TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1132/02-Jul-2012

今週の大ニュースは、そのことはつまり今はちょっとのんびりした時期だということをも意味しているが、Apple による新しい Podcasts アプリのリリースだった。このアプリでポッドキャストを購読して、iOS デバイスで聴くことができる。熟練のポッドキャスターである Andy Affleck が概観する。今週号ではまた、Bob Mansfield が Apple を退職すること、ZangZing と QOOP が閉鎖されること、Dropbox 駆動のブログ用プラットフォーム Calepin がオープンソースになることもお伝えする。それから Steve McCabe が寄稿記事で、国境を越えた iPhone 修理について、また代替品との交換が不可能である理由の技術的詳細説明について、Apple からその場しのぎの言い逃ればかりを聞かされた体験談を語る。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Aperture 3.3.1、CloudPull 2.1.1、それに KeyCue 6.2 だ。

記事:

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Bob Mansfield が Apple を去る

  文: Jeff Carlson: jeffc@tidbits.com, @jeffcarlson
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple のプレスリリースによれば、Apple の Hardware Engineering 担当 Senior Vice President、Bob Mansfield が同社から退職しようとしている。Mansfield は 13 年間にわたり Apple で働き、現在同社の中心的な経営幹部の一人だ。彼はまた Apple の製品発表のビデオにもひときわ目立って登場し、それらのマシンを構成する内部のコンポーネントがいかに素晴らしいものかについて語ってきた。

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Mansfield はまた、iPhone 4 リリースの後間もなく、その外部アンテナに対する批判が集まったことで Apple が記者会見を開いてその干渉が iPhone に限った問題ではないことを説明した際にも活躍した。(2010 年 7 月 16 日の記事“Apple、iPhone 4 アンテナ問題に答える”参照。)プレゼンテーションの後で、彼と Steve Jobs、それに Tim Cook が壇上に居並び、ごくフランクな質疑応答セッションがあった。(このイベントのストリーミングビデオ はオンラインで見られるが、質疑応答の部分はビデオに含まれていない。)

Mansfield は小柄な男ではなく、痩せて手の小さな人々の多いこの世界の中で、彼のように大きな男が肉付きのよい指を駆使して Apple 製のコンピュータやモバイルデバイスの非常に小さなコンポーネントについて説明するのを見ると、いつもちょっとへんてこな感じがした。私たちの友人 John Moltz は 2009 年の Macworld Expo の会場で、Mansfield を穏やかな冗談の種にしたものだ: "Big Bob Mansfield. Ask for him by name. Accept no substitutes."(大きな Bob Mansfield、彼の名前でご指名だ、代わりの者じゃ駄目。)

Apple によれば、Mansfield の役職は Apple の iPad Hardware Engineering 担当 Vice President である Dan Riccio に引き継がれることになるという。

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Calepin 帰る: 最小主義ブログ・プラットフォームがオープンソースに

  文: Marshall Clow: marshall@idio.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今年の 1 月に、私は Dropbox ベースのブログ作成サービス Calepin についての記事を書いた。(2012 年 1 月 5 日の記事“Calepin: シンプルで最小主義のブログ制作に一捻り”参照。)それ以来、私は Calepin プラットフォームを使ってさまざまの短い文章を出版したり、 家系図の断片を親戚たちと共有したりしてきた。

ところが、Calepin を支えてきた人物である Jokull Solberg Audunsson が、このサービスに対する需要に追い付くことができなくなってしまった。購読者たちにあてた最近の電子メールで、彼は次のように書いた:「私は広告代理店でインタラクティブの責任者としてフルタイムで働いていますので、Calepin を開発してビジネスにするのは私にとった困難なことなのです。」

彼には時間がないことへの対応として、Jokull は Calepin をオープンソースとしてリリースする決断をした。今後は github がホストすることになる。それが意味するのは、今後は誰でも Calepin サーバを運営したければできるということだ。ただし十分な技術的スキルを持ち、利用可能なサーバがあることが条件だ。

自分で独自のサーバを運営したい人たちを Jokull は今後もサポートして行くつもりだが、元々の Calepin サーバの将来は不透明だ。今から 60 日前に、彼はこのサービスを 90 日以内に閉鎖すると tweet している。

私は Calepin サービスが消えてしまうのを悲しく思うが、これが間もなく消えてしまうことで、前の記事で私が述べた論点の一つがくっきりと浮き彫りになる。つまり、たとえそのサービスが何らかの理由で消滅したとしても、私が失うのは単にブログの表の顔だけであって、私がそこに投稿した実際のデータは消えたりはしないという点だ。私が書いた記事はすべて、私のラップトップ機の中の、私の Dropbox フォルダの中に、そのまま残っている。Calepin から「自分のデータを取り出す」心配をする必要などない。なぜなら、Calepin がホストしていたのは私の元々のデータのコピーのみだからだ。多くの人々が 2012 年 6 月 30 日までに MobileMe から自分のデータを取り出そうと殺到したのに比べれば、いかにも好対照ではないか。

