TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1111/30-Jan-2012

Macworld | iWorld から戻った私たちは、取材してきたたくさんのことを記事にしてお届けする。まず Adam がショウ全体がどんな感じであったかを概観し、Jeff Carlson は iOS 関係の写真とビデオの見所に焦点を当てる。Glenn は会場に溢れる大勢の「キャンギャル」たちについて思案し、それから私たち全員で協力して、ショウで見かけたクールな製品をたくさん紹介する。また今週号では Michael Cohen が Apple の 2012 年第1四半期決算報告を紹介するが、これは Apple にとってさえも驚くほど好調な業績であった。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Mac mini、MacBook と 13 インチ MacBook Pro 用のファームウェアアップデート、PDFpen と PDFpenPro 5.7、Fantastical 1.2、Yojimbo 3.0.3、それに BusyCal 1.6.2 だ。

記事:

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Q1 2012 は Apple にとってまたもや記録の四半期となった

  文: Michael E. Cohen <[email protected] >
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple の決算報告については、四半期毎に毎回同じ話を繰り返しただ数字だけを最新のものに置き換えればよいという所まで来ていた。にも拘らず、我々慣れきっている Apple 専門家でも同社の最新四半期の結果には驚かされた。

Apple の世界征服への行進の話の最新版の数字を挙げると:売上 $46.33 billion (アナリスト予測は $38.85 billion であった)、そして利益 $13.06 billion 又は一株当たり $13.87 で、 一企業としては四番目に高い四半期利益となった。比較で言えば、昨年同期に Apple は売上 $26.74 billion そして利益 $6 billion を計上していた;言い換えれば、Apple の四半期利益は前年同期より 118% 上回った。事実、Apple の 2012年度第一四半期の純利益は前年度の 全年分 のおよそ半分に達する。営業利益は $17.3 billion、又は売上の 34.7% であった。

この突出した結果に貢献したのは iPhone, iPad, そして Mac の売上の力強い成長である。売上が減少したのは iPod だけで前年同期比で 4 百万台減っている - しかしここにおいても、四半期中の iPod 販売は 15.4 百万台で、これは同社自身の予測をも上回っている。iPod touch が前四半期の全 iPod 販売の半分以上を占める。iTunes Store は売上で $1.7 billion をもたらし、クリスマスの日には 140 百万を超える顧客ダウンロードがあった。

前四半期に Apple は Mac を 5.2 百万台を売り、これは前年対比 26% の増となるが、ラップトップもデスクトップも両方とも売り上げ記録を更新した。比較の数字を挙げると、一般のコンピュータ市場に対して売上でゼロ成長を IDC は予測している。全ての地域で Mac の販売は伸び、とりわけ Asia-Pacific 地域は 58% の成長を見た。MacBook Pro と MacBook Air がこの販売伸長を導いたのだが、デスクトップ Mac も好調な売り上げを記録したと報じている。そして、Mac App Store の売上に関しては金額は明かされていないが、開設以来顧客によるダウンロードは 100 百万を超えたと Apple は言っている。

10月の iPhone 4S の発売を考えれば当然かもしれないが、Apple は記録破りの iPhone 販売を記録した:37 百万台以上がこの四半期に売られたのだが、これは Apple が前年同期に売ったものより 128% 増となっていて、全スマートフォンの成長率 40% を上回っている。同四半期に対して計上された iPhone 及びその付属品の売上は $24.4 billion で、Apple の四半期の全売上の半分以上である。これらの数字には今年初めに始まった中国本土での iPhone 販売は含まれない。

同四半期に Apple は 15.4 百万台の iPad を販売したが、これは前年同期比でおよそ二倍となっている。計上された iPad 及び付属品の売上は $9.1 billion であった。特記すべきは、販売された全 iPad のうち 1.5 百万台が教育市場向けであった - しかもこれは Apple が、新しい iBooks 教科書構想及び iBooks Author ソフトウェアを発表する前であり、このソフトウェアは先週だけで 600, 000 コピーがダウンロードされた。

結局のところ、Apple はこれまでにおよそ 315 百万台の iOS 機器を販売したことになり、このうち 62 百万台が終わったばかりの四半期だけで付け加えられた。

Apple 小売店も前四半期には大繁盛であり、売上で $6.1 billion をもたらし、一店当たりでは平均 $17.1 million の売上となる。前四半期の一店当たりの入場者数は平均でおよそ 22,000 人であった。これら小売店では、全ての Apple 製品ラインで売り上げ記録を更新した。

その他の細かいことを発表から拾うと:iCloud は今や 85 百万の加入者を持ち、iTunes App store には 550,000 以上のアップスがあり、これには 170,000 iPad アップスが含まれる。アップス開発者達は同四半期に $700 million を稼いだ。同社の粗利率は 44.7% で、その手持ち現金は (これには短期及び長期の有価証券も含まれる) $97.6 billion であり、そのうち約三分の二は海外にある。

これは Tim Cook の CEO としての最初の満期の四半期としては悪い数字ではない。ひょっとすると Apple は Steve Jobs 無しでもやっていけるかも。

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Macworld | iWorld 2012: 一言で言えば、自信たっぷり

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

嵐のようなめまぐるしい活動を終え、サンフランシスコの Macworld | iWorld から私たちは皆それぞれ自宅に帰り着いた。Tonya と私は雪景色の Ithaca に、Glenn と Jeff は雨降りしきる Seattle に、Joe は Paris に (私がパリで思い出すのは食べ物だけで天候のことは分からない)、そして Michael は陽光輝く Santa Monica に。普段から電子メールや iChat、Skype、Twitter などで日々のやり取りをしているけれども、こうして皆と面と向かって会えるのはやはり素晴らしいことだった。また、Jeff Porten や Marshall Clow など他の TidBITS 寄稿者たち、Karen Anderson や Dan Frakes などの編集者たち、それから、私たちの Take Control 電子ブックの表紙をすべて作ってくれている Jon Hersh にも会えて嬉しかった。

私がこうした人々の名前を挙げたのは、率直になるためだ。ショウのフロアやカンファレンスセッション、Macworld Live ステージでの語り、美術展示、音楽イベントなどはどれも素晴らしかったけれど、私たちが Macworld Expo に行く(申し訳ないが新しい名前を正確かつぎこちなく何度も繰り返して使う気にはどうしてもなれない)最も大きな理由は、人々に会うためだ。仕事仲間や、Apple メディア界の同僚たち、Mac や iOS のソフトウェア開発者たち、それから TidBITS 読者たちの間で、Macworld Expo が意味するものとはまさにノンストップで続く会話だ。先週私の Twitter 投稿数がとても少なかったのにお気付きの方もおられるかもしれない。また、先週は新しい TidBITS 記事が一つも出なかった。その理由は、休む間が少しもなかったからだ。私たちは会期中ずっと働きづめで、ショウのフロアでブースをチェックしたり、講演をしたり、開発者たちとビジネス上のミーティングをしたり、スタッフたちと将来の方向性について計画を練ったり、読者たちとおしゃべりしたり... することが山ほどあった。

初日が終わると、私はいつもいろいろな人たちにショウの感想を尋ねる。また自分自身でも、フロアの人々の流れや、ブースやカンファレンスに対する聴衆の反応などをもとに、全体的な印象を汲み取ろうと努めている。ことに、私は Apple がいなくなった過去二年間と比べて今回はどうかという点が気になった。

