TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1337/12-Sep-2016

今週はたくさんのニュースがある。Apple が iPhone 7 と iPhone 7 Plus を発表するとともに、Apple Watch Series 2 も発表したからだ。でもそれだけじゃない。Apple は、AirPods も発表した。これは新しい Bluetooth ワイヤレスのイヤーバッドで、独自仕様の W1 チップで動く。Apple の 9 月 7 日のイベントでは他にもいろいろとサプライズがあった。教育に向けた新たな取り組み、iWork におけるリアルタイムの共同作業機能、それに iPhone 用のゲーム Super Mario Bros. もある。それでもまだもっと欲しい人たちのために、同日 Apple は macOS 10.12 Sierra のリリース日を発表するとともに、iPad シリーズにも調整を加えた。Apple 以外のニュースとしては、Dropbox がそのサービスで、ウェブサイトをホストする機能を削除することになった。最後にもう一つ、2016 年の米国大統領選挙戦に外国のハッカーがどのような影響を及ぼし得るのかについて、Jeff Porten が深く切り込む。それから本日限りで iTunes Movies の素晴らしいセールがあるので ExtraBITS を今すぐお読み頂きたい! 今週はほとんどの開発者たちが Apple の発表の影に隠れてしまうのを避けようとリリースを控えていたので、TidBITS 監視リストはない。

記事:

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Apple の iPhone イベント:教育、Karaoke, Mario, 等々

  文: Michael E. Cohen: mcohen@tidbits.com, @lymond
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple は September イベントを James Corden の "Carpool Karaoke" の特別版で幕開けした。登場したのは Tim Cook, Pharrell Williams, そして Corden で、"Sweet Home Alabama" を歌いながら車は楽屋裏入口に寄せてきて、Tim が入場しこのショーの幕を開けるという算段である。彼が入口から入った時も、このプレゼンテーションは時間遅れでまだ続いており、Cook は大きな、待ち望まれた発表に時間の余裕を持たせたので、現在の Apple の取組みについて少々のアップデートを受ける余裕もあったであろう。

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この全イベントを見る時間が無いというのであれば、Apple はとても短いが、大音量の要約ビデオを YouTube に載せている。

Cook は彼の舞台を Apple Music のアップデートで始め、このサービスには今や 17 百万の加入者がいることに触れ、そして iOS 10 で Apple Music に登場する新しいインターフェースを簡単に説明したが、彼はそれを "簡単で直感的" と表現した。最後に、彼はプレゼンテーションのこの部分を、London の Roundhouse で September 18th から 30th まで開かれる Apple Music Festival (以前は iTunes Music Festival として知られていた) の紹介で閉じた。

Cook は次に、音楽から App Store に転じ、App Store からは今やその開設以来 1400 億以上のアプリがダウンロードされたことに触れた。彼は、このストアは過去2ヶ月間に一番近い競合者の2倍を売上げたこと、そして年率では 106% の成長を経験したことを発表した。これらの数字は、同社の最近の利益の減少に対しての投資家からの憂慮を和らげるべく意図されたものなのであろう ("Apple、Q3 2016 で予想を上回るも、スランプは続く" 26 July 2016 参照)。

この App Store の最近の成長の要因の一つはゲームである - Pokemon Go をきちんと発音できますか? これは 500 百万回もダウンロードされている。App Store には現在 500,000 を超えるゲームがあり、そして Cook はこの数字をきっかけにして Nintendo の Shigeru Miyamoto を舞台に呼び出した、彼は Super Mario Bros. と Legend of Zelda フランチャイズの創作者である - 彼は言ってみればビデオゲームの Walt Disney とも言える。通訳の助けを借りて、Miyamoto は彼の会社の次に予定されている Super Mario Run のデモを行った - Nintendo にとっては最初の完全な iOS ゲームであり、このアイコンとも言えるキャラクタの iOS デビューでもある (我々の 2014 April Fools 記事があるにはあるが)。とりあえず App Store では、Super Mario Run が買えるようになった時に通知して貰えるよう申し込んでおくことが出来る。Nintendo は、それを 2016 ホリデーショッピングの期間中だと予測している。Super Mario のスティッカーもまた iOS 10 の配布とともに Messages で入手可となる。

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Pokemon Go の話に戻ると、開発者 Niantic は、このゲームの Apple Watch バージョンでは iPhone を取り出すことなく、多くの基本的なアクションが使えると発表した。

Apple の大発表につながる前段は、何も娯楽とゲームだけではなかった。Apple は以前から教育に興味を持っており、Cook はこの機会を利用し Apple が White House の ConnectED プログラム で何をしているかを説明した。このプログラムは、国中の "サービスが行き届いていない" 学校を対象に、資金、機器、そしてサポートを提供しようというもので、Apple はこのプログラムの下で 114 の学校に Mac, iPad, そして Apple TV を提供する:4500 人の先生が iPad や Mac を受け取り、Apple TV が参加する学校の全部の教室に設置され、そして 50,000 人を超える生徒は iPad を受け取る。(これは素晴らしい話だし、我々は何も批判をしようとしているわけではないが、スケール感を感じて欲しいので言うと、米国には 100,000 に近い K-12 学校 (義務教育の学校) があり、凡そ 55 百万人の生徒がいる。何を言いたいかというと、Apple の ConnectED に対する寄付はこの国の学校や生徒の 0.1% にしか影響を及ぼさない。)

これらの生徒や先生はこの機器上で何を走らせるのであろうか? 色々あるであろうが、Swift Playgrounds がある。これはコーディングを学ぶための環境で、iOS 10 と共に出荷されており、指導ガイドや教え方も付いている。

Swift Playgrounds に加えて、生徒たちはアップデートされたバージョンの Apple の iWork アプリも使うことが出来る。Cook は舞台を Susan Prescott, senior vice president of product marketing, に譲り、彼女は iWork の最新の機能のデモをした:実時間共同作業である。iWork は書類共有を Mac 及び iOS 機器上で大分前から許してきたが、実時間共同作業の能力はこのアプリのブラウザホストバージョンでしか出来なかった。

しかしながら、今やこの新しい iWork アプリは、実時間共同作業を全ての機器上でネイティブにサポートする。このことは、Prescott が、壇上で彼女と共同作業者が提供するアニメやグラフィックスを使って Keynote プレゼンテーションを作成 して見せた。生徒に共同して作業をすることを教えることは多くの教科のなくてはならない部分となっているので、これが iWork スイートに追加されたことは、このアプリが教育者、ConnectED 構想の参加者ではない人達も含めて、に対する説得力ある選択肢となることを約束している。しかしながら、共同作業は Apple がこれ迄に何度も苦い思いをしてきたものでもあるので ("iWork for iCloud ベータ版が iWork.com を思わせる" 10 June 2013 参照)、我々も、これらの新しい機能が教育者、或いは他の誰でもいいが、に対して実際に有用であることを実証出来るか興味を持って見守りたい。

このプレゼンテーションに続いて、Cook と彼の同僚達が舞台に立ち、新しい時計、新しい電話、新しいカメラ、新しいイヤフォン、等々のプレゼンテーションをした。これらの発表については下記の記事で読んで欲しい:

