TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1103/14-Nov-2011

今週は、Apple から小さいけれども重要なアップデートがいくつも出た。まず Adam が iOS 5.0.1 を概観する。これは、iOS 5 で発生したバッテリ寿命に関する問題点に対処するものだが、どうやら部分的にしか問題を解消できていないらしい。Adam はまた iTunes 10.5.1 のリリースと、あのへんてこな iTunes Match について報告し、それから 802.11n AirPort ベースステーション用のファームウェアアップデートについても伝えるが、このファームウェアアップデートでトラブルに遭ったユーザーもいるらしい。Jeff Carlson は、バージョン 2.0 の Apple Store iOS アプリを検討する。米国内のユーザーは、このアプリを使えば販売員をつかまえる必要なしに製品の購入ができる。他のニュースとしては、Adobe がモバイルプラットフォーム上の Flash の開発を中止したことについて Adam が検討し、Glenn Fleishman が御し難い Lion へのアップグレード体験談を語り、ゲスト寄稿者の Dennis Wurster が Square を使ってどんな人でもどんな金額のクレジットカード支払いも受けることができることを説明する。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Postbox 3、DEVONthink Personal、Pro と Pro Office 2.3.1、Java for Mac OS X 10.7 Update 1 と Java for Mac OS X 10.6 Update 6、Digital Camera RAW Compatibility Update 3.9、MacBook Pro SMC Firmware Update 1.5 だ。最後に、来週は米国の Thanksgiving (感謝祭) の祝日にあたるので、電子メール号をお休みさせて頂く。次号の 2011 年 11 月 28 日号でお会いしましょう!

記事:

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2011 年 11 月 21 日は TidBITS 休刊

  文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

来週、米国では Thanksgiving (感謝祭) の祝日にあたるので、2011 年 11 月 21 日には電子メール号を出版せず、私たちスタッフはそれぞれ家族のため、食事の準備のために時間を使わせて頂きたいと思う。スタッフの多くは、今回も Joe Kissell の電子ブック "Take Control of Thanksgiving Dinner" にあるワークシートを参考にしつつ感謝祭の晩餐の支度をするつもりでいる。Joe ほど完璧かつ分かりやすい形で何が必要かを説明してくれる人はいない。

週刊の TidBITS 電子メール号は来週お休みとさせて頂くが、もちろん記事の執筆と TidBITS ウェブサイトへの記事の投稿は続けるつもりだ。サイトを時々チェックするか、無料のTidBITS News iOS アプリ を使うか、あるいは私たちの RSS フィードTwitter ストリームまたは Facebook ページ を購読するかして、私たちの記事を追跡していただければと思う。次回の電子メール号は 2011 年 11 月 28 日の発行となる!

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iTunes 10.5.1 が iTunes Match をお披露目

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple が iTunes 10.5.1 をリリースし、長らく出ていなかった iTunes Match がこれによりついにベールを脱いだ。(2011 年 6 月 6 日の記事“iCloud の出現で、長期予報は嵐を予想”参照。)この iTunes Match サービスの料金は年額 $24.99 で、現時点では米国内の顧客のみが利用でき、これを利用すればあなたの音楽ライブラリの内容すべてをクラウドの中に保存してあなたの持っているすべてのコンピュータや iOS デバイスで再生できるようになる。

iTunes Match が Amazon Cloud Player(2011 年 4 月 2 日の記事“Amazon、あなたの音楽をクラウドに置く”参照)や、アクセス制限のある Google の Music Beta などのサービスと一線を画しているのは、iTunes Match ではあなたが自分の音楽すべてをアップロードする必要がないことだ。その代わりに、iTunes Match はあなたの iTunes ライブラリをスキャンして、iTunes Store 内にマッチするものが見つからない楽曲のみをアップロードする。マッチするものがある楽曲については、iTunes Match はそれをアップロードせず、ただ Apple が所有しているコピーに接続してそちらを再生する。こうすることにより、あなたにとってはセットアップの際に膨大な時間とバンド幅が節約でき、Apple にとっては膨大な量のストレージ容量が節約できる。普通の方法では、何百万個もの重複した "Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band" が存在してストレージ容量が浪費されてしまうことになるからだ。

iTunes Match のもう一つの大きな利点は、マッチしたトラックが 256 Kbps の AAC ファイルとして、DRM フリーのフォーマットであなたに届けられることだ。あなたがもう何年も前に CD からリッピングした楽曲ならば、128 Kbps の MP3 あるいはそれ以下の音質かもしれないので、iTunes Match 版の楽曲は聴いてはっきり分かる程度に良いサウンド品質になるかもしれない。一年後に iTunes Match 購読契約が切れた後もその高音質版のファイルを手元に置いて使えると仮定すれば、たくさんの古い CD を現代のエンコーディング形式にリッピングし直す手間を考えると $25 は悪くない価格だろう。

いったんあなたのライブラリがマッチまたはアップロードし尽くされると、あなたの音楽すべてが、iTunes 10.5.1 が走り iTunes に認証を受けたあなたの Mac すべてと、iOS 5.0.1 の走るあなたの iOS デバイスすべてにストリームできるようになる。(iOS デバイス上では Settings > Music > iTunes Match のみで有効にできる。)iTunes 10.5.1 自体は、Mac OS X 10.5 Leopard かそれ以降の走る PowerPC または Intel ベースの Mac を必要とするに過ぎない。つまり、iCloud に比べればはるかに後方互換性が高い。(iCloud は 10.7.2 Lion でしか利用できない。)iTunes 10.5.1 はまた Windows XP SP2、Windows Vista、および Windows 7 でも動作するので、これは仕事中に自分の音楽ライブラリにアクセスしたい人にとって歓迎すべきことだろう。

