TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#11172/29-Apr-2013

Apple の今年の Worldwide Developer Conference に出席するつもりだったのにという方がおられないことを願いたい。たった 2 分間で 5,000 席すべてが売り切れてしまったからだ! その他の Apple 関係ニュースとしては、同社が第2四半期の業績を発表し、売上高は前年より多かったけれども純利益は前年を下回った。Michael Cohen と Adam Engst がこれを詳しく検討するとともに、Glenn Fleishman がテクノロジー業界全体を綿密に見直しつつ将来も家庭に残り続けるのはどのメーカーの名前かと考える。さらに別の話題では Glenn が人気の「あとで読む」サービス Instapaper がベンチャー投資会社 Betaworks に引き継がれるというニュースを伝え、Agen Schmitz は最近の Safari で Apple が Java に対する攻撃から Mac ユーザーを保護する方策を施したことについて詳しく伝える。さて私たちのニュースに目を向ければ、最新刊の電子ブック、Joe Kissell の "Take Control of Dropbox" のお知らせをするとともに、その制作のために私たちが Leanpub と呼ばれる新しい出版サービスを使っていることを Adam が物語る。今週注目すべきソフトウェアリリースは PDFpen と PDFpenPro 6.0.2、CloudPull 2.4.1、DEVONagent Lite, Express, および Pro 3.5、それに Typinator 5.5 だ。

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WWDC 2013 の期日発表され、チケットは 2 分間で売り切れ

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

ようやく、Apple は 2013 Worldwide Developers Conference を 6月10日から 14日迄 San Francisco の Moscone West カンファレンスセンターで開催すると発表した。Mac 及び iOS 開発者達は Apple 技術者から学ぶ - そして直接質問をぶっつける - この年一回の機会を楽しみにしている。期待値は高く、WWDCBlast サービスの様なサイトが何時チケットが売り出されるかを人々に通知するべく設定されたりもした ("WWDC レジストレーション開始の通知を受ける" 9 April 2013 参照)。

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$1,599 のチケットが開催日発表と同時に売り出された昨年とは違って、Apple は発表の一日後にチケットを売り出した。それは Thursday, 25 April 2013 の 10 AM Pacific 時間に設定され、全ての開発者にチケットを購入する際 Reload ボタンを繰り返しクリックできるという注意を出した。

しかしながら、最速のクリッカーですら買えなかったかもしれない。今年の分は最初の 2 分間で売り切れてしまった。これは昨年よりも一ケタ小さい数字で、昨年は売り切れるまでまる 2 時間かかった (その前の年は売り切れる迄 10 時間を要した)。

開発者の中には、Apple は購入手続きが正しく処理されなかった少数の人達にやり直しの機会を与えていると報告している人達もいる。それ程運に恵まれなかった人達に対しての一点の明りは、Apple は今年もカンファレンス中にセッションのビデオを提供する 事であろう。しかしながら、セッションはライブでストリームされる訳ではなく、また Apple はセッションビデオが入手可となるまでどのぐらいかかるかについてもまだ明らかにしていない。ただ Apple は地域イベントを提供することを示唆している;Apple の開発者サイトには 次の様な掲示がある、"我々は今年の秋には Tech Talks を携えて、皆さんの近くの市までお邪魔する。"

多くの開発者達は - Daniel JalkutJohn Siracusa もその一部 - チケットに対する需要が供給をこれ程大幅に上回るのであれば、Apple は WWDC を再考する必要があることを指摘している。

チケットを手に出来なかった人達が参加出来るように新たなカンファレンスを計画している人達もいる。 AltWWDC は WWDC と同じ期間中に全ての人に無料で公開の代替選択肢を提供する。場所は Moscone Center からは一ブロックしか離れていない San Francisco State University のキャンパスである。スケジュールはまだ作成中だが、スピーカーには Apple のテックコミュニティでは 良く知られた名前 が数多く含まれている。

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"Take Control of Dropbox" を使って Dropbox を学び教えよう

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私たちは以前からファイル共有サービス Dropbox の大ファンで、著者たちや編集者たちとの共同作業で Take Control の原稿を扱うために毎日使っている。Dropbox は高速で信頼でき、基本的なタスクは簡単に使える一方、Dropbox とともに何年も過ごしてきた私たちは細部に宿る大切なこともたくさん見出してきた。そこで、私たちの専門知識を皆さんにもお分けするためのものとして、Joe Kissell の最新刊の電子ブック、$10 の "Take Control of Dropbox" を出すことにした。

あなたが既に何百万人もの人々と同じように Dropbox でファイルを同期したり共有したりしているにせよ、あるいは早くそういう人たちの仲間入りをしたいと思っているにせよ、あなたが基本レベルを超えるために必要となる現実的なアドバイスを Joe が提供する。あなたが一人で、あるいは何人かのグループで、Dropbox を効果的かつセキュアに使いこなすための最良の実践方法や、よくある誤りや元に戻せない設定などに陥らないための心得、いろいろのモバイルデバイスや Dropbox 対応アプリを使う際に覚えておくべきことなどが語られ、さらには普通でないやり方で Dropbox を使った実例まで明かされる。

例えば、Mac をコントロールしたり、ブログを出版したり、ウェブの動作を自動化したり、他のクラウドサービスと同期したり、さらにはこの本そのものを出版するためにさえ Dropbox を使うことができるのを(2013 年 4 月 26 日の記事“Leanpub を使えば本の出版はボタン一押し”参照)ご存じだろうか?

そういうことを全部ご存じの方もおられるかもしれない。でも、Dropbox が最も輝きを見せるのは友人たちや同僚たちとファイルをやり取りするために使う時なので、今回この本では新しい試みをすることにした。"Teach This Book" という短い章を作って、あなたと共同作業をする人たちが Dropbox を効率的に使いこなせるよう手助けできる資料をダウンロードするためのリンクをいくつか含めておいた。私たちの目標は人々がテクノロジーを使いこなすのを手助けすることであって、その目標のためには時として他の人たちをあなたが助けるための手段を提供すれば有効なこともある。そうすることで、あなたの手間が省けるかもしれない!

まず第一に、1 ページのみの PDF 資料がある。ここには本の中で解説された Dropbox に関する情報の要点だけを抜き出してあり、共有フォルダに招待して Dropbox を使ってもらいたいと思う人にあなたがこの資料を送れるようにしてある。また、Dropbox を扱う教室で印刷して配るのにも最適だろう。さらに、第二の資料は 18 枚のスライドから成る PDF プレゼンテーションで、この本の見せ場を示してある。Mac からこれをプレゼンテーションするには、まず Preview で開いてから、View > Slideshow か View > Enter Full Screen を選び、その後は矢印キーを使ってスライドからスライドへとナビゲーションする。iPad や iPhone からプレゼンテーションしてもよい。とりわけ AirPlay 経由で Apple TV に映せば素晴らしいだろう。

(もしもあなたがコンサルタントかトレーナーで、Keynote や PowerPoint のフォーマットで汎用のプレゼンテーションを購入し、それを自分で編集したり、あなたのロゴを付けたり、この本を教室用割引価格で購入して一緒に教室で使ったりしたい場合は、私たちに直接連絡して 価格の相談をして頂きたい。さらに究極のオプションとして、あなたが Joe を雇って完璧にカスタマイズされたプレゼンテーションをさせることもできる。ライブの講演もオンラインビデオによる講演も可能だ。)

"Take Control of Dropbox" に載っているその他の有用なアドバイスとしては次のようなことの説明がある:

Joe 本人による短い紹介ビデオもあるのでぜひご覧あれ!

