TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1293/12-Oct-2015

今週号の TidBITS では Julio Ojeda-Zapata を私たちの新しい寄稿編集スタッフとして迎え、彼はこれを記念して Google による最新のハードウェア発表をまとめるが、それらは不気味なほど Apple の発表に似通っている。また音楽をテーマにした記事が二つあり、Josh Centers が Beats Solo2 ヘッドフォンをレビューし、Adam Engst が Apple Music を止めて Rdio に戻るつもりである理由を語る。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Nisus Writer Pro 2.1.2、Lightroom CC 2015.2.1 と Lightroom 6.2.1、ChronoSync 4.6.4、Microsoft Office 2011 14.5.6、Tweetbot 2.1、Typinator 6.7、それから iBooks Author 2.4 だ。

記事:

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Julio Ojeda-Zapata を温かく迎えて

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

皆さんはこれまでもきっと Julio Ojeda-Zapata による TidBITS 記事 にお気づきになったことがおありであろう。そして、ここに我々は彼を寄稿編集者として迎えることを発表出来て嬉しく思う。その他の寄稿編集者には Jeff Carlson, Joe Kissell, Michael Cohen, Rich Mogull, そして Agen Schmitz がいる。Julio は、昼間は St. Paul Pioneer Press 新聞とその TwinCities.com 兄弟サイトの温厚な技術記者であり、後者ではYour Tech Weblog を書いている。

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しかし、彼は最近余暇を利用して広範囲な技術話題を TidBITS のために取り上げてくれている。とりわけ、私は彼が Apple 以外の製品を取り上げてくれていることに感謝している。と言うのも、我々は焦点を Apple にあてているが、より広範囲な業界のことも、そして Amazon, Google, そして Microsoft の様な競争相手が何をしているのかをも知っておくのは不可欠なことだと思っている。我々にとって同様に大事なのは、Julio が熱狂的で、友好的で、そして反応が早いことで - これら全ては考える前にタイプしていく Twitter 時代には希有の特質である。

Julio は Quito, Ecuador に生まれ、そして San Juan, Puerto Rico で育ち、現在は Saint Paul, Minnesota の寒冷地に、妻と息子と共に暮らしている。我々は、最近の惜しまれる Macworld Expo の一つで、Julio と直接会う機会があったが。これで我々には St. Paul と Minneapolis の Twin Cities を訪れるもう一つの理由が出来た。

と言うことで、次回有益だと思った記事に Julio の署名を見たら、コメントでその旨知らせてやって欲しい。

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Beats Solo2 ヘッドフォンに悪評はふさわしくない

  文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple が三十億ドルという巨費を投じて Beats を買収すると発表した際には(2014 年 5 月 28 日の記事“Apple、Beats を $3 Billion で買収”参照)Apple ファンの間からも狼狽の声が上がった。批判の多くは Beats ヘッドフォンにあまり良い評判がないという点に向けられていた。確かに Beats ヘッドフォンは巨大な商業的成功を収めたが、価格が高過ぎ、過度に超低音のファッションアクセサリーだと書き立てられることが多かった。

けれども Beats Solo2 は従来の Beats 製品とはちょっと違う。これは買収後の Beats がリリースした最初のヘッドフォンであり、厳密には Apple 製品と言うべきものだ。そしてこの Solo2 で、Beats は「よりダイナミックな、よりワイドなサウンドを持ち、アーティストの意図にぐっと近づけるだけのクリアさをヒップホップ、ヘビーメタル、ジャズ、エレクトロニック、カントリーのいずれの分野でも実現する」と約束した。残念ながらクラシック音楽ファンの皆さんは、ターゲット市場にはいないようだ。

この Solo2 の価格は $199.95 だが、 Amazon ではグレーのモデルのみをたった $140 で販売している。それより $100 高い値段で Bluetooth ワイヤレスモデルも販売されているが、報道によればこちらは根本的に違ったエレクトロニクスを用いているので別々に評価すべきものだという。

私はワイヤードの Beats Solo2 を数週間使ってみたので、ここにその印象を書いてみたいと思う。三つのことに分けてレビューしよう。デザイン、快適さ、そしてサウンド品質だ。

デザイン -- Beats ヘッドフォンの利点についてあなたが何と言おうとも、このヘッドフォンがよく目立つという点は否定できない。公衆の面前で毎日何時間もヘッドフォンを着けている人にとっては見た目が重要だし、あなたが個人的にこのヘッドフォンを魅力的と思うかどうか私たちが判断することはできないけれども、素敵に滑らかなデザインであることは確かだ。カラーは 10 色以上用意されている。おそらくあなたにも気に入った色が見つかるだろう。

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この Beats Solo2 はスープラ・オーラル型(オンイアー型)のヘッドフォンだ。つまり、サーカム・オーラル型のように耳全体を覆うのではなく、耳の上にパッドが乗るタイプのものだ。また、これは密閉型のヘッドフォンだ。つまり周囲の騒音を遮るとともに、まるで頭の上にスピーカーを乗せているような開放型ヘッドフォンほど音を漏らすこともない。

工業デザインの面を言えば、Beats Solo2 には Apple に相応しいと言える細かな点が二つある。畳み込んで付属の携帯用ケースに入れることができるので持ち運びがし易い。また、ヘッドフォンからオーディオケーブルを引き抜くことができる。この点は、この価格帯のすべてのヘッドフォンに標準仕様となるべきだと私は思う。持ち運びもし易くなるし、ケーブルがダメージを受けても対処し易いからだ。(市販の 3.5mm ステレオケーブルとも、また妥当な価格で市場に出回っている Beats 指定ケーブルとも交換できる。)

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ヘッドフォンケーブルといえば、このケーブルにはマイク内蔵の iOS リモコンが付いているので、楽曲のコントロールも、音量の調整も、電話をかけることも、Siri を呼び出すこともどこでもできる。考え抜かれたデザインはもう一つあって、オーディオプレイヤーに差し込むプラグの端が直角に付いているので突き出し方が少ない。

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デザインに関しては、この Solo2 ヘッドフォンは Apple の標準に則している。魅力的な、考え抜かれたデザインで、大衆受けする理由がよく分かる。

快適さ -- デザインもヘッドフォンの重要な要因だが、さらに重要なのが快適さだ。残念ながら、この点で私は Beats Solo2 にちょっと問題を感じている。箱から出したままの状態では、この Solo2 は私の頭を締め付けて、痛い。まるでスペイン異端審問所の遺物の拷問器具みたいだ。(スペイン異端審問所を求めている人なんか誰もいない!)私にとって珍しいことではない。私の頭は The Great Pumpkin (カボチャ大王) にも匹敵するほど大きいからだ。でも、私はヘッドフォンを広げる技を覚えた。私の頭より少し広いサイズの箱を挟んで、しばらく置いておけばよいのだ。