いくつか注意点がある。まず第一に、あなたの iTunes ライブラリに iTunes Store から購入していない楽曲が 25,000 以上ある場合、iTunes Match はあなたのサインアップを一切許さない。(思うにこの制限はライブラリをスリム化すればたぶん回避できるだろう。)第二に、iTunes Match は 200 MB 以上のサイズの楽曲や、96 Kbps より低いビットレートでエンコードされた AAC または MP3 をアップロードしない。第三に、ALAC、WAV、または AIFF 形式の楽曲はアップロードに先立って一時的に AAC 256 Kbps ファイルにデータ変換されるが、元のファイルはそのまま残る。それ以外のコンテンツでマッチしなかったものはすべて、そのままの形でアップロードされる。最後に、第四の注意点として、DRM の足枷をかけられた楽曲で米国の iTunes Store 以外で購入されたものは、マッチもされないしアップロードもされない。

iTunes 10.5.1 のダウンロードサイズは 102 MB だ。私が試した時点ではまだ Software Update に登場していなかった。また、Apple の Support Downloads ページ にある Download リンクは現時点では正しくない。しかしながら、現在これは iTunes Download ページからダウンロードできるし、間違いなく近いうちに Software Update にも登場するだろう。

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Apple の 802.11n ベースステーションに対するファームウェアアップデート

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple は AirPort Base Station と Time Capsule Firmware Update 7.6 をリリースした。これは 802.11n ベースの AirPort Extreme, AirPort Express, そして Time Capsule に対して三つの問題だけを修正している。いずれにしても、これは私が最初想像した以上に面白いものであることが分かった。Apple が言うには、このアップデートが修正しているのは:

私自身これらの問題のどれかに遭遇したことがあるかどうかは分からないが、過去に AirPlay で問題に遭遇したことは間違いなくあるし、AirPort Utility は、私の AirPort Express がこのファームウェアアップデートが出現して以来、問題があると言っている。私の AirPort Extreme もこのファームウェアアップデートを必要としたが、その問題は問題として名前が付けられる程には重大ではないと認識されている様である。アップデートするのは単に AirPort Utility を走らせるだけのことで、左にある私の AirPort Express を選択、それから Update Firmware ボタンをクリック、そしてそれがダウンロード、インストール、そして再起動するのを待つだけである。

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私が面白いと思ったのは Apple の iOS バージョンの AirPort Utility が同じ様な経験だが、もっと魅力的なものを提供している事である。私はダイヤグラムの中の AirPort Extreme アイコンをタップしそれから Version > Download and Install をタップし、私の AirPort Extreme をアップデートした。

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明らかにこのアップデートから欠けているのは、Back to My Mac 経由で AirPort ディスク及び Time Capsule 上にあるファイルへの遠隔アクセスに対する iCloud サポートである。これは MobileMe 経由では働いていた (そしてまだそうだと思う)。Mac 上の AirPort Utility は、最近アップデートされていないが、Advanced 選択肢の下に MobileMe ペインを未だ持っている、そして iOS バージョンの AirPort Utility には似た様な手段は全く存在しない。

私のアップグレードが極めて順調に行ったことを考えると少々驚きなのだが、TidBITS サイト上のコメントにはこのファームウェアアップデートに関する問題を報告しているものが数多くある。多くの場合、アップデート後のベースステーションが AirPort Utility に現れないというものである。解は、ベースステーションのパワーを入り切りするのからファクトリリセットを実施する所まで色々であるが、リセットの後はベースステーションはまっさらから再構成されねばならない。それ故、AirPort Utility を Mac 上で開いて File > Export Configuration File を選択するというのが賢いやり方であろう。更に、何かがうまく行かなくてベースステーションをリセットしなければならなくなっても、File > Import Configuration File を使って以前の構成状態に戻ることが可能である (これでファームウェアは変更されない、変わるのは設定だけである)。

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iOS 5.0.1、電池問題対応を目指す

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple は全ての iOS 5 コンパチ機器のための iOS 5.0.1 をリリースしたが、対象機器には iPad 及び iPad 2, iPhone 3GS 及びそれ以降、そして第三世代及び第四世代 iPod touch が含まれる。報告によると、これにより電池寿命を減じているバグが修正され、初代の iPad にマルチタスクジェスチャーを加え、Documents in the Cloud に関わるバグを解決、そして口述筆記時に Australia なまりをより良く理解する方法を学んでいるという。

いつもの様に、この iOS アップデートも iTunes 経由で入手可であり、ここでは全復元イメージを手にすることとなるが (私の iPhone 4 では 829.1 MB のファイルであった)、これにより消し去られてしまった機器をより容易に復元出来るものと想定される。それから初めての事となるが、iOS 5.0.1 は無線アップデート経由でも入手可である。この場合、iOS 機器は差分アップデートだけをダウンロードすることとなり、極めて小さくて済む:私の iPad ではたったの 39.2 MB であった。

この無線アップデートを実行するには、Settings アプリを開き、それから General > Software Update > Download and Installをタップする。(Software Update は About の下の二番目の項目である; General 設定のリストはかなり長くなるつつある。) ダウンロードの大きさは小さいとは言え、iOS はインストールするためにある程度の空間を必要とする。スクリーンショットでも見られる様に、私の場合は 433 MB の空き空間が必要であると言ってきた。

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このことは興味ある問題を提起することとなる - iTunes に接続することなしにどうやって iPad 上の自由空間を管理するのか? (iTunes を経由すればいつでも何を同期するかを変更出来たが、このデスクトップソフトウェアはこの場合必要とされない。) やり方は次の様になる。Settings > General > Usage をタップすると、サイズでソートされたアップスが表示される、サイズにはアプリそのものとそのデータの両方が含まれる。一つのアプリをタップすればアプリとデータの違いを見ることが出来る;この状態からそのアプリそのものを消去することも出来る。データを削除するには個々のアプリに行くことが必要だが、どのアプリがより大きなファイルを保存しているのかの大まかな感じはここでも得ることは可能である - 私の iPad 上では CloudReaders 及び GoodReader がテスト PDF を載せたばかりであった。

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必要な空間を確保した後、ダウンロードにはたった 2 分しかかからず、そして準備に 5 分かかり、その後インストーラーがこれからインストールすると警告してきた。また PDF を削除して必要な空間は確保したにも拘らず、まだ心配があるということで、私の蓄積空間はほぼ満杯だと言ってきた。私はこれに関してはもうそれ以上の手は打たないこととしたが、その後はアップデートを確認し、そしてインストールし、そして iPad を再起動した。これらの最後の二つのステップは早くはなく、ほぼ 10 分もの間進捗バーを表示していた。この全過程は、私の初代の iPad では約 20 分を要した。

