Thanksgiving (感謝祭) の休暇明けの私たちから、TidBITS 有料会員になって頂きたいというお願いがある。何百ドル相当にもなる Mac ソフトウェアの値引きを含むさまざまの会員特典があるのに加えて、皆さんがサポートして下さるからこそ私たちは今後も良い記事を書き続けることができるからだ。さて今週の記事では、Adam Engst が Yosemite の Messages アプリでフォントを変更する隠し技を明かし、Josh Centers は iOS の次期バージョンの Twitter アプリがあなたのアプリをスパイするのを阻止する方法を示す。また Michael Cohen は PDFpen 2 とそれが iOS 上で有料アップグレードを可能にした革新的な方法について語り、Jeff Carlson が iPhone ビデオからスローモーション効果を削除する方法を説明し、Julio Ojeda-Zapata が Ergotron の節約志向のスタンディングデスク (立ち机) をレビューする。BeLight Software の Printworks が当たる DealBITS 抽選もある。最後にもう一つ、Apple コミュニティーに行き交う Yosemite への苦情に私たちは注意を向けてきたが、すべての問題を解決することはできないとしても、よくある苛立ちの元のうち五つについてその解決法をまとめてみた。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Firefox 34.0、Boom 2.0、Airfoil 4.8.11、Downcast 1.1.5、Lightroom 5.7、Carbon Copy Cloner 4.0.3、それに PopChar X 7.0 だ。
記事:
----------------- 本号の TidBITS のスポンサーは: ------------------
---- 皆さんのスポンサーへのサポートが TidBITS への力となります ----
文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst 訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
印刷版の Macworld と、トレードショウ Macworld Expo が両方とも終了すると聞いた当初のショックと悲しみが過ぎて、私たちの気持ちはむしろ内省に向かった。Apple コミュニティーのこれほど屈強な者たちでさえ消え去るのだとしたら、TidBITS の長期的な可能性はどうなのだろうか、と。巨万の富を持つ大企業の後援を受けたりしていない私たちは、どうすればよいのだろうか?
もしもスポンサーと広告による収入のみに依存して続けていたならば、きっと私たちも彼らと同じ運命を辿っていたことだろう。でも、幸いにも、2011 年に開始した TidBITS 会員プログラムが、ここ何年かにわたって私たちの仕事の基盤となれるだけの確固とした財政的基盤を与えてくれた。会員名簿は最初の年に比べて 20 パーセント近くも分厚いものとなり、現在の支援者数は合わせて 2,700 名を超えている。
TidBITS 会員の皆さんからの惜しみない寄金のおかげで、私たちは 2014 年に 900 近くの記事を出版することができ、外部のライターたちにも 64 の寄稿記事を委託して、私たちの手だけでは作ることのできなかった魅力的なコンテンツをお届けすることができた。
けれども事は長期間にわたる。2015 年 4 月には TidBITS の 25 周年がやって来る! だから、皆さんからの継続的な支援がとても大切だ。2011 年の発足時に TidBITS 会員プログラムに参加して下さった初期支援者の方々も含め、会員の皆さんには更新をお願いする私からの電子メールと、eSellerate からのフォローアップメッセージをお送りしている。メッセージにはリマインダーに加えて、手動更新を選んだ方にはそのためのリンク、自動更新を選んだ方にはその確認が載っている。引き続き私たちの仕事を支えて下さることを感謝するとともに、あなたの Member Benefits ページも忘れずに訪れて下さることをお願いしたい!
まだ TidBITS 会員プログラムに参加したことがないという方も、今年はどうか参加を考慮して頂けないだろうか? 私たちは実際的でタイムリーなコンテンツに集中して取り組んでいて、あまりにも多くの他のサイトが大々的に騒ぐ類いの作られたドラマや対立などは扱わない。私たちは皆さんがテクノロジーを最大限に活用できるお手伝いをするためにここにいる。
すべての TidBITS 会員の皆さんへの感謝の印として、たくさんの特典をご用意している。例えば:
TidBITS ウェブサイトからグラフィカルなバナー広告がなくなる。
フルテキストの RSS フィード。(非会員には要約のみの RSS フィード)
個別の記事がポストされるとすぐに電子メールで受け取れるオプション。
記事へのコメントを、より長い文章で、ライブの URL も付けて書き込める。
コメントを書き込んだ際にあなたが会員であることが(カラフルな林檎アイコン付きで)表示される。
すべての Take Control 電子ブックが 30 パーセント割引。この割引で、Take Control ブックを TidBITS 会員は $6,700 以上安く買ったことになる。
リリース前のストリーミング本。これまでに Charles Edge の "Take Control of OS X Server"、Josh Centers の "Take Control of Apple TV"、Jeff Carlson の "Take Control of Your Digital Photos on a Mac" の 3 冊をストリーミングした。
ますます増え続ける数多くの Mac 関係製品の(合計 $500 近くお得になる)値引。1Password、LaunchBar、DEVONthink Pro、ChronoSync、TextExpander、Airfoil、PDFpen、SpamSieve、Keyboard Maestro、Audio Hijack Pro、PopChar、CloudPull、Default Folder X、MarsEdit、Voila、Dejal Simon、Password Wallet、Fetch、iThoughtsX、さらには素晴らしい高精細写真印刷の SizzlPix もある。(もしも何か特定のアプリの割引を検討して欲しいと思われるなら、あるいはあなたの会社の製品をここに含めたいと思って下さるなら、どうぞ私にご連絡を。)
年に一度のサポートのレベルは五つの異なったものから選べる: $20、$50、$100、$250、そして $1000 だ。いずれのレベルもデフォルトは手動更新だが、毎年カートを使うのが面倒だと思われる方のために自動更新のオプションも用意してある。会員特典はどのレベルでも同じだが、ただし一つだけ例外がある。$1000 のレベルは終身会員資格であって、ここ Ithaca でならばいついかなる時でも、または私たちがあなたの住む町を訪れた際に、私と Tonya と一緒の素敵なディナーが一回付いてくる。本当の話だ。
あなたががそう望んだ場合、あなたが会員であることを私たちのサイトの TidBITS Members リストに載せ、あなたのコメントの横に林檎アイコンを付けることができる。あなたの Account Info ページで、リストに載せるかどうか、あなたの名前、あなたの URL、を指定できる。このページにはまた、あなたの会員資格状況と有効期限が示されており、もしもバウンス数が上限を超えてシステムが電子メールの発送を止めた場合には、このページからクリック一つで発送を再開することもできる。
そういうわけで、もう一度お願いを述べさせて頂くと、もしもあなたにとって TidBITS が価値あるものならば、あるいはもしもあなたが私たちのスタッフメンバーの誰かに尋ねて個人的に助けを得たことがあるならば、どうかあなたも TidBITS 会員になって、私たちが今後も出版を続け、あなたが毎週読むのに慣れ親しんだ種類の記事をお届けできるための援助をして下さるようにお願いしたい。あなたには不滅の感謝の念をお送りしたいし、それよりもっと大切なこととして、あなたが読んだ記事のすべてが、その一部をあなた自身の寛大さによって支えられている、という実感を持って頂けるようになるだろう。どうかよろしくお願いします!
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文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
これもまた自分が年をとってきた(そしてまた子供を持った!)しるしなのかもしれないが、生まれて初めて、妻と私はクリスマスカードを送ることにした。このホリデーの伝統にこれまで一度も参加したことがなかったので、こんなにもお金がかかるものだと知って私は驚いた。その上、誰か他の人がデザインしたものを使うとなれば、個人的なタッチという意味が薄れてしまう。もっとも人によってはそれが良いことなのかもしれないが。
でも、私もプリントのレイアウトに経験がない訳ではない。私は長年、新聞のページやその他の出版物を Adobe InDesign でレイアウトする仕事をしてきたので、クリスマスカードなど簡単に作れるだろうと思っていた。そうは言っても、クリスマスカードを作るために InDesign を動かすというのは、まるで蚤退治にショットガンを使うようなものだし、それを言うなら費用のかかる購読ベースのショットガンだ。あらゆる意味で、ホリデーカードには大げさ過ぎる。
そこで BeLight Software の人たちが、プリントデザインをする必要のある人たちは必ずしもプロフェッショナルでもなければ、Adobe Creative Cloud の購読をしたいと思っている訳でもないことに気付いてくれた。そうして彼らが生み出したのが、安価で手軽な Printworks だ。これを使って、美しいパンフレットや、チラシ、名刺、宛名ラベル、封筒、そしてお察しの通り、ホリデーカードも作れる。
だから、ここはひとつ腕試しに自分だけのホリデーカードをデザインして印刷してみようと思ったなら、5 本の Printworks のうち一つが当たることを願って、どうぞ 2014 年 12 月 14 日までに DealBITS ページで応募して頂きたい。それまで待てないという方のために、Printworks についても、BeLight がより焦点を絞って作った Labels & AddressesアプリやDisc Cover アプリについても、現在ホリデー用に割引販売セールを実施中だ。[訳者注: 応募期間は 11:59 PM PDT, 14 December 2014 まで、日本時間では 12 月 15 日(月曜日)の午後 5 時ごろまでです。]寄せられた情報はすべて TidBITS の包括的プライバシー規約の下で扱われる。
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文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>
私は、長年使った信頼に足る 2008 Mac Pro をついに 5K Retina ディスプレイ付きの新しい iMac に買い換え、OS X 10.10 Yosemite を走らせている。画面の鮮明さは驚愕ものだが、残念ながら、これ迄一対にして使っていた 27-inch Thunderbolt Display の解像度限界に対しての微妙な解消策となった (私の Mac Pro は一対の 24-inch Dell モニターを駆動していた;私は、生産性向上のため何時も二画面システムで作業をしている)。私は、主たるアプリのデフォルト位置を再考して、最も多く読んだり書いたりするアプリを iMac の Retina ディスプレイ上に置くようにしなければならなかった。
残った Thunderbolt Display の方に追いやる選択をしたアプリの一つが Messages であるが、私にはこのモニター上で見える Yosemite の細い Helvetica フォントのギザギザ感が気になった。とりわけ私の会話バブルである青の上に白の配色では気になった。またこれは Messages の 10.9 Mavericks やそれ以前での見え方とは大きく異なっている。その様子は下記のスクリーンショットでも見て貰える:上が Mavericks で、下が Yosemite である。
Yosemite の前、Apple は Messages ユーザーにその見え方に対して相応の制御を許していて、Preferences ウィンドウの Viewing ペーンで、自分と送り手の両者に対して、バブル色、フォント色、そしてフォント (大きさも含んで) を設定させてくれた。
しかし、よく見てみると、Yosemite 版の Messages からは Viewing ペーンは無くなっていて、General ペーンの単純な Text Size スライダーに置き換わっていた。どうも、Apple は、誰もが Yosemite を Retina ディプレイ上で使うべきだと考えているようだ;残念ながら、我々全員に Yosemite アップデートの一部としてその様なディスプレイを配る余裕は同社にもなかったとみえる。
少し調べてみたら、Messages の以前の設定可能の状態に戻す、しかし全部では無く一部ではあるが、やり方があることが分かった。System Preferences > Accessibility > Display で Reduce Transparency を選択し、Messages を再起動すると、Text Size スライダーはポップアップメニューに置き換わり、Default (これはシステムの Helvetica 13 だと思われる), Optima 12, Palatino 12, そして Other から選択出来るようになる。Optima 12 と Palatino 12 はホールドオーバーである;これらは Mavericks では、同等の My Font/Sender's Font ポップアップメニューでのデフォルトオプションであった。
ここでは、Other を選択する。そうすると標準の Fonts パネルが現れ、お好みのフォントファミリー、タイプフェース、そして大きさの如何なる組み合わせでも選択出来るようになる。この選択は、自分のバブルだけでなく、送り手のものにも適用される。
テキスト色は無視されるようで、会話の自分側に使われる白色を変える術はどうしても見つけられなかった。メッセージバブルの色もまた、送り手の灰色、そして自分の青は固定されているように思える。
警告が二つある。まず、もし太字と斜体のタイプフェースを選択したとすると、あなたの受け手側も Mac 上の Messages では同じスタイルであなたのメッセージを見ることになる (iOS 機器上では起こらない)。これはかなり奇妙である。幸いにして、彼らにはあなたのフォントファミリーと大きさの選択は見えない。
次に、Messages がこの設定を反映するには、Reduce Transparency はオンになったままでなければいけない。これをオフにしてしまうと、フォントの選択も Text Size ポップアップメニューも消えてしまう。こちらは私にとっては問題でない。と言うのも、スクリーンショットがくすんだものとならないよう Reduce Transparency はオンにしておかなければならないからだが、もし Yosemite の透明効果がお好きなのであれば、そちらか、或いは Messages でのカスタムフォントの間での選択をしなければならない。
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文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
Twitter が成功した一つの要因は、このサービスが初期のうちからサードパーティのクライアントをサポートしたことであった。中でも Twitter の発展に大きな影響を与えたアプリの一つが Mac 版と iPhone 版の Twitterrific だ。これは "tweet" という用語を初めて使ったクライアントであり、鳥のアイコンを初めて使ったクライアントでもあり、返信や会話に初めて対応したクライアントでもあった。Twitterrific がなかったなら、Twitter が今日のようなサービスに成長することはなかったと言う人たちもいる。
残念なことに、Mac 上での Twitterrific の未来は明るくない。iOS 版は着実に進み続けているのに、Mac 版の Twitterrific はもうかれこれ一年以上アップデートされていないし、約束されていたバージョン 5 も出されないままだ。人気ある iOS アプリの方は最先端に保たれているのに、Mac 版の方はまるで博物館の陳列品になったかのようだ。
9to5 Mac の Mike Beasley が、何が障害となっているのかを Twitterrific の開発者 The Iconfactory の Gedeon Maheux から聞き出そうとした。確かに Apple が iOS 7 のデザイン言語へ移行したことが Mac 版の書き換え計画を狂わせたのは事実だけれども、長らく遅れてしまった主たる理由は、Twitter がクライアントの開発者に対して厳しい制限を設けるようになったからだという。この制限により、Mac 版クライアントのアップデートへの投資がビジネス案としてあまりにもリスクの大きいものとなってしまった。
2012 年 8 月 16 日に発表されたバージョン 1.1 の Twitter API は、Twitter クライアントに対してユーザートークン数に厳しい制限を課した。新規のアプリについては 100,000 が上限、以前からあるアプリが 100,000 人以上のユーザーを持っている場合は現存ユーザー数の二倍のトークンが許されるというものだ。簡単に言えばユーザー一人ごとに一個のトークンが必要なので、アプリに割り当てられるトークン数を制限するのは、そのアプリを使えるユーザーの数に制限が付くということだ。特定の開発者たちにはもっと多くのトークン数を許すと Twitter は述べているが、現在のところ同社の公式クライアントと競合するアプリで追加のトークン数を認められたものはない。
とりわけ苛立たしいのは、Twitter が自社のアプリにあまり多くの注意を払っていないことだ。例えば Twitter の Mac 版公式アプリでは、リストを編集したりタイムライン上の位置を iOS 版と同期したりすることすらできない。
最初のうちは、Twitter がサードパーティの開発者たちを締め出そうとしているのは同社の広告をユーザーが確実に見るようにするためだという理論が言われていた。私にはその理論が意味を成さないように見える。なぜなら Twitter は単に開発者たちにクライアントの中に広告を含めることを義務付ければよく、わざわざユーザー数に厳しい制限を課す必要などないからだ。
けれども、最近 Twitter が App Graph を発表したのを見れば、同社がユーザー体験を支配したいと望む理由としてもう一つ別の説明が考えられる。次期バージョンの Twitter iOS アプリは、あなたのデバイスから個人的な情報を収集しようと試みるようになるのだ。この App Graph は、公式の Twitter アプリを使ってあなたの iOS 上にインストールされたアプリのリストを集め、そのリストを Twitter へ送信する。(どうやら、iOS 8 の Extensibility 機能のために開発されたアプリ間コミュニケーションの方法 x-callback-url リストをスキャンすることによってそれを実行するらしい。)
幸いにも、App Graph はアプリ自体から情報を収集することはなく、しかも、この「機能」は容易に無効に設定できるようになる。この Twitter アプリは Settings Privacy > Advertising の Limit Ad Tracking 設定を尊重し、その設定がオンになっていればアプリの情報を収集しない。
また、次期バージョンが登場すれば、Twitter アプリ自体の中で App Graph を無効にすることもできる:
もちろん、Twitter アプリをアンインストールして他の代替アプリを使うこともできるが、そのやり方がいつまで選択肢として残るのかは誰にも分からない。
Twitter が App Graph をユーザーがオプトアウトできるようにしているのは良いことだが、これはあくまでも Twitter によるデータ収集に向けた努力の始まりに過ぎないと私は思う。Twitter がこれほどに開発者たちを怒らせるようなことをしてきたのにはそれ相応の強いビジネス上の理由があるのだろうと思うし、同社が比較的礼儀正しい App Graph だけで止めるとは考えにくい。
これは、それほど驚くことでもないのかもしれない。個人情報の収集は、今やソーシャルネットワークの主力のビジネスモデルとなっているようだからだ。でも、Twitter の今回のやり方は、長期的思考に基づいたものとは見えない。サードパーティの開発者たちは絶えず Twitter のサービスを前進させてきたのであり、Twitter の魅力の一つは言ってみればアンチ Facebook 志向であった。むしろ Facebook に近い方向へと進もうとすることで、Twitter が望んでいる効果が得られるとは私にはどうしても思えない。
もちろん、Twitter としても事業を継続するために収益を挙げることが必要だ。そのことに全く異存はない。結局のところ、私もこのサービスが続いて欲しい。けれどもそれと同時に、私は自分が選んだクライアントが使えるようになって欲しいとも思う。Twitter の公式アプリは私の目にあまり良いものとも見えず、Tweetbot アプリに出会うより前の私にとって、Twitter はちんぷんかんぷんなものだった。Tweetbot アプリがなければ、私は今ほど Twitter を使っていなかっただろう。
でもよく考えてみると、私は Twitter が求めるタイプのユーザーではないのかもしれない。
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文: Michael E. Cohen: [email protected], @lymond
訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>
Smile は、新しいバージョンの PDF 編集アプリを iOS 用にリリースした - $19.99 の PDFpen 2 である - そして、新しいバージョンが一般的にする様に、これもより良い性能とより専門的な機能を提供する。更にこれ迄 App Store 経由で売られてきたアプリでは出来なかった事も実現している:有料アップグレードである。我々がこれ迄も論じてきた様に、有料アップグレードは開発者達が進行中のソフトウェア開発に資金を供給するために不可欠である。加えて、開発者がアップグレードに課金出来る場合、新しい顧客を追い求めるよりも現行の顧客のニーズに応えようとする大きな動機付けとなる。
アップグレード料金を実現するため、Smile は開発者のための新しい App Store 機能を利用した。それはソフトウェアバンドル (複数のアプリの集合体) として売る能力であるが、加えてもう一つの新しい App Store 機能であるこれらのアプリの最新版を走らせることが出来ない機器の購入者には古いバージョンを提供出来る能力、も取り入れている。
その仕組みはこうである:PDFpen 2 を iOS 8 必須とすることで、Smile は引き続き古いバージョンの PDFpen for iOS (iPhone 用に一つと、iPad 用にもう一つ存在する) を販売する事が出来る。そして、開発者は今やソフトウェアバンドルを提供出来るので、Smile は以前バージョンの PDFpen の所有者向けに二つのバンドルを用意した。一つは、$19.99 のバンドルで、 古い PDFpen for iPhone と新しい PDFpen 2 (ユニバーサルアプリで iPhone でも、iPad でも走る) の両方を含んでいる。もう一つのバンドルは、古い PDFpen for iPad の所有者向けで、古い iPad アプリと新しいユニバーサルアプリの両方を含んでいる:こちらのバンドルの値段は $21.99 である。
では、これらにはどの様にして割引きアップグレード価格が適用されるのであろうか? それは、App Store があなたのこれ迄に買ったもの全てを覚えており、既に購入しているアプリを含むバンドルを買う時はそれを考慮に入れることで、割引価格を設定する:App Store はあなたが以前買った時に払ったものをバンドルの価格から差し引く。例を挙げると、過去に PDFpen for iPhone (その値段は $4.99) を買ったことがあるとすると、PDFpen 2 Pack for iPhone には、その定価である $19.99 ではなく、差額の $15 だけを支払えばよい。もし以前に PDFpen for iPad を買ったことがあれば、PDFpen 2 Pack for iPad の値段は $21.99 ではなく $7 となるはずである、何故ならば古いバージョンの PDFpen for iPad を買った時の $14.99 が差し引かれるからである。
新しい PDFpen は、iOS の観点からすれば、新しいアプリであり、古いアプリに対するアップグレードではないので、iOS 機器にインストールする前に古いバージョンを削除する必要はない。そして、実際にもそうした方が良い、何故ならば新しいアプリを立ち上げた時、それは古いアプリが独自の書類ストレージに保存してあるファイルが何であってもそれらを新しいアプリへと移行するからである。一旦この一回だけの移行が完了したら、古いアプリを削除出来る。もし古いバージョンでの時 iCloud を使っていたならば、尚更都合がよい:PDFpen 2 は完全に iCloud とは互換性があり、これ迄使っていた iCloud Drive から書類を単純に拾い上げる。また AirDrop もサポートする。
では、$7, $15, 或いは $19.99 を払って PDFpen 2 で何を得られるのであろうか? アプリはより高速で、より滑らかで、能力も増え、そしてインターフェースも合理化されている (強化されたツールバーに注目)。古いバージョンにあった全ての機能は保持され、そして新しいものが追加されている。
例えば、Object Library は、その有用な一連の校正マークと共に保持され、そして有用なスタンプ類も追加された。暗号化や Bates 番号付け (法的書類に有用) に対する完全なサポートの様な他の改良も PDFpen 2 には追加されている。
PDF をマークアップするのにスタイラスを使いたい人のために、PDFpen 2 では、調節可能なパームレスト機能も提供している。これは画面の一部分を遮蔽し、書き込みをしている際に手を画面上に置いても機器がタッチと見做さない様にするものである。(スタイラスと言えば、PDFpen 2 は幾つかの圧力感知型モデルに対するサポートを提供している。)
PDFpen の注釈機能もまた強化されている。今やそれらをサイドバーの中で見たり、ナビゲートしたり、エクスポートの際他の PDF ビューアーとの互換性を最大化するため PDF 内に埋め込んだり、そして注釈者名を設定したり出来る。
勿論、誰もがフル機能の PDF 編集アプリを iPad や iPhone 上で必要とするわけではない。もし必要とするのが PDF を読むだけであれば、iBooks があれば十分である。しかし、外出先で PDF をマークアップする必要があるのであれば、Smile は洗練されたプロ用の PDF 編集ツールを提供しており、しかもこれは如何なる iOS 8 対応機器上でも動作する - もう古代となった iPad 2 上ですら (確かである、自分で確かめたのだから)!
これら全て、そしてアップグレードの価格付けまである! これにはスマイルが似合う。
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文: Jeff Carlson: [email protected], @jeffcarlson
訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>
iPhone 5s やそれ以降に、そして iPad Air 2 にもある Slo-Mo ビデオ撮影モードは、時間を遅らせる面白い方法である。しかしながら、一人の TidBITS 読者は、これは常に歓迎出来るものではないことに気づいた。Camera アプリにおいて、モード間で切り替える標準的な方法は、モードの名前をスワイプすることであるが、画面上の何処をスワイプしても同じ結果が得られる。これは便利ではあるが、同時にモードを間違って変換しやすいことも意味する。
Video モードで撮るつもりだったのを間違って Slo-Mo モードにしてしまったり、或いはスローモーションのビデオを実時間に変換したい場合に対しては、回避策がある。
でも、ちょっと待って。何故回避策なのか? Slo-Mo 効果を取り除く事は確か可能だよね? その通り。Photos アプリで Slo-Mo ビデオを見る時、画面をタップしフィルムストリップとプレイヘッド (ビデオ全体を "ザッとなぞる" ためにドラッグ出来る進行バー) を出す。フィルムストリップの下にあるのが Slo-Mo 制御で、その効果が始まる所と終わる所を決定する。一番左の Slo-Mo ハンドルを右端までドラッグする;ビデオを再生すれば、スローモーションは消えている。
ここで問題となるのは、そのムービーの実時間バージョンを保存出来ない事である。Photos アプリはそれを同じムービーで、単に Slo-Mo の場所が変わっただけのものと捉えてしまう。
[著者注:この記事を出したすぐ後に、我々が求めていた事をその通りやってくれる無料のアプリがあることを学んだ。Studio Neat からの Slow Fast Slow を使うことで、Slo-Mo ビデオを開き、そしてそれをそのままエクスポート出来る - デフォルトは実時間のビデオで始まる。このアプリでは、ビデオのタイムラインに沿って速度変更点を設定し、滑らかに速度を落としたり上げたりさせてくれる。この展開を踏まえ、以下の iMovie 回避策はちょっとした気分転換、或いは iMovie の高等機能の一つへの変わった紹介ととって欲しい。]
この方法では、iMovie for iOS アプリ全般の旅をする必要がある。新プロジェクトを作成、クリップをインポート、スローモーションの効果を削除、そして新しい版を保存する。この回避策はとりわけ美しくはないが、きちんと動作する - 踏まなければならないステップの数に尻込みしないで欲しい。
iMovie アプリを開き、そして + ボタンをタップ、タイプとして Movie (Trailer の方ではなく) を選択して新しいプロジェクトを作成する。
もし Simple が前面の正面に出ていなければ、それを選択し、そして Create をタップする。
Media ボタン (フィルムストリップと音符のアイコン) をタップする。
目的のクリップを探す、恐らく Recently Added か All をタップすれば良い。
クリップをタップして選択、それから下向きの矢印をタップしてプロジェクトに加える。
タイムラインにあるクリップをタップし、編集ツールを呼び出す。
Speed アイコン (左から二番目) をタップ。
右にある Reset ボタンをタップ、これでスローモーション効果が削除される。
左上の < ボタンをタップし、プロジェクトの情報画面に行く。
Share ボタン (上向き矢印があるもの) をタップ。
必要なら下にスクロールして Save Video ボタンをタップ。
これで速度効果を持たない新しいビデオクリップが自分の写真ライブラリに現れる。
コメントリンク15265 この記事について | Tweet リンク15265
文: TidBITS Staff: [email protected]
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
新バージョンの OS X が出ても次の X.Y.1 リリースが出るまではアップグレードするなというのは、よく聞くアドバイスだ。スタート直後に出現したバグを修正したアップデートを Apple が素早く出すのはよくあることだからだ。けれども、OS X 10.10.1 Yosemite が出てからもうかなり経つが、多くの人たちにとって問題なく働いている一方で、依然としてさまざまな種類の苦情もインターネットに飛び交っている。(既に修正済みの点については 2014 年 11 月 17 日の記事“Apple、OS X 10.10.1, iOS 8.1.1, そして Apple TV 7.0.2 をリリース”参照。)そこで、私たちが体験したり教えてもらったりした五つの問題点とそれぞれの解決方法(あるいは少なくとも回避方法)を、この記事でまとめてみたい。
まだ Yosemite を使い始めたばかりの人には、ぜひとも Scholle McFarland の "Yosemite: A Take Control Crash Course" をお読み頂きたい。この本には、新機能の紹介とともに、どうすれば Yosemite の新機能を活用できるかについても書いてある。思い出して頂きたいが、この本は私たちの新しい Crash Course シリーズの一冊なので、オンラインで無料で読むことができる!
1. さまざまな Wi-Fi の問題 -- Yosemite がスタートして以来、さまざまな種類の Wi-Fi 接続性の問題、例えば接続が途切れ途切れになったり、速度が遅かったり、待ち時間が長かったりといった問題への苦情が何百と聞こえてきた。私たちは自分ではそれらの問題を経験していないのでただ困惑するばかりだったが、開発者 Mario Ciabarra が、これらの問題のうち少なくともいくつかについては 説明できると言っている。
彼が発見したのは、Yosemite において、Mac は Apple Wireless Direct Link (AWDL) 上の Bonjour を用いて接続すべきデバイスを発見することで AirDrop、AirPlay、その他のサービスを使っているという事実だ。AWDL は Wi-Fi 上で働く、待ち時間の少ない、高スループットの、ピア・ツー・ピアの接続だが、独自の専用のネットワーク・インターフェイス(一般的な Wi-Fi や Ethernet に似たもの)を持っている。従来、Bonjour は標準的な Wi-Fi ネットワークまたは Bluetooth の上のみで使われていた。けれども AWDL 上で働く際には、どうやらハードウェアに負担がかかり、そのためパフォーマンスに悪影響が出るらしい。
幸いにも、AWDL を無効にするのは簡単にできる。ただしそれをすると AirDrop が無効になり、また切り替えにはコマンドラインを使う必要がある。下に示す一行をコピーして、Terminal のコマンドラインにそれをペーストし、Return を押し、パスワードを入力する。(残念ながら、このコマンドの効力は再起動すると消えるので、Mac を再起動する度にコマンドを走らせる必要がある。)
sudo ifconfig awdl0 down
もしもここで "ifconfig: interface awdl0 does not exist" というエラーメッセージが出れば、あなたの持っているハードウェアは古くて AWDL に対応していない。
AWDL と AirDrop を有効に戻すには、次の一行を Terminal に入力する。再起動は必要ない。
sudo ifconfig awdl0 up
2. 保存ダイアログがスクリーン外に広がる -- 書類を保存しようとして、ダイアログ上の Save ボタンがスクリーンの外にあって見えなかったことはないだろうか? どうやら、Yosemite のバグのせいで、開かれる度に保存ダイアログが毎回 22 ピクセルずつ高さを増すことがあるようだ。
Six Colors ブログの Jason Snell が、保存ダイアログを修正する Terminal コマンドを発見したとのことだが、彼のブログの読者の一人がもっと簡単な方法を提案した。Shift キーを押しながら、ダイアログの左または右の縁の上にポインタをかざして、カーソルが双方向矢印に変わるまで待ち、それからダイアログの内側に向けてドラッグすれば保存ダイアログが小さくなる。
3. ディスプレイを切り替えるとメニューバー項目の再描画が起こる -- 複数個のディスプレイを持つ Mac で Yosemite を使っている人は、ディスプレイを切り替える度にメニューバー項目が描画し直されるという見栄え上の嫌な誤作動を目にしているかもしれない。いずれ Apple がアップデートで修正してくれるとは思うが、どうしても我慢できない人のために、Jeff Carlson が回避策を発見した。システム環境設定の Mission Control 設定で "Displays have separate Spaces" を無効にすればよい。設定の変更が効果を発揮するにはいったんログアウトしてログインし直す必要がある。
この変更をするとたくさんの副次的影響があるので、どちらにした方が自分の好みに合うかを良く考えるべきだ。実際、"Displays have separate Spaces" をオフにすると、OS X の挙動が 10.9 Mavericks より前と似たものになる。主な違いは次のようなものだ:
個々のディスプレイ上でアクティブなアプリが独自に別途メニューバーを持つのでなく、メニューバーはメインのディスプレイ上の一つだけになる。
両方のディスプレイが合わさって一つの大きなデスクトップを作り、ウィンドウは一つのディスプレイ上のみに限られず、ディスプレイとディスプレイに跨がって開くことができる。
一つのディスプレイで Space に入ると、もう片方のディスプレイは他のアプリを示すのでなく空白の画面を示す。
これらの変更が気に入らなければ、Apple が修正してくれるまでの間、見栄え上の嫌な挙動を我慢するしかない。
4. 明る過ぎるユーザーインターフェイス -- 編集主幹 Josh Centers が Yosemite のインストール後真っ先に気になった点の一つは、インターフェイスが信じられないほど明るくなったことだ。
もちろん、Displays 環境設定(サードパーティのモニタを使っている場合はそのモニタの設定)で明度の設定を下げるだけでこの問題は簡単に解決できる。けれども、無料の f.luxアプリを使ってみるのも一つの手だ。このアプリは、明度と色調を一日を通して自動的に調整する。最近のアップデートで、f.lux は日没時に Yosemite の Dark Mode を有効にできるようになった。
この f.lux は素晴らしいアプリだが、カラーの正確さが重要な分野で仕事をする際には、グラフィックスの作業を始める前に忘れずに f.lux を無効にしておかなければならない。f.lux は色温度を変更するからだ。
Yosemite のパフォーマンス問題 -- Yosemite は 10.9 Mavericks や 10.8 Mountain Lion と同じ Mac で動作するが、その新機能のいくつかは対応範囲内の古い方の端に近い Mac ではあまりうまく動作しないかもしれない。もしも Yosemite へのアップグレード後に Mac が以前より遅くなったと思うなら、次のようなアドバイスがあるので試してみるとよい。
Yosemite の最先端の半透明効果をオフにする。システム環境設定の Accessibility > Display を開いて、Reduce Transparency チェックボックスをチェックすればよい。(Eudora を使っていた人はそうするのが義務というものだろう。"Waste CPU cycles drawing trendy 3D junk" 設定を覚えておられるだろうか?)
Yosemite では Safari がタブのオーバーフローを処理する方法が新しくなったので、いったいどれだけの数のタブが開いているかを知るのが難しいこともある。Josh は、Mac の動作が急にのろのろし始めたのを見て、忘れ去られた Safari タブが何百も開いていたのを発見する羽目になった! それらを閉じるだけで、彼の Mac のパフォーマンスは元に戻った。
新規の Finder ウィンドウを開くのに思ったより時間がかかると思うなら、それは Finder 設定で新規ウィンドウが All My Files を示して開く設定になっているのが理由かもしれない。この設定は基本的に Spotlight 検索を呼び出す(私たちの感覚ではものすごく意味を成すとは到底言えない)ので、Finder 設定ウィンドウの General 枠でホームフォルダや Documents フォルダなど特定のディレクトリを開くように設定し直すだけで新規の Finder ウィンドウが素早く開くようになるだろう。
もしも FileVault を使っていて、起動の度に進行状況バーが表示されて時間がかかるようならば、まず FileVault をオフにしてから、Disk Utility の Repair Disk 機能を走らせ、FileVault をオンに戻してみよう。 MacIssues に載った Topher Kessler の記事に、完全な手順が示されている。
Activity Monitor を見て、特定のアプリが CPU を独占してスローダウンを起こしていないか、もしそうならツールバーの X ボタンを使ってそのアプリを終了させられるかどうか見てみよう。Adam Engst の新しい 5K Retina ディスプレイモデルの iMac は、古い 2008 年型 Mac Pro に比べてパフォーマンスが素晴らしく彼は気に入っていたが、突然この新しいマシンが極端に鈍足になって彼は困惑した。Activity Monitor で調べてみたところ、cloudd
プロセスが CPU を 100% 使用していることが分かり、さらに調べた結果それが iCloud に関係していることが判明した。そこで Adam はシステム環境設定の iCloud 枠で一つ一つサービスをオフに切り替え、その度に cloudd
を強制終了して、このプロセスが勝手に再起動して CPU を独占するのを止めるかどうか調べた。どうやら問題は Reminders にあるようだったが、後でもう一度そのサービスをオンにしても cloudd
が再び異常挙動をすることはなかった。
何をやっても駄目なら、Mac をバックアップしてから、ディスクを再フォーマットし、Yosemite のクリーンインストールを実行し、それからアプリやデータをリストアするしかないのかもしれない。これは簡単な作業ではなく、時間もかかるので、最後の手段と考えるべきだし、安全のために Time Machine バックアップ以外にブート可能な複製も必ず作っておくべきだ。完全な手順説明としては、Joe Kissell の "Take Control of Upgrading to Yosemite" に載っている Plan B をお薦めしたい。
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文: Julio Ojeda-Zapata: [email protected]
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
スタンディングデスク (立ち机) が大流行だ。私の本業の職場 St. Paul Pioneer Press でまわりを見渡しても、立ったままで PC に記事を打ち込んでいる同僚たちがますます増えつつある。
一日の仕事時間のほとんどを立ったままでいる(または全く座らない)のは、健康のためにとても良いことだと言われている。私の同僚たちの大多数はそのためにスタンディングデスクを使っている。これは、クランクで上げ下げすることによって、椅子に座っていようと立っていようと好みの高さに手軽に調節できる作業ステーションだ。
でも、スタンディングデスクには一つ大きな問題がある。価格だ。高い買い物になりがちで、価格が $1,000 を超えることもよくあり、場合によってはその二倍にも三倍にもなるかもしれない。とりわけ、電動で調節できたり、その他普通でない機能の付いている高級モデルではそういうものが見られる。
もちろん、ほとんど(または全く)お金をかけずにスタンディングデスクを作ることも可能だ。Lifehacker にはその種のプロジェクトが多数載っている。けれどもここに、フルのスタンディングデスクより安価でありながらプロフェッショナル向けの代替製品と言える、デスクやテーブルの端に調節可能な作業台を固定してスタンディングデスクの代わりにするタイプのものたちがある。
Ergotron は、私の住むミネソタ地方の会社だが、さまざまの固定式作業台を売り出している。Ergotron は最近、Macintosh ユーザー向けに販売している "WorkFit" シリーズの製品で私の注意を引いた。現代的 Mac の見栄えにマッチした、陽極酸化処理(アルマイト)を施したアルミニウムで作られている。この会社は Mac 使いの人たちの気を引くため Apple メインのページさえ作ったが、そこに載っている製品は他のコンピュータのユーザーでも使える。オンライン Apple Store も、Ergotron 製品を扱っている。
Ergotron の Apple 風味の製品の一つ WorkFit-A は、iMac を乗せる一方で、キーボードとマウスを使うための面も提供し、さらにそれと別に紙や iPhone、iPad その他を置く台もあるという精巧な仕掛けだ。まるで James Cameron の映画 ("Terminator") に出てきたかのように見える連接型のアームが、それらすべてを支える。
Ergotron の Apple 風味シリーズのもう一つの製品 WorkFit-P はもっとシンプルだ。"Terminator" 風のアームを小さくして一枚のラップトップ用トレイを空中に支えるだけのものだ。
私は一目見ただけでこれらの製品に懐疑的な印象を持った。同僚たちが使っているような、がっしりしてびくとも動かないスタンディングデスクとは安定性が比較にならない気がしたからだ。案の定、Ergotron が双方の試用サンプルを送ってくれたが、どちらのスタンドも揺れたりぐらついたりするのが問題だと私はすぐに気付いた。予想通りだ。WorkFit-A の方が問題が大きかった。
ユーザーによっては、そのことが決定的だと思う人もいるだろう。けれども Ergotron 社内の私の情報源によれば、多くのユーザーは揺れにすぐに慣れ、それに順応するようになったという。しばらくの調整期間を経て私もこの作業環境でかなり生産的に仕事をすることができるようになったけれども、やはり私としてはしっかり支えられた面の上でタイビングする方が好きだ。
WorkFit-A -- こいつはまるで獣のようだ。組み立てもまた、ちょっとした大仕事だ。なので、私は Ergotron のスタッフに来て手伝ってもらった。(ありがとう、Steve!)私たちは、WorkFit-A を私の仕事部屋のコンピュータ用デスクの後側の縁に取り付けた。
$579 のこのテスト用ステーションで、私は Apple の新しい Retina 5K ディスプレイモデル iMac を使った。この 27 インチモデルは形もサイズも旧型の 27 インチ iMac と同一だ。WorkFit-A には 21 インチ iMac を乗せることもできる。組み立て作業の一環としてこの iMac は作業ステーションの最上面にしっかりと固定されるので落ちたりするおそれはほとんどない。当初私はそのことが心配で、とりわけ地震の多い国で使う人には不安材料ではないかと感じていたのだが。
紙や iPhone などを乗せる台は iMac の下にある。そのさらに下に、金属製の拡張部分で支えられたキーボードとマウス用のトレイがある。
こうして出来た作りものスタンドで仕事を始めてみて、私はすぐにいくつかの潜在的問題点に気付いた。
頑丈な調節可能アームは設定した場所にきちんと止まっているけれども、左右にも上下にも少々揺れるのが気になって、まるでコンピュータが私に向かっていたずらっぽくうなずいているかのようだ。これは、Ergotron の問題というよりも、かなりの程度 Mac の問題と考えるべきだろう。iMac のスクリーンとスタンドが接する部分の摩擦が、動きを止められるほどには大きくないのだ。
Ergotron は、iMac があまり動かないようにするためのアクセサリを作っている。同社はこれを宣伝していないが、リクエストすれば無料で送ってくれる。Ergotron に連絡して、部品番号 97-834-085 を注文すればよい。
WorkFit の製品マネージャー Neil Lien によればこのアクセサリは「iMac のモニタの傾きに摩擦を強める」働きをするという。残念ながら、私は Retina iMac でこれをうまく使うことができなかった。どうやら、Mac のデザインが微妙に変わったため、Ergotron はこのプラスチック部品の形状を更新しなければならないようだ。
位置決めも、もう一つの潜在的問題点だ。この作業ステーションの前で座ったり立ったりしてみて、私は iMac が顔に近過ぎてあまり快適ではないと思った。ただ、人によってはそう思わないかもしれない。実際、仕事中にスクリーンはちょうど腕を伸ばしたあたりにあり、それが適正距離だと勧める人たちもいる。ただ、私は個人的に iMac の巨大で明るい画面がこの位置ではあまりにも突出し過ぎて不快だ。ここで言いたいのは、好みに合わせて位置決めの調節ができないという事実こそが問題だということだ。
立って仕事をしている場合は、スクリーンが近過ぎても我慢できる。けれども作業ステーションを低くして座って仕事をしようとすると、iMac の位置が高過ぎる。この点もまた、調節はできない。ディスプレイの高さとキーボードの高さを独立に変えることができないのだ。片方を変えればもう片方も変わってしまう。この作業ステーションのすべてのパーツが一体となって上昇・下降するからだ。
それから、キーボード用トレイにも問題がある。まず、幅はマイナーな問題だ。Apple Wireless Keyboard とマウスを使うのなら何の問題もないが、数字キーパッドを持つもっと幅広のキーボードでは窮屈な感じになるだろう。
一方、奥行きの問題は深刻だ。マウスを扱うのに十分な余地がなく、トレイの奥の端の持ち上がった縁の部分に何度もネズミ君をぶち当てる羽目になった。
このキーボードトレイはまた、表面に傷の加工が施してあって見た目には大したことがないように見えるけれど、使っているとスムーズさが損なわれ、その部分でマウスを使う度にストレスを感じてしまう。まあ、これは「エンドウ豆の上に寝たお姫さま」の話だと考えてもらってよい。
Apple の Magic Trackpad を使うようにすればトレイの問題はすべて解消するが、この入力デバイスは私の好みではない。
極めて頑丈なデスクまたはテーブルを持っているのでない人は、WorkFit-A に投資しようなどと考えてはならない。私は当初小さなタイピングスタンドに取り付けてみたが、ちゃちなスタンドでは全く用をなさなかった。ゆらゆら揺れてしまって、仕事にならない。
プラスの面を言えば、この Terminator 風のアームも、コンピュータとキーボードの台も、全部を左右に回転させることができるので、スクリーン上にあるものを同僚たちに見せたり、あるいは単に作業ステーションを一時的に横にどけたりが簡単にできる。
この WorkFit-A は、まさしく会話のきっかけとなる。これを目にした人は、まず間違いなくそんなものを一度も見たことがないだろうから、あなたはたちまち人気者になるに違いない。少なくともしばらくの間は。
でも、ここに書いてきたような潜在的問題点はあるのだから、WorkFit-A のデザインがあなたの使用目的に合うのかどうか、注意深く検討すべきだ。やはり、人によっては iMac に最適だと思う人もいるかもしれないが、私の場合は自分に向いたものではないと判断した。
WorkFit-P -- 私はシンプルな WorkFit-P の方に乗り気になった。理由は、まさにシンプルだからだ。これは、立ったままでラップトップ機で仕事がしたい人たちのための必要最低限の装置だが、完璧ではないとしても、その目的のために見事にデザインされている。$299 という価格は、得られるものを考えればお買い得だ。
WorkFit-A と同様に WorkFit-P も仕事机の後側の縁に取り付けておき、机の面より高いところにトレイを支えて、その上にノートブックコンピュータを置いて仕事をする。Apple 製ラップトップ機のために作られているが、もちろん Chromebook や Surface Pro 3 を MacBook Air の代わりに使うこともできる。
組み立ては WorkFit-P の方が簡単だ。私は昔から工具を使うのが苦手だが、そんな私でも自分一人でやってのけることができた。
いったんデスクに固定されれば、WorkFit-P は仕事に十分な程度に安定した台を提供してくれる。もちろん岩のように頑丈なスタンディングデスクとは違うが、また多少の揺れは経験したが、それほど悪いものではなかった。サッと立ち上がって、トレイの上にラップトップ機を置き、高さをちょっと調節するだけですぐに仕事が始められる便利さを考えれば、少々の不安定さは十分我慢できる。しばらく経つと、ほとんど揺れを感じなくなった。
この WorkFit-P は、私の場合、座って使う仕事台としてはうまく行かなかった。低くすると、デスクの上であまりにも奥の方にあるので手を届かせるのが辛い。もちろん、デスクやテーブルの奥行きによって状況は大きく変わるだろう。でも、これは些細な問題点だ。単に、ラップトップ機をスタンドから外してデスクの上に置き、スタンドを横へ押しやればよいだけだからだ。
直接ラップトップ機で長時間仕事をすることがそもそも人間工学的に良い環境でないという事実は重要だ。WorkFit-P のおかげで実際いくらか改善はされるけれど、やはりスクリーンとキーボードが互いにくっつき過ぎている。その点が大問題だという人たちはいるが、私にはそれほど気にならない。
変化形 -- Ergotron の Apple ページにはまた、WorkFit-A の変化形として WorkFit-A with VESA Mount($599) というものも載っている。これは、外付けモニタ(または特別注文の iMac)を使う人たちのための製品だ。そのモニタ(または iMac)を iMac のものに似た金属製のスタンドに取り付け、VESA Flat Display Mounting Interface (Mounting Interface Standard という名前でも知られる) を通じて接続する。
Ergotron はもう一つ別のシリーズ、 WorkFit-S ($399) も作っている。これは Apple 風味アルミニウムの見栄えではなく、これも VESA マウントだが、アクセサリの Notebook Tray を取り付ければモニタの代わりにラップトップ機を支えることもできる。下の写真は、これを使った作業ステーションの一例だ。
この WorkFit-S のデザインは他のものたちと違って、仕事机の手前側の縁に取り付けるようになっている。つまり、デスクの手前の方に垂直の柱を立て、スクリーンを最適の高さに置き、キーボードをトレイの上に置くのだ。この仕組み全体がレールに沿って上下にスライドして動く。
私は数年前にこのような作業ステーションをテストしたことがあるが、デスクの上で大きな場所を取ってしまうので良いとは思わなかった。ただ、連接型の付属物が何もなくてセットアップ全体がしっかりした印象であること、それと、座って使う状態と立って使う状態を簡単に切り替えられることは気に入った。
まとめ -- WorkFit-A で iMac を使うのは、結局一度も快適だとは思えなかった。ただ、個人的な好みのみを理由にバッサリと切り捨てるのは気が引けた。これは WorkFit-A 製品シリーズのたった一つのバージョンに過ぎず、さまざまのコンピュータに合うように多数のオプションもあるので、うまく組み合わせればあなたの目的に適したものになるかもしれない。
私は WorkFit-P を大いに気に入ったし、ラップトップ機のユーザーなら一度は検討してみるべきだと思う。
外付けディスプレイを使っている人(あるいは追加の Notebook Tray を取り付けてノートブック機を使いたい人)には、WorkFit-S が良いかもしれない。ただし、WorkFit-S がデスク上に占める奇妙な位置取りを受け入れられればの話だが。
Ergotron について、もう一つ知っておくべきことがある。もしも、標準的なセットアップがあなたの目的に合わなければ、Ergotron はあなたと相談の上あなたの必要を満たす別のものを作ることができる。中心的な WorkFit ページには、この記事で紹介した作業ステーションそれぞれについて複数通りの変化形が示されている。カスタマイズした変化形は、複数モニタのセットアップや、ラップトップ機と外付けディスプレイの組み合わせにも対応できる。
そのこと自体、とてもクールだと思う。Apple 風味は必要なし。
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文: TidBITS Staff: [email protected]
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
Firefox 34.0 -- Mozilla がFirefox ウェブブラウザをバージョン 34.0.5 にアップデートし、新しい Firefox Hello コミュニケーションクライアント(まだベータ版)を追加した。これは Skype 風のウェブリアルタイムコミュニケーション (WebRTC) 機能で、これを使えばアカウントをセットアップする必要なしに音声通話とビデオ通話ができ(ただし Firefox アカウントにサインアップしておけばクリック一つで通話できる)Chrome や Opera などどんな WebRTC 対応ブラウザとの間でも使える。(Safari は使えない。) 通話を始めるには、Firefox メニューの Hello アイコン(ツールバー右端にある三本線の「ハンバーガー」ボタン)をクリックしてから、 生成されたリンクを連絡先に送ればよい。(もしも Hello アイコンがすぐに見えるようにならなければ、Firefox メニューボタンをクリックし、Customize をクリックし、Additional Tools and Features から Firefox メニュートレイへアイコンをドラッグすればよい。)今回のアップデートではまた、デフォルトの検索エンジンとして Yahoo を使う機能を追加し、ベラルーシ語、カザフ語、ロシア語のローカライズ版でデフォルトの検索エンジンを Yandex に変更し、セキュアな Wikipedia 検索に HTTPS を使うようにした。(無料、68.6 MB、リリースノート、10.6+)
Boom 2.0 -- Global Delight が Boom 2.0をリリースした。この音量ブースターおよびイコライザー用アプリ(2014 年 4 月 18 日の記事“FunBITS: Mac 用 Boom で音量アップ”参照)の、メジャーな新バージョンだ。ビルドし直されて OS X 10.10 Yosemite に対応した Boom は、Yosemite の標準モードにも Dark Mode にも合う新たな見栄えを備え、64-bit プロセッサを利用してよりスムーズなパフォーマンスが出せるよう設計された。イコライザーも改善されて正確な Frequency Constrain (周波数制約) コントロールができるようになり、bass、mid、treble それぞれの周波数バンドの微細な状況を調整できるようになった。Boom 2.0 ではまた、クリック一つのオーディオ効果(サラウンドサウンド効果の Ambience と、より明瞭でシャープな音色の Fidelity)を追加し、ファイルのオーディオブーストを賢く改良し、Mac の機種に応じてサウンド出力をカスタマイズする。Boom 2.0 の価格はシングルユーザーライセンス(2 台までの Mac で使用可能)が $14.99 だ。Global Delight ウェブサイトから購入した Boom 1.x ライセンスを持っていれば 50 パーセント割引が受けられる。Mac App Store から Boom 1.x を購入した場合は、電子メールで Mac App Store 販売レシートを Global Delight に送れば Global Delight でアップグレード料金(詳しくはサポートページ参照)が適用になる。現在のところ Boom 2.0 は Mac App Store からは入手できないが、Global Delight は今後数週間以内に投稿できるように準備中だという。(Global Delight から新規購入 $14.99、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、5.0 MB、リリースノート、10.10+)
Airfoil 4.8.11 -- Rogue Amoeba が Airfoil 4.8.11 をリリースし、OS X 10.10 Yosemite の FaceTime から Phone Relay オーディオをキャプチャできる機能を追加した。(Phone Relay には iPhone 上に iOS 8.1 も必要だ。)今回のアップデートではまた、ネットワークに問題が起こった後により信頼性をもってスピーカーに再接続するようになり、Yosemite での Wi-Fi の問題を回避して DACP エラーを避け、Instant On をバージョン 8.0.4 にアップグレードすることで Accessibility の VoiceOver 機能との互換性を改善し、メニューバーアイコンを Retina ディスプレイ用にアップデートし、(はるか昔の 10.7 Lion で廃止された) Front Row への対応を削除した。(新規購入 $25、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、15.1 MB、リリースノート、10.7+)
Downcast 1.1.5 -- Jamawkinaw Enterprises が Downcast 1.1.3 をリリースした。細かな問題点をいくつか修正するとともに、すべてのリストとコンテクストメニューでパフォーマンスを向上させたメンテナンスリリースだ。このポッドキャッチャーアプリは(OS X 10.8 Mountain Lion でシートウィンドウを表示した後に起こったものなど)いくつかのクラッシュ、10.10 Yosemite でのメインウィンドウの復元、iCloud である種の操作をした後にポッドキャストが空になったバグ、およびブックマークを調べることに関係して CPU を使い過ぎていた問題を修正している。その後素早く出された 1.1.4 と 1.1.5 のアップデートはそれぞれ新たに導入された数多くのバグを解消している。ただし、Apple はまだ 1.1.5 アップデートを承認していない。( Mac App Store から新規購入 $4.99、無料アップデート、20.6 MB、リリースノート、10.8+)
Lightroom 5.7 -- Adobe が Lightroom 5.7 をリリースして、Apple の Aperture や iPhoto のライブラリから画像を読み込む統合ユーティリティを追加した。(従来、このユーティリティは別途ダウンロードするプラグインとして利用できた。)このプロフェッショナル用写真カタログ・編集アプリケーションはまた、同期したコレクションに共有ボタンをより目立つように表示し、Lightroom ウェブサイトに残されたコメントや like データを Lightroom デスクトップカタログに同期(未読コメント付きの画像にはバッジを表示)し、Lightroom が Photoshop Elements 13 のライブラリを読めなくなっていた問題を修正し、Lightroom モバイルコレクションに含まれる画像にコンテクストメニューを復活させ、Spot Removal ツールで修正を矢継ぎ早に加えた場合のクラッシュを修正している。Lightroom は Adobe の Creative Cloud アプリ購読スキームを通じて提供されており、月額 $9.99 (または年額 $119.88) の Creative Cloud Photography プランで Lightroom と Photoshop の双方が使える。また独立動作のアプリ として $149 で購入することもでき、Adobe ID を持っていれば 無料の 30 日間試用版を使うこともできる。(月額 $9.99 購読、購読者には無料アップデート、528 MB、リリースノート、10.7+)
Carbon Copy Cloner 4.0.3 -- Bombich Software が Carbon Copy Cloner 4.0.3 (CCC) をリリースし、OS X 10.10 Yosemite 関係の数多くの問題点への修正を提供した。このバックアップユーティリティは Yosemite の Service Management デーモンに関係するバグを回避し、ディスクイメージのボリュームを CCC が正しくアンマウントした後も Yosemite の Finder が表示し続けていた問題を回避し、パワーマネージメントのオプションが尊重されなくなっていたバグを解消している。今回のアップデートではまた、コピー元またはコピー先が存在しない場合のタスクの処理に多くの制御が可能となる新しいスケジューリングセレクタのオプションを追加し、Dark Wake の最中にシステムを目覚めさせておくスリープ・アサーションを獲得し、速度の遅いネットワークボリュームにより起こっていたクラッシュを修正している。(新規購入 $39.99、バージョン 3.5.x からのアップグレード $19.99、11.1 MB、 リリースノート、10.8+)
Carbon Copy Cloner 4.0.3 へのコメントリンク:
PopChar X 7.0 -- Ergonis Software が PopChar X 7.0 をリリースした。この文字発見ユーティリティへのメジャーな新リリースで、新たに Shape Finder 機能を追加している。単に文字の概形を描くだけで形がそれに似た文字がすべて表示され、文字の Unicode 名がすぐに分からない場合にも文字を見つけやすくなる。
この Shape Finder は、新しいコンテクストコマンド Find Similar Shape と共にも働く。表の中の文字を右クリックして、それからさらに線を描き加えることで似た文字を見つける機能だ。PopChar X 7.0 ではまた、新設のフォントフィルターを使ってフォントリストを指定の部分文字列に合うフォントのみに制限でき、好きな文字をテキストファイルとの間で書き出したり読み込んだりでき、OS X 10.10 Yosemite での見栄えを改善し、PopChar X ウィンドウをコーナーからリサイズしやすくし、時々メモリ使用量を増やすことのあった内部的問題点を修正している。PopChar X は今回から 10.6 Snow Leopard かそれ以降を要するようになった。シングルユーザーやファミリーパックのライセンスを持っていればバージョン 7 へのアップグレードがそれぞれ 14.99 ユーロと 22.99 ユーロで受けられる。2014 年 3 月 1 日以降に PopChar X 6 を購入した人は無料でアップグレードできる。(新規購入 29.99 ユーロ、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、3.8 MB、リリースノート,、10.6+)
文: TidBITS Staff: [email protected]
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
今週の ExtraBITS の悪いニュースとして、Apple が Transmit iOS の重要な機能の削除を強要した。もう一つ別の状況下では自らの App Store ルールに従っていないにもかかわらず! 良いニュースとしては、Apple が今週同社の店舗内で子供たちのために無料のプログラミングチュートリアルを提供する。
Apple、Transmit iOS に足かせをかける -- Apple の不可解なポリシーのため、またもや素晴らしい iOS アプリが妨害を受けた。Transmit iOS 1.1.1 は、もはや他のサービスへ書類を送信することができない。これは、Apple が開発者 Panic に対して、ファイルを iCloud Drive へ送信するオプションを削除せよと要求したからだ。問題は、共有シートの中に iCloud Drive がもともと組み込まれていることだ。つまり、iCloud Drive へ送信するオプションのみを削除することはできず、Panic としては Send 機能を すべて 無効にせざるを得なかった。Apple は Panic に対して iCloud Drive へアップロードできるのはアプリ内で作成されたコンテンツのみだと述べたが、そのようなことを記述した明確なルールはどこにもない。
Apple でコードを学ぼう -- Hour of Code イベント(コンピュータ教育週間)を支援するため、世界各国の Apple Store が、子供たちのために無料のプログラミング入門一時間コースを 2014 年 12 月 11 日に提供する。また、Apple は New York、Chicago、London、Berlin、Tokyo および Osaka の各 Apple Store で関連イベントを開催する。近くの店舗で開催されているかどうか、リンクを辿って調べてみよう。
Apple が無視している App Store ルール -- Apple が厳しく強要している多種多様なルールにアプリは従わなければならないが、開発者 Marco Arment が指摘するのは、それをあからさまに無視している者が一人だけいる。問題は、宣伝目的で push 通知を使ってはならないというルールだ。Apple 自身が、このルールを Apps for RED キャンペーンの際に破っていた。App Store アプリから iOS ユーザーに向けて、Apps for RED キャンペーンを発表する push 通知を送ったのだ。
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