TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#650/07-Oct-02

数百人の Mac 及び Unix ユーザーが一堂に会したらどうなると思います?先週のO'Reilly Mac OS X Conference からの Adam の報告をご覧頂きたい。イベントの記事に加えて、Adam がいろいろなカテゴリ毎に Mac OS X の成績をつけた。皆さんはどう思われますか?今週のアンケートにご自分の評価結果を投票して欲しい!最後に、Adam の本 iPhoto Visual QuickStart Guide を買った人は今や、この本全部を PDF フォーマットでしかも無料でダウンロードできる。

記事:

Copyright 2005 TidBITS: Reuse governed by Creative Commons license
<http://www.tidbits.com/terms/> Contact: editors@tidbits.com>


本号の TidBITS のスポンサーは:


MailBITS/07-Oct-02

iPhoto Visual QuickStart Guide が PDF でも入手可 -- 私の最新の本である iPhoto 1.1 for Mac OS X: Visual QuickStart Guide をお買いになった方々は、今やこの本全部を PDF フォーマットでダウンロードできる。最初の電子版と同様、この時は Peachpit と私が印刷本が出来る前に Amazon 経由で出したのだが、すべての頁をブックマークし、目次と索引にある全ての項目をその行き先に対してリンクを取り、そしてすべての Web リンクとメールアドレスをクリック可能なものにした。この版で新しくなったのは、多くのカラーのスクリーンショット、そして旧版の半分のサイズである 5 MB に収めたことである。StuffIt アーカイブがある現在のダウンロードサイトの場所及びパスワード(そして将来の新版の案内)を入手するには、<get-iphoto-vqs@tidbits.com>.宛にメールを送ればよい(題名や本文に対する特別の書式はない)。もしこの本を Amazon かあるいはその他のオンラインサービス経由で購入したが本が到着する前にこの PDF 版をダウンロードしたいという人は、上記メールを送る際に私を cc にいれレシートをメールにペーストしてくれれば、私から直接パスワードをお送りする。最後にひとつお願いがある - もうすでに本を購入済で多少時間があるという方は、あなたの短い書評を Amazon に書込みして欲しい - そうして頂ければ本当に助かります。[ACE](カメ)

<http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0321121651/tidbitselectro00>


O'Reilly Mac OS X Conference 報告

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

先週開催された O'Reilly の Mac OS X Conference は、新規のメジャーな Macintosh 関係カンフェレンスとしてはここ数年来初めてのものと言えるだろう。指導的立場にある人々が Macintosh と Unix 双方の世界から集まり、Mac OS と Unix とを Mac OS X として混ぜ合わせてくれた Apple のおかげで一つ所に顔を合わせ、また同じ意味でさまざまの背景をもって寄り集まった数百人の参加者たちとともに、この第1回のカンフェレンスを成功させたのだ。私の感想を言えば、さまざまのセッションに参加し、講演者や聴衆と語り合い、いろいろの展示で一杯の狭い部屋を見て回り、そしていくつかの講演などもしたこの3日間はとても楽しかったし、触発されるところもたくさんあったのだが、一方では開催のやり方にちょっとまずい所もあって、もう少し何とかして欲しいと感ずることもいくつかあった。

<http://conferences.oreillynet.com/macosx2002/>
<http://www.macdevcenter.com/mac/osx2002/>

参加者たち -- 今回の参加者層がどんなものだったかを、主催者の Tim O'Reilly の言う「アルファ・オタク」のターゲット層という一言で片付けてしまうのはちょっと宣伝文句に頼りすぎというものだろう。現実はそんな宣伝文句よりももっと興味深いものだった。MacHack のようなカンフェレンスの常連たちも何人か顔を見せていたし、定評ある Macintosh パワーユーザーたちの面々も数多く講演者に名を連ねていた。けれども私の印象では、Mac OS X に興味があって参加したのだけれども自分はそれ以外の Unix をまだ使っている、という参加者たちも何人かいたようだった。大多数の参加者たちは、これら両極端の中間に位置する人たちだったのだと思う。第2日のキーノートの最中に Tim O'Reilly が聴衆に非公式の調査をしたのだが、聴衆のおよそ 75% が Mac OS X の前に Unix を使っていた人、という質問に手を挙げた。けれども彼が質問を変えて Mac OS X の前に Mac OS を使っていた人はと尋ねると、これまた同程度の人数の聴衆が手を挙げた。私はちょうどその時ステージの上にいて会場をよく見渡せたのだが、私の感じでは両方ともに手を挙げた人がかなり多かったと思う。後で聴衆の一人が言ってくれた「私は仕事場では Unix、家では Mac を使っています」という言葉がきっと状況を的確に言い当てているのだろう。また、自分はこれまでずっと NeXT ユーザーだった、という人さえも4・5人いた。かくも大多数の NeXT ユーザー人口がこのカンフェレンスに代表となって参加してくれたのは、嬉しいことではないか!

