インターネット食料品店は胸突き八丁の苦しい戦いを強いられている所かもしれないが、Alex Hoffman にとって、Netflix は近所のビデオ店よりもインターネット商売の方が勝っていることを証明しているように見える。Derek Miller は Palm 用のワードプロセサ二つ、WordSmith と Word To Go の比較について寄稿してくれた。Mac OS X 専用のリリースもペースを上げてきている。今週は iDVD 2, Snapz Pro X 1.0.1, と Timbuktu Pro 6.0.1 についてである。他の重要なリリースとして、両方のオペレーティングシステムをサポートしている、iTunes 2, Netscape 6. 2, それに GraphicConverter 4.1 をとりあげている。
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iTunes 2 入手可となる -- Apple の新しい iPod と一緒に発表された iTunes 2 が、無償ダウンロードとして入手可能となった。現在 Apple のデジタルハブ戦略のショーケースとなっているこのミュージックプレーヤには、22 のプリセット設定つき 10 バンドイコライザ、曲と曲の移行を滑らかにするクロスフェーダー、iPod とのオートシンクが追加されている(TidBITS-603の "iPodで音楽をもっと魅力的に" 参照)。このアップデートにより CD を旧版の二倍のスピードで焼く事が出来るようになった。iTunes 2 は 3.4 MB のダウンロードで Mac OS 9.0.4 かそれ以降 (音楽 CD を焼くのであれば Mac OS 9.1) が必要である。
Mac OS X 用には別の iTunes 2.0.1 for Mac OS X が用意されている。最初のバージョンはインストーラに問題があり(ファイルを消してしまうか設定許可を間違って設定してしまう)Apple は早々に引上げてしまった経緯がある - 詳しくは TidBITS Talk を参照して欲しい。(もしすでに iTunes 2 for Mac OS X ダウンロードずみで特に問題を経験していないのであれば、2.0.1 バージョンをインストールする必要はないが、Apple はインストーラファイル iTunes.pkg を消去するよう勧めている - ハードディスク上で一番上位の所で Library フォルダにいって、Receipts フォルダを開いて該当のファイルを探し出す。)iTunes 2.0.1 for Mac OS X は Mac OS X 10.1 を必要とし 3.9 MB のダウンロードである。現時点では U.S. English と日本語版のみが入手可能である;Apple によれば他の言語版も間もなく追加されるという。[JLC](カメ)
<http://www.apple.com/itunes/>
<http://www.apple.com/ipod/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06608>(日本語)iPodで音楽をもっと魅力的に
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=1515>
Netscape 6.2 リリース -- Netscape Communications は Mac OS X 完全対応とバグ修正をうたった Netscape 6.2 をリリースした。この新バージョンは一つの Mac OS X 用のアプリケーションパッケージとして存在するので、インストールは単に Netscape ファイルをハードディスク上にドラッグするだけで事足りる。デュアルプロセサ Power Mac 上でのかったるい動作や LDAP 機能のような数多くの問題に対して対策が加えられた。Netscape 6.2 では PowerPC 604e で 266 MHz かそれ以上のスピード、最小 64 MB の RAM と Mac OS 8.5 かそれ以降が必要である。Mac OS X バージョンは 16.9 MB のダウンロードであるが;Mac OS 9 バージョンは必要なモジュールだけをダウンロードするアクティブインストーラのままなので、インストールにはそれ相当の時間がかかることに対する心の準備をしておくべきである。[JLC](カメ)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06522>
<http://home.netscape.com/eng/mozilla/ns62/relnotes/62.html>
<http://home.netscape.com/computing/download/>
GraphicConverter 4.1 リリース -- Lemke Software はその人気のイメージ編集アプリケーションシェアウェアに、サポートするイメージファイルフォーマットを更に追加し、バグ修正を行った。GraphicConverter 4.1 では、JPEG2000 と Nokia .pict イメージに対するサポートを追加し、さらに TIFF インポートに改良を加えた。印刷中の ColorSync プロファイルもサポートし、弱シャープネスマスク(シャープネス)機能を加え、Mac OS X 下での機能改善を行っている。GraphicConverter 4.1 は登録ユーザに対しては無償アップグレードである;シェアウェア価格は、ヨーロッパ在住者には $30 で、それ以外の地区の人に対しては $35 となっている。ファイルは 3.4 MB のダウンロードで、Carbon, Classic PowerPC, それに 68K バージョンがある。[JLC](カメ)
<http://graphicconverter.net/>
アンケート結果:見た、買った、考えたiPod -- 先週は Apple による iPod ポータブルオーディオプレーヤの発表をお伝えしたが、$400 の値札はその機能に対して高すぎるという批判がたちまちにしてあがった。TidBITS の読者もおおむね同感のようで、iPod に $400 かそれ以上払っても良いとした人は、今回にアンケートでは 1/4 に満たなかった。それでも、Apple の設計努力に注目した人は多く - 40% の人が $300 なら(それでも競合品よりは高い)iPod を考えてみてもいいとし、いや $200 以下でなければいやだという人は 28% であった。間もなく始るクリスマス商戦で、Apple がいくらなら買ってくれるかについて過剰評価したかどうかのある程度の結果がでるであろう。[ACE](カメ)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbpoll=74>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06608>(日本語)ipodで音楽をもっと魅力妬に
文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
訳: 佐藤浩一 <koichis@anet.ne.jp>
Mac OS X がリリース 10.1 で充分使用に耐えるオペレーティングシステムに進化した今、次はアプリケーションの新バージョンと順調に進行しているプログラムのアップデートに目を向けてみよう。
Apple は iDVD 2 をリリース -- Apple は iDVD 2 の出荷を始めたが、これは SuperDrive を搭載する Mac で DVD を簡単に作成する同ソフトウエアのMac OS X 専用アップデートである。Macworld Expo New York 2001 でお披露目され、この新バージョンではモーションメニュー(フルモーションメニューとボタン)、より多くのテーマ、新しいインターフェース、そして静止画のスライドショーに音声トラックを付加する機能が追加された。さらに重要な点は、iDVD 2 では最大 90 分のビデオを DVD ディスクに格納できるようになったことである(前のバージョンでは最大 60 分だった)。iDVD 2 はまた、MPEG 圧縮とディスク作成をバックグラウンドで行なうことが可能である。アップグレードは無料に見えるが、DVD ディスクで配付されているため Apple は配送および手数料として $20 かかるとしている。iDVD 2 は SuperDrive 内蔵の Power Macで動作し(外付け DVD 作成機器は今回サポートしていないようだ)、Mac OS X 10.1 以降、そして最低 256 MB(推奨 384 MB )の RAMが必要である。 [JLC](佐藤)
<http://www.apple.com/idvd/>
<http://www.apple.com/powermac/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06502>
Snapz Pro X 1.0.1 は機能と互換性を追加 -- Ambrosia Software 社は、Mac OS X 互換の画面キャプチャーユーティリティーの更新版である Snapz Pro X 1.0.1 をリリースした(Snapz Pro X の新機能の詳細については、TidBITS-595 の“TenBITS/03-Sep-01”を参照の事)。新バージョンでは、Mac OS X 10.1 で互換性を提供するために多数の細かい変更、ムービーキャプチャー機能に対する小さなパフォーマンスの向上、不具合の修正、そしてマニュアルを含むフランス語版と日本語版の作成を行なった。画面のどこが記録されているかを示すムービーガイド、ムービー用の別々の選択範囲、デスクトッププレビューアイコンを止める機能、そして Nvidia グラフィックカードでの DVD 取り込みなどの新機能も含まれている。登録ユーザは Snapz Pro X 1.0.1 に無料でアップデートできる。9.9 MB のダウンロード。 [ACE](佐藤)
