TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1210/17-Feb-2014

Apple TV をお持ちの皆さんに、編集主幹 Josh Centers が執筆した私たちの新刊書 "Take Control of Apple TV" をお知らせするとともに、Josh が今週の FunBITS 記事として Silver Screen を紹介する。これはシンプルな Mac ベースのアプリで、ほとんどあらゆるフォーマットのビデオを Apple TV 上で観られるようにする。一方 iOS の世界に移れば、St. Paul Pioneer Press の記者であり "The Mobile Writer" の著者でもある Julio Ojeda-Zapata が、Apple ユーザーの観点から伝統的でないハードウェア選択について一連の記事を寄稿してくれた。今週はその第一回として、iPad Air こそ放浪のライターにとって究極のツールではないかというのが話題だ。Rich Mogull は引き続き "Bring Your Own Device" のトレンドに対する考察として、Apple がどのようにあなたの iPhone や iPad をあなたの雇用主から保護しているかを(およびその逆も)深く分析する。最後に、自分はほぼ Mac だけしか使っていないという人のために、あなたがどの程度頻繁に再起動しているかを調べられる素敵な方法を Josh が紹介する。そして、今週注目すべきソフトウェアリリースは、DEVONagent Lite、Express および Pro 3.7、GraphicConverter 9.1、ReadKit 2.4、CrashPlan 3.6.3、Marked 2.2 (Build 823)、PDFpen および PDFpen Pro 6.1.4、Boot Camp 5.1 だ。

記事:

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"Take Control of Apple TV"、一般向け販売開始

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

お約束した様に、TidBITS 編集主幹 Josh Centers による我々の最新のストリーム本 "Take Control of Apple TV" が TidBITS 会員以外の人達にも入手可となった。November 2013 から January 2014 迄、我々は毎週一章を TidBITS 会員に対する特典として出版してきた (""Take Control of Apple TV"、TidBITS でストリームする" 4 November 2013 参照)。これも再度成功であった。より多くの長年の TidBITS 読者が我々の仕事を支持してくれるきっかけになり、我々にとっては毎週守るべき締め切りとなり、そしてこの本を改善する手助けとなった数多くのコメントや質問が寄せられた。

お気付きでないかもしれないが、TidBITS に最後の章を出版した後にもやるべき事はたくさんあった。一貫性と明瞭さを保つための一冊の本としての更なる編集作業から、ファイルサイズを初期の 190 MB から減らすためスクリーンショットを切り取ったり大きさを調整したりする、そして iBooks でもスクリーンショット、サイドバー、そして表題が (可能な限り) ページをまたいで切れてしまわないよう我々のカスタム CSS を微調整する事まで含まれる。

TidBITS 会員でまだ読み終えていないというのであれば、我々の Web サイト上で引き続き全ての章を無料で読み続けることも可能である。しかし Web ブラウザー以外の環境でも読める PDF, EPUB, 或いは Mobipocket バージョンが良いと言うのであれば、値段は一冊 $7 である (これは定価 $10 の 30% 引きである - あなたの会員特典ページ から Take Control サイトへとクリックしてゆきクーポンを読み込む)。

本として完成するまで待ちたいと思われた方のためには、この 197 頁の "Take Control of Apple TV" は待った甲斐も、$10 の価値も十分あると確信している。Apple TV をこれから買おうとする方でも或いはすでにお持ちでも、この本は Apple の居間の機器を使いこなす手助けとなる。映画や TV 番組を観るだけでなく、Apple TV をステレオシステムのハブにする、自分の写真を華麗なスライドショーにする、iPhone や iPad ゲームを大画面上で遊ぶ、等々のやり方を学べる。これがあれば、あなたのケーブル会社からの引き込み線を切ってしまう道 (そして毎月の使用料も削減) へと方向転換することも可能になる!

新しい所有者にはこの全てを網羅した設定指示が役立つであろうし、長年使ってきた人でも Josh が Apple TV を付属のリモコン、Apple の Remote アプリ、或いはあなたの手持ちの TV リモコンすらを使って制御する最善の方法を説明している所では、新しい何かを学べるのではと思われる。更に、主画面でのアイコンの並びをカスタマイズする、ペアレンタルコントロールを有効にする、そしてスクリーンセーバーを目を見張るものにする方法も学べる。Josh はそれから AirPlay を使いこなすことに焦点を当てる。これは Apple の技術で、iPhone, iPad, 或いは Mac から Apple TV に音声やビデオを送出、そして Apple TV から家中何処に置かれていても対応するスピーカーに音声を送出させてくれる。

コンテンツに関して言えば、まず Apple TV 内蔵のビデオアプリ - iTunes Store, Netflix, Hulu, HBO Go, PBS, YouTube, 等々 - の説明があり、どれがあなたが観たいものを提供してくれそうかの感触が得られる。しかし、何も市販ビデオに限定されている訳ではない - Josh は、あなたのホームムービーそして手持ちの DVD や Blu-ray ディスクを観る、手持ちの音楽や iTunes Radio を聴く、写真を Apple TV 経由で映すため Home Sharing を使う、そして Apple TV 経由で遊ぶために設計された iOS ゲームを探す最善の方法を説明する。自分はもっと嵌まっているとお感じなら、Josh は Plex がどの様にもっと多くのビデオコンテンツを提供してくれるかを示す。そこには Comedy Central の "The Daily Show" や "The Colbert Report" への無料アクセスも含まれる。

最後に、Apple TV は娯楽だけではない。AirPlay のお陰で、Keynote と共に Mac, iPhone, 或いは iPad からプレゼンを行う重宝な機器ともなる;これは良く知らない会議室を使うことの多い道行く戦士にとっては完璧な相棒である。Josh は必要な詳細全てを提供、そこには遭遇するであろう如何なるハードウェアでも扱えるようにするための必要なもののリストも含まれる。

"Take Control of Apple TV" には 一頁の PDF アンチョコが付いているが、我々はこれを無料ダウンロードとして提供するので、これを取り込んで印刷し TV の周りに置いておくと良い。これはあまり技術に詳しくない家族のための Apple Remote と AirPlay の操作方法の手引きである。他にもこれが役立ちそうだと思われる方がいるならば、どうか自由にこのリンクを紹介して欲しい!

