TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1140/27-Aug-2012

先週の私たちは皆さんに観て頂くビデオを作成するのに忙しかった。非公式のスタッフミーティングを記録したビデオの中では Glenn が App.net について解説し、公式の TidBITS Presents パネルディスカッション "Protecting Your Digital Life" には Rich Mogull と Joe Kissell が登場する。その他のニュースとしては、Apple が少数のバグ修正を盛り込んだ OS X 10.8.1 Mountain Lion を出荷し、MacTech Conference 2012 の日程が 10 月 17 日から 19 日までと決まり、アップデートされた Boingo の Wi-Finder アプリがあなたのワイヤレスデータ使用量を追跡して不要な料金を予防する助けとなる。今週の特別記事は Steve McCabe の寄稿によるもので、彼は一大決心して大好きな音楽を大量に聴き比べ、オンラインの音楽ストリーミングサービス Spotify、Pandora、Last.fm を比較検討した。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Transmit 4.2、CloudPull 2.1.3、VMware Fusion 5 および Fusion 5 Professional だ。それから、来週は Labor Day の祝日なので電子メール号を休刊にさせて頂く。次回の電子メール号は 2012 年 9 月 10 日発行となる。

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Labor Day の祝日のため 2012 年 9 月 3 日号は休刊

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

遅い夏休みのために今週は TidBITS スタッフの多くが仕事を離れており、私自身はその留守を守りつつ、Tonya が学生時代の友人と一緒にポルトガルを旅して回っている間の独り親としての仕事も引き受けている。そういうわけで、来週は電子メール号をお休みにさせて頂くことにした。もちろん、 ウェブ上の出版はいつも通りに続けるので、電子メールで TidBITS が届かない埋め合わせとして、RSS でフォロー (TidBITS 会員への RSS はフルテキスト付き)、TwitterFacebook、あるいは私たちの iOS アプリなどをご利用頂ければと思う。また、これを機会に過去の号を見直してみたいとお思いの方には、バックナンバーがすべてオンラインで入手可能だ。次の TidBITS 電子メール号は、2012 年 9 月 10 日発行となる。

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TidBITS Presents "Protecting Your Digital Life" を見よう

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

第三回目となる TidBITS Presents イベントは 2012 年 8 月 22 日に行なわれたが、今回は従来の二回とちょっと違って、一人によるプレゼンテーションというよりもパネルディスカッションという趣きだった。Rich Mogull と Joe Kissell と私の三人で、テクノロジーライター Mat Honan のデジタル生活がハッキングされた、あの十分に文書化された事件(2012 年 8 月 20 日の記事“TidBITS Presents "Protecting Your Digital Life" は 22 August 2012”の初めの部分に要約がある)について議論した。ただし、Honan の状況の具体的な細部に立ち入ることはせず、私たちはこの事件を題材にして、自分のオンラインでの身元確認情報を悪人たちから保護するためにすべき最良の実践方法をお勧めしたいと思った。彼がどんな誤りをしたのかについてより、皆さんが何をするのが正しいかについて語るように努めた。

とりわけ、私たちは次のような問題に焦点を当てた。パスワードの再使用、自分の主たる電子メールアカウントを保護することの重要性、セキュリティ上の疑問点に対処するための最良の手段、オンラインで私たちのどんな情報が入手可能となっているか、バックアップの絶対的必要性、最もハッキングの標的となりやすいのはどんな人か、といった問題だ。一時間ほど時間がとれる方は、どうぞご覧あれ!

前回の TidBITS Presents イベントでは 200 名ほどのライブの視聴者があったけれど、今回は参加者数が少なく、65 名ほどだった。おそらく、このイベントについてお知らせしたのがごく間際になってしまったのが原因だったかもしれないし、あるいはセキュリティという話題そのものを考えたくないと思う人たちが多かったのかもしれない。私としてはほとんどの人がより良いセキュリティ実践方法を採用する必要に迫られていると思うけれども、自分が標的になることはないだろうと考えてしまいがちなのもまた事実だ。ただ、残念なことに、議論の中で Rich が指摘した通り、オンラインのコミュニティーに参加している人ならば誰でも標的になり得る。その上、パスワード発覚に関係するハッキングで、あなたには何の落ち度もないという実例も多数ある。もしもどこか大会社のパスワードファイルが盗まれたならば、適切な予防措置を講じていない限り、あなたが被害を受けることもあり得る。

今回の TidBITS Presents を観ないことにしたという方は(特に以前のものは観たけれど今回のは観なかったという方は)どうかその理由をコメントに書き込んで頂ければと思う。私たちは実際ライブのオンラインプレゼンテーションという世界でまだ手探りの状態なので、どうすれば改善できるかという点について建設的な批判を頂けるのが一番嬉しい。例えば、今回のイベントでは、意図的にプレゼンテーションの時間を 45 分間に抑え、その後に質問を受け付ける時間を 15 分間だけ設けた。前回のイベントは 2 時間を超えたので、今回は時間的にそれより大幅に短くした訳だ。最初の数分間をどういう風にすべきかは依然として検討中だ。参加する皆さんがビデオをロードし終えるまで話を始めたくないけれど、ロードが始められるのは私が Start Broadcast ボタンをクリックした後からだからだ。

今回のプレゼンテーションではいくつかの製品やサービスに触れた。皆さんがそれらを探し回る必要がないように、ここにリンクをリストしておきたい。 TidBITS 会員は、1Password の購入に際して 25 パーセント、"Take Control of Backing Up Your Mac" で 30 パーセントの割引がある。

