TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#561/01-Jan-01

サンフランシスコの Macworld Expo 2001 に行かれるなら、参加すべきパー ティやイベント、そして、その他会合に関する情報に目を通して欲しい。 また今週は Matt Neuburg が MacSpeech 社の口述ソフト iListen に加勢 して議論をするほか、Symantec 社の新しいバンドル製品である Norton SystemWorks と Norton Internet Security のレビューや、Newer Technology 社の営業終了、Interarchy 4.0 と BBEdit 6.0.2、および ListSTAR 2.1 と Default Folder 3.0.9 のリリースをカバーする。

目次:

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今回の TidBITS のスポンサーは:


MailBITS/01-Jan-01

(翻訳:松岡 文昭 <mtokfmak@mxa.mesh.ne.jp>)
(  :蒲生 竜哉 <gamo@lib.bekkoame.ne.jp>)
(  :尾高 里華子 <rikako@pobox.com>)
(  :三好 泰子 <yokomo@mio.to>)
(  :今井 律子 <poorsun@mb.neweb.ne.jp>)
(  :亀岡 孝仁 <kameotak@iea.att.ne.jp>)

2001 年おめでとう 途中大雪のためデトロイト空港でほんの 5、6 時間、 重機が雪のかたまりをあっちこっちに運んでいるのを眺めながら飛行機を 待つというハプニングはあったものの、我々は無事 2 週間の休刊から戻っ てきた。前夜午前 1 時 1 分に就寝した身としてはちょっと大変だったの だが、なんとか縁起の良い 01-01-01 の発行日付でこの号を読者の皆さん にお届けするためつい全力投球してしまった次第である。このところ Apple を始めとするコンピュータ業界はどこも御難続きだが、しかし我々 は今年に期待している。早ければ来週サンフランシスコで開催される Macworld Expo を皮切りに、Steve Jobs 氏率いる Apple がきっと興味深 くかつ積極的な方法で逆境に応えてくれるはずだ。

ところでお気づきの方もいるかも知れないが、2001 年に向けて我々は TidBITS を少しマイナーチェンジした。今後我々はアンケートやクイズを 毎週は行わないつもりだ。回答率は下がってきているし、それに関連問題 を持ち出そうとしてあまりにがんばりすぎていたように思う。とはいえ、 発行内容にふさわしい時には再びアンケートやクイズを行うつもりなので これからもどうか期待して見ていて欲しい。

今年も読者の皆さんに幸多からんことを [ACE]

Newer Technology が店仕舞い -- Macintosh 用拡張製品のパイオニア であった Newer Technology 社が業務を停止するとの発表を行った。ほと んどの Newer 社員にとって 2000 年 12 月 29 日が最後の就業日となっ た。2001 年 1 月 8 日の株主総会で破産法の保護申請を行うか否かの決 定が下される。Newer Technology 社はメモリのアップグレードからスター トし、PowerBook 用拡張製品、クロック・チップ・アクセラレータ、 Macintosh CPU アップグレード製品へと事業を移行していき、長年にわた り Macintosh 界に係わっていた。同社は 1996 年、RAM 市場が危機に瀕 した際に破産法の保護申請を行ったが、その後、評判の幅広い CPU アッ プグレード製品群を擁して蘇ったように見受けられた。2000 年 2 月に Newer 社は、それまで Newer 製品を製造していたシンガポールの Tri-M Technologies 社と共同経営を行うと発表した。Tri-M 社は、昨年 Newer 社に事業資金を都合し、Newer の経営を助けるべく経営陣を送り込んでい た。しかし、経営側の否定や、近々サンフランシスコで開催される Macworld Expo での新製品の出展計画とは裏腹に、近ごろ大特価で在庫を 売り払っており、生き残っているアップグレードベンダーのなかから買い 手を探しているとの噂が飛び交っていた。Newer Technology 社の業務停 止は、Apple が廉価な新型モデルを出していることと、Macintosh のアッ プグレード市場の需要が先細ってしまったことに起因しているのだろう。 400 ドルの CPU アップグレードが 800 ドルの iMac と競争しなければな らないのだから大変である。同社のハードウェアおよびソフトウェア製品 に対するサポートやアップデートが今後どうなるか、いや、あるかどうか さえ皆目分からない。[GD]

