TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1300/07-Dec-2015

今週号は第 1300 号だが、TidBITS を今後も続けて行くために私たちは皆さんの援助を必要としている! もしも十分多くの方々が TidBITS 会員プログラムに参加して下さったなら、私たちのサイトからバナー広告をなくし、計画中のウェブサイト再デザインにもっと多くの内容を組み込むことができるだろう。先日実施した 2015 年読者アンケートの結果がまとまり、皆さんの声がはっきり聞こえた。Mac と iOS に関する実用に役立つ記事をもっと増やして、ゲームや、Apple Watch や、Apple 以外のプラットフォームの話は減らして欲しい、というのが多数派の意見だ。ポッドキャストをする人に嬉しいニュースだが、The Levelator がアップデートされて El Capitan で働くようになった。長年 Mac を使ってきた人たちのために、Save As コマンドを File メニューに復活させる方法を Adam Engst が説明する。2011 年型以降の Ford 製の自動車を持っている人は、無料アップデートをダウンロードすれば自動車の中で Siri Eyes Free が使える。それからもう一つ、Apple の新しい Magic 周辺機器を Julio Ojeda-Zapata がレビューする。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Little Snitch 3.6.1、Mellel 3.4.4、それに Tinderbox 6.4 だ。

記事:

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TidBITS 会員となって TidBITS サイトからバナー広告をなくそう

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

皆さんに一つ挑戦したいことがある。今では皆さんもお分かりとは思うけれども、私たちが TidBITS を運営する資金の大部分は、長年 TidBITS をフォローして下さっている皆さんのような読者から届けられている。ただ、それ以外にも、私たちのウェブサイトの上で走る Google AdSense の広告や、Skimlinks サービスを通じて自動的に生成されるアフィリエイトのリンクから、年額にして $5,000 ほどの収入を得ている。Google が私たちのサイトに挿入する広告は、たいていの場合それほどひどいものではない(私がブロックしなければならなかった広告はこれまでほんの数個しかなかった)と私は思うが、広告とそれに伴う情報追跡に対するインターネット上の批判はあまりにも大きなものとなっているので、私としてもできることならば広告をなくしたいと思っている。それは、私たちの現行のウェブサイトについても、また現在大幅な再デザインが進行中の新しいウェブサイトについても言える。それでも、年額 $5,000 というのは私たちの予算の中で決して無視できない部分を占めているので、サイトにいくつか JavaScript スニペットを置いてそれだけの稼ぎを鼻であしらう訳にも行かない。

そこで、皆さんへの挑戦だ。もしも十分多くの方々が TidBITS 会員プログラムを通じてお金を寄せて下さったり、あるいは既存の会員の方々がより高いレベルに切り替えて下さったりして、結果として 2016 年 1 月の終わりまでにその $5,000 を埋め合わせることができたならば、AdSense ベースのバナー広告も、アフィリエイトリンクのリダイレクトも、TidBITS ウェブサイトからなくなるようにしたい。進行状況を 1 月前半に一度報告し、結果を 2 月初めに報告するつもりだ。

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これをすることによって、私たちは自分たちが忠実な読者である皆さんのために記事を書いているのであって、広くインターネットから新しい訪問者数を稼ぐためにしているのではないことを明確にしたい。これもまた「大義のため」という状況の一つだ。なぜなら、TidBITS 会員の皆さんは既に以前から私たちのサイトを広告なしで楽しんでおられるからだ。もしも皆さんがアルゴリズムで選ばれた広告主たちに読者の注意を売り飛ばしたりすることなしにインターネット出版は生き延びるべきだと考えておられるなら、これこそそのお考えを実際に裏付けるために皆さんが行動を起こす手段となるではないか。

現在は 2,700 人以上の TidBITS 会員がおられる。新たな $5,000 は 250 人の新会員が一番低いレベルの $20 を寄与して下されば達成できる計算になるが、私は少し高めの目標として会員数 3,000 名を目指したいと思う。もしもその目標が達成できれば、その余分のお金を使ってウェブサイトの再デザインにさらなる機能が追加できる。新しいサイトに向けて私たちが望むこととしては、年配の読者たちのためにもっと読みやすくすること、小さな画面のデバイスで読む際にも十分な反応性を確保すること、スクリーンショットやその他の画像をもっと滑らかに表示することなどがある。

ウェブサイトの再デザインの話が出たので言っておきたいが、皆さんからのリクエストが多かった機能を新しい Take Control ウェブサイトに組み込むことができた。もしもあなたが TidBITS 会員で、その TidBITS 会員アカウントで Take Control サイトにログインすれば、あなたの注文すべてに 30 割引クーポンが自動的にロードされる。Take Control サイトで注文する際に、オレンジ色の Check Out ボタンの左側に Coupon Code のテキストが見えるのをご確認頂きたい。これまでのところ、この割引を使って TidBITS 会員の皆さんは Take Control 本で合計 $10,000 以上を節約されている。

会員になって得られる特典には、他にも以下のようなものがある:

年に一回のサポートは五つの異なるレベルから選べる。$20, $50, $100, $250, そして $1,000 だ。いずれのレベルもデフォルトは手動の更新となるが、毎年カートを扱うのが面倒だと思われるなら、どうぞ自動更新のオプションを選択して頂きたい。会員の特典は最初の四つのレベルではどれも同じだが、最後の $1,000 の Angel レベルだけは終身会員資格であって、Ithaca においでの際に、または私たちがあなたの住む町を訪問した際に、私と Tonya と一緒の素敵なディナーが一回付いてくる。私たちは何度か Angel レベルの支援者とのひと時を楽しんだが、最近には先月の MacTech Conference の際にもその機会があった。

もしもあなたがそう望めば、私たちのサイトの TidBITS Members リストにあなたが会員であることを載せ、あなたのコメントの横にクールな林檎アイコンを付けることができる。あなたの Account Info ページで、リストに載せるかどうか、あなたの名前と URL を指定できる。このページにはまた、あなたの会員状況と有効期限、バウンスが多過ぎたために電子メール発送を中断しているか否かも表示され、クリック一つで発送を再開することもできる。ついでに言えば、会員であってもなくても、もしも電子メールが届かなければ、私たちのサイトを使っていつでも過去の号を再送信させることができる。(2013 年 3 月 8 日の記事“TidBITS の号を自分自身に再送信”参照。)

これまでずっと無料で読んでこられた TidBITS を価値あるものと思って下さるなら、あるいはもしも私たちの寄稿者の誰かに尋ねて個人的な技術的援助を得たことがあるなら、どうか あなたも TidBITS 会員になって、毎週読むのに慣れ親しんだ記事を私たちが今後も出版し続けることができるよう、手を貸して頂きたい。そうして下さった方には私たちからの不滅の感謝の念をお送りしたいし、さらにもっと大切なこととして、あなたが読む記事の一つ一つが、その一部をあなたの寛大さによって支えられているという実感を持って頂けるようになるだろう。どうかよろしくお願いします!