<http://www.ambrosiasw.com/utilities/snapzprox/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06546>(日本語)Snapz Pro X:Mac OS X 用スクリーンキャプチャ
Timbuktu Pro 6.0.1 は Mac OS X 10.1 互換に -- Netopia 社は、Timbuktu Pro 6.0.1 への無料アップデータをリリースした。遠隔制御アプリケーションの機能は変わらないが、Apple の 最新 Mac OS X 10.1 リリースでの互換性を提供する( TidBITS-577の“TenBITS/23-Apr-01”が Mac OS X 版 Timbuktu Pro の新機能について詳しい)。アップデートをダウンロードするには、シリアル番号とアクティベーションキーが必要だ。 [ACE](佐藤)
<http://www.netopia.com/support/technotes/software/tb2mac/TPM_074.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06405>(日本語)Mac OS X 用の Timbuktu Pro がリリースにつぐリリース
文: Derek K. Miller <dkmiller@penmachine.com>
訳: 倉石毅雄 <takeo.kuraishi@attglobal.net>
Palm OS ベースの PDAでワープロを使うのは馬鹿げた考えと思うかもしれない。160 画素四方の画面、限られた字体サポート、そしてハードドライブやキーボードの欠如など。CPU の速度や RAM は 1993 年の Mac にすら劣る。
しかし、私は今、このを Palm IIIxe 上で書いている。出来ることを証明するためだけではない。iBook のような小さいことにかけては誰にも引けを取らないラップトップに比べても Palm は持ち運びが楽だ。静かだし、一組の電池だけで何週間も作動する。HotSync の際には自動的にバックアップが行われる。使う場所を選ばない。このもソファで眠っている娘の横に座りながら書き、次の日に彼女の散髪が終わるのを待ちながら編集した。
Palm Portable キーボードなどの折り畳みキーボードを使用すれば、ポケット一つか二つで執筆キットを持ち運べ、何時でも手許にある可能性が増える。Palm には限られたハードウェアしかないので、プログラマはどの機能が必要でどれが余計かを真剣に考える必要がある。
<http://www.palm.com/products/accessories/peripherals/>
私の Palm で使用するためのワープロアプリケーションを探し始めた時には、二つの良く出来たパッケージの選択肢があった。(Documents To Go suite の一部である)DataViz の Word To Go 4.001 と Blue Nomad のWordSmith 2.01だ。
<http://www.dataviz.com/products/documentstogo/>
<http://www.bluenomad.com/>
どちらも十分な文章作成と編集機能の組み合わせや Macintosh とのシンクロ機能を持ち、邪魔になるような機能は最小限に抑えられている。しかし二つのプログラムは外見は似ているものの、異なる設計方針に基づいている。どちらが良いかはユーザの必要による。
道具対包丁 -- 多くのコンピュータオタクはいつでも使えるよう、刃、スクリュードライバ、やすり、ペンチ、その他の道具を備えたLeatherman 多目的ツールを収めたベルトクリップをつけている。どれも単体の道具には劣るが、道具箱を常時手許に置いている人は少ない。多目的ツールの価値はそれしか手許にない時に見事に役目を果たすところにある。
逆に、本職のシェフは職場を変わっても一本の Henckels の包丁を手放さないことが多い。その包丁は、ねじを締めることも、爪を研くことも出来ないが、そこには妥協は全くない。シェフが切らなければいけない様々な材料を調理するのに最高の手道具であるからだ。
Palm のワープロのうち、Word To Go は Leatherman ツールで、WordSmith は Henckels の包丁だ。多種の書類をデスクトップ上で使用し、Palm 上で軽い編集や校正を行うのであれば、仕事人の Word To Goを取り出すべきだ。もし外で本格的に文章を書くのであれば研ぎ澄まされた包丁のような WordSmith がぴったりだろう。
Palm 上で:簡略さとニュアンス -- 最初は、Word To Go と Word Smith は全く同じに見えた。さっぱりしたスクリーン上の編集領域と無駄を省いたツールバー、スクロールバーが一つ、そしてタイトルのタブだけだ。どちらでも選択、コピー、貼り付け、斜体、太字、indent、などで文章を整えることが出来る。どちらのプログラムもブックマーク、(カラーのハンドヘ ルドでは)文章のカラー化、そして外付けのキーボードをサポートしている。どちらも Mac の書類の書式要素をある程度保存し、他は廃棄か無視する。双方とも機能を完全に備えたダウンロード版を試用させてくれる。妙なことに、どちらも HTML に対応しておらず、またスペルチェックも出来ない(Blue Nomad はスペルチェック機能を開発中だが)。