参加者たちの技術的水準は高かった。例えば Macworld Expo などとははっきりと違っていた。私が特に印象深かったのは、Unix の世界から Mac OS X にやって来た人たちの技術の高さだった。彼らは明らかに Mac OS X を気に入ったようだったが、彼らの使うデスクトップに開くウィンドウはほとんどが Terminal のウィンドウばかりで、Finder とか他のアプリケーションとかのウィンドウはあまり無かった。これは、あまり驚くには当たらないのだろう。思うに、自分で Unix ユーザーだと称するような人たちは、ネットワーク管理者か、プログラマーか、科学者か、というような人たちであって、そういう人たちはそのパワーと柔軟性のために Unix を使っているのであり、Mac OS X-ネイティブのプログラムも、彼らにとっては Unix に置き換わるものではなくて単なる追加の能力に過ぎないのだから、と言っても過言ではないのだろう。

奇妙なことに、こういう Unix 出身の人たちの多くは、自分のラップトップ機にさまざまのステッカーをベタベタと貼って飾り付けていた。これは伝統的な Macintosh ユーザーにはまず見られないことだろう。どうやらこういうステッカーは、ラップトップ機のロゴを隠すために貼られているらしい。こういう Intel-パワーのコンピュータは普通 Unix でなく Windows を走らせているため、そうした PC ベンダーの広告塔にはなりたくない、という気持ちが働くのだろう。伝統的な Macintosh ユーザーたちならば Macintosh の広告塔になることに何の抵抗も感じないのが普通なのとは対照的ではないか。

キーノートとセッション -- 会期のうち2日間だけ、ごく少数のベンダーが展示テーブルを設けていたが、カンフェレンスの主眼はあくまで講演とセッションだった。初日は長々しいチュートリアルが続き、あとの3日間は毎日1つのキーノートで始まり、その後はぎっしり詰まったセッションの予定が続く、というスケジュールだった。

Mac OS X にフォーカスを置いた最初のカンフェレンスにふさわしく、キーノートはいずれも歴史と背景に主眼を置いたものだった。最初のキーノートは Tim O'Reilly による簡潔な講演で始まり、これはパラダイム・シフトとは何か、それから彼自身が Mac OS X のどこを好むか、という話だった。続いての David Pogue の講演は聴衆全員を連れて Macintosh の歴史を楽しく旅して回り、最後はちょっと楽観的過ぎるとも思える将来予測で終わった。第2日のキーノートの中心となったのは Apple 社の Jordan Hubbard で、Unix の歴史について語った後に、Mac OS X こそが Unix 世界がデスクトップに確固とした地位を築くための最良の道である、という見通しを述べて締めくくった。続いて Jordan と Tim、それに O'Reilly 社の編集者の Derrick Story と私、というメンバーで、Macintosh と Unix 両世界の収束する方向、というテーマでパネルデスカッションを行なった。第3日には、Apple 社の元社員の Wilfredo Sanchez Vega が Darwin プロジェクトの起源について講演をした。

Unix ユーザーに Macintosh の歴史を教え、Macintosh ユーザーには Unix の歴史を教える、というのはカンフェレンスの目的に即したものだったかも知れないが、ちょっと無理やり取って付けたような気がしないでもなかった。そもそもこのカンフェレンスに出席するような人々の多くは長い間コンピュータ業界にいる人々であって、歴史についてもたいていのことは知っているだろう。それでも、講演の素晴しさのおかげで退屈はせずに済んだ。David Pogue は、やはり何と言っても Mac 世界の最高のパフォーマーだ。(彼は、Apple が Newton プロジェクトをキャンセルした後、Newton グループの人たちが何千もの Newton モデムをドミノのように並べあげてから見事なドミノ倒しをやってみせる、という非公式ムービーを見せてくれた。これは傑作だった。)また、Unix の歴史の生き証人とも言える Jordan Hubbard のような人たちの口から直接語られる歴史の話は、他では決して味わえない生き生きした実感を伝えてくれた。

O'Reilly は、多数のセッションを9つに区分した。Mac OS X 全般、プログラミング、マルチメディアと iアプリ、Unix、ユーザーインターフェイス、サーバとネットワーク、ハードウェア、新規課題、各種製品とサービス、の9部門だ。私はこの区分けに少なからず不満を感じた。聞きたい講演がぶつかってしまうこともしばしばあったし、内容が多岐にわたりすぎていてカンフェレンス全体がちょっと散漫に思えることもあった。

とは言っても、私が聴いた講演はほとんどが素晴しいものだった。特に Stuart Cheshire の Rendezvous 概観に関する講演と、Matt Neuburg の Mac OS X での自動化に関する講演とが良かった。あまり良くなかったものと言えば、Mac OS X の使用感を拡張するためのテクニックやユーティリティを探そうと試みているらしいセッションが2つあった。けれども一方は結線回りのハードウェアの問題点のためにプロジェクタがうまく動かず、また両者とも Unix コマンドラインのユーティリティとそれに関連したテクニックを使うことのみに終始していた。Mac OS X に関して Macintosh ユーザーと Unix ユーザーの間のギャップがこれほどはっきりと際立ったことはなかっただろう。私としては、講演会場の後ろの方の席で目を細めて、投影された Terminal ウィンドウの中に浮かぶ豆粒のようなモノスペースフォントの文字を解読しつつ、4行のシェルコマンドを講演者が説明するのを聴くのは、退屈を通り超して苦痛でしかなかった。Unix のデモって、酷いものだ。けれども、私の周りに座っていた人々の反応は明らかに違っていた。Mac OS X の Unix ベース部分に習熟している人たちにとっては、 Unix 的なテクニックが素晴しい魅惑的なものに映ったようだ。O'Reilly もこうしたセッションの説明方法にもう少し工夫をしてくれれば良かったのにと思う。

もっと残念だったのは、セッションの各講演にたった 45 分ずつしか割り当てられていなかったことだ。これでは時間が短すぎる。私が会って話すことのできた講演者たちはほとんど例外なしに、時間不足のために内容を大急ぎでこなさなければならなかった、どんなに急いでも質問のための時間はほとんど残らなかったと不満を述べていた。何人かの講演者たちは、時間内におさめるために講演内容の一部を削らなければならず、内容に深く突っ込んだ話にする予定が単なる概観の講演に化けてしまった、とさえ言っていた。やはり、O'Reilly はあまりにもたくさんの講演を比較的短い会期の中に押し込めすぎたのだと思う。講演の数をもっと少なくして個々の講演の時間を伸ばしていたら、内容の多様性は減っただろうが、一方で参加者に伝わる内容の質と応用度とはきっと増すことになっただろうと思う。

ワイヤレスのコミュニティー -- 私にとって、カンフェレンスの重要な意義の一つは、出席した人たちと直接話が出来るということだ。会場のホテルの中二階レベルにはテーブルと椅子が用意してあり、何より重要なバッテリ充電用の電源タップと、O'Reilly のネットワーク管理者が用意してくれたインターネット接続用のワイヤレスネットワーク環境とが完備していた。インターネットに接続した Mac を備えた部屋も Apple が用意してくれていたが、そちらはあまり利用者が無かった。皆、ワイヤレスネットワークを利用して共用エリアにワイワイと集まる方が好きだったのだ。

O'Reilly の技術者の Cliff Skolnick と Rob Flickenger はなかなか良くやってくれたのだが、ワイヤレスのネットワークは結構問題があってイライラさせられ、結局彼らが突き止めたのは、問題の根源が Mac OS X 10.2.1 のネットワークスタックに関するバグにあるということだった。どうやら、ワイヤレスネットワーク上の1つのマシンがいわゆる“promiscuous モード”(これは tcpdump とか ngrep のような Unix ユーティリティ、あるいは EtherPEG のようなネットワーク・モニタリングツールを実行する時に使われる)を Jaguar 内蔵のファイヤウォールの下で使っていると、ネットワーク上の他のパケットが落ちてしまうことがあるらしい。このことは古参の Macintosh ネットワーク専門家の Peter Sichel(IPNetRouter の著者)によっても確認され、回避方法もすでに提唱されている。Peter によればこれは BSD のネットワークスタックの問題点であるのでワイヤレスでないネットワークでも起こりうるということだ。ぜひ、Apple には早急にこの問題点を修復して欲しい。

<http://www.oreillynet.com/pub/wlg/2086>
<http://www.etherpeg.org/>
<http://www.oreillynet.com/cs/user/view/cs_msg/10249>

明日に向かって -- Cliff と Rob が彼らの発見したネットワークのバグの説明とデモを終えたすぐ後、私はカンフェレンス会場を出て、San Jose にある Harker 校に向かって車を走らせなければならなかった。Harker は私立の高等学校で、私はそこで講演を依頼されていたのだった。この学校でコンピュータサイエンスの教員をしている Robb Cutler は長年の TidBITS 読者で、私が彼の学校からほんの数キロの場所にあるカンフェレンスに来ると知って、TidBITS について、また強烈なテクノロジーのプレッシャーのるつぼであるシリコンバレーとは離れた所におけるコンピュータ業界での暮らしについて、彼の生徒たちに話をしてもらえないか、と頼んでくれたのだ。生徒たちを前にして、何とか私は楽しくてためになる話ができたと思う。題材となる話題は、何年か前に私が TidBITS-527 の記事として書いた“TidBITS 10 年の教訓”から選んでみた。