教育者であり開発者でもある Frasier Speirsは、無線アップデートの有用性について新たな考えを持っている。彼は、これを使えば教室で使う iOS 機器を常に最新の状態にしておくことがずっと簡単になると考えている、何故ならば全ての機器を一度にアップデート出来るからである、さもなくば iTunes 経由で一台ずつやらねばならない。(勿論、アップデートをインストールするというのは、モバイル機器管理の全般的な話題の一つの側面に過ぎないし、数多くの業者から小企業ですら使える解が提供されている;もっと勉強してみたいのであれば、San Francisco で 7 December 2011 に行われるモバイル機器管理に関する MacTech InDepth の一日セミナーを検討されたい。)

iOS 5.0.1 が実際に何を変更しているのかに関して言うと、最も目につく修正では電池寿命が短くなる原因となっているバグに対処している。我々は、Tonya の iPhone 4S や私の iPhone 4、或いは我々の iPad のどれでも問題に遭遇はしていないが、大いなる迷惑を被っている人は他に沢山いる。iOS 5.0.1 の修正で影響のあった機器全てが再び全電池寿命を全う出来る様になったのかどうかを言うには時期尚早なのであろうが、そうであることを願いたい。引き続き問題を抱えている人達はいる;The Loop は、Apple はこの問題を完全には解決していないと認めているとする Apple からの声明を紹介している。

初代 iPad の所有者に対しては、iOS 5.0.1 はマルチタスクジェスチャーを加えている - 今や四本或いは五本指でつまんでやれば Home スクリーンに帰り (Home ボタンを押す代わりに)、上にスワイプすればマルチタスクバーが現れ (Home ボタンを二回押す代わりに)、或いは、最も有用なのは、左或いは右にスワイプすることでアップス間を移動出来る、順序はマルチタスクバーに現れる順序である。これらのジェスチャーは、Settings > General > Multitasking Gestures でオンにされなければならないが、iOS 5 のベータの時には iPad と iPad 2 の両方で使えたのだが、奇妙なことに iOS 5 がリリースされた時には初代 iPad からは消えていたという経緯がある。

リリースノートの中で Apple が触れている残りの二つの項目には、Documents in the Cloud に対するバグ修正そして口述筆記を使う Australia のユーザーに対する音声認識の改善が含まれる。思うに、Apple は Australia 人はなまりがきついことを考慮に入れなかったのであろう。

セキュリティ関連の修正も数多くあるが、実際にユーザーに影響するものは一つしかない。それは Smart Cover 装備の iPad 2 でスクリーンがロックする前に使っていた最後のアプリに誰かがアクセス出来るというものであった;トリックは、iPad の電源を落とすスライダーが現れるまでパワーボタンを押し続け、Smart Cover を閉じ、Smart Cover を開き、それから Cancel をタップするのである。回避策は簡単であるが - Settings > General > iPad Cover Lock/Unlock をオフにするだけ - この問題はもう存在しないはずである。

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Apple Store App 2.0 が EasyPay とストア内受け取りを導入

  文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私は Apple リテール店に行く度に、昼であろうと夜であろうと、どうしてこんなにごった返しているのかと驚いてしまう。フロアで働いている Apple 従業員の人数の多さにも驚かされる。青いシャツを着た係員がいつでも手の届くところにいるというのに、Apple は今回、誰とも一言も話を交わさずに製品を購入して持ち帰ることを可能にしようとしている。

無料の Apple Store アプリの 2.0 バージョンが先週リリースされたが、ここには新たに EasyPay 機能が盛り込まれた。iPhone 4 または iPhone 4S でこのアプリを使って(このアプリは iPod touch and iPad 2 でも走るけれども、この機能に関して名前が出ているのは上記の二つのデバイスのみだ)「厳選されたアクセサリ」のバーコードをスキャンし、アプリの中で支払いを済ませることができる。私自身はまだストアの中でこの機能を試す機会がない。(現在のところ EasyPay 機能が動作するのは米国内のみだ。)

Apple が「厳選されたアクセサリ」という言葉で何を意味しているのかははっきりしない。ストアの店内で売られているものすべてが EasyPay で販売可能だと考えてよいのかもしれない。ただし、目に見えるバーコードが付いていない製品、例えば Mac、iPhone、iPod、iPad は、ストアの従業員の助けを借りずに購入することはできない。

何を買いたいかがはっきりしていて、ショッピングにかかる時間を最小限にしたい場合には、このアプリを使って製品の予約注文をしておき、近所にある好きな Apple ストアを選んで(ここでもやはり米国内のストアのみだが)受け取ることもできる。その製品の在庫状態もこのアプリでチェックできる。Apple によれば、たいていの場合、在庫さえあれば注文後数時間以内に受け取れるようになるという。

また、この Apple Store アプリでは注文の追跡をしたり EasyPay のレシートを表示させたりすることもでき、カナダおよび中国のストアにおいては「付加的なサポート」も組み込んでいる。iOS 4.2 かそれ以降を要する。

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Adobe、モバイル版 Flash の開発を中止

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

iOS における Flash を巡る Apple と Adobe のいさかいに関して彼が一度でも混乱したことはなかったとは思うが、今頃どこかで Steve Jobs は微笑んでいるに違いない。Adobe が今回公式にモバイル版の Flash の開発を中止すると発表したからだ。ブログ記事の中で、Adobe の副社長であり General Manager of Interactive Development である Danny Winokur は次のように述べた:

「ブラウザ中の Flash Player について、近日中にリリースされる Android および BlackBerry PlayBook 用の Flash Player 11.1 をもって、それ以後当社は新しいモバイルデバイス構成(チップセット、ブラウザ、OS バージョン、その他)に対する開発を行ないません。当然ながら、既存のデバイス構成のためには重要なバグ修正やセキュリティアップデートを続けます。また、ソースコードのライセンス提供を受けた人が引き続き開発をして独自に実装した製品をリリースすることは認めます。」

