TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#655/11-Nov-02

新しいハンドヘルドを探している?Palm の Tungsten T はその小さいパッケージに実に多くの機能を収めている。Jeff Carlson の記事を読まれたし。加えて、Adam は PayBITS の実験がこれまでのところどんな結果を生んでいるかについて報告する。ニュースの部では、Apple からの SuperDrive 付き Power Mac に関する重要なアップデートの発表、SuperDrive と 1 GHz CPU 付きの新型 PowerBook G4、小幅な改善だが値下げされた iBook の発表についてお知らせする。また今週は、Eudora 5.2 と ListSTAR 2.3 のリリースがあった。

記事:

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MailBITS/11-Nov-02

Mac OS X 10.2.2 リリースされる -- Apple は Mac OS X 10.2.2 アップデートを今日遅く Software Update 経由でリリースした。これには多くのバグ修正、Apple の組込みのプログラムのみならず第三者のアプリケーションのための改良、ネットワークの強化、そして他のデバイスに対する対応の強化が含まれている。(Apple の KnowledgeBase の記事には関係する項目のリストが示されている)。Mac OS X 10.2.1 から 10.2.2 への移行のためのアップデートは 24.4 MB である;これとは別に、10.2 からのアップデートのためにはコンボアップデートが用意されている(但し、このプレスリリース時にはまだ、どちらのアップデータも個別のダウンロードとしては Apple のソフトウェアダウンロードページにはのせられていなかった)。[JLC](カメ)

<http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=107140>
<http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=107141>
<http://www.info.apple.com/support/downloads.html>

Apple、Power Mac SuperDrive をアップデート -- Apple は、従来型の SuperDrive 付きの Power Mac G4 コンピュータのための(Apple の無味乾燥なモデル認識名称を使って言えば、Digital Audio, Quicksilver, 或いは Quicksilver 2002 モデルが含まれるが、Mirrored Drive Doors モデルは含まれない)重要なアップデートを発表した。この Power Mac G4 SuperDrive Update は、新型の 4 倍速 DVD メディアを使った時ドライブがオーバーヒートする可能性のある問題を修正している(更なる詳細については、TidBITS-653 の "Apple が重要な iMac SuperDrive アップデートを発表" を参照)。このアップデートは現在のところ Mac OS X 下のみのものしか出されていない;Apple によれば、Mac OS 9 バージョンももうすぐ発表の予定だという。[JLC](カメ)

<http://www.apple.com/hardware/superdrive/>
<http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=120166>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06969>(日本語)Apple が重要な iMac SuperDrive アップデートを発表

Apple、Titanium と iBook を強化 -- ホリデーショッピング狂騒に合わせて、Apple は Titanium PowerBook G4 と iBook の商品ラインをアップデートした。新型 PowerBook G4 は、Combo DVD-ROM/CD-RW ドライブか、初めてのスロットローディング型の SuperDrive (DVD-R/CD-RW) かのどちらか、ATI Mobility Radeon 9000 グラフィックプロセッサ、そして 867 MHz か 1 GHz で動作する PowerPC G4 シングルプロセッサを提供している。最上位機種である 1 GHz モデルは、SuperDrive と AirPort(日本では AirMac)カード、それに 512 MB の RAM、60 GB のハードドライブ、64 MB の DDR SDRAM グラフィックメモリが付いて $3,000 であり、一方、867 MHz モデルの方は値段が $2,300 に下がった分、Combo ドライブ、AirPort カードはオプション、RAM もたったの 256 MB、40 GB のハードドライブ、そして 32 MB の DDR SDRAM グラフィックメモリ付きとなっている。一方で、Apple は今や AirPort カードを標準装備としたのは興味深いのだが、Titanium PowerBook G4 のワイヤレスネットワーク上でのどうしようもない到達範囲の改善については一言も触れていない。いずれにしろ、この 1 GHz モデルでの性能強化は、ラップトップしか使わないという人にとっては、以前はデスクトップ Mac にしか付いていなかった SuperDrive のようなオプションをあきらめないですむより魅力的な選択肢が増えることになる。867 MHz モデルは直ちに入手可能であるが、1 GHz モデルの方は 11月中旬になるという。

<http://www.apple.com/powerbook/>
<http://www.apple.com/pr/library/2002/nov/06pbg4.html>

iBook の方の変更はそれほど大幅ではないが、もちろん歓迎すべきものである。Apple はプロセッサ速度を上げたので、700 MHz か 800 MHz の PowerPC G3 プロセッサ付きの iBook を買うことが出来る。他には、ATI Mobility Radeon 7500 グラフィックコントローラを加え 16 MB か 32 MB の RAM 付きとなっている。値段も下がり、小型の 12.1 インチスクリーン、700 MHz PowerPC G3, 128 MB の RAM, 20 GB ハードドライブ、それに CD-ROM ドライブ付きで $1,000 である。さらに $300 出せば次の上位モデルが買え、800 MHz PowerPC G3, 30 GB ハードドライブ、そして Combo ドライブ付きとなる。より大型の 14.1 インチスクリーンモデルは $1,600 だが、800 MHz PowerPC G3, 256 MB の RAM, 30 GB ハードドライブ、そして Combo ドライブ付きとなる。AirPort カードはすべての iBook モデルに取り付け可能である。すべての iBook モデルは直ちに入手可能である。[ACE](カメ)

