TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#336/15-Jul-96

シアトルの猛暑にもかかわらず、今週号は人気の RAM Doubler と Retrospect のアップデートのニュース、続いて Microsoft Empowerment Pack の内容 の詳細、Claris OfficeMail、そして検索エンジンで検索をかけるときに Usenet の書き込みと Web ページを除外する方法に関する記事。また、 Mac の Web マスター達が気にしているであろう MacHTTP、WebSTAR、 NetForums、Phantom、LogDoor、LogRoller といったいくつかの新しいプ ログラムやアップデートされたプログラムについても簡単にふれます。ど うぞご覧ください。

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目次:


MailBITS/15-Jul-96

(翻訳:加藤たけあき <oiso@wolfenet.com>)

RAM Doubler 2 まもなく登場 -- Connectix 社は、来る 8 月にボストン で開催される予定の Macworld エキスポに間に合うように RAM Doubler 2 を出荷すると発表した。RAM Doubler 2 はコントロール・パネルでのイン ターフェイスを提供し、より高速な圧縮エンジン、そしてあなたの Macintosh に有効なメモリの 3 倍の量が利用可能だと思い込ますことがで きるという話である。登録ユーザーにはリベートが、最近購入された方に は無料アップグレードが付く予定。[GD]

<http://www.connectix.com/connect/RPM.html>

Retrospect 3.0A アップデータ -- Dantz 社はついに人気のバックアッ プ・プログラムである Retrospect の 3.0A アップデータをリリースした。 この新バージョンからは Windows Remotes のサポートが追加されたので、 Restrospect を使ってネットワーク上のウインドウズ・マシンもバックアッ プすることができるようになった。これらのウインドウズ・マシンは恐ら く AppleTalk が使われていないので、Retrospect 3.0A は TCP/IP と Open Transport を介してコミュニケートしている。古いファームウェアを搭載 した Sony の DAT ドライブのサポートや、8 mm Exabyte テープを初期化 できる機能を含む、いくつか特定の機能も加えられている。このアップデー トはまた、RAM に関係した問題、アラビア語、ヘブライ語、中国語の文字 のサポートの向上、 Novell サーバー上の実在しないボリュームを見つけ てしまうことの修正といった、いろいろな問題も改善されている。RAM Doubler ユーザーは、3.0A では RAM Doubler との互換性が向上してはい るが、Dantz 社はバージョン 1.6.2 以上の RAM Doubler を System 7.5.3 上で使用することを奨励していることに注意して欲しい。1.6 MB のアップ データ・ファイルは、Dantz 社の Web サイトか FTP サイトからダウンロー ドできるが、現在両サイトとも非常に混んでいる。[ACE]

<http://www.dantz.com/retro_30A_updater.html>
<ftp://ftp.dantz.com/pub/updates/Retrospect_30A_Updater.sit.hqx>


Web アップデートとユーティリティ

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:尾高 修一 <odaka@iprolink.ch>)

今週開催されている Mactivity のため、Macintosh の世界では Web 関連 の動きが山ほど見られた。ここでは早めに出たアナウンスを少々と、 MacHTTP と WebSTAR のセキュリティ問題に関するニュースを紹介しよう。 来週号では、プレスリリースやアナウンス、噂の山から面白そうな新製品 情報を選り分けて掲載するつもりだ。

MacHTTP 必須アップデート -- シェアウエアの MacHTTP とその商品版、 WebSTAR の作者である Chuck Shotton 氏 <cshotton@biap.com> は、 MacHTTP 2.2 とそれ以前のバージョンにある潜在的なセキュリティ問題を 解決するため、彼自身の言葉によると「重要で、必須のアップデート」を リリースした。この問題のため、特殊かつ珍しい条件下において、アクセ ス権を与えられていないユーザーがサーバ上のファイルへアクセスするこ とができる可能性がある。もし MacHTTP、または『WebSTAR Mac』に付いて きた WebSTAR PS を使っていたら、StarNine 社の Web サイトから完全な MacHTTP 2.2 をダウンロードし、パッチ・アプリケーションでアップデー トすべきだ。

<http://www.starnine.com/machttp/machttpsoft.html/>

WebSTAR アップデート -- MacHTTP のアップデートとともに、StarNine 社はつい最近リリースされたばかりの WebSTAR 1.3 (これは CGI を使用 した場合よりも高いパフォーマンスを得られるカスタム・プラグインをサ ポートしている)のマイナーアップデート、WebSTAR 1.3.1 をもリリース した。なんでも Chuck Shotton 氏 は弁護士連を黙らせるために一時 MacHTTP にカスタム URL を追加して著作権に関する情報を表示することに したことがあり、その後そのカスタム URL に WebSTAR がアプリケーショ ンウインドウに表示するサーバの統計も表示するように機能を追加したら しい。MacHTTP の時代にも WebSTAR に移行してからも、Chuck は単にこの カスタム URL を削除し忘れていたのだが、この URL の存在が知られるよ うになったため、1.3.1 で削除したようだ。この URL はファイルのセキュ リティなどには何の問題もなかったのだが、多くの WebSTAR ユーザーは誰 もがサーバのデータなどを見ることができるのは気に入らなかったようだ。

<http://www.starnine.com/webstar/webstarupdates.html>
<ftp://ftp.starnine.com/pub/updates/webstar/webstar_version_history>

Maxum 社、NetForms 2.0 と Phantom 1.1 を出荷 -- Maxum Development 社は、より高速で Open Transport ネイティブな NetForms 2.0 を出荷し た。NetForms は人気のあるバックエンド Web サーバツールで、Mac を使っ ている Web マスターが複雑なフォーム処理をできるようにしてくれるもの だ。既に NetForms を所有しているユーザーは、キーをデモアプリケーショ ンにドロップすれば良い。また、 Maxum 社 は Phantom のバージョン 1.1 を出荷した。これは Mac 用の Web ロボットで、Web サイトの検索可能な HTML インデックスを構築し、サイトのミラーリングや更新を行うものだ。 Phantom は各種のロボット除外規格に対応しており、キーワード検索、論理 演算、そして音声一致検索をはじめとする機能を搭載している。Phantom 1.1 は AKTIV Software 社の Duppies 1.0 のアップグレードであり、 Duppies の登録ユーザーには無料だ。新規購入の場合には 1996 年 7 月 31 日までは Phantom 社から 295 ドルで購入することができる。

<http://www.maxum.com/>

西海岸北部でのログ産業 -- 西海岸北部のデベロッパ、オレゴン州の Open Door Networks 社と ワシントン州の ComVista Internet 社は、Web マスターのログとの格闘を楽にしてくれる。Open Door Networks 社 の 249 ドル(出荷予定日の 1996 年 9 月 1 日から 1996 年 11 月 1 日までは 179 ドル。評価版が現在入手可能)の LogDoor は、Open Door Networks 社 の HomeDoor を使って一台のサーバ上にある複数のサイトのログをリア ルタイムに作成してくれ、一つの巨大なログファイルをより小さな、扱い やすいファイルに分割してくれる。LogDoor は作成したリアルタイムログ を Web 上に表示することもできる。LogDoor 1.0 は今のところベーシック な機能しか搭載していないが、将来の計画にはファイルレベルでのログ作 成やリアルタイムのグラフ作成などが含まれている。ComVista 社 のフリー ウエア、LogRoller はもっとシンプルな要求に応えるものだ。これは WebSTAR と連動し、新しいログファイルを作り、古いファイルは違う名前 を付け、古いファイルをユーザーが指定したフォルダに移動する。巨大な ログファイルを時間帯別に手動で分割する面倒とはおさらばだ! LogRoller はログを時間、日、週および月単位でログを分割することができる。

<http://www.opendoor.com/logdoor/>
<http://www.comvista.com/soft/logroller/>


Microsoft から大衆への力

by Tonya Engst <tonya@tidbits.com>
(翻訳:齊藤 聡 <akkun@ca2.so-net.or.jp>)

Microsoft 社の Excel 5、PowerPoint 4、Word 6、Office 4 の登録ユー ザーは Microsoft Empowerment Pack for the Macintosh と呼ばれる無料 CD-ROM 入りの郵便物に注意しておいてもらいたい。その CD には System 7.5 Update 2.0(System 7.5、7.5.1 または 7.5.2 から version 7.5.3 へアップデートするもの。 TidBITS-318 を参照してほしい)と System 7.5.3 Revision 2 (System 7.5 が動く一部のコンピュータで使用できる もの。 TidBITS-332 を参照してほしい)の両方を同梱している。 Microsoft 社によると、System 7.5.3 では Office アプリケーションをさ らに早く起動できるようになるということだ。

その CD には Word 6.0.1a アップデータ、Internet Explorer 2.0.1、Web サイトの一覧をあらかじめ登録してある、Internet Assistant for Word and Excel および Kingston 社からの RAMの安売りについての情報などが 同梱されている。明らかに、いままでのビジネスの反省により、Bill Gates は Mac ユーザーを喜ばせるためにできることはなにかと疑問を持ち、この CD がそのような議論の結果として生まれたのだ。

Microsoft Office 3 の登録ユーザー(または Office 3 に含まれる個々の アプリケーションの所有者)はその CD をもらうために送る返信用ハガキ を受け取るであろうし、MCA 部、800/469-6520 へ電話をかけることもでき る。残念なことにその CD は Microsoft 社のソフトウェアに関しては英 語版しかなく、Microsoft 社は合衆国外へのその CD の提供や非英語版の 製作について現在計画していない。

<http://www.microsoft.com/corpinfo/press/1996/jul96/macpckpr.htm>

その CD パッケージのカバーにはそれは“あなたの世界を変えることはな いでしょう”という奇妙な注意書きがある。これは Adam を不必要に困惑 させ、面白がらせる一文だった。というのは、このパッケージを開いたあ と、私は折り目の反対側に前文のオチである続きを発見したからだ。“世 界を広げることはあるかもしれないけれども”は何層かの厚紙の下に埋も れていた。あなたは、そのパッケージから CD を取り出したあと、それを 使う前に、 TidBITS の読者の Corl Riblet が報告した経験から学ぶべき だ。Corl は Microsoft Empowerment Pack を起動したとき、彼は Microsoft Internet Explorer が起動されたことに気づいて驚き、- いく つかの警告を受けながらも - 彼は起動を中止した。実のところ、 Empowerment Pack はインストールプログラムを走らせるために Internet Explorer を使用する。驚かないように!

Empowerment Pack には Word 6.0.1a アップデータを起動するのが必要な 人とそうでない人との重要な区別もできない。Word 6.0 を使っているなら ば、version 6.01 で提供されている多くの修正を利用するためにほとんど 確実にアップデータを走らせたいと思う。Empowerment Pack の Word の アップデート/製品の情報の部分には一般的な手順についての記述があるだ けであり、Web へのリンクの提供あるいは具体的な情報への参照方法は示 めされていない。これは以下のページでオンラインで見ることができる。

<http://www.microsoft.com/kb/deskapps/word/q129242.htm>

Word 6.01 のユーザーに対して、version 6.0.1a はひとつのものを付け加 える。機能性に関連したひとつのものは - それはアプリケーションの部分 として Word に組み込まれる - Power Mac 用の Office 4.2x Update でも 入手可能である。これは Power Macintosh のいくつかのクラッシュする問 題を解決している( TidBITS-289 を見よ)。全ての Macintoshに 6.0.1a をインストールすることは 6.0 との置き換えとして意味のあることだが、 68K Mac において 6.0.1 を置き換えることには意味がない。

私は Pwer Mac 用の Office 4.2x アップデートのバージョンが Word 6.0.1a に対応しているのか確認することができなかった。アップデータの バージョン n/a と 1.0 がGlobal Village Toolbox extension と STF Technologies FAXstf software とコンクリフトする。Microsoft はバー ジョン 1.01 でその問題を修正した。Ric Ford の MacInTouch News Archive for 11-Jul -96 によると、Power Mac 用 Office 4.2x の初期の バージョンも System 7 .5.3 のアップルメニューオプションコントロール パネルとコンクリフトする。

<http://www.macintouch.com/newsarch1996q3.html>

Empowerment Pack インストーラでは Word 6.0.1a について 68K、 ファット、PowerPC のどのバージョンをインストールするか選択でき ない。(Microsoft 社のサポートエンジニアと議論した)Corl による と、Empowerment Pack は ファット・バージョンをインストールする。そ れでもしハードディスクがほとんどいっぱいならば、注意する必要がある。 Corl や Usenet の報告では、ファット・バージョンでは、以前にファット ・バージョンをインストールしていないのならば現在の Word アプリケー ションのサイズがおよそ 4 MB 大きくなると指摘されている。

奇妙にも、Empowerment Pack は Word で使用できる文書コンバータを追加 していない。またそのようなアップデータについての記述もない。以下の アドレスの Microsoft 社の online knowledge base からさらに情報を見 つけることができる。

<http://www.microsoft.com/kb/deskapps/word/q119859.htm>

私は Microsoft 社にこのような CD を毎年出荷するようにしてもらいた い。私はまた Office ソフトウェアを補助する小さなアップデートの全て を常に入れておいてほしいし、豊富で有益な情報と Microsoft 社の Web ベースの knowledge base にリンクするようにしてもらいたい。


Claris OfficeMail デビュー

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:村上 浩  <murasan@yk.rim.or.jp>)

Claris OfficeMail は小さなオフィスや学校が抱える電子メールに関する 問題を解決するにはおもしろい存在である。これらのグループは組織内で の情報交換に電子メールを使いたいと考えているし、そうする必要もある のだ。また、インターネットで電子メールを使う有益性が明白なことから すれば、インターネットでメールの送受信をしたいとも考えるだろう。た いてい、このような組織の予算は限られているし、メールサーバの運用方 法を知っている専任のコンピュータ・サポート担当者もいない。それに、 盛り上がる一方の Web 人気にもかかわらず、いまだ専用線でインターネッ トに接続していない組織も多いのではないかと思う。

<http://www.claris.com/products/ClarisOfficeMail/>

この 299 ドルの Claris OfficeMail は LAN 用のメールサーバで、イン ターネットで電子メールを送受信する主要な方式である SMTP と POP をサ ポートしている。またセットアップが容易な点も強調されており、LAN 内 での使用なら 3 ステップ、インターネットの電子メールを送受信したい場 合にはさらに 3 ステップでセットアップできる。このステップに沿って一 通りやってみたが、その点は私も認めざるを得ない。実にシンプルなのだ。 これほどまでにセットアップを容易にしてしまった Claris 社は賞賛に値 する。 clrs.com ドメインに自分のサブドメイン名を取得することさえで きるのだ。

OfficeMail には電子メールを読むための Claris Emailer が 5 パックつ いてくる。これもまた良い傾向である。Emailer は魅力的な機能を持ち合 わせたパワフルな電子メール・クライアントだからだ。なかでも一番の注 目は、インターネットに加えて America Online や CompuServe とも電子 メールの送受信ができる点である。Emailer のまぎれもない欠点(受信し た電子メールのメッセージごとに別個のファイルを作成してしまう)は次 のバージョンで修正される予定であるが、多量のメールを扱わないほとん どの OfficeMail ユーザーにはさほど影響はないだろう。また、フリーウェ アの Eudora Light のように POP ベースのインターネット用電子メールプ ログラムであれば Claris OfficeMail サーバからメールを送受信できる。

大事なことだが、OfficeMail に必要なシステム構成には無理がない。小規 模なオフィスや学校では、使わずに置いてある古い Mac でこのプログラム を走らせようとするかもしれないのだ。OfficeMail には 68020 以上で 4 MB RAM の 68K Mac か 8 MB RAM の Power Mac が必要である。OfficeMail は受信したすべての電子メールをユーザーが読み出すまでディスクに保存 しておく必要があるので、かなりのディスクスペースが必要となるかもし れない。サイズの大きい添付書類数個でも、小さなハードディスクでは苦 労することになるだろう。AppleTalk か TCP/IP ネットワークが必要なの は当然だが、そのネットワークがインターネットに繋がっている必要はな い。OfficeMail はモデム(なるべく高速なものがよい)でインターネット の電子メールを送受信するからだ。

OfficeMail はモデムから CompuServe Packet Network のダイアルアップ ナンバーを使って(おそらく世界中から)HoloNet 社が運営するサービス ClarisLink に接続する。料金は月々 10 時間まで 39.95 ドル、超過時間 については 1 時間につき約 5.95ドルとなっている(別途登録料として 25 ドル必要)。小規模オフィスでの通常の電子メール利用には、おそらく手 頃な料金体系であろう。そこにどんなトリックがあるのかというと、 OfficeMail は UUCP( Unix to Unix CoPy )を使っているのだ。主に電子 メールや Usenet ニュースの転送に用いられる比較的古いプロトコルであ る。

インターネットを利用するのが全くの初めてであれば、UUCP という用語を 聞いたことさえないかもしれない。UUCP 用のプログラムは派手な存在では ないし、頻繁にアップデートされることもない。UUCP 自体、長い間ほとん ど変わっていないからだ。それでも、いまだ UUCP アカウントを提供して いるインターネットプロバイダはいくつかあって、オフライン形式(コン ピュータで接続し、電子メールを送受信し、接続を切る。できればこれを 自動化したもの)で電子メールを安く利用するには、今でも十分使えるも のである。我々 TidBITS でも、1994 年の暮れにようやくインターネット 専用線を入れるまでは長年 UUCPを利用していたし、Internet Starter Kit for Macintosh の第一版、第二版でも UUCPについて詳しく書いていたのだ (第三版の印刷本からはこの章を削除したが、オンライン版には掲載して ある)。

<http://www.mcp.com/hayden/iskm/iskm3/pt3/ch15/ch15a.html>

代表的な Mac 用 UUCP プログラムである uAccess は UUCP/Connect とい う名称で InterCon 社がしばらくのあいだ扱っていたが、だいぶ前にその 版権は開発者である Tim Endres 氏のもとに返されたと聞いている。それ 以来、このプログラムのことは耳にしていない。ほかには、フリーウェア で Mac/gnuucp と uupc(まもなくアップグレードする予定とのこと)とい う二つの UUCP プログラムがある。一般に入手可能な Mac 用 UUCP ソフト については以下の URL を参照されたい。

<ftp://ftp.tidbits.com/pub/tidbits/tisk/inet/uucp/>

UUCP で OfficeMail を特定のインターネットプロバイダにだけ接続させる ようにしたことで、Claris 社は TCP を扱う煩わしさ、潜在的には PPP を 扱う煩わしさを取り除いた。どちらも初心者が設定するには厄介なもので あることには間違いない。資料が十分に揃っていなければなおさらである。 (このことが理由のひとつなのだが、Internet Starter Kit for Macintosh 第四版では接続関連のトラブルシューティングに一つの章をまるごと割り 当てている。)

開発過程において、Claris 社は OfficeMail を完全な SMTP サーバには しない 道を選択した。これは Claris 社の宣伝ではあいまいになってい る点である。Eudora のような電子メールクライアントのプログラムからは SMTP で OfficeMail に接続できるのだが、OfficeMail から SMTP でイン ターネットへメールを送り出すことはできないのだ。無料で入手できる Apple Internet Mail Server や Stalker Software 社のフレキシブルな CommuniGate システム(評価目的なら無料で入手可能)といった完全な SMTP サーバ のようにはいかないのである。つまり、インターネット専用 線があったとしても、OfficeMail は使えるが、メールを送受信するために はモデムで ClarisLink に接続しなければならないのだ。

<http://cybertech.apple.com/AIMS.html>
<http://www.stalker.com/CommuniGate/CommuniGate.html>

すべて厳密にこの通りかというと、実際には ClarisLink に繋ぐ必要はな い。OfficeMail は ClarisLink としか機能しないようにみえるが、裏技を 使えばどんな UUCP アカウントとインターネットプロバイダの組み合わせ でも使えるようにできるのだ。というか、少なくとも試すことは可能であ る。UUCP での電子メール用セットアップは簡単ではないので、Claris 社 はこの方法について公表も記載もしていない。だが、ちょっと手を加えれ ば実現できるはずなのだ。OfficeMail は Apple Modem Tool でモデムを制 御しているので、その設定を変更すれば自分が利用しているインターネッ トプロバイダにダイアルさせることができる。Claris OfficeMail フォル ダのなかにはもうひとつ Claris OfficeMail Files というフォルダがあ る。そのなかに Mail Connect Script というファイルがあるが、このテキ ストファイルに接続用のスクリプトが書いてある。OfficeMail はこれを 使ってログインし電子メールを取り込むのである。自信のない人には向い てないが、このスクリプトを書き換えれば(バックアップを忘れずに!) ClarisLink ではなく自分が利用しているインターネットプロバイダに接続 させることができるのだ。見慣れないスクリプト言語だが、シンプルにで きているし、Mail Connect Script ファイルの冒頭にも簡単な説明が書い てある。当然ながら、この方法を試すにあたっては、いかなる援助も Claris 社からは期待しないで欲しい。とはいえ、UUCP を扱った経験があっ て UUCP アカウントのセットアップを手伝っているのであれば、この方法 を使うのが得策かもしれない。

そんなわけで, インターネット専用線のないところで電子メールを利用し たいのであれば、Claris OfficeMail は検討に値するソフトである。もし インターネットの専用線をネットワーク全体ではなく一台の Mac にモデム 経由で接続しているのであれば、CommuniGate もしくは Apple Internet Mail Server とシェアウェアの AIMS LocalTalk Bridge の組み合わせを検 討してみてほしい。この方法ならネットワーク内で Eudora Light を起動 している Mac にメールを配送することができるのだ。ネットワーク自体が 専用線でインターネットに繋がっているなら、Apple Internet Mail Server か CommuniGate を試していただきたい。

<ftp://ftp.tidbits.com/pub/tidbits/tisk/inet/mail/aims-localtalk-bridge-13.hqx>

最後に付け加えさせていただくが、Claris OfficeMail を受け取ってイン ストールした後、私はこの記事の最初の草稿をかなり感情的に書いた。 OfficeMail を "OfficeM@il"(“Em@iler”も同様)などと Claris 社がば かげた表記を使っていたことにイライラしていたのも理由のひとつだが、 一番の理由は、どの情報をみても、OfficeMail は SMTP を含めたインター ネットの規格を多数サポートしていると明言していたからだ。それにもか かわらず、SMTP サーバとして動かすことも、SMTP をセットアップするオ プションを見つけることもできなかったのである。この件について Claris 社に問い合わせることにしたのだが、OfficeMail は SMTP サーバとは交信 できないこと、標準の UUCP を使用していること、別の UUCPアカウントを 使うのも理論的には可能ということを、このソフトの開発者に聞くことで やっと確認できたのである。この製品の宣伝広告には OfficeMail が対応 しているインターネットの規格として UUCP は記載すらされていなかった。 Claris 社の Web サイトで唯一 UUCP のことを記述してあるのは、価格比 較の文中だけである。これらはかなり重要な事項ではないだろうか。 OfficeMail のドキュメントやレビュー用の案内書のどこかに記載しておく のが当然である。初心者にとって OfficeMail は優れたソフトかもしれな いが、不完全なドキュメントのおかげで見識あるユーザーやライターが混 乱してしまったら、不当に悪い評価を受けるという重大な危機に陥るかも しれないのだ。


敷地内ロボット立ち入り禁止

by Tonya Engst <tonya@tidbits.com>
(翻訳:杉浦 雄一郎 <ysugiura@direct.ca>)

検索エンジンや検索ツールがインターネット上のあらゆる所で見られるよ うになった。人々は情報を素早く見つけるために検索エンジンサイトに群 がるようにして集まり、そこで入手できる情報は広く深い( TidBITS-333 の Kirk McElhearn 氏の記事を参照)。

例えば AltaVista でちょっと「スイカ」という言葉を検索してみた。検索 結果をざっと辿ってみただけで、テキサスにおけるスイカの収穫情報を読 み、スイカの食べ方(栄養情報も含む)についての記事を眺め、ついでに セザンヌの「スイカとザクロの静画」専門サイトを訪れることができた。

インデック作成ロボット -- 検索エンジンは、情報のかなりの部分をロ ボットにより集めている。スパイダーあるいはクローラーという名でも知 られているロボットは、ウェブ上を動き回り、情報を探しながら記録して いく。一般的にユーザーが登録した URL、リンクをたくさん持つページ、 サイトの一番上の階層のページといった、開始地点として適当と思われる 場所(URL)を出発点とする。ロボットは最初のページに訪れると、その ページからリンクが張られている全てのページを再帰的にどんどんアクセ スしていく。また、特定のサーバ上で見つかる全てのページをチェックす る場合もある。ページにアクセスした後は、ロボットは検索エンジンと共 同作業でインデックス作成を開始。インデックスの対象になるのは、ペー ジ内にあるタイトル、テキストの一部あるいは全文、特定のキーワード、 そしてタグがつけられている部分などだ。

この記事では、個人のページあるいは Usenet ニュースへの発言を、検索 エンジンのインデックス作成対象から外す方法を取り上げたい。特別のマー クをつけられた Web ページやニュースへの発言にロボットを寄せ付けない ようにする取り決めが存在するのだが、個々のロボットがそれに従うかど うかは、まったくの任意となっている。しかし主要な検索エンジンはこう いった取り決めを守っているようだ。

このサイトから出ていけ -- ロボット除外プロトコルを使用すると、イ ンデックスの対象にして欲しくないウェブページを無視するようにロボッ トに頼むことができる。例えば、クラブミーティングの議事録を検索の対 象にせずにウェブに保存したい場合が考えられるだろう。もちろんパスワー ドシステムを作ることもできるのだが、それでは考えているよりも、面倒 な解決策となってしまうかも知れない。ページが頻繁に変更されるような サイトにして、ロボットがインデックスを作ろうとしても意味がないよう にしてしまうということもできる。

ロボットに立ち入らないように伝えるには、ウェブサイトのローカルのルー トレベルに robots.txt ファイルを置けばいい。このファイルはあるシン タックスにより、ロボットに、サーバーの一部あるいは全部に立ち入らな いように伝えることができる。このファイルを設けたい場合は、“World Wide Web Robots, Wanderers, and Spiders”ページを読まれることをお勧 めする。

<http://info.webcrawler.com/mak/projects/robots/robots.html>

簡単な例を挙げると、watermelon(スイカ)というディレクトリにいかな るロボットも入れないようにしたい場合は、次のような robots.txt ファ イルになる。

User-agent: * Disallow: watermelon/

サーバを自由にいじれず、robots.txt ファイルを設定できない場合は、 HTML 文書のヘッドセクションに META タグを追加することを試してみると よい。次のタグはロボットに該当ページのインデックスを作らないように 伝えることができる。

<META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX">

次のタグはこのページのリンクを辿らないようにロボットに伝える。

<META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOFOLLOW">

METAタグは、ロボット除外プロトコルよりも対応ロボットが少ないのだが、 現在ほとんどの主要Webインデックスは対応している。ロボット META タグ についての情報は“Spidering BOF (Birds of a Feather) Report”にある。

<http://www.w3.org/pub/WWW/Search/9605-Indexing-Workshop/ ReportOutcomes/Spidering.txt>

ニュースのプライバシー -- Usenet ニュースへの発言を検索ロボットの アクセスから守るには、発言のヘッダーに“X-no-archive”という行を入 れることができる。

X-no-archive: yes

NewsWathcher のような一般に使われるニュースクライアントでは、 X-no-archive という行をニュースへの発言に加えることができるが、もし 使用しているクライアントがそれを許してくれない場合でもまだ見放され たわけではない。少なくとも Deja News は、次の文字列を発言本文の最初 の行に作っておけばその発言を無視してくれる。

X-no-archive: yes

また、Deja News に直接頼めばアーカイブから自分の発言を削除してくれ るので、<comment@dejanews.com> に電子メールで依頼するといい。

プライバシーは存在しないという仮定 -- プライバシーとインターネッ トインデックシステムに関する混乱の原因は、インターネットで見つかる 全ての 情報は特に指定されていない限り公共のものだという仮定に起 因している場合がほとんどだ。

インターネットのベテランユーザーは、全ての情報が公共のものだという 検索エンジンの仮定を認めるという人が多い。いずれにせよそれはインター ネット上の情報は色々な形で常に入手可能なものだからだ。しかし、新し いインターネットユーザーの中には、このやり方が驚くべきプライバシー の侵害だと感じる人もいる。こういったインターネットユーザーにとって は、まるで昨年かけた電話の内容が民間企業によってすべて録音されてい て、録音された会話は希望者全員に提供していると聞かされるようなもの なのだ。

検索エンジンは長期記憶を持つようになり、検索エンジンのこうした行動 パターンが紡ぎ出すデータはかつてより多くなっている。 Digital の AltaVista は現在のところ過去数カ月の Usenet しか記憶していないが、 Deja News は 1995 年初頭からのアーカイブを持っており、さらに Usenet が産声を上げた 1979 年にまで遡ってできるだけ全てのインデックスを作 成したいと繰り返し主張している。1979 年の段階で、X-no-archive タグ のことを知っていたユーザーなんているのだろうか。さらに、ロボットお よびアーカイブ除外標準は、あなたの情報を主要な高機能インデックスか ら守るのには役立つかも知れないが、こうしたルールをまったく無視して しまうインデックス作成あるいはアーカイブ作成システムが存在するのだ。

もし電子メールや Usenet への発言のプライバシーを特に懸念しているな ら、anonymous リメーラーや PGP の使用も考慮してみよう。PGP は物議を かもしだしているほど強力な Phil Zimmerman 氏による暗号プログラムだ。 これらのトピックについては本記事の視野を越えているのでここでは説明 しない。

<http://www.well.com/user/abacard/remail.html>
<http://www.io.com/~combs/htmls/crypto.html>
<http://world.std.com/~franl/pgp/>

特にプライバシーを気にしていない場合でも、インターネット上でのあな たの言葉は永遠のものになってしまうということを覚えておいて欲しい。 Usenet への発言はすべてどこかに永久保存されるし、Web に載せた内容は どこかでインデックス化されるのだ。発言内容は慎重に考えよう。将来思 いもよらない状況で、自分の発言に縛られる可能性もあるのだから。

今後インターネットにおいてプライバシーが大きな問題になったとき、 「プライバシー互換」を機能としてうたったニュースリーダーや出版ツー ルといった製品がでてくることを期待できるかも知れない。ニュースリー ダーはすぐにでも、デフォルトで X-no-archive ヘッダーを挿入するよう になり、ウェブオーサリングプログラムはロボット META タグの挿入や robots.txt の作成を自動的に行うようになるのは間違いないだろう。しか し、これらの機能はインターネットインデックス作成ツールの「すべてが 公共のもの」という基本的な仮定を変えることはない。


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