そういうわけで、今回の Macworld Expo を一言で表現すれば「自信たっぷり」という言葉がふさわしかった、とここに報告することができて私はとても嬉しい。過去二年間は、「Apple のいないカンファレンスなんてうまく行くだろうか?」というためらいの気持ちと、「おまえなしでもカンファレンスができるぞと Apple に見せつけてやろう」という挑戦的な気持ちと入り交じっていた。けれども今年はそういう雰囲気はなくて、旅の途中に話をした Apple 世界とは無関係な人たちを別にすれば、Macworld Expo に参加した人たちの中で誰一人として Apple がいないことを口にする人などいなかった。何度も言っているように、Macworld Expo に Apple がいないことは大して意味がない。私が思うに、出展者たちにとっては良いことですらあるかもしれない。なぜなら、以前は Apple による発表が他のすべての展示に影を投げ掛ける傾向があったからだ。

フロアにて -- ショウのフロア自体は人で一杯で活気に満ちていた。出展者の数も少し増え、2010 年の約 250、2011 年の約 260 に比べて今年は約 270 となった。より重要なのは、各種のベンダーの混じり具合が従来より良くなったことだ。以前には、フロアの通路を歩きながら「また iPhone ケースのベンダーだ、チェック! こちらはまた iPad ケースのベンダーだ、チェック!」とひっきりなしにつぶやくことが多かった。けれども今年は、捻りが巧みに利いたものや、製品が拡張されているものが気になってブースに引き込まれていく自分に気付かされることが多かった。

例えば、Adonit は iPad 用の Writer キーボードと Jot スタイラスペンを展示していた。どちらも、とりたてて新しいアイデアではない。でも、キーボードと iPad カバーを兼ねた Writer は、マグネットを利用して無限に自由度を持つ傾斜角を iPad に提供し、またケースを閉じれば自動的にキーボードの電源が切れるようになっている。それから、Jot スタイラスペンには通常の大きなフォーム玉の代わりに透明なプラスチックの円板が付いているので、自分のしていることがよく見える。

私は何度となく、ブースに何があるのかなと眺めては、ちょっと立ち止まってもっと知るために話を聞いてみたいという気になった。デジタル世界にいると自負している私たちにとって、Macworld Expo で新しいものを発見するのはとてもワクワクすることであり、そういうものをたくさん集めて紹介した私たちの記事“Macworld | iWorld 2012 のクールな製品”(2012 年 1 月 30 日) もぜひお読み頂きたい。

また、私はホールの正面にある大きなブースはどれも素通りするという自分の長年の習慣を考え直す必要に迫られた。従来、大きな会社の展示は大して面白くなかった。けれども今年は、正面に The Omni GroupHyperShop がどんと構えて(その横には HPSennheiser も並んで)いて、そういうところでさえも注意が必要となった。

欠点にも触れておこう。IDG World Expo は今年のショウフロアの配置になかなか良い仕事をして、ことに iOS アプリ開発者たちの小さなスタンドが従来よりうまいレイアウトになっていたけれども、もう少し大きなスタンドを使う Mac 開発者たちを集めた新しい OS X Zone は、あまりにもホールの隅の方に追いやられていて、ほとんど見つけるのが不可能なほどだった。Mac と iOS で関連ブースの数を比べてみるまではしなかったけれど、そんな比較はどうでもよい。ショウの新しい名前を見ても、両者が扱われているのがはっきりしているし、現在の私たちの生活の中でも Mac OS X と iOS は同等に重要だ。

公式の観衆数はまだ IDG World Expo から発表されていないが、私の推測では 25,000 人から 30,000 人くらいだろうと思う。私の気付いた限りでは人ごみが空いてくることがほとんどなかったし、通路はほとんど常に混雑していた。一番目立ったのは土曜日の入場登録の行列の長さで、平日にはショウに来る時間が取れなかった人たちがどっと押し寄せていた。正午に私が昼食に出ようとしていた時には、行列が Moscone West のロビーからドアの外まで伸びていた。こんなに人気が集まるのを目撃するのはとても嬉しかった。

実世界と仮想世界が衝突する -- 私の場合ショウの会場にいながら Twitter に投稿する時間はとてもなかったけれど、それでも私はしょっちゅう iPhone を使って、覚えておきたいブースの写真を撮ったり、時間を見たり (私は腕時計をしないが、それでも Apple が iPhone を手首に装着する方法を開発してくれればいいのにと思う)、Messages でミーティングの手配をしたり、友人の居場所を Apple の無料の Find My Friends アプリでチェックしたりなど、さまざまのことをしていた。

Find My Friends が便利だというのは嬉しい驚きだった。これまで、意味のある状況でこのアプリを使ったことがなかったからだ。例えば Tonya が自転車で遠出する際に彼女の現在位置をチェックしたりすることは何度かあったけれど、実際にはそろそろ彼女が到着する頃だという場合にしかチェックしていなかったので、たいていはもうすぐ彼女が着くと分かるだけのことだった。今回は一時的に、TidBITS スタッフや、ミーティングに集まる予定の他の友人たちの一人一人がどこにいるかを皆で共有してみたので、どこにいるかを少なくともおおよその位置として知ることができて、楽しいと同時にとても役に立った。(一度など、朝食の約束をしていた Take Control 著者の Karen Anderson がどこにいるかをチェックしてみたところ、彼女の位置を示す紫色の点が外の車道上で遊びまわっているように見えて、ちょっと心配になったことがある。)広い会場で催されるイベントで他の iPhone や iPad ユーザーたちと一緒に Find My Friends を試してみる機会があれば、ぜひ一度やってみられるとよい。

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あまり良くない側面を言えば、人々があまりにも自分の iPhone に注意を向け過ぎて、イベントや、目の前にいる人たちにあまり注意していないように見えることが多かった。目の前にいる人が一心不乱に iPhone に集中しているので、その人に私が何を話しかけても邪魔になるんじゃないかと思えたことが何度もあった。家族の食卓でメールを打ったりすることと同じように、このような状況が今やますます一般的になっているに違いない。人々のグループによっては、それが既に受け入れられているところさえあるだろう。でも、私はそのような危険な道に踏み込みたいとは思わない。(おまえら子供たちも、うちの芝生に足を踏み入れるんじゃないぞ!)

公平のために言うと、しばらく以前からこのように実世界と仮想世界が交じり合う状況はあちこちで起こりつつあったと思う。iPhone について言えば、あなたはもはやオフラインになっていることがめったにない。そのことに加えて、今や iOS 5 の新サービス iMessage や、 Boxcar などのアプリによる通知サービスがメッセージングに対する抵抗をますます減らしつつあるので、iPhone がポケットの中の悪魔のささやきになりかねないというのも十分納得できる。

私自身は、ショウの期間中私が属する実世界上のグループから切り離されることのないようにと常に心がけていたつもりだが、予定の手配に関係したメッセージの到着を知らせるために iPhone がバイブレーションを始めて、必要以上にそれを出しゃばりと感じずにはチェックができないという経験が私自身確かに何度もあった。世の中で普通に使われるようになるにはまだまだ何年もかかるかもしれないが、いずれ眼鏡の中に仮想のヘッドアップディスプレイが組み込まれて到着するメッセージが読めるようになるのは間違いないと思う。そうしたメッセージに私たちがどのように返事するようになるのかは分からないが。

さて、家に戻った私たちは、数限りない種類の仮想コミュニケーションチャンネルに依存する生活へと再び戻ろうとしている。それはそれで結構なことだが、顔と顔を突き合わせて会えるのがどれほど役に立って楽しいことかを考えれば、もう次の Macworld | iWorld を楽しみにする気持ちを抑えることができない。その日程は、2013 年 1 月 31 日から 2013 年 2 月 2 日までの予定だ。

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キャンギャルたち: iキャンディーか iスクリームか?

