Mac OS X のインストールを待っているあなた、まずは貴重なアドバイス として Mac OS X のインストールについての Rita Lewis 氏の記事を是非、 読もう。また、今週は Adam が安価な FireWire ハードディスクを使った バックアップを調べてみる。ニュースでは、Microsoft が Office 2001 の Mac Service Release 1 をリリースしたことと、Outpost.com の送料 値上げをお知らせし、Apple の最近のファームウェアのアップデートに慎 重になるよう呼び掛ける。また、我々が一部のネットワークの停電に困っ ている事を気に留めて欲しい。
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ネットワークの停電! TidBITS のテクニカル編集者である Geoff Duncan が、すべてのスパムをブロックする信頼性が高い方法を見い出し た。要するに自分のネットワークサービスプロバイダが停電になってしま えばいいのだ。現在、Geoff のネットワークはダウンしている。 digital.forest にホストされている TidBITS のサービスはアクセス可能 だが、db.tidbits.com での作業(我々の記事のデータベースや TidBITS Talk アーカイブ、アンケート等)は DNS のアップデートが完了するまで (願わくばあなたがこの記事を読む頃まで)オフラインである。それでも 私の 56 Kbps のフレームリレーインターネット接続は最速ではないし、 TidBITS Talk と TidBITS の翻訳版のほとんどを発行するのに酷使してい るので、db.tidbits.com サービスへのパフォーマンスは理想的とはほど 遠いだろう。我々のネットワークがダウンしてしまわないように、性能の 低下が最小限になるように、そして Geoff のインターネットの接続が復 旧するように頑張っているので、メールは絶対必要なものだけにとどめて 欲しい。[ACE]
Microsoft 社、Office 2001 をアップデート -- Microsoft 社は、 Office 2001 for Mac Service Release 1 をリリースした。これは、Mac OS 9.1 と Mac OS X の互換のためのアプリケーションのスィート、多言 語のサポート、そして、その他の改良を含んだアップデートだ。Word 2001 では、文書を Word 4.0 形式できちんと保存できるようになり、 Rich Text Format(RTF)で保存された、数字の入った文書を Windows 用 の Word で開いたときに起こる珍しい問題も修正された。Excel 2001 で は、リストマネージャ、印刷機能、そして FileMaker のデータの取り込 時の機能が強化された。PowerPoint 2001 では、リンクされたファイルや Windows 用 PowerPoint で作成されたプレゼンテーションの扱いがより使 いやすくなっている。また、「Web ページとして保存」の機能も改良され ている。Entourage 2001 では、アプリケーションのクラッシュから Entourage データベースの再構築に関するものまで、数多くの問題が修正 されている。これらに加えて、さまざまな SMTP や IMAP サーバでの動作 のサポートも改善されている。この Service Release 1 へは、無料でアッ プデートでき、ダウンロードサイズは、6.9 MB である。[JLC]
<http://www.microsoft.com/mac/download/office2001/sr1.asp>
現行のファームウェアアップデートは避けよう -- Apple 社がリリース したばかりのファームウェアアップデート(4.1.7 と 4.1.8)は最近の iMac、iBook、G4 Cube、Power Mac G4、FireWire 付き PowerBook 用だが、 多くの人を怒らせている。このファームウェアアップデートはインターネッ トと Mac OS X に付属の Mac OS 9.1 CD-ROM の両方でリリースされたも ので、FireWire のターゲットディスクモード、ネットワークブート、ギ ガビット Ethernet ネットワーキング、そして全体的な安定性を改善する と主張している。また、Mac OS X のセキュリティを高めるために Open Firmware のブート時にパスワード保護を有効にする(Mac OS X はユーザー 特権によってファイルを保護できるが、Mac OS 9 でブートすると保護で きない)。これらのファームウェアアップデートの重要な問題は、その中 の何かによって Mac がサードパーティ製 RAM モジュールを認識できなく なることがある、というものだ。これについて Apple 社はまだ公式声明 を出していない。私たちからのアドバイスは次のとおり。Apple 社から発 表があるまでこれらのファームウェアアップデートをインストールしない でおこう。[ACE]