<http://www.apple.com/ibook/>
<http://www.apple.com/pr/library/2002/nov/06ibook.html>

Eudora 5.2、フィルタリング改善、SSL も復活 -- Qualcomm は、同社の人気メールプログラムの最新版となる Eudora 5.2 をリリースした。この中で最も重要でかつ歓迎すべき機能は、Eudora のフィルタが受信メッセージのアドレスを自分のアドレス帖の中身と照合できることである;これを使えば、例えば受信メールを自分のアドレス帖にのっている人からのものと、そうではない人(例えばスパマー)からのものとに仕分けができる。他の大きな改善点にセキュリティがある;Eudora は今や Kerberos V 認証をサポートし、そして Mac OS 9 下ではサポートしていた SSL 対応も Mac OS X 10.2 のユーザーに戻ってきた。Eudora 5.2 にはその他数多くの小さな改良とバグ修正が含まれている。例をあげれば、多数のウィンドウを開くときの性能向上、すべてのエラーメッセージや標準の警告にヘルプボタンがついたこと、Filters ウィンドウへの/からのドラッグ&ドロップ対応、パーソナリティに特有な x-eudora-settings (5.2 のための設定の全リストを更新した;コピーをご希望の方はメールを <x-eudora-settings@tidbits.com> へ送って欲しい)、Web Confidential のようなユーティリティ対応のための Menu Sharing のカーボン化、Microsoft Entourage メールボックスを Delivery フォルダに置くことでインポートできる機能、等々である。Eudora 5.2 は PowerPC ベースの Mac で Mac OS 8.1 から Mac OS 9 までに対応 (4.4 MB ダウンロード)、また Mac OS X に対してはネイティブ (3.7 MB ダウンロード) である。Eudora 5.2 の新コピーは、Paid モードで $40 である;Eudora 4.3 以降 5.1.1 までからのアップグレードは、もしそれを 12ヶ月以上前に購入した場合だと $30 であるが、一年以内に購入した人には無償となっている。もちろんこれまで同様、Light モード(機能は制限される)、Sponsored モード(全機能が使えるが広告つき)で使う場合は無料である。[ACE](カメ)

<http://www.eudora.com/>
<http://www.eudora.com/download/eudora/mac/5.2/Release_Notes.txt>
<http://www.web-confidential.com/>

ListSTAR 2.3 リリースされる -- MCF Software は ListSTAR 2.3 をリリースした。これは SMTP か POP 経由で動く同社の柔軟なメーリングリスト管理ソフトウェアの最新版でとなる。変更は歓迎すべきものだが比較的小幅にとどまっている。例えば、テンプレートを使って新しいサービスを設定する時、サービスとアドレスリストの自動的に名前を変更してくれる機能がある。機能改善されたものの中に、Address List エディタがある。これによって 32,000 を超えるアドレスを持つリストも扱えるようになった。ListSTAR は 68030 CPU かそれ以上の CPU を持つ Mac で、最小 4 MB の RAM を必要とする。動作環境としては、System 7.5 かそれ以降を必要とし、Mac OS 8 と 9、そして Mac OS X 下での Classic モードを含む。ListSTAR 2.3 の新コピーは $275 で、アップデートは $69 (ListSTAR 2.1 かそれ以前、または失効した MCF Software キーの場合) か無償となっている。デモバージョン (10.9 MB の SMTP バージョン、7.3 MB の POP バージョン) もあり評価用コードも入手できる。[ACE](カメ)

<http://www.liststar.com/release.html>
<http://www.liststar.com/lseval.html>
<http://www.liststar.com/lsdn.html>


PayBITS を評価する

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

PayBITS を始めて以来、そろそろもう4ヵ月目に入ろうとしている。PayBITSは、読者自身が個々の TidBITS 記事の実際の価値を認めて返礼できるようにしようという我々の実験的試みであった。もちろん、PayBITS からの収入で一生楽に暮らせるような著者が一人も出なかったのは当然だが、一方ではその記事への PayBITS 額が道端に落ちていても誰も見向きもしないほどの少額だった、という記事はたった1つしかなかった。そんなことよりも重要なことは、読んだコンテンツの価値を人々がどのように評価するのか、ということについていくつかの教訓を得た、ということだ。そこで、最近の記事のそれぞれについて(概ね時間的順序に従って)PayBITS への反応がどうだったかを見てゆき、それぞれの結果が我々に何を語っているのかを考えてみたいと思う。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06909>(日本語)PayBITS: 情報の価値をあなたはどう考えますか
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06917>(日本語)PayBITS の第1週報告