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

キャンギャルたち (booth babes)、つまり肌もあらわな、あるいは肌にぴったり密着した服装をしてトレードショウの観衆を客寄せし、会社の製品やサービスについてもっと知ってもらえるようにするために雇われたモデルたち(ほとんど常に女性たちだ)を題材に記事を書くのは、自らにも痛みをもたらす結果となる。彼女たちがイベントにもたらす一見不必要な「刺激」について書くことで、自分自身が何らかの誘惑めいたものを宣伝する羽目に陥るのではなかろうか? まあ、そんなことはないかもしれない。例えば Jeff Carlson が撮影したこの写真を見て頂きたい。魅力的な女性たちが体にぴったり合った(しかも、Tonya Engst が手洗所で小耳に挟んだところによれば着心地の悪い)ピカピカの紫色のジャンプスーツを着ている。この写真には、女性たちのお尻のところに 2D バーコードを取り付け、ウエストのところには会社のロゴを取り付けるという、極めて悪趣味なマーケティング戦術が見えている。微妙どころではない。でも、私たちも、これを非難しようとすることで同じやり方に陥っているのか?

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ここでの私の意図は、この写真を見て頂き、以下の文章を読んで頂くことで、ちょっとした挑発とともに、皆さんに私たちの多くが会場で個人的に体験したある種の認知的不協和を感じて頂きたいのだ。Economist の Babbage ブログで、私は "Silicon Implants" と題して、今年の Macworld | iWorld ではあまりにも多くの肌の露出とぴっちりした衣装とを見せつけられて異様な感じがしたと書いた。このショウは伝統的にかなり均等な男女比から成る観衆を集めており、CES やボートショウをどこぞの夜の町か何かと取り違えている男たちを対象としたものではなかった。その点は、今年も何ら変わっていなかった。私が手早く数えてみたところによれば、フロアの観衆は 60 対 40 くらいで少し男性の方が多い程度だった。けれどもブースのスタッフのみの人数を数えると、脚の長いモデルたちを含めずに、全部合わせて 50 対 50 の割合だった。

私の Economist 記事には大量のコメントが寄せられた。内容に賛成するコメントもそうでないコメントも、有益なものであった。私は何も、魅力的な人たちがそれぞれの製品に私の注意を引き付けようと試みていることに対して不満なのではない。それより私が言いたいのは、これらの会社がモデルたちに体の一部分をスパンデックス衣装のストレステストに使わせたりあるいは空気にさらさせたりしつつ、そんな大変な努力をしているのに結果は失敗に終わっているという点だ。注目を浴びるのは必ずしも常に良いこととは限らない。なぜなら、ショウにやって来た女性に対してはそれらの製品が彼女たちに向けたものではないと強調してしまっているし、またこんなに見え透いたやり方で扱われるのを不愉快に感じる男性たちを遠ざける結果にもなるからだ。

単刀直入に言わせてもらおう。女性たちにこれほど人工的に性的な強調を施した衣装を着せるということは、その女性たちを性の対象としているというメッセージを届けるに等しい。けれども彼女たちは実際にはそうでない。そのことは男性たちのほとんど全員が承知しているけれども、どうやらそれでも社会的適合性の低い一部の者たちが声を掛けるのを止めることはできないようだ。ほとんどすべての男性にとって、まさにそこが認知的不協和の発生するところであり、後脳の発する男性的呼び声 ("Sex!") が、より進化した神経経路の判断 ("クールな工業デザイン!") と闘いを続けるのだ。一方ではさっぱりとした、きちんとした服装の女性たちが(それに男性たちも!)いるブースもたくさんあって、こちらは魅力的かつ立ち寄ってみたくなるような伝統的マーケティング戦術を採っており、質問にも耳を傾けて豊富な知識をもってそれに答え、好意的で陽気な態度で応対してくれていた。当然私はそういうブースに引き寄せられた。

Cult of Mac の記事で、Traci Dauphin はこのショウにいたモデルたちへのインタビュー を紹介し、彼女たちの生の声を伝えている。その内容は本音を明かしていて、貴重な識見が得られる。私の予想通り、キャンギャルたちは(当然ながら彼女たちはその言葉で呼ばれるのを好まず、私はその言葉を使ったことで彼女たちを意図的に侮辱しているのではないかと自問自答せざるを得ない)たいてい十分な報酬を得ており、トレードショウでの仕事を他のプロフェッショナルな仕事と同等に考えているという。彼女たちは、自分たちがいなければ知らずに通り過ぎてしまうかもしれない観衆をブースに呼び込むことが自分たちの仕事だと心得ているし、それが自分たちの顔や体を利用する見返りに報酬を支払っている会社の利益になるのだと知っている。もちろん、モデルたちを題材にした Traci の記事には彼女たちの感じの良い写真がたくさん載っていて、それによって記事の読者を増やしているのも驚くには当たらない。

問題をここでほぐし出すのはなかなか難しい。私はモデルたちが生計を立てることに気を悪くしているわけではないし、IDG World Expo のショウ管理部門が何らかの行動を起こすべきだと提案しているわけでもない。衣装がどこまで肌に密着してよいか(あるいはスカートがどこまで短くてよいか)についてのドレスコードを強制しても、何の意味もないし人を怒らせる結果しか生まないだろう。私が思うに、その戦術に十分効果があって否定的側面を相殺できるかどうかを吟味するのは、とりわけ魅力的な女性たちが反発を買う要因になっていないかどうかを判断するのは、まずはベンダーたちの責任となる。例えば Adam Engst は私に、彼は会場でこうしたモデルたちに囲まれたブースを見ればはっきりとそこに近づくことを避けたと言っていた。その理由は、そこに近づけばきっと居たたまれない気持ちになるだろうし、第一彼女たちは彼の細かな質問に答えてくれるとは思えないから、とのことだった。

それからまた、カリフォルニア州にある非営利団体 About-Face の素晴らしい働きについてもここで紹介して、皆さんにぜひ検討して頂きたいと思う。この団体の目標は、少女たちや女性たちを教育して、自尊心と身体イメージを破壊するメッセージが常時集中砲火のごとくメディアから浴びせられる状況に打ち勝つための、手だてを伝えることだ。この団体は、長年の TidBITS の友人であり以前 Macworld の編集者もしていた Jennifer Berger が運営している。

一人の男性として、少なくとも私たちの社会の現在の発展段階において、私は女性たちに対して常時完璧さのイメージが提示され、それに倣うようにと陰に陽に圧力を受けているこの現状を、どうしても十分に理解できないでいる。この Macworld | iWorld のモデルたちもまた、その一つの構成要素であろう。ベンダーの専門的スタッフとの対比を浮き彫りにしつつ、ショウの観衆の中の女性たちをあからさまに遠ざけていたのだから。私たちが 5 年か 10 年前の Macworld Expo と比べてこの点では後退してしまったのは悲しいことだ。当時は、このようなモデルたちは非常に少なく、ごくまれにしか見かけなかった。おそらくこれは、iOS を手にした、より若い世代の、より専門度の少ない聴衆を引き付けるために支払わねばならぬ代償の一部なのかもしれないが、だからといってそれがショウフロアの心地良さを増すわけでは全くない。

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Macworld | iWorld 2012 の iOS 写真とビデオの注目品

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

iPhone の登場以来、Macworld Expo は iOS とアップスに重点的に焦点を当ててきたが、今年の Macworld | iWorld イベントも例外ではなかった。ありとあらゆるアップスを紹介しているブースの中に、写真とビデオの撮影に関するものが多く出ていた。iPhone 4 と iPhone 4S に搭載されているカメラがいわゆる "カメラフォン" で何が出来るかの境界を押し広げている;私は会場で写真を撮るのに DSLR やバカチョンカメラでよりも iPhone を使って撮っている人をより多く見た。

