TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#444/24-Aug-98

今週は Channel Definition Format と TidBITS チャンネル についてのリ ポートにチャンネルをあわせよう。近い将来リニューアルも? さらに、ホッ トな iMac の所有者がファイル転送をしたり従来のプリンタに接続する際 に使えるワザをチェック。デベロッパーの方々は Mac OS 8.5 でなされる 重要な変更についてよく読んでおくべきだろう。短信では Open Door Networks 社による個人ユーザー向けファイアウォール DoorStop の公開 ベータ版の発表、Connectix の QuickCam が Logitech に売却された件を おつたえする。

目次:

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今回の TidBITS のスポンサーは:


MailBITS/24-Aug-98

(翻訳:小川 浄 <tao@peanet.ne.jp>)

TidBITS サーバ移設中 -- 今週後半、我々はサーバを Point of Presence Company 社(Web とメーリングリストのホスト)のなかの別の場所に物理 的に移す予定だ。Web と電子メール機能は短くても 2、3 時間ダウンしそ うだ。新しい DNS の登録がきちんと残らずアップデートされるまで一日か 2 日よけいにかかっても、大目にみていただきたい。[ACE]

Open ドア、Network のドアをぴしゃりと閉める -- Open Door Networks 社はソフトウェアベースの Macintosh 個別サーバ向けファイアウォール、 DoorStop の公開ベータ版を発表した。高価なハードウェアによるシカケと 違い DoorStop はインストールされた Macintosh のなかでのみ作動して、 TCP サービスをブロックするのに柔軟な働きをする。どんなアドレス(ま たは一連のアドレス)からの、どんな TCP 接続のブロックも可能。また サーバ上のすべての TCP サービスのブロック、マルチホーミングサーバ上 の特定 IP アドレスへの接続のブロックもできる。そして接続拒否、許可 したアクセスのログを残らずとっている。同社の ShareWay IP 使用者には DoorStop がとりわけ興味深いだろう。ShareWay IP は Personal File Sharing を走らせている Mac で IP 経由の AppleShare を提供するもの。 TidBITS-436「IP ファイル共有」で解説したように ShareWay IP には ちょっとしたセキュリティ上の不安がある。DoorStop はその心配を相当や わらげると思われる。DoorStop には PowerPC の Mac、Mac OS 8.1、Open Transport 1.3 以降が必須。価格は現時点で未定、98 年 10 月 1 日に使 用期限のきれるバージョン 1.0b1 は 680K のダウンロードだ。[ACE]

<http://www2.opendoor.com/doorstop/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04961>

QuickCam、Logitech 社へ -- Connectix Corporation 社は Macintosh、 PC、インターネットユーティリティに自社を集中させるという動きのなか で QuickCam と QuickClip 製品を含むハードウェア部門を 2 千 5 百万ド ルで Logitech SA 社に売却した。Connectix は QuickCam によって低コス トビデオカメラ分野で先進企業となっていた(先日百万セット目を販売) が、売却で自由になる資金と資源により RAM Doubler、Virtual PC、 SurfExpress のような革新的ユーティリティを開発し続けられることだろ う。[ACE]

<http://www.connectix.com/html/PressReleases/aug/cntx.98.pr.html>
<http://www.logitech.com/>


iMac 接続ガイド

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:浦山 健 <den@axes.co.jp>)

iMac が発売になった。小売店は記録的な売り上げを報告しており、売り切 れになって次の入荷を待っているところもあるようだ。iMac の反響も徐々 に聞こえてきているが、概ね好評だ。(ある匿名のユーザーは TidBITS Talk で、彼のお尻に小さな iMac の入れ墨をしたと語っていた - 真偽は 定かではないが)サービス技術者は、最も一般的な改造であるメモリ増設 にかかる時間(20 分程度かかるようだ)について愚痴をこぼしていた。 iMac と他のMacや周辺機器をどうやって繋げばよいか、皆が疑問に思って いるのではないだろうか。そこで我々は主な選択を要約することにした。 更なる情報は、Apple の iMac Connectivity Guide や iMac Support Page、MacFixit の iMac Page、あるいは MacInTouch の iMac FAQ を参照 するといいだろう。

<http://support.info.apple.com/support/imac/connectivity/connectivity.taf>
<http://support.info.apple.com/support/imac/>
<http://www.macfixit.com/imac/>
<http://www.macintouch.com/imacfaq.html>

ファイル転送 -- これまで使っていた Mac から iMac にアップグレード する人は、ファイルを移動する必要があるだろう。その方法は、古い Mac の仕様やあなたが使えるハードウェアによって様々である。また、iMac を購入した顧客に対してファイル転送サービスを提供する小売店もあるそ うだ。同様のサービスを、ユーザーグループが会員への特典として提供す るというのはどうだろうか。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=02190>

<http://www.asante.com/Products/microprint.html>
<http://www.farallon.com/ether/adapters/iprintadapter.html>
<http://www.sonicsys.com/Products/Ethernet&Fast_Ethernet/microprint.html>

<http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n22229>

<http://www.superdisk.com/>
<http://www.iomega.com/company/news/usbrel.html>
<http://www.keyspan.com/products/USB/>

<http://www.heise.de/ct/english/98/18/134/>

プリンタを接続する -- iMac が抱える次の問題は、プリンタである。こ れも様々なやり方がある。

<http://www.momentuminc.net/>
<http://www.opcode.com/news/press/>

その他の機器を接続する - どうやって Mac とプリンタを繋ぐのかと悩 んでいる人は多いだろうが、同様にその他の機器についても悩んでいる人 もいるだろう。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04994>
<http://www.nashville.net/~griffin/usb_pr.html>

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05041>
<http://www.stalker.com/>

<http://macweek.zdnet.com/1232/mezzanine.html>


デベロッパー諸君、MacBinary III だ

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:西村 尚 <hisashin@axes.co.jp>)

あなたがデベロッパーでないなら、読むのはここでやめよう。ここで扱う ものはまだしばらくの間知らないことになっているのだ。

Apple 社が発表しているように、Mac OS 8.5 は一ヵ月かそこらで出荷され るはずだ。これは多くの主要な新機能を備える予定だが、2 つのとても小 さなものをここで問題にする。Mac OS 8.5 では、ファイルが 2 つの新し い属性、または“フラッグ”を手に入れることになる。icon badge と custom routing である。どちらも真に新しいものではないが、デベロッ パーが利用可能になる。

Icon Badge -- 誰でも icon badge をシステムフォルダや機能拡張フォ ルダなどの上に見ている。icon badge はファイルにとっても新しいもので はない。たとえば、今はなき DiskDoubler 圧縮プログラムは、圧縮ファイ ルのアイコンの隅に小さな DD バッジをつけていた。このバッジがなけれ ば、ファイルが圧縮されていると知りようがないので、それを DiskDoubler を持っていない誰かに送ったときにこれが元で問題となる。さらに、もし DiskDoubler がアイコンをまったく別のものに変更してしまったら、どの アプリケーションのファイルであったのか必ずしも覚えていないこともあ ろう。

Mac OS 8.5 では、icon badge が直接サポートされ、デベロッパーがいつ でも好きなときにファイルに適用することができる。たとえば、ゲームな らバッジつきでプレイヤーファイルを保存でき、生存、瀕死、亡霊といっ たそのプレイヤーの状態を示すこともできよう。または、グラフィックプ ログラムなら、GIF や JPEG といった共通画像フォーマットを示すバッジ を使うことができるだろう。icon badge は画期的な機能ではないが、役に 立つものになるはずだ。

Custom Routing -- ファイルのルート処理もまたすでに知っている。シ ステムフォルダにコントロールパネルをドロップすれば、Finder がそれを コントロールパネルフォルダに入れる必要があることを知らせ、その後望 むなら自動的にそこに置く。ルート処理が行われなければ、そのコントロー ルパネルは結局システムフォルダ直下に置かれることになるだろう。

この機能は、もっと広くデベロッパーにアクセス可能となるので、ユーザー にファイルをシステムフォルダにドロップすることをもっと簡単に教え、 自動的にそれを標準フォルダのどれにでも送ることができる。コンテクス トメニュー項目や Shared Library のようなものを簡単にインストールす るために、custom routing は役立ち物だ。

