TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1402/29-Jan-2018

今週の特大号の TidBITS で、Jeff Porten が一連の CES 2018 報告記事を締めくくる。でも読むべきことは他にもたくさんある。Apple から、立て続けにニュースが届いたからだ。スマートスピーカー HomePod の(米国での)公式のリリース日が明かされ、macOS Server の多くの機能が廃止予定と発表され、同社のオペレーティングシステムが四つともアップデートされ、また登場予定の iOS 11.3 のプレビューが語られた。今週注目すべきソフトウェアリリースは BusyCal 3.2.8、Bookends 13.0.5、Logic Pro X 10.4、macOS Server 5.5、iTunes 12.7.3、Safari 11.0.3、それにセキュリティアップデート 2018-001 (Sierra および El Capitan) だ。

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HomePod が 2 月 9 日に登場、マルチルーム・オーディオの登場は年内

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

待ち望まれた Apple のスマートスピーカー HomePod が、2018 年 2 月 9 日に登場することが発表された。米国、英国、およびオーストラリアで、現在予約注文受付中だ。Apple が需要に追い付けていない他の多くの製品とは違って、予約注文が始まってから 3 日経った今になっても、注文に対する出荷の遅れはない。Apple によればフランスとドイツでは今春中に HomePod が登場するとのことだが、カナダをはじめ他の国でどうなるかは一切発表されていない。価格は $349 で、色はホワイトとスペースグレイがある。

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HomePod が登場したら Amazon Echo や Google Home など他のスマートスピーカーは吹っ飛ぶに違いないと期待している人は、期待外れを覚悟しておく方がよい。私たちが HomePod について知っている限り、SiriKit 経由で iPhone か iPad を利用しなければサードパーティのサービスにアクセスできないが、その点 Echo ではデバイス上に新たな "skills" をインストールできる。その上、Echo の方は既にマルチルームのオーディオを提供しているのに、HomePod はステレオサウンドで複数のスピーカーをリンク付けすることもできず、マルチルーム・オーディオは年内のいつかの時点で登場するとされているだけだ。同じように、2017 年 6 月の WWDC で約束されていた AirPlay 2 も、やはり「年内登場予定」となったままだ。Business Insider に、その他 HomePod にできないことがリストされているが、複数ユーザーの認識機能もその一つだ。

では、HomePod は何が売りなのか? Apple はサウンド品質を主たる売り文句として、7 つ並んだツイーター(高音域用スピーカー)と広可動域のウーファー(低音再生用スピーカー)を宣伝する。(可動域とは、スピーカーのコーンが静止状態からどれだけ遠くまで動くかの距離のことだ。) HomePod には他にも 6 基のマイクロフォンと、あなたの声を解読する A8 チップが搭載される。

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Apple は、HomePod が Apple Music や HomeKit といった Apple のサービスと統合されることも強調する。それらのサービスと直接のやり取りができるからだ。また、Apple TV や iPad と同じように HomeKit ハブとして HomePod を使うこともできる。

HomePod を使うために Apple Music 講読は要件ではないが、HomePod をフルに使いこなすにはやはり Apple Music を講読したくなるだろう。講読しなくても Siri を使えば、購入済みの iTunes 楽曲やポッドキャストを再生したり、Beats 1 ラジオ局からストリーミングしたりできる。ただし、HomePod はどうやら Home Sharing に対応していないらしく、そのためそれ単体で再生できる音楽はあなたが iTunes Store から購入したもの のみ に限られる。それ以外のものについてはすべて、Mac または iOS デバイスから AirPlay を使ってオーディオを HomePod に流せばよい。Apple TV や AirPort Express でするのと同じことだ。iMore の記事で、Serenity Caldwell が HomePod にできることとできないことを要約している

現時点で分かっていることの一つが、上面に搭載されたごく小さなディスプレイだ。これは Siri のフィードバックと、手動でのやり取りのためだけのものだ。Apple から、この HomePod のタッチコントロールのガイドが出ている。

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おそらく Apple は HomePod を Amazon Echo に対抗する同社からの答としてよりも、むしろ家庭用の AirPod として見てほしいのだろう。そうだとすれば、現状の Apple の宣伝戦略ではあまり良い売れ行きが望めないのではないか。それに、モノラルのスピーカーをサウンド品質をメインに売り出すというのは、少々奇妙な気がする。Apple ファンもオーディオ愛好家も、どちらもなかなか手強い相手だ。その両方に属する人たちなら、ますます手強いだろう。

Siri は、2011 年に Apple が再スタートさせた時点では競争相手の一歩先を行っていたが、今や後れを取りつつある。今年の CES の会場を眺めるだけでもそれは一目瞭然だ。想像し得る限りのあらゆるデバイスの中に Alexa が埋め込まれていたのだから。(想像を超えたものもあった、2018 年 1 月 19 日の記事“2018 年に出る HomeKit ハードウェア”参照。)

Apple コミュニティーのいたる所で、HomePod への熱狂は沈黙へと変わったかのように見える。開発者 Marco Arment も、「HomePod の発表のどこを見ても Apple の自信が見て取れるものが一つもないなら、どうやって私たちがこれに熱狂しろというのか」と語った。

Daring Fireball の John Gruber でさえ、懐疑的な意見を述べた:

同じ家の中にいる複数の人たちを、どういう風に扱うのか? この重大な質問への答えがなければ、人々が競って大枚 $349 を出し始めることはないだろう。今回の状況はちょうど、その昔の 2001 年に Apple が iPod を新発売した際に、クリックホイールをどのように使うのか、どうやって iTunes から音楽を同期するのかといったことを一切説明することなしにただ「信じてくれ、こいつは素晴らしいから!」としか言わなかった状況によく似ている。

これは痛烈だ。だからと言って HomePod が素晴らしいものでないということにはならないが、ここまでのところ Apple から来るメッセージは迫力に欠け、製品のスタートとしては途方もなく場当たり的な感じがする。当初予定されていた出荷日に間に合わず、最初の発表から 9 ヵ月も経ってようやく出荷され、しかもいくつか重要な機能が未搭載 (!) では、どう見ても良い兆候ではない。

私たちスタッフのうち何人かはテスト目的でできる限り早く HomePod を入手するつもりだが、読者の皆さんには初期レビューが読めるようになり、実際にユニットを目の前にして試し聴きできるようになるまでは、予約注文せず待つことをお勧めしたい。

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Apple、iOS 11.2.5、macOS 10.13.3、watchOS 4.2.2、tvOS 11.2.5 リリース

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst, Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple が同社のメジャーなオペレーティングシステムすべてにアップデートをリリースした。iOS 11.2.5、macOS 10.13.3、watchOS 4.2.2、tvOS 11.2.5 だ。iOS について大きな点は、登場予定のスマートスピーカー HomePod (2018 年 1 月 23 日の記事“HomePod が 2 月 9 日に登場、マルチルーム・オーディオの登場は年内”参照) のサポートと、Siri がニュースを読み上げられるようになったことだが、その二点を別にすれば今回のアップデートはどれも皆マイナーで、興味深いことがあるとすればセキュリティ関係のニュースだろう。

そのセキュリティ関係では、四つのアップデートのいずれも、Google Project Zero の Jann Horn が発見したカーネル関係の脆弱性を解消している。Horn 氏は Meltdown および Spectre 脆弱性 (2018 年 1 月 5 日の記事“Apple、Meltdown と Spectre 情報とアップデートをリリース”参照) を見つけ出した研究者だ。

今回の場合、詳細情報の公表はまだ控えられているが、これは影響を受けるすべての者がパッチをリリースできるまで公開はされないということだ。裏を返せば、それは今回の脆弱性がそれだけ深刻なものであることを意味している。

もう一つ重要な点として、悪意を持って作成された URL を含むメッセージを処理すると iOS、macOS、watchOS の Messages アプリがクラッシュしたり正常に動作しなくなったりするという最近報告されたバグ (2018 年 1 月 17 日の記事“Messages アプリが新たなクラッシュするリンクのバグに悩む”参照) が修正された。

これらのアップデートはいずれも比較的マイナーなものだが、セキュリティ修正にますます重要度が増していること、最近見つかった脆弱性が深刻なものであることを考えれば、できるだけ早くアップデートするのが良いと思われる。

iOS 11.2.5 -- iOS 11.2.5 アップデートは iPhone X 上では 178 MB、また 10.5 インチ iPad Pro 上では 163 MB で、Settings > General > Software Update から、または iTunes 経由でもインストールできる。さきほども触れたように HomePod 対応が大きなニュースだが、リリースノートにはただ単に「HomePod の設定すると [原文ママ] Apple ID、Apple Music、Siri、Wi-Fi の設定が自動で転送されます」と書かれているだけだ。

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もう一つの新機能は、"Hey Siri, play the news" と頼むだけで Siri にニュースを読み上げてもらえるようになったことだ。Siri はスポーツ、ビジネス、ミュージックなど特定のニュースカテゴリーを提供することもできるが、あなたの胃が痛くなるようなニュースの読み上げを避けるための調整を、どうやら Apple はまだ Siri の人工知能に組み込んでいないようだ。

初めて Siri にニュースの読み上げを頼むと、Siri は Podcasts アプリを起動して NPR のフィードから最新のニュース総まとめを再生する。NPR のファンでない人は、Siri に命じて Fox News、CNN、Washington Post のいずれかに切り替えることもできる。スポーツニュースはデフォルトでは ESPN だが、NBC を選ぶこともできる。ビジネスニュースは CNBC だ。ミュージックニュースを頼むと、Siri は Music アプリを開いて Beats 1 Best of the Week を再生する。もっと他の話題が欲しいと言えば Siri は他のポッドキャストを探そうとするが、その結果はかなりバラバラのようだ。[訳者注: HomePod 対応も、ニュースの読み上げ機能も、現時点では米国、英国、オーストラリアのみのようです。]

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iOS 11.2.5 アップデートは、その他にもさまざまの問題点を修正している:

今回のアップデートではまた、VoiceOver が再生出力先と AirPods のバッテリー残量を知らせる機能を追加している。

最後に、iOS 11.2.5 は上で述べたものも含めて 10 件のセキュリティ脆弱性に対処した。

macOS 10.13.3 -- macOS 10.13.3 アップデートは Software Update の中で何とも膨大な 1.97 GB というサイズを示しているにもかかわらず、セキュリティ関係以外のバグ修正はたった 2 件しか示されていない。一つは Messages アプリで会話の表示順が一時的に乱れることがあった問題の修正で、もう一つは SMB ベースのファイルサーバへの接続時に Mac がフリーズすることがあったバグの修正だ。

私たちが推測できる限りでは、アップデートのファイルサイズが大きいのは修正された 15 件のセキュリティ脆弱性が存在していた場所によるものだろうと思われる。カーネルの中の問題もいくつかあった。

watchOS 4.2.2 -- リリースノートの中で、Apple は単に watchOS 4.2.2 が「問題の改善およびバグの修正」をするとしか述べていない。上に記したセキュリティ関係の修正が今回のアップデートの主内容であることは明らかだろう。watchOS のアップデートのインストールは非常に低速なので、Apple Watch を夜通し充電する次の機会にインストールしておくことをお勧めする。

watchOS 4.2.2 のダウンロードサイズは 56.7 MB で、iPhone 上の Watch アプリを通して (Watch > Settings > General > Software Update で) インストールする。いつも通りに、Apple Watch が充電器に接続されており、少なくとも 50 パーセント以上充電されており、かつ Wi-Fi 接続のある iPhone の通信範囲内にあることがインストールできる条件だ。

tvOS 11.2.5 -- 最後に、Apple は tvOS 11.2.5 もリリースして「パフォーマンスと安定性が全体的に向上しています」とだけ述べた。Apple TV 4K または第四世代の Apple TV に、Settings > System > Software Updates > Update Software からインストールできる。

他のオペレーティングシステムと同様、tvOS 11.2.5 へのアップデートはセキュリティが主たる理由だ。11 件のセキュリティ修正が含まれる。

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Apple、多くの macOS Server サービスを非推奨に

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple は "Prepare for changes to macOS Server" と題するサポートノートを載せた。そして、彼らは来るべき大きな変更について冗談を言っているのではなかった。"spring 2018" と予定されている macOS Server に対するアップデートで、Apple は 10 のサービスを新しくインストールしたものから隠すことで、これらを非推奨にすると言う。もしこの非推奨となるサービスの一つをもう既に設定済みであれば、アップデート後もそれを使い続けることは可能である。

将来の macOS Server リリースでは、Apple はこれを更に一歩進め、これらの非推奨サービスを削除するであろう。メッセージは明らかである - 代替策の検討を始める時である。

この非推奨となるサービスとは:

それぞれについて、Apple のサポートノートでは代替策に対するリンクを載せているが、Mac 管理者の世界でも、間違いなく更なる進言や考えが共有されるであろう。もし、未だこれらのグループの一つに入っていないのであれば、私は MacEnterprise メーリングリストMacAdmins Slack チームをお薦めしたい。

もし私の分析が間違っていなければ、macOS Server に残るサービスには以下の3つが含まれる (Apple は Software Update では除去するものに言及しないが、既に隠されているものなので、将来的には消される運命にあるのは間違いないであろう):

このリストは Apple の "macOS Server は、皆さんのネットワーク上のコンピュータ、機器、そしてストレージの管理により焦点を当てるべく変化していく" という声明と方向は合っている。

Krypted では、Charles Edge がこれ迄の Server におけるサービスの栄枯盛衰を追跡したページを掲載している。その数が最高に達したのは、もうずっと前の改版の時であり、それ以降は降下を続けている。その理由の一つは、Apple が幾つかのサービスを macOS に移して皆に使ってもらえるようにしたからである。主なものを挙げると Content CachingTime Machine Server がある。

最近の Apple の macOS Server に対する明らかな興味の欠如からして、Apple の発表に驚く人は殆どいないであろう。しかしながら、長い間 OS X Server や macOS Server.に依存して来た小企業に対しては穏やかでないメッセージを送ることとなり、多くの人の心を傷めることとなった。これら macOS Server の仕掛けを推奨し、設置し、そして維持して来たコンサルタントや IT 管理者は、macOS Server が一つの整合性のあるパッケージで提供して来た全ての能力を置き換えるのに必要な広範囲のアプリを、調べ、インストール、そして更新していかねばならないことに不安を覚えている。そして勿論、代替策が技術的には優れているとしても、そこに移行するには馬鹿にならない時間とお金の投資が必要となる。

皆さんは今 OS X Server か macOS Server をお使いですか? これらのサービスを失うことにどう対処するか計画をお持ちですか? コメントを通して教えて欲しい。

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Apple、iOS 11.3 変更をプレビュー、出るのはもう少し先

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst, Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

異例のことだが、Apple は iOS に対する小数点以下の改定である iOS 11.3 での変更のプレビューを報道公開した。この改定は北半球での春に予定されている。その内容は次の様なものである:

ARKit 1.5 -- ARKit は開発者が拡張現実アプリを開発するために使う枠組みである ("ARKit: 拡張現実、ゲームを超えて" 28 July 2017 参照)。iOS 11.3 で、Apple は ARKit 1.5は机や床といった水平面だけでなく、壁や扉の様な垂直面も認識することが出来ると言っている。居間で仮想のボールを使ってラケットボールをしても窓ガラスを割ったりすることもない! 新しいバージョンの ARKit は、不規則な表面をより良くマップし、標識やポスターといった実世界の 2D 画像を認識し、そしてカメラの利用も改善して、解像度を 50% 増としそして自動焦点をサポートすることが可能となる。

AR アプリはデモとしては良いが、爆発的ヒットとなったものは未だ出現していない。ARKit 1.5 での改善はその様なキラーアプリ制作の手助けとはなるであろうし、Apple が開発者向けの変更でこの報道公開の幕を落としたのは興味深いことである。

新しいアニ文字 -- iPhone X ユーザーにとっては選択出来るアニ文字が4つ増える:ライオン、クマ、龍、そして頭蓋骨である。アニ文字は技術的に言えば印象的で、iPhone X の顔認証能力に依存している、しかし、12 歳以上の人が実際に使うことなどあるのであろうか?

Business Chat -- そして、全く違ったものもある。iOS 11.3 はベータ版の Business Chat も導入する。これは、利用者が Messages アプリを通じて直接ビジネスと会話出来るようにする。それは恐ろしく退屈なものに聞こえるかもしれないが、Apple の例はもっと興味深い。この中で、顧客はスマート錠に対するお勧め品を見せて貰い、それを Apple Pay を使った会話の中で購入するというものである。初期のパートナーには Discover, Hilton, Lowe's そして Wells Fargo が含まれる。

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Business Chat の魅力は、Messages アプリの中で自分の連絡先情報を共有することなく、サポート係員と会話をしたり、予約を入れたり、そして購入したり出来ることである。加えて、チャットは何時でも止められる。Apple はこれを使って、Apple Support を Business Chat に加えるべきである。

電池と性能 -- 2017 年は、旧型 iPhone モデルで消耗した電池を持ったものが突然停止してしまうのを避けようと Apple が iOS 10 に静かに滑り込ませた性能抑制機能についての多くの騒動で終わった。Apple は電池入れ替えの値段を下げることで対応し ("Apple、iPhone のバッテリー問題を陳謝、交換費用を 29 ドルに値下げ" 3 January 2018 参照) そして電池管理機能を改善すると約束した。

iOS 11.3 は、その約束を守っている様に見える。iPhone 6 とそれ以降では、電池の健康状態を Settings > Battery で見られる様になる。また、Apple の電力管理機能がオンになっているかどうかも見られ、それがオンの場合オフにすることも出来る。実際問題として、この機能をオフにするのは良い考えとは言えないであろう - 強制的に停止させてしまうに十分な程遅くなっているのであれば、新しい電池に入れ替えるべきである。

Health Records -- Health アプリは、特定の病院からカルテ情報をダンウンロード出来る。Apple の発表を見れば病院の全リストが見られる。

現在進行形の健康問題を抱えている多くの人にとって、カルテに対して素早くアクセス出来れば文字通り命拾いになる場合だってあろう。一般的に健康な人にとっても、手術を何時したのかやどの投薬が過去に悪い副作用をもたらしたのかを調べられるのは歓迎であろう。

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勿論、問題は病院や医療機関は、自らの既存のシステムを FHIR (Fast Healthcare Interoperability Resources) と呼ばれる標準を使って患者のポータルと接続しなければならないことである。立ち上げ段階では 12 の機関しか登録していない - 我々もこの数字が急速に増えることを願っている。もしあなたが、米国の健康機関の IT 役員で、もっとこれについて知りたければ、Apple の Healthcare ページの一番下までスクロールするとメールリンクにたどり着く。そして、もし自分の医療機関でもこの機能を提供して欲しいと願うのであれば、彼らに同じページを見るよう伝えてはどうだろうか。

他の変更点 -- Apple が今我々に語ってくれていない小さな変更はもっとあるであろうが、取り上げても大丈夫なものは以下のものである:

July 2016 に、Google はほぼ全ての Android 機器が AML をサポートすると発表しているので、Apple が続くのは良いことである。AML の背後にいるグループ European Emergency Number Association によると、AML は他の緊急システムよりも遥かに精度が良く、時として 12 米以内の精度で場所を特定できるという。AML を米国でも使おうという検討がなされている兆しを我々は見ていないが、もしそれが既存のシステムよりもずっと良いのであれば、Apple と Google が共同して米国のセルサービスにそれをサポートするよう働きかけるというのもあるのではなかろうか。

また、ベータをテスト中の人が気づいた変更で、Apple が触れていないものも2つほどある。これらが最終リリースでも含まれるかどうかはわからない:

Apple は iOS 11.3 のリリース日を具体的にはしておらず、ただ "この春" としか言っていない。同社の最近のリリース品質を考えれば - Apple は iOS 11 に対してもう既に 10 のアップデートを出したことをご存知ですか? - 我々は 11.3.1 や 11.3.2 を数週間の内にダウンロードする必要がないようにしてくれるのであれば、喜んでもう少し長く待ちたいと思う。

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CES 2018: メインのショウは LVCC と Sands にて

  文: Jeff Porten: jporten@gmail.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

テクノロジー・マーケターで一流を目指すための、金曜日のとびきりの情報だ。電動モーター付きスーツケースを CES の聴衆に貸し出すなら、ケースの両面にあなたのブースの名前をとびきりデカい文字で書いておくべきだ。そうすれば、スーツケースにまたがった人がピューッと通り過ぎる度にまわりのジャーナリストたちがあなたを見つけられるだろう。私の場合、そういうものを見たけれども名前が分からなかったので、Google を使ってやっとそれが Modobag という会社の製品だろうと当たりを付けることができた。

人の目を引くテクノロジーと言えば、私が見た最高のものはショウのフロアでなくフロアのすぐ外に設置されていた Willy Wonka スロットマシンだった。

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このスロットマシンには四つのスクリーンがあり、ゲームのコントロールには通常通りのボタンに加えてタブレットと、タブレット上方の空中で 3D モーションジェスチャーを捉えるセンサーが使われる。これらすべてあなたから1ドル札をむしり取るためのものなのだが、テレビゲームのコンソールや大画面テレビに慣れ切った人々の心を奪うゲームを作り出すため、ギャンブル業界がどれほど多くのテクノロジーを駆使しているかと考えると非常に興味深い。

さて、もう一度 CES のフロアに戻って、この記事ではメインフロアの内容と、その他に私が別会場のミーティングで見かけたいくつかの興味深いものを紹介しよう。その次の記事では、ショウの締めくくりとして Eureka Park を紹介するつもりだ。Eureka Park は新興企業専用に用意された分科会会場で、多くの場合ここで最も興味深い製品が見つかるからだ。(2018 年 1 月 18 日の記事“CES 2018: Eureka Park、CES を締めくくる”参照。)

Other World Computing -- Other World Computing 別名 macsales.com は、ずっと以前から興味深い Mac 用製品の信頼できる供給源であった。この会社のブースがなかったなら、CES はたちまち供給不足の印象を呈するようになるだろう。この会社は今年で創立 30 周年を迎えるが、それは言い替えれば彼らが Macintosh IIx がホットな新製品だった時代から活躍していたということだ。(当時の IIx の価格を今日の貨幣価値に換算すれば $16,000 を超え、それに比べれば iMac Pro なんか超お買い得に見える。)

去年の報告では (2017 年 1 月 10 日の記事“CES 2017: CES 展示会場でのガジェット探し (1 日目と 2 日目)”参照)、OWC の発表の中で私は 2016 年型とそれ以降の 15 インチ MacBook Pro で使う DEC 拡張ドックに最も感銘を受けた。これはラップトップ機の底面に嵌め込んで使い、Apple が廃止してしまったいろいろのポートを復活させ、さらには実現されたことのないいくつかのものまで付けた。昨年の OWC はリリース日の約束を守れなかったが「できる限り早く」リリースすると約束している。また、OWC は DEC に二次的バッテリーを搭載したり、13 インチ MacBook Pro 用のモデルを出したりも検討中だ。

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そして今年、OWC の CEO Larry O'Connor が最も興奮して語ったのは、二つのハイ・パフォーマンス SSD ドライブ、Viper ThunderBlade と Envoy Pro EX のリリースだった。(私が OWC を好きな理由の一つだが、O'Connor は興奮してくるとまるで立て板に水を流すようにもの凄い速度でドライブの統計情報を喋り始めるのだ。まさにこれこそテクノロジー・ベンダーではないか。) この ThunderBlade は筐体の中に 4 基の SSD を備え、SoftRAID によるメッシュで一つのボリュームとして扱えるようにする。デュアル Thunderbolt 3 でデイジーチェーンも可能だ。最高速度は読み 2800 MB/秒、書き 2450 MB/秒を誇る。当然ながらこの高パフォーマンスは価格に反映され、1 TB 版が $1200、8 TB 版が $4999 となる。現在入手可能だ。

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Envoy Pro EX はバスパワー、シングル SSD 版の ThunderBlade と言うべきもので、速度は読み 2600 MB/秒、書き 1600 MB/秒だ。2 TB モデルが現在入手可能で $1700、残りの 250 GB、500 GB、1 TB モデルは近日発売予定だ。

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ストレージ量が膨大であればよいという人のために OWC は ThunderBay 4 RAID 筐体に Thunderbolt 3 を搭載してアップグレードした。デュアル Thunderbolt ポートも備え、さらには DisplayPort もあってモニタに接続できる。読み/書きの速度の記述はなかったが、これは自分のドライブを積み込んで使うからだろう。中身なしの筐体のみでは $600 で、4 TB ハードドライブ 1 基を入れたものが $850、それから 4 TB 刻みで進んで、最大では 48 TB の $3400 だ。

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他にも OWC の製品で注目したいのが Thunderbolt 3 Dock、カラーはホワイトかシルバーグレイで $299、それとデュアルディスプレイ Thunderbolt 3 アダプタ、これには DisplayPort 用 ($78) と HDMI 用 ($98) がある。このドックは Apple が使うものと同じ検出テクノロジーを使った初めての製品だと主張し、他のドックが検出できないモニタにも接続できる。デュアルアダプタの方は、ラップトップ機の速度に影響を与えることなくスクリーンを駆動できるハードウェアを内蔵している。いずれもデュアル 4K ディスプレイに対応し、デュアル DisplayPort アダプタとドックはシングル 5K ディスプレイを駆動できる。

最後に、iPhone 用の NuGuard KX ケースにも触れておこう。新製品だからという訳ではないが、講演の最中に Larry O'Connor が平然と彼の iPhone X を硬い椅子の表面に投げ付けて、製品の品質への同社の思い入れを強調してみせたからだ。

眼鏡用 Orbit Bluetooth トラッカー -- Bluetooth ベースのオブジェクトトラッカーは何年も前からあった。例えば Tile で自分の鍵や財布を追跡することができる。けれども Orbit は、私たちがずっと望んできたことをついに実現してくれる。トラッカーを、眼鏡のフレームに取り付けるのだ! その点以外は、競合製品に比べて多少値段が高いことを除けば、普通のトラッカーと同じように見える。キーホルダー、クレジットカード、あるいはステッカー式のものもあり、いずれもアプリで追跡できる。モデルによっては逆にスマートフォンを鳴らしてスマートフォンの方の位置を見つけられるものもある。いずれも現在入手可能で、眼鏡版が $40、カード版が $40、キーホルダー版が $30、ステッカー式が $25 だ。何個かまとめて買えば値引きになる。

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Sgnl であなたの手を受話器に -- Sgnl は素晴らしいアイデアだ。今持っている時計のバンドを $249 の Sgnl に取り替えれば、電話がかかってきた際に、Sgnl があなたの の骨伝導を通じて双方向オーディオを転送する。でも、私には三つの疑問が浮かんだ。1) $249 もあればとても素敵な Bluetooth ヘッドセットが買えるのではないか、2) 通話している姿が、タフガイが「俺に電話しろ」という国際的に通用するジェスチャーに見えてしまうのではないか、3) タフガイが「俺に電話しろ」という国際的に通用するジェスチャーで誰かが自分の手に向かって話しているところを見かけたら あなた はどう反応するか? きっと、Starbucks の店内で笑われてしまうだろう。それをものともしない人のために、Sgnl は「一・二ヵ月以内に発売」され、Apple Watch 用のコネクタも付属する。

ReliefBand 乗り物酔い止めリストバンド -- 手に向かって話すなんて吐き気をもよおすというあなた、両手に手首があるのは幸いなことだ。ReliefBand は、神経系に電磁波パルスを送り込むことによって乗り物酔いの症状を緩和できると主張する。私自身で試して実証するのは無理なので、こういう場合私はどうやって証明するのかと質問して、その答に注目することにしている。答が「何年間もの臨床研究があります」なら合格、「何十人もの人がそう言っています」なら不合格だ。ReliefBand は、少なくともそのチェックには合格した。ReliefBand は月末には入手可能となり、価格は $175 だ。使う際に必要な導電性ジェルのチューブが $15 する。

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Oska Pulse 痛み止め -- Oska Pulse もまた、私自身が検証できない主張をするが、こちらはチェックの質問をする必要もなく、ブースのテーブルの上に「臨床研究 part 2 of 2」と書かれた 4 インチもの厚さのバインダーが置かれていた。Pulse は PEMF と呼ばれるテクノロジーを使う。それはつまり... 神経系に電磁波パルスを送り込むのだ。この Pulse はかなり大きな楕円形で側面が平らになっている。痛みのある個所にこれを押し付けて、付属する圧縮包帯で固定する。CES で初お目見えしたのは Oska Pulse Active アプリで、あなたが痛みを感じた履歴と場所を追跡する。これは思ったより有益な情報だ。医者たちは、患者がデータを記録していないと文句を言うことがよくあるからだ。けれども宣伝用資料を見ると、Pulse に問題があることが分かる。女性が足に Pulse を取り付けてソファに座っている写真や、背中に Pulse を取り付けて台所に立っている写真があったが、そういう使い方なら構わないだろう。でも、背中に取り付けた状態でソファに座ったら具合が悪いんじゃないか? 現在入手可能で価格は $399、30 日間の返金保証がある。

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禁煙用 Cue アプリ -- Kiwi の Cue 🎁 は iPhone 用と Android 用のアプリで、もっと真実味のある健康増進効能を謳う。タバコを減らしたい、あるいは禁煙したいという人を手引きして、自分のペースでそれに向かえるようにするプログラムだという。あなたが現在毎日何本程度ニコチンを吸っているかを入力し、達成したい目標の本数も入力する。タバコを一本吸うたびに、そのことをアプリに書き留める。時が来れば、次のタバコを「吸ってもよい」とアプリが言ってくるようになる。(カッコを付けたのは、あなたが背くこともできるからだ。あなたがアプリに吸ったことを告げるだけだから。) 内蔵の帰納的 AI に基づいてこのアプリはそろそろ吸いそうなタイミングを見計らい、ここは止めておいた方が良いのでは、あるいはもう少し待ってと警告を出す。吸った際の即座の心理的報酬の代替としてこのアプリにはポイント付けシステムがあり、あなたが計画通りにふるまったり吸うのを遅らせたりすればポイントが付く。多くのポイントを稼げば、Amazon クレジットの形で数ドル程度を受け取れる。ポイントの金額は大したことはないが、タバコを 吸わなかった ことでささやかなエンドルフィンの迸りが得られる。現在このアプリはベータテスト中で、ウェブサイトではリリース後の無料試用へのサインアップをどうぞと呼び掛けている。プレス用資料にはリリース予定期日も価格がどうなるかも記載されていなかった。

Autonomous SmartDesk 3 -- AI が注入された転換可能立ち机と聞けば何だか Cyberdyne Systems みたいな感じを受けるが、Autonomous SmartDesk 3 には魅力的な機能が揃っていて仕事に集中できるようにしてくれる。その核心はモーター駆動のデスクで、ボタンを押すだけで座って使う机から立ち机に転換される。その上、内蔵の AI がそろそろ立つ方が良いのではないかと勧めてくれるし、それは Apple Watch のように単純に時間に基づいて提案を出すだけではなくて、あなたが集中できなくなったり疲れたりする頃合いを AI が見計らって、作業する姿勢を変えることであなたが集中し続けられるようにする。タブレットも組み込まれていて、ピザの配達から Uber の配車まで何でも注文でき、あなたの就業日の傾向に基づいてそういう注文の提案を判断してくれる。さらにこのアプリは配達サービスとも統合していてあなたの注文履歴を把握し、メニューから選ぶ暇もないほど忙しい場合には、ボタン一つでいつものお気に入りを注文できる。タブレットに天気予報やカレンダーが表示されるのはもはや言うまでもないだろうし、スマートデバイスに情報を送ることで部屋の照明を変えたり、コーヒーをいれたり、音楽をかけたりすることさえ可能だ。現在入手可能で、価格は $549 からだ。

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Gamevice -- 私はそれほどゲーマーではないが、Gamevice 🎁 の背景にあるアイデアはとてもクールだと思う。iPhone や iPad の両側面に Nintendo 風の左右分割コントローラを取り付けて使うのだ。理論的には、MFi コントローラに対応するアプリならばどんなものでもこのジョイスティックやボタンやパッドが「そのまま使える」はずだ。使わない時には、iPhone 用の Gamevice はトランプカード 3 枚か 4 枚程度の厚みに折り畳むことができる。$80-$100 で現在出荷中だ。

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Royole フレキシブルディスプレイ -- Royole は最近何年間かのショウで同社の Moon ウェアラブル 3D ビデオヘッドセットを展示してきたが、私がそれを紹介しなかったのは、厄介にも TidBITS 出版者の Adam Engst がレビュー用に既に持っていたからだ。[まだレビュー記事を書いていないのは Netflix でオーディオ同期にどうしようもないバグがあって、ごく最近になってやっとそれを解消するソフトウェアアップデートを Royole が出したからだ。-Adam] テクノロジージャーナリスト倫理に関する国際的行動規範によれば、その状況で私がレビューをすることはできない。それはさておき、Royole のフレキシブルディスプレイ・テクノロジーに私は感銘を受けた。巻いてロール状にしたり、折り曲げたりできる厚さ 0.01 ミリメートルのディスプレイだ。半径 1 ミリで折り曲げてもピクセルは一つも傷付かず、資料によれば 50,000 回折り曲げても壊れないという。現時点で Royole が作っているこの種の「スクリーン」は最大でもタブレットサイズまでで、解像度はインチあたり 300 から 400 ピクセルのものだ。これではまだ買おうというレベルに達していないが、きっと CES 2020 では何か驚嘆すべき製品に組み込まれることだろう。

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CES 2018: Eureka Park、CES を締めくくる

  文: Jeff Porten: jporten@gmail.com
  訳: 清水 史彦 <qff01604@nifty.com>訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

明らかに、水曜日の CES からの最大のニュースは、このショーそのものについてであった。Las Vegas Convention Center での 2 時間の停電が国際的な見出しとなり、大手の会社は Twitter 上で不機嫌になった。少々驚きなのは、停電を引き起こすのに、雨だけで充分だったということだ。と言うのは、Las Vegas が、砂漠地帯であるとは言え、1 月に激しい土砂降りに見舞われることは、珍しいことではないからだ。

このことによって、私は、Las Vegas における発電について興味を持った。と言うのは、CES は、とてつもない量の電力を消費しているに違いないし、そうした電力消費の全てが StripDowntown Las Vegas の主要なライト・ショーと並行して行われているからだ。(CES が昼間に開催される一方で、ライト・ショーは夜に行われるというのは、もしかすると良いことかもしれない。) 唯一つのホテルが、世界で最も明るいライト・ビームを有しており、これは、稼働に際し、351 kW を必要とする。そして、伝えられるところによれば、275 マイル離れたところにある飛行機から見えるそうだ。Las Vegas の電力使用について判断するのに、私が見つけることのできた最も良い比較は、米国の人口の中で、ここに住んでいる人の割合は 0.40%(130 万人) で、当地の発電量の全米比率 (0.46%, 4.4 ギガ W) よりも少ないということだ。余分の 0.06% は 0.58 ギガ W (注 1) で、4 台以上のフラックス・キャパシタで時間旅行を駆動しても充分な量だ。(注 2)(訳者注 1: 原文では、5.8 gigawatts となっているが、計算間違いだと思われるので、0.58 ギガ W とした。訳者注 2: これは筆者のジョークである。フラックス・キャパシタは、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズに登場する車型タイムマシン「デロリアン」に搭載されている次元転移装置で、1955 年 11 月時点で、4 台のデロリアンが存在していたことになっている。)

この停電は、私には影響を与えなかった。なぜなら、私は、その日の一部は、風邪から回復するのに過ごしたし、残りは、Eureka Park、すなわち、Sands Convention Center でのショーの分科会の区域で過ごしていたからだ。長年、Eureka Park は、クールな製品の割合が最も高く、何マイルも歩いて見ることになるが、今年も例外ではなかった。Eureka Park でデモを行なっている会社は、全てベンチャー企業だが、だからと言って、彼らの製品が、メイン・フロアで展示されている製品に比べて、出荷される可能性が低いということにはならない。ここでのブースの多くは、国、市、あるいは、大学がスポンサーになっている「パビリオン」の一部で、それは、彼らが軌道に乗るのを助ける事業開発ネットワークによって、彼らが支援されていることを示している。

7NEXT の PUP ポータブル・スキャナ -- これは、CES 本当に有用であろうと思われる、そうした CES ガジェットの一つだ。PUP は、コンパクトなポータブル・スキャナで、スキャンしたいと思う文書をポイントするものだ。この製品の賢いところは、文書上に、目に見える赤いレーザーのグリッドを表示するところだ。このため、スキャナが全てを取り込もうとしており、正しい準備が行われていることが確認できる。PUP は、Wi-Fi につながっていて、カラーの小さなディスプレイに、画像の送り先が表示される。画像は、このデバイス上に保存したり、ネットワークを経由して転送したり、あるいは、Dropbox やメールのようなサービスに送ることができる。一度バッテリーを充電すれば、2,000 ページ以上、使うことができる。出荷は、2018 年 4月で、389 ドルだ。Web サイトで、これは、メートル制のあらゆるサイズの規格に対して有効だと述べていることに注意してほしい。これは、米国の紙のサイズが、まだ加えられていないことを暗に示している。

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子供用スマートウォッチの Wanderwatch -- あなたのお子さんは、自分の携帯を持つには早すぎるし、Apple Watch は、あまりに高価で複雑すぎる。こうした小さなお子さんのために、Wanderwatch がある。これは、子供のために設計されたスマートウォッチで、両親もその輪の中に入るものだ。これにはゲームが組み込まれているが、それは、子供たちを外に連れ出すようになっている。つまり、子供たちは、その時計を使って遊ぶのであって、時計の上で遊ぶのではないと考えられている。内蔵されている Wi-Fi、GPS、そして、3G によって、子供たちは両親とつながっており、誰もが、アイコンを走り書きすることによって双方向に通信可能だ。Wanderwatch は、携帯のデータ通信を使うので、T-Mobile から、25 ドルでプリペイドのデータの塊を購入することになる。Wanderwatch の人たちは、年に 3 回そうしなければならないかもしれないと考えている。ただ今、「数量限定」で、199 ドルで出荷中だ。

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グローバル・テザリング・ホットスポットの We.stream -- We.streamは、長年温められてきたアイデアだ。これは、グローバルなセルラー・モデムであり、100 ヶ国以上の国で、150 Mbps までの帯域で、オンライン接続のために使用することができる。179 ドルの We.stream は、携帯の外付け予備バッテリーも兼ねていて、ローミングの際には、自分の SIM を差し込むか、あるいは、cloud SIM テクノロジーを使うことができる。そして、注目すべきなのは、VPN を内蔵している点で、この VPN によって、データは常に確実に暗号化される。月 2 GB のデータ通信が含まれていて、それを超過すると、その月の残りの期間、通信速度が 128 Kbps にまで絞られる。また、追加で、1 回限りの 30 日間のデータ・プランがあり、99 ドル (2 GB)、199 ドル (5 GB)、または、299 ドル (10 GB) だ。だが、最も面白いのは、399 ドルのプランで、このプランでは、無制限のグローバル・データ通信が1 年間提供される。最初の月にそれを注文すると、たったの 249 ドルでそれを手に入れることができる。ただ今入手可能だ。そして、その通り、We.stream は、セルラー通信が装備されたケースに入った iPhone SE に大いに似ている。

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手話翻訳機の SignAll -- Google Translate、これは素晴らしいが、American Sign Language (ASL, アメリカ手話) を扱うことができない。SignAll、これは、ただ今、Galludet University (聾者および聴覚障害者の学生の教育に焦点をしぼった学校) で試験中であり、手話によるコミュニケーションを見て、それを英語に翻訳する 4 つのカメラを持つシステムだ。彼らの次の計画は、逆向きの翻訳を提供する画面上のアバターだ。将来計画には、ASL の方言をもっと上手く扱えるようにすることや、他の国際的な手話の種類を含める拡張が含まれている。まだ一般には入手できないが、SignAll は、社会実験へと誘うアプリケーションだ。

バーチャル・コーチの PocketConfidant -- PocketConfidant は、個人向けに成功をおさめているコーチに話をする体験を再現すべく設計された AIのチャットボットだ。あなたの会社、組織、あるいは、コミュニティが申し込みをして、PocketConfidant を従業員、メンバー、または、市民に提供する。こうした各集団は、集団に属する個人に達成してほしいと思う目標のコーチのために、独自のパラメータを設定する。だが、一度設定してしまえば、各自が AI と行う会話は、スポンサーとなった機関に対して秘密が守られる。会話は、あなたが既に使っているかもしれない個人的なチャット・チャンネル、例えば、Slack や Facebook Messenger で行われる。報道資料には、「私は、今日、仕事で本当に気力がわかない。」で始まり、AI がもっと詳細を尋ねる例が載っている。だが、資料には、期待されるような答えの類は記載されていない。コーチングの哲学は、アドバイスを授けるのではなく、むしろ、その人が自分自身の答えを見出すのを助けることだ。それが実際に何を意味するのか、私は分からない。もし、あなたのグループでこれを試してみたいのであれば、試しに、無料のトライアルに申し込むことができる。

Wiidii の個人秘書 -- 日々の生活で、もっと終わりのない支援のために、Wiidii があるのかもしれない。人々は、何十年もの間、24 時間年中無休の AI 個人秘書を夢見てきた。Apple は、1987 年、Knowledge Navigator のコンセプト・ビデオで、そのアイデアに対して、印象的な試みを行った。Wiidii は、同様のものを出荷しようとしていると主張しているが、それは、蝶ネクタイをつけたアバターによる完全な体験というよりも、むしろ、テキストによるやり取りを通じたものとなる。これは、問題が、ソフトウェアが扱うには過大である際に代理を務める人間のコンシェルジュと AI の組み合わせを使用する。そうした理由で、Wiidii が、広範囲におよぶ様々なサービスを自然言語処理で提供すると主張しても、私は、完全に懐疑的というわけではない。だが、私は、その組み合わせがどんなものなのか疑問に思う。人間の助力が過大であれば、サービスが拡大しない、採算が取れない、あるいは、コストが過大といったことになるだろう。価格設定については言及がなかった。なぜならば、価格設定については、個人秘書を従業員に提供する会社に狙いを定めているからだ。

インシュリン計算機の Diabilive -- インシュリンに依存する糖尿病者は大変だ。インシュリンの摂取量が多過ぎたり、少な過ぎたりすると、命にかかわる合併症が起こる可能性がある。摂取量の測定手法で広く使われているのは、感覚に基づく推測であり、これには遺憾な点が多い。MirambeauAppCareの Diabilive は、より良い手法を約束する。すなわち、このモバイルアプリを起動して血糖値を入力すれば、アプリが、個人の特性に基づいて、正確なインシュリン摂取量を教えてくれる。今日食べた食べ物や、これから行う予定の運動を追加で入力すれば、それに従って、インシュリン摂取量が調整される。月 20 ドルでのリリースを、2018 年 9 月に予定しているが、このスケジュールは、FDA による認可がタイムリーに行われるかどうかに依る。

e-Vone の高齢者モニタリングシューズ -- CES は、今年、高齢者支援テクノロジーに溢れていた。そして、私は、そのいくつかを自分の記事の題材にできるのではないかと期待していた。だが、そのほとんどは、的外れであった。私がガッカリだと思うようなテクノロジー (例えば、種々のロボットで、高齢者に受け入れられるかどうか分かっていない) であるか、あるいは、大き過ぎて手に負えず、単一用途であるかのどちらかであった。転倒防止のために腰に装着するエアバッグがいくつかあり、その一つを購入することもできる。(もし、それが上手く機能すればだが。私は、苦痛に見えるライブ・デモを見たが、それは、上手く行かなかった。)けれども、あなたは、たった一種類のある特定の危険からあなたを守るデバイスを、常時装着したいと本当に思いますか?

e-Vone の靴は、身を守るものではない。だが、彼らのテクノロジーには、装着者にとって邪魔にならないという利点がある。靴に埋め込まれたセンサーが転倒を検知し、指定された支援者 (家族や緊急サービスを含む) に連絡する。これは、種々の家庭内モニタリング・システムに対する改善だ。と言うのは、靴は、あなたが行く所に付いて行くからだ。この靴はネットワークに頼っていて、このネットワークは、私にとってニュースであった。NarrowBand IoT と呼ばれている。e-Vone は、これが 120 ヶ国で動作すると主張しており、T-Mobile は、年間たった 6 ドルのプランで、年内に全米に展開することになっている。この靴は、いろいろなスタイルで登場し、値段はちょっと高い。すなわち、靴とサービスで月 30 ユーロ、あるいは、120 ユーロ前払いで、月 20 ユーロだ。ユーロという呼称から推測されるように、これは、2018 年 9 月に、ヨーロッパで立ち上がる。(だが、理論的には、ヨーロッパで買った靴は、その他の地域でも機能するはずだ) 米国での販売は 2 年先だ。

ウェアラブル・デバイスの Ripple Safety -- もう一つの手段としては、靴をスキップして、Ripple Safety 🎁 を身につけることだ。これは、ペニー硬貨よりも小さなボタンで、服にクリップ留めしたり、ポケットに入れて持ち運んだりすることができる。ボタンをクリックすると、Bluetooth 経由で、あなたの携帯を通じて、24 時間年中無休のチームとライブでつながる。3 回クリックすると、緊急警報が発せられ、チームは、あなたが事前に携帯で設定した指示に従う。だが、素晴らしいアイデアは、同社の非緊急時サービスだ。ボタンを 1 回クリックすると、チームが直ちに折り返し電話してきて、あなたが望むかぎり、電話をつないでおいてくれる。例えば、暗くなって、一人で自分の車に歩いて戻っている最中などだ。もし何かマズくなったら(あるいは、願わくはそうなる前に)、チームは直ちにそうと知って、あなたが必要とする助けは何でも呼ぶことができる。ボタンは 19 ドルで、サービスは、月 10 ドルだ。これには、バッテリーが消耗すると予定されている6 ヶ月ごとにボタンを無料交換することも含まれている。サービスをキャンセルしても、ボタンは引き続き動作し、緊急メッセージやあなたの居場所を友人に送ることができる。

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Invi 非暴力防衛ブレスレット -- たとえあなたが毎日昼も夜も電話できる友だちを持っていたとしても、何か良くないことが起これば、やはり助けが必要だ。私も何度か襲われたことがあるし、傷付けられたこともある。それでも私は一度も殴り返したことはない。いくら正当防衛だとしても、そんなことはしたくない。そういう風に考える人たちのために、Invi ブレスレットがある。ブレスレットの中に液体が詰まっていて、それが空気に触れるとひどい臭いを発する。どんな臭いかと聞いてみたら、担当者は文字通り言語に絶する臭いだと言っていた。つまり、襲ってきた者は誰でもすぐに他の獲物を探して逃げ出すだろうということだ。欠点としては、一つ 70 ユーロもするのに使えば一回限りだ。でも、たとえ一度も使わなかったとしても、これを身に着けているだけで心理的に安心感があるのが大きいのだろう。このブレスレットには誤って放出してしまうのを防ぐための安全ボタンが付いている。現在入手可能で、世界中のどこへでも送料はかからない。

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Aveine ワイン用エアレーター -- 野暮だと言われてもかまわないが、私はワイン愛好家たちがどうしてあんなにいろんなことを気にするのか全然分からなかった。ボトルを開けてからの劣化を防ぐとか (2018 年 1 月 9 日の記事“CES 2018: CES Unveiled でアヒルが配られる”参照)、グラスに注ぐ前に正しい量の空気に触れさせるとかいったことだ。(Coke を飲むときにそんな厄介な手間がかかったらどう思う?) なので、去年の CES でとても高価な 10-Vins D-Vine エアレーター (2017 年 1 月 11 日の記事“CES 2017: CES 展示会場でのガジェット探し (3 日目と 4 日目)”参照) を見た際には首を捻らざるを得なかった。でも、今回見た Aveine の Aveinologie には、少し分かるところがある。これは、あなたが持っているどんな瓶でも使える。このデバイスでワインのラベルをスキャンすれば、どれだけの空気に曝せばよいかを自動的に判断する。すると、あの厄介な「4時間待って空気を吸わせてください」などということは一切不要で、そのまま Aveine を瓶の口に取り付けてワインを注げば、即座に曝気処理が施される。2018 年 3 月 から $100 の Kickstarter 受付が始まり、6 月に $200 の値札を付けて発売される予定だ。おそらくワイン愛好家はどちらの機器を使うべきかのジレンマに向き合うことになるだろう。Coravin ワイン保護オープナーを使えば安心してグラス一杯だけワインを楽しめるが、たぶん曝気処理はされないだろう。一方 Aveinologie では理想的な曝気が施されるだろうが、一度に瓶を空けてしまう覚悟が必要だろう。

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Cauldryn 多目的トラベルマグ -- 「私のトラベルマグは素敵だけれど、マルガリータが作れないのが困る」と思った人のために、Cauldryn の製品がある。Cauldryn V2 🎁 シリーズは 16 オンス (約 470 cc) の断熱トラベルマグで、さまざまのアクセサリーが使える。例えばブレンダー、コーヒー・パーコレーター、あるいは飲み物を正しい温度に保つためのバッテリーも使える。また、コーヒーでスマートフォンを充電することもできる。(今のは私が生まれて初めて書いた文章だ。) デジタル文字表示とライトの点滅で、マグの中で何が起こっているかを知ることができる。Cauldryn V2 シリーズはそう遠くないうちに入手可能となる予定で、どのアクセサリーをマグと一緒に買うかによって価格は $130 から $150 程度となる。追加用の別売アクセサリーも $15 から $30 で販売され、Cauldryn では出荷日までにさらなるアクセサリーも発表したいと言っている。それまでの間は、$140 の Cauldryn V1 を代わりに使える。こちらはヒーターとバッテリーと AC アダプタのみが付いたトラベルマグで、ユニットを追加するモジュラー機能はない。

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Bonaverde コーヒーメーカー -- コーヒーの話のついでに、Bonaverde の Berlin コーヒーメーカーはもっと美味しいコーヒーがいれられるという。理由は、生のコーヒー豆からスタートして、それをローストし、グラインドし、カップにコーヒーを注ぐまですべてを 15 分から 20 分でできるからだ。理論的に、ローストしていない生の豆はいつまでも保存しておけるはずだ。劣化が始まるのはローストされた後だからだ。自分で豆を入手してもよいが、RFID 装備の生豆のバッグを一個 $1-$2 で Bonaverde から買って使えば、Berlin がその情報を読み取って正しい方法で豆を処理する。ブースの担当者によればバッグ一つでポット 5 杯から 7 杯分のコーヒーが作れるというが、ヨーロッパ人の言う「ポット 1 杯」は 40 オンス (1,180 cc) で「カップ 5 杯分」だが、私に言わせれば 40 オンスが「一人前」だ。サンプルを飲んでみたところ、なかなか美味しいコーヒーだと思ったが、うっとりするほど美味しいという感じはなかった。でも、食通に言わせれば私の味蕾は Starbucks に通う習慣のせいで駄目になっているのだろう。$799 で、現在入手可能だ。

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VR Timetravel 拡張現実ツアー -- 「とても興味深い AR の実例」に属するのが Digital Devotion Group の VR Timetravel だ。大きな都市では観光ツアーのバスがあって、あちこちで土産物店に連れて行かれるのをご存じだろうか? VR Timetravel はそんな観光バスの乗客のためにデザインされている。バスに乗って観光地へ行くのだが、好きな時にヘルメットを着用すれば、目前に見ているものが何世紀も前にどんな風に見えたかを眺めることができる。現在、この会社の本拠であるルクセンブルグのいくつかの地区で試用中だ。これが米国でも実現されたならば、すぐにでも Philadelphia や Washington に飛んで行って、これを着けて歩き回りたいものだ。

Lightyear One 太陽光発電電気自動車 -- 「見たら信じるよ」部門に属するのが Lightyear One、これは屋根のソーラーパネルから充電して走る電気自動車だという。その程度の面積でどの程度の電力が得られるのか疑問だとは思うが、Lightyear はバッテリーの再充電なしに何ヵ月も使えると主張する。詳細情報はほとんど何も明かされていないが、Lightyear を創立したのは 5 人の Solar Team Eindhoven 卒業生たちで、この学生チームは 2017 年に Darwin から Adelaide までの 3000 km をソーラーカーで争った Bridgestone World Solar Challenge の Cruiser Class 実用性部門で優勝している。だから、少なくともプロトタイプの世界においては、ちゃんとものの分かった人たちだ。Lightyear は最初の 10 台の自動車を 2019 年に 119,000 ユーロで販売する予定、2020 年には 100 台を生産するつもりだという。写真が Blade Runner 風の暗い仕上げになっているところを見ると、彼ら自身もまだ自動車の最終的な見栄えを確定させていないのだろう。

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Unistellar eVscope 拡張現実望遠鏡 -- 去年の私が Unistellar eVscope 望遠鏡にすっかり魅せられた (2017 年 1 月 11 日の記事“CES 2017: CES 展示会場でのガジェット探し (3 日目と 4 日目)”参照) のは、モーター駆動のこの自動化望遠鏡が拡張現実として NASA の画像を処理したものを重ねることができる点がとてもクールだと思ったからだ。まだ 2019 年初頭まで出荷されないが、2018 年 3 月から $1600 で先行予約販売が始まる。持ち運び可能なこの望遠鏡は三脚込みの重量が 15.5 ポンド (7 kg) だ。望遠鏡の技術情報について私は説明する資格がないので、こちらのサイトをご覧頂きたい。eVscope がライブで識別できる対象のデータベースにオブジェクトを追加するため、また人々がクラウドソーシングの科学プロジェクトに参加できるようにするため、Unisteller は SETI Institute との間に嬉しい提携関係を結んでいる。

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Hushme 音声プライバシー -- 通話を人に聞かれないため、また公共の場で他の人たちへの礼を失しないため、テクノロジーを使って円錐状の静寂域が作れればいいのにと誰もが思う。ただ、Hannibal Lecter 2049 みたいに見えてしまうのは誰でも嫌がるだろう。どうやら Hushme も同意見のようだ。ウェブサイトを見ても製品自体の写真とそれを首のところに置いている写真しかなかったので、実際に使っているところが分かるようにブースで撮った写真をここに載せておこう。それに、「若者たち」(若者って? 本当か?) が純粋に楽しみのためにこれを使うだろうと言うのなら、どうか私に AARP (全米退職者協会) の早期登録者カードを送って欲しいものだ。今どきの子供たちのことはさっぱり分からないから。まだすっかり気持ちが離れていない方々のために細かいことを言い添えると、これを使えば他の人たちはあなたが喋っているのは聞こえるが、何を話しているかは聞こえない。アクティブなサウンドキャンセル機能とオプションのホワイトノイズの組み合わせにより、あなたの会話があまり他の人の邪魔にならないようにできる。現在 Indiegogo で $189 で扱われているが、その「予定出荷日」が 2017 年 12 月となっていることに注意したい。プレス用資料からも、ブースでの会話でも、既に出荷が始まっているか否かは分からなかった。

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Schluss 人物確認プライバシープラットフォーム -- 1980 年代からずっとコンピュータとプライバシーの問題に関わり、それ以来私たちがますます不利な状況に追い込まれつつあると思う者の一人として、私は Schluss が気に入った。構想はこうだ。オンラインでどこへ行ってもデータの足跡を残し、やり取りしたすべての相手に自分の人物確認データを大量に、永続的に渡してしまうのを止めて、その代わりとして Schluss の人物確認を使うのだ。Schluss プラットフォームで、あなたは自分の個人的データのうちどの部分をデフォルトでオープンにし、どの部分を特定の相手のみがアクセスできるようにするかをあらかじめ指定しておく。その相手にとっての利点は、あなたが確認情報を常に最新のものにする (古くなった情報が残っているのは個人情報盗難のリスクに結び付くので、それは賢明なことだ) ので、相手とすればコストを掛けずにあなたのデータを必要に応じて得られる。第二の利点は、今後 Schluss が成長するに伴ってこのプライバシーコントロールのモデルが法規制の中に組み込まれることを同社は望んでおり、もしそれが実現すれば Schluss 準拠の会社が文字通りの意味でも比喩的な意味でも「フリー (無料/自由)」に規制の認可を受けられることになる。では、なぜ Schluss は信用できるのか? それは、ここが顧客を持たないからだ。顧客でなく会員のみを持つので、統治側も協力的になるはずだ。(オランダ人の創設者はアメリカ人が「非営利団体」という言葉を使う意味で言ったのだろうと思うが、それが法律的に正しい表現なのかどうか私は知らない。) 現在既に会員へのサインアップが始まっており、会費は「最小限」とのことだ。当初の目標は事業を継続するに十分なだけの収入を得ることだという。

Shleep 個人用睡眠プラン -- CES が終わったら、私は自分の枕で良い睡眠をたっぷり取って、払ったホテル代に見合うものを得たいと思う。でも、なかなか眠れないとおっしゃる皆さんのためには、個人用睡眠プランナー Shleep がある。(これもまた、名前が気に入ったというだけの理由でブースを訪れたくなる製品の一つだ。) Shleep は iOS 用と Android 用のアプリで、一連の質問をあなたに呈示し、その答えに応じてあなたがより良く休める個人用睡眠プランを示すとともに、よく眠れるコツを示した 5 分間のビデオを毎日見せてくれる。最初のビデオのタイトルは「スヌーズボタンとサヨナラしよう」で、余分に 20 回まばたきしても余計に眠れたと思うのは勘違い、9 分ごとに何度も起きても大して得るところはないと教える。月額 $10 または年額 $72 で現在利用可能で、早期導入者のために期間は不明だが早期割引料金がある。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2018 年 1 月 29 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

BusyCal 3.2.8 -- BusyMac が BusyCal 3.2.8 をリリースして、このカレンダーアプリに修正や改善を加えた。今回のアップデートでは To-do リストパネルにワードラップの環境設定を装備し、旅行の所要時間や天候探知を改良し、保留中の招待状やミーティングの更新を自動送信するようにし、オーバーフローするホリデーイベントのクリックを修正し、カスタマイズした CalDAV インストールの信用できる SSL 証明書の処理を改善し、iCloud カレンダーの名前が長過ぎる場合に同期に失敗した問題を解消している。(BusyCal は BusyMac からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、11.8 MB、リリースノート、10.11+)

BusyCal 3.2.8 へのコメントリンク:

Bookends 13.0.5 -- Sonny Software が Bookends 13.0.5 をリリースして、スキャン機能が最近リリースされたバージョン 16.9 の Microsoft Word 2016 (2018 年 1 月 21 日の記事“Microsoft Office 2016 16.9”参照) とも互換になるようにした。この文献参照管理ツールはまた、Attachments タブの中で PDF タブを使う機能に対応し、参照文献を切り替えた際に Attachments タブ中の PDF のスクロール位置を記憶するようになり、ローカル保存の PDF を見つけて添付する処理を改善し、PDF を切り替えた際に PDF のページカウントが更新されないことがあったバグを修正し、また Print to Bookends 機能を更新して macOS 10.13 High Sierra でも動作するようにしている。(新規購入 $59.99、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、アップグレード $39.99、46.8 MB、リリースノート、10.9+)

Bookends 13.0.5 へのコメントリンク:

Logic Pro X 10.4 -- Apple が Logic Pro X 10.4 をリリースして、このプロフェッショナル向けオーディオアプリに新しい機能や楽器を追加した。今回のアップデートでは Smart Tempo 機能が装備され、音楽を(それぞれの部分の元のテンポに関係なく)同じテンポで結合できるようになり、任意のオーディオファイルを追加してもそのテンポを自動的にプロジェクトのテンポに合わせられるようになった。また、数多くの新しいプラグインが加わり、主なものとしては ChromaVerb (豊かなアコースティック空間を作り出す)、Vintage EQ Collection (1950 年代から 1970 年代のアナログ EQ を再現した 3 つのモデル)、Retro Synth (18 個の異なるフィルタモデルを提供) などがある。

Logic Pro X 10.4 ではまた 2 つの Drummer (roots および jazz 風のブラシスタイルを演奏)、Drum Kit Designer 用の 2 つのビンテージブラシキット、さまざまな楽器とジャンルの 800 を超える新しいループも追加された。他にも何百もの拡張や改善が施されているが、Logic Pro X は今回からミキサーやプラグインのアクションを取り消せるようになり、Files Browser でお気に入りのフォルダの場所をブックマークする機能に対応し、ユーザーインターフェイスのアニメーションのオン・オフを切り替える環境設定項目を追加し、MIDI を録音中の Replace モードの挙動に 4 つの新しいオプションを導入し、Audio File Editor で Magic Mouse や Magic Trackpad を使ったズーム操作をよりスムーズにしている。(Mac App Store から新規購入 $199.99、無料アップデート、1.4 GB、リリースノート、10.11+)

Logic Pro X 10.4 へのコメントリンク:

macOS Server 5.5 -- Apple が macOS Server 5.5 をリリースして、多数のデバイスが登録されているシステムでの Profile Manager の全体的パフォーマンスを改善し、最小システム要件を macOS 10.13.3 High Sierra に変更した。今回のアップデートではまた、CPU 使用量が多くなってタスクが完了しないことがあった問題を解消し、デバイスを登録するタスクが完了しなかったバグを修正し、"Settings for Everyone" プロファイルがインストールされている場合に一部のデバイスのタスクが完了しないことがあった問題に対処し、また NetBoot イメージが提供できなくなった問題を修正している。これとは別に、Apple が macOS Server からいくつかのサービスを取り除く予定だと発表したことにも注意しよう。2018 年 1 月 26 日の記事“Apple、多くの macOS Server サービスを非推奨に”を参照のこと。(新規購入 $19.99、無料アップデート、194 MB、リリースノート、10.13.3+)

macOS Server 5.5 へのコメントリンク:

iTunes 12.7.3 -- Apple が iTunes 12.7.3 をリリースして、来たるべき同社のスマートスピーカー HomePod との互換性のための道を整えた。(2018 年 1 月 23 日の記事“HomePod が 2 月 9 日に登場、マルチルーム・オーディオの登場は年内”参照。) 今回の iTunes アップデートでは AirPlay メニューを改良して、ストリーミング用に HomePod を選んで Apple Music から次に何を再生するかをコントロールできるようにしている。いつもと同じく、もしも iTunes のユーザーインターフェイスや挙動で何か他の変化に気付かれたら、コメントに書き込んで教えて下さるとありがたい。(無料、直接ダウンロードでも Software Update 経由でも 264 MB、リリースノート、10.10.5+)

iTunes 12.7.3 へのコメントリンク:

Safari 11.0.3 -- Apple が Safari 11.0.3 を OS X 10.11.6 El Capitan および macOS 10.12.6 Sierra 用にリリースした。(OS X High Sierra 10.13.3 にもこれが含まれている、2018 年 1 月 23 日の記事“Apple、iOS 11.2.5、macOS 10.13.3、watchOS 4.2.2、tvOS 11.2.5 リリース”参照。) 今回のアップデートではメモリ処理を強化し、悪意を持って作成されたウェブページを処理すると任意のコードを実行される可能性があった複数のメモリ破損の脆弱性に対処した。Safari 11.0.3 は Software Update 経由でのみ入手できる。(無料、リリースノート、10.11.6+)

Safari 11.0.3 へのコメントリンク:

セキュリティアップデート 2018-001 (Sierra および El Capitan) -- Apple が macOS 10.12 Sierra10.11 El Capitan 用のセキュリティアップデートをリリースして、同社が 10.13.3 High Sierra で対処したと同じセキュリティ脆弱性 (2018 年 1 月 23 日の記事“Apple、iOS 11.2.5、macOS 10.13.3、watchOS 4.2.2、tvOS 11.2.5 リリース”参照) をパッチした。これら二つの旧版オペレーティングシステムではまた、Meltdown セキュリティ脆弱性に関するカーネル関係の問題点 (2018 年 1 月 5 日の記事“Apple、Meltdown と Spectre 情報とアップデートをリリース”参照) を解消するとともに、制限されたメモリをアプリケーションが読み取れる可能性があった Wi-Fi 関連の脆弱性も解消している。さらに 10.12 Sierra 用のセキュリティアップデートでは、悪意を持って作成されたオーディオファイルを処理すると任意のコードが実行される可能性があったメモリ破損の脆弱性に対処している。(無料、10.12.6 Sierra 用は 766.6 MB、10.11.6 El Capitan 用は 863 MB、セキュリティコンテンツリリースノート)

セキュリティアップデート 2018-001 (Sierra および El Capitan) へのコメントリンク:


ExtraBITS、2018 年 1 月 29 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の ExtraBITS では、iMore の Serenity Caldwell が HomePod のサウンド品質をプレビューし、Six Colors の Jason Snell が業界の専門家たちの評価を基に Apple の成績表を独自に作って公表した。

HomePod のサウンド品質を競合製品と比較する -- HomePod のオーディオ機能を詳細に分析できるようになるにはまだしばらく待つ必要があるが、iMore の Serenity Caldwell がこの Apple の新しいスマートスピーカーを使ってみた第一印象を述べる。彼女はこれを Amazon Echo、Google Home Max、それに Sonos One と比較してみて「とても良い印象を受けたと同時に、たった 7 インチの小さなスピーカーをリビングルームの音楽パワーハウスに作り上げた Apple の技術力に衝撃を受けた」という。他方欠点を言えば、HomePod に現時点ではステレオのペアリング、マルチルームのオーディオ、複数ユーザー対応、Apple Music 以外のサービスへのネイティブな対応などが欠落していると彼女は指摘する。

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2017 年の Apple: Six Colors からの通知表 -- これで連続して三年目になるが、Six Colors の Jason Snell が Apple を評価した彼なりの成績表を発表した。今年もまた、そのために 50 人の「ライター、エディター、開発者、ポッドキャスター、その他 Apple について考えることに多くの時間を費やす人々」を選んでアンケート調査をした。今年はそのグループの中に Adam Engst、Tonya Engst、Josh Centers、Michael Cohen、Jeff Carlson、Glenn Fleishman、Joe Kissell、Kirk McElhearn、Rich Mogull という TidBITS のスタッフたちや寄稿者たちが並んだ。全体として、このグループは Apple の 2017 年の成績を 2016 年より向上したという意見を表明したが、ソフトウェア品質、ハードウェア品質、また社会問題への対応などの点で評価が下がったところもあった。

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日本語版最終更新: 2018年 02月 03日 土曜日 , S. HOSOKAWA