TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1351/09-Jan-2017

今週の大きなニュースはすべて、ラスベガスの CES (Consumer Electronics Show) イベントからのものだ。わが放浪の特派員 Jeff Porten が、ショウのフロアを徹底的に歩き回って 2017 年の最高のギズモやガジェットを見つけてきた。今週号ではまた、Adam Engst が皆さんは Mac 上でどんな自動化をしているのかとお尋ねする。これは、Apple が Product Manager of Automation Technologies の職を廃止したからで、私たちとしては、Mac の自動化が皆さんにとってどれほど重要なのかを Apple に知らせたいと考えているのだ。皆さんから寄せられた物語を後日記事にまとめて、それを Apple の重役たちに送りたいと思っている。今週注目すべきソフトウェアリリースは OmniFocus 2.8 と Default Folder X 5.1.2 だ。

記事:

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あなたの Mac 自動化の話を聞かせて欲しい

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple が Sal Soghoian をクビにしたと言う知らせは、去年の 11 月に MacTech Conference で衝撃をもって迎えられた。彼は、これまで何十年にも亘ってスクリプト、そして、自動化の世界における常連であった。最近 Sal は Macworld Expo の頃ほど、公衆の面前に出て来る事はなくなったが、Apple の内外でユーザーオートメーションを推進しようとする彼の不屈の努力は、広範囲な影響を与えてきた。Sal は Apple 内で AppleScript と Automator (他にもあるが) のサポートを促進するために、そして Apple のアプリが必要なスクリプト辞書と Automator アクションを確実に提供するよう疲れ知らずに働いた。彼は昔からのユーザーの擁護者で、何をする必要があるかを一番良く知っているのはユーザー自身であり、そしてユーザーが自らのワークフローを作成し、効率化出来るようにするためには自動化技術は不可欠であると信じていた。

Sal が居なくなることを我々はどう解釈すべきか? Apple は、彼を特定してクビにしたのではなく、Product Manager of Automation Technologies という役職そのものを削ったのである。私の理解する所では、この後 Apple 内のいくつかのグループが Sal を雇おうとしたのだが、Apple はある種の雇用凍結モードにあり、それが社内での移動を妨げたということらしい。と言うわけで、Apple は Sal を個人的に切ろうとしたのではないらしいので、それは良かったと言える。しかし、あまり良くないのは、Apple は、ユーザーオートメーションを説き歩く地位の必要性を感じていないらしいと言うことである。

一人の 9to5Mac 読者が Apple の Senior Vice President of Software Engineering である Craig Federighi にメールを送り、Apple が AppleScript と Automator を殺してしまわないよう頼んだところ、"我々は、大切な自動化技術へのサポートを macOS の中でも継承し続ける意向には全く変わりがない!" と言われたと言う。

Federighi の回答は、Apple の将来の行動は彼の発言を裏付けるものになるかどうかと言う疑問に発展する。彼の一言一句に拘るのは行き過ぎかもしれないが、"意向" とは目標とか計画のことであり、保証ではない。そして、"サポート" は "保守モード" を意味することも出来、必ずしも "技術水準を進化" させることではないかもしれない。いずれにしろ、Sal の役職を削除するのは、正しい方向への一歩ではない。確かに、Apple は AppleScript や Automator を超秘密の空想的な技術で置き換える計画も持てるが、同社がこれまでやってきた、そして言ってきたことからすれば、とてもそんな事は信じられない。

昔はこんな風ではなかった。AppleScript が Steve Jobs が戻った後の製品や技術の粛清にも生き残ったのは、Jobs が鍵となる Apple 市場にとっての自動化の重要性を理解していたからである。それらの市場とは、出版、金融、そしてテレビと映画であり、更に企業と IT の世界は申すまでもない。これらの業界は、macOS の内部深くに作り込まれた AppleScript やその他の自動化技術に基づいたカスタムのワークフローで生き死にが決するのである。

OS X に Automator を含めることを許可したのも Jobs 自身であり、そして、彼は Xcode に AppleScript を開発言語として追加することを可能にし、そして支持した。また、Apple の自動化チームが後日 AppleScript/Objective-C, スクリプトライブラリ、そして JavaScript for Automation を開発することとなったのも彼の支持のお陰である。

しかし、今日の Apple は全く違う会社となり、紛れもなく iPhone と iOS に焦点を当てている。例えそうではあっても、iOS を使う人なら誰にでも自動化に大事な役割がある事は明らかであろう。私は Siri に "Change 'Floating' to 8 AM" と言って私の目覚ましの時間を変える事は出来るが、Hoopla デジタルライブラリアプリで我々が毎晩聞くオーディオブックを使うのに必要な5回のタップを自動化する術が無い。毎晩の無駄と思える5回のタップはこの世の終わりではないが、小さなことを自動化出来ないのであれば、大きなことの自動化など思いもよらない。

もし仕事を手早く、効率的に、そして正確にこなすのに、スクリプト、マクロ、ワークフロー等に依存している故に、自動化に対する Apple の見るからの無関心さが気になるのであれば、皆さんにして欲しいことがある。この記事のコメントに、皆さんの仕事で どの様に Mac 自動化ツールに依存しているかを書き込んで欲しい。もし沢山ありすぎて一つのコメント欄に収まらないのであれば、一番大事だと思えるものだけに焦点を当てて欲しい。私はそれら全てを集めて、先々の記事で発表したいと思う。更に、私はコピーを Craig Federighi と Apple CEO Tim Cook にも送り、何故我々はこれらの自動化技術が進化し続ける必要なのかの具体的な例を見て貰おうと思っている。

手始めに、私にとって一番大事な自動化の例を挙げたい。新しい、或いは改訂版の Take Control 本を出版する段になった時、私はその本の3つのバージョンから始める:PDF, EPUB, そして Mobipocket ファイルである。それぞれのコピーは、我々の内部のファイルサーバー上のいくつかの場所に保存し、そして、我々の Web サーバーと Amazon S3 にアップロードされなければならない。加えて、アップデートされたバージョンは、我々のサーバー上で複製されるアルゴリズムに対応して正確に改名されなければならない。この様にしておけば、サイトは自分自身でアップデートし、そして正しいディレクトリの適切に名付けアップロードの存在に基づいて正しいファイルを提供出来る。私がこれを手でやっていた時は、それに 15-20 分を要したし、ファイル名を変更時に間違えたり、間違ったディレクトリにアップロードする危険性が常にあった。(一旦間違いをしでかすと、それを見つけ出し、そして修正するのにまた余分の時間を費やす羽目になった。) 今では、私には一連の Automator ワークフローがあり、これらの作業を私に代わってやってくれるので、アップロードを開始するのに数秒を要するだけで、エラーは決して発生しない。

これが、私の話である - 皆さんのを聞かせて欲しい!

So that窶冱 my automation story 窶? tell us yours!