使ってみたところ、WordSmith が光った。まず、Word To Go の限られた二つではなく、四つの完全なメニューがある。また Word To Go は検索しか出来ないのに対して WordSmith は検索と置換が出来る。WordSmith ではツールバーを隠して15行分の文章を表示することが出来る。Palm 内蔵のメモ帳の代用として使え、標準的な Palm の DOC ファイルを読み書きも出来る。
WordSmith のツールバーの方が機能を多く備えるにも関わらず、占拠する幅は狭い。書類の検索、段落の校正機能、概要表示、字体の調整などははるかに能力があり、文章を貼り付けるための独立したクリップボードが10ある。もしキーボードがあれば、Palmのスタイラスはほとんど必要ない。しかしキーボードがなければWordSmithは簡単で時間の節約になるスタイラス近道もある。
Blue Nomad は小さな点をも改善している。例えば、上付きや下付き文字もちゃんと表示され、Word To Go はタイトルのタブにそれ自体の名前しか表示しないのに対し、WordSmith は書類名を表示する。
そうとは言え、Word To Go は軽量級ではない。基本的なタイプ、編集、校正用の道具は良い。ある程度の表の編集も出来るし、文章やアプリケーション自体を SD/MMC メモリカードに保存することも出来る。これはWordSmith には出来ない。スクロールバーの働きはこちらの方が良い。そして一番大事な点は Word To Go は表計算ソフトや(無料で追加できる)PDF 閲覧用ソフトを含むパッケージの一部であるということだ。
Mac 上で:選べるのは良いこと -- Palm OS のハンドヘルドはデスクトップのクレードルと切っても切れない関係がある。「Connected organizer」なのだから。そして、Word To Go が WordSmith より光るのはまさしくデスクトップ上だ。
DataViz と Blue Nomad は共に歴史がある会社だが、DataViz のほうがはるかに長く Macintosh ソフトを作っている。それは歴然としている。Documents To Go にはインストールソフトがついてくるが、 WordSmith ファイルは Mac と Palm 上で手動で拡張してインストールしなくてはならない。DataViz の MacLinkPlus 変換道具での長い経験のおかげで、Word To Go は Microsoft Word の複数のバージョンにだけでなく、AppleWorks や ClarisWorks、普通テキスト、そして Palm の DOC ファイルに対応している。
完全な Documents To Go パッケージの他の部分は複数の表計算ソフトのファイル形式にに対応しており、Acrobat PDF をハンドヘルド上で読むために変換することも出来る。私のコンピュータ上の MacLinkPlus と連携するかと半分思ったが、それはなかった。Documents To Go はそれ自体の変換エンジンを使用している。
Documents To Go の Macintosh とのシンクロプログラムは MacLinkPlusとよく似ている。Windows から転用されてきたような WordSmith の最小限のダイアログボックスに比べて、はるかに Mac らしいアプリケーションだ。双方のパッケージともファイルのドラッグとドロップをサポートしているが、 Documents To Go はシンクロの働き方を調整するためのメニューやボタンを一式揃えている。また、コンテクストメニューのプラグインなどのおまけも付いてくる。
逆に WordSmith は Rich Text Format(RTF)の一種類でしか Mac との文章のやり取りをサポートしていない。Microsoft の Word からAppleWorks や Nisus Writer まで、ほとんどのMacのワープロが RTF 形式で保存できることを考えれば、RTF は賢い選択だ。(不思議なことに、広く使われている形式のうち、Word To Go がサポートしていないのはRTF だけだ。)
残念なことに、WordSmith シンクロ Conduit ではMac の普通テキスト文章を Palm へは移せない。(Sync Buddy や MakeDocDD などの)他の道具を使って Palm の DOC 形式に変換するか、Palm のデスクトップアプリケーションにメモとして加えるか、ワープロから RTF として保存するかしなくてはいけない。私のように BBEdit や他のエディターを使ってMacで文章を書く者にとしては、Blue Nomad がこの余計な手順を省けるようにしてくれると有り難い。
<http://perso.wanadoo.fr/fpillet/syncbuddyGB.html>