最後にあと二点だけ、Take Control の舞台裏を皆さんに知ってもらいたいという思いから付け加えさせて頂きたい。第一に、"Take Control of Dropbox" にエレガントな新しい表紙デザインとロゴが付いたことはすぐお気付きになるだろう。いずれも私たちのために特別に作られたもので、本の内部にもこの新しいデザインが反映されている。これから出される本にも、さまざまのカラーでこのデザインの表紙が付くことになる。

第二に、Kindle で読みたいと思われる方のために、この本を購入後直ちにその Mobipocket 版も Take Control ライブラリからダウンロードできるようにしてある。これが実現したのは Leanpub 出版システムのお陰だ。Mobipocket 版は Kindle Fire や Paperwhite の上ならば見栄えが素晴らしく、古くて機能の少ない Kindle 機種でも何の問題もなく読める。今回の新しい出版システムと、私たちの既存の出版方法のために開発した新しいテクニックとのお陰で、これからは Mobipocket 版も他のフォーマットと同時に皆さんにお届けできるようになると思う。

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Apple Q2 2013 業績、増収減益となる

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst, Michael E. Cohen: mcohen@tidbits.com, @lymond
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple CEO Tim Cook と CFO Peter Oppenheimer の両者の止むことのない応援ばかりが目立つ業績電話会合で、Apple は 2013 年度第二四半期に対し予想に沿う利益を報告した。売上は最高を記録する $43.6 billion で - 前年同期の $39. 2 billion から $4.4 billion の増収 - 純利益は $9.5 billion (希薄化後一株当り $10.09) であった。同社の利益は 2012 年第二四半期に比して $2.1 billion の減益となった。更に目に付くのは Apple の粗利率で、これは 10% 以上落ちて 37% となった。また、Apple は次の四半期の粗利率を 36% から 37% の間であると予測していて、Apple に対するアナリストの期待値よりも少なくとも 1% は低くなっている。

売上は、好調な iPhone と iPad の販売に支えられ、37.4 百万台の iPhone が売られ、前年の Q2 から 2.3 百万台の増加、そして iPad の方は 19.5 百万台で 7.7 百万台の増加となっている。これらの数字は極めて良いが、Apple の他のハードウェアラインに対するニュースはそれ程バラ色ではなかった。Mac の販売は 4 百万台をやや下回る数字で、前年同期の 4 百万台ちょうどからほんの少し下落した。Cook は、この下落は現在の PC 市場の落ち込み状態を反映したものだとしたが、Apple の Mac 製品群に対する取り組みは今後も変わらないことを強調した。驚くには値しないことだが、iPod の販売は更に落ちていて、5.6 百万台の iPod が売られ、前年同期に比べ 2.1 百万台の下落となった。これまでと同様、iPod touch が全 iPod の半分以上を占めた。販売数は落ちたが、iPod は MP3 プレーヤーの 70% 以上を占めているとはしたが、残りの 30% はどの機器が占めているのかの質問には取り合わなかった。

Cook は Apple の成長率は落ちて来ておりそして粗利率も下がっていることを認め、そして Apple の株価の下落については "我々皆がもどかしい思いをしている" と語った。これが期待値の下落に直面しながら会合の過剰なまでに明るい調子を説明しているのかもしれない。この会合全てが Apple の株式を売らんとする試みの様な感じであった - 値段の二倍の価値はあるよ! - "製品の" 最新の機能として自社株買いの増強とより高額の配当を挙げて。

応援の中に散りばめられた興味深い数字の一部:

粗利率の下落は一部には 2012 年の異常に高い粗利率によるものだが、他にも iPad mini の様な粗利率の低い製品の販売がこの四半期で増えたこと、そして流通チャネルに 4-6 週間の在庫を蓄えておきたいという Apple の意図も寄与している。各種の財務状況や調整もまたこの低い粗利率に影響しており、これは次の四半期にも継続される。

Cook は、いつものことだが、将来の製品については言おうとしなかった:彼の発言からは新しい製品が次の第三四半期から 2014 年にかけて現れるであろうことは窺えたが、現製品の改訂版は、例えば噂されている新 iPad や iPhone の様な、今年の後半にずれ込むかも知れないことには言及しないよう気をつけていた。彼自身 "新しい [製品] カテゴリ" にはワクワクしていることには言及したが、この様な新しいカテゴリが何時現れるかについてそれ以上踏み込むことはしなかった。ただ、もう一度やり直す機会があるとすれば、October 2012 に iMac 更新を発表することはしなかったであろうし、量産準備が完了した January 2013 まで待ったであろうことは認めた。

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Betaworks が Instapaper を引き継ぐ

  文: Glenn Fleishman: glenn@tidbits.com, @glennf
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

五年続いた Instapaper サービスは、あなたがあとで読みたいと思うウェブ記事を保存しておいてくれるというものだが、今回これが Betaworks に買収された。Instapaper のオーナーであり開発者でもある Marco Arment はブログ記事の中で 、投資会社であり Digg や bitly などを保有する起業支援事業者でもある Betaworks にこの製品の過半数持分を売却したと述べた。

Arment が Instapaper を開発したのは、ブログホスティング会社 Tumblr で働いていた彼自身が使いたかったからであった。その後、彼は Instapaper を友人たちや同僚たちに開放した。2008 年 1 月に、彼は Instapaper を誰でも使えるものとし、大きな反響に圧倒された。その後彼は Tumblr を退職し、フルタイムのビジネスとして Instapaper に専念した。Instapaper にはいくつかの競合相手がいる。主だったものは Pocket (以前の名前は Read It Later) と Pocket (formerly Read It Later) and Readability だ。

Instapaper はまさに素晴らしき接点の上に現われた。当時は iPhone が登場してから一年が経ち、セルラーデータネットワークはかなり広がっていたけれどもまだ電波の到達範囲に(特に公共交通機関の中で)むらが多かった上に、長文式のジャーナリズムが増えつつあるところだった。当時のウェブサイトの多くはまだメインページがモバイルデバイスで読めるよう最適化されておらず、モバイル版の開発もまだまだだったので、やむなく iPhone ユーザーたちはバンド幅を大量に食うページをダウンロードせざるを得ず、しかもそのページは小さなスクリーンでは読みにくいことが多かった。

Instapaper は当初ウェブアプリとしてスタートし、iOS 版と Android 版がそれに続いて、この製品の収益の大部分を生み出すようになった。Instapaper アプリをどれでも一つ購入すれば、あとは追加料金を一切支払うことなくこのサービスの全機能にアクセスできる。Instapaper はまたサードパーティのアプリがサービスを利用できるようにもしているが、その場合それらのアプリのユーザーは通常は任意となっている月額 $1 の Instapaper ウェブサイト購読料金を支払わなければ利用できない。この購読料金を支払えばいくつか追加の機能も提供される。例えば検索機能や、広告の削除などだ。)