過去数年間にわたり、Adobe は iOS に Flash を含めるのを拒否した Apple との闘いを続けてきた。その結果 Steve Jobs の "Thoughts on Flash" 書簡が出たのは有名だ。その中で、Jobs は Apple が Flash を避ける理由を説明して、Flash にはセキュリティ、信頼性、パフォーマンスの問題があってデスクトップのコンピュータでもトラブルの種となるが、モバイルデバイス上ではさらに大きな懸念が生じるとしている。それ以外の懸念として、バッテリ寿命が大幅に減ること、Flash ベースのサイトの多くがタッチパネルの環境で正しく動作しないこと、それからクロスプラットフォームの移植版ソフトウェアよりも iOS ネイティブなアプリを優先したいという Apple の戦略がある。

ユーザーにとっては、この論争は迷惑以外の何物でもなかった。これは基本的に、Apple が「iOS 上では Flash は使い物にならない」と主張し、Adobe が「いいや、そんなことはない」と言っているだけだからだ。いずれの会社も、それぞれの自己利益を強調しようとした。Apple にとっては iOS による世界への全体的アプローチ、Adobe にとっては Flash がますますインタラクティブになり行くウェブの基盤となれるだろうという願望だ。Flash が既に広範囲に採用され、iOS ユーザーたちからかなりの量の切実な要望が寄せられたにもかかわらず、Apple は自らの言い分に固執し、そして勝利を収めた。Android ベースのスマートフォンやタブレット機に Flash を搭載した Adobe の実績も(そのパフォーマンスのレベルはさまざまであったが)Apple の頑なな態度を崩すには至らなかった。

もしも Apple が iOS に持ち込むことを許していたとすれば Flash の未来がどうなっていたかを今から予想することは不可能だ。Apple が拒否したことが今回 Flash がモバイルで終焉を迎えた原因となったことはあり得る。つまり、もしも Apple が支持していれば Flash も生き延び繁栄できたかもしれない。けれどもそれと同じくらいありそうに思えるのは、単に Apple に先見の明があって、Flash がマウスベースのコンピュータからタッチスクリーンベースのモバイルデバイスへのアーキテクチャー上ならびに概念上のジャンプを果たすことができないと疑ったのではないかという考えだ。

しかしながらよりはっきりしているのは、そもそも Flash が全般的に落ち目になっているということだ。当然ながら Adobe はそう思っていないのだが。もちろん私も Flash が今すぐに消え去るわけはないとは思うが、インターネット使用のますます多くの部分がモバイルデバイスによってなされるようになるに従い、Adobe がその分野でくじけたということは、今後はウェブデザイナーたちがインタラクティブなコンテンツとビデオ用に HTML5、CSS、JavaScript、H.264、その他のオープンスタンダードを Flash より優先して選択するようになることを意味するだろう。そして、ウェブデザイナーたちがどこへ向かうにせよ、Adobe は彼らについて行くだろう。

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DealBITS 当選者: Tom Bihn Cadet

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

先週の DealBITS 抽選で当選し、Tom Bihn Cadet ラップトップバッグ($170 相当)を受け取ることになったのは、gmail.com の Todd Henion だ。おめでとう! 応募して下さった 992 人の皆さんに感謝したい。また今後の DealBITS 抽選もお楽しみに![訳者注: 応募者には、Tom Bihn 製品購入の際の特典のお知らせが届きました。]

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Lion、格闘の末やっとインストールに応じる

  文: Glenn Fleishman <glenn@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

それは、C.S. Lewis の "The Lion, The Witch, and The Wardrobe" (邦題: ライオンと魔女、ナルニア国ものがたり第1部) で Aslan が自らの運命を受け入れて石舞台の上におとなしく横たわった時ほどドラマチックなものではなかった。(結果を言ってしまえば、一時的なことに過ぎなかった。)けれども、私の Mac Pro に Mac OS X 10.7 Lion をインストールできるようにするためには、復活と、服従、そして祝福が、実際に関わっていた。

Lion がリリースされて以来、その Mac OS X アップデートを私は普段使っている四台のマシンのうち三台に、何とかうまくインストールすることに成功していた。新しい MacBook Air、2009 年型の MacBook Pro、それと 2009 年型の Mac mini だ。10.6 Snow Leopard からの移行を、これら三台では特に余分な作業を必要とせず済ますことができた。ただし、万一リストアをしなければならなくなった場合に備えて、それぞれのマシンのブートドライブの完全なクローンを私は注意深く作っておいた。

でも、2008 年機種の Mac Pro だけは、もっとずっと骨の折れる作業が必要となった。このマシンは購入時にあらかじめ 10.5 Leopard がインストールされており、その後 Snow Leopard にしても何の問題もなかった。けれども、このマシンと Lion との間には不和が生じた。Lion は、この Mac Pro が Mac OS X Server を走らせていると言い張ったのだ。それなのに、当初インストーラはそのことをはっきりと私に告げてくれなかった。

私が最初に Lion のインストールを試みた際(ここでもやはり、私はその前にブートドライブの完全なクローンを作っておいた)インストーラの起動で奇妙なことが起こった。インストーラが「サーバ用ソフトウェア」が見当たらない、と言って止まってしまうのだ。いろいろやってみたが、このエラーを回避することができなかった。さらに悪いことに、Startup Disk は私に他のボリュームからの起動を許してくれなかった。Dan Frakes が Macworld 記事で説明した方法で作成した USB サムドライブ上の Lion インストーラから起動し直すこともできなかった。

何時間も歯を食いしばり、ありとあらゆる古くからの神々に願掛けをした後で、私はしまい込んでいた Snow Leopard インストーラ DVD を探し出して、C キーを押しながらマシンを再起動し、既存の Snow Leopard システム構成に上書きしてフルのシステムインストールをした。これには何時間もかかった。私が持っていたのは 10.6.0 ディスクだったので、たくさんの中間的アップデートも施さなければならなかったからだ。それでもすべてうまく行き、私は元のきれいな状態に戻った。