と言うことで、ショーでの我々のお気に入りを挙げるのに加えて ("Macworld | iWorld 2012 のクールな製品", 30 Jan 2012 参照)、私は iOS 機器を使って写真やビデオを撮ることに焦点を当てた製品を幾つか取り上げたいと思う。

Game Your Video -- Apple の iMovie for iOS について語る時、私は撮ったばかりのビデオをその閃きがまだ新鮮なうちに、何時間も或いは何日も経ってから映像を Mac にインポートしてではなく、編集できることの素晴らしさを強調する。しかし Global Delight の人々はオンサイト編集はまだ魅力が足りないと思っているらしく、 Game Your Video を出してきた。これはあたかもビデオゲームをやっているような感覚で効果や音を付け加えられる面白いやり方である。そのインターフェースは良く出来ておりそしてやり方を推測するのも易しいので、撮った後でも勿論だが、ビデオを撮りながらその場で効果付けも出来る。Game Your Video は iPhone 又は iPod touch 用で (iPad ネイティブではない)、 値段は $1.99 である。 私が Game Your Video で作ったビデオを YouTube で見て欲しい。

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Video Camera -- i4 Software の人々は、ビデオを撮る時に単に Record ボタンを押す以上のことが出来ると信じている。これが何故彼らが名は体を表す Video Camera アプリをデモしていたかの理由である。ビデオを捉えることに加えて、クリップを編集、タイトルやトランジションを加える、そしてスナップショット写真を取り込む (録画している間でも) という操作が出来る。Video Camera が面白みを増すのは、同じ Wi-Fi 上にありこのソフトウェアを走らせている 8 台までの iOS 機器をリンクアップする能力である。一台が "舞台" となりそして残りが "役者" となって、それぞれのビデオ源から動画をインポートしミックスすることが可能になる。Video Camera は $7.99 である

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iSupport -- かって iPhone でビデオを撮るのは一種の新しいお遊びであったが、その品質が格段に向上した事もあってレポーターの中には放送用のために iPhone 4 や iPhone 4S 機器から撮った HD ビデオを使っている人もいる。この $49 の iSupport は iPhone に対するマウントで、ビデオや静止画を撮るのにより人間工学的な姿勢をとれるようにしてくれる。これには二つの握りグリップ、追加のレンズを取り付けるための 37mm ネジ溝の付いた一つのレンズフード、そしてユニット全体を三脚に取り付けるためのネジ穴が付いている。

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$79 の iSupport Pro は削り出しアルミ製で、バネ仕掛けのブラケットが付き、そして黒、白、クロームの三色がある。iSupport の人達は更に Cine Bundle も展示していたが、これは $189 のマウントで照明やモニタと言った付属品を取り付けるための追加のネジ穴、二つのボールマウント、そして安定化のための三脚が付いてくる。

Olloclip と iPro Lens -- Apple が iPhone 4S を紹介した時、同社はカメラの品質向上を強調した。それはそれで素晴らしいが、iPhone を主たるカメラとして使うことを真剣に考えている人達のために、二つの出展者が広角、魚眼、そしてマクロ機能を (片方では) 追加する外付けレンズを出していた。

$69.99 の Olloclip は、Kickstarter プロジェクトから設立資金を調達して始めたのだが、iPhone 4 と 4S のための一人三役のスナップオンレンズである。ある方向に反転させればそれは 180度の視野を持った魚眼となる;反対方向にひっくり返せば、今度は 10x のマクロとなる。そのマクロを捩ってはずせば、視野を約二倍にひきのばす広角となる。土曜日の午後には、同社は用意した在庫を売り尽くしてしまい、疲れ切っており、二つだけ残ったデモユニットを確保するのに精いっぱいであった。

Olloclip 程コンパクトではないが、Schneider Optics からの $199.99 の iPro Lens System は iPhone 4 又は 4S のためのケースで構成されており、そこにバヨネットマウントが付いていて広角レンズか魚眼レンズを取り付けられる。これらのレンズは、この iPhone ケースに付属した賢いチューブの中に収納されていて、そしてこのチューブはハンドルとして、又は三脚へのマウントとして使われる。

(これらのサンプルは世界一芸術的だとは言えないが、視角の違いは判って貰えると思う。)

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AntiCrop と TouchReTouch -- 多くの iOS アップスが、あなたの画像に写真フィルタや効果を追加したり、或いは露出や彩度の様な属性を調整をさせてくれるが、AdvaSoft からの 99 セントのアップスには iPhone, iPod touch, そして iPad に対して高度の編集をさせてくれるものがある。

AntiCrop は、画像を解析しそして元々ピクセルを含まない部分をペイントする。例を挙げると、写真を回転させたり或いは端を延ばしたい場合などである。この効果の出来具合は元々の写真に大きく依存するが - 空との境とか簡単に繰り返せるパターンが一番良い - うまくいけばびっくりする程の結果が得られる。

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TouchReTouchTouchReTouch HD (後者は iPad 用) は、写真の中の邪魔になる被写体を塗りつぶさせてくれる。投げ縄ツールを使って囲むか、或いはブラシでペイントして、それから Go ボタンをタップするとその被写体が消え去る。

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Macworld | iWorld 2012 のクールな製品

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Macworld | iWorld が Consumer Electronics Show に比べてはるかに規模が小さかったと言うのは簡単だが、私たちのように実際に出展者たちと話をしたり興味深い製品を探し回ったりした者にとってみれば、270 以上もあるブースの一つ一つを訪れるのにやはりたっぷり二日間を要した。素敵な製品もたくさん見つけたので、どうしても紹介したいと思う最も注目すべきものだけを選んでここに挙げることにしよう。

最も歓迎すべき iPad への移植 -- 私たちは Mac 用の PDFpen の大ファンなので、Smile が今回このプログラムを iPad にももたらしてくれたと知ってワクワクした気持ちになった。どうやら、私たちが Mac 上で慣れ親しんだあらゆる方法で、PDF を iPad 上で読んだり編集したりできるようだ。テキストや画像、署名を PDF に追加したり、テキストを編集したり、メモやコメントや書き込みを追加したり、PDF フォームに記入をしたり、画像の移動・リサイズ・コピー・消去をしたり、線や矢印・楕円・多角形を描いて書類にマーク付け・下線・取り消し線などの印を付けたり、その他のことができる。 iPad 用の PDFpen は Dropbox、Evernote、Google Docs との間で直接 PDF の読み出しや保存ができ、Wi-Fi 経由でコンピュータとの間で PDF を共有したり、ファイルを iTunes、FTP、WebDAV、iDisk を使って転送したりもできる。けれども、他のメジャーなプログラムで私がまだ見たことのない機能(ただし Apple の iWork は除く)は、iPad 用の PDFpen が書類を iCloud に保存して複数のデバイス間で共有できることだ。iPad 用の PDFpen は $9.99 from the App Store から、たった $9.99 で購入できる。

あなた専用のクラウドを作ろう -- Macworld Expo にハードドライブのベンダーが多数集まったのは遠い昔のこととなった。けれども今回、ストレージ関係の二つの製品が私の目に飛び込んできた。一つ目は Seagate の GoFlex Satellite で、これはポータブルな Wi-Fi 対応ファイルサーバだ。バッテリ電源で動く 802.11n ホットスポットに、2.5 インチ、500 MB のハードドライブが付いていると思えばよい。その考え方は、まずあなたのメディアや書類を USB 2.0 経由でロードしておき(実際には USB 3.0 だがこれは後方互換で、また別売で FireWire 800 や電源付き eSATA GoFlex インターフェイスも利用できる)それから Wi-Fi 経由で接続した最大三台までのデバイスにメディアをストリーミングするのだ。これはウェブブラウザ経由でも、また無料の iOS あるいは Android アプリを使うこともできる。家庭電源用と自動車電源用の充電器も付属している。Seagate によれば最長 5 時間のバッテリ寿命があるという。定価は $199 で、 Amazon では $178 で販売されている。

