TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1158/28-Jan-2013

今週は TidBITS スタッフの多くがサンフランシスコで Macworld/iWorld 2013 の会場に集まる。もし会場に来られたら、私たちたちが初めて試みる電子ブックのサイン会を Smile ブースでやっているのでお立ち寄り頂きたい。今週はまた、Kirk McElhearn の "Take Control of iTunes 11: The FAQ" がリリースされ、iTunes 11 が出てあなたの頭に浮かんだ iTunes 関係の質問にすべて答える。Agen Schmitz はリリースされたばかりの iOS 6.1 について伝える。Jeff Carlson と Michael Cohen は、Apple の Q1-2013 業績発表で過去最高の売上高 545 億ドルと過去最高の純利益 131 億ドルが報告されながらもアナリストたちは失望したと論じる。iPad でたくさん文章を書きたいと思う人たちのために Josh Centers がパワフルな Nebulous Notes アプリをレビューし、Mac を売ったり無料で譲ったりする際にどのバージョンの Mac OS X を入れておけばよいのか以前から迷っていたという人には Adam Engst が詳しい情報を語り尽くす。Apple は Mac OS X のライセンスについて細かいことにこだわるくせに、プロフェッショナルのユーザーたちには配慮が欠けていると Adam がもう一つの記事で語る。Pages 4.3 が、リリースノートに一言も触れることなく EPUB 書き出しの際のグラフィックスの処理方法をまるきり変えてしまった(それでワークフローが破壊された)という彼の物語をお読み頂きたい。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Things 2.1.1、Evernote 5.0.5、それに Fantastical 1.3.6 だ。

記事:

----------------- 本号の TidBITS のスポンサーは: ------------------

---- 皆さんのスポンサーへのサポートが TidBITS への力となります ----


Macworld/iWorld の Smile ブースで Take Control サイン会

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

現代の電子ブックの世界において犠牲になったものの一つが、本のサイン会だ。私が著者としての人生で一番得意になった瞬間の一つは、ある会社が私の著書 "Internet Starter Kit for Macintosh" を大量に買い入れ、1990 年代中頃にボストンの Macworld Expo 開幕直前の Macintosh Volume Buyer イベントの中で、著者によるサイン会として無料で聴衆に配った時だった。人々の行列が角を曲がって先が見えないほど延々と続く前で次から次へと本にサインをしていれば、まるで自分がベストセラー作家になったかのような気分になるものだ。人々が無料で本を受け取っていると知っていたとしても。

けれども電子ブックでは、人々と直接会うイベントを持つことが難しい。たとえそのようなイベントを持てたとしても、デジタルな本にサインを書き込むのはなおさら難しい。でも、Smile 社の Jean MacDonald と話をしていた私は、今の私たちが実際、そのためのテクノロジーを持ち合わせているという事実に気付いた。Smile 社の製品、iPad 用の PDFpen アプリのお陰だ。

というわけで、2013 年 2 月 1 日、金曜日の 3:00 PM に、Macworld/iWorld ショウフロアの Appalooza セクションにある Smile 社のブースにて、Joe Kissell と Michael Cohen が自らの Take Control 電子ブックにサインするサイン会を開催することにした。Michael は "Take Control of PDFpen 5" と "Take Control of TextExpander" に、一方 Joe は "Take Control of Your Paperless Office" および彼の他の多数のタイトルに、それぞれサインを書き込む。当然ながら、皆さんにはご自分がお持ちの電子ブックを PDFpen で開いた状態で持参して頂く必要があるが、Michael と Joe はそれぞれ自分のスタイラスペンを持って行くはずだ。Tonya と私もそのあたりをうろつきながら、デジタル本のサイン会ってどんな具合かと興味津々で眺めることになるだろうから、私たちに一声掛けてみたい、あるいは質問をしてみたいとお思いの方は、私たちスタッフのこんなに多くが一所に集まるのはあまりないことなのでこの良い機会を利用して頂きたいと思う。

それからもちろん、このサイン会の予定もちゃんと TidBITS Eventsカレンダーに加えておいた。では、会場でお会いしましょう!

コメントリンク13518 この記事について | Tweet リンク13518


iOS 6.1、全世界での LTE サポートを拡大

  文: Agen G. N. Schmitz: [email protected]
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

拡大する全世界の LTE 受信地域に焦点を合わせて、Apple は iOS 6.1 を iPhone, iPad, iPad mini, そして iPod touch に対してリリースした。これと共に iPhone 5 では 36 キャリアが LTE 対応の iPad に対しては 23 キャリアが新たに追加された。Denmark, Finland, Italy, そして Switzerland の様な市場では iPhone と iPad の両方に対して LTE スイッチがオンとなり、幾つかの中東国においては (Kuwait, Saudi Arabia, そして United Arab Emirates が含まれる) LTE は iPhone 5 に対してのみとなっている。 iPhone 及び iPad に対するモデル毎の LTE 市場とキャリアの全リストが Apple の Web サイトで見られる。

LTE 接続を超えた所では、このアップデートで Fandango から映画チケットを買うのに Siriを使う能力が追加された (米国内でのみ)、そして iTunes Match 加入者が個々の曲を iCloud からダウンロードするのを再び有効に出来る様になった (前の iOS アップデートでこのオプションは静かに取り除かれていた)。Reset Advertising Identifier ボタンもまた Advertising オプションに追加され (Settings > General > About > Advertising)、これにより、今後より意味のある広告が関与してくれることを期待して、あなたの現在の Advertising Identifier を消させてくれる (Web ブラウザから履歴を消去する様に)。勿論、ここで Limit Ad Tracking オプションをオンにすることも出来、こうすることであなたを狙う広告を抑制できるだけでなく、セルラーの使用も最小化することが可能になる (更なるセルラーデータのヒントについては Matt Neuberg の "iOS 6 の不可思議なセルラーデータ使用量: もう一歩深く検討する" 24 October 2012 参照)。

CNET の Josh Lowensohn が、この他にも Apple が言及していないより小さな変更についても述べていて、そこにはロックスクリーンの音楽再生コントロールが改変されたことも含まれる。今や、ホームボタンを二度押すと、再生コントロールが現在の時間表示に代わって押し上げられ、あなたのロックスクリーンの壁紙の画像がより見えやすくなる。加えて、コントロールの各要素はもっと離され、iOS 6.0.x の悪いインターフェースの多少気になる部分であった一時停止をしようとした時、間違ってポッドキャストの次のエピソードに跳んでしまうことも起きにくくなった。我々はまた、iOS 6.1 でメディアをストリームすることに関する困ったバグも修正しているとの報告を聞いている。この問題は、Safari から切り替えて離れた後でもそのストリームされたビデオは背景で引き続きダウンロードされ続けるというものである。我々は他にも変更はなされていると確信している - それも結構沢山 - Apple が我々の様な心の弱いユーザーに負担をかけまいと黙っている類のものである。もしあなたも何かに遭遇したら、コメントを送って報せて欲しい。

image

いつもの様に、我々は皆さんに Wi-Fi 接続をお持ちなら無線アップデートの道を行くようお勧めする (Settings > General > Software Update)。その理由は、この方法だと差分しかダウンロードしないので、インストールもずっと小さくそして速い。iPad と iPad mini に対する無線差分はそれぞれ 76 MB と 83 MB で (もし iTunes 経由で全アップデートをダウンロードすると 1.08 GB となる)、iPhone の無線アップデートは 107 MB である (iTunes では 989.5 MB となる)。このアップデートは無料で、対象は iPhone 3GS とそれ以降、iPad 2 とそれ以降、そして第四世代 iPod touch とそれ以降である。

