連邦取引委員会 (U.S. Federal Trade Commission, FTC) がテレビのメーカー Vizio に対しユーザーに無断でデータ収集をしていたとして高額の罰金を課したことで、スマートテレビにおけるプライバシーの問題が再びニュースの話題となった。"Take Control of Apple TV" の著者 Josh Centers が、何が問題なのか、あなたにできることは何かを説明する。Josh はまた、シリーズ記事“大草原の HomeKit のお伴”の新たな回として Apple の Home アプリの代わりに使えるもう一つのアプリを議論する。iCloud に保存した情報でトラブルに遭っている人のために(連絡先情報が壊れたりしていませんか?)Michael Cohen が iCloud のウェブインターフェイスからデータをリストアする方法のお役立ちガイドを提供する。最後に Julio Ojeda-Zapata が 9.7 インチ iPad Pro 用のキーボードケースを五つ調べる。今週注目すべきソフトウェアリリースは、TextExpander 6.1.7、Apple Remote Desktop 3.9、SoundSource 3.0.1、Slack for Mac 2.5.1、Logic Pro X 10.3.1、BBEdit 11.6.4、Tinderbox 7.0、それに 1Password 6.6.1 だ。
記事:
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文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>
最近市場に出回っている TV の殆どはいわゆる "スマート TV" と呼ばれるもので、ソフトウェアプラットフォームを組み込んでいて、Apple TV の様な外部機器を必要とせずに Netflix 等のアプリを走らせられる。これらのネットワークに接続されたスマート TV は便利である - TV リモコン上に Netflix ボタンがあるのは便利だ。しかし、この様なネットワークに接続出来る能力にはプライバシーの懸念が常に付きまとう。
TV メーカーの Vizio は最近 Federal Trade Commission とそのデータ収集慣習に関して $3.7 million の和解をした。Vizio はまた "許可なしに追跡することを止めること、自らの TV 視聴データ収集慣習を著明に開示すること、そして視聴情報を収集そして共有する前に消費者の明確な同意を得ること" に同意した。
Vizio がその顧客を追跡している事実は何も新しいことではないが、その追跡の範囲を見れば驚かれるかもしれない:
2014 年以降、Vizio は消費者が何を視聴しているかを追跡し、そしてそのデータを自らのサーバーに自動的に送信する TV を作ってきた。Vizio は、より以前のモデルに対しても追跡ソフトウェアを遠隔でインストールするという改造すら行ってきた。FTC と AG (検事総長) は、これら全てが、消費者に知らせることなく、或いは同意を得ずに行われたと主張している。
では、消費者家庭のプライバシーの中で何が起きているかを Vizio は何処まで知っていたのであろうか? 秒単位で、Vizio は、テレビ、映画、そしてコマーシャルのデータベースに合致する画面上の選定されたピクセルを収集していた。更に、Vizio は、ケーブルや広帯域サービスプロバイダー、セットトップボックス、ストリーミング機器、DVD プレーヤー、そして地上波放送からのデータも見ていたと認めている。これら全てをまとめると、 Vizio は毎日何百万台という TV から 10 兆にも及ぶデータを捕捉していたことになる。
Vizio は、消費者の聴視履歴を広告主等に売ることで、この山の様なデータを金に替えていたのである。はっきり言おう:我々は、国全体の聴視傾向の要約情報の話をしているのではない。この告訴状によれば、Vizio は個人的なレベルにまで入り込んでいた。同社は、消費者の IP アドレスをデータ収集者に提供し、その業者はそのアドレスを個々の消費者や家庭と照合していた。Vizio の第三者との契約では、消費者や家庭を名前にまで掘り下げることを禁じていたが、他の個人情報は許していた - 例えば、性別、年齢、収入、配偶者の有無、教育、そして持ち家かどうか等である。そして Vizio は、これらの会社が全ての機器に亘ってその消費者を追跡し目標とすることを許してきた。
これは Vizio だけではない。我々の TidBITS Talk 議論リストでも、Samsung が顧客に、会話は記録され第三者に送られるかもしれないので TV の前では機密情報を論じないよう警告したという2年前の話について話し合った。
これは Big Brother が TV セットを各家庭に置き一般大衆をスパイしていた Orwell の小説 1984 の話なのか? そこまでではないが、安心出来る距離よりも近くにいると言える。
第一に、誰もこれらの TV セットを消費者に強要してはいない。売り場には、少数ではあるが、今でもいわゆる "バカ TV" も並んでいる。第二に、ある程度の視聴者追跡は必ずしも悪いとは言えない。例えば、Netflix は番組を視聴者指標に基づいて選択している。しかしながら、会社によっては、Vizio の様な、視聴習慣に留まらない多種のユーザーデータを集め、そしてそのデータを視聴者の利益のために使うのではなく、更なる利益を挙げるためにそのデータへのアクセスを売っている。
Vizio がやっている様に、視聴者データへのアクセスを売ることは TV 価格を低く抑えるのに役立っているという人もいるかもしれない。しかし、TV 価格は既にかなり下がっているし、それに、FTC もその理屈には組みしていないように見える。
もう既にスマート TV をお持ちで、これらの行跡を懸念するのであれば、Ron Swanson の手法に習って、それをゴミ箱に捨てることも出来るが、そこ迄やる必要はない。