この件について私が Twitter で不平を述べたのを見かけて、Apple の広報担当者の一人が私に電子メールで連絡してきた。彼女は、ログファイルやその他の情報を送るように頼むとともに、Apple のエンジニアたちから知らされたいくつかの変更を提案してきた。どうやら問題の焦点は、なぜ Lion が私の Mac Pro に噛み付いて、それがサーバでないことを認めずそのことに文句を言い続けたのか、ということのようであった。私は確かに Apple の Server Admin ツールを /Applications/Server の中に持っていた。(これを使って遠隔にある Mac OS X Server を管理していた。)また、以前私がこのシステムの中に /System/Library/CoreServices/ServerVersion.plist というファイルを持っていたのもあり得ることだった。この Snow Leopard クライアントから、仮想マシンを作成しようと試みたことがあるからだ。(厳密に言えばこれは Snow Leopard のライセンス条項で許されていないことだが、男たるもの試してみたくなるものだ。私は結局その後仮想マシンに Snow Leopard Server をインストールした。これは許されていることだ。)

私は Server フォルダを削除し、ServerVersion.plist ファイルが存在していないことを確認した。それから、Mac App Store からダウンロードした 10.7.2 リリースから作った USB サムドライブを、もう一度試してみた。最初に走らせた際にまた違った奇妙なエラーがいくつか出たが、それらが何だったか今はもう思い出せない。フラストレーションが溜まっている時はそんなものだ。

私はアイデアを求めてインターネットを探し回り、情報を半永久的に保存しているパラメータ RAM (PRAM) を消去したらどうかと勧めているものを見つけた。PRAM の内容が壊れれば、起動ディスクの選択に影響したり、Mac がさまざまに奇妙な挙動をしたりといったこともあり得るからだ。私が見つけた助言には、一回だけでなく二回消去するようにと書いてあった。一回消去するのは私も既に試みていたので、もう一回消去せよというこの記事は良い助言のように思えた。(何年も前に、ある AppleCare サポート担当者から二回消去せよという助言を聞いて、私は笑った。それまでそんなことを聞いたこともなかったからだ。でも、その時はそれがうまく行った! Adam に聞くと、2 回か 3 回消去せよという助言はもう何十年も前から言われているとのことだった。)

Command と Option、それに加えて P と R のキーをすべて同時に押さえながらマシンを再起動し、マシンが起動音を鳴らして PRAM が消去されたことを伝えるまで待った。それからもう一度、私は同じキーを押さえながらやり直し、二度目の起動音を鳴らした。そこでキーをすべて放してから Option キーを押さえ、起動すべきハードドライブを選択した。これで、ようやく私の Mac Pro は Lion インストーラを選ばせてくれた。

すると Lion Installer が起動し、私は歓喜の声を上げ始めた。Lion を再インストールするオプションを選択してから、私は適用可能なディスクのリストをスクロールした。その時だった... まだ実質的に何も改善されていないことに私が気付いたのは。ただし少なくとも今回は、簡潔で単刀直入なエラーメッセージを得ることができた。

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これを見て、私はさじを投げた。Apple は私に、私がジャーナリストなので、保証期間外の Apple Store Genius Bar 訪問を申し出てくれたが、私はそれを断わった。特に何か記事を書いているのでなかったけれども(この記事は単なる副産物だ)書いているものに関係する会社から私が無料のサービスを受け取るのは、記事あるいは本を書くための明確な目的を持って私がテストをしているものにそのサービスが直接関係している場合のみだ。それ以外の場合、自分自身のためにサービスを受けようとは思わない。そういう場合は、ちゃんと自分でお金を出してサービスを購入したいと思う。

結局、私は Joe Kissell の電子ブック "Take Control of Upgrading to Lion" を見て、いつも賢明なる彼の助言に従うことにした。Mac Pro の内蔵ハードドライブのクローンを外付けハードドライブに作り、Lion USB サムドライブのインストーラで起動して、内蔵ドライブを初期化してから、Lion を一からインストールし直し、それから Apple の Migration Assistant を使ってユーザ、データ、アプリケーション、設定その他をクローンのボリュームから持ち込んだ。今回は、すべてが問題なく働いた。数時間かかったけれども。

[Lion の開発者用プレビュー版の段階で、私も同様の状況に陥ったことがある。私の場合、外付けハードドライブ上にクローンされたボリュームに Lion をインストールしようとして、インストーラに拒否された。インストーラは、そのディスクを Time Machine バックアップだと誤認してしまったのだ。どの情報ビットが Lion をブロックしていたにせよ、そのドライブを消去してからもう一度クローンすることで問題は解決した。御し難い Lion インストールで困ったら、一からやり直すのがよい。 -Adam]

もちろん私の状況は例外的なケースだったのだろう。私の Snow Leopard インストールの中の何かが、どこかのスイッチを切り替えて、Lion がその対処を拒否したのだ。でも、もしも Lion がもっと良いトラブルシューティング機能を備えていて、システムをアップグレードする作業の最中に何が問題だったかを明示してくれていさえすれば、良かっただろうにと思う。$49.99 を払って Lion Server を購入することもできたのだが、私としてはサーバ用ソフトウェアは必要なかったし、余計な出費もできれば避けたかった。

今回の Lion へのアップグレードで犠牲となった動物はいない。Snow Leopard の復活と引退に関してもそれは言える。けれども、私が受けた試練のそこここで、ナイフの刃を意味ありげに相手に向けたい気持ちになったことだけは言っておこう。

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Square は現金や小切手に代わる手軽な方法

  文: Dennis Wurster <dennis@macsmarts.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

一度目はたまたま、二度目は偶然の一致、でも三度目となれば、これはもはや流行に乗っているとしか言えない。最近ある日、私は一晩のうちに Square を別々の場所で三回も見かけた。Square とは、小さなプラスチックの磁気読み取り装置でカードをスワイプすることによって、クレジットカードやデビットカードの支払いをモバイルデバイスでできるようにするサービスだ。

一度目は、他の六人の人たちと一緒に食事に出かけた折のことだった。勘定をしようという時になって、一人の人が彼の iPad を取り出して、七つの別々の小切手の処理でサーバに負担をかけなくても、いったん僕が全額を払って、あとで皆のクレジットカードから徴収するよ、と言い出した。私たちは皆、これから Rochester の Apple CIDER ユーザーグループのミーティングで TidBITS 出版者 Adam Engst が Lion について語る講演を聞きに行くところだったので、素早く勘定が済むのはありがたいことだった。