MacBinary III 登場 -- 問題は、インターネット用にファイルをエンコー ドする現行のツールが、現在 icon badge と custom routing 情報を保持 するフラッグを破壊することだ。ファイルを BinHex または MacBinary II (これらは一般に透過的で、FTP プログラムに埋め込まれている)でエン コードすれば、この操作で icon badge または custom routing 情報は削 除される。他の点ではファイルを損傷することはないが、受け取る人を混 乱させることにもなりかねない。特に、custom routing 情報の場合はそう だ。誰かにファイルをシステムフォルダにドロップするように告げること を考えてみよう。それが初期設定ファルダに落ち着くはずだと思っても、 結局システムフォルダに置かれることになる。要するに、BinHex と MacBinary II は劣化を伴うフォーマットとなるわけだ。

Mac OS 8.5 が出荷されたとき、現存するツールを使ったこの問題の解決法 を記事に取り上げるだろう。しばらくは、インターネット上で Macintosh ファイルを転送するプログラムのあらゆるデベロッパーを励まして、 MacBinary III をサポートさせたい。あなたのアプリケーションが現在 BinHex または MacBinary II を使ってなにかをしているなら、MacBinary III を対象とするように変更することを考えるべきだ。また、BinHex を初 期設定としている(たとえば電子メールプログラム)なら、初期設定のエ ンコード方法を新フラッグを保持する AppleDouble のようなフォーマット に切り替えるべきだろう。MacBinary II からの変更は小さいと聞いている し、いくつかのデベロッパーは Pascal と C のサンプルソースコードを提 供している。さらに詳しい情報は下記のページで入手でき、この問題につ いて議論するためにデベロッパーが参加できるメーリングリストがある。 参加するには、<macformats-subscribe@makelist.com> に電子メールを送 るか、または下記の 2 番目の URL で Web 上で投稿されたものを読むこと ができる。

<http://www.lazerware.com/formats/macbinary.html>
<http://www.makelist.com/list/macformats/>

MacBinary III は、MacBinary II と完全に下位互換性がある。したがっ て、MacBinary III デコーダは、MacBinary II フォーマットですでに格納 されたファイルをどれでもデコードすることができる。また、MacBinary II デコーダ(最新バージョンの StuffIt Expander のような)は MacBinary III ファイルをデコードできる。ただし(上記のように) icon badge と custom routing 情報は失われるが。

多くのデベロッパーは MacBinary III をサポートすることをすでに表明し ている。その中には、Aladdin Systems 社、Peter Lewis 氏(Anarchie)、 Jim Matthews 氏(Fetch)、Netscape Communications 社、Microsoft 社 が含まれる。したがって、MacBinary III は BinHex と MacBinary II の 両方に取って代わる だろう 。私としては BinHex がなくなってもかま わない。MacBinary はより小さなファイルを作成するし、Info-Mac Archive のような FTP サイトは万年容量不足だ。MacBinary III は未来の波だ。だ からあなたのプログラムが 7 ビット BinHex の過去に置き去りにされない ように気をつけよう。


本物の TidBITS チャンネル

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:高島 均 <hitak@kk.iij4u.or.jp>)
(  :加藤たけあき <oiso@wolfenet.com>)

一年以上前になるが TidBITS-373 の“The TidBITS Channel”というエイ プリルフール記事において、私は来るべき我らが TidBITS チャンネルにつ いて書き、それは“shove”と呼ばれるテクノロジーを利用するはずのもの だった。それは全くの冗談だったのだが、当時の私達には、その 9 ヵ月後 に本物の TidBITS チャンネルを持つことになろうとは知る由もなかったの である。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=00687>

1998 年 1 月の Microsoft Internet Explorer 4.0 のリリース以来、私達 は、Microsoft 社が“アクティブ・チャンネル”と呼ぶものの実質的内容 である CDF(Channel Definition Format)ファイルの更新を行ってきた。 CDF は、World Wide Web Consortium(W3C)に規格として提案されている ものの、Internet Explorer 4.0 においてのみしかサポートされていない ものである。

<http://w3c.org/TR/NOTE-CDFsubmit.html>

デビュー当初は“プッシュ”技術といっしょくたにされたにも関わらず、 このテクノロジーは一切サーバプッシュとは関係していない。そうではな くて、Intermind 社の極めて野心的な Communicator 製品( TidBITS-349 の“Intermind Communicator - コミュニケートしよう”を参照。)のよう に、Internet Explorer のチャンネルは、実際にはスケジュール化された クライアントプルの実例なのである。どうやっているのかを説明しよう。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=00850>

購読とカスタマイズ -- ユーザーとしてチャンネルを購読するのは簡単 だ。するべきことは Internet Explorer に CDF ファイルへの URL を与え てやるだけでよい。そのための簡便な方法は、チャンネルのプレビューペー ジにあるリンクをクリックすることだ。私達のチャンネルのプレビューペー ジを見るために、下記の URL を訪ねて欲しい。一旦そこに行けば、Add Active Channel ボタンをクリックするだけで私達のチャンネルに登録でき るのである。

<http://www.tidbits.com/channels/channel-preview.html>

Add Active Channel をクリックすると、Internet Explorer は、CDF ファ イルをダウンロードして、まだ登録していないことを確認してから、チャ ンネルを追加してよいかを尋ねてくる。追加ボタンをクリックするか、カ スタマイズボタンをクリックしてデフォルトの設定を変更しよう。

チャンネルを追加した後、Internet Explorer ウインドウ左側のチャンネ ルタブ(表示メニューのエクスプローラバー項目にチェックがあることを 確認しよう)をクリックするか、もしくはタブにポインタをしばらく止め ておくと、チャンネルバーが現れる。チャンネルのリスト表示は、お気に 入りのリストや履歴のそれに似ている。ただし、チャンネルには単なる名 前だけの代わりにグラフィック表示があるのが通常だ。

カスタマイズは、チャンネルを Control + クリックし、表示されるコンテ クストメニューから情報を見るを選択することでできる。何枚かのタブウ インドウによるオプション、すなわち情報、購読、アカウント、スケジュー ル、通知、オフラインがあるが、興味を引くのはスケジュールだけだ。こ れで Internet Explorer が新しいコンテンツをチェックしに行くデフォル トのスケジュールを変更できるからだ。他のオプションも一瞥して欲しい が、おそらく変更したくはないだろう。

チャンネルをゴミ箱へドラッグすることで、そのチャンネルの購読取り消 しができる。コンテクストメニューから削除コマンドを使っても良いし、 情報を見るダイアログの購読タブにある購読取り消しボタンをクリックし ても良い。

チャンネルを見る -- さて、チャンネルを見るにはどうすればよいのだ ろう? チャンネルバーを開いて、それから TidBITS Channel のグラフィッ クをクリックしよう。Internet Explorer が Finder がリスト表示で使っ ているような三角形マークを用意してくれていない以上気づくはずもない のだが、メインの TidBITS Channel グラフィックは事実上のフォルダなの である。この記事では、これを“チャンネルフォルダ”と呼ぶことにしよ う。チャンネルフォルダをクリックすると、3 つのサブ・チャンネルフォ ルダが表示される。ただ、これまた、クリックしてチャンネル項目を出す まではそれらがフォルダであることに気づかないだろう。チャンネル項目 をクリックすると、メインのブラウザウインドウに、その項目に関連づけ られた Web ページがロードされる。ところが、チャンネルフォルダもまた 関連づけた Web ページを持てるので、チャンネルフォルダの場合、一回の クリックでページのロードと内包するチャンネル項目の表示との両方がな されることになる。サブ・チャンネルフォルダ名の左側をクリックすれば、 Web ページをロードすること なく 、表示階層を広げることができる。

私達は、チャンネルを 3 つのセクションに分割した。すなわち、TidBITS Updates、Current Issue、Web Site である。TidBITS Updates フォルダに は TidBITS Updates の最新記事へのリンクがあり、Current Issue フォル ダには TidBITS 最新号の記事へのリンクがあり、また Web Site フォル ダには私達の Web サイトから選りすぐったページへのリンクがあるといっ た具合だ。

項目を見るためには、項目をクリックする。するとブラウザウインドウに 目的のページが現れる。チャンネル項目の隣に輝く星印があると、それは ページが更新されたという目印だ。どうしてチャンネルにページの更新が わかるのかって? スケジュールの説明を憶えているだろうか? Internet Explorer は、そのスケジュール(デフォルトでは一日に一回)にしたがっ て、Web サーバにある CDF ファイルをチェックしているのだ。内容の変更 を見つけると、Internet Explorer はチャンネルを更新し変更を知らせる のである。

これらのチャンネル項目は、チャンネルのコンテンツにリンクしていると 前述した。だとすると、チャンネルを見るにはインターネットに接続して いなければならないということになりそうだが、しかし、必ずしもそうで はない。CDF ファイルを作成した際、私達は、Internet Explorer に、 TidBITS Updates や最新号などのチャンネルの特定のパートをあらかじめ キャッシュさせる、いくつかのオプションを利用することにした。これら のオプションのおかげで、インターネットに接続することなしにチャンネ ルを見れるようにできる。少なくとも理論的には。テストしてみたところ では、必ずしも一定しない結果に遭遇した。より良い結果を得るためには、 Internet Explorer のファイルメニューからオフラインでブラウズするを 明示的に選択した方が良いだろう。

チャンネルを作る -- CDF ファイルを作ることは Web ページを見るがご とく簡単だといいたいところだが、そうはいかない。Microsoft は現在ま での HTML のように粗末に扱われないように CDF をデザインしたため、 Internet Explorer の CDF パーサはとても煩わしい。括弧や引用符などを 一つでも付け損ねたりしたものなら、そのチャンネルの全てが消えてしまっ たり、動いてしまうときもある。私はそれを経験から学んだため、今では 必ず Nisus Writer の parenthesis matching 機能をオンにして、括弧や 引用符を忘れた場合に分かるようにした状態以外では CDF ファイルを扱わ ないようにしている。CDF ファイルを作るためのいくつかのツールが出回っ ているが、今のところ Windows 用のものしかない。

私が最初に我々のチャンネルを作り出した頃よりは多くの情報があるとは 思うが、まずは以下のページから始めればいいだろう。チュートリアルの CDF 101、CDF 201 と、CDF reference には必ず目を通すように。

<http://www.microsoft.com/workshop/delivery/channel/channelroadmap.asp>

いくつかの役に立つチップとしては、他の CDF ファイルを覗くことだ。CDF ファイル(“.cdf”で終っているもの)への URL を見つけてコピーし、 Internet Explorer の「ファイルのダウンロード」をファイルメニューか ら選択し、その URL をファイルのダウンロード・ダイアログへペーストし て「ダウンロード」をクリックする。HTML でしていることと同じように、 他の人がやっていること見ることはとても参考になる。CDF ファイルを Internet Explorer のウィンドウにドロップして開くといったローカルで のテストはできないが、ファイルメニューの「ファイルを開く」からは読 み込むことができる。

チャンネルをデザインする -- Mac 志向なチャンネルには基本的に二つ の機能がある。まず、コンテンツ・ディレクトリの更新をユーザーのブラ ウザに送り、後でダウンロードしなくてもいいようにすることである。二 つ目は、その Web サイト上で最も重要なページを簡単な操作で表示させる ことができるという機能だ。Windows 環境では、チャンネルを使ってスク リーンセーバやアクティブデスクトップの項目も提供することも可能だが、 ありがたいことに Mac でそれらの機能はサポートされていない。

もし貴方が純粋に Web サイトを巡回する一つの手段としてチャンネルを使 えば、それらを頻繁に更新する必要はなくなるが、最新のコンテンツへ直 接アクセスできるようにデザインされていないチャンネルには有効でない。 多くのチャンネル発行者はずっと容易に作成することができる静的なチャ ンネルを作ってしまっている。

チャンネルの更新 -- チャンネルを作ることは、ほんの始まりでしかな い。チャンネルは更新されたコンテンツを頻繁に提供していかなければな らないため、発行者はその定期的更新を義務づけられることになる。言う までもなく、オートメーション化が叫ばれる。大抵の場合、私達が最初に オートメーションを設置するのだが、どういう訳か我々のチャンネルをオー トメーション化するという課題は困難な状況に置かれている。問題は抽象 的なことなのだが、例外を作りたくないからだ。もし私達のオートメーショ ンを CDF も扱えるように改善するなら、同じデータ(ナビゲーション・ バーのエレメントや、TidBITS Updates、各号の内容等といったもの)を 使って、その他のフォーマットにも書き出せるようにしたいからなのだ。

一時しのぎの策として、私達の寄稿エディタである Matt Neuburg 氏の助 力を借りて、我々のホームページの HTML ソースからリスト項目を抽出し て、最終修正日と共に正しいチャンネルのエントリに変換することができ る小さな Nisus Writer のマクロを書いた。つまり、毎週 4 〜 5 回は発 行されている TidBITS Updates がポストされた後に、そのホームページの ソースを見て、新しいリスト項目をコピーし、CDF ファイルに加えて、そ れを Web サーバ上に再びアップロードしているのだ。

空しい 500 チャンネル -- CDF チャンネルについて私は二つの考えを 持っている。その技術は仲々のものなのだが、貧弱にしか書類化されてな く、オンラインガイドもどうやってチャンネルをデザインしていけばいい のかという重大な部分が欠けている。それが私の実際の問題として関わっ て来ているわけであり、また私が見てきたほとんどのチャンネルは惨めな ものになってしまっていたということでもあるのだ。何人かのデザイナー はそのチャンネルの裏側の理論を理解したがために、みすぼらしいチャン ネルしか作れずに終わってしまっている。ユーザーが、そこにある多くの チャンネルを購読したくなるような理由がほとんどないのである。頻繁に 更新されているコンテンツと意図的なデザインを併せ持つ我々のチャンネ ルはかなりまともだと思う。

Microsoft は、ほとんど何もしていない。Internet Explorer でのチャン ネルのサポートは、同じく購読することができる「お気に入り」と違って、 複雑で貧弱である。(「お気に入り」ではユーザーが見るものや、購読の 更新の間隔を選択できるのに対して、チャンネルではそれらは発行者側に よって決められている。)それにもまして、Microsoft が Internet Explorer 4.0 をリリースした時には既知のチャンネルのリストをチャンネ ルガイドとして作ってあったのに、Internet Explorer 4.01 ではそのチャ ンネルガイドが削除されてしまっている。現在チャンネルを見つける唯一 の方法は、訪れた Web サイトで偶然に見つけることだけである。一つの技 術を奨励するにしては、とても考えられないことである。

私達はチャンネルに興味をもっている。チャンネルリストに名を連ねるこ とは TidBITS を新しい読者に紹介する一つの良い方法だと考えているから だ。購読されているアカウントの我々のサイトへのヒット数からみて、チャ ンネルが Web のトラフィックを増加させたことは間違いない。しかし、新 しい登録者に手を伸ばすための道具としては、ほとんど役に立っていない のである。

最後に、チャンネルと CDF は主に Microsoft が、当時話題であった“プッ シュ”分野への参入が目的だったように思える。その技術自体はかなり深 くまで考えられているのに対し、誰かが電子メールや通常の Web ページか らよりも、チャンネルを介して更新されたコンテンツが読みたいかもしれ ないという 理由 には何も注意が払われていない。現在の施行は良くて バージョン 1.0 というところだが、Microsoft が本当にこのコンセプトを 成功させたいと考えているのであれば、一般に現実的な使用が可能になる であろうといわれているバージョン 3.0 レベルに到達させるために、かな りの努力が必要である。あるいは、私達が単に必要な我慢を欠いているの かもしれないし、将来のバージョンの Internet Explorer はチャンネルの 作成とサポートが徹底的に改善されるかもしれない。それまでの間私達は、 かなりの人数が利用している限り、我々のチャンネルを維持し、更新して いくつもりである。だから実際に自分で試してみて、自分に役に立つかど うか考えてみてほしい。


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