もっと簡単な方法は、TV を Internet につながないことである。Netflix や他のアプリが欲しければ、Apple TV を入手すべきである。これは、業界で最善の個人情報保護方針を有している (そして - 自己宣伝ではあるが - 業界で最善のマニュアル "Take Control of Apple TV" もある)。
もし所有している TV のアプリを、プライバシーを犠牲にすることなく、使いたいというのであれば、New York Magazine の Jake Swearingen が、よく用いられる TV プラットフォーム上でプライバシーを最大化するための卓越したガイドを収集している。彼のガイドによると、今後の Vizio TV セットはその "Smart Interactivity" 機能をデフォルトではオフにすると報じている。この FTC 和解の大きさを考える、他のメーカーも同様の手段を講じるのではと推測する。
聞き耳を立てることが出来るのは、何もスマート TV だけではない。もし Amazon Echo や Google Home をお持ちなら、家の中に常時オンの盗聴器があることを自覚すべきである。もし iOS 機器上で Hey Siri を有効にしているのであれば、こちらも聞き耳を立てることが出来る。(iOS 機器上では、この様な行動を阻止出来る:Settings > Siri に行き Allow "Hey Siri" を不能にする。)
これは単なる仮説の話ではない。捜査当局者は、Amazon に殺人事件での証拠として Amazon Echo からの録音を手渡すよう強制しようと試みている。更にもう一つの "The Future Is Weird" の記事によると、Amazon は政府に対して顧客データを保護しようとしていて、Echo に搭載している AI アシスタントである Alexa には First Amendment 保護 [訳者注:言論の自由] が適用されると主張している。
更に言うならば、カメラやマイクを備えたネットワーク機器なら何でも、少なくとも理論上は、 あなたをスパイするために使うことが出来ると思って良い。もし自分のウェブカムの上にテープを貼り付けてしまいたとの衝動に駆られても、被害妄想だと思わなくとも良い - Facebook CEO Mark Zuckerberg も同じことをやった。(ユーザーについて更にもっと知りたいという Facebook の飢え狂った願望や、複雑怪奇なそのプライバシー制御にも拘らず、Zuckerberg 自身は自らのプライバシーを真剣に受け止めているように見受けられる。)
我々は興味深い時代に住んでおり、プライバシーを心配する人は余分に気を配る必要がある時でもある。しかしながら、幾つかの簡単な予防策を講じることで、どれぐらいのデータを共有するかに関してのある程度のコントロールは保持出来る。
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文: Michael E. Cohen: [email protected], @lymond
訳: 清水 史彦 <qff01604@nifty.com>
「何が真実なのか?」この問いは、何世紀にもわたって、哲学者や神学者を悩ませてきたが、分散型デジタル・データ・ストレージの時代にあっては、以下の問いに対する答えも知っておく必要がある。すなわち、「真実は、どこに あるのか?」という問いだ。これは、哲学的な問いではなく、実用的な問いである。もし、あなたが、多くのデバイスを持っていて、その全てに、あなたの個人的な情報、例えば、連絡先、カレンダー等のコピーがあるとしたなら、あなたのデータの本当に正しいコピー、つまり、あなたの全てのデバイスが信頼できるコピーは、どこで見つければよいのだろうか?
複数のデバイス間でデータが共有されるという状況においては、「真実」とは、コンフリクトしているデータを有するデバイスが、そのコンフリクトを解決しに行く所を指す技術用語である。Steve Jobs が、「真実はクラウドにあり。」という言葉で何を言わんとしたのか、もしあなたが、常に疑問に思っていたとしたなら、今や、あなたはその答えを知ったことになる。そして、もし、あなたが私のように、連絡先、カレンダー、リマインダー、その他を iCloud に保管しているのであれば、iCloud が、データの食い違いを解決するために行く所である。そこが、真実の在り処なのだ。あなたのデバイス上にあるものは、真実ではない。それは単に、iCloud からコピーされた真実の反映にすぎない。たとえ、あなたの情報を有するデバイス上で、そのファイルを見つけることができたとしても、ファイルをいじくる何らかの洗練されたツールをサッと取り出して、ビットをいじくったところで、そこでは、何ら、問題を解決することはできない。なぜなら、そこは真実の在り処ではないからだ。
しかしながら、iCloud は、まさに本物の雲のように不透明なことで悪名高い。あなたがたった今そこに保存したものを見ることだって難しいのだ。とは言え、Apple は、iCloud において、真実に関連するいくつかの問題の解決を容易にしてきているし、容易にアクセスできるツール、すなわち、Mac や PC 上の Web ブラウザを使えば、あなたは、それを実行することができる。Web ブラウザを使うと、連絡先、カレンダー、リマインダー、そして、共有ブックマークのバックアップに立ち戻ることができるし、iCloud Drive から削除したファイルをリストアすることさえできる。
最初のステップは、ブラウザで icloud.com に行って、あなたの Apple IDとパスワードでログインすることだ。
サインインしたら、ローンチパッドのページにあるSettings のアイコンをクリックする。
これで、iCloud Settings のページに来る。このページには、あなたのiCloud アカウントに関する情報や、あなたの iCloud アカウントにサインインしているデバイスのリストがある。そして、さらに下に行くと、ページの一番下に Advanced セクションがあり、ここで、データ復旧機能が提供されている。
