TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1197/28-Oct-2013

この一週間は Apple ユーザーにとって大きな意味を持つ一週間だった。まずは OS X 10.9 Mavericks と iOS 7.0.3 がリリースされ、MacBook Pro が一新され、新しい Mac Pro がベールを脱ぎ、iPad mini の Retina ディスプレイモデルと、全く新しい iPad Air が登場した。Apple はまた iOS 用と Mac 用双方の iWork および iLife アプリを設計し直し、デバイスを購入すればそれらのアプリが無料で入手できるようにした。今週のニュースはまだまだ他にもある。私たちは Take Control 電子ブックシリーズの十周年を祝いつつ "Take Control of Upgrading to Mavericks" をリリースした。残念ながら完璧でなかったこともいくつかあって、Joe Kissell が Mavericks の Apple Mail における重大な欠陥を詳しく分析し、Adam Engst がシステムコントロールユーティリティを有効にするための紛らわしい新手順を解説する。さて、話題を変えて、私たちの最新の DealBITS 抽選では Tonx コーヒー 3 袋が賞品となり、FunBITS 記事では Michael Cohen が電子ブックの Netflix となることを目指す二つのサービス Scribd と Oyster を紹介する。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Alfred 2.1、SpamSieve 2.9.10、ChronoSync 4.4.2 および ChronoAgent 1.4.3、DEVONthink および DEVONnote 2.7.1、Safari 6.1、Pixelmator 3.0、BusyCal 2.5.3、iMac SMC ファームウェアアップデート 1.1、iMac 10.8.5 追加アップデート 1.0、Carbon Copy Cloner 3.5.3、Scrivener 2.5、Hazel 3.2、Voila 3.6、iTunes 11.1.2、それに iBooks Author 2.1 だ。

記事:

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DealBITS 抽選: Tonx Coffee が当たる

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私たち Apple ユーザーはコーヒーが大好きだ。[*] そこで、 世界最高とも言えるコーヒー豆を無料で味わえるチャンスを、皆さんに提供することにした。Tonx は購読契約によりコーヒー豆を届けてくれるサービスだが、世界中を探し回って最高の豆を手に入れ、それを炒って、ただちにあなたの家まで届けてくれる。

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今回は、Tonx がローストしたての豆の 12 オンス袋 ($19 相当) を、3 人の方々に提供したい。欲しい方は、2013 年 11 月 4 日より前に DealBITS ページで応募して頂きたい。(申し訳ないことですが、Tonx がコーヒーを出荷するのは米国とカナダあてのみです。それ以外の国にお住まいのコーヒー愛好家の皆さん、すみませんがどうかご了承ください。)

Tonx はコーヒーに本気で取り組んでいる。彼らは単に最高の豆を届けるだけでなく、新しく始めたニュースレター The Frequency の中でコーヒーに関する記事を書いたり、最高のコーヒーをいれる方法のヒントを提供したり、それからこれはちょっと内緒話だが、コーヒーをいれる器具の値引きを購読者たちに提供したりもしている。

あなたの朝の一杯を新たなレベルへと引き上げたいなら、Tonx を購読してみてはいかがだろうか。このサービスはシンプルでありながらうまくデザインされている。購読は簡単で、キャンセルするのも簡単だ。Tonx を使えば、あっという間にあなたが今まで飲んだこともなかったような最高のコーヒーが味わえる。

でも、どうか私の言葉を鵜呑みにしないで頂きたい。今回の抽選に応募して、12 オンス袋が当選すれば二週間はたっぷり味わえるし、当選しなくても無料のお試しにサインアップできる。寄せられた情報のすべては TidBITS の包括的プライバシー規約の下で扱われる。

[*] Apple インテリたちにコーヒーマニアが多いという私の意見を信じない方は、Marco ArmentMarco TabiniShawn BlancFederico Viticci といった人たちに聞いてみて頂きたい。油分の多いあの小さな豆の力のお陰で、あなたが大好きな Apple 関係の読み物の多くが書かれているのだ。Daring Fireball の John Gruber は彼の言う「インターネットで成功するための三か条」の中に「こだわりのコーヒーをいれる設備を備えること」を含めているくらいだ。

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iOS 7.0.3、iCloud Keychain を加えアニメーションをなくす

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

ほとんどあらゆるものをアップデートしたばかりだというのに、Apple はさらに iOS 7.0.3 もリリースして、ついに iCloud Keychain 機能を追加し、一部のユーザーたちに気分の悪い思いをさせていたモーションエフェクトをなくせるようにし (2013 年 9 月 25 日の記事“iOS 7 アニメーションで気分が悪くなる人でる”参照)、加速度センサーの調整の問題 (詳しくは 2013 年 10 月 18 日の記事“iPhone の位置センサー、良かった試しはない”参照) を修正した。92.8 MB のこのアップデートは Settings > General > Software Update からダウンロードできる。

iCloud Keychain は iOS 7 の Safari に内蔵された機能で、セキュアなパスワードを保存したり生成したりし、それらを OS X 10.9 Mavericks の Safari と同期させることができる。1Password や LastPass などの製品と似ているが、そういうものほどさまざまの機能を持っている訳ではないし、また Safari 以外の Mac 用ブラウザとは互換でない。

iOS 7 のけばけばしいアニメーションに不満の声を挙げたユーザーたちは多かった。アイコンが Lock 画面から急降下したり、フォルダが「ズーム」して表示されたり、といったことだ。時間の無駄遣いだと苛立つ人もいたし、実際に身体的不調を訴えた人もいた。そこで iOS 7.0.3 では、Settings > General > Accessibility > Reduce Motion (視差効果を減らす) を開いてそのスイッチを入れれば、これらのアニメーションが出なくなるようになった。従来のバージョンの iOS 7 ではただ単に視差効果を除去するだけのスイッチであったのたが、今回からこのスイッチがアニメーションも叩き出すようになった訳だ。Federico Viticci による短いビデオがその違いを実演している。また、今回から Settings > General > Accessibility にある Bold Text (文字を太くする) 設定がダイヤルパッドの文字にも適用された。(2013 年 9 月 19 日の記事“視力に障害がある者にとっての iOS 7 を覗き見る”参照。)

Apple によれば、テキストメッセージが送信できない問題が今回のアップデートで修正されたという。この問題は一部のユーザーたちに大いなる困惑を与えていた。(2013 年 10 月 2 日の記事“iOS 7 の四つの問題: クラッシュ、メッセージ、Siri、オーディオ”参照。)その記事に書かれた他の問題も解消されていることを願いたいが、リリースノートにはそれらの問題について何も触れられていない。

iPhone 5s ユーザーで Touch ID センサーをあまり使っていなかった人たちは、Touch ID を有効にしている場合に Lock 画面上の "Slide to Unlock" スイッチが遅れて表示されるようになったことを歓迎するかもしれない。指紋スキャナが Lock 画面からも使えることが、一目で分かるようになったからだ。

iOS 7.0.3 で返り咲きを果たしたのが、iOS 7.0 で不可思議にも消滅していた、Spotlight 検索画面からウェブや Wikipedia を検索できる機能だ。その他の歓迎すべき修正点としては、iWork アプリを使用中の安定性の改善、ユーザーが Lock 画面のパスコードを回避できてしまうバグの解消、iMessage をアクティベートできない問題の修正などがある。

全体的に見て、iOS 7.0.3 は iOS 7 についての大きな不満点の多くを修正している。これから数日間この 7.0.3 アップデートが何事もなく推移したのを確認した上で、従来のバージョンの iOS 7 を走らせている人は全員、アップデートすべきだと思う。そして、アニメーションに惚れ込むことができないというだけの理由でまだ iOS 7 にアップグレードしていなかった人も、今こそ調整の施されたこのオペレーティングシステムに魅力を感じることができるのではなかろうか。

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Apple、OS X 10.9 Mavericks を無料でリリース

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

伝統を打ち破って Apple は OS X 10.9 Mavericks を、6 月の Worldwide Developer Conference での約束の "秋" 以来特段の予告もなしに、先週リリースした。もっと興味深いのは、Mavericks を全ての Mac ユーザーに対して初めて無料としたことである。条件は Mac App Store にアクセス出来ることで、この機能を持つのは 10.6.8 Snow Leopard まで遡る。

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同社の特別イベントに於いて、他にも新型 Mac Pro、新しい MacBook Pro モデル、新バージョンの iLife と iWork、そして新しい iPad Air 及び iPad mini Retina ディスプレイモデルの発表もあったが、Apple の Craig Federighi は Mavericks の主な改善を要約してみせた。披露されたものに、より良い電池寿命、より効率的なメモリの使用、そしてより高速のグラフィックスのような基礎部分の改善が含まれる。彼はまた、新しい Maps と iBooks アプリのデモをさっとやり、Safari の新しい Shared Links と強化された Reader ビューもお披露目し、そして Messages からの対話型の通知にも応えてみせた。その時のメッセージには、彼の妻からのメッセージと思われる "Hair Force Two" と言うおどけたユーザー名を持つかわいらしいものも含まれていた (Federighi は、これまでも彼の粋な髪形について数多くのジョークを飛ばしてきた)。他の機能で我々もワクワクしているものに、複数モニターへのサポートの改善、Calendar と Contacts の縫目付き革の外観の廃止、Finder タブ、そして書類のタグ付けが含まれる。我々の最初の記事 ")Apple、OS X 10.9 Mavericks をプレビュー" (10 June 2013) も参照のこと。これは今でも十分に意味をなす概観となっている。

しかし、我々の様に注視してきた者にとって一番の驚きだったのは、Apple が Mavericks を完全に無料にしたことで、10.8 Mountain Lion の $19.99 コストすらも取り除いてしまった。そして Apple は Mavericks を直ちにリリースしたが、これはこれまでの年とは違う。これまでは実際に入手可となるまでに数日間の予告期間があった。いずれにしても、我々も最終価格情報と Mac App Store リンクを確認して、Joe Kissell の "Take Control of Upgrading to Mavericks" への最後の修正を完了させることが出来た。残念ながら、Sharon Zardetto の "Take Control of iBooks" はまだそこまで行っていないので、完成品を出せるまでリリース前価格のままにしておく。

Mavericks 自体はタダかも知れないが、$64,000 の質問は残っている:Mavericks アップグレードに直ちに取り掛かるべきか? 我々の答えは条件付きのイエスで、条件は Apple Mail や Gmail に依存していなければである - 詳細は "Mavericks の Mail が Gmail との関係を崩す" (22 October 2013) 参照。Gmail を使っていない場合、答えはイエスで、その理由は、Mavericks は Mountain Lion が走る如何なる Mac 上でも走るからである。Mavericks は我々のテストでは一般的に良い成績で、それに電池寿命が延びたことでラップトップのユーザーにはとりわけ良い選択であろう。

しかし、我々はこの進言に、注意深くという条件を付けなければならない:きちんと計画出来ていない状態で Mac App Store の Download ボタンを押したりすると、大変な思いをする可能性がある。例えば、代替不能のアプリがたまたま Mavericks とはコンパチでなかったり、或は深部でのディスク破損がその時 (大量のファイルが触られている時) を狙って牙を剥き出すとかである。始める前に十分な注意と完全なバックアップをすること - 我々は気が狂う程の労力を "Take Control of Upgrading to Mavericks" に注いできた、何故ならば悪魔は細部に潜んでおり、細部は膨大な量となることがある。

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満足感ある Mavericks アップグレード

  文: Tonya Engst: tonya@tidbits.com, @tonyaengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple の新しい OS X 10.9 Mavericks のリリースは、我々にとってもある意味では日常業務であった。何故ならば、Mavericks は我々が出版した (そして私が編集した) Joe Kissell の "Take Control of Upgrading to..." 電子本の 7 回目となるからである。"Take Control of Upgrading to Mavericks" は入手可となってからもう数週間になる。最初は 1.0 早起き鳥バージョン、それから 1.1 のリリース日バージョン、そして現在の 1.2 の経験豊かなより賢いバージョンである。

作業を始めたのは約半年前で、10.4 Tiger の様な古いバージョンの Mac OS X を走らせている人は今でもいるであろうかと言うのが最初の論議であった。そこから、現行システム上で単にインストーラーを走らせる代わりにまっさらのインストールで新たなスタートを切りたいと思う人はいるであろうか、或は起動可能な複製を作成するという安全策を用意してアップグレードするという最も賢いアップグレードに対する忠告を求めている人はいるであろうかを話し合った。そして、Mavericks にアップグレードすることについて言える何か新しいことはあるのであろうかも思い悩んだ。結果としては、これら三つの質問に対する答えは全て声高な "イエス!" であった。

"Take Control of Upgrading to Mavericks" は役立つと示してくれる出来事が昨日我が家でもあった。それは日曜の午後で、我々の 14 才になる息子 Tristan は彼の MacBook 上に Mavericks をインストールしたがっていた。Adam も私も、この本の 1.2 アップデートを仕上げる必要があり週末の用事をやり繰りしていたので、Adam はこの本のコピーを Tristan と Google Drive 経由で共有し、後は彼の自由にさせることにした。

Tristan が 1.1 バージョンに取り組んでいる間、私はバージョン 1.2 への最新の追加分の編集をしていた。この本は現在直ちにはアップグレードすべきではない三つの理由を挙げている (この内二つは 1.1 以降に見えてきた):Sync Services の欠如、Messages に Theater オプションがない、そして Apple Mail 側での、特にあなたが Gmail メールを使っている場合、悪行が挙げられる。(詳細は Joe の Mail 問題に関する TidBITS 記事、"Mavericks の Mail が Gmail との関係を崩す" 22 October 2013 を参照。これは 92,000 ページビューを記録し、そしてコメント数は 280 を超えて、今でも増えている。) Joe はまた iCloud Keychain と iBooks についての更なる詳細、そして複数モニターに関するヒントを、インストール後の作業に関する彼の章に追加した。

Tristan は何回か Adam の所にきて、予備の外部ドライブを探したり、Apple Hardware Test が入っている DVD は何処にあるのかを聞いたりしていたが、その他はアップグレード全てを自分でやった。後に Tristan が言った、"2、3 年に一度は、この様な作業を自分のコンピュータ上で行うのは本当にいいことだよ。" (ありがとう Joe、この様な自覚は親の説教からはまず絶対に得られない。) Joe の忠告は完璧に働いた、そして Tristan のアップグレードもうまく行った (彼は Gmail を使うが Apple Mail は使っていない)。

我々は "Take Control of Upgrading to..." をもう 10 年間も出版してきたので ("Take Control 電子ブックの十周年を祝う" 28 October 2013 参照)、我々には人々をアップグレード経験に対してどの様に導いて行けば良いかに磨きをかける十分な時間があった。しかし我々が 2003 年以来頭に置いてきたのは、我々は読者に電子本を、書いてあることは理解でき、中身は正確に思え、そして自分にも出来るという感覚の中で読み終えて欲しいということである。それは、インストール終了後の始動チャイムを聞き、そして、Tristan と同じ様に、自分の Mavericks Desktop を初めて目にすることからくる良き信頼感の様な単純なことかもしれない。或は、ひょっとするとその信頼感は、問題追跡の章を読みインストール後に出てきたグレー画面の問題にどう対処するかを学ぶまで待たなければならないかもしれない。或は、ようやく自分のユーザーアカウント名を正しいものにし、そしてあなたの隠れた ~/Library フォルダを見えるようにする Mavericks で新しく登場したチェックボックスを見つけ出すことが出来て初めて信頼感が感じられるということなのかもしれない。あなたの事情がどの様であれ、"Take Control of Upgrading to Mavericks" には、如何なるそして如何なる年齢の Mac ユーザーに対してもアップグレードの成功を確かなものにする忠告がいっぱいである。

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新 Retina MacBook Pro 薄く、軽く、安価に

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: 笠原正純 <panhead@draconia.jp>

Apple は 13 と 15 インチ MacBook Pro シリーズをオーバーホールした。薄く軽くし、より高速なプロセッサー、PCIe ベースのフラッシュストレージと Thunderbolt 2 を搭載した。それらはすぐにオーダー可能になった。前モデルからの名残は、人気のあるエントリーレベルの 13 インチで、2.5 GHz デュアルコア Intel Core i5 に 4GB の RAM、Intel HD 4000 グラフィックス、内蔵 SuperDrive、500 GB 5400-rpm ハードドライブという仕様で $1,999 からだ。少ない支出で大きなディスクスペースが必要なのでなければ、このモデルは避けた方がいい。これは明らかに過去の機種だから。

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アップデートされた Retina ディスプレイ搭載の 13 インチ MacBook Pro は重量が 3.46 ポンド(1.57 kg)でわずか 0.71 インチ(1.8 cm)の厚さしかないが、9 時間の電池使用時間を提供している。内部的には、それは新しいデュアルコアの Intel Haswell チップ、Intel Iris グラフィックス、802.11ac Wi-Fi、Thunderbolt 2、より高速な PCIe フラッシュドライブを誇っている。

13 インチ MacBook Pro は、2.4 GHz デュアルコア Intel i5 プロセッサ、4 GB の RAM、128 GB のフラッシュストレージで $1,299 から始まる。ミッドレンジの $1,499 モデルでは、2.4GHz デュアルコア Intel i5 プロセッサー、8 GB の RAM、256 GB のストレージとなる。オプションとして、2.5 GHz の Intel i5 に $100 で、2.8GHz デュアルコア Intel i7 に $300 でアップグレードできる。

最高級の 13 インチ MacBook Pro は、2.6 GHz Intel i5 プロセッサに 512 GB のストレージで $1,799 から始まり、2.8 GHz の Intel i7 に $200 で、1 TB ストレージに $500 の追加料金でアップグレードできる。三つのモデル全てで、RAM を 16 GB に増やすことができる。4 GB から 8 GB へは $100、8 GB から 16 GB は $200 だ。

デザインし直された 15 インチの MacBook Pro Retina ディスプレイ(今は 15 インチ MacBook Pro はこのモデルしかない)は、Intel Crystalwell クアッドコアプロセッサ、PCIe フラッシュストレージ、Thunderbolt 2 を搭載し電池使用可能時間は最長 8 時間だ。厚さは 13 インチモデルと同じだが、重量は 1 ポンド重く 4.46 ポンド(2.02kg)だ。

15 インチ MacBook Pro のローエンドモデルは $1,999 から始まり、2 GHz のクアッドコア Intel i7 プロセッサ、8 GB RAM、256 GB フラッシュストレージ、Intel Iris Pro グラフィックス搭載だ。プロセッサを $100 で 2.3 GHz Intel i7 に、$300 で 2.6 GHz Intel i7 にするオプションがある。RAM を 16 GB にするには $200、ストレージを 512 GB にするのには $300 で 1 TB にするのには $800 だ。

ハイエンドモデルの価格は $2,599 で、2.3 GHz クアッドコア Intel i7 プロセッサ、16 GB RAM、512 GB ストレージ、そして、Intel Iris Pro グラフィックスに加えて 2 GB の RAM を積んだ Nvidia GeForce GT 750M が加わる。さらに $200 で 2.6 GHz Intel i7 に、$500 で 1 TB フラッシュドライブにできる。

MacBook Pro ラインの Retina ディスプレイへの移行は極めて速く行われた。そして、時間の経過につれて価格は下がった(前モデルの価格は“Apple、MacBook の仕様と価格を微調整” 14 February 2013 参照)。そうは言っても、フラッシュストレージへの移行はいくつかの点で歓迎できない、ギガバイトあたりの価格がまだ高過ぎるからだ。Apple は 256 GB から 512 GB に $500 のプレミアムを課し、500 GB から 1 TB へのハードディスク増加の価格に慣れたユーザにショックを与えた。もちろん、フラッシュストレージは Apple がその利益率を上昇させる要因の一つだ。iPad や iPhone のラインナップで行われているわずかなストレージの増加に対して価格がジャンプアップするというやり方にも同じことが言える。

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Apple が iPad Air、iPad mini Retina ディスプレイモデルを発表

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: 笠原正純 <panhead@draconia.jp>

Apple は新モデルの iPad を二つ発表した。iPad Air は $499 から、iPad mini Retina ディスプレイモデルは $399 からそれぞれ始まる。 iPad Airは 2013 年 11 月 1 日発売で事前予約は受け付けない。対して、iPad mini Retina ディスプレイモデルは 11 月発売予定だが日付は決まっていない。第一世代の iPad mini は $299 とより安価になって継続して販売される。さらに、ややこしいことに、iPad 2 は $399 で生き延びる。しかしながら、これらの古い iPad における iOS 7 のパフォーマンスが惨憺たる事を考えれば、現時点で iPad 2 や iPad mini を購入することはお勧めできない。低価格が再優先というのでなければだが(そのような場合には、中古の第三世代か第四世代の iPad のほうが良い選択だろう。)

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新しい iPad の両モデルは、iPhone 5s に見られた Apple の 新しい A7 SoC、2048 x 1536 ピクセルの Retina ディスプレイ、高速通信のために複数のアンテナを使う新しい MIMO Wi-Fi 技術、より広範な LTE サポート、10 時間の電池使用時間、ピクセル数を増やし暗所反応性を高めた、新たにデザインされた 5 メガピクセルの背面カメラを搭載している。

新しい iPad のために追加された LTE キャリアの一つは T-Mobile で、同社は月に 200 MB までの通信を、たとえ T-Mobile との契約を止めたとしてもずっと提供し続ける。同社は伝統的な月額契約に加えて日額や週額契約も提供している。(一日 500 MB が $5 で、一週間 1 GB は $10 かかる。)

興味深いことに、どちらの新しい iPad モデルも iPhone 5s にある Touch ID 指紋認証を搭載していない。パスコードを大きな画面で入力することは苦痛なので、この技術は歓迎されただろうし、第三世代や第四世代の iPad ユーザに買い替える気を起こさせることができただろう。

しかし、ラインナップでおそらく最も大きな驚きで迎えられたのは新しく吹きこまれた iPad Air という風だろう。このモデルがこう呼ばれるようになったのは、フルサイズの iPad のなかで最も薄く軽いからで、わずか 7.5 mm の厚さと 1 ポンド(453 g)の重さしかないためだ。対する iPad 2 は 8.8 mm の厚さで 1.33 ポンド(603 g)ある。iPad Air は iPhone 5s 同様、最小限の電力で継続して動きを記録し続ける M7 モーションコプロセッサを搭載した。また、デュアルマイクと改善されたバックライトも含んでいる。

16 GB ストレージの iPad Air が $499 で購入可能で、32 GB、64 GB、128 GB のストレージオプションがそれぞれ $100 刻みで用意されている。16 GB LTE iPad Air は $629 から始まり、再び 32 GB、64 GB、128 GB のバリエーションが有り $100 ずつのプレミアム料金が加算される。

無理もないことだが、iPad mini Retina ディスプレイは前モデルと比較して厚く重くなった。といっても、わずかに 0.3 mm 増えて 7.5 mm の厚さになり、0.05 ポンド(22.6 g)増えて 0.73 ポンド(331 g)になっただけだ。新しい iPad mini は 16 GB Wi-Fi モデルが $399、LTE バージョンが $529 から始まる。iPad Air と同じく 32、64、128 GB ストレージが用意されていて、各々の段階に $100 の追加料金が加算される。

両モデルとも 2 色が用意されている。スペースグレイは前面が黒でシルバーの前面は白だ。同時に用意された、プラスチックの Smart Cover は $39、新しい革製の Smart Case は iPad mini 用が $69、iPad Air 用が $79 だ。両方とも 2013 年 11 月 1 日に発売される。

あなたがどれか一つを買うとしたらどのモデルにする?大きな画面(おそらく液晶画面でのキー入力が楽なようにという理由だろう)が欲しいのでなければ、iPad mini Retina ディスプレイこそが進むべき道に見える。それはまだ iPad Air より薄く軽いし $100 安い。プロセッサ、電池使用時間、カメラは二つのモデルで共通だし、iPad mini のほうがより良いディスプレイを持っていると考えられるからだ。なぜなら、iPad Air の 264 ppi に対して 326 ppi という、より高い解像度を持っているからだ。

では、既存の iPad からアップグレードするに値するのか?もちろん、私達はまだこれらの新しいモデルで時間を過ごせていないが、約束されたパフォーマンスの向上は、特にオリジナルの iPad や iPad 2 に慣れている人のために、説得力があるように見える。第一世代の iPad mini に興味を持ちながら、その古いプロセッサと Retina ディスプレイが付いていないことで購入を延期していた人々にとって、新しい iPad mini はこのうえなく魅力的だ。

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新 Mac Pro の詳細が明らかに

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

今年 6 月の Worldwide Developer Conference において、再設計された Mac Pro でパワーユーザー達を興奮させた後 ("Apple 新 Mac Pro に手をつける" 10 June 2013 参照)、Apple はようやくここにきてその詳細を発表した。この丸い力のタワーは 2013 年 12 月に入手可となる予定で、価格は $2,999 の 3.7 GHz quad-core Intel Xeon E5 プロセッサ、12 GB の RAM、デュアル AMD FirePro D300 グラフィックスプロセッサ - それぞれが 2 GB の RAM を持つ - そして 256 GB の PCIe フラッシュストレージのモデルから始まる。全仕様については Apple のサイトを参照のこと。

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もしもっと強力なものが欲しければ、$3,999 で 3.5 GHz six-core Intel Xeon E5 プロセッサ、個々に 3 GB の RAM 付きのデュアル AMD FirePro D500 グラフィックスプロセッサ、そして 256 GB の PCIe フラッシュストレージの付いたモデルが買える。どちらのモデルのフラッシュストレージも 512 GB か 1 TB に増やし、そして RAM も 32 又は 64 GB に増やせる - これらのアップグレードに対する価格は未だ発表されていない。

ディスプレイ側では、この新しい Mac Pro は三個の 4k ディスプレイ (水平方向に約 4000 ピクセルを持つディスプレイ) 又は六個の Thunderbolt ディスプレイを駆動できる。標準のポートには、四つの USB 3.0 ポート、六つの Thunderbolt 2 ポート、二つのギガビット Ethernet、そして HDMI 1.4 UltraHD が含まれ、他には光学/デジタル混合オーディオ出力/アナログラインアウト・ミニジャックとヘッドセットサポート付きのヘッドフォンミニジャックとが付いている。802.11ac Wi-Fi と Bluetooth 4.0 も内蔵されている。この新しい Mac Pro に見当たらないのはキーボードとマウスである。

Apple の特別イベントで、Apple Senior Vice President of Worldwide Marketing Phil Schiller は、"人々はこの新しいデザインに圧倒された" と自慢した (彼はまた間違って Batman を "The Black Knight" と言って会場を白けさせた。) Mac Pro は見事な物体である - 高さは 9.9-inch、幅は 6.6-inch (25.1 x 16.8 cm) の円筒で、光り輝く黒の光沢アルミ筐体に収められている。Apple は Mac Pro が 作られる工程のビデオを見せたが、我々数人は製造過程の初期段階で見られた輝くクローム外観に目を奪われた。

それは単に美しいだけではない。旧型 Mac Pro は八つのファンを必要としたが、この新しい円筒デザインは一つしか必要としない、そしてこの新しい Mac Pro は体積では旧型の 1/8 しかない。待機時には、たったの 43 ワットしか消費せず、その騒音レベルも 30 dBA から単なる 12 dBA と下がった - これは Mac mini と同じレベルの静かさである。比較のために言うと、 針の落ちる音は通常 10 dBA あたりである。

プロモビデオでは、この新型 Mac Pro に熱狂している創造的専門家達が映っていた。Grammy 賞受賞のプロデューサー Stuart Price は次の様に言っている、"新型 Mac Pro は強烈に速いが吃驚するほど静かだ。これを信ずるには聞けない音を聞いてみるしかない。これは録音スタジオには完璧なコンピュータだ。" Hollywood の映画制作者 Dean Devlin は、"Mac Pro は実時間 4k 編集を現実のものとする。これは私の想像以上に強力で、私の映画の作り方を変えてしまうであろう" と語った。

これは、誰がこの新型 Mac Pro を買うであろうと Apple が思っていることを表している - 創造的専門家達で、ビデオを処理する、オーディオをミックスする、或はピクセルを大々的に動かす連中である。しかし、この値段では多くの昔からの Mac Pro ユーザーを iMac の腕の中へと送り込んでしまうであろう。こちらは、卓越した性能と複数モニターサポートを遥かに少ない金額で提供している。それは悪いことではなく、新型 Mac Pro は性能に究極を求める人たちを真に狙っていることの単なる現れなのであろう。

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謎めいた Mac Pro ポスター出現

  文: Jeff Carlson: jeffc@tidbits.com, @jeffcarlson
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

私は Apple から予期しない謎めいた小包を受け取ったところだ。それは背の高い細身の箱で、AirPort Extreme が二、三個重なって入りそうな感じのものであった。

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新時代の石状柱物体? ひょっとすると、新 Mac Pro の真ん中から取り去った "ドーナッツの穴" かも? うーん、結構近かった。

筒を開けてみると、数枚の大判の Mac Pro ポスターと一枚の説明文が入っていた:このコンピュータを作るのは正気の沙汰ではない。従来の考え方を覆し、その上で住み着いている $#&% を蹴り出したものだ。我々は我々の仮定全てに疑義を唱えた。我々の先入観は捨てた。そして限界を次から次へと打ち破った。これが新しい Mac Pro だ。これは我々がこれまで作ってきた Mac とは違う。そして、我々はこれを使って皆さんが創り出すものを待ち切れない。

ポスターは 36 x 25 インチで、厚手のポスター用紙に印刷されている。そこにはもうすぐ出る Mac Pro の色々な画像が表現されている。

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私を画像以上に驚愕させるのはその筒である:これはその辺の文具店にある様な安っぽい郵送用筒ではない。過酷な使用に耐える厚紙製で、外側はダークグレー、内側は白で、両端に光沢の反射するキャップが付いている。そして、まさにこれぞ Apple と言える様に、キャップは隙間なしに勘合している - これを開けるため私の爪を間に入れるのには時間がかかった。

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Apple が予告無しの宣伝材料を送ってくるのは別にこれが初めてではない。私は今でも Apple が 1998 年に送出した Think Different 冊子を持っている。これは Steve Jobs が復帰し、同社のアイデンティティーを再定義する動きを始めたものである。

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他にも報道関係者でこの筒を受け取った人はいるが、誰がどうして受け取ったのかの訳は私にはわからない。私が受け取ったのは、私が Seattle Times の Mac コラムニストだからだと思うが、しかし私のコラムが出るのは月に一度しか無いので、私の通信量で Apple が私を選んだとは思い難い。

それでも、私は ポスター筒を開ける 写真付きの短い記事を書いたのだから、Apple は、良い仕事をしたと言える。

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無料の新 iLife、iWork アプリはデバイスとプラットフォームを横断

  文: Michael E. Cohen: mcohen@tidbits.com, @lymond
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

競合製品の開発者に心悸亢進を起こさせようとでもいうのだろうか、Apple は同社の iLife アプリ、つまり iPhoto、iMovie、GarageBand と、同社の iWork アプリ、つまり Pages、Numbers、Keynote を、新しい Apple ハードウェアを購入した人たち(それが iOS デバイスであろうと Mac であろうと)すべてに無料で提供すると発表した。それに加えて、上記のすべてのアプリは今回デザインし直され、書類やメディアがクロスプラットフォームで共有できるようになった。

Apple が iLife および iWork スイートで新しくなったこととして発表した内容を、以下に概観してみたい。さらなる詳細情報も、きっと間もなく明らかとなることだろう。

iPhoto -- Mac 版の iPhoto は大体においてあまり変わっていないようだが(ただし OS X 10.9 Mavericks の下でのパフォーマンスが向上したと謳われている)iOS 版の iPhoto には整理やプレゼンテーションのための多数の新しいオプションが追加された。例えば、写真を月ごとに整理したり、写真のタイプや説明文その他の基準でフィルタ分けしたり、写真を並べ替えてアルバムを作るためにタグ付けしたり、といったことができる。

iOS 版には、シャープネスや彩度など、さらに高度な編集ツールも追加された。新しいエフェクトも多数ある。(画像の「オーラ」を調整したり、「芸術的」フィルタを適用したり、といったこともできる。)

今回初めて、iOS 版の iPhoto の中からユーザーがフォトブックを作成して印刷を注文することまでできるようになった。また、Photos アプリのスライドショーがどこへ行ってしまったのかと思っている人は、この新しい iPhoto の中でスライドショーができる。スライドショー以外のプロジェクトも、例えばウェブジャーナルや、今述べたフォトブックなどもある。

残念ながら、Mac 上と iOS 上の iPhoto ライブラリ同士を接続させることはできないようで、複数のデバイスにある写真を一ヵ所に集めて作業したりするのは不可能のようだ。

iMovie -- Mac 版の iMovie は新しいインターフェイスとなり、無駄無くクリップをブラウズできるとともに、別途ムービープロジェクトを作成する必要なしにクリップをウェブ上や電子メール経由で共有できるようになった。また、エディタのデザインも一新し、手軽にエフェクトにアクセスできるとともに、使いやすい速度変更コントロール、オーディオフィルタ、ピクチャ・イン・ピクチャおよびサイド・バイ・サイドのプレゼンテーション、それからカラーコントロール、手ぶれ補正コントロール、クリップ同士の色合わせなどの機能を持つ Adjustments Bar などが装備された。

大きな新機能として、iMovie Theater がある。編集されたムービーや予告編(そう、iMovie は今でも 29 個あるテンプレートの中から好きなものを選んで予告編を作れる機能を備えている)を作って、それをあなたのどのデバイスとも、Apple TV とも、iCloud 経由で共有できる。

Mac 版と同様に、iOS 版の iMovie も共有機能が強化されていて、このアプリの Video ブラウザから直接 iMessage、電子メール、ウェブ、または iMovie Theater を経由してクリップを共有できる。デザインし直されたエディタも新しい Mac 版と似ていて、Adjustments Bar を備え、8 個のテーマを提供し、高度なオーディオ編集機能を持ち、iPhone 5s 上でスローモーションのビデオを編集する機能に対応し、ピクチャ・イン・ピクチャ、カットアウェイ、画面分割などの特殊エフェクトも使える。また、14 個あるテンプレートの中から好きなものを使って iOS アプリの中で予告編が作れる。

GarageBand -- 前回アップデートされたのは 2010 年のことだったが、今回の新しい Mac 版の GarageBand には全く新しいサウンドとループのライブラリが付いており、アプリ内購入で追加することもできる。Smart Control は選択したソフトウェア音源やアンプ (35 個のストンプボックスもある)、またはエフェクトに応じて自動的に変化するようになっている。実際のセッションドラマーたちや録音エンジニアたちの手によるサンプルを使った、バーチャルなセッションドラマーも使える。内蔵されているバーチャルドラマーは一つだけだが、アプリ内購入によって他のものを追加することもできる。

最大 255 個のオーディオトラックをミキシングしながら曲作りができ、Flex Time を適用して他のトラックとの同期がずれたトラックのタイミング調整ができる。さらに、GarageBand は今回から直接 SoundCloud にアップロードできるようになるとともに、iCloud 同期を使ってあなたのどの GarageBand 搭載デバイスとも同期できる。

iOS 版の GarageBand のメジャーな新機能の一つとして、同じ iOS デバイス上にある他のサウンドアプリを GarageBand が利用でき、例えばエフェクトをかけたり、特殊な楽器を使ったりできる。これが新しい Inter-App Audio 機能だ。(これは Audiobus のようなものかもしれない。2013 年 8 月 9 日の記事“FunBITS: Audiobus と iPad 音楽アプリの世界”参照。)エディタもかなり強化されて最大 32 個のトラックを処理できるし(哀れなる Beatles は Abbey Road スタジオで曲作りをする際にたった 4 個のトラックしか使えなかった)また Note Editor を使えば音符をドラッグして微調整ができる。(あるいは調子外れの音を削除することもできる。)

Pages -- もう四年以上も Pages '09 として停滞した状態が続いていたが、ようやく Mac 版が更新され、名前から年の明示がなくなった。単に Mac 版の Pages という名前になる。前回のバージョンのようにフローティングインスペクタでスクリーンが散らかるようなことはなくなり、Pages は現在選択された項目に応じて適切なツールを提供するフォーマットパネルや、新しいインターフェイスを使いこなす手引きとなるコーチングヒントなどを提供する。また、変更追跡やコメント付けの機能も引き続き存在しているが、今回からコメントも追跡された変更も、書類そのものに統合され、あなたが呼び出したときのみ表示されるようになった。

Pages 書類の内部フォーマットが変更され、iOS 版や iCloud 版の Pages と完全に互換となった。ただし、その結果として古い Pages 書類の機能の一部が失われる可能性があり、最新版のこのアプリで開くと変更を受けてしまう機能もある。まだアップグレードしていないユーザーと共有する必要がある場合に備えて、書類を Pages '09 フォーマットで書き出すことができる。また、従来と同様、Word、PDF、テキスト、あるいは EPUB フォーマットに書き出す機能もある。ありがたいことに、もしもあなたがこの新バージョンを気に入らなければ、古い iWork アプリがまだ /Applications/iWork '09/ の中に残っているのでそれらを使い続けることもできる。これは、新しい iWork にまだ手直し (work) が必要であることを Apple が静かに告白しているのだと考えられないだろうか。

ウェブベースの iCloud 版の Pages については、リンクを他のユーザーと、Mac 以外のユーザーとさえも共有できるようになり、一人一人が同じ書類を別々に編集することも、またリアルタイムのアップデートをしつつ同時に編集することも、できるようになった。そろそろ Apple も、共同作業用の機能が重要だということを認識してもいい頃だ!

iOS 版の Pages は、iOS 7 のインターフェイスに沿ったものとなり、各種のツールやテンプレートもそれに応じて調整を受けた。ツールバーがページの上の方でなく仮想キーボードの上に置かれたのも、歓迎すべき便利さと言える。

Mac 版と同様、iOS 版の Pages にもインターフェイスを使いこなす手引きとなるコーチングヒントが提供される。スタイルやレイアウトも拡張されたが、カスタマイズされたスタイルやレイアウトを作りたい場合は Mac 版で作ってから iOS デバイスに持ち込まなくてはならない。従来は書類を Word と PDF のフォーマットに書き出せたが、今回からは書類を直接 EPUB に書き出してそれをあなたの好きな iOS アプリに開かせることができる。Pages '09 フォーマットへの書き出しもできる。

Numbers -- Pages と同様、Mac 版の Numbers でもインターフェイスが簡素化され、フローティングインスペクタに代わってコンテクスト対応のツールが提供されるとともに、コーチングヒントがどのツールが何をするかを教えてくれる。条件付きハイライトやアニメーション化されたチャートのお陰でデータのビジュアル化がより動的になり、Mac と iOS デバイスと iCloud の間で完全にクロスプラットフォームの互換性が提供されることで、あなたがデバイスからデバイスへと移動してもそのまま仕事を続けられるようになる。

もちろん、クロスプラットフォームの互換性があるということは、Numbers においてもファイルフォーマットが変更されたことを意味する。幸いにも、必要ならば古い Numbers '09 フォーマットで書き出すこともできる。Pages にあるのと同じ共有機能が Numbers にも実現されており、iCloud 用の Numbers を使ってリアルタイムの共同作業をすることができる。Windows ユーザーと共同作業している人も、もはや Excel フォーマットに書き出す必要はない。なぜなら、その人にリンクを送るだけで、Windows ユーザーがウェブブラウザの中で書類にアクセスして編集できるようになるからだ。

iOS 用の Pages と同様、iOS 版の Numbers にも iOS 7 に沿った改装が施され、それに伴ってインターフェイスの簡素化と、アプリの新機能や変更された機能を手引きしてくれるコーチングヒントが組み込まれた。その他の機能としては、インタラクティブなフォームを作っておいてそれをスプレッドシートにリンクさせられるようになったので、例えば買い物リストに書き込んで、食料品店の通路を歩きながら iPhone に値段を打ち込めば、そのデータがあなたの家計簿のスプレッドシートに取り込まれるようにもできる。従来のバージョンからあった 2D と 3D のチャートの選択肢に今回インタラクティブなチャートも追加された。

Keynote -- 今回アップグレードされた Mac 版の Keynote にも、Mac 用の他の iWork アプリと同じ簡素化の改装が施され、そう、その通り、コーチングヒント機能も付いた。また、新しいいろいろのエフェクトやトランジションを試してみることもできるし、更新された Presenter Display を使えばプレゼンテーションをしつつ同時にあなたのメモを編集することもできる。また、最大 6 台のディスプレイを同時に使えるようになった。

ファイルフォーマットもやはりこのバージョンで変更されたが、必要ならば Keynote '09 フォーマットに書き出すことができる。また、従来と変わらず PowerPoint への書き出しと読み込みができるが、iCloud 版の Keynote を利用して、共有リンクとウェブブラウザで直接 Windows ユーザーと共同作業をすることもできる。もちろん、iOS 版の Keynote との完全互換性も実現されている。

iOS 版の Keynote も、iOS 7 に馴染むデザイン改装がなされ、Numbers のアップデートに加わったのとよく似たインタラクティブなチャート機能も追加された。アニメーションも強化され、プレゼンテーションの共有は Mac 版との間と同様にウェブ上でも共有できるようになった。

これら多くの素晴らしい新機能にワクワクしているだろうか? いや、少し落ち着いた方が良い。無料のアプリという玉の中には、誰でも予想可能な傷があるものだ。この場合それは、まさにその「無料」というところにある。これら無料バージョンの iLife および iWork アプリは、新しい Mac または iOS デバイスを購入した人と、2013 年 9 月 1 日以降に iOS デバイスをアクティベートした人のみが無料で入手可能となる。

もちろん、もしもあなたが既にそれらのアプリの旧版を持っているならばアップグレードは無料で、ソフトウェア・アップデート経由、または Mac アプリは Mac App Store から、iOS アプリは App Store からできる。しかしながら、もしもあなたに新しい Apple ハードウェアを買うつもりがなく、しかもあなたが旧版を持っていなければ、料金を払ってこれらのアプリを購入しなければならない。

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Mavericks でシステムコントロールユーティリティを使う

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

LaunchBar、TextExpander、Keyboard Maestro、RescueTime その他のユーティリティには一つ共通のことがある。これらはすべて、Mac OS X が "assistive devices" (補助装置) をサポートしている点に依存して、通常アプリケーションには禁止されているような種類の仕事を実行しているのだ。この補助装置の設定はソフトウェアによって切り替えることができないので、これらのアプリは常に、最初に起動された際にもしもその設定が既に有効となっていなければユーザーに対してその設定をオンにするように頼む。(2013 年 3 月 10 日の記事“Mac OS X でスクリプト化不能だったことを可能にする”の中で、Matt Neuburg はこの機能について説明するとともに、それがどこから来ているかについても語った。実は、1998 年の合衆国法令 Workforce Investment Act、いわゆる Section 508 と呼ばれる法律に端を発している。)

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10.9 Mavericks よりも前のバージョンの Mac OS X では、システム環境設定の Accessibility 枠(もっと以前には Universal Access 枠)に "Enable access for assistive devices" (補助装置を使用可能にする) というシステムワイドの設定項目があった。これは、極めて分かりにくいものであった。大多数のユーザーは、この「補助装置」なるものと巧妙な Mac ユーティリティとの間に関係があることなど、全く理解していなかったからだ。

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アクセシビリティの専門家であり、間もなく出版される本 "iOS Access for All" の著者でもある Shelly Brisbin, によれば、この「補助装置を使用可能にする」というオプションの本来の目標は、特殊なハードウェアを使ってソフトウェアを動かすことができるようにし、それによって Mac のインターフェイスをコントロールするためであったという。例えば、特殊なデバイスでスイッチを使えばメニューが開いたりボタンがクリックされたりする、という具合だ。

しかしながら大体において、このアクセシビリティ機能はその本来の目的に使われる代わりに、メインストリームのいろいろのユーティリティによってオペレーティングシステムやその他のアプリケーションのさまざまの様相をコントロールするために使われるようになった。それらのユーティリティは、まるで人形つかいのように、裏から糸を引いてボタンをクリックしたりコマンドを呼び出したりした。通常その種の機能はアプリには禁じられているが、アクセシビリティのシステムにフックをかけて入り込むことにより、Mac OS X の基盤の内部がこれらのユーティリティに著しく露出されることとなった。

それはそれで別に構わない。でも、Apple は Mavericks において、二つの点で大きく状況を変えてしまった。まず第一に、この機能がシステムワイドに働くことを止めて、個々のアプリごとに働くようにした。その結果ユーザーの手により細かなコントロールが移り、セキュリティが向上する。なぜなら、悪意あるソフトウェアがシステムワイドのアクセスに便乗することができなくなるからだ。実際一部のキーロガーなどはそのように動作していた。第二に、基本的にあなたが特定のソフトウェアに対しあなたの Mac をコントロールできるアクセス権を認めることになるので、それを許可するインターフェイスはシステム環境設定の Security & Privacy 枠の、Accessibility 項目に移された。

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(実際、Mavericks ではまた別の意味でも従来の状況を改善している。環境設定の Accessibility 枠に Switch Control オプションが新設されたからだ。このオプションにより、例えばゲームパッドやその他の補助装置を使って Mac をコントロールできるようになる。 Luis Perez の YouTube ビデオがその使い方を説明している。)

あなたのコンピュータをコントロールする必要のあるアプリは、あなたがそのアプリを起動すれば、その後で Security & Privacy 枠の Accessibility リストに登場するようになる。いろいろのユーティリティが Mavericks に対応してアップデートされるにつれて、きっとあなたもそれぞれのユーティリティから新たなアラートが出てこの環境設定に行くよう指示するのを目にし始めるだろう。そして実際、アクセス権をアプリごとに認めなければならなくなった結果として、許可を必要とする すべての アプリからあなたはリクエストを受け取ることになる。従来のように一度だけ「補助装置を使用可能にする」を設定すれば包括的にそれが適用されるということはなくなった。

そのようなアプリに必要に応じてあなたの Mac をコントロールする許可を与えるには、まず錠前アイコンをクリックしてから、あなたの管理者パスワードを入力し、それから問題のアプリの横にあるチェックボックスを選択する。もしもその種のアクセシビリティのアクセス権を必要とするユーティリティのどれかが期待通りに働いていなければ、ここの Accessibility リストを開いてそのアプリの横にチェックが付いているかどうか確認するとよい。

(ちょっと余談だが、変更をする前に錠前アイコンをクリックすることは、Accessibility リストや Location Services リストでは必須となっているけれども、その他の Contacts、Calendars、Reminders、Twitter、Facebook リストでは必要ない。おそらくその理由は、最初の二つだけがその Mac 上のすべてのユーザーアカウントに適用され、残りのものたちは現在のユーザーにのみ適用されるからだろう。そうは言っても、これもまた Apple にしては酷いインターフェイスの実例の一つだ。いったいなぜ、左側に並んでいるもののうちいくつかだけに錠前が適用され、他のものには適用されないのか?)

上のスクリーンショットを見ると、Skype と System Preferences がリストされているけれども私がその二つにはアクセス権を与えていないのが分かる。その理由は、いったいなぜその二つにこの機能が必要なのか私にはさっぱり分からないからであり、どんなアプリケーションであれ、なぜ必要なのかの理由も分からずにこれほど広範なコントロール権を与えるのは良くないと思うからだ。アクティビティモニタのユーティリティ RescueTime がなぜリストされているのか不審に思われるかもしれないが、リリースノートによれば RescueTime が権利を得ることであなたがいつウィンドウを切り替えたかをより正確に探知することができるようになるのだという。

結びに、Mavericks でのこれらの変更点は良いことではあるけれども、従来の状況がほとんど不可解な代物であった上、メインストリームのユーティリティが引き続きアクセシビリティシステムを利用し続けていることから、ユーザーの多くは混乱したままの状態に置き去りにされる結果となっている。

でも、この記事を読んだ皆さんは、どうなっているのかもうご存じだ。どうか、その知識を世に広めて頂きたい!

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Lion と Mountain Lion はまだ入手可だが、iOS 6 はダメ

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple は世界に対して一つに統合された顔を示すことで有名だが、時として多重人格障害にかかっているように見える時がある。代表例 - もし旧型の Mac を持っていて、10.9 Mavericks のリリース後でも ("Apple、OS X 10.9 Mavericks を無料でリリース" 22 October 2013 参照)、OS X 10.7 Lion 或は 10.8 Mountain Lion にアップグレードしたい場合、Apple は $19.99 の引換券コードを Apple Online Store から売ってくれる。これはその後 Mac App Store で引き換えられる。この回りくどいやり方は、Apple が Mac App Store では最新バージョンの Mac OS X - 現在は Mavericks - しか見えないようにしておくために必要となっている。その理由は、どうも顧客の混乱を避けるためのようである。

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(ええ、その通り。前提は 10.6.8 Snow Leopard が走っている Mac をアップグレードしようとしているか、或は面倒は承知でインストーラーディスクを作成しようとしているかである。"Take Control of Upgrading to Lion" 及び "Take Control of Upgrading to Mountain Lion" の両方とも入手可なので、何をどうすればいいかを復習したい人は是非どうぞ!)

一旦引換券コードを手に入れたら、App Store アプリを開き、Featured ビューの Quick Links の所で、Redeem をクリックしあなたのコードを入力する。

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これは全て理に適っている。勿論、Mountain Lion が走る Mac は全て Mavericks も走らせられるという事情はあるが。旧型の Mac を Snow Leopard から Mavericks へではなく、Lion や Mountain Lion にアップグレードしたいという人には、それぞれに色々な事情があるであろう。多くは、ソフトウェア互換性が関係しているであろうが (或は Apple Mail と Gmail の問題かもしれない - 詳細は "Mavericks の Mail が Gmail との関係を崩す" 22 October 2013 参照)、この様な旧型のオペレーティングシステムを買いたいという殆ど無視できるぐらいに少ない数の人に対して、Apple がそれを可能にしているということは素晴らしいことである。

では、Apple が iOS 7 に一旦アップグレードしたが iOS 6 にダウングレードしたいという iOS 機器の所有者にそれを許さないのは何故であろうか? 無視できない数のユーザーにとって iOS 7 の新しい外観は読みづらい。これは Apple がこの問題に対処しようとして追加したアクセシビリティオプションの後でも変わっていない ("視力に障害がある者にとっての iOS 7 を覗き見る" 19 September 2013 のコメントを参照)。iOS 7 の全体的なデザインは修正可能なバグでもないし、設定できるオプションでもない。iOS 7.0.3 では、乗り物酔いの原因となっている視差効果やアニメーションの問題を Reduce Motion スイッチの感度を上げることで対処したかもしれないが ("iOS 7.0.3、iCloud Keychain を加えアニメーションをなくす" 22 October 2013 参照)、Larger Dynamic Text 及び Bold Text オプションですらも多くのユーザーには十分ではない。

これらの人々は iOS 7 に対する変更を求めている訳ではなく、iOS 6 にダウングレードすることを許して欲しいと言っているいるだけであるのに、Mac OS X の過去 2 バージョンの販売を継続して助けの手をのべている同じ会社がそれをさせてくれないのである。一体全体その理由は何だというのであろうか?