アップデートする時注意すべきは、あなたの設定の中の一部分はデフォルトにリセットされてしまうこともありうることである。従って、Settings アプリを再度辿って全てがあなたの思う通りになっていることを確認した方が良い。とりわけ、TidBITS のスタッフは、iCloud 及び iMessage 関連の設定がリセットされていることに気付いた。

他の iOS ニュースとして、Apple TV Software もまたバージョン 5.2 にアップデートされた。Bluetooth キーボードがサポートされ、オーディオを AirPlay 対応のスピーカーや機器に送る能力が追加され、そして iTunes in the Cloud のサポートも追加された - これにより購入した音楽をネットワーク上のコンピュータからストリームせずに Apple TV を通して直接ストリームすることが可能となる。悪い知らせは、iPad バージョンの iOS Remote アプリではもはや Apple TV を制御できないと 報告している人もいることである;iPhone バージョンの Remote にはその様な問題は無い。このアップデートは第二と第三世代の Apple TV に適用可能である。

コメントリンク13526 この記事について | Tweet リンク13526


"Take Control of iTunes 11: The FAQ" が iTunes 関係の質問に答える

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

最近出たアップグレードのうちで、iTunes 11 ほど大量の報道を生じさせたものはなかったろう。ユーザーたちにもかつてなかったほど気を揉ませ心を痛めさせた。驚くにはあたらない。Apple のこのメディア管理ツールは、さまざまの目的で何百万もの人々が依存して使っているものなのに、この新バージョンではインターフェイスが大幅に変わり、長年存在してきた数多くの機能のコントロールが別の場所に移ってしまったからだ。TidBITS も、iTunes 11 に関する記事をたくさん出してきた。それらはおおむね、ニュースとして紹介したり、「新機能は何か」という観点からのものだった。(記事シリーズ“All about iTunes 11”を参照。)

(日本語)改装 iTunes 11、iCloud ストリーミングと新しい MiniPlayer をもたらす | iTunes 11 のインターフェイス革新: 善玉あり、悪玉あり、卑劣漢なし | iTunes 11: Apple が削除した機能と、代替製品と | iTunes 11.0.1 | VidBITS: iTunes 11、アンチウイルスアプリの比較 | iTunes で本を管理:この小説にはビートがある "Take Control of iTunes 11: The FAQ" が iTunes 関係の質問に答える

けれども私たちの記事のみでは、あなたが iTunes 11 に対して持つあらゆる質問に対処することはできない。とりわけ、そういう質問の多くは新機能についてというより、iTunes 全般についてのものであるに違いない。だからこそ、Kirk McElhearn の新刊の電子ブック "Take Control of iTunes 11: The FAQ" が登場したわけだ。この本の目標は、iTunes 11 を使ってオーディオやビデオを管理することに関する、よくある質問すべてに対して答を出すことだ。著者 Kirk は、iTunes 関係の助言にかけては Mac コミュニティーきっての頼りになる人物だ。既に iTunes 10 に関する二つの版も出版したし、彼は Macworld の Senior Contributor (上席寄稿者) でもあって、Macworld に iTunes 関係の記事を多数書いている。最も有名なのが、彼のコラム記事 "Ask the iTunes Guy" だ。

だから、あなたが iTunes 11 の新機能や変わってしまった機能についてよく分からないところがあるなら、あるいはメディアを整理し、一覧し、再生するためのベストな方法についてより一般的な質問があるなら、きっとその答がこの "Take Control of iTunes 11: The FAQ" の中に見つかるはずだ。

コメントリンク13517 この記事について | Tweet リンク13517


Q1-2013 に対する Apple の $13.1 Billion の利益にアナリスト失望

  文: Jeff Carlson: [email protected], @jeffcarlson, Michael E. Cohen: [email protected]
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple は、2013会計年度の第一四半期に対して、またもや巨大な利益と売上の数字を報告した - そして、勿論、アナリストを失望させた。売上は四半期売り上げとしては史上最高の $54.5 billion で、純利益は $13.1 billion (希薄化後一株当り $13.81) であったが、同社の利益は前年の四半期に比べ約 1% の減となった。

Apple が報告した結果には山もあり谷もあった。良かったのは、週当りの売上、iPhone 販売、iPad 販売、iTunes Store、そして小売店売上であった;悪かったのは、Mac 販売と iPod 販売であった。

まず明るい側。同四半期中の週間売上は $4.2 billion で、前年同期には $3.3 billion であった。Apple は同四半期中に 47.8 百万台の iPhone を販売したが、前年同期には 37 百万台であった。そして iPad の販売は、前年同期から 7 百万台増えて、昨年の 15.4 百万に対して 22.9 百万の顧客の手に渡った。iTunes Store は史上最高の $2.1 billion を稼ぎ出し (アプリダウンロードは 20 億に達した)、そして小売店は前例のない $6.4 billion をもたらした。

暗い側としては、Mac の販売は昨年同期の 5.2 百万台に対してたったの (!) 4.1 百万台しか売れなかった。Apple CEO Tim Cook は、これは予想されたもので、前四半期の業績発表の時にも言及していたと語った;実際、最新モデルの iMac が顧客の手に届くようになったのは同四半期の最後の月になってからであった。そして、我々が過去数年にわたって観測してきた流れに沿って、iPod の販売は前年同期の 15.4 百万台から今年の四半期の 12.7 百万台へと下落した。それでも、iPod は MP3 音楽プレイヤー市場で今でも 70% のシェアを持っており、この数字はここ数年変わっていない。iPod touch は全 iPod 販売の半分を占める。

週当たりで Apple は、3.7 百万台の iPhone, 1.7 百万台の iPad, そして 312,000 台の Mac (極めてタイトな供給にも拘わらず) を販売した。気が遠くなる様な統計が好きな人のために言うと、Apple は同四半期に 毎秒 10 台の iOS 機器を販売した。(売上には関係しないもう一つの気が遠くなる様な統計を挙げると:約 4 件の通知が同四半期中に iCloud 経由で Apple の機器に送られた。)

Greater China 事業部門は、これは中国本土、台湾、そして香港から成るのだが、売上では Apple で二番目に大きい地域となって、$7.3 billion を稼いだ。この地域での iPhone の販売は二倍以上に増えた。

Apple の同四半期末の手持ち現金と有価証券は $137.1 billion で、前四半期の合計から $16 billion 増えた。この一部は、Apple が一株当たり $2.65 の配当を支払う時、即ち Valentine's Day に株主のもとに届けられる。

同社には、現時点で 80,000 を超す従業員がおり、全世界で 400 を超す小売店を展開している。

制約と共食い現象 -- 大事なのは、これらの結果は素晴らしいものでそして記録破りであることを認識することである;ある時点で Cook は口走った、"これまでにこの様な結果を残したテック会社は無い" と。なおかつ、これらの数字は、同社の殆どの製品が部品不足やその他の制約に直面している間に成し遂げられた。Apple は、文字通り機器を需要に見合うだけの速度で作れていない。