Betaworks ベンチャー投資会社で、Kickstarter、Pinterest、Twitter など、驚くほど幅広い種類の興味深い会社に投資している。また、それら投資先の会社が十分な規模に成長するまで利用できるように、オフィスの中に起業のためのリソースも用意している。それらの会社のいくつか、例えば bitly、Tumblr、UserVoice などについては、公表はされていないがかなりの部分を Betaworks が所有しているという。Betaworks が Digg を買収したのはよりニュース指向の強いサイトに再構築するためであったが、その点は Instapaper の諸機能とぴったり適合する。Betaworks CEO の John Borthwick は TechCrunch の最新のインタビューで、今回の契約がどのように実現したかを詳しく語っている

(開示条項: 私は Marco Arment のために The Magazine という彼の別プロジェクトの編集主幹として働いているが、私と Instapaper の間に利害関係は一切無かったし、今回の契約について私が事前に知っていたということも一切無かった。)

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Safari アップデートで更なる Java 保護を加える

  文: Agen G. N. Schmitz: agen@tidbits.com
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Java セキュリティの弱点に対する Mac OS X の守りを固めるべく、Apple は最近複数の脆弱性を閉じるために Safari と新しいバージョンの Java SE 6 に対するアップデートを公開した。Safari 及び Java アップデートにはそれぞれに二つのバージョンがある:一つは Mac OS X 10.6 Snow Leopard 用であり、もう一つは 10.7 Lion と 10.8 Mountain Lion 用である。

どちらのバージョンの Safari (Snow Leopard 用の Safari 5.1.9 そして Lion 用の Safari 6.0.4 とそれ以降) もサイト毎に Java プラグインを走らせるための新しい仕組みを導入している。Web サイト上で Java アプレットに遭遇すると、そのアプレットを走らせるか或いは阻止するかを問われる。Block ボタンをクリックすると、その Java プラグインはその特定の Web サイトで走るのは阻止される。この挙動は Safari の設定の中にある新しいサイト毎の Java 管理設定で切り替えられる。

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Safari > Preferences を選定し Security をクリックし、それから Allow Java オプションの隣にある Manage Website Settings ボタンをクリックする。新しいペインが現れ、Java プラグインに遭遇したことがある Web サイトがリストされる (Web サイトを手動で追加することは出来ない)。そのサイトに対する 4 つのレベルの Java アクセスを選択するためのポップアップメニューをクリックする:Ask Before Using, Block Always, Allow, そして Allow Always である。

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Block Always と Allow Always オプションはまあまあ分かり易い挙動で、前歴があると毎回その Java プラグインは停止され (もっともその Web サイトの残りでは表示される)、そして常に後からのもので開始される。しかしながら、Apple はAllow Always オプションは完全に信頼されたサイト、会社のイントラネットの様な、に対してのみ使用されるべきであると警告している (そして我々 TidBITS としても賛成の一票を投じる)。

Ask Before Using オプションを選ぶと、Java プラグインに遭遇する度にそれを許すか阻止するかを聞いてくるという元々の挙動に戻る。しかしながら、気を付けたいのは、訊ねられた時に Java プラグインを走らせないように阻止すると選択すると、その Web サイトは Safari 設定では Block Always として記憶されることである - 一回限りの訪問だけプラグインを阻止する方法は全くない (勿論 Safari の設定に戻ってそれを許可にすることは何時でも可能である)。

もし Allow を選択すると、その Java プラグインは、あなたのインストール済みのバージョンの Java で重大なセキュリティ問題が問題になっていない限りあなたを煩わすことなく走る。もしアップデートが出ていると、そのバージョンをダウンロードするよう促してくる。

Java オプションに加えて、Safari 6.0.4 では March 2013 の Pwn2Own ハッキング競争で公開された WebKit に関与するゼロ日脆弱性も修正している。このアップデートに対する Apple のセキュリティノートによると、このアップデートでは、お決まりの "予想外のアプリケーション終了又は任意のコード実行" になってしまう SVG ファイルでの穴も塞いでいる。

Java 側では、OS X 2013-003 (63.92 MB) 及び Java for Mac OS X 10.6 Update 15 (63.39 MB) の両方が Java SE 6 をバージョン 1.6.0_45 にアップデートする。これは以前のバージョンの Java (バージョン 1.6.0_43) で見られた数多くの脆弱性を解消している。このアップデートは最新バージョンの Java SE 7 になされた変更も反映されている。 Java SE 7 は Oracle Web サイトからのみ入手可である。その理由は Apple はバージョン 7 での独自のバージョンのリリースを止めたからである ( 1.7.0_21 に対しするリリースノート参照)。

これらアップデートの全てが App Store アプリ (Lion 及び Mountain Lion) 又は Software Update (Snow Leopard) 経由で、そして直接ダウンロードとして入手可である。例外は Safari 6.0.4 で、こちらは Mac App Store からダウンロードされなければならない。Java アップデートに対しては、Apple はインストール前に全ての Web ブラウザ及び Java アプリケーションを閉じるよう知らせてくる。

前回の Java アップデートの時にも記したように、如何なる重要なアプリケーションでも Java に依存していないのであれば、あなたのシステムから Java を完全に取り除いていしまういい機会かもしれない。Java を未だに使っているメジャーなアプリには、CrashPlan, Adobe Creative Suite, Minecraft, そして OpenOffice が含まれる。あなたの Mac からこのますます問題が表面化してきている技術を取り除くやり方について学びたいのであれば、Java を不能化することに関する Rich Mogull の Macworld 記事 を見て欲しい。この記事ではまた Safari, Chrome, そして Firefox ブラウザでの使用を隔離するやり方も解説している。

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Leanpub を使えば本の出版はボタン一押し

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

本の出版という仕事は、かつては大きな労働力を必要とし、単調な繰り返し作業の多い職業であった。けれども Leanpub と呼ばれる新しいシステムのお陰で、そんな苦しい仕事は今や過去のものとなったのかもしれない。私たちも、出版したばかりの新刊本 "Take Control of Dropbox" でこれを使ってみた。この Leanpub はさまざまの重要なツールに依存して働く。Markdown 言語、Dropbox、LaTeX、CSS、それからウェブベースのインターフェイスだ。これらを組み合わせることによって、手早く効率的に本を出版できるワークフローを実現する。

私が初めて本を出版した頃は、最終的な Word ファイルとスクリーンショットを CD-R に収め、プリントアウトしたものも添えて FedEx の宅配便で出版社に送っていた。ファイルは PageMaker でレイアウトされ、私たちはゲラ刷りをしげしげと見つめてレイアウトの段階で発生してしまった誤りを取り除こうと努めたものだ。でも、少なくとも私たちの作業は大部分デジタルであった。ある友人が最近語ってくれたところによれば、彼が初めて出版した本はまずアイルランドで初めから打ち直されなければ(その出来映えも酷かった)当時の出版システムに乗りさえしなかったという。

でも、皆さんはご存じだろうか? たった一冊の本なら、それほど大したことではない。出版社がそんな非効率なやり方で切り抜けられたのは、労働力が安価で、他の方法ではうまく行かなかったからだった。実際、Apple の iBooks Author ソフトウェアも、さまざまの最先端の機能を備えているとはいえ、その根幹は同じ伝統の上にある。そこには、変更追跡機能もコメント付け機能もなくて、プロフェッショナルな著者と編集者のワークフローに欠くことのできないものが抜け落ちている。

今から十年近く前に私たちが Take Control 電子ブックシリーズを始めた際に、私たちはそのように大きな労働力を必要とするやり方を実行する余裕などないことを認識していた。そこで、著者たちには最終的なレイアウトの中に直接執筆してもらうようにした。Microsoft Word や Pages などのプログラムで詳細なスタイルシートを利用するとともに、それらのプログラムに内蔵された変更追跡や、編集段階でのコメント付けの機能を使った。Dropbox が登場すると私たちは早速採用した。これを使えば、その本のさまざまのバージョンを著者と編集者と出版者の間で手軽にやり取りできるからだ。可能な限り、私たちはタイムゾーンの違いさえ利用して、同じ原稿の上で異なった人たちが作業する際の無駄な時間を無くすように努めた。

しかしながら、私たちにとっての弱点はいつも制作段階にあった。つまり、最終的な本を最も一般的ないくつかのフォーマットの形で作り上げる段階だ。私たちは多大な労力を投じて PDF にブックマークやリンクを埋め込んでいる。以前 Word を使っていた頃には、リンクとブックマークを生成させるためにわざわざ Windows 版の Word に寄り道させるという奇妙なシステムを無理矢理作っていたこともあった。確かに Pages は PDF リンクを作成できるけれども、そのやり方は長らく壊れていた(一つのリンクごとに二つずつ PDF リンクが作られてしまっていた)し、ブックマークの方は全く作成できない。そこで仕方なく私たちは Adobe Acrobat Pro 用の Debenu PDF Aerialist プラグインに頼る羽目になった。

Pages が出力する EPUB は一見上出来に _見える_けれども、実は CSS スタイルに関しては非常にまずい形で構築されていて、私たちはその EPUB を修正するために、いとも脆弱なる BBEdit text factory を経由した複雑な制作手順を踏まなければならなかった。けれども最悪なのは Kindle 用の Mobipocket 版の制作だった。つい最近の本までは、そのために私たちの出版パートナーたる O'Reilly Media に依頼して Mobipocket 版を作成してもらっていた。正しく作成するのがあまりにも困難だったからだ。幸いにも、Macworld にいる私たちの友人 Serenity Caldwell が教えてくれたヒントのお陰で、先週マイナーアップデートを出した "Take Control of Using Mountain Lion" については自分たちの手で高品質の Mobipocket 版を作り出すやり方を見つけることができたけれども、その手順も非常に面倒で複雑なものであった。

こうして、本質的に、本を作るには二つの別々の段階がある。執筆・編集の段階と、制作の段階だ。第一の段階では、変更追跡とコメント付け機能を備えたパワフルなオーサリング環境が必須で、著者と編集者の間で原稿を手早くシームレスに受け渡しできるようになっていなければならない。けれども第二の段階では、原稿を取り込んでボタンを押すだけで素敵にフォーマットされた電子ブックを PDF、EPUB、Mobipocket の三つの版の形でパッと吐き出してくれる、しかもすべての版にクリック可能なリンクが組み込まれ、さらに PDF 版にはブックマークも完備している、そんなシステムが至高の聖杯となる。

時々私はそのようなシステムを求めてインターネットを探し回っている。有望だと思えるものもいくつか見つけた。例えば BooktypePressBooksAtavistといったものだ。けれども深く検討する度に、何かしら問題に行き当たった。第一段階での問題としては、本物のワードプロセッサには及ばないオンライン編集環境であったり、変更追跡機能でなく事後の比較機能しかなかったり、選択したテキストに対してコメント付けができなかったり、ということがあった。第二段階のトラブルとしては、それぞれのフォーマットで望み通りのスタイルを出力に実現するのが不可能だったり困難だったりした。デフォルトのスタイルもそれほど酷いものではなかったが、必ずしも私たちの考える基準に達していないことがよくあった。

ある日また探していると、Leanpub というものを見つけた。一から新しいプラットフォームを構築するのでなく、表面上はさまざまな既存のツールを利用しているように見えて、私は興味をそそられた。出版プロセスの第一段階、執筆と編集の段階では、Leanpub はストレートなテキストファイルに Markdown 言語でコード付けしたものを使う。たまたま私たちは TidBITS でまさにこれを使っていたので十分以上に馴染みがあった。(正確に言えば、Leanpub は Markdown を含む kramdown を使っている。Markdown だけでは本の制作に必要なすべての要素を表現し切れないからだ。)これらのファイルはすべて Dropbox フォルダの中に置かれるが、いずれにしても私たちは既に Dropbox を使っている。そして、Leanpub ウェブサイトでボタンを一つクリックすれば、その Markdown ファイルが PDF、EPUB、Mobipocket の各形式の電子ブックへと変換される。

Markdown で執筆するのは易しいかもしれないが、TidBITS については私たちは Subversion バージョンコントロールシステムと BBEdit のテキスト比較機能とを用いて変更追跡をシミュレーションしている。また、コメントはテキストの中に直接 HTML コメントスタイルで挿入している。けれどもこれらの方法はいずれも、本一冊分の長さの原稿に相応しいやり方とは言えない。確かに DropboxDiff Chrome 拡張を使えば Dropbox で管理されたテキストファイルの異なるバージョンを比較する方法は(面倒だが)あるけれども、ファイルの比較による方法は変更追跡よりはるかに使いにくく混乱も生みやすいし、テキスト内部にコメントを埋め込めば原稿そのものが取り散らかってしまう。(その上、そういうコメントを削除しても比較がさらに悪影響を受ける。)

そこで私は妙案を思い付いた。Markdown は、どんなワードプロセッサでも書ける。だから、まずは変更追跡とコメント付け機能の付いたワードプロセッサで原稿を仕上げてから、その後でテキストを Leanpub へと書き出せばよいではないか! さらに素晴らしいことに、私たちはこのシステムのテストを Joe Kissell の "Take Control of Dropbox" で実験するつもりだったのだが、たまたま Joe も私も Nisus Writer Pro が使えた。これはその昔私たちの一番のお気に入りの執筆ツールだったのだが、今や現場に復帰したわけだ。Nisus Writer Pro には変更追跡とコメント付け機能がフルに装備されていて、その上パワフルな grep ベースの検索機能とマクロがあり、Markdown のテキストを書く力強い助けになった。私たちは Nisus Writer の文字スタイルと段落スタイルを駆使して本のさまざまな要素をビジュアルに区別できるようにしたので、それも編集作業を容易にする役に立った。

Nisus Writer Pro をもってしても、Leanpub の第一段階のために Markdown を執筆・編集するのは Pages での作業に比べてまだまだ要領が悪い。なぜなら、すべてのリンクを一つずつ個別に手で構築しなければならないし、画像はすべて特別のフォルダの中に置いた外部ファイルとして参照しなければならないし、ネストされたリンクにスクリーンショットを内包させるような場合は Markdown のルールに合致させるために極めて注意深く扱わなければならないからだ。けれどもそれらのことはすべてきちんと動作したし、テキストを書き出してから Leanpub ウェブサイトで Preview ボタンをクリックして本の現在進行中のバージョンを個々のフォーマットで生成させる、というところまでを一挙に実行させる Nisus Writer マクロを走らせるのはとても楽しかった。

私が見つけた当時、たまたま Leanpub は自分一人で出版する著者向けのものから、私たちのような小規模の出版者たちにも使えるものへと移行したばかりだった。この会社の背後にあるコンセプトを彼らは "Lean Publishing" (ぜい肉のない出版) と呼んでいて、著者たちが執筆途中の段階でも進行中のバージョンのものを十分手早く簡単に読者たちに届けられるような、無料かつ軽量のツールを提供したいというのが基本的な発想となっている。(私たちがその通りのことを "Take Control of Dropbox" では実行しないと決めたのは、まだこのシステムに手探りの状態だったからだ。)収入を得るために、Leanpub はそのユーザーたちが作った本を非独占的に販売する書店としても働く。本が一冊売れるごとに 50 セントと販売価格の 10 パーセントという至極妥当な料金を課している。だからもちろん、"Take Control of Dropbox" は Leanpub からも私たちのサイトからと同じ値段で購入できる 。ただし、皆さんの目から見て全体的な印象がどうなのかは、まだこれから様子を見てみなければ分からない。(例えば、つい最近になって知ったことだが、Leanpub の顧客はそう望めば定価の $10 より多く支払うこともできる。なかなか気が利いている!)

新たに Take Control のような小規模の出版者に焦点を合わせてくれたお陰で、Leanpub の人たちはそのシステムに、とりわけ第二段階の制作の部分に、絶えず磨きをかけ改善を施し続けているので、彼らと協力して働くのは私たちにとっても非常に楽しいことだ。例えば、私たちは Leanpub の出力した EPUB を開いてそこに私たち独自の CSS を挿入することによりカスタマイズされたフォーマッティングを実現したいと思った。数週間前、その点について彼らと議論している間に、彼らは原稿のフォルダに独自の custom.css ファイルを置けばそれが自動的に EPUB に組み込まれるように修正を施して私たちを喜ばせてくれた。もちろんこれは Leanpub を使うすべての人のためになることではあるが、それでも私たちの要望が叶えられたのは素敵なことだ。

しかしながら、カスタマイズした CSS によって EPUB 版と Mobipocket 版は改善されるけれども、彼らのシステムは PDF の生成には LaTeX に依存しているので、出力される PDF は悪くはないのだけれども、実際に出そうという時になってみると、私たちとしてはやはりこれでは安心して Take Control 読者に提供できるものになっていないと判断せざるを得なかった。とりわけ、使われている LinLibertine フォントは一部のバージョンの Adobe Reader で読むと非常に汚く見える。(Leanpub ではフォントファミリーをコントロールする機能が一切提供されない。)またフォントサイズが小さ過ぎ、行の長さも長過ぎる。また、メモやヒント、サイドバーなどの背景カラーも私たちのスタイルの方が好ましいと思った。残念ながら、Leanpub は私たちだけのためにこれらすべてを修正することはできない。

Leanpub は実際カスタマイズされた PDF の要望に応える解決策を持ち合わせているのだが、それはまだ完全に実装できる準備が調っていないし、私たちの側でもそれを使える準備が調っていない。PDF、EPUB、Mobipocket を(さらには HTML を単一ファイルとして、または章ごとに一つずつのファイルとして)出力できる他に、Leanpub はその本を InCopy Markup Language ファイルとして出力することもできる。InCopy Markup Language というのは InDesign Markup Language に含まれる物語専用のセットであって、InDesign 書類全体を代表する XML ベースのフォーマットだ。ここでの意図は、これらの InCopy Markup Language ファイルをレイアウト済みの InDesign テンプレートの中に置けば、テンプレートの中にあらかじめ定義されたスタイルが取り込めるだろうということだ。ソースファイルに変更を加えても、その変更が自動的に InDesign の中に流れ込むことになる。つまり、本質的には PDF 作成のためのエンジンとして InDesign を使うわけだ。InDesign はまた、理論的には EPUB も Mobipocket も書き出すことができる。ただし、そちらには Leanpub を使った方法が(私たちのカスタム CSS も利用しつつ)既に立派に使えている。残念なことに、現時点では Leanpub からの上記の書き出しは使い物になるファイルを出力できていないし、たとえ出力できたとしても私たちはまだそれを流し込むことのできる InDesign テンプレートファイルを作っていない。

だから、今回の "Take Control of Dropbox" については、PDF 版は従来の手順に頼ることに決めた。手早く作成した Nisus Writer マクロを走らせて私たちの原稿から Markdown のフォーマッティングを削除し、すべてにスタイル名が割り当てられていることを確認しておいた。それから、Nisus Writer のネイティブな RTF ファイルを Microsoft Word で開き、Word フォーマットで保存し直し、それを Pages に読み込めば、そちらでは私たちの Take Control スタイルがあとを引き受けた。(他のやり方、例えば Pages で直接 RTF を開いたり、Nisus Writer から .docx フォーマットを書き出したりする方法は、いずれもうまく行かなかった。)そして Tonya が手作業で内部リンクや外部リンクを組み込み、グラフィックスを挿入してサイズを調整するなど、面倒な数時間の作業を通常の制作手順の最後として注ぎ込んだ。今回は余分の労働が必要となったけれども、最終的には満足すべき結果が得られた。

この機会を利用して、私たちは内部のデザインにも少々手を入れてみた。今回の "Take Control of Dropbox" には、Neversinkの Sam Schick が作ってくれた新しい表紙や、FUN is OK の Geoff Allen がデザインしてくれたロゴなども新しくなっているからだ。(表紙のカラーは、今後は本のタイトルによって変わる。)これらの新しいロゴと表紙は、Take Control のビジュアルデザインのメジャーな変更に向けた最初の一歩となる。表紙のカラーに合わせて本の内部にもいくつか小さな変更を加えたし、以前から試したかったいくつかのことも実行してみた。例えば、長い URL の大多数を隠した。URL が長過ぎて、そのままテキストとして出すのは見栄えが悪いからだ。PDF の中では、内部のナビゲーションのためのリンクを区別するために、より薄い色のアンダーラインで示してある。どのツールを使うことにするか(Pages か、InDesign か、それとも何か他のものにするか)について私たちの心が決まったら、内部のデザインについてより深く検討してみたいと思う。(最後の段階に来るべきものは新しいウェブサイトのデザインだが、それについては見栄えの面は既に作業済みとなっているものの、まだこれからたくさんの ExpressionEngine コードをアップデートし編集しなければならないので、新しいウェブサイトを公開できるようになるまでにはまだしばらく時間がかかるだろう。)

これから、ゆっくりと少しずつ Leanpub に取り組んで行く予定だ。著者たちも、編集者たちも、Markdown や Nisus Writer Pro の経験は人によってさまざまだからだ。だから、今後出版するすべての本にこのやり方を使うことにはならない。けれども、本の出版の世界で Leanpub ほど興味深い発展を目にしたのは本当に久しぶりなので、出版作業の制作段階が真の意味でボタン一押しになる日が来るのを、私たちはワクワクしながら待ち望んでいる。

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将来私たちのデバイスのメーカーとなるのは?

  文: Glenn Fleishman: glenn@tidbits.com, @glennf
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

テクノロジー世界の競争状況における Apple の地位に関する議論の多くに見られる中傷合戦に、私たちが普段興味を持つことはないが、業界全体の傾向が、コンピュータの売り上げが落ち込み、スマートフォンやタブレットの出荷台数が伸び、メジャーな PC メーカー各社がコンシューマ向け市場から撤退するといった方向に向かっている今の時代に、Apple の競争相手となっているのは誰か、これからどのような未来が待ち構えているのか、といったことを考えておくのは意味のあることだろう。

成長速度は鈍化しているとはいえ、Apple は今もまだ極めて利益性が高く、だからこそ「今後発表される製品に我々全員がわくわくしています」と挑戦を続けることができるのだ。(2013 年 4 月 23 日の記事“Apple Q2 2013 業績、増収減益となる”参照。)同社が依然としてタプレットの売上げのトップにいることに疑問の余地はなく、スマートフォンの分野でも重要な勢力(売上げでは4分の1以下だが純収益では3分の2を占める)であるが、コンピュータにおいてはゆっくりとだが存在感を減らしつつある。興味深いことに、Asymco の Horace Dediu による分析の結果では、Apple の Mac 売上げは依然として全体的なコンピュータ市場の収益の中で大きな比率(実に 45 パーセント)を占め続けている。(販売台数の面では、Apple は米国のコンピュータ市場の中で 10 パーセントのシェアを持ち、全世界的には 2 パーセントほどだ。)

けれども、テクノロジー業界における他のメジャーな面々のほとんどすべてについてそれぞれの売上げと将来を検討してみても、今後誰が Apple と競争して行くことになるのかを予測するのはますます難しくなるばかりだ。

PC については、かなり壊滅的状態 -- 景気が後退している状況の下で安価な(しかしパワー不足の)コンピュータを売ることで生き残ろうとした PC メーカー各社の試みは、iPad によって生命力を吸い取られてしまった。安価なネットブックやラップトップはまだ入手できるけれども、今では iPad が、そしてそれに続いて Samsung、Amazon、ASUS、その他の各社から何千万台も売られたタブレットが、その必要をより巧みに満たしているように見える。

けれども、最近の四半期における PC の売上げを見れば、苦戦中のコンピュータ機種がネットブックだけでないことが分かる。 IDC によれば、世界中のほぼすべての市場で全体的な売上げが急落したという。前四半期中、デスクトップおよびラップトップのコンピュータは世界中でたった 7 千 6 百万台しか販売されなかった。前年の同四半期に比べて 13 パーセント以上の急落だ。IDC が主張するように Windows 8 が人々に新しい PC を買いたいと思わせるほどの期待感を誘発しなかったのが原因だと批判することはできるだろうが、問題は実はもっと深いところにある。

人々も、企業も、もはや以前のように頻繁にコンピュータを更新する必要に迫られていない。新型のマシンは今や十分にパワフルで、長い間使い続けることができる。主要な生産性アプリも、もはや現代的なマシンの CPU パワーに重い負担をかけたりしない。タブレットやスマートフォンもやはり十分にパワフルで、さまざまなタスクをコンピュータに代わってこなすことができるので、それがまたコンピュータメーカーから売上げを奪う結果となる。それからまた、Windows XP と Internet Explorer 6、社内専用に開発されたアプリのための ActiveX、といったろくでもない混沌から抜け出せずにいる膨大な数の企業内ユーザーたちもいる。そういう企業ではアップグレードの道になかなか手が届かず、十年も前に開発されたシステムであってもまだ使えている限りはできるだけ痛みを先延ばししようとすることが多い。

PC の世界では、HP、Lenovo、Dell といったところが今も大手のブランド名で、これら3社で市場の 43 パーセントのシェアを占めているが、それとほぼ同数のコンピュータを「その他」の分類に属する会社が販売していて、その多くはノーブランド、ホワイトボックスの、開発者市場向け製品としての PC だ。

HP は数年前から経営危機が続いており、その終わりはまだ見えないようだ。一方 Dell 創始者の Michael Dell は依然として会社を非公開企業にすべくそのために必要な資金を調達する試みを続けている。いずれの会社も、自らの将来をコンシューマ向けの販売にではなくコンサルタント部門やサービス部門に託している。Lenovo は着実な売上げを確保していて毎年の変化は 0 パーセントきっかり、コンマ以下の変化という結果を出し続けている。IBM のパーソナルコンピュータシリーズを買収 して以来、同社の本業は変わらずコンピュータ製造にあるので、将来は自然と Lenovo が世界最大のコンピュータブランドの座に落ち着くのかもしれない。

もっと悪いことに、PC メーカーのトップ4のうち3社、HP、Dell、Acer は、タブレットの売上げがほとんどなく、スマートフォンの分野には進出すらしていない。第2位の Lenovo はかなりの数のスマートフォンを販売し、第5位の ASUS はタブレット市場にある程度の地位を占めている。

PC の売上げが落ち込み、ますます多くのシェアを「その他」の会社が押さえるようになり、ブランド名を持つメーカーがコンピュータ市場から撤退しつつある(それに伴ってマーケティングの予算も撤退させている)という三重苦の下に、これらの巨大会社がテクノロジーの世界の話題に占める地位は今後ますます縮小して行くだろう。消費者たちは、とりわけ発展途上国の消費者たちは、今後 Windows を走らせるためにノーブランドの PC を購入することがますます多くなるだろう。(Linux 変種に依存する少数の人たちも同様だろう。)そしてそのサイクルが自らに返って来る結果として、PC の売上げはさらに減ることだろう。

明らかにその影響は Intel に及ぶ。この会社は多角的分野に手を出しているが、同社の収益の3分の2以上は PC 市場からのものだ。Intel は PC メーカー各社により安価でより高速なラップトップを作らせようと働きかけて、タブレット用とスマートフォン用のチップを作り出すことによりそのモバイルテクノロジーを急速に推し進めようと努めた。けれども、モバイルデバイス用のプロセッサの分野では ARM が圧倒的大部分を占めていて、Apple の iOS デバイスも大多数の Android ベースのタブレットやスマートフォンも ARM のチップを使っている。チップの製造と販売をする Intel とは違い、ARM はチップをデザインしてライセンスしているので、ARM の方が小回りが効き利鞘も高い。(最近の四半期には 53 パーセントの利益率を記録している!)

これらの会社のいずれも私たちの記憶から消え去ることはないだろうが、モバイルの分野でしっかりやって行けると思われる Intel のみを除き、他の多くの会社はいずれ私たちがあまり気にしなくなるのではないだろうか。

スマート(フォン)な戦略 -- スマートフォンの世界では、二つのメジャーどころ以外、すべて振り落とされた。Apple と Samsung の二社だけが全体の収益の 98 パーセントか 99 パーセントを分け合っている。それ以外のスマートフォンメーカーはすべて、赤字を抱えているか、ほんの僅かの収益をあげているのみだ。Motorola は Google の所有となったお陰で足掛かりを見出せるかもしれないし、Nokia は携帯電話市場(いわゆる「フィーチャーフォン」市場も含む)全体のシェアで Samsung に次ぐ2位だが、いずれもスマートフォン市場ではほんの微小な部分以上を手にできる可能性があるとは思えない。

すべての会社に対するアナリストの分析が揃っている最新の四半期は 2012 年第4四半期だが、その中で Gartner は Samsung が全世界の Android フォンの 40 パーセント以上、つまりおよそ 6 千 3 百万台を販売したと評価している。(それに対して Apple は 4 千 8 百万台の iPhone を売り上げた。)分析会社 Canalys がさらに詳しい数字を出していて、Apple と Samsung に続くスマートフォンメーカーの順位は Huawei (1 千 2 百万台)、ZTE (1 千万台)、Lenovo (1 千万台) となっている。

タブレット市場はさらに歪んでいて、Apple と Samsung が支配している。IDC は 2012 年第4四半期の報告書の中で、売上げ全体の中で Apple が 44 パーセント (2 千 3 百万台) を占め、Samsung が 15 パーセント (8 百万台) を占めたとしている。Amazon がしんがりを務め、Android の変種バージョンが走る Kindle Fire モデルを 6 百万台売った。

もちろん、本当に肝心な点は、Samsung と Google の関係だ。Google が Motorola のハンドセット部門を買収したのは、リファレンス設計を生み出すより良い方策を確保して他のスマートフォンメーカーがそれに合わせざるを得ないようにし、結果として Android のより良い全体的可能性を広げるためであったのかもしれない。Microsoft は代理者を通じてまさにそのことをした。Nokia を買収した上で、Nokia が長らく開発してきた Symbian スマートフォン OS から Windows Phone へと移行するのを後押ししたのだった。

けれども Samsung は、いつまでも Google の公式版 Android を使い続ける必要があるだろうか? Android はオープンソースの基盤の上にライセンスされているので、Samsung はいつでも分岐する(つまりすべてのソースコードを使って自分独自のバージョンを作る)ことができる。Google は、スマートフォンやタブレットのメーカーで規則に従う者にのみ自社のサービスと Android の名前を提供している。だから、中国やその他の国で売られている "Android" フォンやタブレットの多くは、基本となるオペレーションシステムに依存はしていても、Google の機能は備えていない。米国におけるこの種のものの代表的な例が Amazon (Kindle Fire) と Barnes & Noble (Nook) だが、いずれも意図的に Google のアプリ、サービス、ブランド名、それから制約を除外したバージョンの Android を走らせている。

少し計算してみるだけで、販売されたスマートフォンのうちの 5 千 6 百万台 (26 パーセント) がアナリストたちの呼ぶ「OHA デバイス」に相当するものであることが、Canalys 報告書の数字から読み取れるだろう。OHA (Open Handset Alliance) は、表向きには Android OS を管理する団体だが、実際には Google の手によって Google のために運営されている。それらのデバイスの大多数は、Google の認可を受けた Android スマートフォンではない。(「その他」の分類に属する 7 千 5 百万台から、Apple と Android の正式 OS のものの数を引き算すれば、その 5 千 6 百万台となる。計算を確かめるために、Android メーカートップ4の販売した台数をその 5 千 6 百万台に足し算すれば、OHA 総合計の 1 億 5 千万台になる。)

同じことが、IDC のタブレット報告書からも言える。(計算はこちらの方が簡単だ。)1 千 2 百万台のタブレット (22 パーセント) が「その他」で、ほとんど間違いなく何らかの変種の Android を Android と名乗らず走らせている。(Microsoft の Surface タブレットはまだ四捨五入の誤差を上回る数に達していない。)

Samsung は最近 Mozilla(独自の Firefox モバイルオペレーティングシステムを開発中だ)と提携して、新しい、セキュアなプログラミング言語 (Rust) と、その言語で書かれた実験的なブラウザエンジン (Servo) を共同開発しようとしている。Samsung としては、採算の取れているハードウェアビジネスから、自社がフルにコントロールできるソフトウェアプラットフォームへと乗り出そうとするための、そしてモバイル広告の利益をさらなる有料サービスによる収益とともに受けられるようにするための、これが第一歩となるかもしれない。もしも Google が Motorola を採算の取れる部門へと育てることができたならば、その時には Samsung に独自の道を行く動機がさらに増すことだろう。(私は最近 TechHive に書いた記事で、ブラウザエンジンがこれにどう関係するかについてもっと詳しく論じた。)

さて生き残るのは? -- 点数を記録してきた人なら、ここで頭に浮かぶのは、どの会社が生き残るのか、これから注目に値するのか、という疑問だろう。もちろん「ビッグネームは一つも残らない」という答もあり得る。現在既にノーブランドやマイナーブランドのコンピュータやスマートフォン、タブレットが何千万台も売れていて、合計すれば市場でかなりのシェアを占めているし、そのシェアが今後も伸び続けるだろうという兆候は確かに存在する。

Apple は、確かに TidBITS 読者たちの脳裏を離れないだろうが、たとえ最新の会計四半期報告でその利益幅が落ち込んだ(増収減益となった)としても、少なくとも今後数年間はそれほど重大な懸念とはならない。

Samsung は、ずっと目を離さずに見ておく価値がある。ここは、Apple より低い利鞘をもってしてさえ、非常に多数のハードウェアを出荷して大きな収益をあげることのできた唯一の会社として出現したからだ。そのハードウェアの特定のモデルについてあなたが何を言っても、Samsung はその代わりになるものを提供して人々がそれを探し求めるようにする。たとえ、そういうデバイスが Apple 製品と同等あるいはもっと高い価格であったとしても。Samsung ならば、自らに Apple を見習わせて、Google ブランドの Android を離れ、独自のオペレーティングシステムを作る道へと進むこともあり得るかもしれない。

「その他」のものと、Apple と、Samsung とを別にすれば、状況は先の見通せないものとなる。Microsoft は引き続き Windows の供給者としての役割を果たすだろうが、それは主として上で述べたようなノーブランドの PC メーカーたちの野放図な一団のために働くものとなるのかもしれない。Samsung の離脱が悪影響を及ぼす可能性はあるが、Google もまた、Motorola を通じて独自により大きなハードウェア製造者の地位を模索するかもしれない。あるいは、より多くの「その他」のメーカーを公式の Android 陣営に取り込もうとするかもしれない。それから Lenovo も忘れてはならない。ここは PC 市場に確かな位置を占めているし、スマートフォン市場にも小さいながら確かな地位を確保しているのだから。

けれども、それ以外の馴染みの名前の多くは、例えば HP や Dell などは、かつてはパーソナルコンピュータの最も一般的なロゴであったのに今やその面影もない IBM と同じ道を歩むのかもしれない。そして Intel は、簡単にあきらめることはしないだろうが、世界がモバイルへと突き進むにつれて ARM が大きな障壁となってその前に立ち塞がることだろう。

そのような巨大会社が消え行くところを想像するのは難しい。おそらくそれは、会社が消滅する際にはめったに大騒ぎとはならないからだろう。その代わりに、そういう会社はただ静かに忘れ去られたり、買収の餌食となったり、黙って別の市場へ立ち去ったりするものだ。けれどもどんな会社が市場から消えたとしても、新たな者が興隆してそれに取って代わるのが世の常なのだ。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2013 年 4 月 29 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

PDFpen と PDFpenPro 6.0.2 -- Smile が PDFpenPDFpenPro をバージョン 6.0.2 にアップデートし、メモリ使用量を大幅に減らすとともに、オートセーブとバージョン機能をオフにするオプション(PDFpen 環境設定 General パネルにある)を追加した。今回のアップデートではまたリクエストの多かったフォーム関係の変更がいくつか施されており、フォームの自動作成でタブの順序付けを改善し、丈の長いフォームフィールドを自動作成する際のマルチライン挙動を設定できるようになり、フォームフィールドを自動作成する際にはデフォルトのフォントに戻るようにし、詳細は不明だが PDF フォームの保存に関するいくつかの問題点を修正している。さらに、双方の版ともにフォアグラウンド、バックグラウンド、およびストローク線のカラーを適用する際の問題を修正し、ページ番号を挿入する際に書類のアクセス権が保たれるようにした。この記事を書いている時点で Mac App Store では PDFpenPDFpenPro の双方ともまだバージョン 6.0.2 にアップデートされていない。前メジャーバージョンの PDFpen または PDFpenPro からのアップグレードは Smile 経由で $30 だが、2012 年 10 月 15 日以降に購入した場合は無料となる。従来のバージョンの PDFpen から PDFpenPro にアップグレードしたい場合は $40 だ。(新規購入 $59.95/$99.95、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、バージョン 6.0 からは無料アップデート、49.4/50.2 MB)

PDFpen と PDFpenPro 6.0.2 へのコメントリンク:

CloudPull 2.4.1 -- 前回のアップデートから一週間しか経っていないが、Golden Hill Software が CloudPull 2.4.1 をリリースした。Google データをバックアップするこのアプリケーションの今回の新バージョンは主として Google Drive から Microsoft Office フォーマットでプレゼンテーションをダウンロードする際に URL を形成する方法が変更されたことに対処するためのものだ。今回のアップデートでプレゼンテーションをバックアップする機能が復活し、書類やスプレッドシートへの URL パターンが正しくアップデートされるようになった。(新規購入 $9.99、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、12.0 MB、 リリースノート)

CloudPull 2.4.1 へのコメントリンク:

DEVONagent Lite, Express, Pro 3.5 -- DEVONtechnologies が、同社の DEVONagent の三つの版すべて (Lite, Express, および Pro) をアップデートした。ただし変更点の大多数は DEVONagent Pro に対するものだ。研究アシスタント用アプリのこれら三つの版いずれにも、British Library ウェブサイトを検索するためのプラグインが新たに追加され、RocketNews および SEC プラグインがアップデートされ、Retina ディスプレイに対応し、フランス語とドイツ語のローカライズ版に改良が施された。DEVONagent Express と Pro には Macintosh News (Latest/More) 検索セット (OS X 10.8 Mountain Lion 特定のニュースを検索する) が新たに追加され、YouTube と Dailymotion で Tube スキャナー互換性をもたらす改善が施され、読み込まれたウェブブラウザブックマークの信頼性を改善し、Thumbshots.com からダウンロードしたサムネイルに対応し、HTML/HTTP の日付を正しく処理するようになった。

DEVONagent Pro では結果を DEVONthink へ追加する際に Format ポップアップメニューが追加され、resource, bookmark, summary, paginated PDF, unpaginated PDF, Web archive といったフォーマットから選べるようになった。この Pro ではまた、DEVONthink Pro のグローバル inbox に結果を記録するためのアクションスクリプトが追加され、結果の PDF 項目に対するコンテクストメニューの中に PDF を DEVONthink へ追加するコマンドが加わった。さらに、今回のアップデートでは DEVONthink Pro Office の認証済みサーバ (バージョン 2.5 かそれ以降) への Browsers プラグインを改良し、アクションスクリプト Convert Results to RSS Feed を拡張してウェブ共有を有効にした後もフィードが読めるようにし、結果の HTML ソースにアクセスするためのアクションスクリプトを改善している。この記事を書いている時点で、Mac App Store では DEVONagent の三つの版 (Lite, Express, Pro) のいずれもまだバージョン 3.5 にアップデートされていない。(いずれもアップデートは無料。DEVONagent Lite 無料、3.3 MB、 リリースノート。DEVONagent Express 新規購入 $4.95、8.0 MB、リリースノート。DEVONagent Pro 新規購入 $49.95、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、16.6 MB、リリースノート)

DEVONagent Lite, Express, Pro 3.5 へのコメントリンク:

Typinator 5.5 -- その機能性をテキスト拡張を超えたものへと拡張しつつ、Ergonis が Typinator 5.5 をリリースし、新設の計算フィールドを使って計算を追加したり、計算結果を変数に割り当てたりできるようにした。この機能は従来も外部スクリプトを利用すれば実現可能であったが、今回から計算そのものを拡張の中に直接埋め込めるようになった。Ergonis の Typinator 5.5 プレスリリースによれば、この計算機能を使って請求書に税額や割引額を組み入れたり、Conversions スクリプト (Ergonis の Extras ページ)から入手可能) を用いて通貨の換算をしたりといった応用ができるという。

Typinator 5.5 での変更点は 20 件以上あるが、主なものを挙げれば終わり方がよく似た略語のマッチングを改善し、フィードバックのサウンドが時々遅れることがあった問題を解消し、印字的に正しくないスマート引用符の問題を修正し、OS X 10.8 Mountain Lion の Mail でカーソル位置の問題を回避し、多くのウェブブラウザでカーソル位置に問題があったのを解消し、クリップボードベースの拡張のタイミングを改善している。(新規購入 24.99 ユーロ、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、5.3 MB、リリースノート)

Typinator 5.5 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2013 年 4 月 29 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週は三つのニュースを手早く紹介しよう。またもや大規模なデータ漏洩が発生し、Alexander Graham Bell 本人の声を聞けるチャンスがあり、PC ラップトップで最も信頼性の高いものは 13 インチ MacBook Pro であるとした調査結果が発表された。

5LivingSocial のデータ漏洩で 5 千万人が影響を受ける -- AllThingsD.com の Kara Swisher が伝えるところによれば、Amazon が共同出資しているクーポン共同購入サイト LivingSocial で大規模なデータ漏洩があり、5 千万人の顧客の氏名、電子メールアドレス、誕生日、暗号化されたパスワードが不正アクセスを受けたという。幸いにも顧客のクレジットカード情報やその他金銭取引に関する情報は失われていないというが、今回のことはまた、ウェブサイトやインターネットサービスの一つ一つにそれぞれ別々の強力なパスワードを作っておくことが何より重要だと分かる実例となっている。パスワード戦略に関するすべてについては、Joe Kissell の "Take Control of Your Passwords" をお読み頂きたい。

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ロウ紙の録音から Alexander Graham Bell が語る -- 昔のコミュニケーションテクノロジーといえば、10Base-2 coax コネクタや 2400 baud モデムを思い出す人も多いだろう。でも、厚紙の円板にロウを塗ったものを頭に描いた人はいるだろうか? Smithsonian がそのようなディスクを発見し、そこに録音されていた Alexander Graham Bell 本人の声をデジタル化することに成功した。"Hear my voice, Alexander Graham Bell." と言っているのが聞こえる。電話を発明した人物の、1885 年 4 月 15 日の声を聞くことができるのだ。

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最も信頼できる PC は MacBook -- Windows ラップトップ機の中で最も信頼性が高いのは... PC 管理の会社 Soluto の発表したレポートによれば、何と、Boot Camp の走る mid-2012 13-インチ MacBook Pro だという。三ヵ月間にわたる調査の結果、この MacBook Pro が Acer、Dell その他のメーカーのモデルを凌ぐ結果を出した。構造が優れていることと、よくあるプリインストール済みの Windows の "crapware" (レポートの用いた言葉通り) がないこととが寄与したという。ただしこれはトップ 10 の中で二番目に価格の高いマシンであって、最も高かったのは信頼性で 6 位にランクされた Retina ディスプレイモデルの 15-インチ MacBook Pro だ。

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