TidBITS-J#432/01-Jun-98 TidBITS-J#432/01-Jun-98データのバックアップを取る最良の方法を知りたいと思っているだろうか？ Adam が、どこで、いつ、何を、なぜ、どのようになど、バックアップの 多角的検証を始める。読み落とさぬよう。また今週号は、近く公開される 3Com 社の Palm Organizer（Claris Organizer を基礎にしている）に関 するスクープと、Web で画像を検索する方法についてさらに詳しくお届け する。そして BYTE の重大な再編成、Nitro PowerPlug 1.0、SurfDoubler の Ricochet 正規ユーザーに対する無料コピー、Mailsmith 1.0.1 などに 関するニュースもお届けする。
目次：
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（翻訳：秋山 晃子 <nobineko@club.udn.ne.jp>）
（翻訳：松岡 文昭 <mtokfmak@mxa.meshnet.or.jp>）
BYTE 休刊 -- 由緒ある技術雑誌 BYTE が一時的に出版を停止すること になる。創刊 23 年になる雑誌 BYTE は、所有者の McGraw-Hill 社から 最近 CMP Media 社に売却されたのだが、発表によると数ヶ月休刊し刷新 がはかられるという。BYTE は Mac 専門誌でないが、公平で綿密な Macintosh レポートを掲載することで知られている。BYTE の一時的な発 行停止が、BYTE のベンチマークを引用してパフォーマンスの良さを主張 している Apple 社の広告に、どのような影響を与えるかはまだ不明であ る。BYTE には FAQ ページがあり、ベンチマーク集 BYTEmark に関する説 明やコメントを掲載している。このほか、今後の見通しや詳しい情報につ いては、長年にわたる BYTE のコラムニスト Jerry Pournelle 氏のペー ジを読んでほしい。 [ACE]
<http://www.byte.com/>
<http://www.cmp.com/cmppr/releases/980529.html>
<http://www.byte.com/bmark/faqbmark.htm>
<http://home.earthlink.net/~jerryp/fiasco.html>
Nitro PowerPlug が WebSTAR を加速 -- ClearWay Technologies 社が WebSTAR のプラグインである 99 ドルの Nitro PowerPlug 1.0 の出荷を 始めた。ClearWay 社のテストによれば、Nitro PowerPlug はほかの WebSTAR プラグインの実行スピードを 200 %、あるいはそれ以上まで加速 する。Nitro PowerPlug は WebSTAR 専用の Mac OS メモリマネージャに 替わるメモリマネージャである。Nitro PowerPlug を使わない場合、 WebSTAR は、スタンドアローンの大規模なアプリケーション用に最適化さ れている標準 Mac OS メモリマネージャに依存する。また ClearWay 社の 報告によれば、Nitro PowerPlug は、WebSTAR サーバが再起動せずに長期 間動作し続けたときに起こるサーバのスローダウンを無くすのに役立ち、 断片化したメモリに関連のあるクラッシュを減少させる、ということだ。 Nitro PowerPlug は WebSTAR 1.3.2 から 3.0 で動作し、PowerPC と 68K ベースの両機種に対応する。Nitro PowerPlug は、WebSTAR プラグインを サポートしている他の Web サーバで（正式にサポートしてないものの） 動作する可能性がある。WebSTAR プラグインをサポートしている Web サー バには Quid Pro Quo、SonicWeb Server、WebTen、そして Microsoft Personal Web Server などがある。無料デモ版が入手できる（278K のダウ ンロード）。 [ACE]
<http://www.clearway.com/NITRO/>
<http://www.starnine.com/webstar/>
<http://www.socialeng.com/html/qpq.html>
<http://www.sonicsys.com/sonicweb.html>
<http://www.tenon.com/products/webten/>
<http://www.microsoft.com/ie/mac/pws/?/ie/mac/pws/main.htm>
Ricochet 使用者は無償でサーフィン -- 最近の Connectix 社との提携 により、Metricom 社の Ricochet ワイヤレスモデムの所有者は、ただで Web ブラウジングの高速化ができる。（Ricochet モデムの詳細について は TidBITS-366 の「もうしばられることはない : Ricochet Wireless Modem」を参照。）Metricom 社は、最近の Web ブラウザよりもっと効率 良く Web ページのキャッシュを行う Connectix 社のソフトウェア Surf Express のダウンロードを無償で提供しているのだ。この提携は現在と将 来の Ricochet 使用者を対象としており、1.8 MB のファイルをダウンロー ドするには確認のためにモデムのシリアル番号と請求先郵便番号を提出し なければならない。 [JLC]
<http://www.ricochet.net/surfexp/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=00733>
<http://www.connectix.com/surfexpress/metricom/>
いっそう洗練された Mailsmith 1.0.1 -- バージョン 1.0.1 のリリー スで、Bare Bones Software 社は同社の新しいメールプログラム Mailsmith にいくつかの磨きをかけた（ TidBITS-428 の「Mailsmith 登 場」を参照）。重要な拡張には、入れ子にしたメールボックス、検索処理 での動作改善、仮想メモリを使用した PowerPC 搭載 Mac でのパフォーマ ンス向上、Simple Query ダイアログボックスへの機能追加、“check only”および“send only”でのメールアカウント設定機能、が含まれて いる。Bare Bones 社はその他の拡張追加と 1.0 リリース以降に報告され た若干のバグの修正を行っており、リリースノートにはそれら変更がリス トされている。Mailsmith 1.0.1 のアップデートは 2.2 MB（BinHex）か 1.6 MB（MacBinary）のダウンロードとなっており、30 日間の無償お試し 版も1.0.1 にアップデート済みである。 [ACE]
<http://web.barebones.com/products/msmith/msmith.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04860>
<http://web.barebones.com/support/update.html>
by Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
（翻訳：西村 尚 <hisashin@axes.co.jp>）
先月、3Com 社が Claris Organizer を Apple 社から購入し、次の Macintosh PalmPilot デスクトップソフトウェアのベースとして使うと発 表した後（ TidBITS-429 の“Claris Organizer、PalmPilot MacPac と して蘇る”を参照）、Organizer と Palm 機の Mac ユーザーはこの取り 引きが将来的にどういうことになるのかと気をもんできた。3Com の Palm Computing 部門の Product Marketing Manager である Douglas Wirnowski 氏との会話で、多少詳しいことがわかった。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04874>
<http://www.palmpilot.com/>
卓上手帳を拡張 -- Palm Organizer for Macintosh は Claris Organizer を基に作られたパーソナル・インフォメーション・マネージャー （PIM）で、ユーザーのコンピュータで作動し、現行の Pilot Desktop 1.0 ソフトウェアと置き換わる。3Com は新ソフトウェアを 8 月に出荷す ることを予定し、出荷後 60 日間は Pilot Desktop のオーナーが無償で アップグレードをダウンロードできるようになる。もしくは、Palm MacPac（これには Mac のシリアルポートに Pilot の HotSync ケーブル を接続するケーブルアダプタも付属する）の一部として 14.95 ドルで購 入できる。新ソフトウェアは、総必要メモリが 5 MB を下回り、Palm Organizer、HotSync コントロールパネル、Conduit Manager（下記に詳細） が含まれる。デフォルトの必要メモリが 6 MB、ユーザーの設定によって は 10 MB 以上の割り当てになる Pilot Desktop 1.0 からすれば進歩であ る。
Windows 版が 3.0 に進む一方で Macintosh Pilot Desktop はバージョン 1.0 のままとなっていたが、両者とも機能とインターフェースに差はない。 逆に、Palm Organizer は Windows ソフトウェアにはない新しいインター フェースと機能を持つことになる。3Com には、見た目でも機能でも両製 品の歩調を合わせる計画はない。
Claris Organizer のユーザーは、3Com が Palm Organizer を独立したス タンドアロンのアプリケーションとして販売する予定がないことを知って がっかりするかもしれない。このソフトウェアが Palm 機なしで動くかど うかはまだはっきりしないのだ。
Conduit とは -- PalmPilot と Palm III は“conduit”という接続ソ フトウェアを使ってコンピュータと通信する。現在、Pilot と Mac のデ スクトップ・ソフトウェア間にある conduit は一つしかない。新しい構 成には Conduit Manager が含まれ、これが Palm Computing や他のデベ ロッパーが書いた別々の conduit を取り扱う。たとえば、Palm Organizer ソフトウェアとのインターフェースとして 4 つの conduit が 含まれるが、それぞれ Palm OS の主要アプリケーション（Address、Date Book、Memo Pad、To Do リスト）用のものだ。Mac 上で稼働中のソフトウェ ア、たとえば来るべき Eudora Planner と Palm データをシンクロするた めに、この 4 つの conduit を Qualcomm 社が提供する新しい conduit で置き換えることができる。ドラッグ & ドロップによるインストールで 他の conduit を追加することもできる。たとえば FileMaker conduit は JFile のような Pilot 上のデータベースプログラムと結合する。これら の conduit は、Mac のハードディスクの個別の Conduits フォルダに置 かれる。
<http://eudora.qualcomm.com/betas/planner/>
<http://www.land-j.com/jfile.html>
これまでに、3 社が Palm Organizer conduit をサポートすると発表し、 約 25 社が自社のアプリケーション用の conduit を作成している。同時 に、Macintosh Conduit ソフトウェア開発キット（SDK）が Palm 社の Web サイトで無料でダウンロード可能である。
<http://www.palmpilot.com/newspromo/mac_index.html>
<http://www.palmpilot.com/devzone/conduits.html>
Palm 社は、次期ソフトウェアのベータテストを申し入れを大量に受け取っ ているが、開発が進めば新ソフトウェアの内部ベータは恐らくあるだろう。 Wirnowski 氏によれば、完成間近に公開ベータを行うかどうかは決まって いないということである。
by Tara Calishain <calumet@mindspring.com>
（翻訳：高島 均 <hitak@kk.iij4u.or.jp>）
Web には画像が充満しているけれども、大半は装飾程度に使われている。 ボタン、ロゴ、派手な背景やお気に入りの写真などがすぐに思い浮かぶ。 しかしながら、Web はまた、特定のサブジェクトに関連するイメージの豊 潤なリソースでもある。例えば、子供たちの学校の課題用の地図や動物写 真などだ。大半の検索ユーティリティにおけるほとんどテキストベースと いう制約内では、そうした画像の検索が困難なことがある。
この記事のパート 1（ TidBITS-431 の“Web で画像を検索する パート 1 : テキストで写真を探す”を参照）では、画像の検索に 2 〜 3 のメジャー な検索エンジンを使う方法について述べた。この回では、画像検索に特化 して構築された検索エンジンを紹介しよう。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04905>
Excalibur Image Surfer -- まず最初は Excalibur Image Surfer（こ のサービスの Yahoo! 版も利用できる）である。ここには、入手可能な画 像のサブジェクトリストや検索エンジンがある。探しているものがおおよ そわかっている場合には、最初にサブジェクトリストを利用するのが良い だろう。一般的なトピック（Sports や Transportation など）から始め て、さらに特定したサブジェクト（Volleyball や Spacecraft のように） ごとにまとめられた画像をじっくり見ることが可能だ。もし、目的のサブ ジェクトがリストにないときには、検索フォームを試してみよう。例えば、 サブジェクトリストには North Carolina がないのだが、“North Carolina”によるキーワード検索は 59 件の結果を返してきた。 Excalibur では一ページ当たり 6 枚の小さなサムネール版の画像を提供 している。このサムネールは素早くロードされるので、いろいろなサイト を巡ることなくたくさんの画像を手早くプレビューさせてくれる。
<http://isurf.interpix.com/>
<http://ipix.yahoo.com/>
WebSEEK -- もう一つのサブジェクトと検索を備える画像カタログは WebSEEK である。ここには 600,000 を超える画像やビデオがあり、サブ ジェクトによるブラウズあるいはテキスト検索（これは、video、color photos、gray photos もしくは graphics で絞ることができる。ただ、 “graphics”の厳密に意味するところは不明である。）が可能である。 WebSEEK にはサムネール形式の画像があって、これは一ページ当たり 15 枚だ。カテゴリによっては下位カテゴリがある場合があって、例えば owls というカテゴリには 288 枚の写真があり、animals／zoos というカ テゴリなら 900 枚以上という具合だが、これでもなお一度に得るリソー スとしてはかなりの数である。WebSEEK にはポストカード送付というもの もあって、これを利用すると画像の URL とメッセージを含んだメールメッ セージを発送してくれるのだ。
<http://www.ctr.columbia.edu/webseek/>
Amazing Picture Machine -- もっと学術的な角度から画像を検索する のなら、Amazing Picture Machine を試してみよう。ここでは 2 つのフィー ルドに 3 種類の演算子を関連させる基本的なキーワード検索をサポート している。すなわち、“only”は第一フィールドの内容で検索を絞り込み、 “and”は両方のフィールドで検索し、“or”はそれぞれのフィールドの 内容のいずれかに検索を仕分けする。検索結果は、実際の画像ファイルへ リンクしたテキストのみのリストで表示される。写真ごとに含まれる情報 は、そのタイプ、ファイルサイズ、縦横のピクセル数とフォーマット、例 えば“Color photograph (54K, 600x440 pixels, jpeg)”のごとくで、そ れに続いてその写真のサブジェクトに関する説明がつく。（例えば、 Henry Clay 氏の写真では、彼のことを“the influential 19th century American politician from Kentucky（ケンタッキー州出身の有力な 19 世紀の米国政治家）”と説明している。）
<http://www.ncrtec.org/picture.htm>
その他のコレクション -- もし希望の画像が見つからなければ、 SunSite の Image Finder を試してみよう。ここでは、SunSite Image Database、Fort Worth Star-Telegram、Library of Congress を含むいく つかの異なる画像コレクションを検索できる。
<http://sunsite.berkeley.edu/ImageFinder/>
もし特にアートに興味があるのなら、San Francisco ImageBase の Fine Art Museums を試すと良いだろう。ImageBase には 60,000 を超える絵画、 写真、彫刻やその他の作品の画像が収録されている。特定の展示を見て回 ることができるし、作品をアーティスト名やキーワードで検索することも 可能だ。
<http://www.thinker.org/imagebase/index-2.html>
期待しない結果と画像の使用 -- 画像を検索するときのありがちな落と し穴は、与えたキーワードに依拠する検索結果の多様性だろう。検索用語 として“hawk”を Excalibur のデータベースに入力するとたくさんのバ スケットボール選手やチームを返す一方で、“falcon”なら数枚の鳥の画 像をもたらす。同様に、WebSEEK で、Animals: Cats: Panthers とメニュー でいくつかの階層を降りていくと、何枚かの Pink Panther、“Panther” というあだ名があるらしい何人かの人々、Green Panthers のロゴやヒョ ウの刺青に至るまでを発見するものの、このカテゴリに分類された 30 枚 の画像の中には本物のヒョウの写真が一枚もないことを見つけるだろう。 一方、Hawk カテゴリならば何ページにも渡ってタカの写真を持ってきて くれるのだ。
画像検索は今なお成功と失敗の試みなのだろうが、画像アーカイブの量は 増大し質は向上し続けている。そうではあっても、画像がただ鑑賞のため に入手できるからといって、そのことが画像を再使用できることを意味し ない、ということを心に留めておくことが大切である。画像を鑑賞目的以 外で何かしようとする前に、それがパブリックドメインであるか、または 使用に当たっての権利（使用料が必要かもしれない）をすでに確保してい るかどうかを確認しなければならない。
[Tara Calishain 氏は、『Official Netscape Guide to Internet Research』の共著者であり、また CopperSky Writing and Research 社の オーナーである。]
<http://www.coppersky.com/>
<http://www.amazon.com/exec/obidos/ISBN=1566048451/tidbitselectro00A/>
by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
（翻訳：尾高 里華子 <odaka@iprolink.ch>）
（翻訳：尾高 修一 <odaka@iprolink.ch>）
TidBITS Talk のリストはここのところデータのバックアップの話題で盛 り上がっていた。内容は、ベストのメディア、バックアップの頻度、バッ クアップソフト、マシン内にバックアップのディバイスを置くべきかどう か、iMac ユーザーのバックアップの方法などだ。いずれも重要な問題で あり、その解はプラットフォームを問わず、今日の全コンピュータユーザー にかかわってくる。
まずこの記事の第一部ではバックアップの戦略とバックアップ案を練る際 に考慮すべき事項について検討し、第二部でデータのバックアップに利用 できそうな具体的な製品を取り上げる。
バックアップの重要性 -- 大抵の人はデータのバックアップを取ってい ない。人は（特に初心者は）、コンピュータが絶対だと思い込んでしまい がちである。自分がキーを押した通りにだけマシンが動作すると。（また は、大企業などに属している者は、問題があると何とかしてくれる部署や 人に電話をすれば済むのだ。）
だが、いく度かトラブルに出くわした者は、それが真っ赤な嘘だと知って いる。うっかりとファイルを消してしまったり、PowerBook を落としたり、 ハードディスクが動かなくなったり、飲み物をこぼしてしまったり、さら には、オフィスに強盗が入るとか、家が火事にあうということもあり得る。 ディスクの中のデジタルデータは安全なものなどではないし、下手に安全 だと思い込んだらとんだ目に会う。非常にポピュラーな Macintosh バッ クアップソフトである Retrospect の広告にこういうのがあった。「世の 中には 2 種類の人間が存在する。データを失った者とこれから失う者だ。」 実に正しいことを言っている。
<http://www.rocksoft.com/taobackup/>
バックアップの方法 -- データのバックアップは取らなければならない ものだということがお分かりいただいたら、次の問題は何をバックアップ するかということだ。バックアップには大きくわけて 2 通りの戦略が考 えられるが、その中間には無数の可能性がある。一つは、ハードディスク が駄目になった時に、できるだけ最新の全面的なバックアップを使って、 一刻も早く元の状態に回復させるもの。これを“完全バックアップ派”と 呼ぼう。もう一つは、アプリケーションはマスターディスクなり、ダウン ロードできるフリーウェアやシェアウェアなりから再生できるので、大切 なものは個人のデータファイルだけだとみなす場合のもので、こちらを “最少バックアップ派”と呼ぶことにする。
どちらのバックアップの場合も結果的には大体同じぐらいぐらいの時間が かかることになる。“完全バックアップ派”の方が定期的なバックアップ に要する時間は多くなるが、作業を自動化してしまえば楽である。バック アップディバイスにディスクやテープを挿し込まなければならないし、す べてが上手くいっているか確認しなければならない。これに相当な時間が 必要なのは明らかだが、ハードディスクがおしゃかになった時にほんのわ ずかの時間でもとに戻すことができるのだ。
一方、“最少バックアップ派”の方が、随時ファイルをフロッピーなどに コピーするだけなので見た目には時間が短くてすむのだが、システムが完 全に以前と同じように動作するようになるまでには、数日から下手をする と何週間もかかったりする。“最少バックアップ派”は適切なファイルを バックアップするというのが自分の責任になる。変更したり新規作成した すべての重要なファイルを忘れずにバックアップできるであろうか? もし できていなかったら、数日分の作業をやり直さなければならない羽目にな る。さらに細かいところでは、初期設定ファイルやそのほかの目に付きに くいファイルのバックアップも取らなければならない。アプリケーション の設定（Microsoft Word のキーボードの設定など）やユーティリティ、 機能拡張の設定、そして QuicKeys、OneClick、KeyQuencer のようなプロ グラムのスクリプトを作成するのにどれだけの時間を費やしたか思い出し ていただきたい。さらには、フリーウェアやシェアウェアのコピーを見つ けてダウンロードするのに時間がかかるし、商用プログラムやシステムソ フトの追加アップデートに及んではとんでもないことになる。また、シリ アル番号を探すのにも驚くほど時間がかかる。
私は断然“完全バックアップ派”である。毎晩 Retrospect を使って我が 家のマシンのバックアップを取っている（PowerBook やたまにしか利用し ない PC は使った時だけ）。また私のメインマシンでは 2 つの 2 GB の ハードディスクを RAID にしてあるので、片方が駄目になってももう一方 に全く同じデータのコピーがあり、即座に代行できるようになっている （はずであるのだが、さすがに試してみることはできない）。RAID を利 用しているのは、バックアップを取ってからデーターの破損が起きるまで の間に受け取った大切なメールが無くなってしまうことが嫌だからである。
何故ここまでしているのか? 私のことを極度の心配性と思っていただいて も構わないが、私には何か不都合があった時にいつでもそれにかけている 余裕があるわけではないのだ。マーフィーの法則にもある通り、そんな時 に限ってすぐに始めなければならない仕事がやって来るものなのだ。自分 にとって自分の仕事がどれほど重要なものかを決めるのが 必須 である。 そして、その決定によって選ぶべきハードウェアやソフトウェアの種類が 変わってくるし、全体的なパックアップに関する考え方にも影響してくる。
私の一番の弱点は、バックアップを隔離しておくしっかりとした術が無い ことである。たまに Geoff Duncan と DAT テープを預け合っているのだ が、例えば我が家が火事になったりしたら、数週間から数ヶ月分のデーター が無くなってしまうことになる。
バックアップ検討事項 -- 一貫したバックアップを考える際に考慮しな ければならない事項がいくつかある。
<http://www.phlab.missouri.edu/~ccgreg/tapes.html>
<http://www.nml.org/MediaStability/QuestionsAndAnswers/>
戦略からソリューションへ -- ほとんどの人にとって、大規模なデータ 消失という事件は誰か他の人にしか起きないものだ。だが一度でも失われ たレポートや Quicken データファイルを回復しようと試みた経験があれ ば、二度と同じ目には会いたくないと思うだろう。この記事の後半では、 バックアップに必要なハードウェアとソフトウェアを検討しようと思う。
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