<http://www.harker.org/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05899>(日本語)TidBITS 10 年の教訓

あまり準備をする時間が無かったにもかかわらず、(あるいは準備をしていなかったからこそ、と言えるかも知れないが)なかなか得難い経験ができた。大学の新入生がどれだけのことを知っているかをリストした“The Beloit College Mindset Lists”を私はこれまで真面目に考えたことはなかったが、TidBITS の歴史を説明し始めた途端にこのリストの意味が重大なものとなって私の中に浮かび上がってきた。何しろ、聴衆の高校生たちは TidBITS が始まった 1990 年にはまだおムツが取れるか取れないかという頃だったのだ。それに、私の話に登場する重要な点のうちいくつかは、きっと彼らには見たことも聞いたこともないようなものだっただろう。例えば Robert Morris, Jr. のインターネットワームとか、IBM メインフレーム機、それからウェブ無しのインターネット、というようなものだ。

<http://www.beloit.edu/~pubaff/mindset/>

それでも私は、生徒たちの利口さと、興味を示してくれる鋭さとに、非常に感銘を受けた。彼らは同年代の子供たちすべての代表とは言えないかも知れないが、それでもこれだけの知性と好奇心に溢れた彼らなら、我々も安心して未来のための投資を彼らに託すことができる、という手応えが、はっきりと感じられた。今日、あらゆる分野において、すべての人の生活をより良くしてゆくために必要な革新的なイノベーションを、醜い政治や、ビジネスや、社会の現実が妨げることは決してあってはならない、という私の信念を、改めて強く感じさせられたのだった。

PayBITS: Adam の記事は次回の O'Reilly Mac OS X カンフェレンスに出席するかどうかの判断のために、価値のあるものでしたか?
<https://www.paypal.com/xclick/business=ace%40tidbits.com>
PayBITS の説明 <http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/paybits-jp.html>


Mac OS X 成績表: 2002 年 10 月

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: 倉石毅雄 <takeo.kuraishi@attglobal.net>
訳: 佐藤浩一 <koichis@anet.ne.jp>
訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@earthlink.net>

先週の O'Reilly Mac OS X Conference で、私は Mac OS X を様々なカテゴリで評価する発表を行った。原稿は TidBITS Talk の場で話し合ったが、最終版はここで公表したいと思う。今までに、Jaguar どころか、Mac OS X 全体についての評価を行ったこともないので、適当とあれば前のバージョンをも含めている。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=1760>

安定性 -- Mac OS X への変換で一番謳われたのは Mac OS 9 に比べての素晴らしき安定性だった。全体としてみれば、この点においては Mac OS X は期待を裏切っていない。何週間も再起動なしの使用に耐えうる。アプリケーションはクラッシュするかもしれないが、Mac OS X は全く動じることなく対処し、ユーザが中断無しに働きつづけることを可能とした。しかし逆に、Mac OS X はネットワーク関係の問題や作動が不安定と思えるハードウェアに敏感で、特に故障している USB 機器では突発的で解明に苦労する問題が起こる(もし Mac OS X が頻繁にクラッシュやフリーズしているようであれば、違うマウスやキーボードを試してみると良い)。様々ある Unix では、ユーザが頻繁にネットワークを変更したり、ネットワーク設定に妙な変更を加えたり、多種の機器を挿し込んだり抜いたりするといった状況に面することは少なかった。だが、Apple はそのような予想外のネットワークやハードウェア問題に対しての Mac OS X の耐性を増すよう、努力する必要がある。

成績: B+

インターフェース -- Mac OS X において、今までの見た目や使用環境から決別するという Apple の決断は Macintosh ユーザの間での限りない困惑の原因となった。しかし興味深いことに、Unix から Mac OS X へ乗り換えた人達はその変更になんら戸惑わなかったという話を聞いた(パネル討論では、Tim O'Reilly は昔に Mac から Windows へ切り替えた者として、Mac OS X の方が Mac OS 9 より遥かに使いやすいと主張していた)。しかし、Apple の決断のいくつかはユーザインターフェースの観点からすると、非常に怪しいものがある(例えばウィンドウの重ね方に関する Mac OS X の統一性のない方法など)。どうあがいても、ユーザインターフェースに関して言えば、ただ単に違ったものにしたいが為に変更を加えるのは間違いの元だ。なぜなら慣れはどのようなインターフェースでも大事な面なのだから。また、Apple は皆が期待するだけの数のオプションを提供していない(例えば、Dock を完全に切ってしまう方法など)。しかし、Apple は正しい方向へ向かっているようだ。Jaguar では、Finder のタイプしての選択などの多くの修正が加えられた(Open and Save ダイアログは今だに使い勝手が悪く統一性のない膿んだ腫れ物同然だが)。そして、頑固なユーザは賛同しないかもしれないが、Mac OS X はいくつか有り難い変更をももたらしている。例えばコラムビュー、Finder ツールバーの検索フィールド、そして(私のお気に入りの)Desktop 上のアイコンを日付順に並べる機能だ。インターフェースデザインの面に関しては Apple が解決しなくてはいけない課題はまだ山積している。

