TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1390/16-Oct-2017

Apple が三週間で三度目の iOS 11 アップデートを出した。iOS 11.0.3 は iPhone 7 で起きたオーディオと触覚フィードバックの問題を修正している。Adam Engst は間もなく開催される MacTech Conference をプレビューする。彼は Tonya Engst と共にコンテンツ戦略を扱う IT プロ向けワークショップで教壇に立つ。Bare Bones Software は BBEdit 12 をリリースした。今回はコードベースを現代化するとともに、カラム状データの操作やその他の心躍る新機能も備えている。それから Josh Centers が、リリースされたばかりの Movies Anywhere サービスを紹介する。最大手の映画会社から購入した映画を人気あるいくつものデジタルプラットフォームに同期するサービスだ。Josh はまた、iOS 11 における Notes アプリの五つの新機能を検討する。今週注目すべきソフトウェアリリースは Microsoft Office 2016 15.39、Live Home 3D 3.3、Coda 2.6.8、SoundSource 3.0.2、1Password 6.8.3、Parallels Desktop 13.1、PopChar X 8.2、それに ChronoSync 4.8.2 だ。

記事:

----------------- 本号の TidBITS のスポンサーは: ------------------

---- 皆さんのスポンサーへのサポートが TidBITS への力となります ----


iOS 11.0.3、iPhone 7 のオーディオと触覚フィードバックの問題を修正

  文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple は iOS 11 の重要なバグに対処する絶え間ない更新を続け、iOS 11.0.3 を出した。iOS 11 のスタート以来、これで三週連続のアップデートとなる。伝えられたところによれば今回は一部の iPhone 7 および 7 Plus ユニットに起こったオーディオの問題と触覚フィードバックの問題を修正するとのことだが、私たちは自分のデバイスで特にそのような問題に気付かなかった。

image

また、iOS 11.0.3 は「Apple 純正部品を使って修理されなかったため、一部の iPhone 6s で画面がタッチ入力に反応しない問題」に対応する。その説明のすぐ後に、Apple 非純正部品による修理に対して警告する受動攻撃的とも言える注記が書き添えられている。(私が知る限り、最近のモデルの iPhone で画面を交換する資格を持っている者は Apple 以外にない。)

少々奇妙なことだが、記載されているバグ修正はすべて特定の iPhone モデルに対するものであるにもかかわらず、Apple は iPad ユーザーも iOS 11.0.3 を入手できるようにしている。そして今回もまた、このアップデートには新たなセキュリティ修正が含まれておらず、iOS 11.0 で出されたもののままだ。

およそ 280 MB の iOS 11.0.3 は Settings > General > Software Update から、または iTunes 経由で入手できる。これをインストールすべきでない理由は何も聞こえていないけれども、今回は非常に焦点を絞ったアップデートなので、iPhone 7 を持っておらず、またサードパーティの交換部品で画面を交換した iPhone 6s も持っていない人は、次回のアップデートまで待ってもよいように思われる。

コメントリンク17552 この記事について | Tweet リンク17552


MacTech キーノートと TidBITS コンテンツ戦略ワークショップ

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple プロフェッショナルのために開催される今年第一級のイベントの一つと言えるものが近づきつつある。MacTech Conference だ。今年は Los Angeles にて 11 月 15 日から 17 日まで開催され、前日の 14 日にはプレカンファレンスのワークショップが開催される。

MacTech キーノート -- 主催者からの発表によれば、今年のカンファレンスのキーノート(基調講演)は Trammell Hudson が壇上に立つ。彼はプログラマーでセキュリティ研究者であり、いろいろなものをリバースエンジニアリングしたり、アンティークのコンピュータを復活させたり、より一般にテクノロジーを突つき回したりすることが趣味だ。

image

彼を有名にしたものを挙げれば、Mac を標的にした概念実証用ハードウェア攻撃 Thunderstrike、Canon EOS カメラに機能を追加するオープンソースのソフトウェア Magic Lantern、はたまたその昔には Macintosh SE の ROM 内部の奥深くに隠されていた Easter Egg の写真を抽出したことでも有名だ。

(TidBITS が Thunderstrike について書いた記事として 2015 年 1 月 9 日の“Thunderstrike 概念実証攻撃は深刻だが、限定的”と 2015 年 8 月 4 日の“Thunderstrike 2 ワームについて知っておくべきこと”がある。)

Hudson の講演のタイトルは "The Value of Discovery" で、講演の中で彼は聴衆が自分の使うテクノロジーの中に飛び込んでそれを徹底的に調べるために何ができるかについて議論する。舞台の裏で、内部的に、どんなことがどう動いているかを理解することが、現実世界にどのような利益をもたらすかを説明し、併せて楽しく興味深いいくつかの意外な話題も紹介してくれるだろう。

キーノートが終われば、MacTech Conference は世界中から集まった講演者たちによる多彩なセッションへと移る。講演者の中には新たに Take Control の出版者となった Joe Kissell や、Take Control 著者の Charles Edge もいる。

コンテンツ戦略ワークショップ -- Tonya と私は今年もまた、MacTech 会場で恒例のクイズ番組 TidBITS TechUp Apple のホストとなるが、今回はそれ以外にもうちょっと野心的なこともする。何十年にもわたる出版経験と、去年始めた TidBITS Content Network とをもとに、私たちは 2017 年 11 月 14 日の午後に半日ワークショップを開催する。タイトルは "Creating Compelling Content Strategies for IT Pros and Consultants" だ。

