TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1152/03-Dec-2012

今週の大ニュースは iTunes 11 だ。Apple が二度目に約束した出荷日にぎりぎり間に合い、完全に一新されたインターフェイスといくつかの新機能をもたらした。Agen Schmitz が新機能のすべてを概観し、Jeff Carlson がこの新バージョンで iOS デバイスを管理するやり方が変わったことについて解説する。それから Adam Engst が iTunes の新しいインターフェイス要素を検討しつつ、これらが将来のバージョンの OS X にも登場するかもしれないという点に目を向ける。今週号ではまた、私たちが新たに始める Take Control Live ビデオシリーズの第一回を iPad を使いこなす方法を語る Joe Kissell の講演で開催するお知らせがあり、Josh Centers が Apple TV をアップデートする際の問題を解決する方法を伝え、Adam がホリデー精神に立ち戻って子供たちに明るいクリスマスを迎えてもらうために古い電子機器を Freecycle に寄付しようと呼びかける。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Hazel 3.0.15、CloudPull 2.1.7、Snapz Pro X 2.5.1、TweetDeck 2.1、Audio Hijack Pro 2.10.6、それに Thunderbolt ファームウェア・アップデート 1.1 だ。

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"Take Control Live: Working with Your iPad" をご紹介

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

あなたも、一億人の他の人たちも買った、たくさんの iPad のことを考えてみて頂きたい。ただ単にウェブページをブラウズしたり、ビデオを観たり、本を読んだりといったものを超えた、もっとそれ以上のことを iPad でしたい、ラップトップ機に代わるものとして、実際の仕事に使えるようにしたい、と思っている人たちはたくさんいる。私たちは、何年にもわたってその点で人々の助けとなろうとしてきた。Joe Kissell の電子ブック "Take Control of Working with Your iPad" もいくつも版を重ねた。けれどもここで正直にならねばなるまい。この分野は爆発的に広がりつつあり、新刊の電子ブックも、リリース後一週間も経てば時代遅れになってしまうのだ。

そこで、私たちは新たな実験に着手してみたいと思う。皆さんがこれまで Joe の電子ブックから得ていたものと同じく、細部まで研究された現実世界の情報を、今度は別の方法で皆さんにお届けしたい。何百ページものテキストに静的な写真を添えたものを出版する代わりに、あなたのために Joe 本人が、ライブで、面と向かってお話をしようというのだ。いや正確に言えば、彼がライブであなたのウェブブラウザの中に登場して、彼自身の頼りになる iPad を手にしながら、今後四ヵ月間にわたり、いろいろ見せたり説明したりするのだ。

それが、今回の企画 "Take Control Live: Working with Your iPad" だ。全部で四回、ライブのオンラインビデオプレゼンテーションを実施するが、その第一回はもうすぐ、12 月 6 日だ。毎回、Joe は本に書くとすれば入れるであろう詳細情報を述べるとともに、それに加えてライブのデモ実演をしたり、皆さんからの質問に答えたり、以前に述べた話題に対するアップデート情報を述べたりもする。ビデオサイトの管理は私が担当して、聴衆の皆さんとチャットしながら私が皆さんの質問を Joe に伝えることになる。そこの部分は、以前から開催し何千人もの TidBITS 読者が視聴してきた無料の TidBITS Presents ビデオと同じことだ。リンク先のページで、どんな話題が議論されるかが読めるし、Joe の予告編ビデオを観たり、シーズンパスを購入したりもできる。

シーズンパスを購入した人は、四回のプレゼンテーションをすべてライブで観たり、質問をしたりできるし、また後日いつでも好きな時に見直すこともできる。プレゼンテーションを観ながらノートを取る必要はない。毎回、ショウの後にシーズンパスの PDF がアップデートされて、Joe が語ったことすべての詳しいノートとリンク情報などが書き加えられるからだ。だから、ただ四時間分のビデオだけでなく、Take Control 電子ブックの核心に相当する内容を抽出した書類も、あなたの手元に残ることになる。

私たちは、まだまだいくらかの不安を覚えながらこの新たな実験を迎えようとしている。Joe も Tonya も私も、基本的に公開の興行と言えるものについて新たなスキルを学ぶ途上にあるからだ。私たちは、前もってまとめ上げた努力の結果を洗練された製品として出版することには十分慣れているつもりだが、今回の Take Control Live ではそれとは違った新たな綱渡りに乗り出そうとしているのだから。

だから、もしも iPad を使って何かをやり遂げる方法を学ぶことに興味があるのなら、どうぞこれに参加して、Joe と私が仮想の綱渡りの綱の上で iPad で曲芸するところを鑑賞して頂きたいと思う。Cirque du Soleil の離れ業には遠く及ばないかもしれないが、何百ドルもかかるカンファレンスの場で私たちがしていることを超えた、見応えのあるショウを披露できることだけはお約束する。そのすべてを、皆さんは自宅や仕事場に座ったままで楽しめるわけだ。この "Take Control Live: Working with Your iPad" の料金は $49.99 だが、2012 年 12 月 5 日までに限り特別に半額でシーズンパスを販売している。つまりたったの $24.99 だ。

いつもと同じく、満足できない内容だと思われれば、いつでも喜んで料金を返金させて頂くけれども、その際「何の質問もせずに」返金するとお約束することはできない。なぜなら、私としてはどうすればもっと良いものにできたかを知りたいという欲求に打ち勝てないだろうからだ。

Take Control に対する皆さんの応援に感謝します。12 月 6 日の木曜日、多くの方々が第一回の Take Control Live プレゼンテーションに参加して下さることを願っています!

余談ながら、皆さんが私たちに期待して下さっているであろう Take Control 電子ブックの出版を止めるつもりは一切無いことをお断りしておきたい。今回の Take Control Live は何か新しいことを試してみようというワクワクするチャンスではあるけれども、結局のところ私たちは文章を得意とする人たちの集まりなので、私たちが愛して止まないのはテキストを練り上げることに他ならないのだから。

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Apple TV Update 5.1.1、Ethernet で障害の可能性

  文: Josh Centers: josh@joshcenters.com, @jcenters
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple は先週 Apple TV Software Update 5.1.1 を第二及び第三世代 Apple TV 向けにリリースした。これは iTunes 11 で登場した新しい Up Next 機能に対するサポートを追加し、そして性能と安定性の向上を図っている。しかしながら、有線接続での Ethernet 上でアップデートすることに関する数多くの問題が報告されている。最悪の場合、Apple TV はアップデートに失敗した後ブート出来なくなることもある。

