TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1273/18-May-2015

今週号の TidBITS では、Michael Cohen が脚本用マークアップ言語 Fountain に関する記事の続きとして Highland を簡潔にレビューする。Fountain をもとにデザインされたテキストエディタだ。Adam Engst は二部作の前半として、フィットネス追跡機能に興味ある人たちのために Apple Watch のハードウェアを調べる。自動車のハンドルを握って長時間を過ごすという人たちのためには、Josh Centers が Automatic をレビューする。ドングルと iPhone アプリの組み合わせを使い、より良い運転ができるようにするというものだ。それから、Joe Kissell の "Take Control of Security for Mac Users" が出版された。これは Joe が執筆した 50 冊目の Take Control タイトルとなる。私たちはこれを祝って(仮想の)パーティーを開催することにした。皆さん全員が招待されている! 今週注目すべきソフトウェアリリースは、Postbox 4.0.1、Voila 3.8.4、Final Cut Pro X 10.2.1 と Motion 5.2.1、それに FileMaker Pro/FileMaker Pro Advanced 14 だ。

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"Take Control of Security for Mac Users" 準備完了

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

過去数ヵ月間にわたって毎週のように TidBITS 会員のために Joe Kissell の "Take Control of Security for Mac Users" を章ごとに出してきたが、今回この 159 ページの本の最終版が出来上がり $15 で発売されたことを発表できて嬉しい。(2015 年 2 月 2 日の記事“"Take Control of Security for Mac Users" を TidBITS でストリーム”参照。)既に全部の章を読んだ TidBITS 会員でなくても、誰もがこの本を入手できるようになった。TidBITS 会員の皆さんは引き続き TidBITS サイトで読むこともできるし、30 パーセント割引の価格で PDF、EPUB、Mobipocket (Kindle) の各フォーマットで購入することもできる。割引クーポンは、Take Control サイトであなたの Member Benefits ページからクリックして行けばロードされる。

つまるところ、どの Mac も孤島でない。私たちの Mac は絶え間なく外の世界と接続されていて、私たちの大切なデータ、財務記録や、電子メールのコミュニケーションや、個人的な写真や、その他何やかやを保存している。インターネットハッカーや、マルウェアアプリ、あるいは Wi-Fi 盗聴者たちにあなたの Mac とそのデータのセキュリティを破られれば、あなたの実生活に極めて重大な影響が及ぶこともあり得る。幸いにも、いくらかの常識と、適切な予防措置により、過度の不便を生じることなくあなたのセキュリティを増すことができる。"Take Control of Security for Mac Users" が扱う話題は次のようなものだ:

おそらく最も重要なことかもしれないが、何か悪いことが起こった際に何をすべきかについてのアドバイスもある。データ喪失、マルウェアやフィッシング攻撃、ネットワーク侵入、なりすまし、その他の状況からどうすれば回復できるかを提案する。

セキュリティとプライバシーの境目は曖昧なことも多いので、Joe のもう一つの本 "Take Control of Your Online Privacy" の第二版 (135 ページ、$15) も今回出版した。プライバシーに関する懸念は幅広く、私たちはさまざまの場所でそれに突き当たる。けれどもあなたのオンライン活動が追跡され分析されているのは事実だ。その一部は良いことでもある。広告を見るのなら、あなたに興味のある製品の広告の方を見たいだろう。でも、その種のターゲット広告によってあなたが通常より高い価格を払うことになったり、あるいは知られたくない病状を暴露されたりする結果になるかもしれない。これは単なる一例に過ぎないが、Joe は普通の人たちがプライバシーについて持つあらゆる疑問を抽出して、それについてあなたに何ができるかをこちらの本に書き込んだ。

これら二冊の本はチョコレートとピーナツバターのように相性が良いので、もしもあなたが "Take Control of Security for Mac Users" と "Take Control of Your Online Privacy" を一緒に購入すれば 価格を 20 パーセント割引くことにした。$30 のところを $24 で買える。

Joe のセキュリティとプライバシー三部作を全部読みたい方は(クリーミーなヌガーも加えるわけだ!)上記の二冊に彼のベストセラー "Take Control of Your Passwords" (105 ページ、定価は $10) を合わせて注文すれば 30 パーセント割引、つまり三冊で定価の $40 がたったの $28 になる。この本はつい最近 2015 年の最新情報を盛り込んでマイナーなアップデートを受けたので、パスワードシステムを構築するための最新のアドバイスがたっぷり得られる。

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Highland で脚本を書く

  文: Michael E. Cohen: [email protected], @lymond
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

少し前に私は脚本書き用の Fountain というマークアップ・シンタックスについて記事を書いた。(2015 年 3 月 5 日の記事“Fountain で脚本の書式を組む”参照。)簡単に要約すれば、Fountain は脚本家がほとんどあらゆるプラットフォームで、事実上どんなテキストエディタを使っても、ほんの少数のシンプルなフォーマッティングの約束事に従うだけで脚本書きができるためのものだ。この Fountain ファイルを伝統的なフォーマットの脚本書類に変換できるアプリはたくさんある。

フォーマットを変換するアプリを別途に使わなければならないというのは余計な手順で厄介だと思うかもしれないが、実際上はそれほど面倒ではない。急速に巨大化する大傑作を見直したり編集したりする際には、伝統的な脚本フォーマット自体の方がむしろ厄介に感じられる。そもそも Fountain ファイルは、そのデザイン目的からして、ちょうど良い程度に脚本のレイアウトを保つ見栄えに見えつつ、書き込んだり書き直したりする際に気を散らされるほど異質には感じないように作られている。その上、自分の作品を他の人に見せる際には変換をするだけでよい。いずれにしても、執筆中の脚本をデバイスからデバイスへと移動させることができ、どんなテキストエディタを使うこともできるという利点は、型通りにコーヒーショップに座って仕事をする脚本職人にとって何物にも代え難いほど大きい。

それでも、Fountain のシンタックスを理解する標準的なテキストエディタアプリが、クリック一つできちんとフォーマットされた脚本への変換をもこなしてくれれば素敵だ。実際それはあまりにも素敵な考えなので、Fountain 自体を作り出した人たちの一人が Quote-Unquote Apps のチームを率いて、まさにそのようなアプリを作ってくれた。$29.99 の Highland だ。これはシンプルな Fountain 対応のテキストエディタと、脚本フォーマッティング用アプリを一つにまとめたものだ。

実際、Highland にできることは Fountain テキストファイルの編集とフォーマット付けされた脚本の PDF 出力のみに止まらない。脚本 PDF を読み込んで Fountain テキストファイルに変換(Highland はこれを "melting" (溶融) と呼ぶ)することもでき、また脚本に特化したハイエンドの著名なワードプロセッサ Final Draft のファイルを読み込んだり書き出したりすることもできる。

テキストエディタとして、Highland の付加機能はごく少ない。でもそれは決して悪いことではない。アプリにたくさんの機能があればあるほど、理解して正しくセットアップすべき機能の数も増えるからだ。(もちろん、Fountain ファイルは単なるテキストなので、パワフルなテキスト処理ツールが必要となれば BBEdit などを使うこともできる。)タイプライターに挟み込んだ一枚の紙と同様、Highland の編集画面は白い空白がただ広がっているだけで、アクションや会話が書き込まれるのを待っている。スクリーン上に見えるコントロールは、左側余白の一番上のところにある二つのトグルボタン(テキストの編集とフォーマット付けした結果の表示とを切り換える)と、左側余白の一番下のところにある書き出しボタンだけだ。

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白い背景色が気に入らなければ、Dark Mode に切り換えれば背景が黒くなり、また Fountain テキストの中のシーン見出しが色付けされて目立つようにもなる。それから、先延ばし症候群の呼び水になるかもしれない邪魔物を消したければ、Highland のフルスクリーン表示が使える。賢明にも Highland はフルスクリーン表示ではテキストをスクリーン中央部の読みやすい幅の部分に表示し、スクリーンの横幅いっぱいにテキストの行を広げることはしない。スペース、タブ、リターンなどの不可視文字を表示したり隠したりもできる。