その夕方、ミーティングの会場受付で、会計係が初めて支払い方法の選択肢の一つとして Square を含めた。Apple CIDER メンバーで年会費を払いたい人も、あるいは即席オークションに参加して物を買いたい人も、小切手帳を持ってくるのを忘れたとしても、ATM に立ち寄って現金をおろしてこなかったとしても、気にせず支払いができた。

三度目の、そしてその晩最後の Square 利用は、私自身によるものだった。私は親の義務として娘たちのためにガールスカウトのクッキーを売りまくっていたのだが、カードをスワイプして私の iPad で注文を受けてもいいですよ、と申し出たのだった。

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もはや明らかに、Square は主流派となりつつある。私は、こういう日を長らく待ちに待っていた! 2010 年に Twitter の共同設立者 Jack Dorsey によって作られた Square が登場するより以前には、携帯電話を使って他の人から支払いを受けるというのは全く現実的な方法ではなかった。購入リクエストを送る方法はいくつかあったけれども、その購入を完了させるのはやはり購入者次第であった。それとは対照的に、Square を使ったモバイル商取引は、手軽であると同時に効率的だ。フリーランスのコンピュータ・コンサルタントである私にとって、Square が使えるということは、より素早く支払いが受けられ、小切手の換金のために銀行で多大な時間を費やす必要がないということを意味している。

日常的な支払い手段を改善 -- 個人と個人の間でお金をやり取りする方法として、現金にも小切手にも本質的に不都合な点が内在している。現金は、きちんと割り切れる金額を支払おうとしていて、しかもその時たまたまその金額を私が持ち合わせていれば、便利だ。でも、夕食の勘定で友人に私の分として $11.38 を返金しなければならないのに、私の財布に ATM からおろしたばかりの $20 札しか入っていなければ、非常に困ったことになる。小切手も、自分の銀行口座にある範囲内にある限りどんな金額でも好きなように書き込めるので便利だが、いつも小切手帳とペンを身に付けていなければならないし、たとえ身に付けていたとしてもやはりちょっと面倒だ。ここで重要なのは、現金も小切手も、お金を支払う人と受け取る人の両方ともが使える方法だということだ。たとえ、お釣りを扱ったり、小切手を換金したりする手間が面倒だったとしても。

Square は、私たちが今日使っている(現金でも小切手でもない)第三の支払い方法、クレジットカード/デビットカードで、個人が支払いを受けることのできる道を切り開くものだ。支払い側には、特に目新しいものはない。私たちは皆、もう何十年も前からクレジットカードで買い物をしてきている。けれども Square が登場する以前には、クレジットカードやデビットカードでお金を受け取るのは、小規模の会社でさえ手の届かないことであり、ましてや個人がするなどとは考えられなかった。そのために「商人用アカウント」を設定することが必要で、カードの処理にもさまざまの手間がかかったからだ。

そうしたことの結果として、Square の登場は、素早く手軽に支払いを受ける必要のあるすべての人にとって非常に魅力あるものとなった。現金と同様に、Square での支払いは瞬時に(いや、実際には一晩かかるが)でき、受け取った小切手を銀行に持って行く手間も要らない。そして小切手と同様に、購入する人はいつでも「ぴったりの小銭」を払うことができる。なぜなら、販売する人が好きな金額をタイプするだけでよいからだ。

Square にはそれ以外にも魅力的なところがいくつかある。Square カードリーダーは携帯電話やその他のデバイスに接続することができ、そういうデバイスはおそらくあなたがいつも持っているものなので、可搬性も高くて使い勝手が良い。たとえリーダーをなくしたり壊したりしても大事には至らない。なぜならこれは無料で、その中には識別可能なデータが一切入っていないからだ。Square アプリには iOS 用Android 用の双方のバージョンがあるが、いずれも無料だ。

では、Square を使った購入方法と販売方法について少し詳しく見て行こう。[訳者注: 現在のところ、Square は米国のみにおけるサービスです。]

Square で買い物する -- Square での支払いを受け付けている販売者から物を買うのは簡単だ。次のようにすればよい:

  1. 販売者からあなたの支払うべき金額を聞いたら、あなたはクレジットカードを Square リーダーでスワイプする。ちょうど、従来のクレジットカード/デビットカードリーダーに通すのと同じことだ。

  2. それから、あなたはそのデバイスのタッチスクリーンの表面に「サイン」するように求められる。最近スーパーマーケットなどに登場するようになった新しい統合型のカードリーダ−でするのとよく似ている。サインは、指か、またはスタイラスペンを使う。店頭のカードリーダーで指での入力に対応しているものはまだ少ないだろう。

  3. すると、Square アプリはあなたの支払いリクエストを Square サーバに送信し、承認を求める。

  4. その支払いが承認されれば、レシートを電子メールで受け取るか、それとも携帯電話へのテキストメッセージで受け取るか、と尋ねられる。ここで注目したいのは、電子メールで送られたレシートにはその支払いが行なわれた場所を示す地図が含まれていることだ。

セキュリティとプライバシーの理由から、販売者があなたのクレジットカード番号を目にすることはないし、レシートの中に何らかの連絡先情報が記入されることもない。これによって、レストランで悪党のウェイターがあなたの勘定書を処理しながらこっそりクレジットカード番号を書き留めるのではないかといった心配も一掃される。

Square で物を売る -- Square Reader (Square では磁気ストライプリーダーと呼んでいる) の入手は易しい。Square のホームページでフォームに書き入れるだけで、あなたのところに無料で発送される。私の場合、リーダーが届くまでに数週間かかったが、最近はもっと早く届くようになったと聞く。直ちにリーダーを入手したいという人には、現在 Apple Store と Target で $10 で販売されているし、また近日中に Walmart でも販売される見込みだ。サインアップが済めば、 Square は $10 をあなたに返金してくれる。