<http://www.newertech.com/>

流線的な外観を纏った Interarchy 4.0 -- Stairways Software 社が Interarchy 4.0 をリリース。以前は Anarchie として知られた広く使用 されているインターネット用ヘルパー・アプリケーションの最新バージョ ンだ。Interarchy 4.0 は新たに大きな機能を追加するものではないが (先頃のバージョン 3.8 への無償アップデートでは、Stairways 社の以 前のソフトの特徴であったカスタマイズ可能なインターフェース・ビルダー や TCP ネットワークのトラフィックウォッチャー、そして、多数のフレ ンドリーな機能が数々提供された)、設定とインストールの手順を簡素化 し、奇妙なルーン文字や魔法、そして、魔法の杖といったテーマが流線的 なデフォルトインターフェースによって置き換えられ、Monaco の 9 ポイ ントで構築された無味乾燥な Web サイトのようだ。まるで BBS や 1200 bps モデムの日々にフラッシュバックした感じだ。Interarchy 4.0 では 根本の転送エンジンに多数の改善や改良も加えられている。プログラムは 2.2 MB のダウンロードで 35 ドルのシェアウェアだ。Anarchie や Interarchy の旧バージョンの登録ユーザーは 10 ドルでアップグレード が可能だ。 [GD]

<http://www.interarchy.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06080>

BBEdit 6.0.2 出荷開始 -- Bare Bones Software 社は、BBEdit 6.0.2 をリリースした。BBEdit は、同社の人気テキストエディタ、プログラミ ングツール、そして Web のオーサリングツールで、このマイナーチェン ジである( TidBITS-547 の「BBEdit 6.0、パワフルなテキスト編集機能 をさらに改良」を参照のこと)。バージョン 6.0.2 では、BBEdit の SourceServer(Projector)の機能強化と、履歴管理システムによって管 理されているドキュメントに対してユーザーが簡単にチェックイン、チェッ クアウト、そして修正のキャンセルができるようにスクリプト用のインター フェースの改良がなされている。 また、i モードの携帯電話で使用され ているマークアップ言語 CHTML のサポートが取り込まれ、クリック 1 回 で行全体が選択できるオプションが付き、そしてその他に多くの修正やマ イナーな変更が加えられている。アップデートのサイズは 2.2 MB で、 BBEdit 6.x を持っている登録ユーザーは無料。[GD]

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06106>
<http://www.barebones.com/support/bbedit/bbedit-updates.html>
<http://www.barebones.com/support/bbedit/bbedit-notes.html>

Default Folder 3.0.9 リリースされる -- St. Clair Software 社は、 Default Folder 3.0.9 をリリースした。この 25 ドルのシェアウェアの ユーティリティソフトのバグ修正と改良を行い、「開く/保存する」ダイ アログボックス( TidBITS-475 の「TidBITS ご用達ツール:Default Folder」を参照のこと)の機能強化が行われた。この新バージョンでは、 Mac OS 8.1 以前の OS が稼働する PowerPC 搭載の機種上でクラッシュを 引き起こすという問題が修正されている。少し前にリリースされたバージョ ン 3.0.8 には、Apple の次期 Mac OS 9.1 と同様に、Mac OS X の Classic での環境のサポートも加わっていた。また、アプリケーション単 位に Navigation Services をオフにする機能や他の機能強化も追加され ている。Default Folder 3.0.9 は、登録ユーザーならアップデートは無 料。[JLC]

<http://www.stclairsoft.com/DefaultFolder/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05341>

MCF 社、早々と ListSTAR 2.1 をリリース -- 4D 社から ListSTAR メー リングリストサーバを獲得したわずか 2 カ月足らずで、MCF Software 社 は ListSTAR 2.1 をリリースした。そしてそれは ListSTAR/POP の復活 (そして更新)を示している。ListSTAR/POP バージョンはここ何年も更 新されなかったが、インターネットへの常時接続を必要とせずに本質的に ListSTAR/SMTP のすべての機能を提供する(ただし、パフォーマンスは遅 くなる)。旧バージョンのユーザーには無料となるこのアップグレードの 改良点としては、他に次のようなものが含まれる。正確にフォーマットさ れたメッセージ ID、SMTP バージョンでは同じ Mac 上のもう一つの SMTP サーバと共存する機能、ユーザーの手間をより軽くし簡単にリスト作成が 行えるようになったこと、ListSTAR 2.0 で見られたいくつかの AppleScript の問題を排除したことなどである。ListSTAR 2.1 の価格は 275 ドルとなっており、無償の評価用ライセンスも用意されている。 ListSTAR/SMTP 2.1 は 5 MB、ListSTAR/POP 2.1 は 4.5 MB のダウンロー ドサイズである。[ACE]

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06158>
<http://www.liststar.com/release.html>

アンケート結果:Unix の恩恵 -- 2000 年最後の定期刊で、我々は Mac OS X と Unix に関する Chris Pepper 氏の 2 部立てのシリーズ記事に力 を注ぎ、TidBITS 読者に Unix 基盤からどの程度の恩恵を受けていると思 うか、どの記述がベストかを尋ねた。アンケート回答者の半数近く(46 %) は、Unix 基盤がパワーと柔軟性の両方を供給し、Macintosh の使い易さ に大いに役立つだろうと思ったと答えた。4 分の 1 強が、Unix は間接的 に増すシステムの安定性を通してだけ役立つであろうと答え、20 % 弱は、 直接いくつかの Unix ツールや機能にアクセスすることにより、なにがし かの恩恵を得るだろうと答えている。7 % の人たちだけが、Unix 基盤の Mac OS X には何の恩恵も感じなかったと答えている。残念ながら見通せ る将来に関する限り、私もそのグループに属している。私の仕事のかなり の部分は、当面 Mac OS X とは互換性の見込みのない音声ハードウェアと ソフトウェアに頼っているからだ。セ・ラ・ヴィ、それが人生というもの だ。[GD]

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbpoll=69>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1186>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=1188>

Martin Minow 氏の逝去 -- クリスマスの家族訪問からの帰りの飛行機 の中で古いメールの整理をしていた時、Martin Minow 氏からのメッセー ジが目に止まった。氏は毎年 Macworld Expo の Netters' Dinner で会う ちゃめっけのある洞察力に優れた友人であった。別のメールボックスでの 新メッセージの中に Martin が動脈硬化により急死したとの知らせを見た とき、このメッセージは返事を必要とするものではなかったが、そのこと で私の悲しみはやわらぎはしなかった。直近では、Martin は voice-over-IP の通信会社である ThinkLink 社の主任ソフトウェアエン ジニアであったが、その前は Apple 社で SCSI の大御所として 7 年間す ごし、さらに遡れば、20 年間 Digital Equipment Corporation 社で、最 初はスウェーデンで後に米国で働いていた。Martin とは個人的に親しい というほどではなかったが、1998 年に彼から、San Francisco Bay から Breakers までのレースの後で彼の競走クラブが催したバーベキューパー ティーに招待されたときにはびっくりした。それまで何カ月もメールの交 換はしていなかったし、彼がどのように私がそのレースで走るというのを 聞きつけたのか不思議な気がした。後日談だが、我々両方がよく知ってい る Mac の仲間達のよく拡がったネットワークの中にこのこと自体は事前 に漏れていたということがわかった。私はあの時のびっくりさせられた Martin の思い出を大事にしたいと思う。同時にこのことは Macintosh ユー ザーの仲間が実際にどれ程大事か思い起こさせてくれことにもなって、彼 の一部は私と共に生き続けるのではないかと思う。[ACE]

<http://www.vmeng.com/minow/>


Symantec 社 Norton のバンドル製品 2 種類発表

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:尾高 里華子 <rikako@pobox.com>)

Norton Utilities のことをユーティリティプログラムをセットにした一 製品だと思っていたかもしれないが、今回 Symantec 社は Norton SystemWorks と Norton Internet Security という、さらに一歩進めたセッ トを出してきた。Norton SystemWorks 1.0 は、ハードディスクまわりに 重点を置いたもので、Norton Utilities 6.0、Norton AntiVirus 7.0、 Dantz Development 社製バックアップユーティリティ Retrospect Express 4.0.3、Aladdin Systems 社製アンインストーラー Spring Cleaning 3.5 がセットになっている。Norton Utilities 6.0 自体は比較 的マイナーなアップグレードで、ボリューム復旧、とりわけ Norton FileSaver がインストールされていない場合の復旧が主な改良点である。 Norton Utilities 6.0 に搭載されている機能のほとんどは Mac OS X Public Beta が載っているディスクでも利用できるようになったが、Mac OS 9 のパーティションまたは CD-ROM から起動して利用しなければなら ない。Norton AntiVirus 7.0 も同様で、Mac OS 9 のパーティションまた は CD-ROM から起動した場合は、Mac OS X Public Beta 用のパーティショ ンディスクをスキャンしたり、そのディスク上の感染ファイルを修復でき る。Norton AntiVirus 7.0 での大きな変更点は、電子メールの添付書類 にウイルスが含まれていないか自動的にスキャンし修復できるようになっ たことと、初期設定が簡単になったことの 2 つである。Norton SystemWorks の価格は 130 ドルと(同梱製品をバラバラに購入した場合 と比べて)お買い得感がある。また、Retrospect Express と Spring Cleaning のユーザーには 80 ドルのアップグレードが用意されている。 Norton Utilities 6.0 は単体で 100 ドル、前バージョンからは 50 ドル でアップグレードできる。Norton AntiVirus の方も単体は 70 ドル、前 バージョンからのアップグレードは 40 ドルである。

<http://www.symantec.com/sabu/sysworks/mac/>
<http://www.dantz.com/index.php3?SCREEN=express>
<http://www.aladdinsys.com/springcleaning/>
<http://www.symantec.com/nu/nu_mac/>
<http://www.symantec.com/nav/nav_mac/>

Norton Internet Security 1.0 は、インターネットに常時接続している 人向けのバンドル製品で、Norton Personal Firewall 1.0、Norton AntiVirus 7.0、(Web サーフィンの履歴を削除してくれる)Aladdin 社 製 iClean 3.5 がセットになっている。Mac OS 9 互換の Norton Personal Firewall は、Open Door Networks 社の DoorStop Personal Edition のテクノロジーを組み込んだもので、インターネットからの侵入 を防ぎ、侵入の試みがあったことをユーザーに知らせ、拒否した接続およ び受け入れた接続のログを取ってくれる。また、IP アドレスやポート番 号によってインターネットサービスへの接続を制限することもできる。 DoorStop Personal Edition は Norton Personal Firewall に取って代わ られたが、Open Door 社は引き続き DoorStop Server Edition を販売し ている。さらに、DoorStop Personal Edition や Norton Personal Firewall のユーザーが、許可されていない者からのアクセスを理解し対 処するための助けとなるユーティリティ Who's There? の開発にも取り組 んでいる。このバンドル製品の価格は 100 ドルであるが、Norton AntiVirus、DoorStop、Spring Cleaning、iClean のユーザーはアップグ レードとして、また、Intego 社製 NetBarrier パーソナルファイヤーワ イヤ、McAfee 社製 Virex 抗ウイルスユーティリティのユーザーは乗り換 えアップグレードとして、70 ドルで購入できる。Norton Personal Firewall 単体の価格は 70 ドルで、40 ドルのアップグレードも用意され ている(多分、DoorStop Personal Edition が該当するのだろうが明記さ れていない)。

<http://www.symantec.com/sabu/nis/nis_mac/>
<http://www.aladdinsys.com/iclean/>
<http://www.symantec.com/sabu/nis/npf_mac/>
<http://www2.opendoor.com/doorstop/DoorStopDetails.html>
<http://www2.opendoor.com/whosthere/>

Norton SystemWorks、Norton Internet Security ともに必要システムは、 Mac OS 8.1 以降を搭載し、空きメモリが 24 MB 以上ある PowerPC ベー スの Mac となっている。


Macworld San Francisco 2001 イベント情報

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:尾高 修一 <shu@pobox.com>)
(  :亀岡 孝仁 <kameotak@iea.att.ne.jp>)

サンフランシスコでの Macworld Expo は、Macintosh 業界の最高峰イベ ントとして揺るぎない地位を保っている。何万人もの来場者と何百もの出 展者がサンフランシスコの迷路のような Moscone Center のホールを埋め つくす。とはいえ、会場をさまよいながらどの会社のどんな製品を見たかっ たかを思い出そうとする以外にも、やるべきことはたくさんあるのだ。こ こでは今年 1 月 9 〜 12 日に開催されるショーで、今までとは違うもの に触れる機会をいくつかお薦めしよう。

TidBITS 関連イベント -- 4 日間の会期中、TidBITS スタッフが行うプ レゼンテーションの応援に来ていただければ幸いだ。私のプレゼンテーショ ンに TidBITS T シャツを着て来てくれた方には、その場でサインしてさ しあげよう。まだ TidBITS T シャツをお持ちでない方にも、運がよけれ ばイベント会場でプレゼントできるかもしれない。

<http://www.tidbits.com/bookbits/staff.html>

<http://wwbchat.com/>

パーティーリスト -- 毎日ショーが終わった後は食事と休息の時間だ と思うかもしれないが、業界が本当に動くのは午後 6 時以降の数多いパー ティーや非公式会合でなのだ。こうしたイベントは騒々しく、混み合っ ていて、誰もが知り合いのように感じられるので、誰にでもお薦めでき るものではない。だが、とても楽しいものになることもあるし、人と出 会うにはいい機会だ。パーティーなどのイベントリストは疲れを知らな い Ilene Hoffman 氏による Robert Hess Memorial Party List にとど めを刺す。これでも足りないという方は、KarenNet リストでその他のパー ティーを見つけることもできるかもしれない。Macworld Expo で何らか のイベントを主催するという方は、必ずリストに提出すべきだ。ただで 宣伝してもらえるのだからこんないい話はない。また例年通り、パーティー を企画している方には TidBITS-415 の「Macworld オタクパーティーの 心得」をご一読いただきたい。明らかにこの記事を読んでいる会社もあ るが、読んでもらいたいような会社もある。

<http://www.ilenesmachine.com/partylist.html>
<http://www.thomas-pr.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04694>

Netters' Dinner -- 私が毎年きまって参加するおおやけのパーティー に Netters' Dinner がある。これは、スパイシーな中華料理の巨大な宴 会で過去 15 年間毎年インターネットの世界から Macintosh ユーザーが 参加してきたものである。15 年前は、このことは小さな Info-Mac の購 読者グループを意味していた。今日では、数ある企業スポンサーパーティー よりもこちらの方が最も性に合っておりかつ楽しめるという最大 300 人 までの人々を意味する。Jeff Carlson と私の両名も会場にいる。Jon Pugh 氏(毎年このディナーを企画している)が Moscone から Hunan 会 場へ Sansome 通りと Broadway 通りを通って伝統の行進を先導する予定 である。彼はさらに我々が例年行うどんちゃん騒ぎとなる挙手サーベイを まとめる努力もしてくれるはずである。

<http://www.seanet.com/~jonpugh/nettersdinner.html>

Netters' Dinner は 1 月 11 日、木曜日 6:00 PM に開催される。参加者 は Moscone の南側にあるエスカレータを上がったところでお会いしよう。 賑やかで交通止必至の行進に心の準備をして。参加費は 17 ドルであるが、 あらかじめ Kagi 経由での登録が必要である。そして、もし挙手サーベイ に質問を寄せてみたいと思うのであれば、私がセットアップした編集可能 な WikiWeb ページを訪れ、トップにある Edit リンクをクリックし、自 分の質問を他の質問に追加して欲しい。

<http://www.wikiweb.com/~NettersDinnerSurvey/Start>

サンフランシスコは Vindigo で -- 最後に、もし Palm ハンドヘルド をお持ちでそして サンフランシスコに馴染みがなく、街の中を少しぶら ついてみようと思っている人は、Vindigo の サンフランシスコ版を試し てみられたい。Vindigo に現在どこにいるかを言いさえすれば、近隣のレ ストランを、値段、料理、あるいは距離でソートして表示してくれる。多 くのレストランについてのレビューも用意されており、そして徒歩での行 き先案内は常に用意されている。

<http://www.vindigo.com/>

では、 サンフランシスコでお会いしよう!


MacSpeech に語りかけよう

by Matt Neuburg <matt@tidbits.com>
(翻訳:斎藤 美礼 <mirei@x.age.ne.jp>)

長く待ち望まれていた音声での文章入力ができるディクテーションソフト ウェアの iListen のリリースで、 MacSpeech 社は、現時点での音声認識 のライバルである IBM 社の ViaVoice への本格的な攻撃をついに開始し た。2 つのプログラムは表面上は似ている。両者とも初めにウインドウを 続けて表示し、そこでマイクロフォンの調整をし、いくつかの物語を読ん で音声モデルの調整を行い、小さいフローティングウインドウとして常に 表示され、それでマイクを入れたり切ったりする。しかし、根本的には異 なった思想に彩られている。ViaVoice は自社の音声で動作するワードプ ロセッサの SpeakPad を中心としている。他のアプリケーションのいくつ かでプラグインやスクリプトを書くことによりディクテーションを行える が、この機能は遅く頼りない( TidBITS-544 の「Talk Is Cheap: ViaVoice Enhanced Edition」を参照)。一方、iListen は、ワードプロ セッサを備えていない。 どんな アプリケーションにでもディクテーショ ンできる。この魔法は、MacSpeech が以前出荷された ListenDo の特徴で あるマクロの力を使って達成されている( TidBITS-545 の「PlainTalk で Mac に指図する」を参照)。本質的に、iListen は Macintosh に低レ ベルで繋がり、幽霊タイピストが見えないキーボードに向かっているかの ようにふるまう。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06085>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06090>

このやり方にはこのやり方なりの利点がある。まず、iListen は ListenDo のマクロのパワーすべてがついてくる(ListenDo のメニューや メニューアイテムの名前を呼べる機能を除く)。よって、ディクテーショ ン機能を通してタイプするのに加え、自分の Mac にアプリケーションを 起動させ、ウインドウを閉じ、マウスをクリックするよう命令できる。こ れらのコマンドは、PlainTalk ではなく iListen の内蔵の音声認識エン ジンを通して実行されるので、より安定して動作する。次に、iListen は ViaVoice よりも使い心地が軽快である。SpeakPad は不細工なプログラム で、標準以下のワードプロセッサである。ファイルが巨大で(プログラム がユーザーの音声を録音しているため、後で音声モデルを改良してユーザー にあわせた修正に対応することができる)保存に時間がかかる。一方、 iListen は、基本的にはタイプをするだけである。実際に作業しているの はお気に入りのワードプロセッサ、メールプログラム、アウトライナー、 などなど、つまり実際に使いたいプログラムなのだ。したがって、 ViaVoice がコンピュータを乗っ取る巨大なアプリケーションのように感 じられるのに対して、iListen は巨大な機能拡張が舞台裏でディクテーショ ン機能を追加しているようなものだ。

iListen はドキュメントを編集したり、内蔵モデルをその場で改良したり はできないので、基本的には、草稿をディクテーションし、手とキーボー ドを使って間違いを直すつもりで使うことになる。しかしそれはさほどひ どいことではない。気楽にしゃべり続け、あとで、またはしゃべるのと同 時に清書するさまは、声と手の協力といった具合だ。問題といえるもので は、プログラム内蔵の語彙にアクセスする手だてがない、という点が挙げ られる。ViaVoice では単語の入力と発音の調整ができたが、iListen は そのような能力を持たないので、すでに知っている表現以外のものを学習 することも、ユーザーの発音の癖にあわせることもできない(たとえば、 私は iListen に「neither」を「ナイ・ザー」と発音するのをどうやって も覚えさせることができない)。スペルモードが埋め合わせになることも あるが、ほとんどの場合は使うに値しない。どっちみち手を使って清書す るのだから、iListen の間違いは初稿ではそのままにしておくことになる だろう。

MacSpeech は将来の無料アップグレードを保証しており、語彙の調整機能、 音声モデルの間違いを修正して改良する能力、今はないメニューを呼ぶこ とを可能にするマクロ機能が含まれることとなるだろう。とりあえず、 MacSpeech がこのバージョンを今リリースしたのは賢明なことであろう。 このおかげで、同社はホリデーシーズン中販売でき、来週の Macworld Expo に出展できるものがあるからだ。さらに、たとえ iListen が現状で は完成品で機能をすべて備えたプログラムというよりは、デモンストレー ションでしかないと思っても、すばらしいデモンストレーションだし、使 いものになるのはまったくはっきりしている。

たしかに、iListen はずいぶん多量の RAM(約 60 MB)を使い、コンピュー タを少し遅くする。それに起動とモードの切り替えは遅くなることがある。 バグがないわけでもない。たとえば、省エネルギー設定を変なふうに設定 してしまったようだし、私のマシン上の Microsoft 社の Word ではまっ たく動かない。しかし、音声認識エンジンは驚くほど反応が速く、ディク テーションするのに私の普通の速さに簡単についてこれる。正確さも、特 に今まで 10 位ついて来た調整用の物語のうち 3 つしか読んでないこと を考えると、まったく申し分のないものだ(本当は全部読み上げることを 要求されている)。それに、ViaVoice も、私の使っているものは徹底的 に調整して iListen よりもはるかに間違いが少ないが、だからといって 結局は完全に正確なわけではない。よって、足りない部分はあるものの、 iListen を好むというのも無理はない。使い心地もよく簡単で、どのプロ グラムでも利用でき、音声で動くマクロプログラムも 2 倍あるからだ。 完全にハンズフリーを体験することは出来ないだろうが、声を使ってコン ピュータをこき使うことができるし、仮想原稿用紙に言ったことを初稿と して書き取らせることもできる。本当に必要なのはそれぐらいではないだ ろうか。

iListen は Mac OS 9、PowerPC G3 または G4 プロセッサ搭載の Macintosh、128 MB の RAM を必要とする。価格は 130 ドルだが、現在 MacSpeech の Web サイトからダウンロードすれば 100 ドルである(ダウ ンロードサイズは 40 MBで、インストールすると約 130 MB となる)。 ViaVoice ユーザーには 30 ドルのリベートがある。iListen には雑音防 止マイクロフォンも必要である(別売で約 50 ドル)。

<http://store.macspeech.com/>


非営利、非商用の出版物およびウェブサイトは、フルクレジットを明記すれば記事を転載またはウェブページにリンクすることが できます。それ以外の場合はお問い合わせ下さい。記事が正確であることの保証はありませ ん。書名、製品名および会社名は、それぞれ該当する権利者の登録商標または権利です。TidBITS ISSN 1090-7017

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