TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1377/17-Jul-2017

第一世代 Apple Watch の裏蓋が外れてしまって困っていた人に、嬉しい知らせがある。Apple がその問題を無償修理することになった。これは単純な問題だが、もう少しややこしいのが 1Password がパスワード・ヴォールトの保存の際にクラウドベースのストレージへの依存を高めていることを巡る状況だ。Glenn Fleishman が、購読モデルへと突き進みつつある AgileBits に関する論争を分析する。それから、先週私たちは皆さんに好みのワード・プロセッサへの登場をお願いしたが、そのアンケート結果が判明した。当然ながら、最も多く使われているのは Microsoft Word だが、TidBITS 読者が最も気に入って使っているのはどれだろうか? また、高く評価されていた Pages 4.3 に比べて、新しい Pages 6.2 への評価はどうだろうか? 今週注目すべきソフトウェアリリースは、Aeon Timeline 2.2.5、KeyCue 8.5、PopChar X 8.1、それに Fantastical 2.4 だ。

記事:

----------------- 本号の TidBITS のスポンサーは: ------------------

---- 皆さんのスポンサーへのサポートが TidBITS への力となります ----


Apple、第 1 世代の Apple Watch 向けに、修理プログラムを起ち上げ

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: 清水 史彦 <qff01604@nifty.com>

初代の Apple Watch の所有者 (TidBITS の編集長である Tonya Engst も含まれる) の多くは、裏側の蓋の接着剤不良に関するトラブルを経験してきた。これに応じて、Apple は、9to5Mac の Ben Lovejoy によって公表された Apple の内部文書を通じて、第 1 世代の Apple Watch 向けの延長修理プログラムを静かに起ち上げた。購入日から 3 年以内であれば、Appleは、この問題に対して、無償で修理を行うであろう。

image

この修理プログラムでは、Apple Watch, Apple Watch Sport,Apple Watch Hermes、そして、Apple Watch Edition を含む、第 1 世代のApple Watch の全ての型が対象となっている。Apple が、デバイスを実際に修理するのか、それとも、完全に交換してしまうのかは不明だ。Apple は、Apple Watch を持ち込む前に、バックアップを取るように勧めている。なので、抜かりがないよう注意することだ。

あなたの Apple Watch に問題があるかどうか、究明するためのトラブルシューティング・プロセスはない。あるのは、単に、外観検査だけだ。このため、サービスを受けるための最善の策は、もし、Apple Store が車で手頃な距離にあるのであれば、そこに直接行くことだ。さもなければ、米国内であれば、1-800-275-2273 か、または、オンライン・チャットで、Apple Support にコンタクトしてもよい。もし、Apple のサイトで、Best Buy に行くよう指示されたら、私たちは、行く前に電話することをお勧めする。と言うのは、Tonya の地元の店は、この延長修理プログラムのことを、まだ知らなかったからだ。

もし、あなたがこの問題で修理するのに、既に Apple にお金を払ったのであれば、文書では、AppleCare にコンタクトして、払い戻しの手段を講じるよう勧めている。

コメントリンク17333 この記事について | Tweet リンク17333


AgileBits は 1Password のデータ保存をクラウドに限定していない

  文: Glenn Fleishman: glenn@glennf.com, @glennf
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

2017 年 7 月 10 日に Motherboard に掲載された記事“Why Security Experts Are Pissed That '1Password' Is Pushing Users to the Cloud”は、1Password のメーカー AgileBits が方針を変えてローカルなデータベース (1Password がヴォールト(保管庫)と呼ぶもの) の中にユーザーがパスワードを保存できるライセンスの購入を認めなくなったかのような印象を与える書き方の文章であった。この記事には次のように書かれていた。「数人のセキュリティ研究者たちの tweet によれば、1Password は人々が買い切りのライセンスでローカルなパスワードヴォールトを使えるやり方から手を引きつつあるという。」

その記事の終わり近くでようやく、記事の筆者はローカルなストレージが現在も使えるし見通せる範囲内の将来にわたって使えるという AgileBits の声明を引用している。(その後、AgileBits はこのローカルなストレージが次期リリースのバージョン 7 でも引き続き使えることを正式に発表した。)この記事が「手を引きつつある」と述べた主張は、ローカルなストレージについてのものではなくて、一回限りの買い切りライセンス料金についてのものであった。その通り。記事の見出しと主張内容とは、記事の初めから三分の二くらいまでずっと、事実上矛盾し続けていたのだ。

しかしながら、正しいことが一つある。現行の Windows 版 1Password 6 は、コンピュータに同期されたローカルなストレージを読むことはできるが書き込むことができない。つまり、従来のバージョン 4 からアップグレードすると、実際上は機能が一つ削除されることになる。Windows 版 1Password 4 は購読者が引き続きダウンロード可能となっている。ただしこれは 1Password.com クラウドサービスと非互換なバージョンなのだが。

それ以外のネイティブな 1Password アプリはすべて、ローカルなヴォールトの読み・書きができる。それがあなた自身の Dropbox や iCloud のクラウドサービスアカウントから、Wi-Fi ネットワークから、あるいはフォルダを使って、同期したものであっても可能だ。また、1Password をたった一つのデバイスで、ローカルのみのヴォールトで使うこともできる。

私はこの記事を徹底的に細かく切り刻んで分析したい。それは Motherboard やその筆者を批判するためではなくて、大多数の既存の 1Password ユーザーにとってライセンスの転換が決してパスワードをクラウドに保存することを強制するものとはならないことを、詳しく説明するためだ。また、それに加えて、クラウドの中でゼロ知識暗号化をする AgileBits のやり方が、これは Apple が iCloud Keychain で、また LastPass がそのシステムで採用しているものと同様のやり方だが、Dropbox を使ってヴォールトを同期するやり方に比べていくつかの面でリスクが少なく攻撃に晒される可能性も低いという点についても説明したい。

しかしながら、悪魔は細部に宿るという諺もある通り、デザインそのものは堅牢であっても、AgileBits によるクラウドベースのシステムの実装は、多くの研究者たちに認められるほどにはフルに透過的でもないし監査済みでもない。

強力で安全なパスワードを生成して保存する気持ちを人々から失わせるようなものはすべて、懸念の種となる。けれどもそれと同等に、パスワード管理アプリを開発する者ならば、自らのアプリの挙動を変更する際には必ず明確で一貫したコミュニケーションをするように注意しなければならない。それを怠れば、ユーザーたちが自らの最善の利益に合わない決断へと導かれてしまうかもしれないからだ。

誰もが経常利益を望む -- iOS 用と Mac 用の App Store が始まったことで、開発者たちはいくつかの問題に直面した。簡単に言えば、これらのストアにおける Apple のやり方は、ソフトウェア収益モデルの三つの重大な部分を壊してしまった。デモンストレーション用ソフトウェアの手軽な配布、料金を課してのソフトウェアアップグレード、それにあまり高くない価格設定だ。アプリ内購入と特定の種類のソフトウェアバンドル販売のみでは、問題のごく一部しか対処できない。

その結果として、会社によっては収益サイクルを切り替え、一回限り買い切りでそのソフトウェアバージョンを無制限に利用できるライセンスの販売を止めて、購読料金を繰り返し支払う代わりにすべての新バージョンに無料でアップデートできるやり方へと移行するところが出てきた。多くの場合、その月額または年額の料金を総合計しても、一回限りのライセンス料金にアップグレードが出る度にその料金を払い足せばほぼ同等かほんの少し安くなる。また、購読には通常、何らかの追加機能も付く。例えば、iCloud や Dropbox のストレージに依存しないクラウドベースの同期機能といったようなものだ。

購読モデルが実行可能であることを Adobe (Creative Cloud) や Microsoft (Office 365) といった業界の巨人たちが実証したのを受けて、小規模の開発者たちの先陣を切る形で Smile が TextExpander 6 で購読モデルを始めた。(2016 年 4 月 6 日の記事“TextExpander 6 Adds Teams and Subscription Billing”参照。)この移行に対してユーザーたちから激しい抗議の声が巻き起こり、Smile は少しだけ後退した。つまり、個人用の購読料金を値下げするとともに、独立動作の製品として TextExpander 5 を市場に残すことにした。(2016 年 4 月 13 日の記事“Smile、独立版の TextExpander を回復、購読料金を値下げ”参照。)そして 2017 年 4 月に Michael Cohen が Smile の移行後の一年間を検討し、騒ぎはおおむね収まったと結論づけた。(2017 年 4 月 5 日の記事“TextExpander の購読制開始から一年経って”参照。)

一年足らず前に AgileBits は、同社のソフトウェアにクラウドベースのオプションを提供して、購読を使用条件とし始めた。(2016 年 8 月 4 日の記事“1Password、個人購読を導入”参照。)さらにこのやり方を拡張して、ビジネス向けのチームや共有ヴォールトを採用し、その後にはファミリープランを、こちらも共有機能を盛り込んでスタートさせた。購読をすれば、1Password ネイティブのソフトウェアすべて、例えば無料で使えた iOS 用 1Password に加わるアプリ内購入によるアップグレード機能などにもアクセスできた。

数ヵ月前に、同社は 1Password で購読ベースのアクセスのみの提供へと移行した。ただし、直接 AgileBits に連絡すれば独立動作のライセンスを購入することもできた。同社は購読版から大多数の 1Password.com ユーザーがより良い機能、価格、セキュリティを得られるようにし続けているし、同社の創設者は先ほど紹介したブログ記事の中でそのことを繰り返し述べている。これは同社にとって確かに正当な選択だ。何より、他の方法では同期をせずにバックアップを持たないままのユーザーが必ずいてデータ喪失が起こり得るからだ。でも、これはユーザーにとっても理に適っているのか?

セキュリティ研究者 Kenn White は、AgileBits による移行への彼の反発を詳しく述べた記事の中で一つの懸念を提起する。彼が心配するのは、1Password を初めて使うユーザーが遭遇する状況(いわゆる「新人研修過程」)により、多くの人々が自分のデータを 1Password.com に保存するのが当然だと思い込まされ、ヴォールトの「ローカルのみ」「ローカルと同期の兼用」「クラウドベース」の違いを意識しないようになることだ。彼の批判は正当なものであり、AgileBits はもっときちんと説明をするべきだ。たとえ、大多数の人々にとって大多数の状況の下でクラウドが最良の方法だと結論付けるのだとしても。

しかしながらここでの要点は、現行の 1Password ユーザーの大多数にとって、macOS と iOS のユーザーに関する限り 何も変わっていない という点だ。これまで享受してきた機能はすべて残っているし、その事実は独立動作のライセンスを使い続けても、購読に切り替えても変わらない。1Password.com の使用を強制されてもいないし、そうするように迫られてもいない。ただ、問題は Windows 版の 1Password にある。

ローカルなヴォールトは消え去っていない -- 私は Jeffrey Goldberg と電子メールをやり取りした。彼は AgileBits の "Chief Defender Against the Dark Arts" と自称する。つまりセキュリティ主任だ。彼は、こういったさまざまなことの動作の仕組みを会社がもっと明確に説明すべきだという私の主張に同意した。ただ、混乱の元凶の一つは、同社が対応している個々のプラットフォームによってローカルなヴォールトに対する挙動が違っている点にある:

Mac と iOS のユーザーはこの Windows 版の制約に気付かない可能性が高いが、そのことこそまさに今回の Motherboard 記事が書かれる動機となった根本的事実であった。

私が聞いた話では、AgileBits は Windows でもローカルなヴォールトと同期したヴォールトにフル対応させようとしたが、それは不可能だと Windows 版の技術チームが気付いたのだという。結果として、同社はその機能を将来提供すると約束することもできないし、機能を切り捨てることもできないでいる。けれども 2017 年 7 月 13 日に同社の創設者が、現時点でローカルなヴォールトを扱っているクライアントは来たるべきバージョン 7 でも(リリース日はまだ決まっていないが)引き続きその扱いができると正式に発表した

セキュリティ専門家たちは、1Password.com 購読料金の支払いを止めたら何が起こるのか、また、もし AgileBits が倒産すればどうなるのか、という質問も発した。そうなってもローカルなヴォールトは使い続けられるのか?

Goldberg はこのように返事を書いてくれた。「その質問への答はイエスだ。そのような場合でも(ネイティブなクライアントを使っている限り)引き続きアクセスができる。ただ、これは無条件の“イエス”という訳ではない。」

その理由は、一部の人たちが 1Password.com をオンライン上のみで使っているからだ。その場合、オンライン上に保存されたパスワードがローカルなエンドポイントに同期されることはない。Goldberg は、AgileBits は現在無条件の“イエス”の実現を目指して、つまりデータへのアクセスを失う人がいなくなることを目指して開発中だと述べた。

Dropbox 同期にもそれなりの欠点がある -- Dropbox 同期 (または Apple ユーザーにとっては iCloud 同期) と 1Password.com 同期との違いについても言っておく必要がある。

データがあなたのコンピュータを離れてあなたの制御の届かない外部のサーバに保存される度に、好ましくない第三者がアクセスを得るリスクが導入される。そのことを理由に、自分が管理するサーバとデバイスの間でしかデータを同期しない人たちもいる。macOS 版と iOS 版(と Android 版)の 1Password はローカルに Wi-Fi 上で同期できるし、macOS 版ならば共有フォルダを通じての同期もできる。

同期を構成する要素として Dropbox または iCloud を導入するやいなや、あなたのセキュアなヴォールトはデータが輸送中のみ暗号化されてそのまま置かれ、しかもクラウドサービスが保持する暗号化鍵のみを使う、そんな状態で保存されるようになる。言い替えれば、クラウドサービスがあなたのデータの暗号を解いて、それを通信することになる。たとえ、送信の際に暗号化通信メカニズムを使って暗号化されているとしても。(暗号化通信は通常 TLS、つまりウェブのセキュア接続で使われているのと同じものだ。)

あなたの制御の届かない場所にヴォールトが置かれている場合にパスワードを保護するため、1Password は一連の「高くつく」暗号化選択を用いてそのファイルを暗号化する。これにより、力ずくの攻撃者が毎秒何十億個ものパスワードを次々と試すことが防がれる。データを Dropbox や iCloud から盗み出しても、転送中のデータを盗聴しても、あるいは Dropbox や Apple の従業員を悪事に引き込んだとしても、それだけではあなたのパスワードが露見することはない。攻撃者は、あなたのパスワードを知っているか、推察により見つけ出すか、あるいはソーシャルエンジニアリングを通じてあなたを騙して明かさせるかしなければならない。

その点、1Password.com は異なる手法を使う。個々のユーザ名/パスワードの組み合わせを別々の項目として扱って、個別にやり取りして同期できるようにする。あなたのアカウント固有の長いコードも、あなたのマスターパスワードも、同期の際にはやり取りされない。これは重要な点だ。1Password.com に保存されたあなたの情報の暗号化を AgileBits が解くことはできない。なぜなら、AgileBits はあなたのパスワードにも、アカウントコードにも、暗号化鍵にも一切アクセスできないからだ。言い替えれば、1Password.com は実質的に、両側のエンドポイントを結び付けるルートに過ぎず、データ処理の能力はない。

AgileBits はまた、強力に暗号化されたそのデータを TLS を使って転送するとともに、それをもう一つ別の、接続の両側が別々に生成するセッション鍵を使って転送暗号化したレイヤーに包むことで、傍受もできないようにしている。

1Password.com におけるこれらの保護を組み合わせたお陰で、攻撃に対して相当のレベルの防御が提供される。ただしもちろん、それは AgileBits によるセキュリティモデルの実装次第ではあるけれども。セキュリティ研究者の中には、AgileBits がそのシステムをどのように構築しているかをもっと開示するともに、外部の独立な監査を付けるべきだと言う人たちもいる。

Dropbox や iCloud による同期の方が 1Password.com 同期よりも優れている重大な点が一つある。1Password.com 同期では、言っている通りのことをすると AgileBits を信用する必要がある。他方、1Password ネイティブなアプリがローカルなヴォールトを使い、それを Dropbox または iCloud で同期する場合、あなたのパスワードが AgileBits のログイン用ウェブページに触れることは決してない。1Password 自体は独立のものなので、セキュリティ研究者たちは 1Password.com においては可能でないさまざまのやり方でテストができる。(実際にテストをしている。)

AgileBits によれば、あなたのパスワードがあなたのブラウザの外に出ることはないという。この会社の言うことを信用するのが妥当ではあるけれども、Thomas H. Ptacek が私に Twitter で、彼らを信用せざるを得ない状況が望ましく ない ことが要点だと指摘してくれた。「私が援助しているユーザーたちが 1Password.com にパスワードを入力しなければならないという状況が解消されさえすれば、私は 1Password の月額購読を 100% 支持するだろう」と彼は tweet した。でも、1Password.com を使うためにはクラウド同期のヴォールト用のマスターパスワードをウェブページに入力する必要があるので、いくら AgileBits がそのパスワードは転送されないと言っても、Ptacek としてはこのシステム全体に問題があると断じざるを得ない。ただ、彼は次のようにも述べた:「ちなみに、私としては彼らがこの問題をちゃんと見つけ出し、その結果として近い将来には 1Password を推薦できるようになることに、大いに自信を持っている。」

既存のユーザーには何も変更なし、新規のユーザーには当惑が控える -- AgileBits は新規のユーザーがローカルとクラウドベースのヴォールトを選ぶ際に、それが簡単にできるようにしていない。実質的に、AgileBits は自分がベストと思う道を勝手に選んで、新規ユーザーをその道へと誘おうとしている。AgileBits の選択が正しいか否かについては、Kenn White がある程度詳しく議論している。