<http://www.aportis.com/resources/AportisDoc/makedocutilities.html>
BackupBuddy Software という名前だった Blue Nomad はそのBackupBuddy Palm 道具で一番良く知られている。バックアップはWordSmith が力を発揮する点の一つだ。例えば、前回のシンクロからPalm と Mac で文章が変わった場合、Palm 版が優先される。しかし同時に Mac 版も自動的に保存される。
両方のパッケージとも Mac 版ではいくつかの機能が欠けている。幸運なことに、これらの Windows 専用機能のどれも欠かせないものではなく、それを除いても共に充実している。
Blue Nomad によれば、(この秋のいつ頃か)Palm, Inc.が Mac OS X ネイティブの Conduit を公表し次第、 Mac OS X に対応する WordSmith をリリースすると言ってい る。既に Mac OS X 対応の MacLinkPlus を発表した DataViz も同様だろう。
ではどう調理する? --もし Word、AppleWorks、テキストエディタ、Excel、Acrobat などからの多種のファイルを Palm に取り込み、それからあまり変更する必要がないというのであれば Word To Go は基本的なオフィスセットをポケットで持ち運ぶことを可能とするだけの幅広い種類の道具を備えている。内なる多用途ツールオタクは能力の広さを誉めるだろう。
逆に内なるシェフの肥えた舌を満足させたいのであれば、柔軟性には欠けるものの、より洗練されたツール - 日常的に文章を書くのに使えるような本物の携帯ワープロ - が必要だ。もし基本的な機能しか持たない RTF のみのファイル変換と荒削りな Mac 環境で十分であれば、WordSmith を調べるべきだ。使うにつれて、Palm 上での洗練された機能に満足するだろう。もしかしたら Blue Nomad は WordSmith のデスクトップでの短所を直すよう同じくらい努力してくれるかもしれない。
Word To Go は Mac OS 8.1 以上の Power Mac、Palm OS 3.0 以上のハンドヘルド、Mac 上では 32 MB の RAM と 20 MB のディスク容量、そしてPalm 上では 330K のメモリを必要とする。70 ドルの Documents To Go セットの一部で、30日有効な 4 MB の使用ダウンロード版もある。PDF ビューアを含む Add-On Packは普段はさらに 20 ドルかかるが、現在は無料である。Mac 用には HTML 形式のヘルプがついてくるが、完全な使用説明書はない。
WordSmith は Mac OS 8.1 以上 (Mac OS 9 推奨)のPower Mac と、Palm OS ハンドヘルドで 450K (及び文章の大きさ)の空きメモリを必要とする。1.3 MB のダウンロードで 30 ドルかかる。試用版は 100 回の編集セッション後にシンクロ出来なくなり、200 回後には rich text の編集が出来なくなるが、DOC やメモ帳ファイルを読むことは永遠に可能である。オンラインの使用説明書は全てをカバーしているのだが、ほとんどのPalm OS 機器に取り込むには大きすぎる。Handmark の WordSmithPro はこれの市販版である。
[Derek K. Miller はカナダの Vancouver 在住の主夫、作家、編集者、ウェブオタク、そしてドラマーだ。彼は Palm IIIxe と Leatherman Waveをどこへも持ち歩くが、Henckels の包丁は外では持ち歩かない。いつもweblog が面白くなるよう、努力している。]
文: Alex Hoffman <ahoffman@mac.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
何十億ドルもの資金と、膨大な宣伝をつぎ込んだ結果、ハッピーな顧客は多数居る一方で、インターネットでの食料品・雑貨ショッピング業界は最近大幅なビジネスの落ち込みに苦しんでいる。Webvan や Kozmo.com が代表的な例だろう。(下記の URL の“足を運ばずお買い物”シリーズを参照。)しかし、だからと言ってウェブとテクノロジーを使った便利なサービスが昔ながらの買い物のすべてに取って替わるのを失敗したとは言い切れない。成功例の1つとして私が挙げたいのが、Netflix だ。
<http://www.netflix.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1184>
(日本語)足を運ばずお買い物
(日本語)進化するインターネット商店での買い物
(日本語)Webvan 社が HomeGrocer.com 社を買収
(日本語)Priceline.com が食料雑貨類の入札を終了
<http://www.tidbits.com/tb-issues/TidBITS-556.html#lnk1> (英語のみ)