Outpost.com 送料を再び変更 -- ちょうど 6 週間前、通販会社の Outpost.com は全注文に対する無料の翌日配達を合計 100 ドル以上の注 文分だけ無料の翌日配達に変更したが、再びその方針も変更した ( TidBITS−567_ 「送料無料はもう過去に」を参照)。新しい送料の適 用は 2001 年 3 月 28 日からで、500 ドル以上(売上税別)の注文に対 しては Airborne Express で翌々日配達料は無料(実際には送料内 100 ドルまで)となる。それ以外の注文は Airborne Expressで翌々日配達料 は一律 8.95 ドル、また翌日配達を希望するなら一律 12.95 ドルである。 有効期日前の注文分で、在庫関係上の未納注文、または仮注文の未出荷分 についてはこの送料変更は影響ない。Outpost.com はすべての航空便、陸 上便価格に打撃を与えている最近の燃料価格の値上げを、料金変更の最大 の理由としている。[MHA]
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06299>
<http://www.outpost.com/help/29485/>
謝罪 -- まず謝罪なのだが、California で引き続いて起こる停電、そ のために Apple 社のデータセンターで電力グリッドから発電器へ切替え ることが、マウントされた iDisk に特定の状況下でアクセスした場合、 どのように Mac OS X をカーネルパニックにさせるか、という嘘の最新情 報を日曜日の我々の Web サイトに載せて読者をだましたことをお詫びす る。しかし、私はとりわけ TidBITS Talk で、その「問題」についてその 後交わされたかなり技術的な議論に興味があった。議論では、iDisk を使 用して Finder を再起動させる間(私の iDisk から iTunes のディスク 画像を偶然にマウントするのを防ごうとして)に、Mac OS X をカーネル パニックにさせるという私の話は現実であるとされた。そして更に特筆し ておくことは、このようなでっち上げの報告が信用されてしまったという 事実は、我々が Mac OS X と共に踏み込んでいる未知のスペースは計り知 れないことを表している。 [ACE]
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06374>
by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:尾高 修一 <shu@pobox.com>)
私の頭が固いなどとは思わないでいただこう。最近 Ecrix 社のテープド ライブ、VXA-1 をレビューした後、なぜハードディスクをバックアップに 使うのはダメなのかという質問を何人かの読者の方からいただいた。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06322>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=1309>
私はただちにハードディスクに頼ったバックアップシステムが劣っている 理由を並べて回答した。
ところがディスカッションが進むにつれ、私はハードディスクが正しいバッ クアップ戦略に使えるという結論に達した。これは安価で大容量の FireWire ハードディスクの台頭に負うところが大きい。最近 dealmac Web サイトで、MadLogix 社が 80 GB の FireWire ディスクを 335 ドル で販売しているのを見つけた。この値段なら 3 つ買っても約 1,000 ドル になり、VXA-1 と付属の 33 GB テープ、20 GB のテープ 11 本(同程度 の容量となるバックアップセット 3 つ分)の価格である約 1,500 ドルよ りもかなりお得だ。個人的には激安店から買うことにためらいを感じても、 TidBITS スポンサーの APS Tech や Small Dog Electronics、それに長年 ストレージ業界にかかわっている昔からの友人たちが最近始めた ElectricDeal.com からも安価な FireWire ドライブを買うことができる。
<http://dealmac.com/articles/21473.html>
<http://www.apstech.com/prod/index.cfm?cat=1>
<http://www.smalldog.com/>
<http://www.electricdeal.com/category.cfm?Category=24>
さらに便利な方法は、ベイに入ったリムーバブル FireWire ディスクを使 うことだ。たとえば、Granite Digital 社は安価な IDE ディスクをトレ イに装着するキットを販売している。このトレイを外付ディスク用ケース の中の5.25 インチ、ハーフハイトのドライブベイに入れる。(Granite Digital 社の Web カタログから、Hot-Swap Bays のリンクをクリックさ れたい。)一方、こうしたソリューションは普通のハードディスクを買う よりも高くつくし、外付ケースの電源が故障した際には、すべてのハード ディスクが使えないことになる。
<http://www.scsipro.com/catalog/>
汚名返上 -- いずれにせよ、ここで挙げた例だと 500 ドル少ない出費 で、はるかに高速かつ 4 本のテープを差し替える必要のないバックアッ プメディアが手に入ることになる。ハードディスクとテープシステムの価 格差がなくなると、ハードディスクを利用したバックアップシステムの欠 点の多くが欠点でなくなるのだ。先程のリストを順番に見ていこう。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=1313>
大量(100 ギガバイト単位)のデータを複数のバックアップセットにバッ クアップしなければならない場合、ハードディスクはテープにかなわない (バックアップセットの数が多いほど、テープの方が有利となる)。それ ぞれのケースに応じてギガバイトあたりの単価を比較しなければならない が、335 ドルのハードディスクと 180 ドル相当のテープでは、いずれテー プドライブにかかる初期費用も回収できることになるだろう。
また、現行バージョンの Retrospect にはやっかいな制約が二つほどある。 まず、ハードディスクにバックアップするには、Macintosh File バック アップセットを使用しなければならず、したがってバックアップセットが 複数のハードディスクにまたがることはできない。次に、こちらの方が問 題なのだが、Retrospect が Macintosh File バックアップセットにカタ ログ(バックアップファイルの目次に相当する)を格納する方法に問題が ある。Retrospect はカタログをファイルのリソースフォークに格納する のだが、Mac OS 9 と HFS+ ディスクフォーマットでは 16 MB を超えるリ ソースフォークを扱うことができないのだ。カタログサイズはバックアッ プするファイルの数(データの量ではない)に比例し、75,000 から 95,000 の間で頭打ちになる。とりあえずの回避策として、Macintosh File バックアップセットをもう一つ作成し、最初のセットが一杯になっ た後に続けて使用し、ハードディスクが一杯になるまで続ける、という方 法がある。ここで何をアーカイブし、何を捨てて再利用するかを判断しな ければならない。こうした問題は Dantz 社が将来のバージョンの Retrospect で対応してくれるだろう。
とはいえ、現実には巨大容量バックアップが必要なユーザーは、とっくに 本格的バックアップ戦略と必要なハードウェアを備えているだろう(もし 備えていないとしたら愚かなことだ)。テープと安価な FireWire ドライ ブの比較は、バックアップすべきデータの量が少ないかほどほどの場合に こそ有意義なのだ。もしこういったシナリオに該当し、現在のバックアッ プ戦略に不満を感じているなら、複数の FireWire ディスクを使うことを 検討してみるのもいいだろう。
by Rita Lewis <ritalewis@megapathdsl.net>
(翻訳:亀岡 孝仁 <kameotak@iea.att.ne.jp>)
( :尾高 里華子 <rikako@pobox.com>)
( :蒲生 竜哉 <gamo@lib.bekkoame.ne.jp>)
Mac OS X については、発売を前に一足先に Public Beta 版をインストー ルした人達の話はオンラインでたくさん流れていた。しかし、今やその大 きな X のついた光沢のある白い箱はあなたの手元に届いた。それに先週 の Mac OS X の記事も読んだし、Apple 社の最新のオペレーティングシス テムをインストールする準備はすべて整ったと思う。この記事の目的は、 このインストールとセットアップの手順を皆さんができる限り痛みなしに できるようにお手伝いすることである。その手順は Mac OS X そのものに 多少似ている - 表面は簡単に見えるが、もし TidBITS Talk のイントー ルに関するスレッドをお読みになっていればお分りだと思うが、その中身 は複雑である。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06372>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=1327+1332>
システムに対する進言 -- 公式には、Apple 社はオリジナルの PowerPC G3 か G4 ベースの Macintosh(初代の PowerBook G3 を除く)で最低 128 MB RAM と 1.5 GB のハードディスクスペースを必要としている。新 しいオペレーティングシステムに共通することであるが、より大きな処理 速度とメモリがあればあるほどよりよく動作する。これで Apple 社は新 しいハードウェアを売ろうというのである?個人的には、私は Mac OS X を 256 MB の RAM 付きの 400 MHz iMac DV SE で動かしている。その他 には、私の 198 MB の RAM 付きの 366 MHz Indigo iBook にも問題なく インストールできた。
私は非 Apple のコンピュータで Mac OS X を走らせることはお勧めしな いが、Unix の経験のある私の友人達は、PowerPC G3 アップグレードカー ド付きの Power Computing 社のクローンでの成功例を報告しているし、 PowerPC G3 より前の CPU を持つ Mac 上で走るよう Mac OS X をハック できたという人もいる。
<http://homepage.mac.com/RyanRempel/OldWorld/Instructions.html>
RAM に関して言えば、128 MB の RAM が現実的な最低要件である。理論上 は Classic アプリケーションを使わないのであれば、もっと少なくとも 大丈夫のはずである、というのも Mac OS X は仮想メモリを効率的に使う からである。しかし現実問題として、Mac OS X の Classic モードをまっ たく使わないという人はどれだけいるのであろうか?Classic は Mac OS 9.1 オペレーティングシステムすべてを RAM 上にロードするので、Mac OS X は Classic だけのために最低 64 MB を必要とする。初期の報告に よれば、128 MB を超えた分のメモリはパフォーマンスを向上させるとい う。
Mac OS X 自体はデフォルトインストールでほぼ 1.1 GB のハードディス クスペースを必要とする(オプションとして追加のプリンタドライバや BSD サブシステムのインストールをしないことで、それぞれに約 80 MB の節約ができる)が、これらは何千というファイルやフォルダに別れてイ ンストールされる。その他に Mac OS X は仮想メモリのスワップスペース として残りのディスクスペースを必要とする。Unix の素晴らしい世界へ ようこそ!従って容易に想像できるように、Mac OS X は定常的にディス クにアクセスするので、ハードディスクの速度、そしておそらくフラグメ ントの程度も、大きく全体のパフォーマンスに影響するであろう。
テスト版を試したことのあるユーザーへのアドバイス -- 安全なインス タトール手順の基本に飛込む前に、すでに以前のリリースを試したことの ある人達のためにいくつかの指摘をしておきたいと思う。これまでで、私 は Mac OS X に関してはすべてのバージョン、Developer's Preview 1 か ら公式リリースまで、インストールしたことになる。その経験から次のよ うなアドバイスをしたいと思う。
Public Beta 前の Mac OS X のどのバージョンでもあなたのハードディス クのパーティションにインストールしたことがあれば、損壊したパーティ ションを持っている可能性が高いので、Norton Disk Doctor とか Micromat 社の TechTool Pro の最新版を走らせて修復を試みるべきであ る。それでも修復できない場合は、バックアップをしたうえで、ハードディ スクを再初期化し、バックアップから戻す作業をしなければならない。正 直言って、結局のところこの方法が一番安全かも知れない。
<http://www.micromat.com/>
<http://www.symantec.com/nu/nu_mac/>
Mac OS X は Public Beta 上にインストールできるが、このやり方は白紙 からインストールするのに比べるとかなり遅い。というのも、インストー ラは数千もあるファイルの中から何が変ったのか見出す作業を一生懸命し なければならないからである。さらに、このやり方ではパフォーマンス上 の問題とかその他奇妙な動作をするとかの報告も出されている。Public Beta 上にインストールする利点に自分の設定を保持できる(頻繁に使っ てきたのでなければ大して重要なことではないかも知れないが)ことがあ るが、新機能の中にはインストールされないものがある。たとえば、 iBook では、Public Beta 上にインストールすると、新規インストールで はインストールされる Dock 上のバッテリモニタがデフォルトではインス トールされない。
Mac OS X の準備 さて、上記以外の人達の場合の話をしよう。ロクでも ないデータしか入っていない Mac にインストールするのでないかぎり、 まず簡単にリストアできるところに(重要でないデータも含め) すべてを バックアップする。Mac OS X は、使い勝手の点では今までの OS と似たところもあるが、環境はかなり異なる。そのため、データを失 うことなどないはずだが、万が一ということもありえる。抜かりなくバッ クアップを取っておこう。
次は、Mac OS X をすでに Mac OS が入っているパーティションにインス トールするか、Mac OS X をハードディスク上の別のパーティションにイ ンストールするかを決める。データの安全性という点では違いはないよう であるが、Mac OS X 専用のパーティションを設けていたほうが、カスタ マイズが簡単になるし、Mac OS X をそっくり捨ててしまうことだってで きる。もちろん、ディスクに必要なデータが入っている場合は、バックアッ プを取っておいて、Apple の Drive Setup ユーティリティを使って初期 化してパーティションを切ったあとで、リストアしてあげなければならな い。
Mac OS 9.1 を利用していない方は、先に Mac OS 9.1 をインストールし てから Mac OS X をインストールする。利用しているプログラムに必要な アップデータを見つけて、ダウンロードし、インストールするという作業 は、馴れた環境で行うので至極簡単であろう。OS のバージョンをアップ グレードする際には、後で苦労しないように、利用しているプログラムを 最新のバージョンにすることから始めることをお薦めする。これをしてお かないと(たとえば、古い機能拡張が新しい OS に対応していないために) クラッシュしてしまうかもしれない。インストールしてすぐにクラッシュ という目には会いたくないだろう。さらに、アップデートをダウンロード しているときに、Mac OS X 版を見つけたら、そちらも併せてゲットして おくといいだろう。いずれ欲しくなるかもしれないし、とにかく現時点で は馴れた環境で作業するほうが楽なのだ。
アップデートをダウンロードしたり探したりするときは、まず VersionTracker を利用するとよい。多少の出費を厭わない方は、Insider Software 社製の UpgradeAgent 8(70 ドル。Mac OS X 上でも Upgrade Agent X として動作する)か、Casady and Greene 社製の Chaos Master (40 ドル。VersionTracker を利用してバージョンを比較してくれる)を 購入することができる。どちらも、ハードディスクをチェックして、アッ プデートが出ているアプリケーションのリストを作成してくれる。あとは、 ダウンロードしてインストーラを走らせる時間をかけさえすればよいだけ だ。
<http://www.versiontracker.com/>
<http://www.insidersoftware.com/>
<http://www.casadyg.com/products/chaosmaster/>
もしまだ Mac OS 9.1 を入れていないのなら、そちらのインストールが先 決だ。Apple は Mac OS X に Mac OS 9.1 の CD を同梱してくれているの で話が早い。(注意:Mac OS 9.1 がプレインストールされた PowerBook G4、Power Mac G4(Digital Audio)、iMac(Early 2001)は、Mac OS X に同梱されている Mac OS 9.1 の CD から起動することはできない。) Mac OS 9.1 には興味深い変更が少々あり、その内の 2 つが Mac OS X に 大きくかかわっている。フォルダ構成の変更(Applications フォルダは 「Applications(Mac OS 9)」という名称になり、その中に Internet、 Utilities、Apple Extras の各フォルダが収められるようになった)と、 Mac OS 9.1 と Mac OS X の切り替えができる新しい Startup Disk コン トロールパネルだ。自分で作った Mac OS 9 のフォルダをデフォルトで作 成されるフォルダの中に入れておくとファイルのアクセス権の問題を回避 できるのでよいだろう。つまり、ハードディスクの一番上の階層には、 Applications(Mac OS 9)、Documents、System Folder のフォルダだけ を置いておく。また、最新のアップデート(先週 Apple が出した必須の コントロールパネル Startup Disk 9.2.1 など)がチェックできるように、 Software Update コントロールパネルをオンにしておくように。
<http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n12078>
もう一つ書いておかなければならない大切なことがある。Mac OS 9.1 の CD-ROM の中の CD Extras フォルダに、青と白の Power Mac G3、iMac、 iBook、Power Mac G4、PowerBook(FireWire)用のファームウェア・アッ プデータが入っている。Apple はこれらファームウェア・アップデートを かけるよう推奨しているが、Mac にサードパーティ製の RAM がささって いる場合は、RAM が無効になるというとんでもない事態になる可能性があ るので、Apple がこの問題を解決してくれるまでアップデートはしないよ うに。
この時点で、各種機能拡張やコントロールパネルが入った Mac OS 9.1 が 動いているだろう。それらは、Mac OS X の Classic モードで動かないと いうことがおおいにあるので、機能拡張マネジャーで Mac OS 9.1 All の セットに切り替えてそれらをすべてオフにしておこう。それらは Mac OS X でちゃんと動くはずなので、Mac OS X の Classic モードで、Mac OS 9.1 に最低限必要な機能拡張やコントロールパネルのセットを作り、サー ドパーティ製の機能拡張は追々足していけばよい。(Casady & Greene 社 製の Conflict Catcher 8.0.8 は、Mac OS 9.1 きちんと対応しており、 Mac OS 9.1 で起動しているか、Mac OS X の Classic 環境かによって機 能拡張のセットを切り替えることもできる。ただし、別々のパーティショ ンに入れていない場合は、Classic で登録情報を毎回入力しなければなら ないという面倒がある。)
<http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n106149>
もう一つ、どんなソフトウェアをインストールする際にも事前にしなけれ ばならないことだが、Mac OS X CD-ROM に入っている READ BEFORE YOU INSTALL.pdf ファイルを必ず読み、インストールの前にすべき事柄などを 確認しよう(パーティション切りしてある大きなハードディスクの付いた ベージュの Power Mac G3 と PowerBook G3 Series のユーザーは特に要 注意だ)。インストーラを起動してしまって、インストールが始まってか らこの情報を目にしたら、Mac を再起動させる以外戻る術はない。
さあ、これでようやく Mac OS X をインストールする準備が整った。幸い、 インストールはそれまでの準備よりもずっと簡単だ。
設定とインストール -- インストールそのものは至って簡単であるが、 時間は(30 分かそれ以上)かかる。Mac OS 9.1 から起動しているときに インストールを開始できるものの、インストーラはすぐに Mac OS X の CD-ROM を起動ディスクとして再起動させる。もしくは、起動時に C キー を押し下げておいて、直接 Mac OS X CD-ROM から起動させてもよい。後 者のやり方でやるとなぜだか失敗する場合があると、Apple はトラブル シューティングの中で忠告している。
Mac OS X では、お馴染みの Setup Assistant の新バージョンで最初の設 定を行う。Setup Assistant が各設定画面で、時間帯の設定、(言語やキー ボードの)地域設定などいろいろな質問をしてくる。
Setup Assistant では、段階を追ってユーザーアカウントを設定していく が、Mac OS X が本来マルチユーザー用のシステムだということをよく覚 えておこう。User Account の画面では、(ファイル共有で使用する)氏 名、ユーザー名(Unix で特別なアカウントになっている「root」および それに準じた「wheel」は使えない)、パスワードを入力する。これらは 紙に控えて安全なところに保管しておこう。ユーザー名とパスワードは、 重要な環境設定の変更をしたり、ほかのユーザーからのアクセスに関する 設定をする権限があるので、非常に重要なものである。幸い、Mac OS X では、このアカウントが管理者アカウントになっていて(環境設定やアク セスの設定管理ができる)、自動ログインがデフォルトなので、起動の度 にパスワードを入力しなくてよい。
今までの Mac OS では Internet Setup Assistant というものが別にあり、 そこでインターネットを使うための設定を置こうなうようになっていた。 Mac OS X では、この Setup Assistant でインターネット関連の設定も行 うようになっているので、メールアドレス、メールサーバのアドレス、 DNS アドレス、ダイヤルアップ用の電話番号、パスワードなどを事前に確 認しておこう。今までの Internet Setup Assistant と変わった点として、 Mac OS X の Setup Assistant は iTools アカウントを持っているかどう という質問がある(そして、まだ持っていない場合はサインアップできる ようになっている)。Mac OS X Finder の移動メニューから自分の iDisk へのアクセスできるようになっているし、iTunes や iMovie といったソ フトウェアが iDisk から入手できるようになっており、悪い話ではない。
行ったり来たり -- Mac OS X の詳しい使い方はこの記事の趣旨から離 れる(それに Apple のレトリックを信じるならば Mac OS X の使い勝手 は大変に直感的なはずだし)のだが、一つだけどうしても知らなければな らないことがある。Mac OS 9.1 への切り替え方だ。ほかの多くの人と同 じように、あなたも Mac OS X の Classic モードで動かないアプリケー ションを動かさなければならないときにはシステムを Mac OS 9.1 に切り 替えなければならない。実際、もしあなたがこの新しいオペレーティング システムをいつも使っている Mac にインストールしたのであれば、作業 を効率的に進めるためには Mac OS 9.1 を使うことが必要不可欠だという ことにいずれ気がつくことだろう。
Mac OS X から Mac OS 9.1 に戻る場合にはシステム環境設定をアップル メニューから選び(あるいは Dock の中にあるシステム環境設定のアイコ ンをクリックしてもよい)、起動ディスクアイコンをツールバー(あなた がどのコントロールパネルを使っていても起動ディスクアイコンがツール バーに現れるように Apple はこれをよく使う項目の一つに加えている) ないしはその下のコントロールパネル一覧からクリックする。すぐにあな たの Mac から起動可能なシステムフォルダの一覧が表示されるはずだ (最低でも一つの Mac OS X フォルダと Mac OS 9.1 フォルダが表示され る。あなたの Mac の環境によってはもっと表示されることもある)。後 は Mac OS 9 のフォルダを選び、アップルメニューの再起動を使って Mac を再起動するだけだ。
再起動後、新しいファイルとフォルダがあなたのハードディスクのトップ レベルに作られていることに気づくはずだ(一つのパーティションで Mac を使っている場合)。Mac OS 9.1 のシステムフォルダ、Documents フォ ルダ、Applications (Mac OS 9) フォルダの他にも、Mac OS X のアプリ ケーションが格納されている Applications フォルダ、Mac OS X の実体 である様々なソフトウェアがつまった System フォルダ、各ユーザーのフォ ルダとサブフォルダが格納されている Users フォルダ、さらにはフォン トなどの共有ファイルが納められている Library フォルダ、この他にも トップレベルには Mac OS X の一部であり Mac OS X が動いている時には 不可視ファイルとなっている mach と mach.sym の二つのファイルが配置 される。
Mac OS 9.1 を動かしているあいだ、Mac OS X のフォルダのなかを覗いて みるのはいっこうに構わない。おなじみの Mac OS 9.1 の Finder を使っ て操作する方がずっと速くてしかもスムーズに感じることだろう。しかし、 何かを移動したり、捨てたりしてはいけない。前のバージョンの Mac OS の場合、移動すると危険なファイルは System や Finder、さまざまな enablers や Mac OS ROM ファイル程度とあまり多くなかったし、たとえ これらのファイルが無くなっていても深刻なダメージとはならなかった。 Mac OS X の場合はまったく状況が異なる。Mac OS 9.1 を動かしているあ いだに間違ったファイルを移動させたり消したりすることは Mac がまっ たく動かなくなってしまう原因となる(しかも悪いことに、こうした状態 に陥った場合にそれを直せる人はまだあまりいないのだ)。
Mac OS X は数多くの不可視ファイルやフォルダを使っている。これはも しなんらかの原因でインストールがうまくいかなかったために Mac OS X を消したい場合、Mac OS 9.1 から見えているファイルとフォルダを消す だけでは Mac OS X を完全にアンインストールできないということを意味 する。こうした場合には最初に起動ディスクを Mac OS 9.1 に切り替え (重要)、再起動し、それから不可視ファイルとフォルダを含め (DiskTop や Greg's Browser などのユーティリティを使えば不可視ファ イルやフォルダを表示したり操作したりすることができる)関連したすべ てのファイルを消すようにする。Mac OS X 専用のパーティションを用意 するとよい点は、こうした場合に Finder の 特別メニューのディスクの 初期化を使うだけで済むことだ。
<http://www.prgrsoft.com/pages/disktop.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05843>
<http://www.kaleidoscope.net/greg/browser.html>
Mac OS 9.1 を使い終わって Mac OS X に戻る場合には起動ディスクコン トロールパネルを開き、内容を表示する三角形のアイコンをクリックして 切り替え可能なオペレーティングシステムを表示し、Mac OS X のシステ ムフォルダを選択してから再起動ボタンをクリックするだけだ。数分後に は湿り気を帯びた Mac OS X のワンダーランドに戻っていることだろう。
若者よ、フロンティアを目指せ -- さて、これから先何をしたらよいの だろう。私はあなた自身の手で Mac OS X を探索してみることを強くお勧 めしたい。Macintosh のユーザーインターフェースをデザインし直すとい う Apple の努力の成果を考え、あなた自身の意見をまとめる上で自分自 身の体験に勝るものはない。その他の使い方のヒントや意見、司会者のい る質問フォーラム、TidBITS Talk(<tidbits-talk-on@tidbits.com> にメッ セージを送って欲しい)など、Mac OS X のディスカッションはどこでも 大変盛んだ。そしてもちろん、これからの数ヶ月はさらなる Mac OS X の 記事が沢山 TidBITS に掲載されることだろう。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=active>
[Rita Lewis 氏にはベストセラーである O'Reilly の Mac OS in a Nutshell を含め、20 以上もの Macintosh 関連の著作がある。]
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