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VidBITS: App.net、写真共有、過剰なリマインダー

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

App.net は Twitter を殺すのが狙いなのか? そうではない、そして幸運にも、Google Hangouts On Air 経由のライブで持たれたこの TidBITS スタッフミーティングで、Glenn Fleishman はこの新しい実時間ソーシャルフィードシステムの裏に何があるのかを説明することが出来た。我々は、App.net についての記事を近いうちに出したいと思っている、というのもこれは企業が自らの利益のために管理するプラットフォームではなく、独立の開発者達がどんな想像の及ぶ限りの目的のためにも使うことが出来るパイプのシステムを提供しようという素晴らしい努力だからである。その他の今後取り上げる記事の題材として話し合われた物には、今は亡きそして惜しまれる ZangZing を置き換えるグループ写真共有サイト、そしてその過剰なリマインダーが我々に過度に熱狂的な広報担当を思い起こさせてしまう Notification Center (通知センター) がある。

我々は、我々の週毎のスタッフミーティングの多くを Google Hangouts On Air 経由で記録している (私の YouTube ページ参照)、そしてこれらは、我々の TidBITS Presents イベントよりもずっと砕けたもので話題もあちこちに飛ぶが、Apple をめぐる世界で何が起きているかについて話をする週刊ビデオポッドキャストみたいなものである。煎じ詰めて言えば、我々は我々が次に何について書くのかを毎週話し合うスタッフミーティングをどのみち持たなければならないのだし、それを傍聴したい或いは後で見てみたいと言うのであれば歓迎である。ただ、誰かがドーナッツの差し入れをしてくれれば最高なのだが!

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OS X 10.8.1、バグ修正とバッテリ寿命改善を狙う

  文: Agen G. N. Schmitz: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple が OS X 10.8 Mountain Lion への初めてのアップデートをリリースし、この大猫が 7 月にリリースされて以来ユーザーから報告されたさまざまの具体的問題点に修正を施した。しかしながら、今回のバージョン 10.8.1 リリースノートには、おそらくこのアップデートにおける最大の調整であろうと思われる点、すなわち Mac ラップトップ機のバッテリ寿命の大幅な改善について、何も触れられていない。

Mountain Lion がリリースされてから間もなく、 Apple のサポートフォーラムには MacBook Air や MacBook Pro のオーナーたちから 10.8 を走らせると急激にバッテリが減るようになったという報告が寄せられ、そのうち何人かは正常なバッテリ寿命に比べてほぼ半分になってしまったと苦情を述べた。そこで . Ars Technica が "real world" テスト(と自ら呼ぶもの)を Retina ディスプレイモデル MacBook Pro (Apple によればフル充電で 8 時間のバッテリ寿命を持つはず) で走らせたところ、テスト結果は最長でも 5 時間をあまり超えなかった。その後今週の初めに、匿名の開発者で 10.8.1 の開発者用シード版を走らせているという人の話としてバッテリが異常に減る問題がアップデートで修正されバッテリ寿命は正常に戻るはずだと書かれた Softpedia の記事が出た。

10.8.1 リリースノートの中で、Apple はこのアップデートが iMessages が送信できなくなっていたバグを解消し、Mail から Microsoft Exchange サーバへの接続を改善し、Thunderbolt ディスプレイでオーディオを再生する際の問題を修正し、Migration Assistant の安定性を改善し、Active Directory 認証情報を使った 802.1X 認証を改善したと述べている。このアップデートではまた、ロングネームで SMB サーバに接続する際の問題や、Safari が Proxy Automatic Configuration (PAC) ファイルを使用した場合に起動できなかった問題、(中国語の文字入力で) Pinyin 入力をするとシステムが反応しなくなった問題も修正している。

この OS X 10.8.1 アップデートはサイズが小さい。Mac App Store からの場合は 7 MB をほんの少し超える程度、Apple のウェブサイトから直接ダウンロードする場合は 24.2 MB だ。現在のところ、これに対応した OS X Server(Mac App Store から別途購入するようになっている)へのアップデートはない。

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MacTech Conference 2012 は October 17-19 に開催

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

夏も終わりに近づき、私も来たるべきカンファレンスの事を考え始めている。嬉しいことに、今年は MacTech Conference 2012 と私のスケジュールが合うことが分かった。これまではスケジュールを合わせることが出来ないでいたが、参加者に聞くと大成功を収めてきているようで、私も参加するのを楽しみにしている。今年の MacTech Conference は、10月17日から 19日まで Los Angeles の Sheraton Universal で開かれる。

MacTech Conference はどっぷりつかって参加するセッションベースのカンファレンスで、二つのトラックが設けられる:コンサルタントや IT 専門家向けの IT トラックと、そして Mac と iOS 開発者向けのデベロッパートラックである。 発表者はこれらの分野で良く知られた人達であり、4 月の一日だけの MacTech Boot Camp で話す人達よりも上位に位置する人達でもある。私は MacTech Boot Camp でもその技術内容のレベルに感心させられた ("TidBITS、TUAW、MacTech と共にニュースを理解し生み出そう" 2 April 2012 参照)。

詳細はまだ確定していないが、私は、ある程度はカンファレンスにも参加する積りである。未だ検討中で公開されていないその他の詳細には夕べの楽しみも含まれる - 二年前にはカンファレンス全体のために Griffith Observatory の貸切ツアーが組まれ、最後にはプラネタリュームアニメーションはどの様に作られるかの舞台裏の話があり、そしてこの天文台の 12-inch Zeiss 望遠鏡を覗く機会も与えられた、そして昨年は Universal Studio の舞台裏 のツアーで King Kong の内側からの見学もあった:King Kong は 360 3D のアトラクションである。私は今お話しすることは出来ないが、今年のために何が計画されているかは知っている。格別にカッコいいものになるはずである。

この三日間の MacTech Conference は、水曜日 17 October 2012 の 10 AM のキーノートで幕を開け、金曜日 19 October 2012 の午後まで継続する。全ての朝食、昼食、そして夕食が提供され、更に二晩とも夜の楽しみが企画されており、加えて交友を深めるための休憩ではスナックが満載である。

参加者の席もホテルの部屋も間もなく売り切れると予想されている。期間限定で、 TidBITS の読者にはカンファレンスの割引登録がたったの $899 で出来、そしてこれには食事、6 か月の MacTech 購読、そして全てのセッションと催し物が含まれる。数は少ないが、学生向けの一部給付と全額の奨学金も用意されている。勿論、旅費とホテル代は別だが、LAX へ飛ぶのは容易であり、カンファレンスの会場となる Sheraton Universal でも数は限定だが部屋が参加者にはカンファレンス価格の一晩 $184 プラス税で用意されている。

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iOS 用 Boingo Wi-Finder アプリで無線データの使用量が分かる

  文: Glenn Fleishman: [email protected], @glennf
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

新しいバージョンのBoingo Wi-Finder iOS アプリは、あなたが無線データをどれだけ使っているか、Wi-Fi とセルラーに分けて、を見せてくれる。このアプリの Usage ビューはデータ消費量の iOS の統計を見に行ってそれを幾つかの有用な体裁にまとめ上げる。(公平さを保つために言っておくと、セルラーデータのモニタリングは何も新しい試みではない; XVision の $0.99 の DataMan アプリは似た様な能力をしばらく前から提供して来ているが、もっと強力な DataMan Pro は我々がそれについて書く機会を持てないうちに Apple によって App Store から引き上げられてしまった。)

最初に、Boingo Wi-Finder はあなたのデータプランのうち現時点までにどれだけのデータを消費したかを示す。次に、比較のために Wi-Fi 消費量と言ったものを提供する。三つ目に、あなたのデータプランの条件を使って、もしあなたが Wi-Fi の代わりに全てセルラーデータに頼っていたら、どれぐらいの超過料金を支払う羽目になっていたかを見積もる。

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このアプリは iOS データを参照するので、最初に立ち上げた後でしか使用量を計算するための目印を立てられない。その後、Settings > Data Usage Settings をタップすることで設定した請求日にカウンターをリセットする。また、モバイルブロードバンドのためにどれだけ支払うのかと自分のプランに含まれるデータ量を調整できる。(恐らく、このアプリを立ち上げるのはあなたの機器を再起動した後でなければならないであろう、これは DataMan の場合もそうである、何故ならばそうでないと目印を再度立てられなくなるからである。)

Boingo Wireless の主たる事業は、世界中に広がる何十万という Wi-Fi ホットスポットの集合ネットワークへのアクセスを定額料金で販売する事であり、このアプリは、昔もそして現在も、対応するネットワークのアカウントを使って自動的にログインするためのゲートウェイの役目をする。これはまた、購読や独自のソフトウェアを使う必要のない無料の Wi-Fi ホットスポット (確認済みのものとユーザーが提出したものの両方) も表示する。Boingo は無制限の世界にまたがるモバイル機器の使用に対して月額 $8 を課し (一度に一機器のみ)、そして南北アメリカでは月額 $10 であるが、これには同時二台の使用が、ラップトップかモバイルかに拘わらず、含まれる。

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音楽ストリーミングサービスを比較: Pandora、Spotify、Last.fm

  文: Steve McCabe: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

ここ十年で、私たちが音楽を消費するやり方は劇的に変化を遂げた。間違いなく iTunes Store は、何億台もの iPod や iOS デバイスに支えられて、音楽購入の市場をひっくり返してみせた。けれども、ひっそりと、Apple のスポットライトの外側で、オンラインの音楽ストリーミングサービスは次第に成熟の度を増し、その気になれば自分が聴くすべての音楽をストリーミングサービスに任せることさえ可能な状態にまで達した。(広告付きで)無料で聴くか、または月ごとの購読料金を払って、個々のトラックやアルバムを購入する必要なしに利用できるようになった。

この分野には大手の会社が三つある。 PandoraSpotify、それに Last.fm だ。これらはおおむね似たようなサービスを提供しているが、いくつかの細かい点で違いがある。そこで、私は家族が皆外出するのを待ってから、私の持っている最高の電源付きスピーカーをラップトップ機に繋ぎ、これら三つのサービスを起動させて、その日の午後全部を費やして大好きな音楽を聴き続けた。おお、私は TidBITS のためにそこまでしているのか...

私は調べてみなかったが、他のサービスもある。RdioMog などは有名どころだろう。それらの提供する機能や価格は、Spotify のものと大体同じだ。なので、もしも以下を読んで、Spotify の提供するタイプのサービスが気に入ったけれど、何か具体的な難点が Spotify にはあると思われたなら、そういった他のサービスを調べてみるのもよいかもしれない。

何をするサービスか -- 最も単純化して言えば、これら三つのサービスはいずれも、あなたが選んだものに基づいて楽曲をストリーミングで供給する。けれども詳しく調べると、いろいろと違いが見えてくる。三つのうち、あなたが特定のアルバムや楽曲を選んでそれを聴くことができるのは Spotify だけだ。例えば、Rolling Stones のアルバム "Exile on Main Street" を検索して、その一曲目 "Rocks Off" をダブルクリックし、その曲が終わると、Spotify は単純に Keith Richards が意図した通りの曲順、つまりアルバム二曲目の "Rip This Joint" を始める。

でも、Spotify では必ずしもあなたがすべてを手作業でしなければならない訳でもない。選択されたバンドに基づいてサービスの方で選曲したものを流す "artist radio" というオプションもある。

Last.fm と Pandora にはこの "radio" タイプのやり方しかなく、"station" (放送局) というアイデアに基づいている。Pandora で私が Stones を検索してみると、最初に "Jumpin' Jack Flash" が流れ始めた。どうやらこの曲は、このバンドのスタイルを代表する楽曲らしい。Pandora によればそれは「エレクトリックなロック楽器を表に出し、ボーカルのハーモニーを微妙に使い、マイルドなシンコペーションのリズムと、たっぷりの即興演奏、そして長調を主体とする」スタイルだという。私はたっぷりの即興演奏が大好きで、"Jumpin' Jack Flash" が Stones 中期の典型的な作品であることに異論はないけれども、Pandora が Rolling Stones のどの楽曲を演奏するかについて私には選択権が一切無かった。(もう一度検索してみると、今度は "Paint It, Black" が流れた。)私が個人的に大好きな曲、例えば "Stray Cat Blues" や "Torn and Frayed" を聴きたいと思っても、Pandora が Stones の典型に近いものと考える一連の楽曲の中に私の聴きたい曲が出てくることを願いながら待つしかない。その「考える」とは、Music Genome Project によって生成された感性に基づくものなのだという。

Last.fm は、いわば Spotify と Pandora の中間にある。一部の(決して全部ではない)曲について 30 秒間のサンプルを聴くことができ、それを参考にして自分の "station" をどのようにシードするかを決められるが、それ以外はすべて station モデルに立ち戻る。

選択肢 -- ただ数でのみ比べれば、Spotify が三つのうちで最も大きなカタログを持っている。一年前の時点で 1550 万トラックを記録した。Last.fm に関する数字で私が見つけられたのは 2009 年の 700 万トラックというものだ。ただ、そのサイトの Wikipedia ページには 1200 万トラックとある。ここでは Pandora がしんがりで、情報源によって 80 万から 100 万トラックの間だ。ただし、同社の発表によれば Pandora の楽曲の 95 パーセントは毎月再生されているといい、サイズがすべてではないと言いたいようだ。

もちろん、当然含まれるべきものは三つともに含まれている。もしもあなたが(何らかの理由で - これについて私たちは判断できる立場にない...)One Direction なり Justin Bieber なり Lady Gaga なりを聴きたければ、三つのサービスのいずれでも見つかるのは驚くにはあたらない。そこで、私はもう少し深く探ってみることにしたが、その結果は嬉しい驚きだった。

たいていの音楽愛好家と同じく、私にもあまり有名でないけれど好きなものがある。そこで、私がまず検索したのは Rainmakers だった。これはミズーリ州出身のカントリーロックバンドで、1990 年代にノルウェーで大ヒットした。(本当の話だ!)三つのサービスはいずれも Rainmakers を知っていた。その上私は、Spotify で、彼らが最近ライブアルバムをリリースしたことを知って嬉しい驚きを感じた。もちろん私はすぐに iTunes でこのアルバムを買った。

次に試してみたのが Tragically Hip だ。これはクラシックなカナディアン・ロックバンドで、カナダの国境線の南側で有名になることを断固として拒んできた。Spotify には彼らの 2009 年のアルバム "We Are The Same" があったけれどもそれより以前の(それより遥かに優れた)アルバムは一つもなかった。これは、ライセンス関係の原因によるものだと分かった。少なくとも米国内のリスナーは、古いアルバムも聴けるらしい。[訳者注: この記事の筆者は、ニュージーランド在住です。]Pandora と Last.fm はいずれも the Hip をよく知っていたけれども、当然ながら、このバンド名に基づくお薦めを提供するのみで、特定の曲を選んで演奏することはできなかった。

それから私は Gin Wigmore を検索した。彼女はニュージーランドの最も素敵な歌手の一人だ。三つのサービスとも、Gin のことを知っていた。その次に試した Ulfuls (ウルフルズ) が、彼らは私の大好きな日本のバンドだが、ついに Pandora を戸惑わせた。けれども Spotify (少なくともニュージーランドから) と Last.fm は、いずれもまだ私の挑戦を受け止めてくれた。

超有名どころで抜けていたものが二つほどあって、それほど驚くべきではないかもしれないが、注目しておくべきだと思えた。特定の楽曲を指定できるサービスの Spotify と Last.fm (ただし後者では楽曲の一部分のみだが) はいずれも、 Beatles の曲が全く無いか、あるいはあっても聴けるものがほとんどなかった。(Beatles の曲が iTunes Store に登場したのは 2010 年になってからで、iTunes Store 発足の七年後のことだった。2010 年 11 月 16 日の記事“Beatles が iTunes に登場 (ついに!)”参照。)Last.fm には少ししか曲がなく、Spotify はどうやら EMI 以外から出た無名のトラックや、たくさんのカバー曲のみ、という状態のようだった。Pandora は、少なくとも、私が Beatles station をセットアップすると、このバンドの代表的トラックとして "Yesterday" を流した。もう一つの有名グループ、Led Zeppelin は、iTunes Store に登場したのは 2007 年になってからだったが、やはり同じようにいずれのストリーミングサービスでも代表的とは言えない扱いを受けていた。

お薦め機能 (サービスでなく、音楽のお薦め) -- これら三つのサービスすべてで鍵となるのは、あなたが選んだものに基づいて音楽を推薦する機能だ。それを "station" と呼ぼうと "artist radio" と呼ぼうと、アイデアそのものは単純だ。あなたがあれを好きなら、あなたはこれも好きだろう、というものだ。具体的なサンプルとして Rolling Stones を使おうと思い(それを選んだ理由はごく明瞭だろうと思うが)私は三つのサービスそれぞれで Rolling Stones を試してみた。Pandora は、Jimi Hendrix と Led Zeppelin を、私に提供してきた。奇妙なことに、Spotify は私が Nirvana、U2、それに Elvis Presley を聴くべきだと考えた。そして Last.fm は、Yardbirds を提案することで正気を取り戻させてくれた。

Pandora の推薦曲目は、Music Genome Project の出す結果に基づいている。ここは一つの楽曲ごとに、調性や楽器構成から「フィーリング」まで、400 の異なる特性を識別すると主張している。Last.fm は,何か "scrobbling" と呼ばれるものによって推薦曲目を出す。戦前の英国でならまともな大人が逮捕されかねないように聞こえる言葉だが、この scrobbling というのは何のことはない、音楽再生サービスあるいはシステムが Last.fm に対してあなたがどんな曲を聴いているかを知らせることで、一貫したパターンを築けるようにするというだけだ。その目標は、例えば Selena Gomez を聴いている人なら、現実的に Justin Bieber も聴くだろう、一方私のようなタイプの人、つまりそんな連中の歌を聴くくらいなら汚れた釘を鼓膜に突き刺された方がましだと思う人たちは、ちょいと "Baba O'Riley" を聴いてから、その次には Madonna の "Like a Virgin" ではなく Pink Floyd の "Wish You Were Here" を聴きたいと思うだろう、ということだ。

Pandora が選んだものは、論理的には意味を成しているかもしれないが、似た特性を持つものという基準に依存することで、推薦曲目を選ぶ上でやはり現実の人間的要素を排除してしまうおそれがあると私は思う。二人のアーティストがどちらも短調の曲が多いというだけの理由で、私が両方を好きだということになるだろうか? Pandora の推薦曲目は、実際には判別不可能な「私はとにかくこの曲が大好きだ!」といったような、言葉に言い表わせない膨大な数の要素こそが新たな音楽を発見する喜びの一部であることを、本当に勘定に入れているだろうか? しかしながら、現実的には、あなたが最初に選んだものがメインストリームのものであればあるほど、提案される推薦曲目はあなたが聴いたことのあるもの、あるいは少なくとも名前くらいは聞いたことのあるものである可能性が高くなる。Rolling Stones ファンなら Led Zeppelin のこともよく知っているというのは、やはり現実じゃないか。

それよりずっと助けになるのが、Rainmakers のファンが Spotify の artist radio を通じて紹介を受ける、いろいろなノルウェーのバンドだ。Pandora で Rainmakers の station を試すと同じ四つか五つの顔ぶれが繰り返し流れたが、Spotify で試してみると結構驚くような選択肢がそこに加わっていた。(他にどんな方法で、Beckstrom の素晴らしい "Soster Morfin" を私が発見することができただろうか?)面白いことに、Spotify は Last.fm へ "scrobbling" することもできて、そうすると Last.fm に関係アーティストのネットワークを展開させることになる。

もしも Pandora や Last.fm の提供する曲目があなたの気に入らなければ、その次のトラックにスキップすることができるが、ただしこれは一時間あたり決まった回数までに限定されている。Last.fm では最大六回で、Pandora での最大回数は十回前後のようだ。Pandora の人たちはこの件に関してあまり語りたがらないようだが、有料アカウントならばその回数が増える。Spotify にはそのような制限はない。

ユーザー使用体験 -- ここでも、Spotify がライバルたちを圧倒している。Pandora と Last.fm はいずれも(少なくともデスクトップ上では)ウェブベースの利用となる。一方 Spotify の利用は Mac 用アプリケーションが主体だ。独自に独立動作のアプリケーションを持っていることにより、Spotify には柔軟性と機能性の両面で利点がある上に、大部分においてこの Spotify アプリはよく出来ていて、十分にクリーンかつ機能的なインターフェイスを持つ。

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これはあなたの iTunes ライブラリと統合されていて、ローカルに保存された楽曲とストリーミングされる楽曲との間を滑らかに行き来でき、あなたが今聴いているものについてどうしても何か世界に向けて発信したくなった場合に備えて若干のソーシャルな機能もあり、さらにいくつかのプラグインシステムまで備えている。これらのプラグインは(厄介なことに Spotify は "apps" と呼んでいるが)実際には HTML5 ウェブアプリであって、追加の機能、例えば Last.fm の scrobbling、TuneWiki の歌詞検索、MoodAgent プレイリスト (例えば Genius プレイリスト)、多数の楽曲発見サービス(例えば New Zealand Top 10 のアップデート情報 (わかってるよ - こいつは絶対外せない) など)を提供する。