以下、適宜、注意すべきいくつかの点と共に、あなたが修復可能なものを示す。
ファイル: iCloud Drive からファイルを削除する際、Mac 上でiCloud Drive の中から外へファイルをドラッグして削除しようが、あるいは、Mac や iOS のアプリ内でファイルを消去しようが、どちらにしても、iCloud では、ファイルが永久に無くなってしまう前に、30 日間保存される。まさに、消去された写真が、Photos アプリの Recently Deleted アルバム内に保管されるようなものだ。iCloud Drive の個々のフォルダに戻したいと思うファイルを選んで、Restore をクリックする。すると、ファイルが iCloud Drive に再び現れる。
連絡先: iCloud では、連絡先に変更を加えると、それが記録され、前日からのデータをアーカイブに保存する。iCloud では、こうしたアーカイブが約 1 ヶ月間保持される。もし、あなたの連絡先が、デバイス上で、滅茶苦茶になったり、混乱したりしてしまったなら、以前の連絡先データから復旧することができる。あなたがリストアしたいと思うアーカイブの右にある Restore をクリックする。アーカイブをリストアすると、デバイス上の 全ての 連絡先がリストアされることに注意してほしい。(真実は iCloud にあるのであって、デバイス上にはないということを忘れないでほしい。)たった今置き換えた連絡先のアーカイブも、iCloud に保存される。したがって、必要なら、元のデータに立ち戻ることができる。
カレンダーのイベントとリマインダー: 連絡先と同様に、カレンダーのイベントやリマインダーに変更を加えると、iCloud はそれを通知し、何らかの変更を行なった前日の状態のカレンダーやリマインダー・データのアーカイブを保存する。また、連絡先のように、iCloud では、カレンダーやリマインダーのアーカイブは、およそ 1 ヶ月分保持される。あなたがリストアしたいと思うカレンダーやリマインダーのアーカイブのエントリーで、Restore を選択する。すると、iCloud に接続されたあなたの全てのデバイス上で、カレンダーやリマインダーの情報が置き換えられる。連絡先のように、置き換えられたカレンダーやリマインダーの情報は、今度はアーカイブに保存されるので、もしそうしたければ、元のデータに戻ることもできる。だが、カレンダーやリマインダーは、他の人たちと共有される可能性があるということに留意してほしい。したがって、アーカイブからリストアすることには、いくつかの副作用があるのだ。例えば、共有されているカレンダーやリマインダーは、共有し直さなければならないし、あなたが送ったカレンダー・イベントのお誘いで、保留中のものはカレンダーから除去されて、代わりに、新しいお誘いが発行される。
ブックマーク: iCloud を使うと、同じ Safari のブックマークやリーディング・リストを、あなたの全てのデバイス間で共有することが容易になる。そして、何らかのデバイスでそれらを変更すると、iCloud では、加えられた変更が日毎に保存される。連絡先と同様に、iCloud デバイス上でブックマークやリーディング・リストを置き換えたいと思えば、そのブックマーク・アーカイブの脇にある Restore を単にクリックするだけでよい。(過去 1 ヶ月分のアーカイブが選択可能だ。) そして、連絡先やカレンダーと同様に、置き換えられたブックマークやリーディング・リストはアーカイブされ、必要に応じて、それらをリストアすることができる。
データを、自分のコンピュータ上で、見て、触って、そして、操作するのが好きな昔風の Mac ユーザーにとって、管理されたデータや、クラウド・ストレージに向かう Apple の動きは、ストレスが溜まるものかもしれない。だが、Apple は、ユーザーに対して、自分たちのデータを多少ともコントロールできるようにする使いやすいツールを、少なくともいくつかは提供してきた。このコントロールのレベルは完全なものではないかもしれないが、何もないよりかは、はるかにマシだ。
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文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>
もしここまで "大草原の HomeKit のお伴" にお付き合い頂いてきたならば、あなたの HomeKit 設定は完了し稼動しているはずであり、Apple の Home アプリの使い方も十分に把握しておられることであろう。しかし、HomeKit アプリという観点からすると、Home だけが唯一の選択肢という訳ではない。
(日本語)スマート電球 Philips Hue を使ってみる | 大草原の HomeKit のお伴: 中心となる概念 | 大草原の HomeKit のお伴: Accessory と Room を設定する | 大草原の HomeKit のお伴: Accessory をコントロール | 大草原の HomeKit のお伴: あなたの家を自動化する | 大草原の HomeKit のお伴: 他の "Home" アプリで微調整する
Home が iOS 10 で登場する前、Apple は HomeKit 用のグラフィカルフロントエンド作成をサードパーティに依存していたので、App Store には幾つかのものがある。 Elgato の無料の Eve アプリは可愛らしいが、私のお勧めの強力ツールは Matthias Hochgatterer の Home アプリである。ご推察の通り Apple はその名前を盗んだので、Apple の Home アプリと Hochgatterer の Home アプリが存在することとなり、どちらもホームオートメーション用に皆さんの家庭を制御するために使われる。お分かりですか? 大変結構。(いっそのこと、全部 Bruce と呼んじゃいましょうか?)
