TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1399/08-Jan-2018

あけましておめでとうございます! 残念なことに、2018 年最初の今週号ではまず悪いニュースをお伝えしなければならない。最近発見された Meltdown と Spectre という二つの脆弱性が、Mac や iOS デバイスも含めて現代のほとんどすべての CPU に影響を与えているのだ。Apple はそれらの欠陥を「緩和」するアップデートをリリースしたが、これで脆弱性が完全に取り除かれたのかどうかは誰にも分からない。Apple はまた、iPhone で不意のシステム終了が起こる可能性を減らすことを意図して iOS に施した調整について謝罪した。この調整によって旧型の iPhone が速度低下を起こすことが分かったからで、同社はこの件への対応として 2018 年を通じ一部のデバイスのバッテリー交換料金を $29 に値下げした。Adam Engst は、Mac のディスプレイが不可思議に色褪せしてしまう問題を修正したやり方を説明するとともに、室内の写真撮影やビデオ作業を改善する安価な Polaroid Flexi LED Light Panel をレビューする。最後にもう一つ、わが放浪の特派員 Jeff Porten が CES 2018 の会場から今年のテクノロジー潮流を展望する。来週号で Jeff はショウのフロアから詳しい報告をしてくれるはずだ! 今週注目すべきソフトウェアリリースは、Nisus Writer Pro 2.1.8、VMware Fusion 10.1、Default Folder X 5.2、Ulysses 12.2、ScreenFlow 7.2、VLC Media Player 2.2.8、SEE Finance 2.0.2、MoneyWiz 2.7.1、1Password 6.8.5、それに Bookends 13.0.2 だ。

記事:

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Apple、Meltdown と Spectre 情報とアップデートをリリース

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

テックの世界は Meltdown と Spectre の論議で持ちきりとなっている。ほぼ全ての近代計算機器に使われている CPU に、大規模な "投機的実行" セキュリティ脆弱性が最近発見され、対象には Mac に使われている Intel CPU や iOS 機器の ARM-based CPU も含まれる。Ars Technica が、この問題をよく説明し、そして色々な会社からの反応を要約している。

先週遅く、Apple は同社の観点からの状況を説明するサポートノートを掲載した。要約すると、Apple は Meltdown に対する緩和策を iOS 11.2, macOS 10.13.2, そして tvOS 11.2 でリリースし、そして、この変更で計測可能な性能の低下はないと言っている。(当初の推測では、これらの脆弱性を阻止することで 5% から 30% の性能低下が避けられないのではと言われていた。)

この発表で、Apple は、来るべきリリースの Safari では、性能に対するわずかな影響だけで Spectre 悪用を緩和出来ると言っている。同社は時をおかず、iOS 11.2.2, macOS High Sierra 10.13.2 Supplemental Update, そして Safari 11.0.2(OS X 10.11.6 El Capitan 及び 10.12.6 Sierra 用) をプッシュしている。これら三つのアップデートには "Spectre (CVE-2017-5753 及び CVE-2017-5715) の影響を緩和する Safari そして WebKit に対するセキュリティ改善が含まれる。"

我々はこれらのアップデートを直ちにインストールするようお勧めする。何故ならば、この Spectre 悪用は JavaScript に組み込むことが可能だからである - 言い換えれば、どの Web ページでも、理論的には、あなたのコンピュータや機器を感染させる経路となり得る。

Mac では、Google Chrome (これは自分でアップデートする;単に閉じて再度開くだけ) や Firefox、そして使っている他の如何なる Web ブラウザも最新バージョンにアップデートしてあることを確かめておくことも重要である。GoogleMozilla も暫定的なアップデートをリリース済みだが、1月の第4週には、しっかりしたリリースが計画されている。

Apple は、Apple Watch は Meltdown と Spectre のどちらにも影響されないと言っている。

これら全てのアップデートは良い話だが、Apple のセキュリティノートにある "緩和" と言う表現に注目したい。通常同社は "対処" という表現を使っている。とりわけ、Spectre は巧妙な脆弱性なので、時間をかけてソフトウェアに追加の保護が組み込まれていくと思われる。

つまり、Apple からの最新のセキュリティアップデートに遅れを取らないようにしていくことの重要性が更に増していると言える。

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光あれ (安価、設定可能、拡散、携帯型を)

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

今日ジャーナリストであることは、単に上手にそして速く書けること以上のことが出来る必要がある。まずは、ある程度の技量を持った写真家であり、そしてライブの音声やビデオにも気後れを感じない必要がある。標準の Apple 機器 - Mac そして iOS 機器 - は始めるには十分なハードウェアを提供するが、更に付け加えることで作品を改善できる付属品もある。具体的にいうと、照明は問題となることがある。と言うのも、通常のオフィスは照明が十分ではなく、ビデオが薄暗いものとなったり、フラッシュで露出過剰の写真となったり、或いは近接する照明が映り込んだりすることがあるからである。

Polaroid が、写真やビデオ作品のための照明を改善したいと思っている人の手助けとなる新製品を出した:Polaroid Flexi LED Light Panel である。これは 11.8-inch (30 cm) の柔軟性のあるナイロン製のパネルで、256 個の二色 LED を 16 x 16 の格子状に編み込んでいる。

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パネルの四辺は Velcro で覆われているので、組み立て容易なメタル枠に貼り付けられる。これには、同等サイズの四角い同じ様に Velcro で縁取りされた薄いナイロン布も付いてきており、これをメタル枠の反対側に貼り付けることで拡散フィルタの役目をさせられる。メタル枠の一辺には標準の三脚マウントに合う 1/4-inch のネジ穴も設けられている。ここには、付属の持ち手を取り付けることも可能である。

この照明パネルの一隅には、小さな丸型の AC アダプタポートとなるプラスチック部品が設けられている。付属のパワーアダプタには、壁コンセントにつなぐためのケーブルと、この照明パネルにつながるもう一本のケーブルが付いている;後者の真ん中には入切スイッチが付いている。しかしながら、それ以上の操作のためには、付属の 2.4 GHz ワイヤレスリモコンを使用する。そして、複数の照明パネルを使う場合、このリモコンで一度に4台まで制御出来る。