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CES 2017: 注目すべき技術トレンド

  文: Jeff Porten: [email protected]
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

今年の CES は、二つの思いもかけない出来事で始まった:1) 私の Nexus 5X 携帯に付いている USB-C コネクタは、内部の接続強度よりもケーブルに対してはるかに大きい嵌合力を持っている、そして 2) 私の年老いたお尻はどうもこの両者に対して私の想像以上の横方向の力をかけているらしい。

と言うわけで、私はこの世界一大きい技術ショーで、誰もが "未来的" そして "ユビキタス" を約束している場で、48 時間もの間スマートフォン無しの自分を発見する羽目となった。(新しいものは届くことになっている;$250 の基本価格がどうのこうのと言っていた。) 現代生活にスマートフォンがいかに欠かせないものになっているかを述べることに何ら新し味はないが、これ無しではどれだけ大変かと言う事実は変わらない:それは、私が何処に向かっているか、何で行くか、その途中では何をするかを知る道具であり、そして (働いている時は) 着いた時にすることのかなりの部分を占める。代わりに、少なくとも二日間は、私は 1999 年以降では初めて紙と鉛筆に依存することになるであろう。(ついでなので、私が愛用した Palm VIISony Ericsson P800 に盃を上げておく。)

私事はさておき、CES (以前は Consumer Electronics Show と呼ばれていた) に戻ろう。これは毎年 Las Vegas で開かれるお祭りで、凡そ 165,000 の人が参加し、展示者は数千に及び、そして 20,000 点程の新しく発表された機器、端末、そしてネットワークが展示され、これこそが将来の "これ無しでは過ごせなくなる" 技術だとアピールする。私が受け取った報道発表には、スマートスプーンそして屑かごから赤外 iPhone カメラや人工知能望遠鏡まであるので、私が見ることが出来たものの中から取り上げる価値があると思える技術について記事にする積りである。と言うのも、ここでは全てのものが市街地の何十という色々な場所で同時に進行するので、とても全部はカバーしきれない。

また、ここに居ると言うことはどういうことなのかもお伝えしようと思う。CES は業界と報道のための非公開のショーで、興味深いものではあるが、私の Twitter 上の同僚は、ここに来て仕事をするのを楽しみにするというよりもむしろ 来ない 喜びを表明して人の方が多いようである。参加するのは面白いが、それは嵐の中でサーフィンをするようなものでもある。CES は、ちょっとひと休みしたら、カジノの平和と静けさがありがたいと思えてくる、そんな種類のイベントである。今回は 50 周年記念の CES で、展示場所は 2.6 百万平方フィート (約 240 万平米) に及ぶ;このショーを主催する Consumer Technology Association は、CES は Olympics に参加したよりも 1000 人以上も多い報道陣が取材すると言っている。

私はまず CTA のチーフエコノミスト Shawn DuBravac のプレゼンテーションを聞くことから始めた。彼は 2017 年の消費者向け技術のトレンドについて話した。最初の話題は、電子機器のインターフェースとしての音声技術採用の増加である。DuBravac は 1980 年代の GUI インターフェースへの切り替え、そして最近のスマートフォンの利用について触れた後、音声対話はこれら従前の技術では必須だった画面の必要性を取り除くと言った。これらのインターフェースそれぞれは、それぞれのやり方で重複している;Terminal で仕事をしたことがある人なら誰でもコマンドラインを使えば殆どどんなことでも出来ることは知っている。しかし、余分な CPU パワーを使い GUI に向けることで、革新的な体験がもたらされた。同様に、技術と対話する時も、その向き合い方は人それぞれである。たとえその会話が物事をするのに "必ずしも必要ではない" 追加のやり方であった場合でも。

音声認識は、ここ 20 年ほどの間に急速に進歩した。1995 年には、全ての入力の 100% が音声認識エラーとなったが、今日では、あなたが話すことを理解することに関しては、技術はほぼ人間と同じ所まで来ている。(人は言われたことを理解するのが難しいと時間の内 5% は感じているということなので、あなたは Siri に対して厳しすぎるのかもしれない。)

音声対話は、Amazon の AlexaGoogle Home と同様、ロボットやその他の技術に対する新興のインターフェースである。DuBravac はこれを "顔なきコンピューティング" の新しい時代と称している。ここでは、他のものを見ながらでもやりたいことをやれる;それが進歩だということに関しては私は懐疑的である。確かに、Alexa はあなたに代わって Uber を呼んでくれるが、私はどちらかと言うと、運転手は私の家の玄関前で私を拾ってくれることを電話で確認したい。さもなければ、Uber は裏通りに運転手を送り続けることになるかもしれないではないか。そうではあるが、通常の対話としては、音声は優れている。これをもっと良くする新しい能力が欲しいものである。例えば、声紋に基づいて誰が話しているのかを教えてくれたり、子供用のペアレンタルコントロールやカスタマイズした検索結果の様なものを許可すると言ったものである。

DuBravac が取り上げた次のトレンドは、より広いアプリケーションへの人工知能の取り込みである。半導体とソフトウェアの価格低下で、およそありとあらゆるものにある程度の知能を埋め込むことが経済的に出来るようになったが、個人的には、AI とか "スマート" と言う言葉は騒がれすぎだと思う。これらはほぼ何にでも当て嵌めることが可能である。センサーとコンピュータチップを搭載した冷蔵庫は "スマート" 又は "人工的に賢い" であろうか? ノーである... しかし、人間ならやらないであろう細かい仕事、入っているものに最適な温度に細かく調整すると言った事はやってくれるかもしれない。

同様に、どんな時が新しい機器が役立つようにスマートなのか、或いはどんな時が "スマート" が行き過ぎなのかを判断するのは難しい。例えば、洗濯機が、洗濯した回数を数え、洗剤の残量を追跡し、そして必要な時に補充を自動的に注文してくれると言ったことは冷蔵庫にとって朝飯前であろう。別のやり方としては、Amazon Dash ボタン上で買い物をし、もっと Tide が必要になったらそれを押すと言うのもある。或いは、洗剤を買わなければと覚えておくことだって出来る。DuBravac は、将来、我々の日常品の買い物の 40 から 50 パーセントは、スマート洗濯機の様な指定した代理手段から購入され得ると言っていた。

私は私の生活から細々とした雑事を無くすことに反対ではないが、もし私の家電製品が私にことわりもなしに私の買い物をしてしまうのなら、それは私にとっては少々 Brave New World と言わざるを得ない。私は洗剤の銘柄を変えたいと思っているかもしれないし、或いは友人が引越しの時に一本置いていってくれたかもしれないではないか。洗濯機はもう買う時期だと思っても、実際にはそうではないかもしれないのである。

もっと言えば、私は、この未来的な理想像は経済的に恵まれた生活様式が、この先も期待通りに 続く と言う前提条件が必要であると考える。給料から給料へと綱渡りの生活をしている人が彼らの銀行口座から沢山の引き去りをされることで便利だと感じるとは思われないし、それに、レイオフされた人が急に百にも届こうとする色々な自動注文をキャンセルすることを思い出さなければならないのは悲劇としか言いようがないではないか。

次は、DuBravac の次のトレンドであるスマートホームの番である。これは全てのものが全てのものに広範囲につながった家である。彼は、スマートホームを皿洗い機の普及と較べた。皿洗い機は 1893 年に発明されたのだが (!)、全米の家庭の半分に到達したのは 1980 年代になってからである (今日の普及率は 80-85 パーセントである)。普及率の急上昇は、World War II が終わった後で必要なインフラが整備されるまで起こらなかった:水道、電化、そしてキッチンカウンターの高さの標準化である。

DuBravac は、ユビキタス Wi-Fi とセルラーブロードバンドをスマートホームの標準化されたカウンタートップと見ている;スマートホームは、段階的に作り上げて行くことが許されると言うことが前提条件でなければいけない。世の中には、競合する業者がおり、これまでも一戸全部まとめてと言うビジネスモデルは余り受け入れらておらず、どこから買っても成立すると言うのが前提でなければならない。スマートホーム用機器は、今年全世界では $25 billion の市場になり、その内、米国は $3.5 billion とされている。一方で、急速な普及を可能にする市場競争は、互いに競合する標準を生み出し、それが大量市場への普及を妨げる。

DuBravac のホーム接続性のトレンドの最後はウェアラブルで、これはあなたの家があなたを見張ることを可能にする。それはあなたの健康を改善するべく意図された生体的フィードバックであるか、或いはあなたが在宅か、そして何処にいるかを家が知ることを可能にする双方向性の環境センシングであるかに拘らず、あなたが常時身につけている技術があなたをあなたの家にまつわるデータセットに統合し、そしてあなたの家をあなたのニーズや期待に反応するものとする。

スマートなものをよりスマートにする道は、これら多くの機器の相互接続性から来る;一つの機器がエラー状況を感知したり、或いは新しい何かを学んだ時、同じクラスに属する他の全ての機器の応答性を改善出来る。それが自動運転の車が、2004 年に 11 分で失敗してしまった所から、今日の何百マイルにも及ぶ成功裏の道路試験走行にまで到達した理由でもある。この種の集約で、多くの機器が急速な習熟曲線を経験し、ベータから本格的な道路テスト済みへの急速開発を可能にしている。

勿論、全体的なトレンドを予測するのも一つだが;2017 年の機器がこれらのモデルに対してどう応えるのかは別物である。そして、それが CES でのデモで私が間違いなく探し求めるものの一つである。

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CES 2017: CES Unveiled で出会ったクールな製品

  文: Jeff Porten: [email protected]
  訳: 清水 史彦 <qff01604@nifty.com>

CES は、報道イベント専用の二日間と共に幕を開ける。この展示会のフロアは木曜日にオープンするが、火曜日と水曜日はメディア向けの日である。こうした追加の展示に参加するために、多額の追加出費を厭わない「選ばれた」出品者グループのために、個別の展示フロアがあり、そこでは、オープン・バーや素晴らしいオードブルと共に、メディア関係者にワインや食事が供される。

対照的に、木曜日から日曜日にかけて、私たちメディアの人間は、260 万平方フィートの展示会のフロア中を重い足取りで歩き回り、10 万人の他の人たちと一緒に、8 ドルのホットドッグや、やたらに値段の高い Starbucksを求めて、列に並んで待つことになる。

なので、CES からの「開幕」のニュースは、まさに、CES Unveiled からだ。これは、CES それ自体の一部として、はじめに開催される個別の一連のイベントである。私は、他の団体によって開催される同様の二つのイベントにも参加するつもりだ。そして、これらのイベントに関する取材については、別々にしようと思う。そうすれば、読者の方は、誰が注目を浴びているか(こうした報道向けの騒ぎの一つに参加するために、追加費用を払ったという理由により)、そして、展示場で私の注意を引いたのは誰かが分かるだろう。(公平のために言うと、私がこれらのメディア向けイベントに出席する 主な 理由は、彼らは誇大広告気味だとは言え、記事を書くのに良いからだ。)

Sevenhugs の Smart Remote -- あらゆるリモコンを束ねるには、一台で十分かもしれない。Smart Remote は、テレビのリモコンや iPhone にちょっと似たところがある。Smart Remote の魔法とは、あなたがどのデバイスを指しているか理解し、そのデバイス向けに適切なコントロールを自動的に示してくれるということなのだ。これをプログラムして、あるタスクを、対象とする物にアサインすることもできる。そうすれば、これをドアに向けて Uber を呼んだり、部屋の温度調節器をコントロールしたい時に、暖炉を指し示す物に使ったりすることができる。2017 年 8 月に出荷される見込みで、ただいま、Indiegogo では、229 ドルだ。事前注文も、Sevenhugs の Web サイトで、同じ値段で受け付けられている。小売価格は299 ドルになるだろう。彼らは、展示会場で、実際に動作するモデルを持っていた。

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Dring の Smartcane -- 動き回るのに助けが必要で、転ぶ心配をしていませんか? Dring の Smartcane は、助けを呼ぶボタン、あなたがどこにいるか家族が分かるようにする GPS、そして、転倒検出器がついた歩行用の杖である。これが、「スマート」と言えるかどうかは分からないが、中には、これが有用な人たちもいるだろう。価格は設定されていないが、伝えられるところによれば、「100 ドル未満」で、レンタルなら「月 10 ドル未満」ということのようだ。ヨーロッパでは、2017 年 9 月に登場し、アメリカでは、それよりもちょっと遅れて現われる予定だ。ひょっとすると細身の刀が仕込まれているかもしれない。

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Moen の U -- Moen の U は、「私はこれを三日前に思いついて、まだ世の中に無いのはなぜかと不思議に思ったで」賞を受賞した。私は、火傷せず、凍りつかない温度を得るために、家のシャワーをいじくりまわしながら、21 世紀にもなって、なぜ、こんな大雑把な制御に我慢するのかと疑問に思ったのだ。ほら、じゃじゃーん! Moen U にはデジタルの設定が付いていて、シャワーで、あるいは、iPhone から (シャワーを浴びる前に行うのが最も良い) 温度設定ができる。CES における他の多くの製品と同様に、これは、「近日販売」だ。私は借家住まいなので、普通の人が単にシャワーを買えるかどうか分からなかった。なので、初めは、価格について尋ねることをしなかった。後で、二口のシャワーは 1160 ドルで、四つ口のシャワーは 2200 ドルであることを知った。Moen の Web サイトには、発売に関してもっと多くの情報があるだろう。そうした情報の中には、紹介ビデオも当面含まれている。そして、優れたセキュリティを必要とする IoTデバイスが何かあるとすれば、明らかに、この製品がそれだ。誰も、自分のシャワーをハッキングされたり (ブルブルっ!)、自分の衛生習慣が公になるのを望んだりはしない。