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Square はあなたに、入金をするために必要な銀行口座情報をきちんと提供することを要求する。私の場合、私の口座情報が確認を受けるまで、二日ほどで済んだ。

いったんあなたがリーダーを手にして、Square があなたの銀行口座情報を確認すれば、あなたは Square アプリを使って自分の Square アカウントにログインし、これであなたが商売を始める準備は完了だ! 私は Square アプリを使ってみて、十分柔軟性があると感じた。どの時点で署名をもらうか、売上税を追加するかどうか (追加するならば何パーセントか)、チップをもらえるようにしたいか、といったことまで設定を調整することができた。

Square には、$25 未満のカード支払いについて署名を省くというオプションもある。少額の支払いで署名せずに済むようにすれば時間の節約になるけれど、(奇妙なことに) そのように設定している場合は顧客がチップを払えなくなる。

このアプリの iOS 用の二つのバージョンはほとんど同一だが、ただ一つ iPad 上で Square を使うことの利点がある。iPad では、同じ品物を何度も繰り返し販売する場合に、それらの品物をあらかじめ Square アプリの中で定義しておき、それらをまとめて「商品棚 (Shelf)」の上に整理して置いておくことができる。個々の品物にはボタンが付き、ボタンはカラーラベルに数個の文字を入れたものか、あなたの Photos アプリから既存の写真を取り込んだものか、あるいは iPad のカメラで撮影した新規の写真かのいずれかにできる。私はこの Shelf 機能を使って、娘たちのためにガールスカウトのクッキーを売るためのボタンをいくつか作った。一つのボタンは Thin Mint 用、次のボタンは Samoa 用、といった具合だ。それぞれのボタンは、クッキーの箱の色に合わせたカラーにしておいた。

販売の手順も、購入の手順と同様に単純だ:

  1. 支払いの合計金額を入力するか、または商品棚にあらかじめ定義されている項目を選ぶ。

  2. Charge ボタンをタップしてから、その支払いが現金か課金かを選ぶ。(あなたの出納記録を集中化するため、Square では現金取り引きも追跡できる。)

  3. 物理的なカードがある場合は、あなたがカードをスワイプしてから、あなたのデバイスを顧客に手渡して、支払い内容の確認とともにサインをしてもらう。(事故を予防するため、手に持ちやすいケースであなたのデバイスを保護しておくのがよいだろう。)

    あるいは別の方法として、CNP つまり "card not present" (カードなし) の支払いをしようとする場合は(例えば、電話で支払いを受け付ける場合など)カード番号と有効期限、CVV 番号、カード所有者の請求書郵送先 ZIP コードをあなたがタイプする。これらの追加情報で、不正に対する保護を図るのだ。CNP 支払いを選択した場合、Square の料金は少し高くなる。これは、不正の可能性が増えるからだ。

  4. 支払いが承認されれば、Square はあなたに電子メールを送って、その取り引きの詳細情報を通知する。購入者に送られる書式化されたメールとは異なり、あなたに送られるのはテキストのみのメールだ。

Square は米国内で発生したすべての取り引きで、またはほとんどあらゆる国際取り引きでも、Visa、MasterCard、American Express、または Discover のロゴを冠したクレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、ギフトカードによる支払いを処理できる。しかしながら、あなたが販売した取り引きに対し、直ちに入金が行なわれる訳ではない。その代わり、その資金は一晩の間保留され、次の営業日にあなたの銀行口座に振り込まれる。(これは完全に妥当なことで、通常の商人用アカウントでの扱いもこれと似ている。)支払いの処理に関する詳細は Square User Agreementに述べられている。

Square の使用に関し、障害はほとんど存在していない。もちろん、あなたは互換なモバイルデバイスを持っていて、それがインターネットにアクセスできるようになっていなければならない。でも、磁気カード読み取り用のリーダーと Square アプリは完全に無料だ。Square では契約は必要ない。このサービスは、単純にあなたがカードをスワイプした際に支払い金額の 2.75 パーセントを手数料として差し引く。CNP 支払いの場合は手数料が 3.5 パーセントプラス 15 セントとなる。これらの手数料率は妥当なもので、場合によっては伝統的な商人用アカウントでの手数料率より低いこともある。

手数料が一定率であることと、契約の必要がないことは、このサービスのまた革新的な面でもある。通常は、クレジットカードによる支払いを受けることは商人用アカウントを持つことに伴う費用や手間を引き受けられる大会社のみのものであった。通常、その手間の中には、図体ばかり大きくてしばしばあまりにも原始的な point-of-sale (POS, 売り場専用) 端末機を複数年間賃借契約しなければならないとか、処理手数料やレポート費用を毎月支払わなければならないとか、使われたカードによって異なる手数料率が適用されるとか、毎日の終わりごとにさまざまの種類の処理手続きが必要になるとかいったことが含まれる。その上、商人用アカウントの手数料はしばしばあなたの販売総量や、あなたが販売する場所の ZIP コード、あなたが販売する製品の分類などに伴うリスクに基づいて計算される。

私の知っているある商店では、定率手数料の Square をあまりにも気に入ったので、これまで利用していたカードサービスプロバイダの契約を丸ごと打ち切ってしまったそうだ!

可搬性と新奇性 -- iPhone や iPad でクレジットカードをスワイプするということ自体の目新しさもまた、良いセールス手段となるだろう。私の妻は最近、あるイベントで「販売コーナー」の担当となった。彼女はたった 30 分で Square の Shelf に 40 種類の品物を登録して、売上税も正しい税率で設定した。イベントが終わった時には、彼女が処理した売上げ総額は $3000 を超えていた。しかも、ラッフル抽選券の売上げが例年の 50 パーセント増しとなった。これはきっと、顧客たちがポケットの中の現金を使い果たした後もカードを使って買い物できたお陰だろう。

いたる所で気軽な内輪のお金のやり取りに Square リーダーが使われるようになるのも想像に難くない。庭先でするガレージセールや、週末のファーマーズマーケット(農産物直売市)などが真っ先に思い付く実例だが、直接対面のサービス業界でも Square は役に立つだろう。例えば、マッサージ療法士、配管工事、電気工事、食べ物の屋台、コミュニティーサイト Craigslist での売買、さらにはティーンエイジャーたちが庭の芝刈りをする場合さえも、といった風にいくらでも使い道は広がるだろう。もっと実例が知りたければ、Square が出している YouTube ビデオもある。