$14.99 という Hochgatterer の Home の値段には二の足をお踏みになるかもしれない。これは App Store での HomeKit アプリの中でも、かけ離れて高価なものである。しかし、それが提供する力と制御はその値段に十分に値する。もし Apple の Home アプリはバターナイフだとすると、Elgato のアプリは美しい Wuesthof 果物ナイフで、Hochgatterer の Home アプリは Swiss Army ナイフと言える。
Hochgatterer の Home アプリは、望むなら Apple の Home アプリの完全な代替品となり得る。それは、個別の Accessories を制御し、Scenes を作成、有効化し、そして Automations を管理出来る。Control Center 内でこれにアクセスすることは出来ないが、ウィジェットと Apple Watch アプリがある。更に、HomeKit ハブをお持ちなら、遠隔でも使える ("大草原の HomeKit のお伴: あなたの家を自動化する" 10 February 2017 参照)。これは HomeKit 経由で働くので、Hochgatterer の Home アプリの中で HomeKit 設定に行った如何なる変更も Apple の Home アプリにも現れるし、その逆も働く (これで Control Center 統合が可能になる)。私は、大抵の HomeKit 設定には Apple の Home アプリを使うが、Hochgatterer の Home アプリを併用して微調整を行なっている。幾つか例を挙げてみよう。
第一に、Hochgatterer の Home アプリは、他では見つけられない Accessories に関する情報を提供する。例として、私の Elgato Eve Room センサーを採り上げてみよう。Apple のも Elgato のアプリも、両方とも発せられている情報の内3つしか示さない:温度、湿度、そして空気品質である。しかし、Hochgatterer の Home アプリの Home 画面からそれを見ると、もう一つの表示数値が提示される:電池残量である。Apple の Home アプリを使っているとすると、Room の電池残量が少なくなると、エラーメッセージを受け取り始めるが、Hochgatterer の Home を使う場合だと、電池残量を適宜チェックし、交換しなければならない時を知ることが出来る。
第二に、それは実際のデータを提供する。Apple の Home アプリは、空気品質が Excellent か Poor かは言ってくるが、それ以外の詳細は提供しない。それが Hochgatterer の Home アプリの Services 画面だと、Eve Room の空気品質サービスを選択することが出来、そこで揮発性有機化合物微粒子の測定値そのものを ppm で見られる。
これらどちらもオタク的な特殊な使い方で、このアプリがたまたま優れている例かもしれないが、誰もが便利だと感じるであろう使い方には Philips Hue 電球に対する色調整がある。
Hue や同様のスマート電球システムを使っている場合に遭遇することがある問題にこんなものがある:部屋に入って見たら何かがおかしい... 感じがする。もし2つの電球が全く違う設定になっているのであれば、何が問題なのかは簡単に見分けられるであろうし、また美的に心地良い効果を狙って意図的になされていることもあるであろう。しかし、電球が設定がほんの少し違っている場合は、腹立たしさが先に来るであろう。Hochgatterer の Home アプリだと、この問題を解決出来る。最近、私もこの問題に遭遇した。
Scenes 画面に行き、私の Good Morning シーンを選択したら、居間の2つの電球は同じ設定になっていないことを示していた。両方共明るさは 40% に設定されていたが、彩度と色相の数値は違っていた。
Hochgatterer の Home アプリのお陰で、私はその数値の違いを見ることが出来ただけでなく、電球の設定をお互いに合致するよう変更するまで出来た。その上で、その Scene を有効にしたら、両方の電球は同じ様になり、不快な感じは消え去った。 Hochgatterer の Home アプリは HomeKit とリンクしているので、これらの設定は Apple の Home アプリにも反映されるので、この Scene 設定を使うために Hochgatterer の Home を開く必要はない。
Apple のものにはない Hochgatterer の Home アプリの能力をもう少し挙げてみる:
Zones を作成し、それを使うことが出来る。"大草原の HomeKit のお伴: 中心となる概念" (3 November 2016) でも触れた様に、Zones は Apple の Home アプリには含まれていない HomeKit 階層の一要素なので、Hochgatterer の Home アプリを使えば、"階下" や "外灯" の様な Zones とやり取り出来る。
Control Center は一度に9つの Accessories と9つの Scenes しか表示出来ないが、Hochgatterer の Home アプリに含まれているウィジェットはもっと多くを表示出来る。そこには Groups, Scenes, そして Services に対するウィジェットが含まれているので、何を表示させるのかのカスタマイズの自由度が広がる。
これらは Hochgatterer の Home アプリの力の数例に過ぎないが、これだけでも私には $14.99 の購入価格に見合う価値があり、とりわけ私の全体設定の構想の中では。最終的には、ホームオートメーションシステムの中での最も安価な項目となるであろう。今や Apple が独自の Home アプリを提供しているので、Hochgatterer の Home は必須のものではなくなったが、それが提供する制御のレベルを必要とするのであれば、やはり欲しいものの一つである。
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文: Julio Ojeda-Zapata: [email protected]
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
すべての人がモバイル生産性のために iPad を夢中になって使っている訳ではないが、私はそうしている。とりわけ iPad Pro は、移動中にたくさんのデータを手にできる、画期的な力となってくれる。特にそれは、Apple 製にせよ、サードパーティのアクセサリーメーカーのものにせよ、物理的なキーボードとペアリングして使う場合に強く感じられる。
12.9 インチ iPad Pro 用のサードパーティ製キーボードを試してみた一年前の記事でも、私はその点に触れた。(2016 年 2 月 8 日の記事“iPad Pro 用 Smart Keyboard の代替となる三つの製品”参照。)
けれども、12.9 インチ iPad Pro が非常に大きくて嵩張るという点は問題だ。これでは、よくある Apple 製ラップトップ機に比べてそれほど持ち運びが楽だとも思えない。価格もラップトップ機と大して変わらないので、13 インチ MacBook Air を買った方が良いのではないか?