持ち運びの手軽さは減るけれども容量がずっと大きいのが、Western Digital の My Book Live だ。これは基本的に、Ethernet 接続のハードドライブに独自仕様のオペレーティングシステムが搭載され、ファイルサーバのソフトウェアが 800 MHz の CPU 上で走るというものだ。My Book Live 上にあるファイルには、あなたのネットワーク経由でもインターネット経由でも、まるでローカルドライブであるかのようにアクセスでき、無料の WD Photos と WD 2go アプリを使って iOS デバイス上で写真や書類にアクセスができる。また、ビデオのストリーミングを Xbox 360、PlayStation 3、Blu-ray ディスクプレイヤー、スマート TV などどんな DLNA 対応デバイスにも供給でき、iTunes に音楽をストリーミングすることもできる。価格はサイズによりさまざまだが、3 TB モデルは Amazon で $220 で販売されている。[ACE]

テレビに接続された Mac mini に最適のコントローラ -- あなたの Mac mini をテレビに接続して、肘掛け椅子に座ったままでビデオを再生したりウェブをブラウズしたりしようと思ったとする。でも、Apple のワイヤレスキーボードも、Magic Mouse も、椅子に座った状態でコントローラとして使うには具合が悪い。すぐに膝から滑り落ちたり、クッションの間に落ちてしまったりするからだ。その代わりに、SMK Link から $69.99 で出ている Wireless Ultra-mini Touchpad Keyboard for Mac はいかがだろうか。これはゲームコントローラのサイズのデバイスで、チクレット風の QWERTY フルキーボードと、トラックパッド、デュアルナビゲーションコントロール、左右のボタンを、小さくまとまったパッケージの中に詰め込んでいる。Mac に装着したドライバ不要の USB ドングルとの間で、2.4 GHz 帯を使った通信をする。直接視野にある必要はないが、到達距離は半径 33 フィート (10.1 m) 以内に限られる。トラックパッドはかなり小さく、親指で文字をタイプするのに慣れる必要があるが、これは私が見たことのある Mac ベースのホームシアターシステムの中で最も小型の完全装備コントローラだ。[ACE]

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iDrink Different -- iPhone はどこまで来たか? あるいは、あなたの飲み物の好みとそれに対する見方にもよるが、どこまで堕ちたか! この会場には、栓抜きと兼用になっている iPhone ケースを展示したブースが、一つでなく、何と二つもあった。(三つ目もあるという話を聞いたが、私は結局見つけられなかった。)39.95 オーストラリアドルの Opena Case には、スライドさせて引き出すタイプの栓抜きが装備されていたが、ブースにいたキャンギャルたちとぺちゃくちゃお喋りしたり、それ以上深いことを知ろうとしたりする元気が私にはどうしても出なかった。それよりも愉快だったのが $25 の Intoxicase で、こちらは栓抜きをケースの背面に組み込んでいる。($35 の Intoxicase Plus というのもあり、こちらは畳んである状態から開いて使う栓抜きだ。)また、付属の無料の iOS アプリが、使用回数を追跡し、Twitter や Facebook にあなたの楽しい体験を投稿でき、血中アルコール濃度が高くなれば警告し、近所にあるタクシーサービスを見つけてくれる。まったく馬鹿げているけれど、こんな冗談を論理的極限にまで拡げてくれた Intoxicase に脱帽だ。そうそう、葡萄の快楽を好む方々のために、Intoxicase の連中はボトルのコルク栓を抜くことのできるバージョンの開発を試みているところだという。[ACE]

データゴーグルに向けての最初の第一歩 -- 現時点ではオーディオ専用だが、私は Qmadix の Q-i-wear Stereo Bluetooth Eyewearにとても強い印象を受けた。 基本的に、これはハイエンドのスポーツ用サングラスで、付属のイヤホンによるオーディオ出力と、眼鏡のフレームにマウントされた二つのノイズキャンセル機能付きマイクによるオーディオ入力の双方を提供できる。それにもちろん、防水仕様だ。このイヤホンにはいくつかのイヤーチップも付いていて、その中には最大 42 dB の騒音低減を提供するノイズ低減タイプのチップもある。三色(クリア、イエロー、ダークグレイ)の眼鏡レンズが付属しており、普通の眼鏡をかけている人のための処方レンズホルダーも付属する。バッテリ寿命は連続的に話をすれば 6 時間、音楽の再生ならば 8 時間、スタンバイ状態ならば一週間保つ。micro-USB ケーブル経由でおよそ 2 時間で再充電できる。重量は 52 グラムと眼鏡にしては重い方だが(それに写真でお分かりの通り Tonya の顔にはちょっと大き過ぎるが)私がかけてみるとなかなか具合が良かった。これだけのスペックがあれば安価ではなく、$299 もする。あとはビデオが扱えればいいのに。[ACE]

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堆肥になるケーブル -- Qmadix のサングラスも印象的だったが、そのブースにいた担当者は私に同社の Ecoustic シリーズについて記事を書くようにと熱心に話をしてくれた。これは、よく聞いて欲しいが、生分解可能なケーブルだ。馬鹿げて聞こえるかもしれないが、よく考えてみると、世の中では何億本何十億本というケーブルが捨てられて、結局は埋め立てごみとして廃棄され、プラスチックは何世紀もの間、変わらず土の中に埋まったままなのだ。Samsin USA との共同開発により、Qmadix は一連のケーブル類の販売を開始しようとしているが、これらのケーブルの硬質および軟質プラスチックの部品はすべて、環境に優しい植物ポリマーで出来ており、通常の使用では十分な耐久性を保ちつつ、土の中では何年もかけて微生物により生物分解を受けることができる。もちろん金属の部品は残るけれども、埋め立て廃棄物に含まれるプラスチックの量が減るのは良い第一歩と言えよう。Qmadix の担当者によれば、この新しい植物ポリマーの材料は従来のプラスチックと比較しても高価ではないので、いずれこの新材料がかなりの部分を置き換えることになるだろうという。この Ecoustic シリーズの最初の製品となる a micro-USB cable ケーブルは、2012 年 4 月 2 日に発売される予定だ。[ACE]

最も手近な Wormhole (虫食い穴) -- 複数のコンピュータの間で行ったり来たりするのは面倒なので、さまざまのスクリーン共有や KVM (キーボード-ビデオ-マウス) 切り替え器がずっと昔から使われてきた。ここに登場した最新の製品が、j5create から $99.99 で出た Wormhole Station だ。ポートをたくさん装備した筒状のこの製品は、それに接続した二台の Mac の間、または二台の Windows ベース PC の間、あるいは一台の Mac と一台の Windows PC との間で、キーボードとマウスの共有を実現する。カーソルを特定の側のスクリーンに動かせば、付属のソフトウェアがそのカーソルの「圧力」を探知して、キーボードとマウスのコントロールをそちら側のコンピュータに移動させる。ファイルも双方向きにコピーすることができ、メモリカードリーダーもあり、またこのデバイスの上にラップトップ機を乗せて冷却効果を高めることもできる。デモ実演されるのを見た訳ではないが、この製品の非常に外国語訛りの強い説明文によれば、Mac のキーボードを使って iPad にタイプすることもできるらしい。[ACE]

