TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#284/10-Jul-95

今週は、Apple社が、Guy Kawasaki氏を今度はApple Fellowという名誉ある称号 で再度迎えたというニュースとともに、インタネットメールサーバープログラ ムとしてはポピュラーな「MailShare」を収得したことをお伝えしよう。また、 AdamがTidBITSの方針について少しだけコメントを述べる。そのほかMacのWeb サーバーであるStarNine社のWebSTARについてや、TonyaがAkimbo Systems社の ワープロであるFullWrite 2.0を2回に渡って紹介する。

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目次:


MailBITS/03-Jul-95

(翻訳:山浦 礼子 <raeko@aol.com>)

私は決して偶然に発見したものに笑ったりしないのだが、しかしこれには心か ら笑いを覚えてしまう。TidBITS-283に掲載されていたCary Lu氏の記事「コンピュータの聖戦」の後、Dilbertがオンライン版で同様なトピックを扱ってい る。「Dilbertって何?」と聞かれるだろう。下記に記したURLを参照していた だきたい、そして950622のファイルから2週間分に含まれる漫画を見ていただき たい。 [ACE]

http://www.unitedmedia.com/comics/dilbert/

ちょうど友達のようなApple Fellow -- 噂は本当だった。先週、Apple社は Guy Kawasaki氏をApple Fellowに任命した。Macintoshについていつも率直、か つ議論好きな唱導者、Guyは、1983から1987年まで、Macintoshに関してAppleの デベロッパのつながりや製品経営に努力を注いできた。彼が「ソフトウェアエ バンジェリスト」という言葉を捏造した頃だ。これは、ACI US社を創立し、つ い最近ではClaris社の来たるEmailerプログラムを開発しているFog City Software社の社長に就くなど他の事業に進出するためにApple社を去る前のこと である。Guyは『The Macintosh Way』や『How to Drive Your Competition Crazy』などいくつかの著者であり、MacUser誌やMacworld誌にはよくコラムニ ストとして登場している。Guyは、Apple Fellowとしてさまざまなデベロッパー とともに働き、Appleのプロジェクトの供給源となることで、「デベロッパーの 論点からAppleの将来を表現」していくだろう。ちょっと疑い深く聞こえるだろ うか? これに対するデベロッパーの反応は肯定的なものであった。何がなく とも、GuyがAppleに帰ってきたことは、誠に興味深い事実である。Appleは、時 にはGuyのようにさまざまなばかげたことについて声を大にして叫ぶものが必要 なのである。 [GD]

http://www.umsl.edu/~sbmeade/macway/

QuickTime 2.0 がMac版、Windows版ともにインターネットを通じて入手可能 となった。これまで、QuickTime 2.0はSystem 7.5を購入するか、7.5がインス トールされたMacを購入、もしくはこのソフトが同梱されたMacまたはWindows版 のマルチメディア関連のソフトを購入しなければ、入手できなかった。Apple社 の新しいQuickTime用のWebサーバーではこのバージョンを、クレジットカード による決済が保証されたFirst Virtual社のインターネットの支払いシステムに より、Mac版、Windows版ともそれぞれ9.95ドルで提供する。ソフトは、FTP経由 で購入者のコンピュータに直接送信される。Apple Software Licensigによる と、QuickTime 2.0はCompuServeをはじめとし、ほかのオンラインサービスでも こぞって入手可能となるだろう。[MHA]

http://quicktime.apple.com/
http://fv.com/

Apple社、MailShareを収得する -- Apple社は先週、Glenn Adnerson氏とと もに彼の優秀なプログラム、MacをSMTPとPOPに対応したインターネットメール サーバーであるMailShareを収得した。Apple社はこれを「Apple Internet Mail Server」と名称変更し、現行バージョンは引き続きインターネット上でフ リーウェアとして提供、ただし将来は商品として発売する予定だ。Glennは、 Apple社でソフトウェアエンジニアとして働くために(現在住まいのある) NewZealandからCupertinoへ移住する。Apple社の中にインターネットに関わる 新たなる逸材を認識できるのは嬉しいことだ − とくにApple社がGlennの 引っ越しにかかる費用を負担した場合は。[GD]

http://abs.apple.com/products/mailserver.html

Dan Kogai <dankogai@jms.jeton.or.jp> より寄稿。HTML書類を作成するの は私の1つの役目であるから、私は『TidBITS-283』に書かれていたClarisWorks 4.0の出荷には大変な興奮を覚えた。私はすぐにCyberian Outpostを通じてオンラインによるアップグレード料金を支払い、数日後にはそ れを入手した。そこで私が見つけたものは − HTML? そうだ。WorldScript サポートは? いまいち。ClarisWorks 4.0はWorldScriptのプリファレンスは 持っているのだが、日本語のテキストを表示には問題がある。ClarisWorks 4.0は、2バイト文字コードの幅を正確に計算することができず、テキストを確 実に選択したり重ねたりすることが不可能なのだ。私は、てっきりNisus Witerのように「忠実に」WorldSciptをサポートしたものと期待していたのであ る。私達はClarisWorksの日本語版である、日本で最も売れている「クラリス ワークス」を使用しているのだが、これのバージョンは2.0でしかなく、HTMLの トランスレータは動作しない! ClarisWorks 4.0のHTMLのトランスレータはた いへん素晴らしいにも関わらず、私は英語と日本語のHTMLを書かなければなら ないのだ。私は、HTMLの扱いが可能なNisus Witerを持っていることはラッキー だというべきだろう。[Sandra Silcotが作成した優秀なHTMLのマクロセット(2 番目のURLを参照)とともに − Adam]

http://www.cybout.com/
ftp://ftp.tidbits.com/pub/tidbits/tisk/html/nisus-ss-html-macros-20.hqx

グリップを入手せよ --キーボードの前に静かに座っているだけで暑くなっ てしまいいつも汗をかいてしまうような、あるいは常にPowerBookを持ち歩くよ うなPowerBookの所有者は、「Grip~it Stips」と呼ばれる製品をチェックしよ う。これは、PowerBook(あるいは、ポータブルコンピュータやデバイスであれ ばどれでも)の表面を滑りにくくするものだ。Grip~it Stipsは、ステッカーの ような役割を果たし、粘着しない側がざらざらとしたゴムのようになっている だけだ。Grip~it Stipsには、長い、薄い、稲妻のようなジグザグ、点、ダイア モンドなどのいくつかの形状がある。それらを通常の形に付けることも、花や アバンギャルド風に組み合わせることもできる。

Grip~it Stripsは、しばらく前から入手可能になっている。ここ1年間、Adamは PowerBook100に使用しており、たいへん持ちやすかった。私はいつか購入する であろうドックに挿入するときのことを配慮して、私のDuoには使用していな い。最近、私はそれは心配するに足りないことだということに気づいた −  明らかにDuoはGrip~it Stripsを装着したままでもドックに入れることができ る、またもしも心配したような問題が起こったとしてもその場合はストリップ をはがせばいいのだし、ベタつきはちょっとアルコールでこすればいいだけの ことだ。Grip~it Stripは、9ドル程で売られている。[TJE]

http://www.grip-it.com/


TidBITSの内容

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:尾高 修一 <odaka@mbox.kyoto-inet.or.jp>)

もうほとんどの読者はお気付きだと思うし、事実何人かには既に指摘していた だいているが、ここのところ数か月、TidBITSはインターネットに関する記事を 多く掲載してきている。これらの記事では、概してMacintoshとインターネット の関係や、インターネットに接続するためのMacintosh用ソフトに焦点を当てて いる。

人によっては、TidBITSの焦点がずれたと感じるかもしれない。その指摘は正し くもあり、間違いでもある。TidBITSの最初の3年間は、もっと具体的な Macintosh用プログラムやユーティリティ、Tipsなどといったものに重点を置い てきた。ある程度のインターネット関連のニュースもあったものの、私がそれ を記事にしたのは、それが間違いなく読者が関心を寄せるトピックだったから ではなく、インターネットがTidBITSの配布方法の中で圧倒的に重要なものだっ たからである(この点は今でも変わらない)。その後、私が『Internet Starter Kit for Macintosh』の第1版を書いてから、Macintoshに関連したイン ターネット情報が多く登場するようになったのだ。

これにはいくつかの理由がある。まず、TidBITSの「使命」は(別にわたしはこ ういうことを記録するのが好きなタイプの人間ではないのだが)、私(や最近 だいぶこの仕事を担当してくれているTonyaやGeoffやMark)が興味を持った ニュースやイベント、製品についてレポートすることだからである。このこと は自己中心的で偏った意見でもあるということなののだが、これがTidBITSを今 まで支えてきた力なのである。その後、私がこの業界で経験を積み、たくさん の記事を書き、大勢の人と出会ったりしているうちに、私の興味の対象が徐々 に変化することは自然なことであり、この場合にはインターネットに向かった ということなのである。次に、私の関心がインターネットへ向かった理由のひ とつには、私がやや大衆主義的なところがあり、ニッチや人を除外するような 分野への関心を持てなくなってきているということがある。TidBITSを始めた頃 には、プログラムは今ほど強力ではなかったかわりに使い方を習得するのは容 易で、当然、数も少なかった。当時のプログラムには包容力があったのである ― つまり、例えばDTPを本格的にやっていない人でも、矢印を書くのが楽だと いう理由でPageMakerのようなプログラムを使っていたのだ。

このようなプログラムはもちろん今日でも存在するが、このような例は珍しく なっている。RAM Doublerはこの意味では大きな存在だし、Conflict Catcher やNow Utilities、Retrospectなどは、どのMacintoshユーザーでも欲しいと思 い、使うことができるものだ。だからといって誰もが使っているわけでもない し、誰もが使うべきだというわけでもないが、特定の業界に所属していたり、 特定の技術を持っていないと使えないようなプログラムではない。これらは ユーザーを包容するものなのだ。

私は長年インターネットを使ってきたが、本を書くためにMacユーザーがMac ユーザーらしく、つまりクリーンなグラフィカル・インターフェースを用い て、インターネットにアクセスするにはどのようなソフトを使うことができる かについて多くのことを学んだ。また、私は何人かのプログラマと知り合い、 それまでは知らなかったMacのインターネット文化に参加するようになった。こ のプロセスを通じて、私は多くのことに気がついた。私はインターネットは排 他的なものではなく、誰でも望めば興味の対象となるものを見つけることがで きるということに気がついた。何をしているか、誰であるかといったことは関 係ない。また、私は個別に活動している才能豊かなプログラマの間のコミュニ ケーションにより、どのようなことが起きる可能性があるかを目撃した。私は NewsWatcherのようなプログラムが共通仕様のApple Eventを作り、Anarchieや Fetch、そして後にはTurboGopherやMacWebをサポートするのを目撃した。 Peter Lewis氏やQuinn氏がただ単にそれが正しい行いであるという理由で、 Internet Configを書き、パブリック・ドメインとしてリリースするのを目撃し た。

このようなことが起きている一方、私はMacintosh業界の他の大部分が停滞する のを眺めていた。なにもかもが「右へならえ」的なプログラムか、またしても 似たようなコンタクト・データベースか、何年も前からあるプログラムの新 バージョンだったりするのだ。コンピュータの使い方に対する新しい考え方 や、そのプロセスを簡単で楽しいものにしてくれるプログラムやプログラマは 少なかった。もちろん、少しは明るい話題もあった。たまにはきっちりと正し く実現された機能も現れたものの、大方は肥大した製品と洗練の時代だったと 言って良い。それが特に悪いというわけではないが、特に興奮するほどのこと でもない。

毎週毎週ニュースレターを出し続けるのは容易なことではない。それを続けさ せるのは、何かが変化しているという興奮や、すごく良い記事を書いた時の手 応え、そして読者からの親切な感想だ。そして、私個人にとっては、何か新し いことをした、あるいは規則を破ったという満足感なのだ。ほとんどの場合は そもそもどんな規則があったのか知らないのだが。

これでなぜTidBITSが徐々にインターネット関連の話題を多く掲載するように なったかを少しご理解いただけると思う。私たちは決してインターネット・オ ンリーになっているわけではなく、将来においてTidBITSがどのような展開を見 せるかは時間のみが決めてくれるものだ。


StarNine社、WebSTARを出荷

by Mark H. Anbinder, News Editor <mha@tidbits.com>
(翻訳:尾高 修一 <odaka@mbox.kyoto-inet.or.jp>)

StarNine Technologies社は最近の新製品であるMacintoshおよびPower Macintosh用World Wide Web ソフト、WebSTARのリリースで反響を呼んだ。この ソフトはChuck Shotton氏のMacHTTPサーバー・ユーティリティの新バージョン で、StarNineのマーケティング力を背景に、大幅に機能とパフォーマンスを向 上させ、よりクリーンなインタフェースを与えたものだ。AppleはWebSTARに惚 れ込んでおり、セットアップが容易な同社のInternet Server群の中心に据えて いる。

当然、WebSTARは完全なMacintoshプログラムだ。WebSTARは直感的なダイアログ ボックスと豊かな情報を与えてくれるディスプレイを用い、Macらしい方法で直 接ユーザーが設定とコントロールを行うことができるようにするとともに、 ネットワーク管理者を夢中にさせるような管理ツールを提供している。 WebSTAR AdminアプリケーションはAppleのプログラムリンク機能(System 7で ファイル共有とともにデビューしながら、はるかに注目度の低かった機能)を 利用し、Web サーバーの活動や機能を同じAppleTalkネットワーク上にあるどの Macからでも監視し、制御することができる。このしくみの唯一の欠点は、管理 者は同じ役割をインターネットを介してTCP/IP経由でもできるべきであり、そ のような場合には常にAppleTalkによる接続が利用できるとは限らないというこ とだ。しかし、TCP/IP経由で動作するTimbuktu Proはネットワーク管理者の七 つ道具に加えられていることが多いため、このことはそれほどの問題ではない だろう。

すべての優れたMacintoshプログラムがそうであるように、WebSTARはMacファミ リーのほとんどすべての機種で動作する。シンプルなニーズしかないサイトは ローエンドのMacをWebサーバーとして利用することができる(WebSTARは4MBの RAMを搭載したMacとSystem 7、そして完全なインターネットへの接続を必要と する)。もちろん、より高速なMacintoshを使用すればレスポンスも早くなり、 マルチユーザー環境でより快適な性能を発揮する。WebSTARは68k用とPowerPC用 のバージョンが用意されている。テストによると、WebSTARはMac IIsiと Centris 610という、特に速いとは思われていない古いモデルでも目立った速度 低下もなく複数のリクエストを処理していた。信頼できる情報筋によると、 WebSTARはPowerMacintosh 9500/132上では「ぶっとび」だそうだが、まあ、 驚くほどのことではないだろう。

私たちが頻繁に聞かされた意見のひとつに、「本格的」な、またはトラフィッ クの多いWebサイトはこれからもNCSAのhttpdやNetscapeのサーバーソフトウェ アを走らせている伝統的なUnixマシンを使用するべきだ、というものがある。 コストのみから判断しても、この意見には同意できない。一台の強力なUnix サーバーを使用するよりも、MacをベースにしたWebサーバーを複数セットアッ プした方がコストがかからないのだ。MacHTTPの作者であるChuck Shotton氏に よると、「10,000ドル分のMacと一台のUnixワークステーションを比べたら、何 台ものMacを購入したり再利用することができるし、それぞれのMacでWebSTARの コピーをミラーリングしておけば、ブラウザにはネット上の1個のWebサイトに 見える強力なコンピュータの一群として働き、一台のUnixワークステーション のパフォーマンスを簡単に凌駕できる。」

Web上のサイトによっては、多大なロードを処理するために既に複数のUnixワー クステーションを使用しているため、このアプローチは特に奇抜なものではな い。また、Shotton氏はWebサーバーを運営するためにUnixの専門家を雇うこと には多額の見えない費用がかかるり、WebSTARがさらにリーズナブルであること を強調する。例えば、モデムでStarNineのWebサイトからWebSTARをダウンロー ドするのは、WebSTARをMacにインストールして実際に動くようにするまでの時 間よりもはるかに長くかかるのだ。

このほかの比較でUnix愛好家が沈黙しそうな点は、セキュリティである。過去 において、UnixベースのWebサーバーソフトウェアは、公開することを意図して いないディレクトリやファイルへのアクセスをブラウズしている者に許可して しまうことがあった。WebSTARはこのような状況を避けるため、WebSTARのフォ ルダ内にあるディレクトリやファイルだけにアクセスを認めるという方式を とっている。MacHTTPと同様に、管理者は一部またはすべての資料にアクセスす る際にWebSTARサーバーがユーザーネームとパスワードと要求するように設定す ることができるうえ、アクセスを特定のドメインや特定の範囲内のIPアドレス のみに制限することができる。

WebSTARはほかの商用・非商用の各種プログラムと連携して動作することがで き、Macインターネット・サーバーを完全なUnixマシン(といっていいだろう か?)とほとんど同じように動作させることができる。同じStarNineの新しい メーリングリスト用ソフトウェア、ListSTARが良い例だ。ListSTARにはSMTP用 とLANベース用のバージョンが用意されている。完全にスクリプタブルな ListSTARは、WebSTARと連携し、Web上でフォームを用いた購読用フロントエン ドとともにメーリングリストを生成することができる。もちろん、WebSTARは MailShareやFTPdなどの他のIPサーバー・ユーティリティとも連携して動作す る。

データベース検索には、StarNineはWebSTARサーバーはFileMakerProのようなス クリプタブルなデータベース・アプリケーションとのみ連携するわけではない と言っている。EveryWare Development Corporation社の新製品、ButlerLink/ WebはWebSTARと同社のButler SQLのようなSQL準拠のデータベース・エンジンの 橋渡しをするミドルウェアとして設計されている。このツールキットはAppleの 新しいInternet Serverにも含まれているほか、EveryWare社と小売店からも発 売されている(EveryWareはOpenDoc準拠のデータベース・ツールの開発も進め ており、これは先月のPC Expoで展示されていた)。

http://www.everyware.com/

WebSTARはWebブラウザから受けとったURLのプリプロセスとポストプロセスもサ ポートするようになったため、AppleScript経由で他のアプリケーションにURL を転送し、そのURLのファイル名の拡張子に基づいて特定のアクションを起動す ることができる。

もしWebSTARを試してみようと思っていたけどデモバージョンの有効期間が先週 の金曜日までだったために諦めていた人は(TidBITS-282参照)、もう一度チャ ンスがある。StarNineは無料のデモバージョン(StarNineのWebサイトにある) の使用期間を95年8月1日まで延長した。ちなみに、この日はWebStarの価格が上 がる日でもあるので、早めに動いたほうが良いだろう。

http://www.starnine.com/

価格といえば、WebSTARの価格は95年7月31までは発売記念価格の349ドルとなっ ている。8月からは価格は通常の定価である795ドルへ値上げになる(新規購入 の場合)。95年5月2日以前に登録したMacHTTPユーザーは、WebSTARを今なら99 ドル、95年8月1日からは495ドルで購入することができる。教育機関向けのディ スカウントも用意されている。

EveryWare Development -- 905/819-1173 -- <info@everyware.com>
StarNine Technologies, Inc. -- 800/525-2580 -- 510/649-4949 <info@starnine.com>
情報源:
StarNine propaganda
EveryWare propaganda
Pythaeus

FullWrite 第1部(全2部)

by Tonya Engst <tonya@tidbits.com>
(翻訳:遠藤 美加<HGD01374@niftyserve.or.jp>)

FullWrite はまだバージョン2ですが、このワープロプログラムが存在して既に 数年がたちます。FullWrite は1988年に、Ashton-Tate 社の FullWrite Professional として誕生しましたが、 Borland 社が Ashton-Tate 社を吸収 し、さらに1993年にAkimbo Systems 社がこのプログラムを購入してバージ ョン1.7 を発表するまでは、FullWrite に大きな変化はありませんでした。

Akimbo 社は FullWrite 2.0 を1994 年10月に発表しました。私は FullWriteを 一か月くらい使い込んだ後でレビュー記事を書こうという確固としたプランを たてていたのですが、その計画は去年の秋におきた私の自動車事故のため、実 際には遅れてしまいました。わずかひと月しか使わずに記事を書くべきではな いのですが、もうレビュー記事を書かなければならない時期なのは明らかで す。このレビュー記事はちょっと長くなりましたので、来週号で締めくくるこ とにします。

現在の FullWrite はバージョン2.0.3 で Macintosh Plus 以上、System 6.0.4 以上で作動します。今のところ、PowerPC ネイティブではありません が、エミュレーションで Power Macintosh 上でもよく作動します。 FullWrite のすべてをインストールした場合、占有するハードディスクの容量 は 4 MB を少し割ります。RAM 推奨サイズは 1.5 MB 、最小サイズは 1 MB で すが、 2 MB は割り当てた方が好ましいようです。Akimbo社によると、Power Macintosh のユーザーは 3 MB 割り当てた方がよいとのことです。また FullWrite 2 Read Me には、複雑な文書や100ページを超える文章の場合はメモ リの割り当てを増やす必要があるとうまく説明されています。

FullWrite を私の Duo 230 (33 MHz 68030) と Power Mac 7100 にてエミュ レーション(Mac IIfx とほぼ同スピード)で走らせると、どれくらいのスピー ドで作動しているか気にかけなくてもいいくらい軽快によく動きます。ダイア ログボックスの表示は敏速で、テキストフォーマットの適用はすばやく、スク ロールバーやPage Up キー、 Page Down キーの動きもなめらかです。

FullWrite にはツールバーはなく、クリック可能なボタン類の数も最少に保た れています。ルーラをオプションで表示させると、気がきいていて管理しやす く感じられるほどの数のオプションが利用できます。文書ウィンドウの下端に は小さなステータスボックスと5つの小さなボタンが表示されます。そのボタ ンを押すと、 FullWrite の5つの表示方法を切りかえることができます。その 5つとは、アイコンバー表示、アウトライン表示、チェンジバー表示、1ページ 表示、2ページ表示 で、 Command キーと Comma キーを同時に押すことでも切 りかえ可能です。最初の3つは視覚的な要素を含み文書を作成するのに役立ち、 あとの2つには視覚的な要素はなく、文書の1ページ表示、2ページ表示ができま す。

FullWrite のショートカットはちょっと変わっています。メニューにはいくつ かのショートカットキーが表示されていますが、その数は多くはありません。 論理的に組み合わされたキーを押すことで、実行できるメニューやコマンドを 自由に選べるのですが、私はもっとたくさんのショートカットがプリアサイン されていたほうがよいと思います。私はオンラインや Connie Gugliemo 氏の "War of the Words" (MacUser 95年4月号) で FullWrite が批判されているの を読みました。 FullWrite はそのオプションのほとんどはダイアログボックス に詰め込まれていて、メニューを介さないかぎりそれらのオプションを使うこ とはできない、との意見でしたが、これはほんの一部分だけが正しいと言えま しょう。 FullWrite には、効率よく使用するための数々の巧妙な秘訣があるの です。しかし、それを知るためにはマニュアルを読まなければなりません。

http://www.ziff.com:8007/~macuser/mu_0495/feature1.html

さあそれではいくつかの異なった条件で FullWrite がどのように機能している か見ていきましょう。はじめに、私の妹で14歳の Rebecca です。Rebecca は学 校に提出するレポートを作成する必要があり、グラフィックスをいじるのが好 きです。

中学生‖高鉱生の場合 -- Rebecca はスペルチェッカーをメニューから探 そうとして、なかなか見つけられないかもしれません。オンラインヘルプで Spelling を調べてみたのですが、オンラインヘルプの答えは Edit メニューか ら指定されていないコマンドを選びなさい、という間違った指示です。マニュ アルを見ると、今度は Edit Word のサブメニューを見るよう書かれていまし た。そしてついに Rebecca は Words コマンド以外の場所にある階層メニュー の中に Check Document コマンドを見つけることができます。Check Document コマンドは Tools メニューにあったのです。スペルチェッカーを一度見つけ ることができれば、それから後は順調でした。コマンドキーのショートカット で正しい単語の候補が表示されます。

FullWrite はメイン辞書を採用し、そのメイン辞書は FullWrite に付属してき ます。ユーザ辞書は、メイン辞書を補うためにユーザーが単語を追加します。 文書辞書はある特別な文書においおて適当と思われる語を登録します。 FullWrite のメイン辞書にはたくさんの種類があり、たくさんの選択肢の中か ら選んで購入することができます。アラビア語やアジアの言語はないものの、 英語2種類、フランス語2種類、ポルトガル語2種類、ドイツ語2種類などがあり ます。追加辞書は各々40ドルです。

FullWrite にはたくさんの機能拡張ファイルやプログラムの機能を高めるアド オンが付属しています。機能拡張ファイルのいくつかはスペルチェックやバ ルーンヘルプなど、ごく普通の機能を提供し、その他のものは少し特徴があり ます。Learn Selection は、FullWrite 2.0.x 以降の新しいバージョンに収め られている機能拡張ファイルで、これによってユーザ辞書に単語をまとめて追 加することが可能になります。Learn Selection が発表される前の FullWrite を買ってしまったのなら、インターネットからこのファイルをダウンロードで きます。

ftp://ftp.std.com/vendors/Akimbo/learn-selection.sit.hqx

脚注や後注の機能は中学、高校、そして大学時代を通じて Rebecca を支援して いくことでしょう。後注は、文章の最後または各章の最後にまとめてつけるこ とができます。FullWrite は Niles and Associates 社の後注を参照するソフ トウェアと一緒には使うことはできません。けれどももし作者の名前と日付を 文書中に記入し、文書や章の最後に参照事項を完全な一覧表にしておけば、こ の機能によって文献目録のような機能が使え、参照に役立ちます。参照機能や 他の機能を最大限に利用するためには、 Rebecca はアイコンバー・ビューや ノートパネルに使い慣れる必要があります。

脚注、ヘッダ、注釈など、文書の要素のためにテキスト入力するときは「ノー トパネル」と呼ばれる独立したウインドウのような場所にタイプします。ノー トパネルはウインドウに似てはいるものの、Command キーと W キーを押しても クローズしません。クローズさせるためには、マウスを使うか Command キーと ` キー(ティルデキーの上にあるシングル・クォオーテーションマーク)を使 う必要があります。脚注、ヘッダ、注釈などの要素を挿入すると、挿入された 行の左端にアイコンが現れます。このアイコンが現れるのはアイコンバー・ ビューの時だけです。このアイコンをダブルクリックするとその要素に関連す るノートウインドウを開くことができます。このアイコンはこのように意ある ものですが、サイズが小さいため何だか不可解なものに映ることもあります。 また FullWriteにはズーミング機能はありません。脚注やヘッダなどは、ほと んどのビューで正しい位置に表示されます。しかし、編集はノートパネルを開 いて行わなう必要があります。

Rebecca は創作的でカラフルなカードを作るのが好きなので、32,768 色のテキ ストをフォーマットできる能力が気にいっています。FullWrite はグラフィッ クスを描くためのピクチャー・エディタも提供しています。しかし残念なが ら、クリップボードを経由する以外の方法でグラフィックスをインポートする ことはできません。Rebecca は段落に境界線をつけて楽しむようです。境界線 には色もつけられるし、灰色の影をつけることもできます。一重線、二重線、 細線など、6つほどのオプションから選択できます。

Rebecca が書式に関心を持つようになったら、Base Styles ダイアログボック スの使用を通して、「スタイル」というものを少しずつ知っていくことになる でしょう。Base Styles ダイアログボックスでは、文書テキスト、脚注、ヘッ ダなど、文書の普通の要素のフォーマットができます。スタイルは Base Styles ダイアログボックスを使って整えますが、それを特に意識することなく できます。

大学院生の場合 -- 私のもう一人の妹の Rachel は現在、西アフリカのガ ンビアで平和部隊の隊員としての2年間を過ごしている途中なのですが、つい最 近エール大学にて、修士の学位を取得したばかりです。このレビュー記事のた めに、 彼女はまだエール大学にいるということにしましょう。 Rachel は PowerBook 145 を使い、長い論文を書き、科学データを扱います。

FullWrite は EGO を使用し Equation エクステンションを組み込みます(EGO は Edit Graphic Object の略 - EGOはユーザーの視点から見ると OLE に似た もので、とても便利です)。Equation エクステンション は Design Science 社の Math Type の機能縮小版です。EGO に対応したアプリケーションはすべて FullWrite に組み込むことが可能です。 Rachel は、Cambridge Scientific Computing 社が発売している EGO 対応の化学関連のアプリケーションを検討し てみると良いかもしれません。

Rachel はまた、 Classify 機能も使用するでしょう。Classify 機能を使う と、図やその他の項目に自由に番号をつけることができます。Classify 機能で 分類された項目どうしは、相互参照ができるようになります。私は、相互参照 の方法は一応理解したものの、そのやり方も説明もインターフェースも使いづ らいと思いました。各々の脚注、後注、または参考文献の記入に対して、複合 的な参照ができます。FullWrite には番号をつけたり、複数の文書間で参照し たりする機能はないのですが、文書の中でハイパーテキスト型のリンクをする ことができるのです。

Rachel は長めの文章を書くので、Chapter Ruler 機能を使うでしょう。 FullWrite の文書は章ごとに分割することができ、新しい章を始めるときは、 Chapter Ruler を挿入します(Chapter Ruler の機能は Microsoft Word の section breaks によくにています)。テキスト中のルーラを使用するかまたは ダブルクリックして、ヘッダやヘッダの高さやページの番号など新しい章をい じることができます。私はこの、文書を区切り、前の章をフォーマットすると いう方式が非常に好きです。私が見てきた中で、もっとも的確な方法だと思い ます。

来週は -- 来週は、私の母と私が FullWrite を使用したらどんなふうか を見て、このレビューを続けていきます。まとめも加えます。


Reviews/03-Jul-95


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