ラップトップ機に代わって使うものとして、もっと小型で安価な 9.7 インチ iPad Pro の方が私には有力に思える。一日中出歩く場合に、私が持って行くのはこちらだ。これなら小さなメッセンジャーバッグに入れてもまだ余裕があるし、肩を痛めることもないからだ。(オフィスで仕事をする日には、もっとはるかに柔軟でパワフルな 2016 年型 MacBook Pro を使う。)
でも、12.9 インチ iPad Pro には物理的キーボードが必須だ。Apple 自身の Smart Keyboard は非常に良い選択肢だが、他のメーカーの製品にも魅力的なものがいくつかあることに私は気付いた。
あなたに最も適したキーボードアクセサリーはどれだろうか? もしもあなたが究極の持ち運び易さを求める人なら、超薄型の Apple 製キーボードに勝るものはないだろう。特に、使っていない時には iPad 上にぴったりと畳めるのだから。ただ、ゴムっぽい感触のキーには慣れが必要だろうが。
だからこそ他の選択肢があるのが嬉しい。iPad 用の代替キーボードケースに見られる機能としては、フルサイズのキー、調整可能なバックライト、複数デバイス対応のワイヤレス・ペアリング (同じキーボードを iPhone や Mac でも使える)、タブレット保護のための高耐久性構造、Apple Pencil を取り付けてオール・イン・ワンで使えるデザインなどがある。Apple 独自仕様の Smart Connector への対応は Smart Keyboard 以外ではほんの少数の製品にしか見られないが、これがあれば充電用に別アクセサリーを使う必要もなく、時々信頼性の落ちるワイヤレス接続も使わずに済むので、大きな利点と言えるだろう。
以下に、9.7 インチ iPad Pro 用に使ってみて私が気に入ったキーボードをいくつか紹介しよう。
Studio Neat の Canopy -- つい最近になるまで私がずっと気に入って使っていた iPad キーボードは、iPad 用アクセサリーではなかった。それは、Mac 用の Apple Wireless Keyboard だ。私はこのキーボードを Incase の Origami Workstation と組み合わせて使っていた。この保護ケースは、畳まれた状態から開けば iPad を乗せるスタンドにもなる。
Incase はもう Origami Workstation を製造していないので、今はこれを入手するのが難しい。その上、Apple は Wireless Keyboard を廃止して、Magic Keyboard で置き換えてしまった。けれども、幸いにも Origami Workstation の後継製品が登場した。Incase 製ではなく、Studio Neat の製品だ。
Studio Neat から $40 で出ている Canopy は、Origami Workstation と機能的にはほとんど同じだが、独自の個性を備えている。Magic Keyboard を包み込んで畳めば、魅力的な合成キャンバス地の外面が、ステンレス製の留め金の付いた革製のストラップできちんと閉じられる。このケースの内面はソフトなマイクロファイバー製で、キーボードに引っかき傷が付くこともない。
Canopy を iPad 用に使うには、ただ単にカバーを広げてキーボードが手前に来るように置き、Canopy の三つ折り部分のうち二つを立ててスタンドにするだけだ。
下側では、Canopy の革製ストラップを止め直すことで、スタンドが倒れないようになる。
この Canopy では、タブレット機を横向きにも縦向きにも置くことができる。
この Canopy は、12.9 インチ iPad Pro から iPad mini まで、どんな iPad とでも使える。何なら iPhone とでも使える。
この組み合わせの最大の利点は、Canopy 自体にではなくキーボードにある。たいていの iPad 用キーボードは (9.7 インチ iPad Pro 用 Smart Keyboard もそうだが) iPad が小さいことに合わせて無理に縮めたキーボードになってしまっている。けれどもこの Magic Keyboard はフルサイズのキーボードで、キーの間隔も伝統的なものだ。この点だけでも、私にとって Canopy が圧倒的な勝者となる。私は、Magic Keyboard をレビューして以来(2015 年 11 月 25 日の記事“Apple の新しい Magic 周辺機器の変更点は控え目”参照)このキーボードがますます好きになっているからだ。
それだけではない。この Canopy と Magic Keyboard の組み合わせは私の膝の上に乗せて使っても、テーブルや、仕事机や、あるいは飛行機の座席のトレイテーブルの上でも同じように、驚くほど快適に使える。
Canopy の大きな欠点は何か? これでキーボードを包んだものが、iPad とは別に、もう一つ鞄の中の荷物になる。一つでなく、二つのものを持ち運ばなければならない。
でも、それは我慢できる。無理に縮こまった使用感とは無縁な、素晴らしく快適なタイピングができるのだし、Canopy と iPad を合わせてもそれほど鞄を重くすることもないからだ。
Logitech の Create -- Apple が 2015 年 9 月に 12.9 インチ iPad を発売した当時、それに合うキーボードケースを初めて市場に投入した会社の一つが Logitech であった。
Logitech Create には、はっきりした利点と欠点とがある。これは Apple の Smart Connector を通じて iPad に接続するので、面倒な Bluetooth ペアリングも、別途の充電も不要だ。キーボードは、MacBook 風の素敵なフィーリングだ。けれどもこの Create は、やたらに嵩張る。既に大き過ぎる iPad Pro を、非実際的かつ見事なほどに肥大化したものへと変える。
そして今、Logitech は 9.7 インチ iPad 用の Create ケースもリリースした。この $129.99 のケースは、小型のタブレット機をそれほど劇的には大きくしないという点で、兄貴分のケースより改善された。Logitech は他にも細かな改善を施している。
Create ケースを閉じると、頑丈でしっかりしたファブリック風の素材でタブレット機の全面が覆われ、外面はザラザラした気持ち良い手触りだ。
ケースを開くと、iPad の下の縁がユーザー側に向き、キーボードのすぐ上にある三つのピンが磁力でくっついて Smart Connector リンクが繋がる。
その接続により自動的にキーボードが起動され、バックライトが点く。キーの感触は、ちょっと柔らか過ぎるかもしれないが、ソフトで快適だ。
この Create には Apple Pencil をしまう場所もある。ケースの内側にソフトな円筒状のホルダーがあって、Create を閉じればスタイラスペンが十分保護されて外から見えないようになる。
この Create には、一種のタッチスクリーンモードもある。つまり、iPad をキーボードの上に畳んで平らに置き、スクリーンを上向きに、タッチスクリーンとしてのみ使うこともできる。何となく具合の悪い配置に見えることは確かだが、iPad を膝の上や机の上に平らに置いて使うには問題ない。手に持ったまま使うのは具合が悪い。
ケースから iPad を取り外すことも可能だが、かなり面倒だ。つまり、この Create は、キーボードの使用がかなり重要で、いつでもキーボードを伴った状態で iPad を使いたい人に向いている。そういうタイプのユーザーには、たとえ少々嵩張るとしても、これがベストと思えるだろう。
Zagg の Slim Book Pro -- Microsoft の Windows ベースのラップトップ/タブレットのハイブリッド機 Surface Pro から明らかにアイデアを得たと思える Apple アクセサリーメーカーもいくつかある。
あの Surface コンピュータにははっきりと目立つ特徴がある。背面でフリップアウトする金属製スタンド、スクリーンカバー兼用の取り外し可能キーボード、外側にスタイラスペンをしまえるようになっている点などだ。
Zagg から $149.99 で出ている Slim Book Pro キーボードケースにも、同様の特徴がある。背面にフリップアウト式スタンドが付くが、ヒンジは Surface のように中央部でなく下の縁のところにある。おかげで、膝の上でも快適に使える。
Zagg はループ式の Apple Pencil ホルダーを背面と、上の縁のところにも付けた。確かに便利だが、iPad が鞄やバックパックの中に何度も放り込まれたりするうちにいずれ Pencil にダメージが及ぶのではないかと心配になる。その点、Logitech がケースの内側に Pencil をしまうようにしたのは正しい考え方だと思う。
頑丈で、Bluetooth に対応したこのキーボードカバーは、調節可能なバックライトと、快適な感触のキーを備えており、iPad がケースに接続されていてもいなくても動作する。その上、最大三つの Bluetooth ペアリングに対応しているので、iPhone や Mac のキーボードとして使うこともできる。ここでも、この iPad ケースに接続されていてもいなくても動作する。
この Slim Book Pro のデザインの主たる利点は、iPad をキーボードに取り付けても取り付けなくても使えるという柔軟性だ。その点、Logitech の Create では iPad を取り外すのが一仕事だ。ただ単に机やテーブルの上でビデオを鑑賞したいというだけなら、Slim Book Pro のスタンドをフリップアウトさせるだけで iPad を手軽に立たせておける。
けれども、Create と同様に、多少嵩張ることは覚悟しなければならない。
Zagg の Rugged Book Pro -- このアクセサリーは、Slim Book Pro をもっとごつくして、もっとずっと荒い扱いをしても耐えられるようにしたものだと思えばよい。機能も同じ、価格さえも同じだが、保護力が増している。
それ以上、あまり言うべきことはない。ただ、マニア向けの注目点が一つある。この Rugged Book Pro の背面の成形から、大きな "X" の文字が浮かび上がっているのだ。Marvel の X-Men コミックのファンは大喜びするのではなかろうか。これこそ Professor Xavier のための iPad Pro キーボードケースだ。
Zagg の Rugged Book -- ある意味で Rugged Book Pro の先駆けの製品とも言える Zagg の Rugged Book ケースは、今回レビューした製品の中では最もラップトップ機に近い見栄えとなる。
他の Zagg 製品と同様、この $129.99 の Rugged Book には iPad を包むケース風のコンポーネントがある。このケースに iPad を収めたものが、それとは別のキーボード・コンポーネントのヒンジ風のドックにフィットする。こうして二つの部分を連結させれば、普通のラップトップ機と全く同じように開いたり閉じたりできるようになる。
理由を言葉にするのは難しいが、私はこのキーボードが本当に大好きだ。とにかく感触が良い。他の iPad 専用キーボードと同じく狭苦しく縮こまっているにもかかわらず、私の指はこのキーボードの上で比類なき正確度をもって飛び回ることができる。まあ、この点は人それぞれだろう。
iPad を簡単にキーボードから取り外してタッチスクリーンとして使うことができる。その点は他の Zagg 製品と同じだが、Rugged Book には一つ独特なことがある。タブレットをドックに戻す際に裏向きに取り付けることもできるのだ。こうすればキーボードがスタンドとなる。(Zagg はこれを "video mode" と呼んでいる。)
この Rugged Book は、今回試した他のどの製品よりもずっと分厚い。私は、それは良いことだと思う。iPad がこの上なくしっかりと保護されるからだ。もしもあなたの iPad がひどく手荒い扱いを受けそうになると思ったら、このキーボードケースがあなたにとって理想的かもしれない。
ケースを論じよう -- Mac と比べれば、生産性マシンとしての iPad に問題点があることは否定できない。iPad では、アプリはより単純になり、柔軟性も低くなるし、iOS 自体も macOS に比べて制限的に感じられる。だからこそ、私は iPad を自分の主たるコンピュータとしても唯一のコンピュータとしても使うつもりはない。
その一方で、9.7 インチ iPad Pro は私にとってモバイル生産性のために非常に重要なものとなった。重い荷物を持ちたくない場合に私が持って行くデバイスはこれだし、それでいて Mac でできることのかなりの部分を達成することもできる。そして、このモバイル生産性のパズルに不可欠のピースこそ、良いキーボードケースだ。
この記事でレビューしたアクセサリーのいずれも完璧ではないが、そのどれを使っても道を誤ることはない。大切なのは、あなたの必要に最も適したものを選ぶことだ。例えば自転車で移動する場合、私は Zagg の Rugged Book を選ぶ。このケースに入れておけば、何のためらいもなくタブレット機を自転車の荷かごに文字通り放り込んでも大丈夫だからだ。
でも、私は Incase の Origami Workstation のファンなので、私の 9.7 インチ iPad Pro の主たるキーボードケースとしては Studio Neat の Canopy を選んでいる。フルサイズのキーボードが使えるというのはやはり大きなことだし、それでいて Canopy を折り畳めば十分コンパクトなサイズになる。そう、Apple Wireless Keyboard を Origami に入れたものよりもっとコンパクトだ。私は Canopy が大いに気に入っているし、強くお薦めする。
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文: TidBITS Staff: [email protected]
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
TextExpander 6.1.7 -- Smile が TextExpander 6.1.7 をリリースして、スニペット同期のための接続の信頼性を高め、一部のフォーマットされたスニペットを展開する際に不要な改行が冒頭に入ることがあった問題を解消した。このテキスト展開ユーティリティはまた、アニメーション GIF をドラッグ&ドロップで追加した際にアニメーションが失われないようにし、スクリプトのスニペットでデリミターのマクロを追加できるようにしている。TextExpander 6 は月額または年額払いの購読により利用できるが、独立動作の TextExpander 5 も Smile は引き続き $44.95 で販売している。(TidBITS 会員が 20 パーセントの割引を受けられるのはバージョン 5 の購入のみだ。)(購読料金年額 $40、6.4 MB、リリースノート、10.10+)
Apple Remote Desktop 3.9 -- バージョン 3.9 の Apple Remote Desktop は、この遠隔管理ソフトウェアの 2015 年初頭以来久しぶりのアップデートだが、Apple は今回から OS X 10.10.5 Yosemite 以降を必要とした。ただしクライアント側では 10.8 Mountain Lion、10.9 Mavericks、10.10.4 Yosemite のいずれのバージョンで走る Apple Remote Desktop クライアントともやり取りできる後方互換性を備えている。(Apple Remote Desktop Client はオペレーティングシステムに付属しており、バージョン 3.9 は 10.10.5 Yosemite かそれ以降を走らせているユーザーには Software Update 経由で提供される。)この Remote Desktop admin アプリはまた、2016 年型 MacBook Pro の Touch Bar への対応を追加し、管理者がコンピュータやユーザー認証情報のリストを書き出したりリストアしたりできるようにし、遠隔スクリーン上のものに注意を向けるため管理者がアシスタント・カーソルを使えるようにしている。クライアントのマシンが認証を通過せず "Needs Upgrade" という状況表示を出すという問題を多くのユーザーが経験しているが、報道によればその解決策は Remote Desktop > Preferences > Security に行って "Allow communication with older clients (less secure)" を選ぶことだという。けれども、それ以外の問題を報告している管理者たちもいるので、コミュニティーからゴーサインが出るまではこのアップデートをせず待つ方が賢明かもしれない。(Mac App Store から新規購入 $79.99、無料アップデート、13.4 MB、リリースノート、10.10.5+)
Apple Remote Desktop 3.9 へのコメントリンク:
SoundSource 3.0.1 -- Rogue Amoeba が SoundSource 3.0.1 をリリースした。同社が最近復活させたサウンド環境設定ツールへの、メンテナンス・アップデートだ。(2017 年 2 月 17 日の記事“SoundSource 3、Mac でのオーディオ制御を容易に”参照。)今回のアップデートでは、グローバルなメニューの特定の入力デバイスに対する音量スライダーが不規則にジャンプする挙動をなくし、Play-Thru ウィンドウ上の入力デバイス音量がデバイスの現在値を正しく常時反映するのを妨げていたバグを修正し、ログイン時に SoundSource を走らせるオプションを Preferences でオフにできるようにしている。
他の Rogue Amoeba 製品のアプリのどれか(例えば Airfoil、Audio Hijack、Fission、Nicecast、Piezo)の現行バージョンのライセンスを持っていれば、SoundSource を無料で登録できる。SoundSource ページへ行って、Purchase をクリックし、次のページで、Get a Complimentary SoundSource License の下にある Learn More をクリックする。それから電子メール、ライセンス名、それにあなたの Rogue Amoeba 製品に付随したライセンスコードを入力して、Submit をクリックすればよい。(新規購入 $10、無料アップデート、3.5 MB、リリースノート、10.10+)
Slack for Mac 2.5.1 -- Slack が Mac 用デスクトップクライアントのバージョン 2.5.1 をリリースして、このアプリがチームをロードするやり方を改良してメモリ使用量を減らした。このグループメッセージングシステムおよび生産性ツールはまた、Edit メニューに Paste & Match Style オプションを追加し、Help メニューに Open Help Center 項目を追加して説明書に素早くアクセスできるようにし、ハイバネーションやシステムクラッシュの後にチームが消えてしまう問題を解消し、サイドバー上でチームのアイコンの並び順が入れ替わってしまったバグを修正している。(Slack からも Mac App Store からも無料、64.6 MB, 10.9+)
