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#1441: 新型の MacBook Air、Mac mini、iPad Pro; iOS 12.1 と macOS 10.14.1 が Group FaceTime を導入; 記録的な Apple Q4 業績だが売上数は伸びず

Apple は先週、新しいハードウェアを出し、すべてのオペレーティングシステムをアップデートし、力強い業績報告をして、すべての人たちの心を掻き立てた。まず、長らく待ち望まれた MacBook Air と Mac mini に新型モデルを出し、また新型の iPad Pro には Face ID を組み込むとともに従来より大幅に改善された Apple Pencil にも対応させた。これらの新しいハードウェアと並んで出た iOS 12.1 と macOS 10.14.1 には登場が遅れていた Group FaceTime 機能が付き、小さなアップデートながら watchOS 5.1.1、tvOS 12.1、HomePod 用 iOS 12.1 も出た。それから Apple の Q4 2018 業績報告がまたもや記録的な数字を叩き出したが、投資家たちは売上ユニット数が伸びなかったことと、Apple が今後は売上ユニット数を発表しないと述べたことに冷や水をかけられた思いをした。今週注目すべき Mac アプリのリリースは、Safari 12.0.1、セキュリティアップデート 2018-002 (High Sierra) と セキュリティアップデート 2018-005 (Sierra)、SpamSieve 2.9.34、ScreenFlow 8.2、Agenda 2.6、それに Luminar 2018 1.3.2 だ。

Michael E. Cohen Josh Centers  訳: 亀岡孝仁  

Apple の Q4 2018 業績、2018 年度を好調に終了、しかし販売台数は頭打ち

2018 会計年度第4四半期の業績発表で、Apple は、純利益 $14.1 billion (希薄化後1株当たり $2.91)、売上げ $62.9 billion を報じた。同社の売上げは前年同期比で 20% 増え、1株当たりの四半期利益は 41% 増えた ("Apple、好調な Q4 2017 業績を報告" 2 November 2017 参照)。

The iPhone still dominates Apple's Q4 2018 revenues..

今四半期の Apple の売上げに対する際立った寄与部門は Services 事業で、同社に $10 billion の売上げをもたらしたが、これはこれ迄で最高の記録で、前年比 17% の増加であった。Services の売上げはここ数年間着実に増加してきており、Apple の収入の中での重要性が年々増している。Apple はその全エコシステムで、現在 330 百万を超える購読者がおり、App Store でのサードパーティ購読は 30,000 に達すると言っている。

しかし、Services の売上げは素晴らしいが、Apple 売上げの首位部門ではない。予期される通り iPhone 販売は Apple の四半期売上げに最も寄与し、$37.2 billion の売上げを計上、昨年の $28.8 billion から 29% の増加となった。特記すべきは、この増収は基本的に iPhone の販売台数は頭打ちの中で起こったことである。最も論理的な説明は、iPhone X, XS, そして XS Max の販売価格の上昇である。言い換えれば、Apple は既存の顧客ベースからより多くを絞り出しているのである。

販売台数では横ばいか漸減にも拘らず、増収となる傾向は Mac にも当てはまる。Mac の販売台数は前年比 2% 下落したが (5.299 百万台対 5.386 百万台)、Mac の売上げは 3% 増加し、$7.41 billion を同社の総売上げに寄与した。これは Mac 売上げの記録でもある。

iPad は、Apple で前年比で、販売台数でも売上げでも下落した唯一の製品分門となった - 販売台数は 6% 下落、そして売上げは 15% 下落した。この販売台数下落に比べて比較的大きな売上げの下落は、より低価格の iPad の、今年初めに登場した $329 iPad の様な、占める割合が大きくなったことによるものと見られる。iPad 製品群に対する Apple の莫大な投資にも拘らず、単純に言って、このタブレットは同社の他の製品群の様には売れていない。しかし、iPad が大きな事業部門であることに変わりはなく、今四半期に $4 billion 以上を売り上げたし、Apple の Everyone Can Code プログラムの基盤の一つであり続けている。このプログラムには今や 5000 の学校が参加している。また注意して欲しいのは、これらの iPad 売上げの数字には、2018 iPad Pro は含まれないことである。何故ならば、これが登場したのはこの四半期が終わってからだからである。

iPad sales have been on the decline for six years.

CEO Tim Cook は Q4 を Apple Watch にとって記録の四半期となったと語ったが、それが実際に何を意味するのか我々には今だ分からない。しかしながら、Apple の Other Products 部門 - ここには Apple Watch, Apple TV, HomePod, Beats 製品、アクセサリ、等々が含まれる - は前年比で 17% の増収となっている。

Apple は国際市場でも好調で、その販売の 61% が米国以外から来ている。同社のそれぞれの国際市場セグメント、Europe から Greater China まで、からの収入は増加し、とりわけ Greater China の売上げは $11.4 billion で、前年比 16% の増加となっている。

今日の発表からの我々の結論:

Cook は、明らかに iPad が未来のコンピューティングだと信じているが、市場はそうは思っていない様に見える。これ迄にも輝かしい四半期が何期かあった - とりわけQ4 2017 - この製品に対する Apple の重点的な投資のおかげだが、しかし、過去数年間の全体的な傾向は iPad 販売の下降であった。もし新型 iPad Pro が流れを変えられなければ、iPad は究極的にはコンピューティングに対する未来ではなく、Mac や iPhone への単なる付加物であると Apple が認める時かもしれない。我々はこれらの数字を Q1 2019 に - ここにはホリデーシーズンが含まれる - 全体的な傾向がどうなるのかを見るために再度見直すつもりである。

残念ながら、Apple はその投資家電話会議の中で、四半期毎の販売台数の数字はもはや共有せず、将来的には売上げだけを報告する積りだと言った。そうなると、ある製品についてその健康度を見定めることはより困難になるであろう。と言うのも、売上げの数字は、不可欠ではあるが、考慮すべき事柄の一部にすぎないからである。

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Josh Centers  訳: Mark Nagata   

Apple、iOS 12.1、macOS 10.14.1、watchOS 5.1.1、tvOS 12.1 をリリース

Brooklyn のスペシャルイベントの場で Mac や iPad をお披露目するとともに、Apple は本日、多数のオペレーティングシステムアップデートをリリースした。iOS 12.1、macOS 10.14.1 Mojave、watchOS 5.1、tvOS 12.1、それに HomePod 用 iOS 12.1 だ。これらは全体として Group FaceTime や、新たな絵文字、その他の機能を Apple エコシステムに追加している。

いつもと同様に、アップデートをインストールする前に数日程度待って、何か問題が起こっていないか確認してからにするのが賢明だろう。このアドバイスの信用性を裏付ける事実として、watchOS 5.1 が多数のデバイスを「文鎮化」してしまい、Apple は一時的にアップデートを取り下げその後 watchOS 5.1.1 で置き換えた

iOS 12.1

iOS 12.1 は登場が遅れていた Group FaceTime 機能と、iPhone XS と XR でのデュアル SIM 対応、新たな絵文字その他をもたらす。このアップデートのサイズは 10.5 インチ iPad Pro では 438.9 MB、iPhone X では 470.1 MB で、Settings > General > Software Update から、または iTunes を通じても入手できる。
The iOS 12.1 release notes.

Group FaceTime

iOS 12.1 の看板機能と言えるのが Group FaceTime だ。Apple は当初これを iOS 12 のリリースで出す予定にしていたが、それを延期していた。(夏中続いた内部的テストの結果による決断で、ちゃんと理由があってのことだ!) 注意すべきは、すべての iOS 12 デバイスが Group FaceTime に対応はしているけれども、古いデバイスの上ではオーディオのみの通話しかできないことだ。iPhone 5s、iPhone 6、iPhone 6 Plus、それから iPad mini 2、iPad mini 3、iPad Air がこれに該当する。

Group FaceTime 通話を開始するには、FaceTime アプリで + ボタンをタップし、連絡先の名前を To フィールドに入力し、そうやって連絡相手を指定した後で、そのまま続けて別の相手も追加し始めればよい。通話を始める準備ができたら、Audio または Video をタップすれば通話が始まる。

また、Messages のグループ会話の中から、スクリーンの一番上にあるグループ名をタップして、そこに現われた FaceTime アイコンをタップしても Group FaceTime 通話を開始できる。

参加している一人一人の写真がタイルの中に表示される。Audio のみの通話者は名前のイニシャルの付いたアイコンで示される。通話中に More (...) ボタンをタップすれば Add Person オプションにアクセスできる。

あなたが Group FaceTime 通話に招待されると、無音の通知またはメッセージが届くので、いつでもそれをタップすれば通話に加われる。何かがうまく行っていないようだと思えば、緑色のカメラアイコンをタップすれば通話を開始できる。

Group FaceTime 機能は Mac 上でも、macOS 10.14.1 Mojave かそれ以降ならば使える。これについてはあとでもう少し説明する。

私たちは先週 Group FaceTime を試してみたが、残念ながらその結果を考えればまだ皆さんにお薦めできる段階ではないと思う。使おうとすると混乱してしまうし、動作もまともに働かず、働いたとしても見た目にイライラさせられた。問題の一部は歯の生え始めの痛みのようなものかもしれないが、使い勝手の問題点を解決するにはソフトウェアアップデートが必要だろう。私たちとしてももう少し使って試してみたいとは思っているが、現段階でグループビデオ通話をするにはやはり Google Hangouts を選ばざるを得ない。

カメラの改良

iPhone XS および XR では、撮影後の画像を事後に調整できるのに加えて、写真を撮影する前に深度コントロールをリアルタイムで調節できるようになった。それをするには、スクリーン右上隅にある f-stop (絞り値) コントロールをタップして、深度コントロールのスライダーをドラッグして画像を調整し、望みの状態になったところでシャッターボタンを押して写真を撮影すればよい。

Apple はまた、iPhone XS および XR で撮影したセルフィー (自撮り写真) で肌が過度にスムージング加工されていた問題を修正したと述べている。この問題は各種の報道で "Beautygate" (美肌加工問題) と揶揄されていた (ため息)。Apple によれば、この問題はソフトウェアが Smart HDR を処理する際のバグによるものであったという。

デュアル SIM 対応

iPhone XS および XR はデュアル SIM 機能を誇る。これを利用すれば、同じ電話機の上で二つの電話番号を持てる。(二つの異なる通信事業者 (キャリア) を使うこともできる。) 仕事用と個人用の電話を使い分けたい人には理想的な機能だろうし、外国へ頻繁に旅行する人にも便利だろう。しかしながら、デュアル SIM 対応にはいくつか重要な注意点がある:

デュアル SIM 機能には少々気難しく複雑なところがあるが、Apple から使い方の詳細なガイドが出ている。

新しい絵文字

iOS 12.1 では 70 個以上の新しい絵文字が追加された。例えば赤毛の人たち、坊主頭の人たち、スーパーヒーロー、さらにはベーグルまである。イェーイ。Emojipedia が、iOS 12.1 での新しい絵文字すべてのリストを載せている。

その他

iOS 12.1 にはその他にもいろいろな変更点がある:

iOS 12.1 には 24 件のセキュリティ修正も含まれている。

macOS 10.14.1

macOS 10.14.1 アップデートでの目玉は Group FaceTime と、先ほども述べた新しい絵文字だ。3.33 GB のこのアップデートをインストールするには、システム環境設定の Software Update 枠へ行く。App Store アプリからアップデートすることはできなくなった。

macOS 10.14.1 release notes.

ところで、もしもあなたが Mojave のベータ版を走らせていたならば、システム環境設定の Software Update 枠に 10.14.1 が表示されない。その代わりに、Six Colors の Dan Moren が説明したように、まず App Store アプリから Mojave を入手して、その後で Software Update を使って 10.14.1 をインストールすることになる。

Mojave で Group FaceTime 通話を開始する手順は iOS 12 とほぼ同じだが、一つ違うのは Messages の中で、Details をクリックすれば FaceTime ボタンが見えるようになることだ。

macOS 10.14.1 には 52 件のセキュリティ修正も含まれている。

watchOS 5.1.1

Apple が watchOS 5.1.1 をリリースしてバージョン 5.1 が起こした問題に対処したので、今はまたアップデートを考慮できる状態になっている。ただ、万が一を警戒してあともう数日待つことをお勧めしておきたい。

133 MB の watchOS 5.1.1 アップデートがもたらす重要な新機能は、オーディオ Group FaceTime 通話への対応と、先ほども述べた新しい絵文字のようだが、Apple のリリースノートはそのことにすら触れていない。

watchOS 5.1.1 release notes

その代わりに、Apple は watchOS 5.1.1 で次の点が変わったと述べる:

奇妙なことに、このリリースノートには次のようなことも書かれている:

Apple Watch Series 4 はハードな転倒を探知した後にあなたが一分間ほど身動きしなければ自動的に緊急サービスに連絡します。このウォッチはその連絡を受けた相手に対して、Apple Watch が転倒を探知したことを知らせ、可能な限り位置座標も告げます。

けれども私たちの知る限り、転倒探知機能は watchOS 5.0 で出されたものなので、いったいなぜ Apple が今回このことを言っているのか私たちには理由が分からない。

watchOS 5.1 アップデートには 14 件のセキュリティ修正も含まれている。

tvOS 12.1

tvOS 12.1 アップデートでは「パフォーマンスと安定性が全体的に向上」し、また 11 件のセキュリティ修正 が含まれているという。自動アップデートがオンになっていない場合は、第四世代 Apple TV または Apple TV 4K の上では Settings > System > Software Updates へ行けばアップデートできる。

HomePod 用 iOS 12.1

最後にもう一つ、これは手動で Home アプリから入手しない限りほぼ間違いなく自動的に黙ってアップデートされているはずだが、HomePod 用 iOS 12.1 では「安定性と品質が全体的に向上」するという。きっと皆さんはこの文言など目にしていないのではないか!

iOS 12.1 for HomePod release notes

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

新型 MacBook Air は混乱含みのラップトップ機種たちの中で魅力を放つ

Brooklyn Academy of Music を会場に開催されたスペシャルイベントで、Apple の重役たちも参加者たちも一様に、いつになくエネルギーに満ちて熱中した雰囲気を漂わせていた。それは一つには、遠く西海岸からやって来た人たちが時差ぼけを追い払うために大量のカフェインを摂取したからかもしれないし、あるいはホールの中に大勢の Apple リテール店従業員たちがいたからだったかもしれない。でも、私たちの感じでは、これはきっと MacBook Air のアップデートを巡っての興奮した気持ちによるところが多かったのではないかと思う。

MacBook Pro にはしかるべき敬意を払いつつも、Tim Cook は MacBook Air を「史上最も愛されたノートブック機」と呼び、その昔 Steve Jobs が初代の MacBook Air を封筒から取り出してみせた思い出にも触れた。ここ TidBITS にいる者の多くもそうだが、このモデルのファンたちは長い間アップデートを待ち続けてきた。前回のバージョンの 13 インチ MacBook Air は 2017 年の 6 月に出て以来変わっておらず、その前のリリースに至っては 2015 年 3 月だったのだから。

端的に言えば、今回 Apple が改訂した 13 インチ MacBook Air は、従来のモデルで懸念されたことのほとんどすべてに答を出すものとなっている。これは魅力的なアップグレードだが、ただ一つ、ますます数が多くなり混乱の度を深めている Apple のラップトップ機のラインアップにどのように当てはまるのかがはっきりしないことだけが難点だ。$1199 からという価格は、$999 で今後も販売が継続される前回のモデルの MacBook Air と、もはや古びた 12 インチ MacBook や Touch Bar なしの MacBook Pro の $1299 という価格との中間に位置する。(Apple は 11 インチの MacBook Air を 2016 年 10 月 26 日つまりほぼ 2 年前に廃止とし、その後これを復活させることはなかった。)

Retina ディスプレイ

新型 MacBook Air のスペックで最も重大な変更点は、13.3 インチの Retina ディスプレイだ。従来のディスプレイは解像度 1440×900 が最高であったが、今回は 2560×1600、インチあたり 227 ピクセルというのがネイティブな解像度だ。

Another shot of the new MacBook Air.

けれどもスペックの数字だけでは Retina ディスプレイの真価は分からない。長年 Retina でない MacBook Air を使ってきた経験から言わせてもらえば、この点一つのみについてさえ新型 MacBook Air は Apple の他のラップトップ機に比べて大きく競争力を増していると私は思う。

CPU、ストレージ、グラフィックス、RAM

そのスクリーンを駆動するのが第八世代の 1.6 GHz デュアルコア Intel Core i5 プロセッサで、Turbo Boost 使用時に最大 3.6 GHz、4 MB の L3 キャッシュを備える。これに対して前回のモデルは 1.8 GHz のデュアルコア Intel Core i5 だが Turbo Boost 使用時の最大は 2.9 GHz に留まり、3 MB の L3 キャッシュしか持たなかった。けれどもこの前回モデルが 2.2 GHz デュアルコア Intel Core i7 を載せ替えられたのに対し、新型 MacBook Air には CPU アップグレードオプションが付かない。

プレスリリースの中で Apple は全般点なパフォーマンスについてしか語らず、「写真の整理やネットサーフィンから、プレゼンテーションの作成、ビデオの再生や編集まで、毎日のあらゆることを軽々とこなすパフォーマンスを発揮します」とだけ述べた。その行間を読めば、私の解釈では新型 MacBook Air は純粋なプロセッサのパワーとしては前回のモデルに比べてはっきり速くなったとは言えないということだろう。この記事へのコメントで、ベンチマークに関する議論をご覧頂きたい。

しかしながら、Apple は新型 MacBook Air に搭載された SSD が前回のモデルに比べて最大 60% 高速になり、アプリを起動したりサイズの大きなファイルを開いたりするのが速くなると述べている。また、前回のモデルの SSD は最大 512 GB だったが、新型モデルの SSD は標準が 128 GB、追加料金 $200 で 256 GB、$400 で 512 GB、$1200 で 1.5 TB にアップグレードできる。

グラフィックス処理に関しては、Apple は前回のモデルの統合型 Intel HD Graphics 6000 から Intel UHD Graphics 617 に変えている。同社がこの変更がパフォーマンスにどう影響するかについて何も述べていないのでここでも臆測になるが、私の感じではそれほど大幅な高速化は達成されていないと思う。もっと高速のグラフィックスが欲しい人は、Thunderbolt 3 経由で eGPU (外付け GPU) を接続することができる。ただ、MacBook Air でそこまでしたいと思う人がいるかどうかは大いに疑問だとは思うが。もし真剣に高速グラフィックスが欲しいと思えば、15 インチ MacBook Pro にする方が良いだろう。そちらには Radeon Pro が搭載されているし、さらにもっとパフォーマンスを求めるのならば、Radeon Pro Vega を MacBook Pro に組み付けることも近日中にできるようになる。

それからもう一点、前回のモデルの MacBook Air は 4 GB の RAM が標準で、注文時に 8 GB にアップグレードすることができた。今回の新型は 8 GB が標準で、$200 の追加料金で 16 GB にアップグレードできる。率直に言って、私としては 16 GB にすることをお勧めしたい。あとで後悔しないためにも。また、新型に搭載される RAM は高速になっており、従来の 1600 MHz に対して今回は 2133 MHz だ。

Touch ID と T2

新型 MacBook Air に、Touch Bar は付かない。どうやら Apple は、Mac 全般に代替用コントロールデバイスとして Touch Bar を組み込むことにそれほど本気ではなかったようだ。けれども、新型 MacBook Air では Touch ID センサーが、キーボードの右上隅に搭載されている。これによりセキュリティが向上し、例えば 1Password など Touch ID 対応のソフトウェアを手軽に使えるようになる。

Touch ID を駆動するために、この MacBook Air には Apple の T2 セキュリティチップが Secure Enclave を組み込んで搭載される。この T2 は将来には Apple に認可されていない修理業者が修理できないようにするために使われる可能性があるものだが、現時点で非常に重要ないくつかの現実的改善を提供する。これは、ブートプロセス中に読み込まれたソフトウェアが改ざんされていないものであることを保証し、SSD 上に保存されるすべてのデータを暗号化し、また "Hey Siri" が使えるようにする働きもする。

Touch ID は非常に歓迎すべきだけれども、Apple が新型 iPad Pro に搭載した Face ID にまでジャンプするには至らなかったことは興味深い。iPad Pro も MacBook Air も、物理的制約はそれほど変わらないと思うのだが。私たちの想像では、Face ID が高価過ぎたのかもしれないし、あるいは Face ID を macOS に組み込むためには技術的難問が多過ぎたのかもしれない。でも、将来のどこかの時点で Apple がそこまで踏み込むことがないとは想像しにくい。

バタフライキーボードと Force Touch トラックパッド

私たちがこの新型モデルに最も躊躇を感じたのは、Apple が同社の第三世代のバタフライ形スイッチを使ったキーボードに依存することを決めた点だ。このキーボードは MacBook Pro に搭載されて大いに議論を呼んだ。キーの移動距離が短く、キーの不具合も多かったからだ。もしあなたにとってキーボードの感触が非常に重要ならば、購入の前に必ず手で触って試してみるようにしよう。

Apple は個々のキーが独立型の低電力 LED バックライトを備えていてより的確な明るさを提供すると大々的に宣伝しているが、私に言わせればバックライトの明るさレベルの適格さが私の優先度リストに載るなどとは到底思えない。

Apple がトラックパッドを新しい Force Touch トラックパッドにしたことについては大体において議論の声は聞かれない。これに対する苦情もほとんど聞いたことがないし、聞こえたとしてもちょっと大き過ぎるということくらいだ。前回の Multi-Touch トラックパッドに比べて面積が 20% 広く、以前より多くのことができるようになっている。

接続性

驚くほどのことでもないが、Apple は前回のモデルに付いていたポートのほとんどすべてをなくして、従来あった USB-A、Thunderbolt 2、MagSafe 2 の各ポートと SDXC カードスロットの代わりに、本体の左側に Thunderbolt 3 ポート 2 基を付けた。MacBook Pro と同様に、充電と接続性の双方のためにこの 2 基の Thunderbolt 3 ポートを使う。また、この Thunderbolt 3 ポートを使って 1 基の 5K 外付けディスプレイまたは 2 基の 4K ディスプレイを駆動することもできる。

新型 MacBook Air は MacBook Pro と同じく厄介なドングルが必要となるという欠点を持つが、この Mac を使う人たちがその種のことを苦にすることは少ないと言えるかもしれない。けれども、外付けディスプレイを接続し、バックアップ用のハードドライブを接続し、その上で充電もしたいと思えば、特別なケーブルか、または Thunderbolt 3 ドックが必要となる。

それ以外のポートはあと一つだけ、3.5mm ヘッドフォンジャックがある。これは本体の右側へ移動した。けれども、必ずしもイヤーバッドをここに差し込む必要はないかもしれない。というのもこの新型 MacBook Air には新しくデザインされたステレオスピーカーが付き、音量が 25% 大きく、低音が 2 倍になっているからだ。マイクロフォンも前モデルの 2 基から 3 基に増え、前モデルと同じ 720p FaceTime カメラが付く。

物理的な大きさ

スクリーンまわりのアルミニウム製のベゼルはなくなった。新型 MacBook Air のベゼルは黒くなり、幅が従来よりずっと狭い。Apple はこのことを利用して、MacBook Air の全体的なサイズをぐっと小さくした。前回のモデルに比べて厚さは 10% 薄く、体積は 17% 少なく、重量は 2.75 ポンド (1.25 kg) でおよそ 7% 軽くなった。つまり、前回のモデルよりもかなり小さくて軽く、これは歓迎すべき点だ。ヒンジ部分で最も厚く手前の端に向かって薄くなる工業デザインは変わっていないが、奥が以前よりほんの少し薄く、手前が以前よりほんの少し厚くなっている。

Apple はプレゼンテーションの中でかなりの時間を費やして新型 MacBook Air のアルミニウム製筐体が 100% 再生アルミニウムの使用を達成したことを物語った。確かに、それは良いことに違いない。

価格と入手可能性

この新型 MacBook Air の価格は $1199 からで、カスタマイズ後にその価格になるのは 128 GB のストレージ量と 8 GB の RAM という構成のみだ。カラーはスペースグレイ、ゴールド、シルバーの3色から選べ、幸いにも色による価格の違いはない。

現在既に注文受付中で、出荷は 2018 年 11 月 7 日から始まる。

MacBook シリーズはますます混乱へ

プレゼンテーションの最中、Apple が MacBook Air にもたらした変更点について、私たちの SlackBITS チャンネルに参加していた誰もが極めて肯定的な意見を述べたし、全体として見れば私も同意見だ。けれども、この記事を書きながら、この新型モデルを Apple のラップトップ機ラインアップの他のマシンたちと比較しながら、私はちょっと葛藤を抱えてしまった。スペックが問題なのではない。問題は $1199 という価格にある。

なぜなら、これにあと $100 追加するだけで Touch Bar なしの MacBook Pro を買うことができ、Touch ID と 1.5 TB SSD のオプションと 120 グラムの重さの差を除けば、他のあらゆる点で新型 MacBook Air より優るマシンが手に入るからだ。その MacBook Pro ならば、2.3 GHz デュアルコア Intel Core i5 または 2.5 GHz デュアルコア Intel Core i7 を搭載していてパフォーマンスが大幅に良くなる。そちらの Retina ディスプレイの方がより多くのカラーを 500 nit で表現し、MacBook Air の 300 nit のスクリーンよりずっと明るい。

また、これより $200 安い値段で旧型モデルの MacBook Air を引き続き購入できるが、ポートが古く、図体が大きくて重く、新型にある Retina ディスプレイも Touch ID もない。さらにもっと奇妙なことに、Apple は 12 インチ MacBook も販売し続ける。価格が高過ぎ、パワーが弱過ぎるマシンで、たった 1 基の USB-C ポートしか持たないのに、$1299 と MacBook Air よりも高価だ。これを買いたいと思う理由は、サイズと重量がずっと小さいことくらいだろう。

Apple の Mac モデル比較ページを見れば、この会社が現在 6 種類のラップトップ機を 5 つのフォームファクターで取り揃えていることが分かり、今やその中からどれを選ぶかがますます困難になってしまった。これは、贅沢な悩みと言うべきだろうか、それとも、Apple がそれらのモデルの違いを価格とサイズとパフォーマンスごとにもっと分かりやすく切り分けて示してくれればと願うべきなのだろうか。

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Michael E. Cohen  訳: Mark Nagata   

Apple、デザイン改訂した iPad Pro と Apple Pencil を導入

とても軽やかな 1.03 ポンド (468 g) の姿の中に、2018 年 10 月 30 日の Brooklyn イベントで Apple が発表した新しい 11 インチ iPad Pro は逞しい機能の数々を詰め込んでいる。同じことは 12.9 インチの兄弟機にも言えて、こちらはたったの 1.39 ポンド (631 g) だ。今回 iPad シリーズに加わったこれらの新機種は、従来のモデルと一線を画する大進歩をいくつか実現する。

過去との決別

まず何よりも、新型 iPad Pro では Home ボタンがなくなり、Touch ID によってロックを解除する機能もない。その代わりに、スクリーン周りの薄くて黒いベゼルの背後に新しい 7 メガピクセルの TrueDepth カメラが搭載され、これが iPhone X シリーズと同様に Face ID 認証を処理するとともに、Animoji、Memoji、1080p HD ビデオ録画、Portrait Mode、および Portrait Lighting のスチール写真をサポートする。さらには弱光下でのフラッシュ機能もあり、Apple は Retina Flash と呼んでいるが、スクリーンが光を放つようにできる。また、iPhone と違って、今回の iPad Pro は縦向きに置いても横向きに置いても顔の認識ができる。

第二に、もはや Lightning コネクタはない。その代わりに、今回の iPad Pro は USB-C コネクタ 1 基を備えていて、これを使って充電も周辺機器との接続も行なう。これにより、新型 iPad Pro はサードパーティの充電用デバイスとの互換性が高まり、外付けモニタとの接続も容易になる。それにまた、Apple がまたもや新たなドングル (USB-C - 3.5 mm ヘッドフォンジャックアダプタ) を販売する道を開くことにもなる。

Using the iPad Pro with an external monitor.

第三に、新型 iPad Pro には磁気接着面があって、これが新型 Apple Pencil をワイヤレス充電する機能を持つ。つまり、もはや iPad の下から危なっかしく Apple Pencil をぶら下げて手早く充電する必要がなくなったということだ。充電の話のついでに言えば、今回の新型 iPad Pro のうち片方は iPhone を充電できるようになった。ただし、適切な USB-C-to-Lightning ケーブルが必要だが。

最後にもう一つ、11 インチ iPad Pro の方はスクリーンが大きくなったにもかかわらず全体の物理的大きさが 10.5 インチの従来機と変わらない。12.9 インチ iPad Pro の方はスクリーンサイズこそ従来と同じだが全体のサイズがぐっと小さくなり、8.5×11 インチの用紙サイズとほぼ同じになった。いずれのモデルも四辺は平らで角のところが丸められており、このデザインのやり方は iPhone 5s で最後に見られたものだ。

伝統には従う

過去と大きくは違っていないところもある。Apple はこれら次世代のタブレット機にさまざまの漸進的拡張も詰め込んだ。具体的には:

進化した周辺機器

今回の新しい iPad Pro とともに、新しい Apple Pencil と新しい Smart Keyboard Folio も登場した。

新型の Apple Pencil はいくつかの画期的な進化を遂げた。タッチを感知する表面が組み込まれていて、ダブルタップすればドローモードが切り替わる。この機能は Apple が iOS 12.1 用に出したアプリでは既に対応済みで、サードパーティのアプリも近いうちに対応するだろう。紛失しやすかったキャップはもうない。さきほど述べたように、充電のためにキャップを嵌める必要がなくなったからだ。その代わりに、iPad の磁気接着面に Apple Pencil の平らな側をくっつけるだけで、Apple Pencil がドックされ、充電され、Bluetooth でペアリングされる。今や Apple デバイスの典型的性質となったが、ポートも、コネクタも、ボタンもなく、あらゆる意味で動くパーツが何もない。それに、平らな側があるということは、もはや机の上で転がって行ったりしないことも意味する。

The second-generation Apple Pencil.

新型の Apple Pencil に加えて、新型のキーボード Smart Keyboard Folio も出た。これは新型 iPad Pro 各モデルの背面に磁力で取り付けて使うが、このキーボードカバーは新しいデザインの Smart Connector を使っていて、キーボードとして使う際に二種類の視角を提供できる。従来の Smart Keyboard とは違って、新しい Smart Keyboard Folio は閉じた状態で iPad Pro の前面と背面の両方を保護する。

iPad Pro and Smart Keyboard

iPad Pro の価格と入手可能性

当然ながら、これほどまでにテクノロジー的に豊かだということは、廉価販売はされないということも意味している。これらのデバイスを購入するために必要な金額は次の通りだ:

これらの新しい iPad Pro タブレット機は現在注文受付中だが、Apple のオンラインストアによれば出荷は 2018 年 11 月 7 日以後だという。また、構成によっては現在のところ出荷が 2018 年 11 月 21 日以後となっている。なので、早く手に入れたいと思えば、できるだけ早く注文するのがよい。あるいはまた、$150 安く手に入れたい人のために、去年の 10.5 インチ iPad Pro が引き続き $649 で販売されている。

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Julio Ojeda-Zapata  訳: 亀岡孝仁  

再生! Apple、プロ狙いの Mac mini を発表

今日まで、Apple ハードウェア製品で、Mac mini ほど忘れられ、そして将来の見込みの立たなかったものはなかった。このコンパクトでモニターを持たない Mac は、4年以上にわたって大幅なアップデートは無く、あったものもパッとしないと見なされた ("Apple、Retina ディスプレイモデル iMac を発表、Mac mini を更新" 16 October 2014 参照)。多くの人が Mac mini は死んだと思った。

Apple は、その様な考えに終止符を打ち、New York City の Brooklyn Academy of Music での特別イベントで、改良された - ただし見栄えは馴染みの姿のままの - Mac mini公開した

デザイン上の変更は微小

工業デザインに関しては、手のひらに乗る大きさの超携帯型のコンピュータを作ると言う PC 業界の動向の中で、この新しい Mac mini に急進的な変更はなかった。外観は前のモデルと似ている - 大きな、真四角の、メタルの塊りで、四隅は丸められそして上面には Apple ロゴが付いている。

The top of the Mac mini

新型 Mac mini は 7.7 インチ (19.56 cm) の四角形で、高さは 1.4 インチ (3.56 cm) であり、その前任者とそっくりである。そして、重量は 2.9 ポンド (1.32 kg) で、2.7 ポンド (1.22 kg) の前任者よりほんの少しだけ重い。

デザインで違う点を挙げると、仕上げは、より明るいグレイだったものが、スペースグレイとなり、そして、環境配慮の観点から、この Mac mini は全て 100% リサイクル材から作られた Apple が開発したアルミアロイから作られる。

向上した性能

プレゼンテーションで Apple の役員がしばしば指摘した様に、この新型 Mac mini はプロを狙っている。考えられている用途は、ライブ公演、ビデオレンダリング、特製のハードウェアを走らせる、等々である。この新型モデルをもって、Apple は以前のバージョンに比べ、 Mac mini は "大幅な" 性能向上が図られていると指摘したが、以前の Mac mini の貧弱さを思えば、驚きは何もない。

Inside the new Mac mini.

新型 Mac mini の中身

驚くことはないが、この新型 Mac mini は前任者よりも動作温度は高くなり、Apple は新しい熱放散システムでそれに対応している。このシステムは、コンピュータからの出入りの空気量を以前よりも2倍にしているが、コンピュータをささやきの静けさに保っていると同社は言っている。

ポートは豊富

Mac mini は常にそのポートの豊富さが光っていたが、それはこの新モデルでも例外ではない。

今回選ばれたのは、4つの Thunderbolt 3 ポートと1つの Ethernet ポート - 10-Gigabit Ethernet のオプションもある - そして、1つの標準 HDMI 2.0 ポート、3.5 mm ヘッドフォンジャック、そして2つの伝統の USB-A ポートで USB 3.0 をサポートする。

The back of the new Mac mini

プロ達がラックに積み上げていくマシンとして気になるのは、Mac mini には前面にポートが何も無いことである。写真家は、カメラカード用のスロットが前面にも背面にも無いことにがっかりするかもしれない。

外部ディスプレイの選択肢

頭のない Mac として、Mac mini は、自分の好きなディスプレイを (キーボードとマウス、或いはトラックパッドと共に) 加えるという柔軟性に対するニーズに長年対応してきた。

新型 Mac mini の場合、単一ディスプレイを超えたオプションとしては以下がある:

Mac mini の Thunderbolt 3 ポートは、ネイティブ DisplayPort 出力を USB-C 上でサポートする。適切なアダプターがあれば、伝統的なディスプレイのユーザーは Thunderbolt 2, DVI, そして VGA 出力もそれらのポート経由で出来る。DVI はまた、アダプターを使って HDMI ポートを通してもサポートされる。

価格と発売時期

この新型 Mac mini は今予約注文出来、納入日は 7 November 2018 となる。4-core i3 構成で 8 GB のメモリと 128 GB のストレージの付いたものは $799 から始まり、そして、6-core i5 バージョンで 8 GB のメモリと 256 GB のストレージの付いたものは $1099 から始まる。

価格は、$499 から始まった前任者よりも高価だが、新型 Mac mini は、入門レベルの構成がいわゆる $1000 の魔法の価格点を下回る唯一の近代 Mac である。しかしながら、受注構成オプションの価格は急激に上昇する。その理由は Apple が RAM とストレージに対して強烈な値段を課するからである。全部最高に揃えた Mac mini は$4200 近くになるであろうが、RAM と SSD のオプションを準大手のものに下げれば、それは $2600 に下がるであろう。RAM を他の業者から買い、そして取り付けるのを自分ですれば、多少の節約は出来る。

もしモニターやキーボードやマウスを持っていないのであれば、Apple の入門レベルの 21.5-inch iMac も考慮の対象となるであろう。これなら $1099 から始まっている。これは似た様な仕様を持っており、第7世代 2.3 GHz dual-core Intel Core i5 プロセッサ、8 GB のメモリ、そして 1 TB ハードドライブが付いている。言うもでもないであろうが、モニターは 1920-by-1080 ディスプレイが内蔵されている。ただし、その気だるいハードドライブは Fusion Drive か SSD に変更しておくことお忘れなく。

いずれにしろ、新型 Mac mini は、手持ちの周辺機器が揃っている人、そして多種な用途に対応しながら狭い空間に容易に詰め込める安価でコンパクトな Mac を求めている人達の間で、間違いなくその顧客を獲得出来るであろう。個人の自宅用メディアサーバーとしては少々高すぎるかもしれないが、ライブ公演のために、或いはレンダーファームを構成するため積み上げられる小さな Mac を必要とする人には誰でも、Mac mini は再び一つの真っ当な解決策となるであろう。

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

Safari 12.0.1

Safari 12.0.1

Apple が macOS 10.12.6 Sierra 用と 10.13.6 High Sierra 用に Safari 12.0. をリリースして、WebKit と Safari Reader にあったセキュリティ脆弱性に対処を施した。(10.14.1 Mojave にも同じ Safari アップデートが含まれている、2018 年 10 月 30 日の記事“Apple、iOS 12.1、macOS 10.14.1、watchOS 5.1.1、tvOS 12.1 をリリース”参照。) 今回のアップデートでは Safari Reader におけるロジックの問題点とクロスサイトスクリプティングの脆弱性に対処し、WebKit における複数個のメモり破損の脆弱性にも対処した。Safari 12.0.1 は Software Update からのみ入手できる。(無料、リリースノート、macOS 10.12.6 および 10.13.6)

Safari 12.0.1 の使用体験を話し合おう

Security Update 2018-002 (High Sierra) and Security Update 2018-005 (Sierra)

セキュリティアップデート 2018-002 (High Sierra) と セキュリティアップデート 2018-005 (Sierra)

Apple が macOS 10.13 High Sierra 用のセキュリティアップデート 2018-002 と macOS 10.12 Sierra 用のセキュリティアップデート 2018-005 をリリースして、同社が 10.14.1 Mojave で対処したものと同じ多数のセキュリティ脆弱性 (2018 年 10 月 30 日の記事“Apple、iOS 12.1、macOS 10.14.1、watchOS 5.1.1、tvOS 12.1 をリリース”参照) にパッチを施した。いずれのアップデートも、任意のコードを実行される可能性があったカーネルと Spotlight におけるメモり破損の問題点に対処するとともに、投機的実行を用いるマイクロプロセッサのシステムに認証なしの情報開示を防ぐための修正を提供する。(無料、10.13.6 High Sierra 用は 421.1 MB、10.12.6 Sierra 用は 421.1 MB、セキュリティコンテンツリリースノート)

セキュリティアップデート 2018-002 (High Sierra) と セキュリティアップデート 2018-005 (Sierra) の使用体験を話し合おう

SpamSieve 2.9.34

SpamSieve 2.9.34

C-Command Software の Michael Tsai が SpamSieve 2.9.34 をリリースして、このスパムフィルタリングユーティリティが macOS 10.14 Mojave の Mail で動作するやり方に改善を加えた。このアプリは今回、そのプラグインが有効になっていることをチェックする前に Mail が起動を終えたことをより良く探知できるようにし、あなたが SpamSieve に Full Disk Access を与えたことを macOS が忘れてしまっても SpamSieve がそれを探知できるようにし、起動エージェントに改良を加えて Mail が起動した際に SpamSieve が信頼性をもって起動できるようにし、また SpamSieve が起動したよりも後に Mail が起動した場合 (例えば複数のメールクライアントで SpamSieve を使っているような場合) にプラグインが無効にならないよう対策を施している。

SpamSieve 2.9.34 ではまた、Outlook の Filter Mailbox が Mojave の下で Automation アクセスを持たない場合に分かりやすいエラーメッセージを表示し、SpamSieve のコード署名を更新して Apple の最新の公証要件に合わせ、Fluid App のインスタンスが存在した場合に SpamSieve が混乱に陥ることのあったバグを修正している。Airmail を使っている人は、Airmail をバージョン 3.6.42 かそれ以降にアップデートする必要がある。Airmail のバージョン 3.6.3 から 3.6.41 までは Mojave の下では SpamSieve と互換でないからだ。(新規購入 $30、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、13.9 MB、リリースノート、macOS 10.7+)

SpamSieve 2.9.34 の使用体験を話し合おう

ScreenFlow 8.2

ScreenFlow 8.2

Telestream がスクリーンキャスト録画およびビデオ編集アプリ ScreenFlow のバージョン 8.2 をリリースして、少数の改善と、数多くのバグ修正を施した。今回のアップデートでは Stock Media Library からダウンロードする際のフォーマットを指定できる機能を追加し、JVC カメラのファイルが再生できなかった問題を解消し、Dropbox から開いたプロジェクトのメッセージングを改良し、「録画中」ファイルの複数個のコピーを Global Library に確実に追加できるようにし、解像度 2160× 3840、848× 360、720× 404 のファイルの表示を修正し、また新規書類を作成した際に Undo が有効になったバグを修正している。(Telestream ウェブサイトからも Mac App Store からも新規購入 $129、アップグレード価格あり、54.7 MB、リリースノート、macOS 10.12+)

ScreenFlow 8.2 の使用体験を話し合おう

Agenda 2.6

Agenda 2.6

Momenta がノート取りおよびタスク管理用アプリ Agenda のバージョン 2.6 をリリースして、カレンダーポップオーバーに表示されている日付ラベルを編集することで素早く好きな日付にジャンプできる機能を追加した。今回のアップデートではまた、アプリケーションを起動した際に前回選択されていたプロジェクトと焦点を当てていたノートを復元するようにし、Calendar から自動的に読み込まれる詳細情報を改善し (またミーティング用のダイヤルイン情報を含めないようにし)、Facebook、LinkedIn、Wikipedia のリンクを自動的に短縮化するようにし、PDF プリントアウトの中の画像の解像度を改善し、履歴の前進・後退の挙動の信頼性を上げた、(無料、プレミアム機能の新規アプリ内購入は $24.99、無料アップデート、29.1 MB、macOS 10.12+)

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Luminar 2018 1.3.2

Luminar 2018 1.3.2

Skylum が写真エディタ Luminar 2018 のバージョン 1.3.2 をリリースして、画像に写っている空を人工知能を用いて一つのスライダーのみで拡張できる AI Sky Enhancer 機能を新設した。このフィルターはほとんどの写真で空を正しく認識でき、水面やその他の要素も判別できる。また、前面にあるオブジェクトとその境界を見分けて完璧にマスク処理できる。詳しくは Luminar ブログ記事に説明がある。

今回のアップデートではまた、ある種の Luminosity マスクを含む書類を開く際のパフォーマンスを改善し、チャンネルあたり 8-bit のビット深度を持つ TIFF ファイルに書き出す際の安定性を向上させ、Grain エフェクトを含むすべてのフィルターや Look が正しく動作するようにし、スライダーの速度を改善し、Crop ツールの機能を拡張して画像のアングルを変えた際にグリッド表示が見えるようにした。Facebook と Twitter に最近施されたセキュリティの変更に伴い、Luminar から直接ソーシャルネットワークに投稿できる機能は当面 macOS 10.14 Mojave の下では削除されている。

通常価格は $69 だが、Luminar は現在期間限定で $59 のセール販売中だ。無料の試用版もある。(新規購入 $69、無料アップデート、477 MB、リリースノート、macOS 10.10+)

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ExtraBITS

訳: Mark Nagata   

Apple to Start Repairing Some “Vintage” Products

Apple、一部の“ビンテージ製品”の修理を開始

9to5Mac の記事によれば、Apple が従来は製造終了から 5 年から 7 年経ったという理由でサポート対象から外していた“ビンテージ製品”のデバイスに対する修理をするためのパイロットプログラム(試験的実験)を開始する。このプログラムは手始めに iPhone 5、2012 MacBook Air、2011 iMac のみを対象とし、その後 iPhone 4s と 2012 MacBook Pro も含め、いずれはもっと多くの機種の Mac や iPhone も加えて行く予定だという。しかしながら修理ができるのはパーツが入手可能な場合に限られるので、具合が悪くなったあなたの 11 インチ MacBook Air が修理可能だと Apple が保証している訳ではない。最近 Apple が古いデバイスのサポートに乗り出しているのは環境問題への努力の一環としてのことだが、今回のパイロットプログラムは米国の多くの州で現在力を増しつつある Right to Repair (修理の権利) 法制化を求める動きと無関係ではないだろう。おそらく Apple は修理のオプションを増やすことで、その種の法制化によりクローズドで定評のある同社の製品に修理を容易にするデザイン変更を強制されないための布石を打とうとしているのかもしれない。

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Flickr Limits Free Accounts to 1000 Photos to Make the Service Sustainable

Flickr、無料アカウントの写真を 1000 枚に制限してサービスの維持を狙う

今年の 4 月に SmugMug が Flickr を Yahoo から買収したが (2018 年 4 月 24 日の記事“SmugMug、Yahoo の廃墟の中から Flickr を買収”参照)、同社はサービス内容の改訂を予定している。まず、2019 年 1 月 8 日以降、Flickr は無料アカウントでは写真 1000 枚までという制限を設ける。その日以後、既に 1000 枚以上の写真を保存しているユーザーは新たな写真のアップロードができなくなる。また、Flickr は年額 $49.99 の Flickr Pro プランの内容を拡張して、無制限の写真保存、5K 写真対応、広告なしのブラウズその他を提供する。ブログ記事の中で Flickr の Vice President of Product である Andrew Stadlen が、今回の変更はサービスを写真愛好家を中心に焦点を当て直し、広告への依存度を減らし、Flickr をもっと持続可能なものにするためのものであると説明した。

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