<http://www.tidbits.com/tb-issues/TidBITS-587.html#lnk1> (英語のみ)
<http://www.tidbits.com/tb-issues/TidBITS-588.html#lnk2> (英語のみ)
Netflix とは、インターネット上の映画データベースに、インターネット書店の Amazon のアイデアをつぎ込み、それをレンタルビデオの Blockbuster チェーン店に適用したようなものだ。Netflix を使えば、自宅に居ながらにして DVD の映画を借り、返すこともできる。Netflix の完璧なウェブサイトのおかげで、私を含め 300,000人のユーザーにとっては、これが街角の従来のレンタルビデオ店に完全に取って替わるものとなってしまっている。
<http://www.imdb.com/>
<http://www.amazon.com/>
<http://www.blockbuster.com/>
レンタルビデオ店、例えば Blockbuster とかそのライバル店のような所は、一様に同じ問題を抱えている。週末など、店に行ってみても、私の観たかった映画はたいてい既に借り出されて品切れになっている。運良く借りたい映画が見つかっても、借りられるのはたった数日間だけだ。つまり、借りたら急いですぐに観なければならない。また、観終わったら、これまた急いで返却しなければならない。期日に遅れれば、ペナルティーの支払いのせいでレンタルの費用が2倍になったりすることもあるのだ。こうした問題点があっても、店にある映画の在庫があんなに限られたものでさえなければ、我慢のしようがあるというものだが...もちろん、大手のチェーン店では最近のヒット映画の在庫はたっぷりあるだろうし、小さな店では独自のスペシャル・セレクションを充実させている所も多い。しかし、Amazon でビデオを購入する際の、すべてを網羅した品揃えに慣れ切った私の目には、どのレンタルビデオ店の品揃えも不充分としか写らないのだ。
Netflix ではこれらすべての困難が克服されており、その際生じている問題も二・三のごく些細なつまずきに過ぎない。
映画を受け取り、返却する -- Netflix の基本的アイデアとは、あなたがウェブで映画を選んで、Netflix が DVD を普通の郵便であなたに郵送する、ということだ。封筒は DVD ディスク(ケースなし)の大きさよりちょっと大きい程度のもので、ここがビデオテープと大きく違っている。ビデオテープなら小包で送らなければならないが、DVD ディスクを送るには普通の手紙と同じ送料で済むからだ。映画を観た後は、同じ封筒に入れてポストに投函するだけ、返送用の送料もすでに付いている。あなたが映画を1つ返却するたびに、Netflix は次の映画をあなたに送ってくれる。貸借りのたびに店に出向く必要はない。そして一番重要なのは、借りた DVD は好きなだけいつまでも手元に置いても良いということだ。延滞料金などというものは存在しない。
このような DVD の流れは、Netflix のウェブサイトであなたが観たい映画の予約列(キュー)を設定することによって実現される。あなたは自分の予約列でいつでも自由に映画を追加したり削除したりできるし、順序を変更することもできる。DVD の送付は、この予約列での順序によって決まる。Netflix があなたから返却された映画を受け取った時、次に送られるのは、在庫のある映画のうちであなたの予約列の順序が最初に該当するものになり、どの映画が送られたかが電子メールで通知される。私の予約列は現在 61 本の映画をリストしており、そのうちのいくつかはまだ劇場上映中のものだ。
Netflix は個別のレンタルに対しては料金を徴収しない。その代わり、料金は月極めのメンバー会費に拠っていて、会費は同時に借りられる映画の本数によって決まる。“Standard”料金は同時に3本借りられて月額 $20 となっているが、これは一月に3本までという意味ではない。敏速に映画を観てこまめに返却すれば、毎月ゆうに8本か9本の映画を観られるだろう。
その他の会費レベルには、“Bonus”(同時4本で月額 $25)、“Plus”(5本、$30)、“Ultimate”(8本、$40) がある。“Economy”サービス (2本、$14) というのもあるが、これでも充分毎週末ごとに新しい映画が観られる。“Ultimate”会員になれば、映画オタクのあなたは毎月 16 本から 24 本ほどずつの映画を観続けることができるだろう。
ずらりと棚に並んだ...ピクセル! -- Netflix の配送方法は、完璧に顧客の便宜を考えて工夫されている。映画を返却するには郵便ポストに投函しに行くだけでよい。返却はいつでも気の向いたときにすればよい。しかしこの素晴しい配送システムだけが Netflix の魅力ではない。まず第一に、Netflix は _巨大な_ 在庫セレクションを持っている。出版されているすべての DVD、総数 10,000 以上、と称している。このことだけでも従来のビデオ店では解決不能な問題を解決して余りあるだろう。