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Motiv の Ring -- Motiv は、腕時計ではないウェアラブルが、なぜ有用かという最初のストーリーで、私の注目を引いた。答えは、睡眠のトラッキングだ。夜中に Pebble を着けて、自分の睡眠をトラッキングするのはわずらわしい。この防水のチタンの指輪は、もっとずっと邪魔にならないように思われる。この製品では、健康に関わる標準的な一連のトラッキング計測機能も提供される。すなわち、心拍数、歩行距離、歩数、そして、推定消費カロリーだ。これは、iPhone 用の無料アプリと同期を行う。Motiv からの事前注文の場合、これは、199 ドルで入手可能だ。出荷は、「春」だ。(これは、北半球の話で、この CES の記事を通じて、私が述べている他の季節的な出荷時期についても同様である。)

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Arovia の SPUD -- Spontaneous Pop-Up Display は、まさにその名の通りといったところだ。24 インチのモニターが、折り畳むと、本当に分厚いペーパーバックの本のサイズまで小さくなり、重さは 2 ポンド (1 kg) 未満だ。フルに拡げると、これは、Bondi ブルーの iMac の形状を連想させる。画質はパーフェクトではなかった。画面は完全にフラットではなく、端では少々風船のように飛び出ている。だが、あなたが、出張に大型の外付けモニターを持って行きたいと思うタイプなら、この製品はあなたのために上手く機能するだろう。Arovia 社の Indiegogo キャンペーンで 399 ドルであり、2017 年 8 月の出荷が約束されている。ここに、デモのビデオがある。

Mohu の Untangle.tv -- Untangle.tv は、あなたのいる場所と、TV に支払うための現在の予算についてあなたに聞き取り調査をし、あなたの視聴習慣を尋ね、そして、ケーブルテレビを止めるプランを提供する Web アプリだ。Mohu は、室内用の受信アンテナを販売し、より高額な商品を売る可能性に期待している (2017 年 4 月に販売される Airwave アンテナは 150 ドルで、あなたの Apple TV や iOS デバイスで、TV 放送が共有されるようになる。) が、もし、あなたが、ケーブルテレビの支払いを減らすことを考えているのであれば、Untangle.tv は、調べてみる必要のある良いサイトかもしれない。

Giroptic の iO -- もし、あなたが、スマートホンの前方および後方のカメラが、あまりにも視野が狭いと思うのであれば、Giroptic は、360度のiO カメラで、あなたの助けになるかもしれない。このカメラは、Lightningポートに装着され、最近の大部分の iOS デバイスで動作する。同梱されているアプリで、写真を撮ったり、動画を記録したり、Facebook の 360ムービーをライブで配信したりすることができる。Giroptic の Web サイトで 249 ドルで、ここで、ただいま現在、出荷されているようだ。

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TrackR の pixel, wallet, そして atlas -- 私は、Bluetooth のトラッキング・デバイスは、値段が十分に下がっておなじみの物となったら、かなりのものになると信じている。ただいま現在入手可能な TrackR bravo は 30 ドルで、当面、超安いとは言えないが、25 セント硬貨のサイズであって、iPhone アプリ上で、その (そして、それを貼り付けたものであれば何でも) 在りかが分かる。TrackR の製品ファミリーは、2017 年に拡大し、より小さな TrackR pixel (25 ドル, 春)、クレジットカード・サイズのTrackR wallet (30 ドル, 夏)、そして、TrackR atlas (春, 40 ドル超) が加わる。TrackR atlas は、アプリと壁のコンセントに差し込むもので、これを使うと、TrackR の在りかが、他の全ての TrackR と関連して表示されるように、あなたの家の中をマップ表示することができる。この会社が、トラッキング・デバイスを、老眼鏡に装着できるくらいに十分小さく、そして安くしてくれさえすればいいのだが! 全ての TrackR は、互いに自分たちの居場所を共有している。したがって、もしあなたが何か失くして、それが、郊外で Bluetooth の範囲外だったとしても、他の TrackR がもし近くにあれば、あなたはそれを見つけることができるだろう。

FinSIX の DART -- もし、あなたが USB-C または Thunderbolt 3 ポート付きの MacBook または MacBook Pro を持っていて、持ち運びする荷物の重さを減らそうと思っているのであれば、DART についてよく調べてみてほしい。これは、65 ワットのラップトップ向け充電器で、サイズの点で、Apple のアダプタよりも携帯電話の充電器に近く、今月には USB-C も加わる。値段は99 ドルで、2017 年 1 月 20 日よりも前に、CES2017 のコードで注文すれば、25% 割引となる。(だが、まずはサポートに問い合わせしてほしい。と言うのは、あなたが USB-C ケーブルを必要としていることをどうやって明示すればよいか、よく分からないからだ。)

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Cosmo Connected -- あなたは、オートバイに乗りますか? Cosmo Connected は、ヘルメットの後ろに磁石でくっつくブレーキ・ランプだ。これによって、ブレーキ・ランプが、他のドライバーの目の高さに来るようになる。そして、もし、あなたがクラッシュしたら、あなたの GPS 座標が 3 分以内に行政機関に通知される。プレス・リリースでは、これを普通の自転車で使うことについても述べられていたが、そうなると、異なるデバイスになるのか、あるいは、現行のソフトウェアに対するアップグレードになるのかは不明だ。2017 年 5 月に、99 ドルで入手可能となる。

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Pico の PicoBrew -- 私はビールについてはほとんど知らないし、滅多に飲むこともないが、そんな私ですら、このガジェットには感動した。簡潔に説明するなら、これは、「ビール用 Keurig」だと私は確信している。(訳者注: Keurig (キューリグ) は、コーヒー・マシンの有名ブランド) 799ドルで、PicoBrew、5 リットルの醸造樽、そして、5 リットルのビール・サーバー樽が手に入る。醸造パック (何百種類も売られていて、カスタマイズすることもできる) を加えてビールを醸造し、一週間かそこら、発酵を待つ。それから、別の樽に移して飲む。私には、これがあなたの地方の地ビールと比べて、どれほど経済的になるのか分からないが、私がこれまで聞いたことのある他のどの自家製ビール醸造よりも、滅茶滅茶簡単であるように思われる。

Immotor Go -- オリジナルの Segway は、世界を熱狂させることはなかったが、もっと小さくて嵩張らない Immotor Go のずっと繊細な反応に、私は感銘を受けた。あるモードでは、これはスクーターで、最高速度は毎時20 マイルで、最大航続距離は 20 マイルだが、これは、周囲の他の歩行者の往来に、自動的にペースを合わせることができる。別のモードでは、これは、あなたの鞄を積んで、自動運転であなたに着いて行くことができるし、あるいは、電話でそれを運転することもできる。折り畳むと、持ち運ぶのに十分なほど小さくなるし、重さは Kaypro II laptop ラップトップ・コンピュータほど(言い換えれば、27 ポンド) だ。そして、これには、ホット・スワップ可能なバッテリーが付いている。なので、追加のバッテリーと充電器を買って、その一揃いを、家とオフィスの両方に置いておくことができる。彼らが、マーケティング資料で示した、会社幹部や流行に敏感な人たちの可能性については、私はあまり感心しなかったが、移動手段が限られているような人にとっては、これは、ゲーム・チェンジャーになる可能性がある。2017 年 3 月に 1500 ドルで発売されるのを期待してほしい。