私たちが聴衆に指導するのは、実際的ですぐ使用可能な情報をユーザーに提供できるようにカスタマイズしたコンテンツ戦略を作り出すことにより、自らをドメイン専門家たらしめる方法だ。次のようなことを学ぶ:

そしてもちろん、皆さんからの具体的な質問にお答えしたり、皆さんが直面するコミュニケーションの課題について議論したりする時間もたっぷり確保するつもりだ。何か具体的な話題に興味がある方、あるいはこのワークショップについて知りたいことがある方は、どうぞ私にご連絡頂きたい。

私たちの半日ワークショップの参加料金は $299 だが、2017 年 10 月 16 日まで TidBITS 読者には料金がたった $199 となる。参加するために TidBITS Content Network 購読者である必要はないが、ワークショップ参加者が TCN にサインアップすれば二ヵ月分の TCN コンテンツを無料で提供させて頂く。

カンファレンスの詳細 -- 三日間の MacTech カンファレンスの早期申込料金は 2017 年 10 月 16 日までに限り $1199 (その後は $1399) で、料金には朝食、昼食、夕食、そして間食と、夕べの行事も含まれる。ただし TidBITS 読者は $200 値引きが受けられ、料金が今なら $999、切替日以降は $1199 となる。プレカンファレンスの丸一日のワークショップは別料金で $499 だが、TidBITS 読者は $299 となる。

Apple 製品を販売、インストール、あるいはサポートすることで生計を立てている皆さん、ぜひとも会場でお会いしましょう!

コメントリンク17554 この記事について | Tweet リンク17554


現代化された BBEdit 12、カラム状データその他を操作

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

一つのアプリが長い間現役で居続けるほど、それをアップデートするのは難しくなる。なぜなら、意味のある変更点の数が限られているからだ。筋金入りのユーザーたちが一日中、毎日のように使っている生産性アプリの場合は特にそのことが顕著だ。そのようなアプリでは変更によって混乱が起こらないようにすることが何よりも重要だからだ。大掛かりなインターフェイス改訂は、楽しいかもしれないし、必要に見えるかもしれないが、それによってユーザーたちの仕事に支障が出るのならば、たとえそれが一時的なものであったとしても、大きな問題となる。

Bare Bones Software の BBEdit よりも古くから現役で居続けているアプリは少ない。1992 年に初めてリリースされて以来、BBEdit は Mac 上で最もよく知られたテキストエディタであった。この歴史が意味するのは、先週リリースされた BBEdit 12 の中に想像を超えた規模の思索が注ぎ込まれていることだ。今回は、BBEdit 11 が 2014 年に出されて以来、最も大規模なアップデートだ。

25 年間も現役であり続けた製品ならどんなものでも言えることだが、BBEdit の中には大量の古いコードが含まれていた。そこで、BBEdit 12 の主要な目標の一つとしてコードベースの現代化が掲げられた。ユーザーの目にはまず触れることのない作業だが、そのお陰で皆さんが気付くかもしれない改善点がいくつかある。例えば、BBEdit は Split View など macOS に内在する機能を利用できるようになり、コントロールのいくつかはこれまでのカスタム実装されたものに代わってシステム版のコントロールを使うようになった。コンテクストメニューは今回からサービスメニューを含むようになった!

BBEdit 12 の大部分は、これまでと見栄えも動作も同じだが、Bare Bones はインターフェイスのいくつかの特定の部分を現代化し改良した。Dark カラースキームは編集ウィンドウのみならずサイドバーやその他周辺部分もマッチした色に変えるようになった。また、どうやら新規ユーザーが期待するのはこちらだろうということで、BBEdit を初めて使う人には BBEdit の Dark カラースキームが工場出荷時設定となっている。もちろんこれは Text Colors 環境設定枠でいつでも変更できる。(私が Bare Bones の Rich Siegel に冗談めかして 1980 年代初頭のモノクロームモニタに合うように黒い背景と緑色の文字をデフォルトにするべきだと言ってみたところ、彼は顔をしかめて異論を唱え、僕はもう小学生じゃないんだからねと言った。)

非編集ウィンドウのいくつかにも、インターフェイスと機能に改善が施された。BBEdit 12 の FTP/SFTP ブラウザは Finder 風のアウトラインモードを提供するので、これまでのような平坦なリスト表示でなく、三角形をクリックして向きを変えるだけでディレクトリに切り込んで行ける。Text factory は今回から個々のコマンドの横に有効化チェックボックスが付いたので、個々のステップを別々に無効化できる。これは私が長年待ち望んできた機能だ。そして素晴らしいのが、すっかり書き換えられた BBEdit の Preview ウィンドウだ。ここで Markdown と HTML がレンダリングできる。ここに、Safari の Develop モードにある WebKit インスペクタがフルに組み込まれた。さらに Preview ウィンドウは、主要ないくつかの Markdown 変種に対する標準化の提供を試みる CommonMark 仕様をデフォルトとして利用するようになった。

image

けれども私が断然気に入っている新機能は、BBEdit 12 がカラム状のデータを扱えるようになったことだ。区切り文字を使ったテキストファイル (CSV ファイルや TSV ファイルなど) を BBEdit で開いてデータを操作している人たちは多いが、grep ベースの検索によってカラムを選択したり移動させたりするのはなかなか難しい。今回 BBEdit は Edit > Columns に一連のコマンドを装備したので、カラムをカット・コピー・削除・並べ替えでき、Rich Siegel によれば将来この分野にもっと多くの機能を追加して行きたいとのことだ。

image

私はレースの計時の仕事もしているし、陸上競技会で監督もしているので、競技結果を CSV (comma-separated value) 形式のファイルにしていつもそれを扱っている。私は grep もかなりこなせるのだけれども、たいていはそういうファイルを Excel か Numbers で開いて、正しいカラム形式で正しい順序になるように処理してから、その結果をもう一度 CSV 形式で書き出している。でもこれからは、すべき作業のほとんどを BBEdit の中だけでできるようになる。もともと私は BBEdit でファイルを編集しているのだから、これは嬉しい。