従来のビデオ店では、店に入ればあなたは常にブラウジングモードでいなければならない。サーチエンジンに近いものといえば、せいぜい店員をつかまえて聞いてみる程度のことしかできない。これに対して Netflix のウェブサイトでは、映画の名前でも、監督でも、俳優でも、またその他の数々のオプションを付けてでも検索が可能だ。
オンラインショッピングでの通例と同じように、メインページにはあなたの興味をそそる様々のリストが並んでいる。例えば今日は、Family Fun コレクション (The Wizard of Oz、The Iron Giant、Thomas and the Magic Railroad、Animal Crackers) とかミステリー (Twilight、The Lady from Shanghai、The Astronaut's Wife、Cutter's Way、The Big Lebowski) とかが目につく。他にも多数のグループリストがある。また、いくつかのジャンルに分けた固定リストもあって、例を挙げればアクション&アドベンチャー、子供&ファミリー、クラシック、コメディー、ドラマ、外国映画、ゲイ&レズビアン、ホラー、インディ、熟年、音楽&コンサート、ロマンス、SF&ファンタジー、スペシャル、スリラー、といった具合だ。
よくお世話になるリストといえば、スペシャルのカテゴリーと Expert リストだ。この中には、例えばアカデミー賞受賞映画、American Film Institute の AFI 100 リスト、映画評論家 Leonard Maltin と Mr. DVD(なる人物)の推薦映画リストなどがある。ちなみに彼らは質問に答えてくれたり関連する映画を教えてくれたりもする。しかしおそらく一番面白いのは Best Bet リストだろう。顧客に映画のレーティングをしてもらうことによって、Netflix はあなたの好みに従ってカスタマイズされたタイトルのリストを推薦してくれるのだ。おそらく Netflix は Amazon のレーティングシステムと似た総計レーティングを採用しているのだろう。私の Best Bet は今のところ標準のものに近いようだが、今後さらに多くの映画をレーティングしていくに従って、より私の好みを反映したものになっていくようだ。
Netflix での映画選択プロセスによる最終的な結果といえば、それは私は私が本当に観たい映画を観ることができるようになる、ということだろう。ビデオ店では、観たい映画はすべて借り出されて品切れで、結局あまり観たくもない映画を持って帰る、ということもしばしばだった。Netflix の予約列の良いところは、自分の観たかった映画をいちいち覚えていなくてもいいということだ。自分の希望はすべてオンラインで保存されているのだから。ある映画を観たいな、と思ったら(例えば私は「七人の侍」が観たかった)すぐにそれを予約列に加えておけばよいのだ。結局私は以前 Blockbuster でビデオを借りていた頃に比べて Netflix では古い映画をより多く観るようになっていた。そういう映画の方が最近のリリース物よりも傾向として良いものが多いようだ。
私がもはや Blockbuster に戻らない理由 -- それは第1に、映画をすぐに返却しなくても良いからだ。いつも私は何本かを手元に置いている。私はできるだけ私の予約列に様々の異なったタイプの映画を並べるように心がけているので、その時々の気分によって映画を選べるようになっている。例えば、「ソフィーの選択」を借りた時には何か月も観る気分になれなかったし、「猿の惑星」は届いたその日のうちに観てしまった。映画は、届いた順番に返却する必要もない。こうしたスケジュールの柔軟性は、従来のレンタル店ではどうやっても実現できないものだっただろう。
そして、DVD はとにかくビデオテープよりも優れている。画像の品質のことだけではない。DVD にはしばしば、劇場上映版には採用されなかったカットとか、監督や俳優のコメントとか、制作風景のドキュメンタリーとかの特別シーンが含まれている。映画をいつまでも好きなだけ手元に置いておけるので、そういう特別付録を観る時間の余裕もあるわけだ。また、地方によっては全部は放送されなかったテレビの連続番組、たとえば HBO の The Sopranos のようなものの何回か分を収録した DVD も、Netflix で観ることができる。さらに、小さな子供を持つ親にとっては(子供たちは同じ映画を毎日、一週間も続けて観たがるものだから)「返却期限なし」というのは何よりも嬉しいことだろう。
それでも難点はある -- Netflix は本当に看板に偽りのない良さを持っているのだが、それでも二・三の細かな弱点はある。まず、いつでもあなたの予約列の第1希望の映画が送られて来るとは限らないことだ。その映画が1ヵ月の間品切れなら、あなたは1ヵ月間待たねばならない。(Netflix は在庫ディスク総数 250万枚という巨大なセレクションを持っているかもしれないが、それでも個々の映画ごとの枚数には限りがあるのだ。)もちろん、_どうしても_今すぐ観たい映画ならば、劇場で観ればよいわけだ。どうしても繰り返し観たい映画は、私ならたいてい購入してしまう。いずれにしても、第1希望の映画が手に入らないかもしれないという点については、近所のレンタル店でも同じことだろう。
さらに、この種のモデルではどうしても避けられない問題点もある。欲しくなったものを今すぐに、というのは Netflix では不可能だ。(そこで、突然観たくなった映画は近所のレンタル店で、ということになるかもしれない。)Netflix を皆が使うようになれば地域産業の振興には役立たない。映画を借りる時に店員と雑談をして相談しながら、というわけにはいかない。ソーダ水とレンジでチン!のポップコーンとを映画と一緒に買って帰るわけにはいかない。でも、私にとっては、Netflix の便利さに比べればこれらの不便もまったく問題にならない程度のものだ。
おそらく Netflix の抱える最大の問題は、どんなに忠実な顧客であっても何年も続けていればいつかはこのサービスに飽きがくることがある、ということだろう。たいていの人にとっては観たい映画の数はおのずと限られており、好みの名画を全部観尽くした後では、限られた数の良質の新作だけでいつまでも顧客の興味を引き止めておくことはできないだろう。けれども、これから始めようという人にとってはそうした問題が起きるのは何年も先のことで、それだけの年数が経てば Netflix も何とかしてこの問題を克服しているかもしれない。
実際問題として、私自身は Netflix ではほとんど問題点に出くわしていない。もしも映画を返送してから4日以内に返事が届かなければ、ウェブサイトで返送したことを報告するだけで、次の映画がすぐに送られてくる。映画が到着しなかった場合も同じだ。また、繰り返し使用すれば、ディスクに傷が付くのは避け得ないことだ。一度私は損傷したディスクを受け取ったことがあったが、それも簡単にウェブサイトで報告できた。いずれの場合も、Netflix は追加料金なしで代わりのディスクを送ってくれる。
実際、サービス内容は単純明快で、起こりうる問題についてはすべてあらかじめ対策が完備しているので、私はカスタマーサービス窓口のようなところに苦情を言う必要に迫られたことも、苦情を言いたい気持ちになったことさえもない。ウェブサイトだけですべての用事が済む、そんなインターネット店舗やサービスというものには、私はこれまでここ以外には出会ったことがなかった。
映画界の明日を見据えて -- 今日では、ドット・コムのビジネスはすべて、この経済状況の中で今後も収益を上げ続けて行けることを人々に納得させられなければ生き残れないような情勢に見える。しかし、Netflix は多くのインターネットビジネスが陥ったのと同じ誤りを犯してはいない。Netflix の提供するサービスは人々が現にこれまで喜んでお金を払ってきた事柄(つまり映画のレンタル)であり、確固とした収入(毎年およそ7千万ドルの会費収入)を確保しており、そしてサービス内容は誰にでも非常に使いやすいものになっている。Netflix は個人の所有する会社なので収益内容を公開してはいないが、CEO の Reed Hastings 氏は会社が 2002年の第1四半期には大きくブレイクするだろうと予言している。
Netflix の興味深い点は、素晴しくデザインされたウェブサイトと先端技術の DVD 映画の配布メディアというハイ・テクの衣を被せて、その実は郵便局経由で封書を郵送するという基本的にロー・テクのサービスを飾りたてているところだ。確かに DVD 画像の品質は少なくとも数百回の上映後ならば劇場で観るものを上回るだろうし、さらにその他のボーナス内容も充分魅力的なものだろう。しかし、DVD ディスクが世界中の街角の Blockbuster 店頭に陳列して並べられている限り、それは単にビデオテープをちょっと高級にしただけのもの、1980 年代の配布方法のしがらみに囚われたままのものに過ぎない。Netflix こそは、DVD をこれらのしがらみから解放して新時代の映画の配布方法にまで引き上げ、あなたが観たい映画がいつでもあなたの手元に届く、という理想に一歩近づけてくれているのだ。おそらく数年後には、高品質のビデオがオン・デマンド、オンラインで楽しめる時代が到来するかもしれない。もちろんその時には Netflix もきっとそのビジネスで新たな活躍をしているのだろう。でも、その時代が来るまでの間は、私はこれからも、新着の映画が来ていないかと心をはずませながら、自宅の郵便受けを毎日開け続けることだろう。
[Alexander Hoffman は、仕事に使うマシンには絶対に自分個人のお金はかけないという主義の持ち主だ。最近では、結婚も間近に迫った彼と彼の婚約者とは、TiVo か Netflix かどちらを観たいか、どちらが二人の愛情を勝ち取るのか、という現在進行形の争いの目撃者になりつつある。(「ほらほら二人とも、喧嘩はやめなさい!」)]
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, , 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA