TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#292/28-Aug-95

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目次:


MailBITS/28-Aug-95

「過剰性」とWin95 -- あなたが先週地球外旅行に出かけていて、ニュースを 知らない場合も考えて、我々は、あなたにMicrosoft社が遂にWindows 95を 出荷した事を知らせようと思います。 我々は、その市場の過剰性がその面目に 拠る物である事も指摘したいと思います。 例えば、Microsoft社はNew York市の エンパイアステートビルにWindows 95のロゴを映写しました;報告によると Windows 95の巨大広告が(もちろん)掲載されたLondon Timesを150万部無料で 配布する為にお金を使い;そしてSydney港に40フィートの高さの複製Windows 95 ボックスを浮かべ、少なくとも見ていた一人の人にアップデートが必要な フロッピーは何枚なのだろうと質問させました。

Apple社は、幾つかの独り善がりの広告で対抗しましたが、その中で特に 当てはまるのは、Microsoft社の構内へ直接行くSeattleの253番線のバスの横に 掲げた物です:

C:\ONGRTLNS.W95

多分、特にこのApple社の広告の最も悲しい点は、人々がそれを_理解している_事 です。 [GD] Open Transport 1.0.7 -- 先週Apple社はOpen Transport 1.0.6を1.0.7に 更新するパッチを出しました。 1.0.7版は、Power Macs 7200、7500、8500及び 9500のみで使用する事ができ、他のPower Macsでは、Open Transport 1.0.6以外は 動きません。 この版は、256以上のAppleTalkゾーン、SLIP/PPP使用者に対する 修正等ネットワークへのサポートを含んでいます。  修正版の詳細な使用法については、ReadMeファイルを見てください;もし貴方が 9500を購入し、Open Transportの以前の版を持っているなら、アップデートを 手に入れる為にApple社800/769-2775、内線 5617に電話してください。 [GD]

ftp://ftp.support.apple.com/pub/apple_sw_updates/US/mac/n_c/other_n_c_sw/Open_Transport_1.0.7_Patch.hqx

Frank Imburgia氏 は、Tシャツの問い合わせの為に彼の仕事場の電話番号を 我々に教えた時(TidBITS-291参照 )には、多分TidBITSの読者からの多量の電話を 予測してはいませんでした。 彼の働いている会社(Tシャツとは何の関係も 無い様です)は驚きに包まれました。 Yankee Group社のFrank氏に電話する 代わりに、自宅617/630-9828に電話してください。 (時差を心得ておいて ください;Frankの居るマサチューセッツは、Eastern U.S.時間地域で、夏時間が 終わるまでは、グリニッジ標準時間より4時間遅れています。) [MHA]


AOL の新しい電子メール取り扱いの問題点

by Geoff Duncan <geoff@tidbits.com>
(翻訳:遠藤 美加<HGD01374@niftyserve.or.jp>

一週間程前、America OnlineはInternet経由のメールファイル転送の取り扱 いについて、根本的な変更を加えた。この変更はは多くのAOLユーザーには、 便利であろうが、多くのTidBITS読者を混乱させることとなった。

以前、AOLのInternetのメールゲートウェイにて、25Kを超すメールは複数に 分割されていたので、AOLのTidBITS購読者には、毎週TidBITSが2通の電子 メールメッセージとして届けられていた。AOLの新システムでは、25Kを超え る電子メールメッセージを違った方法で扱う。メッセージの最初の25Kはメッ セージボディの中に現れ、メッセージ全体は、ダウンロード可能なMIME符号 化された添付書類として配送される。

この方法はまんざら悪い方法でもないように見える、が、問題がある。平均的 なTidBITSは30Kから55Kであるから、まず第一にこの新システムでは、TidBITS を手にいれるためにダウンロードが必要なユーザーの物理的な数が増加する(彼 らは25Kの"プレビュー"と30Kの書類の両方を得ることになるからだ)。これは、 25Kを超える他のメールにも当てはまる。

第二に、AOLは現在、その書類をMS-DOS形式のテキストファイルのように整 形し(改行時、復帰(CR)だけでなく、復帰と改行(LF)を使用する)、8文字 に3文字の拡張子付きのDOS標準のファイル名をつけている。しかし、先週AOL のInternet ゲートウェイは、MS-DOSのテキストファイルを試してはみなかった。 テキストアタッチメントをUnixテキストファイルとして整形を試みたのである。 そしてそれは、実質的にSimpleTextやほとんどのワードプロセッサで読み込む ことはできなかった。

AOLがテキストファイルをDOS形式で転送しようとしている限り、AOLのメール 処理の方法を正す方法はたくさんある。第1の方法は、テキストファイルの変換 ユーティリティを使用して、DOSの行末を復帰に変えてしまうことである。 AOLでは、Go ToメニューでFile Searchコマンドを使用して、DOSWasher、 NetStripper、 Add/Stripなどを検索することができる。この変換ができるユ ーティリティは他にもたくさんある。ほとんどのワードプロセッサやテキスト エディタの検索置換機能を使用しても可能であるし、BBEdit LiteやAlphaなど のプログラマー用のエディタなら意識する必要なくMac、DOS、そしてUnix の ファイルを読むことができる。

ftp://ftp.tidbits.com/pub/tidbits/tisk/util/add-strip-322.hqx
ftp://mirror.aol.com/pub/info-mac/text/alpha-60.hqx
ftp://mirror.aol.com/pub/info-mac/text/bbe/bbedit-lite-30.hqx

電子メール経由で届いたTidBITSで面倒な思いをしたくないなら、AOLの Macintosh Hardwareフォーラム(MHW)にて完全なものを取り出すことができ る。通常、TidBITSが電子メールで届けられるのと殆ど同時に入手可能である。 一方で私たちは、AOLの電子メールのシステムが変わったことで、何か問題が あった誰かが直接AOLにコンタクトをとり、意見を表明することを勧める。電子 メールの提供に、MIMEのサポートを含めたことには拍手をおくるが、MIMEはこ のような問題を解決するためのものであり、問題を引き起こすためのものではな いということを彼らに気付いてほしいのである。


クロスプラットホームで感染するウイルス、Word ユーザーを襲う

by Mark Anbinder, News Editor <mha@tidbits.com>
(翻訳:遠藤 美加 <HGD01374@niftyserve.or.jp>)

翻訳されたコマンドという形で、異なるプラットフォームのデータ書類を移動 するウイルスの可能性はコンピュータの専門家によって考えられてはいたも のの、その発見は先月、Microsoft's WordBasicマクロ言語で翻訳された文 書マクロに広がった新しいウイルスが初めてであった。Macintosh antivirus communityにより"Word-Macro-9508"と名付けられたこのウイルスは、 Microsoft Word のバージョン6.0.を使用しているコンピュータシステムな らどれでも感染する可能性がある。

今までのところ、このウイルスは主に、北アメリカやヨーロッパの各地で Word 6を走らせているDOS、Windows、そしてOS/2のコンピュータにて 見つけられている。決してWindowバージョンのWord 6のみのウイルスで はないが、Windows社会でこのウイルスのことを"WinWord.Concept"、 "WW6"、 "WW6Macro" と呼んでいる。Microsoft社でのこのウイルスの 名前は"Prank Macro"である。コードは汚染されたWord文書を開いた時に だけ広がり、これは異なるオペレーティングシステムから変換されたコードで あっても同様であるが、これはWordのマクロはデータとして格納されていて、 そのアプリケーションの現在のバージョンによって自動的に認識されるため である。

このウイルスはWordの世界的なマクロプールに"AAAZA0"、"AAAZFS"、 "Payload"、そして"FileSaveAs"などと名付けられたいくつかの新しいマクロ を加えた。この"FileSaveAs"は、ユーザーがFileメニューからSave Asを選択 するとき、汚染されたファイルのウイルスの活動を促進するというものである。 マクロは変更され、ファイルと共に保存される。ウイルスがWord文書を汚染して しまった場合、ウイルスが誘発されたとき、数字の"1"を表示したアラート ウィンドウが現れるか、または汚染されたWordの文書は普通の文書としてでは なく、テンプレートとして保存されることに気付くかもしれない。

IBMはこのウイルスに関するかなりの量の情報とどのように対処したらよいかを、 以下の場所にて公開している:

http://www.research.ibm.com/xw-D953-wconc/

Microsoft社は、このウイルスに対処するツールをリリースし、Internetにて 入手可能である。これを書いている時点では、Microsoft社はこのウイルスその ものを除去するのではなく、ウイルスの原因となるファイルの名前を変更するこ とでウイルスを抑制している。そして同社によって供給されたfileシステム走査 機能は、Macintosh上の汚染されたすべてのファイルを捜すことはできないよう だと報告された。

http://www.microsoft.com/kb/softlib/mslfiles/mw1222.hqx
ftp://ftp.microsoft.com/softlib/mslfiles/mw1222.hqx

[Microsoft社はいまだにBinHexファイルを正しく送信していないので、この ファイルはバイナリモードでダウンロードしなければならないことに注意して ほしい。Netscapeはほとんどのものをバイナリでダウンロードするので試して みるとよい。またはFetchでもよい。Fetchには、強制的にバイナリでダウンロ ードするBinaryボタンがある。または、FTPクライアントを設定して、ファイル の末尾部の".hqx"をバイナリファイルとして扱うようにしてみよう。終わった ら、ファイル名をもとにもどすことを忘れないように。-Geoff]

Datawatch社は市販のVirexユーティリティMacintosh用のアップデート(バー ジョン5.6.1) をリリースした。商業ベースのオンラインでも入手可能、以下の 場所で:

ftp://gateway.datawatch.com/pub/

他のMacintoshのアンチウイルスユーティリティには現在のところアップデート の計画はない。ほとんどが、機械コード形式をとらないウイルスに取り組んでは いない。

Mac版のMicrosoft Word の6.0以前では、WordBasicを組み込んでいないた め、また新しいバージョンでさへ、これらのマクロは簡単に発見でき、取り除 けるので、ユーザーはこのウイルスに関してそうあわてる必要はない。

情報は以下より: Gene Spafford社 IBM社


Speed Doublerはペースを速める

by Richard C.S. Kinne <kinnerc@snymorva.cs.snymor.edu>
(翻訳:小山 純一 <vb4j-oym@asahi-net.or.jp>)

コンピュータ産業ほど、スピードの問題に悩まされる世界はない。それ故に、 コンピュータの動作を高速化する方法を発見した者は、賞賛と同時に利益をも得 ることになる。

Connectix Software社は、より少ない代償でより多くのことを成し遂げることで 有名な会社である。今年のMacworld Expo/Bostonにおける最も長い行列の一つは、 Connectix Software社が作り出した新たな奇跡、Speed Doublerを待ち焦がれる人 々で一杯だった。Speed DoublerはMacintoshのスピードを2倍にすると宣伝されて いるが、条件さえ整えば、それは現実のものとなる。以下、この製品について詳 細に見てゆこう。

家庭用ホースから、巨大なパイプへ -- Speed Doublerは、3つのコンポーネント で構成されている。第1のコンポーネントは、Speed Accessと呼ばれるディスク・キ ャッシング機能拡張である。コンピュータの性能を制限するボトルネックの一つは、 コンピュータのCPUがディスクの読み書き速度よりも速く動作することである。例え ば、新しい庭園プールに水を満たそうとする場合、誰でも、もしできることなら、家 庭用ホースの代りに、直径5フィートの給水パイプを使いたいと思うはずである。 Speed Doublerは、68K MacintoshおよびPower Macintoshのいずれに対しても、ディ スク・キャッシング・アルゴリズムを改善することによって、ディスクオペレーショ ンに関して、より太い給水パイプの役割を果たす。Macintoshはそのオペレーティン グシステムに組み込みのディスク・キャッシング機能を備えているが、これは本質的 に「ブラインド」キャッシュであり、処理パターンやデータ形式とは無関係に動作す るものである。しかも、過去数回に渡るシステムの改訂を経ても、その性能は余り向 上していない。

Speed Accessは、Macintoshに組み込まれている標準のディスク・キャッシュを、頻 繁に使用されるデータを優先的にキャッシュするインテリジェントなディスク・キャ ッシュ機能で置き替えることによって、その性能を改善する。Speed Accessは、イン ストール時に、搭載されているRAM容量に応じてキャッシュサイズを設定する。ユー ザーは、“メモリ”コントロールパネルを介して、このキャッシュサイズを変更する ことができる。Speed Accessを使用する際には、あなたが必要とするすべてのアプリ ケーションをオープンするのに十分なRAMを確保した上で、可能な限り多くのRAMをキ ャッシュに割り当てると良い。ただし、あなたがそうすることを望まないなら、通常 割り当てている以上のキャッシュメモリを使用する必要はない。