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Highland のエディタは Fountain 対応なので、いくつか便利な機能を提供する。例えば、テキスト行のどこでも Shift-Return を押せばその行がすべて大文字になる。シーンや会話の見出しに便利だ。また、 Fountain シンタックスのルールでメモや捨てられた部分(Fountain では後者を "boneyard" (墓場) テキストと呼ぶ)をカラー付けする。さらに Highland は「マーカー」を挿入するメニュー項目や、マーカーからマーカーへとナビゲートするメニュー項目も持つ。このマーカーは単にパーセント記号一個のみから成る Fountain メモに過ぎないので、どんなテキストエディタでも挿入したり削除したりできる。

残りをまとめると、Highland は boneyard テキストをマークするメニューコマンドや、テキストに Fountain シンタックスに従ってボールド体、中央寄せ、イタリック体、アンダーラインを施すメニューコマンドも提供する。また、そのままでは Fountain のシンタックス要件を満たしていない見出しやシーン転換など(例えば INT や EXT で始まらないシーン見出し)に対して「強制的」に Fountain シンタックスで見出しや転換と指定することもできる。さらには、脚本の標準的な表紙ページを生成する機能もある。

Highland には Highland Sans という編集用フォントと Courier Prime というプレビュー用フォントが内蔵されている。いずれのフォントも非常に読みやすい。でも、あなたの Mac 上にあるどんなフォントでも、そちらの方がよければ代わりに選んで使うこともできる。また、編集カラムの横幅や行間隔を調整したり、プレビュー表示のいくつかのオプション、例えばシーン見出しを太字にするかどうか、会話の途中に改ページが入った場合に脚本でよく使われる "MORE" と "CONT'D" のテキストを挿入するかどうかを設定したりもできる。

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脚本 PDF を読み込む際、Highland は埋め込みテキストを含むあらゆる PDF で、完璧とは言えないまでもかなり信頼できる働きをする。テキストを画像としてしか含んでいない PDF (例えば脚本を紙からスキャンした場合など) では、その種の画像に OCR を施すアプリ (例えば Smile の PDFpen) をあらかじめ走らせておく必要がある。ここで奇妙な挙動に出くわすかもしれない。例えば私が「業界」の友人から入手した脚本 "The Social Network" の PDF を変換させてみると、標準的でないシーン見出しが見出しとして読み込まれなかった。多くの場合、この種の「溶融された」脚本 PDF で必要となる不具合な部分の修正は最小限の作業で済む。

Highland は標準的な Final Draft FDX ファイル (これは XML ファイル) を書き出すことができ、読み込むこともできる。ただし Fountain 仕様でカバーされない Final Draft ファイルの機能、例えば星付き改訂などは無視される。しかしながら、今後 Fountain が進化して新たな機能を取り込むにつれて、Highland の開発者たちもそれらをできる限り組み込みたいと思っている。

余談だが、iPad か iPhone だけを持って身軽に旅行する人のために、ちょっとしたことを Quote-Unquote Apps が提供している。同社は iOS 用バージョンの Highland を(まだ)出していないが、Weekend Read を出している。これは iOS 用の読書アプリで、どんなテキストファイルでも開くことができ、Fountain フォーマットのテキストを標準的な脚本レイアウトで表示する。また、 Weekend Read は標準的な Markdown ファイル、FDX ファイル、さらには脚本 PDF でさえ、読み込みと表示ができる。iCloud Drive にも対応しているので、あなたが Mac 上の Highland ファイルを iCloud Drive にも保存しているなら、Weekend Read がそれを表示できる。

執筆ツールとしては、Highland は一つの芸当しかできない子馬だ。でもこの子馬はとても人懐っこくて愛嬌がある。それに、もしもあなたが脚本書きに手を染めてみたいという衝動に駆られているなら、乗ってみる価値のある子馬だ。

ところで、この "Highland" という名前はどこから来たのか? それは、あの "Fountain" の名前と関係ある理由からだ。Bette Davis のアドバイスに従い Hollywood への道を夢見つつ Fountain Avenue の一本道を進んで来たなら、Fountain と Highland の交差点で北へ右折しなければならないからだ。

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運動と Apple Watch:ハードウェア

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple は Apple Watch をフィットネスの道具として宣伝しており、Christy Turlington Burns を起用し、London Marathon で走るための彼女の練習経験をブログに綴って貰ったりしている (彼女は、尊敬に値する 3:46:45 でゴールしている)。これは双方にプラスである - Apple は元スーパーモデルに出て貰え、そして Turlington Burns は彼女の価値あるチャリティ Every Mother Counts に対する比類の無い宣伝の機会を得た。

しかし、Apple Watch はマラソンの練習にも役立つであろうか? そして、走るというのは、週に二回近所を数キロ走る程度という場合はどうであろうか? 或いは、運動は、仕事場でエレベータを使わず、階段で上り下りすることでやっているという場合は? 目標は減量だけであり、もし可能ならばカウチでくつろぎながらやりたいという場合はどうであろうか?

私は、私の偏った見方を最初に明らかにしておきたい。私は、走ることや競争することは好きだし、そして、用具も費用も殆どいらず、何時でも何処でも出来、時間もそれ程かからず、それなのに運動効果も大きい走ることに勝るものは殆ど無い。人間として、我々の身体は走るために進化してきた。Christopher McDougal の本 "Born To Run" は、裸足での走りを少々賞賛しすぎだが、とても良い読み物で私も強くお勧めしたい。(競技のために走るというのはどういうことかに関しては、John L. Parker の小説 "Once a Runner" はこの分野での古典だし、 その続編である "Again to Carthage" もまた素晴らしい。)

しかし、今更走り始めるなんてという苦情が聞こえてきそうである。ご心配なく。走れない、或いは走りたくないという人が沢山いることは私も承知しているので、景色を楽しみながらの自転車乗り、或いはプールでの水泳の方がお好みなら、それも結構。地元のジムでの光り輝くマシンと予定のクラスの方が性に合うなら、それも又結構。その辺を歩き回るだけで精一杯という場合でも、何もしないよりはずっとマシである。私にとって、お運動を面倒だ、或いは罰だとすら捉えている人々を見るのはつらい話だが - 私は走り、ElliptiGO に乗り、泳ぎ、かんじきを履いて歩き、Nordic スキーをし、そしてアイススケートもするが、これらはやって面白いからである - もし楽しみよりも、減量目標、デジタル尻叩き、或いは自責の念で自らを動機付けする必要があるのであれば、それでも構わない。

Apple Watch がフィットネスのために何が出来るかを紐解くためには、そのハードウェアが提供するもの、そしてその上で走るソフトウェアがあなたのために出来る事を分けて考える必要がある。今回は、ハードウェアを見てみたい;ソフトウェアについては次回に取り上げる。

Apple Watch の最も驚くべき部分は、Apple がどれだけ多くの技術をその小さなケースの中に詰め込むことが出来たかである。しかし、それは驚くには値するであろうが、それでもトレードオフは存在し、そしてそれが他の分野にもまして目に付くのはフィットネスの場面である。

画面 -- その高解像度カラーディスプレーは驚愕のグラフィックスと容量型タッチ対応のやり取りを可能にしているが、運動中はそのどちらも勝者とはならない。画面は明るい日の光の下では見えにくく、その結果そうでなくとも使いづらいタッチインターフェースは更に使いづらいものとなる。画面は容量性なので、iPhone がそうである様に、通常の手袋を着けたままでは操作出来ない (この問題を解決するために、指先に特別な繊維を使った手袋も最近では出ている)。

ディスプレーに関するもう一つの問題は、腕を上げるか或いは画面をタップした時にしかオンにならず、そして電池寿命を延ばすためすぐにオフになってしまう。つまり、ただ見るだけのためでも余分な動き或いはやり取りが必要であり、これはいつも簡単で、安全で、或いは可能であるわけではない。