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Mac の再起動をコマンドラインから探索する

  文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

あなたの Mac を再起動しなければならなかったのは最近では何時だったか、或いはどれぐらいの頻度で再立ち上げしているか知りたいと思いませんか? 実はこの情報を報じてくれるコマンドライン呼び出しがある。そんな細かいことを知って何の役に立つのか? もし安定しないハードウェアのトラブルシュートをしているのであれば、どれぐらい頻繁に再起動しなければならないかの記録を取っておきたいと思うかもしれないし、或いはテックサポートの人の助けを得ている時に最近起きたカーネルパニックが起きた正確な日付を見たいと思ったりするかもしれない。

Unix はどうもと思うかもしれないが、心配することはない。これは至って簡単である。/Applications/Utilities から Terminal を開き、last reboot とタイプして Return を押すだけである。出てくるのは、あなたの Mac を再起動した時間全てのログで、ログが始まった時まで遡る。私のは October 2013 迄しかないが、Adam Engst のものは May 2013 以来 70 回にのぼり、その中には不良の DIMM を切り分けようとして再起動を繰り返した数回のインスタンスが見られる。

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技術的に言うと、この last コマンドは特定のユーザーのセッションを表示するので、last shortname - shortname はユーザーアカウントの省略名である - とタイプすればその特定のアカウントがログインした全ての時間を見られ、或いは last だけだと全てのセッションが表示される。reboot は擬似的なユーザーで、shutdown もそうである。従って last shutdown とすれば、全てのログインされたシャットダウン事象が表示される。

再起動の記録を保存したい? このコマンドを試されたい:

last reboot > ~/Desktop/reboot-log.txt

これはあなたの Mac に last reboot コマンドを実行し、そしてその出力をあなたの Desktop 上のreboot-log.txt と呼ばれる新しいファイルに送るよう言う。そして、再起動をコマンドラインからこのファイルに記録し続けたいのであれば、代わりにこちらを使う:

last reboot >> ~/Desktop/reboot-log.txt

これは同じコマンドだが、山括弧が二つなので、出力は既存のファイルを上書きするのではなく、既存のファイルの最後に追加するよう規定している。どうなるかやって見て欲しい。

話のついでに、Terminal にいる間に uptime コマンドも試されたい。これは最後の再起動以来あなたのコンピュータがどれぐらい長く走っているかを示す。

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モバイルライターが持つべきは iPad か MacBook か

  文: Julio Ojeda-Zapata: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple の四半期業績報告を一目見ただけで、伝統的なデスクトップとラップトップのコンピュータの時代が終わりに近づきつつあるのが分かる。前の四半期に Apple は 2 千 6 百万台の iPad を販売したが、これは同じ期間に出荷された Mac の 480 万台に比べれば五倍以上だ。そして、実際この Mac の売り上げは非常に好調だったのだ。PC 全体の売り上げが 10 パーセント落ちたというのに、Mac の売り上げは前年に比べて 19 パーセントも増えている。(2014 年 1 月 27 日の記事“Apple の記録となる Q1 2014 販売でも Wall Street を満足させられず”参照。)

これほど iPad が増えたことで、私は考え始めた。ジャーナリストにとって、最高のモバイルコンピュータとは何だろうか? あるいはもっと一般的に、執筆をし、写真やビデオを撮影し、同僚たちとコミュニケーションを保ちといったことを、時として予想外に居心地の悪い環境の下で締切の圧力に晒されつつしなければならない人たちにとって、最良のデバイスとは何だろうか?

St. Paul Pioneer Press でテクノロジー系ジャーナリストとして働く私は、自宅の仕事部屋で借り物のハードウェアを次々と入れ替えつつ使っているので、まさにこの問題を考えるべき最適の立場にいる。私はいろいろの最新の機器を使うことはできるが、どれ一つとして所有することはできないし、自分で購入できる財力もあまりないので、考察の対象を絞る必要がある。私の限定された個人的なテクノロジー予算を私のジャーナリストとしての仕事に使うためにはどのようにするのがベストの使い方か、という問題をここでは考えたい。

私はニュース業界で四半世紀にわたってその問題を考えてきたが、時の経過とともにその答は興味深い変遷を遂げてきた。この答を模索しつつ、私は一冊の本 "The Mobile Writer" さえ書いた。

長い年月にわたり、私はさまざまの種類のモバイルコンピュータに手を出してきた。私のテクノロジー仕事の借り物在庫には、最近は非常に広範囲にわたるそのようなデバイスがずらりと揃っている。人気の Chrome ブラウザに基づくウェブ中心の Chrome OS を装備した Google のノートブック Chromebook、多種多様な形やサイズの Android タブレット、フルの Windows PC としても働く Microsoft の Surface Pro デバイス、それからいろいろの iPad スタイルのタブレットもある。今日の PC 後世代ハードウェアを Apple ユーザーの観点から形式張らずに眺めようとするこのシリーズの今後の記事で、これらのデバイスのいくつかについても見て行きたいと思っているが、モバイル生産性の高さから見たお気に入りを明かす前に、まずは手短に昔を振り返ってみたい。

ジャーナリズムの学校を 1980 年代末に卒業して新人の新聞記者となった私は、今もまだ一部のニュース編集室では敬意をもって見られているマシン、TRS-80 Model 100 を自分のために入手した。これは厚板状のコンピュータでスクリーンは持ち上がっておらず、ただキーボードと、薄暗いテキストを八行だけ表示できる縦方向に狭い液晶パネルが付いているのみだ。

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取材先から記事を届けるには、例えばミネソタ州 Bloomington の残念ながら今はない Met Stadium で開かれた Michael Jackson のコンサート会場では、有線電話のハンドセットを音響カプラに押し込んで、ニュース編集室への苦痛を感じるほど遅い転送を我慢しなければならなかった。

それから何年も、何十年もの間、私はさまざまの他のデバイスを試してみた。Apple の Newton に物理的キーボードをアドオンとして繋いだものも使った。透明の緑色の Newton 兄弟機で eMate 300 と呼ばれたものは、今でも過去に生産された中で最も美しいモバイルコンピュータだと思う。それから、Jobs 以前の世代の Apple PowerBook をコンピュータストアから借りて使ったこともあったが、キーボードが硬過ぎて私は大嫌いだった。

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最近数週間、私は記者としての仕事でニュース編集室を出る際にはまた別の種類のコンピュータを持って出るようにしている。iPad Air だ。これは私にとって驚きだった。iPad は、少なくとも私にとって、モバイルジャーナリズムにおける予期せぬ選択であった。

以前から、私は iPad よりも Mac に気持ちが傾いていた。個人用に(仕事用の報道目的以外のために)MacBook Air と iPad Air の間で悩んでも、私はいつも前者を選んだ。それでも、記者として現地報告に向かうための準備をする際、最近の私はほとんど常に iPad を取り上げるようになった。

その理由には、Apple の新しいテレビコマーシャル "Your Verse" に関係するところが大きい。このコマーシャルは iPad Air を補助的なものでなくメインのコンピュータとして宣伝している。

そのコマーシャルの中で一つの象徴的イメージに心を掴まれた人は多い。それはあるビデオ撮影家が、iPad Air を三脚の上に取り付け、ブームマイクなど他のビデオ録画用付属品もそこに取り付けて撮影しているところだ。ここを見て嘲り笑った人たちもいる。そういう人たちは、そんな風に iPad を取り付けることが可能だからといって、もっと遥かに優れたカメラがあるのにそんなことをする べき 理由になどならない、とまくしたてる。

けれども私はこの情景を見たとき、自分が 2006 年に記者仕事で出掛けた際にデジタルカメラが壊れてしまい、MacBook (あの大好きなつや消し黒のやつだ) 以外に写真撮影のできるデバイスがなかったことを思い出した。不格好にも MacBook のリッドの内側にある iSight カメラを被写体に向け、Photo Booth を使ってテクノロジーブログ用の写真を撮る以外に、方法はなかった。(その記者仕事というのがミネソタ州 Minnetonka の Ridgedale Center での Apple 開店行事だったのでなおさら格好悪かった。)でも私はほんの数分でコツを掴んで、何となく楽しい気分で仕事をした。さらにこの体験は貴重な写真をも生み出した。誰か他の人が、人混みの中で MacBook を高く構えている私の姿を撮影してくれたのだ。

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それでも、あれは二度と繰り返したくない体験であった。

さて話題を去年の話に進めよう。去年、私はほとんど同じ苦境に陥ってしまった。ブログ用写真をポストするためのスマートフォンが壊れてしまい、代わりに使えるカメラを急いで見つけなければならなかった。たまたま私はその時 iPad を持っていて、これがとてもうまくその仕事をやってのけた。そう、私は大きな厚板を被写体に向けて写真を撮ったりビデオを撮影したりして、まるで馬鹿者のように見え自分でもそんな気がしたのだったが、リッド内側のカメラしかないラップトップ機を使うのに比べれば大きな進歩であった。それはまたその場に相応しいものでもあった。これも Apple リテール店のイベントで、ミネソタ州 Edina の Southdale Center モールに Apple ストアが拡張移転した際のことだったからだ。

iPad Air は、画像の撮影に使えるだけではない。画像の編集にも結構素晴らしい働きをする。Apple の iPad 版の iPhoto と iMovie もかなり良いもので、iPad をシンプルだが有能なモバイル編集スタジオに変えてくれる。サードパーティのアプリにも幅広い選択肢があって、私の写真編集能力を(Photoshop のレベルとは言えないまでも)かなり高めてくれる。何十ものアプリを試してみたが、私の選択はほんの数個の本当に良いものだけに落ち着いた。

画像編集用に私が引き付けられたのは、Aviary の Photo EditorAutodesk の PixlrExpress+Adobe の PS Express と、Google の Snapseed だった。すべて素敵なアプリだということもあるが、もう一つの理由はいずれもウェブアプリ版を提供していて、私がメインで使っているデスクトップ用のブラウザ、Google の Chrome を通じて使うことができ、首尾一貫性が達成できるからだ。また Tap Tap Tap の Camera+ も、iPad ネイティブ版を写真編集用に使っている。こちらは、私が iPhone 版を使っているからだ。

iPad 用のビデオ編集用アプリについてはあまりいろいろ試してみていないが、手軽な編集作業やアップロード用として Google の YouTube Capture を重宝して使っている。

私の記者としての仕事時間の中にはそのような写真とビデオ関係の作業もますます多くの割合を占めるようになってきているけれども、やはりジャーナリストとしての私にとって依然として一義的に重要なのは文章を書くことで、その目的に適したハードウェアは絶対に必要だ。この点において、iPad Air は、物理的なキーボードをアドオンとして取り付ければ立派に働いてくれる。

さまざまの種類の iPad Air 用キーボードカバーやキーボードケースを試してみた結果、Logitech から $149.99 で出ている FabricSkin Keyboard Folio に落ち着いた。大嫌いになるに違いない(「布地に覆われたキーボード」だって? 本気か?)と思っていたけれども、使ってみると大好きになった。

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これはフォリオ(二つ折り)タイプの iPad Air ケースで、メカニカルキーボードが組み込まれ、皮膜状の上張りで保護されている。そこのところを私は大嫌いになると思ったのだが、皮膜があってもこのキーボードはとても良い感触でタッチタイピングすることができ、大好きになった。どの iPad 用キーボードケースでも同じことで伝統的なキーボードに比べればずっと側面が狭苦しいが、その点は慣れた。iPad がケースにしっかりと取り付けられるのに取り外すのが簡単なところ、両方を組み合わせてもほっそりしていて持ち運ぶために畳むと外側のゴムの手触りが良いのも気に入った。

iPad 用の文章執筆アプリも多数あり、幅広いカテゴリーのものが存在していてどんな目的や好みも満たすことができる。私の場合はオンラインでの出版と共同作業が重要なので、EvernoteGoogle DriveBlogsy といったものを気に入って使っている。著書 "The Mobile Writer" の中に、これら三つのアプリに加え、他のアプリについても一つの章を割いて解説しておいた。iPad がプロのジャーナリストにも他のどんな種類のライターにも十分以上に相応しいコンピュータであるというこの記事のテーマを、この本はさらに拡張するものとなっている。

必要なハードウェアとソフトウェアをいったん追加し終えれば、iPad Air は私の記者としての日常の仕事と執筆の中にシームレスに溶け込んでくれる。そこには、Evernote を使ってインタビューのメモをタイプして整理し直す作業も、Google Drive を使って記事を書きファイリングする作業も含まれている。これらのアプリには事実上あらゆる他のコンピューティングプラットフォームのためのバージョンが揃っているので、私はいつもデバイスからデバイスへと行き来しながら使っている。Chromebook、Android タブレット、Surface コンピュータ、Windows PC、大好きな自宅の iMac などの間で、調査メモや執筆中の記事への集中を途切れさせることなく行き来できる。この点で、私の一番のお気に入りのモバイルデバイスが iPad Air だ。

iPad は、他の種類の作業についても素晴らしいデバイスだ。ソーシャルメディアや、オンラインでの調べものなどにも重宝しているが、ここでは詳しく述べないことにしよう。とにかく、この iPad はほとんどの面で十分 MacBook Air に対抗できる。(ただしユーザー体験は非常に異なったものとなるが。)その上、これが妥協の産物であるという気がすることもほとんどない。

ある日私は運転中に、不意に今日が締切だったと気付いた。そこで私は急いで Caribou Coffee 店に飛び込み、仕事を始めた。iPad のケースを開き、Skype を走らせ Apple EarPods を使ってインタビューをし、同時に Evernote からメモを取り出して目を通す。(そんな時、皮膜に覆われたキーボードが静かなことがありがたいと思う。)それから Google Drive を走らせて私の記事を叩いて出し、共有ボタンをクリックしてオフィスでデスクトップ PC を使っている編集者を招待し、編集セッションに参加させる。これらすべて、完璧に自然な作業という感じがした。

また別の日、私は iPad Air を手に、一夜のうちに二つのイベントに出席した。まず第一に、私は Ignite Minneapolis のライブ tweet に参加した。これは大きなホールの中で幅広い話題について五分間のスピーチを寄せ合う一夜を過ごすというイベントだ。その夜の私はもう一つ違ったタイプの、こちらも素晴らしい Belkin 製のキーボードケース Qode Ultimate Wireless Keyboard and Case を使っていた。(TidBITS のレビュー記事“Belkin Ultimate Keyboard Case は iPad Air を旅行用コンピュータにする”(2013 年 12 月 11 日) を参照。)Logitech のケースも Belkin のケースもどちらもとてもうまく働く。

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その夜遅くなってから、私は Bloomington の広大な Mall of America にある、ミネソタ州でたった一つの Microsoft のリテール店に到着した。熱狂的ゲーミングファンたちが新型の Xbox One コンソールに初めて手を触れる様子を見るためだ。このセッションでは文章を書くよりも写真を撮影する方が主だったが、iPad は私の一義的な写真撮影および画像編集用デバイスとして働いてくれた。写真のアップロードには Google の Google+ アプリを使った。人々で一杯の店内を歩き回りながら、撮影、編集、アップロード、という一連の作業を私は何度も何度も繰り返した。

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iPad 登場以前の時代には、これらのモバイル取材の仕事で私が使うデバイスとしては Apple 製ラップトップ機が最良の選択だったろう。けれども今や、私は決して MacBook Air を iPad Air の代わりに選ぼうとは思わない。

iPad Air は MacBook Air よりも小さくて軽く、Logitech 製キーボードケースに入れた状態でもそのことは変わらない。それに価格も安い。ただし仕事の種類によっては価格差があまりないこともある。取材先を移動しつつ記事を書くためにセルラー対応の機種が必要であって、ビデオのために十分なストレージ容量も必要ならば、ストレージ容量 64 GB の iPad Air の価格 $829 に加えて Logitech FabricSkin Keyboard Folio に $150 が必要となり、合計が $979 となる。11-inch MacBook Air の価格 $999 よりほんの少し安いだけだ。

だからこそ私は、今のところ仕事用にはこの借り物の iPad を(借りていられる限り)使い続けるつもりだ。自分自身のものを買うために投資するつもりはない。けれどもライターの皆さんの中で懐に余裕がある方には、外を飛び回るジャーナリズムにはラップトップ機が唯一のツールだという固定概念を捨てて、真剣に iPad Air を考慮してみるべきだと助言したい。これこそ、万能のモバイル報道用コンピュータなのだから。

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Apple はあなたの iPhone をあなたの雇用主からどう守るか

  文: Rich Mogull: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

深い暗黒の昔には、仕事場でテクノロジーを使う際、あなたは雇用主から与えられたものを使っていた。けれども近年状況は変わり始めて、従業員たちが自分のハードウェアと、仕事場で採用されている IT 基盤構造とを使う、という "Bring Your Own Device" (BYOD) の考え方が普及してきた。BYOD の興隆と、それに合わせて IT に施されてきた調整には、いずれも Apple の影響によるところが大きい。そのことについて説明しよう。

けれどもその前に、つい最近まで状況がどのようであったかの感触を掴んで頂くために、たった 7 年前に私が体験したことを紹介したい。私のモバイルフォンは BlackBerry で (そう、私は両刀使いだった)、私のコンピュータはすべて雇い主 (Gartner 社) が所有し管理していた。テクノロジーに詳しくない人ならばすべてが支給されることを歓迎したかもしれないが、私にとってはイライラがつのるばかりだった。認可されたデバイスしか使えないのに、私が選んだであろうデバイスとそういうデバイスとが一致することはめったになかったからだ。そうは言っても、Gartner は実際にはそれほど悪くなく、最小機能の携帯電話か比較的新機種の BlackBerry かという、結構まともな選択肢を与えてくれていた。私のラップトップ機は IBM (その後 Lenovo) の ThinkPad で、これは 3 年から 4 年ごとに交換された。

自分の使うデバイスを好きなように選べないばかりでなく、それらのデバイスの設定についても私がコントロールすることは許されていなかった。自分の使いたいソフトウェアの大多数を ThinkPad にインストールすることはできたけれども、いろいろな制約があって特定の設定にしておくことを要求された。例えば、毎週水曜日の正午にはアンチウイルススキャンが勝手に走り出してラップトップ機の動作が不安定になるので、私は決まってその時間には食事に出掛けることにしていた。

同僚たちの多くに比べてテクノロジー志向が強かったので、私は巧みに会社の管理をくぐり抜けて、そのコンピュータをできるだけ自分の必要に合うように調整した。その後、Apple が初めての Intel ベース MacBook Pro をリリースしたので、私は自分で一台購入し、仕事場のコンピュータを仮想化して自分の MacBook Pro に移し、こうやって自由を獲得したんだぞと仕事場で得意になって見せびらかした。今でも、あの時どうやって何の罰も受けずに済んだのか思い出すことができない。

あの時代以後、従業員が自分のデバイスを仕事場で使うことが急速に普及し、"Bring Your Own Device" という言い回しも定着した。その傾向を後押ししたのが、最初は Apple の Mac と iOS デバイスであり、その後 Android ベースのスマートフォンやタブレットが続き、さらには他のプラットフォームもそれに加わった。とりわけ知識労働者たちは、自分の仕事のために必要なツールを選んで設定する自由をより多く期待するようになった。

今から 5 年前には、会議のために大きな会社を訪れると、たいていその部屋の中で Mac を持っているのは私一人だった。けれども今では Mac はよく見かけるものとなり、さまざまな種類のスマートフォンも普通に見られるようになった。時には、会社が従業員たちに自分のデバイスを持つことを許し、それによって彼らの生産性を上げようとすることもある。また会社によっては、コスト削減のために従業員たちに自分のハードウェアを持って来させることもある。

いくつものモバイルフォンやラップトップを持ち運んで管理するのを嫌う大多数の従業員たちにとって BYOD は素晴らしいことだが、IT 部局にとってそれは面倒が増えるのを意味することが多い。IT 部局の人たちの多くも個人的には好きなデバイスを使える自由を歓迎するだろうが、そのような自由はサポート (支援)、コンプライアンス (規約順守)、オーディタビリティ (可監査性)、セキュリティ (安全対策) を劇的に複雑化させる。そのための妥協策が、さまざまのテクニックを使って従業員たちの持つデバイスにデバイス管理を強制することであったのだが、それらのテクニックの多くはデバイスにネイティブなユーザー体験の質を落とす結果となる。

Apple の BYOD 哲学 -- iOS 7 のリリースをもって、Apple は今ではビジネス顧客を二つのカテゴリーに分けるようになった。一つは BYOD、もう一つは企業が所有するデバイスだ。デバイスの所有者が違うというだけのことにより、両者それぞれに対して完璧にとさえ言えるほど異なったセキュリティモデルと管理モデルが浮かび上がる。

Apple の BYOD モデルにおいては、ユーザーたちが自分の iOS デバイスを所有し、雇い主は仕事上のデータとデバイス上のアプリを所有する。これならば、決してユーザー体験が損なわれたりしない。ユーザーたちは自分のデバイス上に企業用のスペースを置くことを認め、企業はユーザーたちが企業のリソースにアクセスすることを認める。二重人格などどこにもない。仮想マシンなどどこにもない。シームレスな使用体験を通じてデータとアプリが混ざり合い、それでいて個人用領域と仕事用領域とはサンドボックス化されてはっきりと分離される。その分離は非常にはっきりしていて、企業が従業員の所有するデバイスに supervised mode (監視モード) を実装することさえ実際には困難となり、従業員のデータは常に保護されて IT 部局が干渉したり詮索したりできないようになる。現在のところこのモデルはまだ完璧にはほど遠く、重大なギャップも一つ (AirDrop) 存在しているが、それでも iOS 7 はその方向に向けた明確な意思表明となっている。

それとは対照的に、企業がそれらの iOS デバイスを所有する場合、Apple はやり方を変えて IT 部局に絶対的なコントロールの権利を与える。新しいデバイスをセットアップする際の使用体験に至るまで企業側が管理するのだ。企業の側が必要に応じて機能を削除したり低下させたりすることができるけれども、そのデバイス自体は、許容範囲内にある限り、依然として完璧な iOS 使用体験を提供する。

これらの異なるモデルの差を際立たせる実例をいくつか挙げてみよう。

従業員が所有するデバイス上では:

企業が所有するデバイス上では:

このモデルは、iOS 6 上でセキュリティや管理が処理されていたやり方とは大きく違っており、たいていの人が理解しているよりもずっと深いところまで行き渡っている。現在いくつかのギャップは存在していて、とりわけ BYOD のコントロールについてはギャップが目立つが、Apple のいつもの逐次改善手順に従えば時が経つにつれてそれらも次第に解消されて行くと考えるのが自然だろう。現状における最も深刻な穴は、企業が AirDrop やその他いくつかの共有オプションを制限することができないため、それを通じてデバイスからデータが流出する可能性があることだ。

Apple が提供するデバイス管理方法 -- デバイスの所有権についての上記の二つのモデルを実装するために Apple が用いている重要な機能が五つある:

Supervised Mode (監視モード) は、iOS デバイスを企業が完全にコントロールできるようにする。IT 部局がすべての設定を管理し、どのアプリをインストールして走らせることができるか、どのネットワークにアクセスできるか、さらには新規のデバイスをセットアップする際にどのスクリーンが出るようにするかまで管理できる。これは企業が所有するデバイスのためのオプションであって、従業員に配布される iPhone から、教室や小売店の店頭展示で使われる iPad まで、いたる所で使われている。監視モードを開始するには、そのデバイスを Mac に接続して Apple Configurator ユーティリティを使うか、またはデバイスを特別の Apple プログラムを通じて購入するかすればよい。いったん監視モードが有効になれば、それと同じ Mac に再接続して Apple Configurator で無効に切り替える以外に無効にする方法はない。

Configuration Profile (構成プロファイル) は、iOS デバイス上に置かれる小さなファイルで、特定の設定項目を管理するためのものだ。企業はこれをフックとして使い、そのデバイスを自社の Mobile Device Management (MDM、携帯端末管理) システムに結び付ける。その際利用されるのは Apple が提供する標準的な接続方法 (アップデートを起こすのは push 通知、設定項目の管理は Mobile Device Management API) だ。この構成プロファイルにより従業員の所有するデバイスが会社の電子メールやその他のリソースにアクセスできるようになり、それと引き換えに構成プロファイルが特定の設定項目(例えばさきほど述べたパスコード要件など)を強制できる。けれども Apple は決してユーザーの個人情報やアプリ、アカウントなどをこのチャンネルから企業に明かすことはせず、ユーザーはいつでも好きな時にこのプロファイルを削除する(つまり会社のリソースへのアクセスを喪失する)ことができる。

これらすべては、次のように組み合わされる。まず、企業が所有するデバイスは、フルに管理されフルに制限されている。多くの種類の企業で、これは完全に適切な方法となる。

けれどもそうでない場合、つまり BYOD が実施されている企業では、従業員が構成プロファイルを受け入れ、その構成プロファイルが特定のデバイス設定を確立する。例えば、仕事用のメールサーバにアクセスできたり、企業がライセンスするアプリにアクセスできたりするようになる。すると企業はすべての仕事関係の資料を一種のサンドボックスの中に置き、そこへのアクセスは管理付きアカウントや管理付きアプリからのもののみに制限する。デバイスの持ち主は自ら選んでこれに参加することもでき、自ら選んでいつでも好きな時に抜けることもできる。それをしたとしても、自分の個人用アカウントや個人データを IT 部局に盗み見られる心配はない。

こういった状況は当たり前のように聞こえるかもしれないし、分別あるもののように聞こえるかもしれないが、忘れてならないのはこれが iOS 7 によって新たに生まれたものだということだ。それ以前には、状況は大きく違っていた。企業はいつもデバイスをフルに管理することはできたし、一部の企業は従業員たちの個人のデバイスでコントロールの権利を明け渡すことさえ強制しようと試みた。管理の手段として、他に適切な選択肢がなかったからだ。一つの代替手段として、企業用の設定を実装した構成プロファイルを従業員がインストールすることはできたが、企業のデータにどのアプリがアクセスできるかを企業側が制限する方法はなく、しかもその種の設定の多くが iOS のユーザー体験の質を大きく低下させてしまった。企業によっては、Mail に代わってカスタマイズしたアプリをインストールして企業データに鍵をかけようとするところもあったが、そのやり方はネイティブなアプリを好むユーザーたちの多くを苛立たせた。

iOS 7 になって BYOD が実現し、Apple は違いをはっきりと分離させた。企業は自らの資産を保護することができ、従業員たちは自らのデバイスを使うことができ、誰もが何の妥協もなく iOS をフルに使いこなすことができる。これこそ、BYOD を考察すべき新しいやり方であり、今後ユーザーたちの側からも企業の IT 部局の側からも人気を得て行くだろうと私は思う。

これらのことの実際の動作方法についてもっと技術的な詳細を知りたい方は、私が最近発表したホワイトペーパー Defending Data on iOS 7 をお読み頂きたい。

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FunBITS:Silver Screen でビデオを Apple TV へ

  文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

TidBITS では、新しいスポンサーから声がかかった場合は何時でも、その製品を試してみることにしている。何故ならば、我々が自分では使いそうもないものを推薦するという事態は避けたいからである。私はまた、最近リリースされたばかりの本 "Take Control of Apple TV" を書いたのだが、これは Apple のホッケーパックの様な家庭娯楽ハブに対する究極のガイドを意図していた。だから Page Zero Software が TidBITS のスポンサーになることについて問い合わせしてきた時、私は彼らの $19 の Silver Screen アプリを試してみたくなった。このアプリはビデオを Mac から Apple TV 上に簡単に映させてくれる。

一方では、これは AirPlay Mirroring のお陰で、ビデオを再生できるアプリならどんなものでもやれる。他方では、全画面のビデオを単純に AirPlay Mirroring するアプリは往々にしてつっかえたり、或いは他の性能問題に悩まされる事があり、そして Mac からビデオを制御するのは、時として Mac は他の部屋にあったりして、ユーザー経験としては良くない。これが "Take Control of Apple TV" で私が最初に Plexとその PlexConnect ハックを使ってビデオを Apple TV の Trailers アプリ経由で送る事に焦点を当てた理由でもある。加えて、Plex は強力で、柔軟性があり、無料で、そして多くのコミュニティとサードパーティ支援がある。しかし、偉大な力には相応の複雑性が伴い、時にはコマンドラインを使って守護神を呼び出さねばならないことすらある。

私はこれまで Silver Screen に出会ったことがなかったが、これはビデオを Apple TV に送る事に焦点を当てることでビデオアプリの混雑からの差別化を図っている。Silver Screen で私が一番感心したのはその単純さである。それをインストール、そして起動してやれば、静かにあなたのメニューバーに座し、ビデオを Apple TV に送り出す。

デフォルトでは、Silver Screen はあなたのホームディレクトリの中の Movies フォルダにあるビデオを探すので、自分のビデオをそこに置いてあるのであれば、その他に設定する事は何もない。もし保存する場所が違うのであれば、メニューバーにあるこのアプリのアイコンをクリック、Preferences を選択、そして Media Directory ドロップダウンメニューの中で好みのディレクトリを選択する。もし全てのものを一カ所に纏めておきたくないと言うのであれば、自分のメディアディレクトリにフォルダアリエスを追加することも出来る。

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Silver Screen のフロントエンドは単純な Web インターフェースで、これには Mac, iPhone, iPad, 或いは近代の Web ブラウザを持つものならどんな機器からでもアクセス出来る。これを最初に読み込むには、メニューバーアイコンをクリックして Open Media Browser を選択すると、あなたのデフォルトの Web ブラウザで Silver Screen を開き、あなたのビデオファイル全てのリストを表示する。次回からのためにこの URL をブックマークするのを忘れないように - iPhone や iPad 上でこれを Home 画面アイコンとすることも出来る。

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ビデオファイルをクリック又はタップすれば、Silver Screen はそれを AirPlay 経由で Apple TV に送る。それだけである、他の操作はない - 映画の操作には、ネイティブの Apple TV コンテンツの様に、自分の Apple Remote (或いは iOS Remote アプリ又は Bluetooth キーボード) を使う。まだ見終えていない映画を取り込むと、Silver Screen は前に終了したところから始めるオプションを提供する。

もし複数の Apple TV を持っている場合はどうするか? Web インターフェースの右上隅の歯車アイコンをクリックし、好みの Apple TV を選択する。

Silver Screen の秀でている点は、それがあなたの Mac から直接 AirPlay することであり、制御するのに iPhone を使っていたとしても、それには左右されない。iPhone 画面をロックしても、他のビデオを再生しても、或いはアプリを切り替えても、あなたのやることで観ている映画は影響されない。この観点からすると、Silver Screen はちょっと Google の Chromecast を思い起こさせる。こちらはもっぱらあなたのモバイル機器をリモコンとして使う。Silver Screen はまた Mac が自動的にスリープしてしまわない様にするので、常に自分のコンテンツにアクセス出来る。(勿論、スリープを設定する事は可能だし、Silver Screen が走っている間に手動で有効にすることも出来る。)

では Silver Screen で再生出来るものは何か? あなたが思い起こせるビデオ形式なら殆ど何でもサポートする。以下のアルファベットの形をしたパスタスープに入っているものなら何でも:AVI, MKV, MOV, MP4, M4V, WMV, FLV, VOB, M2V, DivX, F4V, MK3D, MPG, MPEG, M2P, PS, TS, M2TS, MTS, Ogg, そして WebM である。Silver Screen はまた 5.1 サラウンドサウンド、複数言語音声、そして字幕もサポートする - 埋め込み形式のものも、SRT 字幕形式のものも。

Silver Screen は約束したことを完璧にこなすが、Plex の様に Web チャネルを加えてくれる嬉しい。そうすれば、私は Apple TV を使って TWiT, South Park Studios, Amazon Instant Video, Comedy Central, 等々のコンテンツを見る事が出来る。私にとっては、これが Plex の魅力であり、もし Silver Screen でこれが出来れば、何も PlexConnect をいじり回したいとは思わないであろう。

$19 で Silver Screen はあなたのビデオ全てを Apple TV 上に映す簡単な手段を提供する。これはフォーマットによらないし、iTunes が扱えるものに対しても iTunes をいじり回す必要もなくなる。TidBITS へのサポート、そして Silver Screen を "Take Control of Apple TV" の最終リリースに間に合うよう私に紹介してくれたことに対して Page Zero Software に謝意を表する!

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2014 年 2 月 17 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

DEVONagent Lite、Express および Pro 3.7 -- DEVONtechnologies が、同社の調査研究用ソフトウェア DEVONagent の三つの版すべて (Lite, Express および Pro) をバージョン 3.7 にアップデートした。DEVONagent Pro にはスキャナプラグインが新たに装備され、Twitter を検索するのみならずそこから Twitter ID を含むリンク先ページもスキャンして報告する。さらに Pro 版ではリストの中で選択された項目をハイライト表示する方法を改善し、URL の処理の際に OS X 10.9 Mavericks に関係したマイナーな問題があったのを修正し、さまざまの Automator アクションでチルダ (~) で始まるファイル名の処理を修正している。三つの版のいずれも Tube スキャナを更新(YouTube との互換性が復活)し、検索セット ("Marketing"、"Macintosh News (Latest)"、"Macintosh News (More)" など) を更新し、プラグイン (JSTOR および SEC 文献参照と、Technorati ブログ) を更新し、またフランス語ローカライズ版に改善を加えている。(いずれもアップデートは無料。DEVONagent Lite は無料、 リリースノート。DEVONagent Express は新規購入 $4.95、リリースノート。DEVONagent Pro は新規購入 $49.95、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、リリースノート)

DEVONagent Lite、Express および Pro 3.7 へのコメントリンク:

GraphicConverter 9.1 -- Lemkesoft が GraphicConverter 9.1 をリリースし、多くの新機能や機能更新を加えた。この古参のグラフィック変換および編集用ユーティリティに、新設のメニュー項目で画像を電子メールに添付する機能が付き、ペンツールのアンチエイリアス機能、PDF から画像を抽出する機能、グレイスケール画像の曲線対応、ペンツールの圧力対応が加わった。ユーザーインターフェイスにも数多くの変更が加えられ、ブラウザにはカラーラベルの拡大表示と画像のカラーモードを表示する機能が付き、Browse Copy および Browse Google Drive メニュー項目が新設され、ツールボックスには Save、Undo、Redo の各アイコンが追加された。今回のアップデートではまた、アニメーション GIF 対応を改善し (読み込み・書き出しの際の透明性が一貫性を増し)、拡張子の改名オプションを改良し、選択とコア画像フィルタに関するバグを修正している。(Lemkesoft ウェブサイトからも Mac App Store からも新規購入 $39.95、222 MB、リリースノート).

GraphicConverter 9.1 へのコメントリンク:

ReadKit 2.4 -- Webin が ReadKit 2.4 をリリースした。この RSS クライアントおよび「あとで読む」アプリへのメジャーなアップデートで、キーボードによるナビゲーションを改善するとともに新しい共有サービスを登場させた。バージョン 2.4 では、環境設定の Shortcuts 枠を使ってほどんどのキーボードショートカットがカスタマイズできるようになった。(Webin のブログ記事に新しいショートカットの説明がある。)また ReadKit が Buffer 共有サービスに対応し、これを使ってリンクをあなたのソーシャルメディアへ即座に共有させたり、日ごとまたは週ごとのスケジュールに従って出すようにしたりできる。今回のアップデートではまたコードブロックをハイライト表示する機能を追加し、アカウントごとに以前より細かな設定ができるようになり、カスタマイズ可能な共有ツールバーを装備し、内蔵の RSS エンジンの同期速度が向上し、OS X 10.9 Mavericks との互換性が増している。残念なことに ReadKit 2.4 から 10.7 Lion に対応しなくなった。(Mac App Store から新規購入 $6.99、無料アップデート、4.0 MB)

ReadKit 2.4 へのコメントリンク:

CrashPlan 3.6.3 -- Code42 Software が CrashPlan 3.6.3 をリリースし、Java Runtime Environment (バージョン 1.7.0_45) を内蔵したお陰で新規ユーザーが Mac OS X 10.7.3 Lion またはそれ以降にインストールする際のインストール手順が単純化された。従来は別途 Java をインストールするようにというプロンプトが出ていたが、今は Apple がデフォルトで Java を含めていないためこのようになった。今回のアップデートではまた Java のヒープ量割り当てを 1024 MB まで増やしてパフォーマンスを改善し、ネットワークインターフェイスの除外項目とワイヤレスネットワークの除外項目が正しく適用されるようにし、CrashPlan の無制限版の保持により多くの制御ができるようにし、448-bit 暗号化 + パスワードのセキュリティ戦略を使っている人が難問とその解答を設定できるようにし、翻訳語版を更新している。まだ更新されていなくてもいずれ数日以内にアプリが自動的にアップグレードするはずなので、手動で CrashPlan 3.6.3 をダウンロードする必要はない。現在のバージョン番号は、アプリの Settings > Account 画面にはっきりと表示される。(30 日間の CrashPlan オンラインバックアップサービス付きで無料、50 MB、リリースノート)

CrashPlan 3.6.3 へのコメントリンク:

Marked 2.2 (Build 823) -- Brett Terpstra が Marked 2.2 (Build 822) をリリースし、この Markdown プレビューツールに二つの新機能を追加した。ブログ記事によれば、この最新のビルドにおいて Marked が外部ファイルを開こうとして認識できない場合の処理を改善し (単にエラーメッセージを出すのでなくデフォルトのアプリで開くよう助言するようになり)、リンクを開く際に現在のウィンドウに開くか新規ウィンドウに開くかを尋ねるようになり、また YAML (かの「すべてのプログラミング言語のための人にやさしいデータ直列化標準」) の処理を改善している。Marked はまた MathJax の設定を更新し、シンタックスハイライト表示を改善し、MultiMarkdown メタデータで "Base Header Level" と "Quotes Language" が認識されていなかったのを修正している。その後マイナーなバグを一つ修正した Build 823 にアップデートされた。(新規購入 $11.99、無料アップデート、16.3 MB、 リリースノート)

Marked 2.2 (Build 823) へのコメントリンク:

PDFpen と PDFpen Pro 6.1.4 -- Smile が多目的 PDF 編集アプリ PDFpen および PDFpenPro のバージョン 6.1.4 をリリースし、双方とも印刷の際に CGPDF をクラッシュさせていた「捕えにくい」メモリ関係の問題点に修正を施した。いずれのアプリも描画更新の頻度を減らしてタブレット上の描画の反応性を良くし、Editing Bar のカラーセレクタの更新を妨げていたバグを修正し、HTML から PDF を作成する際の最大ページ数を 999 に増やし、ページを回転した際のハイライト表示の問題点を解消している。(新規購入 $59.95/$99.95、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、52.5/53.3 MB、 リリースノート)

PDFpen と PDFpen Pro 6.1.4 へのコメントリンク:

Boot Camp 5.1 -- Apple が同社の仮想化ソフトウェア Boot Camp に二種類のバージョン 5.1 アップデートをリリースし、双方とも Windows 7、Windows 8、および Windows 8.1 の 64-bit バージョンへの対応を加えた。Boot Camp 5.1.5640 の方は mid 2013 または late 2013 にリリースされた MacBook Pro、MacBook Air、Mac mini、および iMac 各モデルのためのもので、Boot Camp 5.1.5621 の方はすべての Mac Pro モデル、early 2013 (またはそれ以前) にリリースされた Retina ディスプレイモデルの MacBook Pro、および 2013 年より前にリリースされた他のすべての MacBook Pro、MacBook Air、Mac mini、および iMac 各モデルが対象となる。(無料、883 MB)

Boot Camp 5.1 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2014 年 2 月 17 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の ExtraBITS では、TUAW が流出 Apple 製品の写真を撮る「ヒント」を提供し、Macworld の Dan Moren が MacBook Air の SSD を交換する方法を示し、有名な四人組が Apple TV に到来し、Horace Dediu が Apple のダウンロードビジネスを分析する。

流出した Apple 製品の写真を撮るヒント -- もしもあなたが Apple 製品のプロトタイプの情報が流出したものに偶然出会ったなら、例えば iPhone 6、iPad Pro、あるいは Apple TV スマートウォッチなどを目にしたなら、そしてそのことをインターネットに披露してみたいと思ったなら、どうするべきなのか? 強烈な皮肉を込めつつ、Mike Wehner が TUAW の記事として、その種の禁制品の写真を最も見栄え良く見せるためのお助けヒントを提供する。決してその製品全体の写真は撮らないこと、デバイスのできるだけ多くの部分にぼかしをかけること、カメラをわざとぶれさせて素敵な飾りを入れること、などを彼は勧める。

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MacBook Air の SSD を交換する方法 -- 彼の MacBook Air の内蔵 SSD が壊れたとき、Macworld の Dan Moren は自分で交換しようと思い立った。(驚くなかれ、Apple Genius がそれを提案してくれたのだった。)その手順は思っていたほど難しくなく、たった 20 分ほどで済んだ。彼は、自分が何をしたかを説明するとともに、SuperDuper を使ってデータをリストアした手順も詳しく紹介する。Mac OS X の Recovery パーティションをリストアするための便利なユーティリティの紹介もある。

コメントリンク: 14509

The Beatles がやって来る、今... Apple TV に -- 期間限定で、Apple は Apple TV に The Beatles チャンネルを追加した。The Ed Sullivan Show に初めてこのバンドが出演してから 50 年になるのを記念したものだ。このチャンネルには、その初めての演奏のビデオもあり、Beatles アルバムを購入するためのリンクもある。

コメントリンク: 14507

Apple のダウンロード帝国で数字を数える -- アナリストの Horace Dediu が Apple のソフトウェアとサービスのビジネスを分析して、もしもその部門だけが独立の会社だったなら Fortune 500 の 130 位にランクされる(巨大製薬会社 Eli Lilly のすぐ上に来る)という結論を出した。Dediu の試算によれば Apple は前四半期に Mavericks と iWork を無料でリリースしたことにより 3 億 5 千万ドルの収益を放棄したという。それにもかかわらず Apple は iTunes と App Store からさらに膨大な収益を得ており、四半期あたりの粗利益は 70 億ドル近くとなった。

コメントリンク: 14506


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