TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#461/04-Jan-99

新春第一号は、BBEdit、Conflict Catcher、PaperPort ソフトウェア、 Microsoft Internet Explorer の新バージョンなどソフトウェアのアップ デート情報とともに新年を迎える。そのほか、Photoshop 用スクリプティ ングソフトウェア PhotoScripter のニュース、Macintosh で Linux を走 らせる話はどうなっているのかや、デジタルカメラ徹底検証の第一段もお 送りする。

目次:

Copyright 1997 TidBITS Electronic Publishing. All rights reserved.
問い合わせは <info@tidbits.com> へ、感想は <editors@tidbits.com> へ。

TidBITS 日本語版は TidBITS 日本語版翻訳チーム メン バーのボランティアによって翻訳・発行されています。


今回の TidBITS のスポンサーは:


MailBITS/04-Jan-99

(翻訳:尾高 修一 <shu@pobox.com>)
(翻訳:尾高 里華子 <rikako@pobox.com>)

BBEdit 5.0.1 Update -- Bare Bones Software 社は同社の商品版強力テ キストエディタをアップデートし、BBEdit 5.0.1 をリリースした。バグ フィックス( TidBITS-454 の“強化された HTML 機能が BBEdit 5.0 を 際立たせる”を参照)に加え、function scanner が(HTML 文書内と単独 のファイルの)JavaScript をサポート、インクルードファイルやプレース ホルダータグのサポート、改良されたイメージタグの更新、それに HTML 指向のスクリプティングコマンドの追加などがある。バージョン 5.0.1 に は細かな調整や目立たない新機能も盛り込まれている。BBEdit 5.0 のユー ザーは 1 MB のアップデートを無料で Bare Bones 社の Web サイトやいく つかのミラーサイトからダウンロードすることができる。[GD]

<http://web.barebones.com/products/bbedit/bbedit.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05164>
<http://web.barebones.com/support/update.html>

Mac OS 8.5.1 用 Conflict Catcher 8.0.4 -- Casady & Greene 社は無 償の Conflict Catcher 8.0.4 アップデートをリリースした。このバージョ ンでは Mac OS 8.5.1 での Clean-Install System Merge サポートと、Mac OS 8.5.1 の Base と All の機能拡張セット(従来のバージョンでは失わ れてしまうことがあった)が追加され、リファレンスライブラリが更新さ れ、Sherlock プラグインなどのファイルに関する説明が追加された (Conflict Catcher 8 のレビューは、 TidBITS-446 の“Conflict Catcher、ナイスキャッチ”を参照)。この 1.9 MB のアップデートは Casady & Greene 社の Web サイトからダウンロードすることができる。[GD]

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05086>
<http://www.casadyg.com/downloads/default.html?upName=cc8>

Mac OS 8.5 用 PaperPort アップデート -- Visioneer 社は同社の PaperPort ソフトウェア用に 2.1 MB のアップデートをリリースした。こ のアップデートは Mac OS 8.5 上で PaperPort 5.0 以上を使用するとク ラッシュするという問題を解決したものだ。アップデートのインストーラ や Visioneer 社のサポートページにはこれ以上詳しい情報はほとんどな いが、Visioneer 社は PaperPort 5.0 以上を使用しているすべてのユー ザーがこのアップデートをインストールすることを薦めているようだ。[GD]

<ftp://support.visioneer.com/ftp/updatesoft/pport.hqx>
<http://support.visioneer.com/customer/updatesoft/appupdat.html>

Microsoft Internet Explorer 4.5、Macworld で出荷へ -- 今週の Macworld Expo で、Microsoft 社は Internet Explorer 4.5 for the Macintosh をリリースする。プレリリース版をテストしたところではいく つかの新機能が目を引いた。Web フォームで住所などの基本的な情報を自 動的に記入してくれる AutoFill、フォームによく入力するテキストを自動 的に入力してくれる AutoComplete、プリントプレビュー、それに Web ペー ジを印刷する際に縮小する機能(Web の行き先案内サービスから道順を印 刷するのに最適だ)などだ。Microsoft 社が Office 98 で初めて導入した ドラッグインストールとアプリケーションの自動修復機能も気に入った。 面白いと感じたがまだ粗削りなのは、Internet Explorer の Sherlock サ ポートだ。あるページの要約をクリップボードに入れ、Sherlock で似た内 容のページを探すことができる。その他の改良点としては、チャンネルが 入って充実した Favorites Explorer バー、あるページをとっておいてリ ンク先をメインウインドウで見ることができる新登場の Page Holder バー、それに Address フィールドに入力してリターンを押すことを知らな い人のための Go ボタンがある。最後に、Internet Explorer 4.5 はパ フォーマンスも向上しており、特に以前に訪れたページへ戻る場合は顕著 だ。安定性はプレリリース版でも良好だったので、新機能と向上したパ フォーマンスを考えるとアップグレードする価値は十分あるだろう。[ACE]

<http://www.microsoft.com/mac/ie/>
<http://www.apple.com/sherlock/>

第 13 回 Macworld SF Netters Dinner -- 今週サンフランシスコの Macworld Expo に行く予定の方は、手帳にメモを。いつも元気な Jon Pugh 氏が恒例の第 13 回 Macworld SF Netters Dinner を開催する。例年通り 99 年 1 月 7 日(木)に Sansome と Broadway の角にある Hunan で行わ れる予定だ。費用は 17 ドルで、Jon's Netters Dinner Web ページからリ ンクをたどり Kagi 経由で申込、支払をすることになっている。今年は儀 式通りに行うつもりらしいので、Howard Street の南側にある Moscone 内 のエスカレータの最上階で 6:00 pm に彼に会うこと(声を聴くこと)がで きるだろう。全員が集合したら、伝統にのっとり Hunan に向けて皆で行進 を行う。では、その時に! [ACE]

<http://www.seanet.com/~jonpugh/nettersdinner.html>

Photoshop のための新スクリプト -- Adobe Photoshop と Macintosh の スクリプティングが人生の中心にあるという方は、Main Event Software 社の PhotoScripter 1.0 が念願をかなえてくれるかもしれない。 PhotoScripter は Photoshop 5.0 を AppleScript 対応にしてくれるプラ グインなのだ。PhotoScripter は Photoshop の機能のほとんどを外部から 利用可能にしてくれ、スクリプトが Photoshop の操作を自動化するための 用語、動詞、それにクラスを大量に備えた辞書を持っている。 PhotoScripter 経由で、Photoshop は自動的に画像をバッチ処理して QuarkXPress や FileMaker Pro といった他のアプリケーションと連携する ことができる。PhotoScripter の辞書は AppleScript オブジェクトモデル に則っており、わかりやすいスクリプティング用語を提供している(Main Event 社の Cal Simone 氏は古くからの AppleScript 唱導者で、Mac OS 8.5 で AppleScript 辞書をインプリメントし直す仕事にも関与してい た)。PhotoScripter の価格は 299 ドルで、複数コピー購入の際には割引 もある。[GD]

<http://www.mainevent.com/>


Mac で Linux を走らせる:最新情報

by Tom Gewecke <tom@bluesky.org>
(翻訳:西村 尚 <hisashin@axes.co.jp>)

一年あまり前の TidBITS-407 で、Mac で Linux を走らせる方法について 書いた。ご存じでない方のために、Linux は目覚ましい勢いで普及してい る無料で配布可能な Unix オペレーションシステムのクローンである。特 に企業内とインターネットの分野で盛んであり、プログラマーと Unix 擁 護者には常に人気を得ている。Linux の下では Macintosh アプリケーショ ンを走らせることはできないが、Mac OS では利用できない基礎的な機能を 提供し、絶え間なく成長を続ける Linux ユーティリティ、サーバ、アプリ ケーションの一群を走らせることができ、その多くは無料で利用可能である。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04533>

MkLinux DR3 -- 私の最初の記事では Macintosh のために利用できる Linux のバージョンを、Unix の市販製品界により馴染みのあるグラフィカ ルなウインドウマネージャと共に取り上げた。その後、Apple 社が MkLinux の新バージョン、Developer Release 3(DR3)をリリースした。Prime Time Freeware 社が DR3 に関する CD-ROM と本を販売し、MkLinux は PowerPC ベースの Mac 用として恐らくユーザーが最も入手しやすい Linux となった。

<http://www.mklinux.apple.com/>
<http://www.ptf.com/ptf/products/MKLP/dr3.shtml>

MkLinux DR3 には DR2.1 への重要な改良が多数含まれる:

MkLinux DR3 は Apple から無料でダウンロード可能だが、最少のインス トールでも 160 MB あり、完全パッケージ(ソースを含む)となると 800 MB ほどもある。したがって、多くの人たちは CD-ROM にわずか 20 ドルを 支払うか、完全版に本付きで 50 ドル支払おうとするだろう。