このリモコンで結構色々なことが出来る。明るさの増減も出来て、最大出力だと 4500 ルーメンにも及ぶ。これはかなり大きい - 標準の 100-watt 白熱電球はおよそ 1600 ルーメンの出力である。Polaroid はどこまで小さく出来るかは明らかにしていないが、一番下まで下げてもチカチカしないことは触れておく価値があるであろう。

リモコンを使って色温度も 3200 K から 5500 K (Kelvin) の間で変えられる。3200 K は比較的暖かな "ソフトホワイト" の領域で、オレンジ/赤の光が多くなり、5500 K だと青が多くなり、平均的な昼光色となる - 電球の世界では、"クールホワイト" とか "昼光" とか呼ばれる。色温度を変えられる利点は、部屋の照明を補完して肌の色合いを好みのものに見える様に調整出来ることである。

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本格的な写真撮影マニアのために言っておくと、この照明パネルには CRI - color rendition index (演色評価数) - 表示があり、90 以上である。CRI は、光源が太陽光にどれだけ近い見え方を提供できるかの能力を示すもので、80 を超える数字は、通常の屋内住宅応用には適しているとされている。Cornell University の Digital Preservation で働いている友人の写真家は、専門的な作品には CRI が 98 以上の照明装置を買わなければならないと話していた。しかし、彼が仕事に使っている照明装置は $1000 以上の値段で、ケースはとてもかさ張る。

この高級装置とは対照的に、Polaroid Flexi LED Light Panel は約 $125 で、そして柔軟性があるので、分解して、巻き上げ、そして家庭サイズの食パンの形状に似た柔らかい携帯ケースに収めることが可能である。

これ迄の所、私は MacBreak Weekly ポッドキャストにゲスト出演した時にこの照明パネルを三脚の上につけてモニターの後ろに置いて照明の改善のために、そして TidBITS Content Network 記事のために必要だった写真撮影の補助として使ってみた。私が良いと思ったのは拡散光を使えることであった - 室内の他の照明を補完するよう調整して - MacBreak Weekly で私の真っ正面の位置に置いた。通常の電球は眩しすぎて目を向けられないからである。そして写真撮影について言えば、iPhone や iPad 画面に映り込みがちな他の室内灯を消すことが出来ることが一番であった。

私の気づいた唯一の欠点は、Polaroid が屋外使用のためにこの照明パネルを電池パックから給電することについて何も触れていないことである。ひょっとすると可能なのかも知れない - この照明パネルは 24 ボルト 2 アンペアを使うとなっている - しかし、私が見つけた他の競合する LED 照明パネルはどの一般的な電池が使えるかについて極めて明確にしているのに、Polaroid はその様な能力について全く触れていないのは意外である。

この話を更に進めると、他にも柔軟性のある照明パネルはある。一つは遥かに高額の $679 もする Westcott Flex LED Kit で CRI は 95 で、そして極めて似たものが Samtian から出ていて、こちらはもっと安価で電池もサポートするが、色温度を変えられない。そしてまた、Powerextra LED 照明パネルと言うのもある。こちらはもっと安価で機能豊富だが、より小型で、より重たく、そして柔軟性はない。私は、これらのものどれも使ったみたことはないが、壁コンセントではなく電池を使う必要があるのであれば、調べてみる価値はあるかもしれない。

私の Polaroid Flexi LED Light Panel レビュー機はもう返さなければならないが、すぐに自分用のものを買いたいと思っている - 我々がほぼ毎日やっている写真やビデオ撮影にはあまりに有用だからである。

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色あせして見える画面の問題を解決する

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

数ヶ月前、私は Google Chrome を使っている時に、何かが少しおかしいことに気づいた。アドレスバーに何かをタイプするとその下に自動補完の候補が現れるのだが、矢印キーを使ってリストの中の一つを選ぶ時、どれが選択されているのか私には分からなかった。まるでグレーのハイライト色を失ってしまったかの様であった。これは、私の iMac の内蔵ディスプレイと外付けの Thunderbolt Display の両方で起こっていたのだが、私の通常の問題解決の手法では何が起こっているのかを説明する手助けにはならなかった。結局、私は諦めて、小悪魔のせいにした。

数週間経ったら、この問題は更に悪くなった。私は通常 BBEdit 書類の背景を薄い淡黄色に設定してあるのだが、どう言うわけか白になっていた。加えて、明るい背景の Web ページは、ケバケバしく眩しい白に見えた。ここでも、再起動も標準的な問題解決策も効き目はなかった。

その日の後になって、私は Josh とのビデオ通話の時にこの問題について説明していた。私が見ているものを説明している最中に、突然ひらめきが走り、これはアクセシビリティの設定に関係してのではないかと思った。そこで、私は System Preferences > Accessibility > Display を開いてみた、案の定、Display Contrast スライダーはデフォルトである左端一杯の位置にはなかった。

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それを左にスライドさせることで二つの問題は直ちに解決したが、でもなぜこの設定は私の知らないところで変わり得たのであろうか? 私がこれを手動で調整しなかったことは確かである。別の思いつきで、私はキーボードショートカットを System Preferences > Keyboard > Shortcuts > Accessibility でチェックしてみたら、そこには二つの Contrast ショートカットがあった。そして、私には説明出来ない理由から、これらは有効になっていた - 他の Mac ではこれはデフォルトではそうなっていなかった。可能性としては、以前のバージョンの Mac OS X ではデフォルトで有効になっていたか、或いは、数年前に自分でその波及効果をよく考えもせずうっかりオンにしたのかもしれない。いずれにしろ、Increase Contrast に対するショートカットを実際に目にした時、私にも何が起こっていたのか理解出来た。

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そのショートカットは Command-Control-Option-. に設定されていた。これは、私が間違って押してしまいそうなものであった。と言うのも、私はかって "cheers... -Adam" というメール署名を挿入する Keyboard Maestro マクロを起動するのに使うショートカットは Control-. で、更にもっと詳細なメール署名を挿入するのには Control-Option-. を使っていたことがある。従って、この二つの間で、指が滑って画面コントラストを増やすショートカットを作動させてしまったに違いない。しかも、二度も。