Slack for Mac 2.5.1 へのコメントリンク:
Logic Pro X 10.3.1 -- Apple が Logic Pro X 10.3.1 をリリースして、仮想ポート用の Audio Unit v3 仕様への対応を追加し、またさまざまの安定性およびパフォーマンスの改善を加えた。変更点は多岐にわたるが、中でもこのプロフェッショナル向けオーディオアプリはさまざまのクラッシュに対処し、オーディオ領域の左隅を Option-ドラッグして時間を伸長する際の反応性を改善し、大きなプロジェクトを表示する際の Project File Browser のパフォーマンスを上げ、Alchemy サウンドで Magnet Effect が同調するようにし、Take Folders 上の Region ベースの Automation を編集できる機能を復活させ、複数個のオーディオ領域を選択している状態でフェードアウトを適用する際の信頼性を高めている。(Mac App Store から新規購入 $199.99、無料アップデート、1.32 GB、リリースノート、10.11+)
BBEdit 11.6.4 -- Bare Bones Software が BBEdit 11.6.4 をリリースして、この古参のテキストエディタのバグに対処した。今回のアップデートでは、既存の書類を開く際に一部のエディタ設定が正しく適用されなかった問題を解消し、Differences ウィンドウを閉じた際に(あるいはその後に)起こることのあったクラッシュを防止し、Grep 置換パターンの大文字・小文字変換が正しく働くようにし、Zip アーカイブリーダーに関係したメモリリークを塞ぎ、非常に大きなファイルを text factory で処理する際に BBEdit がメモリ不足に陥っていたバグを修正している。($49.99、無料アップデート、14.1 MB、リリースノート、10.9.5+)
Tinderbox 7.0 -- Eastgate Systems が Tinderbox 7.0 をリリースした。この個人用コンテンツアシスタントのメジャーな新リリースで、いくつかの新機能を追加している。中でも "composites" 機能では、二つ以上のノートを合体させることで、複数のノートをもとに手軽に構造を築くことができる。また、Eastgate は Tinderbox の地図表示を改良して速度と柔軟性を増し、地図のレイアウトを扱う助けになるガイド (Eastgate は "kibbitzer" と呼ぶ) を追加した。今回のリリースではまた。現代のスクリーン上で読むのに最適化した新しい四つのフォントファミリーを追加し、"[[" に続いてノートの最初の文字をタイプすればノートへのリンクを素早く追加できる機能を追加し、新たなアクションをいくつか追加し、Word ファイル、スプレッドシート、Scrivener、DEVONthink Pro その他からテキストを読み込む機能を改良している。従来のバージョンからは $98 で Tinderbox 7.0 へアップグレードできるが、昨年に Tinderbox ライセンスを購入した場合には新バージョンが無料だ。(新規購入 $249、アップグレード $98、30.3 MB、リリースノート、10.10+)
1Password 6.6.1 -- AgileBits が 1Password 6.6.1 をリリースして、Strong Password Generator 設定を 2016 年型 MacBook Pro の Touch Bar から直接にカスタマイズできる機能を追加した。今回のアップデートではまた、Touch ID プロンプトの説明を明確化し、Yandex Browser の新しいコード署名への対応を追加し、バックアップからリストアした後で 1Password が終了してしまわないようにし、古くから残っていた iCloud データのせいで iCloud にサインインできなくなっていたロジックを修正し、OS X 10.10 Yosemite 上で Account Migrator を使おうとした際のクラッシュを避け、Item Sharing メニューが不正に無効化されていた問題を解消している。もう一つの大きな変更点は Mac App Store で 1Password が無料でダウンロードできるようになったことだ。これは 30 日間のみ試用モードで働く。その期間が過ぎれば、ユーザーは 1Password を購読するよう求められる。詳しくは AgileBits のブログ記事を参照。(AgileBits から新規購入 $64.99、TidBITS 会員が AgileBits から購入すれば 25 パーセント割引、購読は月額 $2.99 または $4.99、無料アップデート、47.4 MB、リリースノート、10.10+)
文: TidBITS Staff: [email protected]
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
今週の ExtraBITS では、ユーザーたちが 2016 年型 MacBook Pro の複数のモデルでキーボードの問題を報告し、Apple が新社屋のオープン予定を発表した。
2016 年型 MacBook Pro にキーボードの問題 -- 2016 年型 MacBook Pro のオーナーたちから、このラップトップ機の内蔵キーボードに関する問題の報告が届いている。具体的には、キーが機能しない、キーが文字を二重に入力する、キーを押すと高いピッチのクリック音が鳴る、キーの感触が一様でないなどの報告がある。苦情の大多数は 15 インチ Touch Bar モデルの MacBook Pro に対するものだが、13 インチモデルに対する苦情もいくつかある。報道によれば、Apple は問題の起きたユニットを修理または交換しているようだ。
Apple Park が 2017 年 4 月にオープン -- Apple の新しい「宇宙船」キャンパスに名前が付いた。Apple Park だ。社員たちは 4 月から移転を開始する。全社員が移転を終えるまでには六ヵ月以上かかるという。敷地内の他の建物や緑地の建設は今夏いっぱい続く。Apple Park 内にある席数 1000 の大ホールは、Apple の今は亡き CEO に敬意を表して Steve Jobs Theater と呼ばれる。
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