TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1334/22-Aug-2016

次期 iPhone に備えてセルラーキャリア各社はそれぞれのプランを調整中で、AT&T はデータの超過料金をなくそうとしており、Sprint と T-Mobile は新たな無制限データプランを用意している。仮想化アプリ Parallels Desktop の新バージョンが出たが、Joe Kissell の新しい Take Control ブックもそれに合わせて出た。Parallels の新機能について、"Take Control of Parallels Desktop 12" を持っていたい理由について、Joe が説明する。Take Control ブックやその他のファイルを Kindle に転送しようとしてできなかった人のために、Adam Engst が解決策を紹介する。それから、新しい iPhone に備えて Find My iPhone について知っておこう。なぜそれが必要か、どうやってオンにするか、オフに切り替えるべき状況は何かを学ぼう。今週注目すべきソフトウェアリリースは、LaunchBar 6.7.2 と OmniFocus 2.6.2 だ。

記事:

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AT&T の新セルプラン、データ超過料金を廃止

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

AT&T は Mobile Share Advantage と名付けた一式の新しいワイヤレスプランを導入したが、これはギガバイト当たり $15 のデータ超過料金を廃止している。代わりに、データの上限に達すると、課金期間が終わるまで速度は最大 128 Kbps に落とされる。これは痛みを感じるほど遅いが、少なくとも請求書を見てデータ料金に驚かされるということは無くなる。速度が落ちるのは困るという人は、次に高いプランに移行出来る;我々は、後日元に戻すことも可能だと推測している。

AT&T は何も言っていないが、一般的な話をすれば、この新しいプランの一つに変更するには切り替える意思表示を自らしなければならない;AT&T は通常自動的に切り替えることはしない。

この新しい Mobile Share Advantage データプランは、1 GB で月額 $30 から始まり、3 GB で $40、6 GB で $60、 そして 10 GB で $80 と続く。T-Mobile や Sprint の様な競合社とは違い ("T-mobile と Sprint が無制限のデータ通信を発表 (より高い価格で)" 19 August 2016 参照)、AT&T は "無制限" オプションは提供していないが、同社の新プランは、最大で 100 GB で月額 $450 まで行く。

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全ての Mobile Share Advantage プランには、Rollover Data (ある月の未使用分は翌月にも使える)、iOS の Personal Hotspot に対するサポート、無制限の国内通話とメッセージ、そして 120 以上に及ぶ国に対しる無制限のメッセージを含む。また 10 GB 及びそれ以上のプランには、Mexico 及び Canada に対する無制限の通話とメッセージ、そして Mexico での無料のローミングが含まれる。

一つのプランに対して最大 10 の機器を加えることが出来る。AT&T のプランには全て、月額 $10-$40 の機器単位のアクセス料金が課せられるが、AT&T はこれらの料金もまた簡素化した。Mobile Share Advantage プランの場合、非ビジネスプラン上の自由契約のスマートフォンは月額 $20 のアクセス料金が課せられる;セルラー機能付きの iPad やその他のタブレットを追加するのは月額 $10 である。2 年契約のスマートフォンでは、月額 $40 のアクセス料金はそのまま残る。

この新しい Mobile Share Advantage プランにすると、料金が下がるか、或いは今払っているのと同じ額でより沢山のデータが提供されることになるであろう。自分の状況に基づいた詳細を知るには、AT&T に電話をするか、或いは AT&T の店を訪問されたい。

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T-mobile と Sprint が無制限のデータ通信を発表 (より高い価格で)

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: 清水 史彦 <qff01604@nifty.com>

典型的に大げさな言葉で、T-mobile は、T-Mobile ONE を発表した。これは、データ通信の上限をなくしたスマートフォンとタブレット向けの新しいワイヤレスのプランだ。負けないように、Sprint は、Unlimited Freedom と呼ばれる対抗プランを打ち出した。だが、もちろん、これには落とし穴があり、中でも無視できないのは、トータル価格が、多くの人にとっておそらく今よりも高くなるということだ。

ONE は最も孤独な数字 -- T-Mobile ONE は、2016 年 9 月 6 日に開始される。T-Mobile の全ての顧客が、直ちに T-Mobile ONE に移行するように促されるわけではないが、CEO の John Legere は、これは、誰もが T-Mobileと共に前に進みながら、ビジネスを行う手段になるだろうと明言した。シンプルな主張とは裏腹に、ONE には多くの変数と付加料金がある。

Legere は、4 人家族は、1 回線あたり、たった $40 で、無制限の通話、ショートメール、そして、データ通信が得られると自慢しているが、これは少々誤解を招くものだ。このプランでは、最初の回線は、月 $70 で、2 番目が $50、そして、8 回線までの追加回線が月 $20 である。そして、もし自動払いにサインアップしない場合は、月に $5 追加で払うことになる。そう、その通り、4 人家族は、1 回線あたり $40 払うことになるが、独身なら $70だし、カップルなら、それぞれ $60 払うことになる。タブレットを 1 台、月 $20 で追加することもできる。

T-Mobile ONE が、どのように「無制限である」かについては、制限もある。動画は標準の精細度に制限されている。もし、HD のビデオを見たいなら、1 回線あたり、月 $25 が追加でかかる。月に 26 GB を超えると、T-Mobileは、回線速度を落とすかもしれない。そして、ONE にはテザリングも含まれているが、この速度は 2G にすぎない。高速テザリングで5GB のデータ通信を行うには、月 $15 かかる。

T-Mobile ONE は、標準の T-Mobile の特典も、全て呼び物にしている。例えば、140 ヶ国を超える国々における無制限のショートメールおよびデータ・ローミング、メキシコとカナダにおける無料ローミング、そして、Wi-Ficalling が挙げられる。

多くの平均的ユーザーは、T-Mobile ONE にすると、おそらく今より値段が上がることになるだろう。私たちが昨年 "Comparing U.S. iPhone Plan Costs in a Contract-Free World"「契約に縛られない世界で、アメリカにおける iPhone プランのコストを比較する」(2015 年 9 月 11 日) で行った解析によれば、月に 1 GB の高速データ通信に支払いしている個人(T-Mobile は、超過料金を課す代わりにデータ通信の速度を絞る) は、ONE のプランで月 $20 を余分に払ってもいいと思うだろう。ONE にする前に、2 GBのデータ通信に $80 を支払っていたカップルは、ONE になると月々の支払いが $120 に上がることになる。3 GB のデータ通信をしている 3 人家族は、ONE にする前には、$90 さえ支払えばよかったが、ONE にすると、請求額は$140 に達することになる。

T-Mobile は、こうしたやり方は、リンゴをオレンジと比較するようなものだと言うだろう。なぜなら、ONE は、無制限の データ通信 (もしくは、速度が絞られる前の少なくとも 26 GB) を提供しているからだ。だが、T-Mobileは、既に、多くのストリーミング・サービスからデータの上限を外している。つまり、T-Mobile の顧客の多くは、実際にはデータの上限には決して到達しないということだ。

Sprint の方がより安い -- Sprint の新しい Unlimited Freedom プランは、2016 年 8 月19 日に始まった。T-Mobile とは異なり、UnlimitedFreedom は、先に進むための唯一の選択肢であるようには思われない。

Unlimited Freedom では、無制限の LTE データ通信、通話、そして、ショートメールが、月 $60 で提供される。2 番目の回線は、$40 で、さらに追加の回線は、10 回線まで月 $30 だ。

落とし穴は、T-Mobile と同様に、Sprint は、ある種のデータ通信、例えば、動画、ゲーム、そして音楽などを「最適化」するということだ。動画は 480pの解像度に制限され、ゲームは 2 Mbps の速度に絞られ、そして音楽ストリーミングは、上限 500 Kbps に音質が制限される。テザリングのために、顧客は、月に 5 GB の高速データ通信が手に入る。これを超過した場合、32 Kbpsの速度に絞られるのを受け入れるか、あるいは、1 GB あたり $15 でさらにデータ通信を購入するかのどちらかとなる。

世界中で、旅行したり、他人とコミュニケーションを取ったりする人のために、Unlimited Freedom には、アメリカへの国際ショートメール送信、2G速度での無制限のショートメールとデータ通信、カバーされている国における1 分あたり $0.20 の通話が含まれている。無料の Sprint Open World プランには、カナダ、メキシコ、そして、ラテン・アメリカの多くの国における無制限の通話とショートメール、加えて、1 GB のデータ通信が含まれている。あるいは、Sprint Global Roaming では、高速データ・アクセスを 1 日、1 週間、そして、2 週間単位で購入することができる。

Sprint の Unlimited Freedom は、T-Mobile ONE よりも安い。個人で、T-Mobile に月に $70 払うなら、Sprint では、$60 となる。T-Mobile に$120 払うカップルは、Sprint では、たったの $100 だ。T-Mobile に $140払う 3 人家族は、Sprint への支払いは $130 に過ぎない。この比較においては、カップルが最も割がいい。

だが、昨年の Sprint Family Share Pack の購買意欲をそそられる価格に比較すると、Unlimited Freedom は、家族にとって、値段が上がることになる。単身者は、引き続き、月 $60 の支払いで、以前と変わらないが、カップルは月に $25 余分に払うことになるし、3 人家族は毎月 $30 の余分な出費となる。ただし、Sprint は、T-Mobile が行っているような無料のデータ通信の特典を全て提供しているわけではないので、個人の状況によっては、異なる計算結果になるかもしれない。

こうした変化と、AT&T における最近の変化 (「AT&T の新セルプラン、データ超過料金を廃止」、2016 年 8 月 18 日参照) との間には、次期 iPhone に向けた前哨戦において、携帯電話会社の競争が過熱していることが挙げられる。T-Mobile と Sprint の CEO は、さっそく Twitter 上で舌戦に入った。T-Mobile の John Legere は、Sprint を「猿真似」だとして非難し、一方、Sprint の Marcelo Claure は、Legere を「詐欺師」だと非難している。

私たちは、単に数字が自ずから語っていると言うにとどめる。今や、ずっと多くの iPhone が契約に縛られなくなっているので、あらゆる通信会社のプランを比較すべきだし、自分の実際のデータ通信使用のために、最も有意義なプランを選ぶべきだ。

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新しい Parallels Desktop 12 が高速化、Take Control Book も発刊

  文: Joe Kissell: jk@alt.cc, @joekissell
  訳: 清水 史彦 <qff01604@nifty.com>

10 年前、Apple は、Intel のプロセッサを Mac に入れ始めた。これにより、Boot Camp (オペレーティング・システムの切り替えに再起動が必要)、または、仮想化アプリ (Windows を OS X と並行して走らせることができる) のどちらかを使えば、Mac 上で Windows を走らせることができるようになった。Virtual PC のような先駆けとなる (そしてずっと遅い) エミュレーションアプリも存在していたが、Parallels Desktop は、OS X 向けの最初の真の仮想化アプリであったし、今でも元気に進んでいる。ちょうど、バージョン 12 がリリースされたところであり、性能が向上し、新しいユニークな機能を備えている。この新しいバージョンについては、手に取ってほしいもう一つ別のものもある。それは、私の本、"Take Control of Parallels Desktop 12" だ。

Parallels Desktop 12 は、共有フォルダへのアクセス、仮想マシンのサスペンド、そして、スナップショットの作成といったいくつかの特定の領域で、ノートブックのMac のバッテリー持続時間を延ばしながら、性能を向上させている。新バージョンは、ホストとしても、ゲストとしても、macOS 10.12Sierra に最適化されている。(Sierra 出荷後、すぐに、アップデートに対するフルの公式サポートが計画されている) Parallels Desktop は、仮想マシン内で、OS X 10.5 Leopard Server 以降を走らせることができるが、ParallelsDesktop 自体を走らせるために使う Mac には、10.10 Yosemite 以降がインストールされていなければならなくなった。バージョン 12 では、ホスト・オペレーティング・システムとして、10.9 Mavericks のサポートは行わないことになった。

新バージョンで変わった点の多くは、ディスプレイ関係のサポートだ。例えば、10.11 El Capitan 以降では、仮想マシンで Split View が使えるようになった。また、Parallels には、ゲームの実行に特化したフル・スクリーン・オプションが加わった。そして、ゲスト・オペレーティング・システムとして、OS X を走らせている仮想マシンは、Retina の解像度をサポートするようになった。複数のディスプレイを使っている場合、Parallels Desktop 12 では、それぞれのディスプレイで異なる解像度を用いることができる。加えて、Retina ディスプレイを持つ Mac の場合、新しい Native (つまり、「外部ディスプレイにとって最適な」) モードを使うと、Windows が個々のディスプレイのピクセル密度を制御できるようになる。

Parallels Desktop 12 には、Parallels Toolbox と呼ばれる一連のユーティリティがある。これは、便利な単一機能の Mac 用ユーティリティの集まりで、その多くは、仮想マシンもしくは OS X 内で使うことができる。(たとえ、Parallels Desktop 自身が起動されていなくても) これらのツールには、Macのシステムのメニューか、あるいは、/Applications/Parallels Toolbox Toolsフォルダでアクセスできる。はじめに提供される 20 個のツールの中には、スクリーンショットを撮ったり、画面を記録したりする (どちらの場合も、領域ごと、ウィンドウごと、あるいは、フル・スクリーンで記録できる) アプリ、アーカイブしたり、解凍したりするアプリ、タイマーとストップウォッチ、iOS デバイス向けに動画を変換するアプリ、ビデオ・ダウンローダー (YouTube等向け)、そしてオーディオ・レコーダーがある。Parallels は、このコレクションに、もっと多くのツールを定期的に加える計画だ。

持っていて良かったと思う (そして、巨大な仮想マシン・ファイルをきちんと扱うことができる) バックアップ・アプリをまだ持っていないのであれば、Parallels Desktop 12 の中で Acronis True Image をインストールすることができ、1 年間無料のサブスクリプションを利用することができる。そして、これには、500 GB のオンライン・ストレージが含まれている。(このオファーは、2016 年 8 月 23 日から有効になる。)

その他多くの細かい改変のうち、Parallels Desktop 12 では、以下のこともできる。

価格設定と入手について -- Parallels Desktop 10 または 11 を持っている人は誰でも、バージョン 12 にただいまアップグレードすることができる。Parallels Desktop の有効なサブスクリプションをすでに持っている人(あるいは、Parallels Desktop を 2016 年 8 月 1 日以降に購入した人) は、新バージョンを無料で入手できる。サブスクリプション無しのライセンスを購入した人の場合、Parallels Desktop 12 Standard Edition へのアップグレードは、$49.99 だ。一方、Pro Edition へのアップグレードは、通常、年間 $99.99 だが、限定期間内であれば、年間 $49.99 で提供中だ。(将来更新する場合も、価格は $49.99 に据え置かれるという保証が付いている。)Pro Edition には、開発者にとって有用な多くの機能が加わった。さらに、個々の仮想マシンに、64 GB までの仮想 RAM と 16 個の仮想 CPU をアサインするオプションも付いている。(Standard Edition では、仮想 RAM は 8GB まで、仮想 CPU は 4 個までに限定されている。)

Parallels Desktop 12 の完全版 (アップグレードではなく) は、2016 年 8月 23 日に一般向けにリリースされ、入手可能となる。Standard Edition は、一度だけの購入であれば、$79.99 だ。また、サブスクリプションでは、年間$79.99 だ。Parallels Desktop Pro は、年間 $99.99 だ。Standard Editionの一度だけの購入には、リモート・コントロール・アプリである ParallelsAccess の 3 ヶ月間の試用も含まれている。一方、Pro Edition のサブスクリプションでは、Parallels Access がまるまる 1 年使える。(これは、それだけで $19.99 かかる。) さらに、サブスクリプションの期間中、ParallelsDesktop の新バージョンに無料でアップグレードできる。

Parallels Toolbox、これは、Standard ならびに Pro Edition の ParallelsDesktop に付属しているものだが、これも、2016 年 8 月 23 日から、独立した製品として、年間 $9.99 で利用可能だ。14 日間の無料のお試しも利用可能だ。

Take Control of Parallels Desktop 12 -- 私は、遡ること 2006 年に、"Take Control of Running Windows on a Mac" のまさに初版で、ParallelsDesktop について少々書いた。(後に、VMware Fusion について、別の TakeControl 本を書いた。どちらも、今となっては、はるかに時代遅れになっている。) 私は、Parallels についても、独立した本を書きたいと長年思ってきたが、今に至るまで機会がなかった。私は、過去数ヶ月間にわたって、Parallels Desktop 12 のベータ版を走らせつつ、本を執筆してきた。そして、170 ページの "Take Control of Parallels Desktop 12" が、ただいま $15 で購入可能となった。

あるオペレーティング・システムを別のオペレーティング・システムの内部で走らせるのは、本質的に複雑な作業だ。Parallels Desktop が、このプロセスを簡略化するという素晴らしい仕事をしてくれるとは言え、潜在的には、多くの混乱の種がある。特に、Parallels Desktop の一つの強みは、豊富なプレリァレンスとオプションだが、そうした全ての設定が実際に何を引き起こすかについて理解するのは、そして、自分が求める結果を得るにはどんな組み合わせの設定にすればよいのか決めるのは、気がひけるものであろう。そこで、私の本が、そうした全てを理解するのを手助けする。この本は、潜在的な落とし穴に落ちないように教えてくれるし、問題解決の手助けになったり、自分一人では見つけられなかったかもしれない有用な技を見せてくれたりする。

この本が主として焦点を当てているのは、Mac で Windows を走らせることだが、私は、Mac オペレーティング・システムのあるバージョンを、別のバージョンの中で走らせること (例えば、El Capitan がインストールされているMac で、Sierra のベータ版を走らせること) についてもカバーしている。そして、もしやりたいのであれば、Linux、Android、Chromium OS、そして、その他のオペレーティング・システムをインストールする方法についても説明している。

遡ること 2006 年に、Parallels Desktop について最初に執筆して以来、私たちは長い道のりをやって来た。当時を振り返ると、単に Mac で Windowsを仮想化できるという事実だけでも技術的に感銘を呼ぶものであった。今日、Parallels Desktop 12 のような仮想化ソフトは、Windows 専用のゲームをやりたい人にとって恩恵であり、Windows の仕事効率化ソフトに頼っている人や、Web サイトや複数のプラットフォームにまたがるアプリを開発したりテストしたりする人にとっては、ほとんど必須だと言える。

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Send to Kindle の 50 MB 制限に対処する

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私たちはすべての Take Control 電子ブックを三つのフォーマットでリリースしている。PDF、EPUB、Mobipocket の三つだ。PDF は、私たちが 2003 年に始めた時点で使ったフォーマットであり、今でも電子ブックをコンピュータ上や大画面の iPad 上で読むのに最も適したフォーマットだ。私たちは多大な努力を注ぎ込んで、テキストとそれに付随するスクリーンショットが同じページに来るように、ページの初めや終わりに孤立行が発生しないようにと工夫しているし、また Crash Course シリーズでは魅力的な2カラムのレイアウトになるように工夫しているからだ。EPUB は、Apple が iBooks をリリースして以後に人気を得てきたフォーマットで、小さな画面の iOS デバイスでは最適の選択となる。画面の大きさと、あなたの選んだフォントサイズとに応じて自動的にページを組み直すからだ。それから Mobipocket は、通常略して Mobi と呼ばれ、機能としては EPUB に似ているけれども、Amazon の Kindle デバイスまたはアプリで読みたい人専用のフォーマットだ。

これら三つのフォーマットはそれぞれどの程度の人気を得ていると思われるだろうか? 私たちは最近のダウンロード数を追跡して比べてみたが、その結果はダウンロード数のおよそ 55 パーセントが PDF、およそ 35 パーセントが EPUB、およそ 8 パーセントが Mobi というものであった。(複数個のフォーマットをダウンロードすることもできるので、これらは概数に過ぎない。)

Mobi は最も使われる数が少ないフォーマットであるし、EPUB に影響する問題は概して Mobi にも同じように当てはまるので、私たちは個々の本の Mobi 版に対してあまり深く点検や調整の努力を注いでこなかった。それでもやはり、最近ある読者からの電子メールで、Mobi 版の "Take Control of iTunes 12: The FAQ" がサイズが大き過ぎるので Kindle にコピーできないと指摘されて、私たちはちょっと驚いた。これは、他の本に比べてそんなにサイズが大きかったのだろうか? 少し調べてみる必要があった。

その結果分かったのは、50 MB というのが特別な意味を持つファイルサイズで、Amazon の Send to Kindle アプリSend to Kindle 電子メールサービスは、50 MB を超えるサイズのファイルでは動作しないという事実だった。私たちの電子ブックでそのサイズを超えていたのは三つだけ、今回の iTunes 本以外は "Take Control of Preview" と "iOS 9: A Take Control Crash Course" だ。"Photos for Mac: A Take Control Crash Course" は 49.6 MB で、ぎりぎりセーフだった。

ファイルフォーマットの背景 -- いったいなぜ Mobi ファイルはそんなに大きいのか? iTunes 本の Mobi ファイルは 53.4 MB だが、EPUB ファイルはたったの 21.9 MB で、PDF ファイルは何と超軽量の 6.4 MB だった。これほどのサイズの差を説明するには、それぞれのフォーマットの背景を見る必要がある。

50 MB 問題を回避する -- さて、Send to Kindle に 50 MB までという制限があることが分かったので、私たちの本のサイズがそれを超えないように対策をすることにした。そのための解決策はごく単純だ。

私たちはスクリーンショットを PNG フォーマットで撮影している。単一色の広い領域を含む画像にはこのフォーマットが最適だからだ。けれども、例えば Mac の Desktop や iPad の Lock 画面などは基本的に写真なので、それを含むようなスクリーンショットは PNG ファイルから JPEG ファイルへ変換すれば画質をそれほど落とさず劇的にサイズを小さくすることができる。私たちの iTunes 本では、最もサイズの大きい五つか六つの画像を JPEG に変換してから Mobi ファイルを再生成させるだけで、サイズを 50 MB の制限以下に抑えることができた。(Preview 本にも同じことをしたので、どちらももう問題を起こさないはずだ。)

もしも私たちの本の中でそれほど簡単に 50 MB 以下に抑えることができないものがあった場合、あるいは皆さんが別のところから入手した Mobi ファイルで 50 MB を超えるものに遭遇した場合、そのファイルを Kindle へ、あるいは Kindle アプリへ取り込むためには、他にも手段がある。

Take Control ライブラリから Kindle Fire へダウンロードすればよいだけじゃないか、なぜその方法を勧めないのか、と思われた方もおられるだろう。その方法をお勧めできない理由は、そうやってダウンロードしたファイルの収まる場所が KINDLE/Download なので、例えば File Expert などのアプリを使った手作業で KINDLE/Documents へ移動させなければならなくなるからだ。かなり以前の記事“EPUB、PDF、Mobipocket を Kindle Fire にダウンロードする方法”(2012 年 4 月 22 日) に書いた説明は今でも正しいが、どうやら File Expert はもはや入手できないようなので、このテクニックを使いたいならば何か他のファイル管理アプリを見つけて、ダウンロードしたファイルをそれを使って移動させる必要がある。

私の想像だが、Amazon がファイルサイズを 50 MB に制限しているのは初期の Kindle が使っていた低スループットの Whispernet ネットワークに関係する歴史的理由によるものだろう。私の理解が正しければ、Send to Kindle アプリまたは電子メールサービスが実際のファイルを特定の Kindle に転送する際には、二通りのフォーマットのうちそのデバイスに適した方のみを送るのだろう。けれども今日の高速 Wi-Fi の世界においては、このような制限は苛立たしいほどに古くさい。ぜひ、Amazon には早くこれを撤廃して欲しいと思う。

それはそれとして、USB 接続を使うか、またはインターネットのファイル共有サービスを使うかすれば、制限を回避することができる。

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Find My iPhone を設定し使いこなす

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

かつては Apple の有料サービス MobileMe のセールスポイントであったこともある Find My iPhone 機能は、今では iCloud の到来とともに無料となり、あなたのデジタル生活のプライバシーを守るための重要なツールとなっている。

Find My iPhone は iPhone だけに限られた機能ではない。iPad、iPod touch、Apple Watch、そして Mac 用にもそれぞれに応じた機能があって、それぞれのプラットフォームに応じた名前が付けられている。少し混乱してしまう点だが、Find My iPhone はデバイス上の設定によって制御される iCloud ベースのサービスの名前でもあるし、iOS や iCloud で使うアプリの名前でもある。

名前が示す通り、Find My iPhone (「iPhone を探す」) は GPS 位置情報を地図上に表示することで iPhone を見つける役に立つ。また、Find My iPhone を使ってデバイスに音を鳴らさせたり(家の中で iPhone がどこにあるか分からなくなった場合に便利)あるいは状況メッセージを表示したり(例えばなくした iPad に報奨金を提示したりなど)もできる。さらには Find My iPhone を使って遠隔からデバイスをロックしたり消去したりもできる。

さらにもっと重要なこととして、Find My iPhone は Activation Lock を有効にする。これで、盗人が盗んだ iPhone をセルラーキャリアでアクティベートすることができなくなる。また、誰も Find My iPhone を無効化したりデバイスを消去したりできなくなる。Activation Lock のお陰で、世界中の iPhone 盗難事例が 50 パーセント近くも減ったという! この理由だけでも、Find My iPhone は常に有効にしておくべきだと言える。ただし、iPhone を売り払う場合や、修理のために Apple に持って行く場合は別だ。(Activation Lock について詳しくは記事“Activation Lock について知っておくべき事 ”(2014 年 10 月 8 日) を参照。)

新しい iPhone がもうすぐ登場するはずなので、まだ Find My iPhone を使っていない人は、今こそ Find My iPhone をどうやって設定するか、どんな風に使いこなすかを理解すべき絶好の機会だ。また、今持っている iPhone を売り払う際に Find My iPhone をオフに切り替える方法も知っておくべきだ。

Find My... をオンにする -- iOS も Mac も、それぞれのセットアップの際に Find My... をオンにするよう促してくるけれども、もしも何らかの理由であなたがそれをスキップしていたならば、次のようにして設定し直せる。

iOS では、Settings > iCloud > Find My iPhone に行って、Find My iPhone (または Find My iPad) をオンにするだけだ。iCloud へのサインインを既に済ませているという前提の下に、手順はそれだけ、簡単なことだ。また、Send Last Location もオンにしておくべきだ。こちらはバッテリ残量が危機的に少なくなった場合にそのデバイスの最後に判明した位置情報を Apple へ送信する。こうすることで、たとえ見つける前にその iPhone が死んでしまっても、少なくともそれがどのあたりにあるかの手掛かりが残る。

Find My iPhone が有効になっていれば、Activation Lock も自動的に有効となる。これで、あなたの Apple ID とパスワードを知っている人以外にはそのデバイスが使えなくなる。watchOS 2 以降の走る Apple Watch を持っていれば、Find My iPhone を有効にすることでペアリングされた Apple Watch も自動的に Activation Lock で保護される

Find My iPhone をオフに切り替えるのもやはり Settings > iCloud > Find My iPhone でするが、こちらはもう少し手間がかかる。オフにするにはあなたの Apple ID パスワードを入力しなければならないからだ。また、Find My iPhone が無効になったことを知らせる電子メールも届く。

あなたの iPhone を誰かに売ったり譲ったりする際、またそのデバイスを修理サービスのために Apple に出す際には、必ず Find My iPhone を無効にしておこう。Apple は Find My iPhone が有効になっているデバイスを修理しない。当然ながら、あなたの iPhone を誰か他の人に譲渡する場合は、その前に必ず Settings > General > Reset > Erase All Content and Settings ですべてのコンテンツと設定を消去しておくべきだ。

Find My Mac を有効に切り替えるには、System Preferences > iCloud に行き、Find My Mac を選び、プロンプトに応じて Find My Mac があなたの Mac の位置情報を使うことを認める。Find My Mac を使うには Wi-Fi がオンになっていなければならない。現在アクセス可能な Wi-Fi ネットワークを、Wi-Fi ネットワークと位置情報とを結び付けた Apple のデータベースと比較することが、Mac の位置情報を判定するための唯一の方法だからだ。iOS と同様、Find My Mac を無効にするには Apple ID パスワードを入力しなければならない。

それから、ファームウェアパスワードも必ず設定しておこう。Adam Engst が記事“NVRAM のリセットで Find My Mac を無効化”(2016 年 7 月 22 日) の中で説明したように、ファームウェアパスワードが設定されていないと NVRAM のリセットだけで盗人が簡単に Find My Mac を無効にできてしまう。

Find My... アプリを使う -- iOS デバイス上で Find My iPhone アプリを使うのは分かりやすい。このアプリは地図を表示してその上にあなたのデバイスの位置を示し、またあなたのデバイスのリストも表示する。Family Sharing グループの一員ならば、あなたの家族のデバイスの位置も示される。

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その地図の上で iOS デバイスまたは Apple Watch をタップすれば、次のようなオプションを選べるようになる。オプションが表示されない場合は Actions をタップすればよい。

もしもあなたがそのデバイスを取り戻すことができたならば、iCloud バックアップを使って、デバイスの復旧ができる。もちろん、あなたは iCloud 上で (Settings > iCloud > Backup)、または iTunes 経由で、あるいはその両方で、ずっと以前からバックアップを取っていますよね?

万一あなたのデバイスが復旧できなくなって、かつそのデバイスでセルラープランを契約しているならば、必ずキャリアに連絡して、サービスを打ち切るかまたは他のデバイスに移すかしてもらうのを忘れないようにしよう。ただし、契約条件や支払プランの状況により、月額払いの義務は残るかもしれない。

さて、Mac を追跡するためには少し違ったオプションが提供される。一つ目は Play Sound、二つ目は (Lost Mode の代わりに) Lock、三つ目は Erase Mac だ。Lock が iOS 用の Lost Mode と違っているのは、ロックした Mac を消去することができない点だ。PIN を設定し、それを確認し、それからオプションのメッセージを入力できる。

いったん遠隔から Mac をロックすると、その Mac は特別のロックモードで再起動する。そこからロックを外すには、あなたが設定した PIN を入力しなければならない。そうすれば Mac が再起動して普通通りに使えるようになる。遠隔からロックした Mac に対して Find My iPhone アプリを使ってロックを外すことはできない。

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Mac 用の Find My iPhone アプリはないけれども、それに相当する機能を持ったウェブアプリを iCloud.com が提供する。iOS 用アプリとの主たる違いは、メニューを使ってデバイスのリストにアクセスすることと、ウェブアプリではデバイスに至る道順が提供されないことくらいだ。

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これであなたも Find My iPhone と Find My Mac の裏も表も知り尽くしたので、もはや使わない言い訳は成立しない! 他人に譲り渡すか、あるいは修理に出すかする時まで、あなたのすべてのデバイスで有効にしておくべきものだ。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2016 年 8 月 22 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

LaunchBar 6.7.2 -- Objective Development が LaunchBar 6.7.2 をリリースして、バグを修正するとともに macOS 10.12 Sierra との互換性を改善した。さらに、今回の新バージョンには Preferred Input Source オプションが加わり、LaunchBar がアクティブな間はユーザーが現在アクティブな入力ソースの代わりにキーボード入力ソースを選べるようにした。いろいろの異なるキーボードを使い分けている人には便利だろう。修正されたバグには Git client Tower との互換性の問題、大サイズのファイルのチェックサム計算が正しくなかった問題、壊れていた Browse Ulysses アクション、LaunchBar の Action Editor におけるクラッシュなどがある。(新規購入 $29、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、14.1 MB、リリースノート、10.9+)

LaunchBar 6.7.2 へのコメントリンク:

OmniFocus 2.6.2 -- The Omni Group が OmniFocus 2.6.2 をリリースして、繰り返す項目を複数のデバイス上で編集した場合にデータ破損を起こすことのあったバグを修正した。Getting Things Done に着想を得たこのタスク管理アプリはまた、バージョン 2.6 で現われたバグの結果生じた暗号化エラー "No Key in Slot" の可能性を減らした。Mac 上で(または iOS 2.15 かそれ以降で OmniFocus を走らせていて)このエラーを目にした場合は、Omni Group サポート書類 に書かれている回復の手順が参考になるだろう。(The Omni Group ウェブサイトで Standard 版の新規購入 $39.99、Pro 版の新規購入 $79.99、Mac App Store では Standard 版が $39.99、アプリ内購入で Pro 版にアップグレード可能、28.5 MB、リリースノート、10.10+)

OmniFocus 2.6.2 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2016 年 8 月 22 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の ExtraBITS は二つだけだ。ニューヨーク市にある有名な Apple ショップの Tekserve が所有する Mac コレクションをオークションに出し、開発者を対象としたアンケートが Mac App Store の暗い現状を描き出す。

Tekserve、歴史的 Mac コレクションをオークションに -- ニューヨーク市にある伝説的な Apple ショップの Tekserve が歴史あるその店を閉めることになり、店内のすべてのものを 2016 年 8 月 23 日にオークションにかけることにした。オークションの目玉は Tekserve の Macintosh コレクションだ。いずれも $12,000 から $14,000 という値段からスタートする。35 台のコンピュータから成るこのコレクションには、Steve Wozniak のサイン入りの第一世代 Macintosh、それから NeXTcube に、20th Anniversary Macintosh、初代の iMac、G4 Cube、等々が並ぶ。コレクションには他にも、さまざまの種類のテクノロジーの成果、例えばカメラ、ラジオ、タイプライターなどもある。

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開発者アンケート、Mac App Store を蹴飛ばす -- DevMate は Mac 開発者向けの開発および販売のプラットフォームだが、今回 679 名の開発者たちを対象に Mac App Store に対する考えを問うアンケートを実施した。興味深いことに、回答を寄せた開発者たちの 42 パーセントは製品を Mac App Store とそれ以外の両方で販売しているが、彼らは双方の販売経路からほぼ同等の収入を得ているという。全体的に見て、開発者たちの Mac App Store に対する評価は圧倒的にネガティブで、驚くほど低い Net Promoter Score に結び付いていた。では、開発者たちを最も怒らせた点は何か? Mac App Store の不明瞭かつ扱いにくい審査プロセス、30 パーセントと高い取引手数料、アップグレード版や試用版が扱われないこと、顧客との間の双方向コミュニケーションがないこと、などが挙げられる。DevMate は自ら Mac App Store と競合する立場にあるので必ずしもこの分野で公平な報告とは言えないが、それでもこの結果は私たちが開発者たちからこれまで直接聞いてきたことと合致している。あとは、誰かがインタビューで Tim Cook に直接この調査結果について問い質してくれさえすればいいのに!

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日本語版最終更新: 2016年 8月 26日 金曜日 , S. HOSOKAWA