TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1174/13-May-2013

今週は Adobe が、箱に入ったバージョンの Adobe Creative Suite 6 の販売を廃止し購読ベースの Creative Cloud に一本化すると発表してクリエイター世界を驚かせた。Josh Centers が、Creative Cloud はユーザーのために良いものか悪いものかと詳しく検討する。その他のニュースでは Glenn Fleishman が App.net の新しい Passport iOS アプリの概略を紹介する。このアプリでは App.net のアプリやユーザーの一覧が提供され、また私たちからボーナスとして無料の App.net アカウントを配布中だ! もっと実用的な話題としては、Michael Cohen がウェブブラウザの中で PDF が表示されなかった場合の対処法を説明し、また iOS 用の新しい電子ブックリーダー Marvin を検討して、驚くべき機能がいくつもあるけれども一つだけ泣き所があると語る。今週号の締めくくりは Matt Neuburg による iOS 用 Cloud Mate のレビュー記事で、これを使えばさらに多くの Dropbox 風のパワーが iCloud にももたらされる。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Thunderbolt Firmware Update v1.2、Alfred 2.0.3、Microsoft Office 2011 14.3.4、それに Fission 2.1.3 だ。

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Adobe が Creative Suite から Creative Cloud へ飛び立つ

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

2013 年 5 月 6 日、Adobe MAX カンファレンスにおいて、Adobe は Adobe Creative Suite 6 が箱に入れて販売される最後のバージョンとなり Adobe のデザイン関係製品は今後すべて一年前に始まった Creative Cloud を通じてのみ利用できるようになると発表して、クリエイターたちのコミュニティーを驚かせた。この Creative Cloud には多数のアプリやサービス、またそれらの無料アップグレードが、すべて購読ベースで提供されている。現在 Adobe CS6 を使っているユーザーたちは当分の間は今まで通りサポートを受けられるし、箱に入った製品版の CS6 も引き続き販売される。

では、 Creative Cloud の料金はどうなっているのか? 実は、それはかなり難しい質問だ。個人で使う場合は、月額 $49.99 を払えば Complete パッケージにアクセスできるが、そのためには一年間の購読継続が条件となる。現在 Creative Suite 3 かそれ以降に含まれるアプリに対するライセンスを少なくとも一つ持っている場合は、最初の一年間は月額たった $29.99 で Creative Cloud が使える。個別のアプリ、例えば Photoshop だけを使う場合は、一年間の購読条件が付いて月額 $19.99 となる。いずれのパッケージにも、共同作業のためのオンラインストレージ容量 20 GB が付属する。

ビジネス向けと教育関係者向けにはそれぞれ別途パッケージが用意されていて、かなりの割引価格となる。例えば、一ユーザーあたり月額 $69.99 の Team 版には、Complete パッケージには含まれない InCopy などのソフトウェアも追加で含まれる。また、Student and Teacher 版の通常価格は月額 $29.99 だが、2013 年 6 月 25 日までに限り特別提供されるものは月額 $19.99 となる。

でも、例えば Photoshop や Dreamweaver などを一ヵ月間に限って必要とする場合はどうなるのだろうか? 実は、Adobe は月ごとの契約価格も提供しているけれども、表立っては宣伝していない。注文するためには、 Adobe の担当係員に直接連絡する必要がある。私は実際にそれをしてみて、月ごとに契約する場合には Complete パッケージが月額 $74.99、アプリ単体では月額 $29.99 となることを知った。いったん年間契約をして途中でキャンセルしたらどうかと考えているならその考えは捨てた方がよい。キャンセルした後も、月額料金の 50 パーセントを支払い続けなければならない羽目になるからだ。

価格が高くなること、それを見出すだけのためにもさまざまの困難をくぐり抜けねばならなくなったことを考えれば、Adobe が個別のアプリを月ごとに販売するのを望んでいないことは明らかだろう。私に言わせれば、Adobe はここでものすごく大きな誤りを犯している。アマチュアだから、ほんの時たまにしか使わないからという理由でプロフェッショナル向けのソフトウェアパッケージに何百ドル何千ドルを注ぎ込むのは割に合わないと考える人たち、それが理由で Adobe ソフトウェアの海賊版を使っている人たちが、どれほど多くいることだろうか? 私自身も、個人で Adobe のソフトウェアを購入したことは一度もないが、例えば $30 払えば Photoshop を一ヵ月間使えるというのなら、年に数回くらい実際に購読するのは十分に考えられる。The Next Web の CEO の Zee Kane が去年記している通り、「この分野での Adobe の主たる競争相手は決して競合製品なのではなく、興味深いことに、BitTorrent だ。」

言うまでもなく、購読のみにするという Adobe の決断は 論争を巻き起こしている。けれども、必ずしもすべての人たちが不満を感じている訳ではない。今回の変更について私は Twitter で Mule Design の Mike Monteiro に感想を聞いてみた。普段はずけずけ物を言う Monteiro も、今回は「そろそろそうなってもいい頃だ」と言っただけだった。Mule 社のデザイナー Tom Carmony もやはり Creative Cloud を賞賛して「購読モデルですべてのアプリにアクセスできるのがありがたい、デザインバンドルには普通入らない Audition のようなものも使える」と語った。また、私たち TidBITS Publishing でも Creative Cloud を購読しているが、これは InDesign や Photoshop に時折アクセスする必要があるからだ。月ごとにほんの数回ずつしか起動しないパッケージのために $1,000 も使うよりも、ずっと安い毎月の料金を払う方が正当化しやすい。

実際、多くのユーザーにとって、Creative Cloud は喜ぶべきことかもしれない。箱入りの CS6 Design Standard パッケージは Amazon でさえ $1,189.98 もかかる上に、Photoshop と Illustrator と InDesign しか含まれていない。同じ $1,189 で月額 $49.99 の Creative Cloud を二年間近く購読でき、こちらならばずっと多くのソフトウェアに加えて、クラウドストレージまで付いている。単独購入の Photoshop CS6 でさえ Amazon 価格は $628 で、これならアプリ単体の Creative Cloud 購読料金を 20 ヵ月以上払える。いつも最先端でいたいプロフェッショナルならば、Creative Cloud はごく有利な条件だと思うだろう。それに、自分のシステムに対応しないアップデートが出ることを心配する必要もない。アップデートを強制されることはないからだ。