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国際的な美術品泥棒になるより簡単 -- Mac、iPad、あるいは iPhone の上で Art Authority を使って、55,000 点にのぼる古典美術を鑑賞しそれらについて学べる。最新の素敵な機能は、類似の美術作品を検索できるようになったことだ。(検索のためには個々の作品についてのメタデータのデータベースを利用し、その中には絵画の主題など人間が生成したタグも、主要な色などマシンが生成したタグも含まれる。)もしもあなたが今見ている作品を本当に気に入ったならば、このソフトウェアの内部から直接 Bridgeman Art Library に注文して印刷したものを購入することができる。(ただし現在のところこれは テスト中の 10 作品 に限られており、また iPad 版でしか利用できない。)価格はサイズ、材質 (紙またはキャンバス)、枠などによりさまざまだが、残念なことにオリジナルの作品に入札するオプションはまだない。[ACE]

押して貼る、押して剥がす -- いやいや、別に私が Macworld | iWorld の会場で付け爪を試していた訳ではない。私は Mac や iOS デバイスに装着する取り外し可能スキンを、それも革製からビニール製までさまざまな材質のものを販売中の数多くのブースを見たかったのだ。接着剤を使わずに付けることができ、しかも繰り返して貼ったり剥がしたりできる(ただし接着面に埃を付けたり油分を付けたりしないように注意すべきだが)ために、いずれも同じ 3M の Scotchcal または Controltac フィルムを使っているのだろうと思う。擦ったり引っ掻いたりといった程度を超えるものからデバイスを保護する力はないし、広くて平らな平面部分以外では何の保護にもならないので、これらは概してファッション性を追求するためのアクセサリに過ぎない。それでも、頑丈なケースのように邪魔になることはない。 SlickWraps ではさまざまの電子機器向けに革製とビニール製双方のスキンを提供していた。革製のスキンは極めて魅力的で、ビニール製のスキンはさまざまな興味深い見た目のものがあり、木目調のものさえあった。Snaptotes は、あなたが持ち込んだ写真をさまざまのスキンやスリーブ、バッグなどに印刷するサービスに取り組んでいた。[ACE]

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Mac で Windows を走らせるベストな新方法 -- VMware Fusion や Parallels Desktop については誰でも知っているが、この会場で私は Mac で Windows を走らせるための二つの新しい方法に出会った。(その片方は、iPad 上でさえも走らせられる。)ほんの時折 Windows にアクセスする必要があるだけの家庭または中小企業のユーザー、ことに Microsoft Office とか AutoCAD とかいった高価なソフトウェアを購入したくないと思う人たちのために、Nivio の nDesktop サービスではあなたがこのサービスに接続してクラウド上でホストされる Windows を利用し、必要なソフトウェアは nApps で月額料金を支払ってレンタル使用できるようにする。このサービスは Mac でも iPad でも使えるが、当然ながらマウスベースの Windows をタッチベースの iPad からコントロールするのはちょっと具合が悪い感じだ。高速のインターネットアクセスが必要で、ファイルの保存には Nivio の Dropbox 風の nDrive サービスを使う。価格はサービスの種類と使用量によるが月額 $2 から $15 の間だ。

それとは正反対に位置するのが、Moka5 の MokaFive ソフトウェアだ。こちらは仮想マシンの中で動作するローカルな Windows イメージを提供する。これが VMware Fusion や Parallels Desktop と違う点は、主として Windows を使っている企業の中で重役たちあるいは特定の部門のみが Macintosh ハードウェアを使いたいと思うような場合を想定していることだ。だから、MokaFive のイメージは最初にネットワークサーバからロードされ、オフラインでもフルに機能する一方で、サーバに再接続すれば自動的にアップデートすることが可能だ。また、企業レベルのさまざまの機能、例えば盗まれたラップトップ機を遠隔操作で止めたり、複数プラットフォーム間で共通のイメージによる管理をしたり、ユーザーがマルウェアからの自動復帰をしたりといった機能も充実している。価格は必要なシート数によるのだと思う。 無料の試用版がある。[ACE]

タイトなジーンズの場合の解決策 -- 別に上品ぶる訳ではないが、女性たちのジーンズは体にぴったりしたものが多過ぎる。あまりにもぴったりしているので、iPhone がポケットに入らない。少しゆったりしているものでさえ、ポケットの深さが足りないことが多い。それを解決する方法が二つ、Macworld | iWorld の会場で見つかった。Cellphone Armor の BodyDock Magnetic Docking System と、それよりシンプルな Poldera の iKeep だ。$79.95 の BodyDock システムは、裏に磁石の付いた iPhone ケースと、それに接続する2ピースの磁石ホルダーとから成り、ホルダーの両ピースの間に服の一部を挟んで固定するようになっている。レアアースの磁石は強力だが、iPhone を外したい時には簡単に引き離すことができる。また、収納可能なコードの付いたベルト通しのクリップをケースに繋げば誤って取り外してしまわないための保護にもなる。Tonya は、これではあまりにも格好が悪いと思ったので、代わりに $19.99 の iKeep を買った。こちらは単なるベルト通しのクリップに収納可能なコードが付いたもので、このコードを iPhone のドックコネクタに繋いで使う。少しかさばる iKeep Charger ($49.99) ならば、壁のコンセントに差し込んだ状態で iPhone を充電することもできるが、BodyDock と同様これも Tonya のファッションセンスを満足させることはできなかった。[ACE]

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ちゅうちゅう吸い込むちっちゃな音が... -- これまで私が思ってもみなかったことがある。吸盤を使ってポータブルな電子機器を支える、という考え方だ。吸盤に依存する iPad や iPhone のホルダーを展示している会社が、一社、いや二社、いやいや三社もあった。最も面白そうだったのが Octa の Vacuum Dock 付き WhaleTail (クジラの尾) だ。これは、滑らかな背面を保つどんなタブレット機でもそこに吸着して、クジラの尾の部分で iPad や Kindle を具合よく傾けて置ける。同様に、SeaSucker は吸盤を使ったスタンドで iPad や Kindle を支えるものを多数出展していた。それから全く違うタイプのものとしては Insanely Great Products が、iPhone を机の上や自動車の中で立てておける多種多様な吸盤ベースのスタンドを販売中だ。大型の二つは、吸着のためのポンプを内蔵している。一方 Insanely Great Products 標準の吸盤は、ただ押し付けた際の圧力のみで吸着する。[ACE]

最も高価なスピーカー -- 誇示の力を見せつけたものといえば、All Jack 製のスピーカーシステムが一番だった。私の知る限り、ここはデザインと製造を専門とする台湾の会社のようだ。スピーカーは文句なしに人目を引いた。形はワイングラスのようで、磨き仕上げのアルミニウムと、金メッキの面、赤い革、はてはロシアのダイアモンドまで、あらゆる種類の華やかな輝きに満ちていた。これだけお金をかけたのならばさぞかし音も素晴らしかろうとは思うが、実際に音を出すのを聴いたことはないし、たとえポケットに $68,000 が有り余ってウズウズしていたとしても、はたして購入可能なものなのかどうかさえはっきりしなかった。これよりはるかに安価なものをもう一つ、たった $999 で Bang & Olufsen から出ている BeoSound 8 は、iOS デバイス用のドックコネクタを内蔵している。B&O では $799 のポータブルな Beolit 12 も展示していたが、こちらは AirPlay 対応の、ランチボックス型のスピーカーで、有線の場合は 8 時間、AirPlay で使った場合は 4 時間のバッテリ寿命がある。[ACE]

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最も邪魔にならない iPad キーボード -- iPad で文字をタイプしたいけれども、かさばる上に扱いも面倒な Bluetooth キーボードを使いたくはないという場合、$35 の iKeyboard を使えば間違いない。これは、単なるキーボードの骨組みに過ぎない。キーがあるべきところには、透明で少し盛り上がったプラスチック部分がある。iPad の、オンスクリーンのキーボードの上にただ取り付けるだけだ。(接着剤を使わず粘着してくっつく巧みなコーティングが施されている。これは iPhone や iPad 用のスキンのメーカーが使っているのと同じ材質だ。)これでタイプすれば、物理的なキーボードでタイプするのとほぼ同じ触感が得られる。私の手にはやはりまだ少し小さ過ぎるし、最初のうちはタイプしにくいと思ったが、他のどんなキーボードでも同じように、慣れてしまえばすぐに気にならなくなると思う。タイプが終われば、ただ引き剥がして、次に使う時までしまっておけばよい。[ACE]

誘導的論法 -- iPhone 用にワイヤレスの充電器を出展していた会社が二つあった。ワイヤレスの充電というのはアイデアとしては良いが現時点ではまだ第一線で使える段階には達していない。考え方としては、iPhone のバッテリを再充電するために必要な誘導充電回路を備えた特別の容器の中に iPhone を入れるだけだ。容器の中で iPhone を特別の充電パッドの上にセットすれば充電が始まる。問題は、特定のケースが必要となるのならば誘導充電の利点があまりないということだ。iPhone を特別の充電パッドの上にセットするのと、同じ場所に普通の充電ケーブルを差し込むのとでは大して手間が変わらない。でも、そう考えるのはひょっとして私だけかもしれない。この近未来のテクノロジーに注目していたいなら、 Kudos TechWisepower の提供するオプションを調べてみるとよい。[ACE]

最もシンプルなタブレット保護 -- 小さい子供たち、あるいはうっかりミスをしがちな人たちには、iPad や Kindle、あるいはその他の同種のデバイスを、何らかの方法で保護しておくことが重要となる。もちろん、何かかさばるケースに入れておくのも一つの方法だが、安価でごくシンプルな一つの解決策として、$19.95 の iBallz がある。これは、高密度フォーム材でできた四個の球体が伸縮性のあるコードで結ばれ、球体がコードに沿って自由に滑って動き、その状態で球体をタブレット機の四隅にただはめ込むようになっている。当然ながら、タブレット機をうっかり取り落としてどの隅を打っても球体が保護してくれるし、また球体のお陰でタブレット機がどんな平面からも十分離れるのでテーブルや床に平らに落ちた場合にも保護される。(タブレット機の表面が突出した物体にぶつかるように落ちた場合にはまずいことになるが。)ウェブページにある iBallz のデモ映像はなかなか素敵だ。(ぜひ2番目のビデオも見て頂きたい。)手作りのプラスチックの箱を回転させて、その中で iBallz に保護された Kindle Fire が連続的に手荒に扱われていた。[ACE]

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ペーパーレス・オフィスに最適 -- ますます多くの取引明細書がオンラインに移動しつつある今、諺に言う通りアカウントの干し草の山の中から針を見つけだすのが非常に困難になってしまった。この問題を解決しようというのが FileThis Fetch だ。このオンラインサービスはあなたがたくさん持っているオンラインアカウントにログインして、必要な取引明細書をすべてダウンロードし、それらをあなたの Mac、Evernote、または Dropbox に(将来は他の保存先も追加される予定だ)検索可能な PDF 書類として保存する。そうしておけば、DEVONthink、Yojimbo、あるいは EagleFiler といったアプリケーションを使ってそれらの書類を検索すればよいだけだ。FileThis Fetch のサービス料金は月額 $2、年額 $20、あるいは 3 年間で $50 (30 日間有効の無料試用期間もある) だが、あなたがこれを支払っている限り FileThis Fetch は新規の取引明細書の取り寄せを続ける。あなたがサービスの継続を中止しても、それ以前にダウンロードした書類はもちろん引き続きあなたのものだ。このサービスは現在ベータテスト中で、FileThis は対象となる機関のすべてをリストしたページを公開する必要があるが、現在ここには Wells Fargo Bank、Bank of America、American Express、Charles Schwab、Fidelity Investments、AT&T、Comcast、Allstate、Aetna など 50 以上の機関が載っており、今後も常時新たなところが追加され続ける。[ACE]

iKlik であなたもカチッと -- デスクの上や自動車のダッシュボード上で使う iPhone 4 や 4S 用のスタンド iKlik は、卓越したデザインの手が施されたことがよく分かるシンプルな機器の一つだ。HammerStone Products が生み出し Kickstarter キャンペーンにより資金調達を得た iKlik は、ゴム引きした足(これで自動車のダッシュボード上でもしっかりとホールドされる)の付いたしっかりした台座の上に、iPhone を横置きに(ケースなしで)はめ込むスロットを備えている。このスロットは回転させて数種類の角度に固定でき、iPhone をはめ込んだり取り外したりするのも簡単だ。縦置きの状態ではめ込むことも可能だが、その場合は少々安定性に不安があるような気がした。[ACE]

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より良いアドレスブックを構築 -- Cobookのデモ実演を最後まで見てから、私は開発者の Kaspars Dancis に尋ねた。「これを使えばもう二度と Address Book とやり取りせずに済むようになるということですか?」彼は満面の笑みを見せながら、こう答えた。「その通りです!」Mac OS X の基盤にある連絡先データベースは極めて重要なものだけれど、それにアクセスするためのアプリケーションである Address Book はひどい出来だ。iCal と同様、バージョン改訂を経る度により悪くなるような気がする。Cobook は Apple の Address Book を避けて通るために、人々がどのように連絡先情報を利用するかにのみ焦点を絞り、30 歳未満の人たちが見たこともないような過去の実世界の物体に似せるにはどうすればよいかなどということを目指さないようにした。標準的なアプリケーションウィンドウではなく、Cobook は一つのメニューバー項目として存在し、キーボードショートカットを使って呼び出すことができる。(この点は Flexibits による iCal フロントエンド Fantasticalと同様だ。)あなたの連絡先情報はドロップダウンリストの中に登場し、一番上にある検索フィールドを使って必要な人物や会社に行き着く。互いに関連する連絡先情報を引き出す操作を単純化するために、連絡先にタグを割り当てることができる。(タグとは、実際には Address Book のグループのことに過ぎない。)Cobook はまた Facebook、Twitter、LinkedIn に結び付いて、あなたの知り合いに関する最新の情報に自動的にアクセスすることもできる。現在 Cobook は無料の公開ベータ版 (6 MB のダウンロード) として入手できるが、Dancis によればあと一・二ヵ月でリリース版の用意ができるはずだという。[JLC]

最もエネルギッシュなデモ実演 -- モバイル機器用のヘッドフォンは非常に競争の激しい分野なので、注目を得るのが難しいこともある。Polk Audio は、上下にジャンプしてみせることにした... 文字通りに、空中高く、20 フィート (6 m) の高さまで。オリンピック級の選手たちに同社の Ultra Fit Sports Headphones を着けさせて、大きなトランポリンの上で自由に宙返りしたり捻りを入れたりさせたのだ。スキーやスノーボードの板を付けたまま、あるいはさまざまのアクロバットを披露しながら、選手たちは存分に、このヘッドフォンのメインの機能を明確に、それも印象的かつ楽しいやり方で示していた。[JLC]