上の画像に見えるような引用符で囲まれた語句をタイプしていると、もう一つの新機能が思い出される。自動入力補完機能の改良だ。BBEdit はずっと以前からテキスト補完機能を備えていたが、バージョン 12 ではいろいろな種類の括弧を対にする機能が加わった。開き括弧をタイプすれば、BBEdit が自動的に閉じ括弧を挿入してくれる。あるいは、何らかのテキストを選択してから開き括弧をタイプすれば、BBEdit が自動的にその選択されたテキストを開き括弧と閉じ括弧で囲んでくれる。これは驚くほどクセになる機能だ。これらの機能は新設された Completion 環境設定枠でコントロールできる。

image

テキスト処理が好きな人が気に入るであろう新機能が二つある。Paste Using Filter と Extract だ。Edit > Paste Using Filter を見れば、そこにすべてのテキストフィルターが並んでおり、その中から一つを選べば、BBEdit はそのフィルターを現在のクリップボード内容に適用する。これと同じようなクリップボードフィルター機能を持つ独立のユーティリティもあるが (例えばリリースされたばかりの Keyboard Maestro 8 もその一つ、2017 年 10 月 9 日の記事“Keyboard Maestro 8、Mac 生活を更に自動化”参照)、BBEdit の中にその機能が内蔵されたのはやはりありがたい。

Extract は新機能ではなくて、BBEdit 11.5 の Find ダイアログの中のボタンとして既にデビューしていた。単にテキストを検索するだけでなく、Extract は見つかったテキストをすべて抽出して新規書類として書き出す。BBEdit 12 ではこの機能が拡張され、その同じアクションで見つかったテキストに対して置換を施すこともできるようになった。従来は、見つかったテキストを抽出してから、あらためてそれに対して検索・置換を走らせなければならなかった。

最後にもう一つ紹介しておきたい新機能は、Canonize コマンドだ。これは、多数のファイルの内容を、あらかじめ定義された一連のプレインテキスト置換文字列に従って変更するために作られている。あなたのチームが大量のソースコードをアップデートしようとしている場合、検索・置換の文字列を含むファイルを作っておけば、チームの全員がそれぞれ自分が触るファイルのすべてにその置換を施すことができるだろう。

これらの機能についてのもっと詳しい情報や、変更されたことすべての完全なリストは、BBEdit 12 のリリースノートをお読み頂きたい。私が気付いた変化もリリースノートに書かれていた。悲しいニュースだと思う人もいるだろうが、これまでデフォルトフォントであった Consolas for BBEdit フォントが含まれなくなってしまった。

Bare Bones が最近 TextWrangler を廃止にしたことをここで思い出しておこう。TextWrangler をなくした代わりに、機能削減モードの BBEdit を無料でいつまでも使えるようにしたのだ。(2017 年 3 月 3 日の記事“Bare Bones、TextWrangler を止め BBEdit の "永遠に無料" デモに置換え”参照。) だから、入手後 30 日間は BBEdit 12 の全機能を試用でき、その後ライセンスを購入しないと決めた人もそのまま使い続けることができるが、その場合は試用期間中に緑色の星印が付いていたメニュー項目が無効化される。最終的に得られるのは TextWrangler よりもさらにもっと機能の多いテキストエディタだ。例えば Preview ウィンドウも使える。これまで TextWrangler を使っていた教育機関は、無効となったメニューを完全に隠せる特別のライセンスの申し込みができる。また、Bare Bones は企業向けに大幅値引きのサイトライセンスも提供している。

それはさておき、BBEdit 12 は $49.99 で新規購入でき、2017 年 3 月 1 日以後に BBEdit 11 を購入した人は無料でアップグレードできる。その日より前に購入した BBEdit 11 からアップグレードする場合の価格は $29.99 だ。また、もっと古いバージョンの BBEdit (そもそもの始まりからすべて!) からは $39.99 でアップグレードできる。Mac App Store から購入した場合にも同じアップグレード価格が適用される。BBEdit 12 からは最小システム要件が OS X 10.11.6 El Capitan となり、10.13 High Sierra とも互換だ。

コメントリンク17560 この記事について | Tweet リンク17560


Movies Anywhere、あなたの映画をプラットフォームの壁から開放

  文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

デジタル映画の商売は、その揺籃期から DRM ロックインが主役を務めてきた。例えば、映画を Apple から買うと、それらを Amazon の機器では再生出来なかった。(一方で、 Amazon から買ったビデオは殆どの Apple 機器で再生出来る。) Hollywood は早い時期から UltraViolet デジタルロッカーシステムでこの問題に対処しようとしたが、これは最悪であった。

二年前、Disney は Disney Movies Anywhere を公開した。これは Amazon Video, Google Play, iTunes, Microsoft Movies & TV, そして Vudu 上のあなたのアカウントと紐付けする賢いシステムで、購入した Disney 映画全てをこれらのプラットフォームのどれででも見られる。YouTube で買ったものは iTunes にも現れる。Amazon,で買ったものは Vudu にも現れる。私はこのサービスを "Disney Movies Anywhere で Disney 映画をどんな機器上でも見られる" (27 October 2015) でレビューした。