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Stringify -- 最後に、これはまだ自分でよく見てみる機会がなかったのだが、Stringify は、Internet の自動化サービスである IFTTT の機能強化版のようなものだと思われる。(そして、あなたが IFTTT が何をするのか知らないのであれば、"今は IFTTT がインターネットを自動化、でも次はどうなる?", 2013 年 12 月 20 日を見てほしい。) IFTTT は、一つの条件と一つのイベントを許容する。これに対して、Stringify は、複数の条件を有していて、現実の世界のために、「マクロ」を生成する。例えば、「午後7 時過ぎに、わが家の外のモーション・センサーが作動し、そして、私が家にいなければ、わが家の灯りを点けて、私にメールしてほしい。」さらに良いのは、Stringify は IFTTT と統合されていて、双方向的に、一方で他方を動作させることができる。IFTTT とちょうど同じように、Stringfiy がどのようにして儲ける計画なのかは、私はよく分からない。

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CES 2017: PEPCOM Digital Experience に登場した機器の数々

  文: Jeff Porten: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

引き続き、CES に登場した最も興味深い製品を探して、皆さんにご紹介したいと思う。この記事で紹介するのは、メディア中心の三つのイベントの二つ目、PEPCOM Digital Experience (Pepcom 社デジタル体験) に登場したものたちだ。以下で、製品の名前の後に「包装ギフト」の Unicode 絵文字 🎁 を付けてあるのは、私が展示者から何か価値あるものを受け取ったことを示している。たいていは、その製品そのものを貰った。貰った T-シャツまですべて報告することはできないが、かなり値の張るものを受け取ったならばそれを明示しておくべきだと思ったからだ。

Anker PowerCore II 20000 -- Anker の新しい PowerCore II 20000 外付けバッテリー 🎁 で注目すべきは、電源入力が一つでなく、2 基の micro-USB を使って壁のコンセント二つから同時に充電できることだ。これで、充電速度が二倍に速くなる。20,000 mAh のバッテリーを搭載して 7 台の iPhone 7 を充電できるというが、特に Mac や iPhone 向けではなく、3 基の USB-A ポートと Qualcomm QuickCharge テクノロジーは iPhone には無駄だ。ただ、Anker はどのデバイスでもそれに応じて最速の充電ができるスマート・センシング・テクノロジーを装備している。現在 Amazon から $44 で入手可能だ。

Decibullz Bluetooth ヘッドセット -- カスタム成形のイヤーピースを持つヘッドセットはいくつか見たことがあるが、Decibullz 🎁 が注目すべきは現在入手可能であることと、現時点での価格がワイヤードで $39、Bluetooth ワイヤレスで $119 だという点だ。取り外し可能なイヤーチップをコップの中のお湯で温めて、まだ温かいうちに耳に嵌めれば、耳の形にぴったり合うようになる。フィットし直したくなれば、もう一度イヤーチップ用にコップ一杯のお湯を用意すればよい。試してみて私は音量にちょっとがっかりしたが、その場所は非常に うるさい 環境だったので、もう一度イヤーチップを整形し直すと具合が良くなった。

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Cotral InspEar アクティブ・イヤーバッド -- InspEar イヤーバッドは、Decibullz ヘッドセットとは対極に位置する。サウンド環境についての完全な制御ができるように、InspEar は複数個のデバイスに同時に接続し、騒音低減、物理的 30 dB サウンド保護、それに内蔵マイクロフォンを約束する。環境音を出して背景雑音を弱め、同期したどの特定のデバイスとも使用でき、内蔵の音声認識を使ってモードを切り替えることによりすべてを制御できる。価格は $700 と高く、2017 年後半になるまで出荷されない。それ以上具体的なことは今後のニュースを待つしかない。現在のところ Cotral は、ウェブサイトにも何の情報も出していないからだ。

Sen.se Peanut センサー・タグ -- Sen.se は、キュートな Peanut 🎁 Bluetooth タグをいろいろ出展していた。それぞれ機能が違っている。私が貰ったのは Guard Peanut で、大切に思うものなら何でもこれを貼り付けておけば、それが動かされる度にアラーム音とスマートフォンへの通知の両方で知らせてくれる。今後登場予定の Med Peanut の方は、薬瓶に貼り付けておき、薬を飲めば(あるいは飲み忘れれば)それを探知して服薬順守記録を作成するので、スマートフォンで記録を見直すことも、自動的に担当医と共有することもできる。いずれの Peanut も価格は $29、Guard は現在入手可能、Med は 2017 年 4 月に出荷予定だ。

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Griffin Reserve -- Griffin の iPhone 7 ケース Reserve は、たった 3000 mAh のバッテリーは注目に値しないかもしれないが、3.5mm ヘッドフォンジャックを内蔵している点が歓迎すべきかもしれない。つまり、iPhone 7 にヘッドフォンジャックがなくて困っていればということだ。2017 年の第二四半期に $99 で登場予定だ。

LaCie Thunderbolt 3 ドライブ -- Seagate の LaCie ブランドは、外付けハードドライブのシリーズを新型 MacBook Pro 用に Thunderbolt 3 ポートを備えて拡張するとともに、最大サイズも大きくした。ポータブル LaCie Rugged シリーズは 1 TB から 5 TB まであって価格は $250 から、SSD は 500 GB または 1 TB で価格は $430 からだ。デスクトップ LaCie d2 シリーズは 6 TB から 10 TB まで各種あり価格は $430 からだ。いずれも今月中に出荷されるはずだ。

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ThinOPTICS -- 眼鏡を忘れてメニューが読みにくくなることがよくある人は、極小折り畳み式読書用眼鏡 ThinOPTICS 🎁 に興味を惹かれるかもしれない。これほど小さくできたのは耳掛け部分をなくしたからだ。この眼鏡は鼻に取り付けて使う。二枚のレンズを結ぶ壊れないゴム製のブリッジ部分が鼻への取り付け具も兼ねている。また、このブリッジ部分で眼鏡を折り畳んで、キーホルダーにしまったり、あるいはスマートフォンケースの背面に取り付けるように作られた「ポッド」に入れることもできる。ThinOPTICS からも Amazon からも現在入手可能で、さまざまの度数に応じて価格は $20 から $30 までだ。

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NeoNode AirBar --ラップトップ Mac にはタッチスクリーンなど不要だと Apple は言うが、ダイアログなどを閉じようとして MacBook Air のスクリーンにしょっちゅうタッチしてしまうという人に、Apple の意見が正しいか否かを確かめる手段ができた。誰もがびっくり仰天する NeoNode AirBar は、13 インチ MacBook Air の USB ポートに接続し、スクリーンのすぐ下、キーボードの上のところに取り付けられる。これで、どういうわけかディスプレイ全体がタッチスクリーンになる。NeoNode は MacBook Air がタッチ入力を受け付ける様子を実演して、これを使うために Mac 上にカスタムソフトウェアなどは一切必要ないと述べた。どうやらこれはカスタムのマウス機能をエミュレートすることで動作しているらしい。AirBar は 2017 年 3 月に $99 で発売予定で、現在予約注文を受け付けている。

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Ahkeo Freedom Bike -- 私は Freedom Bike という概念が好きだ。固定された自転車のペダルを漕いで、人力発電機として使うのだ。自転車にはさまざまの種類の電源ポートや USB ポートが備わっていて、いろいろな機器を直接接続したり、あるいは付属のバッテリーを充電しておいてあとでそこから再充電することもできる。Ahkeo は現在、発電した電力を送電網に売電したり、その収益をチャリティーに寄付したりできる協定を結ぶための作業中だが、その結果がどうなるかはおそらくあなたが住んでいる地域に依存するだろう。Ahkeo は自社で Freedom Bike を製作するかあるいはテクノロジーだけをどこかとライセンス契約するか決めかねているが、いずれにしても製品を半年以内に発売したいと願っている。ショウのフロアには初期の試作品が置かれていた。

Setapp -- MacPaw の Setapp サービスは 2017 年 1 月後半に公開されるが、Mac ユーザーは注目しておくべきかもしれない。「Mac 用アプリの Netflix」になると約束する Setapp は、月額 $10 の購読料金で、Setapp ライブラリにあるすべてのアプリへの完全なアクセスが得られる。発足当初は 56 のよく知られた Mac 用アプリを備える。現在 Setapp は非公開ベータ版で、TidBITS 出版者 Adam Engst もこれをテストしており、いったん公開されれば記事にする予定だという。MacPaw は Setapp が好循環を生み出すことを願っている。より多くの購読者が得られれば、MacPaw がより多くの開発者たちを惹き付けるようになり、ライブラリにアプリが増えて、さらなる購読者を引き込むことができるようになるからだ。

iOS および Android 用 AmpMe -- 時には、技術的に素晴らしいと強い印象を受けるけれども、いったい何のために使えるのかと考えてしまう、そんなものに出会うことがある。iPhone 用および Android 用の無料のアプリ AmpMe も、まさにその種のものだ。これは、個数無制限のスマートフォンと、それぞれに接続している Bluetooth スピーカーを、独自仕様のデータベースを通じてすべて同時に同期し、それらすべての間の待ち時間を計算することを通じて再生が完璧に同期されるようにする。だから例えば、12 人の友人たちがそれぞれにスマートフォンと並以下の品質のポータブル Bluetooth スピーカーを持っている場合、AmpMe を使えばすべてのスピーカーを同時に鳴らして賑やかなパーティーにしたり、複数の部屋で同時に音楽を聴けるプラットフォームを形成したり、あるいはまあ、そういった何かのことができるかも...

iOS 用 HelloMind -- CES のフロアでは「あなたの脳を鍛える」と約束するハードウェアやソフトウェアがたくさん出ていたが(その多くは何らかの電気的誘導機能を持つヘッドセットを伴っていたが)私はその種のものを極めて疑わしいと思っている。けれども HelloMind の催眠療法アプリ 🎁 は、少なくとも無料で試せるという利点を持っていた。App Store から無料のアプリをダウンロードすれば、内蔵された二つの催眠療法セッションを経験でき、これが役に立つものか、それともたわ言なのかを自分で判断できる。これが使えると思えば、200 以上の他のセッションをアプリ内購入で購入できるメニューがあり、それらを通じて悪い習慣から脱したり、良い習慣を身に付けたりできる。

Pinn -- Pinn 🎁 の市場は小さめではないかと思うが、人によっては便利に使えるかもしれない。この Pinn は基本的にクリップ留めのアクセサリーで、あなたが iPhone にアクセスできない時に(例えばハンドバッグやリュックサックの奥の方に入っていたり、あるいは自転車に乗っていたり、ランニング中だったり、その他スマートフォンを使うことが適切でない活動中に)それを遠隔操作できるようにする。液晶画面には通知やかかってきた電話が表示され、取り外し可能なイヤーバッドを使って通話をしたり、音楽を聴いたりが片手ででき、マイクロフォンを使ってあなたの iPhone を音声制御することもできる。そう、Apple Watch にかなり似ているではないか? この Pinn は 2017 年 2 月に入手可能となり、今から $99 で予約注文すれば定価の $199 より $100 も安くなる。

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Notion.ai -- 「実演は良かったけど自分で試す暇はなかった」の部類に属するのが、iOS および Android 用の無料の電子メールクライアント Notion だ。これは Gmail、Office 365、または IMAP 電子メールアカウントなら何にでも深く潜行し、あなたが参加した会話について高度な分析を提供するとともに、あなたがどの電子メールメッセージを大切に思うかについて帰納的な推測を行なう。例えば、あなたが返事を待っている会話をハイライト表示したり、特定の人物が今から四時間以内にあなたに返事を送ったか否かを履歴を辿って報告したり、といったこともできる。これが約束した通りに働いてあなたの受信箱が制圧可能なものになるかどうかは別の話だが、実演を見る限りでは印象が良かったので、いずれ自分で試してみたいと思っている。

Olloclip レンズセット -- iPhone のカメラではあなたの望むレンズ能力を備えていないのなら、Olloclip から iPhone 7 または 7 Plus に取り付けて使う三種類の異なるレンズクリップセットが出ている。Core セットには魚眼、スーパーワイド、マクロの三つのレンズがある。Active セットには望遠とウルトラワイドのレンズがあり、Macro セットには三つの異なる倍率のマクロレンズがある。価格は $80 から $120 までさまざまで、すべて現在入手可能だ。Olloclip は $50 の Pivot も展示していた。こちらは iPhone を水平方向に丸ごと支える持ち手で、回転可能な握り部と、パッシブな画像安定化(手ぶれ補正)機能を備えている。

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CES 2017: Showstoppers は洗濯室から Play-Doh まで

  文: Jeff Porten: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私が CES 2017 で最後に訪れたメディア専用イベントは Showstoppers だ。これは一番奥の展示ホールにあり、出展者たちは他より多くのお金を投入して、私たち記者に食べ物や飲み物を提供した。けれども親愛なる読者の皆さん、それらはすべて、正当な目的のためだ。ここ Showstoppers にはとても魅力的な製品が揃っていたからだ。ここからは、長い長い廊下を 100,000 人もの他の人たちと一緒にゆっくり歩いて、何か素敵なものの前に人々が集まっているところに来る度にしょっちゅう立ち止まって一緒にそれを見つめた。そうやって立ち寄ったことが実を結んだか、それとも皆さんのためにもっと素敵な製品を見つけたいという私の目標の妨げになっただけなのかは以下を読んで判断して頂きたいと思うが、たいていの場合、人々は実際に何が実演されているかよりも、展示ブースのテクノロジーの新機軸に引き寄せられている感じがした。