成績: B-

性能 -- Unix への移行で性能が向上するとの Apple の主張にも関わらず、Mac OS X のスピードは期待はずれだ。250 MHz の PowerBook G3 では 10.0 があまりにも遅かったため、Mac OS X がアプリケーションの終了に手間取っている間に再起動が時間切れしてしまうこともあった。10.1 では大きな改善が見られ、多くの人々にとって Mac OS X を使用に耐えうるものとしたが、それでも Mac OS 9 に比べては遥かに遅かった。前バージョンに比べ、Quartz Extreme がサポートされたビデオカードにグラフィック関係の仕事を任せている分、Jaguar はさらに改善されているはずだった。しかし、特に古いハードウェアではあまり変化は見られない。ユーザからは Mac OS 9 に再起動すると反応が良くなる分、まるで新しいコンピュータを試用している気がするとの報告が未だに入ってくる。プラスの点としては、アプリケーションがビジーでもシステムの反応が鈍くなりはしない点がある。虹のカーソルが現れたら他のアプリケーションへ切り替えるのは何ら問題ない(賢いことに Jaguar ではバックグランドの忙しいアプリケーションのウィンドウの上へマウスを動かすとこのカーソルを表示するので、タスクが終了したかどうか一目で分かる)。Mac OS X でもっと有り難い物がある:ラップトップのスリープからの瞬間的起動だ。性能の面では Apple は改善の余地がある。多くの古い Mac がまだ正式にサポートされており、十分使用に耐えることを考えれば、より速いハードウェアを出すことで誤魔化さない事を勧める。

成績: B

互換性: Mac OS 9 -- Apple は、多くのユーザがいまだに Mac OS X 用にアップグレードされていないアプリケーションを使用していることからも、Classic 環境が Mac OS X の成功のためには重要な鍵であることを認識していた。Classic は速くて安定している。Classic とネイティブなアプリケーション間の情報の貼り付けに関する初期の問題はほぼ解決された。Classic の醜い点と言えば、ハードウェアに何らかの形で接する必要のあるアプリケーション(モデムを使用するクレジットカード認証用ソフトなど)と、QuarkXPress などのいくつかの顕著な例外だけだ。改善の余地はあまり残されていないが、あるとすれば、Connectix の Virtual PC が PC セッションを状態を保存できるのと同じような機能だろうか。

成績: A-

互換性: Windows -- 昔から Mac OS X は PC 形式のディスクを読むことが出来たが、Mac OS X では SMB ファイル共有の内蔵サポートのおかげで Windows との互換性がさらに増した。ファイル名拡張子はインターフェースの視点から言えば後退ではあるが、Windows ユーザとファイルを共有する時の問題を少しは減らせる。そして第三者のディベロッパーの業績で Apple を誉めるのも公平ではないが、Connectix の Virtual PC、Netopia の Timbuktu、Microsoft の Remote Desktop Connection Client、そして Thursby のリリースされたばかりの DAVE 4.0 など、どれも Mac OS X と Windows との互換性を向上させる。これらについて個人的な体験はないので何とも言えないが、Mac OS X が大きな Windows ベースのネットワークで働く際の苦情はいまだにある。これから Apple がこれらの問題の解決に努め、Windows からの切り替えユーザが楽に乗り換えられるようすることを期待している。

<http://www.connectix.com/products/vpc5m.html>
<http://www.netopia.com/en-us/software/products/tb2/mac/>
<http://www.microsoft.com/mac/products/rdc/>
<http://www.thursby.com/products/dave.html>

成績: B+

互換性: Unix -- 報告によれば、Mac OS X の心臓部に当たる Unix コアについて、Apple はおおむね良い仕事をしたということだ。Mac OS X に乗り換えた有名な Unix デベロッパーやユーザたちの数もこのことを支持している。Fink パッケージマネージメントシステムは、様々な種類の Unix アプリケーションを Mac OS X にインストールしようと考えている人たちに好適との定評を得てきたし、コマンドラインあるいは X Windows System を使用するアプリケーションの入手のしやすさは異論のないところだろう。しかしながら、Windows と同様に Mac OS X は大規模なネットワークにおいてはうまく役割を果たせないかもしれない。会議の出席者の一人は、Mac OS X では NFS のファイルロッキングがサポートされていないし、automount はいくつかの問題と制限を抱えていると語った。さらに、Apple が Mach マイクロカーネルに依存することに賛成できない人たちは、数年前にあった Mach の長所のほとんどが今までになくなってしまっているし、Mach に依存することにより FreeBSD からの変更を統合することが Apple にとって重荷になると主張している。

<http://fink.sourceforge.net/>

成績: A-

互換性: ハードウエア -- Mac OS X でのハードウエアのサポートは、印刷さえ満足にできない初期の頃と比べれば、だいぶ改善されてきたことに疑う余地は無いだろう。 Apple は定期的に Software Update を使って新しい機器に対するドライバを提供しているし、メーカーもある程度古い機器のドライバを作成してきた。しかしながら全体的なサポートの評価は、最近の機器で問題なく使えるものに対してでさえ良くて普通、SCSI などのいくつかの分野ではさらに遅れている。最初、私はプロ用オーディオ機器もこの遅れている分野に含まれるとしていたが、会議に出席していた Berklee College of Music の Apple Master である David Mash 氏はその評価と反対の意見を持っているという。残念ながら TidBITS の技術担当編集者であり、またプロのミュージシャンとしてMac OS X で使えるプロ用のオーディオ機器がなかなかみつからないと繰り返し嘆いている Geoff Duncan を引きあわせることはできなかった。[プロ用オーディオに Mac OS X を使うのは、まるで夜中に懐中電灯だけを使って料理をするようなものだよ。 -Geoff] 最後に、標準ではないハードウエアと質の悪いカーネル機能拡張は Mac OS X の安定性に大きな悪影響を与える。Apple はこの分野でもっと努力が必要だ。古い機器を無視するなどということは容認できない。

成績: C+

セキュリティ -- Mac OS 9 までは、自慢のセキュリティは意図したものではなかったものの、セキュリティが問題になることはなかった。これに対し、Mac OS X は数多くのインターネットサービスを内蔵しネットワーク機能を提供するため、避けられないとはいえその点で一歩後退してしまった。幸いにも、それらの機能はすべて標準でオフになっている。初期のセキュリティ問題に対する Apple の反応は満足できるものではなかった。対応策のリリースは遅く、Apple からのアナウンスも伴なっていなかった。これはもう過去のものと言って良いだろう。Software Update と Apple の製品セキュリティメーリングリストおよびウェブページの組み合わせは最近申し分なく機能している。Apple ではさらに、Mac OS X のファイヤーウォール設定を公にすることがセキュリティの問題になりかねないことを一般のユーザに対してさえ認めた。それでも、もっと複雑な設定に対して Brickhouse のユーティリティをまだ有効に使うことができる。セキュリティを維持する作業は継続されていくことだろうが、Mac OS X 10.1.5 のセキュリティーホールを Apple がどのように処理するかという疑問は残る。無料でないため Jaguar にアップグレードしなかったユーザは必ずいるはずだ。

<http://www.info.apple.com/usen/security/security_updates.html>
<http://personalpages.tds.net/~brian_hill/brickhouse.html>

Grade: B+

成績: B+

ソフトウエアの広がり -- Macworld Expo の基調講演で Steve Jobs 氏は、毎回ありそうもない数のアプリケーションが Mac OS X 用に作成されたとアナウンスしている。細かいことはさておき、Apple は多様なソフトウエアの Mac OS X 版を登場させることに成功した。古いアプリケーションは Classic でサポートされ、新しいアプリケーションは Carbon や Cocoa を使って作成でき、良く出来ている Java 仮想マシンにより Java ベースのプログラムを実行できるようになり、そしてもちろん多くの Unix アプリケーションが Mac OS X 用に再コンパイルされてきた。これは結局、優秀なネットワーク関連のツールやサーバ、生産性をあげるアプリケーション、そしてユーティリティがサポートされるということだ。しかしながらすべてがバラ色ではなく、ゲーム、教育用ソフト、そしてコンテンツを集中的に用いるアプリケーションはまだ Windows 用しかリリースされていない。なぜなら、Windows のユーザ数のほうが多いからだ。 Apple がすぐにも爆発的にシェアを広げるとは考えられないため、残念ながらこの状況は変わりそうにもない。Windows から Mac OS X への移植がそれほど難しくなく、そのためたくさんの会社がそのプロセスを引き受けてくれることに期待したい。

