う Bluetooth もない。ただし micro-USB ポートは装備されるが、これがコンピュータとの接続(ドライブとしてマウントするため)および充電以外の目的で使えるのかどうかはこの機器がリリースされるまで分からない。
Kindle Fire が Google の Android オペレーティングシステムを走らせるというのは Amazon が既に確認した事実であるけれども、この機器にも、またそのインターフェイスにも Google や Android というブランド名は全く登場しない。Amazon ならばフルに分岐したオペレーティングシステムを選ぶだろう、つまり特別バージョンの Android を基に独自の道を進むのではないかと私は思っていたが、どうやら今回での変更はユーザーが機器とやり取りするトップレベルの部分のみに限られているようだ。(Amazon がどのような道を進むと思うかについての私の見解が Economist の記事 "Forking Android" に載っている。)
Android に関するこのアプローチは、Amazon が Google と一定の距離を保つことを可能にする。その一方で、既存のすべての Android 開発者たちと共に働くことも可能になる。Kindle Fire の売れ行きが良かったと仮定(十分そう期待してよいと思われるが)すれば、開発者たちとしても自分たちのすべてのアプリが Fire でもきちんと働くようにしたいと思う動機が生じ、ひょっとするとそれが他の Android 機種に悪影響を及ばすかもしれない。
Amazon は「エコシステムとしての Android」に巻き込まれようとはしていないので、この Kindle Fire に Android Marketplace がアプリとして組み込まれることはない。Amazon は独自の Android アプリストアを既に持っているのだから。けれども、多くの Android 機種ではサイドローディングが許されている。つまり、どこか別の場所でアプリを購入してから、若干の手順をかけてそのアプリを機器にロードしてからそこで走らせることができる。Amazon は、より大きな市場に入れるようにしておくためにも、またクローズドな Apple のアプリインストール処理と対照させればまさしくオープンである Android の重要な特性、オープン性を強調できるためにも、サイドローディングが手軽にできるような工夫をするかもしれない。ただ、 New York Times の記事によれば、Amazon は「Amazon によって承認され Amazon Android Store で配布される Android アプリ」のみを許すのだという。サイドローディングをさせないようにしている Android 機メーカーやキャリアもある。
Apple は過去に 7 インチスクリーンでは有益性の点で社内の資格テストを通らなかったと述べたことがある。ただ、これは 10 インチスクリーンの十分な供給を既に確保済みの会社としての、またプログラミング用フレームワークの開発をほんの数種類のサイズのデバイスだけ、つまり初代 iPhone/iPod touch の寸法、iPad のサイズや解像度、それから iPhone と iPod touch に対する四倍密度の Retina Display へのアップグレードのみに抑えておきたかったことによる、都合の良い口実に過ぎないのかもしれない。
それとは対照的に、Amazon は既に数年間も主として 6 インチスクリーンの機器を販売し続けてきており、それだけのスペースの中で何ができるかについて良いフィードバックも得ているようだ。Amazon はまた初期に Android やその他のタブレット機の競合相手たちが陥った過ちを観察することによって、問題点の多くを回避することもできただろう。
注目すべきことがある。少なくともリリースされた画像から判断できるところでは、iOS にあるような、いわゆる「跳躍台」スタイルのホームスクリーンのインターフェイスが Kindle Fire には見当たらない。Android を含む他のモバイルプラットフォームの大多数にも、似たようなインターフェイスはある。アプリのアイコンを整列させて見せるのでなく、Amazon は Fire をメディアとタスクに集中させた。ホームページには、この機器で利用できるすべてが Cover Flow 流にプレゼンテーションされる。一番上にあるメニューバーから、メディアのタイプ、書類の表示、アプリのリスト、ウェブのブラウズなどの操作を選ぶことができる。
Kindle Fire で、Amazon は物理的接続を避けて同社のクラウドサービスを前面に出した。Fire にはコンピュータのコンポーネントがない。その点は製品ページの技術仕様部分にも面白おかしく触れられている。いわく、「システム要求: なし。なぜならこれはワイヤレスであってコンピュータを必要としないから。」すべてのメディアは、Wi-Fi 経由で Amazon のクラウドからダウンロードされる。項目を自由に削除したり復旧させたりでき、ダウンロードもストリームプログラミングもできる。(Amazon は通常、本については同時に最大 6 台までの Kindle 機器にしか置くことを許していない 。)
内蔵のストレージ容量は 8 GB で、メモリ拡張スロットもなく、Wi-Fi のみのワイヤレス接続なので、Wi-Fi ネットワークに接続できない時のために Kindle Fire に何を入れておくかよく計画を立てる必要がある。Amazon によれば Fire には 10 個の映画、80 個のアプリ、音楽 800 曲、本 6,000 冊が入るという。そうすると二時間の映画が 700 MB ほどに収まる必要があるが、それはつまり 7 インチスクリーンとその解像度に合わせて最適化された圧縮が施されることを前提としているのだろう。
Kindle Fire には Amazon Prime の 30 日間無料試用が付いている。これは数年前に導入されたサービスで、Amazon がストックしているものすべてについて送料無料の 2 日間配達で発送してもらえる。通常このサービスは年額 $79 かかる。けれども現在 Amazon Prime サービスには Amazon の非常に大きなビデオカタログから 11,000 以上の映画やテレビ番組を無料でストリームできるサービスも含まれるようになった。Fire 購入者の多くは既に Amazon Prime 顧客なのではないかとは思うが、そうでない人の多くにもビデオや送料に関する特典が魅力あるものとなるかもしれない。(妻と私は Amazon Prime サービスを猛烈に利用している。送料が無料になれば、練り歯磨きとかそういったものでさえ近所のドラッグストアや Costco で買うより Amazon の方が安いからだ。Amazon の本社は私たちの住むワシントン州にあるので、私たちは売上税を支払っている。)
思うに、Amazon が Kindle Fire の 3G 機種を省略したのは、Fire をできるだけ早く市場に出してホリデーシーズンに間に合わせたかったからなのだろう。また、キャリア各社との間に複雑な 3G サービスプランの契約を結ぶために時間がかかることもあったのだろう。3G 対応の Kindle 機器はすべてデータ通信料金を購入価格に込めているが、Fire は多目的のタブレット機であって、クラウドベースの同期もウェブブラウジングもするので、Fire の 3G モデルは必ずキャリア各社のサービスプランの下で使わざるを得ない。
絹のごとくスムーズ -- Amazon はまた、ブラウジングにおける時間の節約(従ってバンド幅の節約)も主張している。内蔵のブラウザが直接いろいろなウェブサイトに接続する代わりに、Amazon は Kindle Fire に Silk を登場させた。Silk は最適化の施された一種のウェブプロキシであって、部分的には Opera Software の Opera Turbo と似たところがある。Turbo の場合は画像を圧縮してブラウザへの不要なデータ流入を減らすことに焦点が置かれているが、Silk はそれよりずっと多くのことをする。
最も単純化して説明すれば、Silk は Amazon の Elastic Compute Cloud (EC2) を利用する。EC2 は同社のハイ・パフォーマンスの仮想マシンシステムで、リクエストされたウェブページをこれが取り込み、再パッケージして、遥かに効率的な Kindle Fire への配送を実現する。EC2 プロキシがページ全体を最適化された単一のストリームとして Fire のブラウザに向けて発射し、どうやらそのプロキシはブラウザと EC2 との間の接続を常時開いたままにしておけるらしい。Silk はまた、次にどのページをあなたがクリックするかについて、他の Fire ユーザーたちの挙動をもとに予測してロードするといったことまでするらしい。
これとは対照的に、通常のウェブブラウザはページがリクエストされる度に遠隔ウェブサーバへの接続を開き、HTML ページの大部分または全部を取り込み終えてからでなければ JavaScript ファイル、画像、その他の埋め込みコンテンツの取り込みを始めない。接続は一つのリクエストのみ継続されることもあれば、複数のファイルにわたって続くこともある。Amazon は、顧客が行なうブラウジングの挙動すべてを同社が把握することに対するプライバシーの懸念の声に対して、Silk ブラウザを通常のブラウザと同じように挙動して EC2 を全く使わず動作するように設定することもできると述べている。
Amazon の Silk 求人情報 によれば (Shawn Medero に感謝!) Silk プログラマーたちが Google の SPDY を使っていることが見て取れる。SPDY はオープンソースのメソッドで、ウェブ接続を桁違いに効率的にするためのものだ。また彼らは WebKit も使っている。これは Safari でも Android のブラウザでも基礎として使われているブラウザのレンダリングエンジンで、その開発には Apple が非常に大きく寄与している。(思うに、Silk (絹糸の意味) は「ウェブ」(蜘蛛の巣の意味) と、また Google の SPDY とに掛けた冗談なのかもしれない。SPDY を声に出して言えば "Spidey" (蜘蛛みたいな) と聞こえるから。これでどうだ、webslinger たち!)[訳者注: 最後の単語は「蜘蛛の巣を投げる人」つまりスパイダーマンのこと。]
他の Kindle たち -- 突如として Kindle Fire の小さな弟分になってしまったものたちのことも忘れないようにしよう。Amazon は、旧モデル二つをそのまま保ちつつ、Kindle リーダーの新しいモデル二つも追加した。新機種は二つともキーボードがなく、そのため以前より小さく、軽くなっている。価格も安くなった。DX と Fire を除く他のすべての Kindle は 6 インチの E-Ink グレイスケールスクリーンを使う。
基本モデルの Kindle の価格は $79 となり、これは Wi-Fi のみだ。キーボードもタッチスクリーンもないので、前面にあるいくつかのボタンのみでナビゲートできる。重さは 6 オンス (170g) よりほんの少し軽く、従来最も小さかった Kindle のおよそ 80 パーセントほどのサイズだ。これには 2 GB のストレージが付く。これ以外の他のすべての Kindle リーダーモデルでは 4 GB だ。
新モデルの Kindle Touch は赤外線方式のタッチスクリーンを備えており、小売価格は Wi-Fi 専用モデルで $99 だ。これも同程度に小さく、重さは 8 オンス (225g) 以下だ。Wi-Fi+3G の Kindle Touch は 100 カ国で動作し、価格は $149 となる。タッチスクリーンで読書する際に最も苛立たしい問題は、次のページへ行く領域をうまく押せないことだが、これに対して Touch は一つの解答を与えている。タッチスクリーンがあるので、修正方法はごく単純だ。つまり、Amazon は、本のページの大部分の領域を次のページへ行くタップの領域としたのだ。これで、右手でも左手でも読書がしやすくなる。
Kindle Touch 専用の機能が一つある。 X-Ray と呼ばれるその機能は、いわばその本の骨組みを手軽に使えるグラフィカルなメタデータとして組み込んだようなものだ。Wikipedia と (Amazon 所有の) Shelfariとを利用するこの機能で、本の中で参照されているアイデア、人物、場所、その他の情報が、タップするだけで見られるようになる。これは非常に興味をそそるアイデアで、登場人物が何百ページも経ってから突然再登場したりするロシアの長い小説を読む際などに大いに活用できるだろう。そうそう、"Pride and Prejudice" を読んでいて Bennett 姉妹のどっちがどっちだったか思い出せなくなるのは私だけだろうか?
従来基本モデルであった Kindle は Kindle Keyboard という名称に変更され、Wi-Fi 専用版 ($99) と Wi-Fi+3G 版 ($139) がある。 Kindle DX も引き続き販売され、従来通り 9.7 インチ E-Ink スクリーンと内蔵 3G を装備している。(Wi-Fi はない。)
ここで、価格について少し触れておこう。Amazon はこれらの Kindle 各モデルを上記のような価格で宣伝しているが、そこにはちょっと仕掛けがある。これらの価格はすべて、Special Offers 版の値引き価格であって、これらの版では広告やスポンサーからのお知らせが表示される。わずらわしいように聞こえるかもしれないが、読書の最中に広告で邪魔されることはない。広告は、Kindle がスリープモードにあるときにのみ表示される。つまり、E-Ink ディスプレイが(バッテリを使用しない)静止画像を表示した状態だ。
Amazon の Special Offers は広告を付けることによって Kindle に大幅な値引きをしている。Kindle で $30、Kindle Touch と Wi-Fi 版 Kindle Keyboard で $40、3G 対応版 Kindle Keyboard で $50 の値引き幅だ。以前 TidBITS スタッフであり現在は Macworld の編集者である Lex Friedman は Twitter で、広告版もそれほど悪くないと言っている。「でも、広告といっても本当に、本当に最小限だ。全体として価格だけの価値はある。読書中に妨げられることは決してない。」
そういうわけだが、$79 の Kindle ならばクリスマスに靴下の中に入れるのに手の届く値段になっているかもしれないし、学生や、親しい友人にも素敵なギフトになるだろう。Amazon CEO の Jeff Bezos はこれが何百万台も売れるだろうとおおっぴらに述べたが、そういうことは普通上場企業の CEO ならばその予測に絶対の自信がなければしっかり口を閉じて言わないものだ。もっとずっと高い価格で何百万台も売れたものもあるのだから、たぶん彼の予測は正しいのだろうと思う。
我こそナンバー2 -- Kindle Fire は、モバイル機器の全体情勢の中で新たな、以前にはなかった隙間分野を占めることになる。フォームファクターの違いと、オーディオやビデオがない点があるので、iPad を抹殺することはできない。けれども、これがたちまちタブレット機器のベストセラーのナンバ−2の位置に躍り上がることは十分予想できるし、iPad の価格とサイズを見て購入をためらっていた人たちを惹き付けるのは間違いないだろう。また、スマートフォンと Kindle Fire と iPad とを取り揃えて、それぞれ少しずつ異なった目的、旅行、場合に応じて使い分けるという人が多くなることも考えられる。メディア記録ができないことと、低価格のお陰で、子供たちが不適切なオーディオやビデオを共有するのが心配な親たちにとって、Fire の方が iPod touch の方が相応しい選択肢となるかもしれない。
私がそこまで Amazon の成功に自信を持てて、その一方で Samsung Galaxy S、Motorola Xoom (4G の登場は約束よりも数ヵ月遅れだ)、HP TouchPad (これはもう死んだ)、RIM BlackBerry PlayBook (これも死につつある) といったものに以前から冷笑的な態度でいる理由は、そういったものたちがすべて、ビデオを視聴することについては表面上素晴らしいかもしれないけれど、いずれもその背後にメディアのエコシステムというものが欠如していたからだ。映画やテレビ番組が観たくなったら、どうやってそれを購入したりロードしたりするのか? それに対する返事はいつもしばらくの沈黙、それからカチカチという音がして、オロオロとした口調で Netflix とか、将来はパートナーシップを結びたいとか、そんな言葉が返ってくるだけだった。でも Amazon はどうか? Amazon にはアプリがあり、本も、テレビ番組も、映画も、ちゃんと既に揃っているのだから。
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文: Tonya Engst <[email protected]>
訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>
私が Fujitsu ScanSnap S1300 を買ったのは、家の中に積み上がる紙の量を減らすためと、もう一つ、私が机に向かっていない時でももっと色々な書類にアクセス出来る様にしたいからであった。例えば、Staples(文房具チェーン店)で私の中一の息子のための学校で必要な文房具のリストをチェックしている時、PTA の会議で書記をしている時、或いは家を離れての旅先で仕事をする時などである。
この ScanSnap は病み付きになる、しかも私はまだそれの使い方をまだ殆どマスターしていない。その素晴らしさはこの様になる:息子が学校の始業日に大量の書式や配付物を持ち帰ってくる。私はスキャナーを開いてそれらを放り込み、Dock の ScanSnap アイコンからオプションを選択する、そしてスキャナー上の大きな青のボタンを押す。間もなく (もし OCR を選択した場合は数分で) この全体の紙の山はスクリーン上に現れる、しかも両面の書式やカバンの中で多少しわくちゃになってしまったページもである。
(OCR は "optical character recognition (光学式文字認識)" の略であるが、ここで私がわざわざ説明するのは、最近の PTA の会議でも聡明な方の一人がこの言葉を知らなかったことが分かり、これは私の思っている程に一般的ではないと思ったからである。何かを OCR にかけると、スキャンされた画像は実際のテキストに変換され、編集、コピペ、或いは検索したりが可能になる。)何度も何度も記入しなければならない様な書式に対しては、変更のない項目はあらかじめ記入しておきそして必要に応じて印刷する様にしている。例を挙げると、毎年数回は提出する医療許可の書式、それに私の息子の写真を Web に載せることへの許可を求める学校区からのものもしょっちゅうある。ええ、それは構わないけれども、もう一度言ってきたら今度は色々な理由からノーと言うかもよ!
(正直言って、私はこれらの書式をメールで提出しても良いかと尋ねる勇気を未だ奮い立たせられていない。我々の学校区は "生徒を 21世紀に向けて準備させる" ことに熱心である、つまり "彼らが実世界の IT 技術を身に着けて卒業できるよう手を差し伸べる" ことへの標語でもあるので、我々はもうすでに 21世紀に入って何年もたっているわけで、我々大人はここでその模範を示しても良いのではと私は思う。)
それから私は個々のファイルに Tagit を使って幾つかのタグを付け、これは Ironic Software からの無料のユーティリティで後で探すのをより簡単にしてくれる、そしてこれらのファイルを夫が後でどのコンピュータからでも、或いは彼の iPhone や iPad からでもアクセス出来る様に共有の Dropbox フォルダに入れる。もしその書類が息子も見たいと思うかもしれない様なものの時は、コピーを彼の Dropbox フォルダにも入れておく。実際の紙の書類の方は、リサイクルの箱に行ってしまうものもあるが、残りは息子に返し、それらはきっと丸められてこの学年の間彼のカバンの中に収まったままになるのであろう。
(今年新しくなったことは、息子も学校での携帯デジタル機器の使用を許される様になったことであるが、例えば音楽の授業の時に彼の iPod touch から好みの曲を共有するという様な特定の認可済みの教育目的のために限られている。もし彼がある程度の書類を彼の iPod touch に入れて持ち歩くことが出来るなら - 或いは iPad とか家の中に転がっている昔の Kindle とかでもよい、素晴らしいだろうと思うが、学校は紙のノートを置き換えられるハードウェアを一般的に許す所まではまだ至っていない。しかしながら、紙をデジタルオブジェクトに変えその上でそれらを彼のカバンに入れて永久に持ち運べる様に息子に返すというのは奇妙な感じがする - 多くの生徒の様に、息子も反ロッカー主義である、何故ならば、先生が何時分度器や紫色のペンを出す様に言うかは分からないかららしい。)
上記のこと全てを優雅さを持ってやるには、私が Smile の PDFpen の使い方も知っていることを述べておいた方がいいかも知れない。これは PDF を統合しそして PDF から個別のページを取り出すのを易しくしてくれる。私が $295 の ScanSnap S1300 を選んだのは Joe Kissell の "Take Control of Your Paperless Office" を読んでそして色々なスキャナーについての彼の説明から私の必要頻度と机の大きさを考えてこれが良い選択だと思ったからである。もし私にもっと大きい机、大きな予算、そしてスキャンすべきもっと多くの紙があるのであれば、$495 の ScanSnap S1500M の方が良いであろうと思う、何故ならばこちらの方が多くの紙を扱うのに全体的により頑健である様に見えるからである。更に、ScanSnap の Amazon のレビューも優秀で、そしてこの機種は Amazon Prime 経由で入手可であった。(免責:私は "Take Control of Your Paperless Office" をただ読んだだけではなく、その編集もした。それも二度。)
スキャンした書類のファイル収納場所として、私が何故 Dropbox と Finder を選択したのかとお思いかもしれない。結局のところ、選択肢は沢山ある。あなたのスキャンしたファイルは色々な種類のソフトウェアに入れることが可能で、人気のある例を挙げれば EagleFiler, Yojimbo, そして DEVONthink (これについても Joe Kissell が書いた本がある - "Take Control of Getting Started with DEVONthink 2") などがあるが、これは可能性のほんの表面をなぞったに過ぎない。事実、選択肢を検討しそしてやがて選ぶであろうものの使い方を学ぶのに何か月も費やすのは簡単である。そして、私のような場合だと、配偶者と選択肢について相談をし、そして宿題山積みの 12才の子供にその使い方を教えていたらもっと時間がかかるであろう。幸いにして我々の場合はその必要はなかった。我々の家庭では、全員が Finder の使い方は知っているし、我々の必要頻度もそう高くない、そして私が使っている簡単なフォルダ階層が何かを見つけ出すには不十分であると分かっても (私が最近編集した本 "Take Control of Spotlight for Finding Anything on Your Mac" は下記のスクリーンショットにあるような検索記述の書き方を教えてくれた)、私が Tagit を使って追加しているタグ付けが大きな助けとなるであろう。後でもっと先進的なツールが必要となったら、その時に入れ替えることも可能である。
Dropbox iOS アプリの弱点は、あなたのファイル全てを機器に常にロードするわけではないので、セルラーデータネットワーク上ではファイルへのアクセスが遅い場合も有り得る。また、この iOS アプリは私が Tagit を使って付けたタグに基づいてファイルを見つけることは出来ない。上記したプログラムのうちの二つ、Yojimbo と DEVONthink は Mac 上に蓄えられた書類を iOS 機器に同期出来るモバイルアップスを持っているので、将来我々もこのうちの一つに移行する可能性はある;しかしながら、一つのデータ蓄積場所を三人の人で共有しようとするのは事態を複雑にしてしまうのではと危惧する。また、Code 42 Software は CrashPlan iOS アプリを発表したばかりで、これは CrashPlan Central バックアップにあるファイルへのアクセスを提供する。これは現時点では我々の助けにはならないが (我々のバックアップは友人のコンピュータへであり CrashPlan Central にはでないから)、将来のバージョンでは我々のバックアップデータへのアクセスを可能にするかもしれない。
さて、この ScanSnap よりもより良い唯一のものといえば、情報が全てオンラインでしかも分かりやすく提示されているので ScanSnap を使う必要が全くない、という状況であろう。ひょっとすると、その様なことが 22世紀には技術産業以外の実世界でも現実になっているかもしれない。
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文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>
デジタルカメラや携帯電話のカメラが急増したことによって、イベントで観衆の数よりカメラマンの数の方が多いといったようなこともよく見られるようになったかもしれない。でも、私たちの記憶というのは不完全なものなので、そうした特別の日の思い出を呼び起こせる助けとするためにも、写真が価値あるものであることに議論の余地はない。加えて、デジタル写真撮影への障壁は低いので、パーティーや、週末のお出掛けや、スポーツイベントなどがあれば、すぐに何百枚というスナップ写真が出来てしまうものだ。幸いにも、私たちは大量の写真を管理するための良く出来たツールを自分のコンピュータに持っているし、写真をアップロードして友だちや家族に見せられるようなオンラインサービスもたくさんある。いろいろな友人たちが示してくれた例を挙げれば、 Flickr、 Shutterfly、 Picasa Web Albums、 SmugMug、 Posterous、 Facebook といったところがすべてこの用途に使えるし、さらには Google+ や Dropbox を使うことさえできる。
けれども、私が今まで見つけられなかったのは、グループに属する人たちだけの間で写真を共有する目的で作られたウェブサイトだった。一つのイベントに参加した複数の人たちが写真をアップロードしてお互いにすべての写真を見られるようにするが、一人の管理者が中心にいてユーザー名やパスワードを管理したりする必要はない、そんな場を私は探していた。それは、私が所属しているランニングのグループ High Noon Athletic Club に 30 年間所属し最近去った友人がいて、彼の伝説的な最後の走りを多くの人たちがしっかり記録に残したからだった。走った後で、写真を撮っていた友人の一人がカメラの SD カードを私に手渡して、「これを頼むよ。君なら、僕がするよりうんと早く写真をアップして皆が見られるようにしてくれるだろう?」と言った。それはそうかもしれないが、私だって何ヵ月分ものいろいろなイベントの写真を溜めていて、まだアップロードできずにいるのだ。その大きな理由は、伝統的なサイトがいずれも私から見れば的外れに感じられるからだ。
グループで写真をサイトに共有するのなら、次のようなことが実現されていて欲しいと私は思う:
写真が手軽にアップロードできること。私にとって、それはつまり iPhoto からアップロードできるということだが、どんなフォルダからでも同じように手軽にアップロードできるべきだ。もしもアップロードの作業に手間がかかり過ぎるなら、アップロードする気になれない。理想的には、アカウントなど必要とせずに写真のアップロードができて欲しい。多くの人たちにとって、アカウントを扱うのは大きな障害となるものだから。
複数の人たちが同じアルバムへアップロードできること。これこそ、最も重要な機能のはずだ。なぜなら、複数のカメラマンの撮った写真を一ヵ所に集めることがすべての目標なのだから。
個々のアルバムを URL ベースで共有すること。電子メールで、通常はメーリングリストで、知らせることによって人々とアルバムを共有できるようになっていて欲しい。だから、そのサービスが私のために通知をしてくれるのでなく、私が自分で電子メールを送ることができる方が望ましい。
閲覧とアップロードの双方で、シンプルなアクセスコントロールができること。大きなフェスティバルなど、完全に公開されたイベントもあるが、公開のイベントではあっても、誰にでも勝手に見られてよいというつもりで皆が参加している(従って写真を撮られている)のでないこともある。例えば大規模なハロウィーンパーティーのような場合だ。また、人に見られては困る写真(「風俗店に行ってみたぞ!」)を投稿するのはもちろん論外だけれど、少人数のグループの人たちの間でだけ写真を共有してアクセスをパスワードで保護したいという状況はやはりあり得る。
写真のメタデータを誰でも編集できる機能。私がここで考えているのは写真に写っている人たちの名前だ。イベントでは、それぞれの人たちの名前を一部の人しか知らないことがよくある。
コメント付けなど、ソーシャルな機能。簡潔な説明が付けば、写真についての事情が分かってより良くなることもあるし、写真そのものが会話のきっかけとなることもある。
ZangZing 登場 -- 私はまず写真を Google+ に投稿して、得られた反応に目を通してから、私の望みにより近いと思われるサイトを探し始めた。思ったよりも早く、新しいサイトで(どういうわけか)ZangZing という名前のところが、私の必要のすべてを満たすものに驚くほど近いことが分かった。ZangZing は Kathryn Corro、Mauricio Alvarez、Joseph Ansanelli の三名によって創設され(Joseph の作った最初の会社は Apple/Claris に買収され、Claris Organizer の基盤となったのだったが、彼はその後 Apple で Newton 開発の仕事を続けた)2011 年 4 月に至って初めて ZangZing は公開ベータ版として登場した。スタート当初はテクノロジー系の報道関係者たちの注目を集めたが、それ以後の数ヵ月間私はこれがあまり大きく取り上げられたのを見たことがなかった。
ZangZing は新参者かもしれないが、ほとんどの部分は極めてよく考え抜かれ、うまく実装されているし、私が思い付く限り、使っていてこれほど独立動作のアプリに近い感触の得られるウェブサイトは他にないと思う。最も印象的なのは、これが Flash に依存していない点だ。だから、小型のスクリーン用の最適化はされていないものの、iOS 機器の上でも驚くほどうまく働く。モバイル機器への対応をさらにもっと改善することは、きっと ZangZing の開発目標リストに載っているのだろうと思う。
ZangZing のインターフェイスは、アルバムというコンセプトに基づいて築かれている。おそらくこれは、各イベントごとに一つずつのアルバムを作成するという前提の下での考え方なのだろう。そして実際、ZangZing の中で私たちがすることの大半はアルバムに関係している。(この点についてはあとでまた触れる。)インターフェイスの主要部分は上下にあるツールバーで挟まれていて、それぞれのツールバーにあるコントロールは各種の異なった表示モードを切り替えても比較的一貫性がある。インターフェイスの残りの部分を説明する前に、まずは写真をアップロードする方法について見ておこう。
写真のアップロード -- ZangZing を使い始めるには、まずアカウントをセットアップする必要がある。ただ、これは非常に簡単で、手早く電子メールによる確認をするだけでよい。あなたのユーザー名を選ぶ際にはよく考えておく方が良い。なぜなら、あなたの共有アルバムの URL すべてにそのユーザー名が登場することになるからだ。
いったんログインが済めば、インターフェイスの左下にある New ボタンをクリックして新規のアルバムを作成する。新規のアルバム作成には四段階の手順が必要だ。
最初のスクリーンで、あなたの写真をどこから取り込むかを選択する。これはあなたのコンピュータ上のフォルダでもよいし、iPhoto、Picasa、Facebook、Flickr、Instagram、Picasa Web、Shutterfly、Kodak Gallery、SmugMug、Photobucket、Dropbox、あるいはもう一つ別の ZangZing アルバムさえも指定できる。
いずれの場合でも、ZangZing は次にあなたが指定したそのソースの中をナビゲートしてアルバムまたは個別の写真を選択できるようにする。例えば、私はウェブブラウザの中から iPhoto の内部をナビゲートできることに大いに感銘を受けた。欲しい写真が見つかれば、個別の写真をクリックしてそれを追加することも、あるいは Add All Photos ボタンをクリックしてすべてを取り込むこともできる。
この時点で、ZangZing はあなたのウェブブラウザを介して写真をアップロードする。この処理には時間がかかることもある。座って待つのが嫌ならば、代わりに ZangZing Desktop Photo Uploader(Mac OS X 用か Windows 用) をダウンロードしてもよい。意外に思われるかもしれないが、これはアップロードの作業をバックグラウンドで処理するというだけのものだ。アップロードの開始はやはり ZangZing ウェブサイトからしなければならない。Mac OS X においては、メニューバー上に小さなアイコンが表示される。アップロードの最中には緑色の二つの矢印が追いかけ合う印が表示され、それをクリックするとメニューが開いて何個の項目がまだ残っているかが分かる。
写真のアップロードが終われば、次はアルバムに名前を付ける番だ。アルバムの名前は重要だ。なぜなら、あなたが他の人と共有するアルバムの URL の中で、また電子メールで写真を送ってアップロードする際の送り先電子メールアドレスの中でも、そのアルバム名が使われるからだ。URL や電子メールアドレスの中で使えない文字は、ZangZing が自動的に削除する。
ZangZing ではアルバムや個別の写真を選べば元のタイトルがそのまま持ち込まれるようになっているが、一つのアルバムなりイベントなりの写真の中からほんの一つか二つだけ除いて他のすべてをアップロードしたいということもよくある。また、どれかの写真のタイトルが抜けていたり間違っていたりということもある。そういう場合に、この段階で修正を加えておく。アルバムを編集したり、タイトルを変更したり、不要な写真を削除したり、別の順序に手で並べ直したり、といったことができる。もしもすべてが望み通りになっていれば、この段階では何もせずにすぐ次の手順に移ればよい。
最後に、プライバシー、共有、アクセスコントロールの設定を調整する必要がある。アルバムは Public (誰でもあなたのアカウントを訪れて写真を見ることができる)、Hidden (URL を知らなければ誰もここに来ることはできない)、Invite Only (あなたがグループをセットアップして招待をする必要がある) のいずれかに設定しておく。
共有については、あらかじめグループを設定して新規の写真について電子メールの通知が送られるようにもできるし、新規の写真が自動的に Facebook あるいは Twitter で共有されるようにもできる。正直言って、私は Facebook や Twitter での共有にはちょっと懸念を感じる。有無を言わせずに投稿されるのは好きでない。
次にアクセスコントロールの設定がある。あなたのアルバムに誰が写真を追加できるか (誰でも (Everyone) 追加できる設定か、グループの中であなたが Contributors と指名した人のみにするかを選ぶ)、誰がフル解像度の写真をダウンロードできるか (Everyone、Contributors、または No One) を指定する。
これまでのところ、私のアルバムの大多数は Hidden の設定にしてある。さきほど言ったハロウィーンパーティーの写真と同じ分類に属する写真が多いからだ。多くは Ithaca の学校のクロスカントリーレース(従って子供たちの写真も含まれている)や、その他私が参加したランニングのイベント(中には仮装して走ったものもある)の写真だ。けれども、この記事の準備に際して、私は Macworld Expo 2008 で自分が撮影した写真を集めて Public 設定のアルバムを一つ作っておいた。使用体験をテストする目的で、どなたでもご自由にその年の写真を追加して下さってかまわない。このアルバムではアクセスコントロールの設定を誰でも写真を追加できるようにしておいたから。
私がただ一つ心配なのは、これが公開のアルバムであって誰でもアップロードできるので、迷惑メール (spam) 写真(あれれ、スパム缶の写真?)が紛れ込むことも考えられる点だ。私がそれらを削除することもできるけれど、当然ながら、もしも手に負えなくなってしまえば結局アップロードに制限を掛けざるを得なくなるだろう。Hidden 設定のアルバムでは spam 写真の心配をしていない。ここにアクセスするのは、たぶんそのイベントに参加した人たちだけだからだ。
さて、写真のアップロードが済めば、アルバムを(Public または Hidden の設定なら)共有することになる。そのためには、単にそのアルバムの URL をコピーして関係者に送ればよいだけだ。Invite Only 設定のアルバムはあなたが指定したグループの人たちにしかアクセスが許されない。
写真の一覧と操作 -- アルバムを表示しているにせよ一枚の写真を表示しているにせよ、左上の部分にはボタンがあってその写真のアルバムへ、あるいはあなたのすべてのアルバムのリストへ、階層を遡ることができる。一番上の真ん中にはアイコンと、表示されている写真を投稿した人物の名前とが表示される。それがもしあなた自身でないならば、その人をフォローするためのボタンもあって、その人が作成した公開アルバムについて知らされるようになる。
右上の部分には Zendesk に基づく統合知識ベースをポップアップする Help ボタンと、各種設定やサインアウトのコマンドにアクセスできるメニューが開く Account ボタンとがある。けれどもこの右上部分で最も興味深いのは、ウィンドウのメインの部分を写真、人々、活動の各モードに切り替える分割されたボタンだ。これについてはあとで説明する。
左下の部分には、コンテクストにより一つから三つのボタン New、Edit、Add がある。あなたがログインしていればいつも、New ボタンを使ってさきほど述べた四段階の手順によるアルバム作成が開始できる。あなたが既に作ってあったアルバムを表示していれば、Edit ボタンを押すと同じインターフェイスが現われて、アルバムの設定を調整したり、内容をいじったりもできる。それから、あなた自身のアルバムのどれかを見ているか、あるいは他の人のアルバムであなたにも写真の追加が許されているものを見ているならば、Add ボタンを使って写真の追加ができる。
下のツールバーの真ん中にはグラフィカルな再生ボタンがあって、これを押せばスライドショーが始まる。一枚の写真を見ている場合には、進むと戻るのボタンも現われて、次の、あるいは前の写真に移動できる。右下の部分には三つか四つのボタンがあって、これもまたコンテクストによって変わるが Comment、Share、Like、Buy だ。Comment ボタンは個々の写真を見ている際にのみ現われて、クリックすると写真にコメントを加えるためのパネルの表示が切り替わる。Share および Like ボタンはアルバムを見ている際にも一枚の写真を見ている際にも現われ、アルバムまたは写真を電子メール、Facebook、あるいは Twitter で共有したり、または単に気に入ったことを示したりするために使う。"Like" が押された写真は、そのアルバムの活動ストリームの中でそのことが付記され、また Facebook や Twitter でもあなたがその写真を気に入ったことが共有される。意図せず Like ボタンをクリックしてしまった場合は、もう一度クリックすれば取り消せる。最後に、常に表示される Buy ボタンは今のところは何もしないが、近日中にこのボタンを使ってさまざまの形でプリントアウトしたものが購入できるようになるはずだ。
ZangZing ウィンドウのメインの部分はコンテンツのために使われるが、コンテンツはアルバムや写真、人々、活動の三種類の形式で表示され、その切り替えはさきほど述べた分割ボタンを使ってする。アルバムや写真は説明不要だろう。トップレベルでは、あなたのアルバムすべてと、あなたが気に入ったアルバム、それからあなたがフォローしている人たちの公開アルバムを見ることができる。一つのアルバムをクリックすればその中にある写真を見ることができ、一つの写真をクリックすればそれがウィンドウ全体を占める。写真ウィンドウの一番下にサムネイルが並んで表示されているのにも注目しよう!
一つのアルバムの中の写真を一覧している際には、一つの写真の上にポインタをかざせばその写真専用のコントロールが現われて、その写真を共有したり、"Like" したり、コメントを付けたり、購入 (近日登場予定) したり、Facebook で "Like" したり、あるいは tweet したりできる。これらのコントロールに説明は要らないだろう。なぜなら、それぞれツールバー上にあるものと同じ機能だからだ。同じでないのは小さな "i" の字のボタンだけで、これを押すとメニューが出てそこからその写真を(アルバムがその設定になっていればフル解像度で)ダウンロードでき、またもしその写真のアルバムがあなたのものであれば、写真を回転させたり、アルバムの表紙の写真に設定したり、削除したりもできる。一つ重要なヒントがある: ハート形のアイコンをクリックしてその写真(またはアルバム)を "Like" した場合、もしそれを取り消したければもう一度アイコンをクリックすればよい。
個別の写真を表示させている際には、それをクリックすれば次の写真に移る。キーボードの左右矢印キーでも写真の並びをナビゲートできる。あるいは、手動でコントロールしたくなければ、三角形の再生ボタンをクリックする。すると、ウィンドウ全体が黒くなって写真のみが表示され、スライドショーが始まる。コンピュータ上では、スライドショーをフルスクリーンにすることもできる。ただしそのボタンは iOS 機器では現われない。スライドショーの最中にはグラフィカルなスライドショーコントロールが提供される。スペースバーを押せばスライドショーが一時停止・再開され、左右の矢印をクリックするのも個々の写真を見ている際と同様に働く。残ったもう一つのボタンは、写真のタイトルを表示させたり消したりする。このボタンは他の場所ではコメントを付けるために使われており、ここだけはインターフェイスに一貫性がなくなってしまっている。
誰がどの写真をアップロードしたか知りたければ、上のツールバーの分割ボタンで人の影のボタンをクリックして人々による表示に切り替える。この表示ではそのアルバムに写真を投稿した人たちがリストされ、それぞれの人がアップロードした写真をすべて(少なくともサムネイル表示で)見ることができる。一つ問題があって、これは ZangZing が全般的に対処すべきことなのだが、別の人の写真のサムネイルをクリックしてからそれに続く写真にナビゲートすると、並び順がかなりバラバラになってしまい必ずしもその人の写真のみが見られるわけではなくなってしまうことがある。同様に、アルバム表示でも、写真の並び順がちょっとバラバラに感じられる。いずれの場合も、ZangZing は実際には時間をもとに並べ替えているのだが、カメラで日付と時刻を正確に設定していない人たちも多い。理想的には、ユーザーたるあなた自身が、投稿者によって、時刻順で、あるいは写真のタイトルによって、並べ替えられるようになって欲しいと思う。
最後の表示モードは活動による表示だ。これは分割ボタンの中の一番右のボタンでアクセスする。ここにはそのアルバムの中の活動項目がリストされる。例えば誰かが写真を "Like" したとか、写真を追加したとか、写真にコメントを付けたとか、そういった活動だ。もしもあなたがアルバムのオーナーならば、またはあなたがアルバムに設定されたグループの一員ならば、そのアルバムに何か活動が起こる度にあなたに電子メールが届く。とはいえ、活動表示はとても重要だ。これがなければ、どの写真にコメントが付いているのかを調べるのも難しいし、どの写真が最も人気あるかも分からない。私としては、ZangZing がこういったメタデータの一部をアルバム表示でもユーザーがいちいち個々の写真の上にポインタをかざさずとも一覧できるように工夫して欲しいと思う。
電子メール通知で思い出したが、Account ボタンからアクセスできる Settings 画面の中で、どのようなイベントが電子メールをあなたに送信するかをコントロールできる。招待、ソーシャルなアクション、アップロードの確認、ニュース、マーケティングのメッセージなどの項目が選べる。また、あなたの個人的な情報もここで調整でき、他の写真サービスあるいはソーシャルネットワーキングサービスにあなたのアカウントをリンクさせてソーシャルな活動のアップロードや投稿を自動化させることもできる。
まだ荒削り -- 正直な話をしよう:私は ZangZing が大好きである。しかし、この様に新しいサービスであれば未だ幾つかの荒削りの部分に取り組んでいてもおかしくない。私が遭遇した幾つかの例を挙げてみよう。
インターフェースの至る所に現れる Buy ボタンは未だつながっていない。完成した暁には、あなたが見ている写真のプリント、額入りプリント、ギャラリー展示用キャンバス、そして額入りポスターが買えるようになる。ZangZing がこれらの他にも色々なものの上にプリントさせてくれるようになるのも時間の問題であろう。これは将来の ZangZing のビジネスモデルの一部である。
現時点では ZangZing は無料であり、そうであり続けるであろう。しかしながら、ある時点では、無料のアカウントからアップロード出来る上限が設定され、無制限のアップロードを取り戻すには料金が課せられることになるであろう。料金設定がもうすでに決まっているとは思わないが、Flickr や似たようなサイトは年当たり $25 近辺なので、ZangZing も似たような所に落ち着くのではないかと思う。
現時点では、クラブの様なものに対して理想的な真のグループアカウントの準備はなされていない。Ithaca クロスカントリーチームに対しては、私が自分で管理する新しいアカウントを作ったが、狙いはレース毎に新しいアルバムを作成する仕事は他の誰かが担当する場合、私からその人にパスワードを渡すことが出来ることである。これは現実的な迂回案ではあるが、理想的とは言えない;ZangZing は、ある個人のアカウントにリンクしていて追加のアクセス権限も持てるグループアカウントの構想について考慮中である。
ソートの改善も必須である。前にも書いた様に、現時点では時系列的か手作業であり、バラバラだと感じてしまう場合もあるので、数百枚の写真を含むアルバムでは方向感覚が失われてしまう。
ある写真を誰がアップロードしたのかは、人々と活動のビューでは見られるが、アルバム或いは個々の写真を見ている時には誰がそれをアップロードしたのかを知る術はない (写真のタイトルは見えるので、そこから類推出来る場合は多い)。写真のタイトルに加えてオプションの情報として表示出来るようになれば嬉しい。
どのメタデータが表示されるかに関するオプションは無いので、殆どのアップロードされた写真にはカメラがデフォルトで付与した醜い名前が付いているが、これらを隠す術は全くない。また前述した様に、アルバムビューではどの写真が好まれ或いはコメントされたかが一目でわかる様になれば嬉しい。
アルバムの所有者は写真を回転したり削除したり出来、そしてアルバムの写真の提供者も事後に自分の写真にだけ同じことが出来るが、アルバムを見ている人が写真の名前を変えられるオプションは無い。アルバムの所有者は Edit Album プロセスの Step 3 で名前を変更出来る。理想的には、アクセス権のある人なら誰でも (少なくとも Hidden そして Invite Only アルバムでは) アルバムビューから直接名前の変更が出来るべきである。
現時点では、設定で Everyone からのアップロードを受け入れるとアルバムを設定しても、Web 経由でアップロードしたい人はアカウントを持つ必要がある。驚くにはあたらないかもしれないが、写真をメールで提供するのは誰でも出来る、アカウントを持っているかどうかに拘わらずである。アカウントを欲しくない人からの Web アップロードも許すのが理想であろう。
ビデオは現在はサポートされていないが、将来追加するリストには載せてあると ZangZing は私に語ったことがある。
ZangZing チームは大変な仕事を抱えているが、そのサービスは現時点でも大いに使えるものであり、そしてグループ写真共有のためには私が見た中では最善の解である。以前 Ithaca クロスカントリーチームは USB フラッシュドライブを使って手作業で写真の交換をしていて、最終的には全てを DVD に入れてシーズンの終わりには図書館に置いて貰うというのが狙いであった。今では親たちは毎レース終了後直ちに彼らの写真全部をアップロード出来、親も走者も共々それらを見ることが可能になり、そして卒業アルバムの助言者はこれ程豊富な収集物から選択出来ることに心底喜んでいる。誰もが満足だ。
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文: TidBITS Staff <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
Adobe Photoshop Lightroom 3.5 と Camera Raw 6.5 -- 数週間前にリリース候補版の Photoshop Lightroom と Camera Raw をシード配布したのちに、Adobe は今回最終版を入手できるようにした。Photoshop Lightroom 3.5 と Camera Raw 6.5 は、いくつかの新機種のカメラについて raw サポートを追加した。対象となったカメラは Fuji FinePix F600EXR、Nikon Coolpix P7100、Olympus E-PL3、Sony SLT-A77 などだ。また新たなレンズプロファイルも追加されて、それらのレンズに固有の歪みや色収差が手軽に修正できるようになった。バグも修正されている。(無料アップデート、Lightroom 3.5 は 103 MB、Camera Raw 6.5 は 93.1 MB)
Adobe Photoshop Lightroom 3.5 と Camera Raw 6.5 へのコメントリンク:
Firefox 7.0 -- 最近になって始めた馬鹿げたバージョン番号付け方法を継続しつつ、Mozilla が Firefox 7.0 をリリースした。(実際には 4.3 と見るべきものだ。)今回も、同社のこのウェブブラウザには真の意味での新機能と言えるものが何もない。特定の利用シーンでメモリ処理が「劇的に改善」されたといい、また Firefox Sync が高速化され、アドレスバーで URL の接頭辞「http://」が初期設定で非表示となり、MathML への対応が強化され、その他マイナーな変更点がいくつかある。ダウンロードするのは、急がば回れ。それからもう一つ、リリースされたばかりの Firefox 7.0.1 では、7.0 アップデートのインストール後にアドオンが消えてしまうことがあるという、まれに起こったバグが一つだけ修正されている。その問題に遭遇していない人は、当面無視しておいても差し支えないだろう。(無料、28.2 MB、リリースノート)
PopChar X 5.3 -- いろいろの異なったフォントで特殊文字を見つけたり入力したりする必要のあることが多いという人は、今回 Ergonis Software が PopChar X 5.3 をリリースしたことでその作業が Mac OS X 10.7 Lion でも簡単にできるようになった。この新リリースで、新しい Apple Color Emoji (カラー絵文字) フォントのカラー付き記号に対応した。カラー絵文字を一覧したり検索したりでき、カラーフォントの処理に対応しているアプリケーションでならばそれらを文字として入力できる。その他にも、今回のアップデートではいくつかの調整が施されている。バックグラウンドでの CPU ロードが削減され、Lion のデスクトップスペースとの互換性が改善された。(新規購入 29.99 ユーロ、無料アップデート、2.3 MB、 リリースノート)
Teleport 1.1 -- ネットワークで結ばれた複数台の Mac を一つのマウスとキーボードでコントロールしたい人たちのために、Abyssoft の Julien Robert が彼のドネーションウェアのユーティリティ Teleport をアップデートして、Mac OS X 10.7 Lion と互換にした。(古いバージョンに対するレビュー記事は 2007 年 8 月 27 日の記事“ TidBITS 御用達ツール: Teleport”参照。)Teleport 1.1 でのその他の新機能としては、キーボードショートカットを押すだけで直接コントロール先の Mac にジャンプできる機能、ファイル転送の大幅な高速化、複数項目でのファイル転送、複数のスクリーンを持つ Mac ですべてのスクリーンに対応、ジェスチャーにフル対応、暗号化されたファイル転送,その他がある。(無料アップデート、706 KB)
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