しかしながらもちろん、フリーランスで働く人や、あるいはたまにしか使わないので古くなったソフトウェアでも気にしないと思うユーザー(例えば Apple が Mac OS X 10.7 Lion で PowerPC アプリを使えなくしたのを乗り越えた人という条件付きだが)ならば、毎月請求書が届いて常に最新版が届くという状態では安心できないと思うかもしれない。残念なことに、Creative Cloud の中心となるパッケージの多くにはあまり多くの競合製品が存在していない。理論的には、Photoshop をあの優秀な Pixelmator で置き換え、Illustrator を Sketch で置き換え、InDesign を QuarkXPressで、あるいは Pages でさえ、置き換えることは可能かもしれないが、大体において Adobe のソフトウェアは現実に業界標準となっていて、プロフェッショナルが仕事をする際にそれを真の意味で置き換えられるものなどない。その状況が変わるまでの間は、好むと好まざるとにかかわらず、Creative Cloud こそが未来への道なのだ。

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App.net が Passport iOS アプリを発行する

  文: Glenn Fleishman: glenn@tidbits.com, @glennf
  訳: M.Sugimoto <dfbia300@kcc.zaq.ne.jp>

App.net はそれをインストールした人たちが現行のアカウントへのログインをしたり、あるいは招待状なしの無料のアカウントにサインアップすることを可能とさせる無料の iOS アプリをリリースした。その Passport というアプリはまた、フォローするユーザを探したり、見つかったユーザをフォローしたり、写真や職歴アカウントの詳細を更新したりといったこともできる。だが、恐らくこのアプリの最も重要な面は App.net で動作する他の iOS アプリのディレクトリを提供することで、同社はこれがこのアプリの核となる機能だと説明している。

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Passport はポストしたり、メッセージングしたりといった特徴を含まないことで、App.net は開発者が提供するサービスと競合しないという約束を強化し続けている。この記事を記載している時点で、App.net サービスは 2012 年 8 月にそのサービスを開始して以降、ゆっくりだが、着実にユーザ数を増やしており、登録ユーザ数は 95,000 人に迫っている。App.net のアカウントの生成は無料の、それは招待状が必要なものだったが、階層を追加した 2013 年 2 月に加速した。(2013 年 2月 25 日の記事 "App.net がフリーミアムのオプションを追加"参照)

App.net で無料のアカウントを得る別の方法は App.net によって TidBITS に提供されるこの特別なリンクを使用することだ。これを使って App.net アカウントを無料で得られるのは最初の 1,500 人に限られるが、もし、あなたがこれを使って App.net にサインアップすれば自動的に TidBITS アカウントをフォローすることになる。これもまた、私たちの記事の見出しの通知を得るための一つの方法となる。

App.net はしばしば Twitter のようなマイクロブログサービスとして説明されるし、実際大多数の人たちは App.net をその目的で使っている。(2012 年8 月 28 日の記事“新ソーシャルネットワーク App.net、チャットと広告の上を目指す”参照。)しかし、App.net のゴールは開発者たちが彼らの有するアプリを埋め込むことの可能な強固なクラウドインフラを創造することだ。以前のアップデートにおいて、依然としてまだアルファ段階のサービスだが、ファイルストレージと私的なマルチパーティーメッセージング機能を追加した。何人かの開発者たちはメッセージング機能を使用してチャットルームと等価な機能を提供するソフトウェアを作った。例えば Pocket 開発者の Steve Streza が作った Project Amy は App.net のメッセージング機能を Apple の Messages アプリに統合している。

同様の趣旨のもとに、App.net はまた認証 SDK も追加してきている。それはプログラマたちが彼らのサービスとユーザを特定することを結びつける一つの方法として App.net のアカウントを使用することを可能とする。本質的に、ウェブサイトは Twitter や Facebook, Google やほかのサービスが今日実施しているような独立した別個のアカウントをセットアップする代わりにあなたの App.net証明書を使用してあなたを認証することができる。このような間接的な種類の認証の別のメリットとしてはウェブサイトはあなたのアカウント情報を決して獲得しないということがあって、ウェブサイトがある種の動作をあなたに替わって実行できるようにするためのユーザ取り消し可能なトークンを得るだけだ。

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あなたのウェブブラウザが PDF を表示しないときにどうするか?

  文: Michael E. Cohen: mcohen@tidbits.com, @lymond
  訳: M.Sugimoto <dfbia300@kcc.zaq.ne.jp>

ときどきあなたがウェブブラウザでリンクをクリックすると、別のウェブページに移らず、その代わりに PDF が開くことがある。大部分のわれわれにとってはこれは問題ではない。現在のモダンなブラウザは今や、かなり以前から PDF を直接表示する能力を備えている。そして、PDF へのリンクをクリックした結果として通常ブラウザウィンドウに PDF が現れる。いかにして Safari や Google Chrome においてこれが可能になるかの詳細に関しては、Steve McCabe の記事“2012 年のウェブブラウザで PDF を飼い馴らす”(2012 年 6 月 1 日) を参照。また Agen Schimits の TidBITS 監視リスト項目“Firefox 19”(2013 年2 月 19 日) もご覧頂きたい。

にも拘らず、われわれの記事や Take Control Books において PDF へのリンクを発行した場合にいつでも、リンクをクリックしたら真っ黒や真っ白のページが表示されるだけだとわれわれにいう読者からの不満を聞くことが珍しくない。幸いにも対策は簡単で、通常あなたの Mac からいくつかのファイルを取り去ることで解決できる。多くの場合、問題の原因は今日のブラウザにうまく適合しない一つか、二つのより古い Adobe のブラウザプラグイン AdobePDFViewer.pluginAdobePDFViewerNPAPI.plugin だ。これらのプラグインは Adobe Reader、あるいは Adobe Acrobat Pro によってインストールされ、Adobe 自身の PDF ディスプレイコードを使ってブラウザが PDF を表示できるように配置される。しかし、バージョン 10.1.3 以前の Adobe Reader、あるいは Acrobat はいくつかのブラウザに対して互換性がないプラグインを提供している。とくに、Safari 5.1以降と Firefox の最近のバージョンでは非互換の Adobe プラグインがインストールされている場合、真っ黒なページ (Safari)、あるいは真っ白なページ(Firefox) を見ることになる。