これと同じ問題を経験する人がいるとは思わないが、あなたの画面が本来あるべきものよりも明るいとか白っぽいとか感じるのであれば、Accessibility 設定ペーンで Display Contrast スライダーが左端一杯まで来ていることを確認してみることをお勧めする。また、キーボードショートカットのリストに目を通して、使わないものは不能にして間違って押したキーボード操作で思いもかけない振る舞いの原因となるのを防止しておくこともお勧めする。

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Apple、iPhone のバッテリー問題を陳謝、交換費用を 29 ドルに値下げ

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: 清水 史彦 <qff01604@nifty.com>

年末の休暇中を通じて、予期せぬシャットダウン回避のため、古い iPhone、特に、iPhone 6、iPhone 6s、および、iPhone SE の性能を、Apple が意図的に低下させていたと主張するニュースが報じられた。

そうしたシャットダウンに対処するために、Apple が何かを行なっていたという事実は、意外なものではなかった。同社はかつて、この問題について原因を調査中であると述べ、遡ること 2017 年の前半に、iOS 10.2.1 で、解決策を実装したと主張していた。この問題が実際に解決されたかどうかについては、少々議論があった。と言うのは、Apple は、当時、このことについて、リリース・ノートでは何も述べていなかったからだ ("Apple、macOS Sierra 10.12.3, iOS 10.2.1, tvOS 10.1.1, watchOS 3.1.1 リリース" 2017 年 1 月 23 日参照)。だがその後、Apple は、iOS 10.2.1のリリース・ノートを修正し、以下のように述べた。

また、iPhone が突然シャットダウンするのを防ぐために、ピーク作業時の電源管理も改善されました。

憶測が拡がり、多くのユーザーが、Twitter を使って、この速度低下に対するApple への怒りを表明した。そして、陰謀説を唱える人たちは、これは全て、みんながすぐにアップグレードするように仕向けているのだと示唆した。たとえ、性能を低下させることが、予期せぬシャットダウンの可能性を減らすのに合理的であったとしても、このバグフィックスによって、問題がどの程度解決したかについて、Apple は、もっと良いコミュニケーションを行うべきであったし、そして、何が起きているかについて、もっと多くの iOS 情報をユーザーに与えるべきであったと人々は感じた。

2017 年 12 月 28 日、Apple は、「iPhone のバッテリーとパフォーマンスについて、お客様にお伝えしたいこと」で応じた。これは、言葉を慎重に選んだうえでの釈明と陳謝であった。その中で、Apple は、これはアップグレードを促すための試みではなかったと明白に述べた。

何よりもまずお伝えしたいのは、お客様による製品の買い替えを促すために、私たちが意図的に Apple 製品の寿命を縮めたり、お客様の体験が損なわれるようにしたことはこれまでに一度もなく、今後も決してないということです。Apple の目標は常に、お客様が夢中になるような製品を作ることであり、iPhone をできるだけ長く使えるように設計することはその重要な要素の一つです。

それから Apple は、リチウムイオンバッテリーがどのように劣化するかについて説明し、バッテリーは、徐々に、そして、バッテリーの充電回数とともに、充電能力が低下すると述べた。加えて、極端な暑さのような他の要因が、電池の劣化を加速する可能性がある。問題は、劣化したバッテリーは、単に持続時間が短いだけでなく、エネルギー負荷のピークをサポートする能力も低下するということだ。バッテリーの充電レベルが既に低い、例えば、30 ないし 40% である時にこれが起こると、iPhone はシャットダウンするしかない。

この問題に対処するため、Apple は、結果としてピーク電力が要求される動作を、基本的に平準化しようとして、iOS がパフォーマンスをマネジメントするやり方を変えた。

Apple は 1 年ほど前、iOS 10.2.1 で、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone SE 上での予期しないシャットダウンを防ぐため、ピーク負荷時の電力管理を向上させるソフトウェアアップデートを提供しました。このアップデートで iOS は、シャットダウンを防がなくてはならない状況下で、一部のシステムコンポーネントの最大パフォーマンスを動的に管理するようになりました。ユーザーがこうした変更に気づくのは稀だと思われますが、場合によってはアプリケーションの起動時間が長くなったり、そのほかの部分のパフォーマンスが低下する可能性があります。

iOS 10.2.1 は予期しないシャットダウンの発生を減らすことができたため、お客様から好意的な反応をいただきました。私たちは最近、iOS 11.2でこのサポートの対象を iPhone 7 と iPhone 7 Plus にも広げています。

私たちは、iPhone 6 (私は、これを Tristan にお下がりで渡すまで 2 年間使用した) と、iPhone 6s (これは、Tonya が今でも使っている) の両者で、この問題を経験した。Tristan の iPhone 6 のバッテリーはほとんど死んでいて、彼は、バッテリー交換はせずに、私の iPhone 7 が手に入るまでは、それをなんとか使いこなすと言い張った。そして、Tonya の iPhone 6s、これは、Tristan の iPhone 6 よりも、使用期間が 1 年短く、まだ使えているが、予期せぬシャットダウンに、長いこと悩まされてきた。Apple が述べた内容にも関わらず、彼女の場合、iOS 10.2.1 でシャットダウンが無くなることはなかった。なので、彼女は、バッテリー交換をしないで済むように、電池残量が少なくならないようにして使っている。(私たちの場合、車で簡単に行ける距離に Apple ストアがないのだ。)

Apple は、みんなが今になって文句を言い始めた理由は、アップグレードに伴う一時的な性能問題と、iOS 11 におけるバグ (これは、その後、修正された) に関連しているということを示唆した。だが、Apple はもう一つ興味深いことを述べている。

私たちは今、こうした体験をお客様にもたらしたもう一つの要因が、古くなった iPhone 6 と iPhone 6s に使われているバッテリーの継続的かつ化学的な経年劣化であることを認識しています。そしてこれらの iPhone の多くで、購入時のバッテリーがそのまま使われています。

見たところ、Apple は、「また 1 年が経過し、そのため、iPhone 6 と 6sのバッテリーは、以前よりも古くなった。」と言っているにすぎない。それは明らかだが、悩ましいのは、元のバッテリーで正常に動作している、もっと古い iPhone を持っている人たちを、私たちは知っているということだ。行間を読むなら、Apple は、実際にはこう言っているように思われる。すなわち、「こうした iPhone のバッテリーは、私たちが予期しなかった、そして、完全には理解していないやり方で性能が低下している。」

他のことはともかく、Apple が、以前、この問題について、なぜ比較的口を噤んでいたのかは、このことで説明できそうだ。Apple のエンジニア達は、自分たちはこれについて、既に多かれ少なかれ対処したと思っていたのに、シャットダウン防止のために iOS が性能をどんどん落としたので、不意を突かれることになったのだ。

この状況が、こんな風に顕在化しなければならなかったのは悲惨だが、Appleの顧客への手紙は歓迎すべきものである。特に、この手紙は、同社が実施しようとしている 3 つのステップで終わっているからだ。

バッテリーを交換するには、Contact Apple Support のページに行って、See Your Products をクリックし、Apple ID でサインインすること。自分のiPhone を選んで、Battery, Power, and Charging をクリックし、Battery Replacement をクリックし、最後に、Bring in for Repair か、Send in for Repair のどちらかをクリックする。もし、バッテリー交換のために、自分の iPhone を持ち込むつもりであれば、待つのを避けるため、約束の時間を決めておきたいと思うであろう。

公式の診断テストで、バッテリーが劣化していると判定されたかどうかに関わらず、iPhone 6、または、それ以降の機種を、バッテリー交換のためにApple は受け入れるであろうと、MacRumors は報じている。そして、Appleは、何ら尋ねることなく、私たちの iPhone 6 のために、喜んで箱を送ってきた。だが、ユーザーの中には、交換のためには、バッテリーの容量が、元の容量の 80% 未満でなければならないという条件に、Apple が固執していたと言っている人もいる。これは、Apple Corporate と個々のストアとの間における単なるコミュニケーション不全という可能性もある。自分のiPhone のバッテリーの健全性を見るために、Mac 用の無料の coconutBatteryアプリを使うこともできる。

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もちろん、この状況は、なぜ、自分自身でバッテリーを交換できたら素晴らしいかを示している。悲しいかな、Apple、および、ほぼ全ての他のスマートホン・メーカーにとって、時すでに遅しである。

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CES 2018: Consumer Technology Association が語るテクノロジー潮流

  文: Jeff Porten: jporten@gmail.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

CES 2018 へようこそ! 私が登録を済ませるほんの 18 分前に開幕したばかりだったが、ちょうどその時私は @fro_vo によるこんな掘り出し物の tweet に気付いた:

ROBIN: バット・モービルが動かない
BATMAN: バッ・テリーを調べてくれ
ROBIN: テリーって何だい?

そう、この「バット」の流れには、もちろんバッ・テリーも、その他さまざまの充電テクノロジーもあって、記事にしなければならないし、アプリ化、クラウド化、スマート化できる、ありとあらゆるものがぎっしり並んでいる。

(それに、そういう「何々化」すべきでない類いのものもある。私はいくつかのブースを見て回って、バットの糞よりくだらないと思えるようなものも書き留めた。どうやら、不可解にもホットな今年の流行は、あらゆるものに理由もなくブロックチェーンをくっつけることのようだ。)

CES は報道陣向けのブリーフィングやイベントに特化した二日間から始まるが、私はいつもこのイベントの運営主体である Consumer Technology Association (CTA) によるプレゼンテーションをまず訪れる。これは業界の統計資料と潮流を紹介するもので、全般的に内容が素晴らしいからだ。今年の講演者は Senior Director of Research の Steve Koenig と Senior Manager of Research の Lesley Rohrbaugh であった。

5G セルラーネットワーク -- プレゼンテーションは、まず間もなく登場する 5G ネットワークについての最新情報から始まった。5G ネットワークについて私は去年ずっと強気の考えでいたけれども、その実装のいくつかの面について懐疑的にならざるを得ないでいた。(2017 年 1 月 19 日の記事“CES 2017 からのアイデア: あなたの未来にある 5G”参照。) 第一弾のネットワークは今年中に運用段階に至る (けれども消費者が利用できるようにはならない) だろうし、その基礎となるべき 5G New Radio 標準に向けた作業は現在進行中だ。

5G は、極めて高速だ。2 時間の映画をダウンロードするのが 4 秒以下で済む。それに伴って、未だ誰も考え付きもしなかった新しいアプリケーションや、新しいテクノロジーが登場してくるだろう。これは単純に、人類がコンピュータや各種機器をどのように使うかという問題だ。結構時間がかかるのでコーヒーでも用意しようかという状況と、あまりにも早く済むのでコーヒーを一口啜る時間しかないという状況とでは、あなたの挙動が全く違うだろう。

その背後にある物理学がミリ波スペクトルだ。これは標準的な 2.4 GHz Wi-Fi に比べて 12 倍から 120 倍も高い周波数の電波だ。ミリ波は 30 から 300 GHz を使う。スペクトルのその領域にある電波は、より高い速度と少ない待ち時間を可能にする。他方欠点を言えば、構造物によって進路を遮断されやすいので、携帯電話ネットワークならばいたる所をカバーするために "small cell" と呼ばれる超小型の基地局を多数増設しなければならない。講演の途中で語られたのは 5G が「新しいビジネスモデル」をもたらすだろうという言葉で、この点こそ私が去年最も懐疑的であったところだ。私たちが払う毎月のサービス料金を値上げできる機会を、わが国のキャリア各社が見逃すことはないだろう。

人工知能 (AI) -- 人工知能 (Artificial intelligence、AI) も大きな話題となっている。Siri から、大会社を動かしているテクノロジーまで、人工知能はあらゆるものの中に埋め込まれる。最近になってこれはますますいわゆる「深層学習 (deep learning)」戦略への依存を強めている。そこでは膨大な量のデータの中から AI がトレンドやパターンを掘り出して AI プロシージャを生み出すのだが、人間たちは自分の手でそのプログラムを組むことができないばかりでなく、どのようなものが生み出されるかを予見することさえできない。その代わりに、生み出されるもののためのいくつかのパラメータを私たちが設定し、それらをどのように達成するかは AI が自ら決定する。

時として、私たちは誤りに踏み込むことがある。例えば、Microsoft が誤って Nazi Twitter チャットボットを生み出してしまったことがある。今回のプレゼンテーションで示されたスライドの一つにはむしろ面白おかしく「AI は社会的に与える衝撃を発生させる」と書かれていたが、これは控え目な表現と言うべきだろう。正しく実行されれば、AI は夢にも思わなかったような可能性を作り出すかもしれない。けれども何かが誤れば、人間の自主性の大きな部分をコンピュータに手渡してしまうことにもなりかねない。(AI の決定したものが会社の方針となったら何が起こるか想像してみるとよい。「申し訳ありませんがこれは会社の方針ですので、私共にできることはございません。」)

人々が AI とやり取りする方法で現在最も一般的に使われているのが、スマートスピーカーに話しかけたり、スマートフォンで Siri や Google Assistant に話しかけたりすることだ。これ以外にも音声によるやり取りの形は Amazon の Alexa、Microsoft の Cortana、Samsung の Bixby などさまざまだ。(爆発するスマートフォンで有名な会社が自社のアシスタントにこんな男の名前を使うのはどうかと思うが。[訳者注: Bill Bixby はテレビドラマ「超人ハルク」で変身前のハルクを演じました。])

この状況は、競争があるという意味で好都合だ。例えば Siri を開発しているエンジニアたちは、他のものたちがどう挙動しているかを見ることができ、それに応じて自分たちの挙動を判断できる。けれども問題は、各社の標準の間に相互運用性がないことだ。あなたの自宅を音声制御のデバイスでスマート化したいなら、どれか一つのエコシステムを選んでそれだけを使うようにするのが賢明だ。それは、Siri を気に入っているけれども HomePod が出るのを待ち続けている人にとってはフラストレーションが溜まることだろうし、2019 年になってあなたが心から望んでいた機能が別のエコシステムに装備されればさらに大きなフラストレーションが溜まるだろう。(サードパーティのスピーカーの中には複数個の標準に対応しているものもある。その種のデバイスならば、途中で乗り換えたり、別々の AI アシスタントをそれぞれ別の目的に使い分けたりすることもできるかもしれない。)

おそらく近いうちに登場すると思われるのが、真の意味の会話機能だ。これまでのように "Hey Siri, set a timer for 30 minutes" (ヘイ Siri、30 分後にタイマーをかけてくれ) なんて言う必要はなくて、その代わりに "Siri, if I don't leave in 30 minutes, my spouse is going to kill me" (Siri、あと 30 分で出かけないと妻に殺されちまうよ) と言えば用が済むということだ。そう、ここで私たちがこの種のデバイスとやり取りする際の興味深い疑問が浮かび上がる。私たち米国人は、既に Siri のことをアプリではなく「彼女」と思っている。そして、プログラムを人物と考えれば、奇妙なことが起こり得る

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家庭用電化製品の開発者たちはこの考え方を気に入って、こぞってそれに飛び付こうとしており、この潮流を「関係性に向けての会話」と呼んでいる。彼らは、あなたがアプリに語りかけることによってほんわかした心地良さを感じるようにと願う。さらにはアプリの音声をぬいぐるみや可愛いロボットに語らせることで、感情的なものが一段上のレベルになる。

研究者たちも、人間とそのアシスタントたる AI との間に信頼を築く方法について研究を進めている。IBM の Rachel Bellamy は、今後五年以内に AI に対してなぜその推奨をしたかの理由を尋ねることができ、AI が答えられるようになると予想する。

このような素晴らしき新世界に負の側面もあることを示したのが、音声 AI が「第四の販売チャネル」だと記したスライドだった。私が受けた印象は、これはつまり Siri や Google Assistant が情報に広告を混ぜるようになるのかということだった。異論もあろうがこれこそが Alexa の重要機能であり、そのスライドもそこに触れていた。

このプレゼンテーションの中で特に興味深かった瞬間は、Koenig が AI の実装例を説明しつつ、誰かが "sleep robot" を抱いて眠っている写真を示した時であった。Rohrbaugh が即座に「Steve、あなたはロボットと一緒に寝たいと思う?」と冷やかした。Koenig はたぶんそんなことはないとか何とか答えたのだが、聴衆は大笑いした。興味深かったのはその大笑いだ。つまり、部屋一杯に集まったテクノロジーマニアやジャーナリストたちが「ロボットと寝る」のを変なことだと思ったのだ。

でも実際、性的な目的のロボットを開発している会社もあるし (この記事でそこに踏み込むことはしないが、その種のテクノロジーは現実に存在する)、それが 2018 年には奇妙なことに聞こえても、1998 年の人に向かってインターネットについて、お金を払って見知らぬ人の車に乗ることについて感想を聞いてみたらと想像してみるとよい。それはそれとして、完璧に一般向けのテクノロジーであっても人のプライベートな場所、例えば寝室など慎重に扱うべき領域に侵入するものについては、克服すべき障壁がある。新し物好きの人たちが大笑いしてしまうような製品は、大ヒットするとは思えない。

生体認証 -- 次に話題に上ったのが生体認証だ。これは、CTA が「デジタル感覚」と呼んで分類するもののうちの一つだ。新しい iPhone X で指紋認証が顔認証に変わったことに対して憤激の念に駆られる人たちが出現したのはほんのここ数ヵ月以内のことだ。問題は生体認証を使うか否かでなく、生体認証をどのようにしてどの程度頻繁に使うかだ。

そうは言っても、生体認証という考え方そのものに気まずい思いをする人たちが多いのには驚かされる。どこで使うかにもよるが、およそ半数の人たちがそう思っている。また、personal convenience (個人用利便性) の生体認証を歓迎するという答えがたった 46 パーセントというのはちょっと変だと思う。ここに Touch ID が含まれることに気付いていない人たちが多いのかなという気さえする。あと、監視のために生体認証が使われるのが素晴らしいと思っている人たちが 56 パーセントもいるというのは嬉しくない驚きだ。

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AR、VR、そして MR -- CTA の「デジタル感覚」カテゴリーのもう片方は、「再定義されたリアリズム」つまり拡張現実、仮想現実、複合現実 (それぞれ AR、VR、MR と短縮表示される) だ。AR は現実のシーンに情報を追加する。例えばスマートフォンがカメラを向けているレストランにそのメニューが上書き表示されるといったことだ。VR はあなたの周囲を作られた環境で置き換える。例えば Star Wars のビデオゲームのようなものだ。MR という用語を私は今年初めて聞いたが、これは仮想のオブジェクトを本物の環境の中に置く。例えば昨年 WWDC で実演されたゲームでは、机の上に未来的な宇宙基地が置かれた。この MR という用語が根付くか、それとも AR の一つの形だと見なされるようになるかはまだ分からない。

私は、AR と MR は私たちがまだ思い付きもしないようなやり方で今後ますます大きなものになって行くだろうと思う。それは、1990 年代になって世界中の誰にでも 無料で 電子メールを送ることができるインターネットというものがあることを人々が知った時代の状況によく似ている。

AR も同じ道を辿るだろうと私は自信を持って言える。おそらく何らかの種類の眼鏡を使って AR が一般的に使われるようになれば (いずれその眼鏡は今日の普通の眼鏡と区別がつかないものになるだろうが) 人々は今日のような拡張されない現実を見て、携帯電話や自動応答電話のない時代のことを私たちが思うのと同じように、何か足りないものがあると感じることだろう。(私も携帯電話のない時代を知っているが、自分がどうやって生き延びていたのだろうかと思う。)

まずは、あなたの眼鏡に内蔵された表示装置に Google Maps が映し出されるところを、しかもあなたが望む度に即座に表示されるところを想像してみよう。群衆の中で友だちを見つけたければ、X線表示に切り替わるのだ。その一方で、Koenig が指摘したように、今は誰もがスマートフォンを 見つめながら 下を向いて歩き回っている、人々がスマートフォンを 通して 前にある環境を見ながら歩くようになればどんなに良いだろうか!

VR については、一部の限定されたアプリケーション以外では社会の変革を起こすようなものになるかどうか疑問だと私は思う。医学では素晴らしい応用があって、例えば心的外傷後ストレス障害 (PTSD) の治療に VR が従来のやり方よりも早い回復をもたらすという実験が進んでいる。スポーツファンも自分の庭で試合が観られれば大喜びだろうし、もちろんゲームの世界では VR のさまざまな応用がある。既に Facebook が VR のグループ体験を実験している最中で、私の印象では Second LifeBlack Mirror のエピソードとを混ぜ合わせたような感じだ。

消費者を超えて -- 他方、私たちが拡張しつつある現実の側も賢くなりつつある。CES がその名称を従来の Consumer Electronics Show から変更したのは (そう、現在の正式名称はただ "CES" であって、これは略語ではない) ここで扱われるテクノロジーがもはや単なる個人向けのものに限られないからだ。

「スマートシティ」という用語が、少なくとも実験的実装段階では業界の流行語になりつつある。これは、都会的な一つの地域を丸ごと大きなデータの海として扱い、そこから情報を掘り出して処理することにより今よりずっと良い管理ができるようにするという考え方だ。一方では、道路にできた穴をそれがまだ小さいうちに修理できるように予定を立てることができる。どこにでもある監視カメラが穴を発見できるからだ。けれども他方では、市の役所が昼夜を問わずいたる所で監視していて、あなたが何をしているかの情報も取りまとめているということには、利点と同時に不都合も考えられる。

さらに考えを進めて、スマートハウスのデータを警察が取り込んで公共の安全のためのデータに組み込むようになれば何が起こるかを考えてみよう。スマートスピーカーのデータを「より良い安全」のために警察に引き渡すことに躊躇する政治家がどれくらいいるだろうか? Amazon は、Alexa のデータを引き渡せという警察からの要求に抵抗したが、それは Amazon が引き渡すことを強制する法律が存在していない法的管轄区域の中であったからこその話だ。将来には、きっとこのことが再び試される日がやってくるに違いない。

現在のところ、この「スマートシティ」という用語は非常に融通の利く使われ方をしている。私が今述べたような少々 Orwell 風の未来を意味することもあるが、米国運輸省が Smart City Challenge と読んだ類いの小さな第一歩を指すこともある。そう、都会の交通機関をより良いものにするのは非常に価値あることだが、これは全体的な概念の中のほんのちっぽけな一部分に過ぎず、しかもこのスライドが示すような大げさな表現に結び付けられ、実際の現状よりも私たちがずっと進んでいるかのような印象を与える使われ方をされがちだ。(スライドをよく見るとこのプログラムに受け入れられたのは黒く表示された都市のみ、しかもそれらの都市は単に調査を進めて計画を立てているだけで、実際に何かのシステムを構築している訳ではない。)

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以上、少しだけ未来を味見してみた。次回の記事では、既にここにある実際の機器のいろいろについて一つずつ見て行きたい。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2018 年 1 月 8 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Nisus Writer Pro 2.1.8 -- Nisus Software が Nisus Writer Pro 2.1.8 をリリースして、特定のフォントを使うファイルを保存したりロードしたりする際に macOS 10.13 High Sierra で起こったクラッシュを修正した。このパワフルなワードプロセッサはまた、Language 環境設定枠を訪れた際に (とりわけ何度も訪れた後に) 起こることがあったクラッシュを除去し、Malayalam 語が左から右へ書くモードを使うようにし、日本語テキストを読み込んだ際にテキストエンコーディングが正しく判定されず文字化けした問題を修正している。Nisus Writer Express 3.5.8 にも同じ修正が施された。(Nisus Software からも Mac App Store からも新規購入 $79、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、225 MB、リリースノート、10.8.5+)

Nisus Writer Pro 2.1.8 へのコメントリンク:

VMware Fusion 10.1 -- VMware が仮想化パッケージ VMware Fusion の標準版と Professional 版の双方にバージョン 10.1 をリリースして、Windows 10 Fall Creators Update での guest 対応を改善した。特に、Microsoft Office を使って編集後のファイルを VMware 共有フォルダに保存できなかった問題に対処し、また Unity 表示に切り替えたりそこから切り替えて出たリした後に起こった見栄え上の問題を除去している。

VMware によれば Intel Skylake プロセッサを持つ Mac (2016 年 4 月 19 日の記事“Apple、12-inch MacBook をアップデート、MacBook Air の RAM を増量”参照) と Intel Kaby Lake プロセッサを持つ Mac (2017 年 6 月 6 日の記事“Apple、iMac と MacBook ラインを増強、iMac Pro で興奮を誘う”参照) で macOS 10.13 High Sierra を走らせているものには既知の問題があるという。このバグにより、解像度が 4096 ピクセルより大きい場合に Windows 10 仮想マシンで表示上の不具合が起こるという。

VMware Fusion 10 の価格は標準版が $79、Fusion Pro が $159 (前回のリリースから $40 の値下げ) だ。Fusion 7, 8, または 8.5 のライセンスがあればアップグレード価格は $49 (標準版) と $119 (Pro) だ。2017 年 8 月 22 日以降にバージョン 8.5 を購入した場合は無料でアップグレードできる。無料の試用版を VMware ストアページからダウンロードできる。(新規購入 $79.99/$159.99、アップグレード $49/$119、バージョン 10 からは無料アップデート、470 MB、リリースノート、10.11+)

VMware Fusion 10.1 へのコメントリンク:

Default Folder X 5.2 -- St. Clair Software が Default Folder X 5.2 をリリースして、Open/Save ダイアログを拡張するこのユーティリティが iCloud Drive で動作する方法に改善を加えた。今回のリリースではまた、Compress コマンドを更新してファイルダイアログのファイルリストの中のどのサブフォルダ内部でも複数個の項目をアーカイブ保存できるようにし、ツールバーアイコンをカラーと白黒で切り替える環境設定を追加し、iCloud Drive 上のアプリケーション特定フォルダにそのアプリのアイコンをバッジとして付けるようにし、iCloud Drive 上のフォルダの表示とナビゲーションを修正し、macOS 10.13 High Sierra で iCloud Drive の最近使ったファイルやフォルダを正しく追跡できるようにし、ある状況で iCloud Drive フォルダが認識されなくなったバグを修正している。(新規購入 $34.95、TidBITS 会員には新規購入で $10、アップグレードで $5 の値引、7.0 MB、リリースノート、10.10+)

Default Folder X 5.2 へのコメントリンク:

Ulysses 12.2 -- Mac および iOS 用の人気の執筆アプリ Ulysses がバージョン 12.2 にアップデートされ、多数の Mac 特定バグが修正された。2016 年に Apple Design Award を受賞した Ulysses は最近、私たちの Markdown 対応エディタのアンケートで BBEdit と同点の評価を得た。(2017 年 7 月 26 日の記事“あなたの好みの Mac 用 Markdown エディタ”参照。)

2017 年 10 月にリリースされたバージョン 12.0 で、Ulysses は改行とタブを検索・置換できるようになり、マーク付けされたタグを HTML や EPUB に正しく書き出せるようになり、エディタのスクロールとサイドバーのリサイズの使い勝手を改善し、行を上下に動かすショートカットを追加した。

そして Ulysses 12.2 では高コントラストの D12 エディタテーマを追加し、その最先端のカラー使用法を Mac のデフォルトとした。またこのアップデートでは macOS 10.13 High Sierra で印刷する際のクラッシュを修正し、Typewriter Mode でのスクロールを改良し、画像プレビューの下の大きな段落スペーシングを修正し、クリップボード専用アプリ (例えば Paste など) からコンテンツをペーストする挙動を改善し、ショートカットを使って段落を動かす際に常にエディタをスクロールするようにしている。

Ulysses は購読モデルに移行済みで (2017 年 8 月 10 日の記事“Ulysses 執筆用アプリ、サブスクリプションによる価格設定に移行”参照)、月額 $4.99 または年額 $39.99 で Mac 用と iOS 用双方のアプリにアクセスできる。(学生割引も $10.99 で利用できる。) Mac App Store から入手でき (14 日間はすべてのデバイスで無料試用できる)、また月額 $9.99 の Setapp Mac アプリ購読サービスの一部としても利用できる。(購読年額 $39.99、無料アップデート、21 MB、リリースノート、10.11+)

Ulysses 12.2 へのコメントリンク:

ScreenFlow 7.2 -- Telestream が ScreenFlow 7.2 をリリースして、このスクリーンキャスト録画およびビデオ編集アプリが部分的スクリーンキャプチャをリサイズする際に縦横比を保持するやり方を改善した。今回のアップデートではまた、字幕トラックを再生するショートカットを追加し、Google Drive ディレクトリの表示を改善し、選択した領域をクリックして出るコンテクストメニューに Clear In と Out Points を追加し、クリップの中で選択された領域の長さをミリ秒の単位で表示するようにし、Automatic Export タイプが低い解像度に対応しなかったバグを修正し、Publish および YouTube カテゴリーをローカライズし、Facebook と Vimeo のための API をアップグレードしている。(Telestream ウェブサイトからも Mac App Store からも新規購入 $129、バージョン 7 からは無料アップデート、アップグレード $39、56 MB、リリースノート、10.11+)

ScreenFlow 7.2 へのコメントリンク:

VLC Media Player 2.2.8 -- 昨年の 11 月、VideoLAN は VLC 2.2.7 をリリースして、macOS 10.13 High Sierra での互換性の問題に対処し、ASS 字幕のデコードの際の不具合を解消した。このオープンソースのメディアプレイヤーはまた、AVI の read/write オーバーフローを修正し、AAC 7.1 チャネル探知の際の問題点を解消し、libavcodec モジュール (VLC 内蔵のデコーディングエンジン) のクラッシュに対処した。その後出されたバージョン 2.2.8 は一件のバグを修正した。

VLC 2.2.7 はまた、このアプリのアップデート過程で起こったクラッシュを修正した。このため、古いバージョンの VLC からバージョン 2.2.8 への自動アップデートが働かない可能性がある。もしもそうなれば、VideoLAN ウェブサイトから最新バージョンをダウンロードして頂きたい。(無料、35.1 MB、リリースノート)

VLC Media Player 2.2.8 へのコメントリンク:

SEE Finance 2.0.2 -- 12 月初めに、Scimonoce Software は SEE Finance 2.0 をリリースした。この個人財務アプリへのメジャーアップデートで、同社の新しい iOS 用アプリと共にビルドし直された。新機能としては、インライン取引入力、iCloud Drive 上のファイル保存への対応、名義変更取引の自動作成および更新、取引のカレンダー表示、取引タグなどがある。この新リリースではまた、投資取引の入力と追跡を改良し、新しいレポート機能を追加し、予算機能を改良し、デザインし直された Scheduled Transactions に新しい "pending" 取引オプションを付けている。SEE Finance 2 から macOS 10.12 Sierra またはそれ以降を要するようになった。バージョン 1 の最小システム要件が 10.6 Snow Leopard であったのに比べれば大きな変化だ。