<http://www.apple.com/macosx/applications/>

成績: B+

マニュアルとヘルプ -- Apple のマニュアルは企業の中で高い評価を受けていたものだが、Mac OS X に付属する紙のマニュアルは、使い始めるにあたって読むだけの、あまりにもそっけない小冊子だけだ。すべてのマニュアルはオンライン化してしまい、カタツムリのように遅い Help Viewer (実のところは若干カスタマイズされたウェブビューワ) で見るしかない (Jaguar でのおまけ: Help Viewer にキーボードショートカットが付いた。Command-[ で「戻る」ボタンに対応する)。バルーンヘルプと Apple Guide は無くなってしまった。これは、優秀なヘルプを書いたのがごく少数だったため、 Apple に Mac OS Xへそれらを搭載しようとする気を起こさせなかったメーカに非があったと言えるかもしれない。 Help Viewer の中身はこれもまた平凡なものだ。技術文書が役に立つためには、ユーザの質問に回答したり必要とするものを先取りする視点を持つべきであり、また存在する問題は正直に認め、文書の内容は詳細を網羅したものでないといけない。Apple の Knowledge Base にあるより専門的な技術情報の方は良くできているし、また印刷されたものやウェブ上のものなど、種々出ているサードパーティのマニュアル本はユーザーにとっては非常に助かるものとなっている。頑張れ、Apple。まだこんなものではないはずだ。

成績: C-

トラブルの解決 -- Mac OS X は、Mac OS 9 とは全くの別物であり、また恐ろしく複雑だということに疑問を呈する人はいないだろう。この二つの事実は、長い間 Mac を使用してきた多くのユーザが築き上げてきた知識の宝庫を無意味なものにしてしまうという状況を生み出し、結果として Mac OS X で問題を解決するのをさらに難しくしている。困ったことに、この状況は Mac OS X の設計手法による副作用である。例えば、マルチユーザシステムであるが故に、現ユーザで削除できないファイルがゴミ箱に入れられた場合、権限のエラーが発生し混乱してしまうというようなことだ。なんとかこれらの問題を埋め合わせることといえば、Mac OS X はユーザをシステムからさらに効果的に切り離していること (例えば、Finder を削除させにくくしたりファイルを System Folder にセーブできなくさせるなど)、そして、Mac OS X が提供するロギング機能はさらにすばらしいもので、クラッシュを突き止めるのに役立つということなどである。また、Mac OS X の安定性にはとても助かっている。アプリケーションがクラッシュしても再起動するのを待ったり問題の解決を図ろうとして今までの作業結果を失うことがなくなるということだからだ。この分野には明らかに改善の余地があるが、さらに複雑になってしまうことは防ぎようがなく、Apple はトラブルが表面に出ないようさらにしっかり作業をする必要があるだろう。

成績: B-

柔軟性 -- Mac OS 9 の良さの一つにかなり突っ込んだカスタマイズが可能であることがあげられた。これをやるには、オペレーティングシステムに組み込まれたオプションを使ってのものと、オペレーティングシステムの見栄えや動作方法を変更してしまうサードパーティのユーティリティを使うものとがあった。この柔軟さを利用して Apple 自身が機能を加えた例もある。それは、元々は独立のユーティリティから発したメニューバークロックやウィンドウシェード機能などである。しかし残念ながら、これらのユーティリティはシステムを不安定にさせる可能性を秘め、そして最悪の場合は、お互いに衝突を起してしまうことがあった。Mac OS X では、安定性を優先させるためオペレーティングシステムに入り込むためのこれらの取っ掛りを無くしてしまった。安定性の大事さは良くわかるが、これらの柔軟性を失うのはやはり悲しいものである。プラス側では、Mac OS X の多ユーザ−対応機能があげられ、一台の Mac を共有して使う人たちが自分固有の環境を維持していくのを楽にしてくれた。設定ファイルはパワーユーザーが調べたりいじったり出来る標準化されたフォーマットに出来そうに思う。そして、ResEdit 経由ではなく、コマンドラインから出来る微調整も多少ある。ここでは Apple には微妙な舵取りが要求される - 更なるオプションそしてオペレーティングシステムに修正が出来るよう開かれたものにするというのは価値のあるゴールではあるが、これらは安定性を犠牲にせずなし遂げられなければならない。