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Mavericks の Mail が Gmail との関係を崩す

  文: Joe Kissell: joe@tidbits.com, @joekissell
  286 comments
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

[著者注: この記事を最初に出版して以後、さらなる詳細情報を追加したり、判明した新情報を書き加えたり、読者たちから寄せられた報告を含めたりして大幅な改訂を施した。]

OS X 10.9 Mavericks における Apple Mail は従来のどのバージョンの Mail とも異なるやり方で Gmail アカウントを扱うようになった。変更点のいくつかはとても巧妙で役に立つものだが、その実装には欠陥がないわけではない。もちろん、人によってそれぞれ結果はさまざまだろうが、私自身の体験と、オンラインにコメントを寄せた何百人もの人々の声とを考え合わせれば、Gmail アカウントに関する Mail の挙動には、とりわけ使い始めた当初は、不十分な点が多々ある。以下に、私が気付いた点と、それに対してあなたがどんな対処をすることができるか(あるいはできないか)を述べてみたい。

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(上の超人 Hulk 風 Joe の似顔絵は、この記事に応えて Joy of Tech が描いてくれた傑作の漫画の一コマだ。)

偽の IMAP が変わる -- Mail と Gmail が出荷状態そのままで互いに素晴らしく協調して働いたことなど一度もなかった。なぜなら、Gmail は非常に風変わりな、高度に非標準的なやり方で IMAP を使っており、その一方で Mail は初めからずっと、Gmail が標準的な IMAP サーバであるかのようにそれを扱おうとしてきたからだ。けれども、たくさんの試行錯誤を重ねた結果、Mail の設定と Gmail の設定をどのように組み合わせれば安定した使用ができるかを私はようやく見つけ出すことができた。そして実際、かなり快適な使用体験が得られていた。ただしそれは、Mavericks より前 の話だ。Mavericks より前は、記事“IMAP、Gmail、Apple Mail で至福の電子メール環境を”(2009 年 5 月 2 日) に私が書いた通り、x をして y をして z をするだけで(いや実際には 21 段階分の x, y, z の手順を踏まなければならないが)すべてが滑らかに動くようになっていた。

ところが何たることか、Mavericks の下ではそういうことをすべて忘れ去る必要がある。実際、Mavericks の下で私の古い指示に従って手順を踏むと、至福とはほど遠い結果となる。そして、あなたが Mavericks にアップグレードするより以前にそれらの手順を既に踏んでいた場合、問題点のいくつかを回避するためにいくつか新たな手順を踏まなければならない。

Mavericks より前には、Mail の中にある Gmail アカウントを扱うベストのやり方は、Gmail の設定で All Mail ラベルを IMAP クライアントに見せないようにすることだった。All Mail とはまさに文字通り、保存されたメッセージも送信済みのメッセージも、どのようなラベルが付けられていてもすべて含む。この All Mail を有効にしておくと、Mavericks より前には、Mail があらゆるメッセージを少なくとも二回ずつダウンロードしてしまった。(All Mail へ一つ、それからあなたが Gmail で適用したラベルに対応するメールボックスへ一つずつだ。)結果として重複したメッセージが多数生じることになり、ディスク容量もバンド幅も無駄遣いされ、パフォーマンスも落ちる。All Mail を隠すことによって、この問題が避けられた。

一方 Mavericks の Mail は、大体において、Gmail を自分の思うがままに扱おうとする。この方針の一環として、Mail は Gmail のメッセージを基本的に Gmail 自身がするのと同じ方法でアーカイブしようと試みるようになった。メッセージを Inbox から Archive へ移動させれば、Inbox ラベルが取り去られる。つまり、そのメッセージは Gmail の All Mail リストにしか登場しなくなる。(もちろんあなたが Gmail の中で別のラベルを付けたり、Mail の中で別のメールボックスの中へ移動させたりすれば話は別だが。)注意すべきは、メッセージを Mavericks Mail の中で 削除 しても All Mail の中にアーカイブ保存されず(論理的に正しいことだが)Trash に移されるだけであることだ。私は以前から「これを永遠に保存する」つもりで Delete キーを押す習慣を止めるよう人々に忠告してきたが、まだその習慣を続けている人は Mavericks ではその方法が働かないので気を付けよう。

残念なことに、Mavericks の Mail で All Mail ラベルを隠していた場合、あなたが Inbox から(振り分けたり削除したりして)どこか別の場所へ移動させたメッセージが、後になって魔法のように再び出現する。別のメールボックスへ切り替えてから Inbox に戻ったり、あるいは Mail を閉じてから開き直したりすれば、そうなる。当然ながら誰でもそれを見れば気も狂わんばかりになるだろう。私は Apple にこれをバグだと報告したけれども、それは重複したバグ報告とマークされた。つまり、この点を報告したのは私が最初ではなかったのだが、だからと言って Apple がそれを修正するつもりであるとは限らない。( Pocket-lint への投稿 によれば、All Mail に関係した Mail の挙動の変化は Google からの強い要請によるものらしいが、詳しいことを私は知らない。)この問題を「解決」できる唯一の方法は、All Mail を有効に戻すことだ。(ちなみに、それをすれば Mail のみならずすべての IMAP クライアントに影響が及ぶ。)以下でそのやり方を説明するけれども、それが招く結果について最後まで読むまではまだ実行しないでおいてほしい。

All Mail を有効に戻すには、まず Google のウェブサイトであなたの Gmail アカウントにログインする。歯車アイコンをクリックし、ポップアップメニューから Settings を選ぶ。Labels をクリックする。(一番上近くの System Labels のところにある) All Mail の項目で、Show in IMAP チェックボックスを選択する。

さて、そうすると次のようなことが起こる。Mail は、既にあなたの Gmail メッセージのすべてをキャッシュしているにもかかわらず、すべて のメッセージを もう一度 ダウンロードする。私の場合、321,000 通のメッセージで全体で 4 GB 以上もあったので、超高速のインターネット接続を使っているのに、ダウンロードに丸二日近くかかった。どう見てもまともでない長い時間がかかり、正気とは思えないほどのバンド幅の浪費だ。だって、私は既にそれらすべてのメッセージのコピーを手元に持っているのだから! Mail は実際この作業をいくつかの段階に分けてする。細かいことを書いて皆さんを退屈させるつもりはないが、とにかく途中のある時点で ~/Library/Mail フォルダのサイズが通常の倍、あるいはそれ以上に膨らむ可能性があることだけは言っておこう。現在ディスク容量が危険なほど少ないのでない限り(いずれは元のサイズに落ち着くのだから)大騒ぎすることではないかもしれないが、Mail がそれらの重複したメッセージをすべて除去してあなたの ~/Library/Mail フォルダが正常なサイズに戻るまでには長い長い時間がかかるかもしれないということだけは覚悟しておいて頂きたい。

この大きなダウンロードが済めば、嬉しいことに Mail は個々のメッセージのコピーをたった 一つ ずつ持つようになる。あなたが Gmail で All Mail! Messages とラベル付けしたメッセージも、その同じ名前を持ったメールボックスに現われる。(そして、史上初めて、Mail はあなたが何もラベルを付けなかったメッセージ、つまりあなたが振り分けせずアーカイブしたメッセージも、すべて保持するようになる。)けれども、それらのメッセージはそれらのメールボックスに 現実に 入っているわけではない。Mail は舞台裏で個々のメッセージの終わりにちょっとした不可視の XML コードを追加することによりそれがどのメールボックスに 表示される べきかを指定しているだけだ。それは、それ自体としては完全に合理的な戦略だ。そして、議論の余地はあるかもしれないが、Mail はずっと以前からそうすべきであった。

しかしながら、このような変更はありがたくない副作用をもたらす。そして、どうやら Apple はそうした悪影響を全然考慮していなかったように見える。一つには、Mail が今回から All Mail へのアクセスを必要とするようになったという事実について、一言も警告を出していない。黙ったまま正しく動作しなくなるのみだ。単に「ちょっとそこのあなた、あなたは Gmail アカウントを持っているようですが All Mail が見えません。今後はそんなことをすると問題ですよ。こうすれば直りますし、そうするとこんな風になります」というような警告を出せばいいだけなのに。実際には、そこをあなたが自分自身で作業して直さなければならない。これは大幅なアーキテクチャ上の変更であるにもかかわらず、Help > What's New in Mail? を開いても一言も書かれていない。ましてや、助けになるエラーメッセージなども一切出ない。

さて、それはそれとして、あなたが自分で All Mail を有効に戻さなければならないと見つけ出したとしても、その後であなたはさらに別の障害に出くわす。私も出くわしたし、数え切れないほど多くの他のユーザーたちも報告しているのは、たとえ All Mail を有効とした後であっても、しかも Mail が再ダウンロードを済まして、再キャッシュし、再索引付けまで済ますために十分な時間が経った後になっても、Mail の Inbox が Gmail の Inbox ときちんと同期されないという現象だ。つまり、iPhone や iPad を使って、あるいは他の IMAP クライアントを使って、Gmail ウェブサイトの中で Inbox にあるメッセージを読んだり、移動したり、削除したり、その他の操作を施したりしても、その後何時間待っても Mail の Inbox には何の変化も起こらないのだ。その上、通常の修正手段、例えば Mail を終了してから起動し直したり、Inbox を再構築したり、同期を強制したりしても、何の効果もない。

私の場合、およそ四日間にわたってフラストレーションを体験し続けたあげく(その間私はずっとウェブブラウザで Gmail を開き続けて、到着するメッセージを見逃さないようにしていなければならなかった)突然問題が勝手に消え失せて、Mail の Inbox は即座に同期を実行するようになった。これまでずっとそうであったように。何が原因で状況が変わったのか私は知らないが、いずれにしてもそれは嬉しいことで、きっと他の人たちのところでも辛抱強く待ちさえすれば問題は消え去るのではないかと私は思った。ところがそれから 12 時間ほど経って、私の Inbox は突然また同期しなくなった。前のときと同様、私が何を試みても正常に戻らなかった。それ以来、問題は断続的に発生したり消え去ったりしている。時には働き、時には働かなくなるという具合だ。これはあくまでも私の感じだが、人々から聞いた話を総合して推察すると、私のように極めて大量のメッセージを Gmail に貯えている人には Inbox が同期しない現象が長く続く傾向があるようだ。ほんの数千通しかメッセージのない人は、全く異常を感じないことも多いようだ。

では、そもそも初めから IMAP クライアント用に All Mail を一度も無効に設定したことのない人の場合はどうだろうか? そういう人ならばスムーズにアップデートできると言いたいところだし、現にそう言える人たちもいる。けれども、デフォルトの Gmail 設定のままで何も触ったことがないにもかかわらず、Mavericks にアップグレードしたとたんに Mail が Inbox やその他のメールボックスの内容を正しく表示するまでに馬鹿げたほど長い時間がかかるようになったと報告している人たちもいる。

もう一つ別の問題として、All Mail を有効にしていた場合、AppleScript が Gmail アカウントを酷い状態に壊してしまうという現象がある。Gmail のメールボックスに作用する AppleScript を使っている場合(私は自分のワークフローの中で決定的に重要な役割を果たす AppleScript を使っている)スクリプトが (Inbox と All Mail 以外の) メールボックスが空だという結果を返すようになる。もちろん、それらのメールボックスは現実には 空である のだが、Mail が Gmail のラベルを正しく解釈することによって Mail の中では空でないように 見える。残念ながら、AppleScript がそのことに気付かないのだ。(私はこの点もバグだと報告し、やはり重複バグだとマークされた。)今のところ、私は回避策として 10.8 Mountain Lion を VMware Fusion 仮想マシンの中で走らせ、私の古い Mail 用 AppleScript をそこで走らせている。

さきほど述べたように、All Mail に切り替えれば Mail のみならずあなたが他のデバイスで使っているかもしれない他のすべての電子メールクライアントにもその影響が及ぶ。もちろん古いバージョンの Mail にも同じように影響が及ぶ。だから、Mavericks システムで Gmail を「直す」ことは、他のすべてのシステムで(とりわけ、私の Mountain Lion 仮想マシンで!)それを壊すことになる。つまり、私は問題点の二つのセットのうちどちらを我慢すべきかを選ばざるを得ない。

この「All Mail」問題(とその結果として起こるさまざまの遅延)こそ Mail の Gmail との動作に関する最も目立つ問題点かもしれないが、他にも問題点は数々ある:

さらなる問題点もある -- Mavericks の Mail で問題が起こっているのが Gmail ユーザーだけだと思ってはいけない。あらゆるプロバイダに影響する問題点もたくさんあり、しかも増え続けている。いくつか例を挙げてみよう:

それから、これは言うまでもないと思って触れなかったが、サードパーティの Mail プラグインの大多数が Mavericks では動かない。OS X がアップデートされたのだからそれは普通のことだし、メジャーなプラグインの多くは既に Mavericks に対応してアップデートされているけれども、まだ開発中で修正の終わっていないプラグインもある。

その他に Mavericks の Mail で正常でない挙動に気付かれた方は、(Gmail に関係するものであろうとなかろうと)どうぞコメントで知らせて頂きたい。

いずれ OS X 10.9.1 アップデートが出てこれらのことすべてを魔法のように修正してくれるのではないかと思いたいけれども、あまり期待し過ぎるのも良くない。Gmail 以外の電子メールプロバイダを探そうかという誘惑にじりじりと駆られているところだが(いずれにしてもこれとは無関係の理由で以前にもそう考えたことはある)Apple が Gmail と働くやり方を改善しようと試みるまさにその過程の中で Mail を壊してしまったというだけの理由で他を探さねばならないというのはやはり癪にさわる。

もちろん、もう一つの手段として、電子メールクライアントの方を切り替えることもできる。でも、私はこれまでたくさんの電子メールクライアントを試してきたけれども、Mail から私が得ている重要な挙動のすべてを提供できて、かつ私が注意深く選んできたプラグインたちも使える、そんなものに私はまだ出会えていない。私が本当に望むのは、これからも Mail と Gmail を好きでいたいということだ。けれども現時点では Mavericks がそれを不可能にしてしまった。

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Take Control 電子ブックの十周年を祝う

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今から十年前、2003 年 10 月に、私たちは Joe Kissell の "Take Control of Upgrading to Panther" を出して Take Control シリーズ電子ブック出版を開始した。(2003 年 10 月 20 日の記事“Take Control してみようよ!”参照。)そして先週、私たちはまさにそのタイトルの第七回目となる Joe の "Take Control of Upgrading to Mavericks" をお披露目した。

その間の十年間にわたり、出版業界がその隅々まで数限りない変化を経験するのを私たちは目撃してきたし、その変化を押し進めるための力ともなってきた。この十周年の記念日にあたり、いくつかの考察を述べるとともに、私たちが何を成し遂げてきたのかについて少しでも感じて頂くために、いくつか興味深い統計数字も披露してみたい。

私たちがどこまで来たかを具体的な数字で -- 初めてのタイトル "Take Control of Upgrading to Panther" とともに、私たちは Matt Neuburg の "Take Control of Customizing Panther" も同時にリリースしたので、最初の一歩の時点で私たちのカタログには 2 冊の本が揃っていた。最初の一年間に、私たちは 12 冊のタイトルと 5 冊の翻訳版、そして 20 冊の無料アップデートを出版した。翻訳版は結局ビジネス的に成功しなかったが、現在までの十年間に 127 冊のタイトルが出版された。メジャーな改訂版や題名の変更も数えての数だ。(例えば "Take Control of Upgrading to..." というタイトルは七冊ある。)無料のマイナーアップデート版は回数を数えるのも難しいが、私の推測では少なくともあと 100 冊は無料アップデート版を出したと思う。

意外でも何でもないが、著者として一番の立役者となったのは Joe Kissell で、この十年間で驚くべき 42 冊もの本を出した。現在の著者リストの中で彼に続くのは、Glenn Fleishman が 17 冊、Sharon Zardetto が 11 冊、Kirk McElhearn が 9 冊、Matt Neuburg と Jeff Tolbert がそれぞれ 8 冊ずつ、Michael Cohen が 6 冊、それから Jeff Carlson が 3 冊だ。私たちのカタログに輝きを増してくれた著者たちとして、他に Ted Landau、Steve Sande、Brian Tanaka、Andy Affleck、Karen Anderson、Larry Chen、Scott Knaster、Andy Baird、Arnie Keller、Clark Humphrey、Sam Sellers、Tom Negrino が名を連ねる。また、忘れてならないのが編集に力を貸してくれた Dan Frakes、Kelly Turner、Geoff Duncan、Caroline Rose、Don Sellers、Lea Galanter という面々で、編集者の力がなければ私たちにはどうにもならなかった。著者たちの中にも編集者として二役をこなしてくれた人たちが多くいる。もちろん、誰の目にも明らかという訳には行かなかったとしても、Tonya Engst は常に他の誰よりも多くの本の編集を担当するのみならず、ほとんどすべての本をじっくりと調べて、それがこのシリーズに相応しい本であるかどうか、私たちの高い基準を満たしているかどうかチェックしてくれた。それからまた、私たちは最近 Lauri Reinhardt を仲間に引き入れて、顧客からの質問に遅れず対応できるように助けとなってもらった。すべての人たちに素早く返答したいという私たちの願望と、新しい電子ブックを早く出したいという願望とが、近年ますます相容れなくなってきていたからだ。

私たちは現在いる著者たちを大事にしているのと同等に、さらなる著者たちを仲間に迎え入れたいという大きな課題にも挑戦し続けてきた。私たちが望むのは、素晴らしい技術系ライターであるだけでなく、私たちのスタイルシートに従って私たちの機敏な出版テクニックに合わせて仕事をすることができ、それでいて本一冊の長さの書類を作り出すことのできる不屈の精神を持つとともに、長い期間、できれば数年のスパンでいくつものタイトルに取り組んでくれる、そんな人物だ。そして、私たちはもっと多くの本をもっと早く制作するために拡大を試みつつあると同時に、一流の Take Control ブックを執筆し、編集し、出版する作業は人間的な触れ合いを大切にするものでありたいと思っている。

こんな小規模のビジネスにしては、売り上げは非常に良い結果を出している。私たちはこの十年間に 375,000 冊近くを販売した。もちろん大手の出版社の売り上げとは比べれば、私たちはほんのちっぽけな存在に過ぎない。販売方法も大手のものとは違い売り上げの 90 パーセント以上が直接販売によるものであって、Amazon、Barnes & Noble、Apple の iBooks Store、O'Reilly Media など小売店を通さないものだ。2013 年中では、今のところそれらの小売店を通したものは全部合わせても売り上げのたった 8.5 パーセントに過ぎない。(良い面を言えば、旧来型の出版社と違って私たちは Borders の破綻による影響を全く受けなかった。Borders は 2010 年には米国内に 500 店舗以上の書店を持っていたが、2011 年 9 月までにすべての書店を閉鎖した。)私たちにとってもっと重要なのは本を再販してくれるソフトウェア会社で、そうした会社の製品について書いた私たちの本でそれらの会社を通じて販売されたものが、今年の私たちの総売上げの 25 パーセント近くを占めた。

私たちの最大のベストセラーは Joe Kissell の "Take Control of Mac OS X Backups" で、五つの版を重ね、途中で題名が "Take Control of Backing Up Your Mac" と変わったが、21,000 冊以上を売り上げた。Glenn Fleishman の "Take Control of Your 802.11n AirPort Network" が第二位で、五つの版を経て 17,000 冊以上売れた。版が一つしかないものの中でのトップは Kirk McElhearn の "Take Control of Scrivener 2" で 13,000 冊近くを記録したが、その多くは Scrivener の開発者 Literature & Latte を通じ販売された。それから、Joe "Take Control of iCloud" はまだ第一版のままで四回の無料アップデートを重ねつつ 11,000 冊とトップに迫っているが、この本は一冊の定価が高いので売上高では単一版の中の第一位となり、$110,000 以上を記録している。Joe は現在、この本の第二版を執筆中だ。

著者たちの生計を支え、私たち自身の給料も支えることにより、Take Control からの収入は長年にわたって TidBITS を運営し続けて行く中で重要な役割を果たしてきた。そうこうするうちに、私たちは TidBITS 会員プログラムを開始した。(2011 年 12 月 12 日の記事“TidBITS 会員になって TidBITS をサポートしよう”参照。)また、収入の中からいくらかを投資して、新しいロゴや表紙のデザイン、長年続けているウェブサイトの新デザインなどのプロジェクトも進めてきた。新デザインのウェブサイトについては、近日中にお披露目できれば嬉しい。

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とりわけ Take Control の初期の頃から私たちが実現してきた革新的ないくつかの試みを、私たちは誇りにしている。例えば、読者が自分で無料アップデートが出ているかチェックしてダウンロードできる手段もその一例だ。このやり方は、やっと最近になって Apple の iBooks Store でも実現された。また、現在では他の多くの出版者たちも、単なる静的テキストの電子ブックでなく、必要に応じて内部のナビゲーションリンクや外部参照情報やマルチメディアへのリンクを使うようになってきているようで嬉しい。(2013 年 2 月 14 日の記事“なぜプレインテキストの本は今後も残るか”参照。)あとは、私たちのポリシーである DRM なしの本を出すやり方がもっと広まってくれさえすればよいのに!

購入済みのタイトルをすべて追跡でき、読者がアップデートをダウンロードしたり新版を値引き購入したりできるアカウントベースのライブラリも、私たちが達成した大きな成果の一つだ。現在私たちのシステムには 48,000 人以上の顧客が登録されている。(このシステムでは意図的にプライバシー上の理由からクレジットカード番号や住所などの個人情報は保存しないようにしてある。)そして、私たちのシステムは Apple や Google のものとは異なり、一人で複数の電子メールアドレスを持っている人たちが多いことを認識し、ユーザーが複数のアドレスを通じて購入したものも一つにまとめられるようになっている。

そして、おお、何と素晴らしい読者たちがいることか! 数字を見ただけでも本当に光栄に思えて、とうてい言葉では表現できないほどだが、私たちの電子ブックを一人で 50 冊以上購入した方が 600 人以上、25 冊以上購入した方が 2,500 人以上、10 冊以上購入した方が 9,000 人近くもおられる。長年にわたり、これほどの忠実な気持ちを示して下さるとは、皆さんの大いなる援助に、私たちはいくら感謝してもし足りない。皆さん、ありがとうございます。

フォーマットと出版ツール -- 2003 年の時点で私たちにも電子ブックシリーズが作れると判断できた重要な要因は、Adobe の Portable Document Format つまり PDF がいろいろなところに広く採用されていたことであった。PDF は 1993 年以来存在していたが、Adobe Reader が無料で入手できたにもかかわらず、私たちが電子ブックを PDF フォーマットに基づくものとすることを自信を持って決断できたのは Apple が Preview を Mac OS X に含めてくれたお陰であった。その後 PDF は私たちのために大いに役立ってくれたが、2010 年に iPad が興隆するに至り、私たちは EPUB フォーマットで電子ブックを提供する必要に迫られ、また Kindle が人気を増すに従って Mobipocket フォーマットも加える必要に迫られた。

それでも、おそらく PDF が iPad でも大型機種の Kindle でも問題なく読めるという事実に裏打ちされたのであろう、PDF は最も人気あるフォーマットという地位を占め続けた。無料アップデートのダウンロード数で数えれば、私たちの読者の 60 パーセントが PDF を好み、30 パーセントが EPUB を、10 パーセントが Mobipocket を選んでいる。OS X 10.9 Mavericks になって Apple がようやく iBooks を含めるようになり、今後は EPUB を選ぶ人が増えるとは思うが、あらかじめページ分けの済んだ PDF の方がレイアウトや画像サイズを私たちの手でコントロールできる余地が多いので、当分の間は PDF が主たるフォーマットであり続けると思う。

異なるいくつかのフォーマットで本を制作する必要があるという事実に深く関係しているのが、出版ツールの選択だ。最初のうち私たちは Microsoft Word を使っていた。一つには変更追跡とコメント付けの機能があったからだが、もっと大きな理由は一つ一つのファイルを(仮想マシン上で動く)Windows の Word に移してそちらで PDF を作ればファイルの見出しが PDF ブックマークになり、リンクが PDF リンクになったからだ。私たちの最初の EPUB 版と Mobipocket 版のファイルは、配布提携をしていた O'Reilly に依頼して作成してもらった。実際の変換はインドの会社が担当していた。私たちは彼らの援助に大いに感謝したが、結果の出来映えにも、また時間的に遅れがちなことにも、十分満足とは言えなかった。

そこで、Apple が 2011 年のアップデートで Pages '09 に EPUB 書き出し機能を追加してくれたのを機に(2011 年 9 月 30 日の記事“Take Control は EPUB を Pages で作成”参照)私たちはそれに飛び付いた。ただし、ファイルの変換のためには膨大な労力が必要となった。Pages は私たちが電子ブックのために書いた Word 書類を読み込んだが、それをまともに使える形にするにはたった数時間のクリーンアップ作業で済んだ。(完璧な変換なんておとぎ話でしかない。)また、Pages はリンク付きの PDF は作成できたけれどもブックマークのある PDF は作成できず、それを解決するために私たちは Debenu PDF Aerialist に頼らざるを得なかった。こうして、そこそこパワフルなワードプロセッサでなかなか良い変更追跡とコメント付けの機能を持ち、PDF と EPUB を出力できるツールが手に入った。その後しばらくの間、O'Reilly は引き続き私たちのために Mobipocket 版を作ってくれていたが、ある時 Macworld にいる私たちの友人 Serenity Caldwell が、Amazon の Kindle Previewer ツールを使って Mobipocket 変換にかけられる状態にするために EPUB に施すべき下準備の込み入った手順を教えてくれた。その後も、私たちは複雑な BBEdit text factory を使って EPUB 版と Mobipocket 版のレイアウトを改善するための努力を続けた。こうしてついに、私たちはすべての制作段階にフルコントロールを得ることができた!

少なくとも、2012 年 12 月に Apple がマイナーアップデートの Pages 4.3 をリリースするまでそれは続いた。けれども Pages 4.3 で、Apple はまともにリリースノートに説明することもせず EPUB 書き出し機能をメチャメチャにしてしまった。(2013 年 1 月 26 日の記事“Pages 4.3 対 BBEdit 10.5: Apple はこんなにユーザーへの配慮が不足”参照。)かなりの苦労の結果、私たちは何とか Pages 4.2 にダウングレードすることができ仕事を続けられたが、災いの前兆はもはや避けようもなかった。そんな時だった、私が Leanpub を発見したのは。Leanpub は、Markdown ファイルを取り込んでそれを PDF、EPUB、および Mobipocket に書き出す出版サービスだ。(2013 年 4 月 26 日の記事“Leanpub を使えば本の出版はボタン一押し”参照。)Leanpub はとてもクールなので、自ら出版してみようと思っているすべての人たちに強くお薦めしたい。

Leanpub を使うために必要な Markdown ファイルを作るために、私たちは三度目のワードプロセッサ変更をして、Nisus Software のNisus Writer Pro を使い始めた。その昔、まだ Mac OS X もなかった時代に Nisus Writer Pro は私たちのお気に入りであったが、2011 年のバージョン 2.0 に至ってようやくその昔と同程度のレベルのパワーを取り戻したと言える。(この点について詳しくは 2011 年 6 月 8 日の記事“Nisus Writer Pro 2.0 レビュー”参照。)Nisus Writer Pro 2.0.6 には私たちに必要な変更追跡とコメント付けの機能があり、リンクとブックマークを含んだ PDF を書き出すことができ、本格的なマクロ言語を持っているので Joe はそれを使ってフルにフォーマットの付いた Take Control 原稿を Leanpub 用に適切な Markdown へ変換するマクロを作ることができた。Nisus Writer Pro にもバグや奇妙な挙動が無い訳ではないが、Apple とは違い、Nisus Software は私たちが送ったバグ報告の受信を即座に確認し、問題点を修正したテストリリースを私たちのために作ってくれる。(どんなに素晴らしいことか想像して欲しい!)今も私たちは引き続き Nisus Writer Pro での作業に磨きをかけている(し、機能修正や新機能のリクエストも送っている)が、これほど強力なテキスト処理のパワーがすぐ手の届くところにあるという環境がついに実現したのは、本当に素晴らしいことだ。

もちろん、私たちは幅広いさまざまな他のツールも使っている。例えば PDF の磨き上げには Adobe Acrobat Pro を、リンクのテストには BLT を、リンクの抽出には Aerialistを、PDF のクリーンアップには PDF Enhancer を、マーケティング資料を書くには Google Docs を、ウェブへの投稿の前に本の文章を再フォーマットするには BBEdit を、ファイルの配布には Automator を、という具合だ。

私たちの現状は、そんな具合だ。でも、私たちが見てきたことで、ここに書いた物語やいろいろな日付から導き出せることがたった一つあるとすれば、それは出版の世界においては絶え間ない変化が避け得ないということ、しかもその変化の速度が近年ますます劇的に増加しつつあるということだ。それは必ずしも嬉しいことではない。なぜなら、システムを見直したり新たなツールを学んだりするために必要な努力が、新たな本を出版するための力を削いでしまうからだ。けれども、一つ一つの新たな戦略がそれぞれ新たな力をもたらし効率を高めてくれることを、私としては願いたい。

結びに、読者の皆さん、皆さんの力になれる良い本を出版することに、私たちは喜びを感じている。その気持ちが続く限り、そして皆さんが私たちを支え続けて下さる限り、私たちは出版を続けたいと思う。

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FunBITS: Scribd と Oyster が電子ブックの Netflix を目指す

  文: Michael E. Cohen: mcohen@tidbits.com, @lymond
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

彼の業績は他にも数多くあるが、Benjamin Franklin (1705 -1790) は Library Company of Philadelphia を設立した。ここは、イギリス植民地における初めての組合図書館(会員制貸文庫)であった。考え方は単純だ。定期的に会費を払うことにより、会員は Library Company が所蔵する図書を読むことができた。それらの蔵書は、会員の払った会費により支払われ、追加購入され、管理された。このような組合図書館と、その最初の変種である移動図書館(こちらも会員の会費によって運営された)が、当時この土地に住んだ市民たちが書物や学術資料に触れることのできる主たる道筋であった。その一世紀後に公共図書館が国中に作られるようになるまで、組合図書館は流行し続けた。

そして今、現代の世界に、組合図書館が戻って来た。 ScribdOyster という二つのオンラインサービスが、その概念の現代的試みとして、幅広く多彩な電子ブックおよびその他のデジタルテキストの提供を始めた。Scribd では月額 $8.99、Oyster では月額 $9.95 という料金を払えば、それぞれのサービスが管理しているデジタル蔵書の中から好きなだけ本を読むことができる。

どちらのサービスも、同じメジャーな出版社 HarperCollins からコンテンツを得ている。メジャーな出版社には他にも Simon & Schuster、Hachette Book Group、Macmillan、それから最近合併したばかりの Penguin Random House などあるが、これらとはまだ契約していない。Scribd の場合、HarperCollins がその膨大なバックリスト(つまり一年以上古い本)を購読者が利用できるようにしている。Oyster ではそれほど膨大なバックリストは提供されていないが、それでも決して微々たるものなどではない。著作権の切れていない電子ブック 100,000 冊以上が、購読者のために揃っている。

どちらのサービスも、使用体験は似ている。ユーザ名、電子メールアドレス、パスワード、それからクレジットカード情報を入力してサインアップしておけば、あとは Scribd または Oyster の iOS アプリを使って iPad か iPhone の上でそのサービスの提供する本が読める。(Scribd の場合はアプリの中からサインアップもできる。)また、Scribd の場合はウェブブラウザの中で本を読むこともできる。新たな本を検索したり、それをあなたの個人コレクションの中に追加したり (コレクションはアプリの中のみで保持され、共有したりはできない!)、サービスを使っている他のユーザーたちとやり取りして本について議論したり、そういったこともすべてアプリ内部でできる。どちらのサービスもあなたの既存の Facebook 認証情報を認証するよう促してくるけれども、あなたが希望しないならばあなたの本の嗜好を Mark Zuckerberg やその会社と共有するよう強制したりはしない。

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本を読むためのインターフェイスは魅力的で、十分使いやすい。ただし、カスタマイズや機能の多様さの面ではかなり限られたものだ。いずれも、文字のサイズを調整でき、ほんの少数のディスプレイオプションが選べる。Scribd では書体の選択肢として "default"、"serif"、"sans serif" の三つがある。Oyster ではもっと分かりにくい名前の選択肢があり、書体と背景色を合わせて切り替えるようになっている。例えば、Oyster の Nomad スタイルは魅力的な sans serif 書体をかすかな斑点のある背景の上で使い、Herald スタイルは少し暗めのグレイの背景とモダンな serif 書体を使っている。

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どちらのリーダーもページ番号は表示しない。Oyster では読んでいる部分のパーセンテージ表示があり、Scribd では Kindle Reader と同様に勝手に付けた位置番号 ("location 69 of 2709" といったもの) が表示される。どちらも、デバイス間で読んでいる位置の共有ができる。どちらも、ブックマークを追加したり、一節をハイライト表示したり、メモを挿入したりはできない。Oyster では、Scribd とは違って、テキストを選択してコピーすることができる。奇妙なことに、Oyster は一つの本をページが縦方向に積み重なったものと捉える。つまり、上下方向にスワイプすればページがめくられる。ただし、左右のマージン部分をタップして前後に進むことはできる。進行ゲージもやはり上下方向に表示される。

二つを比べれば、本のテキストの組み方や表示方法に関しては、私は Scribd の方が Oyster よりも好きだ。Oyster の方がより魅力的なフォントやテーマを提供しているけれども、Oyster はあくまでもプレインテキストとして本の内容を表示し、イタリック体とか、ブロック引用の字下げなど重要なことが失われてしまう。Scribd ではそれら重要なタイポグラフィ要素が保たれる。しかしながら両者とも、iBooks の美しいページ表示にも、また Marvin の柔軟性にも、遠く及ばない。(2013 年 6 月 24 日の記事“電子ブックリーダー Marvin がより賢くなって戻ってきた”参照。)

どちらのサービスも HarperCollins と緊密に結び付いているにもかかわらず、両者の蔵書は全然同一でない。例えば、父親の未完の頭韻詩 "The Fall of Arthur" を Christopher Tolkien が編集した版は Oyster のみが持っており、Ben Fountain が高い評価を受けた最近の小説 "Billy Lynn's Long Halftime Walk" は Scribd のみが提供する。

18 世紀の発明品をこの 21 世紀に持ち込んだ試みは、はたして成功するだろうか? いずれもまだ初期の段階なので、結論を出すのは難しい。確かに、出版者のための価値提起は有望に見える。本が閲覧される度に出版者が少額の支払いを受けるようになっているし、本がそのサービスのアプリ内部のみに隔離されていることにより海賊行為は難しくなる。その上、出版者にとっては書店の店頭でますます肩身が狭くなる書棚の場所を争ったりする心配なく、バックリストを有効に使うことができる素晴らしい方法となる。

気楽に読むことのできる便利さも否定できない。本は素早くダウンロードされるし、入手して即座に読めるし、18 世紀の先達たちとは違って、サービスが備える蔵書は物理的に本があるかどうかによる制約を受けない。あなたが読みたいベストセラー本が他の利用者から返却されるまで待つ必要はない。

しかしながら、本格的な読書家たちや、学生たちは、ブックマークやハイライト機能、ノート取り機能が無いことに不安を感じるかもしれない。愛書家たちにとってさらに困るのは、購読したライブラリも結局は消失してしまうことだ。つまり、購読をキャンセルしたとたん、それまで持っていた本のコレクションは、Lewis Carroll の Boojum 狩り人のごとく、突然そっと消え去ってしまう。その結果として、これらのサービスは、せいぜい余暇に気楽に本を読む程度のことにのみ向いている。それにもちろん、購読料金に見合うだけのものを得るには、少なくとも月に一冊以上は読みたいと思う人である必要がある。

それでも、一部で「読書する人のための Netflix」と呼ばれているものをとにかく試してみたいと思えば、どちらのサービスでも無料の一ヵ月お試し期間にサインアップすることができる。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2013 年 10 月 28 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Alfred 2.1 -- Running with Crayons が Alfred 2.1 をリリースした。このキーボード駆動ランチャーに OS X 10.9 Mavericks 互換性を加えたアップデートだ。今回のリリースでは Mavericks のインライン辞書定義を修正し、デフォルトの検索スコープに System/Library/CoreServices/Applications ディレクトリを追加している。拡張機能を盛り込んだ Alfred Powerpack を購入する人には、Alfred 2.1 で最新版の iTunes との統合を改良(ミニプレイヤーが iTunes Radio に対応)し、Dropbox との間の同期の互換性も改善している。(無料、Powerpack は 15 ポンド、2.8 MB、リリースノート)

Alfred 2.1 へのコメントリンク:

SpamSieve 2.9.10 -- C-Command Software が SpamSieve 2.9.10 をリリースし、OS X 10.9 Mavericks の最終リリース版となるべきものとの間の互換性を追加した。前回のアップデート(2013 年 10 月 9 日の記事“SpamSieve 2.9.9”参照)と同様、C-Command では Mavericks をインストールするより前に SpamSieve 2.9.10 にアップデートしておくことを推奨しているが、もしも既に OS X 10.9 がインストール済みの場合は SpamSieve > Install Apple Mail Plug-In を選ぶ必要がある。今回の新バージョンではマニュアルのさまざまの部分も改訂された。(新規購入 $30、 TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、10.8 MB、 リリースノート)

SpamSieve 2.9.10 へのコメントリンク:

ChronoSync 4.4.2 と ChronoAgent 1.4.3 -- Econ Technologies が ChronoSync 4.4.2ChronoAgent 1.4.3 をリリースし、OS X 10.9 Mavericks との互換性を加えた。同期およびバックアップ用アプリ ChronoSync は同期と再読込みのパフォーマンスを改善し、Archive にファイルやフォルダを追加することに関係したいくつかのバグを修正し、ボリュームをマウントする際のいくつかの問題点を修正し、ChronoSync が長時間走り続けていた場合にアプリがアップデートをチェックする挙動を変更した。ChronoSync と ChronoAgent のいずれも同期ツリー内のパッケージファイルのスキャンおよび同期の中止に関するパフォーマンスを改善しており、ChronoAgent は同期を中止する際すべての関係するスレッドを終了させるようにしている。フルのリリースノートが ChronoSyncChronoAgent それぞれに出ている。(ChronoSync は新規購入 $40、ChronoAgent は新規購入 $10、無料アップデート、27.2 MB, 10.6 MB)

ChronoSync 4.4.2 と ChronoAgent 1.4.3 へのコメントリンク:

DEVONthink と DEVONnote 2.7.1 -- 最近リリースしたバージョン 2.7 で生じてしまった多くの問題点に対処して、DEVONtechnologies が DEVONthink の三つの版 (Personal, Pro, そして Pro Office) 全てと DEVONnote をバージョン 2.7.1 へアップデートした。とりわけ、今回のアップデートでは再起動後に Sorter とともに DEVONthink も開いてしまった問題を修正し、DEVONthink と DEVONnote 双方で DEVONthink To Go との互換性を修正している。さらに DEVONthink では他にもいくつかの不調が修正された。例えば、同期に関するいろいろな問題、メモにリンクを追加した後のフォーマッティングの変化、既に開いているデータベースを Finder でダブルクリックしてもそれが前面に出なかった問題などがある。(全てのアップデートは無料、DEVONthink Pro Office 新規購入 $149.95、 リリースノート; DEVONthink Professional 新規購入 $79.95、 リリースノート; DEVONthink Personal 新規購入 $49.95、リリースノート; DEVONnote 新規購入 $24.95、リリースノートTidBITS 会員には DEVONnote および全ての DEVONthink 共 25 パーセント割引)

DEVONthink と DEVONnote 2.7.1 へのコメントリンク:

Safari 6.1 -- あなたがまだ 10.7.5 Lion または 10.8.5 Mountain Lion から OS X 10.9 Mavericks へのアップグレードをしたくない場合も、今回リリースされた Safari 6.1 を使えば Mavericks の Safari 7.0 にある機能の多くを享受することができる。このアップデートでは Safari 7.0 の新機能 Shared Links と Sidebar が追加されるとともに、クリック一つでのブックマーク機能、Safari Power Saver (これによりバックグラウンドにいる際はプラグインのコンテンツを一時停止させられる)、サードパーティのデータのブロック、更新されたセキュリティパッチなども加わる。ソフトウェア・アップデート経由のみで入手可能だ。(無料)

Safari 6.1 へのコメントリンク:

Pixelmator 3.0 -- Pixelmator がバージョン 3.0 にアップデートされ、公式名称が新たに Pixelmator 3.0 FXとなった。(ただし、Pixelmator を購入できる唯一の場所である Mac App Store は、この画像編集および画像処理用アプリの名前に "FX" を付けていない。)この新リリースでは新しい画像編集エンジンを使っていて劇的にパフォーマンスが向上しているはずだ。また非破壊的 Layer Style (例えばシャドウ、グラディエント、アウトライン)、画像ワープのための Liquify Tool、OS X 10.9 Mavericks 対応 (App Nap、圧縮メモり、タグなど) も追加している。けれどもこれらの新機能の代償として価格も上がり、Pixelmator 3.0 FX の定価は今回から $29.99 となった。2012 年 10 月以来特別に半額の「導入価格」$14.99 であったが、今回から定価となる。(新規購入 $29.99、無料アップデート、35.9 MB、リリースノート)

Pixelmator 3.0 へのコメントリンク:

BusyCal 2.5.3 -- BusyMac が BusyCal 2.5.3.3 をリリースし、詳細は不明だが OS X 10.9 Mavericks に関係するさまざまのバグを修正した。このカレンダーアプリは iCloud やその他の CalDAV サーバを参照した管理付き添付物やタイムゾーンへのサポートを加え、タイムゾーンダイアログに検索フィルタを追加し (また最近使ったタイムゾーンを記憶し)、iCloud で小文字のログインに関するバグを修正し、Google sync コレクションや Google Inbox におけるいくつかのバグに対処し、情報パネル上にマウスをかざした際に Apple の Magic Mouse でスワイプのジェスチャーを無効にし、To Do 項目の並べ替えを改善し、同じ日に二つの祝日が重なる場合にも(例えば今年の 11 月 28 日には Thanksgiving と Hanukkah の初日が重なる)表示できるようにした。(Mac App Store から新規購入 $29.99、無料アップデート、9.9 MB、リリースノート)

BusyCal 2.5.3 へのコメントリンク:

iMac SMC ファームウェア・アップデート 1.1 -- Apple が iMac SMC ファームウェア・アップデート 1.1 をリリースした。最近リリースされた iMac のうち PCIe ベースのフラッシュストレージを組み込んだモデルに対して推奨される。(2013 年 9 月 24 日の記事“Apple、iMac をより高速の CPU と 802.11ac Wi-Fi でアップデート”を参照。)このリリースでは OS X 10.9 Mavericks における Power Nap 機能を改善し、iMac がスリープ中にファンを回転させず静かに動作できるようにしている。(無料アップデート、921 KB)

iMac SMC ファームウェア・アップデート 1.1 へのコメントリンク:

MacBook Pro (Retina, 13-inch, Late 2013) ソフトウェア・アップデート 1.0 -- Apple が MacBook Pro (Retina, 13-inch, Late 2013) ソフトウェア・アップデート 1.0 をリリースした。対象となるのはリリースされたばかりの機種(2013 年 10 月 22 日の記事“新 Retina MacBook Pro 薄く、軽く、安価に”参照)を購入した人のみだ。しかしながら、このアップデートがするのはただ単に欠けていた Simplified Chinese および Traditional Chinese OS X Software License Agreement を Documentation フォルダの中に正しく入れ直すことだけなので、これら二つのローカライズ版のどちらかを使っているのでない限りおそらく今回のアップデートはせずにおいても構わないだろう。(無料、5 MB)

MacBook Pro (Retina, 13-inch, Late 2013) ソフトウェア・アップデート 1.0へのコメントリンク:

iMac 10.8.5 追加アップデート 1.0 -- 2013 年 9 月末にリリースされた機種の iMac (2013 年 9 月 24 日の記事“Apple、iMac をより高速の CPU と 802.11ac Wi-Fi でアップデート”を参照) に推奨されるものだが、Apple が iMac 10.8.5 追加アップデート 1.0 を NVIDIA GeForce GT 750M グラフィックプロセッサを使用し OS X 10.8.5 Mountain Lion の走る iMac 用に出した。このアップデートでは二つのバグが修正される。一つは iMac がスリープに入ると外部ドライブが取り出される問題、もう一つは一部の USB Bluetooth アダプタが機能しない問題だ。(無料アップデート、17.1 MB)

iMac 10.8.5 追加アップデート 1.0 へのコメントリンク:

Carbon Copy Cloner 3.5.3 -- あなたの Mac を OS X 10.9 Mavericks にアップデートする前にブート可能なバックアップを作るためにちょうど間に合った。Bombich Software が Carbon Copy Cloner 3.5.3 をリリースして、この Apple の新しいサーフィンテーマのオペレーティングシステムへのサポートを追加したからだ。今回のアップデートではそれ以外にも、暗号化の手順を実行する際にフルディスク暗号化を有効にするアドバイスを追加し(マニュアルにも同じことが追加されている)Carbon Copy Cloner が短い名前を持つネットワークボリュームで起こすことのあった問題点に対処し、名前のリストがコピーされるという Mavericks のみで起こった問題を修正し、バックアップのオプション「黙ってスキップする」が守られるようにし、Drobo デバイスに関する二件の問題点を修正している。(新規購入 $39.95、無料アップデート、10.9 MB、リリースノート)

Carbon Copy Cloner 3.5.3 へのコメントリンク:

Scrivener 2.5 -- OS X 10.9 Mavericks 互換性を追加して、Literature & Latte が Scrivener 2.5 をリリースした。今回は、保存および書き出しに際してタグをサポートするようになった。このワードプロセッサはまた Java ランタイム環境をバンドルすることにより .doc、.docx および .odt ファイルを変換する際に Java をインストールする許可を求める必要がないようにしたが、これは 10.7.3 Lion かそれ以降のシステムのみで働く。(古いシステムではあなたが自分で Java をインストールしなければならない。)Java をバンドルしたことにより、Scrivener 2.5 はファイルサイズが以前の二倍 (バージョン 2.4 は 35.7 MB、このアップデートは 76 MB) となっている。

変更点のリストは長いが、主なものを挙げればこのアップデートで Scapple (Literature & Latte のフリーフォームテキスト編集ユーティリティ) からメモを読み込む機能を改善し、Kindle への書き出しが文字列合わせで両端揃えと左揃えの区別を無視しないようにし、PDF の中でテキストに抹消線を引く機能を追加し、Scrivener エディタから Finder へ画像をドラッグできるようにし、ドイツ語、フランス語およびスペイン語のローカライズ版を追加している。(Literature & Latte からも Mac App Store からも新規購入 $45、無料アップデート、76 MB、 リリースノート)

Scrivener 2.5 へのコメントリンク:

Hazel 3.2 -- Noodlesoft が Hazel 3.2 をリリースし、このファイルクリーンアップユーティリティが OS X 10.9 Mavericks でタグを扱うやり方を改善した。このアップデートでは Mavericks のタグを基にした条件を追加することができるようになり、タグを追加したり設定したりする新たなアクションも作れるようになった。Hazel 3.2 ではまたアトリビュートの "contain" オペレータが項目のリストの形になっていたのを分割してより直観的なマッチができるようにし、Mavericks の AppleScript エディタで(スクリプトエラーを引き起こしていた)スマートクォートを使うのを止め、Kind ピッカーを使う際に起こったクラッシュを修正している。Mavericks では旧来の OS X のカラーラベルがタグで置き換えられたが、Hazel では引き続きカラーラベルをマッチしたりセットしたりできる。(新規購入 $28、無料アップデート、7.8 MB、リリースノート)

Hazel 3.2 へのコメントリンク:

Voila 3.6 -- 内部の改良がいくつか施されて以前よりきびきびとした感じになったのに加え、Global Delight の Voila 3.6 は OS X 10.9 Mavericks で走る際のパフォーマンスと信頼性を向上させている。とりわけ、このスクリーンキャプチャユーティリティは Mavericks の下でファイルを読み込んでもクラッシュしなくなり、外付けディスプレイでメニューバーのある状態でスクリーンキャプチャをした際の問題点を修正している。Voila 3.6 はまた Text ツールを改良し、10.7 Lion 以降の走る Mac でのビデオ書き出し機能を一新し、Capture および Object ツールでつまみマーカーを大きくし、ドイツ語のローカライズ版を追加した。通常価格は $29.99 だが、2013 年 10 月 31 日までに限り Voila は $19.99 となっているし、 TidBITS 会員 が Global Delight を通じて購入すればさらに 25 パーセント割引がある。(Global Delight または Mac App Store から新規購入 $29.99、無料アップデート、20.7 MB、リリースノート)

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iTunes 11.1.2 -- Apple が iTunes 11.1.2 をリリースし、リリースされたばかりの OS X 10.9 Mavericks への対応を加えた。(2013 年 10 月 22 日の記事“Apple、OS X 10.9 Mavericks を無料でリリース”参照。)今回の新バージョンではパフォーマンスと安定性が向上したほか、アラビア語とヘブライ語への言語対応を追加している。Apple の iTunes ウェブページから直接ダウンロードか、またはソフトウェア・アップデートで入手可能だ。(無料、221 MB)

iTunes 11.1.2 へのコメントリンク:

iBooks Author 2.1 -- Apple の iBooks Author が Mavericks 互換性を備えてアップデートされた。この無料のオーサリングソフトウェアでは、一部のムービーから拡張キャプショントラックが抜け落ちていた興味深いバグが修正されたほか、例によって「さまざまなバグ修正およびパフォーマンス改善」が提供される。それに加えて、このアップデートでは作成中の Multi-Touch ブックプロジェクトをユーザーが Mac の iBooks アプリの中でプレビューできるようになった。ケーブルで接続された iPad でプレビューできる機能は以前と同じくあるが、依然として本のプレビューは縦向きのみだ。(Mac App Store から無料、446 MB)

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ExtraBITS、2013 年 10 月 28 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の ExtraBITS では、John Siracusa がまたもや長大な OS X レビューをリリースし、Disney が同社の映画のいくつかを iTunes ユーザーたちのライブラリから引き抜き、TidBITS 編集主任の Josh Centers が Pulling the String ポッドキャストに出演する。

Josh Centers が糸を引く -- TidBITS 編集主任の Josh Centers が Pulling the String ポッドキャストでホスト Benjamin Alexander と対談し、TidBITS の管理についての話や、Apple がオンラインサービスやポッドキャストをきちんと扱えない理由、はたまたロックコンサートについて、新米の親となった体験、それから成功への鍵について、語り合った。 成人指定の言葉遣いが多少含まれていることを、あらかじめお断りしておこう。

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購入済みの iTunes 映画を Disney が一時的に削除 -- Disney が、同社のいくつかの映画(例えば "The Lion King")の iTunes Store での販売を中止した。それ自体は別に懸念すべきことでもない。なぜなら、Disney は日常的にいろいろな映画をその「保存庫」から出し入れしているからだ。けれども今回は iTunes の問題による副作用として、それらの映画を以前に購入した人がそれを iTunes in the Cloud からストリーミングしたりダウンロードしたりしようとしてもできなくなった。ありがたいことに Apple と Disney が間もなく修正を施して問題は解決したが、今回の教訓はクラウドサービスが予測できない挙動をするものであり、可能な限り私たちは重要なデータのローカルなコピーを持っておくべきだということだ。

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John Siracusa が OS X 10.9 Mavericks をレビュー -- 酷評をすることで有名な John Siracusa による長々しくて詳細極まるレビューが Ars Technica に載らなければ、それは OS X リリースとは呼べまい。Siracusa による十回目の OS X レビューは 24,008 語にもわたり、110 個の画像を含んでウェブ版は 24 ページにもなる。「正統の」ウェブ版をページをめくって読むのは無料でできるが、$4.99 を払えば iBooks Store または Amazon の Kindle Store から電子ブック版が購入できる。

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