12 月の終わりに SEE Finance はバージョン 2.0.2 にアップデートされ、重複取引のチェック機能を改良し、レポート用の CSV ファイル書き出しを改善し、ダウンロード接続用に送信する日付が変わってしまったバグを修正した。

SEE Finance 2.0 は基本的に完全に新しいソフトウェアなので、Scimonoce Software は同社の Upgrade ページで、バージョン 1 にあった機能のいくつかはバージョン 2 でなくなったと述べた。具体的にはローン償却スケジュール、取引フィルター、取引の記憶、自動ファイルバックアップ、組織のウェブサイトからファイルをダウンロードするための内蔵ウェブブラウザなどが使えなくなっている。Scimonoce Software はこれらの機能を将来のアップデートで復活させる予定だとしている。

Mac 用 SEE Finance 2 は Scimonoce Software ウェブサイトからも Mac App Store からも $39.99 (バージョン 1 より $10 安い) で入手でき、iOS アプリ SEE Finance 2 の価格は $4.99 だ。Mac 用アプリのアップグレード価格は設定されていないが、30 日間無料の試用版がある。また、期限は不明だが期間限定で現在 SEE Finance 2 は Scimonoce Software ウェブサイトで $29.99 のセール販売中だ。(新規購入 $39.99、バージョン 2 から無料アップデート、24.3 MB、10.12+)

SEE Finance 2.0.2 へのコメントリンク:

MoneyWiz 2.7.1 -- 12 月初めに、SilverWiz は Mac 版の MoneyWiz 2.7 をリリースして数多くの改良を施すとともに、付随する iOS アプリに iPhone X での Face ID 対応を追加した。この個人用財務マネージャはまた、株価アップデートの際に Yahoo から入手可能な (ただし履歴データがない) 株価データを使って手動でアップデートできるようにし、自動スキップで取引の符号が変わってしまったバグを修正し、予算の一つを削除しても過去の期間の予算取引が残った問題を解消し、Yodlee 財務データ接続の速度を上げている。

その後 12 月中に、SilverWiz は Mac 版と iOS 版の MoneyWiz をバージョン 2.7.1 にアップデートして、SaltEdge 取引での重複探知を改善し、OB アカウントの接続を切る際のバグを修正し、いくつかのクラッシュを修正した。(年間購読 $59.99、無料アップデート、27.2 MB、バージョン 2.7 および 2.7.1 のリリースノート、10.8+)

MoneyWiz 2.7.1 へのコメントリンク:

1Password 6.8.5 -- AgileBits が 1Password 6.8.5 をリリースして、1Password Extension が Google Chrome ウェブブラウザとやり取りする方法を改良した。今回のアップデートではまた、豊かなアイコンがリクエストされる際のロジックを最適化し、1Password.com のアカウントプロファイルを定期的に更新して使用中のデバイスに正しい情報を表示するようにし、1Password mini プロセスに接続する際のタイムアウトを長くし、アプリ内購入の講読が 1Password.com アカウントに適用された問題を修正している。(from AgileBits および Mac App Store から新規購入 $64.99、または無料入手で月額 $2.99 か $4.99 の購読、無料アップデート、48.5 MB、リリースノート、10.10+)

1Password 6.8.5 へのコメントリンク:

Bookends 13.0.2 -- Sonny Software が Bookends 13.0.2 をリリースして、壊れた索引の自動修理機能を追加し (結果として再構築の勧めの回数が減る)、クラウド同期を改良して Apple からの認証リクエストの回数を最小化した。この文献参照管理ツールはまた、Copy Citation とスキャン機能を更新して Microsoft Word 16.x で働くようにし、Google Scholar からの読み込みを更新して Google が施した変更に対処できるようにし、リンク先ワードプロセッサの探知を改良し、参照編集枠やウィンドウで PDF のページ番号が更新されなかったバグを修正し、タグが空白文字を含んでいてもメタタグ検索が働くようにしている。

参照情報最大 50 件まででフル機能の無料試用版が入手可能だ。2 年以上前に Bookends のライセンスを購入した人は (Bookends ライセンスは 2 年間の無料アップデートを提供する) $39.99 を払ってバージョン 13 にアップグレードできる。(新規購入 $59.99、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、アップグレード $39.99、45.1 MB、リリースノート、10.9+)

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ExtraBITS、2018 年 1 月 8 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の ExtraBITS では、Chase Freedom が Apple Pay ユーザーにキャッシュバックを提供し、Apple がこれまで小規模の企業を苦しめていた App Store のルールを緩和する。

Chase Freedom、Apple Pay の利用に 5% のキャッシュバックを提供 -- Chase Freedom クレジットカードを持っている人は 2018 年の最初の三ヵ月間、Apple Pay (あるいは競合他社の Chase Pay、Android Pay、Samsung Pay) を使った買い物額合計最大 $1500 までに対して 5% のキャッシュバックを受けることができる。ただし、そのためには Chase のウェブサイトでキャッシュバックボーナスを有効に切り替えておく必要がある。

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Apple、テンプレート型アプリ制限を緩和、非営利団体開発者料金を無料化 -- 以前、Apple がテンプレートやアプリ生成器を使ってビルドしたアプリを禁止し始めたとお伝えした。けれどもその種のツールは、自前で開発者を雇う余裕のない小規模の企業や団体にとって不可欠のものだ。多くの批判を受けて、Apple は今回そのルールに妥協を組み込んだ改訂を施した。テンプレート型のアプリは、アプリ生成器を作った会社でなくコンテンツを提供する者が発行するものである限り認められる。そのため、それらの団体は年額 $99 の Apple Developer Program 会費を支払わなければならない。これとは別に、Apple は非営利団体や政府機関向けの開発者料金を 2018 年早いうちに無料にする予定だと発表した。

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日本語版最終更新: 2018年 01月 13日 土曜日 , S. HOSOKAWA