<ftp://ftp.mklinux.apple.com/pub/DR3/>

DR3 を動かす -- 私は、CD-ROM に付いてきたわかりやすいインストラク ションに従うことで、一度もつまずくことなく Performa 6116CD に接続さ れた外付け SCSI ドライブに DR3 をインストールしてセットアップした。 DR3 をインストールした後は、Mac が起動するときに Mac OS の替わりに MkLinux を起動させるスプラッシュ画面が現れる。

MkLinux には、通常の Linux/Unix コマンドラインインターフェースと典 型的な Linux 配布に付属する全プログラムがあり、半ダースもの異なる シェル、さらに X Windows GUI とデスクトップの拡張カスタマイズを可能 にするよく選別されたウインドウマネージャも含まれる。また、MkLinux DR3 CD-ROM には、テキスト編集(nedit)、メール(xfmail)、telnet (ktelnet)、PPP 接続(netcfg)用の独立した X Window プログラムも含 まれる。

デフォルトのウインドウマネージャは KDE で、これは独自のゲーム、ユー ティリティ、テキストエディタ、インターネット用ツール(PPP、メール、 ニュース、統合 Web ブラウザ)からなる有機的なシステムである。KDE は 私のもののような古いマシンではかなり遅いので、他のマネージャーの一 つを好んで使う。適切な設定ファイルを編集することで、Afterstep、 FVWM2、FVWM、TWM の中から選択可能である。そして、もちろん、他の、た とえば Motif のようなものも、準備とセットアップをする気になればイン ストール可能だ。これらのシステムの魅力の一つは、複数のデスクトップ と各デスクトップ内でコマンドラインのターミナルを、すべて単一の画面 の上で選択できる能力だ。

MkLinux CD-ROM には Netscape Navigator や Communicator は含まれない が、Netscape 社から直接 MkLinux 用の現行バージョンをダウンロードで きる。

<ftp://ftp.netscape.com/pub/communicator/>

私は、プログラミングやサーバ操作などの本格的な仕事のために MkLinux を使うことに関してコメントするには適任ではない。しかし、Unix スタイ ルのマルチユーザー、マルチタスキングのオペレーションシステムを学ん で楽しむことに興味のある普通の Mac オーナーにとって、MkLinux DR3 が 使いやすさと使う楽しさの点で最適だとわかった。

さらなる Linux 情報 -- MkLinux は Macintosh 用に利用可能な唯一の Linux ではない。LinuxPPC は Mac 用 Linux の自主開発版で、これも CD-ROM で入手できる。LinuxPPC Release 5 がまもなく出回るはずだ。私 は、NuBus マシンをサポートしていないので LinuxPPC を使ったことはな いが、その他の点ではこの 2 つは現在互いに互換性があると考えられてい る。LinuxPPC は MkLinux のようなマイクロカーネルベースの Linux イン プリメンテーションを凌駕するはずで、Release 5 は iMac をサポートす る予定だ。

<http://www.linuxppc.org/>

Mac に Linux をセットしてこれに関してもっと多くを学ぶことに興味があ るなら、ZD University が提供する Introduction to Unix と Unix System Administration という 2 つのオンラインコースを調べてみてもいいだろう。

<http://www.zdu.com/>


第二世代デジタルカメラ(第一部)

by Arthur H. Bleich <arthur@zim.com>
(翻訳:尾高 修一 <shu@pobox.com>)
(翻訳:尾高 里華子 <rikako@pobox.com>)

デジタルカメラ業界では去年の今頃から変革の嵐が吹き荒れた。第一世代 の失敗作はほぼ一掃され、フィルムに迫る品質の画像を作り出すことがで きるメガピクセル仕様のデジタルカメラが定着したのだ。1999 年にはデジ タル写真に手を出そうかと考えている読者には、この記事が時としてわか りにくいデジタル写真の分野を理解する手助けになればと思う。

私が去年 TidBITS に発表した記事をぜひともご一読いただきたい。画面と 印刷の解像度などといったデジタルカメラに関する主なポイントを詳しく 解説しているからだ。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1022>

解像度のおさらい -- デジタルカメラについて調べ始めると、画素数や 画像ファイルサイズなど色々な数字に圧倒されることになるだろう。ほと んどの場合、こういった数字はカメラの解像度に関するものだ。簡単に言 えば解像度とは画像がどれだけ細かなディテールを記録することができる かを示す。たとえば、セーターの毛や浜辺の砂を一つ一つを捉えることが できるか、というものだ。デジタルカメラ(やスキャナ)の画像は画素 (ピクセル = pixel)と呼ばれる小さな正方形(または長方形)で構成さ れている。ピクセルとは“picture cell”または“picture element”の略 だ。

デジタルカメラが画像を記録する表面にはきわめて小さな光センサーが並 んでおり、ここで色や光の情報を捉え、続いてデジタルデータ、つまり画 像を構成する画素に変換する。あるカメラが横 640 x 縦 480 画素の画像 をキャプチャすることができるという場合、このカメラの解像度は 640 x 480、または縦横を掛け算して 307,200 画素だという。

センサーの集合体は CCD(charge-coupled device)と呼ばれ、今日市販さ れているデジタルカメラのほとんどに使用されている。だが、一部のカメ ラは CMOS(complementary metal oxide semiconductor)を使用しており、 こちらはより低価格で CCD と比べて消費電力も少ない。だが、CMOS カメ ラでは時として画像の品質を下げるノイズが入ることもある。

一定の面積により多くの画素を詰め込むことができたら、解像度を高め、 その結果より細かなディテールを再現した画像を作り出すことができる。 方眼紙で絵を描くようなものだと考えていただけば良いだろう。方眼のマ スが細かいほど微妙なニュアンスを描くことができるのだ。

5 インチ x 7 インチから 11 インチ x 14 インチまでのプリントを作りた いのであれば、懐が許す限り最高の解像度を持ったカメラを買うことをお 薦めする。80 万から 160 万画素でこの条件を軽くクリアし、かつ手頃な 価格のカメラが市販されている。だが、画像をモニタに表示するだけ(ま たは 4 インチ x 6 インチより大きなプリントはいらない)という場合に は、640 x 480 でもモニタの比較的低い解像度なら十分対応できる。

光学解像度 vs. 補間解像度 -- デジタルカメラの解像度について語るの は最近難しくなってきている。一部のカメラには光学解像度、つまり実際 にセンサーがいくつ並んでいるかを示す数字と、補間解像度、つまりソフ トウェアで画素を人為的に追加し、光学的に得られる解像度をさらに増大 させることによって得られる数字の両方が記されているからだ。

カメラによっては、ソフトウェア補間はなかなか優秀だったりもする。Agfa 社の PhotoGenie ソフトウェアは同社のデジタルカメラのうち、最も低価 格なものを除いてすべてのモデルに付属し、画像がコンピュータに転送さ れる際に巧みにソフトウェア補間を行う。元の画像の品質にもよるが、画 像処理プログラムを使って低解像度カメラからそれほど品質を損なわずに 画像を拡大することも可能だ。だが、ソフトウェア補完には限度があり、 ある程度以上はどんな操作をしてもそれ以上はよくならなくなる。

AF からズームへ -- デジタルカメラに限った話ではないが、ここで AF (オートフォーカス)と固定焦点の違いをはっきりさせよう。AF カメラは 狙った被写体に自動的に正確にピントを合わせ、そこを画像で最もシャー プな部分として記録する。固定焦点カメラの場合は、数フィートから無限 遠までほとんどのものがそこそこシャープに写る距離にピントが固定され ている。

デジタルカメラで使用されているレンズの焦点距離は極端に短いので、と てつもない被写界深度を持っている。これによって絞りが開放の状態でも 近くも遠くもピントが合うのだ。だから AF を搭載していないカメラでも、 固定焦点レンズで大きなクローズアップを撮ったり、暗い場面でフラッシュ を使わずに撮影するような場合(近景がぼける可能性がある)以外はほと んどの場合それほど問題ではない。このため、被写体がクローズアップ、 ポートレート、または普通の風景かによってピントの位置を前後させる機 能を持っているカメラもある。

最後に、デジタルカメラのズームレンズには光学とデジタルの 2 種類があ る。さらにわかりにくいことには、一部のカメラには両方が搭載されてい る。光学ズーム付きのカメラでは、焦点距離に関わらず解像度は変わらな い。だが、デジタルズームの場合、センサー列の一部だけが使用され、そ の結果画面を自分でトリミングした場合と全く同じ結果になり、それに伴 い解像度も低下する。たとえば Olympus 社の D340L は、1,280 x 960 の 解像度を持っているが、テレモードか連写モードを選ぶと解像度はたった の 640 x 480 となる。“光学ズームは良、デジタルズームは可”とだけ覚 えておけば良いだろう。Web やマルチメディア CD-ROM 用にしか撮影しな い場合にはたいてい問題にならない。

バッテリ充電 -- カメラに充電池が付属しない場合には、別途購入する ことをお薦めする。ほとんどのデジタルカメラはバッテリをすごい勢いで 消費する(これはユーザーの不満のナンバーワンだ)。特にフラッシュと (カメラに LCD が装備されている場合は)撮影の前後に被写体を見るため の LCD スクリーンに電力を供給しなければならないからだ。ほとんどのデ ジタルカメラ用で最も優秀だったのはどこでも手に入る Harding Energy 社 製の Quest ニッケル水素(NiMH)電池だ。

<http://www.hardingenergy.com/>

Quest バッテリは使用中ほぼ一定した電圧を維持し、普通のアルカリ電池 の 4 倍、また少なくともニッカド電池の 2 倍長持ちするという結果が出 ている。しかも写真家に嫌われるニッカド電池とは異なり、いつでもフル に充電することができる。ニッカド電池は以前の充電量を記憶してしまい フルに充電することができないためだ。Quest のフル充電には 16 時間も かかることがあるが、あまりにも安価なので(バッテリ 4 個とチャージャ で 35 ドル)複数購入しておいて常時使用可能な状態にしておくことがで きる。もし高速充電がどうしても必要なら、特殊なチャージャが近日中に 発売されることになっている。

さらに長い使用時間には、Emberley ProPower 2.45 が絶対お薦めだ。これ は Energizer Bunny が泣いて喜ぶ軽量な NiMH 電池だ。Quest の 2 倍以 上長持ちし、AC アダプタとしても使える。AC アダプタは 65 ドルほどで 販売されることもあるが、Emberley ProPower 2.45 は 99 ドル程度だ。

画像を収納する -- 今どきのデジカメはほとんどがリムーバブルのスト レージカードを採用しており、なかでも代表的なものは Compact Flash と SmartMedia である。ともに素晴らしいと思うが、現状では Compact Flash のカードの方が容量が大きい。だがこれは 100 枚撮りのできるロールフィ ルムと同様、便利である反面一本に全作品が入ってしまうという短所にも なりうる。さらに、カメラについている再生モードで画像をたどらなけれ ばならないような場合、ものすごく時間がかかってしまうだろう。一方で メモリ容量の大きなカードの長所は、次世代デジカメの高解像度画像をス トアできるということだろう。

SmartMedia カードは Compact Flash カードより廉価で、99 ドルの FlashPath に入れればそのまま Mac のフロッピードライブに装着できる。 これにより、ケーブルを使うよりも速く画像を移すことができる。(Sony 製カメラで採用されている標準高密度フロッピディスクと混同しないよう に。) Compact Flash と SmartMedia はともに標準になってきているの で、カメラ購入の際はストレージの心配はせず、カメラの性能に注意を払 うことだ。

<http://www.smartdisk.com/flashpath.html>

撮った画像を取り敢えずストアする先がリムーバブルカードであるにしろ、 カメラ自体であるにしろ、いずれコンピュータにその画像を移すことにな り、デジタル写真がいかにハードディスク食いであるかすぐに気がつくこ とになる。高解像度画像すなわちファイルサイズの大きいものなのだ。

幸い、多くのカメラは希望の出来上がりに応じ圧縮率を選択できるように なっている。一例を挙げると、Nikon CoolPix 900 は 1:4(Fine)、1:8 (Normal)、1:16(Basic)の圧縮率から選択するようになっており、圧縮 率が低くなるほど品質が高くなるようになっている。どのモードでも解像 度は変わらない。ただし、カメラによっては解像度を変更できるようになっ ているものもあるので仕様を確認するように。圧縮率が高いものでも構わ ないのであれば、その分カメラやメモリカードに納めることのできる画像 が増える。撮影したものを画像編集プログラムで開く時には、画像はおよ そ 5 〜 20 倍に拡大されることを考慮するように。

カメラは JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式で画像を圧縮し ているということもお忘れなく。これは、スペース確保のためにデータの 一部を捨ててしまう、回復不能なものなのだ。画像プログラムで画像を開 いたら、まず何よりも一番に TIFF 形式で保存するように。これにより (さらなるデータの損失をもたらす)JPEG ファイルとして保存されたり、 保存の度に品質が落ちていったりするのを防ぐことができる。

Adobe Photoshop のような画像編集プログラムをお持ちでなくても心配に は及ばない。今や大抵のデジカメにはフォルダにダウンロードできるスタ ンドアロンのプログラムがあるし、なかには機能限定の画像処理ができる ものまであったりする。また、ほとんどのカメラにバンドルされている Adobe 社製クロスプラットフォームの PhotoDeluxe がある。そのほか Microspot 社製 PhotoFix (PhotoStudio の名前でバンドルされている) などの素晴らしいソフトも検討する価値があるだろう。これらのプログラ ムは 100 ドル以下と廉価で、学びやすく、RAM やハードディスクをあまり 食わないうえに、写真家が好みそうな機能がたくさん付いている。

<http://www.adobe.com/prodindex/photoshop/>
<http://www.adobe.com/prodindex/photodeluxe/>
<http://www.microspot.com/>

一生使おうという画像処理プログラムが見つかるまで(一度手を伸ばすと そう簡単に縁を切ることができないものなのだ)、上記プログラムを利用 して作品を印刷すればよいのだ。なかには Epson や Olympus のように完 全にマシンとやり取りをして本物の写真並みの出力のできるプリンタに直 接印刷できる便利なカメラもあるが、画像の出来上がりに関する細かな調 整をすることはできない。

画像を印刷する -- 低解像度の画像は Web 用としては使えるが、紙に印 刷するとなると事態は一変する。640 x 480 画素の画像を 8.8 x 6.6 イン チサイズに印刷することはできるが、ボケて画素の目に付くものになるだ ろう。出来上がりを 5 x 7 インチにしたいのならば、カメラは縦方向に 768 以上画素がとれなければならない。出来上がりをもっと大きくしたい なら、最低でも縦方向の画素は 960 は必要になる(縦方向の画素数は解像 度表示の小さい方の数字のことである)。しかし、低解像度のカメラの中 にはレンズの質やその他仕様により、画素数の多いものと同等の結果を出 すことのできるものもある。ちなみに、多くのカメラが高解像度と低解像 度を選択できるようになっている。紙に印刷したいものには高解像度を、 Web 用の画像やメールに添付する写真用としては低解像度を利用するとよ いだろう。

次世代に -- デジカメはほぼ第二世代に移行し終わった。640 x 480 の 解像度のカメラは Web に載せたり、4 x 6 インチサイズに印刷する用のス ナップショット的使用が主流になっている。120 万 〜 160 万画素のメガ ピクセルカメラは、お買い得な Epson 社製 1,440 dpi の PhotoStylus (最高だ)で印刷すると 8 x 10 インチ(またそれ以上でも)かなりの仕 上がりが得られる。解像度の 120 万画素と 160 万画素の違いはほとんど ない。

世の中は日々進化を遂げている。たとえば、一年前にはショット間のタイ ムラグが一番短いかのはどのデジカメで吟味したりしていたのに、今や一 秒間に数枚のショットを撮れるデジカメさえある。(ただし、最高解像度 で数ショットを撮ることができるのは、新 Olympus D620L のようなごく一 部のものだけだし、6 枚撮るごとにカメラが画像を処理する間一分以上待 たなければならない。)

次回は [Macworld Expo 関連ニュースのため続編の掲載は一、二週間後に なるだろう -Adam]、現在市場に出回っているものから私のお薦めデジカメ をお伝えしよう。今や競争が激化して、真のお買い得品が登場している。

[Arthur H. Bleich 氏はマイアミ在住の、写真家兼、ライター兼、教育者 である。アメリカ内外のメジャーな雑誌等の記事を書いており、Digital Camera Magazine の寄稿編集者でもある。今回の記事のもとになっている Digital PhotoCorner をぜひ訪れていただきたいとのことだ。そこで、彼 の教える DIGIPHOTO 101 と呼ばれるインタラクティブコースを受けること もできる。]

<http://www.dpcorner.com/>


非営利、非商用の出版物およびウェブサイトは、フルクレジットを明記すれば記事を転載またはウェブページにリンクすることが できます。それ以外の場合はお問い合わせ下さい。記事が正確であることの保証はありませ ん。書名、製品名および会社名は、それぞれ該当する権利者の登録商標または権利です。TidBITS ISSN 1090-7017

tb_badge_trans-jp2Valid HTML 4.01!Another HTML-lint gateway