私はレビューを次の様に結んだ:

Disney Movies Anywhere の唯一の問題は、これが使える映画が他には無いことである! 理想の世界では、DECE 会社は UltraViolet よりももっと技術的に成功している Disney Movies Anywhere を採用するであろうが、これは政治的には実現の見込みは無いのであろう。

この夢は新しい Movies Anywhere サービスの登場で現実のものとなった。このサービスは5つの大手映画会社からの映画をサポートする:20th Century Fox, Disney, Sony Pictures, Warner Brothers, そして Universal である。Disney Movies Anywhere と同様、Movies Anywhere は米国住民に対してのみ開放されている - 他の国の人達には申し訳ないことである。

Movies Anywhere は全く新しいサービスなので、新たにアカウントを作成しなければならない。しかしながら、既存の Disney Movies Anywhere アカウントをリンクさせて、それらの映画を新しいサービスに持ち込むことも出来る。しかし、これはすぐにやった方が良い。と言うのも、Disney Movies Anywhere は間もなく Movies Anywhere に完全に置き換えられてしまうからである。事実、Disney Movies Anywhere アカウントを新たに作成することも、映画を追加することも既に出来なくなっている。

Movies Anywhere アカウントを作成すると、4つのサポートする販売業者のあなたのアカウントをそれにリンクするよう促される:それらは Amazon, Google Play, iTunes, そして Vudu である。残念ながら、Microsoft は Movies Anywhere が発足する前に Disney Movies Anywhere から抜けてしまった

image

もし Disney Movies Anywhere を使っていなかったのであれば、Movies Anywhere は、販売業者を一つそれにリンクするとあなたの映画をその販売業者の購入済みリストに追加すると言った具合に働く。これの利点は、たとえ Movies Anywhere サービスが無くなっても、あなたの映画は販売会社から買った映画コレクションに残ることである。しかし、再生にせよ、他のどんなことにせよ、同期されると期待してはいけない。何故ならば、個々の映画はそれぞれ独自のデジタルサイロの中に閉じ込められるからである。

期間限定だが、Movies Anywhere に登録するだけで最大5本の映画を無料で手にすることが出来る。1つの販売業者に接続すると "Ice Age" と 2016 年の "Ghostbusters" リメイク版が得られる。2つ目の販売業者を加えると、"Big Hero 6", "Jason Bourne", そして "The Lego Movie" が得られる。これらの映画はあなたのアカウントに自動的に加えられる

申し込みには数分かかるだけである。私の購入済みの大多数の iTunes 映画は、直ちに私の Amazon と YouTube アカウントで見られる様になった (購入した Google Play 映画もまた YouTube で Purchases の下に現れた)。

唯一の例外と思えたのは Sony 映画の "The Interview" で、これは理由は分からないが Google から iTunes には移行されなかった。しかし、Amazon には現れた。(私は、この映画がとりわけ好きだったわけではないので、大した問題ではないが、その底流にあるものは大事である。) どうも、リンクを張ることと同期には既知の問題がある様なので、程なく解決される事を期待しよう。

勿論、これら5つの映画会社に属さない映画も沢山ある。Lionsgate, MGM, Paramount, 等々の映画会社からの映画はサービス間で同期はしないが、将来はするようになるかも知れない。(そして、最大手の映画会社が参加していることからすれば、より小さな会社もいずれは参加する様になるのではと、私には思える。)

従って、MGM からの James Bond 映画は Movies Anywhere とは同期しないが、Star Wars 映画は全部するし、Alien, Back to the Future, Batman, Jurassic Park, Lord of the Rings, そして Marvel からのものも含まれる。悪くはない話である!

何故これが重要なのか? それは、主として、購入済みの映画の多くを見るのに一つのエコシステムに束縛されなくということである。現実社会の言葉で言うと、もし Apple TV 4K ではなく Amazon Fire TV の方を買うと決めたとしても、自分の映画コレクションの多くから締め出されることにはならないということである。或いは、スマート TV を買って、組込の Amazon Video を使いたいと思った場合でも、Apple 機器に接続し直さなくともそこにある映画は見られるということである。また、一つのサービスが休止しても、自分の映画は見られるという話でもある。

Movies Anywhere は、お金は全くかからないし、設定も簡単で、そして、自分の映画に対するアクセスの道も増える。唯一の否定的な側面は、申し込みの手順の中で、Movies Anywhere があなたのビデオデータ (題名、記述、そして視聴活動が含まれる) をリンクするそれぞれのデジタル販売業者、参加する映画会社、そしてサービスプロバイダーと共有すること受け入れなければならないことである。この頃では、これは当たり前のことであり、そして率直に言って、もし自分の視聴習慣を保護したいと思うのであれば、ディスクで見る方がずっと良い。(Hollywood 様:皆さんは、私の息子は Jurassic Park を何度も見ていることにもう既にお気付きであろう。だからと言って、我々は Jurassic Park 映画をもっと欲しいと思っている訳ではない。しかし、恐竜を主題にした他の高品質のオリジナル映画なら見たいかもしれない。また気味の悪いことをするのもやめて欲しい。)

この頃では Hollywood に拍手を送るのは難しいが、私は Movies Anywhere には 大きな 賛辞を贈りたい。ようやく、自分の好むサービスや機器を使ってプラットフォームを超えてデジタル購入品にアクセス出来る時代となった。この動きを先導し、業界他社にその採用を働きかけた Disney に賛辞を贈りたい。

コメントリンク17559 この記事について | Tweet リンク17559


iOS 11 の Notes における 5 つの主要な新機能

  文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
  訳: 清水 史彦 <qff01604@nifty.com>

iOS にバンドルされている Notes アプリは、かつては、使い捨ての機能のリストに載るアイテムのように思われていたものであった。模造の罫線用紙、Marker Felt フォント、そして、不完全な同期のため、Notes は、唯一最もカジュアルな使用にのみ価値があった。だが、Apple は、過去のいくつかのiOS のリリースで、Notes に大いに焦点を当ててきた。そして、Notes は、買物リストから "Take Control of iOS 11" の原稿の変更履歴に至るあらゆる事柄のための、私の忠実な友となっている。

;

iOS 11 で、Apple は再び、Notes に多くの新しい機能を詰め込んだが、Instant Notes 以外は、その多くを宣伝していない。私は、Instant Notesについては、"iOS 11 について知っているべき 11 のこと"(2017 年 9 月 20 日) でカバーした。以下、iOS 11 の Notes で、他に何が新しいかを示す。

インラインスケッチ -- iPad Pro と Apple Pencil を持っていれば、メモの中でスケッチすることはとても簡単で、広い何もないスポットで、Apple Pencil でタップするだけだ。だが、何らかのテキスト内をタップした場合には、単なるカーソル移動となる。

Notes では、スケッチ領域が、最上部にある黄色の線で示される。この線の端にある点をタッチしてドラッグすると、スケッチの上にあるコンテンツを上下に動かすことができる。Markup アイコンをタップすれば、スケッチツールの全てのラインナップを見ることができる。

image

インラインで描いたものを完全に取り除きたい場合は、スケッチのブランク領域をタップし、ポップオーバーから Delete を選択する。

フォーマットの改善 -- Notes では、かねてより、シンプルなテキストのフォーマットが提供されてきた。だが、これは常に、使うには魅力のないものであった。iOS 11 では、Notes のフォーマットのオプションの大部分(チェックリストの作成以外) が一つのペインで示され、画面上のキーボードの上にある QuickType バーの新しい Aa ボタンをタップすることによって、アクセスすることができる。あるいは、外付けキーボードが接続されている場合は、スタンドアロンのツールバーでアクセスすることができる。

image

本文、見出し、ボールド、イタリック、そして、アンダーラインといったスタイルに加えて、このペインでは、二つの新しいスタイルが提供される。それは、取り消し線と等幅フォントだ。フォーマット用のペインから、黒丸、ダッシュ、そして、番号付きのリストを作成することもできる。最後に、このペインのボタンは、リストをインデントしたりアウトデントしたりするのに有用だ。

image

残念ながら、リストのアイテムをインデントしたり、アウトデントしたりしても、マーカーは変わらない。なので、これは、アウトライン機能としては理想的ではない。だが、一つ、有用なヒントがある。それは、今では、チェックリストのアイテムをインデントしたり、アウトデントしたりすることができるということだ。このことによって、例えば、Getting Things Doneシステムで用いられるような、階層化された to-do リストの作成が可能になっている。

iOS 11 における新しいフォーマットのもう一つのオプションを使えば、Apple Pencil を使って書いたり、スケッチしたりする際に、メモ用紙のスタイルを選ぶことができる。そうするためには、メモのビューで共有アイコンをタップし、Lines & Grids を選択する。すると、6 つの異なる罫線とマス目の背景オプションが与えられる。

image

デフォルトの手書きの背景は、Settings > Notes > Lines & Grids で変更することができる。

-- 今では、Notes で、簡単な表を作成することができる。メモ内で、ツールバーにある表のアイコンをタップすると、シンプルな 2 × 2 の表が作成される。セル内をタップすれば、そこでテキストの編集が可能だ。そうすると、省略記号のような (...) ボタンが、現在の列の上と現在の行の隣に現れる。これらのボタンのうち、一つをタップすると、オプションが現れ、列や行を追加したり、消去したりすることができる。これらのボタンは、関連する列や行にドラッグして移動させることもできる。

image

以下、さらにいくつかのヒントを示す。

悲しいかな、Notes の表では、Numbers のスプレッドシートでやっているような計算や高度な並べ替えはできない。

メモをピン留めする -- 典型的には、Notes ではメモがソートされ、もっとも最近編集されたものが一番上に来る。iOS 11 では、特定のメモがリストの一番上に留まるように、今ではそれをピン留めすることができる。

メモをピン留めするためには、リスト表示されているメモを右にスワイプして、画鋲アイコンを出現させる。そのアイコンをタップすれば、メモをピン留めすることができる。だが、画鋲アイコンが現れた後でメモのリストをスワイプし続けると、アイコンをタップしなくてもメモをピン留めすることができる。

image

ピン留めされたメモは、ピン留めした順にリストの一番上に留まる。メモのピン留めを外すには、メモを右に再度スワイプし、線が入った画鋲アイコンを出現させる。そのボタンをタップしてピン留めを外すか、あるいは、タップせずに、スワイプし続けてピン留めを外す。

image

文書スキャナ -- 長年、PDFpen Scan+ や PDFpen Scan+Scanbot のようなアプリが、文書を素早くスキャンするために、iPhone で不可欠になっていた。そうした開発者は、自らの製品の品質を上げなければならないであろう。なぜなら、Notes には、今や、内蔵文書スキャナがあるからだ。1 枚の紙を平らで明るい場所に置き、メモの中で + ボタンをタップし、Scan Documents を選択する。Camera アプリから、同様にスキャンを開始できないのはひどすぎる。なぜなら、Camera アプリこそ、こうした機能のために、より明らかな場所だからだ。

ビューファインダーによって文書が探索され、いったん文書を認識したら、自動的にキャプチャーが行われる。画面の一番上にある Controls によって、フラッシュを調整したり、カラーフィルターを選択したり、そして、シャッターボタンを自分で押したければ、自動キャプチャーをオフにしたりすることができる。

image

Notes では、Save をタップするまで、同一のメモの中にスキャンした文書を複数保管することができる。スキャンしたものは、メモの一番下に保存され、タップしてすぐに編集することが可能だ。編集用コントロールを使えば、スキャンした画像をトリミングしたり、色を調整したり、回転したりすることができる。下記のスクリーンショットでは、自分で、カラーでスキャンした文書を取り上げ、余計な部分をトリミングし、白黒に変換し、そして、ポートレートの向きに回転した。保存後に、スキャンした画像をタップして、編集することもできる。

image

スキャンした文書を共有するためには、編集用に開いている間に、左上の角にある共有アイコンをタップして、Create PDF を選択するとよい。このビューから、PDF に修正を入れたり、あるいは、左下の角にある共有アイコンをタップして、その PDF を送信したりすることができる。私は、"Take Control of iOS 11" で、PDF に修正を入れることについてもっと議論している。

スキャンした文書を見ながら修正を入れるには、二つの方法がある。もっとも簡単なのは、iPad Pro の画面に、Apple Pencil でタップすることだ。別の方法は、共有アイコンをタップして、Markup を選択することだ。他にもいろいろあるが、中でも、これは、書類に署名するのに使うことができる。

Notes には、PDFpen Scan+ や Scanbot のように、OCR 機能はない。そして、Fujitsu ScanSnap (TidBITS のスポンサーの一つだ) のような高品質のスキャナを置き換えることは、まず確実にないであろう。だが、たまにしか文書をスキャンする必要がないのであれば、この便利なスキャナ機能は、充分すぎるかもしれない。

総じて、Notes には、Evernote や、昔からある他のメモ作成アプリのようなものに対して、競争力を持つ一連の機能はないかもしれないが、多くの日常的な状況にとって、特に、iPad Pro を Apple Pencil と一緒に持っている場合には、十分な機能を有している。もし、お気に入りのメモ作成アプリをまだ持っていないのであれば、iOS 11 における新機能によって、Notes は、見直す価値があるものとなっている。

コメントリンク17538 この記事について | Tweet リンク17538


TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2017 年 10 月 16 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Microsoft Office 2016 15.39 -- Microsoft が Office 2016 アプリケーションスイートのバージョン 15.39 をリリースし、Word、Excel、PowerPoint の Visual Basic Editor を改良した。IntelliSense、VBA メニューやツールバー、デバッグツール、その他を使って Visual Basic Editor の中でマクロを作成したり編集したりできる。今回のアップデートではまた、遠隔コード実行の危険に晒される可能性のあった重要な脆弱性が解消されている。(一回限りの購入ならば $149.99、Microsoft AutoUpdate 経由で無料アップデート、リリースノート、10.10+)

Microsoft Office 2016 15.39 へのコメントリンク:

Live Home 3D 3.3 -- BeLight Software が Live Home 3D 3.3 をリリースして macOS 10.13 High Sierra とのフル互換性を追加した。この住居デザイン用ソフトウェアはまた、人々・動物・暖炉などの新しい 3D モデルを加え、COLLADA .dae フォーマットのプロジェクトを読み込む機能を改良して多数のテクスチャーを追加し、ある種の大きなプロジェクトを .vrml や .x3d のファイルフォーマットに書き出す機能に影響したバグを修正し、新たに日本語ローカライズ版を追加している。Pro 版 (さらなるツールや出力オプションを提供し、BeLight からも Mac App Store からも $69.99) では、上記の変更点に加えて 2D Elevation View の中で家具を配置換えする機能を追加している。(BeLight からも Mac App Store からも新規購入 $29.99、無料アップデート、328 MB、リリースノート、10.10+)

Live Home 3D 3.3 へのコメントリンク:

Coda 2.6.8 -- Panic が Coda 2.6.7 をリリースして、このウェブサイト開発ツールに OpenSSH フォーマットを用いて生成された鍵を読み込んだりそれで接続したりする機能への対応を追加し、macOS 10.13 High Sierra の下で Icon 表示に切り替える際にエラーが表示されたバグを修正した。今回のメンテナンス・リリースではまた、暗号化された SSH 鍵の読み込みへの対応を追加し、Find バナーの replace/all ボタンのテキストが途中で切れていたバグを修正し、ホスト鍵認証とクライアント鍵交換の双方で Ed25519 鍵への対応を追加し、High Sierra における不連続テキストレイアウトを無効化することでテキストのレンダリングの問題点を修正している。

そのリリースの後間もなく、Panic は Coda をバージョン 2.6.8 にアップデートして High Sierra におけるバグ二件を修正した。一つはファイルを開く際にクラッシュを起こすバグで、もう一つは Symbol Navigator テキストが白色のままになるバグだ。このリリースではまた、認証の最中に暗号化 SSH 鍵を求めるプロンプトを出す機能への対応を追加し、Sync 環境設定枠で電子メールアドレスから空白類文字を取り除いた。(新規購入 $99、無料アップデート、89.1 MB、リリースノート、10.7.5+)

Coda 2.6.8 へのコメントリンク:

SoundSource 3.0.2 -- Rogue Amoeba が SoundSource 3.0.2 をリリースして、入力デバイスを持たないマシンでグローバルメニューが正しく描画されなかったバグを修正した。このサウンド環境設定ツールはまた、Play-Thru 機能を通じて入ってきたオーディオのレイテンシを減らし、Preferences ウィンドウのレイアウトを調整して(特に古いオペレーティングシステムでの)表示の問題点を修正している。

他の Rogue Amoeba 製品のアプリのどれか(例えば Airfoil、Audio Hijack、Fission、Nicecast、Piezo)の現行バージョンのライセンスを持っていれば、SoundSource を無料で登録できる。Purchasing SoundSource ページへ行って、Get a Complimentary SoundSource License の下にある Learn More をクリックする。それから電子メール、ライセンス名、あなたの Rogue Amoeba 製品に付随したライセンスコードを入力して、Submit をクリックすればよい。(新規購入 $10、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、3.6 MB、リリースノート、10.10+)

SoundSource 3.0.2 へのコメントリンク:

1Password 6.8.3 -- AgileBits が 1Password 6.8.3 をリリースして、ウェブブラウザ Chrome および Firefox と 1Password との間のコミュニケーションの信頼性を向上させた。このパスワード管理ユーティリティはまた、macOS 10.13 High Sierra の走る一部の Mac で分離された 1Password mini 詳細ウィンドウの見栄え上の不具合を修正し、Mac App Store ユーザーが初めて走らせてセットアップしようとする際のクラッシュを予防している。(AgileBits および Mac App Store から新規購入 $64.99、または無料入手で月額 $2.99 か $4.99 の購読、無料アップデート、48.6 MB、リリースノート、10.10+)

1Password 6.8.3 へのコメントリンク:

Parallels Desktop 13.1 -- Parallels が仮想化ソフトウェア Parallels Desktop のバージョン 13.1 をリリースした。今年のメジャーアップグレードリリース (2017 年 8 月 27 日の記事“Parallels Desktop 13.0”参照) 以後初めてのメンテナンス・アップデートだ。バージョン 13.1 では macOS 10.13 High Sierra が走っている場合にも新規の Boot Camp 仮想マシンを作成できるようになり、High Sierra の走る Mac 上の Recovery パーティションから High Sierra 仮想マシンをインストールする機能を追加し、Windows ショートカットで動作しないものがあった問題を解消し、Windows ファイルを Mac へコピーできなかったバグを修正し、仮想マシンが Coherence モードにあると macOS がスリープできなかった問題に対処し、macOS 上で Windows アプリケーションに結び付いたファイルを開こうとする際に Windows が起動しなかった問題を解消している。(Standard Edition の新規購入 $79.99 (アップグレード $49.99)、Pro/Business Edition は年額 $99.99 (Pro への更新の場合 $49.99) の購読、251 MB、リリースノート、10.10.5+)

Parallels Desktop 13.1 へのコメントリンク:

PopChar X 8.2 -- Ergonis Software が PopChar X 8.2 をリリースして、macOS 10.13 High Sierra とのフル互換性を提供し、カスタムレイアウトにおける表記法のオプションを拡張した。この文字発見ユーティリティはまた、レイアウト記述の中で単一のスマート命令を使って複数個の文字を追加する (例えば名前の付いた Unicode ブロックからすべての文字を追加する) ことができるようになった。今回のアップデートではまた、33 個のフォントに新しい計量調整を追加し、文字の上下方向の間隔を改良して装飾部が切れてしまわないようにし、セットアップしておいたカスタムサンプルテキストを正しく記憶するようにし、ある種の壊れたフォントで合字を検索しようとすると PopChar がハングした問題を回避している。(新規購入 29.99 ユーロ、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、バージョン 8.0 からは無料アップデート、5.0 MB、リリースノート、10.6+)

PopChar X 8.2 へのコメントリンク:

ChronoSync 4.8.2 -- Econ Technologies が ChronoSync 4.8.2 をリリースして、ブート可能バックアップ作成タスクの Optimization 段階を調整してそのコピー先ボリュームが (特に macOS 10.13 High Sierra で) より効率的に信頼性をもってブートできるようにした。この同期およびバックアップ用アプリはまた、タスクをスケジュール設定する際にその日付が夏時間から標準時間へ切り替わる日を跨いでいた場合に起こったハングを解消し、複数個の同期・バックアップのタスクをカプセル化したコンテナタスクを走らせる際に起こることがあったクラッシュに対処し、APFS ファイルシステム上にコピー先を設定しようとすると設定項目 "Strict volume identification" がデフォルトでオフに切り替わってしまったバグを修正している。(新規購入 $49.99、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、48.4 MB、リリースノート、10.10+)

ChronoSync 4.8.2 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2017 年 10 月 16 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の ExtraBITS では、Apple がオペレーティングシステムのベータ版で既に WPA2 KRACK 脆弱性をパッチ済みで、また Apple が一ヵ月間待てる人を対象に MacBook Pro のバッテリー修理を無料で提供し、iFixit の CEO が修理業は経済にとって良いことであると語り、あと二つの記事ではスマートフォンやソーシャルメディアの先駆者たちが自らが作り出したものを考え直す。

Apple、OS ベータ版で WPA2 KRACK 脆弱性をパッチ済み -- セキュリティのプロフェッショナルたちは、つい最近公表された KRACK 欠陥を心配している。これは、WPA2 で保護された Wi-Fi ネットワークのすべてを攻撃対象になりやすいものとしてしまうからだ。幸いにも、MacRumors の記事によれば Apple が iMore の Rene Ritchie に対して同社が macOS、iOS、watchOS、tvOS の次期ベータ版で既にこの脆弱性を解消したと述べたという。これらのベータ版を Apple がリリースすれば(数日以内にリリースされると思われるが)それらのオペレーティングシステムの走るデバイスで送信・受信されるデータは(たとえ Wi-Fi ルータ自体に脆弱性が残っていたとしても)この修正により保護される。つまり、KRACK に関する本当の懸念は、パッチが利用できない古いデバイスにある。

コメントリンク: 17569

Apple、MacBook Pro バッテリー修理を無料提供、ただし待てる人のみ -- mid-2012 または early-2013 の 15 インチ Retina ディスプレイ搭載 MacBook Pro でバッテリー修理に該当するもの (Apple メニュー > About This Mac > System Report > Hardware > Power > Health Information で確認できる) をお持ちの方は、待つことさえ苦にならなければ Apple に無料で修理してもらえる。Apple が Genius Bar 従業員と Apple Authorized Service Provider 各店に通知したところによれば、少なくとも 2017 年 11 月 15 日まで待てる人には無料のバッテリー修理をすることになったという。それより早くバッテリーを新しくしたい人は標準の保証対象外バッテリー修理料金を払わなければならない。米国では $199、英国では 199 ポンド、オーストラリアでは $289、カナダでは $259 だ。

コメントリンク: 17568

iFixit CEO、修理がビジネスにとって良い理由を語る -- iFixit は長年、あらゆる Apple 製品に対する修理ガイドを蓄積してきた。最新の iPhone 8 も例外でなく、iFixit のスタッフは世界中の他の地域が寝静まっている時間帯にオーストラリアに飛んで、iPhone 8 を入手し、修理ガイドを出版した。iFixit CEO の Kyle Wiens は Bloomberg の Adam Minter との対談で、修理業の価値について熱心に語った。ブルーカラーの雇用創出、交換部品の売上、ベンダーの過負荷低減などが挙げられた。Wiens は Apple には 500 もの修理店舗があって 10 億台の iPhone の修理に備えていると指摘する。この記事の中で彼が語った一番の名言は、修理可能性でなく耐久性を主眼として iPhone をデザインしたという Apple の主張に対する反論だった:「両面がガラス製で毎日 10 回はポケットから取り出される製品を壊れないようにデザインすると言うのは少々現実と懸け離れている。」

コメントリンク: 17567

Facebook 初期従業員たちの後悔 -- Facebook はかつてないほど大きなものとなったが、元従業員たちの中には Facebook が世界に与えた影響に絶望感を抱いている人たちもいる。Vanity Fair の Nick Bilton のインタビューに答えて、ある元 Facebook 従業員は「今のこんな状態になってしまったのを見て、私が知る初期従業員たちの多くは完全に打ちのめされた気持ちでいる」と語った。2016 年の選挙に Facebook が影響を与えた可能性について、ある従業員は Bilton に「私は夜眠れず横たわったまま、初期の頃に私たちが築いたものについて思いを巡らし、この製品がこんな風に使われることを予防するために私たちに何ができただろうかと考え続けているのです」と気持ちを吐露した。Facebook 創設者 Mark Zuckerberg に近しい人たちは、彼が現実から乖離して「現代の Howard Hughes」になりつつあるのではないかと恐れている。

コメントリンク: 17566

テクノロジーの先駆者がスマートフォン暗黒郷を恐れる -- 興味深い記事が The Guardian に載った。スマートフォンとソーシャルメディアの時代を招き入れる力となった技術者たちの中に、テクノロジー依存の結果として私たちが注意散漫になり、愚かになり、操られがちになっているのではないかと懸念を持つ人たちがいるという記事だ。Justin Rosenstein は Facebook の Like ボタンを生み出し、Google の Gchat をビルドするための力にもなった人物だが、今の彼は自分のオンライン活動を制限するために思い切った手段を選び、彼の電話を管理するための助手を雇っているくらいだ。「もしも私たちが利益の最大化のみに心を向けたならば、たちまち暗黒郷(反ユートピア)に陥ってしまうだろう」と Rosenstein は述べた。この記事には同様の意見を持つ他のテクノロジー先駆者たちも紹介されており、Apple で働いたこともあり 2009 年に Tweetie で "pull to refresh" を思い付いたことで有名な Loren Brichter の名前も見える。でも、裕福な技術者たちでさえ、依存性を伴うテクノロジーの背後にある企業側の動機をよく知っている彼らでさえテクノロジーの誘惑から離れようとして苦闘しているのだとすれば、平均的ユーザーにとってどんな望みがあるというのだろうか?

コメントリンク: 17553


tb_badge_trans-jp2

TidBITS は、タイムリーなニュース、洞察溢れる解説、奥の深いレビューを Macintosh とインターネット共同体にお届けする無料の週刊ニュースレターです。ご友人には自由にご転送ください。できれば購読をお薦めください。
非営利、非商用の出版物、Web サイトは、フルクレジットを明記すれば記事を転載または記事へのリンクができます。それ以外の場合はお問い合わせ下さい。記事が正確であることの保証はありません。
告示:書名、製品名および会社名は、それぞれ該当する権利者の登録商標または権利です。

TidBITS ISSN 1090-7017©Copyright 2017 TidBITS: 再使用はCreative Commons ライセンスによります。

日本語版最終更新: 2017年 10月 21日 土曜日 , S. HOSOKAWA