解決策は容易だ。あなたのブラウザを終了させ(このステップは重要!)、そしてプラグインを取り除く。プラグインは通常あなたの Mac のライブラリフォルダの中の Internet Plug-ins フォルダに中に見つけることができる。いや、あなたのホームディレクトリの隠れライブラリの中 ( ~/Library/Internet Plug-Ins) ではなく、あなたのハードディスクのトップレベルにあるライブラリの中 (/Library/Internet Plug-Ins) にある。

そのフォルダを開き、AdobePDFViewerという名前で始まるファイルを探す。そして /Internet Plug-ins フォルダからそれらをドラッグする。(すぐにゴミ箱に捨てたくないのであれば一時的にデスクトップに置く)この動作をする場合、管理者名とパスワードを入力することが移動の確認のために必要になる。

ときたま、あなたのメインライブラリフォルダの中に互換製のないプラグインを見つけることができないことがある。その場合には、代わりにあなたのホームディレクトリのライブラリフォルダの中を見てみること。このフォルダは Mac OS X 10.7 Lion と 10.8 Mountain Lion ではデフォルトでは隠されている。(2011 年 7 月 20 日の記事“Lion の隠れた Library に対処”参照。) Finder でそれに到達するためには、Option キーを押し、Go メニューから Library へ行き、それから Internet Plug-Ins フォルダへナビゲートする。もし、そのフォルダの中に AdobePDFViewer plug-ins が見つかれば、それをドラッグして外に出す。再度、管理者名とパスワードを入力することが移動の確認のために必要になる。

プラグインが取り除かれたら、あなたのウェブブラウザを立ち上げて再トライしよう。きっと今度はブラウザの純正の PDF 支援機構を使用してブラウザウィンドウの中に PDF を正しく表示することができる。(もし、あなたのブラウザでPDF を全く表示したくないなら、その機能を無効にする手順の説明が“2012 年のウェブブラウザで PDF を飼い馴らす”の中にある。)

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FunBITS: Matt Neuburg のゲームは一見単純だが...

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私が初めて TidBITS に職を得て他のスタッフたちと知り合いになるにつれて、我らがスタッフの一人である Matt Neuburg が、 TidBITS 寄稿編集者 であると同時に Daring Fireball の John Gruber が「この業界で最高のテクニカル・ライター」と誉め讃える人物であるに加えて、さらに iOS ソフトウェア開発者でもあるのを知って、とても驚いた。(Matt のここ数年間の主たるプロジェクトが O'Reilly 社から "Programming iOS" ブックシリーズを出版することであり、彼の最新刊が "Programming iOS 6" であることを知ってさえいれば、私もそれほど驚きはしなかったとは思うのだが。)ごくシンプルに見えて、それでいてかなり手ごわいゲームを三つ、Matt は iPhone と iPad 用に書いている。Zotz! と、Diabelli's Theme、それに LinkSame だ。ほんの数分の時間をつぶすために何か頭脳的挑戦をしたいなら、ぜひ試してみて頂きたい!

Zotz! -- 頭脳のワークアウトをしたいなら、$0.99 の Zotz! がお薦めだ。これは iPhone 用の、多次元的マッチング(照合)ゲームだ。Matt はこれを「楽しい時間つぶし、果てしなき訓練の一つの形」と呼んでいる。いろいろの図形が描かれた一連のカードが示される。それぞれのカードごとに、四種類の属性がある。図形の個数、図形の色、塗り潰し、そして図形の形そのものだ。ゲームの目的は、この四種類の属性 一つ一つ について、それがすべて一致するか または すべて異なる、そのような三枚のカードを見つけることだ。全部で 81 枚あるカードの山から画面上にカードが並べられ、可能な三枚の組がすべて取り去られればゲームは終わる。

ゲームのプレイの仕方を説明するのは簡単だが、理解するのはそれほど簡単ではない。幸いなことに、Matt は説明書の中で有効なマッチの実例をたくさん挙げてくれている。行き詰まったら、どのカードでもダブルタップすれば正解が示される。下のスクリーンショットをご覧頂きたい。どの三枚がマッチしているか、お分かりだろうか?

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全然分からなくても、ご心配なく。慣れれば分かりやすくなる。答を言えば、左上の青い網掛け楕円1個、右上の緑色の中空の長方形1個、それから左下近くにある赤い中の詰まった菱形1個、の三枚だ。個数の属性については三枚とも(カード一枚あたり1個で)一致し、形の属性と塗り潰しの属性と色の属性については三枚とも異っている。(Steve Nicholson がコメントの中で、別の三枚もマッチすることを指摘してくれた。)

Zotz! を極めるには、四つの属性を同時に判定できる四次元的思考が必要だ。でもいったん慣れれば、四次元超立方体探索スカウトバッジをあなたが獲得する日も近いかもしれない。誰かが Matt に、「まるで火星人に侵略されて強制労働のトレーニングを受けているみたいな気がしたよ」と言っていたそうだ。

Diabelli's Theme -- Zotz! と同様、 Diabelli's Theme もまた、古典的なゲームに一捻り加えたものだ。このゲームでは、一枚の写真が 24 枚のピースに分割して表示される。あなたの任務は、ピースを正しく並べ替えて元の写真に戻すことだ。そのための助けとなるように、個々のピースごとに音楽が割り当てられている。作曲家 Anton Diabelli のワルツを主題として Beethoven が 33 の変奏曲を書き上げた、有名な楽曲だ。ディアベリ変奏曲に馴染みのない方は、 Wikipedia で無料で聴くことができる。