これに対して、私が走る時には身につける Garmin Forerunner 620 スポーツ時計は、明るい日の光の下でも完全に見える常時オンの LCD 画面がついている (必要な時のためのバックライトも付いている)。多くの重要なやり取りは見ないでも押せる物理的なボタンに依存しており、またそれにはタッチ式のインターフェースも付いているが、それは感圧式でありどんな手袋を着けた状態でも動作する。

GPS -- これには GPS チップは付いていないので、Apple Watch はあなたの場所を追尾することは出来ない。尤も、同伴する iPhone から集められた情報を使ってそれを知らせることは可能である。フィットネスの観点からすれば、場所追尾は、あなたが何処にどれだけ遠くに行ったかを知るためにとても有用である。現実には、走ったり自転車乗りをする時に iPhone をどのみち携帯するのであれば、iPhone 上のアプリに対する一種のリモコンとして Apple Watch を使うというのは可能である。

GPS の欠如は、その情報を見たい我々のような人間にとっては問題である;私は腰の後ろに iPhone 6 を着けるための ランニングベルトを持っているが (アームバンドは走りのフォームを乱す原因になるし、使ったことのあるものは全て腹の立つものばかりであった)、私が自ら iPhone を身につけて走る唯一の時というのは、知らない街で地理案内や通信のために備えたい場合だけである。運動する最中も iPhone を身につけておくのは気にならないというのであれば、それはそれで結構であるが、どうか運動とテキスト通信を同時にやらないように

加速度計 -- 幸いにも、Apple Watch にはあなたの歩行を検出する加速度計が付いていて、それを元に距離と歩速を iPhone を持っていなくとも決められる。それは、あなたが iPhone を一緒に身につけている時に自己校正するのだが、私はそれがどれ程正確であり得るかに感心させられた。数回走った後で、その数字は私のGarmin で集めたものや私が最近走った San Francisco の Bay Shore Trail の四分の一マイルの表示とも極めて近かった。残念ながら、正確さは上り坂で走ったり (歩幅は短くなる) 或いはより速く走ったり (歩幅は長くなる) すると目に見えて落ちる。これは歩いても同じ様に正確なのか私には分からない(この場合、歩幅はずっと短い) - 私がこれを身につけて長い時間歩いた時には、Garmin ではなく iPhone を持っていった。

心拍センサー -- Apple は Apple Watch の心拍センサーの大部分を作っている。これはより一般的な導電性を利用する方法ではなく、光学的技術を使っている。脈拍を知ることの有用性は、運動をすることの主たる目的の一つは、心拍数を上げることだからである - 心臓は筋肉であり、全ての筋肉と同様、より強くそしてより速く鼓動するよう強制することでより強くなる。アスリートは時として心拍数でトレーニングをする。色々なタイプの結果を求めて、心臓をある特定の範囲内で鼓動するようにする。Apple の技術は良く出来ているように見え、私が Garmin と一緒に時折使う使い心地の悪い胸に巻く心拍モニターの結果とも大体合っている。心拍数に関する真の問題はソフトウェアを中心に展開するであろう - このデータとあなたはどの様に接し、そしてそれをどう解釈するかである。

耐水性能 -- Apple は Apple Watch が IPX7 レベルの耐水性を有していると言っている。これが意味する所は、最大 1 メートルで 30 分間の水没に耐えると言うことである [訳者注:IPコード (International Protection) では、IPX7 を「防浸形」と表現している]。同社は、同時に次の様にも言っている:

  Apple Watch は防沫性能と耐水性能を備えていますが、防水性能はありません。例えば、エクササイズ中、雨の中、手を洗う時に Apple Watch を着用および使用できますが、Apple Watch を水に浸すことは推奨しません。Apple Watch には IEC 規格 60529 にもとづく IPX7 等級の耐水性能があります。レザーバンドは耐水性ではありません。これは、Apple 側での約束は控えめだが、実力は超越しているという例のように見える。何故ならば、多くの人が Apple Watch を身につけたままシャワーを浴びたり、プールに入ったりすらしているからである - テストの全貌は DC Rainmaker の 記事とビデオで見られる (ここは、運動用具に興味のある人は是非見ておくべきサイトである)。

私の考え? Apple Watch がたまたま濡れてしまうのは心配しなくて良い (しかし、iPhone ではご注意を!)。個人的には、これを着けたままシャワーや池に入ったりはしないであろう、と言うのもそうする理由が無いからである - 私は Garmin を着けたまま泳いだりもしないし、 Apple の Workout アプリも Swim カテゴリは提供していない。将来、サードパーティの水泳アプリが現れるかもしれないが、Apple はそれをやってはいけないとしている行動を奨励するものとして拒絶するであろうことは想像に難くない。現時点で分からないのは、もしあなたの時計を濡らしてしまい動かなくなった場合、Apple は製品保証を適用するであろうかである、原因がそのためか或いは他の理由のためかにもよるのかもしれない。

電池 -- 私が使っている間に Apple Watch が電池切れになったのは一回だけである。問題なかった日々には、沢山の走るトレーニング、それには最大 10 マイルの走りと 33 マイルの ElliptiGO 自転車走行、これには 3 時間弱かかった、が含まれる。私の結論は、電池寿命は大抵の人には問題にならないであろうというものであるが、長い時間の運動と時計をしょっちゅう使うのが重なった場合、時計が早く眠りについてしまっても驚かないで欲しい。

もし電力が心配なら、消費を押さえるため走りや歩きの間、心拍数の追尾を不能にすることが出来る:iPhone 上の Apple Watch アプリで、Workouts > Power Saving Mode でこれをやれる。もし電池の残量が低すぎとなった場合、Power Reserve モードにする事が出来る。この場合、時計フェースのみが表示される。

そうではあるが、Apple Watch は本格的な自転車乗り、トライアスロン選手、そしてウルトラ走者には役に立たないと思われる。この人達の練習もレースも何時間もかかるからである。尤も、彼らは特製の機器を既に購入している、と言うのも、走者向けの標準的な GPS 時計では 5-8 時間以上保つものはめったに無いからである。

私は使った経験が無いが、Fitbit や Microsoft Band の様なフィットネス追尾器はまた、睡眠モニターも提供している。私は、Apple がこれを追加するとしたらビックリするであろう。その理由は単純に、大抵の人は夜に Apple Watch を充電するからである。

(個人的には、私には睡眠モニターの必要性は見えてこない - Tonya と私は通常 11 PM から真夜中の間に寝て、7 から 8 AM の間に起きる。もし寝る時間が遅くなったり、早起きしなければならなかったり、或いは途中で起こされたりしたら、ぐったりした感じがするので、次の晩には余分に睡眠を取ろうとする。しかし、もし安定した睡眠スケジュールを保つのが難しかったり、或いは睡眠不足は生産性にも影響すると聞いて驚いているのであれば、電子的な催促も役立つかもしれない。)

Bluetooth オーディオ -- iPhone 無しでも、Apple Watch は対になった Bluetooth ヘッドセットとの組み合わせでオーディオを保存し再生出来る。私は、これを試したことが無いので、これがどれだけ効率的かは言えないが、安全上の理由から、屋外で自転車乗りや走っている時、外部音を全部遮断することには反対である。つい最近、私はトレールレースを走っていて危うく何人かの人に後ろからぶつかりそうになった。これらの人には、私が後ろから何度も左側を抜いて行きますよと声をかけているのが聞こえなかったのである。それに、私は運動を友人達と一緒にするので、どんな種類であれ耳を塞ぐものは社会的に不適切である。これだけ言った上で、もし安全にこれが可能なのであれば、 音楽を聴くことは、あなたの運動の楽しみと健康効果の両方を改善出来るらしい。

全体として、Apple Watch のハードウェアは、好みの運動が歩き、或いはジムでマシンを使う事であれば、要件を満たすであろうし、屋外で走ったり、自転車を乗る時に iPhone を携帯する方法を見いだしている人達にも同じことが言える。

しかしながら、運動中に時計とのやり取りを流動的にやる必要があったり、iPhone を持たずに場所を追尾したい、水泳の運動を追尾したい、或いは長時間の運動が好きであるというのであれば、その目的に合わせて作られたスポーツウォッチ、Garmin, Suunto, そして Polar の様な、を選んだ方が良い。これらは、明るい日光の下でも見やすいし、見ないでも制御出来、内蔵の GPS 機能を提供、水泳を含む複数のスポーツに対応、そして長時間の電池寿命を提供している。そして、睡眠モニターが必要なら、Fitbit や Microsoft Band の様な同じように長年親しまれているフィットネス追尾器に目を向けた方が良い。

勿論、Apple Watch のハードウェアは事柄の半分でしかない。データを表示し、そして分析するソフトウェアが必要である - Apple Watch 上であなたがやり取りするのはアプリである。Apple は、次のメジャーなリリースまではハードウェアの振る舞いを大きくは変えられないが、ソフトウェアは全く違う話である。と言うのも、Apple も独立の開発者も、ユーザー経験を絶え間なく改善して行くであろうからである。ソフトウェアの定まらない標的が次回私が注目するものである。

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みんなのための Automatic

  文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

車の運転をたくさんする必要のある仕事をしたことがあれば、自動車を所有することの本当の意味のコストに痛いほど気付き始めているはずだ。ガソリンの価格はもちろんだが、運転をすればするほど、エンジンも、タイヤも、トランスミッションも、すべて少しずつ損耗する。車を停止させるだけでも金がかかる。ブレーキパッドもローターも摩耗するからだ。

それらすべてに加えて、運転に伴う他の厄介事もある。例えば混雑した駐車場で自分の車が見つけられなかったり、エンジン警告灯をチェックする必要があったり、ティーンのドライバーに頭を抱えたり、そして最も不幸なことに、自動車事故が起こることもある。

幸いにも、これらの悩みのすべてを和らげてくれることのできる機器がある。(TidBITS スポンサー) Automatic が、あなたの自動車に接続する Bluetooth ドングル ( Link と呼ばれる) と iPhone 上でそれにリンクするアプリとの組み合わせを販売している。Link からデータを受け取ったアプリが、あなたの運転の癖を追跡し、陥りやすい危険を警告し、その他たくさんの素敵な機能を提供してくれる。Link の通常価格は $99.95 だが、現在期間限定で TidBITS 読者はたったの $79.96 で購入できる。

Automatic の設定 -- Automatic を見て最初に印象的だったのはそのパッケージだ。届いたのはプラスチック製の六角柱状の容れ物で、Automatic Link が一番上に入っていた。取り出すには、プラスチックの包みを外し、底面のシリコン製のキャップを引き外し、付属する説明書を引き出し、それから容れ物の中に手を差し込み、プラスチックのタブを押してアダプタのロックを外し、最期にやっと輪っかを引っ張ってアダプタを取り出す、という手順が必要だった。正直言って、取り出すのはなかなか大変だった。

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けれども、こんなとんでもないパッケージにしたのにはちゃんと意味がある。この容器は、蓋付きのトラベルカップも兼ねているのだ! 厚手のプラスチックは BPA を含んでいないので安全で、ドライブ中に冷たい飲み物を入れておくのに最適だ。他の面では素晴らしい Apple 製品のパッケージにさえこんな機能はない。それに Apple Watch と違い、Automatic にはステッカーが付く。

Automatic Link をそのプラスチックの牢獄から開放したら、次にすべきなのは iPhone アプリ Automatic のダウンロードと起動だ。ガイドに従ってこのアプリを設定する。その際 automatic.com にアカウントをセットアップする。

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Automatic Link をインストールするには、OBD-II ポートを持つガソリン車で、そのポートにこのアダプタを差し込まなければならない。米国で 1996 年以降に発売されたモデルの自動車ならほとんどがこのポートを備えているはずだ。ポートはたいていステアリングホイールとペダルの間のどこかにある。アプリが要求を表示している状態で、Link をしっかりとこのポートに差し込む。それはちょうど、その昔のビデオゲームコンソールにゲームカートリッジを差し込んだのを思わせる感触だ。いったんインストールされれば Link はほとんど目立たないので、機敏な盗人の目に留まる心配もない。

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残念ながら、OBD-II ポートを持つあらゆる自動車で Automatic が動作するという保証はない。私は当初自分の 1996 年型 Ford Ranger で試してみたが、アダプタに問題があるというエラーメッセージをアプリが表示した。けれども、私の 2008 年型 Toyota Corolla では何の問題もなく働いた。ただし、ファームウェアアップデートのために数分間待つ必要はあったのだが。

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セットアップ手順の最後に、License+ を有効にするかどうかと尋ねられる。これはティーンエイジャーのドライバーのための訓練プログラムだ。

ティーンのドライバーをならす -- License+ は、初心者ドライバーにガイダンスを提供する Automatic の機能だ。運転免許を取ったばかりの状態から、人に頼らず運転できるドライバーになるための架け橋として働く。

この License+ プログラムは 100 時間の運転時間をカバーするが、途中でいつでも無効に切り換えることができる。サインアップする際に運転のコーチを選ぶ必要があるが、これはあなたの連絡先リストの中から誰かを招待してもよい。このコーチは、進歩の具合や運転した場所を追跡することができる。また、あなたが目的地に着いた際にコーチにそのことを知らせることも可能で、停車した際にそれを促すように Automatic アプリの Settings > License+ で設定しておくこともできる。

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License+ は運転にゲーム風の方式を持ち込む。コーチが付いている運転者ならば、一定のことを達成すればバッジが貰える。例えば急ブレーキをしなかったとか、高速道路で運転したとか、夜間に運転したとかいったことだ。進歩するにつれて、より多くのバッジのロックが外れる。

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多くの自動車メーカー、例えば Volkswagen がティーンのドライバー向けの運転追跡プログラムを提供している。けれども私が License+ で気に入っているのは、これがはっきりしたいくつかの目標を定めた漸進的なプログラムである点だ。野放しの子育てと、過干渉な親になることとの間の、賢明なバランスが実現されていると思う。

Automatic の使用 -- いったん Automatic の設定が済めば、使い方はその名の通りに自動的 (automatic) だ。自動車をスタートさせれば Link が動作を始め、運転中にアプリを起動する必要もない。

運転中に Automatic との間でするやり取りは、Link の発する一連のビープ音のみだ。Link は電源が入った時にビープし、あなたが何か間違ったことをすると、例えば急ブレーキをかけたり、アクセルを踏みつけたり、時速 70 マイル以上の速度を出したりすると、ビープする。Star Wars ファンの私に言わせれば、助手席に R2-D2 がいるようなものだ。

ビープ音により、あなたが余計なコストのかかる操作をしていることを知らせようとするのだ。急加速や速度超過での走行は、不必要にガソリンを消費する。また、急ブレーキはブレーキパッドやローターをの過剰な摩耗を招く上に、後の車のドライバーの反応が間に合わなければ追突の原因となる可能性もある。ビープ音は Settings > Audio Feedback で調整できるし、完全に無効にすることもできる。

もう一つの便利な Automatic の機能として、あなたの車がそれに対応している場合、燃料の残量が少なくなれば警告することもできる。残念ながら、私の Corolla はこの機能に対応していない。

アプリのホーム画面上には便利な情報がたくさん書かれている。License+ を有効にしているのでない場合、スクリーンの一番上にはあなたの今週の総走行距離のマイル数、総走行時間、消費した燃料の量、ガロンあたりマイルの燃費が示される。また、その週のあなたの運転評価スコアが 0 点から 100 点までで示される。これは、急加速、急ブレーキ、速度超過をあなたがどの程度避けられたかで採点される。