成績: B+

プログラミング性 -- Apple がある日 HyperCard はどうもへんな匂いがすると自分で思い込んだ時から、同社は、ユーザーが Mac を使って自分固有のアプリケーションを作れるのだという印象を与えるの避けてきた。これはとても残念なことだった。というのもユーザーにプログラミングツールを与えるというのは大げさかもしれないが初期の人類に火を与えるのと似ているからである。しかし、ありがたいことに、Mac OS X の登場と共に Apple は考えを変えつつあるように見える。同社はデベロップメントツールを無償にし数多くの異なるプログラミングの対象を提供するようになった。もはや誰も Classic アプリケーションを書くべきではないが、デベロッパーは Carbon, Cocoa, Java, そして Unix の中から選択が可能である。更に、新しい AppleScript Studio を使えば、デベロッパーは AppleScript を使って真の Cocoa アプリケーションを書くことが出来る。サードパーティもこの動きに弾みをつけてくれている、その例として Runtime Revolution、Java に注力した Tekadence Magik、そして良く知られた REALbasic などがある。(REAL Software によれば、次期バージョンは Mac のみならず Windows でも動くようになるというから、REALbasic を使って書かれるアプリケーションの数も増えるであろうし、そしてその結果、Windows アプリケーションで Mac でも動く様にされたアプリケーションの数も増えることになるであろう。)それでもやはり気になるのは、Apple がいまだに HyperCard はへんな匂いがすると思い込んでいることと、Applescript を変に忌み嫌う社風を醸しだしてきたのではないかということである。その結果、Apple 自身のアプリケーションで AppleScript をサポートしているのはごく少数である。とりわけ気に障るのは、Cocoa アプリケーション(iPhoto のような)では、コンパイルする時に単にあるチェックボックスを選択するだけで AppleScript サポートに必要な作業の 95% は出来てしまうという報告もあるのにである。そして、もし AppleScript サポートを加えておけば、プログラムのテストを自動化する手助けにもなるというのに!このようなことを脇に置いたとしても、自社の固有の技術を自分自身がサポートしないというのは、とりわけその技術が AppleScript のようにワークフローを自動化するのに有益な技術である時に、Apple は心底馬鹿であるとしか思えない。

<http://www.apple.com/applescript/studio/>
<http://www.runrev.com/>
<http://www.tekadence.com/>
<http://www.realbasic.com/>
<http://www.realbasic.com/corporate/pressreleases/RbWinAnnounce.html>

成績: A-

国際化 -- Apple の市場の約半分は北米以外であり、Mac は他言語サポートに関しては良い歴史を残している(多くはそのアジア言語にビットマップフォントを使用しているお陰で)が、Mac OS X ではさらに大幅に改善したと報じられている。Mac OS X の内で数多くのローカリゼーションの中から選択が出来、入力方式も Mac OS 9 の時よりも多く提供されており、そして異なる言語に対しても良好な Unicode サポートを提供している。弱点としては、多くのアプリケーションがこの利点を生かしきれていないことがあげられる。つまり一例をあげれば、PC 上でギリシャ語フォントを使って作られた Word 文書は、Mac OS X 上の Word X に対して正しくは移送されない。その他、ファイル名が文字セットの混じったものであった場合 Terminal でのアクセスに関して問題があるという苦情も上っており、また、キーボードが変った場合キーボードショートカットが使いづらいという嘆きもある。しかしながら、全体的に言えば、Apple はいい仕事をしており、あとはこれら弱点を補うため今後も努力を惜しまないことである。

成績: A-

総合成績 -- 総合成績を決めるのに私の個人的な重み付けをするよりも、もっと単純に、文字で表現された成績を 1 から 15 (F- から A+) の数字に変換し、それの平均を出し、そしてそれを文字成績に戻す作業を行った。その結果は?確固とした B であった。これは私の感覚とも合っている。Apple はよくやった(この成績も Jaguar の前であったら間違いなくもっと低かったろうし、Mac OS X 10.1 の前だったらもっと低かったであろう)。しかしながら、我々のように長年 Mac を使ってきた者にとって明らかなのは、Apple にはその中心部にまだまだやらなければならないことが沢山残されていることである:性能、インターフェース、安定性、ハードウェア対応性、そしてドキュメンテーションである。私個人としては、Apple の仕事振りに対して次に成績をつけるのを楽しみにしている、多分一年後あたりとなろう。

成績: B

さて、皆さんは私の評価をどう思いましたか?私が上でやったように、カテゴリー毎に成績をつけて、それから私がやったように平均を出して、どうなるか見てみて欲しい。その上で、我々のホームページのアンケートにその総合成績を投票して欲しい - 統計学的には正確ではないであろうが、TidBITS の読者層が Mac OS X をどう評価するのか私は大変興味がある。一つお願いしたいのは、フェアに評価して欲しいことである - 評価軸の両極端に裏付けもなく評価するのはとりわけ有益でない。

<http://www.tidbits.com/>

PayBITS: 今後も Apple の仕事ぶりをきちんと評価できるよう、TidBITS をサポートして頂けませんか? あなたもぜひご寄付を!
<http://www.tidbits.com/about/support/contributors.html>
PayBITS の説明 <http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/paybits-jp.html>


tb_badge_trans-jp2

非営利、非商用の出版物およびウェブサイトは、フルクレジットを明記すれば記事を転載またはウェブページにリンクすることが できます。それ以外の場合はお問い合わせ下さい。記事が正確であることの保証はありませ ん。書名、製品名および会社名は、それぞれ該当する権利者の登録商標または権利です。TidBITS ISSN 1090-7017

Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA