TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1268/13-Apr-2015

今週は Apple 関係のニュースがたくさんあった。Apple は膨大な数の修正を施した iOS 8.3 をリリースするとともに、Mac 用の新しい Photos アプリを公式にデビューさせた OS X 10.10.3 もリリースした。Josh Centers が双方とも概観する。また Apple Watch の予約注文受付が始まり、Adam Engst がこのウェアラブル機の当初の人気度に関する考察を自身の体験談とともに披露する。一方 Michael Cohen はあなたが Apple Watch を買うかどうか決断する際の役に立てるようメタ・レビューを書いた。Adam はまた、Karelia の新しい Sandvox Hosting サービスを紹介する。これは同社の人気あるウェブサイト作成ツール Sandvox に統合される。最後にもう一つ、Joe Kissell の "Take Control of Security for Mac Users" の最後の章が出て、もしもデータ喪失、マルウェア、ネットワーク侵入、フィッシング攻撃、なりすましなどの被害に遭ってしまった場合にどうすれば正常な状態に戻れるかを解説する。今週注目すべきソフトウェアリリースは、DEVONagent Lite, Express, および Pro 3.9.1、FileMaker Pro 13.0.9、iTunes 12.1.2、GraphicConverter 9.6.1、1Password 5.3、セキュリティアップデート 2015-004 (Mountain Lion, Mavericks)、それに Safari 8.0.5, 7.1.5, 6.2.5 だ。

記事:

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Apple、Photos の入った OS X 10.10.3 をリリース

  文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Photos for Mac が遂に登場した! Apple は OS X 10.10.3 をリリースし、そこには iPhoto と Aperture の両方に対する後継者が含まれている。そして驚くことはないであろうが、これら両方とも Mac App Store からは取り除かれた。OS X 10.10.3 アップデートは Software Update から入手可であり - 凡そ 2 GB のダウンロード - かつ Apple の Support Downloads サイトからも独立のアップデートとして、デルタ (1.52 GB) 及びコンボ (2 GB) が入手可である。

Photos for Mac の全容については、"Photos for OS X ベータの第一印象" (9 February 2015) の Jason Snell の記述を見られたし - ベータから大きく変わった所は無さそうである。我々の Jeff Carlson もまた Macworldで Photos をレビューしている;彼の結論は、これは iPhoto よりは高速だが、Aperture よりも非力である、であった。

Jason の "Photos for Mac: A Take Control Crash Course" の早朝版もお忘れなく。これは、直ちに Photos に乗り換えるかどうかの判断の手助けをし、あなたの iPhoto や Aperture の写真ライブラリをインポートする手順を説明、そして鍵となる整理作業のやり方を説明する。5 月予定の無料アップデートでは、iCloud Photo Library の記事、写真の編集と共有、プリントや他のプロジェクトの作成、等々を追加する。iCloud Photo Library については、近々に更なる記事を予定しているが、それまでこの件についての判断はしないよう強くお薦めする。

10.10.3 における他の目に見える変更に、300 を超える絵文字と、新しい絵文字選択の追加があり、後者では絵文字が単一の、スクロール出来るリストとして表示される。新しい絵文字の特長は、色々な民族と同一性カップルを代表する多様なシンボルが追加されたことである。今や絵文字の中には、色々な肌の色に対応しており、絵文字をクリック&ホールドすることで選択し、そしてポップオーバーから自分の好みを選択出来る。また Apple Watch のための新しい絵文字や、新しい旗の絵文字をある。

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かわいい Easter 卵もある:OS X 10.10.3 には今や Raised Hand With Part Between Middle And Ring Fingers emoji (中指と薬指の間を広げた挙手) 絵文字が表示されるが、これは Star Trek での Vulcan 敬礼として知られてもいる。思うに、これは最近亡くなった Spock を演じた Leonard Nimoy に捧げるものなのであろう。しかしながら、この絵文字をキーボード上では探せないので、もし友人に長生きと繁栄を伝えたいのであれば、これを探し出し、そしてそれをコピペしなければならない。

読者の Henrik Munster は、OS X 10.10.3 ではまた最近の TomTom GO GPS 自動車ナビ機器のユーザーに対する問題も解決されていると報じている。この機器は、頻繁にアップデートされる地図とソフトウェアをダウンロードするために Mac に対して USB 接続をしなければならない。10.10.0 から 10.10.2 では、アップデートの後 GPS を外すと何時もカーネルパニックに陥っていた;これが 10.10.3 ではもう起こらない。

OS X 10.10.3 ではまた Private Browsing で使われた Web サイトのファビコン URL を保存してしまうことがあるというプライバシー問題も修正している。この問題は、あなたがどのサイトを訪問したかの足跡を残してしまうというものである。10.10.3 での Safari はまた "安定性とセキュリティを改善している。"

他の変更には、Wi-Fi 性能と適合性の改善 (Yosemite ユーザーの中に苦しんでいる人がいるあの Wi-Fi 問題を、Apple がようやく修正出来たことを願うものである)、Bluetooth 機器で接続が切れてしまう原因となる問題の修正、そして画面共有の信頼性の向上がある。更に、Apple は Spotlight 提示を (Wikipedia の様な)、一つの言葉を Control クリックし、そして Look Up を選択した時に現れるポップオーバーに付け加えた。

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Apple はまた企業ユーザーに対する変更も 10.10.3 に入れている。これには、Active Directory 拘束の Mac が立ち上げ時に反応しなくなる問題に対する修正、画像アプリに受け入れられる umask を設定する能力、そして EAP-TLS を使う 802.1x に対する構成プロファイルをインストールすること、及び DHS 共有点からフォルダが消えてしまうことに対するバグ修正が含まれる。

10.10.3 アップデートにはまた、コマンドラインユーティリティ、CoreAnimation、グラフィックスドライバー、システムカーネル、OpenSSL、そしてその他のキーシステムに対するセキュリティ修正も含まれる。

直ちに 10.10.3 にアップデートすべきか? Photos を試してみたいなら、しなければならない - Photos はこの新しいリリースでしか入手出来ない。しかし、数日待ってみるというのは常に悪くない考えである。

TidBITS 出版人 Adam Engst は、最初最善の経験をしたとは言えない - 彼のインストールは最後の最後でハングしてしまい、脱出するのに彼の 27-inch iMac with Retina の電源を落とさなければならなかった。全てが問題なく戻った様に見えたが、このアップデートの後、彼の iMac と 27-inch Thunderbolt Display の冷却ファンは、これ迄経験したよりも少々うるさくなった。

これに対する説明と思えるものが、読者の Steve Nicholson から寄せられた。彼は、インストーラーのログを表示させるため、インストールの間に Command-L を押した。これによると、このインストーラーは "全てのものを Recovered Items /usr/local から /usr/local へと SSD 上でも毎秒 8-10 ファイルというのんびりした速度で移動させている" ことが分かった。彼は、時間はかなりかかったが、エラー無しで完了したと報じている。前もってディレクトリにどんな Unix アプリが入っているのか見ておくには、Finder に切り替え、そして Go > Go to Folder (Command-Shift-G) を選択、/usr/local とタイプそして Return を押す。

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iOS 8.3、改善が雪崩をなす

  文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple は iOS 8.3 をリリースした。そしてこの大きなアップデートにはメジャーな新機能は何もないが、大量のバグ修正と性能向上が提供されている。その規模は、これ迄の iOS 8 アップデートとしてはダントツ一番である。このアップデートは Settings > General > Software Update 経由か、iTunes を通してダウンロード出来る。

いつもの様に、数日待ってこのアップデートで何か問題が起きるかどうかを見極めるのは賢いやり方だが、これ迄の所 iOS 8.3 は、これ迄の iOS 8 に欠けていた性能と安定性をもたらしているように見える。しかしながら、ユーザーの中には、iOS 8.3 での App Store 購入に Touch ID が働かず、手動でパスワードを入力しなければならなかったと報じている人もいる。TidBITS の我々は、この問題は経験していない。

iOS 8.3 で、iCloud Photo Library は公式にベータから抜け出て、Photos for Mac と歩調を合わせることとなった;これについては、我々も間もなく取り上げる予定であるが、iOS 8.3, OS X 10.10.3 Yosemite, そして Photos 1.0 for Mac の最新バージョンに対して我々の調査が終わるまでは、これを最初からオンにしないよう強くお勧めする。

iOS 8.3 で皆さんが最初に気づくであろう変化は、300 を超える絵文字の追加である。新しい旗絵文字や Apple Watch に対する新しいものもあるが、新しいものの大部分は同一性カップルや様々な民族に対応するものであり、絵文字の多様性を拡大している。幾つかの絵文字は肌の色が選択出来るようになっており、これらは絵文字をタップすると見え、ポップオーバーから好みのものを選択する。この絵文字選択機構もまたスクロールがよりシームレスになるようデザインし直された。

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この新しい絵文字に加えて、速度が少し速くなった感じを持たれるかもしれない。Apple が具体的に挙げているのは以下の分野である:

リリースノートにはまた、数多くの安定性向上も謳われている:Phone, Mail, Bluetooth, Photos, Settings, Weather, そして Music の Genius Playlists である。

私の iPhone 6 上で目立った違いは感じていないが、キーボード間の切り替えは速くなり、そして Safari タブのスクロールもより滑らかになった感はある。

皆さんも歓迎されるであろうキーボード変更に、Safari で URL を入力する時の Space バーの長さが長くなったことがある。これ迄のバージョンの iOS 8 では、Go ボタンが長く、Space バーが短くなっており、間違ってピリオドを打ってしまうことが多かった。

Google の二要素認証のユーザーにとっては、Settings > Mail, Contacts, Calendars で Google アカウントを追加する時、アプリのパスワードの代わりに自分の二要素トークンを使えるというのは嬉しい知らせであろう。

iOS 8.3 には幾つかの Wi-Fi 及び Bluetooth 修正が含まれており、次の様な問題に対処している:ログイン認証情報を連続的に求められる、Wi-Fi ネットワークから機器が無作為に切り離される、そしてハンズフリー通話が自然に切れてしまう等である。更にオーディオ再生が Bluetooth スピーカーによっては働かなくなる問題にも対処している。

もし Sprint の顧客であれば、iOS 8.3 は今や Wi-Fi 通話が許される。これ迄、これは米国では T-Mobile だけが許されていた。あなたのキャリアがこれをサポートしている場合、Wi-Fi 通話は Settings > Phone で有効に出来る。

今や App Store から、無料のアプリはパスワード無しでダウンロード出来る。Settings > iTunes & App Store > Password Settings に行き、Free Downloads の下で Require Password を不能にする (ここまでは、あなたの iTunes パスワードを入力しなければならない)。注意して欲しいのは、もし Settings > Touch ID & Passcode で Touch ID を App Store 購入に対して有効にしてあれば、この Password Settings は現れないことである (この謎を解いてくれた Bhasker Bhat に謝意を表する!)。

このアップデートは多くの向き (縦位置、横位置) に係わる奇癖も修正していて、向きが変わらなくなる問題に対する修正、iPhone 6 Plus 上で上下逆さの向きに対する修正、そしてアプリが回転出来なくなる問題が含まれる。Apple はまた向きを回転させる性能も向上したと言っている。我々が気づいたことでは、前には信頼性に欠けていた Safari の Reader View でも、向きを変えてもスクロールの位置は保持されている様に見えることが挙げられる。

メッセージにも嬉しい改良がなされていて、グループメッセージが時折バラバラになってしまうことに対する修正、メッセージを転送したり、削除したり出来なくなる問題、そして写真プレビューが表示出来なくなる問題等が対処されている。

iOS 8.3 の Messages は今や Settings > Messages で知らない送り手をフィルターさせてくれる。これを有効にすると、Contacts にない送り手からの通知を不能にし、そしてメッセージを二つのリストに振り分ける:Contacts & SMS と Unknown Senders である。

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今や Siri に対してスピーカーフォン経由で電話するよう指示出来る。

Family Sharing にも改善がなわれている。Ask to Buy 通知に対する信頼性向上、家族が無料アプリをダウンロード出来ないバグの修正、そしてアプリの起動又はアップデートを妨げるバグの修正が挙げられる。

iOS 8.3 にはここに挙げられるよりも遙かに多くの微修正がなされていて、それらには CarPlay に対する改善、企業接続性、アクセシビリティ、そして各種雑多な修正が含まれる。

何時もの様に、この iOS アップデートには一連のセキュリティ修正が含まれている。Apple はまた Apple TV 7.2 を第三世代 Apple TV に対して多くの同様のセキュリティ改善を盛り込んでリリースした。

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"Take Control of Security for Mac Users" の Chapter 12、入手可に

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

データ損失、マルウェア、ネットワーク侵入、フィッシング攻撃、或いは、なりすまし犯罪から逃れることは不可能であるという訳では決してないが、皆さんがこの記事を読んでいるという事実は、上記の内の何かが自分の身にも起こるかもしれないと懸念されていることを示唆している。もしこれ迄に "Take Control of Security for Mac Users" の Joe の助言に耳を傾けてきているならば、その危険性は少ないが、保証はない - Joe が言っている様に、"ソフトウェアバグ、人的過誤、そして巧妙な攻撃者の三つが揃えば、我々の中の最強の人間でもやられてしまう可能性はある。"

と言う訳で、Chapter 12, "Recover from a Disaster" で、Joe は、皆さんがこれらの災難の一つに直面した時に必要な助言を提供する。覚えておくべき一番大切なことは、Joe の最初のステップである "慌てないこと" である。

気が静まった所で、Joe はデータ損失からあなたのバックアップを使って復元する方法を説明する (そして、何らかの理由で、バックアップがない場合でも)。彼はまた、マルウェアを根絶し、そして将来の感染から身を守る方法にも触れる。ネットワーク経由で誰かが自分の Mac にアクセスしたのではないかと心配ならば、Joe はそれを確かめる方法、そしてその Mac をどの様に切り離し、将来の侵入を防止するのに必要な手立てを説明する。フィッシング攻撃も見つけるのが難しい場合があるが、その損害を見極め、そしてそれを修復する方法も提供する。最後に、Joe は、あなたが本格的ななりすまし犯罪に直面した場合にやらねばならないことを取り上げるが、ここでは誰かが盗まれた個人情報を使ってあなたになりすまそうとしている。

これは、"Take Control of Security for Mac Users" の最後の章であるが、もうこれ迄に事前リリースされているチャプティクルを読むためだけに TidBITS 会員になることをお勧めするのは良心に省みて出来ない。(勿論、他に沢山の理由はある!) これらのチャプティクルは、TidBITS 会員のためには、当然、無期限にオンライン上に残すが、我々は今や、一冊の完成電子本として出版するための最終の編集と制作の段階に入っている。この完成版は PDF, EPUB, そして Mobipocket (Kindle) フォーマットで、誰もが購入出来る。その時期まで待ちたいという人ためには、完成本が出来たら私の方から何らかの情報発信をするつもりである。

TidBITS を毎週皆さんの元に受賞歴のある内容でお届けするのを可能にしてくれている 2,872 人の TidBITS 会員に大きな謝意を表したい - 会員制度は我々の仕事を一変させてくれた。もし既に TidBITS の会員なのであれば、申し込んだ時のメールアドレスを使って TidBITS サイトにログインし、これらの章を読み、そしてコメントして欲しい:

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Karelia の Sandvox Hosting でウェブサイトの簡単ホスティング

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

その昔に Apple が iWeb で楽にできるようにしていたように、ウェブサイトを手早くひねり出したいと思うなら、Karelia Software から $79.99 で出ている Sandvox がおそらく iWeb の主要な後継者の地位を獲得しているだろう。HTML や CSS に何の経験もない人でさえ、テンプレートベースのウェブサイトをカスタムコンテンツで作る作業がほんの数分でできる。

しかしながら、サイトを構築してもまだ問題の半分しか解決しない。その後で、そのサイトをインターネットからアクセスできるものにする必要があり、そのためにはウェブホストが必要だ。サイトを公開する際に、Sandvox を設定してほとんどどんなウェブホストにでもアップロードするようにはできるが、そのための最初の設定作業は初心者には簡単でないかもしれない。たくさんの情報を見つけ出して、それらを入力しなければならない。SFTP ログイン認証情報、root ディレクトリといったことだが、その際にはウェブホストの cPanel にログインしなければならず、これが分かりにくい。また、それに続いて更なる設定作業を通り抜けなければならない。Sandvox のサポートページ に、とても長い説明が載っている。

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細かな作業に怖じ気づいてしまうという人たちのためにそれらの手順を単純化しようと、Karelia は今回 Sandvox Hosting をデビューさせた。これは専用のホスティングサービスで、Sandvox 自体の中からサインアップすることができ、アップロードは Sandvox の中からしかできない。(Sandvox 2.10 またはそれ以降が必要となる。)ややこしいセットアップをする代わりに、Sandvox の中から電子メールアドレスとパスワードを使ってサインインするだけでよい。

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舞台裏では、Sandvox Hosting はさまざまのテクノロジーのマッシュアップであって、(3 つの別々の場所にある)Amazon S3 にフィードし、それに加えて Amazon Glacier にバックアップも作る。Amazon のウェブサービスに依存することで、Sandvox がホストするサイトにはたとえトラフィックの異常な急増があったとしても良好なパフォーマンスとアップタイムが期待できる。

14 日間の試用期間に加えて、Karelia は四つのプラン を Sandvox Hosting に提供する。まず、月額 $7.99 の Starter プランは sandvox.net ドメイン内部のサブドメイン用で、毎月 2 GB のデータ転送と 1 GB のストレージを含む。これは、ほんの数ヵ月間のみ使えればよい一時的なウェブサイトに適している。

もっと持続的なサイトには、年額 $99 の Single プランがカスタムドメイン名の登録、毎月 10 GB のデータ転送、5 GB のデータストレージ、10 個の転送用電子メールアドレスを提供する。また、年額 $144 の Multi プランならば毎月 45 GB のデータ転送、10 GB のストレージと 50 個の転送用電子メールアドレスに増える。これは 1 個のドメイン名登録を無料で含んでいるが、最大 10 個のドメインにも 1 個あたり年額 $17.50 で対応できる。最後に、年額 $199 の Mega プランでは 75 GB のデータ転送、15 GB のストレージ、無料ドメイン名登録 1 個と、100 個の転送用電子メールアドレスを提供し、個数無制限でドメインを追加できる。ウェブホスティング料金として最も安価なものとは言えないが、 EverWeb や、ウェブベースのホスティングサービスの Squarespace など競合各社のものと比べて同程度だ。

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もしもあなたのサイトが予想外の大人気を得たとして、割り当てられたバンド幅で足りなくなった場合は、Karelia があなたに電子メールで連絡して解決策を相談してくれる。例えばプランをアップグレードしたり、あるいはサイトを一時的にオフラインにしたり、といったことが考えられる。

Sandvox Hosting はよく考えて作られているように見えるけれども、Karelia が追加を検討中の欠落オプションもある。例えば、現時点ではカスタムドメイン名の中にサブドメイン (例えば resume.example.com) を持つことができず、サイトあるいはその一部をパスワード保護することができず、また HTTPS に対応していない。その上、Sandvox Hosting は Sandvox の内蔵機能のすべてに対応しているけれども、PHP のようなサーバ側の処理が必要となる場合には従来型のウェブホストに頼らざるを得ず、Karelia は A2 Hosting を推薦している。

Karelia が Mac アプリのパワーと柔軟性をウェブベースのホスティングサービスのシンプルなセットアップに組み合わせてくれたのは素晴らしいことだ。シンプルなサイトを作って公開したいと思っている Mac ユーザーにとっては絶好の選択肢と言える。

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Apple Watch 予約注文、早くも売切れ続出

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple Watch は、2015 年 4 月 10 日、米国太平洋時間の深夜 0 時に、予約注文の受付が開始された。東海岸に住んでいる私たちはそれより 3 時間進んだタイムゾーンにいるので、予約注文をするには午前 3 時に起きなければならないことになる。正直言って、私はあまりにも疲れ切っていて、そんな時間には起きられない。私たちが出した本 "Apple Watch: A Take Control Crash Course" の売れ行きは、非常に人気の高い "Photos for Mac: A Take Control Crash Course" の半分ほどに過ぎないので、私はいつも通りの午前 7 時ごろに起きても Tonya と私が欲しいモデルの Apple Watch を注文できるだろうとたかをくくっていた。過去の数回の iPhone リリースでは、そういう感じでもちゃんと注文できたからだ。いやはや、甘かった。

早く目覚めた場合に備えて、私はベッドルームに MacBook Air を持ち込んでおいた。そして、案の定というか何というか、私たちの頑張り屋のティーンエイジャーの息子が、仕上げた宿題か何かを印刷して 3:04 AM に私たちの目を覚ました。(やっぱり、このプリンタはベットルームから遠いところに置くんだった。子供が朝の 3 時まで勉強しているというのはまた別の問題だが。)そういう訳で私はまだぼんやりした頭で起き上がり、MacBook Air を開いて、眩しさに目を細めながらスクリーン輝度を最小の設定に叩き込み、そうしてようやく Apple Store にナビゲートした。まずは素早く、Tonya が欲しがっていた青いバンドの 38mm Apple Watch Sport を選んだ。そして次に、私が好きになれた唯一の色のバンド、黒いバンドの 42mm Apple Watch Sport を追加しようとした。その時だった... トラブルが始まったのは。

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Tonya の Apple Watch の出荷予定は 4 月 24 日から 5 月 8 日までの間となっていたが、私の Apple Watch の出荷予定は 4-6 週間となっていた。私はそんなに長く待ちたくない。そもそも予約注文をする理由は、Apple Watch をできる限り早く手に入れ、豊かな知識の裏付けをもって TidBITS や Take Control で執筆し語りたいからだ。そこでやむなく、他の色のものも探し回り始めたのだが、数分後に、直ちに手に入る 42mm Apple Watch Sport モデルはシャルトリューズ・グリーンのバンドかサーモン・ピンクのバンドのものしかないと分かった。どちらも信じられないほど不快な色だ。(売れ残っているという事実が、他の人たちも私と同じ感覚であることを示している。)今正確には思い出せないが、もっと高価な Apple Watch モデルにもいくつか残っているものがあったかもしれない。でも、出荷を早めるだけの理由で数百ドルも余分に出すなんて、到底考えられない。一年か二年後にはきっともう使わなくなる製品なのだから。(その頃には新型モデルが出ているかもしれないし、何とも分からない、たぶん私はそもそも腕時計なんか身に着けたくないのかもしれない。)

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仕方がない、4-6 週間遅くなるけれども 42mm の黒いモデルで我慢しようかと思い始めた私だったが、チェックアウトの画面に移ると、そのモデルの出荷予定が 6 月に延びていることに気付いた。これでは、私の職業上の必要には間に合わない。そこで私はサイズを妥協して、白いバンドの 38mm Apple Watch Sport で手を打つことにした。白いバンドなんて間が抜けて見えるが、着けていて気恥ずかしくはない。別売の黒いバンドが手に入らないかと調べてみたが、それもやはり出荷予定は 6 月となっていた。私たちは一個につき $49 の追加料金で AppleCare+ を付けることはしなかった。(ステンレスの Apple Watch の場合は $69、Apple Watch Edition の場合は何と $1,500 だ。)近いうちにサードパーティ製のバンドが出ることを願っている。Apple の白いプラスチックのバンドに代わって使えるバンドを、ぜひぜひレビュー用に欲しいものだ。

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言うまでもなく私たちは二人ともその後すぐベッドに倒れ込んで眠りに就いたが、20 分間のショッピング体験のお陰で、ぐっすり眠るなどそもそも問題外だった。これもまた、私が Apple の馬鹿馬鹿しい予約注文ゲームにめったに付き合わない理由の一つだ。

朝になって、何とかベッドから這いずり出ると、私は出荷予定がどうなっているかチェックして、いろいろのモデルやバンドにどの程度人気の差があるのか調べてみようと思った。Apple Watch Sport モデルは 38mm のものも 42mm のものもすべて、6 月の出荷予定となっていた。つまり、当初の出荷予定枠が売り切れ、二番目の 4-6 週間の枠も売り切れて、この 6 月出荷予定というのは三番目の枠だ。どうやら、Apple Watch Sport モデルはそれより高価な Apple Watch モデルに比べてはっきり人気が高いようだ。38mm の Apple Watch モデルは三つを除いてまだ 4-6 週間の出荷予定となっていたからだ。(その三つとは、ソフトピンクのモダンバックル、ミッドナイトブルーのモダンバックル、それにスペースブラックのケースにスペースブラックのステンレススチール製リンクブレスレットの付いたものだ。)

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同じ論理に従えば、男性の方が女性よりも多く Apple Watch を予約注文したと言えるだろう。その理由は、ごつい手首に向いた 42mm のモデルが一つの例外を除いてすべて 6 月出荷予定となっているからだ。例外は 42mm のスペースブラックケースにスペースブラックのステンレススチール製リンクブレスレットの付いたモデルで、$1,099 とステンレススチール製モデルの中で最も高価で最も男っぽい見栄えのものだが、これを注文すると 7 月まで待たなければならない。ひょっとすると Apple Store リテール店に行けば在庫があるのかもしれないが。

とんでもなく高価な Apple Watch Edition モデルは、サイズやバンドに応じて $10,000、$12,000、$15,000、$17,000 のいずれかの値段だが、これらはいずれも 6 月出荷予定となっていた。

この予約注文は不手際だったのか? すべてのモデルで需要に応えられるだけの数を用意するのが Apple の目標であろうと考える人もいるかもしれないが、今回のような状況においては、つまりあらゆる Apple Watch モデルが機能として同一という前提の下では、Apple が特定のモデルの在庫数を抑えることにより人々の欲望をかき立てるゲームを仕掛けている可能性もある。

また、Apple が大量の Apple Watch ユニットを Apple Store リテール店のためにストックしてオンラインの予約注文用には出さずにいるということも考えられる。やはりリテール店にはそれぞれのモデルごとに十分な数の在庫を確保したいからだ。それは、相当の種類の SKU (stock keeping units、最小在庫管理単位) つまり販売のために用意する異なるタイプを集めることになるだろう。実際にいろいろの違ったバンドを試着して自分の目で色を確かめたいと思う人たちは多いだろう。なので、Apple Store リテール店には今後数週間、いや数ヵ月間にわたって多くの人たちが押し寄せることだろう。

いくつかのモデルがほとんど瞬時に売り切れたのを見れば、顧客の側に極度の熱狂があるという印象を持ってしまいがちだが、そこにはものごとの両面がある。これは単純に、Apple がまだ十分な数の製品を製造できていないというだけのことかもしれない。元 Macworld 編集者の Rob Griffiths は Twitter にこんな冗談を書いた:「出荷予定が次々と後へ延び延びになって行くので、どうやら Apple はまだ 12 個程度の腕時計しか組み立てていないと見える... ひょっとするともう 15 個は組み立てたかもしれないが。」

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Apple が売り上げ数を発表するまでは、私たちに分かるのは The Wall Street Journal が情報筋から聞いた話として Apple が供給業者に対し最初の四半期のうちに 5 から 6 百万ユニットを製造するように言ったらしい ということだけだ。(ただし、その同じ記事には Apple Watch Edition に関する他の言明も載っていて、そちらは論理的帰結を辿れば具合の悪いことになる。2015 年 2 月 24 日の記事“Apple Watch Edition はどれだけの金を消費するのか?”参照。)供給業者たちが Apple の目標を達成したかどうかは分からない。

供給量が制約となっているのだとしても、現時点はまだ製造量を増やすに至らない初期の段階に過ぎないというだけのことかもしれない。新製品はどんなものでも、製造上の難問が付きまとう。ましてや Apple Watch では許容誤差が極めて小さいのでなおさらだろう。なので、製造工程で Apple の厳格な要件を満たすユニットの率が相当少ないということも十分考えられる。

実際に何が起こっているかは分からないが、過去の実績を参考にするならば、Apple は 3 ヵ月から 6 ヵ月くらいのうちには入手可能性の制約を克服し終えていると予想してよいのではなかろうか。それなら年末のホリデーショッピングシーズンには確かに間に合うし、きっと Apple はそのことも念頭に置いていたのではないか。

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Apple Watch を買うべきか?

  文: Michael E. Cohen: [email protected], @lymond
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今日の問題はこれだ: Apple Watch を買うべきか?

そしてその答は: たぶんね (maybe) と言うべきだろう。あなたが非常に少人数の人たち(例えば Apple メインの出版物のライターや、iOS 開発者など)つまり、テスト目的で Apple Watch を必要とする人たちのグループに属していない限り、その答は決して _強制的な_ ものではない。

「Apple Watch には _私が_ 買う価値があるだろうか?」の方がもっと適切な質問の仕方だろう。「Apple Watch を使ってみた私の一週間」といったレビュー記事は 急速に増えつつあるが、この質問に答えられるものはその中に一つもない。なぜなら、そのレビュー記事の筆者はあなたとは _別人_ だからだ。でも、そういう記事をいろいろ読めば、あなたにとってのこの質問への答がどのようなものになるのか、少しは感じが掴めるだろう。

まず第一に Apple Watch を買う資金がなかったり、iPhone 5 またはそれ以降を持っていなかったりするならば、買うべきでないのは明らかだ。また、最近いろいろと登場しつつあるさまざまの記事や広告を見てこのデバイスへの興味をそそられなかった人も、買うべきではないだろう。

残った人たちのために、以下に私が今までに読んだレビュー記事をもとにしていくつかの根本的な質問への答を考えてみよう。まず最初の質問は...

見栄えはどうか? -- この質問への答は純粋に個人的なものだし、たくさん出回っている写真が、ご自分で「美しいか醜いか」の判断をする参考になるだろう。ただ、いろいろのレビュー記事はそれらの写真に肉付けする役に立つ。

Wall Street Journal の Geoffrey Fowler は Apple Watch が「男性にも女性にも素敵な腕時計で、従来の標準的なスマートウォッチでこれにかなうものはない」と述べつつも、42mm 版の方は「25 セント硬貨を 6 枚重ねた厚さなのでやはりちょっと厚過ぎる」と指摘する。(筆者注: 私がずっと前から頼りにして使っている Timex Indiglo も、同じくらいの厚さだ。)

Re/code の Lauren Goode も厚みについて Fowler と同意見で「かなり厚い。試してみて厚みが気になったと感想を述べた人たちが何人もいた」と述べた。

しかしながら New York Times の Farhad Manjoo は「それほど大き過ぎもせず、重過ぎもせず、派手な感じを与えずに気持ちよくエレガントさを見せる」と評している。

Apple Watch の見栄えが目立つかそれとも控え目かについては、意見が分かれているようだ。

Manjoo は Apple Watch がそれほど人目に付かなかったことに驚いたという:「私はサンフランシスコ湾岸地帯とマンハッタンの双方で一週間ほど公共の場でこれを使ったが、それは何ですかと声をかけてきたのはほんの二・三人だった。」 Wall Street Journal の Joanna Stern も同じ印象だったという:「実際にスクリーンをタップしなければ控え目で、人に気付かれることはない。」

けれども Goode は違う経験をしたという:「私の手首に気付いた人が大勢いた。飛行機では隣に座った人が、それは Apple Watch ですか、と大声で話しかけてきた。また別の人は私が化粧室から出てくるのを待ち受けて、襲いかからんばかりに、それって _あの_ ウォッチですか、と問いかけた。」

ユーザーインターフェイスはどうか? -- 私が読んだレビュー記事はほとんどすべてが一様に、ユーザーインターフェイスに慣れるまでには時間がかかるし、Apple のこの時計は新品を箱から出したそのままでは完全に直観的とは言えない、と述べている。

例えば Goode は、デバイスとやり取りできるさまざまの方法を詳しく述べた後で「数日間 Apple Watch を使い続けた後になって、やっとすべてが意味を成すようになってきた」と言っている。

他の人たちも、Apple Watch に慣れるまでには数日間は必要だという点で声を揃える。Manjoo recounts、彼が「Apple Watch に惚れ込む」までに「混乱とフラストレーションに満ちた長い長い三日間」が必要だったと書いているが、「いったん惚れ込めば、あとはもう夢中だった」と結んでいる。

Bloomberg Business の記事で、Joshua Topolsky も同じような意見を述べている。通知を処理するやり方に「最初のうちはひどくイライラさせられた」が、いったん「ウォッチに自分の役に立つ働きをさせるためには手間が必要であることを理解」すれば、イライラは解消したという。USA Today の Andrew Baig も、アドバイスとして「習熟が必要だと心構え」すること、「心地良く使えるようになるには二・三日かかるかもしれないと知っておく」ことを勧めている。

時計として良いものか? -- 正確さに関しては、その点に触れたレビュー記事のいずれもが非常に正確だったと述べている。これは特に驚くほどのことでもない。例えば Topolsky は「Apple が使っている時計機能は非常に正確で、Coordinated Universal Time (協定世界時) として知られる世界的標準時間との差は 50 ミリ秒以内だ」と言う。彼はそれに続けてこの正確さの興味深い副産物に触れる:「すべての Apple Watch は互いに完全に同期しているので、例えば部屋中が Mickey Mouse の顔だらけでも、Mickey の足はすべてのウォッチ上で完全にタイミングを揃えてタップを踏む。信じられないほどクールだ。」

だからと言って、専用の腕時計と同程度にこのデバイスが時計として便利だということにはならない。Daring Fireballの記事で、John Gruber は Apple Watch が不十分と言える具体的状況を数多く列挙する。「スクリーン(またはボタンのどれか)をタップするか、あるいは加速度計とジャイロスコープ(他のセンサーも使っているかもしれない?)の働きで手首が「時計を見る位置」に来ることを探知するかしない限り Apple Watch のスクリーンはオフのまま」なので、普段腕時計で慣れ親しんだ作業のいくつかが Apple Watch ではより困難になったり、または不可能になったりすることさえあるという。例えば:

私はコーヒーを淹れる直前にコーヒー豆をひく。コーヒー豆を数杯すくってグラインダーに入れ、蓋をしてから、右手で押さえてグラインダーを回す。それから左手の手首を見ながら 20 秒間経つのをチェックする。ところが Apple Watch では、ディスプレイが 6 秒ごとに勝手にオフになってしまう。回避策はいくつかあって、例えばストップウォッチに切り替えてから、スタートさせてコーヒーをひき始めることはできる。でも、豆をひき始めるまでは腕時計のことなんか考えもしないのが私の習慣になっているので、ひき始めてしまえば右手は既にグラインダーの蓋を押さえていてストップウォッチへの切り替えなどできない。

The Verge の記事で、Nilay Patel も腕時計としての反応の遅さに不満を述べる:「私の感覚では、スクリーンがオンになるまでの時間が 2 瞬間程度も遅過ぎる。手首を持ち上げて、1 拍、2 拍、待って、やっとスクリーンがオンになる。」Topolsky も同意見で:「Apple Watch は、私がそれを見つめていると気付いてから、やっとスクリーンを動かし始める。手首を微妙にひねっただけで十分なこともあるが、時にはもっと動作が必要になることもある。」

バッテリの話はどうなったのか? -- 普通の腕時計と Apple Watch の最も大きな違いの一つは、バッテリ寿命だ。機械式の腕時計でも(自動巻でなければ)せいぜい一日に一回巻けば十分だし、普通のデジタル時計なら一つの電池で何ヵ月も、あるいは何年も動き続ける。それに対して Apple Watch は毎日充電してやる必要がある。そうは言っても、ほとんどのレビュー執筆者たちが Apple Watch のバッテリはたいていの状況下で一度の充電で丸一日かそれ以上動き続けるという Apple の主張を追認していた。

Apple Watch のパフォーマンスにあまり満足できなかった Patel は次のように語る:「かなり使い込んだ一日には、7pm の時点でバッテリ残量が 10 パーセントまで落ち、私は心配でたまらなかった。でも、たいていの日は実際何の心配もしなかった。Apple はこんなに小さなコンピュータを一日保たせるという難問に挑戦して、成功を収めた。たとえ、その成功が多少のパフォーマンスの犠牲と引き換えのものだったとしても。」

Gruber も同意見だ:「一週間以上毎日使ってみて、Apple Watch は一度の充電で丸一日保つかどうかという私の懸念を十分以上に払拭してくれた。」もっとはっきりこの点を断定したのは Techpinions の Ben Bajarin だ:「バッテリ寿命に関する私の経験から言えば、Apple の言ったことは控え目だったようだ。Apple Watch は楽々と丸一日保ったし、たくさん使い込んだ長い一日でも問題なかった。」

しかしながら、電磁充電器に欠点があると述べたレビュー執筆者が何人かいた。Goode は「知らないうちにウォッチが充電ケーブルからすぐ外れてしまう」と不満を述べ、Baig もある朝ウォッチが充電されていないことに気付いた体験から充電には問題あると語る:「たぶん、前の晩にウォッチがこの独自仕様の電磁充電ケーブルにきっちりと取り付けられていなかったからだと思う。」

フィットネス追跡はうまく働くのか? -- フィットネス追跡は、Apple が特に強調している一連の機能だ。Apple Watch シリーズのうち一つに "Sport" という名前を付けたくらいだから。

Topolsky は「健康機能のセットアップはとても簡単で、結果の表示がたちどころに私の活動量レベルに応じて変化するのが見られた」と述べ、「エクササイズの習慣について人々に教えるという Apple の見事な摩擦なしのやり方は、まさしく正しい方向に向けた大きな一歩だ」と彼は考えている。Goode の意見も同様だ:「Apple Watch を手に入れたら、たぶん Fitbit も必要とすることはもうないだろう。」

他方、Stern はあまり感銘を受けなかった:「Apple はこの第一弾で同社が正確なデータを収集できることを証明したが、そのデータをもとにより良いフィットネスや健康のための本物の提案を提供できるまでにはまだまだ困難が控えている。Fitbit のアプリ、Jawbone や Polar の方が良い洞察を提供できる。」

Manjoo は、彼らの中間に位置する印象を受けた:「特に革新的なものは何もない。私はこれまでたくさんの活動追跡器を試したが、このウォッチにできることはその中で最も安いものとそう変わらない。ただ、他のさまざまな目的のために身に着けるデバイスの機能の一部として、汎用の健康アプリがあるのはとても便利だ。」

私はこれを買うだろうか? -- 答はイエスだ。私は買う。ただし、この記事の冒頭に書いた非常に少人数の人たちのグループに私は属している。つまり、Apple メインの出版物のライターとしてだ。そういう私にとっては、購入はほとんど義務と言える。(その上税金の控除にもなる。)

でも、たとえ私がこれらピクセルの染みだらけの連中の仲間の一人でなかったとしても、私なら買うと思う。例えば、私はフィットネスマニアにはほど遠い(私が普段する健康体操といえば、体をかがめて Apple TV のリモコンを拾い上げるのに毛が生えた程度に過ぎない)けれども、iPhone 6 Plus を購入して以来、自分が毎日どれくらい歩くかとか、階段の上り下りを何回しているかとかいうことを自然に意識するようになった気がする。Apple Watch を身に着けるようになれば、自分のフィットネス意識が向上することだけは間違いない。

また、私は Apple Watch で iPhone のカメラを遠隔操作する機能や、手首の上で電話ができる機能が使えるのを楽しみにしている。時計画面にさまざまのコンプリケーションを追加できるのも楽しみだ。(私が住んでいるのは天候が一定していることで有名なカリフォルニア州 Santa Monica だが、それでも手首の上でいつでも天気予報が見られるのは楽しい。)

さて、Apple Watch を _あなた_ が買うべきか否かは、あなたにしか決められない。でも急ぐことはない。Apple Watch はきっと当分の間世の中に存在するだろうし、時が経てば、さまざまな意味で改善されるに違いない。もしも今は決心がつかないなら、成り行きを見守る (wait and watch) ことをお勧めする。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2015 年 4 月 13 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

DEVONagent Lite, Express, および Pro 3.9.1 -- DEVONtechnologies が、同社のリサーチ用ソフトウェア DEVONagent の三つの版すべて (Lite、Express および Pro) をバージョン 3.9.1 にアップデートした。三つの版のいずれも Stack Overflow と GitHub を検索するためのプラグインを追加し、Express および Pro 版では料理のレシピを含む検索結果をフィルター分けするレシピスキャナ (microdata, RDFa, microformats に対応) も追加された。また、DEVONagent Express および Pro では HTML-to-text 変換、バックグラウンドタスクの管理、ウェブページの無効な BASE URL との互換性を改善している。Pro 版ではさらに、電子メールスキャナの改善(HTML メタデータの中の電子メールアドレスを認識)や DEVONthink への書き出しの改良(アプリケーション名とバージョン番号、検索セットの名前、および検索クエリーをコメントに追加)も施された。(いずれもアップデートは無料。DEVONagent Lite は無料、リリースノート。DEVONagent Express は新規購入 $4.95、 リリースノート。DEVONagent Pro は新規購入 $49.95、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、 TidBITS 会員, リリースノート。10.7.5+)

DEVONagent Lite, Express, および Pro 3.9.1 へのコメントリンク:

FileMaker Pro 13.0.9 -- FileMaker Pro およびFileMaker Pro Advancedバージョン 13.0.9 にアップデートされ、ネットワークコミュニケーションへの攻撃を許す可能性のあった FileMaker の root SSL 証明書の脆弱性を修正した。注意すべきは、いったんこのバージョンをインストールした後には、FileMaker Pro と FileMaker Pro Advanced が内蔵の SSL 証明書を使い SSL 接続を必要とする場合 13.0.9 より前のバージョンの FileMaker Server とはもはや互換でないことだ。必ず今回のセキュリティアップデートの FileMaker サポートページを読んで、あなたが走らせている FileMaker 製品用の正しいアップデート方法を確認すること。(新規購入 $299/$549、無料アップデート、620 MB、10.8+)

FileMaker Pro 13.0.9 へのコメントリンク:

iTunes 12.1.2 -- Apple が iTunes 12.1.2 を出し、OS X 10.10 Yosemite に新たにリリースされた Photos アプリへの対応を追加した。(2015 年 4 月 8 日の記事“Apple、Photos の入った OS X 10.10.3 をリリース”参照。)Apple サポートページには今回のアップデートで「“情報を見る”ウインドウにいくつかの改善点が追加」されたと書いてあるが、再編成された Details 枠を見ただけでもそのことはほぼ明らかだ。フィールドの位置があちこち変えられ、アルバムとアーティストのフィールドが一番上にまとまり、トラックとディスクの番号フィールドも以前より少し格上げされた。(無料、直接ダウンロードならば 205 MB、Software Update 経由ならば 104 MB、10.7.5+)

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iTunes 12.1.2 へのコメントリンク:

GraphicConverter 9.6.1 -- Lemkesoft が GraphicConverter 9.6.1 をリリースした。この古参のグラフィック変換および編集用ユーティリティに少数のアップデートを加えた、メンテナンスリリースだ。今回のリリースでは HPGL 読み込みを改善し、画像内でツールチップを無効にするオプションを追加し、JPEG の特殊ファイルサイズ制限を 8192 KB に増やし、EXIF 日付による改名の際に PDC メタデータ日付への対応を追加し、大きなファイルをスマート切り取りする際のバグを修正し、複数ページの PDF をバッチ変換することに関係した問題点に対処し、コンテクストメニューの Copy コマンドでの問題を修正している。(Lemkesoft からも Mac App Store からも新規購入 $39.95、無料アップデート、234 MB、リリースノート、10.7+)

GraphicConverter 9.6.1 へのコメントリンク:

1Password 5.3 -- AgileBits が Mac 用 1Password 5.3 をリリースして、このパスワードマネージャがTime-Based One-Time Passwords (TOTP) による二段階認証を処理する方法を改善した。Dropbox や Tumblr などのサイトにログインする際にセキュリティ層を一枚増やすためのもので、TOTP ログインでは一回限りのパスワードが自動的に生成され、しかもごく短時間で期限切れとなる。1Password の中であらかじめログイン項目用の TOTP フィールドを作成しておく必要がある。ログインを選択して Edit ボタンをクリックしてから、Section 見出しの下の空白のラベルフィールドをクリックし、それに(例えば TOTP という)名前を付け、それから Tab キーを二回押す。次に、右側にある丸に点々をクリックし、ポップアップメニューで One-Time Password を選ぶ。そこからは、コピー&ペーストでテキストフィールドの中へテキストコードを入れるか、またはそこに現われた QR コードアイコンをクリックしてからあなたのオンラインアカウントで提供された QR コードの上に現われるバーコードスキャナを動かすかすればよい。(1Password 5.3 に TOTP を追加する方法について詳しくはこのチュートリアルビデオを参照。)

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1Password 5.3 ではまた、Identities に保存された番号で FaceTime Audio あるいは Skype の通話を開始できるようになり、さらなる Custom Field タイプ(URL、電子メール、住所、日付、月/年、それに One-Time Password)を追加し、日付の処理を改良し、パスワード充填のアルゴリズムを改良し、セクションやカスタムフィールドを Secure Notes に追加する機能を導入している。(AgileBits からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、TidBITS 会員が AgileBits から購入すれば 25 パーセント割引、無料アップデート、34.8 MB、リリースノート、10.10+)

1Password 5.3 へのコメントリンク:

セキュリティアップデート 2015-004 (Mountain Lion, Mavericks) -- Apple が OS X 10.8 Mountain Lion および 10.9 Mavericks 用にセキュリティアップデート 2015-004 をリリースし、同時にリリースされた 10.10.3 Yosemite(2015 年 4 月 8 日の記事“Apple、Photos の入った OS X 10.10.3 をリリース”参照)に施されたものの多くと同じセキュリティ修正を提供した。多彩なセキュリティアップデートが含まれており、主なものとしては Apache における複数の脆弱性、CoreAnimation の use-after-free 問題、フォントファイルの処理における複数のメモリ破壊問題、.sgiファイルの処理に内在していたメモリ破壊問題、IOHIDFamily に関係したいくつかの問題点、OpenSSL における複数の脆弱性などにパッチが施された。セキュリティアップデート 2015-004 は Software Update 経由で、または Apple の Support Downloads ウェブサイトから直接ダウンロードでも入手できる。(無料、10.8.5 Mountain Lion 用 176 MB、10.9.5 Mavericks 用 112 MB)

セキュリティアップデート 2015-004 (Mountain Lion, Mavericks) へのコメントリンク:

Safari 8.0.5, 7.1.5, 6.2.5 -- Apple が Safari 8.0.5 を OS X 10.10 Yosemite 用に、また Safari 7.1.5 を 10.9 Mavericks 用、Safari 6.2.5 を 10.8 Mountain Lion 用に、それぞれリリースした。これら三つの版のいずれも、ウェブページフォームの AutoFill 互換性を改善するとともに、Private Browsing で使われたウェブサイトファビコン URL を保存しないようにしている。さらに、これらのアップデートはいくつかのセキュリティ脆弱性もパッチしていて、SSL 認証用に Safari がクライアントの証明書を照合する際の問題点により悪意あるウェブサイトに追跡されることがあった問題、ブラウズ履歴が完全には除去できなかった問題 (および Private Browsing で push 通知に応答する際にブラウズ履歴が漏洩することのあった問題)、また WebKit における複数件のメモリ破壊、などが修正された。三つのバージョンの Safari はいずれも Software Update 経由のみで入手できる。(無料)

Safari 8.0.5, 7.1.5, 6.2.5 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2015 年 4 月 13 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の ExtraBITS リンク集では、Smile が TextExpander touch でスニペット喪失の問題に修正を約束し、Apple Watch のアクセシビリティについて調べた記事があり、Apple Watch 開発者が辛抱を呼びかけ、Apple II ウォッチの作り方が説明され、Apple がデバイスやアクセサリのお手入れ方法を説明する。

TextExpander touch 3.2.3 で失われたスニペットを回復 -- Smile が TextExpander touch 3.2.3 (2015 年 4 月 7 日にリリースされたもの) における「スニペットがすべて消去されたように見える」バグを認めた。幸いにも、それらのスニペットは実際に消えた訳ではなく、ただアクセスできなくなっているだけだ。次期アップデートの TextExpander touch ではそれらが復元され、スニペットの同期に Dropbox を使っている人は Dropbox から復元できるようになる。このバグの詳細と対処の方法が Smile ブログ記事に詳細に記されている。現時点で最も重要な注意点: アプリを削除して再インストールしてはいけない! そんなことをすればスニペットが完全に失われてしまうから。

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Apple Watch のアクセシビリティ -- アクセシビリティの問題を抱えている人たちにとって Apple Watch がどの程度うまく使えるのかを知りたい人のために、iMore の記事で Steven Aquino がこの新しいウェアラブル機に Apple が組み込んだアクセシビリティ機能を詳細に解説する。Aquino のレポート記事は期待を抱かせてくれるもので、デジタルクラウンに「はっきり生々しいところがある」とおどけて書いた個所もある。

コメントリンク: 15569

Apple Watch 早期導入者に向けたオープンレター -- Agile Tortoise の開発者 Greg Pierce が Apple Watch 早期導入者に向けたオープンレターを書いて、どうか辛抱して欲しいと呼びかけた。Pierce は大多数の開発者たちがまだ Apple Watch を実際に見ていないこと、アプリを書き終えた人たちもいったん実世界でのテストを済ませてからアプリの書き換えをしなければならないかもしれないことを説明する。また、自分の iOS アプリを Apple Watch へ拡張するためのベストな方法を見つけ出すためにもう少し時間を要する開発者たちがいるかもしれないし、そんなことをしても無意味だったと悟る人もいるかもしれない。具体的な要望がある場合は、その開発者に直接連絡をして、その要望を丁寧にお願いするのがよい、と Pierce は勧める。

コメントリンク: 15571

あなた自身の Apple II Watch を作ろう -- いや、これはエイプリルフールの冗談ではない。Instructables のユーザー Aleator777 が、カスタマイズした Apple II ウォッチを作る計画を公表した。そのために必要なのは 3D プリンターと、若干の電子部品のみだ。ミニチュアサイズのフロッピーディスクや点滅する LED まで付いている。ただし、この Apple II ウォッチは日付と時刻は表示するけれども、ソフトウェアのその他の部分は大体においてオモチャに過ぎない。

コメントリンク: 15570

Apple 製品のお手入れ方法公式ガイド -- Apple が、すべての Apple 製品のお手入れ方法を説明したサポート記事を公開した。iPhone、iPad、iPod、Mac、ケース、ディスプレイ、さらには周辺機器についても書かれている。書いてあるアドバイスの大多数は常識的なものばかりだが、お手入れをする前にこの記事を一読しておき、知らぬ間にあなたのデバイスにダメージを与えてしまわないように心掛けるのがよいだろう。とりわけ、Apple は(窓ガラス用やその他の家庭用クリーナーなど)アセトン含有洗剤をスクリーンのお手入れに使わないようにと強調して警告している。

コメントリンク: 15560


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