Calepin に代わるものをと探しているのなら、Scriptogr.am を試してみることをお勧めする。見た目も動作方法も Calepin とよく似ており、Calepin からの移行もおそらくほんの数分で済むだろう。Dropbox 駆動のブログ作成サービスをホストしたいけれども Calepin のインストールの仕方が分からないという人には、Ian Landsman の Kudos というものもあって、こちらの方がインストールするのも管理するのも易しいかもしれない。

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ZangZing と QOOP がドアを閉じる

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

時として想像しにくいことではあるが、インターネットで次々と新たな起業が現われるということは、一方で消滅の率も高い。最高のテクノロジーを持った会社ならばきっと生き残るという考えは素敵だけれど、それが事実でないこともまた明らかだ。私たちが記事にしたこともあり、そのサービスを使ったこともある二つの会社、ZangZing と QOOP が、それぞれの仮想のドアを間もなく閉じることになった。とても悲しいことだと私たちは思う。

ZangZing の目標は、グループのメンバーたちがお互いに写真を手軽に共有できるサービスを提供することだった。これは、名の通った写真共有サイトではなかなかうまく実行できるものではない。私が ZangZing を偶然見つけたのは、Ithaca のクロスカントリーチームのメンバーの親たちがレースの写真を共有できる方法を探していた時のことであった。この ZangZing サービスが見事に私たちの必要に応えてくれ、ウェブインターフェイスも Flash に依存しない非常に洗練されたものだったので、私は強い感銘を受けた。(2011 年 10 月 3 日 の記事“ZangZing でグループの写真共有が成長”参照。)

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残念ながら、2012 年 6 月 27 日に、ZangZing は購読者たち全員に電子メールを送って、2012 年 7 月 2 日をもってサインアップと写真のアップロードの受け付けを中止し、サービス自体も 2012 年 8 月 31 日に完全に閉鎖し、その日をもってすべての写真と、連絡先情報およびアカウント情報を恒久的に消去すると発表した。幸いにも、以前に私がリクエストしたことのある機能のお陰で、ZangZing に保存されている自分の写真を簡単にダウンロードできる。単にログインして、ダウンロードしたいアルバムの上にマウスを動かし、そこで i メニューをクリックして、Download を選べばそのアルバムに属する写真すべてを含んだ Zip ファイルが手に入る。個々のアルバムは順次一つずつダウンロードしよう。なぜなら、ブラウザによっては同時に複数のものをダウンロードするとファイルが壊れることがあるからだ。

ZangZing の創設者の一人であり Claris Organizer/Newton で働いたこともある Joseph Ansanelli と連絡を取って何が起こったのか詳しく聞くことはできていないが、私の推測ではこの会社は自身のビジネスモデルを実装することができるよりも前に資金が尽きてしまったのではないかと思う。また、グループによる写真共有という ZangZing の特定分野が予想よりも市場規模が小さかった、あるいはこの会社がこれを使ってくれる可能性のあるグループに十分に宣伝することができなかった、ということも考えられる。

ZangZing は比較的若い会社であったが、オンデマンド印刷の会社 QOOP は既に 7 年近くも活動を続けてきた。この会社は私たちの Take Control 電子ブックにも、またプリント写真、本、ポスター、カレンダー、マウスパッド、名刺その他を販売しようと考えるどんなインターネットユーザーにも、これまでずっとオンデマンド印刷のサービスを提供してきた。私たちはこの会社の初期の時代、2006 年にそのサービスを利用し始めた。きっかけは、Joe Kissell が以前この会社の創設者の一人と一緒に働いたことがあったことと、私たちのシステムにこの会社のサービスを統合できたことであった。

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収入の落ち込みが食い止められなくなって、QOOP の人たちはもう数ヵ月も前から買い手を探していた。けれども結局買い手は見つからず、彼らはサイトを 2012 年 6 月 30 日に閉鎖すると発表した。未処理の注文はすべてきちんと果たされる。私たちも最近になって Take Control サイトから QOOP へのリンクを削除した。突然買い手が出現してこの会社を再生してくれるという見込みが薄くなったからだ。

ZangZing がなくなってとても残念だと思う。どなたか、ZangZing に類似のサイトで、複数の人たちがグループを作って一つの中心的な場所にアップロードすることで写真をグループ内で共有できる、そんなところをご存じならばどうか私にお知らせ願いたい。けれども、QOOP がなくなることについては、それよりもっと深刻に困ったことだと私たちは思っている。なぜなら、これは私たちが Take Control で提供しているサービスの(小さいながらも)確固とした一部分だったからだ。私たちにとっては電子ブックが第一だが、電子ブックよりも紙に印刷された本を読む方が好きだという人たちは現実に多くいる。その人たちのために QOOP のオンデマンド印刷のサービスを利用できるのは私たちにとっての喜びであった。QOOP に代わるサービスを見つけるのは難しい。なぜなら、オンデマンド印刷を提供する会社は膨大な数が存在しているけれども、それらを一つ一つチェックして、それが私たちのシステムに統合できるかどうか、妥当な価格で私たちの望む本を作れるのかどうかを調べるのは、気が遠くなるほど大変な作業だからだ。