解決策は、Ethernet ケーブルを引き抜いて Wi-Fi 経由でアップデートする事である。この方法は、このアップデートがインストール出来なかった多くの人達には有効であった。しかしながら、最初のインストールが失敗し Apple TV がブート出来なくなった人達は、手動で Apple TV を復元出来る。やり方は、電源コードと HDMI ケーブルを外し、次に micro-USB ケーブルを使ってあなたのコンピュータに接続する (第三世代 Apple TV に対しては、この後電源コードを再接続しなければならない)。iTunes を開き、Source リストから Apple TV を選択し (iTunes 10 ではサイドバーから、iTunes 11 では右上隅にある Devices ボタンからアクセス出来る)、そして Restore を選択する。

勿論、この 5.1.1 アップデートは完全に飛ばしてしまうというのも一考の価値があるかもしれない。この考え方は Up Next の機能はいらないし、このアップデートが対策しているという他の問題も経験していない人に当てはまる。Apple は、5.1.2 か新しいバージョンの 5.1.1 を間もなくリリースするであろう。

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改装 iTunes 11、iCloud ストリーミングと新しい MiniPlayer をもたらす

  文: Agen G. N. Schmitz: agen@tidbits.com
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

約束した 10 月の出荷日を守れず、そして改訂した 11 月の出荷日も危うくミスりそうになりながら、Apple はようやく iTunes 11 をリリースした。前のバージョンを行き詰まらせていた乱雑さを取り除こうとしてインターフェースは再設計された。整理されてすっきりした外見に加えて、iTunes 11 には Up Next という曲を待ち行列に入れる機能、全てのメディアに有効な統一された検索、そしてこれまでに購入した曲を iCloud からストリームさせる能力が導入された ($24.99 の iTunes Match サービスへの加入無しで)。

iTunes 11 は無料で App Store (OS X 10.8 Mountain Lion では)、Software Update (10.7 Lion 又は 10.6 Snow Leopard では)、或いは Apple から直接ダウンロード出来る。そして Mac OS X 10.6.8 かそれ以降を必要とする。

余分なものを取り除いたインターフェース (10 にも戻れる) -- バージョン 10.7 のゴテゴテしたユーザーインターフェースに較べると、iTunes 11 は極めて閑散とした感じがする。iPad 上の iOS Music アプリとよく似ていて、最初立ち上げるとあなたの音楽ライブラリからのアルバムカバーが画面一杯に格子状に表示され、上部にはお馴染みの再生コントロールが左上に、何が再生されているかが中心に、そして検索フィールドが右に表示される。

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以前はあちこちに散らばっていた幾つかのビュー要素も纏められ、iTunes 11 では、ツールバーの真下にある音楽ビューオプションに標準の Songs, Albums, Artists, そして Genres (iTunes 11 では Composers と Cover Flow ビューが落とされた) に、Videos, Radio, そして Playlists が加えられた。映画やあなたのネットワーク上の共有 iTunes ライブラリの様な異なったメディアタイプ間で切り替えるには、再生コントロールの下にあるポップアップメニューを使う。右側にはアクセス可能な iOS 機器と iTunes Store 用のボタンが配置されている。

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アルバムを一回クリックするとそのアルバムの個々の曲をサムネイルの下に拡張ビューとして表示する。この際、カバーの基本の色合いを背景色として、そして二番目の色をテキストに使うという気の利いたことをやってくれる。同様に、Movies の中のサムネイルをクリックするとそのタイトルの詳細が表示され (配役、ジャンル、再生時間の様な)、TV Show の拡張ビューでは番組のリストが表示される。(もしサムネイルをダブルクリックすると、iTunes はアルバムの最初の曲を、TV 番組や映画では最初のエピソードを再生する。)

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この再編成された iTunes 11 のインターフェースでは崖から突き落とされた様な感じがするというのであれば、iTunes 10 のインターフェース要素の多くをあまり手間をかけずに呼び戻すことが出来る。View メニューに行き Show Sidebar を選択すると (Command-Option-S)、メディアライブラリ、接続された iOS 機器、共有ライブラリ、そしてプレイリストという馴染みあるビューが戻ってくる。更に、Show Status Bar を選択すると (Command-/)、選択したファイルの大きさと再生時間が iTunes ウィンドウの一番下に表示される。

インターフェースに対する一つの機能変更が検索フィールドでなされており、今では全てのメディアタイプに対する統合された検索が提供されている - 音楽、映画、TV 番組、更にアプリ、ポッドキャスト、そして本が対象となる。iTunes 10 では、選択したメディアタイプ (例えば音楽の様な) のコンテンツ内でしか検索できなかった。もし昔のより限定した検索方法に戻りたければ、検索フィールドの拡大鏡メニュークリックし、そして Search Entire Library のチェックマークを外せばよい。そうすれば、あなたが今見ているメディアタイプだけからの検索結果が返される。

Up Next 機能と刷新された MiniPlayer -- 音楽の再生だけに限定されるが、新しい Up Next 機能を使えば次に演奏される予定の曲を見ることが出来る。次に演奏されるトラックを見るには、"現在再生中" の窓の右側にある三行の Up Next アイコンをクリックするとポップオーバーが現れてトラックのリストを表示する (又は Command-Option-U を押す)。この Up Next ポップオーバーに何が現れるかは、あなたが音楽を何処から始めたかによる。もし曲を Albums ビューの中で再生し始めたのならば、その特定のアルバムの残りのトラックだけが見える。しかしながら、曲の再生を Songs 又は Playlists ビューの中から始め、それから Up Next は何であるか見てみたとすると、現在のソート順にある次の 20 曲のリストが表示される。

この Up Next 機能の魅力は、再生待ち行列に曲をその場で追加できることである。これをするには、希望の曲 (Songs ビュー或いは Albums ビューのサムネイルの下ある拡張ビューの中で) の隣にある丸に矢印のアイコンをクリックしてポップオーバーを呼び出す。Add to Up Next をクリックするとその曲は以前の再生順番の前に置かれる、そしてその後 Up Next に追加された曲は選択された順番に従って配置される。もしある曲を現在再生中の曲が終わり次第再生するのを確実にしたいというのであれば、ポップオーバーの中で Play Next をクリックすればその曲は Up Next リストの一番上に配置される。このやり方は Up Next ポップオーバーの中でも有効で、曲を一番上に移動出来る。Up Next ポップオーバーの一番上で、全リストをクリアしたり或いは時計アイコンをクリックすることで前に演奏したリストに戻ることも出来る。

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この Up Next 機能はまた、新しい MiniPlayer からもフルにアクセス出来る。MiniPlayer は iTunes の右上隅にある Full Screen アイコンの隣にある小さな四角のアイコンをクリックすることで有効にできる。Command-Option-3 を押すことでも MiniPlayer が現れる;Command-Option-M を押すと MiniPlayer が現れそしてメインの iTunes ウィンドウを閉じる。ご想像の様に、MiniPlayer は現在演奏されている曲のタイトルとアーティストの情報を表示し、そしてポインターをその上に置くと再生コントロールも表示する。また Up Next リスト、検索フィールド、そして AirPlay コントロールも MiniPlayer からアクセス出来る。