この事情はどの製品にも当てはまる。Cook によれば、iPhone 5 の生産はこの四半期を通して制約を受け、量産立ち上げは四半期の終わりまで続き、そして iPhone 4 の両モデルの生産も四半期を通して制約を受けた。iPad mini も毎週制約を受け、そして Apple はこの四半期をかなりの受注残をもって終了した。

Apple は iPad の販売をモデル毎に分解していないが (従って、我々には iPad mini がどれだけ売れたかはわからない), Apple CFO Peter Oppenheimer は、iPad mini の粗利益は "製品の平均よりかなり低い" ことを認めている。Apple は伝統的に値付けをする時にかなりの利益幅を組み込んできたが、iPad mini の場合は、値段を抑えて浸透を図ろうと、最初から利幅を圧縮している。

iPhone のスクリーン供給に関して、最近いかがわしい報道機関が流した流通量を抑えているという質問に、Cook は反論した。"私は如何なる特定の噂に対してもコメントしたくない。一旦そんなことをしたら、私の全人生をそのために費やさなければなくなってしまう。"

質疑の場では、殆どの時間が製品の共食い現象のことに費やされた。例を挙げると、アナリスト達は Apple が iPad の販売で Mac の販売が前四半期よりも下がってしまうのを許したのは何故だろうと思っている。製品の共食いは何も Apple にとって新しいことではないし、Cook もこの質問を正面から取り上げた。"我々の哲学は共食いを決して恐れないことである" と彼は語った。"我々が恐れたとしても、他の誰かが共食いを仕掛けるだけであろう [ある製品を]。" 彼は iPhone が iPod 事業のある部分を共食いしたことを認めた上で、"我々はそんなことは心配していない。私は共食いは巨大な機会であると捉えている" と語った。Cook は再度、コンピュータに対する iPad の共食いの多くは Mac よりも Windows PC に影響を及ぼしていることを指摘した。

副次的な影響 -- Apple は理不尽な期待に応えられない見本そのものである;この業績発表の後、その株価は時間後取引で 10% 下落して一株 $460 となった。アナリスト達は、薄暗い訳もわからない所から非現実的な数字を引っ張り出して来たり、或いはまた同社の利益は増大しているが十分な速さではないと文句を言っている。現時点では、殆どのアナリストは現実を超えてドラマを強調する己の経済リアリティ番組の中で戦っている様に我々には思える。

心強いのは Apple は、上場会社ではあるが、株価を成功の尺度として追っていないことである。同社はまた、市場シェアをなおざりにしつつ利益も犠牲にしているというアナリスト達の理不尽な主張にも耳を傾けていない。"我々は最高の製品を作りたいのだ" と Cook はしばしば繰り返して来た持論の中で述べたが、これは市場における iPod の成功を幸せな結果ではあるが、目標ではないと語った中での話である。

そして Cook や Oppenheimer に今年の製品ラインナップについての計画を明らかにさせようとする多くの試みにも拘わらず (これらはいつも撃退されてきた、例えば Piper Jaffray のアナリスト Gene Munster の Apple テレビとはどんなものかという質問に対する Cook の素っ気ない反論の様に)、Cook が口にしたのは、開発パイプラインは "喉元まで一杯" だと言うことであった。

コメントリンク13515 この記事について | Tweet リンク13515


iOS 用 Nebulous Notes で Markdown を手軽に

  文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

ここ TidBITS で働く私たちは、記事を書くために昔から頼りになる BBEdit に依存している。そこには数多くのパワフルな機能があって、記事を書くのに使っている Markdown フォーマットのシンタックスカラー付けを提供し、私たちの TidBITS Publishing System が利用する Subversion 収納庫に接続し、クリッピング、text factory、スクリプトを駆使して Markdown フォーマットによる記事の作成を楽にしてくれる。残念ながら、外出中に iPad で記事を書く機会が増えた私たちには、BBEdit が iPad 上で使えないのは困ったことだ。

iOS の上で BBEdit に最も近いパワーと柔軟性を提供するものをと探し回って私が見つけたアプリが、Nuclear Elements の Nebulous Notes ($4.99) だ。これは iPad と iPhone の双方と互換だ。Nebulous Notes では文字の書体、テキストのカラー、背景のカラーがコントロールできる。私は Inconsolata フォント、25 ポイント、背景は少し灰色がかった白、という設定が好みだ。また、第二のデフォルトのテーマである Apple ][ に敬意を表した設定、黒い背景の上に緑色で Monaco フォント、というのも好きだ。

image

私はライターなので、Nebulous Notes が単語数、文字数、行数を表示できるのがありがたい。これらは環境設定で指定できる。また、驚きの機能として、Evernote との間で同期ができる。Evernote サービスを使っている人には嬉しい追加機能だ。もちろん、まともな iOS テキストエディタならば当然だが、Dropbox 書類も同期するし、TextExpander iOS アプリにも対応している。

Nebulous Notes にはパワフルなプレビュー機能もある。HTML、Markdown、それにリッチテキストがプレビューできる。書類をプレビューしながら、それを HTML に書き出したり、他のアプリでテキストを開いたり、HTML で電子メールメッセージを送信したりもできる。CSS を使ってプレビューをカスタマイズすることさえできる。

image

例えば iA WriterByword など多くの iOS 用テキストエディタは、スクリーン上に一列にボタンを並べてナビゲーションに使ったり普通には手の届かない文字を入力するのに使ったりしている。Nebulous Notes も同じことをするが、さらに追加の機能として、ボタンをカスタマイズして自分の好きなテキストを入力したり、テキストを検索して編集したり、さらにはカーソルの位置を変えたりさえできる。これこそ、Nebulous Notes が他のものたちと際立って違うところだ。

奇妙なことに Nebulous Notes のこのユーティリティバーはデフォルトでオフになっているが、環境設定で簡単にオンにできる。設定メニューの中で、バーの中にマクロを追加・削除・並べ替えできる。デフォルトでは、このユーティリティバーにいろいろなサンプルのマクロが詰め込まれていて、どんなことができるかのヒントを提供するようになっている。気に入らないものはどんどん削除すればよい。環境設定の中に多数のマクロの実例が取り揃えられていて、いつでも好きな時にユーティリティバーの中へ追加したりバーから削除したりできるからだ。

image

マクロは、たった一つのキー入力だけでもよい。例えばアスタリスク(星印)は、普通はまず数字キーボードに切り替えてから句読点キーボードに切り替えないと入力できないが、これをマクロにすれば時間の節約になる。けれどもマクロが真の実力を発揮するのは特殊コードを駆使した場合だ。特殊コードは、ドル記号 ($) で始まる。例えば、マクロの内容が $select 単独なら、ボタンを押すと現在カーソルがある単語が選択される。その後で、別のマクロで変数 $selを含むものを呼び出せば、選択されたテキストが追加される。

例えば、選択されたテキストを山括弧で囲みたければ、次のようなマクロを作ればよい:

<$sel>

そのマクロを <> という名前にしておき、単語を選んでから<> ボタンを押せばその単語が山括弧で囲まれる。

さらにもっと創造的になることもできる。ここ TidBITS で私たちは Markdown の参照スタイルのリンクを使っているが、それを拡張して「怠け者のリンク」に変えている。つまり、参照先と参照元のタグを名前で一致させるのでなく、段落の中の参照元リンクの順番に依存して、段落の下に並べた参照先 URL の順番に合わせているのだ。こうして、リンクに番号や名前を付ける代わりに、すべてのリンクをアスタリスクで表わしている。このようなリンクを作成するために、私は Federico Viticci の作った Markdown マクロのいくつかを少々改変して使うことにした。(この記事のために私が作ったマクロを使ってみたい方は、こちらからダウンロードできる。 NebulousMacros.txt ファイルをあなたの Dropbox フォルダの中へコピーして、それを Nebulous Notes の環境設定で指定すればよい。)

私が改変したマクロの一つは、選択されたテキストをリンクに変える。以下の実例では、 $sel が選択されたテキストの代わりとなる。それからマクロが選択されたテキストを角括弧で囲み、アスタリスクも添え、それから $cursor コマンドがカーソルを置かれたテキストの直後に置くので私はそのままタイプを続けられる。

[$sel][*]$cursor

その次に私は第二のマクロを使ってそのリンクに対応する URL をペーストしフォーマットを整える。こちらのマクロは次のようなものだ:

[*]: $paste

私はこちらのマクロに[*]: という名前を付けた。これは単純に、リンク先を示す Markdown シンタックスを挿入してから、その後にクリップボード内容をペーストするだけだ。このマクロでは、私はまず自分で段落の末尾まで移動してからリンクを貼り付けなければならないが、ほとんどいつも私はその作業を繰り返すことになる。幸いにも、私は Nebulous Notes で下向き矢印 (↓) という名前を付けたマクロを作り、ユーティリティバーでタップするだけでカーソルを下へ動かせるようにしている。もう一つ別のやり方として、さきほどのマクロに $bottom コマンドを追加したマクロも作っておけば、書類の末尾まで移動してからマクロのテキストを挿入してくれる。

こうして、私の最終的なワークフローは次のようなものになった:

Mac の上で Keyboard Maestroのマクロを使ったり Dr. Drang の BBEdit AppleScripts を使ったりするのに比べれば高速とは言えないけれども、リンクを手で書くのに比べれば断然速い。とりわけ、iPad の仮想キーボードを使っている場合には違いが際立つ。

全体的に見て、Nebulous Notes のマクロ機能は、Mac の上で BBEdit のクリッピングや Keyboard Maestro のマクロを使ってできることにかなり近いところまで行っているけれども、iOS においては何でもそうだが、できることに限界がある。マクロの大きな限界の一つは、同じマクロの中で $select コマンドを他のコマンドと組み合わせることができない点だ。$select はマクロの中に単独で存在しなければならない。だから、現在カーソルが置かれている場所の単語に適用するマクロというものを作ることはまだできない。あらかじめ単語を選択しておいてから、その後でマクロを走らせなければならない。もう一つの限界は、段落の末尾にコンテンツを追加する自動的な方法がない点だ。それから、残念なことに、マクロを編集している最中にアプリ内の参照表とか自分でカスタマイズしたキーボードの配列とかにアクセスする方法がないので、使いたいコマンドを暗記しておかなければならない。将来のバージョンで、これらの限界のいくつかに対処が施されれば嬉しい。

残念ながら、Nebulous Notes には他にもいくつか欠点がある。大きな機能欠落の一つが、Markdown のプレビューでブラウザのナビゲーションができない点だ。リンクが正しいかどうか確かめたいと思ってクリックしても、元に戻るボタンがない。いったんプレビューを出てからもう一度入り直さなければならない。もう一つの機能欠落は、シンタックスハイライト機能だ。これがあればずっと楽に正しい Markdown を書くことができるだろうに。また、書類の中である個所から先にスクロールできなくことがあるバグがあるけれども、それが起こってもスクリーンを回転させれば簡単に直る。それから、つまむ動作でテキストがリサイズされてしまうのをオフにできればよいのにとも思う。iPad の上でアプリを切り替えようとして誤ってテキストを縮小してしまうことが、特に Safari から URL をコピーしようとするとほとんど毎回のように起こる。

もう一つ私が気になることがある。デバイス間で設定を同期する方法がないのだ。マクロを Dropbox へ書き出すことはできるけれども、読み込みはすべてかゼロかなので、毎回すべての既存のマクロを総入れ替えしなければならない。とりわけ iPhone と iPad の両方で Nebulous Notes を使う場合は同期がないと非常に困る。それぞれで個別にテーマをセットアップして、マクロを手動で読み込んだり書き出したりしなければならないからだ。

そうした細かいあら探しや不満はさておき、もしもあなたが iOS 上で本格的に文章を書きたいのならば、Nebulous Notes は一見の価値がある。$4.99 を支払う前に使って試してみたいのならば、無料で広告付きの Nebulous Notes Lite もフル版と同じ機能が揃っているし、ほんのたまに使う程度ならばそれで十分と言えるかもしれない。私はこの記事の最初の草稿を Nebulous Notes で何のトラブルもなしに書くことができたし、これからももっとたくさんの TidBITS 記事の原稿書きを外出中に Nebulous Notes で書いてみたいと思う。

コメントリンク13500 この記事について | Tweet リンク13500


Mac を売る: どのバージョンの Mac OS X を含めることができるか?

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst

  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

TidBITS 読者の Scott Maxwell が、古い Mac を売ったり無料で譲ったりする場合にそこにインストールされている Mac OS X のバージョンについて注意すべきことがあるかどうか私に助言を求めてきた。Scott の場合、古い MacBook を親戚の人にあげようとしていた。その MacBook に最初どのシステムが入っていたか Scott は覚えていなかったが、現在は Mac OS X 10.6 Snow Leopard が走っていて、このマシンは 10.7 Lion と互換だが 10.8 Mountain Lion と互換ではない。Scott の親戚は iCloud を使いたいと言っていたので、Snow Leopard から Lion へアップグレードすることが必要だったが、Lion はもはや Mac App Store から入手することができない。

法律的なことはあとで述べるが、簡単に答を言ってしまうと、この場合 Apple から Lion を購入するのは今でも 可能 ではあるが、そのための手順は結構ややこしい。[訳者注: 以下の説明はすべて米国における話です。]

どうやって OS X 10.7 Lion をインストールするか -- まず始めに、Apple の番号 800-MY-APPLE (800-692-7753) に電話をかけて、自動化システムを通り抜けて係員と直接話ができるまで待つ。(最初のいくつかの説明を聞きながら待ちくたびれて、私は 0# を何度も叩き続けたが、やっと電話ボットはあきらめて本物の人間に通話を転送してくれた。)ここで OS X 10.7 Lion を $19.99 で注文でき、そうすれば Apple が必要な Mac App Store 償還コードを 3 営業日以内に電子メールで送ってくれる。Lion をダウンロードしてインストールするには 10.6.8 を走らせていることが必要なので、もしもその Mac が 10.5 Leopard あるいは 10.4 Tiger を走らせているならばもう一度別途に $19.99 を払って Snow Leopard を入手しなければならない。こちらは Apple が今でも DVD で販売している。

ただ Lion に手を届かせるためだけに Snow Leopard へアップグレードする時間とお金をかけたくないというのであれば、サポート外の方法だが Tiger や Leopard から Lion へアップグレードできる裏技がある。これは Joe Kissell の "Take Control of Upgrading to Lion" に書いてある。以下の手順を辿ればよい:

  1. その Mac を通常通り古いシステム (Tiger または Leopard) で起動する。

  2. 管理者としてログインしていることを確認する。(どちらか分からない場合は、システム環境設定の Accounts パネルを開く。あなたが現在ログインしているアカウント名の下に "Admin" と表記されていれば、あなたは管理者としてログインしている。)

  3. Terminal (/Applications/Utilities にある) を開き、次の文字列を入力してから Return キーを押す:

    sudo nano /System/Library/CoreServices/SystemVersion.plist

  4. 要求に応じて、管理者パスワードを入力する。

  5. 矢印キーを使って、カーソルを最後の <string> 項目(下から 3 行目)に動かす。そこに書かれている現在のバージョン (例えば 10.4.11 や 10.5.8) を 10.6.8 に書き換える。

  6. Control-X を押してテキストエディタを終了させ、変更されたバッファを保存するかと問われれば Y を押す。それから Terminal を終了する。

これで、Snow Leopard または Lion を含むボリュームからブートすることが可能となるので、通常通りの手順で書き換え (in-place) アップグレードができる。Lion インストーラがインストール先を聞いてくれば、先ほど特別に手を入れておいたボリュームを選べばよい。

(余談だが、あなたが Mac App Store から Lion を購入してその後 Mountain Lion にアップグレードしている場合、あなたは今でも Purchases (購入済み) リストから Lion をダウンロードすることができる。私の場合は何もせずともそのままリストに見えているが、もしも非表示になっていれば、Store > View My Account (マイアカウントを表示) を選んで View Hidden Purchases (非表示の購入済みアイテムを見る) をクリックし、Unhide ボタンを押せばよい。いったん手に入れば、Recovery Disk Assistant (復元ディスクアシスタント) を使って外付けの復元用ボリュームを作り、そこからブートして Lion を再インストールできる。)

細かい活字で書かれた規則 -- では、いったいなぜこんな面倒なことが必要なのか? 人にあげようと思っている Mac を単にきれいにワイプ(消去)して、それからそのマシンで走ることのできる最新バージョンの OS X のフレッシュなコピーをインストールさせればいいだけではないのか? 仮にあなたがそうしても、私は誰にも告げ口するつもりはないが、Apple の legal beagle(法律的ビーグル犬、つまり弁護士)たちが、あなたがそんなことをするかもしれないと見越して、ソフトウェア使用許諾契約 (Software License Agreement) の中でそれを明確に禁止している。

要約すれば、あなたは Mac を、それにプレインストールされていたバージョンの Mac OS X と共に販売または譲渡することができる。10.6 Snow Leopard をそれ単体で購入した場合は、それ単体で販売することはできる。けれども、あなたが Lion あるいは Mountain Lion へのライセンスを Mac App Store を通じて購入した場合は、それを譲渡することはできず、Mac を譲渡する前にその Mac から削除しておかなければならない。その上、USB ドライブに搭載された Lion を入手すれば回避できると考えても無駄だ。Apple はそちらも Mac App Store 版と同じく譲渡不可能としている。

最近の三つのバージョンの Mac OS X について、それぞれの条文をここに紹介しておこう:

10.6 Snow Leopard

3. 譲渡 お客様は、Appleソフトウェアのレンタル、リース、貸与、販売、再配布またはサブライセンスを行うことはできません。ただし、以下に記載の制限に基づき、お客様は、Appleソフトウェアに関するお客様が使用許諾された権利の全てを、(Appleが提供した通りの最初の形態で)一回に限り、第三者に対して永久譲渡をすることができます。この場合、以下の条件を全て満たさなければなりません。(a)当該譲渡は、 全ての構成要素(Apple Boot ROMコードおよびファームウェアを除きます)、媒体の原本、印刷物および本契約書を含むAppleソフトウェアの全てを含んでいなければならないこと、(b) お客様は、Appleソフトウェアの複製物を、その全部または一部を問わず、コンピュータまたは他の記憶装置上に保存されているものを含め保持してはならないこと、(c) Appleソフトウェアの譲受人は、本契約書を読み、かつ本契約条件の受諾に同意すること。お客様は、上記2Hにおいて修正または変更された、Appleソフトウェアのレンタル、リース、貸与、再配布、サブライセンス、または譲渡を行うことはできません。Appleソフトウェアのコンポーネントの一切は、バンドルの一部として提供され、バンドルから分離させること、およびAppleソフトウェアから完全に切り離したアプリケーションとして配布することはできません。特定のAppleのブランドが付されたハードウェア製品とともに提供されるAppleソフトウェアは、Appleのブランドが付された他モデルのハードウェアでは稼働させることができません。

10.7 Lion

3. 譲渡

A. お客様が、Appleのブランドが付されたハードウェアにプレインストールされているAppleソフトウェアを取得された場合、お客様は、Appleソフトウェアに関するお客様が使用許諾された権利の全てを、(Appleが提供した通りの最初の形態で)一回に限り、第三者に対して永久譲渡をすることができます。この場合、以下の条件を全て満たさなければなりません。(i) Appleソフトウェアは、お客様のAppleのブランドが付されたハードウェアと共に譲渡されなければならないこと、(ii)当該譲渡は、全ての構成要素、印刷物および本契約書を含むAppleソフトウェアの全てを含んでいなければならないこと、(iii) お客様は、Appleソフトウェアの複製物を、その全部または一部を問わず、コンピュータまたは他の記憶装置上に保存されているものを含め保持してはならないこと、(iv) Appleソフトウェアの譲受人は、本契約書を読み、かつ本契約条件の受諾に同意すること。本契約において、AppleがAppleソフトウェアのアップデート(例 バージョン10.7から10.7.1)を提供した場合、アップデートはAppleソフトウェアの一部とみなされ、Appleソフトウェアのアップデート前のバージョンと分けて譲渡されることはありません。

B. お客様がAppleソフトウェアのライセンスをMac App StoreまたはAppleのブランドが付された物理メディアから取得された場合、Appleソフトウェアのライセンスは譲渡不能です。お客様がAppleのブランドが付されたハードウェアを第三者に売却する場合、売却前にAppleのブランドが付されたハードウェアからAppleソフトウェアを削除しなければなりませんが、お客様のシステムを、お客様のAppleハードウェアに当初搭載していたAppleオペレーティングシステムソフトウェアのバージョン(以下「オリジナルApple OS」といいます)に戻すことができ、お客様のAppleハードウェアと共にオリジナルAppleOSを永久譲渡することができます。この場合、以下の条件をすべて満たさなければなりません。(i) 当該譲渡は、すべての構成要素、印刷物および本契約書を含むオリジナルApple OSのすべてを含んでいなければならないこと、(ii) お客様は、オリジナルApple OSの複製物を、その全部または一部を問わず、コンピュータまたは他の記憶装置上に保存されているものを含め保持してはならないこと、(iii) オリジナルApple OSの譲受人は、オリジナルApple OSのライセンス契約を読み、かつ契約条件の受諾に同意すること。

<>

10.8 Mountain Lion

3) Transfer.

A. お客様が、AppleブランドのハードウェアにプレインストールされたAppleソフトウェアを取得された場合、Appleソフトウェアに対するすべてのライセンス権を、(Appleによって提供された元の形態で)1回に限り、第三者に対して永久譲渡することができます。この場合、以下の条件をすべて満たさなければなりません。(i) Appleソフトウェアが、Appleブランドのハードウェアとともに譲渡されること、(ii) 当該譲渡は、すべてのコンポーネント・パーツ、印刷物、および本契約を含むAppleソフトウェアのすべてを含んでいなければならないこと、(iii) お客様は、全部であるか一部であるかを問わず、コンピュータまたは他のストレージデバイスに保存されたコピーを含め、Appleソフトウェアのいかなるコピーも保持してはならないこと、および (iv) Appleソフトウェアの譲受人は、本契約条件を受諾すること。本契約において、AppleがAppleソフトウェアのアップデート(例 バージョン10.8から10.8.1)を提供する場合、当該アップデートは、Appleソフトウェアの一部とみなされ、Appleソフトウェアのアップデート前のバージョンと分けて譲渡されることはありません。

B. お客様がAppleソフトウェアのライセンスをMac App Storeから取得された場合、Appleソフトウェアのライセンスは譲渡することはできません。お客様がAppleブランドのハードウェアを第三者に販売する場合、販売を行う前に、AppleブランドのハードウェアからAppleソフトウェアを削除する必要があります。またお客様は、お客様のAppleハードウェアに当初より付属していたAppleオペレーティングシステムソフトウェアのバージョン(以下「オリジナルのApple OS」といいます)にお客様のシステムを復元し、お客様のAppleハードウェアとともにオリジナルのApple OSを永久譲渡することができます。この場合、以下の条件をすべて満たさなければなりません。(i) 当該譲渡は、すべてのコンポーネント・パーツ、印刷物、および本契約を含むオリジナルのApple OSのすべてを含んでいなければならないこと、(ii) お客様は、全部であるか一部であるかを問わず、コンピュータまたは他のストレージデバイスに保存されたコピーを含め、オリジナルのApple OSのいかなるコピーも保持してはならないこと、および(iii) オリジナルのApple OS譲受人は、オリジナルのApple OS契約の条件を読み、かつオリジナルのApple OS契約条件の受諾に同意すること。

コメントリンク13498 この記事について | Tweet リンク13498


Pages 4.3 対 BBEdit 10.5: Apple はこんなにユーザーへの配慮が不足

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

職人ならば誰でもそうであるように、私は自分の使うツールに深い思い入れがある。ツールがなければ、私は仕事をすることができない。でも大工や配管工と違って私の使うツールは始終変化するので、新バージョンのツールが出る度に一つ一つ評価しなければならないという、やむを得ない立場に立たされる。ただ残念なことに、それは不可能というものだ。私は仕事を完成させなければならないのであって、自分の使う重要なアプリケーションの新バージョンすべてに対して完璧なテストをするのは私の本来の仕事ではない。一方、アップグレードをせずに見送るのも短期的には一つの選択肢であるに違いないとしても、いつまでも延期したままにできるような性質のものではない。とりわけ、新しい機能やバグの修正が重要なものである場合はそうだ。

そういうわけで、問題にまみれた二つのアップデートの物語を、以下に記してみたいと思う。一つは Pages 4.3 が EPUB 書き出し機能を変更してしまった話、もう一つは BBEdit 10.5 で重要な Automator アクションが働かなくなった話だ。より端的に言えば、これは、Apple と Bare Bones Software という二つの会社が、顧客を扱うやり方でどれほど違っているかという話だ。

Pages 4.3 が私たちの時間を大量に浪費する -- それは、Kirk McElhearn の "Take Control of iTunes 11: The FAQ" を出版しようという時だった。私たちは現在 Take Control 電子ブックの執筆・編集・制作のすべてを Pages に依存している。Pages は多くのことをうまくこなしてくれるし、Pages の不適切な点や長年来のバグも私たちは何とか回避できているからだ。(2011 年 9 月 20 日の記事“Take Control は EPUB を Pages で作成”および 2012 年 1 月 18 日の記事“Word から Pages へ切り替える戦略”参照。)

Kirk の本の EPUB ファイルを書き出そうと Michael Cohen が作業を始めたとたん、彼は予想外の問題に見舞われた。私たちがインラインのグラフィックスとして埋め込んでいたさまざまのボタンが途方もなく大きくなり、いくつかは正しくない場所に来ていた。とりわけ iBooks で開いた場合に結果が悪かった。これはどう控え目に見ても予想外のことだった。今ではもう長年にわたって私たちは EPUB を Pages から書き出しているが、こんな変なことは今まで一度も起こらなかったからだ。

image

Michael と Tonya は当初、問題はそのファイルが壊れたことにあるのではないかと思い、数時間もかけていろいろ調べてみたが、さまざまなテストを重ねるにつれて、新規のファイルでさえも問題が起こることに気付いた。さらに数時間も作業を続けた結果、Michael は問題点の一部分を突き止めた。2012 年 12 月の半ばに出た Pages 4.3 が、EPUB コードの中でグラフィックスが処理されるやり方を変更しているのだ。従来、Pages は SPAN 要素を用いていたが、4.3 において、Apple は DIV に切り替えた上に、 display:inline-block;, vertical-align:baseline;, や widthなどといったものに直接 CSS スタイルを適用するようになっていたのだ。

その次の日、Tonya と私はその EPUB と BBEdit を手にじっくりと調べてみて、text factory でどういう風に grep を使えばこれらの DIV を元通り SPAN に変換できるかを見つけ出した。(BBEdit は EPUB を展開することなく編集できるけれども、一つの EPUB の中にあるすべてのファイルにわたって検索するためにはあらかじめ EPUB を展開しなければならない。)それほど難しいことではなかったが、その結果は必ずしもいつもうまく行くとは限らなかった。その時だった。Pages 4.3 が、ただ単に以前と異なる EPUB コードを書き出しているだけでなく、以前のバージョンと実際に異なるグラフィックスを書き出していることに、私が気付いたのは。

つまりこういうことだ。Pages は WYSIWYG のアプリであってちゃんとしたグラフィックスツールも備えているので、私たちはよくグラフィックスを読み込んだ後でそれをリサイズしてレイアウトの見栄えを整えることがある。従来のバージョンの Pages が EPUB を書き出す際には、その中のグラフィックスをリサイズした後のサイズで(私たちの期待通り!)含めていたが、Pages 4.3 はそうせずに、グラフィックスを読み込まれた時点でのサイズのままに書き出した上で、それを DIV のスタイルにおける width 属性を使ってリサイズしようと試みるのだ。あり得ることかどうか私にはよく分からないが、いずれにしても Pages 4.3 はこれを間違ったやり方で実行していて、その結果として私たちのインライングラフィックスが途方もないほど大きなサイズになっていた。(もちろん、私は Apple にバグ報告を送った。)もしもちゃんと働くのだとすれば、このやり方も本来悪いものではない。なぜなら、理論的には EPUB を読む環境における他の要素に基づいてグラフィックスのサイズが変わることもあり得るからだ。ただ、その不都合な面として、結果的に EPUB 自体がもの凄く大きなサイズになる。グラフィックスが大きくなったことで、3 MB だったものが 18 MB ほどになってしまう。

いずれにしても、私たちは困った状態に陥った。EPUB のコードをいじることはできても、トラブルに陥ったグラフィックスを特定し修正するための手軽な方法がなかったからだ。この時点で私たちは Pages 4.2 でならば問題が起こらないことを確認していたけれども、私たちが使えるすべての Mac のうちでそのバージョンがまだ残っていたのはただ一台、Tonya の MacBook Air のみだった。他に古い Mac 二台 (Tristan の MacBook と Michael の古い iMac) がまだ Pages 4.1 を走らせていたが、他の制作用マシンはすべて、リリースされた 2012 年 12 月の時点で Pages 4.3 にアップグレード済みだった。

「制作プロセスの重要な部分なのにどうしてそんなに不注意でいられたのか?」とおっしゃる方もおられるだろう。でもさきほど言った通り、すべてのアップグレードで毎回完璧なテストをするのは無理だ。とにかく、私たちは愚かにも Apple の Pages 4.3 (iWork 9.3 アップデートの一部として出た) のリリースノートに書いてあることを信じてしまったのだ。そこにはこれだけしか書いてなかった:

iWork Update 9.3 は iWork を iOS 用 iWork 1.7 に対応するようにアップデートします

行間を読んで他にも変更があったと推測することさえできなかった。なぜなら、書かれていたのはその一行のみだったからだ! 少なくともあと一行、次のような記述を追加すべきであると推察できる手掛かりもなかった:

EPUB 書き出しの際にグラフィックスを扱う方法を変更します

そんなことは書いてなかったので、私たちは皆アップグレードした。そして今、私たちは Pages 4.2 にダウングレードしたいと思っている(私たちにとって iOS 用 iWork 1.7 への対応など重要ではない)けれども、Time Machine からのリストアはうまく行かなかった。12 月上旬から戻して来た Pages 4.2 バージョンは、ファイルを保存することができず、私たちが何度試みてもその度にクラッシュした。

iWork '09 DVD から Pages を再インストールしてそれをバージョン 4.2 にアップグレードしようとしてみたが、それもうまく行かなかった。本来その方が望みがあったのだが、ただ Apple が、何が理由かは知らないがまるで助けにならない理由により、既に iWork 9.2 アップデートをサーバから削除していたので、Pages を 4.2 にアップグレードすることができなかった。(いったいなぜだ? 将来ユーザーがしたがるかもしれないことを、どうして阻もうとするのだ?)私はこのテクニックで iWork 9.1 アップデートから Pages 4.1 を手にすることはできたけれども、Time Machine からリストアしたバージョンの 4.2 と同じく、このやり方で手にした Pages 4.1 もまた、ファイルを保存する際に問題を起こした。

窮地に立たされた私は、極めて技術に精通した友人たちの個人的メーリングリストに投稿して助けを求めた。そしてついに、助言を得て解決を見ることができて大喜びした。その方法とは、Time Machine からただ Pages.app パッケージだけでなく、/Library/Application Support/iWork '09 フォルダもリストアする、というものだった。このフォルダには、いろいろな iWork アプリで共有されるフレームワークが多数含まれている。私はまた Keynote と Numbers も古いバージョンにリストアした。サポートファイルとのミスマッチがあれば問題が起こる可能性が高いと思ったからだ。

厳密に記録していたわけではないが、私の概算では Apple が黙って Pages 4.3 に施した変更のお陰で、私たちはマン・アワーにして 10 ないし 15 時間も費やす羽目になった。私たちは全員が時間計算で給料を得ているので、単純計算で $500 から $1,000 程度が無駄に費やされたことになる。すべてが、ただ以前の状態に戻るだけのために。そしてそのすべてが、Apple がこれほど大きな変更をリリースノートに載せる気にならなかったというだけの理由によるのだ。

そこに垣間見えるのは、Apple の側での顧客に対する配慮の深刻な欠如であり、それがプロフェッショナルたちの使うツールに関するものであることでとりわけ状況は悪くなる。例えば、iTunes 11 に膨大な変更を施し iTunes 10.7 へのダウングレードもできなくした(2012 年 12 月 4 日の記事“iTunes 11: Apple が削除した機能と、代替製品と”参照)時のように、Apple が平均的なユーザーたちに大きな頭痛の種を及ぼすのも既に十分悪いことだと言えるだろう。けれども、変更点を隠すという Apple の決定の結果として誰かの生計の手段が脅かされるのであれば、もっと顧客に配慮をする会社の作ったツールを探すべき時期がそろそろ来ているのかもしれない。

BBEdit 10.5 が Automator ワークフローを壊してから直す -- そう、そのような会社も存在する。Pages での私の体験の好対照として、最近出された BBEdit 10.5 も先週問題を起こしたという話をさせて頂きたい。その問題は、顧客に対する Bare Bones Software の透明性と配慮のお陰で、素早く解消されたのだった。

BBEdit には、一連の Automator アクションが付属する。その中で、私の目的に沿って最も興味深いのが Search and Replace アクションだ。これは grep に対応しているので、Automator で普通にできるレベルを遥かに超えた効率をもってファイル名に含まれるテキストを処理できる。完成した Take Control 電子ブックを配布するために私は複雑な Automator ワークフローをいくつか作って使っているのだが、"Take Control of iTunes 11: The FAQ" で走らせたところ、ワークフローがうまく働かずファイルが正しく改名されないのに気付いた。ワークフローの各ステップをチェックしてみたところ、BBEdit の Search and Replace アクションに問題があることが分かったので、すぐに私は Google で "BBEdit 10.5 search and replace automator action" を検索してみた。

二番目の検索結果が、BBEdit 10.5.2 のプレリリース版に対するリリースノートで、次のバグが修正されたとのことだった:

[257587] アクションのオプションで "Use Grep" がオンになっている場合に "Search and Replace" Automator アクションが誤動作を起こすバグを修正した。

素晴らしい! Bare Bones は最新のプレリリース版の BBEdit 10.5.2 を同社の BBEdit Talk メーリングリストから入手できるようにしてくれていたので、それをダウンロードしてインストールしてみると、たった 20 分で私は仕事に戻ることができた。もちろん、この修正を見つけ出すための 20 分さえ費やさなかった方が良かったには違いないけれども、バグは起こり得るものであり、一番重要なのは開発者が問題点を認めてそれに対処してくれるかどうかという点にある。端的に言えば、変更点に関して透明性を保ち、プレリリース版のビルドもオープンに提供することによって、Bare Bones は私が BBEdit で仕事をやり遂げるための援助を真剣に考えているという印象を私に与えてくれた。

Bare Bones が小さな会社で数万あるいはおそらく数十万という程度の数のユーザーしか持たず、一方 Apple ははるかに膨大な数のユーザーを持つ国際的巨大企業だから違いが生じるのだと言うことは容易だろう。けれども私はその立場に同感することはできない。1,370 億ドルもの資金を懐に持つ Apple のような会社だからといって、きちんとしたシステムを作り顧客の力になるために行動することを免れることはできない。もしも Apple が Pages 4.3 についてきちんとしたリリースノートを作ってさえいれば今回の状況は完全に避けられたのだし、もしも Apple が正当な理由によるダウングレードがあり得ることを認め旧バージョンを説明書とともに提供していさえすれば問題からの回復はずっと簡単であったはずだ。

この種の挙動は、Apple では何も目新しいことではない。けれども、プロフェッショナルなユーザーでさえ技術的詳細情報にアクセスできる必要はないと言い張る同社の主張は、ものごとが正しく動作しなくなったとたんに完全に破綻する。そして、Apple のソフトウェアは、iOS 6 から Pages 4.3 まで、近年ますますつまずく事例が多くなってきている。ハードウェアは素晴らしいのに、ソフトウェアはだんだん杜撰になって行く。Apple が自社の製品の問題を認めたがらないのは昔からだ。それはマーケティングの観点では結構なことだけれども、サポートのレベルでは全く容認できない。だからこそ、iOS 6 の Maps の問題について Tim Cook が公に謝罪したことがあれほど注目を浴びたのだ。けれどもあれは、マーケティングであった。でも、Apple のサポートページに公開されるリリースノートについてはどうか? リリースノートを読むのは、そのソフトウェアの変更点に関心がある人たちだけだ。これはサポート書類であって、マーケティング書類ではない。その中でバグを認めるのを怠ったり、根本的なところの変更を明かさずにいたりするのは、Apple 製品に依存する私たちにも、また私たちの仕事に対しても、Apple には配慮する気がないということを示している。

私は何も、Mac から他に移ろうとか、短期的に Pages を止めようとか、そういった大袈裟な声明をしようというのではない。私の目標は自分の仕事を仕上げることであって、それは私が持っていて熟知しているツールにより最もうまく達成される。でも、今の私にはチャーリー・ブラウンがフットボールをする時の気持ちが分かる。ルーシーの役を演じるのが Apple だ。だから、新たなソフトウェアツールを探すのなら、これからの私はボールを私から取り上げることにしか興味のない会社とは違う会社の製品を探そうと思う。

コメントリンク13519 この記事について | Tweet リンク13519


TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2013 年 1 月 28 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Things 2.1.1 -- Cultured Code が Things 2.1.1 をリリースし、この Mac 用タスク管理アプリに iOS の Reminders アプリの要素をいくつか取り込んだ。具体的には、今回のアップデートで場所指定の To-Do 項目に矢印が表示されるようになり、Import All (すべてを読み込む) ボタンも追加された。Things 2.1.1 ではまた (u, c, n などに) アクセントの付いた文字に対するファジー検索結果も加わり、繰り返すプロジェクトが Scheduled 見出しの下でグループ化されない問題を修正し、Reminders や Siri との間の問題でメモリの過剰使用が起こっていたのを修正し、アクティブなプロジェクトのリストをサイドバーで展開したり折り畳んだりするとクラッシュしたバグを解消し、inbox の to-do が完了したとマークした際に inbox のバッジがアップデートされるようにし、加えてドイツ語、フランス語、日本語とロシア語のローカライズ版を改良している。通常価格は $49.99 だが、Cultured Code では 2013 年 1 月 31 日までの限定で Things を半額 ($24.99) で、同社のウェブサイトと Mac App Store の双方で販売中だ。(新規購入 $49.99、無料アップデート、15 MB、リリースノート)

Things 2.1.1 へのコメントリンク:

Evernote 5.0.5 -- バージョン 5.0.5 にアップデートされた Evernote for Mac は複数の Mac の間でショートカットを同期できるようになった。(他のプラットフォームについては将来のアップデートで対応予定。)この情報管理サービス用ソフトウェアのその他の新機能としては、検索対象を限定して共有ノートを除外するなどできるようになり、AppleScript を利用して ENML マークアップ言語でチェックボックスが作成可能になり、Command-クリックによりサイドバーの中で複数のタグが選択できるようになった。今回のアップデートではまた大きなアカウントで同期のパフォーマンスが改善し、PDF の印刷の信頼性が向上し、韓国語の画像索引付けを改善し、Mac OS X 10.6 Snow Leopard の下でサイドバーの見栄えに問題があったのを修正し、AppleScript によるタグの処理を改善している。(Mac App Store から無料、29.1 MB)

Evernote 5.0.5 へのコメントリンク:

Fantastical 1.3.6 -- Flexibits が Fantastical 1.3.6 をリリースし、イベントのテキストをタイプしつつ普通の言葉のままでカレンダー項目を指定できるようにした。(従来はカレンダー項目を指定するためにテキストの前後をスラッシュ文字で挟まなければならなかった。)つまり、イベント文字列の中に "calendar [カレンダー名]" とタイプする。(例えば "record Watchlist podcast calendar TidBITS" のようにする。)今回のアップデートではまた Microsoft Outlook ユーザーによるイベントのアップデートが高速化し、アクティブ検索の最中に詳細ウィンドウが消えてしまわないようにし、年の二桁の入力で自動補完される(13 が 2013 になる)ようにした。(新規購入 $19.99、Flexibits からもMac App Store からも無料アップデート、11.2 MB、リリースノート)

Fantastical 1.3.6 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2013 年 1 月 28 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週は皆さんに味わって頂きたいニュースが二つある。科学者たちが DNA の中にデータをエンコードする技術を開発し(ただし決して安くない!)独立のデザイナーが将来の Mac Pro はこういう感じのものかもしれない(おそらく実際には違うだろうが)という模型を作った。

不経済なる素晴らしさ: シェイクスピアのソネットが DNA の中にメガバイトあたり $12,400 でエンコード可能 -- European Bioinformatics Institute の二人の科学者 Ewan Birney と Nick Goldman が、テキスト、オーディオ、その他のデータを DNA の中に書き込んで保存するシステムを開発した。二人は Aligent Technologies 社と協力して、シェイクスピアのソネットすべてと、Martin Luther King Jr. の演説のオーディオクリップ、および一枚の写真を合成 DNA のサンプルの中にエンコードした。Aligent 社は DNA 合成の作業を無料で行なったが、この DNA 合成のコストを概算すればメガバイトあたりおよそ $12,400 になるという。幸いにも、DNA 合成の価格は下落中であって、概算によれば 500 億メガバイトのテキスト(これは人類が過去に書いたすべての合計量に相当するという)を「一本のグラノラバー」と同程度の大きさのサンプルにエンコードできるという。これで、あなたのデータを複製するためのアイデアが、全く新たな局面を迎えたと言えるだろう。

コメントリンク: 13516

I独立のデザイナーが未来の Mac Pro を心に描く -- 3D デザイナーでありイラストレーターでもある Peter Zigich が、数々の見事なデザイン模型を公開して、将来の Mac Pro は、今よりも遥かに効率の良い CPU を使うとすれば、こんな見栄えになるのではないかというアイデアを呈示した。当然ながら、今年中には Apple がリフレッシュする予定という Mac Pro と、Peter のデザインとは似ても似つかない可能性が非常に高いが、それでも彼のデザインがどれほどうまく行くかと考えを巡らすだけでも楽しいではないか。

コメントリンク: 13514


tb_badge_trans-jp2

TidBITS は、タイムリーなニュース、洞察溢れる解説、奥の深いレビューを Macintosh とインターネット共同体にお届けする無料の週刊ニュースレターです。ご友人には自由にご転送ください。できれば購読をお薦めください。
非営利、非商用の出版物、Web サイトは、フルクレジットを明記すれば記事を転載または記事へのリンクができます。それ以外の場合はお問い合わせ下さい。記事が正確であることの保証はありません。
告示:書名、製品名および会社名は、それぞれ該当する権利者の登録商標または権利です。

TidBITS ISSN 1090-7017©Copyright 2013 TidBITS: 再使用はCreative Commons ライセンスによります。

Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2013年 2月 1日 金曜日, S. HOSOKAWA