Foldimate -- CES は宇宙家族 Jetson 風の奇妙なテクノロジーが必ず出展されることでも有名だ。今年は、洗濯物を畳むロボット Foldimate が出展された。Jetson 家最高のテクノロジーの例に漏れず、これも一年以上先にしか出荷されない。(2018 年後半だという。) 乾燥機と同じくらいの大きさで、価格は $700 から $850 くらいだという。それに、洗濯物をまとめて放り込めば畳まれて出てくるというのではなくて、衣服を一つずつ棚に置かなければならず、その後で Foldimate がそれを処理するようになっている。本当に 服を畳むのが嫌だという人でないと、こんなものを買う気にはならないだろう。それ以外の皆さんはこちらのビデオ「超高速の T-シャツ畳み方」をご覧あれ。

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eBlocker -- Mac や iPhone のブラウザでウェブ広告をブロックしようというアイデアを分かっているあなたには、あなたの家庭内ネットワーク全体でまとめて自動的にそれを実行するのはいかがだろうか? eBlocker の背後にある考え方がそれだ。この Wi-Fi デバイスは、あなたのネットワークに設置しておけば、深い魔術か何かを発揮して、広告やトラッカーをそのネットワークにある他のすべてのデバイスのためにブロックし、その際に基本ルータの再設定は一切 必要ない のだという。私もネットワークのことは少しばかり知っているが、いったいどうやってそんなことを成し遂げるのか、私には全く見当がつかない。現在入手可能な eBlocker Pro 版の価格は $219 で、フィルターすべきサイトのデータベースを更新するために購入の一年後以降は年額 $59 の購読料金がかかる。さらにもっと高度なコントロールが欲しい人は eBlocker Family を使えば、10 個の異なるサイトプロファイルを作成して、ネットワーク上の各個人がそれぞれ好きなプロファイルを選んで異なるやり方でブロックをさせることもできる。こちらは 2017 年 2 月に発売予定で、価格は $249、購読料金は $99 となる。

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Coros Linx 骨伝導自転車用ヘルメット -- イヤーバッドを装着して自転車に乗るのは、追い越して行く自動車の音が聞こえなくなるので、愚かな行為だと言わざるを得ない。Coros がその解決法として、Bluetooth 対応の Linx ヘルメットを出した。耳を一切塞ぐことなく、顎の骨を通してサウンドを届けるものだ。額の近くに風の影響を受けないようにマイクロフォンも備わっていて電話の通話もできる。また、自転車のハンドルに取り付けるリモコンを使って電話の遠隔操作もできる。価格は $200 で現在入手可能、編集者の言葉によればこの製品は DC Rainmaker に好意的なレビュー記事が載っているのできっと良い出来なのだろうとのことだ。

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Cherry MX Board Silent -- キーボード通の人たちの中には、新型 MacBook のキーボードが嫌いで、その昔の Apple Extended Keyboard のキーの感触が忘れられないという人も多い。Cherry は長い間そういう人たちのためのキーボードを作ってきたが、そのキーはカタカタと結構うるさい。そこで、オフィスの嫌われ者になりたくない人たちのために、Cherry は今回新しいキーボードを出した。キー音をなくした MX Board Silent だ。今月中に入手可能となり、価格は $149 だ。Cherry のウェブサイトによれば "international EU 配列" のみが発売されるというが、5 キーに (% に加えて) Euro 記号が追加されている点を除き、私には U.S. レイアウトとの違いは分からなかった。

Apple Watch 用 Glide CMRA バンド -- Apple Watch はついに Dick Tracy の腕時計型双方向通信機を私たちの生活にもたらしてくれたかもしれないが、今はもう 21 世紀なのだから、ビデオ電話はどうだろうか? Glide の CMRA の機能の一つがそのためにある。これは Apple Watch に付属のバンドの代わりとして使い、前面向きと前方向き両方のカメラが付いている。Glide はこれらのカメラのためにソフトウェア開発キットをリリースしているので、CMRA 自体のソフトウェアができること以外の追加機能が他のビデオアプリに組み込まれることもあり得る。付属の充電スタンドは、CMRA バンドと Apple Watch の双方を充電できる。「今春」に発売予定で定価は $249 だが、2017 年 1 月 9 日までに限り予約注文価格が $169 となっている。

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眼鏡に搭載するカメラ: PogoCam と SunnyCam -- 手首を持ち上げるのが面倒な人に、眼鏡に取り付けるカメラはいかがだろうか? PogoTec の PogoCam は、特別の度付き眼鏡やサングラスの耳掛け部分に磁石で付く。PogoTec はいくつかの眼鏡メーカーと協力して、PogoCam を取り付けても眼鏡が洗練されて見えるようにする方法を開発中だ。ただ、一日中撮影を続けることを期待してはいけない。PogoCam の容量は、写真なら 100 枚、720p ビデオなら 2 分間までだ。2017 年春に $149 で発売される。一方、アスリートにとっては 2 分間のビデオでは何の役にも立たないので、SunnyCam の Activ、Sport、Xtreme の三種類のサングラスが検討に値する。こちらは、うまくデザインされたサングラスの鼻当ての部分にビデオカメラが埋め込まれている。カメラは 11 時間以上のビデオを録画可能だが、そのためには再充電が必要だ。一回の充電ではたった 1 時間しか録画できないからだ。SunnyCam のサングラスは 120 ポンドから 150 ポンドまでで、少なくとも英国では現在入手可能だ。

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ZVOX Accuvoice -- 私はテレビをクローズドキャプション(字幕)付きで観ることが多い。いつも、よく聞き取れないことがあるからだ。同じように感じている人には、ZVOX AccuVoice が役に立つかもしれない。これはテレビ用の棒状のスピーカーで、補聴器テクノロジーを活用して会話の周波数帯を増幅し、全体の音量が小さく設定されていても会話が聞き取りやすくなるようにする。価格は $250 で、現在入手可能だ。

Yubico YubiKey 4、4 Nano、4C -- 二要素認証は、パスワードのクラックや推察によりアカウントが破られることがないようにするため、ますます必要な手法となりつつある。(二要素認証とは何かを知りたい方には、Joe Kissell の "Take Control of Your Passwords" が良い解説書だ。)Yubico 🎁 の各種 YubiKey USB productsは、二要素の片方として使える暗号化鍵を保存し、一定のセットアップさえ済ませればさまざまのサービスで使える。一般的に言って、YubiKey を使うことでそのアカウントは「パスワードさえ持っていれば誰でも使える」状態から「承認された鍵を持っている者のみがログインできる」状態へと変わる。

YubiKey は二要素認証をできる限り手軽なものにするためにあらゆる努力を注いだようだが、それでも使用法はまだシンプルとは言えない。私は YubiKey サービスの概要を理解しようとして説明書を読むのに 20 分間も費やしたが、大まかなことは理解できたけれども、この会社の実装方法を掴めた気はしていないし、テクノロジーの知識を持たない人にこれらの製品を薦めたいとは思わない。それに加えて「要素の喪失」を避けるという問題(Glenn Fleishman の記事“2ステップを踊る: 認証の第二要素喪失に対処”(2013 年 8 月 28 日) 参照) もあって、その答を端的に言えば、YubiKey を一個買っただけでは不十分で、二個か三個を購入して追加分を安全に隠しておくのがよい。YubiKey の USB 選択肢としては、スティック風の 4 ($40)、ほぼ平らに取り付けることができてポートに付けたままにするように作られた極小の 4 Nano ($50)、それから近日発売予定の USB-C ポート用 4C ($50、2017 年 2 月発売予定) がある。一つ覚えておくべき重要な制約は、ウェブログインに使うには、YubiKey が Safari に対応していないことだ。

Stern Pinball -- 子供のころ、私は大きくなったら地下室にクラシックなピンボールマシンをずらりと並べて遊ぶんだと思っていた。(オーナーなら無料で遊べるボタンを持つことも知らなかったので、大きなバケツを 25 セント硬貨で一杯にするところを思い描いていた。)そして今は 2017 年、この業界の他の会社が消え去った今でも Stern 社がピンボールマシンを作り続けてくれていることに私はただただ感謝の念しかない。私の子供のころの夢を理解して下さる方には、新発売の Batman '66 ゲームマシンが $8599 で現在入手可能だが、もっと安く、もっとモバイルにピンボールで遊びたいならば、iOS 用の無料のアプリ Stern Pinball Arcade がある。(PlayStation 4 など他のプラットフォーム用のものもある。) 毎月二つのプレイテーブルが無料で使え、何十とある他のものはアプリ内購入で入手できる。

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Seed-Up Moore "無限" USB スティック -- Seed-Up が不可能を市場に送り込む。オフラインにあっても「無限」の容量のストレージを持つ、USB フラッシュドライブだ。実際にはこの Moore スティックは 64 GB の USB フラッシュドライブで、あなたが何をいつ必要とするかを搭載された AI (人工知能) が判断するようになっている。理論的には、あなたが使っていないものをすべて Backblaze ストレージにアップロードし、あなたが必要とする はず のものをあらかじめダウンロードする。現在これは Mac で動作するが、Seed-Up は iOS 用アプリもリリースする予定だ。現行のハードウェアが、既に同社がテストした USB-to-Lightning アダプタで動作したからだ。2017 年 7 月に $40 から $70 までの価格で発売予定で、容量無制限の Backblaze ストレージの半年間購読が付く。その期間が過ぎれば「月額 $9 以下」で購読を継続できるという。当然ながら、どの程度うまく働くかはその AI の品質に依存するだろう。Finder に「 ∞ GB 空き」と表示されるのかどうか、今から楽しみだ。

GeniCan -- 使い切ったものを買い足す役に立つ賢いゴミ箱と聞いて、これは洗濯物を畳むロボットと同じくらい馬鹿げている、と当初私は思った。けれども GeniCan の実演(同社のサイトにビデオがある)を見た私はハッとして、疲れから来た無感覚状態をたちまち脱した。GeniCan はバーコードスキャナーで、標準的なゴミ箱の縁のところに取り付けておく。使い切ったものの包装をゴミ箱に捨てたりリサイクルに出したりする際にバーコードをスキャンすれば、自動的にその製品をあなたの買い物リストに追加してくれる。スキャンすべきバーコードがない場合は、何を捨てているのかと GeniCan が尋ね、音声認識を使ってあなたの答をリストに加える。だから、ペーパータオルのロールを使い切ったら、芯の部分をスキャナーの前にかざしながら「ペーパータオル」と声に出して言えばよい。スキャンした項目は iOS または Android デバイスで走る買い物リストアプリに追加されるが、自動的に Amazon に注文するように設定することも可能だ。GeniCan は 2017 年 3 月に $149 で発売されるが、予約注文すれば $25 値引きとなる。

Play-Doh Touch Shape to Life Studio -- この製品は新しいものではなく、既に一部の Apple Store に二ヵ月前から置かれていたものだが、Play-Doh の Touch Shape to Life Studio を見て私は心底驚いた。機能的にこれは、五歳児向けに作られた 3D スキャナーだ。Play-Doh の(小麦粘土の)粘土細工で生き物を作ったら、それをスタジオ台の上に置いて、iPad で写真を撮ると、それが iPad 上の 3D 環境の中で生き生きと動き出し、以前にスキャンした他の生き物たちと一緒に遊び戯れる。これまで私が見たことのある何十もの 3D スキャナーがどれも工学博士でなければ使いこなせないものだったのに比べて、あまりにも使いやすいこの製品に私は驚嘆の念に打たれた。Apple Store 店舗や、または Apple のウェブサイトで、たった $40 で販売されている。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2017 年 1 月 9 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

OmniFocus 2.8 -- The Omni Group が OmniFocus 2.8 をリリースして、リクエストの最も多かった機能、Global Search を追加した。検索を現在の表示の中でのみ走らせる(これが 2014 年以来 OmniFocus の基本的検索挙動であった)代わりに、今回から検索フィールドにある拡大鏡アイコンをクリックすれば検索範囲を Here、Remaining、または Everything に設定できる。

このタスク管理アプリはまた、macOS 10.12 Sierra でのタブ付きウィンドウへの対応を改善し、暗号化ファイルフォーマットへ移行する前に同期パスワードの入力を要求するようにし、選択された添付ファイルをあなたが選んだディレクトリにコピーする Export ボタンを追加し、グループの同期が完了してもグループの親が完了しなかった問題点を修正し、Perspective の名前を変更した後でツールバーをカスタマイズすると起こったクラッシュを解消し、ローカライズ版を更新している。(The Omni Group ウェブサイトで Standard 版の新規購入 $39.99、Pro 版の新規購入 $79.99、Mac App Store では Standard 版が $39.99、アプリ内購入で Pro 版にアップグレード可能、28.9 MB、リリースノート、10.10+)

OmniFocus 2.8 へのコメントリンク:

Default Folder X 5.1.2 -- St. Clair Software が Default Folder X 5.1.2 をリリースして、Open および Save のダイアログを拡張するこのユーティリティでいくつかのバグを修正した。今回のアップデートではアプリが必要以上のメモリを使用していたバグを修正し、壊れたエイリアスに操作 (Duplicate、Move、Copy など) を実行すると起こったクラッシュを解消し、 HockeyApp のメトリクス報告をオフにしている。(新規購入 $34.95、バージョン 4 からのアップグレード $14.95、TidBITS 会員には新規購入で $10、アップグレードで $5 の値引、8.2 MB、リリースノート、10.10+)

Default Folder X 5.1.2 へのコメントリンク:


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日本語版最終更新: 2017年 01月 13日 金曜日 , S. HOSOKAWA