現時点では、Take Control の PDF を印刷したいと思う人は、F FedEx Office Print Online (旧名 Kinkos)、 Staples Copy&Print、あるいは Office Depot Copy & Print Depot を調べてみて頂きたい。過去にこの種のサービスを使ってみた読者から聞こえてきたところによると(一般的なコピーショップでも言えることだが)こういった店では著作権付きの作品の複製に関していろいろとうるさく言われることもあるが、たいていの場合はあまり問題にならないようだ。今後出版する本については著作権ページの記述を変更して、個人的使用目的ならばプリントサービスがコピーを1部作成することを許すよう明記するつもりだが、当面、もしもあなたがこの点に関して何かトラブルに遭われた場合は私にご連絡頂きたい。できるだけのことをしたいと思っている。

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Apple の国際的な不明瞭さ

  文: Steve McCabe: steve@stevemccabe.net
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

ニュージーランドでの生活の多くの部分は楽しみに満ちているが、時々フラストレーションの元となる問題が持ち上がる。その一つは、Apple リテール店が存在しないことだ。認定再販業者はたくさんいるけれど、Apple 自身がやって来ているのはオーストラリアまでで、この国には来ていないので、手持ちの Apple 製品を修理に出す方法の選択肢が限られている。最近、私の iPhone 4S は異常に早くバッテリが切れるようになってしまったのだが、普通に考え得るソフトウェアの調整(Bluetooth をオフにする、Mail のチェック頻度を減らす、不要な位置情報サービスを無効にする、不要なバックグラウンド通知を停止するなど)以外、私にできることはあまりなかった。

そこで、最近英国の Manchester に旅した際に、この機会を利用しなければとばかりに私はその iPhone 4S を Arndale Centre にある Apple Store に持って行った。それを見てくれた Genius 係は、確かに私の疑っていた通りバッテリ消費が異常だと確認できたが、診断ソフトウェアによればバッテリは正常に働いているのでバッテリ自体に問題があるのではないと言った。彼が作成した作業規定書によれば「挙動スキャンの示すところによればバッテリに何の問題もないが、iPhone 診断の結果はこの機器でバッテリが空になるのが異常に早いことを示している」とのことだった。そこで彼が勧めた解決策は「機器内のコンポーネントの問題と思われる(バッテリ自体の問題ではない)ので、保証交換をするのがよい」であった。

それは素晴らしい、と私は思った。古い機器を新しい機器に素早く取り替えてもらえたら、ニュージーランドの自宅に帰ってすぐ新しい iPhone を iTunes バックアップからリストアするだけですべてが完了だ、と思った。Genius 係はラップトップ機にひとしきりタップしてから、顔をしかめて、店の奥に引っ込んだ... おやおや、何かまずいことの前兆に違いない。それから 10 分後、彼は Genius Bar に戻って来て、こんな風に説明した。新しい iPhone をお渡ししたいのはやまやまなのだけれど、残念ながらそれができない。同じものを同じものに交換するのはできるけれど、ニュージーランドの iPhone を英国の iPhone に交換することはできない。「だって、その二つは同じものじゃありませんか」と私は直ちに抗議した。「いいえ違います、アンテナが異なるのです」と彼は答えた。

今度は私が顔をしかめる番だった。彼の説明によれば、Apple は三つの異なる地域それぞれに対応する iPhone を販売していて、米国は一つの地域に、英国は第二の地域に、そしてニュージーランドは第三の地域に属しているのだという。「本当ですか」と私は言った。「いったい、どこが違うのですか?」私が 2009 年に米国からニュージーランドに引っ越した際、私は自分の iPhone 3G を持って来たけれども、何の問題もなくそのまま使い続けてきた。私が 3GS にアップグレードした際に売った友人のところでも、まだ問題なく働き続けているはずだ。私の妻はニュージーランドで買った 3GS を米国に持って行って、何の問題もなく使っているし、私たちの娘も、やはり自分の iPhone 4 を両方の国で使ったことがある。ニュージーランドから英国への旅行中、私はオーストラリアとシンガポールで飛行機を乗り継いだが、ニュージーランドで買った私の iPhone 4S は、その二ヵ国でも、ニュージーランドでと英国でと同じようにちゃんと働いた。

「直接の交換が不可能なほど大きく違っているところが何かあるのですか?」と私は尋ねた。「それは」と彼は答えた。「ネットワークの種類が違うのですよ。」「もちろん」と私は言った。「それは知っています。おっしゃる市場のいずれも GSM 電話、例えば iPhone 4S を使っています。」「ああ」と彼の返答が来た。「でも、それ以外に CDMA もあるのです。」

私はため息をついた。心の中では、ちょっと泣けてきた。ここは引き時だと判断して、私は彼に作業規定書を電子メールで送ってくれるように頼んだ。彼は電子メールで送ってくれたし、親切なことにその場で紙にも印刷してくれた。私はその場で立ち上がって議論を続けることもできたけれど、おそらく彼の MacBook にあるデータベースには外国製の iPhone の部品番号は載っていないだろうから、いずれにしても私がその日のうちに新しい機器を手にできる望みはなかった。その上、店の外では兄が待っていて、一緒にカレー料理店に行くことになっていた。その後チキンコーマを頬張りながら、兄は私に「お前なら連中より専門家であるところを見せつけられただろうに」と言った。うん、そうだな、と私は思った。