Spotify のデスクトップアプリに欠落している重大な要素は AirPlay だ。Pandora や Last.fm はウェブブラウザの内部で活動するものなので AirPlay 互換性がなくとも不合理ではないが、Spotify の場合はちょっと不可解と言わざるを得ない。OS X 10.8 Mountain Lion を走らせている人ならば、すべてのシステムオーディオを AirPort Express ベースステーションに振り向けることは可能(例えば Sound 環境設定パネルで AirPlay を選べばよい)なのは当然だが、古いバージョンの Mac OS X を使っている人や、追加のコントロールを望む人は、代わりに Rogue Amoeba の優れた Airfoil ソフトウェアを使ってその埋め合わせをすることができる。

Last.fm と Pandora はウェブベースのアプリケーションであって、デスクトップ用のクライアントはない。(少なくとも無料バージョンにはない。Pandora の有料購読契約をすればデスクトップアプリが手に入るが、悲しいことにこれは Adobe Air アプリであって、多くのユーザーに背を向けられるだろう。)いずれも、 Fluid などのユーティリティを使ってサイト特定のブラウザを構築して使う絶好の候補と言えるだろう。

何人もの独立の開発者たちが、Pandora や Last.fm をコントロールするための軽量級のフロントエンド用アプリをいろいろと作っている。(Musicality は実際両方のサービスで働く。)けれどもそれらは基本的に単一目的の HTTP クライアントであってそれぞれのサイトとのみやり取りできるようになっているものに過ぎない。

Pandora のサイトは比較的クリーンできちんとしており、検索バーと、再生コントロール、station のリスト、それに "now playing" ウィンドウを持つ。このウィンドウには、そのバンドと、その楽曲、可能な他の選択肢についての情報が表示される。

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それと対照的に、Last.fm のサイトはやたら細かくてゴチャゴチャした印象を受ける。演奏中の曲のアーティストの写真と、略歴があり、スクリーンの一番下には、広告と、他のリスナーたちから寄せられたコメントのリストがある。ちょうど、それが次の話題だ...

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ソーシャルな要素 -- 三つのサービスはいずれも、音楽用のソーシャルネットワークとしてあなたに選ばれたいと願っている。とは言うものの、一方では Apple も同じことを願っていたのであるが、ここでぶっちゃけて本音を言えば、私たちのうちで実際に (iTunes の) Ping を使った人がどれくらいいるだろうか? 結果として、Spotify と Pandora はソーシャルネットワークの運営という大変な仕事を Facebook に任せ、ユーザーたちに今聴いている曲についての詳細を Facebook に投稿するよう勧めた。実際、Spotify はこちらがイライラしてしまうほど深く Facebook 統合を押し進めた。Spotify に登録するためには、今は Facebook アカウントを持っていることが実際ただのオプションではなく必須の要件となっているらしい。

Last.fm は、明らかに Ping について何も知らないようだ。なので、Last.fm は、独自のソーシャルネットワーク要素を自らのウェブサイトに組み込もうと試みてきた。けれども私が音楽愛好家仲間の友人(そういう人たちは大勢いる)を検索しようとしても、一人も見つからなかった。これは、それほど驚くべきことではない。Apple でさえ Ping を試みて失敗したのだから、Twitter でも Google でもない誰かがこの分野に首を突っ込んで Facebook の支配する領域を食い荒らそうなど、あり得るとは思えないではないか。

モバイルの世界へ -- Pandora と Last.fm にはデスクトップのアプリケーションが欠けているかもしれないけれど、いずれも iPhone 用のアプリは提供していて、その点は Spotify も同じだ。私が無料で試せたのは Pandora アプリのみだった。iPhone から Spotify や Last.fm にアクセスできるのは有料購読者のみだ。(ただし、米国内で無料 Spotify アカウントを持っている人は Spotify の iPhone アプリで Spotify の radio station が利用できる。)iPhone で (Android 版もある) Spotify のすべての機能を利用するには、月額 $9.99 を払って Premium レベルの契約をしなければならない。Last.fm の場合は、米国、英国、ドイツで Last.fm を無料を使っている人でも月額 $3 のアカウントが必要となる。(料金についてはあとでまた触れる。)

そういうわけで私の手には Pandora だけが残った。そしてそのことは別に悪くない。Pandora のモバイルアプリは素晴らしい。私の iPhone でいったん私の Pandora アカウントにログインを済ませれば、コンピュータでセットアップしておいた station に iPhone からアクセスできる。音楽を聴きながら、スクリーン右上隅でタップするだけで情報ページが現われ、歌詞、アーティストの略歴、Music Genome Project から取り寄せたその曲の詳細情報 (非常に、非常に詳細な情報) が読める。実際、私はここの詳細情報から、Stone Roses の "Ten Storey Love Song" がどうやら「ボーカルのハーモニーを微妙に使っている」らしいことを発見したのだった。そうだったとしても、極めて微妙なものに違いない。それから何より、私の iPhone 上の Pandora は AirPlay に対応している。

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公平を期して言えば、Spotify と Last.fm のアプリも全く同じようなもののように見える。いずれも、さまざまのアーティスト関係の情報を提供し、また AirPlay にも対応している。もしもあなたが有料サービスにお金を払うつもりならば、そのサービスに付属したアプリを使うのがよいだろう。ただ、アプリ自体は三つのサービスにあまり差をつける理由にはならないだろう。

ビジネスモデル -- 実生活と同じく、音楽の世界でも、無料の昼飯というものはまだない。Spotify、Pandora、Last.fm のいずれも、無料の試用版を提供しているが、そのサービスが気に入ったなら、あなたは何らかの形でお金を払うことになる。

Last.fm の料金は、あなたがどこに住んでいるかによって決まる。米国、英国、ドイツでは、広告付きで無料だ。私たちのようにそれ以外の国に住んでいる者には、毎月 50 曲までは無料、それを超えると月額 $3 (またはあなたの希望する通貨で 3 ユーロ、3 ポンドなど) となる。

Pandora は名目上無料だが、広告があなたの音楽の費用を負担している。広告なしで使える Pandora One は、年額 $36 または月額 $3.99 となる。さきほど書いたように、料金を払えば Pandora 用のデスクトップアプリが入手でき、またより高品質のオーディオが楽しめる。

Spotify の 価格体系は三段階に分かれるが、ここでも住んでいる国によって多少違いが出る。"Free" 契約は、名前の通り無料だが、広告によって邪魔されても構わないという人に限られる。実際、驚くほどに耳障りなこともある。Rolling Stones の曲 "Tumbling Dice" が、いきなり "The new lamb burger from McDonald's..." (マクドナルドの新発売ラム・バーガーは...) に変わるというのは、とうてい気持ち良い音楽体験とは言えない。さらに悪いことに、Spotify ではあまり広告主の数が多くないらしく、同じ広告を何度も何度も聞かされることになる。

米国においては、Spotify は二段階の有料購読プランを提供する。月額 $4.99 の "Unlimited" レベルでは広告がなくなり、月額 $9.99 の "Premium" レベルでは モバイルアプリから Spotify のすべての機能にアクセスできるようになるとともに、プレイリストのオフラインモードが提供される。(おそらく、そのプレイリストに追加された曲がキャッシュされるのだろう。)Spotify のモバイルアプリであなたの radio station を再生する機能は、米国内においては(無料を含む)あらゆるレベルで無料で使える。他の国では、Premium レベルの契約者のみが radio station にアクセスできる。Unlimited および Premium それぞれのプランの料金は、国によって少しずつ異なる。

お薦めは (音楽でなくサービスの) -- 真っ先に脱落したのは Last.fm だった。磨かれていないウェブインターフェイス、30 秒しかないサンプル、それから全般的に感じる「うーん」という印象が、私を心惹かれない状態のままに残した。そこで、残るは Pandora と Spotify だ。

そこの決断は、結局あなたがどのようにオンラインの音楽とやり取りしたいかということに依存する。Spotify の方は基本的に、あなたが音楽を持つ代わりに購読を通じてするだけのものだ。つまり、毎月の料金さえ払えば、何でもあなたが好きなものを聴くことができる。目的を定めて探求したいのなら、一つのアルバムを丸ごと聴くにせよ、さらには一人のアーティストの作品を全部聴くのであったにせよ、Spotify に優るものはない。Spotify はまた、三つの中で最も料金が高い。ただし、最も高い Premium レベルでさえ、毎月一枚ずつアルバムを購入するのと同じ程度の金額だ。もちろん、Spotify では、あなたは今聴いている音楽を所有している訳ではない。また、あなたが Spotify に料金を払うのを止めたとたん、すべての音楽は消え去ってしまう。

これとは対照的に、Pandora の方ははっきりと、パーソナル化されたラジオ放送局のモデルに従っている。つまり、何を聴くかを選ぶ手間をそれほどかけたくはないが、特定の分野の音楽をゆっくりと聴いていたい、という人に理想的だ。その上、Pandora の料金は Spotify の安い方のプランよりも安い。

個人的には、私は岩と硬いもの (a rock and a hard place) との板挟みになっている。Spotify は音楽購読のとても興味深い可能性を提供しているが、ここニュージーランドではデータ転送量がビットの単位まで厳しく計測されているので、私としては Spotify のクラウドの中よりも、できるだけ音楽はローカルに、私の iTunes ライブラリの中か、あるいは私の選んだ iOS デバイスの中かに、保存しておきたい。Pandora と Spotify のいずれも、ラジオ放送局として、私がどんな種類の音楽が好きかをもっと学習したいという意欲に燃えている点は素晴らしいと思う。料金を払っている限りにおいては、私としては Pandora の方を選ぶだろう。Spotify の米国での料金なら (Stephen Sondheim は正しかった...) 仮に私がニュージーランドに住む幸運を得ていなかったとすれば、私のお気に入りのサービスとなっていただろうに。

結びに、すべては単なるロックンロール (rock and roll) の話だけれど、私は Pandora の iPhone アプリに最高の喜びを見出して (get my rocks off) いる。AirPlay 互換性があるのは素晴らしい。だから、少なくともニュージーランドでは十分な満足を与えてくれない Spotify よりも、Pandora の方に私の気持ちは向いている。いや、私が Last.fm に心を惑わされることはない。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2012 年 8 月 27 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Transmit 4.2 -- Panic が Transmit 4.2 をリリースして、OS X 10.8 Mountain Lion の通知センターへの対応を追加するとともに、Retina ディスプレイモデルの MacBook Pro 上で表示されるグラフィックスの問題点を修正した。対応機種の MacBook Pro において、Transmit は内蔵のグラフィックスプロセッサのみを使用するようになった。今回のアップデートではまた Panic のウェブ開発アプリ Coda 2 からファイルをドラッグした際の問題を修正し、eList サインアップであなたの電子メールアドレス入力を自動補完しないようになった。(新規購入 $34、無料アップデート、27.8 MB、 リリースノート)

Transmit 4.2 へのコメントリンク:

CloudPull 2.1.3 -- Golden Hill Software が CloudPull 2.1.3 をリリースした。Google データをバックアップするこのアプリケーションに、より高度なエラー処理と再試行ロジックを含めた小さなアップデートだ。今回のアップデートにより、ネットワークの問題や Google のサーバから返されたエラーの結果従来はバックアップが失敗に終わっていたような事態に CloudPull が陥ることが減るはずだ。今回のリリースではまた、Retina ディスプレイモデルの MacBook Pro 用に画像をアップデートしている。(Retina でないディスプレイの大多数でも見栄えが多少良くなっている。)(新規購入 $24.99、無料アップデート、8.3 MB、リリースノート)

CloudPull 2.1.3 へのコメントリンク:

VMware Fusion 5 および Fusion 5 Professional -- VMware が、人気の仮想化パッケージ VMware Fusion をバージョン 5 にアップデートし、このアプリを標準版Professional 版の二つに分けた。来たるべき Windows 8 に対応した Fusion 5 は、OS X 10.8 Mountain Lion 用に最適化されている。つまり、AirPlay Mirroring を利用して Windows アプリを HDTV にストリーミングできるようになるとともに、USB 3.0 ポートや Retina ディスプレイへの対応も提供している。今回の新リリースではまた、16 GB 以上のメモリを装備した Mac への対応を改善し、再起動のパフォーマンスと 3D グラフィックスを高速化し、電源管理を最適化してバッテリ寿命を長くしている。新機能としては、仮想マシンライブラリをアップデートして複数のオペレーティングシステムの間でよりシームレスに移行できるようになり、Linux 3D デスクトップ用のグラフィックスドライバを装備し、研修センターを埋め込んで即座のサポートができるようにした。

Fusion 5 Professional 版は標準版のアプリと同じ機能を提供するが、暗号化された仮想マシンイメージの作成機能を追加してユーザーが設定を変更できないようにするとともに、「200 以上の他のオペレーティングシステム」との互換性を保証している。さらに、Professional 版には VMware Player 5 の商用ライセンスが含まれるので、制限付きの仮想マシンを Mac、Windows、Linux システムの上に配置できる。Fusion 3 または 4 からは $49.99 で Fusion 5 Professional 版にアップグレードでき、既存の Parallels Desktop ユーザーにもこの同じ価格が適用される。(Parallels Desktop もまた、9 月前半に次期バージョンがデビューする予定だ。)2012 年 7 月 25 日以降に Fusion 4 を購入した人は、Fusion 5 の標準版に無料でアップグレードできる。(新規購入 $49.99/99.99、203 MB、リリースノート)

VMware Fusion 5 および Fusion 5 Professional へのコメントリンク:


ExtraBITS、2012 年 8 月 27 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

先週伝わった業界の主要なニュースは、Apple が Samsung に対して起こした特許訴訟に勝訴したことだ。これはゴシップとしては興味深いけれど、Apple ユーザーの生活に実質的に影響するものではない。あと二つの ExtraBITS は、Tonya Engst と Matt Neuburg がそれぞれ別個に Chuck Joiner の MacVoices ポッドキャストに出演したお知らせだ。

Apple、Samsung に対する特許訴訟に勝訴 -- 陪審員の評決は、Samsung のデバイスの多くでそのソフトウェアの中で Samsung が Apple のいくつかの特許の一部を侵害したが、Apple は Samsung の特許を一切侵害していない、というものだった。陪審員団は、Apple に支払われるべき損害賠償額を 10 億ドルを少し超える額とした。最近の四半期における Samsung の純利益は 60 億ドルであった。

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Tonya Engst、ウェブサイトのアップグレード、電子ブックの出版、新ハードウェアの選定について語る -- 休暇旅行に出かける前に、Tonya Engst は MacVoicesTV の Chuck Joiner といろいろな話題について対談した。話題に上ったのは、ウェブサイトの再デザイン、ウェブサイトのデザインと電子ブックのデザインとの違い、私たちの出版プロセスの現状、そして、それらすべてを実現するために彼女が使っている新しい Apple ハードウェアについて、といったことだ。

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Matt Neuburg、MacVoices で自身の iOS プログラミング本を語る -- MacVoices の Chuck Joiner が Matt Neuburg にインタビューして、Matt の書いた iOS プログラミングの本について語り合う。話題に上ったのは iOS 自体に対する考察、iPhone と iPad がこれほど多くの新たなプログラマーたちを惹き付けた理由、このような動きの速い目標を題材に本を書くことについて、といったことだ。

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TidBITS ISSN 1090-7017©Copyright 2012 TidBITS: 再使用はCreative Commons ライセンスによります。

Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2012年 8月 30日 木曜日, S. HOSOKAWA