TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#450/12-Oct-98

ごく普通の平凡な人は MacsBug をどのように使うことができるか、今週も 考察が続く。それにはデベロッパーがプログラムのベータテスト時にログ を作成する方法について貴重な情報も含まれている。また今週は終焉を迎 えると見なされているクラリスメールについて Adam が調べ、QuarkXPress 4.04、Eudora Pro 4.0.2、AutoShare 3.0、FileMaker Pro 4.0v2 など重要 なソフトウェアのリリースについて、そして出荷“間近”の StuffIt Deluxe 5.0 についてもお届けする。

目次:

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MailBITS/12-Oct-98

(翻訳:秋山 晃子 <nobineko@club.udn.ne.jp>)

QuarkXPress 4.04 アップデートが多くのバグに対応 -- Quark 社が QuarkXPress 4.0 のアップデートをリリースした。これは保存と印刷、検 索 / 置換、矢印ハンドル付きのベジェ曲線などに関連するいくつかのバグ を修正したほか、細々とした問題も解決したものだ。さらに Quark 社は、 4.0 の新しい機能を追加し、現在使用しているスクリプトがより良く動く ように AppleScript 辞書のスクリプティングシンタクスを修正している。 version 4.03 の正規ユーザーは 3 MB のアップデータをダウンロードで き、これより前の QuarkXPress 4.0 の正規ユーザーは 8.2 MB の “universal updater”をダウンロードすることになる。 [JLC]

<http://www.quark.com/quarkxpress/qxpfix_1.html>

Eudora Pro 4.0.2 の配布開始 -- Eudora Pro 4.1 は依然としてパブリッ クベータ版のままだが、Eudora Pro 4.0.2 を Qualcomm 社がついにリリー スした。これは多くのマイナーバグを修正し、いらいらと不満を解消して いる。もし Eudora Pro 4.0.1 でトラブルが起きているなら、この 5 MB 無料アップデータをダウンロードしてみる価値がある。トラブルが無い場 合は version 4.1 のリリースを待つことをお勧めする。 [ACE]

<http://eudora.qualcomm.com/betas/epro41.html>
<http://eudora.qualcomm.com/pro_email/updaters.html>

AutoShare 3.0 リリース -- Mikael Hansen 氏が AutoShare バージョン 3.0 をリリースした。Hansen 氏のこのフリーウェアは Eudora Internet Mail Server と Stalker Internet Mail Server 上で動作するメーリング リスト管理・自動応答ソフトだ。おもな新機能は、サーバおよび別サーバ の購読者データベースのサポート、追加的なリモートメール管理コマンド である MIME ダイジェストのサポート、より多くのフォーマットに対応し た自動バウンス処理のサポートなどを含む。なかでも最も興味を引くのは 購読者データベース機能であり管理者用フィールドを加えられるようになっ ている。AutoShare はスクリプトによって他の AutoShare データベースと 通信することも可能だ。スクリプトは柔軟性に富むもののパフォーマンス は乏しいかもしれない。AutoShare 3.0 は 1.9 MB のダウンロードだ。 [ACE]

<http://www.dnai.com/~meh/autoshare/>

StuffIt Deluxe 5.0 発表 -- Aladdin Systems 社が StuffIt Deluxe 5.0 を発表。同社の人気圧縮プログラムのメジャーリリースだ。StuffIt Deluxe 5.0 の主要な新機能は、圧縮率をさらに 20 % 高め Windows との互換性を 備えた新しい圧縮フォーマットである。また StuffIt Deluxe 5.0 には MacBinary III のサポート、Mac OS 8.5 との互換性、.hqx と .bin に対 する追加の“Archive Via Rename”機能、自動解凍アーカイブの StuffIt アーカイブへの高速変換、そして“Stuff and Mail”機能における Outlook Express と Mailsmith への新しいサポートなどが含まれている。Aladdin 社は StuffIt Deluxe 5.0 を 10 月末までに出荷する予定で、市販価格は 79.95 ドル、またユーザーグループ用の価格は 49.95 ドルに設定される見 込みだ。現 StuffIt Deluxe と DropStuff の正規ユーザー(および AutoDoubler、DiskDoubler、the Eudora Productivity Toolkit の正規ユー ザー)は購入証明(たとえば Aladdin 登録番号、あるいは領収書やマニュ アルやディスクの写真を Customer Service 831/761-6206 宛てにファック スで送信する)があれば StuffIt Deluxe 5.0 を 99 年 3 月 31 日まで 29.95 ドルでアップグレードできる。StuffIt Deluxe は 68020 Mac 以降、 8 MB の RAM、System 7.5.3 以降が必要である。 [ACE]

<http://www.aladdinsys.com/company/news/releases/stuffit/ 100798-predlx50.html>

FileMaker Pro 4.0v2 アップデータ公開 -- FileMaker 社が FileMaker Pro 4.0v2 の無料アップデータをリリースした。このアップデータには FileMaker Pro 4.1 の新 ODBC 機能(“FileMaker Pro 4.1 を買えば ODBC も使える” TidBITS-447 )は含まれないが、FileMaker Pro 4.1 でなさ れたそのほかの変更とバグ修正は FileMaker Pro 4.0 ユーザーに提供され ている。改良点には Excel 98 のファイルの取り込み機能、貨幣単位 Euro のサポート、FileMaker 内での JPEG 表示の向上、特定の状態における取 り込み・書き出し・削除・レコートのソートなどに関連するいくつかのバ グ修正などが含まれる。Mac OS 用アップデータは 1.8 MB で、Microsoft Windows の各バージョン用アップデータも入手可能。 [GD]

<http://www.filemaker.com/support/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05091>
<ftp://ftp.filemaker.com/pub/USA-Macintosh/Updaters/ FileMakerPro40v2Update.bin>


Emailer とソフトウェアの終止符

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:尾高 里華子 <rikako@pobox.com>)

Claris 社が FileMaker 社と変わる際に Emailer は Apple 社に買い戻さ れたのだが、その後ほこりをかぶったままだ。誰もがこれを当然のことと 思っているだろうか? Emailer ユーザーは意外に感じているかもしれない。 毎日そして一日中使っているプログラムで盲目的な忠誠心を抱かせるほど 素晴らしいものはなかなか無いのだから。Emailer は良いメールプログラ ムだったし今もそうである。正直なところ消えゆくのをただ眺めているに は惜しい製品だ。残念なながら、このままでは署名運動の甲斐もなく...... いや、勝手な想像は止めておこう。

<http://www.macsoldiers.com/save-emailer/>
<http://www.pasoftware.com/save_emailer.shtml>

まず、Macintosh 株式会社としての Apple の立場を考えてみよう。Apple は Macintosh に機能を追加しつつも Macintosh デベロッパーとの良好な 関係を保つように常にバランスをとらなければならない。Apple は同様の 機能を Mac OS に組み込むという手を使えば、どんな Macintosh 製品をも 潰すことができる。これは実際に過去にあったことだし、今後も起きる。 商用スクリプトツールである UserLand Frontier は AppleScript にむし ばまれたし、PlainTalk は洗練された音声認識ソフト開発の邪魔になった。 数えきれないほどのシェアウェア製品が長年にわたり、階層 Apple メ ニューやデスクトップピクチャのようなアイテムが OS に統合されるにつ れ退廃していった。Apple はこういったことを慎重にしかも意地悪になら ないようにやらなければならない。そうしなければ、Macintosh の促進剤 となってくれるデベロッパーから背を向けられかねない。

改訂の必要性 -- さて今 Apple はパワフルではあるが古びてきたメール クライアントを手にしている。Emailer はしっかりとした土台に数多くの 素晴らしい機能を搭載したソフトではあるが、その競合ソフトにあたる Eudora Pro や Outlook Express の方が機能的に勝っている。両競合ソフ トは、複数のアカウント、HTML スタイルのメール、LDAP ディレクトリサー ビス、メールを取りだすための IMAP、インラインでのスペルチェックなど に対応している。それに加え Bare Bones Software 社製の Mailsmith や CTM Development 社製の PowerMail のような新しいメールソフトが進出し てきている。今 Emailer にある独特な機能といえば、CompuServe や AOL からメールを取ってくることだろう。

<http://web.barebones.com/products/msmith/msmith.html>
<http://www.ctmdev.com/>

Emailer を競争力のあるものに手直しするのは、たやすい作業ではないだ ろう。HTML スタイルメールに対応するためには HTML パーサを組み込み、 表示用のエンジンを修正しなければならないのだから。IMAP をサポートす るためにはメールを取り込むためのコードを大幅に修正することになるか もしれないし、IMAP はサーバ上にあるメールのストアに独自の方法採用し ているので、メールボックスの動作についての再考が必要になる。Emailer をアップデートするために必要な人材調達にはお金がかかるのだが、Apple は今黒字であり続けることに専念している。利益をもたらさないかもしれ ないプロジェクトは、今の Apple では生き残れないようだ。

Apple の選択肢 -- しかしながら、とりあえず Apple が Emailer の向 上に労力とお金をつぎ込もうとしていると仮定してみよう。どうなるだろ うか?

もう一つの選択肢は Apple が Emailer をアップデートしないと決断する ことだ。現行バージョンの Emailer を無償配布すると、デベロッパーの気 持ちを別にすると痛手は何もない。しかし、送信側受信側双方でサポート しなければらならないような新機能に対応するのが遅くなるというメール 社会全体に及ぼす害もある。たとえば、標準的なヘッダのセットはメーリ ングリストでメールプログラムがリストのメールだと判断したり、サブス クライブやサブスクライブ取り消し、ポスト、ヘルプコマンドの確認など の自動化を簡単にしてくれると認められている。(ほったらかしになって いる Emailer は新機能をサポートしないだろうし)メールソフトがこれら の新ヘッダに対応していなければ、リストの管理者は新しいヘッダを利用 したいとはあまり思わず、対応しているソフトを使っているものも恩恵を 受けられなくなる。

<http://info.internet.isi.edu/in-notes/rfc/files/rfc2369.txt>
<http://search.ietf.org/internet-drafts/draft-chandhok-listid-01.txt>

Emailer を請け負う -- Emailer から利益を得る見込みがほとんどない ことと、一部の Macintosh デベロッパー達に冷や水を浴びせることになる だろうことを考えて、Apple は Emailer の売却を検討するかもしれない。 3Com 社が Claris Organizer を PalmPilot 用にと取得したはこの例であ るし、実際 Apple が Emailer の買い手を物色しているという噂も耳にし た。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04874>

問題は、Apple から Emailer を購入したところは、アップデートやマーケ ティングのためにさらなる出資を余儀なくされるということだ。競争のあ まりない分野では即決できるかもしれないが、無償または廉価でありなが らパワフルな製品の揃っているメールプログラムの世界ではなかなか勝ち 目のない話である。この議論の肯定要因は、Fog City Software 社のよう な小さな会社だったら、Apple のような大会社のように大量に販売しなく ても利益をあげられるということだ(Fog City Software 社は Emailer の 開発元であるが、開発の主要メンバーは現在 Outlook Express に携わって いる)。さらに、ソフトのマーケティングにはお金がかかるし、特に廉価 なソフトにとってはマーケティング経費の元を取るためには相当な数を売 らなければならないということになる。

したがって可能性はあるにしても、名の知られたどこかの Macintosh 会社 が Emailer を購入して現役復帰させるとは私には思いがたい。ビジネスと して一番成り立つ選択は、お金はあるが知られていないところが Macintosh 市場にデビューするための足掛かりに利用することだろう。Emailer の現 行ユーザーたちは確実に社名を口にするだろうし、知名度を得ることにつ いてはうってつけである。

私の考えが正しく、Emailer にはほとんど生き残るチャンスがないとした ら、ほかにとりうる道があるだろうか。志し半ばにして果てようとしてい る Emailer およびその他様々なプログラムをいかにしたら救うことができ るのかということを来週考えてみよう。


MacsBug、パワーユーザーのために:第 2 部

by Geoff Duncan <geoff@tidbits.com>
(翻訳:西村 尚 <hisashin@axes.co.jp>)
(  :高島 均 <hitak@kk.iij4u.or.jp>)
(  :尾高 修一 <shu@pobox.com>)

TidBITS-449 のこの記事の第 1 部では、Apple の無料の下層レベルデバッ ガである MacsBug を取り上げ、インストール方法と呼び出し方法、そして MacsBug を使ってアプリケーションのクラッシュから復帰する方法を説明 した。また、MacsBug でシステムエラー番号を参照し、さらに 10 進数と 16 進数を相互に変換し、基礎的な数値処理を行うことにも触れた。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05118>

今回は、システムとアプリケーションに関する詳細な情報を明らかにする MacsBug コマンドをいくつか見ていく。また、Macintosh とアプリケーショ ンのメモリ使用量と MacsBug を使って問題の履歴をとる方法も少し説明す る。MacsBug は それでもやはり すべての Macintosh ユーザーに薦めら れるような親しみやすいソフトウェアではないが、ここまで来たのなら、 もう少し先に進んでもさわりはないだろう。

コマンドを使って -- よく知られた(しかし役に立つ)MacsBug コマン ドをいくつか見ていこう。これらと他のコマンドは大文字小文字を認識し ない。つまり、ここで書いたようにコマンドに大文字を使うかどうかは関 係ないわけだ。また、MacsBug には、さまざまなコマンドのたいていは謎 めいた説明を表示する Help コマンドもある。MacsBug の機能の多くはト ラップやブレークポイント、逆アセンブリといったよくわからないファン クションと関係していることがわかるだろうが、役に立つめっけもののコ マンドもある。

ヒープに感謝 -- Mac 上で実行中のアプリケーションはそれぞれ、ウ インドウ、ダイアログ、書類やその他のデータをアプリケーション・ヒー プと呼ばれる RAM 領域に保持している。ヒープのサイズは、アプリケー ションに割り当てられたメモリ量によって異なる。システムもまたヒープ を持っていて、それは Mac OS が動的にサイズ変更できる唯一のヒープで ある。アプリケーション・ヒープのサイズを変更するには、プログラムを 終了して、“情報を見る”ウインドウでそのメモリ設定を変更し、その後 プログラムを再起動しなければならない。このことは、他のオペレーティ ング・システムの支持者たちをして Mac OS のメモリモデルは貧弱である と言わしめる要因の一つとなっている。

ヒープはブロックに分割されていて、各ブロックは free(未使用)、 relocatable(使用中だが移動可能)、locked(使用中で移動不可能)のい ずれかである。使用中ブロックはまた、purgeable として指示することも できる。purgeable とは、アプリケーションはそのデータが RAM に保持さ れることを期待してはいるものの、もしプログラムがさらにフリーなメモ リを必要としたときには解放(パージ)され得るということを意味する。 メモリの各ブロックには、メモリブロックに関するいくつかの情報を包含 するヘッダが先頭にある。

アプリケーション・ヒープは、断片化してしまうという点でディスクにや や似たところがある。(例えば書類のオープンやクローズのように)プロ グラムがメモリを使用し解放して行くに連れて、メモリの free ブロック や占用されたブロックがヒープ中に散らばってしまうのだ。ブロックが relocatable なら、ちょうどハードドライブを最適化するように、アプリ ケーションはそれらを再配置してより大きなフリー領域を生み出すことが 可能だ。しかしながら、ブロックが locked だと、それらは移動できず、 要求に十分なトータル free メモリがあったとしても、アプリケーション は大きなメモリブロック要求に対応すること(大きな書類を開くことな ど)ができなくなるかも知れない。

これを知って、どうしてプログラムは locked ブロックなんかを使うのか 不思議に思うかも知れない。その理由はさまざまだが、好例なのはムー ビーの再生だ。もしムービーを格納するメモリブロックが何時でも移動可 能であるとするならば、アプリケーションは絶えずメモリが移動されたか どうかをチェックしていなければならず、このことはパフォーマンスをず たずたにしてしまうことだろう。ブロックが移動しないことを保証するこ とによって、プログラムはムービーの再生に専念することができ、そして (理屈の上では)再生終了後メモリを解放できるのだ。アプリケーション によっては他のものよりより多くの locked メモリを使うものもあるが、 いずれにせよ全てのアプリケーションが何がしかの locked メモリを使っ ている。

ヒープはまた壊れることがあり、通常はプログラムがブロックにそれが保 持するよう決められている量以上のデータを書き込もうとするときに起こ る。これが発生すると、大抵の場合その次のブロックのヘッダを上書きし てしまって、Mac の Memory Manager はその次のブロックへの手掛かりを 失ってしまう。その結果は次のメモリブロックの種類しだいであるが、気 づかない程度のものから壊滅的なものまでさまざまである。

アプリケーション・ヒープ領域をグラフィカルに表示する(そしてヒープ ブロックをじっくり観察できる)プログラムがお好みなら、Joshua Golub 氏の ZoneRanger はいかがだろう。Metrowerks 社の Web サイトから 517K のダウンロードだ。Mac OS の最近のバージョンでは少々不安定だ が、便利で示唆に富んでいるものだ。

<http://www.metrowerks.com/tools/software/zoneranger.html>

MacsBug はヒープについてたっぷりと教えてくれる。

問題のログ -- MacsBug はカレントなアプリケーションと Macintosh の 状態に関する情報をさらけ出してくれるため、プログラマーのみならずソ フトウェアのテストや評価をする人たちにも便利なツールとなっている。 難しいのはバグを報告する際にどんな情報が役に立つかの判断だ。

幸い、MacsBug の作者たちはこの作業を楽にしてくれている。StdLog コマ ンドは、その名前の通りデベロッパーが一般的に必要とする情報をテキス トファイルにログとして書き出す。こうして作成されたログはけっこう大 きく(通常約 20 K)、今までに紹介したコマンドを含め多数の MacsBug コマンドを実行した結果が含まれている。StdLog コマンドを使用すると、 StdLog という名前のログファイルがデスクトップに現れる。もう一度 StdLog コマンドを実行すると、情報は既存の StdLog ファイルを上書きす るのではなく、追加して書き加えられる。

プログラムの開発者と既に連絡を取りあっている場合を別として、開発者 にログをメールすることはお薦めできない。そのかわり、MacsBug でログ を取った旨を伝え、欲しいと言われた場合には送る。ファイルはそのまま 保存しておく。開発者によっては私の意見に賛成しないかもしれないが、 メールでバグレポートを多数受けた経験のある者として言わせてもらうと、 添付書類付きの長大なレポートは簡潔なメッセージよりも扱いにくいのだ。 はっきり言って、公開ベータの段階にあるプログラムの場合、新しいバグ が発見されることは 極めて 少ないはずだ。既知の問題、あるいは既に フィックスが用意されているようなバグについて、いくつものログファイ ルを受け取るのは開発者にしてみればあまりありがたいことではない。

再びブレイクポイント -- 次回は MacsBug を使って、マシンがクラッ シュした際に自動的にリスタートする方法を簡単に紹介する。MacsBug に ついてもっと詳しく知りたい方は、Acrobat PDF フォーマットで提供され ている Apple の MacsBug Reference and Debugging Guide を参照された い。1991 年の MacsBug 6.2 以来アップデートされていないものだが、 Macintosh のメモリ管理のしくみやトラップ、逆アセンブリなどについて 詳しく述べている。

<http://developer.apple.com/dev/tools/debuggers/MacsBug/Documentation/ MacsBugRef_6.2.pdf>

また、週刊の MWJ も今年 MacsBug for Non-Programmers という長文の二 部作を掲載した。本稿では触れていない MacsBug の機能、ヒープの分析や メモリの表示や検索などについて述べている。前・後編とも Ted Landau 氏の MacFixIt サイトに転載されている。Macintosh に関する洞察あふれ るニュースがもっと欲しいという方は、MWJ の 3 週刊のお試し購読をお薦 めしよう。今なら Mac OS 8.5 特集に間に合う。あるいは無料のサンプル をダウンロードすることも可能だ。

<http://www.macfixit.com/reports/MacsBug.shtml>
<http://www.gcsf.com/pages/mwj/>


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