私の体験から言って、より多くの人たちが堅牢なセキュリティを使うよう奨励されればされるほど、それは良い選択だ。そして、AgileBits によるクラウドの方法は、それがうまく実装されていると仮定すれば、十分に合理的なやり方でユーザーのセキュリティとプライバシーを守りつつ、手軽なアクセスとデータをローカルに同期できるオプションを提供できるものとなっている。

もしもあなたが現在 1Password を Windows 以外のプラットフォームで使っているなら、購読に切り替えても何も変化に気付かないだろう。なぜなら、あなたが現在 1Password を完全にローカルで使えているという事実はそのまま残るからだ。それは良いことで、この事実こそ多くのセキュリティ研究者たちが長年 1Password を推薦してきた理由の一つだ。

そして、多少の労力は必要だけれども、新規のユーザーも Windows アプリ以外のどのバージョンの 1Password でもサインアップして、Wi-Fi 経由かフォルダ経由の同期で、Dropbox か iCloud の同期で、または 1Password.com 経由の同期とアクセスで設定することができる。あるいは、デバイス間のデータの移動が必要でないならば、何の同期もしないようにも設定できる。新規ユーザーの「新人研修過程」の折に、AgileBits はもっとうまくこの事実を伝えるように努力すべきだ。

Motherboard の記事に載った批判は、広範囲に述べ過ぎ、誇張し過ぎだったかもしれないが、完全に不正確だったとも言えない。Windows 版 1Password 6 における制約があるからだ。それでも、Windows 版の 1Password を macOS 版、iOS 版、Android 版と一緒くたにすることで、この記事は混乱と裏切られた気持ちを生んでしまった。それは、良くないジャーナリズムだ。確かに人目は引いたかもしれないが、人気ある有益なセキュリティ用ソフトウェアへの信頼を不必要に損なったのだから。

コメントリンク17341 この記事について | Tweet リンク17341


あなたの好みの Mac 用ワード・プロセッサ

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst, Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: 清水 史彦 <qff01604@nifty.com>, 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

好みの Mac のワード・プロセッサに投票を」(2017 年 7 月 10 日) で、私たちは、皆さんが使ってきた Mac 用ワード・プロセッサを評価するよう、皆さんにお願いした。800 人を超える TidBITS の読者が、21 種類のアプリの私たちの調査に応じて、4,000 票近くを投じてくれた。依然として、Microsoft Word が、ワード・プロセッサとしてみんなの注目を集めていることが私たちには分かったが、私たちの読者は、代わりのものをいくつか、心の底からお勧めしている。

(そして、そう、私たちは、Ulysses や Bear のような Markdown ベースのテキスト・エディタに関する意見を集めるために、別の調査を行うことを計画中だ。こうしたアプリは、本格的な機能を備えたワード・プロセッサではないが、任意のフォント、フォント・サイズ、そして、スタイルを用いてテキストを整形したり、あるいは、テキストにグラフィックスを挿入したりする必要のない人たちの間では、忠実な支持者を獲得してきた。)

結果を評価するために、私たちは、各アプリに対して、重み付き平均を計算した。すなわち、5 つの選択肢のそれぞれに、重み 1 (これは避けるべき)から重み 5 (これが無いと生きていけない) を付けた。したがって、考えられる最良の重み付き平均は 5 となる。もちろん、ほんの一握りの票しか集めなかったアプリは、歪んだ重み付き平均となるかもしれない。そこで、私たちは、各アプリが獲得した投票数の生データも集計した。

驚くことではないが、Microsoft Word が、群を抜いて最多の票を集めた。そして、同様に当然のことながら、Apple の Pages が 2 番目に多い票を記録した。だが、それほど予期していなかったのは、現行の Pages 6.2 が、大いに惜しまれる Pages 4.3 よりも、ずっと多くの票を集め、そして、同じ重み付きランキングを獲得したという事実であった。つまり、Pages 6.2 は、Pages 4.3 に比べて見劣りするという悲嘆は、根拠がないわけではないものの、かつて信じられていたかもしれないほどには広まっていない。

Microsoft Word や Pages よりもずっと少ない票しか集めなかったとは言え、Nisus Writer Pro と Scrivener は、おそらく、本格的なワード・プロセッシングのニーズを有するニッチなユーザーに焦点を当てていることによって、TidBITS の読者から最高の評価を得た。それでもなお、Microsoft Word、すなわち、ワード・プロセッシングの世界における800 ポンドのゴリラが、しばしば悪態をつかれているにもかかわらず、ユーザーの評価では、それほどひどいことにはなっておらず、Nisus Writer Express, LibreOffice Writer、そして、Apache OpenOffice Writer のような Word を代替するアプリに優っていた。

それでは、以下、TidBITS の読者に最も好まれた Mac 用ワード・プロセッサのリストを、評価の高い順に並べて示す。私たちは、Word の重み付き平均2.96 よりも高い評価を獲得したアプリについて、評価グラフと解説を示す。残りのアプリについては、その探求は皆さんにお任せしたい。と言うのは、どんな機能が重要かは皆さんだけが知っているからだ。無料のお試しバージョンがあり、強力なインポート機能を有するアプリに焦点を当てていただきたい。なぜなら、皆さんは、そうしたアプリに全力を傾ける前に、そのアプリについて何らかの体験を持ちたいと思うだろうからだ。加えて、皆さんは、おそらくワード・プロセッサを長期にわたって使いたいであろうから、定期的にアップデートされるアプリを使い続けるべきだ。

image

Nisus Writer Pro (219 票, 3.89, 79 ドル, 10.8.5+) -- 前号の記事からのコメントを読んでいただきたい。

私たちは、Nisus Writer Pro が、評価でタイトルを取ったのを見て嬉しく思った。なぜならば、私たちは、Take Control の本を執筆したり編集したりする際に、Nisus Writer Pro の機能を長いことありがたいと思ってきたからだ。ユーザーは、Nisus Pro Writer が、Microsoft Word の能力と機能性を、複雑になることなく提供していることに概ね同意していた。

Jeff Hecht は、「役に立つ製品で、数式や、ある種のフォーマットといった Microsoft Word の細かい点は特に必要としない、そうしたあらゆる執筆のために、フルタイムのライターとして、私が選んだものだ。」と述べた。

「私は、主要なワード・プロセッサを全て試してきた。そして、これが私のためのワード・プロセッサだ。これは、機能のバランスが良く、固有のファイル・フォーマットを何ら使用しない。」と、Mark Solocinski は述べた。

Bob Stern も同意している。「Nisus Writer Pro は、Microsoft Word の能力を持っている。このインターフェースは、ずっと覚えやすく使いやすいと私は思う。Nisus には、Microsoft Word や、他のいずれのワード・プロセッサよりも、もっとずっと強力で融通のきく Find-and-Replace がある。みんな、この特別な能力が必要だとは思わないかもしれないが、この機能には、さらに多くの使い途があることに気づくだろう。」

Tommy Weir は Nisus Writer Pro の能力とインターフェースについて同意したが、彼は、いくつかの点で警告を行なった。「Nisus Writer Pro は、私のお気に入りのワード・プロセッサだ。インターフェース、設定を変えられること、スタイル、Find-and-Replace 機能、文書比較、マクロなど、大好きだ。最小限使おうと、最大限使おうと、これは素晴らしい。だが、ページ・レイアウト機能や、イメージの埋め込み等に関して言えば、これは、Pages ほど良くはない。何であれ、長い文書では、私はNisus Writer Pro を使い、短い文書や、グラフィックス中心の文書では、Pages を使う。」

だが、Nisus Write Pro は、万人向けではない。Karen Hughes は、「私は、Nisus Writer Pro が非常に有能だと思うが、結局は、多くの場合、Word か、あるいは、Pages に戻ってしまうことが多い。私は、Nisus Writer Pro のスタイル・システムは、代わりのソフトよりも、ちょっとカッコ悪いと思う。けれども、私は、独立した会社として、Nisus を熱心に支持している。」と書いた。

Scrivener (249 票, 3.69, 45 ドル, 10.9+) -- 前号の記事からのコメントを読んでいただきたい。

私たちは、Scrivener を加えるべきかどうか、議論した。なぜなら、これは典型的なワード・プロセッサではないからだ。Scrivener は、標準的なワード・プロセッシング機能の多くを有しているが、作家が、メモ、登場人物、そして、情報源を整理するのを助けることに焦点を当てている。それでも、多くの人が、仕事用に、これを大いに気に入っている。私たちは、学識経験者、脚本家、そして、作家からコメントをもらった。

「私は、これが無かったら、長編のフィクションを書くことはできないだろう。私には分かっている。なぜなら、かつて、やってみたからだ。」と、私たちの Michael Cohen は述べた。

Steve Fassmann は、Scrivener の柔軟性を特にありがたいと思っている。「私は Scrivener が大好きだ。なぜなら、これは、きわめて多くの異なるやり方で、使うことができるからだ。私は、Scrivener 内で、記録し、概要を書き、そして、試作する。仕事で、重要な文書を新規に作成する時は、その文書がどんな風に機能する必要があるのか、一度理解して、正式なシステムに移す前に、私は通常、Scrivener でスタートする。」

脚本家を代表して語るに、Tommy Weir は、「私は、脚本の初稿のために、Scrivener を使う。Scrivener が使うやり方は、この目的に完璧に合っている。Scrivener は、Final Draft への完璧なエクスポートを特徴としており、以降の原稿は Final Draft で練り上げている。」と述べた。

そして、Colin Owen は、著作家を代表して率直に語った。「私は、自分の本を書くために Scrivener を使う。これより良いものは世の中にはない。これは、私がとうてい使いそうもないきわめて多くの機能を持っている。だが、ただこれをシンプルに使うだけでも、私にとっては完璧だ。」と、彼は述べた。

Ian は、Scrivener を取り巻く意見を上手くまとめてくれた。「Scrivenerは、いかなるオペレーティング・システム上においても、最良の作家用アプリだ。私は学者だが、Scrivener は、私たちにとって、驚くほど上手く機能する。Scrivener を使うと、他のどんなプログラムの組み合わせも敵わないやり方で、構造化された執筆と、参考資料からの作業を可能にする。もし、レイアウトへの要求がそれほど大きいものでなければ、Scrivener は、スタンドアロンで使ってもよい。だが、込み入った出力が必要な文書の場合、多くの Scrivener ユーザーは、自分たちの作品をコンパイルして、レイアウト・ソフトウェアを使って原本を作成するだろう。Scrivener は、MultiMarkdown もサポートしているので、Pandoc のような強力な出版ツールが、Scrivener から直接利用可能となっている。」

Pages 6.2 (516 票, 3.40, 無料, 10.12+) -- 前号の記事からのコメントを読んでいただきたい。

私たちが耳にする、Pages のバージョン 4.3 以降に関するあらゆる不満を考慮するなら、私たちは、最新バージョンを取り巻く人気と賞賛に愕然とした。読者は、Pages の機能が Word よりも少なく、依然として Pages 4.3の機能のいくつかを欠いているにもかかわらず、Pages の能力と使いやすさを賞賛した。

Tommy Weir、彼は、Mac 用のワード・プロセッサのほとんどを使ってきたのだが、その彼が、コメントの多くを要約してくれた。

Pages は、私が日常的に使うワード・プロセッシングのツールだ。主な理由は、私の日常業務が、Pages がまさに得意としているタスクに関係しているということにある。

したがって、Pages は、私のお気に入りのワード・プロセッサではないものの、私が日常的に使うものなのだ。Nisus で感じるような、「おお、私は今、言葉と執筆に没頭している」という感覚はないが、Pages を使うと、自分自身の生産性は非常に高いと思う。

Alan Ralph は、「Word に比べると、Pages での作業は、もっとずっと楽しい体験だ! 私は、顧客に送るインボイス、ビジネス・レター、そして、業務関連のものを作成するために、通常これを使っている。特に、Pages は、私が必要とする時に、Word の doc ファイルや PDF を素早く吐き出すことができる。」と、同意した。

その簡明さにもかかわらず、Pages は、プロの作業にも有用だ。David は、「私は、Pages を使って、本を 2 冊書いたことがある。これは、主として、私が好きな、能力と簡明さの組み合わせを Pages が持っているからだ。Word は、いつも、執筆にたどり着くのに、込み入った厚いレイヤーをかき分けて行かなければならないように思われる。Pages は、単に、タイピングを開始して、それに専念すれば良いという風に思われる。」と述べた。

そして、“Take Control of Pages” の著者である Michael Cohen は、「数週間かけて、Pages を隅から隅まで探索したので、Pages はとても有能で、驚くほど強力で、そして、視覚的に魅力的なアプリだと、私は、嘘偽りなく言うことができる。Pages 4.3 から 5 への移行で失われた機能の大部分は、今や、戻ってきた。当時、Pages に見切りをつけたのであれば、是非とも見直してみる価値がある。」と述べた。もちろん、Michael には、若干バイアスがかかっているが、彼は、疑いなく、Cupertino 以外で、Pages に関する第一人者だ。

Michael にはややバイアスがかかっているとは言え、Pages がかつての賞賛をおおむね取り戻したという Michael の主張を、他の読者も支持した。Jolin Warren は、「今では、リンク付きのテキスト・ボックスが (ついに!)戻ってきたので、もう一歩というところだ。だが、Pages 6.2 がスタイルを扱うやり方は、依然として 4.3 に劣っている。そして、重要なことだが、Pages 6.2 では、別の文書からスタイルをインポートできない。スタイルのインポート機能が「新しい」Pages にやって来たなら、私は 4.3 を永遠に放逐するだろう。だが、その時が来るまでは、私には、4.3 を使う必要がある中程度の長さの文書がある。たとえ、その文書を受け取った人が、文書をそれから 6.2 にインポートするとしても。」と、付け加えた。

Pages 4.3 (348 票, 3.40, もはや販売していない, 10.9+) -- 前号の記事からのコメントを読んでいただきたい。

大昔の Pages 4.3 は、いまだにファンがいる。だが、これは、私たちが思ったほどには人気がなかった。

Peter White は、「このアプリは、私が日常的に使う役に立つ製品であり、とても長い時間がかかると思われるようなもののためであった。私は、Pagesの新バージョンが、Inspector をサイドバーに含めてしまって、画面スペースを無駄にしているやり方が大嫌いだ。もし、OS のアップグレードで使えなくなるようなことがなければ、私は、Pages 4.3 を、当面、使うことになるだろう。そして、より良い選択肢を求めて、私は、この調査の結果を参考にしようと思う。」と、述べた。

Colin Owens は、かつて Scrivener で執筆したことがあったが、同様に、Pages 4.3 に戻っている。彼は、「私は、自分の本すべてのレイアウトに、Pages 4.3 を使っている。これは、私にとって必須の見開きページを上手く扱ってくれる。私は、新バージョンを使う気は全くない。」と述べた。

Mellel (166 票, 3.32, 39 ドル, 10.8+) -- 前号の記事からのコメントを読んでいただきたい。

事実、RedleX というイスラエルの小さな会社からやって来たので、Mellelは、Mac ワールドにおけるその他のワード・プロセッサほどには、米国では、あまり名が知られていない。だが、これは成熟したアプリで、長年にわたって機能を増やし続けてきている。読者は、Mellel は長くて複雑な文書に特に適していると指摘した。

Lisa Spangenberg は、「私は、Mellel を多くの学術的な執筆に使っている。なぜなら、これは、複雑な脚注や、多言語ならびに複数の執筆システムをサポートしているからだ。Mellel は、Microsoft Word よりも、脚注をもっと柔軟に扱うし、入り混じった言語ならびに執筆システムに関して、Pages よりも優れている。また、Mellel は、Bookends という書誌/参考文献管理アプリと共に、うまく機能する。」と述べた。

Jolin Warren も同意して、「Mellel は素晴らしい。私は、長い報告書を書く時に、これがなかったらどうしていいかわからない。構造化された文書とスタイルを Mellel はサポートしているので、長い文書に取り組むのが、容易で楽しくなる。Mellel は、私にいつも微笑みを与えてくれる。残念ながら、私は最近これを使う必要がない (書かなければいけない長文がない)が、これは、どれほどお勧めしても足りないくらいだ。これは高速で、信頼性が高く、とことん考え抜かれていて、そして、予測通りに動く。また、とても素晴らしい機能がたくさんある。」と言っている。

そして、Miles は、「Mellel を使うと、長文をまとめて操作するのが容易になる。そして、このアウトライン機能は、信じられないくらい有用だ。プログラム全体が盤石で、使うのが楽しい。」と述べた。

だが、こうした能力を全て使いこなすには、Michael Lever が指摘したように、学習曲線を少々必要とする。

私は、報告書を書く時、そして、私の顧客への手紙を、例えば、行番号を振るなどして特に利用しやすくしたい時に、通常、Mellel を使っている。

Mellel には、私がこれなしではいられないと思われる二つの機能がある。右側に行番号を振る機能で、これは、左側にマージンをとってページを綴じて両面印刷する際に最適だ。そして、このアウトライン機能は素晴らしい。

私は、Mellel 4 を楽しみにしている。これには、例えば、索引機能のような、いくつかの素晴らしい新機能が期待される。

Mellel は、慣れが大いに必要だが、これは、Nisus Writer Pro よりも、ずっと信頼性が高いと私は思う。たとえば、Nisus Writer Pro では、文書の言語設定が抜け落ちやすい。Mellel がふさわしくないと私が思うのは、簡単な手紙を書く場合だ。Mellel には、垂直ルーラーがないので、受取人の名前や住所等をタイプするのに、どこまでスペースを取ればよいか、判断するのは容易ではない。

TextEdit (475 票, 3.15, 無料, 10.12+) -- 前の記事からのコメントを読んで欲しい。

ユーザーが Apple のバンドルされた TextEdit を信頼出来ると評したことに我々の驚きはない。それでも、ユーザーは TextEdit がもっと機能豊富であることを願っている。

"TextEdit は必要最小限のテキスト入力用としては使えるが、外観制御機能は恥ずべきほど不十分である。何年にも及ぶ歴史から考えても、TextEdit がこれ程までに原始的な記述ツールのままで良い理由は何も見当たらない" と Alan Sanders は言っている。

Tommy Weir は、TextEdit は書式付きテキストではなくプレーンテキストに焦点を当てるべきだと思っている:"私は TextEdit がどちらかというとプレーンテキストエディタであったらと思っている。Pages が今や無料となったことを考えると、Apple はこれに盛り込んだ機能を再検討するのかもしれない。いつの世でも、飾り気のない (bare bones) テキストエディタに対するニーズは常にあり 咳払い そしてそれはシステムと共に出荷され、何でも扱えるべきである。"

TextEdit はプレーンテキスト専用としても使えるが (Format > Make Plain Text を選択する)、プレーンテキスト書類を扱うのに適したツールに関していえば殆ど何も提供していない。Weir の論議は理に適っている:TextEdit はワードプロセッサとしては何とか機能している程度であり、Pages は今や無料で、それに Mac にはプレーンテキストエディタが同梱されていない。

(Josh Centers です。私は長年 TextEdit には愛着がある。と言うのも、私は学生時代色々な宿題や記事用にそれを使っていたからである。それは、速く、簡単で、そして無料であった! 競争的ジャーナリズムのクラスでは、速さが物を言い、私は、私の級友が Word を立ち上げている間に TextEdit を使って幾つかの記事を書き上げることすら出来た!)

Microsoft Word (690 票, 2.96, 10.10+) -- 前の記事からのコメントを読んで欲しい。

この 800 ポンドゴリラの Mac ワードプロセッサ Microsoft Word は、易々と最多得票を獲得したが、最も愛されるワードプロセッサからは程遠かった。読者からのコメントは、渋々ながらの尊敬を示していたが、多くの人が Word を必要悪と見ているようであった。

Karen Hughes 曰く、"私は Word に関しては何時も少々の矛盾を感じていた。Mac バージョンは、その PC バージョンと較べると、気になるバグはあるし、制約も多いと感じさせられることが屡々ある。機能豊富であることには疑問の余地はない - しかし、最近の改善をもってしても、未だ見つけ出すのは難しいものが散在する。私は、職場では Windows の Word を使わなければならないので、その近似性は歓迎だが、純粋の Mac ユーザーが余り歓迎しないと言うのも十分に理解出来る。"

Dennis Fazio は Word のインターフェースにはイライラさせられると言っている。"最悪なのは、不可解なフォーマッティングである;時にはとても複雑で理解しづらいこともある。熟練者やパワーユーザーに近い人ですら、あることをやるやり方を見つけ出すのが難しいことがある。色々な制御子がそこら中に散らばっている (設定に、リボンバー上の異なった場所に、等々)、" と彼は言っている。

Jeff Hecht も同様の苦情を述べている。曰く、"はっきり言って、どうしようもない。色々な場所に重複されて置かれた機能が多すぎて、使うのは難しいし、気が変になる。これまで獲得したフォントの数や選択メニュー上に積み上がったスタイルの数はとうに覚えきれなくなっている。機能の説明は、良く言っても、貧弱である。"

しかし Word は極めて能力が高い。Dr. Z 曰く、"私はこの製品を Word 4 の時から使っている。長年に亘って、複雑な書類を成功裏に作成してきた。その中には私の 1998 年の博士論文も含まれる。手短にいえば、私は困難な仕事を成し遂げる時でもこれに頼ることが出来る、勿論幾つかの謎めいた/隠れたコマンドを制御する方法をマスターしなければならないと言うかなりの努力が必要なことは認めて上で。しかしながら、もし Microsoft が何人かの Apple ユーザーインターフェースの達人達に、全てのメニュー、リボン等々を、Apple 製のアプリには当り前である直感的な GUI の様なものにするべく見直させてくれるのなら、尚のこと素晴らしいであろう (iTunes は例外 - これは Microsoft 製品の様に振る舞う)。"

Harmon Abrahamson も同じ様な立場だ。曰く、"私は Word を毎日使うが、それを限界まで使ったことはない。その理由の一つは惰性だと思う;私は 1980 年代半ばの v1.0 以来の Word ユーザーである。そしてまた、クロスプラットフォームの部署で働いており、Windows ユーザーとの書類のシームレスな交換は不可欠である。"

その他のワードプロセッサ -- 残りの 14 のアプリに関しては、票数、評価、そして価格を表示し、そしてそのアプリの Web サイトに対するリンク、そしてそれについてのコメントがある場合はそのリンクも載せた。

コメントリンク17343 この記事について | Tweet リンク17343


TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2017 年 7 月 17 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Aeon Timeline 2.2.5 -- Aeon Timeline が、社名と同名の執筆・プロジェクト管理用ビジュアル・タイムラインアプリのバージョン 2.2.5 をリリースした。これは Mac 用のみのリリースで、Ulysses と同期している最中に Move Items to Trash で起こったクラッシュに対処している。(macOS 用のバージョン 2.2.5 ではそれ以外に、Windows 用のバージョン 2.2.4 で見つかった改善やバグ修正も盛り込んでいる。) 今回のアップデートでは、イベントの継続時間をタイトルの一部として表示するオプションを Display Settings に追加し、Ulysses 同期でノートが重複したバグを修正し、Relationship View でカラムの順序を並べ替える際の問題点を解消し、CSV 書き出しの際に時刻が抜けたバグを修正し、プロジェクト選択ウィンドウでメニュー項目を無効化している。(新規購入 $50、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、49.8 MB、リリースノート、10.11+)

Aeon Timeline 2.2.5 へのコメントリンク:

KeyCue 8.5 -- Ergonis がキーボード参照シートのユーティリティ KeyCue のバージョン 8.5 をリリースし、内部的な最適化の結果としてバックグラウンドでの活動を高速化しメモリ使用量も減らした。今回のアップデートではまた、プレビュー版の macOS 10.13 High Sierra との互換性を高め、FileMaker Pro 16 でメニューショートカットが欠落した問題を回避し、ネットワーク接続に問題があった場合に紛らわしいバージョン警告が出ていた問題を解決している。(新規購入 19.99 ユーロ、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、5.3 MB、リリースノート、10.6+)

KeyCue 8.5 へのコメントリンク:

PopChar X 8.1 -- Ergonis Software が PopChar X 8.1 を出して、最近リリースされたバージョン 8.0 (2017 年 6 月 16 日の記事“PopChar X 8.0”参照) で導入された新機能に改良を加えるとともに、新しい Unicode 10.0 規格への対応を追加した。この文字発見ユーティリティはまた、絵文字用の検索キーワードを増やして検索を支援し、合字を受け取る速度を改善し、Mac OS X 10.6 Snow Leopard で走らせた際に合字抽出に関係したクラッシュを解消し、文字検索に関係するバグ二件を修正し、全体的なメモリ消費を減らしている。(新規購入 29.99 ユーロ、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、バージョン 8.0 からは無料アップデート、5.0 MB、リリースノート、10.6+)

PopChar X 8.1 へのコメントリンク:

Fantastical 2.4 -- Flexibits が Fantastical 2.4 をリリースした。リクエストの多かった機能をこのカレンダーアプリに数多く盛り込んだ、大幅なアップデートだ。iCloud および Exchange アカウントで添付ファイルを表示、作成、編集でき (添付ファイルの表示は Google アカウント上のみ)、イベントへの移動時間を設定・表示できる (出発時刻に通知を出すこともできる) ようになった。今回のアップデートではまた、複数のカレンダーにある同一のイベントを結合できるようになり、Google Calendar や Exchange の招待状への対応を改善し、Undo と Redo にフル対応し、メッセージを返信せずに Exchange の招待状に応答するオプションを追加し、月表示に表示される週数をカスタマイズできるようになった。(詳しくは Flexibits ブログ記事を参照。)さらに、Facebook の非公開グループのイベントを表示でき、Facebook の push アップデートが新しい更新イベントを即座に表示するようになった。(Flexibits からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、14.3 MB、リリースノート、10.11+)

Fantastical 2.4 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2017 年 7 月 17 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の ExtraBITS では、Andy Ihnatko がテクノロジーに依存し過ぎた世界について思案し、Apple Store がインタラクティブな HomeKit 実演を導入し、Siri の使用度が減っているとする報告書が出される。

調味料は接続する: どこからがやり過ぎか? -- Andy Ihnatko が、怒りをあらわにする。ハムとチーズのサンドイッチを作ろうとしていただけなのに、インターネット関係のエラーでマスタードが使えなくなったという、ちょっと誇張した例え話だ。もちろん話としては馬鹿げているが、彼が言いたいのは私たちがあまりにも依存関係の多い世界を作り上げてしまっていて、今や何かがまともに働くこと自体驚くべきことになってしまっているということだ。私たち皆がそれを経験している。問題は、どうすれば元に立ち返れるかだ。

コメントリンク: 17344

Apple Store、インタラクティブな HomeKit デモを導入 -- ホームオートメーションのありがたさは、一度も体験したことのない人にはなかなか伝わらないものだ。この難問に挑むため、Apple は世界中の 46 の Apple Store 店舗でインタラクティブな HomeKit 体験を提供しようとしている。iPhone、iPad、または Apple Watch を使って、画面上に表示される仮想の HomeKit アクセサリーをコントロールするのだ。実物をコントロールするほどの強い印象は生まないけれども、少なくとも HomeKit がどのように動作するか、家の中でどんな風に HomeKit を組み込めるのかといったことの感じは掴めるだろう。インタラクティブでない HomeKit デモを提供する Apple Store 店舗もある。

コメントリンク: 17335

Siri の使用度とエンゲージメントが減少 -- モバイルデバイス上の仮想アシスタントについて Verto Analytics が発表した少々奇妙な報告書によれば、米国において依然として Siri が最も人気ある仮想アシスタントであるけれども、その使用度もエンゲージメントも減少しつつあるという。Siri のユーザー基盤は一年前に比べて 15 パーセント減って 4140 万人となり、エンゲージメント(日々のユーザーを月間ユーザーに比較して得られる尺度)は一年で半分に減った、とこの報告書は主張する。その理由として挙げられたのが、Google が同社のすべてのアプリで音声サポートを展開しつつあること、またホーム機能関係の音声アシスタントデバイス、例えば Amazon Echo や Google Home などの上でモバイルアプリを使う人たちが増えていることだ。当然ながら Apple も、Siri 対応のスマートスピーカー HomePod がこの潮流を反転させることを願っていることだろう。

コメントリンク: 17334


tb_badge_trans-jp2

TidBITS は、タイムリーなニュース、洞察溢れる解説、奥の深いレビューを Macintosh とインターネット共同体にお届けする無料の週刊ニュースレターです。ご友人には自由にご転送ください。できれば購読をお薦めください。
非営利、非商用の出版物、Web サイトは、フルクレジットを明記すれば記事を転載または記事へのリンクができます。それ以外の場合はお問い合わせ下さい。記事が正確であることの保証はありません。
告示:書名、製品名および会社名は、それぞれ該当する権利者の登録商標または権利です。

TidBITS ISSN 1090-7017©Copyright 2017 TidBITS: 再使用はCreative Commons ライセンスによります。

日本語版最終更新: 2017年 07月 21日 金曜日 , S. HOSOKAWA