iPhoto パワーテクニックと TiVo のアップグレード -- Apple の iPhotoを使うテクニックについての私の記事は PayBITS を初めて紹介したその号に載った。この記事の内容はごく実用的なものだったこともあって、かなり良い反応を得、31 件で合計入金額は $136.50 にのぼった。その次の号の TidBITS-644, では、私は人気のデジタルビデオ録画機、TiVo のディスク容量を増やすためのいくつかの方法について解説した。ここでは私自身が採った方法、つまり Weaknees.com から出ているアップグレードキットに焦点を当てた。この記事の PayBITS ブロックでは記事が役に立ったかどうかと尋ね、さらに金額の例として $1 という具体的な数字を提示してみた。低い金額の明示とPayBITS のアイデアそのもののフレッシュさとが相まったのか、この記事への送金件数はこれまでのところ最大数で、52 件で合計 $95.60 という結果だった。しかしながら、ほとんどの送金額は例示されていた $1 で、PayPal の手数料として1件あたり $0.31 ずつがその $1 から差し引かれたこともあって、実際に届いた金額はそれほど突出したものにはならなかった。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06910>(日本語)iPhoto パワーテクニック
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06918>(日本語)TiVo をアップグレード

Apple のブランド戦略 -- 強いブランドを築くことを目指した Apple の努力について書いた Simon Spence の三部作の記事の最終記事は TidBITS-645つまり TiVo のアップグレードの記事が載った次の週の号だった。(我々は、連続記事については最終記事にのみ PayBITS ブロックを付けることにしている。)Simon の記事はヒントやハウツーものの情報とは無縁だったが、まず全体の長さが長く、そのこともおそらく価値として受け取られたのだろうが、加えて大抵の人なら考えもしないような話題についてなかなかうまい説明を展開することに成功したと思う。また、PayBITS 実験の初期に当たったということも幸いしたのだろう、Simon は 25 件で合計 $70 の送金を受けた。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1224>
(日本語)Apple のブランド戦略:ブランドこそが価値を体現する
(日本語)Apple のブランド戦略: Apple の無形資産
(日本語)Apple のブランド戦略:小売店舗に架ける橋

Jaguar の裏技、精選情報 -- Simon の最終記事と同じ号で、私は Mac OS X 10.2 での比較的小さな改良点について書いた。記事の内容のタイミングが良かったこと、また内容が実際的に役立つものであったことから、PayBITS には最適の題材だった。この時は PayPal で差し引かれる手数料の割合を下げようという意図で、PayBITS ブロックでの言い回しを“$1”の代わりに“a few bucks”という表現に変えてみた。すると、大多数の送金は $2 から $5 の範囲へと増えた。この記事への送金件数は 43 件しかなかったが、合計金額は$196.50 にものぼった。これは $10 から $25 という大きな金額を送ってくれた二・三の人達のおかげによるところも大きい。この記事は確かに「ひと山当てた」ようだ。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06925>(日本語)Jaguar の裏技、精選情報

レビュー記事いろいろ -- その後の数週にわたって、編集スタッフの Matt Neuburg と Jeff Carlson がいくつかのレビュー記事を書いた。当初我々はこうしたレビュー記事は読者に直接の価値をもたらすだろうと思っていたので、実際蓋を開けてみるとこれらの記事にはあまり PayBITS の入金が寄せられなかった、という現実に直面して、我々は正直がっかりした。下記の数字を見ればわかる通り、それぞれのレビュー記事で、著者にお金を送ってもよいと思えるほどに価値を見い出した読者の数はたった4・5人に過ぎず、合計金額も大体 $10 から $20 程度の範囲のものだった。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06932>(日本語)全然いい加減じゃない Consistency

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06931>(日本語)iPod 用ケースを比較してみる

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06935>(日本語)WorkStrip が Mac OS X に

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06958>(日本語)Handspring Treo 180: ゴール目前

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06959>(日本語)Tinderbox でハートに火を点けて

さて、どうしてこれらのレビュー記事にはこれほど少ないお金しか集まらなかったのだろうか? 1つ考えられることは、レビュー記事の価値がはっきりと感じられるのはその記事を読んでからずっと後になってからのことが多い、ということだろう。読者はレビュー記事を読んで、その製品が何らかの目的にぴったりだと思い、その製品を購入し、しばらくの間使ってみる。レビュー記事の価値が感じられるのはそうした段階を経た後になってからだろうし、大抵の人はその頃になれば記事のことは忘れてしまうのかも知れない。また、これらのレビュー記事のうちいくつかで扱われた製品はごく安価なものであり、大抵の人は無意識のうちにレビュー記事の価値と、それが外れても損失が少ないという事実とを、秤にかけてしまったのかも知れない。ただ、この仮説を混乱させる1つの事実は、最も高価だった2つの製品、つまり Tinderbox と Treo とがなぜか両極端に位置していたことだ。前者は $40 の最高額で、後者は $8 の最低額だった。

ソフトウェアのマーケティング -- TidBITS-647 にはソフトウェアのマーケティングについての Mike Diegel の二部作の後半の記事が載った。この記事にはかなりの評価が集まるのではないかと私は思っていた。実際的な内容の記事だったし、読者のビジネス上の利益になり得るものだったからだ。ところが残念なことに、その結果はたった 3 件の送金で合計 $7 というもので、何がいけなかったのか、と我々皆考えこんでしまった。でも、よく考えてみると、ソフトウェアを(あるいは他の製品を)売ろうなどと考えてはいない多くの人々にもきっとこの記事をおもしろく読んでもらえたとは思うものの、実際にこの記事から利益を得るような読者層、つまり小規模のソフトウェア開発者の人数はごくごく小さなものだっただろう。その少数にもともと極端に低い PayBITS率を掛け算すれば、この入金額の少なさも納得できるのかも知れない。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1226>
(日本語)ソフトウェアのマーケティング、その1
(日本語)ソフトウェアのマーケティング、その 2

Mailsmith フィルタリングと QuarkXPress の技 -- 外部からの著者によるその次の記事は、TidBITS-649 に載った2つの記事だった。ここでもやはりPayBITS はあまり活発ではなかった。Mailsmith の分散フィルタリングに関する William Porter の二部作の記事には、たった 4 件、合計 $17 のお金が寄せられた。そして、QuarkXPress 5 のヒントと裏技を集めた David Blatner の記事は突出した結果だった。何と、全く何も入金がなかったのだ。William の記事にあまりお金が集まらなかったのは理解できる。バンドル頒布、あるいは無料頒布される電子メールプログラムが溢れているこのご時勢、Mailsmith ユーザーの数は元々ごく少ないだろう。そして、いくら分散フィルタリングがクールだとは言っても、ちょっとマニアックな感じは免れないからだ。さて、Davidは世界一有名な QuarkXPress の熟達者ではあるが、彼もやはり同じ問題にぶつかっていたのだろう。QuarkXPress ユーザーの数が少ないという訳ではないが、TidBITS はデスクトップ出版に重点を置いてはいない。また、この記事に載ったヒントや裏技が、古いけれどもより普及しているバージョンの QuarkXPress 4 にも同様にあてはまる、ということが書かれていなかったことも影響したかも知れない。それから、これらのヒントが David の書いた QuarkXPress の本の内容の一部だ、と書かれていたことから、皆が David に直接お金を送るよりも彼の本を買うことで感謝の意を表する方を選んだ、ということなのかも知れない。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06951>(日本語)QuarkXPress 5、ヒントと裏技
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06950>(日本語)Mailsmith と分散フィルタリング、その 2

O'Reilly Conference 報告とトラブルシューティング入門 -- ここまで見てきたところで、著者の知名度が重要な要素なのかも知れない、という予想が私の頭に浮かんでいた。トップの成績をあげたのが私の記事で、Simon Spenceのブランドの三部作記事が第2位だったからだ。けれども、その後の数週間の結果で、この予想は見事に吹き飛んでしまった。私の O'Reilly Mac OS X Conference の報告記事にはほんの少し(4 件、$16)しか集まらず、その次の私のトラブルシューティング入門の連続記事はさらに少ない結果(2 件、$3)に終わった。

Conference 報告については、ある程度予想はできた。なぜなら、(来年開催されるとして)来年は参加しよう、あるいは今年で数千ドルもかかったのだから来年はやめよう、という決断をするのにこの記事が助けになったような人の数は非常に少ないはずで、この記事に直接価値を見い出すのはそういう人たちだけだろうからだ。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06953>(日本語)O'Reilly Mac OS X Conference 報告

けれども、トラブルシューティング入門の記事への反応が非常に少なかったのは、私には意外だった。なぜなら、メールによる感謝のフィードバックの数や数多く届いた転載の許可の依頼などから判断して、この記事は実際的な助けとなるものに思えたからだ。想像するに、この記事への送金が少なかったのは記事中でこれらの情報が私と Glenn Fleishman が共著している本“The Wireless Networking Starter Kit”の内容からとったもので、近日中にこの本の原稿が出版社に送られる、と書いたことが影響したのかも知れない。本が出たら買おう、と思って下さった読者が多かったということなのだろう。(私としてもそれは嬉しいことには違いない。)つまり、教訓として、TidBITS に記事を書き、本も書いているような著者は、2つの恩恵のうち1つだけしか得られない、ということなのだろう。PayBITS でお金を受けるか、本の売り上げを期待するか、どちらか片方だけを。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06975>(日本語)TidBITS トラブルシューティング入門、その 2

Jaguar のタブ化ウィンドウと Mac OS X 成績表 -- 私が TidBITS-649TidBITS-650 で書いたこれら2つの記事では、趣向を変えて私に直接送金するのでなく TidBITS への寄付プログラムにリンクさせてみた。私が TidBITS 全体への送金を選んだ動機は、どちらの記事もその内容が TidBITS Talk の参加者たちの協力があってできたことだったからだ。寄付プログラムのどれだけの部分がどの週の PayBITS によるものなのかを正確に判断するのは難しいが、タブ化ウィンドウの記事はおよそ 7 名、総額 $215 の新規の寄付を呼び、Mac OS X 成績表の記事も同じくらい、およそ 8 名、総額 $150 の新規の寄付を呼び起こしたと思われる。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06949>(日本語)QuarkXPress 5、ヒントと裏技
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06954>(日本語)Mac OS X 成績表: 2002 年 10 月

送金の件数は他の記事と同じ程度の数だったが、総額は件数に比べてかなり大きな金額になった。他のスタッフメンバーたちと分け合ったとしても、私の取り分は他のいくつもの記事よりも多いくらいだった。さらに重要なことは、こうして新規の寄付をしてくれた人々のうちの何人もが今後も毎年寄付を続けたいと意思表明してくれたことだ。確かに金額としては記事自体に予想される価値を超えているのかも知れない。けれども多くの人たちが言い添えてくれた通り、この寄付というのは我々がこれまで何年にもわたって出版し続けてきたことへの感謝の意味も込めてして頂いていることなのだから。

iMac 画面のブラックアウト -- いくつかの機種の iMac で Jaguar をインストールするとマシンが使えなくなってしまう、という重要な記事を書いた Geoff も、やはり TidBITS 全体への寄付送金というやり方を選択した。この問題に直接影響を受けた人々(該当する iMac を持っている人やそういう人たちを助ける人)の人数は比較的少数だとは思われるが、記事の内容が非常に有用であったこともあって、何と 16 名で総額 $360 もの新規寄付に結び付いた。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06973>(日本語)Jaguar のインストール前に必ずファームウェアのアップデートを!

三人前の仕事をする -- Titanium PowerBook G4 の力で毎日のカンファレンスニューズレターを一人だけで発行したという Derek Miller の体験談の末尾には、我々は初め PayBITS ブロックを付けるつもりは無かった。これはなかなかおもしろい体験談だが、別に読者のために役に立つ訳でもなく、特に読者が価値を認めてくれるとは思えなかったのだ。けれどもちょっと Derek と相談した結果、こんな記事にも PayBITS がうまく行くかどうか試してみよう、ということになった。この PayBITS メッセージには言葉を注意深く選び、記事の目的をはっきりさせた上で彼が自分の PowerBook を買えるように、と冗談めかしたものにしておいた。その結果は驚くべきものだった。Derek は何と 11 名から総額 $53 もの送金を受けたのだ。ただし、少なくとも1人の人は前回の Derek の記事、金をかけないデジタルビデオ編集の記事への感謝も込めてのことだ、とコメントを添えてくれたそうだ。これでわかることは、記事の価値は必ずしも内容が実用的かどうかには直接結び付いていない、ということだろうか。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06981>(日本語)Mac 一台で三人前の仕事をする
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06756>(日本語)<h流行に乗り遅れ:金をかけないデジタルビデオ編集

総合的な教訓は -- もちろん我々はこれからも PayBITS の実験を続けて、レスポンスがどのように変化してゆくかを時間をかけて見てゆきたいと思うが、現時点の段階でわかったこともいくつかある。

当然予想されたように、PayBITS のおかげで金持ちになった人は誰もいなかった。TidBITS の読者層はかなりの人数になるが、個別の記事を読んでそれが特に有用で興味深かったという理由で著者に直接対価を送りたいとまで思って下さった読者の人数は依然として非常に少ない。それでも、思ってもいなかった $10 なり $15 なりのお金を頂けるのは心暖まるもので、ああ、この記事を喜んで読んで下さった人たちがいるのだ、という実感が湧く。もちろん、気の利いたランチなどに使うことができるのも嬉しい。

他方、PayBITS を利用して TidBITS 全体への寄付をお願いする、というやり方はうまく行ったようだ。一つには寄付プログラムで例示されている寄付額が PayBITS での直接送金の例示額よりも高い金額に設定されている、ということもある。また、TidBITS への寄付を毎年定期的にしよう、と意思表明して下さった方々も多い。おそらく、寄付プログラムの方へ高い金額を払って下さるのは、これまで何年にもわたる TidBITS の活動全体に対して、という意識が皆さんの中にあるからではないかとも思う。

残念なことに、例示額をあまり小さくし過ぎるのも良くない。なぜなら PayPal の手数料は1件あたり少なくとも $0.31、と決められているからだ。記事に対して 25 セント硬貨1個分を送って下さった方にはそのご厚意を感謝したいとは思うがその金額はすべて PayPal に行ってしまうのだ。その上、例示額を低くすれば送金件数の増加が期待できるとはいうものの、合計総額が例示額を高くした場合に比べて上回るとも思えない。これまでのところ、我々の感触としては特定の数字で額を示すよりも“a few bucks”(「何ドルか」)のようなあいまいな表現の方が適しているような気がする。送金サービスの選択に関しては PayPal 以外のサービスを利用するのももちろんその記事の著者の自由だが、今のところまだ誰も他のサービスを選んだことはない。我々が調べてみた限りでは、やはり広範なサポートと送金インターフェイスのシンプルさ、それに送金手数料の安さの組み合わせにおいて PayPal に勝るものはないと思う。他のサービスはどれもこの3点のいずれかで大きくひっかかってしまうのだ。

時間の経過につれて、送金の件数はだんだん減ってきている。コンテンツを直接評価するというようなこの種の新しいアイデアは、たぶん随時補強を加えてやる必要があるのだろう。けれどもそれは、読者に強制の感覚を過剰に与えずに、というバランスを保ってのものでなければならない。TidBITS はあくまでも無料だ。PayBITS というのは、その中で特別に役に立つ、身近な問題の、あるいは興味深い、そういう記事に対して読者が直接著者にお金を払ってその意を示すことのできるチャンネルを用意しよう、というだけのものなのだ。私は、今回のこの記事で PayBITS を再確認することによってまたしばらくの間読者の皆さんの注意を引き付けることができるかどうか、今心を踊らせて待っているところだ。

どんなタイプの記事が最も健闘するのか、というのはまだ未知の問題だ。非常に実際的な内容の記事のうちにも健闘したものもあるしそうでなかったものもある。レビュー記事は全体としてあまり上位には来なかった。本格的なチュートリアル記事は、PayBITS を始めてからはまだ登場していないが、そういうものがどういう結果になるのかは今後の楽しみの一つだろう。いずれにしても、PayBITS を始めたことで我々のコンテンツが大きく変わったということは一切無いし、その点を心配して下さった方々はどうぞご安心頂きたい。また、PayBITS に結び付けるにはふさわしくない、と思えるような記事には PayBITS ブロックを付けないようにしている。誰もお金を払おうという気になりそうもない記事にもそういうものを付けることは、無用の圧力を引き起こすおそれがあると思えるからだ。

少なくとも現時点では、私はまだ PayBITS に肯定的見解を持っている。決してこれがあらゆる種類のコンテンツの作者の生計を支えるための唯一の解決策だと思っているわけではない。むしろ、私の一番の心配は、私たちすべてがコンテンツをどのように享受するかについてのやり方に、金こそがすべてという大会社の利益のためのコントロールがますます支配を広げつつある暗黒の時代に向かっているのではないか、その結果、私たち一人一人が何をどのように創り出し出版してゆくのかということにさえも、支配の手がおよびつつあるのではないか、ということなのだ。私たちのコンテンツのすべてが巨大メディア企業の手を通らなければならないような未来が訪れることのないように、コンテンツのクリエイターたちに向けて、実行可能な他のビジネスモデルもあるのだよ、と示して見せることのできる新しいアプローチ、PayBITS はあくまでもそのようなものを求めてのことなのだ。

インターネットは、A.J. Liebling のかの名言「出版の自由は、それを持つ者の手にのみ保証されている」に対抗して強く立ち向かえるだけの力を備えている。しかし、たとえインターネットが配布のための手段を誰の手にも提供できるものであったとしても、何か価値あるものを発言したい人が、それを発言できるための資力を得られるための構造的、習慣的枠組みが、依然として欠けているのだ。出版の自由というのは、ただ政治的なものだけではない。実務的なことがすべてというわけでもない。それは、経済的な概念でもあるのだ。

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<http://www.tidbits.com/about/support/contributors.html>
PayBITS の説明 <http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/paybits-jp.html>


Palm の再生をかけた Tungsten T

文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
訳: 倉石毅雄 <takeo.kuraishi@attglobal.net>
訳: 佐藤浩一 <koichis@anet.ne.jp>

Palm OS ハンドヘルド市場の最高峰の座を占めようとする Palm のここ数年の努力は意外なほど難関だらけだった。先月、マルチメディア対応のハンドヘルドである Palm Tungsten T をリリースすることにより、Palm は自ら築いた市場に本気で挑戦する姿勢を示した。Tungsten T は全てのユーザを対象としたものではないが、この先の Plam OS ベースのハンドヘルドの登場に影響を及ぼすことは間違いない。

<http://www.palm.com/products/handhelds/tungsten-t/>

成功と挫折の簡単な歴史 -- 伝統的に、簡単な情報整理という馴れた範囲外の機能は敬遠していた Palm が“マルチメディア対応”ハンドヘルドをリリースすることは関心に値する。なぜ Tungsten T が Palm にとって重要な再突入点であるかを理解するには、どうやって今日に至ったかを振り返る必要がある。

1999 に Palm はスリムでアルミ塗装を施したハンドヘルドの Palm V をビジネスマン向けに紹介した。Palm V はスリムなハンドヘルドを欲っしていた多くのユーザに受けて、予想以上の成功となった。二年後、Palm は Palm V と同じ寸法のカラーのハンドヘルドの Palm m505 を発売に先駆けて発表した。多くの人達が二弾目のヒット商品になるだろうと想像したが、二つの手違いのために Palm は転倒してしまった。店頭に並ぶ何ヶ月も前に m505 を発表したため、既存商品の需要が蒸発してしまい、会社側は大量の売れ残りの在庫を抱える羽目になってしまった。そして、m505 が登場した後も、その期待されていたカラー画面は薄暗く、読めない代物だった(TidBITS-598の“Palm m505: ちょっと薄暗い電球”を参照して欲しい)。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06575>(日本語)Palm m505:ちょっと薄暗い電球

2002 年の春に、Palm はまともなカラー画面を備えた Palm m515 をリリースした。だが既にその時点では、Palm OS ライセンス先の Sony がカラーハンドヘルドでリードを獲っており、CLIE 系列のモデルに高画質画面や MP3 再生などの機能を備えて、ユーザが書類整理以上のものをハンドヘルドに要求していることを実証していた。

<http://www.clieplaza.com/>

同じ頃、Palm OS 開発を担っている Palm の部門(現在は PalmSource, Inc. と呼ばれるスピンオフ会社)は、市場が要求しているマルチメディアのサポートの向上と、もっと速いプロセッサをサポート出来るよう、オペレーティングシステムをアップデートする必要があることを認識した。その成果が、ARM Holdings が設計したプロセッサで作動する Palm OS 5 だ。

Palm OS 5 と ARM アーキテクチャに基づく最初の機器をリリースしたのは新しく NX60 と NX70 シリーズを出した Sony だった。しかし、Palm は未だに市場のリーダーであり、自らに課したこの遷移の成功はこれからの Palm OS ベースのハンドヘルドにも影響を及ぼすだろう。幸運なことに、Tungstent T を見れば、将来は明るそうだ。

<http://sonyelectronics.sonystyle.com/micros/clie/models/nx70v.html>
<http://sonyelectronics.sonystyle.com/micros/clie/models/nx60.html>

さらに小さく -- Tungsten T の一番の特徴はそのケースのデザインだ。Palm は Palm m505 の弧を描く曲線形状から丸みを帯びた板状へと変わった。4 インチ(10.16 cm)という高さは Palm のハンドヘルドでは一番短い。だが、実はもっとあるのだ:アプリケーションボタンが配置されている下部がスライドして、シルクスクリーンされた Graffiti 領域が現れる(この場合、高さは 4.8 インチ、つまり 12.19 cm になる)。普通、このような小道具的な機能では爪が折れたりケースが割れがちだが、Palm は長持ちしそうな頑丈な作りにすることに成功したようだ。数週間だけの酷使だけではそれ以上について保証できないが、スライダは上手に設計されているようだ。スライダを開けると電源が入るように設定できる点はナイスだ。閉じれば電源を切られる。

ケースのデザインには、今までの上下スクロールボタンの替わりに、非常に便利な 5 方向の操作ボタンも組み込まれている(上下、左右、そして押せば選択)。Palm が Navigator と呼んでいるこのボタンを使用すれば、スライダを開けたり、バネ仕掛けの格納庫からスタイラスを取り出すことすらせずに、情報を検索することが可能になる。電源を切った状態から、Navigator ボタンを瞬時押せば、現在の時間と日付が表示される。ボタンを押しつづければ、Application 画面が表示される。今までのモデル同様、上下へ押せばプログラムの一覧をスクロール出来る。再びボタンを押せば、最初のアプリケーションがハイライトされ、他の方向を使用して希望するプログラムへ辿りつける。

大抵の場合はアドレスで電話番号を調べているだけだろう。だが、ここで Navigator が威力を発揮する:アドレスの一覧中で右へ押せば検索フィールドで文字による検索が起動され、上下に押して文字を選択できる。もう一度右へ押せば、二文字目へ移動して、希望する人が見つけるまでこの手順を繰り返す。中央を押せば、その人の情報が表示される。Handspring が Visor Edge でこれに似たテクニックを紹介したが、Tungsten T の 5 方向 Navigator はスタイラスを使用せずにだけでなく、片手だけで情報を探すことを楽にする。

シルクスクリーンの Application ボタンをタップする動作に馴れている昔からの Palm ユーザは、当初はスライダを開く必要性に当惑するだろうが、中央の Navigator ボタンを押せば、他のアプリケーションからでも Application 画面へ行ける。

素晴らしい画面 -- Palm は、今までカラー画面を採用した機種では平坦でない道のりを経験してきたことから、Tungsten T の明るくゴージャスな画面で巻き返しを図ろうと思っていたのは明らかだ。ほかの多くのハンドヘルドのカラー画面が、室内か屋外のどちらかでは見えるが両方で良く見えることはめったに無いのに対し、これはどちらの場合でも素晴らしく良く見える。明るさのレベルはスライダーで決められるが、30 % の明るさでも非常に明るいということを喜んで報告したい。

画面の解像度は旧モデルに比べて 2 倍の 320 × 320 ピクセルとなった。多くのアプリケーションでは違いは分かりづらいが、解像度を扱えるよう最適化されたプログラム、例えば写真を格納するための付属の PhotoBase や Astraware社の素晴らしい Bejeweled 2.0 などでは、その違いは衝撃的と言っても良い。

<http://arcwaredemo.arcsoft.com/arcware/mobileindex.html>
<http://www.astraware.com/games/popcap/bejeweled/>

ARM で戦闘準備完了 -- Palm の以前のモデルとは違い、Tungsten T はTexas Instruments 社の OMAP 1510 プロセッサを装備している。これにより、それでなくても今まできびきびしていた動作が、さらにスピードアップした。Date Book や Address Book のようなプログラムでは画面の再描画が素早くなり、プロセッサに負担をかける Bejeweled のようなアプリケーションも速くスムーズに動作する。

Mac オーナーならご存知のように、新しく別のプロセッサアーキテクチャーに移行することはそう簡単ではない。新しい環境での利点を取り込むためにはソフトウエアを書き直さなければいけないため、今ある全てのプログラムが Palm OS 5 で正常に動作するとは限らない。この移行を簡単に行うため Palm OS 5には PACE (Palm Application Compatibility Environment) が含まれており、Power-PC ベースのシステム上で古い 68K のソフトウエアをサポートするのと同じような方法で、古いプログラムが動作する。どのプログラムが動作するかは、実際に試してみないといけない。私が試したものの中には、主に表示の問題が生じたプログラムがいくつかあった。当分のあいだ、Palm は現在流通しているソフトウエアに対する互換性のウェブページを開設しており、またAppCheck と呼ばれる Tungsten T 用アプリケーションでどのプログラムが完全互換かを調べることができる。

<http://www.palm.com/support/tungstent/compatibility.html>
<http://www.palm.com/support/downloads/appcheck.html>

Bluetooth も使用可能 -- Tungsten T はまた、Bluetooth ワイヤレス通信を内蔵する最初の Palm でもある。Bluetooth が使えるハンドヘルドを持つ知り合いがいないので、添付の BlueChat アプリケーションをテストすることはできなかった。Bluetooth を使える携帯電話を持っていれば、インターネットに接続したり Address Book にある電話番号を探し出して電話をかけることもできたはずだ。

とりあえず D-Link 社の Bluetooth USB アダプタは借りて設定することができ、線をつないだり PowerBook の赤外線ポートを使ったりせずに Mac とHotSync することができた。最初に Palm で新しい HotSync 接続を設定しないといけなかったが、これはものの数分で終わった。

ボイスメモ -- 最後に目に付く Tungsten T の機能は、内蔵マイクロフォンと Voice Memo で録音するために使う側面のボタンである。Tungsten T はさらに 3.5mm の標準ヘッドフォンジャックを装備しており、他人を気にすることなく Voice Memo を聞いたり、あるいは音質が改善されたスピーカーを使ってみんなで聞くこともできる (全体的に、音質はアラームやその他のシステムサウンドでも良くなっている)。

Tungsten T は SecureDigital メモリカードスロットを装備しているので、MP3プレイヤーとしても結構使えると思うかもしれない (1、2 曲なら内蔵 16 MBメモリに入るかもしれないが、内蔵アプリケーションでも使用するため、使えるのはそのうちの 14 MB だけである。外部記憶装置を利用するのが一番考えられるだろう)。しかし、現在のところ MP3 を再生するソフトウエアは無い。これは準備中だという噂もあるが、出荷時までには間に合わない。Palm やほかのサードパーティがそのようなプログラムを近い将来作成することを願いたい。

非常に洗練されている -- Tungsten T は、Palm にとって大きな飛躍でありこの数年間よりも明るい将来の先触れとなることだろう。価格は 500 ドルで、TidBITS のスポンサーである Small Dog Electronics 社などから入手できる。標準的なハンドヘルドユーザ向けではないが、進歩したハードウエアとソフトウエアのエレガントな組み合わせは、来るべき年の Palm 製品の魅力的なラインナップを約束するだろう。

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PayBITS の説明 <http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/paybits-jp.html>


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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA