TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1127/21-May-2012

来週は Memorial Day の祝日なので電子メール号を休刊にさせて頂くが、今週は充実した記事が揃っている。まずは、Apple が Mac OS X 10.5 Leopard 用にもセキュリティ関係のアップデートを出したことと、QuickTime Player に数多くのビデオフォーマットへの対応を追加するツール Perian の廃止が予告されたことをお伝えする。今週の特集記事では、無料の OpenDNS サービスを利用してあなたの Mac を Flashback などのマルウェアから保護する一助とする方法を Glenn Fleishman が解説し、iOS のホームスクリーンがあまりにも散らかっている状態に対処する方法を Tonya Engst が考察し、Steve McCabe が FileMaker Pro 12 をレビューする。今週注目すべきソフトウェアリリースは、GraphicConverter 8.0 と TextWrangler 4.0.1 だ。

記事:

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Memorial Day の祝日のため 2012 年 5 月 28 日号は休刊

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

次の月曜日は、米国での Memorial Day (戦没者追悼記念日) の祝日となる。また、TidBITS スタッフの面々も家族のためにすべきことが数え切れないほどある。そこで、来週は電子メール号をお休みにさせて頂くことにした。ウェブ上の出版はもちろんいつも通りに続けるので、電子メールで TidBITS が届かない埋め合わせとして、RSS でフォロー (TidBITS 会員への RSS はフルテキスト付き)、 TwitterFacebook、あるいは私たちの iOS アプリなどをご利用頂きたい。また、この機会に過去の号を見直してみたいとお思いの方のために、 バックナンバーは常にオンラインで入手可能だ。次の TidBITS 電子メール号は、2012 年 6 月 4 日発行となる。

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Apple、Mac OS X 10.5 Leopard 用セキュリティアップデートをリリース

  文: Agen G. N. Schmitz: agen@tidbits.com
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Mac OS X 10.5 Leopard を、そのもっと最新の大きい猫の兄弟達と足並みを揃えるべく、Apple は Leopard Security Update 2012-003Flashback Removal Security Update をリリースした。後者は悪名高い Flashback マルウェアの最も一般的な変種を削除するためのツールを提供する。これまで、Apple は 10.7 Lion 及び 10.6 Snow Leopard に対するバージョンの Flashback マルウェア削除ツールをリリースしてきた ("Apple、Flashback マルウェア削除ツールをリリース" 12 April 2012 参照)。

Flashback Removal Security Update をインストールした後、このツールは自動的に背景で走る。もし Flashback マルウェアが見つかると、それは削除されましたというダイアローグで知らされる。しかしながら、場合によってはそのマルウェアを完全に除去するにはコンピュータを再起動する必要があるかも知れない。また、この Flashback セキュリティアップデートは Safari の Java プラグインを不能にし、Web ブラウザ内で Java アプレットの意図しない使用を出来ない様にする。

Leopard Security Update 2012-003 は、最近の 10.7 Lion 及び 10.6 Snow Leopard 用の Safari のリリースを反映している ("Apple、Mac OS X 10.7.4 と Safari 5.1.7 でセキュリティを強化" 9 May 2012)。これは、現在のバージョンに自分自身をアップデートする能力を持たないより古いバージョンの Adobe Flash (10.1.102.64 かそれ以前) を不能にする。もしこれらの古いバージョンの一つを走らせていると、Adobe の Web サイトから現行のリリースをダウンロードしそしてインストールするよう促される。

どちらのセキュリティアップデートも Software Update に現れるはずだが、Apple のサポート Web サイトからダウンロードすることもできる。Leopard Security Update 2012-003 の方は 1.11 MB で、Flashback Removal Security Update の方は 1.23 MB である。両方とも Leopard ユーザーが Mac OS X 10.5.8 をインストール済みであることを必要とする。

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QuickTime フォーマット拡張ツール Perian が開発を中止

  文: Steve McCabe: steve@stevemccabe.net
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

QuickTime の扱うビデオフォーマットを拡張するツール、無料で非常に人気ある Perian の開発者たちが、このプロジェクトでの開発作業を中止すると発表した。プロジェクトのウェブサイトに載った発表の中で、開発者たちは Mac 上でのビデオコンテンツの視聴を簡単にできるようにするという彼らの目標は既に達成されたので、そろそろ新しいことに目を向ける時期が来たと述べた。

Perian は何をするか -- ビデオ再生の Swiss Army ナイフ(万能ナイフ)と当の開発者たち自身が形容する Perian は、長らく私が新しい Mac に真っ先にインストールするソフトウェアの一つであった。Mac は出荷された時点では Apple の QuickTime Player でビデオを再生するが、これは .mov、.m4v、それに .mp4 ファイルならば問題なく扱える。しかし残念ながら QuickTime Player はインターネットでよく見られる .avi や .mkv のファイルに対しては完全にお手上げだし、その他まだまだたくさんある普通でないフォーマットについても言うまでもない。

そこで登場するのが Perian だ。いや、登場「した」と言う方が正しい。システム環境設定パネルとしてインストールされる Perian は、カスタマイズ可能なオプションなどほとんど提供しない。その代わり、これはただバックグラウンドで動作し続け、Apple が価値なしと決めつけたビデオフォーマットでも、ユーザーが何もせずとも黙って QuickTime Player が再生できるようにする。

でも Perian は余命いくばくもない。開発者たちの発表によれば、もう間もなく登場する最後のアップデートの後 90 日経てば、Perian に対するサポートをすべて終了するという。Apple の来たるべき OS X 10.8 Mountain Lion で、Perian は動作し続けるかもしれないし、しないかもしれないと彼らは述べた。

その後はもはや Perian のサポートをしないということ以外、Perian の作者たちは一切何も約束をしようとしない。彼らにとって、今後は新しいプロジェクトに目を向ける時なのだという。改善の手を加えたいという他の人たちのためにソースコードは今後も入手できる状態で置かれるが、既存の開発チームが将来これに手を加えることはない。

別の手段はあるか -- 近い将来の間は、Mac OS X の新しいリリースの下でも Perian が引き続き機能し続ける可能性が十分あると思われるが、そうは言っても保証されているわけではないので、Apple が認めないムービーの再生のために Perian に依存するようになってしまった私たちユーザーにしてみれば、代わりとなる手段を探さざるを得ない。幸いにも、主要な選択肢はすべて無料で手に入る。

まず最初の候補者はVLC だ。Perian と同様、VLC も広範囲に働き、極めて特殊なビデオ以外はすべて機敏にさばいてくれ、DVD も扱える。それに、非常に上機嫌でいるときには、そのコンピュータが設定しているリージョンコードの対象外のリージョンで作成された DVD も再生できることさえある。(このことはアニメ・ファンや、米国以外の国に住んでいる多くの人たちにとって興味深い機能だ。)個人的に私は VLC のインターフェイスは好きではないが、ただあの奇妙極まりない QuickTime Player に比べればまだこちらの方が Apple のヒューマンインターフェイスガイドラインに忠実と言えなくもない。

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VLC は、その徹底したところと長生きとのお陰で、この分野の標準となり競争相手が目指す比較基準となった。競争相手として真っ先に挙げるべきは MPlayer OSX Extended だろう。こちらはそのライバルとほぼ同じ機能の一覧を備えていて、DVD 再生がガタガタで信頼できないところも似ているが、拡張機能や飾り付けの機能といった面でほとんど特記すべきものがなく、魅力的な代替手段とは言い難い。

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同じことが UMPlayer にも言える。独創性に欠ける名前だが、これには多彩な機能の数々が隠されている。けれども悲しいことに、UMPlayer はぎくしゃくした再生のせいでがっかりさせられる。(2 GHz の i7 MacBook Pro ではとうてい鑑賞に堪えない。)また私のラップトップ機の DVD ドライブをなかなか認識しないし、そのダイアログに書かれた文章は、ちょっと気を遣った言い方をするなら、もう少し英語をきちんとマスターして欲しいと思える人が書いたもののようだ。UMPlayer のインターフェイスは奇妙にも Windows Media Player を思い起こさせるところがあり、目玉機能でもある YouTube の再生と録画の機能はまともに動かなくてがっかりさせられる。アプリのメインウィンドウの右上にある YouTube 検索ボックスが検索結果を返しても、UMPlayer は選択されたビデオを実際に再生することができないようだ。

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Perian の開発者たちが推薦するのが NicePlayer だ。これはなかなか良く出来た (nice な) キットだが、2011 年 9 月のリリースの時点で 10.7 Lion 用のプレビュー版ということになっている。最小主義のインターフェイスという点で QuickTime Player と似ている NicePlayer は、YouTube アクセスとか DVD とかいった不必要な追加機能を避けて、その代わりにメディアプレイヤーがあるべき姿、つまりメディアファイルを再生することのみに焦点を絞っている。でも、悲しいことに、これは Perian に基づいて作られているようなので、Perian がつまずいて倒れれば NicePlayer もつまずいて倒れるのではないかという気がしてならない。

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Perian ユーザーへのお薦めは -- サポートがなくなるということは、将来問題が起こることを、確実とは決して言えないけれど暗示しているとは言える。現在のリリース版の Perian 1.2.3 は Mac OS X 10.7.3 の下で見事に動作しているし、Apple が Mountain Lion で大幅に QuickTime を書き換えでもしない限り、Perian が、少なくとも当分の間、一応は機能し続けると考えて差し支えないだろう。

けれどもどこかの時点で、機能しなくなる日は来るだろう。そうなれば、Mac 上で .avi や .mkv のファイルを再生する必要のある人たちは、何か代わりとなるものが要る。NicePlayer が将来 Perian と完全に分離するとは考えにくい。UMPlayer は、正直言って、もっときっちりとベータテストをしなければ公に解き放つべきでないような代物だ。それから MPlayer OSX Extended には将来性が期待できるけれど、まだ少々未熟で磨かれないところが感じられる。

そこて私たちは出発点に立ち戻る。VLC だ。DVD 再生ではまだ決定版とは言えないかもしれないが、現時点で新たな拠点を探している Perian ユーザーたちを受け入れる明確な候補者としては実際 VLC しかないだろう。これは成熟し安定したメディアプレイヤーであり、指折り数えても数え切れないほど、多様なファイルフォーマットに対する再生オプションを提供しているのだから。

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OpenDNS が Flashback やその他の危険を阻止

  文: Glenn Fleishman: glenn@tidbits.com, @glennf
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

悪意あるウェブサイトは、私たちの知らないうちに、あるいは私たちの騙されやすさに乗じて、コードをインストールして私たちのコンピュータを乗っ取ろうとする。アンチマルウェアのソフトウェアは、既知の攻撃を阻止することによって役に立つことができるけれども、新たな攻撃についてはほとんど(あるいは全く何も)知らない。例えば McAfee のセキュリティパッケージのようないくつかのソフトウェアは、検索エンジン経由でリンクされたサイトが安全なのか悪意あるものかについて既知の情報を表示できる。けれども OpenDNS には、さらに進んだことができる。

OpenDNS は先月、自らを Flashback マルウェアによる攻撃を避ける手段として 宣伝したが、このサービスがどんな役に立つのかを理解するためにはその主張の内容を少し詳しく見る必要がある。Flashback が Mac を攻撃したのは、必要となる悪意あるコードをホストしたウェブサイトをユーザーが訪れた際に、Java への攻撃が活動を始めることによってであった。(2012 年 4 月 5 日の記事“最新の Flashback マルウェアに対する検出と保護の方法”参照。)いったんマルウェアをインストールしてしまえば、Flashback はそのコードの中に隠蔽して組み込んだドメイン名にあるコマンド・コントロールのサーバに接続を試みた。(セキュリティ会社やアンチウイルス会社はそのようなドメインを探し出して、まだコントロールされていないものを登録しておき、既に登録されたものは ISP やその他によってブロックされた。)攻撃が成功した場合の Flashback の目標は、いろいろなネットワークアプリケーションに感染して個人情報や財務情報を盗み出し、彼らのコマンド・コントロールのサーバにそれらの情報を送信することであった。

だから、そのような改ざんされたあるいは悪意あるサイトであなたにトラブルを及ぼすあらゆる種類のコードを持ったところを、もしもあなたのコンピュータが一切訪れないよう防止対策をすることができたならば、あなたは感染から保護されることになる。また、Flashback がコマンド・コントロールのサイトへ接続するのをブロックしてしまえば、あなたが感染する可能性が減ることになる。OpenDNS は、DNS lookup をコントロールすることにより、これら二つの利点を提供する。

DNS (Domain Name System) は、インターネットの配管設備の他の部分と同じくらいに複雑なものではあるが、その最もハイレベルの部分を説明するのは簡単だ。ホストやドメインの名前、例えば www.tidbits.com といったものを、例えば 173.255.250.214 といったような Internet Protocol (IP) 番号へと変換するのが DNS の役割だ。DNS のお陰で、オペレーティングシステムが依存する数字の並びである IP アドレスの代わりに、人間が読める名前を使ってユーザーたちは遠隔サーバに接続できるようになる。

あなたの ISP の DNS サーバの代わりに OpenDNS を使うようにあなたの Mac またはルータを切り替えれば、OpenDNS が DNS リクエストを取り込んで、その目的地の IP アドレスに関する既知の情報に基づいて反応することができる。これは、例えば .cmo というタイプミスを .com に修正するといったような単純な、しかし便利な目的にも使える。(OpenDNS の基本的な機能は無料で使える。それ以外にレポート機能やサポート、コントロール機能などが付いたアカウントを同社は年額 $20 で提供しており、もっと高額のビジネス向けおよび教育機関向けのアカウントもある。)

けれども OpenDNS はそれ以上のこともできる。OpenDNS は、PhishTank と呼ばれるシステムを構築して、「フィッシング」つまりスパム(迷惑メール)の電子メールメッセージを使って不用心な受取り人を騙し、偽造のウェブサイトに誘い込んでパスワードやクレジットカード番号、その他の個人情報を盗み出そうとする行為についての報告を受け付けている。PhishTank はコミュニティーからの報告と調査に依存して機能する。報告があればその内容をユーザーたちに検討してもらい、問題となったウェブサイトがフィッシングに関係していると分類してよいかどうかについて投票してもらうのだ。

OpenDNS があなたをマルウェアから保護できるために鍵となるのが、次のような点だ。あなたが OpenDNS を使っていると、フィッシング詐欺に関係しているとされるウェブサイトをあなたが訪れた場合、そのサイトがブロックされ、OpenDNS がそのサイトについてあなたに警告するメッセージを表示する。また、他のネットワークアプリケーションが PhishTank にリストされた IP アドレスに接続しようとしても、それはブロックされる。OpenDNS はさらに、ゾンビ化されたコンピュータをコントロールするために使われたサーバのリストも管理していて、そこへのアクセスもブロックする。最後にもう一つ、OpenDNS ではオプションとして、プライベートなアドレス範囲、つまりローカルなネットワークのみで使う (例えば 192.168.0.0 から 192.168.255.255 までといった具合) アドレスで公に到達可能なドメイン名に使われないようになっているものを DNS が展開しないようにも設定できる。そこまでするのは不要に思えるかもしれないが、マルウェアが DNS を書き換えて同じネットワーク上の感染したマシンに向けようとしたり、マルウェアの走るコンピュータからウェブサイトをロードしようとしたりを試みるのは実際あり得ることだ。

私はもう長年にわたって OpenDNS を使ってきたので、皆さんにも友人や家族、同僚たちで、自分でフィッシング攻撃を避けられるだけの自信のない人たちや、コンピュータの保護のためには何をすればよいかと皆さんに相談してくる人たちのために、皆さんがセットアップしてあげられるものとしても OpenDNS をお薦めしたい。Adam と Tonya Engst は、子供たちとりわけ 10 代前半の子供たちこそ、OpenDNS での保護をすべき重要な層であると指摘した。なぜなら、彼らの観察によれば、若いティーンたちはともすればウェブページ上で(あるいはより一般にプログラムのインターフェイス上で)気の向くままにクリックする傾向があって、そこにリスクがあるかどうかなどろくに考えようとしないことが多いからだ。

OpenDNS は一つのコンピュータだけでも、または(こちらの方がより効果的だが)ルータのレベルでも(これならあなたのネットワーク全体が保護される)利用できる。(実際、ラップトップ機では両方を設定しておく価値がある。そうすれば、自宅や仕事場のネットワークから離れて持ち運ぶ際にも保護されるからだ。)一台の Mac のみで設定するには、適切なネットワーク設定ツールの Advanced ダイアログの DNS 表示の中で、OpenDNS の二つの DNS サーバの IP アドレス (208.67.222.222 と 208.67.220.220) を手で入力すればよい。

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AirPort ベースステーションについては、AirPort Utility を走らせて、あなたのベースステーションの構成を編集し、Internet 表示の中で、Primary DNS Server フィールドに 208.67.222.222、Secondary DNS Server フィールドに 208.67.220.220 と入力すればよい。

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最後にもう一つ、上級ユーザー向けの選択肢として OpenDNS の DNSCrypt ソフトウェアがある。現在これはベータ版だ。DNSCrypt は、DNS lookup を暗号化する。これによって、公共のネットワークや、あるいは一部の国家に存在している類いの悪意あるリダイレクトを防げる可能性がある。DNSCrypt については Macworld に記事 を書いておいた。

OpenDNS はマルウェアによる攻撃を防げるわけではないし、未知の悪意あるウェブサイトに対しては何の保護もできない。けれどもインターネット全体にわたる報告と抑止の枠組みの中へ DNS を組み込むことによって、またその利点を享受するために何のソフトウェアをインストールする必要もないことによって、OpenDNS はあなたのセキュリティ戦略全体の中で有益な役割を果たせるのではないだろうか。

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アプリを見つけ、見つかったままにしよう

  文: Tonya Engst: tonya@tidbits.com, @tonyaengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

どこに置いたか分からない iPhone を見つけ出すには Find My iPhone アプリが使えるし、家族の居場所を見つけるには Find My Friends を使えばよい。でも、何ページもある iOS デバイスのホームスクリーンのどこかにある iOS アプリを捜し出すには、どうすればいいのか? 信じられないかもしれないが、そのためのアプリは存在していない。もしもあなたがホームスクリーンのページやフォルダを捜し回りながら、特定のアプリを見つけ出そうと始終苦闘しているのなら、アプリのアイコンがどこに隠れているかを見つける方法と、そのアイコンをもっと覚えやすい場所へ動かす方法がある。

(余談だが、この問題の根源は、ホームスクリーン(実際には SpringBoard という名前のアプリがその正体だが)が、何十、さらには何百という多数のアプリを保持するためにはそれほどうまく出来ていないことだ。App Store ではあまりにも簡単にアプリを購入したり無料のアプリをダウンロードしたりできるようになっているし、選べるアプリはあまりにもたくさんあるので、多くのユーザーのホームスクリーンが取り散らかった、無秩序なものとなりがちだ。もしも Apple が、ホームスクリーンの個々のページに別々の壁紙を使うことを許してくれたならば、違うページを識別するのがはるかに易しくなることだろう。)

行き場所の分からなくなったアプリにアクセスするための手軽な、しかし頼りにはならない方法が一つある。それは、そのアプリが最近使ったものである場合にのみ働く。Home ボタンを二度押ししてからマルチタスキングバーでそのアプリのアイコンをタップすれば、最近使ったアプリに切り替わる。iPad では、4本指か5本指でスクリーンの下端から上へドラッグしてもマルチタスキングバーにアクセスできる。マルチタスキングバーの上で左へスワイプすればさらなるアプリが見える。並んでいる順番は新しく使った順番だが、あなたの捜しているアプリがそれほど最近に使ったものでないならば、何回もスワイプしなければ見えてこないかもしれない。もっと悪いことに、このテクニックではそのアプリのアイコンがホームスクリーンのどこにあるかを知ることはできない。

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より直接的な検索手段として、iOS の Spotlight 機能を使う方法もある。ホームスクリーンの最初のページから、右へスワイプすれば Spotlight の検索スクリーンにアクセスできる。それから、捜したいアプリの名前をタイプし始める。Spotlight は、あなたがまだ全部タイプし終えないうちにそのアプリを捜し出してくれるはずだ。そうしたら、その名前をタップすればそのアプリに切り替わる。検索結果にアプリが全然出てこない場合は、Settings > General > Spotlight Search を開いて Applications 項目の横にチェックマークが見えるかどうか調べよう。チェックマークがなければ Applications をタップする。

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これで問題解決、だろうか? いや、そう簡単には行かない。その次にアプリが見つからなくなれば、あなたはまた初めから、一から検索をし直さなければならない。(TidBITS スタッフのうち何人もの人たちが、自分がアプリにアクセスする主たる方法はこれだと認めた。)もしも、Apple が Spotlight にあなたが学習する手助けをさせようと思ったならば、ただ直接にアプリへのアクセスを提供するのではなく、検索結果でアプリの名前をタップすればホームスクリーンのページの上でそのアプリのアイコンをハイライトしてくれていただろう。もしもそうなっていたら、あなたは次の機会のためにその場所を覚えることもできただろうに。

幸いにも、もっと良い方法がある。ただし、そのためには、少しだけ時間をかけて整理の作業をしておく必要がある。この方法では、あなたの iOS デバイスと、コンピュータ上の iTunes との間でアプリの同期をしていることが必要となる。実際、コンピュータ上の iTunes との同期におけるあまり知られていない利点の一つは、iTunes を使えばアプリのアイコンを超高速で見つけられることだ。あなたが既に iTunes でアプリ同期のセットアップを済ませていることを前提として、次のようにすればアプリを見つけられる:

  1. iTunes ウィンドウの左のサイドバーで、その iOS デバイスを選ぶ。

  2. iTunes ウィンドウの一番上近くに並んでいるボタンの中から、Apps をクリックする。

  3. iTunes 左上近くにある Search ボックスの中に、あなたが見つけたいアプリの名前をタイプする。左側のアプリのリストが短くなって、そのアプリの名前が見つかるはずだ。

  4. 左側のリストの中で、そのアプリの名前をダブルクリックする。

右側の画像が変わって、そのアプリを含んだページを表示し、そのアプリのアイコンに青い輪郭が付く。この輪郭は見分けにくいかもしれないが、コツさえ掴めば見分けられるはずだ。例えば下のスクリーンショットでは、右下近くにある青い Dropbox アイコンに輪郭が付いている。Dock 上の Messages アイコンのすぐ上だ。また、Dropbox がホームスクリーンの第3ページにあることも分かる。それは、Dock の上のところに並んだインジケータの3番目の点が白いことからも、一番右のサムネイル表示のページ数 3 が白くなっていることからも見て取れる。

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さて、これで欲しいアプリのアイコンの居場所を突き止めたので、もちろんそのままそこに置いておくこともできるが、それを現在のページの別の場所へ、あるいは隣にある別のページのサムネイルのどれかへドラッグすることもできる。当然ながら、この作業はデバイス上でもできる。アプリのアイコンをタップしてそのまま押さえ続け、すべてのアイコンが揺れ動き始めるまで待つ。それから動かしたいアイコンを行き先の場所までドラッグして、Home ボタンを押して変更を保存させるとともに揺れを止める。ただしこちらの方法ではアイコンを別のページへ移動させるのはそう簡単でない。iOS の中では一度に一個ずつのアイコンしか移動できないけれども、iTunes の中ならば複数のアイコンを選択して一度に移動させることもできる。

もちろん、ここで述べた解決法は、あなたがそのアイコンの新しい置き場所を覚えていることが前提となる。だから、あなたが日常的にたくさんのアプリを使っていて、ホームスクリーンの最初の数ページが既にそれらで一杯になっている場合には、これでは具合が悪いかもしれない。そういう状況では、他にもいくつかやり方が考えられる:

最後に、アイコンの整理を楽にするためのヒントをいくつか挙げておこう。

ホームスクリーンのページ上にアプリが多過ぎて困る問題に対処するためのテクニックを他にもお持ちの方は、どうぞコメントに書き込んで頂きたい!

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FileMaker Pro 12 がテーマとレイアウト機能をアップデート

  文: Steve McCabe: steve@stevemccabe.net
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

FileMaker Pro 12 は、このデータベースに対するここ一年半で初めての整数桁レベルのアップデートだが、データを管理し、保存し、構造化する方法についてはほとんど変更がない。その代わりに、アップデートのリリースの際に Mark Anbinder が記事にした通り(2012 年 4 月 4 日の記事“FileMaker 12、パワー、鮮明さ、そして無料の iOS アップスを加える”参照)アップデートの焦点は表示やプレゼンテーション、見栄えに関するところにある。この最新バージョンは、FileMaker のウェブサイトが主張するところによれば「驚くほどの」「人目を引く」データベースデザインツールを提供するという。もちろんそれが宣伝のための誇張であることは明らかだが(これは依然として単なるデータベースに過ぎない!)FileMaker Pro 12 は従来のバージョンのレイアウトツールに比べれば実際大きく進歩している。

新しいレイアウトツール -- FileMaker Pro 12 でもたらされた主たる拡張は、テーマだ。従来のバージョンでは新規のレイアウト用に出来合いのデザインが用意されていたが、そこにはさまざまの問題点があった。中でもカラーがけばけばしくて不思議なほど魅力に欠けるという点が大きかった。出来合いのデザインの中には、まるで七歳の子供がクレヨンで書きなぐって作ったのではないかと思えるものさえあった。でも、例えば Brick Screen のオレンジ色と黄色の組み合わせが本気で大好きだと思えた人にとってさえ、スタイルを使って作成されたレイアウトのカラースキームが適用されるのがレイアウト作成時点で追加されるフィールドのみに限られるという点は困りものだった。あとで追加したフィールドでは、カラーも文字種も文字スタイルもすべて FileMaker のデフォルトに戻ってしまい、それぞれ手でスタイルを指定しなければならなかった。

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けれども今回、ありがたいことに、その点が変更された。40 個ある新しいテーマは従来の各種スタイルに比べて概して派手さや安っぽさが減った。Retro テーマにはどことなく Claris Organizer にあったスキンの一つを思い起こさせるところがある。Claris が FileMaker, Inc. となった際に Claris Organizer は Palm に売却されている。(1998 年 5 月 11 日の記事“Claris Organizer、PalmPilot MacPac として蘇る”参照。)また、Wave テーマは Windows 7 のデスクトップに慣れた人に馴染み深く感じられるだろう。それが良いことなのか悪いことなのかは知らないが。

FileMaker Pro 12 のレイアウトは、その源となるテーマと、従来よりずっと緊密に結び付いている。最初にセットアップしたよりも以後に追加された新規フィールドは、自動的にそのレイアウトのテーマのスタイル付けを継承する。それに、事後にテーマを別のテーマへ切り替えることも可能だ。Wave テーマを使っていてあまりにも Windows を思い起こさせるのが嫌になったら、いつでも Layouts メニューの Change Theme コマンドを使えばそのレイアウトのテーマ全体が何かもっと不快感の少ないものに変わる。

一つのレイアウトの中で各要素に磨きをかける機能も、FileMaker Pro 12 になって改善された。おそらく最も重要な変更は、レイアウトのオブジェクトを選択する方法にあるだろう。従来のバージョンではオブジェクトを選択領域で完全に囲まなければならなかったが、今回から選択したいオブジェクトに選択領域が重なっていさえすれば十分になった。これは長年の懸案であった標準化だが、私が思うにしばらくの間は古いやり方に慣れたベテランの FileMaker デザイナーたちを困惑させることだろう。

いったんレイアウトの要素を選択すれば、それに対するスタイル付けは従来可能であったものよりはるかに広範囲にわたってできる。FileMaker Pro 11 に至るまで何とか生き長らえてきた旧式のディザー・パターンはもうない。その代わりに、フィールドやボタン用のカラーグラディエントが用意されている。コーナーは半径を指定して丸みをつけることができる。例えばいくつものボタンが水平に次々に並んでいるような場合、一番左のボタンの左側のコーナーを丸め、一番右のボタンの右側のコーナーを丸めれば、モダンなスタイルに見えるようになるだろう。オブジェクトは異なる状態ごとに異なるスタイルを付与することができるので、例えば現在アクティブなテキスト入力フィールドには目立つ背景色を付けて、スクリプトを呼び出すボタンはマウスを上に持ってくれば色が変わり、クリックすればまた色が変わるようなスタイルにすることもできる。

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FileMaker Pro 12 のレイアウトは従来のバージョンのサイケデリックな誤謬に比べればはっきりと改善されているけれども、万人の嗜好に合うわけではないだろう。だから、開発者やデザイナーが自分で独自のテーマを作成したり、あるいは既存のテーマに変更を加えたりすることができないらしいのはとても残念なことだ。

新しいテーマのうち5つは(その中には Windows 風の Wave テーマも含まれるが)それぞれの名前に "Touch" が追加された,相棒のテーマを引き連れている。どうやら FileMaker 社の善き人々は、FileMaker Go について、また iPhone の小さなスクリーンが FileMaker Pro デザイナーたちに課した制約について、私が述べた評価に同意してくれたようだ。(2012 年 2 月 9 日の記事“FileMaker Go で FileMaker データベースを iOS に”参照。)いずれにしても、これら5つの Touch テーマは FileMaker Go が走る iOS デバイスの小さなスクリーンに順応できるようにということを特に意識してデザインされたものだ。FileMaker Go についてはまた後で述べたい。

ファイルフォーマット -- 長年来の FileMaker 開発者たちならきっと覚えている(実際、今でも夜中に冷や汗まみれで悪夢から目覚める人たちも多い)のは、2004 年にバージョン 6 からバージョン 7 へジャンプした際の衝撃的なトラウマ体験だ。(2004 年 3 月 15 日の記事“FileMaker Pro 7: パラダイム・シフトってわかる?”参照。)ファイルのスキームが壊れ、しかも場合によっては甚だしく酷いことにもなったので、旧 FileMaker から新 FileMaker への変換を巡って丸々新しい業界が誕生したほどだった。けれども結局は騒ぎも治まり、2004 年以来 .fp7 というファイル拡張子は FileMaker 開発者たちの毎日の生活の中で心強い普遍的定数となって、すべてが安全で快適なことを示すシンボルとなった。

多くのデータベース開発者たちにとって FileMaker Pro 6 から 7 への移行は、バージョン 7 が登場する以前の FileMaker Pro が実際には真正のリレーショナルデータベースではなかったという事実に順応するために編み出されたその場しのぎの小細工や回避策を組み合わせて構築された状態のデータベースを、徹底的に一新しなければならないという大変な苦痛に満ちた大作業であった。皮肉なことに(ただしそれを見て楽しい気持ちになった開発者などほとんどいなかったが)リレーショナルなアーキテクチャへの移行は多くのデータベースのデータ構造を壊してしまった。(場合によっては粉微塵に破壊し尽くしたこともあった。)それでもそれらのデータベースは再構築され、その後は今に至るまでずっと、頑丈かつ堅牢なる素敵な情報保存庫として存在し続けてきた。

だからこそ、FileMaker 開発者たちにとって悪いニュースとなるのは、今回の FileMaker Pro 12 が新たなファイルフォーマットを持ち込んだということだ。それは、新しいファイル拡張子を見れば一目瞭然、その名も .fmp12 だ。でも良いニュースもある。今回は、あの時のように歯ぎしりし衣を引き裂く苦しみを味わうことはない。なぜなら、既存のデータベースの基本的なファイル構造をアップデートする必要がないからだ。データベースの再構築も、テーブルやリレーションの再編成も必要ないし、ファイルが壊れることもない。.fp7 をアップデートするには、ただそのファイルを FileMaker Pro 12 で開くだけで済む。その際に表示されるダイアログには「変換された後は、このファイルは FileMaker 12 あるいはそれ以降の対応バージョンのみと互換なものになります」と書かれている。このダイアログにはまた、古いファイルを改名するオプションも提供される。このオプションを選択しない場合は、Name Converted File ダイアログが開いて変換後のファイルの保存先を尋ね、元のファイルはそのままになる。

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この新しいファイルフォーマットは、FileMaker Pro 12 の目玉機能であるレイアウトのテーマをサポートするために必要であった。また、FileMaker Pro データベースにおけるコンテナフィールドの機能を拡張できるようにするためのものでもあった。FileMaker Pro 12 では、.mp3 オーディオファイルをコンテナの中から再生することができ、自動的にオーディオを再生するオプションもある。同様に、FileMaker のウェブサイトの記述によれば、PDF ファイルをコンテナ内部で直接にナビゲーションできる。ただしその際コンテンツを見やすくするためにはレイアウトの中でそのコンテナフィールドを十分大きくしておく必要がある。

また、それぞれのコンテナフィールドのコンテンツは、以前にも増してデータベース自体から手が届く範囲に置かれるようになった。つまり、データベースのデザイナーは、コンテンツをデータベースファイルの内部に含めることもできるし、外部に保存されたデータへの参照情報をフィールドに置くだけでも使えるようになった。ただしそれと引き換えに、コンテナフィールド内のデータは依然として検索可能でなく、将来のリリースで検索可能となる可能性もますます低くなったように思える。

モバイルへ進出 -- 私の記事“FileMaker Go で FileMaker データベースを iOS に”(2012 年 2 月 9 日) にも書いたように、FileMaker, Inc. はモバイル版の FileMaker クライアントを FileMaker Go という名前で iPhone 用と iPad 用それぞれに出している。$19.99 の iPhone 用アプリはなかなかよく出来ていて便利なソフトウェアだ。一方 iPad 用のアプリもおそらく文句なしに良いものではあろうが、その $39.99 という値札を見ただけで私は使ってみる気が失せてしまった。良い面を言えば、いずれのアプリも今回アップデートされ、無料となった。悪い面を言えば、新バージョンのアプリは .fmp12 書類でしか動作しない。そしてここに、FileMaker, Inc. のモバイルアプリケーションに対する新たな哲学を読み取る鍵が潜んでいる。

前回のバージョンと同様、FileMaker Go 12 は有能な FileMaker クライアントだ。けれどもこれは新規のデータベースを作成することはできず、レイアウトやスクリプト、データスキームなどを変更することもできない。この制約のお陰で、FileMaker Pro のコンパニオンとしては素晴らしいが、デスクトップのコンピュータ上で既に FileMaker Pro を走らせているのでない人にとっては何の役にも立たなくなる。どうやら FileMaker, Inc. は、FileMaker Go をより大きな FileMaker 実装の一部分と見なす方が適切でより良いやり方だと考えたらしく、FileMaker Pro の売上げを伸ばす宣伝手段とするためにも FileMaker Go を無料で配布する決断をしたようだ。その結果として、この新しい FileMaker Go 12 が iOS 世界にもたらす新しいものはほとんどないが、FileMaker Pro 11 のユーザーでアップグレードを考慮中だけれども $39.99 の旧バージョンを多数購入するのには尻込みしていた人たちに、購買の決断をさせる力にはなるだろう。それに、FileMaker 製品ラインの購入を検討している新規のユーザーにとって購買刺激の力となることは間違いない。これからも FileMaker Pro 11 を使い続けたいユーザーにとって嬉しいことに旧バージョンの FileMaker Go アプリも引き続き App Store から入手可能で、従来通りの高価格のままだ。

共有と供給 -- FileMaker データベースは共有を念頭に置いてデザインされている。そしてそれこそが、この新しいファイルフォーマット .fmp12 が問題となる点だ。FileMaker Pro 12 はデータベースの共有を新しいファイルフォーマットのみでしかできず、しかもそれらのデータベースを開くことができるのは FileMaker Pro 12 と FileMaker Go 12 のみだ。あなたがもしアップグレードしようと思うなら、相互運用性がたやすく犠牲になるかもしれないことを覚悟しておかねばならない。つまり、ネットワーク上の一つのコンピュータを FileMaker Pro 12 にアップデートしたならば、それとデータベースを共有するつもりのある他のすべてのコンピュータも同じくアップデートする必要がある。その上、新しい無料の iOS アプリを試してみたい誘惑に駆られたのなら、あなたのデスクトップコンピュータかサーバの上で FileMaker Pro 12 を走らせる必要がある。

ここで良いニュースがある。FileMaker Pro 11 と FileMaker Pro 12 の両方を同じコンピュータの上で同時に共存させることは可能で、両者はそれぞれ独自のデータベースを何の問題もなく走らせることができる。ただし悪いニュースもあって、ネットワーク上でデータベースの共有ができるのはどの時点においてもその片方だけだ。FileMaker Pro クライアントソフトウェアにデータベースサーバとの二役をさせつつ FileMaker ネットワーク共有を走らせることが小規模オフィスの環境でどれほど驚異的に便利かを考えれば、どの一台のコンピュータ上でもたった一つのバージョンしかネットワーク共有を動かすことができないというのはとても残念なことだ。その回避策としては、一台のマシンに FileMaker Pro 11 データベースの共有を担わせ、もう一台別のマシンに FileMaker Pro 12 データベースの共有をさせる、というセットアップが必要となる。

このような複雑化は、ある程度は FileMaker の宇宙を二つに引き裂く結果となる。その一方で、これはアップグレードの道を手引きする親切な一歩だと見なすこともできる。明らかに FileMaker, Inc. としては、私たちにアップグレードしてもらいたい。そのことは無料の iOS アプリを見れば分かる。けれども FileMaker Pro 12 と前のバージョンが両方同時に走れるという事実のお陰で、そのアップグレードの作業はかつてバージョン 6 からバージョン 7 へのジャンプがそうであった類いの無作法な、力まかせに殴られたようなショックに比べて、ずっと痛みの少ないものとなるはずだ。

あなたも購入すべきか? -- FileMaker Pro 12 の最も重要なところである新しいテンプレートは眺めていて楽しいし、新しい各種テーマのお陰でどこか外国のままごとの薬屋さんみたいに見えるデザインのデータベースがぐっと減るだろう。でも、今回の新バージョンの FileMaker Pro にはぜひともアップグレードしたい気にさせるような際立った機能はあまりない。

これまで FileMaker Pro を使ってきて、既に十分機能するインストールがされ、データベースが実際に動いて既存の必要を満たしている、という人たちはバージョン 12 を見ても、ぜひともアップグレードしたい気にはならないかもしれない。だから、FileMaker Pro ソリューションを制作することを仕事にしている開発者たちは、当面自分のコンピュータに両方のバージョンを揃えておく方がよいだろう。彼らの既存のクライアントの必要の多くは、旧バージョンでも今後も引き続き立派にこなせるだろうからだ。けれども、新規の顧客たちには FileMaker Pro は初めてという人たちも多いだろうし、そういう顧客たちはきっと FileMaker Pro 12 でフレッシュにスタートする方を好むだろう。

小規模ビジネスで既存のオフィス内 FileMaker ソリューションにモバイルの新次元を追加して拡張したいと思っている人たちからは、微妙な質問が発せられるだろう。FileMaker Pro 11 あるいはそれ以前に留まれば、もちろん費用はかからないが、FileMaker Go を iPhone に備えたいと思えば iPhone 一台あたり $19.99 という追加のコストがかかる。その上 iPad ならば一台あたり $39.99 だ。FileMaker Pro 12 へのアップグレードは安く抑えれば $179 で済むので、FileMaker Go を多数購入することを考えればアップグレードする方が安上がりということも大いにあり得る。

間違いなく、FileMaker Pro は今後も多くの人たちにとってデスクトップのデータベース開発の選択肢として首位の座を保って行くだろう。そして、FileMaker ソリューションに iOS デバイスを組み込むことが無料となり、かつエレガントな実装が簡単にできるようになったことによって、モバイルなソリューションを必要とするビジネスにとって FileMaker エコシステム全体が以前にも増して魅力的な選択肢となっただろう。でも、FileMaker Pro は既に成熟し強固なるプラットフォームとなっているので、メーカー側の立場からは整数桁レベルのフル・アップグレードを正当化できるような新たな機能を見つけることが困難になっている。FileMaker Pro 12 のデザイン関係の機能は多くの面で確かに魅力的だが、あなたが現在お使いのデータベースを見ていると思わず目玉を抜き取りたくなるという悲惨な状況でもない限り、私としては既存のシステムにこれから多数のコピーの FileMaker Go 11 を購入しなければならない人以外にアップグレードをお勧めすることは難しい。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2012 年 5 月 21 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

GraphicConverter 8.0 -- Lemkesoft が GraphicConverter 8.0 をリリースした。定評あるこの画像変換および編集ユーティリティのメジャーな新リリースだが、今回は最新機種の 64-bit Intel ベース Mac をサポートするとともに、16 メガピクセルを超えるファイルサイズにも対応した。GraphicConverter 8.0 にはハイライトとシャドウ、ヒストグラム平坦化、クロップしてサイズを拡大縮小など、いくつか新しいバッチ処理機能も追加された。また、EMF および EMZ の読み込み機能や、スライドショーで経過時間を表示するオプション、HTML カタログを作成する際に空白を下線文字で置き換えるオプションなども追加された。GraphicConverter 8.0 は GraphicConverter 7 のオーナーには無料アップデートだが、バージョン 1 から 6 までのユーザーには $29.95 の有料アップグレードとなる。Lemkesoft はまた、GraphicConverter 7 を Mac App Store から購入したユーザーは Apple の審査作業が終わるまでバージョン 8.0 へのアップデートの入手を 2 から 3 週間待たなければならないかもしれないとも述べている。(Lemkesoft または Mac App Store から新規購入 $39.95、バージョン 7.x からは無料アップデート、バージョン 1 から 6 までからは $29.95 のアップグレード、136 MB、 リリースノート)

GraphicConverter 8.0 へのコメントリンク:

TextWrangler 4.0.1 -- 最近出たメジャーアップグレード(2012 年 4 月 11 日の記事“TextWrangler 4.0,”参照)に続いて、Bare Bones Software がこの無料の汎用目的テキストエディタに何も新機能を追加しない TextWrangler 4.0.1をリリースした。さまざまの雑多な修正のみが施されている。特に重要な修正としては、Replace All コマンドが大量のファイルを処理する際にメモリを食い過ぎていたバグの修正や、接続が外されていたディスプレイ上に異常なほど小さなウィンドウは表示されたバグの修正、DragThing を走らせた際に起こった二種類のクラッシュの修正、認識できるファイルタイプをいくつか追加したことなどがある。(Bare Bones Software または Mac App Store から無料、5.2 MB、 リリースノート)

TextWrangler 4.0.1 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2012 年 5 月 21 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週はマルチメディア形式のニュースが二つあるだけだ。Adam が Tech Night Owl ポッドキャストでセキュリティについて語り、バックアップが使えなかったために Pixar が "Toy Story 2" を危うく失うところだったというビデオがある。

Adam、Tech Night Owl Live で Mac のセキュリティを語る -- セキュリティは、誰もが消えてなくなって欲しいと思う話題だ。もしも消えてしまえば、誰もそんなことを考える必要がなくなるからだ。でも、それが実現するまでの間は、私たちとしても今世の中がどういう情勢になっているのか、自分の身を守るにはどうすればよいか、といったことを説明せざるを得ない。Adam が Tech Night Owl ホストの Gene Steinberg と議論するのも、そういう話題だ。

コメントリンク: 13008

バックアップ不良のせいで "Toy Story 2" に消失の危機 -- 私たちはいつも、データのバックアップはただ作成するだけでなく保存されたバックアップが良い状態であることも確認しなければならないと言い続けている。(だからこそ Adam Engst は、13 日の金曜日を国際「バックアップを確かめよう」デー としようと提唱したのだ。)最近のファイルや電子メールメッセージを失うのも困るけれど、もっと大きなプロジェクト、たとえば丸々一本の映画といったものについては、良いバックアップの方策がさらにもっと重要となる。二人の関係者が、Pixar 社が危うく映画 "Toy Story 2" の一年分に相当する仕事の成果を失うところだった状況を説明する。それは、誰かがうっかりと rm * と入力してしまい(つまりすべてのファイルを削除せよという Unix コマンドだ)その後会社は該当するバックアップが壊れていたことを発見したのだった。けれども意外なところから、この映画の救いの手が届いた。

コメントリンク: 13004


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