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TidBITS 2015 読者アンケートの結果

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

TidBITS 2015 読者アンケートの結果を見て、私はじっくりと考えた。正直に言うが、それは爽快なものであった。私たちが書くことのできる題材は無限にあるし、記事にする話題に私たちが取り組むべき方法も数え切れないほど多くあるけれども、2,267 人の読者から届いた声を聞いた私には、私たちの努力をどこへ向けるべきかの考えがはっきりしてきた。

詳細に踏み込む前にまずお断りしておきたいが、このアンケートは決して科学的なものではない。大きな理由はアンケートに答えたのがランダムに選ばれた人たちではなく自ら進んでそうした人たちだからだ。そうは言っても、私はまず先に会費を支払っている TidBITS 会員と TidBITS Talk の購読者を対象にアンケートを始めていたので、その時点での結果と全体の結果とを比較することができた。当然ながら会員と購読者の人たちの方がほとんどあらゆることについて少しずつ肯定的ではあったけれども、違いはほんの少しだけであった。初期の段階で私が気付いた傾向は、後になっても方向性は変わらなかった。

例えば、回答者の 90 パーセントが私たちの記事の長さは「ちょうどよい」と感じ、8 パーセントが「長過ぎる」を、2 パーセントが「短過ぎる」を選んだが、これらの数字は私が途中経過をチェックし直しても 1-2 パーセント以上の変動を見せなかった。記事の長さについては今まで通りのやり方を続けようと思うが、文章を引き締めることには目を配っていたい。

読者の年齢層 -- おそらく最も有用だったのは、TidBITS 読者にどの年齢層の人たちが多いかを知ることができた点だろう。チャートを見れば分かる通り、アンケートに答えた読者の中で 40 歳未満は 4 パーセント以下、80 パーセントが 50 歳から 79 歳までであった。私が見るところこれは私たちの書いたものを読んで下さる層が長年安定しているということなのだと思う。Tonya と私が TidBITS を始めたのは 22 歳の時で、その当時に Mac を買う余裕があったのは少々高めの年齢の人たちが多かっただろう。

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出版者によっては、この結果を見て若い読者を獲得するために何でもかんでも変えてしまおうと考えるかもしれない。でも、私たちはそうしない。私たちは TidBITS 会員プログラムを TidBITS ビジネスモデルの最も重要な部分と考えているので(2015 年 12 月 7 日の記事“TidBITS 会員となって TidBITS サイトからバナー広告をなくそう”参照)私たちの目標は既存の読者が望むものに重点的に取り組むことにあるのだから、これで、私はどんな人たちのために記事を書いているのかのイメージをよりはっきりと心の中に描くことができた。ざっくばらんに言えば、平均的な TidBITS 読者はおそらく私の両親の世代と共通する考え方を持っていて、テクノロジーに関するさまざまのスキルや興味を持ち合わせており、今は退職している人たちも多くて Mac や iPhone、iPad についてたくさん質問したがっている、といったところだろうか。

どこで TidBITS を入手していますか? -- TidBITS の入手方法については、依然として電子メールが断然一位だ。回答者の 80 パーセント近くが週刊号を電子メールで受け取っており、15 パーセントが TidBITS 会員の特典を利用して出版されたての個々の記事を電子メールで受け取っている。また 15 パーセントが RSS を使っていて、33 パーセントが私たちのウェブサイトを利用している。(複数の方法で読んでいる人たちも多いので、合計は 100 パーセントより多くなる。)

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ソーシャルメディアは TidBITS にアクセスする主要な方法にはなっていない。新しい記事を知るために Twitter、Facebook、または Google+ を使っている読者はたった 6 パーセントほどであった。私たちが一番辛い思いをして読んだ数字はオーディオ版のランキングで、1.5 パーセントと非常に少数の人たちしか利用していないようだ。ただ、オーディオ版を続けて欲しいという哀愁を帯びた声のリクエストはたくさん届いた。永遠に続くことはないかもしれないが、いずれにしても決断は容易なことではないだろう。

Apple プラットフォーム -- 次のテーマに移ろう。最も読みたい記事はどの Apple プラットフォームについてのものかという質問だ。投票結果がどのように個々の Apple プラットフォームに割れたかをグラフにしてみれば、それぞれに対する熱中の度合が分かるというものだろう。比較の一つの手段として、個々の比率だけを棒グラフにしたものをここに示しておこう。

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この図から、三つの重要な教訓が汲み取れると思う:

Apple TV に比較的強い結果が出ているのは歪曲されていると思う。なぜなら、これは Apple にとって新しいプラットフォームだからだ。私の推測だが、もしもこのアンケートを第四世代 Apple TV が発表される前にしていたら、結果はずっと低かっただろう。それに、いずれ時が経てば、Apple TV を扱った記事への興味は薄れて行くのではないか。もちろん、開発者たちがゲーム以外の革新的なアプリを思い付くようになれば話は別だが。そう、たいていの読者はゲームをプレイしたりなんかしないようだ。その点を次に議論しよう。

記事のタイプ -- 次は、七つの異なる記事のタイプのうちどれを読みたいかという質問だ。そのいくつかは TidBITS 電子メール号で定例のカラム記事にまとめてあるものだ。こうやって各タイプの比率が平均的に並ぶのを見るのは励みになるけれども、一つだけはっきりしたメッセージがここから読み取れる。ゲームはやめてくれという声だ。(ごめんよ、Josh!)私たちも、このことはうすうす気付いていた。FunBITS 記事にコメントが寄せられることはめったになく、当初はゲームを記事にすることで新たな読者を引き付けられればという期待もあったのだけれども、どうやらそうはならなかったようだからだ。娯楽ソフトウェアの記事を完全に停止すると宣言することはしないが、今後は皆さんの興味を最も掴むことのできるアプリのみに絞るようにしたい。

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TidBITS Watchlist (TidBITS 監視リスト、Mac 用アプリのアップデートの短い説明、主として Agen Schmitz が書いている) と ExtraBITS (紹介するに値する記事や他のウェブサイトへのリンク) が両方とも人気を得ているのを見て、私は嬉しかった。いずれもそれほど多くのコメントを集めるものではないので、歓迎されているのかどうか確信が持てない気持ちでいたからだ。これらは今後も続けたい。また、ExtraBITS についての自由記入欄でのほぼ一致した意見は、リンク先の記事についてもっと論評を多く加えるべきだというものだった。

コンテンツのタイプ -- この部類の質問もさきほどとそれほど大きく変わらず、今よりもっと幅広いタイプのコンテンツを読みたいかどうかを問うものであった。結果の両端にはっきりしたメッセージが現われた。実用的なハウツー記事はもっと増やして欲しいと強く望むけれども、Apple 外のプラットフォームの話は聞きたくないというものだ。ハウツー記事に関しては皆さんの気に入られていることを知って私はとても嬉しい。それは私たちの得意分野だし、何かの問題を解決したり何かがそれまでより簡単にできるようになったりすることで皆さんの生活に違いをもたらすことができるのは大好きだからだ。

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他の大会社が何を作っているかについて、ほんのたまにでさえも、Apple ユーザーの観点からの話でさえも、皆さんの多くが聞きたくないと思っておられることは、ちょっと悲しく思うが、私も認めよう。個人的に言って、私は Apple の外に起こっている大きな潮流についてはちゃんと通じていたいと思う。おそらく、今はやりのプラットフォーム囲い込み戦略があまりにもパワフルになり過ぎて、Google や Microsoft や Amazon が何をしているかについて読むのは理論的には興味深いかもしれないけれども、乗り換えるのはあまりにも困難だと皆さんは気付いておられるのかもしれない。

これらの質問についての自由記入欄に書かれた意見は役に立った。要約すれば、私たちが Apple の製品発表を扱う今のやり方や、ビジネス関係のニュースを最小限に抑えているやり方は皆さんの気に入っているけれども、皆さんが何より重要だと思うのは単なる事実を超えた分析、背景、論説なのだということだ。今後も、このことをしっかりと念頭に置きたいと思うし、あまりにも多くの他のサイトで既に入手できる情報の上に新たな価値を加えることに常に努めたいと思っている。

Take Control -- 私たちの Take Control ブックシリーズについての質問はなかったけれども、自由記入欄に Take Control ブックについての意見がとても多かった。嬉しいことに、そのほとんどが非常に好意的な意見だった。ただ、TidBITS の中で Take Control ブックの宣伝をし過ぎだという苦情ははっきりと聞こえた。

これは難しい状況だ。Take Control ブックの売り上げは、私たちの会社の収益の最も大きな部分を占めているし、著者の多くは生計を立てるために Take Control に大きく依存しているからだ。つまり、私たちにとってその売り上げは絶対不可欠なものだ。だから、私が試してみようと考えているのは、次に出版する本の中から内容を抽出して、その実用的な情報をその本への架け橋として TidBITS の中で紹介するというやり方だ。うまく行けば、TidBITS の有用性と本の売り上げの双方を増すことができるだろう。

まとめ -- アンケートの質問に答えるために時間を割いて下さって、本当にありがとうございました。長年皆さんが TidBITS を愛して下さった本筋は変えることなく、今後の記事をもっと皆さんの気に入る方向へと調整して行ければと願っている。このアンケートの結果が記事“File メニューに Save As を戻す”(2015 年 11 月 30 日) を私が書こうと思った理由の一つとなったのも事実で、お陰でこの記事は非常に大きな人気を得た。

自由記入欄に質問を書いて下さった方々には申し訳ないけれども、このアンケートは匿名なので、私たちには質問への返事を差し上げる方法がない。質問があればいつでも [email protected] への電子メールで私に言って頂ければよいし、何か管理上のことで助けが必要なら、新しく Director of Customer Service となった Lauri Reinhardt に [email protected] への電子メールで尋ねるのが最も良い方法だ。

そうそう、最後にもう一言。アンケートの最後の質問は「あなたが TidBITS を友人や同僚に薦める可能性はどのくらいか?」というものだったが、これは Net Promoter Score と呼ばれる点数を生成するための質問として置かれていたものだ。-100 点から 100 点までの点数で、私たちの結果は 61 点、これは良い点数のようだ。これが何を意味するのかは私にはよく分からないし、他の Apple 関係出版と比較するため以外に大して意味を持たないのかもしれないが、とにかく結果はそう出た。

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The Levelator 2.1.2、El Capitan に対応

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

数ヶ月前、私は The Levelator と呼ばれるオーディオツールを OS X 10.11 El Capitan で動かす方法について書いた ("The Levelator を El Capitan で復活させる方法" 29 September 2015)。The Levelator は 2012 年以来アップデートされていないにもかかわらず、ポッドキャスターの間では人気を保ち続けてきた。その理由は、それが無料アプリであり、定音量を使用するオーディオファイルを保証するものだからである。この定音量はグループポッドキャストやエピソード間で実現するのは結構大変である。

やることは概念的には簡単で、実際にやるのは多少手がかかるが、ファイルを The Levelator のアプリケーションパッケージの中でから、OS X の Unix のディレクトリ構造の中での別の場所に移して、見つかる様にしてやることに関わっている。

幸いにして、必要となる変更は比較的マイナーだったため、The Levelator の開発者 Bruce Sharpe がこのアプリのコードをこの問題に対処するにのに十分だけ長くしてくれた。The Conversations Network は、今回バージョン 2.1.2 の The Levelator をリリースした (19.8 MB ダウンロード)。これは手を加えることなく El Capitan で動作する。その他の変更は無い。

しかしながら、これは The Levelator が今後もアップデートが受けられることを意味しない。The Conversations Network の Executive Director である Doug Kaye が私に語ってくれたことによると、"我々はこれを仕事をきちんとする完成したツールと見ている。これがとても多くの人によって成功裏に使われているのを見るのは嬉しいし、またこの修正版を出せたことを喜んでいる。"

The Levelator が、話される音声が定音量に保たれることを必要とするポッドキャスターや他の人達のニーズに引き続き応えられるようにしてくれた Bruce と Doug に賛辞を送りたい。これで、あと、Apple がこれを iTunes U に組み込んで音量を自動的に定量化してくれたら、言うこと無しなのだが。

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Ford、旧型の MyFord Touch 搭載車でも Siri Eyes Free に対応

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst, Josh Centers: [email protected], @jcenters
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

皆さんは比較的最近の Ford カーかトラックを運転されていますか? もしそうならば、その車はもうすぐずっと良い聞き手になるかもしれない。と言うのも、Ford は 2011 年モデルに遡って Ford 車のための MyFord Touch システムに Apple の Siri Eyes Free 技術に対するサポートを追加したからである。

もし Siri Eyes Free って何者なのかとお思いなら、それはあなただけではない。何故ならば、Apple はここ何年かの間に色々な自動車統合機能を約束してきたが、実現したものは殆ど無いし、その間も名前や機能をいじり続けてきたからである。

Siri Eyes Free は、あなたの iOS 機器上の Siri をあなたの自動車のダッシュボード組み込みのオーディオシステム経由で操作させてくれる。Apple は Siri Eyes Free を June 2012 に発表した。その時、元 Apple 重役の Scott Forstall は、この技術は 11 ヶ月後には車載可能となると言った。それは確かに 2013 年には車載されて出荷され始めたが、普及したとはとても言える状況ではなかった。Siri Eyes Free は結構前の技術に見えるかもしれないが、Subaru や Nissan の様なメーカーからの 2016 年モデルに追加されたばかりである。

June 2013 に、Apple の Eddy Cue はより野心的なシステム "iOS in the Car" と呼ばれるものを発表した。これは Siri Eyes Free 音声制御と、車のタッチスクリーンを使って iPhone を制御させてくれる iOS 似のインターフェースとの両方を包含していた。March 2014 には、このシステムは CarPlay という名前に変わったが、実際の車に載ったのは September 2014 で、その時ですら、載ったのは $300,000 の Ferrari FF で、我々の殆どは路上で見かけることも無いもので、所有するのは更にかけ離れたものであった。アフターマーケットの CarPlay システムは、Alpine, Kenwood, そして Pioneer から比較的速やかに現れたが、主流の自動車メーカーの間での CarPlay サポートは出始めたばかりで、例えば 2016 Honda Accord や Civic があげられる。MacRumors に 総合的な CarPlay に関する記事がある。

対象となる Ford 車のオーナーは、Siri Eyes Free アップデートを Ford のオーナーサイトからダウンロード出来る (登録が必要)。読者の Bocaboy が我々に語った所によると、このアップデートをインストールするためには、まず MS-DOS (FAT) としてフォーマットされ、そして Master Boot Record としてパーティションされた USB サムドライブにそれをコピーする必要がある - これは Disk Utility でやる。更に、このアップデートには 25-30 分かかり、車はその間走っていなければならないと彼は注釈している。

このアップデートとの後、ペアリングされた iPhone 上の Siri を車のハンドル上のボタンを押すことで起動する。 これが実際に動いている動画 を以下に示すが、何というか、これは Siri を使う最悪の例であろう。

MyFord Touch は Ford の Sync 娯楽と通信システムの第二世代で、2007 年に導入された。第三世代の Sync は、Blackberry の QNX オペレーティングシステムに基づいており、その 2014 年のデビュー以来 Siri Eyes Free をサポートしているが、今や第二世代である Microsoft ベースの MyFord Touch のオーナーもこれが使える。残念ながら、第一世代の Ford Sync システム、こちらも Microsoft によって設計された、のための Siri Eyes Free アップデートはない。 これらのシステムのバージョン付けは分かり難い;我々としては、Ford のオーナーサイトが自分が何を持っているのかを簡単に見分けられるようにしてくれることを望みたい。

もし対象となる車をお持ちなら、このアップデートはどの様に進んだか、そして Siri Eyes Free はあなたのためにどの程度役に立っているかを知らせて欲しい - 我々の常連の寄稿者達は誰もこれらの車を持っていない。Nissan や Subaru の様な車で試した音声案内システムは総じて出来が良くなかった、とりわけ iOS 機器上での Siri に対して音声コマンドを発する流れの良さに慣れていれば尚更である。いずれにしろ、Siri に対するより多くのアクセスを提供するものなら何でも歓迎であり、そして Ford がより古いモデルオーナーに対しても技術経験を改善しようとしていることは賞賛に値する - 他のメーカーもそうすることを期待したい。

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File メニューに Save As を戻す

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

最近の読者からのコメントで、私はある問題に対する解が何年も前から存在するからと言って、それがよく知られていることにはならないことに気づかされた。Randy Spydell の質問は、要約すれば、File メニューに昔からある Save As コマンドの代わりに Duplicate コマンドがあるのは何故かというものであった。彼の質問に暗示されていたのは、"そして、Save As を取り戻す方法はあるか?" である。

この二番目の質問に対する答えはイエスであり、そのやり方は後ほど説明する。

最初の質問に答えるためには、2011 年と Mac OS X 10.7 Lion のリリースに遡り、そして我々の記事も辿らねばならない。Lion で、Apple は Modern Document Model を導入し、そしてこれが書類が保存されそして扱われるやり方を変えた - この時 Auto Save, Resume, そして Versions も導入された。Modern Document Model をサポートするアプリもまた File > Save As コマンドを File > Duplicate で置き換えた ("Lion で微妙に苛立つこと" 17 August 2011 参照)。これはユーザーには受けなかったので ("Lion の“複製”コマンドの問題点" 27 October 2011 参照)、10.8 Mountain Lion で Apple は Save As を復活させた。しかしこれは Option キーの陰に隠されてはいたが、ひどい副作用を伴っていた。書類に変更を施し、そして Save As を使うと、その変更はオリジナルの書類 にも 反映されてしまったのである ("現代的 Mountain Lion 書類モデルの様式とは" 7 August 2012 参照)。最終的に、10.8.2 で、Apple は変更をオリジナルの書類に保存するかしないのかの選択を可能にし、Save ダイアログにそのためのチェックボックスを追加した ("10.8.2 になり Mountain Lion の保存挙動がさらに改善" 20 September 2012 参照)。

私が知る限り、Save As に関しては Mountain Lion 以降何も変わっていないので、Save As の代わりに Duplicate が現れる理由は、そのアプリが Modern Document Model をサポートしているからである。新しいアプリはまず間違いなくそうであるが、より以前のコードに基づく BBEdit や Microsoft Word 2008 の様なアプリは今でも Duplicate ではなく Save As を使っている。

いずれにしても、もっと重要な質問はどの様にしたら Save As を取り戻せるかである、もしそれが望みなら。私もそちらに属する - まず複製を作ってそれから保存するというモデルは私の思考形態には合わない。

勿論、File メニューで Save As を出すには Option を押す、或いは Command-Shift-Option-S のキーボードショートカットを使って Save As を起動することを覚えておくことも可能である。しかし、それは注意力を要する話だし、それに File メニューに Save As を恒久的に戻す方法もある。更に、もし望むなら、Duplicate を置き換えることすら出来る。

私はこの問題を大分前に Matt Neuburg の "Take Control of Using Mountain Lion" からヒントを得て解決していたので、それに思いを馳せることは何年もの間無かった。Randy の質問に触発されて、このやり方が 10.11 El Capitan でも働くのかどうか試してみようと思った。結果は OK だったので、Modern Document Model アプリで Save As を呼び戻したいのであれば、次のステップを踏めばよい:

  1. System Preferences の Keyboard ペーンを開き、Shortcuts をクリック、そして左側のリストの一番下で App Shortcuts を選択する。

  2. 右側ペーンの下にあるプラスボタンをクリックする。

  3. 出てくるダイアログで:

    a. Applications メニューは All Applications になったままにする。

    b. Menu Title に "Save As..." とタイプする (引用符無しで、かつ終止符を三つ付けて)。

    c. Keyboard Shortcut フィールドをクリック、Command-Shift-S を押す。

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  4. Add ボタンをクリックする。

この変更が実行されていることを確かめるには、TextEdit の中の File メニューをクリックする。TextEdit は Modern Document Model をサポートしている。今や Save As が Command-Shift-S と共に、そして Duplicate がショートカット無しで表示される。

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このやり方が働く理由は、Save As が Duplicate の "代替" だからである;つまり、通常二つのコマンドが Option キーの有り無しを除いて同じキーボードショートカットを持つ。Save As に Command-Shift-S を付与することで、それを Duplicate から取り上げて、その二つのコマンドの間の関係を壊すのである。

これを更にもう一歩進めてみよう。もし Duplicate など全く使わないし、その存在自体が邪魔だと感じるなら、それを Save As の代替手段とすることで、File メニューで Option キーが押された時にしか現れない様にすることが出来る。

上記と同じ手順を踏み、"Duplicate" を Menu Title に入力し、そしてキーボードショートカットを Command-Shift-Option-S に設定する。これにより File メニューで二つのコマンドを交換する一対のショートカットを持つことになる。その後で File メニューを TextEdit で見ると、Save As だけが見え、そして Option キーを押すと、代わりに Duplicate が現れる。

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言うまでも無いとは思うが、OS X のデフォルトの動き、つまり Duplicate が File メニューに現れ、 Save As は Option を押した時にだけ現れる、に戻したければ、 Keyboard > Shortcuts にあるこれらの項目を選択し、マイナスボタンをクリックして消去すればよい。

後のコメントを一つ:まだ保存されていない変更を持つ書類上で Save As を使う時、OS X 10.8.2 が Save ダイアログにチェックボックスを加えたことを私がどう表現したかを覚えていますか? この "変更をオリジナルの書類に保存する" チェックボックスは重要である、何故ならば、Save As の伝統的な動きを求めているならば (この場合、オリジナルの書類は変更されない)、このチェックボックスのチェックを間違いなく 外す ようにしなければならない。これが選択されていると、Save As は Duplicate の様に働き、オリジナルの書類も新しい書類も同じ変更を持ったものになってしまう。このチェックボックスはデフォルトで選択されてはいるが、OS X は現状を覚えているので、一度チェックを外せば、その状態をその後も保つ。

この過去からの Mac 基礎の話が有益であったと感じられることを願っているが、この種の内容のものをもっと見たいと思われるのであれば、コメントから知らせて欲しい。

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Apple の新しい Magic 周辺機器の変更点は控え目

  文: Julio Ojeda-Zapata: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple の入力デバイス三つは、最近まで、少々古さを見せてきていた。同社の Wireless KeyboardMagic Mouse はいずれも 2009 年にリリースされたもので、テクノロジー用語で言えば途方もなく昔のものだ。Magic Trackpad も、それよりたった一年若いに過ぎなかった。

これらの周辺機器は完璧に動作したけれども、対処して欲しいと思わざるを得ない小さな問題点があった。Magic Mouse のバッテリ収納部分の蓋がちゃんと閉まらないぞと叫びたい気持ちになったユーザーたちが何人いたことだろうか。内部で AA (単3) 電池が液漏れしたのを見て悪態をついた人たちが何人いたことだろうか。

また、これらの機器には新しいテクノロジーが組み込まれる必要があった。例えば Magic Trackpad には新型 MacBook のトラックパッドにある Force Touch 機能が備わっていなかった。

その上、Apple の入力デバイスは普遍的な魅力を持つものとは到底言えなかった。もっと先鋭的な再デザインをと望む人たちもいた。こんなに極端なまでに最小主義でないキーボードを作ってはどうか、もっと持っていて快適なマウスは作れないのか、という声も聞こえた。

そしてついに、2015 年 10 月になって、Apple は改訂版の iMac とともに、アップグレードされたバージョンのマウスと、キーボードと、トラックパッドを出した。(2015 年 10 月 13 日の記事“Apple、Retina ディスプレイモデル iMac を追加、入力機器をアップデート”参照。)

けれども、大幅な見直しを期待していた人たちは、間違いなくがっかりした。Magic Mouse 2 は、前のものとほとんど同じだ。Magic Keyboard は、見栄えこそほんの少し違っているものの、依然として極端なまでに最小主義だ。ただ、Magic Trackpad 2 は三つの中で最も大きく形と見栄えと機能が変わり、大体において良い方に変わった。

これら三つのアップグレードされた入力デバイスには、一つだけ共通の新機能がある。バッテリが内蔵されるようになり、Lightning ケーブルで充電するようになったのだ。お陰で、これらのデバイスは揃って以前よりずっと Apple 的になった。あの USB-to-Lightning ケーブルを経由して El Capitan 装備の Mac とペアリングすることもできるからだ。(従来通りに旧式の Bluetooth ペアリングで他のコンピュータと接続することもできる。)

いくつかの面でこれらの周辺機器は前のモデルと大きく違っているが、それでも従来と変わらぬ個性を引き続き保っている。それは良いことなのか、悪いことなのか? その答はあなたが自分で決めるしかない。近くの Apple ストアで実際に触ってみるのが一番だろう。

私はこれまで Apple 製の周辺機器のユーザーではなかったので、これらのアップグレードされたデバイスが私を乗り換えさせることはないだろうが、私が知っている何人かの人たちは新しいバージョンが大好きだそうだ。

Magic Mouse 2 ($79) -- Magic Mouse 2 とその前の Magic Mouse とをよく調べてみても、両者を区別するのはなかなか難しいだろう。

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裏側に、大きな違いがある。Apple は 2 本の AA (単3) 電池を収納していた部分をなくし、トラブルの多かったその蓋もなくして、底面を大体において滑らかな面にした。ただ Lightning ポートと、お馴染みのプラスチック製のレール、それに電源スイッチが底面にある。

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Mac とのペアリングは、物理的な Lightning 接続を通してする。ただし、いったんペアリングされた後は Bluetooth 経由でワイヤレスに使える。マウスの電源を入れて、ケーブルを差し込めば、ほんの一秒か二秒でペアリングされる。私は Magic Mouse 2 を何台かの Mac でテストしてみたが、いずれも確実にペアリングできた。その後のワイヤレス接続も、やはり安心して使えた。

Lightning ポートは充電のためにも使う。ポートがマウスの裏側にあるのは困ると言う人たちもいる。なぜなら、充電のために Mac と物理的に接続されている間は、マウスとして使うことができないからだ。

これと比較すべきは、私が使っている Logitech MX Master のようなデバイスだ。こちらは鼻先に micro-USB ポートが付いている。つまり、コンピュータの方に向いた端のところだ。これで、ワイヤードに接続された入力デバイスとしても働くので、テザリングの最中や充電の最中にも使える。

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Apple や、他の Magic Mouse 2 擁護者たちに言わせれば、Lightning ポートの位置は問題ではない、いざとなればたった 2 分間の充電でマウスをおよそ 9 時間連続して使えるからだという。その点は、私も同感だ。ポートの位置は大した問題ではない。充電のために繋いで、ちょっとおやつの休憩にして、それから手に持てば仕事が続けられるからだ。

フルに充電された Magic Mouse 2 はおよそ一ヵ月間働くのだという。

この Magic Mouse 2 は、それ以外の点では前のモデルと見栄えも働きも同じだ。滑らかな上面では同じマルチタッチのジェスチャーが使え、低めのデザインや、嫌う人も多い鋭いエッジその他も同じだ。

Magic Mouse 2 は OS X 10.11 El Capitan を要するが、それは Lightning 経由で Mac とペアリングする場合の話だ。私は Windows ベースの Surface タブレットと通常の Bluetooth ペアリングで接続して何の問題もなく使えたし、その点はおそらく旧型の Mac でも同じことだろうと思う。

従来の Magic Mouse が大好きな人は、新しいけれどもほとんど同一のこのモデルを何の困難もなく使えるだろう。他方、従来のモデルが苛立たしいネズミだと思っている人は、新しいモデルも同じくらい嫌いになることだろう。

Magic Keyboard ($99) -- Apple がアップデートしたキーボードは、新しいマウスとは違って、一目で旧モデルと見分けることができる。

キーがよりフラットになり、キーの高さも薄くなり、12 インチ MacBook のキーかと思うほどだ。Fキーがフルサイズになり、旧型 Wireless Keyboard のようなハーフサイズではなくなった。Magic Keyboard 右下隅の左右矢印キーもフルサイズになった。(ただし上下矢印キーはハーフサイズのままだ。)

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おそらくもっと重大なこととして、キーボードの奥側の縁のところが従来のようにキーボード横幅一杯に伸びる円筒の上に乗った形ではなくなった。旧型ではバッテリを収納するためにこの円筒が必要であった。電源スイッチも、旧型の円筒の片側の丸いボタンの代わりに、奥の側面上のトグルスイッチになった。

そういう訳で、この新しいキーボードは見た印象がいくらかすっきりして、シンプルな、ほんの少しだけ傾斜した金属の本体に、以前より上の縁に近寄ったところまで並んだキーが埋め込まれている。全体的に、魅力的に見える。

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この新しいキーボードが以前より進歩しているか否かは議論の分かれるところだ。フィーリングはかなり違う。12 インチ MacBook のキーボードが MacBook Air や MacBook Pro のキーボードとフィーリングが違うのと似ている。私自身は、新しいキーボードのフラットなキーの方が好きだ。とても打ちやすく、このレビュー記事を書きながら私の手は Magic Keyboard の上で踊った。

予想されたことだが、Apple の旧型の周辺機器に賛否両論があったのだから、この新しいキーボードもすべての人に愛されるとは思えない。TidBITS 編集主幹の Josh Centers は「このキーボードを使ってきて、だんだん嫌いになってきた。キーの間隔がひどくおかしいのでしょっちゅうミスタイプをしてしまうし、タイプしている最中に知らずに矢印キーを押してしまう」と言っている。

私を思い止まらせるのが、このキーボードの極端なまでの最小主義だ。私が大好きなのは Microsoft の Wireless Comfort Keyboard 5000、プラスチックとゴムでできた特大サイズの周辺機器で、Darth Vader の雰囲気を醸し出す。手前に組み込まれているたっぷりした大きさの手首レストは感触も快適で、数字キーパッドと、一連のページ・ナビゲーションボタンもある。昔ながらのキーキャップも私の好みだ。

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ここで、4K Retina ディスプレイモデル iMac のレビューのために Apple が送ってくれた二台のキーボードで私が経験した問題に触れない訳には行かない。デバイスと iMac とのペアリングを保つことができず、原因が Mac にあるのか、キーボードにあるのか、それとも両方にあるのか、はっきりしなかった。私はすべてを送り返したが、代わりに送られてきた iMac とキーボードには何の問題もなく、今も快調に動き続けている。

Magic Mouse 2 と同様、Magic Keyboard も El Capitan ベースの Mac との間で物理的なテザリングをするが、通常の Bluetooth ペアリングを使って他の機器 (私の場合は iPad) とリンクさせることもできる。

Magic Mouse 2 の Lightning ポートと違って Magic Keyboard の Lightning ポートは奥の側面上にあり、充電中も周辺機器として使える。Apple によればバッテリ寿命は一回の充電でおよそ一ヵ月とのことだ。

けれども、この新しいキーボードは私の目にはモバイルデバイスとしてあまり良いものには見えない。保護カバーが付いていたり複数のコンピューティングデバイスとのペアリングを切り替える三方向ダイヤルが付いていたりする他のものと比べれば見劣りする。(例えば 2015 年 11 月 13 日の記事“Logitech K760: 本当に何も繋がないワイヤレスキーボード”を参照。)Apple はこの Magic Keyboard をデスクトップのデバイスを意図して作ったのであり、使い方もそこに限定されるべきだ。(つまり、Incase の Origami Workstation のような携帯用ケース兼スタンドを誰かが思い付くまでの間は、ということだ。あれは旧型の Wireless Keyboard 用のアドオンとして人気がある。)

いずれにしても、Apple Wireless Keyboard から Magic Keyboard へ切り替えようかと思っている人は、買う前に Apple ストア店頭の展示モデルか、あるいは誰か友だちが持っているものに触って試してみてからにすべきだろう。

Magic Trackpad 2 ($129) -- 今回の新しいデバイスの中で、最も大きく変わったのが Magic Trackpad 2 だ。

まず最初に、この新しいモデルは横長の長方形になったことが目立つ。ノートブック機のトラックパッドと同じ感じで、従来の正方形のトラックパッドとは対照的だ。従来は横方向の幅が狭過ぎて、指を動かす余裕が少なかった。

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新旧のトラックパッドは双方とも表面はガラスだが、新しい方が少し滑る感じがする。良い意味でだ。新しいトラックパッドはガラスの下の色が白で、他のデバイスともマッチするし、私は古いグレイよりもこの方が好きだ。

古いキーボードと同様、古い Magic Trackpad は奥側の縁にバッテリを収納する円筒があって片側の側面に電源ボタンがあった。

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新しい Magic Trackpad 2 の方は、Magic Keyboard と同様にシンプルになった。少しだけ傾斜のついた台で、トグル式の電源スイッチが奥の側面上にある。両者は大体うまく並ぶけれども完璧に揃う訳ではない。トラックパッドの上面の方が、奇妙なことに、キーボードの上面より少し高くなるからだ。この点が気に入らない人もいるだろうし、高く評価されてきた Apple の工業デザインチームの仕事としては大きな失態のように思える。

さて、最も重要な点は、新しい Magic Trackpad 2 が最近のノートブック機に内蔵のトラックパッドと同じく Force Touch 機能を組み込んだことだ。つまり、クリックしてからしっかり押し込めば、Quick Look や、Look Up (ウェブページや Mail メッセージのテキストを強めにクリックすれば Dictionary や Wikipedia などから取り寄せた情報が表示される)、あるいは速度可変のメディアコントロールなどができる。

Force Touch には数多くの利用法があるけれども、私はこれを使いたいと強く思ったことは一度もないし、Apple の新しいトラックパッドも私の考えを変えることはないと思う。それに、例えばファイルをドラッグしている最中など、具合の悪いタイミングで Force Touch が勝手に呼び出されて困ると苦情を言う人たちもいる。もしそんなことが起こったら、私もこの機能を完全に無効にしたいと思うことだろう。

けれども Magic Trackpad 2 は私がこれまでほとんど気にもしなかったようないくつかの機能を素直に受け入れるきっかけを作ってくれた。例えば、ページの間やフルページのアプリの間を二本指でスワイプしたり、親指プラス三本指でピンチして Launchpad を開いたり、親指プラス三本指で押し広げてデスクトップを見たり、といったことだ。

これらはすべて楽しかったけれども、Magic Trackpad 2 を私の仕事机の上に常駐させたいと思うほどではない。机の上に置くと、ひっきりなしに見事なまでに私の黒い Microsoft キーボードとぶつかるのだ。(まるで Jedi の騎士が Sith の暗黒卿にぶつかるかのように。)

この Magic Trackpad 2 は、その兄弟たちと同じく、付属の Lightning ケーブルで El Capitan 装備の Mac とペアリングするように作られているが、他のものたちと同じくこのトラックパッドも従来型の Bluetooth ペアリングでコンピュータとリンクすることができる。例えば私の Surface でもちゃんと働いた。

Magic Keyboard の Lightning ポートと同様に、この Magic Trackpad 2 の Lightning ポートも奥の側面上にあり、充電中も周辺機器として使える。Apple によればバッテリ寿命もキーボードやマウスと同じでおよそ一ヵ月とのことだ。

控え目な魔法 -- 長年 Apple の Mac 用周辺機器を気に入って使ってきた人は、これらアップグレードされたバージョンに魅力を感じるだろう。内蔵バッテリは歓迎すべき改善点だし、Magic Keyboard の MacBook 風のキーや Magic Trackpad 2 の Force Touch 機能など現代的な趣向は間違いなく転向者を獲得することだろう。

でも、Apple の従来の入力デバイスのファンではなかった人たちは、アップグレードされたものを見ても感銘は受けないだろう。Apple の過去のデザインにも、これらの新しいデバイスにも、その根底となるべき使い勝手の研究がどの程度なされたのかは、はっきりしない。例えば、変更点はタイピングの速度とマウス操作の正確度を向上させるためにデザインされたのかどうかといったことだ。また、大多数のユーザーが Force Touch ジェスチャーを既存のものも新しいものも覚えていて使いこなしていることを示す調査結果を Apple は持ち合わせているのだろうか。それとも、これらの変更点は主として工業デザインと電源サブシステムに磨きをかけるためのものであったのか?

いずれにしても、今回のアップデートは大体において控え目で、古いデバイスに単なる調整を加えただけであり、改訂したというほどのものではない。そのことはとりわけマウスについて言えるし、キーボードについても状況はあまり違わない。ただ、トラックパッドでの変更はなかなかクールだ。

私は、引き続き私の Microsoft キーボードと Logitech マウスを使いたい。たとえ私が次に iMac を購入して、Magic Keyboard と Magic Mouse 2 がそれにバンドルされていたとしても、私は今のキーボードとマウスを使い続けるだろう。バンドルされていたキーボードとマウスは、箱から出さずに新品同様の状態に保ち、時が来ればその iMac と共に売り払うことになるだろう。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2015 年 12 月 7 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Little Snitch 3.6.1 -- Objective Development が Little Snitch 3.6.1 をリリースし、一部の OS X 10.11 El Capitan ユーザーをカーネルパニックで悩ませていたバグを修正した。このネットワーク監視および診断ユーティリティではまた、iOS Simulator アプリに関係する問題点のため tvOS アプリがシミュレータの中で接続の警告を表示しなかったのを解消し、Until Quit のルールがそれに関係するアプリケーションが終了した後も残ってしまったバグを修正している。(新規購入 $34.95、無料アップデート、21.3 MB、 リリースノート、10.8+)

Little Snitch 3.6.1 へのコメントリンク:

Mellel 3.4.4 -- RedleX が Mellel 3.4.4 をリリースし、このワードプロセッサアプリに改善やバグ修正をたっぷりと加えた。今回のアップデートでは二次的フォントスクリプトリストに Coptic, Thai, Lao の各スクリプトを加え、Coptic テキストによるフォント置換への対応を改良し、フルスクリーンモードでウィンドウを閉じた際に Mellel をクラッシュさせたバグを修正し、参考文献のスキャンで最後の参照項目がイタリック体で始まっていた場合に起こったイタリック体に関する問題を解消し、文献の参照に ")" による括弧付けの対応を追加し、フォーカスが find/replace フィールドにある際のマーカーサブメニュー、パレット、キーボードショートカットの設定と調整に関する数多くの問題点を修正している。RedleX は iPad 用の Mellel もアップデートし、Command-B, Command-I, Command-U のショートカットに (Bluetooth 対応のハードウェアキーボードを使っている場合に) 対応させてそれぞれボールド、イタリック、アンダーラインを切り替えるようにするとともに、分割画面での挙動も改善している。(RedleX からも Mac App Store からも新規購入 $39、無料アップデート、93.2 MB、リリースノート、10.6+)

Mellel 3.4.4 へのコメントリンク:

Tinderbox 6.4 -- Eastgate Systems が Tinderbox 6.4 をリリースし、DEVONthink との統合を改善した(“DEVONthink/DEVONnote 2.8.8” 1 December 2015 参照)。これで、ノートが DEVONthink にペーストされると Tinderbox の $Tags が DEVONthink のタグとして保たれ、ノートがリンクされたままとなる。Eastgate の個人用コンテンツアシスタントへの今回のアップデートではまた、その書類の中で最もよく使われている単語をクラウド表示する Get Info 枠を新設し、アトリビュートの値を(ポップアップメニューや自動補完を通じて)提案してその中から選択できるようにし、脚注を改良してどんな語句からも即座にノートを(新しいノートとの間のリンクも付けて)作成できるようにし、Delicious Library との統合を盛り込んでいる。(新規購入 $249、無料アップデート、49.9 MB、 リリースノート、10.8+)

Tinderbox 6.4 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2015 年 12 月 7 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

ここ二週間で私たちの興味を惹いたものを紹介するこの ExtraBITS 記事では、Apple が同社のクラウド音楽サービスでトラック数の上限を上げ、Dropbox が Carousel と Mailbox の終了を予定し、Apple が同社の Swift プログラミング言語をオープンソース化し、Adobe が Flash が消滅への道に向かっていることを認め、AT&T が無制限データプランの料金を値上げし、Apple Watch を気に入らない人たちがいる理由を考え、Amazon Instant Video が Apple TV に登場しつつあり、The Verge は Spotify が Rdio から何を盗み取るべきかを説明する。

Apple、クラウド音楽サービスでトラック数上限を緩和 -- Apple がようやく、iTunes Match と iCloud Music Library のトラック数上限を 25,000 から 100,000 へと変更した。Apple は 2015 年 9 月の iOS 9 のスタートの際にトラック数を増やすことを約束していたが、ユーザーたちが実際に増えたことに気付いたのは今月になってからであった。Apple は波状的にこの機能を出しつつあるところなので、もしもあなたがまだ 25,000 トラックのままならば、まずは数日か数週間待ってから、それでも駄目なら Apple に電話で文句を言うのがよい。そんなに多くのトラックを持っている人たちはごく少数に過ぎず、これが全体のコストにそれほど大きな影響を持つとも思えないので、そもそもなぜ Apple が上限を設けているのかは定かでない。

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Dropbox、Carousel と Mailbox を終了へ -- Dropbox が、同社の写真管理アプリ Carousel を 2016 年 3 月 31 日に、同社の電子メールアプリスイート Mailbox を 2016 年 2 月 26 日に、それぞれ終了する予定であると発表した。Dropbox によれば、これら二つのアプリの機能は同社の核心たるクラウドストレージ機能の中に統合されるという。Carousel は Dropbox 自身が 2014 年に作り出したもので、少なくとも意味あるアプリではあった。一方 Mailbox は独立のアプリを Dropbox が 2013 年に(我々には結局理解できなかった理由で)買収したものだ。Dropbox への教訓を一つ。自分の仕事だけを考えていなさい (Stick to your knitting)、この場合で言えばファイル共有と書類の共同編集だけを考えていなさいということだ。

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Apple の Swift プログラミング言語がオープンソースに -- 約束通りに、Apple は同社の Swift プログラミング言語のソースコードを Apache 2.0 ライセンス (Runtime Library Exception 付き) の下でリリースした。Apple は Swift 用のウェブページを作って、そこにソースコード、マニュアル、コミュニティーその他へのリンクを含めた。このソースコード自体は GitHub プロジェクトの中にホストされ、GNU/Linux オペレーションシステムの Ubuntu 配布用のバージョンも含まれている。約束をきちんと守ってくれた Apple を称賛したい。ただ、問題は Swift が Apple 以外のプラットフォームでも勢いを得るほどに興味深い言語として受け入れられるかどうかだ。

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Adobe、Flash を廃止予定に -- Flash はまだ墓場に納まった訳ではないが、その残り時間はもうあまり長くない。ブログ記事の中で、Adobe は Flash Professional CC が Animate CC と改名され、HTML 5 コンテンツの作成を中心的機能とするようになると発表した。Animate CC は引き続き Flash コンテンツも生成するし、Adobe によれば「新たな標準が未だ十分に成熟していない領域においては」同社は今後も Flash の改良を続けるというが、それでも同社は開発者たちに対して新しい Web 標準を Flash の代わりに使うことを奨励している。決して早過ぎることはない。Flash はさまざまのセキュリティの問題に苦しめられているし、Apple は機会あるごとに Flash を Mac 上で無効化しようと努めているのだから。Flash は、ユーザーにも、ウェブ開発者にも、混乱の源となってきた。もしも特定のサイトで Flash 対応が必要となったならば、独自に常時アップデートされる Flash を内蔵している Google Chrome を使えばよい。

コメントリンク: 16120

AT&T、既得権による無制限データプランを値上げ -- AT&T が既得権による無制限モバイルデータプランの料金を 2016 年 2 月から月額 $5 ずつ値上げすると発表した。AT&T は既に無制限モバイルデータプランの大部分を廃止済みではあるが、昔から無制限プランを使い続けている人たちはそれを継続することを許されている。値上げの結果として、AT&T は値上げを示した請求書が初めて届いた日から 60 日以内にサービスをキャンセルした顧客に対しては期限前契約解除手数料を適用しない。iPhone の初めてのリリースの際に Apple が取り決めた無制限データプランはあまりにもお買い得であったので、既得権でそれを使い続けているユーザーたちに乗り換えさせることができるだけの新プランを AT&T は未だに思い付けずにいる。

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Apple Watch を使わなくなる人たちがいるのはなぜか -- アナリストの Ben Bajarin は、ウェアラブル機分析専門の会社 Wristly のために、Apple Watch に不満を感じて使うのを止めたユーザーたちを対象に調査を実施して、Apple のこのスマートウォッチの主たる欠点が何かを探り出そうとした。不満を感じた Apple Watch オーナーたちの多くが共通して述べた意見は、パフォーマンスの悪さ、バッテリ持続時間の短さ、時計画面が常時見える訳ではないこと、iPhone に依存すること、そして価格の高さであった。これは驚くべきかもしれないが、最も酷評を述べ最も大きな不満を感じている Apple Watch オーナーたちは「テクノロジー業界で働く人々、テクノロジー批評で生計を立てている人々、あるいはかなりテクノロジー的志向の強い人々」であったという。誤解のないように言っておくと、この調査はあくまでも不満を感じているユーザーのみを対象としたものであって、Bajarin によれば Apple Watch に満足しているオーナーたちの方がずっと大きなグループを成しているという。

コメントリンク: 16113

Amazon Instant Video が Apple TV にやって来る -- エンジニアの Dan Bostonweeks が Amazon に連絡を取って Amazon Instant Video アプリが第四世代 Apple TV で使えないことに苦情を述べたところ、Amazon が現在それを開発中だという返答を得て彼は驚いた。その上、同社はこのアプリが数週間以内に入手できるようになる予定だとも述べたという。Amazon Prime Video だけは他のビデオストリーミングボックスを使って見なければならないことに飽き飽きしていたユーザーたちには、嬉しいニュースだ。私たちとしては、これがオンラインに行き交う悪評を終わらせるものとなることを願いたい。Amazon が Apple ユーザーを無視しているとも、また Apple が Amazon に対して公明正大に振る舞わないとも、言う人の立場によって表現が変わる悪評だ。

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Spotify は Rdio から何を盗み取るべきか -- 2 千万人以上の契約者を持つ Spotify は現在最も人気ある音楽ストリーミングサービスだが、競合相手であった Rdio が閉鎖となることで、Spotify にとって状況は好転するのみであろう。The Verge の記事で、Casey Newton は Spotify が Rdio から盗み取るべき五つのことがらを挙げる。ダウンロードに関する Rdio のやり方、New Releases ページ、アルバム通知、listening セクション、それに全体的な見栄えだ。確かに今の Spotify の立場は強いけれども、今やその主たる競争相手は Apple や Google といったテクノロジーの巨人たちの製品となるのであって、つまり Spotify としても現在の栄光に満足してなどいられないということだ。

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TidBITS ISSN 1090-7017©Copyright 2014 TidBITS: 再使用はCreative Commons ライセンスによります。

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