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何度か使ってみた後は、もう頭を押し潰される感じはなくなったが、それでも長い時間着けていると具合が悪い。たぶん、私の眼鏡も問題の一部なのだろうと思う。Solo2 が耳たぶの上から私の頭を押さえつけるからだ。まあ、いずれ慣れるのだろうとは思うが。私は Sony MDR-V6 ヘッドフォンでも同様の困難を抱えていたけれども、数年間使ってきた今は、履き慣れた靴を履くのと同じ感じがする。

私の妻は、標準サイズの頭なので、Beats Solo2 で快適さの問題を感じたことがない。彼女はこのヘッドフォンが大好きだ。TidBITS スタッフの Michael Cohen も同じヘッドフォンを使っているが、快適さに問題はないと言っていた。でも、インターネット上には私と同じ問題を抱えている人たちからの報告がたくさん見られる。いずれにしても、苦労して稼いだお金を注ぎ込む前に、じっくり試着してみる(お近くの Apple Store にはたくさん置いてあるはずだ)ことをお勧めする。

快適さの面で私が Solo2 を諸手を挙げてお薦めできるのは、耳当てだ。私がこれまで使ってきたヘッドフォンの大多数のようにざらざらしたり汗ばんだりすることが一度もない。

サウンド品質 -- さて、ヘッドフォンを評価する際に最も決定的な、けれども最も扱いにくい基準は、サウンドがどうなのかという点だ。

Beats ヘッドフォンは "boomy" だという定評がある。つまり、低音を強調するあまり、他の音域が犠牲になっているというのだ。当然ながら、Solo2 で聴くヒップホップのサウンドは素晴らしい。とりわけ Dr. Dre の最新のアルバム "Compton" は凄い。(結局のところ Beats by Dre なのだから。)時には、少し古い、低音中心でないトラックを聴くとちょっとぼやけた感じがすることもある。けれども、Solo2 は私が Beats 製ヘッドフォンに予期していたものよりずっとバランスの取れたサウンドを提供するし、ほとんどどんなジャンルの音楽を聴いてもサウンドはなかなか良かった。

数日の間 Solo2 を聴いてから私の最愛の Sony MDR-V6 ヘッドフォンに戻ると、奇妙なことが起こった。Sony MDR-V6 はニュートラルな音に定評があって、生産作業には良いことなのだが、音楽の面で何が欠けていたかを私はまざまざと実感することになった。他方、Beats Solo2 はどんな種類の生産作業にもお薦めできない。私の声がまるで Darth Vader の声のように聞こえるからだ。

でも、サウンド品質というのは主観的な基準だ。ここで、他の人たちの意見も聞いてみよう。

開発者 Marco Arment には、ヘッドフォンを比較する趣味がある。彼のテストの結果 Beats Solo2 はサウンド品質で 30 個中 16 位しか取れなかったが、順位が上で同じ価格帯に属するものは Audio-Technica ATH-M50x、AKG K551、それに B&O H2 の 3 つだけだった。けれども ATH-M50x と K551 は持ち運びのし易さの点で Beats Solo2 とは比較にならず、また Arment によれば H2 ヘッドフォンはサウンド品質が Solo2 と大体同じだが快適性で劣るという。

もう一つ、別の意見を紹介しよう。The Wirecutter によるガイド "The Best On-Ear Headphones (At Any Price)" がある。このコンテストでも Solo2 は優勝しなかったが他のものにひけを取らず、一人のパネリストは最後にトップになった製品より Solo2 の方に高い点をつけた。The Wirecutter の Lauren Dragan はこう書いている。「Beats の将来にとって、本当にワクワクすることがある。Beats Solo 2 は、私たちが聴いた Beats の中でベストのサウンドを持つ。誰もが Solo 2 を非常に快適だと評価し、パネリストの全員がこれまでのどの Beats ヘッドフォンよりも Solo 2 が好きだという点で意見が一致した。」

けれども、同時に Dragan は Solo2 の低音が味気ないと批判して、次のように述べた。「目に見える例えで言うと、中音と高音がグルメ料理だとすれば、低音はどこかの幼児が食卓の上に放り投げたカップ入りプディングのようだ。つまり、そこにあった食べ物は理論的にはまだ美味しいけれども、でもやっぱりそこらじゅうにプディングが散らばっていなければもっと良かったに違いない。そうは言っても、もし Beats の価格が $200 もしなかったら、私たちの印象も違っていたかもしれない。」

そう、そこで浮かぶのが最後の質問だ...

Beats Solo2 ヘッドフォンには値段に見合う価値があるのか? -- Beats に対するすべての批判の核心は、最悪のヘッドフォンとは言えないけれども、得られるものに比較して価格が高過ぎるという点にある。$200 という値段では、私も Beats Solo2 が高過ぎるという意見に異論はない。ただ、他の Beats モデルほどには高過ぎないと思う。けれども今や新品でも $150 以下で買えるようになったし、修復品ならば $100 ほどで手に入る。これなら、クリーンなデザイン、iOS との統合、まずまずのサウンド品質を考えればそれほど悪い値段ではないと思う。

同程度もしくはそれ以下の値段でもっと「良い」ヘッドフォンを見つけることもできるだろうが、その「良い」が何を意味するかは人による。Beats Solo2 は特に大学生に理想的だろう。頻繁に外へ出かけ、優れた遮音性を必要とし、しかも Beats サウンドのデザインの目標である新しい、圧縮された音楽を好むからだ。

しかしながら、戸外でエクササイズをする人には向いていない。重量もあるし、重要な周囲の音(自動車があなたの存在に気付かずに近づいて来る音など)を遮断してしまうからだ。また、一日のほとんどを机に向かって仕事して過ごす人も、持ち運びは難しくてももっと快適でサウンド品質も高い他のヘッドフォンを安い値段で手に入れられるだろう。この Solo2 ヘッドフォンはしっかりした何でも屋だが、一つの技に秀でたところはない。

具体的に皆さんに特定のヘッドフォンをお薦めする気持ちにはなれない。それは、あまりにも個人的な意思決定によるものだからだ。音楽の好み、ファッションのセンス、個人的な快適志向によって大きく影響を受けるからだ。けれどもこれだけは言っておこう。もしあなたが Beats Solo2 ヘッドフォンを考慮中であるなら、これはお金に見合った完璧に素敵なヘッドフォンだと。

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Google の秋イベントが Apple のイベントを反響

  文: Julio Ojeda-Zapata: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

iPhone よ、これが Nexus だ。iPad よ、これが Pixel C だ。Apple TV よ、これが Chromecast だ。Apple Pay よ、これが Android Pay だ。iOS 9 よ、これが Marshmallow だ。Apple Music よ、これが Google Play Music だ。Apple Photos よ、これが Google Photos だ。

Google と Apple は、その昔にはそれぞれウェブ検索とコンシューマ向けハードウェアに特化した会社として全く似たところがなかったが、最近になって互いにテクノロジーの報復合戦をハードウェア、ソフトウェア、サービスの各分野で繰り広げつつ、互いに事実上相手とそっくりの様相を示すようになった。

それは、最近の両社の製品発表を見ても一目瞭然だ。Apple が 9 月に先手を打って二つの新型 iPhone モデルと生産性に重点を置いた iPad Pro、それに改訂された Apple TV を発表した。

予期された通り、Google もそれに対して一連の発表で応じ、この検索エンジンの巨人がますます Apple と直接に競合しつつあることを示した。

Google は Nexus スマートフォンシリーズに二つの Android ベースの新製品を発表し、生産性に重点を置いた Pixel ブランドのタブレットと、家庭用のテレビやスピーカーで使うための二つの新しい Chromecast ストリーミングメディアデバイスを出した。さらには Google Play Music と Google Photos に対するいくらかの更新もあった。

新しい Nexus フォン -- Android の走る独立のスマートフォンは大量にあって最大規模のモバイルプラットフォームとなっているが、その中で Google はメーカーと共同作業することにより定期的に最新鋭の Nexus デバイスを作り出し、それによって市場の方向を定めようと努めている。

今年は、Nexus ブランドが誕生して以来初めてのことだが、Android ファンたちが二つのスマートフォンから選べるようになった。

今回の二つの新型スマートフォン Nexus 6P と Nexus 5X にはいくつか共通点がある。新しい Android 6.0 "Marshmallow" と、Apple の 12 インチ MacBook のものに似た USB Type-C 充電コネクタ、低光量でのパフォーマンスのためピクセルを大きくした 12.3 メガピクセル背面カメラ、4K およびスローモーションビデオ撮影、それに Nexus Imprint 指紋センサーだ。

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このセンサーは Google の新しい Android Pay システムと共に NFC ターミナルを備えた小売店鋪で使うことを意図している。ちょうど Apple の Touch ID センサーが店頭でタップして支払う Apple Pay と共に使うようになっているのと同じことだ。その上、Touch ID と同様、この Imprint センサーはロックされたスマートフォンにアクセスするためにパスコードの代わりに使うこともできる。

一つだけ大きな違いがある。Google のセンサーは、スマートフォンの背面にあるのだ。

二つの Nexus フォンはいずれも、Google の新しい Project Fiワイヤレスサービスで働く。これは Wi-Fi と複数の会社 (T-Mobile と Sprint を含む) のセルラー信号を混ぜ合わせることにより信頼できるデータ接続を保証しようとするものだ。従来、Project Fi で働くスマートフォンは Nexus 6 のみであった。

Marshmallow には多くの便利な機能が組み込まれた。例えば Doze モードはハンドセットが無人の状態に置かれていると電話機能のいくつかをスタンバイモードに切り替える。どこかで聞いたことがあるって? そう、これは、iOS 9 の Low Power Mode によく似ている。

それ以外の点では今回の二つの新型 Nexus フォンは互いに大きく違っている。

5.7 インチの Nexus 6Pは、ボディ全体が金属製となった初めての Nexus フォンだ。具体的には航空機グレードのアルミニウム製だという。これで、Apple やその他のメーカーの金属ボディ製品と肩を並べられるようになる。

Huawei 製のこのスマートフォンが装備するのは 64-bit プロセッサ、8 メガピクセルの前面カメラ、前面ステレオスピーカー、それに Gorilla Glass 4 を備えた 2560 × 1440 ピクセルのスクリーンだ。価格は 32 GB 版が $499 からで、64 GB モデルなら $549、128 GB モデルなら $649 となる。カラーはブラック、ホワイト、シルバーだ。

このスマートフォンも、少し小さいその兄弟モデルも、1.55 ミクロンのピクセルをカメラセンサーに備えている点で新型 iPhone より先んじている可能性がある。Apple の iSight カメラでは 1.22 ミクロンだからだ。これは、少なくとも書面の上では、低光量でのパフォーマンスが良くなると読める。Google はこれを(また強化されたオートフォーカスや HDR など他の低光量向け機能も)プレスイベントの席で大々的に宣伝した。

けれども Nexus 6P には、最近騒がれた大きなハードウェア上の難点がある。写真やビデオの撮影のための光学的画像安定化(手ぶれ防止)機能がないのだ。一方 Apple の側の iPhone 6s Plus ではこれが目玉機能だ。Google は当初、センサーが改善されたので光学的画像安定化は必要ないと主張していたが、その後ソフトウェアアップデートでこの問題を(少なくともある程度は)修正するつもりだと述べた。

より小型の 5.2 インチ Nexus 5X は、LG 製だが、人気を博していたのに現在は廃止されている Nexus 5 の直接の後継機種となる。この 5X は、金属製でなくソフトなタッチのプラスチックで作られたボディを持ち、シングルの前面スピーカー、5 メガピクセルの前面カメラ、1920 × 1080 ピクセルの Gorilla Glass 3 スクリーンを備える。価格は 16 GB が $379、32 GB 版は $429 だ。カラーはブラック、ホワイト、ライトブルーだ。

いずれのハンドセットも米国と英国を含む少数の国で予約注文が可能で、モデルと構成にもよるが 2 から 5 週間で出荷できるという。Google は契約の魅力を高めるために 90 日間の Google Play Music 購読と、$50 相当のアプリ、ゲーム、ビデオコンテンツが購入できる Google Play ストアクレジットを付けている。

また、史上初めて、Google は 1 年間のメーカー保証を最大 2 年間まで延長する Nexus Protect プランの提供を始める。これには、偶発的破損に対する 2 年間の保護(2 回までの事故を申し立てることができ、それぞれ $79 は免責となる)も付く。このようなプランが Nexus 5X では $69、Nexus 6P では $89 となる。このプランにより Google は Apple とほぼ肩を並べることになる。AppleCare+ は iPhone の偶発的破損もカバーするからだ。

Pixel C -- タブレットに目をやれば、Google は初めて 自社内部のみで開発したモデルを出そうとしている。従来、Google のタブレットはサードパーティのメーカーとの提携により開発され、良い面も悪い面も含む結果が出ていた。

それだけではない。この 10.2 インチのタブレットは Nexus のブランド名を使わず、ハイエンドの Chromebook Pixel ノートブック機(これも Google 内部で開発された)と共通の Pixel という名前を採用した。このタブレットには Chromebook Pixel と同じオールアルミニウムの角ばったスタイルが採用され、Chromebook Pixel とよく似た高解像度のディスプレイと USB Type-C 充電テクノロジーが装備される。

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ところが、ちょっと混乱してしまうが、この Pixel C は Chromebook Pixel と同じにウェブに焦点を置いた Chrome OS オペレーションシステムを走らせることはせず、Android Marshmallow を走らせる。

この Pixel C は Apple の iPad Pro と同様、生産性のための使用を念頭に置いて作られている。だからこそ Google は Bluetooth 経由で Pixel C とやり取りする $149 のアドオンキーボードを提供するのだ。このキーボードはタブレットの背面にくっついて一種のドッキングステーションとして機能するはね上げ板を使って Pixel C に磁石で付くようになっている。

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この磁力接着は非常に強力で、キーボードを持って逆さにしてもタブレットが落ちたりしないくらいだ。これはプレスイベントの中で Google 社員が実演してみせたことだ。

金属製のこのキーボードには Chromebook Pixel のものとよく似たキーが付いている。(あまり使わないキーをタブレット画面に移すことで余地を稼いでいる。)また、はね上げ板によって Pixel C の角度を調節することもできる。ノートブック機のスクリーンを調節するのと同じことだ。キーボードは電源をタブレットから得る。つまり別途充電する必要はなく、バッテリは二ヵ月保つ。

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この Pixel C の価格は 32 GB モデルが $499 で、64 GB 版は $599 となる。年末のホリデー商戦には間に合うように出荷されるはずだ。

Chromecast -- Google は、Apple TV のようにリモコンで操作するストリーミングビデオボックスを提供するのではなく、もっとコンパクトなドングルを作って、このドングルをテレビの HDMI ポートに直接接続し、リモコンでなくスマートフォンやタブレット、あるいはコンピュータでコントロールするようにしている。

これを使えば、ラップトップ機またはハンドヘルド機で動く Chromecast 対応のアプリがテレビを代替ディスプレイとして使えるようになる。(ただしテレビとのコミュニケーションは Apple TV のように家庭内 Wi-Fi 経由ではなくインターネット経由で行なわれる。)今や Chromecast 対応のアプリは何千もあり、ニュース、エンターテインメント、スポーツ、ゲーミングなどの有名どころのアプリも多数揃っている。

これはすべて完璧にクロスプラットフォームなので、iOS デバイス、Android のさまざまのバリエーション、あるいは Google Chrome ウェブブラウザの動作するすべてのコンピュータで使える。

そして今回、Google はこの Chromecast ドングルを改訂した。デザインが新しくなって何となく丸いキャンディーを思わせるようになり、ブラック、レッド、イエローの三色が入手できる。HDMI コネクタは短いケーブルの形になり、窮屈な部屋の隅でもテレビの HDMI ポートに差し込み易くなった。

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Google によればこの新型 Chromecast は最新の Wi-Fi 標準に対応しており、変化の多い家庭内 Wi-Fi 条件にもより良く順応できるアンテナを備えて、少ないバッファ量で最適なビデオストリーミングを確保するという。

この Chromecast により、スマートフォンがゲーミングコントローラとなる。メインのアクションはテレビの画面に映し出され、二台以上のスマートフォンを使ってマルチパーソンのゲームもプレイできる。Backdrop と呼ばれるテレビ壁紙機能も、500px と Getty Images サービスに対応して更新された。

価格はたったの $35 で、既に入手可能だ。

これとは別に Chromecast Audio デバイスもあってこれも先週発表されたのだが、こちらはテレビではなくスピーカーに差し込んで使い、Wi-Fi で接続されさえすれば幅広い内容のオーディオ番組をストリームできる。例えば Spotify、Rdio、Pandora、それから Apple Music の Google 版とも言える Google Play Music も聴ける。丸い形のこのデバイスは Android や iOS のアプリを使って、あるいはデスクトップコンピュータを使ってもコントロールできる。

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この Chromecast Audio の価格も $35 で、既に入手可能だ。

Google は Android および iOS 用の Chromecast モバイルアプリもアップデートして、いろいろと絡み合った Chromecast アプリの数々を選り分ける助けとなるようにした。その上、アプリの推薦まで提供する。アップデートされたこのアプリは今後数週間以内に入手できるようになるはずだ。

Google Photos -- たくさんのハードウェア発表の中にほとんど埋もれそうになっていたのが、Apple の iCloud ベースの写真サービスに直接競合するサービス、Google Photos への二つのアップデートだ。

Google Photos は、多くの Apple ユーザーにとってさえ魅力的なサービスだ。最大 16 メガピクセルまでの写真ならば無制限の、またはフル解像度の写真ならば 15 GB まで(それを超えれば料金がかかる)のアップロードができる。Apple の iCloud Photo Library で無料で提供されるストレージ容量はたったの 5 GB だからだ。

先週 Google が発表したのは拡張された顔認識検索と、iCloud で提供されるものとおおよそ同等の共有アルバム機能、それから Apple TV で写真を見るのと同種の Chromecast ベースの写真一覧機能だ。さらに、Google Photos では一連のバースト写真をアニメーション GIF に変えることもでき、これは新たに iPhone 6s と 6s Plus に搭載された Apple の Live Photos に近い。

その昔の Google+ Photos 版の写真サービスにはあったのに Google Photos への移行に際して抜け落ちてしまった豊かでパワフルな写真編集機能があるかどうかについては、何も発表がなかった。Mac ユーザーにとっては、Apple の Photos アプリにサードパーティ編集拡張への対応が備わったことがなおさら魅力的に感じられることだろう。

Google のハードウェア戦略 -- Apple のファンたちは、Google のこれらの新製品に対して人それぞれの関心(あるいは無関心)を持つことだろう。それは、どの製品についての話かによっても変わる。

例えば、Mac ユーザーが iPhone の代わりに Nexus フォンを買おうという動機はほとんどない。何より、Apple エコシステムへの統合がないからだ。

同じことが Pixel C についても言える。iPad には予算状況と使用状況に応じて多彩なモデルが揃っているし、いずれのタブレットも Apple エコシステムに緊密に結び付いているからだ。

その上、Google は Google のクラウドサービスを使う Apple ユーザーのために良く出来た iOS アプリを提供している。

Chromecast デバイスの方は、Apple 側の観点からもなかなか興味深い。これらは Android のみならず iOS からもコントロールできるからだ。でも、非常に予算に限りのある人たちを除いて、たいていの Apple ユーザーは間もなく登場する第四世代 Apple TV を買うのではなかろうか。

いずれにしても、最も頑固な Apple ユーザーにとってさえ、Google の製品の登場はありがたいことであるはずだ。なぜなら、それらは Apple に対してもっと革新せよと拍車を掛ける働きをするだろうからだ。そうして、さらにもっと良い製品が、もっと速いペースで登場するようになるだろう。Apple と Google は、もうかなり長い期間にわたってお互いに一歩ずつ優位に立とうと競い合っているし、どうやらその傾向は当分薄れるようにも見えない。

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Rdio に戻る: 私はなぜ Apple Music を止めたか

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

音楽は、昔は単純であった。ラジオのスイッチを入れ、信頼できる局に合わせればよかった。CD を入れて Play ボタンを押すか、または私みたいにマルチディスクチェンジャーにお気に入りのアルバムを 6 枚入れっぱなしにして単に Shuffle ボタンを押すだけでもよかった。少しだけ余計な手間をかけさえすれば、カセットテープやレコードでさえまあまあ簡単だった。そしてデジタル音楽の初期の時代には SoundJam が、そして後になってその後継者となった iTunes が、音楽コレクションを手軽に再生できるようにしてくれた。一つのアルバムを再生するのも、自分のライブラリの中をシャッフルするのも簡単にできた。

けれどもその傾向は自ら反転してしまった。今日では、iTunes で音楽を再生するのは非常に困難な作業になりかねない。ひっきりなしに管理を必要とし、いつでも決断を求められるからだ。(Kirk McElhearn の "Take Control of iTunes 12: The FAQ" が 250 ページ以上と膨れ上がったのにはちゃんと理由がある!)Apple が iTunes のインターフェイスを頻繁に変更してきたことは忠実な Mac ユーザーの多くの気持ちを離れさせたが、そもそもそれが大体において今日の事態の大きな原因だ。そして、私が二年前に Rdio の購読を始めたのもそれが主たる理由であった。

Rdio にはもう一つ大きなありがたみがある。私は音楽の欠乏した時代に育ち、絶対に好きになる確信がなければアルバムを買うこともできなかった。自分用のレコードプレイヤーも持っていなかったので、好きな曲をカセットテープに録音して いつもそればかり 聴いていた。高校生になると音楽の好みが友人たちと合わなかったので、気に入った曲の録音を交換したりできる友人に出会うのは大学に入るまで待たなければならなかった。でも、大学生になっても、私の音楽コレクションは他の多くの人に比べて極めて小さいままだった。結局私はデジタルファイル共有に足を踏み入れることなく、自分が iTunes Store で散在し過ぎるに違いないことが目に見えていたので、iTunes ライブラリに加えるのは(私には決して手が出ないアルバムの中にある)本当に大好きなシングル曲のみにしようと自らに制限を課した。

なので、 SpotifyRdio のようなストリーミングサービスが登場した時の私の反応は想像して頂けるだろう。それは有り余るほどの財宝だった。それまで私が試してみることすらできなかった果てしなく多くの音楽がそこにあった。両者を比べてみて Mac 上では Rdio のさっぱりした白いインターフェイスの方が Spotify の暗い見栄えより気に入った私は、まず広告を取り除くために月額払いプランにサインアップして、試してみたいと思うアーティストやアルバムのコレクションを構築し始めた。聴かずに買うのは嫌だったからだ。

それからあっという間に二年が経ち、Apple Music が登場した。価格は Rdio とほとんど同じで、音楽の選択肢はたぶん Rdio よりも良く、私が持っている Apple デバイスのすべてと統合されるという点では最高であるはずで、三ヵ月の試用期間は試してみるための素晴らしい機会だ。そうして私の試用期間はもうすぐ終わるのだが、この時点で私にとっての大問題は、Apple Music には確かにさまざまの利点があるけれども、それを考慮した上で私は Rdio の契約を切って代わりに Apple に料金を払うべきか否かという問いであった。

答は、まさにその正反対だ。Apple Music は、iTunes の入り組んだインターフェイスの中にがんじがらめになってとにかく使いにくい。別に使えないという訳じゃない。私は使い方を完璧に知っている。BBEdit で grep を使って複雑な正規表現の検索をするやり方を知っているのと同じことだ。でも、BBEdit でその余分の労力を費やすのは、結果にそれだけの価値があるからだ。対照的に、iTunes の中で不明瞭かつやたらに変化し続けるコントロールを手探りして進んでも、Rdio の中で二・三回クリックして得られることを超える結果は得られない。とりわけ、音楽ライブラリの構築に関してはその差が際立つ。

詳しい説明に入る前に、私が音楽を見つけて聴く際の好みの方法があなたのやり方と違うものである可能性が高いという事実だけは、はっきりと認めておきたい。実際どうかは知らないが、私のやり方は多くの人から見れば奇妙なものなのかもしれない。いずれにしても、iTunes が妨害をしがちで Rdio がそうでないということだけは確かだろう。

Rdio をオンにする -- 新しい音楽を探そうとする際に、たいてい私は次のようにする。まずは私が好きな曲からスタートする。大体においてその曲は既に Rdio で再生中だ。アーティスト名を一回クリックすれば Rdio がアーティストページを開き、そこにはそのアーティストの略歴と、トップアルバムと、トップ曲、また関連あるアーティストたちも何人か示される。そこで私はたいていランダムに関連あるアーティストを一人選び、クリック一つでそのアーティストのページを開く。もう一度クリックすればそのアーティストの最も人気ある曲かアルバムの再生が始まるので、それを聴いて気に入れば、もう一度アルバムカバーをクリックすればその内容が表示され、たいていの場合レビューや関連あるアルバムなども示される。アルバムを丸ごと聴き終えた後で、ハートボタンをクリックすればそのアルバムが私のお気に入りに追加されるし、その中の特定のいくつかの曲だけを気に入った場合はコンテクストメニューからそれらの曲のみをお気に入りに追加することもできる。要するに、Rdio の持っている 3 千万曲のライブラリを探索するのは、高速で滑らか、柔軟性もある。

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一つの曲やアルバムとは限らない一連の音楽を再生するのも同じくらい易しい。ステーションベースの主たる方法は三つある。Rdio が "Adam FM" と呼ぶ私のお気に入りと、アーティストベースのステーション、そして楽曲ベースのステーションだ。個々のステーションごとに三段階のスライダーがあって Rdio をどの程度冒険的にするかを選べる。最初の位置にすればあなたのお気に入りや指定されたアーティストのみから再生し、二番目の位置にすれば関係の強い曲を再生し、三番目の位置はずっと離れた曲も選んでよいと Rdio に指示する。

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個人的には、私は Adam FM にして私のお気に入りリストのみから Rdio が再生するようにし、ほんの時々はアーティストを選んで再生しつつスライダーを二番目の位置にすることもある。良くない曲は私の耳にはとてつもなく不快に聞こえるし、ひっきりなしにプレイヤーをいじくる(トラックをスキップすれば次に進めるし、親指下げのボタンをクリックすれば現在のステーションではそのトラックが二度と再生されなくなる)羽目になるくらいなら Rdio が何も再生しない方がましだと思っている。できれば、Rdio には現在再生中のものをその場その場で常時表示して欲しい。アルバムカバーを表示したり、アルバムの中にいる間は設定されたリスト内のものを表示したりすればよい。

そしてもちろん、プレイリストも好きなように作れるけれども、私はめったにそういうことをしない。コレクションの中身をあれこれと真剣に考えたりする時間もないし、Adam FM とアーティストステーションだけでも私の決めた制限の中で十分に変化に富んだものを提供してくれるからだ。

言うべきことはこれでほとんど全部だと思う。Rdio には音楽を見つける方法が他にもたくさんある。流行しているアルバムを丸ごとコレクションにしたり、最新リリースのみを集めたり、お気に入りに基づいてパーソナライズされた推薦曲を示したり、私がフォローしている他の Rdio ユーザーたちが聴いている音楽を集めたり、その他にもジャンルベースのステーションが山ほどある。いずれにしても、私が好きな音楽のみを推薦してくれる信頼できるアルゴリズムにはまだお目にかかったことがないし、人々に任せても大して良い結果は得られない。むしろ私はコレクターであって、自分で音楽を見つけるのが好きなのだ。(必要となれば、Rdio には完璧に有能な検索機能もあるので、誰かアーティストやアルバムについて書かれたレビューを読んで聴いてみたいと思った場合に頼りになる。)

iTunes に向かって手探りする -- もう何年も Rdio でこのやり方を使ってきたという事実をとりあえず無視して、iTunes の中で Apple Music で私のシステムを一から作り直すのは可能なはずだということは言っておかなければならない。けれどもそれはなかなか難しく、自分にそれを達成させようとかなり務めたのだが、結局私は最後までやり遂げることはできなかった。

まず初めに、iTunes を起動すると、前回いた場所を再現してくれる。つまり、前回 App Store で iPhone アプリのページを見ていたが今回は音楽を聴きたいという場合、しっかりと自分の視線を向け直して iTunes のナビゲーションバーの左側にあるあのちっぽけな音符ボタンをクリックして Music に切り替える必要がある。その次には(ここでも状況は前回 My Music で何をしていたかによって変わるのだが)コレクションを見るためにはナビゲーションバーの中央部分にある My Music か Playlists をクリックしなければならないかもしれない。

Rdio での Adam FM に相当するものを開始するのは簡単だ。ただサイドバー上の All Artists をダブルクリックするだけでよい。ただしそれがどのサイドバーにあるのかは My Music にいるか Playlists にいるかによって変わるし、そもそも必要なサイドバーが見えるのは iTunes ナビゲーションバーのずっと左にある Artists 表示にしている場合のみだ。それに、iTunes はアルファベット順で最初のアーティストの最初の曲を再生し始めるけれども、いったんシャッフルモードに入ってしまえば、現在何が再生されているかを知るにはウィンドウ最上部のちっぽけな LCD ディスプレイを見る以外にない。(一つヒントがある。Controls > Go To Current Song を選ぶか Command-L を押すかすれば、その曲のアーティストページにジャンプできる。)MiniPlayer ウィンドウならば現在再生中のものがよく分かるが、そのためにはまたもや新たなウィンドウを操作しなければならない。(その上、LCD ディスプレイにはシャッフルボタンがない。)

ここでちょっと話題を変えて、Rdio でするように新しい音楽を探せるかどうかやってみよう。メインウィンドウで My Music または Playlists にいる場合には、Apple Music でアーティストのページを開こうとするのは何とも不可解な課題となりかねない。当然ながら、Artists 表示にいれば単にサイドバーでアーティスト名をクリックするだけでよい。それは問題ない。

でも、ここからが難しくなる。Songs または Albums の表示にいると、楽曲タイトルの上にマウスをかざした場合にのみ現われるちっぽけな ... ボタンをクリックするとポップアップメニューが(いずれは - 私はいつもここでしばらく待たされる)開いて、そこに Go To Artist コマンドがある。けれども Artists、Composers、Genres のいずれかの表示にいると、それと同じポップアップメニューに Go To Artist コマンドはない。

この ... ボタンのメニューには、現在の曲の iTunes LCD や MiniPlayer ウィンドウからクリックした場合も、あるいはそれぞれのウィンドウの Up Next にあるどんなものからクリックした場合も、Go To Artist コマンドがあるようで、それは素晴らしいことだ。いや待て、素晴らしくなんかない! ステーションを再生している場合には(そしてまさにその場合こそ、そのコマンドが欲しくなる可能性の高い状況ではないか)LCD にも MiniPlayer にも Go To Artist コマンドが現われない。ただし、For You プレイリストを再生している場合は現われる。iTunes の挙動を予想するのは、まるでインチキ賭博を相手にしているようなものだ。

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さらにしゃくに障ることに、そのポップアップメニューには Show In iTunes Store コマンドがどうやら常時あるようだ。けれども、それを選べば iTunes Store が開くのであって、Apple Music でアーティストページが開くのではない。いったん iTunes Store に入ってしまえば、そこから Apple Music のアーティストページに戻る方法はない。Controls > Back コマンドでさえ、iTunes Store 自体の内部しかナビゲートできない。

何らかの方法でようやく Apple Music のアーティストページを開くことができたならば、そこには Rdio と同じ基本的機能が提供される。トップ曲、トップアルバム、略歴、関連あるアーティストたちだ。ただし Apple Music では順序が入れ替わっていて、曲が最初に来る。一人のアーティストのヒット曲を聴くのは簡単になるし、それは素晴らしいことだけれども、アルバムを丸ごと探訪するのは難しい。幸いにも、アーティストページの中で、関連あるアーティストの名前をクリックすれば、あのちっぽけな ... ボタンを使う必要なしにそのアーティストのページが開く。悲しいことに、Apple Music は Rdio のように略歴の部分にもアーティスト名リンク機能を広げていないので、カタログの中を飛び回る手軽な方法が一つ欠如してしまっている。

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実際のところ、ここで一歩下がって考える必要がある。なぜなら、どのアーティストに対しても基本的に 二つ のページがあるからだ。一つは My Music または Playlists にいる際に現われるページで、もう一つは New (iTunes ナビゲーションバーの中央部分にあるラベルの中の一つ) にある。明確化のためにもう少し説明すると、例えば My Music にいて、そこからアーティストページを開くとする。My Music で見えているどんな曲もアルバムも再生できるけれども、アルバムや他のアーティストの名前をクリックすると、そのアルバムまたはアーティストが New 表示で開く。どうやら iTunes はこれらの個々の表示をそれぞれウェブブラウザの中の別々のタブのように考えているようで、ウェブブラウザでするように Controls > Back を使っても New 表示の内部で移動するだけだ。だから、My Music のアーティストページの上でアルバムをクリックすると New に切り替わり、そこで Back コマンドを使っても My Music のアーティストページに戻ることはできずに New の中で前回開いたアーティストまたはアルバムのページに移行するだけだ。

アプリの中のどこにいるかによってアーティストページへナビゲートする際に全く異なるインターフェイスを持ち、Back コマンドを個々の表示に特定のものとするという、こんな挙動をする iTunes にはきっと何らかの論理的理由があるに違いないとは思うが、でも正直言って、私には理由などどうでもよい。論理的理由があるからといって、それが良いインターフェイスとは限らないし、楽しめるインターフェイスになるとも限らない。Apple には Rdio よりさらに良いものを期待したいではないか。iTunes が無料だというのは一つあるし、ある意味避け得ない部分もあるけれども、それでも私は音楽を聴きたいと思う度に自分の血圧を上げてしまうようなもののために毎月料金を支払うなど真っ平ご免だ。

どんな方法でアーティストのページに辿り着こうとも、いったんそれが開けば、表示を All と My Music の間で切り替えるための重要なコントロールがそこにある。前者はそのアーティストの音楽のすべてを表示し、後者は My Music に追加してあるアルバムのみを表示する。一つのアルバムを My Music に追加するには、アルバムページの右上隅にあるちっぽけな + ボタンをクリックする。いったんクリックすれば、そのボタンがチェックマークに変わる。この、マークの変化がアルバムを追加したことを知らせる唯一の印なので、後になってそのアーティストに戻った際には、個々のアルバムにいちいちナビゲートして、そこにチェックマークが見えるかどうか調べ、その後でまたアーティストページにナビゲートして戻らなければならない。対照的に Rdio では、お気に入りに加えられたアルバムはそれがどこに現われようとも必ずハートアイコンを付けて示される。

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Rdio と同様、Apple Music でもアーティストまたは曲に基づいてステーションを作成できるが、さきほども触れたように、馴染みのないアーティストの曲を聴いて好きになってもそのアーティストのページにジャンプする方法がない。さらに悪いことに、Rdio と違ってステーションが何を再生するかについてコントロールできる手段がほとんど皆無だ。一人のアーティストに絞ることもできなければ、選択の際に冒険的にするか否かを選ぶこともできない。ただ、少なくとも Apple Music に対して Play More Like This と命じたり、何かが本当に大嫌いになれば Never Play This Song と命じたりはできる。

iTunes の Apple Music 用の For You 画面については多くのことが言われている。この画面には人の手で選ばれたプレイリストが多数あるし、あなたの音楽コレクションに基づいて推薦されたアルバムも示される。けれども残念ながら、私が The Doors を好きだという事実は私が The Doors を好きだということのみを意味するのであって、"Hollywood Freaks on Runyon Canyon" とかいう名前のプレイリストで「L.A. に触発されたインディーズのフォークとロックのトラック - ただし映画スターの影はなし」という説明のあるものを好きになるに違いないなどということは意味しない! 確かに、そのプレイリストの中にも私が気に入る曲は一つか二つあるかもしれないが、一人のアーティストに限られていない For You プレイリストはどれもこれも、私が心底嫌いな曲を数限りなく含んでいるように見える。音楽を聴くというのは、ひっきりなしに意思決定を迫られることとは無縁のはずだ。For You はあなたには良いかもしれないが、私には向いていない。

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とても皮肉なことだが、iTunes インターフェイスの一貫性のなさと腹立たしさを記事にするため(記事に書き切れなかった点もまだまだ山ほどある)自らを強制的にその作業に打ち込ませた結果として、時間が経つうちに、そういう問題点を回避するために自らを訓練する道が、私には少しずつ見えてきた。でも、そんな努力をしても得られる利点はそう大したものでもないし、さらに悪いことに、どうやら Apple は今後もこの iTunes という不幸な船のデッキの上でいそいそと椅子の並べ替えを続けるつもりらしいので、注いだ努力も無駄になる恐れがある。そういうわけで、私はきっぱりと Rdio に戻る。

注意したいのは、Apple Music の無料試用は期間が終われば自動的に有料プランに更新されるよう設定されていることだ。だから、課金されたくないと思うならば、iTunes ウィンドウの一番上であなたの名前をクリックして、Account Info を選び、Apple ID パスワードを入力しよう。Account Information 画面が開くので、Settings のところまで下へスクロールして、Subscriptions の右側にある Manage リンクをクリックする。そこが開けば、自動更新をオフに切り替えることができる。

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最後にもう一言。Apple Music と Rdio と Spotify の間で切り替えるのは金銭的には簡単だが、困難が伴うのは集めたアーティストやアルバム、プレイリストを再構成するところだ。幸いにも、これらのサービスの間で移行する作業で役立つツールがたくさん出現している。それぞれのツールは少しずつ違っているので特に一つのものを推薦することはできないが、調べてみる価値があるものとしては MoovalSoundiizPlaylist ConverterPlaylist Exchange, Ivy, re/spinExportifyStampMove to Apple Music などがある。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2015 年 10 月 12 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Nisus Writer Pro 2.1.2 -- Nisus Software が Nisus Writer Pro 2.1.2 をリリースして、さまざまの改善や修正をこの古参のワードプロセッサに施した。今回のアップデートでは自動保存が走る頻度を調整する設定を復活させ、DOCX および DOC 書類の読み込みと書き出しを改善し、Apple Pages (ただし iWork '09 のもののみ) 書類を読み込む機能を追加し、ある種のトラックパッドを持つ Mac で起こったスクロールの問題点を解消し、変更追跡を付けての編集に関するいくつかの問題を修正し、メモリリークをいくつか塞ぎ、いくつかのクラッシュを修正している。(新規購入 $79、無料アップデート、221 MB、リリースノート、10.8.5+)

Nisus Writer Pro 2.1.2 へのコメントリンク:

Lightroom CC 2015.2.1 と Lightroom 6.2.1 -- 先週の初めに、Adobe は同社のプロフェッショナル向け写真カタログ・編集アプリケーションの二つの版にアップデートを出した。独立動作の Lightroom 6.2 と Lightroom CC 2015.2 (こちらは Adobe の Creative Cloud Photography プランの一部として入手可能、2015 年 5 月 11 日の記事“Lightroom CC と Photos for OS X で、写真を何処でも”参照) だ。今回のアップデートでは Lightroom CC に Dehaze 調整機能が新たに装備され、また双方の版の Lightroom で Import 関数が改訂されて、ワークフローをより具体的なものとし簡単に扱える可能性を高めた。

しかしながら、多くのユーザーが今回のリリースでスローダウンやクラッシュが頻繁に起こることに気付き (Adobe もそれを認めている)、また Import 関数で機能が削減された (この Fstoppers 記事が変更の詳細を述べている) ことに苛立つ人々もいた。そして先週の末になって、Adobe は安定性の問題に対処した Lightroom CC 2015.2.1 と Lightroom 6.2.1 をリリースするとともに、バグ挙動が入り込んでしまったことと「読み込み体験の単純化」がどのように処理され伝えられたかの説明に関する 謝罪を発表 した。

それ以外の Lightroom CC 2015.2 と Lightroom 6.2 での変更点でバージョン 2015.2.1 と 6.2.1 にも組み込まれたものとしては、新しいカメラ (DxO ONE、Leica S (Typ 007)、Olympus E-M10 Mark II、Sony A7SM2 など) およびさまざまの新しいレンズへの対応の追加、Photoshop Elements からの読み込みで従来は拒否していた顔の領域を移行させていたバグの修正、Lightroom CC が JPEG ファイルを書き出す際に非標準のヘッダのために一部のアプリケーションと互換でなくなっていたバグの修正などがある。Lightroom CC 2015.2.1 と Lightroom 6.2.1 はいずれも Help > Check for Updates からダウンロードできる。(月額 $9.99 の購読、または $149 の独立動作アプリ、リリースノート、10.8+)

Lightroom CC 2015.2.1 と Lightroom 6.2.1 へのコメントリンク:

ChronoSync 4.6.4 -- Econ Technologies が ChronoSync 4.6.4 をリリースし、OS X 10.11 El Capitan にフル互換とするとともに、El Capitan に関係したさまざまのユーザーインターフェイスの難点や見栄え上の不具合を修正した。この同期およびバックアップ用アプリはまた、IPv6 ネットワーク接続を確立する際のいくつかの問題を修正し、シンボリックリンク上の El Capitan の新しい "restricted" フラグを設定する際の問題点を解消し、ある種のエラーの原因として誤ったターゲットを報告することのあったコアのコピーエンジンにおける問題点を修正している。(無料アップデート、ChronoSync は新規購入 $49.99、 TidBITS 会員には 20 パーセント割引、28.7 MB、 リリースノート、10.8+)

ChronoSync 4.6.4 へのコメントリンク:

Microsoft Office 2011 14.5.6 -- Microsoft が Office 2011 スイートのバージョン 14.5.6 を出して、OS X 10.11 El Capitan へ移行したユーザーを悩ませた Exchange 同期の問題点を修正した。具体的には、Outlook のバグの結果としてハングしたままいつまでも動き出さず、El Capitan の下では新規の電子メールを全くダウンロードできなかった。Office 2011 には修正が施されたけれども、Office 2016 のユーザーは Outlook のみならず Word、Excel、PowerPoint でも頻繁に起こるクラッシュ ( この Computerworld 記事に載っている) に見舞われたままで、依然として救いの手を待ち続けている。(この Microsoft Community スレッドに声高な抗議が書かれている。)(Microsoft Download Center あるいは Microsoft AutoUpdate 経由で無料アップデート、113 MB、リリースノート、10.5.8+)

Microsoft Office 2011 14.5.6 へのコメントリンク:

Tweetbot 2.1 -- Tapbots が Mac 用 Tweetbot 2.1 (2015 年 9 月 4 日の記事“Tweetbot で不要な tweet をミュートする方法”参照) をリリースして、最近のお気に入り、リツイート、その他のやり取りを表示する Activity View ( iOS 用 Tweetbot から移植されたもの) を追加した。この Twitter クライアントはまた、引用された tweet を言及の中に表示するようになり、アプリ内部で Twitter、Instagram、Vine ビデオを再生するようになり、Twitter へビデオをアップロードする機能を追加し、ダイレクトメッセージに画像を表示できるようにし、キーボードでナビゲートした際に選択した tweet が完全には見えていなかった問題を修正し、メモリ管理を改善している。(Mac App Store から新規購入 $9.99、無料アップデート、11.8 MB、10.10+)

Tweetbot 2.1 へのコメントリンク:

Typinator 6.7 -- 今回からスクリプト化対応となった Ergonis の新しい Typinator 6.7は、AppleScript や JavaScript を使って (Bash、Perl、PHP、Python、Ruby など他のスクリプティング言語を使っても) さまざまのアクションを実行できるようになった。加えて、このテキスト展開ツールはスクリプトをコンパイル済みの形で (Included フォルダの中に) 保存できるので実行速度が速くなる。今回のアップデートではまた新しい内蔵関数を追加して展開の中に任意の Unicode 文字を挿入したりクリップボード内容をペーストしたりできるようになり、中国語の Baidu Pinyin 入力方法に対応し、コピーしたテキスト断片のまわりにブックマークが作成された Microsoft Word 2016 のバグを回避し、展開の際の問題点を分析するための新たな診断法を追加し、展開を Facebook 用 Messenger でする際のバグを解消し、新バージョンのチェックが OS X 10.11 El Capitan で動作しなかった問題を修正している。(新規購入 24.99 ユーロ、 TidBITS 会員には 25 パーセント割引、7.1 MB、リリースノート、10.6.8+)

Typinator 6.7 へのコメントリンク:

iBooks Author 2.4 -- Apple の iBooks Author がバージョン 2.4 にアップデートされ、EPUB テンプレートを改良するとともに、EPUB テンプレートにテキストや画像の付いた Pop-Over ウィジェットを追加できる機能を加えた。この無料のオーサリングソフトウェアはまた Pages および Microsoft Word 書類の読み込み機能を改良し、さらに iTunes Connect のユーザーあてに送られた電子メールメッセージの中で Apple は Pages や Word の中で執筆する際章と章の間にはセクションブレイクを入れるのがよいと述べている。(Mac App Store から無料、446 MB、10.10+)

iBooks Author 2.4 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2015 年 10 月 12 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の ExtraBITS では、Adam Engst が Tech Night Owl で電気自動車と iTunes について語り、Verizon があなたの個人情報を AOL と共有することを計画し、Apple が異なる iPhone の A9 チップに起因するバッテリ寿命の差は最小限だと述べる。

Adam、The Tech Night Owl Live で Apple Car と iTunes を考察 -- 今回の Tech Night Owl Live ポッドキャストでも、Adam Engst とホストの Gene Steinberg の議論は自動車を再び話題に取り上げ、今回は電気自動車の方が良い理由、インフォテインメントシステムのインターフェイス、それから自動車市場で Apple が直面する難問の数々に焦点が当てられる。会話の終わりには、iTunes のインターフェイスのせいで Adam が Apple Music を捨てた理由が語られる。

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Verizon、Supercookie データを AOL と共有 -- Verizon の「スーパークッキー」についての記事を覚えておられるだろうか。これは、あなたのインターネット活動のすべてを Verizon のセルラーデータネットワーク上で追跡するものだ。(2015 年 4 月 2 日の記事“Verizon のスーパークッキーに "要りません" と言う方法”参照。)そして今回、Verizon はそうやって集めたデータを Verizon の子会社となった AOL と共有してその広告ネットワークのために利用し、結果として AOL はあなたの性別、年齢層、興味分野、使ったアプリ、訪れたサイトをすべて見ることができるようになると発表した。ありがたいことに、この追跡は無効にすることができる。Verizon のプライバシー設定の、Relevant Mobile Advertising のところだ。

コメントリンク: 15997

Apple、A9 チップメーカー別 iPhone 6s バッテリ寿命差は小さいと主張 -- 新型 iPhone 6s および 6s Plus を駆動する A9 チップを Apple に供給しているのは二つの会社、Samsung と TSMC だ。これら二つのチップメーカーは、それぞれ異なるプロセス技術に依存している。いくつかのベンチマークテストで、TSMC の A9 チップを使った iPhone の方が Samsung の A9 チップを使った iPhone より効率的でバッテリの保ちが良いという結果が出ている。Apple は今回この議論に割って入り、現実的な使用での差はたった 2 から 3 パーセントに過ぎないので実際の使用に際して違いを感じられる人はいないし、これは Apple がどのデバイスについても認めている許容範囲の中に十分入っていると TechCrunch に述べた。

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