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iCloud ストリーミング -- あなたのメディアライブラリを探索していると、あなたの Mac のハードドライブには実際に保存していないアルバム、映画、そして TV 番組で膨れ上がっているのに気付かれるかもしれない。これは、iTunes があなたが iTunes から購入した (あなたが現在サインインしているアカウントを通して) 全てのものを表示し、そしてそれらを iCloud からストリームさせることを可能にしているからである。どの音楽、映画、そして TV 番組のファイルが iCloud に保存されているかを知るためには、サムネイルの右上隅の雲形のアイコンを探せばよい。

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曲をストリームさせるには最初にそれらをダウンロードする必要はなく、iTunes Store から購入されたメディアにだけ有効な iTunes Match の様な機能を使う。手元にファイルを保存するのを避けるには一番有効であり、これは 64 GB のフラッシュメモリしか持たない MacBook Air の様な限られた容量しか持たない Mac にはとりわけ便利である。アルバムとか曲を手元のハードドライブにも保存するには、iCloud アイコン (アルバムサムネイル上或いは曲の隣にある) をクリックしダウンロードする。加えて、Up Next 機能を使うとストリームしたトラックも手元の音楽ファイルと同様に簡単に扱える (但し、これをやるにはインターネット接続が必要)。

映画や TV 番組のストリームを開始するには、その映画や TV 番組の最初のエピソードを始めるためサムネイルをダブルクリックする (或いはサムネイルの下の拡張ビューからエピソードの一つをクリックする)。そのビデオファイルを自分のハードドライブに保存するには、サムネイル (或いは拡張ビュー) で iCloud アイコンをクリックする。もしビデオを後で見たいと思ったら、そのファイルを自分のハードドライブにダウンロードしていない限り、再度ストリームさせなければならない。

注意すべきは、ストリーム中のビデオファイルを見るのをやめても、そのデジタル信号は背後でダウンロードされ続ける (ダウンロードの進行は "再生中" の所で見られる)。どうもこのストリームのダウンロードを止める唯一の方法は iCloud から別の項目の再生を始めることの様に見える (曲でもビデオでも何でも構わない)。

最後に、もしあなたの iCloud 購入音楽がハードドライブ上のファイルと一緒になっているのを見るのは好まないというのであれば、このオプションを View メニューの Cloud で Hide Music を選択することでオフに出来る。ビデオも隠せて、Movies や TV Shows に切り替え、それぞれのメディアライブラリに対して View メニューから Hide を選択する。

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iTunes 11 は iOS デバイスを Think Different

  文: Jeff Carlson: jeffc@tidbits.com, @jeffcarlson
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

iTunes 11 はメディアライブラリとやり取りするためのインターフェイスがシンプルになると約束しているが、自分の持っているすべての iOS デバイスに関する作業をするための中心的ハブという役割を iTunes が持つことも忘れてはならない。iPhone、iPad、あるいは iPod touch で同期や設定をするために iTunes を使っているのなら(すべてを iCloud でしているのではないのなら)今回の新バージョンになって最初のうちは混乱してしまうかもしれない。

隠されたサイドバー -- iTunes 10 やそれ以前では、スクリーン左側のサイドバーの中に iOS デバイスが登場した。その中からデバイスを一つ選ぶと、iTunes のメインウィンドウにいろいろなオプションが表示され、どのメディアを同期させるか、どのアプリを含めるか、といったことが選べた。

iTunes 11 には、サイドバーがない。少なくとも、当初はサイドバーがないように見える。従来の見栄えの方が好きな人は、View > Show Sidebar を選べば(あるいは Command-Option-S を押せば)サイドバーが現われる。

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美味しいポップオーバー -- それよりも新しいやり方を試してみたいと思う人のために(ぜひ試してみるべきだ)iTunes 11 はツールバーの右端近くにある新しいボタンで iOS デバイスを管理する。一台しか iOS デバイスを持っていない場合は、このボタン(そのデバイスの名前が表示される)をクリックするとその設定が表示される。複数の iOS デバイスを持っている場合は、このボタン(Devices という表示になる)をクリックするとポップオーバーが現われて、接続されたデバイスをリストするとともに、それぞれでどれだけのストレージ容量が現在使われているかと、現在のバッテリレベルとが表示される。

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デバイスがワイヤレスで同期するように設定されている場合は、そのデバイスが物理的に接続されていてもいなくてもここに登場する。ただし、バッテリレベルは物理的に接続されたデバイスについてしか表示されない。(Wi-Fi 同期は、iTunes Summary スクリーンの Options ボックスにある "Sync with this iPad over Wi-Fi" の項目で有効にできる。Wi-Fi 同期がオフになっている場合、それを有効に切り替えるにはケーブルを使って接続してから iTunes で設定することになる。)

一つのデバイスの名前をクリックすればその設定にアクセスできるが、Wi-Fi 同期を使っている場合には設定画面が現われるまでに数秒間かかることがあるのを忘れないようにしよう。作業が終われば、右上にある青い Done ボタンをクリックするとメディアライブラリに戻る。

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新デザインの各種コントロール -- デバイス同期のためのオプションは iTunes 10 やそれ以前のバージョンにおけるものと似ているが、注目すべき相違点がいくつかある:

全体として、iTunes 11 における iOS デバイスに関係した変更点は最初に受ける印象ほど劇的なものではない。サイドバーを使って iPhone、iPad、iPod touch にアクセスするという慣れ親しんだ方法に戻ることもできるし、個々のデバイスごとに専用のスクリーンに飛び込んで雑然とした感じの少ない新しいインターフェイスを楽しむこともできる。それに加えて、従来は隠されていた機能のいくつかを Apple が見えるところに出してくれたのは間違いなく歓迎すべきことだ。

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iTunes 11 のインターフェイス革新: 善玉あり、悪玉あり、卑劣漢なし

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私が iTunes 11 に関して最も興味深いと思うのは、従来のバージョンとほとんど何も変わっていないその機能の面ではなくて、従来のバージョンとかなり異なるやり方でインターフェイスを扱っている、その考え方だ。iTunes は今や大多数の Apple ユーザーたちのユーザー体験全体の中でかなり中心的な位置を占めるに至っているので、そのインターフェイスの変更は、Apple が今後 OS X のインターフェイスをどの方向に持って行こうとしているのかに関する手掛かりになるかもしれない。それは、あなたの観点によって、良いことかもしれないし、悪いことかもしれないが、あなたが今後注目し続けて行くべきものであることだけは間違いないだろう。[訳者注: "The Good, the Bad and the Ugly" (邦題「続・夕陽のガンマン」) は 1966 年のイタリア映画、いわゆるマカロニ・ウェスタン黄金期の作品です。]

サイドバーがオズの国に戻る -- 最近のいくつかのバージョンの iTunes は(Finder や Mail も)サイドバーからすべての色を洗い落として、いろいろの項目を区別するにはごく小さなアイコンとテキストのみに依存せざるを得ない状態になっていた。初めてそうなった頃には多くの非難の声が挙がったけれども、その後のリリースがいずれも同じ単色の見栄えを続けるにつれて批判の声の大部分は不機嫌な沈黙に陥って行った。

iTunes 11 になって、一般的にサイドバーは軽視されるようになってしまったけれども、View > Show Sidebar を使ってサイドバーを表示させるようにすると、サイドバーのいたる所でカラーのアイコンが登場するようになった。まだまだ比較的地味なカラーに保たれているとはいえ、これならば十分にいろいろのアイコンを区別するためのビジュアルな手掛かりとして役に立つ。スクリーンショットで、iTunes 10 と iTunes 11 のサイドバーを比較してみよう。

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私としては、Macintosh 使用体験の他の部分にももっとカラーが戻ってくることを期待したい。私たちの多くはカラーに満ちた世界に住んでいるのだから、その私たちのコンピューティング環境からカラーを取り去ることにしたのは、デザイン上の方針であったのかもしれないが、使い勝手の面からは一歩後退と言わざるを得なかった。

フォントが肉太に、行間隔も広く -- フォントに注意を払っている人にとって重要な点だが、従来使っていた Lucida Grande フォントから、iTunes 11 では Helvetica フォントに切り替わった。けれども Apple はそこで止まりはしなかった。iTunes 11 では、アプリケーションがタイポグラフィを扱うやり方に大きな変化が起こった。従来の Mac アプリのやり方を捨てて、ウェブや、iOS アプリのやり方に沿ったものに変えたのだ。全般にフォントサイズが大きくなり、レディング(行と行の間隔)も増えた。結果としてスクリーンは以前より読みやすくなったけれども、その代わりに情報の密度が犠牲になった。

下のウィンドウ比較を見れば分かる通り、iTunes 11 は同じ分量の情報を表示するために iTunes 10 に比べて上下方向に 8 パーセント広い面積を必要とする。これは主としてテキスト間の空白が増えたためだ。さきほどのサイドバー比較のスクリーンショットを見ればさらにこのことがよく分かる。サイドバーでは、高さがおよそ 15 パーセントも増えているからだ。結果としてスクロールの必要が増え、とりわけ MacBook の小さなスクリーンでは違いが大きくなるけれども、全体的に見れば相応する見返りはあると言えるだろう。

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将来のバージョンの OS X でこの種のタイポグラフィが Finder や Mail にも登場するというのは想像に難くない。一度にスクリーン上に表示できる情報の分量が減る代わりに、ごちゃごちゃした感じが減って読みやすくなるという、今回と同じ効果が得られることだろう。[訳者注: 新バージョンの文字の方が読みやすいかどうかは、Retina ディスプレイであるかどうかに大きく依存するようです。]

モーダルなスクリーン表示 -- Apple の Mac OS X インターフェイスに関する注目すべき動向の一つは、複数のウィンドウを持つアプリから、インターフェイスの大部分を単一のウィンドウの内部に複数のペインやサイドバーを使って組み込むやり方へと移行しつつあることだ。iTunes は、多くの意味でこの移行の申し子とも言うべきものであった。サイドバーを複数個提供し、サイドバーで何が選択されているかに基づいてメインウィンドウのコンテンツをがらりと変えるようにしてきた。

iTunes 11 も、この傾向をさらに押し進めている。まるで、スクリーンの広さが限られた iOS アプリであるかのように見えるほどだ。デフォルトでサイドバーがなくなったことも、このスクリーンベースのやり方に寄与している。なぜなら、iTunes 10 のように常在するサイドバーがあってそれがトップレベルの選択が何であるかを明示し続けることはないからだ。サイドバーが表示されないことにより、iTunes 11 ウィンドウの一番上、ツールバーのすぐ下にある、さまざまのメニューやボタンが、ウィンドウのメインの部分に何が表示されるかを制御する。問題は、このナビゲーションバーにその種のコントロールがたくさん詰め込まれ過ぎていて、しかもそれらがたった一つの水平行を占めるのみなので、現在どれが選択されて いる のかは一目で分かるとしても、どれを選択することが できる のかが必ずしも明らかではないことだ。

もう少し具体的に説明しよう。ウィンドウの一番左にあるポップアップメニューで、メディアのタイプが選べる。(音楽、映画、テレビ番組、ポッドキャスト、iTunes U、本、アプリ、着信音から選べる。幸いにも、これらは Command キーと並びの番号の数字を組み合わせて、例えば Command-1 なら音楽、Command-2 なら映画といったようにキーでも呼び出せる。)ここはサイドバーに並んだ項目から選ぶのと同じことだ。ただ、どんな選択肢があるかを見るのにメニューを開く必要があるだけだ。次に、真ん中に並んだ錠剤形のボタンで 下に何が並ぶかを精密化する (例えば iPad 用アプリとオーディオブックのみが表示されるよう制限する) か、またはコンテンツの 完全に別の表示を提供する (例えばプレイリストやジャンルの表示にする) かのいずれかができる。この上辺のバーの右隅近くにあるポップオーバーであなたの iOS デバイスにアクセスすれば、スクリーンがまた別のものに変わり、そして一番右にあるボタンでウィンドウ全体が iTunes Store に引き渡される。

このインターフェイスを使うのは極めて困難という程ではないが、あちこちナビゲートして回ってから、しばらくの間このプログラムを離れ、その後でまた戻ってくると、自分がどこにいたのかなかなか分からないこともある。さらに混乱に輪をかけるのが、iTunes 11 が数多くの異なるタイプの表示をサポートしていることだ。私がちょっと数えてみたところ、少なくとも次の七つのタイプがある:

あまりにもたくさんの異なるスクリーンがあるし、とりわけ iOS デバイス関係のいろいろのスクリーンは、他のメディア用スクリーンと似たような名前が付きながらお互いに全然違ったものになっている。

このやり方にさらに困難の度を増すのが、あと三つの事実だ。第一に、ウェブサイトならばいわゆる「パンくずリスト」などの手掛かりで階層を辿ることもできるけれど、このウィンドウでは現在位置に関する手掛かりがほとんどない。どのスクリーンにいても、まずは一番上のナビゲーションバーの左側を見て現在どのタイプのメディアが表示されているかを確かめ、その後でそのバーの真ん中あたりにある錠剤形のボタンのどれが押されているかを見て現在表示されているコンテンツのリストがどの表示か、どの精密化になっているかを確かめる必要がある。

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第二に、少なくとも iOS デバイスの表示になっている場合は、ウィンドウの横幅を狭くすると真ん中にある 12 個のボタンのうち何個かが完全に消滅し、どこへ消えてしまったのかの手掛かりさえ一切無いという状態になることがある。On This iPhone ボタンをクリックしたいのにウィンドウの横幅が狭過ぎてボタンが表示されないなら、いったいどうすればよいのだろう。

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第三に、iOS デバイス関係の作業をする際には、スクリーン全体がそれで占められてしまうばかりでなく、Done ボタンをクリックしなければメディアスクリーンに戻れない。Add To 機能を使ってメディアを iOS デバイスに追加しようとすると、もう一つ 下のレベルに降りて新しいスクリーンが開くのだけれども、このスクリーンが細かいところまで普通のメディアスクリーンと酷似していて、ただ右側にサイドバーがあることとまたもう一つの Done ボタンがあることだけが違っている。

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率直に言って、私は Apple がここでもまた道を踏み外してしまったと思う。旧来のサイドバーのインターフェイスに難癖をつけることはできるけれども、あちらのインターフェイスでは自分がどこにいるか、今は何について作業をしているのかが常に明らかだった。今回の新しいやり方では、確かに見た目は魅力的だしおそらく一つのスクリーンの中だけで作業をする場合には使いやすいだろうが、いくつものスクリーンの間を行き来していて、現在位置やナビゲーションに関する手掛かりがこれほど少なければ、あまり慣れていないユーザーにとって大問題となるに違いない。私としては、これが他の Mac アプリケーションの手本とならないことを心から願いたい。それに Apple がインターフェイスにサイドバーを呼び戻すこともできるようにしているという事実は、この新しいインターフェイスが必ずしもより良いものになっていないと Apple が考えていることを示唆しているように私には思える。ユーザーが旧式の作業法に戻ることを許すなど、あまり Apple らしくない態度ではないか。

単一ウィンドウを推進するこのやり方にはもう一つの側面もある。iTunes 11 では、プレイリストを別ウィンドウで開く機能がなくなってしまった。いや、もっと重要なこととして、複数のプレイリストを複数のウィンドウで開くことができなくなった。音楽データベースとして iTunes を使っている人たち、例えば私たちの一員である Matt Neuburg のような人たちにとって、この機能がなくなったのは深刻な問題だ。けれどもこの記事のテーマに即してもっと重要なのは、ファイル操作のために複数のウィンドウを 必要とする アプリケーションの典型例として Finder があるということだ。もしも Apple が Finder にも単一ウィンドウのインターフェイスを押し込もうと試みたとしたら、パワーと柔軟性の双方が大きく失われることになってしまうだろう。

メニューのタイプは複数 -- 最後に、私が違和感を感じてしまうことが一つある。Apple が、実質的にメニューであるものをボタンの下に隠すというやり方を始めつつあることだ。ボタンを見ただけでは、それが実際にはメニューであると分かる手掛かりが全く無い。とりわけ目立つのは、Messages アプリの中の FaceTime ボタンだ。iTunes 11 において、Apple は四つのタイプのこの種のコントロールを組み込んでいる。(iTunes 11 のどのダイアログにおいても、伝統的なポップアップメニューはいずれも iTunes 10 と何も変わっていないというのに。とても奇妙だ。)

まず一つ目は、メディアのタイプを選択するのに使うカスタムポップアップメニューだ。これは、問題ない。なぜなら、ここには上下一組の矢印がもともと表示されているのでこれがメニューだと分かり、普通のメニューの挙動と同じくクリックしてホールドすれば反応するし、クリック一つでメニューを開いてその中から項目をクリックすれば選択できるからだ。これは常に必要とされる状態にある。常に何らかのメディアタイプが選択されている必要があるからだ。

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二つ目のタイプのメニューは、絵が表示された下に名前も表示されるボタンで、Finder のアイコンと似ている。私の知る限り、このタイプはプレイリストのスクリーンにある View ボタンと、CD 読み込みスクリーンにある Options ボタンのみだ。これらも、良いやり方だと言える。なぜなら、テキストとグラフィックスを組み合わせているし、下向きの矢印が付いているので普通のボタンでなくメニューだと分かり、クリック一つでも、クリックしてホールドでも使えるからだ。そうは言っても、今述べた二つは、かなり違う内容のメニューだ。Views メニューはプレイリストスクリーンの表示に関するもので、選択した項目は記憶され、選択に応じてボタン自体も変化するけれども、Options メニューの方は別の作業を実行するコマンドが並んでいるだけだ。

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三つ目のタイプとして、ボタンとメニューの組み合わせがある。一回クリックするとボタンとして動作し、クリックしてホールドするとメニューがドロップダウンして追加のオプションを提供する。このタイプの典型的な例が、iTunes Store ナビゲーションバー上にある一連のボタンだ。これらのボタンにメニューが付いていることは、ボタンの上にポインタをかざさない限り分からない。ポインタをかざせば、その時初めて下向きの三角形が表示される。(少なくとも、たいていの場合は。電子メールアドレスが表示されている iTunes アカウントボタンは、実際メニューとしてのみ働き、ポインタをかざしても三角形は表示されない。)クリックしてホールドすればこれらのメニューは正しく反応するし、クリック一回でも確かにメニューは開くが、クリック一回で開くためには正確に三角形の上でクリックしなければならず、少しでも位置がずれればボタンとして挙動してしまう。また、これらのメニューは常に必要とされる訳でもなく、選択されてもそれと分かるような変化はしない。例えば、Podcasts ボタンをクリックすれば iTunes Store の Podcasts セクションが開くけれども、このボタンのメニューはただポッドキャストの個別のカテゴリーを開くのみで、現在表示されている内容を反映する訳ではない。

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最後に、四つ目のタイプとして、ポップオーバーがある。これは、比較的最近になって iOS に登場したものだ。ポップオーバーは、ボタンを一回クリックすることによって呼び出される。あらかじめそれがポップオーバーを開くと分かるような下向き矢印などの手掛かりはないし、クリックしてホールドしても何も起こらない。また、ポップオーバーはメニューとは少し違う。ポップオーバーの中に何があるかは全く予測不可能だ。さらに追加のインターフェイス要素がポップオーバーに含まれることもある。例えば AirPlay ポップオーバーを見ると、まず送信先を一つにするか複数にするかが選択でき、個々の送信先の音量を調整できるとともに、主音量をコントロールすることもできる。また、iOS デバイスボタンもポップオーバーを開くが、これは利用可能な iOS デバイスを表示してそれぞれのメモリ使用量を示す。Up Next ボタン(水平線三本が描かれたボタン)にはまた違ったポップオーバーのインターフェイスがあり、特定のメディアを選択したりそこにポインタをかざしたりすれば右向きの三角形が現われて、そこからまた違ったメニュー風のポップオーバーが開くようになる。

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ここで Apple が何をしようとしているのかを、私は理解しているつもりだ。伝統的なポップアップメニューはインターフェイスが決まっているので、ポップオーバーに比べればずっと限定的であるし、ボタンとメニューを組み合わせればウェブベースのナビゲーションメニューのように使いこなせるからだ。けれども、こうしたボタンのいくつかを、とりわけ不明瞭なグラフィカルボタンでポップオーバーを呼び出すタイプのものを、極めて分かりにくいと感じる人たちは大勢いる。私自身もその一人だ。そして、例えば AirPlay のように、いくつかの機能がそのインターフェイスを使ってしかアクセスできないような場合、私はひどく不安を感じてしまう。その昔、ボタンの並んだバーが人気を得始めた時代、よく分からないグラフィカルなボタンではどうにもうまく使いこなせず、文字で表示された方がずっと使いやすいと感じた人たちがいることが明らかとなった。私たちは、グラフィカルな共通言語を持っていない人々だ。Apple 製品がどれほど人気を得たとしても、グラフィカル言語はいつまで経っても曖昧であり、語彙の面でも貧弱であり続けるだろう。

個々のグラフィカルボタンが何をするのか知る方法がないために、ユーザーたちはまるで iTunes がビデオゲームであるかのような気持ちにさせられる。つまり、見えるものすべてをまずクリックしてみて、どのような手順で一連のクリックをすれば必要なコントロールが見えるようになるかを試行錯誤で覚えなければならないからだ。少なくとも、いくつかのボタンにはテキストが付いているけれど、それらはそれぞれに異なったやり方で挙動する。iOS デバイスボタンはポップオーバーを開くのに、その隣にあってほとんど同じように見える iTunes Store ボタンはスクリーン全体を iTunes Store のインターフェイスに切り替える。

これらのメニュー付きボタンが良いものである側面もあるにはある。それは、従来コンテクストメニューの中にのみ隠されていた機能を前面に持ち出すことができるという点だ。何らかのコマンドやオプションにより素早くアクセスできる追加の手段としてならばコンテクストメニューは歓迎すべきものだが、ボタンよりもさらに輪をかけて発見しにくいものである以上(iTunes のサイドバー上で何かを Control-クリックするとよいかどうかなど、普通の人はどうしたら分かるだろうか?)コンテクストメニューが何らかのコマンドやオプションにアクセスする唯一の方法であればそれは大きな問題となる。いつの時代も、それは悪いインターフェイスデザインと言うべきだ。

結びに、Apple が iTunes 11 の中でこれらの新しいやり方を使ってインターフェイスの概念を拡張しようと試みているのは良いことだと思う。そして、そのうちのいくつか、例えばカラーの使用や、アプリケーションにおける新たなタイポグラフィなどは、歓迎すべき変化だ。けれども、単一ウィンドウのモデルや、かくも多種多様なボタンメニューなどは、はっきりと首尾一貫性が欠けていて、発見可能性への配慮が足りないので、それほど成功を収めるとは思えないものになっている。電話を介して誰かに iTunes 11 の使い方の手引きをするところを想像しただけで、私は身のすくむ思いがする。スクリーンの説明をしたり、いろいろなアクションをするための手順を手引きしたりするのは、面と向かってさえ困難なのに、電話でならばほとんど不可能というものだろう。そして、そういった事態は今後間違いなく起こる。なぜなら、iTunes 11 は見た目は魅力的でいくつかのアクションはシンプルだけれども、他の多くのアクションは、とっぴな思い付きの新しいインターフェイスのせいで、ことさら難しいものになってしまっているからだ。Apple が、これら新しい概念を OS X の他の部分にも拡張するに先立って、もっとしっかりと考えを尽くしてくれることを願わずにはいられない。

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Freecycle のサンタになろう

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

[この記事は私が一年前に書いたものだが、ホリデーシーズンの直前になっていて実際の役に立つには遅すぎたのでしまい込んでいたのを、今年のシーズン前に改めて出してみようと思った。今年になっても記事の内容は完全に正確で意味あるものだと思うし、皆さんにもこの種のやり方でごたごたの電気製品をきれいに片付けて頂ければと思う。私も、もう一度今年もそのようにするつもりだ。-Adam]

数年前、私は古くなってうまく使えない可能性のある電子機器を the Freecycle Network を通じて処分するのがどんなに手間もかからず満足の行くものであるかと熱弁を振るった記事を書いた。Freecycle Network は、メーリングリストを基にしたいくつかの人々のグループが緩く連携し、再利用可能な品物を無料で交換しようというものだ。(2007 年 8 月 6 日の記事“Freecycle: 古き良きものを処分する”参照。)その後も私は時折、Ithaca Freecycle メーリングリストを購読し直して、廃棄するより誰かに使ってもらいたいというものがある度にここを利用してきた。私にも Tonya にも座り心地が悪い携帯用の椅子とか、ガレージの場所塞ぎになっていた古いテーブル天板とか、リビングルームには入らないほど成長してしまった鉢植え植物とかいったものだ。

最近、私は以前に Tonya がよく Dance Dance Revolution をプレイしていた古い iPod や PlayStation 2 が(その後彼女は音楽が嫌になって使わなくなっていた)どれもまだ完全に機能するにもかかわらずもう何年もの間一度も使われていないことに気付いて嘆いていた。それらと同等以上の中古品の価格を craigslist で調べてみて、売る手間にも値しないと分かった。そこで私は考えた。Freecycle でなら、いくら古くても、こういうものを欲しがる人たちはきっといるだろう。でも、今の時節を考えれば、もっと良い考えがある。これらを子供たちへのプレゼントとして、普段ならばそんなものを貰えない子供たちのために使うという条件を付けて Freecycle に出すというのはどうだろう。

そういう条件付きで Freecycle に投稿してみたところ、大きな反響があった。興味があるという電子メールが、すぐに多くの人たちから届き始めた。そこで私は一番必要としている人たち、この贈り物を一番喜んでくれそうな子供たちを選ぶよう努めた。結局 PlayStation 2 は、離婚して二つの仕事を掛け持ちしているシングルマザーの 7 歳の娘に贈られた。iPod photo は、やはり二つの仕事を掛け持ちしている別のシングルマザーのティーンエイジャーの娘たちに贈られ、第三世代 iPod の方は病気で働くことのできない女性の五人の子供たちに贈られることになった。

おそらく最も満足がいったのは iPod nano だ。これは、近所の小学校の教育助手の手から、一人の三年生に贈られた。彼の家族(四人の子供を持つシングルマザーはホテルで二人分のシフトを働いていた)は生計のやり繰りが立たず、学校の先生たちが協力して食べ物や着物、必須の歯科治療などの援助をしていた。先生たちがこの三年生に学校以外でどんなことをしたいかと尋ねたところ、その子は「先生が何を言いたいのか分かっています。でも僕のことはかまいませんから、弟のために何かを下さい。僕は大丈夫です」と言ったという。彼が iPod を気に入ってくれることを願っている。その教育助手は、彼に iTunes ギフトカードも贈って、学校のコンピュータで iPod をセットアップするのも手伝うことにしようと言ってくれた。

これらの古い電子機器を贈る際の唯一の困難は、他にも同じくらいに贈りたいと思える多くの人たちから頼りが届くことだ。もしも私が持ってさえいたら、十台以上の PlayStation と、その二倍の数の iPod を贈りたかったほどだ。

でも、皆さんの中にもきっとそういうものを持っている人たちがいるだろう。だから、古い iPod、デジタルカメラ、ゲームコンソール、その他使われていないけれどきちんと機能する電子機器をお持ちの方は、仮想のサンタの帽子をかぶって、今年は Freecycle で誰か子供のクリスマスを明るくする力になるというのはいかがだろうか。Freecycle での最大の障壁は、最初に使い始める部分だけだ。それは、次のような手順でできる。

  1. まず the Freecycle Network サイトに行き、あなたの住む町を検索する。 リストを一覧して近くのグループを探すこともできる。

  2. Freecycle サイトがホストしているグループについては、投稿が読める。また、Sign Up/Log In と Search Posts のボタンもある。(Freecycle サイトにログインすると最初のボタンが Join This Group に変わる。)古いグループでまだ Yahoo Groups でホストされているものには、スクリーンの一番下に小さく "Visit the group and see the posts" というリンクが付く。

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  4. Freecycle がホストするグループは、ログインしてから Join This Group をクリックする。Yahoo Groups がホストするグループは、Yahoo Groups へのリンクを辿ってから Join This Group ボタンをクリックする。こちらの場合は Yahoo ID でログインしなければならない。

  5. いったんそのグループの会員になれば、あなたも投稿ができる。Freecycle サイトにはそのためのウェブフォームがある。私の場合、Ithaca グループが Yahoo Groups でホストされているので、このフォームを使ったことはないが、たぶんこれもリストに投稿するアドレスに電子メールを送るのと同じようなものだと思う。投稿の Subject 行は、OFFER という単語で始まり、あなたが贈ろうとしているもののリストをその後に続けなければならない。メッセージの本文には、その品物について具体的なこと、その品物がどんな状況にあるか、その他関係する詳しい情報を書く。もしも簡単にできるなら、より詳しい情報や写真などを見られるリンクを入れておくことをお勧めする。(私はたいてい、iPhone で写真を撮って自分の ~/Dropbox/Public フォルダに置き、そのファイルを Control-クリックして公開 Dropbox リンクをコピーして、そのリンクを電子メールメッセージの中にペーストしている。)

  6. 投稿の最後に、返信を寄せた人たちの中からどうやって選ぶつもりかを詳しく書いておく。そう、ここには具体的に、これは援助を受けるに値する子供への贈り物としたいので、希望する人は私が選ぶ参考になる背景情報を少し書いてもらいたい、と明記しておくべきだ。あなたがどこに住んでいるかの大体の目安(詳しい住所ではなく、大まかな地区名)も書いて、どれくらい遠くまで取りに行かなければならないかが分かるようにしておく。また、その人がどれくらい遠くから来るのか、いつ頃ならば会えるのかも書いてもらうよう頼んでおけば、お互いが会うスケジュールや不要なガソリン消費なども受け取る人を選ぶ際に考慮に入れることができる。

  7. メッセージを投稿したら、返信が届き始める。初めのうちはまだ返事を出してはいけない。典型的なサンプルが揃うまで、少なくとも数時間待とう。その後あなたは最も相応しい受取り人を選んでから、その人に直接メールで返信して受け渡しの時間と場所(あなたの自宅や仕事場でもよいし、近くにある公共の場所でもよい)を決めて、その人と会う。朝のうちに投稿すれば、夕方までに品物を渡してしまえることも多い。延々と時間がかかることは滅多にない。

  8. 最後に、いったん誰かを選べば、メーリングリストにもう一度メッセージを投稿する。Subject 行は前のメッセージと同じで、ただし OFFER という単語を TAKEN という単語で置き換えたものにする。これで、選ばれなかった人たちに通知したことになるけれども、もちろん個別に返信をしてもかまわない。

ちょっとした思い付きのアイデアだったのに、信じられないほど多くの反応を得たのが嬉しくて、この記事を書こうと思い至った。(こういう方法で子供たちを援助することそのものに対してただ感謝の言葉を述べたいという心優しいメッセージさえもたくさん頂いた。)まだクリスマスまで日があるので、皆さんも後に続いて下さればと思う。それに正直言って、たとえ皆さんがホリデーシーズンの後になってからこの記事を読んだとしても、この使わなくなった品物を寂しいホリデーを過ごした子供のために遅ればせながらのクリスマスプレゼントとして贈りたい、と申し出て下さるのも何の問題もないだろう。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2012 年 12 月 3 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Hazel 3.0.15 -- Noodlesoft が Hazel 3.0.14 をリリースし、このファイルクリーンアップユーティリティを OS X 10.8 Mountain Lion で走らせた際にも通知オプションを編集できるようにした。プルダウンの歯車メニューからアクセスして、Notification Center か Growl を選択し(ただし後者がインストールされている場合のみ)どの種類の通知が表示されるべきかを指定できる。(デフォルトでは両方インストールされていれば通知センターの方が使われる。)このアップデートではまた、起動時にゴミ箱が空だった場合に Hazel がゴミ箱を追跡できない場合があったのを修正するとともに、アクセント付き文字を含むパターンをマッチする信頼性が増した。その後 Noodlesoft はバージョン 3.0.15 を出して、通知オプションに関係したクラッシュを一つ修正し、通知オプションが使えるけれどもフォルダが存在していなかった場合に歯車からプルダウンできなかった問題を修正した。(新規購入 $25、無料アップデート、6.2 MB、リリースノート)

Hazel 3.0.15 へのコメントリンク:

CloudPull 2.1.7 -- CloudPull 2.1.6 で、Golden Hill Software は同社の Google データバックアップ用アプリケーションを Google が書類やスプレッドシートを書き出す方式に施した変更に対応するようにした。具体的には、今回の新リリースでファイル名の拡張子やフォーマットが Google が施した変更(書類では .doc フォーマットから .docx に切り替え、スプレッドシートでは .xls から .xlsx に切り替え)を反映した。インストール後、CloudPull は現バージョンのスプレッドシートや書類を新規バージョンとしてダウンロードする。(プレゼンテーションのファイルもアップデートされた。ただし Google はファイル名拡張子を .ppt のまま変更していない。Golden Hill によれば、CloudPull はもしも Google が .pptx に変更したとしてもそれに対応できるようになっているという。)さらに、CloudPull は特別のメールフォルダに記録された情報についても、バックアップの繰り返しを管理する言語の変更を反映したものにアップデートした。このユーティリティの Lion 以前のシステム向けのバージョンも、上記の変更を盛り込んで CloudPull 1.5.8 アップデートとして別途出されている。

バージョン 2.1.6 をリリースしてから間もなく、Golden Hill はバージョン 2.1.7 を出して、ユーザーが少なくとも一個のサブフォルダを含む Google Drive フォルダを選択した際にアプリがクラッシュしたバグを修正した。(直接ダウンロードまたは Mac App Store 経由で 2012 年 12 月 31 日までに限り $9.99、無料アップデート、8.4 MB、リリースノート)

CloudPull 2.1.7 へのコメントリンク:

Snapz Pro X 2.5.1 -- Ambrosia のスクリーンキャプチャユーティリティ Snapz Pro X がバージョン 2.5.1 にアップデートされ、Adam Engst がこのスクリーンキャプチャユーティリティのバージョン 2.5 について最近指摘した(2012 年 11 月 16 日の記事“Snapz Pro X 2.5、ようやく Mountain Lion に対応”参照)位置取りに関するバグが修正された。この新リリースでは複数モニタ環境でも選択の位置を正しく記憶するようになっている。その他の修正点としては、ホットキー処理の改善、不完全だったイタリア語ローカライズ版の削除、インストールに失敗する場合があった問題に対処するためのインストーラへの修正などがある。(新規購入 $69、無料アップデート、13.8 MB)

Snapz Pro X 2.5.1 へのコメントリンク:

TweetDeck 2.1 -- Twitter がTweetDeck 2.1 をリリースした。同社のカラムベースのクライアントに、ほんの少しの新機能を追加したアップデートだ。この新リリースでは写真とプレイヤーカード(ビデオやオーディオを再生できる)のサポートを追加し、新しいカラムオプションを使ってカラムの検索を精密化(カラムの一番上にある拡大鏡アイコンをクリック)できるようになった。また、"n" とタイプして新しい tweet を始めたり、Command-Enter を押して tweet を送信したりできるようになった。Retina ディスプレイ対応に関する修正や、状況によりプロファイルがロードされないことがあった問題への修正も施された。(無料、1.4 MB)

TweetDeck 2.1 へのコメントリンク:

Audio Hijack Pro 2.10.6 -- Rogue Amoeba が Audio Hijack Pro をバージョン 2.10.6 にアップデートした。その Instant On コンポーネントもバージョン 6.0.2 にアップデートされ、VMware Fusion からの(名前は挙がっていないが他のアプリからも)オーディオのキャプチャを改善している。この最新バージョンの Audio Hijack Pro ではソフトフォンアプリ Zoiper と Bria 3 からのキャプチャも改善され、AIFF 録音に ID3 タグが付いて iTunes で読めるようになり、将来のタイマーがスケジュールできなくなったバグを修正し、いくつかの AppleScript 対応の問題に対処し、Effects 領域の 4FX プラグインの表示を修正し、iSight カメラからのオーディオのキャプチャを復活させている。(新規購入 $32、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、5.6 MB、リリースノート)

Audio Hijack Pro 2.10.6 へのコメントリンク:

Thunderbolt ファームウェア・アップデート 1.1 -- Apple が Thunderbolt ファームウェア・アップデート 1.1 をリリースした。MacBook Pro (Mid 2012) および一部の Thunderbolt ケーブルでバスパワー Thunderbolt デバイスが適切に機能しない問題に対処している。このアップデートは Mac OS X Lion 10.7.4 かそれ以降を要する。(無料、442 KB)

Thunderbolt ファームウェア・アップデート 1.1 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2012 年 12 月 3 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Mac 用のアプリ Fantastical が OS X の Calendar アプリの代わりに使えることをご存じのかたも多いだろうが、Fantastical の iPhone 版も登場し、Matthew Panzarino が The Next Web にそのレビュ−記事を載せた。今週はまた、Barnes & Noble で購入した電子ブックがクレジットカードの有効期間が切れるとすべてライブラリから消去されてしまうかもしれないという情報があり、News Corp. が iPad 用アプリ The Daily を終了することが伝えられる。

News Corp. が The Daily の出版を終了 -- All Things D (News Corp. の所有する会社) の Peter Kafka が、The Daily が終了するという記事を出して自らの出版に釘を打った。The Daily は、Apple の後押しを得た iPad 専用のニュース報道アプリということで大きく宣伝されて船出したが、この記事によれば「このアプリにはいろいろのデジタル付属機能がたっぷりと付いていたけれども、結局最後には普通の総合的な新聞と変わらない内容となり、新聞を読むのが嫌いだという人たちだけに向けられたものになってしまった」という。そう、これこそ The Daily のスタートを伝えた私たちの記事“なぜ The Daily はこんなに古臭いのか”(2011 年 2 月 3 日) がタイトルそのもので指摘した点ではないか。

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The Next Web のレビュー記事が iPhone 用 Fantastical を激賞 -- iPhone の小さなスクリーン上でカレンダーとやり取りできるように考え直された新しい iPhone 用カレンダーアプリ Fantastical を、The Next Web の Matthew Panzarino がレビューしている。これは深く掘り下げられた記事で、Apple の Calendar アプリでイライラした経験を持つ人にはきっと一読の価値がある。Fantastical こそ、あなたの待ち焦がれていた代替製品ではないか?

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Barnes & Noble の DRM、クレジットカード失効で無効に -- またもや一つ、DRM (デジタル著作権管理) が間違っている理由ができた。Barnes & Noble の顧客の一人が以前購入しておいた有料の電子ブックをダウンロードしようとして、エラーメッセージに阻まれてしまった。そのエラーメッセージによれば、記録にあるクレジットカードの有効期限が切れているのでダウンロードできないとのことだった。クールな若者なら "Epic fail" (ものすごいしくじり) とでも言うところだろう。ずっと前にその本を購入する時に使ったクレジットカードが現在失効しているかどうかは、ずっと後になってその本をダウンロードすることには何の関係もないはずだし、さらに言えば、購入が済んだその時点以後は、そのアカウントがクレジットカードにリンクされる必要性など一切ないはずだ。

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TidBITS ISSN 1090-7017©Copyright 2012 TidBITS: 再使用はCreative Commons ライセンスによります。

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