そこで次の日の午後、私は時間をかけて(実際、一時間近くかかった)電話で Apple のサポート担当者と話をした。無料通話のニュージーランドの番号にかけたところ、電話に出た顧客サポートの担当者ははっきりとオーストラリア訛りだった。私が問題を説明すると、彼は何の問題もないと言ってくれた。私が iPhone を Apple に送れば交換してもらえるし、あるいは Express オプションを選べば彼らが先に iPhone と箱を送ってくれ、私が古い方を箱に入れて送り返すこともできるという。「それは素晴らしい」と私は言った。「じゃあ、その Express オプションをお願いします。」

ただ、そこにはもちろん落とし穴があった。いつも結局そうなるんだよね? Express オプションを使うためには、Apple は私のクレジットカードにホールドをかけなければならない。ホールド額は、新しい iPhone のフルの購入価格、つまり 1199 ニュージーランドドルだ。「ノー」と私は答えた。「それは駄目です。私はただ、現在使っている iPhone を手放す必要なしに新しい iPhone を送って欲しいだけなのです。」

そこで私は Matt に取り次がれた。たいていのコールセンターの担当者と同じく、名字なしの Matt だ。私に分かったのは彼がオーストラリアの Brisbane にある Apple のコールセンターで Senior Advisor の立場にあるということだけだった。私は彼に、千ドルを優に超えるものを Apple にただ引き渡すことはしたくないと説明した。(そう、もちろんそれは単なるホールドに過ぎないのだけれど、それはホールド状態にある間アクセスができない千ドルであって、私の側から見れば千ドルの現金と事実上何の違いもなく、薄給の教師の身では、凍結されても見過ごしにできる額を優に超える。)Matt によれば、もしも Apple が $1200 の保証金なしにただ交換用の iPhone を送れば、顧客の側でもう片方の iPhone を返却しなければならない動機が何もなくなってしまうという。そちらの片方が既に壊れているという事実はさておき(それだからこそ交換しようとしているのだが)それは顧客に対する信頼が完全に欠落しているということだし、がっかりさせられた、と私は指摘した。「今の時代の人たちは」彼は言った。「もはや信頼をもとにビジネスをしてはいないのです。」(ついでに言うと、このことについて記事を書くつもりだと私が五回目に言うと、Matt は今のは Apple の公式見解ではないとあわてて強調した。)

私も大人なので、必ずしもすべての人が私と同じくらい正直ではないと知っている。この種の機会に便乗する人が誰もいないと考えるほど私も単純ではない。でも、Senior Advisor たる Matt 氏にも指摘させてもらった通り、これではあまりにも一方のみに偏した要求というものだ。もしも私が自分の電話機を Apple に送ってから向こうが交換品を送ってくるまでただ待たねばならないのだとしたら、Apple の側には相応の重荷が何も課されていないことになる。どうやら私という人間は、信頼をもとに行動せざるを得ないようだ。正直言って、私は全然満足していなかった。それが正しいことか間違っているかはさておいても、私は Apple にはもっとちゃんとしてもらいたい。けれどもこの時点で、この件に関して Matt からは何ら満足すべき結果を得られないと悟ったので、私は方針を変更することに決めた。そしてここからが、本格的に面白くなってきたのだった。

私が電話で話している相手は Senior Advisor だったので、ローカライズ版の iPhone についてもう少し技術的な情報を彼から引き出してみようと私は思った。今回の問題はハードウェアの問題だと相手は言った。そのような言い方でわざと論点をごまかそうとしていると感じ取った私は(何と言っても私は高校の物理教師なのだから)これを聞き流すわけにはいかなかった。そこで私は尋ねた。実際には、どんな種類のハードウェアの違いなのですか、と。Matt は Manchester の Genius 係がしたのと同じ説明を繰り返して、Apple は iPhone を三つの異なる地域で販売している、それ以上の詳細は分からない、三つにはそれぞれ独自の要件がある、と言った。私は具体例を挙げるよう強く求めた。そこで例として、中国の話が出た。中国政府は Wi-Fi を無効にするよう要求している。どうやらそれは人々がどのウェブサイトを訪れるかを政府がコントロールできるためらしい。

この議論において中国は特殊なケースだと私は理解している。かの人民共和国の公務員は、Apple をはるかに凌ぐコントロール狂たちなのだから。でも依然としてこれでは私が Manchester で地球の反対側用の電話機を交換してもらえなかったことの説明にはならない。「それに」と Matt は言った。「時には電話機のハードウェアに特殊なソフトウェアをインストールする必要があることもあります。」私は自分が「ファームウェア」のような専門語も使いこなせると指摘した。そこで Matt は、例えば、インドでは FaceTime を無効にすることが義務付けられていると説明した。それはすごく面白い、と私は思った。でも、これはファームウェアの変更で処理できるし、おそらくそれで処理されているのであろう。私は自分がニュージーランドで iPhone 3GS を購入して最初にアクティベーションをした際に、その手順の一段階で iTunes が「キャリアの設定をアップデートしています」という表示が出たことを指摘した。この場合は、MMS メッセージングが有効とされ (もし私の記憶が正しければ AT&T は当時 SMS テキストにしか対応していなかった) Visual Voicemail が有効とされた。(Vodafone NZ は未だに Visual Voicemail に対応しておらず、これは大いなるがっかりだ。)これらすべてが、ファームウェアを通じて処理された。明らかに、一つの機種の iPhone がすべての市場に対して出荷され、その上で個々のキャリアの必要(と弱点)に合わせて微調整されていたのだ。

(正確を期すために言っておくと、私はインドの FaceTime について Matt の言ったことを確認することにした。すると、彼の状況認識は若干弱いことが分かった。 Apple のウェブサイトのインドのセクション では iPhone 4S の重要機能の一つとして FaceTime を宣伝している。公平を期して言えば、FaceTime は実際サウジアラビアとアラブ首長国連邦では利用できず、またエジプト、ヨルダン、カタールでは一時利用できなかったことがある。)

Matt はまだ、私の二つの母国でのハードウェアの違いについて納得できる理由を説明していなかった。私はもう一度、アンテナの違いについて尋ね、私の iPhone 4S は 4G ネットワークを処理できるようにするために違うアンテナを持っているのかもしれないという返答を得た。そこで私はきちんと座り直して、細心の注意を払って相手の言葉に耳を傾けた。ひょっとするとこれは大スクープをものにできるかもしれないぞと。ひょっとして Matt は、私の iPhone 4S が真の意味の 4G ネットワークを(それがどんなものであるにせよ)処理できるというニュースを漏らしてくれようとしているのではなかろうか。私は彼に、もの凄いこの話の展開についてもっと詳しいことを話してくれと頼んだ。でももちろん、これもまた、彼がわざと論点をごまかそうとしていたに過ぎなかった。そこで私はもう一押ししてみた。私は Matt に尋ねた。「Auckland で買った iPhone 4S と Manchester で売られている iPhone 4S のハードウェアはどう違うのですか?」「違いはあります」と彼は答えた。「違いは何ですか?」と私は尋ねた。「一つでいいですから、ハードウェアの違いの例を挙げていただけませんか? ファームウェアの違いではなく、「ハードウェア内蔵のソフトウェア」の違いでもなく、ハードウェアの、英国の iPhone とニュージーランドの iPhone の間の違いを、教えていただけませんか?」

驚くことではなかったが、何の答も出てこなかった。Apple のウェブサイトは、問題の三つの国々、つまり米国と、英国と、ニュージーランドで、すべて全く同じ技術仕様を iPhone 4S について提供している。つまり、それら三つとも、"World Phone" であって、UMTS/HSDPA/HSUPA (850, 900, 1900, 2100 MHz)、GSM/EDGE (850, 900, 1800, 1900 MHz)、CDMA EV-DO Rev. A (800, 1900 MHz) に対応している。三つとも同じ周波数、同じテクノロジーだ。私はセルラー関係の世界的権威ではないが、これら三つの間に意味ある違いがあるとは思えない。そこが間違っているのならば喜んで間違いを受け入れる(というより間違いだと分かった方が嬉しい)が、私の知る限り、これらのデバイスの間にある唯一の違いは部品番号だけだ。

私は 1980 年代の終わりごろからずっと Apple 製の機器を使ってきた。それは Manchester の Genius 係も、さらには Matt さえもまだ生まれていなかった頃かもしれない。私は数年にわたって Apple に関する記事を書いてきたし、Apple 認定のコンサルタントにもなったし、Apple で働いていたことさえある。だが、今回の Senior Advisor たる Matt 氏との電話は、私の人生において最もフラストレーションの溜まる Apple 体験の一つであった。Apple リテール店を持たない地域に対して Apple のサポートチームが示した信頼の欠如は、がっかりさせられるものではあったけれど、たぶんこれは今がそういう時代だということなのだろう。でもそれより気に障るのは、Apple の非妥協的な部品番号システムだった。Manchester の Genius 係が同じものを同じものに交換することができなかったのは、ただ部品番号が違うというだけの理由だったのだから。

けれども今回のやり取りすべてにわたって最も私に嫌な思いをさせたのは、私が話をした相手全員が、科学用語を振りかざして私の目をくらまそうと試みた、素っ気なく拒絶的な、少しばかり人を見下したような態度だった。私が十分にテクノロジーに詳しいことを結構雄弁に明言した後でさえ、依然として例のわざと論点をごまかそうとする「ああ、それは技術的なことだよ、坊や」という口調の返事が返ってきて、結局実質的には「いいかい、もうお前には何も教えないぞ」と言っているのとほとんど変わらない結果になってしまうのだった。あるいは、もう少し寛大な言い方をするならば、Manchester の Genius 係も Senior Advisor たる Matt 氏も、自分の言っていることが本当はこれっぽっちも分かっておらず、ただ難しそうな言葉を持ち出して早く会話を打ち切り、自分たちの無知を認めずに済まそうと試みていただけだと考えるべきなのかもしれない。

いずれにしても、Apple なら、もっとちゃんとしてもらいたい。

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Podcasts アプリ、ポッドキャストを Music アプリから分離

  文: Andy Affleck: andy@andyaffleck.com
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

ポッドキャッチャーは、ポッドキャストに登録しダウンロードするアプリケーションに対する俗称だが、形もサイズもまちまちである。Apple は、デスクトップ版の iTunes ではポッドキャッチングのサービスを提供しているが、その iOS 版ではポッドキャストを見つけ出しそしてダウンロードする能力はあるが、登録することは出来ない。このためサードパーティにも出番が出来、このギャップを埋めるために多くのアプリが出現した。InstacastDowncast はその例である。

先週、Apple は iTunes U アプリの先例にならって Podcasts をリリースした。これは iPhone, iPod touch, そして iPad のための汎用アプリで、過負荷の Music アプリからポッドキャスト関連の仕事を引き取る。この Podcasts アプリは、iTunes iOS アプリのポッドキャスト部分をほぼ文字通りコピーしたものに、再生機能と番組へ登録し自動的にダウンロードする能力を付け加えたものである。

Podcasts アプリは、二つの主たる部分からなる:ポッドキャストを見つける Catalog と、そしてあなたが登録しダウンロードしたポッドキャストを聞く Library である。

Catalog -- Catalog は Podcasts アプリの "店頭" であり、iTunes Store にある全てのポッドキャストを展示している。この部分全部が iTunes アプリのポッドキャスティングの所から直接剥ぎ取られたものである。ここでは、新しいそして注目すべきポッドキャストをブラウズしたり、人気のポッドキャストの "初心者パック" を試したり、上位ランクのポッドキャストを見たり、そして各種のカテゴリでポッドキャストの大海をスクロールしたり出来る。

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大きな変更は、個々のポッドキャストに今や Subscribe ボタンが付いたことである。これまでは、iTunes アプリでポッドキャストを見ることは出来たが、それに登録することは出来なかった。

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出来ないのは、驚きには値しないかもしれないが、Podcasts は iTunes Store への入り口であることから、URL を入力して放送に登録すること、そして認証を必要とするポッドキャスト (例えば有料ポッドキャスト) に登録することである。これらの機能のためには、今お使いの独立のポッドキャッチャー、それが何であれ、に頼らなければならない。

私がテストしている間に、Catalog で性能上の問題に時折出くわした。あるポッドキャストの詳細を見るべくタップすると、ダウンロードに時間がかかった挙句、登録をしたり特定のエピソードをダウンロードするためのボタンが言うことをきかなくなったりした。ある時は、iPad の向きを変えてスクリーンがその向きに合うように回転するまで 20 秒以上も待たなければならなかった。この様なことは散発的にしか起こらなかったので、他の問題、とりわけインターネット接続の問題が関係していたかもしれないが、当惑させられることに変わりはない。

Library -- Podcasts アプリの Library には、あなたが登録した或いは自分でダウンロードしたポッドキャスト全てが含まれる。あなたの Mac の iTunes ライブラリにあるポッドキャストも、その機器に既に同期済みであればこの Library に現れる。更に、Podcasts アプリで手でダウンロードしたエピソードもデスクトップ iTunes ライブラリに同期し戻される。しかしながら、登録はそれがなされた所でしか、iOS 機器或いはデスクトップ上のどちらかで、働かない。一つの番組に両方から登録することは可能であるが、私の知る限り、それぞれの機器はその登録を独自に追跡する。

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それぞれのポッドキャスト内には、要求したエピソードのリストがあり、デフォルトでは最新のものから最古のものへと並べられる。このアプリ内で新しく登録すると、最新のエピソードだけが未再生としてマークされる (青いドットで)。もしそのポッドキャストがデスクトップから同期されたものであれば、デスクトップ上で未再生とマークされたエピソードは全て iOS 機器上でも未再生としてマークされる。もしそのエピソードが未だダウンロードされていない場合、Podcasts アプリはそれをストリームする - Wi-Fi 或いはセルラー上で、但しセルラー経由でのダウンロードオプションが生かされていて (Settings > Store で) そしてそのエピソードのサイズが 50 MB 以下の場合に限られる。エピソードはオフライン聴取のために自動でダウンロードも出来るし、またエピソードの隣にあるダウンロード矢印をタップすることでマニュアルでも出来る。

iPhone 又は iPod touch 上でエピソードリストを見ている時にポッドキャストの名前をタップすると幾つかのオプションを設定できるようになる (iPad 上では右上にあるギア型のアイコンを探す)。オプションには、登録をオンオフする、登録したポッドキャストの自動ダウンロードのオンオフ、エピソードのソート順番を変える、そして全部のエピソードを未再生或いは再生済みにすることが含まれる。

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Library にはもう一つ大きな部分があるのだが、殆ど理解し難い:Top Stations である。これはある種のポッドキャストにそれがあたかもラジオ番組でもあるかのようなアクセスを与える試みの様には見える (上部にジャンル間を移動するダイヤルを含んだユーザーインターフェースを持っている)。良くできているとは思うが、要はポッドキャストを探す一方法にすぎず、どうしても疑問を投げかけてしまう:Top Stations はなぜ Library に出てくるのか? これは Catalog に既にある Top Charts とはどう違うのか?

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Top Stations が Catalog の中で何をしているかに拘わらず、これもまた性能問題を抱えていて、ロックアップ、惨めな程鈍感なオーディオ/ビデオの切り替え、そして出てこないカバーアートが含まれる (そして、このカバーアートはどの番組が表示されているのかを知る唯一の方法であり、例外は小さな情報ボタンであるが、アプリのこの部分にある他のものと同様反応しないことがしばしばある)。

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事態を更に悪くしているのは、番組のトラックリストを見ている時 (情報ボタンをタップした後)、そのエピソードの題名が欠けていることがしばしばある。結論を言えば、この Top Stations の部分は役立たずで使うとイライラする。無視するのが一番である。

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この Podcasts アプリは、基本的なポッドキャスト利用のために必要な機能は全て提供しているが、独立のポッドキャッチャーアプリによって確立された領域には踏み込んでいない。例を挙げれば、スペース節約のため聞いた後エピソードを自動的に消去する機能、ポッドキャストをまとめるプレイリストの作成機能、等々である。

プレーヤー -- Podcasts アプリは、統合したオーディオ/ビデオプレーヤーを提供している。これは目にも楽しくそして大抵の一般的な再生機能を扱う大きなボタンを提供していて、エピソード間のナビ、エピソード内で 10 秒戻る (邪魔が入ったり、何かをミスったりした時のため) 或いは 30 秒前に進む (退屈なイントロや広告をスキップするため)、一時停止、そして AirPlay を使ってオーディオとビデオを他の機器に切り替える、が含まれる。

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カバーアートをスワイプアップすると、模擬のオープンリールのテープデッキが現れたり、その他にも幾つかの新しい捜査手段が提供されている:再生速度を速めたり遅くしたりするオプション;スリープタイマー;エピソードを聞きながら、他の人にツイート、メール、或いはテキストメッセージする能力である。この模擬のオープンリールのテープデッキは、エピソードを通して進行を示すべくテープがリールからリースへと動くので、感じのいい良くできたフィードバックを提供してくれる。

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私もこのおもちゃ仕掛けに関しては色々な意見を目にして来た。ただ私個人としては、模擬の仕掛けは (現実世界の物や行動を模倣するというやり方)、少なくともそれが邪魔にならない限りは、それ程気にはならない。ここでは、この模擬テープデッキはちゃんと仕事をしている。これが現れる場所は元々何もない所だし (とりわけ iPad を縦位置に置いた時) そして結構見栄えも良い。私は、Apple が 1970 年代に一般には使われなくなった技術を甦らせる選択をしたということを極めて奇妙だとは感じた;この Podcasts アプリの大多数のユーザーはオープンリールのテープデッキなど見たこともないであろう。

もっと厄介なのは、このプレーヤーのタップに反応する時にしばしば見られる鈍さである。とりわけ他のアプリを使った後このアプリに戻った時など尚更であり、最初からロードし直さなければならない程である。

ブレイクアウトボックスに向かって -- Apple は、Music アプリは音楽だけに焦点を当てればよいという方向に遅々として歩を進めてきた。この Music アプリは、過去にはある種のビデオや iTunes U コンテンツを見るための唯一の方法であったが、今では Videos アプリがビデオを再生し、そしてiTunes U アプリが授業のコンテンツを保持している。Podcasts アプリの登場で、Music アプリの将来バージョンからは更なるデータが取り出されると思われ、iOS 6 でその一部が見られるかもしれない (Audiobooks アプリ或いは新しいバージョンの iBooks と言った形で、Music アプリにまだ残っている非音楽型のデータであるオーディオ本が扱われるのではなかろうか)。これは Apple の iOS アプリエコシステムに対する歓迎すべき変化であり、より良いユーザー経験全般に役立つであろう。何故ならば、データの型は全般的に似た様なものではあっても、それを取り巻く活動は極めて違う - 音楽を聴く、ビデオを見る、iTunes U 授業をとる、或いはお気に入りのポッドキャストに接続するといった具合に。この傾向からでは分からないのは、iTunes Store への統合されたインターフェースとしての iTunes アプリの Apple の計画である - iTunes U と Podcasts アプリで授業コンテンツやポッドキャストに対する iTunes アプリの必要性は無くなるが、Videos アプリは直接のアクセスを提供する代わりに未だにあなたを iTunes へと導く。

数多くの性能上の問題を別にすると、Podcasts アプリに関する私の一番の苦情は重複するそして紛らわしい Top Stations の部分についてである。これはどう見ても、Apple の誰かが Catalog にある Top Charts 機能に対する代替案を示すべく書いたものだが、間違って両方のインターフェースが残されてしまった様にしか見えない。

高度なニーズを持つ人には、Music アプリがこれまで提供して来たもの以上に目に付く機能は無いであろうが、ポッドキャストの音楽からのアプリレベルでの分離という意味を除いて、元々それこそが独立のポッドキャッチャーの存在価値というものである。その他の万人にとっては、Podcasts アプリは良いスタートを切ったと言え、そして一旦 1.0 の性能問題がきれいになれば、これは Apple の基本的な iOS アプリスイートに対する気の利いた追加となるであろう。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2012 年 7 月 2 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Aperture 3.3.1 -- 6 月の前半に Aperture 3.3 をリリースした Apple がつい最近になって Aperture 3.3.1 を出した。「ライブラリをアップグレードする際まれに Aperture がハングしたり異常終了したりすることのある問題を修正」しているという。前回の Aperture 3.3 アップデートはその前のバージョンから大きく踏み出したアップデートであって、写真ライブラリのフォーマットを変更して Aperture と iPhoto の双方から使えるようにするとともに、新しい Retina ディスプレイモデルの MacBook Pro への対応を追加した。今回問題となったバグに遭遇した人たちにとって(私たちも何人かからそういう話を聞いたのでそれほど稀な問題ではなかったはずだ)Aperture 3.3.1 は歓迎すべきアップデートだろう。(Mac App Store から新規購入 $79.99、無料アップデート、554.9 MB)

Aperture 3.3.1 へのコメントリンク:

CloudPull 2.1.1 -- Golden Hill Software が、Google のデータをバックアップする同社のアプリケーション CloudPull のバージョン 2.1.1 をリリースした。少数の Gmail メッセージをアプリがバックアップできなくなり、しかもそのことを報告しないという、重大なバグを修正している。Golden Hill Software の John Brayton はこの過ちについて リリースノートの中で謝罪して、このバグの影響を受けたメッセージは全体の 1 パーセント以下であったけれども「バックアップの状況について誤ったセキュリティの感覚を与えるようなバグは極めて深刻なものである」と述べた。今回のアップデートをインストールした後には、CloudPull がメールのバックアップ保存場所を検索して悪いメッセージを探し出し、そのメッセージバックアップを削除した上で失敗したバックアップとマークし、その後でそのメッセージをもう一度バックアップする。(それがまだ Gmail に存在していればの話だが。)この手順を実行する結果として、アップデート後初めてのバックアップサイクルは数時間かかることもある。(新規購入 $24.99、無料アップデート、7.6 MB)

CloudPull 2.1.1 へのコメントリンク: about CloudPull 2.1.1.

KeyCue 6.2 -- Ergonis が KeyCue 6.2をリリースした。キーボードショートカットを思い出すためのこのユーティリティに、リクエストの多かった機能を一つ追加している。新設されたハンズフリーモードでは、ショートカットの一覧表を開けばそのまま開いた状態になり、キーを一切押す必要なしにずっと参照できる。また今回のリリースでは新しい白黒のテーマを二つ追加するとともに、既存の白黒のテーマについても透明度の調整機能を改善した。さらに、Microsoft Word、Excel、PowerPoint における遅延や、Sibelius でショートカットが一つも表示されなかった問題に対する回避策、Settings ウィンドウで項目が一部重なり合ってしまった問題の修正、iTunes でいくつかのショートカットが見落とされていた点の修正なども今回のアップデートに施されている。(新規購入 19.99 ユーロ、無料アップデート、2.2 MB、リリースノート)

KeyCue 6.2 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2012 年 7 月 2 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Siri がプライバシーの問題を引き起こすという話を、心配すべきだろうか? それはこの MIT Technology Review 記事がきっかけとなった疑問だ。今週はまた Andy Ihnatko が、iCloud との統合のためにいくつかの事柄が要求される点について彼の懸念を表明する。

Siri を使うとプライバシーの懸念が -- Mashable が転載した MIT Technology Review 記事の中で、Siri に問われた質問を Apple が保存していることを巡るプライバシーの懸念が問題となっていることを David Talbot が伝える。Apple は録音された質問が Siri の動作のためと理解・認識の改善を図るためのみに用いられると言っているが、プライバシーを気にする人たちは声紋を用いて話し手の特定が行なわれるのではないかと心配する。個人情報の保存が必須となるサービスを提供することと、国家権力の手を心配することの間の、どこにプライバシーの線を引くべきなのだろうか?

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iCloud への移行が家のリフォームと似ている理由 -- 比喩の大御所 Andy Ihnatko が、開発者が MobileMe から iCloud への「単なる」移行をすることを、住宅のリフォームに例える。家をリフォームした経験のある人ならば知っていることだが、いったんそれを始めると、次から次へと決断が必要となり、その度にさらなる手間とさらなる出費とが必要となる。権威ある人に向かって「お母さん、これもしていい?」と駆け引きしなければならないことも言うまでもない。

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TidBITS ISSN 1090-7017©Copyright 2012 TidBITS: 再使用はCreative Commons ライセンスによります。

Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2012年 7月 7日 土曜日, S. HOSOKAWA