USB に電源供給 -- 今や私たちの多くは、携帯電話や iPad からゲーミングシステムまで、さまざまのデバイスを持っている。それぞれが、USB 経由でバッテリを充電できる。でも、今やとても小型になったそれぞれの AC アダプタは、ともするとなくしてしまいがちだ。ならば、家庭やオフィスで壁の AC コンセントの隣に USB の差し込み口くらいあってもいいじゃないか? 今回のショウのフロアでは、その種の製品が二つ、Current Werks によってデモされていた。同社が提供する USB Outlet Duo は、壁に取り付けるコンセント台に、15W で 2 ポートの USB 差し込み口が、通常の三つ穴 AC コンセント二つの横に付いている。(価格は $24.98 だが、オフィス用の電流容量にするともっと高くなる。)もう一つの製品 USB Outlet Quattro は、22W で 4 ポートの USB 差し込み口が付き、通常の AC コンセントはない。(価格は $39.98 だ。)いずれもこれから数週間以内に出荷予定で、これはさまざまの電気保安に関する安全規格に適合していることを認証する Underwriters Laboratories のリストに載るのを待っているためだ。Current Werks 社のコンセントと競合するものとしては、既に UL のリストに載った NewerTech の 10W で 2 ポート、2 コンセントの Power2U ($25) や、こちらもやはり UL 待ちの FastMac 製 2 ポートの U-Socket コンセント ($24.95) などがある。これらはすべて USB 2 および 3 の製品に対応している。[GF]

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2012 年 1 月 30 日

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Mac mini, MacBook, そして 13-inch MacBook Pro に対するファームウェアアップデート -- Apple は三つの似た様なアップデートを以下の mid-2010 モデルに対してリリースした: Mac mini EFI Firmware Update 1.5, MacBook EFI Firmware Update 2.1, そして MacBook Pro (13-inch) EFI Firmware Update 2.5 である。これらのアップデートのそれぞれがインターネット接続から Lion Recovery を可能にする (そして全てが Mac OS X 10.7.2 かそれ以降を必要とする)。加えて、Mac mini EFI Firmware Update 1.5 は電源断の後の再起動の設定に関する問題を修正している。どのファームウェアアップデートでも言えることだが、インストールする前にインストール指示を注意深く読むべきである。必要な場合にだけアップデートを入手するのを確実にするため、我々は Software Update に頼ることをお勧めする;もしアップデートが現れない場合は、それはあなたの Mac には合わないということである。(無料、3.1 MB)

Mac mini, MacBook, 及び 13-inch MacBook Proに対するファームウェアアップデートへのコメントリンク:

PDFpen と PDFpenPro 5.7 -- Smile は PDFpen 5.7PDFpenPro 5.7 をリリースした。両方とも PDF ファイルに iCloud 経由でアクセスするためのサポートを追加している。これらの最新のリリースで、iCloud 上に保存された PDF ファイルを開く、見る、移動する、名前を変更する、削除する、そしてプレビューすることが出来る。もしどちらかのバージョンの PDFpen を Mac App Store から購入していれば、あなたの iCloud 王国への鍵は既にこの 5.7 リリースに組み込まれている。しかしながら、これらのアプリケーションを Smile から直接購入したのであれば、Mac App Store から $0.99 の PDFpen Cloud Access を買う必要がある。更に、Smile は PDFpen for iPad 1.0 もリリースしたが (App Store から $9.99 で入手可)、これはこのデスクトップソフトウェアの同じ PDF 操作機能の多くとそして新しい iCloud 統合を提供している。(新規購入は $59.95/$99. 95、TidBITS 会員には 20% 割引あり、無料アップデート、41.6 MB)

PDFpen 及び PDFpenPro 5.7 へのコメントリンク:

Fantastical 1.2 -- Flexibits は Fantastical 1.2 をリリースした。これは同社の人気のカレンダーユーティリティに対して多くの改良をもたらしている。このリリースに含まれる改良には、繰り返しのイベントを自然言語を使っての改善された入力、既に起こってしまった時間付のイベントを薄暗くする、イベントを入れる時の自動 URL 検出、そしてイベントリストでのイベント終了時間の表示がある。このアップデートには、French, German, Italian, そして Spanish 語への現地化と種々のバグ修正も含まれる。(新規購入は Flexibits 或いは Mac App Store から $19.99、無料アップデート、8.7 MB、 リリースノート)

Fantastical 1.2 へのコメントリンク:

Yojimbo 3.0.3 -- Bare Bones Software は Yojimbo 3.0.3 をリリースした。これはこの情報整理ツールに対するメンテナンスアップデートである。このリリースで、タグを削除すると後続のタグが一つの文字だけに制限されてしまうというバグ、そして Mac OS X 10.5 を走らせている時の Sidekick 設定ペインに関わる問題を修正している。更に、Yojimbo iPad アプリと同期したりペアリングにしたりすることに関するバグも修正されているが、これには Note 項目に対する変更を同期出来ないこと、そしてデスクトップソフトウェアと iPad アプリの間でペアリングが取り消された (或いは存在しない) 場合 .DeviceSyncEvents.queue ファイルが異常に大きくなってしまうことが含まれる。これらの修正に対応するため Yojimbo for iPad 1.0.4 もまたアップデートされた。(新規購入は $38.99、無料アップデート、7.2 MB、リリースノート)

Yojimbo 3.0.3 へのコメントリンク:

BusyCal 1.6.2 -- BusyMac はそのカレンダーアプリに対するアップデート BusyCal 1.6.2 をリリースした。修正リストは短いが、多くのユーザーに役立つであろうと言える。この新しいリリースでは、Google Calendar と同期する時の衝突の原因となるバグ、そして iCloud でアップデートされた会議がアップデートされないというバグが修正されている。加えて、Lion iCal Server 上には音がないアラームとの不整合も正している。現地化に対する変更も含まれている。(新規購入は $49.99、無料アップデート、6.7 MB、リリースノート)

BusyCal 1.6.2 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2012 年 1 月 30 日

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

先週私たちは Macworld | iWorld に出かけていたが、読んで面白い記事も何とか見つけることができた。Foxconn に関する New York Times の長い記事、ビデオの未来について語った Final Cut Pro 専門家 Larry Jordan の見解、それから Guy Kawasaki の洞察に富んだインタビューがある。

Apple 製品を製造するための人的損失 -- New York Times が、Foxconn 社の内幕を見る。この中国の巨大企業は、iPad などの Apple 製品を製造しているほか、世界中のメジャーな電子機器メーカーの大多数のためにも製品も製造している。

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ビデオ導師 Larry Jordan が Macworld|iWorld 2012 を振り返る -- Final Cut Pro 専門家の Larry Jordan が、Macworld | iWorld の会場をあとにしつつ、ビデオエディタの将来について考えを巡らす。ハイエンドのビデオ制作の需要に応じる必要は今後も引き続きあるけれども、カンファレンスに出展されたいくつかの製品を見れば、これからのビデオ撮影や編集の圧倒的大部分が、コンシューマ向けの機器を使って撮影をする普通の人たちを中心としたものとなるであろうことが分かる。

コメントリンク:12752

Guy Kawasaki が斬新なビジネス見識を語る -- 成功した人たちにその秘訣を尋ねても、その答は謎めいたもの(「マーケティングのメッセージとなれ」)か、あるいは実行不可能なもの(Steve Jobs の成し遂げたことは、あなたが Steve Jobs であり Apple を率いていなければあなたには当てはまらない)であることが多い。だからこそ、Guy Kawasaki に 12 の質問を投げ掛けたこのインタビューを読むと、とても爽やかな気持ちになれる。彼の考えは、戦術というものが過大評価されている、ソーシャルメディアや検索エンジン最適化での成功は結局良いコンテンツによって決まる、そして全体的な成功の鍵はじっくり腰を据えて必要な仕事をする意欲があるかどうかによるというもので、彼はこれを熱く語る。

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TidBITS ISSN 1090-7017©Copyright 2011 TidBITS: 再使用はCreative Commons ライセンスによります。

Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2012年 2月 6日 月曜日, S. HOSOKAWA