最後に、Apple はこのプレゼンテーション中に Mac や iPad について全く触れなかったが、その日遅く、同社は macOS 10.12 Sierra のリリース日 (20 September 2016 となる) を発表し、そして iPad のラインナップに少しだけ手を加えた ("Apple、iPad の構成と価格を微調整" 12 September 2016 参照)。

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Dropbox、HTML レンダリングを廃止、サイトのホストが不可能に

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

長年にわたり、ウェブサイトを手早くこしらえる必要が生じた場合、その最も簡単な方法の一つは HTML フォーマットのテキストファイルとリンク先のグラフィックスとを Dropbox フォルダの Public フォルダの中に置くことであった。サイト用の index.html ファイルを Finder の中で Control-クリックして、Copy Public Link を選べば、そのページへの URL が得られ、完全機能のサイトを共有できた。この方法が使えたのは、Dropbox が HTML ファイルをダウンロード用に処理する代わりに、ブラウザの中でレンダリングすることを許したからだ。Dropbox は長年にわたってこの機能に特に熱心ではなかったが、同社はこの機能を提供し続けてきた。(2012 年 7 月 14 日の記事“Dropbox の Public フォルダ、消えては生還す”参照。)

残念ながら、2016 年 10 月 3 日をもって、Dropbox は HTML ファイルをウェブブラウザにロードしてレンダリングさせる機能を廃止すると述べた。ファイル自体は Dropbox の中にちゃんとあるが、おそらく Dropbox はそのリンクをクリックした人に対して、そのファイルをダウンロードするか、またはその人自身の Dropbox フォルダに追加するか、というウェブ以外のファイルタイプで現在起こっているのと同じ選択肢を提供するようになるのだろう。この件について知らせてくれた読者の Vic Case に感謝したい。Dropbox は一部のユーザーに通知を送ったが、私も、"Take Control of Dropbox, Second Edition" の著者 Joe Kissell も、そのような通知は受け取っていない。

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そういうわけで、もしもあなたが Dropbox 経由でシンプルなウェブサイトをホストしているなら、数週間以内に別のホスト方法を見つけて、サイトへのリンクをすべて更新しなければならない。Google Drive が同種のサービスを提供していたのでそちらへ移ればよいとお考えかもしれないが、Google Drive もまたウェブページをホストする機能を 2016 年 8 月 31 日で廃止している

代替となるサービスはたくさんあるが、同等にシンプルな(かつ、もし無料の Dropbox アカウントを使っていたならば、安価な)ものを見つけるにはある程度調べて回ることが必要となるかもしれない。一年ほど前、San Francisco 大学 Design 学科で当時准教授であった Scott Murray が、学生たちが卒業後に大学のアカウントがなくなっても自分のサイトを続けられるようにと、静的なウェブサイトをホストする安価または無料のサービスをまとめたリストを公表している。Dropbox も Google Drive も手を引いた今、このリストはやや内容が古くなっているし、中には学生にしかふさわしくないものも含まれているが、それでも調べる出発点としては良い情報源だ。

私自身は、選択肢のどれも使った経験がないので、どれかをお薦めするようなことはできない。その代わりに、お薦めは読者の皆さんにお任せしよう。もしもあなたがシンプルな静的ウェブサイトをホストしているなら、どこでそれをしているか、費用はどれくらいかかるか、そのサービスにどの程度満足しているか、お教え願えないだろうか?

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iPhone 7 および 7 Plus、「さらばジャックよ」

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

そう、噂は本当だった。次世代 iPhone、つまり iPhone 7 と iPhone 7 Plus では、今はほとんどいたる所に付いているヘッドフォンジャックが、なくなってしまう。いったいなぜか? Apple の Worldwide Marketing 担当上席副社長 Phil Schiller はそれを一言で、"Courage (勇気)" という単語で表現した。これは、Apple の過去の決断、フロッピーディスク、光学ドライブ、旧規格のポートを捨て去った際にも働いた「勇気」だ。あるいはまた、避け得ない批判に対して Apple がどう対処するかに関するものとも言える。

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私たちはひとしきり courage という単語の発音について冗談を言い合ってから、なくなったアナログジャックの代わりを Apple がどう埋め合わせたかに注意を集中させることにした。新しい iPhone にはすべて Lightning-ヘッドフォンジャックアダプタが付属しているので、既存のデバイスを使い続けることは可能だ。また、新しい iPhone には Lightning 接続の EarPods も付属する。けれども悲しいことに、アダプタを使っても新しい EarPods を使っても、それを差し込んでいる間は iPhone を充電できない。この欠点を補うサードパーティのベンダーも登場することだろう。幸いにも、追加の Lightning - 3.5mm Headphone Jack アダプタは Apple からたった $9 で買える。

しかしながら、未来はワイヤレスにあると Apple は明言している。ならば当然浮かぶのは、いったいなぜ Apple はとことんまで進めて新しい AirPods を付属品に含める勇気が出なかったのかという疑問だ。(気になる人のために言い添えれば、その勇気の代償は $159 の価格増加だ。)ただここには良い知らせが一つあって、Apple は旧来の Bluetooth オーディオを使っている人も置き去りにしていない。新しい AirPods は Apple 独自仕様の W1 チップで動くが、これは AirPods や、Apple 子会社 Beats のヘッドフォンのために、旧来の Bluetooth 体験を拡張するものだ。(2016 年 9 月 7 日の記事“W1 チップ搭載 AirPods、ワイヤレスオーディオの新時代を開く”参照。)

では、ヘッドフォンジャックがなくなったのはどの程度大きな問題なのだろうか? 発表の後に Toluna Quicksurveys が 1140 人のアメリカの顧客を対象に実施した調査によれば、受けは悪かった。Apple のこの動きは、iPhone 7 で最も気に入らない変更点の上位にランクされた。けれども、私たちの要望に応えて Toluna Quicksurveys は限定質問を二つ追加してくれた。それに答えた人たちの中で、74 パーセントはヘッドフォンジャックがなくなっても購入の決断に影響を及ぼさないと答え、56 パーセントはさらに踏み込んで、そうなっても自分の習慣が変わる訳ではないと答えた。これはおそらく、その人たちが既にワイヤレスオーディオを使っているか、または iPhone 内蔵のスピーカーを使っているからなのだろう。

スピーカーの話のついでに言えば、もう従来ほどにはオーディオのために周辺機器を繋ぐ必要がなくなるかもしれない。新しい iPhone は、初めてステレオスピーカーを搭載したものとなるからだ。一つは上面に、一つは底面にある。Apple はまた、新しい iPhone 7 は iPhone 6s ユニットの二倍の音量を生成できるとも述べている。

さて、ヘッドフォンジャックがなくなった代わりに、他にどんなものが得られるのだろうか? 耐水性能と、防塵性能だ。Apple によれば、新しい iPhone は IP67 規格に適合しているという。つまり、埃からは完全に保護され、最大水深 1 メートルまで水に浸けても保護されるということだ。IP67 は埃の保護については最高等級であり、耐水性能については高い方から三番目の等級だ。現実的には、誤って iPhone 7 を風呂桶の中に落としても何ともないだろうが、よほど浅い水深でない限り船の外に落としてしまえば元には戻らないだろう。それでも、Apple は水濡れによる損傷は iPhone の保証の対象にならないと警告しているので、私たちとしては安全のために iPhone 7 の耐水性能は従来のモデルと変わらないと思っておくことをお勧めする。埃については、従来のモデルで気になったようにポケットの中の埃が Lightning ポートに溜まったりしないことを願いたい。充電がうまくできなくなれば、Lightning ポートに圧縮空気を吹き付けるだけで解決することがよくあった。

Apple は Home ボタンのデザインを変えた。Force Touch トラックパッドと同様に、今回から Home ボタンが「感圧タッチ」のソフトウェアボタンとなり、Apple によれば従来よりも耐久性と反応性が増しているという。Apple はこの Home ボタンに新世代の Taptic Engine を組み込んでおり、そのための API も出している。開発者たちが API を使ってどのようにこの新しいハードウェアを利用することになるのか、今から楽しみだ。ひょっとすると、iPhone 7 ではテキストメッセージをモールス信号で送信できるようになるかも?

iPhone 7 での最大の改善点はカメラだ。それも複数のカメラだ。iPhone 7 では背面のカメラが劇的に改良され、iPhone 7 Plus には背面に 二つ のカメラが搭載される。

iPhone 7 のカメラには、12 メガピクセルの高速センサーと開口部 F/1.8 の 6 枚構成レンズが組み込まれ、Apple によれば iPhone 6s のカメラより 60 パーセント高速、エネルギー効率が 30 パーセント高いという。フラッシュには四つの LED が搭載され、Apple によれば従来より 50 パーセント多い光量を提供し、光のちらつきを検知するセンサーを備えてソフトウェアが人工照明を修正する役に立つという。光学的手ぶれ補正は従来 Plus のみの機能だったが、今回は iPhone 7 でも標準機能となった。

さきほど触れた通り、iPhone 7 Plus には二つの 12 メガピクセルセンサーが搭載され、一つには広角レンズ、もう一つには開口部 F/2.8 の望遠レンズが付く。これらを組み合わせることで、二つの新機能が可能となる: 2 倍光学ズーム (ソフトウェアを使って最大 10 倍のデジタルズーム) と、前面にいる人々に焦点を合わせて背景をぼかした写真を生む新しい被写界深度エフェクトだ。Schiller は iPhone 7 Plus のカメラが DSLR 品質に達していないことは素早く認めたが、大きくそれに近づいたとは言える。Portrait と名付けられた新しいカメラモードでアクセスする被写界深度エフェクトは、当初はまだ使えないが「今年中には」無料の iOS アップデートで使えるようになる予定だ。

双方の iPhone モデルとも広色域で raw 画像をキャプチャでき、Live Photos に手ぶれ補正と編集機能を提供する。Apple は Live Photos 用のキャプチャと編集の API もリリースするので、その作業をするためのツールを開発者たちが作り出すことも可能となる。それからこれも重要なことだが、前面にある FaceTime HD カメラは今回から 7 メガピクセルの解像度を提供し、人体検出と顔検出、それに自動手ぶれ補正機能が備える。

改良されたカメラに呼応するかのように、新しい Retina HD ディスプレイは 25 パーセント明るくなり、映画レベルの色と、内蔵のカラー管理機能を提供する。写真家たちにとって歓迎すべきことだろう。Instagram が、拡張された色域の利点を活用する新しいエフェクトやフィルターを実演している。

内部に目をやれば、今回の新型 iPhone は新しい A シリーズのプロセッサ、クアッドコアの A10 Fusion と組み込み型 M10 モーションコプロセッサを備える。興味深いことに、四つのコアのうち二つはパフォーマンス向上のため専用に使われ、残りの二つは電力効率のために最適化されて他のコアの 20 パーセントしか電力を消費しない。新しい Apple のパフォーマンスコントローラが、必要に応じてこれら二種類のコアを自動的に切り替える。

A10 Fusion プロセッサには Apple が新たにデザインした画像信号プロセッサが含まれ、撮影した写真の一枚ごとに 1000 億回以上の処理(ここでの「処理」は緩い定義なのだろうと思う)と機械学習を施す。また、ピント合わせを高速化し、ローカルなトーンマッピングを改善し、ホワイトバランスを改良する。

ネットワーキング関係の変更点はあまり大きなものではないが、iPhone 7 と 7 Plus は最大 25 の LTE バンドに対応し、理論速度は最大 450 Mbps となっている。実際に今すぐそのようなスループットが実現できるとは思わないが。

カメラが変わったことを除けば、iPhone 7 と 7 Plus のフォームファクターはそれぞれ iPhone 6s と 6s Plus と同じだ。ただし、カラーの選択肢は少し違っている。新型 iPhone には今や標準となったゴールド、シルバー、ローズゴールドはあるが、Apple はスペースグレイをなくしてその代わりに二種類の黒色を追加した。光沢のある表面仕上げの「ジェットブラック」と、つや消し仕上げの「ブラック」だ。Apple は購入者への警告としてジェットブラックの高光沢仕上げは傷が付きやすいと述べているが、実際に手に持ってみた人たちからの報告によればジェットブラックは他の表面仕上げに比べて滑りにくいという。二つの新型モデルは旧型に比べてそれぞれ 5 グラムと 4 グラム軽い。

最後にもう一つ、日本向けのモデルの iPhone 7 と 7 Plus (それから Apple Watch Series 2、2016 年 9 月 7 日の記事“Apple Watch Series 2、GPS、防水、更なるパワーを提供”参照) は、非接触テクノロジー FeliCa を内蔵するので、Apple Pay が日本でも使えるようになる。(このことについて詳しくは 2015 年 5 月 13 日の記事“Apple Pay と共に世界一周”参照。)日本のユーザーへのニュースはもう一つあって、Apple によれば日本での交通機関の乗り換え案内が 10 月に Maps アプリで使えるようになるという。

iPhone 7 と 7 Plus の価格はこれまでと変わっていないが、ストレージ容量が二倍になっている。つまり:

奇妙なことに、ジェットブラック仕上げは 128 GB と 256 GB のモデルだけに用意される。

もしも初期費用が高過ぎると思うなら、iPhone Upgrade Program を選択して、モデルに応じて月額 $32 か $46 を 2 年間払うこともできる。iPhone の予約受付は 2016 年 9 月 9 日に開始され、販売は 2016 年 9 月 16 日からとなっている。実際、あなたが使うキャリアにもよるが、購入オプションは複数通りある可能性があって、Apple のオンラインストアで iPhone の構成を指定すれば購入の選択肢が示されるはずだ。一番下にある Compare Payment Options をクリックすれば、すべての可能性を示した分かりやすい表が示される。

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Apple ではよくあることだが、従来のモデルも引き続き入手可能なので、これからも iPhone 6s や 6s Plus を購入できる。ただしストレージ容量が 32 GB と 128 GB と二倍になり価格は値下げされる。iPhone SE も、16 GB と 64 GB で価格表に残っている。

いつも Apple が言うように、今回のモデルは同社がこれまで作り出した中で最高の iPhone だ。ありふれた言い回しではあるが、常に正しいことでもある。ただし、ヘッドフォンジャックがなくなることの影響を十分に考え尽くすまではアップグレードや購入を控えようと思っている人たちはいるかもしれない。また、写真愛好家たちは、少なくとも手が小さかったりポケットが小さかったりする人たちは、iPhone 7 Plus だけにあるデュアルカメラと、本体サイズの大きさとを天秤にかけなければならないだろう。でも、新しい iPhone を期待しつつ待っていた人たちにとって、この iPhone 7 と 7 Plus は非常に魅力的なものとなるだろう。

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Apple Watch Series 2、GPS、防水、更なるパワーを提供

  文: Julio Ojeda-Zapata: julio@ojezap.com
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

初代の Apple Watch は多くの点で革新的ではあったが、昨年 Apple がそれを市場に出した時、多くの人を失望させた。GPS チップや防水といった重要な機能を欠いているにも拘らず、かさ張っていて、パワー不足であるといった批判が寄せられた。画面は時として明るい日射しの下では見にくかったりもした。

今回 Apple は Apple Watch Series 2発表した。大きさは初代のものと同じである。より薄い、邪魔くさくない時計が欲しいという願望は叶えられなかった。しかしながら、Apple は Apple Watch ユーザーの希望リストの中にある重要な項目には耳を傾けた:防水、より強力なパワー、より明るいディスプレイ、そして最も重要な内臓の GPS チップである。

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Apple はまた幾つかの特別モデルも発表した - 最も目につくのは、新しいそして耐久性に優れると思われる白色セラミック製の Apple Watch Edition Series 2 で、これはあのけばけばしい金の Apple Watch Edition に置き換わる。Apple は更に初代のモデルも値下げして残し、プロセッサアップグレードと新しい名前をつけた:Apple Watch Series 1 である。

走りに行こう -- 走者や他のアスリート達は長いこと Apple Watch に GPS チップが無く、ルートの記録や運動統計を得るにはかさ張る iPhone を携帯する必要があることにイライラさせられてきた。それも今や Apple Watch Series 2 の内臓の - そしてとても重要なことだが、iPhone から独立した - GPS チップのお陰で過去の話となった。これは Apple Watch が、ウォーキング、ランニング、或いは自転車のような屋外運動時に、正確な距離、ペース、そして速度を記録することを可能にする - iPhone は必要ない (歌姫や望みのかなった出版者の出番である;Adam Engst の "運動と Apple Watch:ハードウェア" 15 May 2015 参照)。

Apple によれば、運動を始めるに際して、ユーザーの位置を素早く定めるために Series 2 の時計は Wi-Fi, GPS, そして地元で溜め込まれた膨大な衛星データを組み合わせて使う。運動を完了すると、時計の Activity アプリには速度データと共にルート地図が表示される。当然のことながら、これら全ては、Stand, Move, そして Exercise の輪を埋めるのに算入される。我々は、Strava や Runkeeper といった所からのサードパーティアプリもまたこの新しい GPS 能力を活用してくると予想している。

GPS は心底歓迎出来る改善ではあるが、Series 2 には未だセルラー接続が無い - これを備えた競合する時計もある - これがあれば Wi-Fi から離れていても電話機を使わない音声通話やデータ転送が出来る。ひょっとすると 2018 年に Series 3 でこれが見られかもしれない。

泳ぎに行こう -- 初代 Apple Watch の勇敢な所有者は、それを身につけたままシャワーを浴びたり、降りしきる雨の中へ飛び出したりすることで知られているが、悪い結果にはなっていない。この時計は IPX7 と認定されているが、Apple が言うには、この初代の機器は "防沫ではあるが、防水ではなく"、水没させないよう言っている。

Apple は、この Series 2 モデルの耐水性は大幅に強化させ、最大深度 50 メートル (164 フィート) までプールや開水域に沈めても大丈夫と言っている。Apple は、これを達成するために全ての進入口を意識的に閉じたと言っている - 例外はスピーカーで、こちらはその役目を果たすためには開かれていなければならない。Apple が言うには、水を積極的に排出する新しいスピーカーを採用することでこの問題を解決したという (ここには、皆さん自身のジョークを挿入して欲しい)。

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この Series 2 時計が完全に水中対応となったことで、Apple は二つの新しい Workout オプションを追加した。それらは Pool と Open Water と呼ばれ、泳者がラップ数を数え、平均のラップペースを追跡し、そして燃焼カロリーを正確に測るために泳ぎのスタイルを検出することを可能にしている。しかし、カロリー数をまともに信じるのは止めておいたほうが良い - "より多く燃焼するのは良いことである" という以上に具体的な数字は当てにはならない ("運動と Apple Watch:ソフトウェア" 2 June 2015 参照)。

更なるパワー! -- 初代 Apple Watch は嘆かわしい程遅く、ユーザーを際限無く欲求不満に落とし込んだ。その動きの悪さは、一部には watchOS 1 と watchOS 2, における効率の悪さによるものだが、これは watchOS 3 で解消される見込み、責任の大半はハードウェアそのものにあった。

Apple が言うには、Series 2 時計の新しい第二世代 dual-core S2 System in Package (SiP) は性能を "新しいレベル" へと導き、Apple Watch を 50% 速くするという。この S2 SiP にはまた新しい GPU が搭載され、グラフィックスの性能も格段に改善され、ビデオを毎秒 60 フレームで再生出来る程であるとしている。

明るさは 1000 nit で (1 nit は 1 candela/square meter)、初代 Apple Watch の画面より2倍明るく、これは Apple がこれまで出荷したどの機器上の画面よりも明るいとされている。この新しい画面は明るい日射しの下でもはるかに見やすいであろう。これは初代モデルでは議論の余地がない問題であった。

この dual-core S2 チップは、値下げされた Series 1 時計にも載せられるので、値段で選ぶ Apple Watch 購入者もキビキビした動作が楽しめるであろう。

高級モデル -- Apple の初代バージョンの高級品 Apple Watch Edition は金製であった。それが今や、金持ち顧客からの退屈のあまり出る欠伸を恐れてか、或いは、ひょっとすると最高で $17,000 にもなる高級時計の売れ行きの悪さに痺れを切らせてか、Apple は方向転換を図った。

新しい Apple Watch Edition Series 2 はセラミック製である。こう言うと、お皿や灰皿を床に落として砕け散る状況を思い浮かべるかもしれない - しかし、これはその種のセラミックではないと Apple は言っている。Apple が言うには、それはジルコニアセラミックでステンレスの4倍も強く、しかも、"美しい、真っ白な、真珠のような輝きを持つ仕上げ" で、"傷には圧倒的に強い" という。

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このセラミックの Apple Watch Edition を実際に手にとって見るのは結構大変そうだ。と言うのも、前身のモデルのように、限られた Apple 店と Apple 認定の再販店でしか売られないからである。

Apple はまた他に2つの特製 Apple Watch オプションも発表した。Apple Watch Nike+ Series 2 は、この靴メーカーとの提携で提供されており、基本的には標準の Series 2 時計に Nike 風の化粧が施されたもので - 4つの黒と灰色のデザイン選択肢を持つ Swiss チーズ風のスポーツバンドが含まれる。これらのバンドのうち2つには、明るい黄色のアクセントが付いている (Apple がカスタムの盤面と共に画面上に誇示している色である)。この時計には Nike+ Run Club アプリも付いている。

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Hermes の高級品を好む方向けには、Apple は Apple Watch Hermes Series 2 をあなたの好みの再デザインされた Hermes 革バンドと共に販売する。

モデル構成 -- 全ての Apple Watch モデルには、これ迄同様2つのケースサイズ、38mm と 42mm、がある。Series 2 及び Series 1 の時計には、ケースはアルミとステンレス、色はゴールド、ローズゴールド、シルバー、或いはスペースグレイの選択肢がある - 何も驚きはない。

値段は一つの重要な差別化要因である。Series 2 時計は、Nike+ モデルも含んで、$369 から始まるが、Series 1 モデルは今や $269 からである。Apple Watch は高過ぎると多くの人から見なされていたので、この値下げは歓迎出来る動きである。この最初の値段は 38mm モデルに対してであり、42mm モデル、そしてバンドに応じて値段は上がっていく。

高級機側では、Apple Watch Edition Series 2 は $1249 から、そして Hermes ブランドモデルは $1149 から始まる。

発売日 -- iPhone 7 と同様、Apple Watch Series 1 及び Series 2 バージョン、そして Apple Watch Edition Series 2 は、米国では予約注文が 9 September 2016 に始まり、店頭には 16 September 2016 に現れる。

Nike+ バージョンも 9 September 2016 に予約注文出来るが、入手は October まで待たなければならない。Apple Watch Hermes Series 2 は 23 September 2016 に発売となる。

国際市場では Apple は段階的に新しいモデルをリリースしていく。詳細については Apple のプレスリリースを参照されたい。

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W1 チップ搭載 AirPods、ワイヤレスオーディオの新時代を開く

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

好むと好まざるとにかかわらず、ほぼいたる所にあるヘッドフォンジャックから、Apple は手を引きつつある。少なくとも iPhone シリーズについてはそうなるだろう。発表されたばかりの iPhone 7 と 7 Plus では、予想されていた通り、アナログ 3.5mm ヘッドフォン差し込み口がなくなっている。(2016 年 9 月 7 日の記事“iPhone 7 および 7 Plus、「さらばジャックよ」”参照。)けれども嬉しい知らせは、既存のワイヤレスオーディオには足りないところがあるという事実を、Apple が理解していることだ。Bluetooth では音質が良くないし、さらに重要なこととして Bluetooth ヘッドフォンを複数のデバイスで使うのは簡単でない。AirPlay は簡単にデバイスを切り替えて使えるけれども、Wi-Fi に依存しているのでモバイルデバイスでは電力消費が大き過ぎる。

これらの問題に反撃するため、Apple は新しい W1 チップを導入した。これが、同社の来たるべき旗艦製品 AirPod ワイヤレスヘッドフォンをも、また新しい Beats ヘッドフォンをも駆動することになる。$159 の AirPods ヘッドフォンは 2016 年 10 月の後半に登場する予定だ。Apple はこの W1 チップを新しい $299.95 の Beats Solo3 Wireless ヘッドフォンにも、また今後登場する予定の $199.95 の Powerbeats3 Wireless ワークアウト用イヤフォンや $149.95 の Beatsx イヤフォンにも組み込む。

この独自仕様の W1 チップは、いくつかの利点をもたらす。最大 5 時間のバッテリ寿命、さまざまなセンサーへの対応、優れたものと言われているオーディオ品質、そして最も重要な点として、接続の手軽さがある。W1 デバイスは単に iOS デバイスの近くに置くだけでペアリングできる。いったん接続されれば、Apple Watch があればそこへ設定が同期され、また iCloud 経由であなたの他のどの Apple デバイスにも同期される。(ただし Apple は Apple TV については何も触れなかった。)あなたが持っているすべての iOS デバイス、Mac、Apple Watch に同時に接続でき、Apple によればデバイス間の切り替えはシームレスだという。

この W1 チップのテクノロジーは Bluetooth に基づいているので、W1 ヘッドフォンを W1 非対応のデバイスで使うことも可能だ。ただしその場合には他の Bluetooth デバイスでするのと全く同じやり方でペアリングをしてやらなければならない。

Apple の AirPods は旗艦製品となる W1 デバイスだ。映画 "Her" の中でいたる所に登場していたヘッドセットを思わせる斬新な見栄えを備え、また既存の EarPods にも似ている。ただ、マイクロフォンを備えた細長い柄が、あなたの耳から伸びるだけだ。

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そう、EarPods と同様、AirPods にもマイクロフォンが、それも二つ付いている。Siri を呼び出すには、どちらかの AirPod をダブルタップする。特殊なセンサーがあなたの声がどこから来るかを探知し、それに応じて適切にマイクロフォンを調整する。また、AirPods には耳に付けたり外したりする際にそれを探知する光学センサーも含まれており、耳から取り外せば AirPods はオーディオの再生を一時停止するし、耳に付ければ自動的にオーディオが再生されるよう設定することもできる。さらに、片方の AirPod だけを使う設定にすることさえできる。時には安全上の理由でそうする方が良いこともあるだろう。

AirPods はあまりにも小さく、バッテリーを収納する余地があまりにも少ないので、フル充電してもたった 5 時間しか保たないが、Apple はその状況を改善するための特別な手立てをいくつか用意している。AirPods には特別な充電ケースが付属していて、ケースに入れてたった 15 分間充電すれば 3 時間のバッテリー駆動時間が得られる。Apple はこの充電ケースについて詳しいことをほとんど発表していないが、充電ケースを使用すれば AirPods のバッテリー駆動時間が最大 24 時間になると主張している。この充電ケース自体の充電は Lightning コネクタ経由で行なう。

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TidBITS セキュリティ担当編集者 Rich Mogull は Apple の発表の会場にいて、新しい AirPods を試す機会を得た。彼によれば装着した感じは EarPods と似ているので、EarPods の装着感が気に入らない人は AirPods にお金を浪費すべきではないだろう。けれども、全体的にはこちらの方が快適だと Rich は言っていた。邪魔なケーブルがないからだ。そうは言っても、ランニングする際に着けていたいかと言われると自信はないようだ。

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この AirPods と W1 チップは、既存のワイヤレステクノロジーの上に加えて本物の利点を提供する。ただし、これがプラットフォームへの新たな囲い込みであることを見逃してはならない。なぜなら、これらのデバイスがフルに機能するためには互換な Apple ハードウェアが必要となるからだ。

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アメリカ大統領選の最中のハッキングについて

  文: Jeff Porten: jporten@gmail.com
  訳: 清水 史彦 <qff01604@nifty.com>, Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

テクノロジーは、今年の大統領選の最前線であり、かつ話題の中心となっている。しかも、良いとは言えないやり方で。私たちは、国務長官だった時のヒラリー・クリントンが、私用メールを使ったことについて際限のない議論を行い、民主党全国委員会や、他の民主党選挙組織,がハッキングされたことについて知り、大統領候補が外国政府に対して、盗まれた文書をもっとたくさんリリースするよう要求するという壮観を目の当たりにすることとなった。そうした要求が、嫌味であろうがなかろうが、これに引き続く議論は、選挙戦の見通しが不利にならないように、技術的な詳細を欠いたものとなることは、ほぼ確実となった。私は、そうした状況を幾分なりとも修正したいと思う。

私は、ここで、クリントンの電子メール・サーバに関わる問題に言及するつもりはない。これは、話を簡潔にするという理由だけでなく、状況を解析するのに必要な技術的な詳細が公開されていないからでもある。明るみに出た他のハッキングから、結果として生じるセキュリティ上の検討事項について評価を行うためには、もっと多くの情報が入手可能である。

コンピュータ・ハッカーの三集団 -- 技術に関するプロとして、現実のセキュリティ問題に対して、スキャンダルにむしろ焦点をあてるニュースに、私は苛立ちを感じている。クリントンの電子メール・サーバは、際限なく議論されていて、彼女が勝ったとしても、選挙後、おそらく長期にわたって論点となるだろう。一方、国務省の電子メールが 間違いなく ハッキングされたことに気付いている人はほとんどいない。ハッキングされたメールの中には、クリントンの個人サーバにあったメールよりも、ずっと多くのメールが含まれていたのは確実だ。

人事局内国歳入局そして、潜在的にその他何十という政府のネットワークもまた危険にさらされた。だが、これらは、報道のメインストリームにあっては、せいぜい二日程度の話であって、唯一、コンピュータ技術者の集団内でのみ議論が続けられているにすぎない。DNC (民主党全国委員会) で起きたハッキングのように、ハッキングがマスメディアのメインストリームで力を持ち続けるのは、それが支持者に議論を呼び起こすという理由からであって、技術的な問題は無視される。

ハッキングの詳細に入る前に、これらハッカーが誰なのかを議論するのは価値がある。私は、彼らを三つのグループの一つに分類している。すなわち、script kiddies (他人が書いたスクリプトを使ってハッキングする幼稚なクラッカー)、単独ハッカーおよび犯罪ネットワーク、そして、国家関係者だ。

こうしたハッカーのタイプを区別することは、あなたが個人的に標的にされているかどうかについて問い始めた時に重要となる。

Script kiddie や単独ハッカーは、インターネット上の膨大な数のデバイスに、手当たり次第に攻撃する手法を取る。それゆえに、安全でいるためには、私たちは皆、基本的なセキュリティ・ツールを採用して実行するべきだ。(たとえ、そうしたツールが、単に私たちのハードウェア、ソフトウェア、そして、サービスに内蔵されたものだったとしても。)

もし、あなたが、有能な悪玉ハッカーや犯罪ネットワークの標的にされているのであれば、もっと大きな危険にさらされていることになる。彼らは、あなたの組織の防御をかいくぐって侵入するために設計された攻撃で、あなたに打撃を与えるかもしれない。あなたが大企業で高い地位についていたり、あるいは、機密システムにアクセス可能な人物であったりしなければ、あなたが個人的に標的にされる可能性は低い。だが、誤って誰かの怒りを買ったことで、個人が標的にされることもあるし、また、ハッカーが、ある個人の敵対者に雇われる可能性もある。多くの人たちは、個人的攻撃に対して一般的には安全だが、例外もある。

もし、あなたが、国に雇われているハッキング組織の標的であれば、全てが無駄になる。国家がスポンサーになっているハッカーが、あなたのシステムに侵入するのにどんなツールを使うかは、知ることができない。だが、Apple が iOS および Mac に対して最近行ったアップデートの背後にあるストーリーは、何が可能かについて、あなたにアイデアを与えることができるかもしれない。(“)iOS 9.3.5、遠隔 Jailbreak を阻止” 2016 年 8 月 25 日参照) 政府は、あなたの活動に、合法的な、あるいは、政治的な理由で関心を持っているかもしれない。もしそうであれば、最上級のセキュリティを実行して、警戒を怠らないことが必要になるだろう。

私たちの民主主義がハッキングされている -- ここで、民主党の選挙組織に対するロシアの攻撃の話となる。あの声明はすでに政治的なものとなっている。あの攻撃の黒幕が誰なのか、分かりにくくしようとしている人がいるからだ。

以下は、ロシア政府が黒幕であることを示すとされている証拠である。すなわち、ハッキングを自分が行ったと言っているルーマニア人のハッカーは、ルーマニア語のネイティブ・スピーカーのようには見えない、攻撃に引き続く一連の出来事は、ロシアの情報撹乱行動のパターンに従っている、そして、ハッキングの特徴から、犯人が、ロシア政府とともに、そしてロシア政府のために働いていることが知られている二つの組織の一員であることが明らかになった、である。

このハッキングによって、大統領選は、二通りの影響を受ける。

第一に、前回、海外のセキュリティ機関が、アメリカの大統領選に影響を与えることに関心を持った、あるいは積極的に関与したのは、私たちが、公然の敵対状況にあった時であった。こうした活動は、歴史的に、両陣営で冷戦に関わるものとして 文書化されている が、ある種の政策については、以来、妨害によって、一般の人たちが知るところとはなっていない。実際には、外国の中には (彼らにとって) より友好的な政府が樹立されることを期待して、アメリカ国内の政治的活動を支援しようとしている国があるのだ。しかし、私たちが知る限り、彼らがある特定の候補を支持したり、攻撃したりしようとすることは滅多にない 。ロシア人が前回 (不成功裏に) 試みた時、彼らは「ソビエト」と呼ばれていて、私たちは冷戦の中で互いににらみ合っていた。

第二に、このことは、文字通り、何千もの政治団体が、今や、かなりの能力を有する海外の政府機関によって潜在的に狙われていることを意味している。国の民主党組織が攻撃されたと聞いたあなたの反応は、あなたの投票プランに応じて、恐れであったり、あるいは、他人の不幸を喜ぶ類のものであったかもしれないが、アメリカで、実際に政治を動かしているのは誰なのかを考えるべきだ。それは、数多くの全国的組織、何百もの州レベルの団体 (大統領選挙期間中は、さらに何百もの団体が加わる)、そして、地域の政治に関わる文字通り何千もの郡や市のグループなのだ。

こうした人たちの大部分は、テクノロジーに関して、おそらく平均的なスキルを持つボランティアであろう。国の政治組織から提供されない限り、こうしたボランティアは、コンピュータのセキュリティに関わるリソースや、トレーニングへのアクセスを持っていない。そして、セキュリティに関するアドバイスが提供されたとしたなら、想像できるのは、洗練された国家機関というよりも、むしろ政治的な敵対者によるハッキングの抑止を目論んでそれがなされたという状況だ。

私は、あらゆる選挙を転覆させようとする陰謀について述べようとしているのではない。だが、危険なほど接戦になっている選挙は脆弱だ。もし、トランプに対するクリントンのリードがかなりのものであれば、外国の影響が選挙を傾けるのに十分であることはおそらくない。しかし、もし接戦になれば、事態は違ってくるかもしれない。私たちの多くが、16 年前の大統領選を覚えていることだろう。この選挙は、フロリダ州の 537 票で決まったのだ。選挙が接戦になると (あるいは、単に接戦の州において)、政治的プロセスに対する外からの干渉が、決定的なファクターとなる可能性がある。私は、フィラデルフィアに住んでいる。もし、地方の民主党組織のコンピュータが、大統領選投票日当日にクラッシュしたら、クリントンは、ペンシルベニア州ではかなりのリードを保っているのに、投票推進運動の失敗によって、トランプに敗れる可能性は依然としてある。

選挙のハッキング -- 残念なことに、民主党の組織に攻撃が加えられたのは何も最近のことばかりではない。イリノイ州とアリゾナ州の投票者登録システムが標的となったことがあり、いろいろと違った程度の侵入を受けた。重要なのは、これらのハッキングの背後に誰がいるのかは(少なくとも公には)知られていないということだ。ロシア人たちもまた私たちの選挙システムを標的にしているとは推測できないが、標的にしている誰かがいることは確かだ。

これらのハッキングの背後にある動機もまた不明だ。いずれの事件でも、登録データが変更されたということはなかった。イリノイでは 90,000 人の投票者の登録ファイルがダウンロードされたので、これは単なる個人情報盗難であったのかもしれない。アリゾナのサーバにはマルウェアがインストールされたが、それが何をしようとするものだったのかについては発表がなかった。これらのハッキングが政治的な意図によるものでなくて純粋に犯罪的な意図によるものだったということも十分にあり得る。

しかしながら、だからと言って安心してよいということにはならない。これらのハッキングは、私たちの選挙システムが脆弱だという事実を示しているのであって、それはつまり将来のハッキングが選挙結果に影響を与え得るということだからだ。率直に言ってしまえば、私たちの政治システムはこの種の脅威に対する防御をするようには作られていない。選挙は 50 の州で運営され、何千もの都市と郡の選挙管理委員会が実務を担っている。たいていのアメリカ人が例えばジョージア州の選挙の整合性に関心があると皆さんは思っているかもしれない。この州は 2 人の上院議員と 16 の選挙人投票数を持っている。だが、他人のことに余計な干渉をするなというのがジョージア州の考えなのだ。

問題はそれだけにとどまらない。私たちは選挙の整合性を大きく政治問題化してしまったので、そこにも脆弱性が存在する。共和党はこれまで何度も、不正投票が蔓延していると(その反対の証拠があるにもかかわらず)主張しており、Trump は万一自分がペンシルバニア州で敗北するとすればその原因は不正しかないと主張している。民主党は、そのような懸念は 民主党に投票しようという意思がありながら選挙権を奪われている人たちのことを政治的に覆い隠すための嘘泣きの涙のようなものだと反論する。

どちらの側が正しいかについて私は私なりの意見を持ち合わせているけれども、確実なことが一つある。この論争はあまりにも政治化されてしまったので、誰もが信頼できる情報源だと納得できるリンクを選ぶなど不可能だということだ。私はさきほど Brennan Center へのリンクを挙げたが、それは単に Google で(まずサインアウトしてブラウザを匿名化してから検索して)最初に出た結果だからに過ぎない。私の知る限り、Brennan Center は信頼できないという意見を信頼する情報源から聞いたことがある読者の数は多いと思う。

自分の支持する候補者が世論調査で結果が悪かったり、あるいはどこかの州で負けたりすれば、簡単にがっかりしてしまうだろう。でも、自分の支持する候補者が勝ったという結果を覆しかねない厄介事の発端となり得る選挙での不正とかハッキング攻撃とかに関する主張を信用する気持ちになるのは、それよりずっと難しい。だからこそ、選挙の後でハッキングがあったかもしれないという議論が出れば、それは完全に党派的な反応であって事実情報にほとんど無縁のものではないかと私は思ってしまう。たとえ事実を見つけ出そうとしても、党派的な激論の騒音の中でそれはなおさら困難なことだろう。

思慮深い有権者はどう反応すべきか -- 情報全面開示のために言っておくと、私は民主党支持者だ。私と同じ政治的立場の人たちの多くと同様、2012 年の Romney の選挙運動でコンピュータシステムがダウンしたことの影響を論じた記事を読みながら大笑いしたものだ。でも、あれは彼らが自ら招いた傷であった。もしもそのダメージが外国の工作員によるものであったとしたら、あるいは仮に「私の側」の民主党の当事者が攻撃したのであったとしても、私はきっと違った風に感じただろう。不正行為によって選挙に勝つなど、私は支持できない。もしも外国の政府によるハッキングでその種のことが起こったとしたら、私はなおさら強くそう感じるだろう。

民主主義であるからには、私たちの選挙が、大体において、民衆の意思であることに、私たちは合理的な期待を必要としている。

そして、民主主義に対する他の脅威に対するものと同様に、最良の防御はより多くの情報を投票者に知らせることだ。あなたがアメリカ人なら、きっとあなたはどれかの党に属しているか、またはどれかの党に傾いた気持ちを持っているだろう。あなたの側の候補者に味方する、あるいは相手方の候補者にとって害となる、そんなニュースが流れたら、たとえそこに外国からの介入が絡んでいたとしても、あなたは肯定的な反応をしてしまうのではなかろうか。でも、その衝動は我慢しよう。その種のことが妥当なのは党派的政治の範囲内のみだ。政治的領域を超えた攻撃について語る際には、不適切であり危険なことだ。

大部分は、私たちの政治的議論の多くの部分を駆動するメディアの責任であるとも言える。State Department (国務省) のネットワークへのハッキングという国家安全保障への脅威は、Secretary of State (国務長官) の電子メールサーバへのハッキングに比べれば桁違いに大きな脅威だ。国家安全保障政策のための政治的論争は、前者に遥かに大きな重きを置くだろう。けれどもスキャンダルのための政治的論争は、後者の方が好みだ。

この問題は、報道機関がその聴衆の好みに反応するという事実によって拍車がかかる。政治的メディアの質は、多くの場合そうした好みを超えることができない。一つには、私たちが自分の政治的観点に合致する社説や意見記事を好んで消費するということがある。国家的行事の報道に自分と同じ偏見によってフィルター付けするとなれば、自分と意見の異なる人たちとの間で理性的な議論をすることなど不可能だ。

私の個人的な戦略は、メディアの取り入れ方を意図的に拡張して、たくさんの外国の情報源、とりわけ BBC を取り入れることだ。おそらくそれらの情報源も自国のニュースを扱う際には政治的偏見を持っているだろうが、アメリカの政治的影響の餌食となることは考えにくい。また、党派的色彩の強い報道機関を避けるようにしている。それは、彼らの意見に反対だからではなくて、彼らの報道が、何を取り上げるかについても、また実際に扱うやり方についても、信頼すべき情報源とは思えないからだ。私が時々 Rachel Maddow の番組を聴いているのは事実だが、それは普通にニュースを聴くために 加えて 楽しみのためだ。どちらか片方のためではない。

同じように、メディアや政治的団体がハッキングされた書類について語る際にそれが公平な情報源によるものとして標準化しようとするのを鵜呑みにしないようにしよう。National Republican Congressional Committee (共和党全国議員委員会) がフロリダの選挙広告で DNC (民主党全国委員会) からハッキングされた書類について述べた際に、政治的新聞 The Hill は DNC がペンシルバニア州の予備選挙で不正操作をしたという記事を展開した。(少なくとも The Hill は、漏洩者の意図が「興味深い」とは書いているが、その後記事の中でその話題に戻ることはなかった。)両者とも、問題の書類が正当なものあることを前提に話をしているし、その書類が間違いなく本物であると言外に匂わせている。でも、正当なものであるか否かは議論の余地があるし、本物であるか否かは非常に不確かだ。ハッキングがなされるには理由があり、公的リリースがなされるには理由があり、そして電子的書類には簡単に変更を加えられる。それらすべてが、この種のニュースを判断する際には十分過ぎるほどの疑念の根拠となる。(だからと言って、漏洩した DNC の書類が偽造されたものだと言っている訳ではない。その後三人の DNC 職員が辞職したことを見れば、彼らは基本的に高潔な人物だったのだろう。けれども、もしも私が偽情報を使った選挙運動を企画するとしたら、まず本物の書類から始めて、その後で偽物を使った追い打ちをかけることだろう。)

もしもあなたが政治活動に従事しているのならば、そろそろ情報セキュリティの技量を上げておくべき時期に来ている。政治には深入りしていないけれどもテクノロジーの技を持っているあなたならば、今こそそれを必要としているかもしれないコミュニティ組織にあなたの技量を知らしめるべき素晴らしい機会だ。大統領選挙がこの段階に達している今では、もはや選挙事務所に行って彼らの最も貴重なデータを調べるボランティア活動を申し出るには遅過ぎるけれども、2016 年に少しでも関わるようになっておけば、2018 年やその後の機会には既知の手助けとして迎えてもらえるだろう。

私が言いたいのは党派によらない処方箋だ。民主党が標的となったのを私たちは知っているが、共和党の側の方がより良いセキュリティを備えていると思える理由は見当たらない。外国政府が共和党のデータに関心を持つであろう理由も、私は少なからず考え付くことができる。だから、何かもっと進んだ情報が明らかになるまでの間は、私は共和党が「ハッキングされていない」と言うのでなく「ハッキングされたと判明したことはない」と言う方が正確だと、心に留めておこうと思う。

Jefferson が言った(と言われている)ように、警戒こそが自由の代償だ。もちろん彼はコンピュータネットワークのことを念頭にそう言った訳ではないが、今こそその格言が普段よりも重要な意味を持つ時期ではないだろうか。

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ExtraBITS、2016 年 9 月 12 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の ExtraBITS では、Apple が iTunes Movies に一日限りの大幅値引きセールを実施し、Google Photos が Live Photos と互換になり、Apple が iPad シリーズに調整を加え、Apple がなぜ iPhone のヘッドフォンジャックを廃止したのかについて詳細な説明が語られる。

9 月 12 日限り: 映画 10 本の iTunes バンドルが $10 で -- iTunes Movies の 10 周年を記念して、Apple は映画 10 本のバンドルを六種類、それぞれ $10 で提供する。このセールが実施されるのはたった一日、2016 年 9 月 12 日のみだ。たとえ一つのバンドルにあなたの興味をそそるものがほんの少ししかなくても、この価格ならいちかばちか他のものも試してみる価値はあるだろう。(このセールのことを教えてくれた Zac Cichy に感謝!)

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Google Photos が Live Photos を拡張 -- iOS 用の Google Photos アプリが、Apple 独自仕様の Harry Potter 風の Live Photos にエフェクトを施すことができるようになり、それをビデオまたはアニメーション GIF として書き出して、誰でもどんなプラットフォームの上でも再生できるようになった。また、Google Photos を使って Live Photos の手振れしたビデオをスムーズに直したり、映画風のパンを作成したりもできる。Google Photos アプリには他にもいろいろな調整が施されており、例えばアルバムの並べ替えオプションが向上し、People アルバムでは顔のサムネイルを新たなものに選び直せるようになっている。Live Photos が撮影できるのは iPhone 6s および 6s Plus、iPhone SE、9.7 インチ iPad Pro、それと近々リリースされる iPhone 7 モデルのみだ。

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Apple、iPad の構成と価格を微調整 -- iPhone 7 と Apple Watch Series 2 のみに集中するのでなく、Apple には iPad シリーズの構成と価格を調整する時間もあった。標準の iPad、つまり iPad Air 2、iPad mini 4、iPad mini 2 は、それぞれお買い得になった。価格を変えずに、Apple は基本のストレージ容量を倍にした。iPad Air 2 と iPad mini 4 は 32 GB (Wi-Fi モデル $399、Wi-Fi プラスセルラーモデル $529) または 128 GB ($499/$629) で購入でき、iPad mini 2 は 32 GB のみ ($269/$399) となる。一方 iPad Pro については、ストレージ容量の選択肢は 9.7 インチと 12.9 インチ双方のモデルとも従来と変わらないが、128 GB の構成で価格が $50 下がり、256 GB の構成では価格が $100 下がる。残る疑問は、はたして iPad シリーズが今年一杯このようなマイナーな変更のみに留まるのか、それとも Apple は新たなモデルを用意しているのか、という点だ。

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なぜ Apple は iPhone のヘッドフォンジャックを廃止したか -- Apple が iPhone 7 から標準の 3.5mm ヘッドフォンジャックを取り去ったことは、多くの人々を怒らせた。これはきっと、Apple の子会社 Beats のワイヤレスヘッドフォンの売上げを増すための意図的な策略なのではないかと思えたからだ。確かにそれは決断の際の一つの要素であったかもしれないが、Apple の決断の背後に何があったかを、BuzzFeed の John Paczkowski が徹底的かつ魅力的に語る。要するに、同社にはヘッドフォンジャックを置く場所がなかったのだ。

「この、50 年前から変わらずのコネクタは、中に空気しかない単なる穴なのに、ただそこにあって、場所を塞いでいる。貴重な、貴重な場所を」と Apple ハードウェアエンジニアリング担当上席副社長 Dan Riccio は述べた。「長い間、これのせいで私たちが iPhone に組み込みたかったたくさんのものがはじき出されてきた。カメラのテクノロジーや、プロセッサや、バッテリ寿命などが犠牲となっていた。」

iPhone 7 の各モデルに搭載されたカメラのシステムは従来のモデルに比べてずっと大きく、Apple のエンジニアたちはそれらをすべて詰め込むための最も簡単な方法がヘッドフォンジャックをなくすことだと考えるに至った。また、防水機能を強化する役にも立ち、従来より大型のバッテリを搭載できるようになった。結局のところ、ヘッドフォンジャックを殺したのは Apple ではなくて、単純な算術であった。私たちの予想では、いずれは他の大多数のスマートフォンメーカーも追随するのではなかろうか。

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日本語版最終更新: 2016年 9月 16日 金曜日 , S. HOSOKAWA