製品やサービスへの支払いを受ける際にクレジットカードやデビットカードが使えるようになればと思っている人たちにとって、いろいろな障害を Square が取り除いてくれたのは素晴らしいことだと私は思う。個人にも、小規模のビジネスにも、これは大いなる幸いとなり、しかも、この Square がいたる所にある iOS や Android デバイスで使えることにより、その商取引の魅力がさらに増しているとも言えるだろう。

[Dennis Wurster はニューヨーク州 Rochester 近郊で、Mac 中心の専門技術を企業に提供する仕事をしている。Ziff-Davis の "Mac Administrator's Journal" に記事を書いたこともあるし、User Group Leadership Conference で講演をしたこともある。Dennis は Apple Product Professional の認定を受けており、現在は自分の発見した解決法を Mac Smarts のブログ記事に書き綴っている。]

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2011 年 11 月 14 日

  文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Postbox 3 -- Postbox が、同名の電子メールクライアントのバージョン 3 をリリースした。Gmail、ソーシャルネットワーキング、統合などに関係した多数の機能が追加されている。Thunderbird ベースの Postbox 3 の新機能としては、Gmail ラベルへの対応、新設の「送信してアーカイブ」機能、Gmail のキーボードショートカットのサポート、自動的に日付を探知して Google Calendar イベントに変換する機能などがある。Postbox にはまたソーシャルネットワーキング関係の新機能もいくつかあって、Facebook、LinkedIn、Gravatar からプロフィール写真を取り込んで表示したり、Facebook、Twitter、LinkedIn に投稿したりできるようになった。新設のお気に入りバーで好きなアカウントやフォルダに素早くアクセスしたりでき、Evernote、Dropbox、iCal、Growl など外部のアプリやサービスとの統合を改良して生産性の向上が図られた。最後に、Postbox がカスタムテンプレートに基づいて定型の返信を送れるようになるとともに、Mac OS X との全体的統合が改善されて、例えばジェスチャーへの対応や Lion で新設されたフルスクリーンモードへの対応も追加された。(新規購入 $29.95、2011 年 8 月 15 日以後に購入したユーザーには無料、アップグレードは $9.95、21.4 MB)

Postbox 3 へのコメントリンク:

DEVONthink 2.3.1 -- DEVONtechnologies が DEVONthink 2.3.1 をリリースし、同社の「スマート情報アシスタント」ソフトウェアの三つの版 (Personal、Pro、Pro Office) すべてをアップデートした。今回のリリースには数多くの新機能が含まれ、テンプレートやスクリプトのメニューがカスタムアイコンに対応するとともに、iOS 用にシンプルな検索インターフェイスが新設された。このアップデートではまた広告フィルタや RSS パーサー、バックグラウンド保存プロセスの処理、多くのファイルフォーマットに対する読み込みと書き出しの機能などに改善が施されている。それぞれの版ごとに、多数のバグ修正も受けている。(新規購入 $49.95/$79.95/$149.95、無料アップデート、17.5 から 28.4 MB、リリースノート)

DEVONthink Personal, Pro, Pro Office 2.3.1 へのコメントリンク:

Java for 10.7 Update 1 と Java for 10.6 Update 6 -- Apple がJava for Mac OS X 10.7 アップデート 1Java for Mac OS X 10.6 アップデート 6 をリリースした。いずれのアップデートも、それぞれ十件あまりのセキュリティ脆弱性に対処しているが、その中には信頼できない Java アプレットが Java サンドボックスの外部で任意のコードを実行できてしまう問題への対処も含まれている。(無料、62.53 MB と 75.45 MB)

Java for Mac OS X 10.7 Update 1 と Java for Mac OS X 10.6 Update 6 へのコメントリンク:

デジタルカメラ RAW 互換性アップデート 3.9 -- Apple が、隣の家に負けるものかと、デジタルカメラ RAW 互換性アップデート 3.9 をリリースした。Aperture 3 および iPhoto '11 に、いくつかの新機種のカメラとの互換性を追加するものだ。新たに対応したカメラとしては、Canon PowerShot S100、Nikon 1 J1, V1, Coolpix P7100、Olympus PEN E-PL1, PEN E-PL3, PEN E-PM1、Panasonic Lumix DMC-FZ150、Sony Alpha NEX-5N, Alpha SLT-A65, Alpha SLT-A77 がある。このアップデートは Mac OS X 10.7 Lion と 10.6 Snow Leopard の双方に適用できる。Apple はサポート対象となる raw 画像形式のフルリストを Lion Snow Leopard の双方について公表している。興味深いことに、Lion 用のリストの方が少々長い。(無料、7.2 MB)

Digital Camera RAW Compatibility Update 3.9 へのコメントリンク:

MacBook Pro SMC ファームウェア・アップデート 1.5 -- Apple が MacBook Pro SMC ファームウェア・アップデート 1.5 を、MacBook Pro の機種を指定せず Mac OS X 10.7.2 Lion と 10.6.8 Snow Leopard 向けにリリースした。このアップデートは、電源アダプタで動作中の MacBook Pro が、バッテリの充電レベルが空に近い場合に(電源アダプタで動作中なのであなたはそれが問題だと思いもしないのに)処理負荷が重くなれば予期せず終了してしまうことがあるバグを修正するという。このアップデートをインストールするには、あなたの MacBook Pro が電源の供給されているコンセントに接続されているか、バッテリーが 25% 以上充電されている必要がある。すべてのファームウェアアップデートと同じく、インストール中はコンピュータの動作を妨げたり電源を切ったりしてはいけない。Apple はどの機種の MacBook Pro が対象となるかを明言していないので、このアップデートは Software Update から入手されることをお勧めする。おそらくアップデータ自体も、不要な機種にインストールすべきでないことを認識していると思われる。(無料、730 KB)

MacBook Pro SMC ファームウェア・アップデート 1.5 へのコメントリンク:


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