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写真の一つのピースにタッチすれば楽曲の一断片が流れ、そのピースがどの位置に来るかのヒントになる。たとえあなたが選んだ写真が一面の夜霧を写したものであっても、あるいはあなたの視力があまり良くなくても、聞こえる音楽が大きな助けとなる。

もしもあなたがクラシック音楽のファンなら、あるいは音楽というものが本当はどうやって組み立てられているかを子供たちに楽しく学ばせたいと思うなら、この Diabelli's Theme ゲームが素晴らしく、驚くほど教育的なパズルであると分かるだろう。

Diabelli's Theme は iPhone 用にも iPad 用にも無料で使え、$0.99 のアプリ内購入をすればあなた独自の写真も使えるようになる。今後のアップデートで、別の音楽も使えるようになったり、自分独自のピースを選べるようになったりすれば嬉しい。

LinkSame -- 一筋縄では行かないマッチングゲームで頭脳をストレッチするのが、どうやら Matt の好みらしい。iPad 用の無料の LinkSame も、彼が作ったその種のゲームの一つだ。人気があったけれども今は打ち捨てられた Zheng Xiaoping の MacLinkSame に基づいている LinkSame の、目的は単純だ。グリッドに並んだアイコンを二つずつマッチさせてクリアし、ボード上のアイコンをすべて消すことを目指す。マッチの規則は次の通りだ: 二枚のタイルには同じ絵が描かれていなければならず、その二枚のタイルは三本以下の真っ直ぐな線(線はいったんボードの外へ出て、外を回って、戻って来ることもできる)を繋いで結ぶことができ、その際の線はすべて水平または鉛直でなければならず、線が他のタイルを横切ることもできない、という規則だ。下のスクリーンショットに、マッチ可能な実例が二つだけ青い線で示されている。私はあまりこのゲームに経験を積んでいないが、その範囲で言える限り、まずは隣り合ったタイルでマッチするものを消してから、その後でボードのなるべく外の縁に近いところから探し、だんだんと中に向かって進んで行くのが賢明な戦略なのではないかと思った。

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LinkSame は全部で九つのレベルを提供する。レベルごとに、タイルを取り除いた後に残ったタイルが空いた場所へスライドする挙動が違っている。ゲームのデフォルト設定は時間制限のある Timed モードだが、もっとのんびりと楽しみたいという人は Practice (練習) モードに切り替えることもできる。ただしこちらではスコアが付かない。Timed モードでは制限時間を超えてプレイすることができないが、マッチの数と速度に応じてスコアが付く。ペアを一つクリアするごとに 1 点が加算され、10 秒の間に複数のマッチをクリアすればボーナス点が加算される。反対に、10 秒間何もしなければ 1 点減点される。行き詰まったら、ヒントをリクエストしたり、ボードを再シャッフルしたりもできるが、それを一回するごとに 10 点減点される。

これら三つの Matt のゲームには、共通する流れがある。三つはいずれも、時間を食うわけでもなく、筋書きもない。スコアを付けたり時間のプレッシャーがかかったりするのは LinkSame のみだが、これもそういった要素をオフに設定することが可能だ。三つともシンプルなゲームで、ちょっとした時間つぶしをしながら頭脳を鍛えるようにデザインされている。自分の頭脳を強化したいけれど財政的に破綻したくはないと思うなら、一度試してみよう!

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賢い電子ブックリーダー Marvin が(ほぼ)正しいことをする

  文: Michael E. Cohen: mcohen@tidbits.com, @lymond
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私は今日、数冊の本を iPad 上で Appstafarian Limited 製の無料の電子ブックリーダー Marvin を使って読んでみた。「賢い電子ブックリーダー」と宣伝されている Marvin は、他の iPad 用電子ブックリーダーで提供されているものをはるかに超えるさまざまの読書ツールを提供する。例えば、登場人物に基づいた要約、詳細なメタデータ編集機能 (私には特にこれが重要だ、2013 年 1 月 14 日の記事“iTunes で本を管理:この小説にはビートがある”参照)、同じ本を複数のコレクションに追加できる機能、スマートコレクション、複数通りあるページめくりジェスチャーや、その他自分で編集可能なジェスチャー(例えばスクリーンの輝度や色合いを調整するジェスチャーなど)その他まだまだたくさんある。

Marvin は、iPad 用の他の多くの電子ブックリーダーと同様、EPUB ベースのどんな電子ブックでも DRM に邪魔されていないものならば開くことができる。もちろん、以前からある iTunes File Sharing パネルを使って Marvin に本を追加することもできるし、また Mail や Safari の中から iPad の Open In メニューを使って開くこともできる。けれども Marvin ならば、それらの基本的な方法以外にもさらに数歩進んだことができる。まず、内蔵のウェブブラウザを使って本を読み込めるし、Dropbox から直接本を取り込める。さらには、指定された Dropbox フォルダを自動的に監視してそこに現われた本をすべて読み込める。それだけでなく、インターネット上、またはあなた自身の Mac の上にあるどんな OPDS (Open Publication Distribution System) カタログからでも本をワイヤレスで取り込める。例えば、 Calibre をローカル OPDS カタログとして設定しておけば、その Calibre ライブラリからあなたの Wi-Fi ネットワーク経由で本が Marvin に直接取り込まれる。

Marvin のとても素晴らしい機能の一つは、これこそおそらくこのアプリの中心的機能なのだろうが、Deep View だ。これをオンにすると、このアプリはあなたの本を「読んで」から(その作業には通常一分もかからない)見つかった固有名詞(つまり文頭以外で大文字で始まっている単語)をすべて集め、順番に並べ替えてリストとして表示する。これで、章ごとに最も重要な登場人物のリストを(最も頻出の人物から順番に)一覧したり、登場順に人物をリストしたり、あるいはアルファベット順に登場人物をリストしたりもできる。また、Deep View ではその本や著者についての Wikipedia 記事も参照でき、インターネット上のどこからでも記事を探して記事リストに加えることもできる。さらには Deep View を使って登場人物の名前に基づく各章の要約を別個の本として生成することさえできる。

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Marvin にはフォーマッティングの機能も多数あり、行の高さ、カラム、本文と見出しの書体、段落インデント、前景および背景のカラー、マージン幅、行端揃え、ハイフネーションなどが制御できる。また、三種類のテーマごとに文字と背景の色を割り当てておくこともできる。日中用テーマ、夜間用テーマ、それと "other" テーマ、これは例えば明るい日光の下でも読みやすいことを狙った設定に使えば便利かもしれない。テーマの切り替えはジェスチャー一つででき、テーマを切り替えた後でスクリーンの輝度、暖かさ、色合いなどを別の一連のジェスチャーで微調整することもできる。それに加えて、アプリ内購入を通じて Marvin の基本的アピアランスを変更することもできる。これらの追加購入項目もやはり(混乱を招くと思うが)Theme と呼ばれていて、それを使って Marvin のさまざまのスクリーン、パネル、ダイアログ、メニューなどを制御できる。

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こうした多彩な機能や能力があれば、Marvin の中ですぐに迷ってしまうのではないかという気もするが、幸いなことにこのアプリにはコンテクスト対応のヘルプ画面が豊富に組み込まれているし、基本的なものから目立たないものまで、すべての機能を手引きして見せてくれるチュートリアルも付属している。実際、Marvin に備わった膨大な数の機能こそ、私が DRM フリーの EPUB を読むためのリーダーでは Marvin を一番のお気に入りとして使っている理由だ。たとえ、深刻な欠点が一つあったとしても。具体的に言えば、Marvin のページレンダリングは、お世辞にも良い出来とは言えない。

例えば、私が持っている DRM フリーの本の一つ、J.K. Rowling の "Harry Potter and the Sorcerer's Stone" (邦題: ハリー・ポッターと賢者の石) の最初のページを Marvin がどのように表示するか見てみよう。ここで著者の Ms. Rowling が彼女の本を DRM なしで(つまり私たちの Take Control 電子ブックシリーズと同様に)出版すると決断してくれたことに感謝したい。そのお陰でここにスクリーンショットの比較を掲載できるからだ。(書籍出版社の Tor も去年、DRM フリーの仲間に入った。2013 年 4 月 30 日の記事“Tor が DRM フリーの電子ブック一周年に到達”参照。)

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見比べてすぐにお分かりの通り、最初の段落の冒頭の文字をドロップキャップにする際の位置取りとスケーリングで、Marvin は iBooks や Nook アプリに比べて大きく見劣りする。また、これは見ただけでは分からないかもしれないが、Marvin は出版社がこの本で選択した書体 (Times New Roman) をページ表示に使っていない。一方 iBooks はいとも簡単にそれを成し遂げている。

出版社が指定した通りの書体を使うことができないのはとても残念なことだが、大多数の小説やノンフィクションの文章ならば、それのみが理由で電子ブックリーダー失格ということにはならないだろう。それがきちんとできるリーダーはあまり多くない。(Nook もそれができていない。)けれども失格と言えるのは、少なくとも私にとっては、より複雑なレイアウト、例えば箇条書きリストや、ハンギングインデント、色付き背景のあるテキストブロック、色付けされたテキスト、といったものを Marvin がうまく処理できない点だ。例えば、私の書いた "Take Control of iBooks Author" の最初のページをさきほどと同じ三つのアプリで開いたものを比較してみよう。

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章の冒頭を飾る黄色の背景の部分を Marvin がまともに処理できていないところ、黒点で始まる箇条書きのインデントがおかしくなっているところ、見出しの前後に不格好な空白があるところ、それから、テキスト見出しやリンクの部分に施された文字の色が無視されてしまっているところに注目して頂きたい。Nook アプリでさえ、確かに指定された書体 (見出しには Verdana、本文には Georgia) は無視しているけれども、文字色やインデント、行間隔などは大体正しく表示できている。

確かに、Marvin ではページレイアウトにたくさんの制御機能があるので、さまざまの設定を調整しさえすれば、私たちの Take Control シリーズのような複雑な本でも一応満足できる見栄えに直せるのかもしれないが、読む人がいちいちそれをしなけばならないというのはおかしい。Marvin ほど賢いアプリならば、出版社が選んだ書体を認識して、可能な限りそれを使用することができるべきだし、箇条書きリストや色付きのテキストなどもユーザーの手を煩わすことなく表示できるべきだ。

小説や伝記、歴史書などを読むだけならば、私は迷わず Marvin を主力の電子ブックリーダーアプリとして選んでいたかもしれない。けれども現在のところは、Marvin は私が「便利だけれど改善が必要」と分類しているアプリの仲間に入ってしまう。でも、私は引き続き注目していたい。これまで私が見たことのある中で、本格的な読書家のために相応しいツールセットを提供している電子ブックリーダーアプリは、Marvin をおいて他にないのだから。

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Cloud Mate の魔法があなたの iOS デバイスにも

  文: Matt Neuburg: matt@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

先月、私は Cloud Mate を扱った記事を書いた。(2013 年 4 月 4 日の記事“Cloud Mate: iCloud を Dropbox に変える?”参照。)たった一つのアプリケーションの中で、自分の持っている すべての iCloud 対応アプリケーションがクラウドに保存している すべての 書類の、概観を与えてくれる。その後も開発者 Red When Excited はぐずぐず時を浪費することなく、Mac 上における Cloud Mate のインターフェイスを大幅に改善してくれた。その上さらに驚くべきことに、iPhone や iPad の上で働くバージョンの Cloud Mate まで提供してくれた。そんなことは絶対に不可能だろうと思えたのに! この記事では、まずデスクトップ版における改善点のいくつかを紹介してから、iOS 用の Cloud Mate がいかにして不可能を可能にしたかについて説明したい。

前回の記事でも触れたが、Mac 用の Cloud Mate はあなたのホームフォルダの Library にある Mobile Documents の内容を直接見ることにより動作して、その内容をユーザーフレンドリーな方法で表現するとともに、あなたがそれらを操作できるようにする。最新バージョンの Cloud Mate 1.5.1 ではさらにユーザーフレンドリーの度が増した。前回の記事で、私は Cloud Mate のウィンドウが書類をアイコンビューでしか表示できないことを嘆いたけれども、この新しいバージョンにはリストビューとカラムビューもある。また、Cloud Mate の Quick Look 機能がシステムベースの Quick Look と同じでないことも嘆いたが、これも本物の Quick Look になった。それから、Cloud Mate の Finder 風のインターフェイスの中でいくつかの Finder キーボードショートカットが働かないことにも触れたが、これも今は働くようになった。何とまあ、まるで開発者たちが私のレビューを読んでくれたみたいじゃないか! 他にも私の気付かなかった改善点はたくさんあるに違いないが、残念なことに開発者たちはリリースノートの中にそういうリストをきちんと発表していないようだ。

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けれども本当の意味で大きなニュースは、Cloud Mate が iOS でも働くようになったことだ。この iOS 版は、Dropbox、Evernote、Google Drive などあなたが購読している Apple 以外のクラウドベースのサービスをリストするのに加えて、iCloud に書類を保存するあなたの iOS アプリや、iCloud 対応のデスクトップアプリケーションもリストする。

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アプリケーションの名前をタップすれば、それが iCloud に保持しているフォルダやファイルの名前のリストが表示される。

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ファイルの名前をタップすれば、そのファイルのコンテンツのプレビューが表示されるとともに、ファイルの名前、サイズ、変更日といった情報も示される。またそのファイルを削除したり改名したり、別のフォルダへ移動(別のアプリケーションの iCloud フォルダも可)したりできるし、各種の共有アクション、例えばメール送信、プリント、Quick Look でプレビュー、そのタイプのファイルを扱える別のアプリで開く、なとどいった操作もできる。

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宇宙の果てのレストラン Milliways[訳者注: The Hitchhiker's Guide to the Galaxy に登場する場所]のごとく、今言ったことは、すべて不可能事だ。Cloud Mate が Mac で動作できるのは、ただ単にあなたの iCloud ベースの書類がすべて、iCloud から自動的にミラーして置かれる特別の場所(具体的には Mobile Documents フォルダの中)に置かれているからに過ぎない。けれども iOS では、すべてのアプリがサンドボックス化されている。アプリは自分自身の書類しか見ることができない。ならば、いったいどうやって iOS 上の Cloud Mate は、他にどんな iCloud ベースのアプリをあなたが持っているかを知ることができるのだろうか? ましてや、それらのアプリが iCloud の中にどんな書類を持っているか、さらには(もっと驚くべきことだが)それらの書類のコンテンツが何かを、どうやって知ることができるのだろうか?

その答は、たった今私が言ったばかりのことの中に隠されている。確かに、他のすべてのアプリと同様に、iOS 上の Cloud Mate はサンドボックス化されている。けれども、Mac 上の Cloud Mate はサンドボックス化されていない。だから、Mac 上の Cloud Mate はあなたのさまざまな iCloud 対応アプリについて、またそれらの持つ iCloud ベースの書類について、情報を集めることができ、_さらにその情報を iOS 上の Cloud Mate に共有させることができる_。では、その共有をどうやって実行するのだろうか? もちろん iCloud を通じてだ! Mac 上の Cloud Mate と iOS 上の Cloud Mate は共に iCloud に対応しているので、両者が共有するフォルダを持つことにより iCloud 自体を経由したコミュニケーションをすることができる。Mac 上の Cloud Mate はあなたの iCloud ベースの書類に関する記述を作成してそれを(Mobile Documents フォルダの中にある)独自の iCloud ベースのフォルダの中に置く。iOS 上の Cloud Mate は 自らの iCloud ベースのフォルダの中から記述を引き出し、それを用いてさきほど述べたアプリや書類のリストや、個々の書類についてのメタデータを表示することができる。

とても巧妙に出来ている。でも、もっと驚くことの説明は、まだこれからだ。iOS 上の Cloud Mate がいったいどうやって iCloud ベースのファイルのコンテンツに対してプレビューを表示したりそのファイルを他のアプリやサービスへと渡したりできるのかを、私はまだ説明していない。その答は、個々のクラウドベースの書類について Cloud Mate が取り出す情報が、その書類の名前、サイズ、変更日のみでなく、www.icloud.com における保存場所の URL も含んでいるからだ。そのお陰で、あなたが書類の名前をタップすれば、Cloud Mate は実質的に、あなたが Dropbox アプリで書類の名前をタップした際 Dropbox がするのと同じことができる。すなわち、その書類が iCloud からダウンロードされる!

実際、私が前回 Mac 用の Cloud Mate をレビューした際に述べた Cloud Mate と Dropbox との比較は、この iOS 用の Cloud Mate においてさらにもっと適切な比較となる。Dropbox ユーザーの中で、iCloud におけるクラウドの中の書類がもっと Dropbox 風に挙動すればいいのにと思わなかった人がいるだろうか? でも iOS 用の Cloud Mate さえあれば、まさにそれが実現する! 個別のアプリとそのインターフェイスを使ってそのアプリのみに属する書類のみを一覧し管理せざるを得ないという制約がもはやなくなり、あなたの iCloud ベースの書類のすべてが、一つの場所で管理できるようになる。どの書類がどのアプリケーションに属しているかには関係なく、それが Mac のアプリケーションであるか iOS のアプリであるかにも関係なく。

例えば、さきほどのスクリーンショットに示された Anton Diabelli の JPEG 写真を見てみよう。これは、Mac 上の Preview アプリケーションに「属して」いる。では、これを iPhone 上の GoodReader に手渡すにはどうすればよいのか? まず、Mac の上で、Preview の中でその写真を選択し、共有ボタンを押して、自分自身あてに電子メールで送り、次に iPhone の上で、メールを受信し、そのメッセージを見つけ、JPEG の添付ファイルをタップし、GoodReader でそれを開く、という手順もある。けれども Cloud Mate があれば iPhone の中ですべてが済む! Cloud Mate の中で、既に Diabelli の写真が見えているので、共有ボタンを使って GoodReader で開くだけの、まさにワンタッチだ。(あるいは、Preview の iCloud フォルダから GoodReader の iCloud フォルダへ直接移すことさえできる。)その上、Cloud Mate の中から Dropbox へも直接アクセスでき、それによって Dropbox のクラウドの世界と iCloud のクラウドの世界との間で書類を移し合うことができるという事実も、ある意味スーパー・ボーナスと言える。

もちろん、そこには一つ重要な注意点がある。iOS 上で Cloud Mate を使い始めるためには、Mac 上で Cloud Mate を走らせていなければ(あるいは少なくとも走らせたことがなければ)ならない。繰り返して言おう。iOS 上の Cloud Mate は、サンドボックス化されている。だから、単独では iCloud ベースの書類を見ることができない。けれども Mac 上の Cloud Mate はサンドボックス化されて いない ので、あなたがどんな iCloud 対応アプリを持っていてそれらがどんな書類を iCloud に保存しているかをすべて調べるという力仕事を担うことができる。その一方で、いったん Mac 上の Cloud Mate がその最初の見つけ出し仕事を済ませさえすれば、かつその同期情報を独自の iCloud ベースの書類フォルダの中に置きさえすれば、iOS 上の Cloud Mate はあなたが iOS デバイス上で施したすべての変更、例えば改名、削除、書類の移動などに遅れずついて行くことができる。

この iOS 版の Cloud Mate の巧妙さと独創的なところに、私は個人的に感激のあまり茫然とした気持ちでいる。同時に自然なことだが、ある悲観的な考えを抑えることができない。つまり、Cloud Mate は明らかに、Apple がさせたくないと思っていることをしている。眠れるゴリラが起き上がって、弁護士を大勢握り締めた拳で Cloud Mate を叩き潰す日が、いつ来ないとも限らないではないか。実際どうなるか私には分からない。けれども私はこれだけは言っておきたい。そういう事態が起こる日が来るまでは、つかの間の Camelot の輝きがある間は、Cloud Mate のお陰で iCloud のクラウド上にある書類がデスクトップ上でも iOS 上でも、Apple が初めからそう すべき であったユーザーの思い通りの機敏なやり方で、扱えるということを。そして、かく言うこの私も、それができる間は存分にそれを使いこなしたいと思っている![訳者注: Camelot は元来アーサー王物語の舞台となった城の名前ですが、米国ではケネディ大統領時代の、未来への希望の溢れた明るい時代を指します。]

iOS 用の Cloud MateiOS App Store から $3.99 で購入でき、iOS 6 を必要とする。Mac 用の Cloud Mate は、iOS 用の Cloud Mate が iCloud ベースの書類を見るために必須となるが、FastSpring から $6.99 で購入でき、OS X 10.8 Mountain Lion を必要とする。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2013 年 5 月 13 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Thunderbolt Firmware Update v1.2 -- Apple が Thunderbolt ファームウェア・アップデート v1.2 をリリースして、Target Disk Mode (一つの Mac をそれと Thunderbolt で接続された別の Mac のハードドライブとして使うモード) の安定性の問題に対処を施した。今回のアップデートは Thunderbolt ポートを持つ Mac のみに対するもので、OS X 10.8.3 Mountain Lion かそれ以降を要する。ファームウェア・アップデートではいつも言っていることだが、手動のダウンロードも可能ではあるけれども、お持ちの Thunderbolt 対応 Mac に適した正しいファームウェア・アップデートを得るためソフトウェア・アップデートまたは App Store アプリに入手を任せ、アップデート作業を途中で中断しないよう注意することをお勧めする。(無料、1.22 MB)

Thunderbolt Firmware Update v1.2 へのコメントリンク:

Alfred 2.0.3 -- 今年の 3 月中旬、Running with Crayons が Alfred 2.0をリリースした。同社のキーボード駆動ランチャーに対するメジャーなアップデートで、より高速に、より効果的に動作するため大幅に書き直されたものであった。このアプリは無料で、基本的な機能としてはバージョン 1.x と同じものを提供するが、拡張機能を盛り込んだ Alfred Powerpack を購入することにより、Alfred 2.0 の最もワクワクする新機能、キーワードとホットキーとアクションを結び付けたワークフローを作成(または読み込み)できる機能にアクセスできるようになる。Powerpack の購入で利用可能になる Alfred 2.0 のその他の新機能としては、連絡先情報へのアクセスの改善、より柔軟性あるテーマの作成などがある。(テーマの限定的なスターターセットは無料版にも含まれる。)

先月、Running with Crayons はメンテナンス・アップデートの Alfred 2.0.3 をリリースして、多数の変更(全部で 40 件がリストされている)を施した。主なものを挙げれば、ワークフローがアップデートされる際にユーザーの設定したホットキーやキーワードも正しく移行されるようになり、並び順の設定が当初なくともワークフローの並ぶ位置がより予期しやすいものとなり、検索結果のデフォルト順序でウェブ検索とワークフローが優先されて並ぶようになり、連絡先情報で Command-C を使った際に名前でなく contact ID がコピーされるようになった。(無料、Powerpack は 15 ポンド、2.8 MB、リリリースノート)

Alfred 2.0.3 へのコメントリンク:

Microsoft Office 2011 14.3.4 -- Microsoft が Office 2011 をバージョン 14.3.4 にアップデートした。焦点を絞ったさまざまの修正を施した、メンテナンス・リリースだ。Outlook については、Gmail において既に廃止された XLIST コマンドが起こす問題、ブロックされた送信者のアカウントから届いたメッセージが Sent Items フォルダでなく Junk Mail フォルダに回されてしまったバグ、ローカルなグループに宛てたメッセージが送信できなかった問題、および Kerberos トークンの有効期限が切れた場合に認証情報を求めるプロンプトが出なかった問題が今回のアップデートで修正された。PowerPoint については、スライドショーの最中にキーボードやリモコンでコントロールできなくなった問題がバージョン 14.3.4 で修正され、また PowerPoint 2011 フォーマットで保存すると PowerPoint 2013 のコンテンツが失われることがあったバグにもパッチが施された。

今回のリリースノートには、Office 365 クラウド購読サービス (バージョン 14.3.0のリリース以降利用可能となった) を購読していれば Office 2011 のライセンスを使うことができるという注記も付いている。このサービスは月額 $10 または年額 $99 で、5 台までの Mac に Office 2011 をインストールできる。そのために、Office 14.3.4 では PowerPoint ウェブアプリと Mac 用 PowerPoint の双方を使ってオーサリングされたセッションがコンフリクトと認識されたバグを解消し、Mac 用 Word の書類を SkyDrive や SharePoint に保存する際に不正な名前が呈示された問題を修正している。(誰にでも同一の「不正な名前」が出たのか、またそれは職場で人に見られるとまずいものだったのか、興味津々だ)(Office for Mac ウェブサイト から、または Microsoft AutoUpdate 経由で無料アップデート、113 MB)

Microsoft Office 2011 14.3.4 へのコメントリンク:

Fission 2.1.3 -- Rogue Amoeba が Fission 2.1.3 をリリースし、このオーディオエディタの Batch Converter をアップデートして、Windows Media ファイルと ALAC エンコードの CAF ファイルをすべて正しく処理できるようにした。今回のアップデートには 20 件以上のバグ修正や改善があるが、主なものを挙げれば一部の FLAC ファイルが開かなかった問題を修正し、Undo を使った後に Time Wells が正しくアップデートされるようにし、モノラルのファイルに Channels セレクタを使えるようにし、画像の上でマウスを動かす際に Artwork Wells 上で光で示すようにし、すべてのウィンドウが閉じられた際に Fission が CPU を使い過ぎる問題を解消している。さらに、Mac App Store 版 で沈黙を挿入するとクラッシュした問題も修正された。(新規購入 $32、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、11.5 MB、リリースノート)

Fission 2.1.3 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2013 年 5 月 13 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Josh Centers が編集主幹の仕事を始めたこともあり、今週の ExtraBITS には素敵な読み物がずらりと揃った。iPad がペースメーカーに干渉する恐れがあるという報告、iOS の暗号化により警察の捜査に支障が出ているという記事、Apple の写真管理機能が弱くて混乱を招きやすいという懸念、Apple が初めて Fortune 10 に載ったというニュース、それから iPad の執筆ツールを概観した素敵な記事もある。

iPad がペースメーカーに干渉する -- 健康な心臓を保ちたいのならば、食生活を正しくし、煙草を吸わず、そして... iPad に近づかないようにすべきなのか? Bloomberg のレポートによれば、ペースメーカーを装着している人が iPad を胸の上に乗せたまま眠ってしまうと、Smart Cover を取り付けるため iPad 2 に装備されている 30 個の磁石の作用によりペースメーカーが停止する可能性があることを 14 歳の Gianna Chien が発見したという。Apple も iPad User Guide の 126 ページにこの危険に対する警告を載せているが、そこまで読んだことのある人がいったい何人いるだろうか? Chien がこの発見をしたのはサイエンスフェアの発表のために調べていたからだったが、残念ながら彼女の発表は一等賞を取れなかった。(メディアで紹介されたことで少しでもその代わりとなったならば嬉しい!)

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Apple の iOS 暗号化が警察を困らせる -- iOS のセキュリティに関しては最近さまざまな苦情が出ているが、少なくとも警察に対する状況ではセキュリティが効果的に働いているらしい。CNET の Declan McCullagh によれば、国中の多くの警察署で iOS デバイスの暗号化により捜査が立ち往生するケースが頻発しており、警察が Apple に援助を求めることが多くなっているという。押収した証拠品の iPhone の暗号化を解いて欲しいというリクエストがあまりにも多く Apple に寄せられ、4 ヵ月待ちの状態が普通になっているようだ。当然ながら、この話が伝えられるということは、裏を返せばおそらく Apple が iPhone の暗号化を破るためのバックドアの手段を持ち合わせている可能性を示唆しているのではなかろうか。

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Peter Nixey から Apple へ写真管理に関する公開質問状 -- 開発者であり起業家でもある Peter Nixey が Apple にあてた公開質問状を発表し、Apple のデバイス上で写真を管理することに関する問題点を熱心に指摘するとともにそれに対する解決策を提案した。Nixey の主たる不満は、写真管理のための有用な iOS ツールがないこと、Photo Stream での重複と混乱、Photo Stream でビデオの同期ができないこと、ストレージ容量の少な過ぎるデバイス、といったことだ。彼が提案するのは、新たに有料の Apple サービスを作り、ユーザーの持つすべての写真とビデオのコレクションの標準版を iCloud の中に保存して、そのユーザーの持つすべてのデバイスからそこにアクセスできるようにすることだ。現行のシステムがどれほど壊れているかを Apple が理解し、彼の苦情や他の人たちの苦情に対処してくれるようになることを祈りたい!

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Apple が Fortune 500 のトップ 10 に食い込む -- Apple の株価の乱高下は、同社を米国の会社の時価総額で見たトップの地位に登らせたり滑り落ちさせたりしているが、そういう動きは Fortune 500 リストには影響しなかった。こちらは会社を粗利益高によってランク付けしているからだ。Apple の成績はこちらでも悪くない。2013 年版の Fortune 500 リストにおいて、Apple は以前の 17 位からいきなり 6 位へと飛び上がった。Apple は初めてトップ 10 に食い込み、Apple が他の巨大企業と比べてどうなのかをより正確に反映することとなった。

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iOS の執筆アプリをライターが分析する -- ライターであり、カウンセラーであり、長年の TidBITS 読者でもある Gary Bloom が、iOS 用の執筆アプリを詳しく比較する記事をタップし書き上げた。個々のアプリを、それぞれ巧みに家に例えている。Nebulous Notes について、親切にも TidBITS のレビュー記事さえ引用している。ただしこれは厳密には彼の言うように私たちの「お気に入り」のアプリではなくて、ただレビューを書いてもいいと思える程度に好感を持っただけのことだったが! iPad 上で本格的に文章を書きたいと思う人には、この記事は必読だろう。彼が選んだお気に入りのアプリは意外に思えるかもしれない。

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