TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#478/26-Apr-99

AppleCare に何が起こっているのだろう?Adam が Apple の AppleCare 保 証延長プログラム、最近の変更点、どの製品が AppleCare を使えるか、そ してどんな選択があるかについて調査を行っている。さらに今週はファッ クスソフトウェアに関する Jeff Hecht 氏の最近の記事を追跡し、ニュー スでは Apple の青と白の Power Mac G3 用ファームウェアアップデートの リリース、Microsoft の Office 98 用 FileMaker Pro インポータのリリー ス、そして QuickTime 4 のプレビューをお届けする。

目次:

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MailBITS/26-Apr-99

(翻訳:松岡 文昭 <mtokfmak@mxa.mesh.ne.jp>)

アップデートで Blue G3 Mac の性能が安定 -- Apple は青と白の Power Mac G3 コンピュータの全オーナーが Power Macintosh G3 Firmware Update 1.0.2 をインストールするよう勧めている。アップデートは、PCI ディバ イスと内蔵 FireWire ポートの性能向上に加え、NetBoot へのサポート強 化と Mac OS X Server 用 Open Firmware のマイナーチェンジも含んでい る。インストールの指示には必ず従うように。アップデーターは、パラメー ター RAM(PRAM)をリセットし、ファームウェアが最新であることを確か めるために再起動時にプログラマーズスイッチ(ケースの前面に位置して いる)を押し続けることを要求するのだ。Firmware Update 1.0.2 は 870K のダウンロードであり、全ての各国語システムで動作する。[JLC]

<http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n11361>

Microsoft より無償 Office 98-FileMaker Pro Importer -- Microsoft は Word 98 や Excel 98 のユーザーが FileMaker Pro データベースの情 報を Word や Excel 文書に直接取り込むことのできる無償 Office 98-FileMaker Pro Importer をリリースした。(TidBITS での Matt Neuburg の Word 98 と Excel 98 のレビューを参照。)そのインポータは Office の Visual Basic for Applications で作成され AppleScript 経由 で FileMaker と交信するもので、Word と Excel のメニューに新しいコマ ンドを追加するのだ。これ等のコマンドによって Office 98 のユーザー は、FileMaker データベースのデータにアクセスし、Word 98 のメールマー ジや Excel 98 のピボットテーブルまたは図表作成を行うことが可能とな る。インポータは小さなデータベース向けに作成されているので、大きな データを持つユーザーはテキスト形式で FileMaker から書き出しを行い、 書き出したファイルを直接 Office 98 で開いて操作した方がまだ楽であろ う。Office 98-FileMaker Pro Importer を使うには、FileMaker Pro 3.x か 4.x、Microsoft Office 98、そして FileMaker と目的にあった Office 98 アプリケーションを同時に動かすための充分なメモリが必要だ。また Microsoft は Mac OS 8.5 かそれ以上でインポータを使用することを推奨 している。Mac OS 8.5 に添付された PowerPC ネイティブの AppleScript がインポータの性能を飛躍的に向上させるからだ。Office 98-FileMaker Pro Importer は 475K のダウンロードだ。[GD]

<http://www.microsoft.com/macoffice/fmtools.htm>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1139>

QuickTime 4 が Open Source と Final Cut と共におめみえ -- 強化さ れた機能および根本的に改訂されたメタル仕上げの外見を纏い、Apple の QuickTime 4 のパブリックプレビュー版が Apple の 1,000 ドルのビデオ 編集アプリケーション Final Cut Pro の完成版と共にお披露目となった。 QuickTime 4 の主要な呼び物はインターネット上でライブビデオとオーディ オをストリーミングする能力だが、Macromedia Flash や MPEG-1 レイヤー 3 (MP3) データ等の読み込み可能ファイル形式が増強されたことも特色と なっている。また Apple は、サードパーティのデベロッパーに QuickTime コンテンツのメディアサーバを制作させることを意図した、新しいオープ ンソースプロジェクトである Darwin Streaming Server を公表した。 QuickTime 4 のプレビュー版は Macintosh と Windows 95/98/NT 用があ り、Mac では System 7.1 と 68020 プロセッサーかそれ以上、そして最低 でも 8 MB の RAMを必要としているが、多くの機能は PowerPC 搭載システ ムのみで使用が可能となっている。プレビュー版のリリースは 375K のイ ンストーラを使用し、あなたの選んだ QuickTime 機能(Basic Playback、 Deluxe Playback、QuickTime Authoring、またはカスタムセット)に基づ いて追加コンポーネントをダウンロードようになっている。全てをインス トールすると 5 MB から 15 MB の範囲の重量となる。 [JLC]

<http://www.apple.com/quicktime/>
<http://www.apple.com/finalcutpro/>
<http://www.publicsource.apple.com/projects/streaming/>


まだまだ Fax

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:尾高 里華子 <rikako@pobox.com>)
(  :西村 尚 <hisashin@hotsync.co.jp>)

TidBITS-476 に掲載した Jeff Hecht 氏の記事「FAXstf Pro ファックス ソフトウェアの悲しい状況をこだまする」に対し寄せられた反響の数と種 類は我々の予想を超えていた。それは、TidBITS のスタッフで Global Village 社製 GlobalFax forever のファンでもある Mark Anbinder を例 外にすると、単に我々にとって使おうと思うほど気に入るファックスソフ トがないというのがおおむねの理由だ。ほかの Mac ユーザーとのお喋りを していても、モデムにバンドルされているファックスソフトの程度は総じ てどうしても必要な時にまあ使用に耐えるぐらいだとする我々の意見とだ いたい一致すると長年感じていた。数人から以前のバージョンの FAXstf は気に入っていたが、現行バージョンの FAXstf Pro 5.0 はいろいろと問 題があるという話を聞いた。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05350>

我々宛および Jeff 宛のメールから判断すると、この意見を支持している 人が多いものの我々が考えていたほど普遍的な意見ではないようだ。 GlobalFax と FaxExpress が多数の賛辞を得ていたし、他のさまざまな製 品を取りあげる声もあった。またインターネットのファックスサービスの 支持者はその良さを声高らかに訴えていた。

GlobalFax 擁護派 -- 今回の記事に寄せられたコメントの中で断トツだっ たのは、Mac を使ってファックスを送受信しようと考えるなら Global Village 製 GlobalFax ソフトウェアを購入すべきだというものだ。記事中 に記してあった通り、現行の GlobalFax 2.6.5 は最近の Mac の内蔵モデ ムでしか動作せず、新しい内蔵モデム付きの新しいマシンを購入する必要 がないかぎりは、対象外になる。さらに Global Village 社は GlobalFax Web ページで少々気になることを言っている。

「GlobalFax 2.6.5 は以下のモデムついては動作対象になりません。外付 けモデム。iMac、G3 PowerBook シリーズ、G3 デスクトップ/ミニタワーシ リーズ、Power Mac 6500 の内蔵モデムでも当初からモデムが搭載されてい なかったもの、Apple 社から直接購入しなかったもの。」

<http://www.globalvillage.com/>

しかし数人の読者も指摘していたことだが、Global Village 社の外付けモ デムに付属している古いバージョンの GlobalFax はちゃんと動作する。Mac OS 8.5 との互換性については議論の別れるところだが、14.4 Kbps の中古 の Global Village 社製外付けモデムはとにかく安いし Global Village 社から必要なソフトウェアをダウンロードできるようにもなっているので、 古いバージョンを試してみるのも経済的にはたいした負担にならないだろ う。当然シリアルポートが空いていないという場合もあるだろうが、古い Mac をファックスマシンとして利用するということもあるだろう。また、 どうしてもシリアルポートの都合がつかないという場合には、古い Global Village ADB モデムをファックス専用に購入するという手もある。

<http://www.globalvillage.com/support/softwarelocator.html>
<ftp://ftp.globalvillage.com/pub/software/mac/previous/>

FaxExpress 推奨派 -- 今まで我々が耳にしたことがなかったが、 GlobalFax 同様多くの人が薦めるプログラムがあった。イギリスの Glenwarne 社製 FaxExpress である。これは合衆国内ではあまり馴染みが ない。というのも、同社は米国での発売元を探しているところだからだ。 しかし、その他の国の Mac ユーザーには好評のようで、「鉄壁の」 FaxExpress と呼ばれ、使用必要最低条件も System 7.1 をのせた Macintosh SE と比類ないほど低い。FaxExpress にはシングルユーザー用 とネットワーク用の 2 つのバージョンがあり、以下で出てくるネットワー クファックスソフトウェアのソリューションとしても一役買うだろう。さ らに、データベースから直接ファックスを送ることのできるデータベース 機能拡張も備わっている。

<http://www.glenwarne.co.uk/>

その他の声 -- 推奨品としては GlobalFax と FaxExpress に声が集中し ていたが、それ以外の特色のあるプログラムを推す声もあった。ただした いていはかなり埃をかぶっている。

<http://www.smithmicro.com/products/macplus.htm>

<http://www.supra.com/>

<http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n11132>

<ftp://mirrors.aol.com/pub/info-mac/comm/value-fax-2013.hqx>

<http://www.infowave.com/print/infowave_PowerPrintfamily.htm>

ネットワーク用ファックスソフトウェア -- Jeff Hecht 氏の最初の記事 が TidBITS に掲載されてまもなく TidBITS Talk でネットワーク用ファッ クスソフトウェアの話題が盛り上がった。コンセプトは単純だ。ネットワー ク上のあらゆる Mac 用にファックスモデムを買いたくはないだろうし、一 台のネットワーク対応ファックスモデムだけで誰もがファックスできれば と思う。提案された中で最も共通したソリューションは 4-Sight 社の 4-Sight FAX と高度なモジュラーメッセージング機能のソフトウェアであ る Stalker Software 社の CommuniGate 用のファックスモジュールであっ た。

<http://www.four-sight.co.uk/uk/prodframeset.htm>
<http://www.stalker.com/CommuniGate/FAX/>

一方、FAXstf にも FAXstf Network Edition というネットワーク版が現れ た。また、OneWorld サーバも話題に登った。これはインターネットアクセ スなどの多様な他の機能に加えてネットワークファックスにも対応したハー ドウェアボックスである。最後に、Apple の LaserWriter にはオプション でファックスカードを差せるものもあるが、残念ながらもうソフトウェア のサポートがない。LaserWriter 8.2.3f をこれらのプリンタに使えるが、 Mac OS 8.0 以降ではうまく動かないものもあるかもしれない。

<http://www.stfinc.com/faxnet.htm>
<http://www.oneworldsystems.com/products/product_family.html>
<http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n10452>
<http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n10457>

これらの製品に関する意見はさまざまなので、この話題に興味があるなら TidBITS Talk で該当の投稿メッセージを読むことをお薦めする。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=645>

ファックス品質の向上 -- ファックス機よりもファックスモデムを使う 理由として上げられたものの一つは、ファックスモデムには直線にまつわ るトラブルがない。ファックス機ではよく失敗するものだ。また、ファッ クスモデムもファックス機よりも高解像度でファックスできないが、オリ ジナルが再生(印刷後にスキャン)されないという事実は、品質が通常わ ずかに高いということを意味する。しかし、フォトジャーナリストの Curtis Corlew 氏 <ccorlew@home.com> が指摘するように、最高品質の設 定を使う必要はない。送信時間をひどく増加させるからだ。

他にもファックスモデムで送信するファックスの品質を向上させるための テクニックがある。

Smith Micro 社が STF Technologies を買収 -- 最後の最後である記事 内の事実が変化するのは常に困りものだが、その記事を出版した翌日に Smith Micro Software 社(MacComCenter のメーカー)が STF Technologies 社(FAXstf Pro のメーカー)を買収したという記事を見つ けて悔しい思いをした。Smith Micro の Web サイトではこれに関してなに も触れていなかったが、MacComCenter か FAXstf Pro のどちらかは他方の ために消えるか、またはこの 2 つが一つの製品に統合されるのは理の当然 であろう。FAXstf は STF の主要製品なので、MacComCenter が生き残るの ではないかと考えている。しかし、FAXstf のコードが欲しくないなら、 Smith Micro はなぜわざわざ STF を買ったのかわからない。

<http://stfinc.com/smpr.htm>

インターネットファックス -- 多くの人々にとって、インターネット ファックスは将来のやり方だ。(インターネットへのアクセス方法が他に あると仮定すれば)モデムの必要さえなくなるのだから。TidBITS の将来 の号でこの話題をもっと深く堀下げよう。


AppleCare 賛否

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:尾高 修一 <shu@pobox.com>)

Apple 社製ハードウェアを買ってユーザー登録カードを送ってあると、約 一年後に AppleCare という保証延長制度の宣伝が Apple から送られてく る。わずかな料金で安心が得られることや、大切な Macintosh の迅速な修 理等々の特典が延々と述べられているというものだ。

AppleCare に投資すべきだろうか? あるいはまた別な保険に加入すべきか? 答えはもちろん状況次第だし、最近の TidBITS Talk でのディスカッショ ンで、ほぼすべての要素は出揃ったということができる。だがその後 AppleCare の方にも変化があり、最近では保証期間が過ぎた機材は対象外 となった。過去に AppleCare を買ったことがあるという方も、現行の制度 がどうなっているかを知るために読み進んでいただきたい。だが最初に、 ここでもう一度 AppleCare を検討し、どんな人が AppleCare を必要とす るかを見てみよう。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=590>

AppleCare とは? 従来は AppleCare Extended Service と呼ばれていた AppleCare は、Apple によれば、「Apple 製品購入時に適用される一年間 の保証と同様のサービスを期間を延長して提供するもの」となっている。 AppleCare は当初の保証期間が終了した時に開始され、以下の特典が付い てくる。

<http://www.info.apple.com/support/applecare/applecare.html>

ここで少々解説が必要だろう。最初の 2 点とは裏腹に、AppleCare はマシ ンにソーダをこぼしたり PowerBook を落としたような場合には適用されな い。認定ディーラー以外に払った修理代は返ってこないし、失われたデー タや時間に対する保障もない。この記事で後述するように、事故も対象と なる保険もある。Apple 認定ディーラーに修理してもらえば、技術者が Apple 純正パーツを入手できることができ、部品取り用 Mac から引き抜い たパーツを使うということは比較的少なくなるだろう。

正規ディーラーも Apple も(電話: 800/247-5545)Mac、PowerBook、プリ ンタ、モニタ等々 Apple 製品のほとんどどれに対しても喜んで AppleCare を売ってくれる。有効な Apple のシリアルナンバーが必要で(したがって 一部のグレーマーケット製品は除外される)、保証期間内であるか(過去 1 年以内に購入)AppleCare で保障されていなければならない。少し前に Apple は Macintosh SE にまで遡る旧機種を保障対象から外し、数週間前 には購入当初の保証か AppleCare でカバーされていないハードウェアを除 外するという方針変更を行なった。Apple がまだ AppleCare Web サイトを まだ更新していないことに注意していただきだい。これは私が AppleCare 販売員に確認したことだ。最後に、AppleCare はフロリダ州では州法の関 係で利用できない。

AppleCare の価格は製品や契約期間によって異なる。また、コストは必ず しも購入時の価格に比例するわけではなく、Apple が支払うことになる修 理代を反映していることも申しそえておこう。PowerBook はアクティブマ トリクスのスクリーンと危険度の高いライフスタイルのため、同等のデス クトップマシンよりも AppleCare 保険料が高くなることになる。参考とし て以下の表をご覧いただこう。AppleCare 販売員はいつ保証が切れるかを 質問していたので、条件によって価格が変わることもあるのではないかと 思う。以前はディーラーによっても AppleCare の価格が異なったりもした ので、Apple と Apple ディーラーの両方をチェックしてみた方が良いだろ う。

製品                    1 年      2 年
------------------------------------------
iMac                    117 ドル  174 ドル
Power Mac G3 (b&w)      133 ドル  204 ドル
17" Studio Display       72 ドル  144 ドル
PowerBook G3 (250 MHz)  210 ドル  対象外

AppleCare を利用するには、ディーラーに相談するか Apple に電話(888/ 275-8258)しよう。一部の製品には出張修理もしてもらえるし、PowerBook には迅速な宅配便を利用する。

AppleCare が必要な製品は? AppleCare のお世話になる可能性が高い製 品というものがある。統計的に見て、ある装置の電子回路が故障する場合 には本格的な使用を始めて 90 日以内に壊れることが多い。通常の Apple の保証は 1 年なので、最初の 3 ヶ月は楽にカバーできることになる。で はなぜ 1 年を過ぎたら修理が必要になる可能性が低い製品に有料の保険を かけたいと思うのだろうか?

多くの人にとって答えは簡単、PowerBook だ。愛らしいものではあるが、 持ち歩くものであるために通常の使用でも一日中おとなしく机の上にじっ としている Mac よりもパーツが壊れることになりやすいのだ。

私個人の経験と、TidBITS Talk 参加者数人の経験では、PowerBook 用には 1 年間の AppleCare 契約をしておくことは割に合う。というのも、 PowerBook を損傷する確率は 1 年目も 2 年目も同じだからだ。3 年目以 降も継続するかどうかは PowerBook への依存度や、より新しくてクールな PowerBook に対する物欲次第だろう。私だったら、2 年を過ぎてからの損 傷はおそらくグレードアップの口実にするだろう。

また、電子回路と機械装置の違いも考慮しておこう。電子製品は最初の 90 日間を生き長らえれば以後壊れる可能性は低いが、フロッピードライブや レーザー印字ユニット、用紙給送部、それにハードディスクさえも時とと もに故障の可能性が高くなる。要するに消耗するのだ。レーザープリンタ に何千枚もの紙を食べさせたら、プリンタの可動部が消耗する可能性は高 い。同様に、以前ほどではないもののオン/オフを繰返すものや加熱する ものは時とともに接合部の問題に遭遇しやすい。

電子回路と機械装置の基本的な違いはさておき、コストの面を検討してお くべきだろう。たとえば、主としてハードディスクの心配をするのであれ ば AppleCare に年間数百ドルを割り当てるのはあまり得策ではない。ハー ドディスクの価格は頻繁に下がるものなので、購入後一年たった Mac の ハードディスクを AppleCare と同じ値段でより新しく大きなものに買い替 えることができるだろう。フロッピードライブは機械式だが、特に複数の Mac を持っていればなくてもたいして困らないものだ。

AppleCare が必要な人は? AppleCare を必要とする種類の人がいる。た とえば、毎年数百ドルの予算を計上する方が Mac 購入のために数千ドルの 予算を計上するより楽だという人もいるだろう。

機材を頻繁に移動したり、定期的にその他の危険な条件にさらすことがあ るような場合も同様だ。Cornell 大学の学生、Matthew Barr 氏 <mhb8@cornell.edu> は次のように述べた。「私は年に 2 回ほどコンピュー タを宅配便で送るので、私のマシンとモニタは壊れる可能性が高いのです。」

自分でちょっとした修理ができないような場合にも AppleCare のお世話に なりたいと思うかもしれない。たとえば、壊れたハードディスクを Mac か ら取り出して新しいものと交換するための技術と知識がある場合、 AppleCare にお金を出すよりも同じ金額で新しいディスクを買ったほうが 良いだろう。

どれだけコンピュータに依存しているかという点も影響する。時間が貴重 なら、ハードウェアの故障によって失われた時間のコストは AppleCare の コストよりもはるかに高くつくかもしれない。

最終的にはどれほどのリスクを許容できるかという点につきる。多くの人 にとって、AppleCare の料金は要するに安心料なのだ。数百ドルの AppleCare があれば、突然現れるどんなトラブルにも対処できるという安 心から、毎晩良く眠ることができるのだ。だが、こういう方たちに申し上 げておくが、ハードウェアを“無料”で修理できるということは問題の一 部にしか過ぎない。何百時間相当の仕事が入ったハードディスクが死んで しまい、最近のバックアップがとっていない場合には、ハードディスクの 交換には数百ドルを浮かすことはできるかもしれないが、失われた仕事を 取り返すことはできない。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1041>

その他の案 -- AppleCare は本質的には保険で、他の保険と同様、賭け なのだ。Apple は機材が故障しない方に賭けており、ユーザーは故障する ほうに賭けている。だが Apple がコンピュータ向け保険を独占しているわ けではないし、他の保険とは違って事故や盗難には適用されない。持ち運 びが容易な PowerBook はどれだけ盗難の危険性が高いかを私は去年身を もって学んだ。よくある災難から逃れるにはより安価な方法も見つけるこ とができる。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05033>

<http://www.safeware-ins.com/>

最終的な判断はもちろん各自がするものだ。機材を頻繁に移送したり、 PowerBook や LaserWriter といった特定の機械式デバイスに依存している ような場合には、AppleCare が正しい選択かもしれない。だがもしほとん どの時間を机の上に静かに鎮座して過ごすような機材なら、利子を稼ぎな がら新しいハードウェアを待ったほうが割に合うかもしれない。


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