ファインダにおけるマルチタスク -- Speed Doublerの2番目のコンポーネントは、 Speed Copyと呼ばれる機能拡張であり、ファイルのコピー中もMacを使用できるよ うにする。Speed Copyは、コピーを実行しながらファインダ上での作業を継続するこ とを可能にする。また、複数のコピー処理を開始し、それらを同時並行的に実行する ことができる。ただし、複数セットのファイルコピーを同時に実行すると、マシンの 動作は極端に遅くなる。CopyDoublerやAladdin Desktop Toolsなど、方式的にはやや 異なるものの、同等のパフォーマンス向上を実現するユーティリティも存在するが、 Speed Doublerがこの機能を提供することで、消費者の選択の幅はさらに広がること になる。

Speed Doublerのファインダ強化機能は、ファイルコピー中やゴミ箱を空にする処理 中にも他の作業を継続できるだけでなく、付加的な情報および機能を提供する。まず 、コンピュータがそれらのファイルをコピーするために、あとどれだけの時間を必要 とするかを教えてくれる。産業スパイがあなたの機密情報を入手するのを防止するた めに、新しい“Empty Trash”ダイアログボックスはセキュリティ消去オプションを 提供する。また、(ゴミ箱の“Warn before emptying”チェックボックスをセットし ておけば)ゴミ箱の中身が消去される前に、その中の特定のファイルを選択すること もできる。

高速なPower Macよりも速く -- Speed Doublerに含まれる最後のコンポーネント は、PowerPC Speed Emulatorである。このコンポーネントは、Speed Doublerの名称 の由来となったものである。Power Macの弱点の一つは、68Kベースのソフトウェアを 低速なエミュレーションモードで動作させなければならないことである。Apple社は 、 今年の前半、PowerPC 604ベースのMac向けのPower Mac 68Kエミュレータの性能を 向上させ、第1世代のPower Macのエミュレーションは改良しなかったことで、大方 の不評を買った。だが、もう、いらいらすることはない。Speed Emulatorは、単に68 Kアプリケーションが動作中のPower Macのスピードを向上させるだけでなく、Apple 社の改良版エミュレータよりも30%高速であると評されている。私自身、1週間以上使 用してみたが、少なくとも50〜70%という劇的な改善が認められた。Speed Emulator はネイティブソフトウェアのパフォーマンスは向上させない ― なぜなら、ネイティ ブソフトウェアは既にPowerPCチップの性能を最大限に引き出しているからである。 しかし、Mac OSのかなりの部分が依然として非ネイティブであり、Speed Emulatorは これら非ネイティブ部分のパフォーマンスを向上させることを思い出していただきた い。当然のことながら、Speed EmulatorはPower Mac上でのみ動作し、68Kベースのマ シンでは使用できない。だが、Apple社の改良版エミュレータとは違って、Speed Doublerはすべての Power Mac上で動作可能である。

それは幾らだい? というのが、MacworldのConnectix社のブースで私が最初に発 した質問だった。その答えは、定価は$99、実売価格は約$60、さらに他のConnectix 社製品の所有者には特別割引きがある、というものである。でも、RAMはどのくらい 必要なの? Power Macを効果的に動作させるには8 MBのメモリでは足りないという ことを痛感して以来、私はRAMについて非常に慎重になっている。Speed Access ― ディスク・キャッシング機能 ― は、“Memory”コントロールパネルで設定されたキ ャッシュサイズに見合うだけのメモリを消費する。Speed EmulatorはPower Mac上で 約800KのRAMを消費すると公称されているが、私はシステムサイズがおよそ1.5 MB増 加することを確認した。システムサイズの増加は、(メモリ上のオブジェクトをパー ジする頻度をできるだけ少なくする必要があるため)利用可能なメモリの量が大きい コンピュータほど多くなる。このことは、かなりの量のフリーメモリが常時存在する ようなマシン上で、Speed Emulatorがより効率的に動作することを意味している。

コンピュータの低レベル機能を変更するソフトウェアは、互換性の点で問題を生じや すいものである。しかしながら、Power Mac 6100/60を含む3種類の異なるマシン上で Speed Doublerを1週間以上使用した結果、私が発見したソフトウェアのコンフリクト は、非常に特殊なアプリケーションについての1例だけであった。私が実行した主要 なアプリケーションおよびゲームはすべて問題なく動作し、そのすべてにおいてパフ ォーマンスの向上が確認された。[Power Mac 7100およびPowerBook 520上でも、何 らトラブルは生じなかった。-Tonya]

そして評決は... Speed Doublerは基本的に3種類の機能を改善することを目的 としている。ディスク・キャッシング機能を改善するとされるSpeed Accessは、私自 身が顕著な効果を確認できなかったこともあって、印象は薄かった。別の見方をすれ ば、このコンポーネントは、他のコンポーネントのスピードアップに内部的に貢献し ている黒子的存在なのかもしれない。Finderの機能改善に関しては、Connectix社は より多くのことをなし遂げている。ファイルコピー中もFinder上での作業を継続でき る機能は、必ずしも斬新なものではないが、有用な付加機能である。この領域で Connectix社が達成した最大のものは、ディスクのフォーマットをマルチタスク化す る方法を発見したことである。最後に、Power Mac上におけるSpeed Emulatorは、依 然としてかなりの割合で68Kベースのアプリケーションを使用し続けなければならな い我々にとって、大いなる収穫である。問題となるようなコンフリクトもなく、著し い性能の向上をもたらす点は高く評価される。

あなたにとってスピードが重要であり、Power Macintoshを使っていて、しかも68K ベースのアプリケーションを使用しているのなら、Speed Doublerを購入すべきであ る。しかし、あなたが68KベースのMacintoshを使用しているのなら、このパッケージ は、ファイルのコピー中に待たされることを我慢できない人にとってのみ価値をもつ に過ぎない。

[つい最近、Connectix社は、マシンおよびマスターディスク上のSpeed Doublerを、 Speed Doubler 1.0.1にアップデートするためのパッチをリリースした。このパッチ により、PowerPCアップグレードカードを搭載したマシン上での動作の安定性が向上 し、Speed EmulatorとともにMicrosoft Word 4.0を動作させることが可能となる。 -Geoff]

ftp://ftp.mid.net/pub/Macintosh/Applications/SpeedDoubler/SD101U.sit
http://www.mindvision.com/

Connectix -- 800/950-5880 -- 415/571-5100 <sales@connectix.com>


パワーアップしたPowerBookの登場

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:水木 潔  <HGH03125@niftyserve.or.jp>)
(翻訳:山浦 礼子 <raeko@aol.com>)

本日、Apple社は、長い間待ち望まれていた、そのデザイン的には洗練されているけ れども、いささか年老いた感のあるPowerBookのアップグレードをPowerBook 5000シ リーズ、PowerBook 2000シリーズ、そしてPowerBook 190として発表した。たぶん、 その名前にもう1つの「0」が加わったことからも期待できるように、PowerBook 5000 と2000シリーズはPowerPC 603eという省電力で,しかも高いパフォーマンスを提供す るPowerPCチップを搭載している。PowerBook 500シリーズとPowerBook 200シリーズ の所有者は、500シリーズではドーターカード、そしてDuoでは新たなロジックボード により、603eへのアップグレードが可能だ。本体については、5000シリーズは95年9 月11日より、そしてほかのものについては10月中旬より入手可能となる。Apple社は 過大な需要のため、発売当初の2、3週間は品不足となると予想している。しかし、そ れらはその品不足な状況を経て後は供給も十分になると考えられる。どうか今回はそ の状態が,ただの一度ですむことを期待しよう。

PowerBook 5000シリーズ -- 5000シリーズのPowerBookは、現在の500シリーズに よく似ているのだが、少々の違いがある、もっとも顕著なのはその奥行きであり、 Apple社は新しいモデルをややコンパクトに設計している。500シリーズでは11.5× 9.7インチだったのにくらべ、新しい5000シリーズでは11.5×8.5インチとなってい る。重量も軽くなり、新しい匡体では、全装備で5.9から6.2ポンドとなっている。

5000シリーズに共通した有効な機能は、Apple社が3〜5時間の寿命を持つと主張して いるリチウムイオン電池、8bitのカラービデオ出力、ビルトインスピーカ、16bitの サウンド入出力、統合化されたマイクロフォン、サードパーティ製外付けハードディ スク用のIDEコネクタを装備した拡張ベイ(フロッピディスクドライブは標準で拡張 ベイに接続されている)、ビイルトインの赤外線ネットワーク、そして2枚のPCカー ドスロット(以前はPCMCIAスロットとして知られていたものである)2枚のType I、 あるいはType II、もしくは1枚ののType IIIのPCカードを使用できるものである。ワ イアレスのネットワーキングを実現する赤外線ウィンドウ、ビデオ出力用ポート、ス テレオサウンド入出力、SCSI、LocalTalk兼プリンタポート、そしてADBポート。

5000シリーズの4機種の相違は、仕様に基づくものである:

新機能 -- Apple社は拡張ベイ、PCカードスロット、そして赤外線によるネット ワークを,それぞれ利点があるということで強調している。拡張ベイには.5インチフ ロッピドライブが付属して出荷される、しかし、これは簡単に取り除き、ほかのデバ イス、たとえば、外付けハードディスク、あるいはMOドライブなどに変更できる。拡 張ベイには内蔵のパワーコネクタ、したがってVST Power Systems社のようなサード パーティが作っているPowerBookに完全に内蔵することのできるパワーアダプタを使 用できる。約7オンスの重量を軽減するために、フロッピディスクドライブをApple社 のPCカード用のモジュールを搭載することも可能だ。

PCカードのサポートはこれらの新しいPowerBookにとって極めて重要なものである、 というのも500モデルにあったようなビルトインでEthernetあるいは内蔵モデムを備 えていないからである。Ehernet、あるいはモデムを付加するためには、PCカードを 使用しなくてはならない、そして、Farallonは(12月発売と言われているが)、Ethe rnetとモデムの機能を兼ね備えたカードを開発するという計画が発表している。ほか のベンダーは、たとえばGlobal Village社、Dayna社、Focus社、Megahertz社、そし てNewer Technologies社なども5000シリーズのためのさまざまなPCカードを発表して いる。ロジックボード上のEhernetや内蔵のモデムコネクタから移行は間違いとも思 えなくもないが(500シリーズの機能を構築しようとすれば、PCカードを片方もしく は両方を使用しなくてはならないのであるから)、これはたいへんにポジティブなこ とであると思う。結局のところ、500シリーズのオンボードのEhernetというのは、ト ランシーバを必要としたために全くタダというわけではなかったし、加えて500シリ ーズではたった1種類のモデムしか用意されず、それは28,800bpsを提供しないのであ るから! PowerBookシリーズがPCカードを標準としたことは、多くの選択とより低 価格化を意味する。

新たに採用された赤外線によるネットワークというものはまったくもって興味深い。 すべてのPowerBookは、背面に赤外線ウィンドウを備えており、バンドルされるApple IR File Exchangeというソフトによりファイル転送を簡潔にしている。IR File Exch angeは、自動的に付近(角度30度、6フィートまで)にあるほかのIRを装備した機種 を認識し、ファイルを共有するためのゲストフォルダを確実に作成する。もちろん、 標準となっているファイル共有であるので、ハードディスクのアクセスの際にパスワ ードプロテクトが有効となる。IR File Exchangeは同時に複数の赤外線接続を実現す るマルチプル環境をサポートし、ビームが遮断されてファイル転送を完了した後に、 再び確立される。これを利用してデスクトップマシンに接続するために、Farallon社 はFarallon AirDockを発売する。今のところこの赤外線接続のスピードはわかってい ないものの、まぁいくら速くとも、標準となっているLocalTalkよりは速くなさそう である。標準のネットワークとしてのIRによるネットワークは動作する、したがって Ethernet、あるいはLocalTalkに切り替えることが必要であれば、コントロールパネ ルのネットワークで変更しなければならない。もちろん、赤外線接続のもっとも便利 な点は、Spaceward Ho! やほかのネットワークゲームをミーティング中でもプレイ できることだろう。。

PowerBook 2000シリーズ -- それほど革新的でも羨望的というわけでもないのが、 新しいPowerBook Duo 2000シリーズである、これは基本的に680x0ラインからPower PC603eチップへのプロセッサのアップグレードである。現在のところ2000ラインには 1機種のみ明らかとなっている、PowerBook Duo 2300c/100である、これは100MHzクロ ック603eプロセッサを搭載。8または20MBのRAMと、750MBあるいは1.1GBのハードディ スクを装備し、9.5インチの32,000色まで表示可能なアクティブ・マトリックスカラ ーディスプレイとなている。

Duo 2300c/100の主な匡体の変更というのは、小さなトラックボールから、ボタンな しでも使用できるように(ボタンはあるのだが)改良されたトラックパッドになった 点である。この新しいトラックパッドは、Duo 2300c/100とPowerBook 190/66にのみ 採用され、パッドを叩くことで、クリック、ドラッグ、そしてダブルクリックが可能 となっている。Apple社によれば、入手困難な状況を回避するため、新しいトラック パッドは5000シリーズにはまだ採用されていないということである。将来のモデルも 疑わしいところだ。

Duo 2300c/100は10月中旬より3,500ドルから4,700ドルの間で発売される。現在、Duo を所有している者にとっては、Duo 2300c/100が現在のDuoシリーズで使用しているす べての周辺機器と完全に互換性があると思われること、そして、すべてのDuoモデル は10月中旬に1,300ドルの新しいロジックボードでPowerPC 603eにアップグレードで きることは朗報であろう。

PowerBook 190/66 -- 最後は、しリース契約とはならない(というのもこれは廉 価だから)、PowerBook 190/66と190cs/66だ。これは5000シリーズの形式的な要素と デザインと、500シリーズの基本的な機能を合わせたものである。この2機種は、新し いクリック可能なトラックパッド、そして5000シリーズ同様の拡張ベイとPCカードス ロットを備えているが、33MHz(Apple社は66/33MHzと呼んでいるが)68LC040プロセ ッサを搭載している。この2機種の相違はスクリーンである − 190は9.5インチのパ ッシブマトリックス・グレイスケール、190csは10.4インチディアルスキャン・カラ ーディスプレイとなっている。190シリーズはニッケル水素電池を5000シリーズで採 用されたリチウムイオン電池の代わりに使用する。価格帯は、4MB/500MBの190では1, 650ドル、8MB/500MBの190csで2,300ドルとなっており、2つのモデルともに10月中旬 の発売開始となる。

190シリーズへのアップグレードは豊富に用意される。ロジックボードの変更によりP owerPC 603eを入手できる、それを終えた後に10.4インチアクティブマトリックス・ カラーディスプレイを付加することも可能だ。ほかに提供されるアップグレードには、 リチウムイオン電池、赤外線ネットワーク機能、ビデオ出力ポートがある。一旦ア ップグレードの可能性を一覧してみると、追加料金を払うか、代わりに5300を購入す るのが価値があるのか決めなければならないであろう。

190シリーズは、失敗作とおぼしき150シリーズとはちがって、気のきいたベーシック な、PowerBookであるように思える。私は多くの190ユーザが、既存の「100シリーズ」 の製品のラベルを使用することによって混乱してしまうのではないかと思う。とい うのも、190モデルというのはこれまでのマシンとは大きく異なるにもかかわらず、A pple社は190モデルがそのナンバーを使用することで「付加価値の高いライン」であ る様に見せたかったのである。

全体的意見 --大部分が拡張ベイ、PCカードのスロット、赤外線ネットワーキング、 及びPowerPC 603eチップの性能によって、 私はこれらの機械は少しばかりヒットす るだろうと思う。 PowerBookにはApple社の誇る良くてしっかりしたアップグレー ドがあります。 しかしながら、私は5000シリーズが既存のPowerBookと大変わりし ない事にある種の衰退を感じる。 Apple社は、その時点では競争の遥か前だったが、 最初のPowerBookでノートブック市場を席捲した。 それ以降、PCノートブックは劇 的に改良されてきた。例えば、IBM社のThinkPadsは、赤外線ネットワーキングと蓋 を開けた時に出てくる素晴らしいキーボードを持っている。 私は、Apple社のトラ ックボールやトラックパッド程良いポインティング装置を持つPCノートブックを見 た事が無いし、5000シリーズの赤外線ネットワーキングは、Macintoshのソフトウェ アを使っているので、使い易い事は疑いも無い、しかし、これらの機械はホームラ ンでは無いし、Apple社にノートブック市場での主導権を戻す物でも無い。 それら は、堅実な二塁打として位置付けられ、Apple社は、より攻撃的に幾つかの本当に革 新的で新しい機械でファンを喜ばせてきた。 (野球と対比させてすみません;私は 1964年の野球に関する本を読んでいるところで、専門用語から逃れるのが困難である。)

Apple社へのヒント:デスクトップ型にPowerBookの様なスリープ機能があれば、 本塁打ではないけれども、少なくとも三塁打にはなるだろう。


Reviews/28-Aug-95


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