毎週の履歴をスクロールして戻り、好きな週の統計数字を見ることもできる。特に、ガソリン代の予算を決めたい場合などに便利だ。

残念なことに、License+ を有効にしている場合は、それらの情報が見えない。代わりに License+ の残り時間、運転評価スコアと獲得バッジ数だけが見える。

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ホーム画面上、統計数字の下に、ミニサイズの地図で車を最後に認識した位置が示される。私は自分の車をいったいどこに駐車したか思い出せずにイライラすることが多い。とりわけ、大型店やショッピングモールの駐車場は厄介だ。駐車した場所をマークしておけるアプリはたくさんあるが、Automatic はそれを、まさに... 自動的にやってくれるのが良い。なぜなら、あらかじめ駐車場所を忘れると予期していることなど、あまりないからだ。ミニサイズの地図をタップすればフルサイズの地図が開き、車のある場所への道順が Apple Maps か Google Maps で得られるし、車のある場所を友人と共有することもできる。Apple Watch を持っていれば、手首の上で Automatic アプリが車の場所を示してくれる。

地図の下には最近の旅のリストがあり、停車した個々の場所の詳細、それぞれどれだけガソリンを消費したか、それから、あなたが何か禁止された行動をしたかどうかが示される。一つの旅をタップすれば、道順の地図を見たり、その道順を共有したり、その旅を出張旅行としてタグ付けしたりできる。

仕事上の旅をよくする人なら、出張旅行のタグ付けができれば便利かもしれない。ただ、残念ながらこの機能はまだ完成には至っておらず、出張とマークされたものだけを書き出すことができない。

もちろん、OBD-II ポートはもともと自動車の診断のためにあるものなので、Automatic はその機能も提供する。ホーム画面から、左上にある車のアイコンをすれば、明確なエラーコードが見られる。それだけでも Automatic 自体の価格を払う価値があるかもしれない。修理工場やオートパーツショップに行く不要な手間が省けるからだ。

Automatic のもう一つの大きな機能は Crash Alert だ。Automatic が衝突を探知すると、自動的に Automatic のコールセンターに連絡して、あなたがあらかじめ緊急時連絡先として指定しておいた人たちに援助依頼のメッセージを送るようにすることができる。Settings > Crash Alert で、緊急時連絡先を最大三つまで指定しておける。ありがたいことに、私はまだこの機能をテストできる状況に陥ったことがない。

この iPhone アプリはたくさんの情報を提供してくれるけれども、ウェブサイトのダッシュボードにはさらにもっと多くの情報がある。過去に Automatic を連れて行ったすべての旅の地図が見られるし、ガソリンの総平均燃費を見たり、日ごとのガソリン燃費のグラフを見たり、スプレッドシートで分析するため旅の情報を CSV フォーマットで書き出したり、他にも多くのことができる。

最後にもう一つ、オートメーションが大好きな人なら、Automatic を IFTTT に結び付けて 、あなたの車の現在位置に基づいていろいろなアクションを実行させることができる。(Jeff Porten が記事“今は IFTTT がインターネットを自動化、でも次はどうなる?”(2013 年 12 月 20 日) でこのツールを説明している。)例えば、あなたが仕事場から帰宅の途に就けば IFTTT が自動的にあなたの配偶者にメッセージで知らせるようにもできるし、あるいはもしもあなたが SmartThings 対応の錠前を使っていれば、帰宅した際に自動的に玄関のドアが解錠されるようにもできる。Automatic はまた、Ford 製の一部の自動車に搭載された Ford Sync システムに結び付くこともでき、あらかじめ指定しておいた IFTTT アクションをハンズフリーで呼び出すこともできる。(私はこの機能をテストできなかった。何しろ、私の Ford Ranger に搭載された先進のテクノロジーといえば、私が自分でインストールした CD プレイヤーくらいのものだから。)

Automatic とプライバシー -- 正直言って、自分の Automatic データを書き出したものを見るとちょっとゾッとする。そこには、私がどの車を運転したか、出発地の住所、出発した時刻、どこまでドライブしたか、さらには出発地点と到着地点の GPS 座標まで載っている。

ありがたいことに、Automatic のプライバシー方針 は私がこれまで読んだことのある中で最も良いものの一つだ。Link からサーバへ向かうトラフィックはすべて 128-bit AES で暗号化される。あなた個人についての情報は共有されないが、匿名化されたデータを Automatic が研究目的で集めることはある。

もちろん、警察当局からの要求があれば Automatic はその情報を渡さなければならない。それに、どんなに安心だと言われようと、何らかのデータ盗難を完全に防ぐことができないのは、現に他のクラウドベースのサービスで数限りなく起こってきた通りだ。

究極的には、プライバシーのリスクと Automatic が提供する多くの恩恵とを天秤にかけて、あなた自身が決断しなければならない。しかしながら、あなたの所在位置の恒久的なログ記録が残ることの持つ隠れた利点も、同時に考慮すべきだ。「いいえ刑事さん、私は犯人ではありません。その殺人が起こった日の、私の Automatic ログをご覧下さい!」

けれども、データを私の iPhone 上のみに残してインターネット上には残さないというオプションを Automatic が提供してくれたならばもっと素敵だろうにとは思う。

Automatic はあなたに向いているか? -- あなたの意見がどうであろうと、Automatic がお買い得であるのは事実だ。20 パーセントの TidBITS 割引があればなおさらだ。普通に売られている OBD-II スキャナの価格は $50 ほどだが、それらは単にエラーコードをチェックしたりクリアしたりするだけだ。でも Automatic はそれよりもっと多くのことをする。同種の多くのサービス、例えば General Motors の OnStar のようなものとは異なり、月額料金は必要ない。(それに率直に言って、自動車メーカーが独自に量産したものなんかより、Automatic の方がずっとうまく動作すると思う。)

もしもあなたが毎日長時間を費やして運転しているのなら、それが通勤のためであろうと仕事上の運転であろうと、Automatic はあなたの出費を節約し、ガソリン代を計画管理し、事故の際には助けを呼べる、必須のツールとなるだろう。出張旅行のタグ付け機能はまだちゃんとしていないけれども、データを書き出すことはできるので、たとえ必要な部分だけを手で拾わなければならないとしても、やはり経費報告書を作る際には便利だろう。

また、もしもあなたがティーンのドライバーなら、Automatic はやはり必携だ。License+ 機能はティーンのあなたをより良いドラーバーへと導く助けとなり、同時にあなたの心を平静に保ってくれるだろう。

今の私のようにもはやあまり頻繁に運転しなくなったような人には、Automatic の価値命題はあやふやかもしれない。でも、私の場合は、Automatic のお陰で悪い運転習慣に敏感になることができたと思う。私のスコアが 90 点台の後半より下に落ちたことはないけれども、それでも私の週ごとの平均を見れば着実に向上しているのが分かる。なので、私の個人的感想だが Automatic の穏やかな警告のし方が有効なのだろうと思う。

けれども、もしもあなたが個人のプライバシーがやはり気掛かりだと思うなら、Automatic は痛い所を突かれたのかもしれない。結局のところ、これは追跡をするデバイスだ。でも、さきほども述べたように、リスクの可能性と恩恵とのどちらを取るかはあなたの決断次第だ。そして私が思うに、多くの人は恩恵の方を取るのではないだろうか。

Automatic があなたに向いていようといまいと、これはパッケージからソフトウェアに至るまで、洒落た、うまくデザインされた製品だ。まだまだ滑らかにすべき荒削りな点もいくつか残っているけれども、今どきの車に内蔵されているものも含めて、これまでに見たことのある競合製品のどれと比べても、これは洗練されていると私は思う。

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Joe Kissell が自身の最初の Take Control 本 50 冊を考察

  文: Joe Kissell: [email protected], @joekissell
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私が 50 冊をはるかに超える数の本を書いたと言うと、たいていの人は信じられないという表情で目を細める。まるでジョークの落ちを待っているかのように。でも私はジョークを言っているのでもなければ、大げさに自慢しているのでもない。これは、12 年ほどの間ほとんどフルタイムで次から次へと本を書いてきた結果に過ぎない。いずれにしても、そのうち 50 冊は Take Control タイトルだ。この節目の数字に達したのを機会に、ちょっとした祝賀パーティーを開こうかと私は思った。パーティーは 2015 年 5 月 23 日に開催され、皆さん全員を招待させていただく!

パーティーについて詳しくはあとで述べるが、その前にまず、私が生計のために Take Control ブックを書くという珍しい体験を経て感じたことをいくつか述べてみたい。

物語 -- 私は 1990 年代の中頃から Adam Engst を知っていた。当時の私は Nisus Software で働いており、既に長年の TidBITS 読者でもあった。Adam は親切にも私が 2003 年に書いた本 "50 Fast Mac OS X Techniques" に序文を書いてくれた上に、その本が出版されてから数ヵ月後には私に電話をかけて、彼と Tonya と他の数人の Mac 著者や編集者たちと一緒に電子的出版のちょっとした「実験」をしてみないかと誘ってくれた。彼がそこで語った構想はその後 Take Control として実を結ぶことになるのだが、私は興味を惹かれた。少し前に私は (ソフトウェア開発の管理を担当していた) Kensington から解雇されていたので、時間を持て余していた上に、金を稼ぐ必要にも迫られていたからだ。

そこで私は執筆を始め、それが後にシリーズの最初の本、"Take Control of Upgrading to Panther" となった。驚いたことに、この本はたちまち大ヒットした。この本があまりにも成功し、私は依然として定職を得ていなかったので、すぐに次の本に取り掛かるという案に同意した。今度は Apple Mail についての本だ。これは非常に長くなってしまったので、私たちはこれを二冊の本に分けることにした。(迷惑メールに関する部分だけを独立の本にしたのだ。)これら二冊もよく売れたので、もっと続けることにした。それからの私は、本を一冊書き終える度にすぐさま次の本の執筆に取り掛かった。数ヵ月経って、私は職探しをするのを止めた。Take Control の印税だけで十分生計を立てられる額を得られたし、仕事を自宅で、自分のスケジュールに合わせてできたからだ。片手間に他のこともしていた(例えばほんの一時だけ人気のあったウェブサイト Interesting Thing of the Day を作った)けれども、その後間もなく Take Control ブックの執筆が私の時間の大部分を占めるようになり、収入のほとんどを生み出すようになった。

年月を経て、もう詳しい数字は分からないが、私は Take Control で出版された本の四分の一と三分の一の間くらいを書いてきたと思う。それは並外れた努力によるものではなくて、むしろそれが最も楽な道だったからだ。人々はその後も私の本を買い続けてくださったので、私は書き続けた。そうこうするうちに、私は Macworld やその他の出版物にも記事を書いたり、カンファレンスやグループミーティングで講演したり、その他いろいろの興味深い道へも手を広げた。さらに、お陰で私は五年半にわたってパリに住むこともできた。その後私はカリフォルニアに戻り、家を買った。何て素敵な仕事だろうか!

"Take Control of Security for Mac Users" は私の 50 冊目の Take Control タイトルだ。(冊数は数え方にもよるが、どのように数えて 50 冊目になったかはこの記事の最後のところで説明する。)私にもなかなか実感が掴めないが、これらすべての本、これら何千ページにもわたるテキストを思い返すと、私にとってすべてが貴重な学習体験であったと思い知らされる。

私が学んだこと -- 自分の Take Control タイトルに目を通しながら、私の頭に浮かんだことのいくつかを、ここに順不同で書き並べてみよう:

未来は -- Take Control は常に進化し続け、いつも新しいことにトライし続けている。だから、5 年か 10 年経てば、大きく違ったものとなっているに違いない。時間とお金の比率が意味を成す限り、私は Take Control 本を書き続けたいと思っている。けれども、このペースで本を書くのは(そしてこれだけ多数の本を長年にわたってアップデートし続けるのは)非常に疲れると言わざるを得ない。昨年一年間で私は 7 冊の新しい Take Control タイトルを執筆し、それに加えていくつものアップデートや新バージョンを書いた。それは、私にとってさえ、ずっと維持できるペースではない。

そこで、私は書くタイトル数を減らして個々の本をもっと多く売るために努力を注ぐというやり方にシフトしたいと思っている。そのための一つの策は、もっと長い間タイトルが書棚に残っていられるように、次期バージョンの OS X が出ても完全には時代遅れにならない話題を選ぶことだ。例えば "Take Control of Your Online Privacy"、"Take Control of Your Passwords"、"Take Control of Your Paperless Office" といった「いつも新鮮な」タイトルの方が、一年後に間違いなく無用のものとなると分かっているタイトルよりも私には魅力的になりつつある。

同じように、プラットフォームに依存しない本に力を入れようと私は思い始めている。常に Apple 限定であり続けるタイトルもあるが、例えばパスワードとかクラウドとかについて書けば、読む人がどんなデバイスを使っているかに関係しない内容なので、誰にとっても得るところがあるだろう。それによって私自身にも読者層をぐっと広げられるチャンスがあるだろう。

それに、マーケティングは私の得意分野ではないけれども、やはりマーケティングについてもう少し学んで、自分の本を宣伝し広告する新しい方法を試してみたい。仮に本を書くのは一年に二冊か三冊だけにして、生計を立てるに十分な程度にそれらが売れたならば、私にとってかなりゆったりしたペースが実現されることだろう!

また、新しい分野にも進出してみたい。私の生まれたばかりの Joe On Tech サイトもその一つの試みだ。このサイトを使って、今はまだ TidBITS や Take Control 読者層の外にいる人たちも呼び込もうというのが私の長期的計画だ。

パーティーをしよう -- 大ざっぱに数えて、2003 年以来私は 196,000 冊ほどの Take Control 本を売った。重複しない純顧客数をはじき出せるだけの忍耐力は私にはないが、仮に数万人としておこう。それだけの人たちを私の家に招いて 50 冊目の本を祝うバーベキューパーティーを開催できればよいのだが、それではちょっとした兵站上の困難が解決できないと思うので、ここは次善の策を取ることにして、一緒に 仮想の パーティーをしようではないか!

2015 年 5 月 23 日の土曜日、太平洋時間でだいたい 10:45 AM から正午まで[訳者注: 日本時間では日曜日の 2:45 AM から 4 AM]私は Google Hangout にいて、皆さん全員が Google Hangout に招待される。食べ物と飲み物は各自でご自分の分を用意していただきたいが、私は全参加者のために「パーティーで配る記念品」と言えるものを提供する。つまり、私は物語を語り、何か面白いものをお見せし、どんな質問にも(Mac 関係でも、執筆についても、食べ物についても、私のフランスでの暮らしについても、何でも)お答えしたい。また、TidBITS や Take Control 関係の他の人たちもゲスト出演するだろう。もしもあなたが ほんのちょっぴり 有名な執筆者と一緒に時を過ごしてお喋りしたいと思ったことがあるなら、これこそあなたのための絶好の機会だ。

パーティーに参加するには(あらかじめサインアップしておくことができる)まず Google Hangouts On Air で Joe Kissell's 50th Take Control Book Party に行く。いったんそこに入れば、Yes または Maybe のボタンをクリックすれば出席したい意思を示したことになる。その後何が起こるのか私たちも完全には分かっていないが、早くサインアップした人には Google がリマインダーを送ってくれるのだと思う。(Google アカウントでログインしたくない場合は、どうやらしかるべき時点でビデオを再生することはできるけれども、コメントしたり質問をしたりはできないようだ。)できれば Google Chrome をインストールしておく方が良い(Safari や Firefox よりも相性が良い)し、おそらく tHangouts プラグインも必要だろう。あらかじめそれをインストールしておきたいと思うならばだが。いったんパーティーが始まれば、ビデオ上の三角形の Play ボタンをクリックすれば参加でき、スクリーンの一番上にあるグリッド状のアイコンをクリックして Q&A アプリのサイドバーを開いてそこから質問をしたり投票したりもできる。

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さて、締めくくりに、本の冊数を数えるというややこしい作業について触れておこう。

一つ、二つ、そして... -- 私は何のためらいもなく自分が「50 冊以上」の本を書いたとは言えるけれども、正確な数を言うことはできない。自分の本の冊数を数えるのは奇妙なほど難しい作業なのだが、Take Control 本については特にそれが言える。

最初の著書 ("The Nisus Way") を 1996 年に出版した後、私は曖昧さを残さずに自分が本を一冊書いたと言えるようになった。(私が 7 歳の時に書いた "Arnold and Sam, the Two Dragons" や、1991 年に書いた言語学の修士論文を数に入れなければの話だが。)私が書いた二冊目の従来型の本 ("Cyberdog: Live Objects on the Internet") には共著者がいたので、その時点でもまだ自分が本を二冊書いたと言ってよいか(それとも 1.6 冊と言うべきか)自信がなかった。けれども "50 Fast Mac OS X Techniques" を書き上げた頃には、切り上げて全部で三冊と数えるのが妥当だと思うようになっていた。(それに 2010 年の "Mac Security Bible" を加えれば、もう疑いなしに四冊の従来型の印刷本だ。)

Take Control がスタートすると、新式のこれらの電子ブックを(中にはオンデマンドで印刷本としても入手できるものもあったが)はたして「本」として勘定してよいのかどうかという点を私たちは何度も議論した。私の中の一部分はその重要性を軽く見たがった。何しろ、主流の出版社から出された 600 ページの書籍と、ニューヨーク州 Ithaca のちっぽけな無名の出版者によるたった 90 ページの PDF とでは、はっきりと質的な違いがあるではないか。けれども Take Control 電子ブックを執筆し、編集し、出版するプロセスは、従来型の本で私が体験したプロセスとほとんど同じで、ただ一つの違いは最後の、本を印刷する方法(というより印刷するかしないか)のみだ。異論はあるかもしれないが品質はこちらの方が良い。何人もの専門家たちが、出版に先立ってテキストをしっかりとチェックしてくれるからだ。それに、内容の長さは関係ない。Dr. Seuss の絵本でページ数を数えてみれば分かる! そこで私はすぐに、それまでに私が書いたどの本とも同様に Take Control タイトルもあらゆる点で「本」と呼ぶに値するという立場に自分を切り換えた。

そうは言うものの、その後ほとんどすぐに算数が奇妙な具合になった。Take Control 本をアップデートした場合、アップデートされたものは新しい本なのか、それとも同じ本なのか? また、その答はマイナーなアップデートと丸ごと書き換えた新バージョンとで違ってくるのか? 私の本が別の国の言葉に翻訳されたら、それは新しい本として数えるのか? 私の Take Control 電子ブックのうち二冊が Peachpit 社から印刷版として再出版されたら (例えば "Take Control of Apple Mail" と "Real World Mac Maintenance and Backups") その印刷版は新しい本なのか? もしも Peachpit 社が私や他の何人かの著者たちの電子ブックをまとめて合併した印刷本を出したら (例えば "Take Control of Panther, Volume 1" と "Take Control of Tiger") どうなる? 新しい本が以前の本に基づいているけれどもタイトルが新しくなり内容も大幅に書き換えられていたとしたら (例えば "Take Control of Upgrading to ___" は何冊かあるし、他にもある) どうする? それに、もしもその「本」が実際にはライブのビデオプレゼンテーションを集めたもので、付属する PDF は基本的に注意書きやリンクをリストしただけのものだった場合には (例えば "Take Control Live: Working with Your iPad") どう扱えばよいのか?

そこで、結局のところはどんな数でも適当に選んでそれが私の書いた Take Control 本の数だと主張することもできるようなものだが、今回私が 50 冊としたのは、本の タイトル が違うものだけを別の本として数えた結果だ。出版順に、ここにすべてをリストしておこう:

  1. Take Control of Upgrading to Panther
  2. Take Control of Spam with Apple Mail
  3. Take Control of Email with Apple Mail
  4. Take Control of Mac OS X Backups
  5. Take Control of Upgrading to Tiger
  6. Take Control of Now Up-to-Date & Contact
  7. Take Control of Apple Mail in Tiger
  8. Take Control of .Mac
  9. Take Control of Maintaining Your Mac
  10. Take Control of Running Windows on a Mac
  11. Take Control of Thanksgiving Dinner
  12. Take Control of Passwords in Mac OS X
  13. Take Control of Troubleshooting Your Mac
  14. Take Control of Upgrading to Leopard
  15. Take Control of Easy Backups in Leopard
  16. Take Control of Apple Mail in Leopard
  17. Take Control of MobileMe
  18. Take Control of VMware Fusion 2
  19. Take Control of the Mac Command Line with Terminal
  20. Take Control of Upgrading to Snow Leopard
  21. Take Control of VMware Fusion 3
  22. Take Control of Easy Mac Backups
  23. Take Control of Getting Started with DEVONthink 2
  24. Take Control of Apple Mail in Snow Leopard
  25. Take Control of Mail on the iPhone, iPad, and iPod touch
  26. Take Control Live: Working with Your iPad
  27. Take Control of Mail on the iPhone and iPod touch, iOS 4 Edition
  28. Take Control of Your Paperless Office
  29. Take Control of Speeding Up Your Mac
  30. Take Control of Upgrading to Lion
  31. Take Control of Backing Up Your Mac
  32. Take Control of iCloud
  33. Take Control of CrashPlan Backups
  34. Take Control of Apple Mail in Lion
  35. Take Control of Upgrading to Mountain Lion
  36. Take Control of Apple Mail in Mountain Lion
  37. Take Control of Calendar Syncing and Sharing with BusyCal
  38. Take Control of Your Passwords
  39. Take Control of Dropbox
  40. Take Control of Your Online Privacy
  41. Take Control of 1Password
  42. Take Control of Upgrading to Mavericks
  43. Take Control of Apple Mail
  44. Take Control of the Cloud
  45. Take Control of Automating Your Mac
  46. Take Control of Beta Testing Yosemite
  47. Take Control of FileVault
  48. Take Control of Upgrading to Yosemite
  49. Digital Sharing for Apple Users: A Take Control Crash Course
  50. Take Control of Security for Mac Users

そして、お察しの通り、私は既に 51 冊目に取り掛かっている! 最終的にこのリストがどこまで伸びるのかは見当がつかないが、近いうちにストップするつもりが一切ないことだけは確かだ。

では皆さん、5 月 23 日のパーティーでお会いしましょう!

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2015 年 5 月 18 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Postbox 4.0.1 -- Postbox が 同名の電子メールクライアントのバージョン 4.0 をリリースし、現代的な見栄えを施すとともに、 Cloud Sharing Add-on を通じて Dropbox、Box、OneDrive への対応を追加した。Postbox は Focus Pane を改善して新たなアトリビュートを追加し、複数個のアトリビュート・トピック・連絡先・日付を同時に選択できる機能も加えた。今回のリリースではまた、メッセージの中に署名・トピック・出来合いの返答その他を落とし込むことのできる Quick Bar (Command-L で呼び出す)、違うアカウントから受取り人に電子メールを送信しようとすると警告を出す Domain Fencing 機能、特定の単語や文字数に到達すると知らせてくれる新設の Composition Goals 機能、Compose ウィンドウ内のフル機能の HTML エディタ、それに引用部分のカラーをカスタマイズできる機能なども導入された。そのリリース後間もなく、Postbox はこの電子メールアプリをバージョン 4.0.1 にアップデートして、古い言語パックのアドオンを無効にし、iPhoto メニューにアクセスする際の問題点を修正し、アカウントを削除する際に起こることのあったエラーを修正した。アップグレード価格は提供されないが、2014 年 11 月 20 日またはそれ以降に Postbox 3 を購入した人のライセンスキーは Postbox 4 でも使える。(新規購入 $15、無料アップデート、25.9 MB、 リリースノート、10.9+)

Postbox 4.0.1 へのコメントリンク:

Voila 3.8.4 -- Global Delight が Voila 3.8.4 をリリースし、キャプチャトレイ内のコンテクストメニューにも Share メニューにも Photos for Mac アプリへの対応を追加した。このスクリーンキャプチャ用ユーティリティはまた、一部の Mac モデルが長いスクリーン録画中にスリープに入るのを予防し、ミラーリングされた状況下でスクリーン録画が壊れてしまう問題点を修正し、Publish ボタンを Share と改名し、Marquee ツールを調整して動かした際に選択域がカットされるのでなくコピーされるようにしている。(Global Delight から新規購入 $29.99、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、 Mac App Store からの新規購入も $29.99、無料アップデート、21.6 MB、10.8+)

Voila 3.8.4 へのコメントリンク:

Final Cut Pro X 10.2.1 と Motion 5.2.1 -- Apple が、同社のプロフェッショナル向けビデオ編集アプリの二つをアップデートした。Final Cut Pro X 10.2.1Motion 5.2.1 で、いずれもメンテナンスリリースだ。Final Cut Pro X は 25p および 30p の Panasonic AVCCAM ビデオを再びサポートし、Timeline 内でドラッグして範囲を選択する際の精度を向上させている。一方 Motion は Photoshop ファイルが不適切なカラープロファイルで読み込まれる問題を修正している。Final Cut Pro X と Motion の双方とも、アプリが起動時に終了することがあった問題を修正している。(Final Cut Pro は新規購入 $299.99、2.82 GB、 リリースノート、10.10.2+; Motion は新規購入 $49.99、2.20 GB、リリースノート、10.10.2+; いずれも Mac App Store から入手可能、以前に購入した場合は無料アップデート)

Final Cut Pro X 10.2.1 と Motion 5.2.1 へのコメントリンク:

FileMaker Pro/FileMaker Pro Advanced 14 -- Apple の子会社 FileMaker Inc. が FileMaker Platform をバージョン 14 にアップデートし、30 周年の記念日を祝っている最中のこの古参のデータベースソフトウェアに多数の新機能を加えて改訂した。FileMaker Pro FileMaker Pro Advancedも、新しい Script Workspace を装備してスクリプトの作成・編集・表示が一つの場所でできるようにし、FileMaker WebDirect を再デザインして 25 パーセントの速度向上を果たし、ツールバーを再デザインしてユーザーにブラウザがデスクトップ上でもタブレット上でもスクリーンサイズに適合できるようにした。今回のリリースではまた、モバイルおよびデスクトップ双方のユーザーインターフェイスで働く一連のデザインツールを追加するとともに、すべてのデータベースに手早くアクセスするための Launch Center を装備し、FileMaker Server 14 を改善してネットワーク接続が切れたり不安定だったりした場合にもより早く再開できるようにし、また無料の FileMaker Go 14 iOS アプリのユーザーインターフェイスを更新している。FileMaker Pro 11、12、または 13 からのアップグレード価格は FileMaker Pro 14 が $196、FileMaker Pro Advanced 14 が $329 だ。(バージョン 11 からの アップグレードは 2015 年 9 月 25 日に終了する。)(新規購入 $329/$549、有料アップグレード、420 MB, 10.9+)

FileMaker Pro/FileMaker Pro Advanced 14 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2015 年 5 月 18 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の ExtraBITS のポッドキャスト関係のお知らせでは、出版者 Adam Engst が MacBreak Weekly に出演して Apple Watch を使ったフィットネスを議論し、Adam と Tonya が一緒に MacVoices に出演して TidBITS の 25 周年と今後の展望を語った。また、ベテランのテクノロジーライター Ted Landau が引退を発表し、Nielsen/Norman Group が Apple Watch の使い勝手を分析し、Jason Snell が "Mac OS" の復活を主張し、Verizon が AOL を買収する。

Adam Engst、MacBreak Weekly で Apple Watch フィットネスを議論 -- ホストの Leo Laporte やゲストの Andy Ihnatko と Susie Ochs と共に、Adam はランナーとしての観点から Apple Watch の印象を語る。この番組の話題は他にもさまざまで、12 インチ MacBook、Apple Pay、WWDC での Beats 改訂への期待、など幅広く語られた。いつも通り、とても楽しい番組となった。

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25 周年を迎えて Adam と Look が MacVoices で今後を展望 -- 今日では Apple Watch の話題を避けることができない。そこで今回の MacVoices ではフィットネスの目的に Apple Watch をどのように使えるかがいろいろと語られた。それから、TidBITS 出版の 25 周年を機に、Adam と Tonya はホストの Chuck Joiner と共に今後注目すべき最も興味深いテクノロジーのいくつかを語り合った。自動運転車も話題になった。

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Ted Landau、Apple 関係の執筆から引退 -- 私たちの友人であり同僚である Ted Landau が、職業としての執筆をもはや予定していないと発表した。印刷版の Macworld も廃刊となり、TUAW も、彼自身の MacFixIt (CNET が運営していた) もなくなったので、これを機会に若いジャーナリストたちにバトンタッチしようというのだ。Ted の執筆歴は 1980 年代中頃の Mac 登場の日まで遡り、それ以来彼は常連のライターとしてさまざまの Mac 関係の記事や数多くの本を書き続けてきた。(“Sad Macs, Bombs & Other Disasters”は古典と言えるし、“Take Control of Your iPhone”は iPhone を扱った初めてのタイトルの一つであった。)彼がいなくなって私たちはとても寂しく思っているが、きっと Ted は今後も時々 Twitter に顔を出してくれるに違いない。彼が、妻の Naomi と楽しくオフラインの時を過ごしているのでない間は。

コメントリンク: 15670

Nielsen/Norman Group が Apple Watch の使い勝手を評価 -- ユーザー体験の専門家集団 Nielsen/Norman Group が、Apple Watch に目を向けた。Raluca Budiu は Apple Watch が非常に小さなタッチ目標に依存している点を批判し、ユーザーが項目を一つ一つホッピングのように詳細表示との間で出入りしなければならないリスト表示よりも、左右にスクロールする「トランプ」式のインターフェイスの方が使いやすいとコメントした。また、Budiu は Handoff 機能をもっとスムーズに働かせるにはウォッチが近くに来ると iPhone のロックが自動的に外れるようにした方が良い(Samsung Galaxy Gear スマートウォッチではそうなっている)とも述べた。開発者たちへの提言として、本質的なもののみに焦点を合わせること、ボタンや複雑なナビゲーションは避けること、自立するテキストを作成すること、ウォッチは単なる小さな電話機ではないと理解すること、などを挙げた。

コメントリンク: 15669

OS X を 11 へ -- Macworld 記事で、Jason Snell が OS X から "X" の文字を取り去って Mac のオペレーティングシステムを単なる "Mac OS" とリブランドせよと提言する。Snell の主張は、Apple が Mac 以外のデバイスでも OS X を走らせることを計画しているのでない限り、名前に "Mac" を入れていけない理由は何もないというものだ。それに、"X" を取り去ることで Mac OS は iOS 10 が登場するより先にバージョン 10 の先へ突入することができる。

コメントリンク: 15661

Verizon が AOL を買収 -- Verizon Communications Inc. が AOL Inc. をおよそ 44 億ドルで買収する。AOL の持つ驚くほど堅牢なダイヤルアップインターネットビジネス(2300 万人のアクティブな契約者がいる)に加えて、AOL は The Huffington Post、TechCrunch、Engadget など多くの著名なブログを所有している。

コメントリンク: 15656


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