TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#663/20-Jan-03

Apple の新しい AirPort Extreme はどれだけ過激か?スループットを 54 Mbps 迄伸ばすのもそうだが、もっと重要なのは Apple が 802.11g を採用したことで、業界のワイヤレス技術の採用に関して同社を操縦席に戻したことであろう。Adam とGlenn Fleishman が詳細を手に飛び立つ。それから、Macworld Expo の展示会場での良かったもの、悪かったものについて触れ、さらに 2003年第1四半期の Appleの $8 million の損失決算について簡単にお伝えする。

記事:

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MailBITS/20-Jan-03

Apple、$8 Million の損失計上 -- Apple Computer は先週 2003年第1四半期の決算で $8 million の損失を発表した。これには、一時的なリストラ費用と会計移行のための調整を含んでいる;これらの費用の計上がなければ、この四半期でApple は $11 million の利益を計上出来たはずである。同四半期で、Apple は743,000 台の Mac を出荷した - 前年同期と同じ水準 - そして総マージン率は27.6% に下がったが、売上は前年同期比 7% アップの $1.47 billion であった。海外向けの売上は全体の 43% であった。Apple はこの期の間に流通在庫を 11% 減らすことが出来たとしているが、Macworld Expo で発表した新型 PowerBook には良い知らせである。[GD](カメ)

<http://www.apple.com/pr/library/2003/jan/15results.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07041>

AppleWorks 6 はプレゼンもする! 失礼しました! AppleWorks 6 には事実プレゼンテーションのモジュールが含まれている。先週の "Apple が Microsoft 依存からの脱却を図る" でのそうではないとする私の思い込み発言は、全くの事実誤認であった。強いて言い訳をさせてもらえば、Apple はレビュー用のコピーを我々の所に送ってくることはしないので AppleWorks 6 を見たことがないのである。AppleWorks 6 は約 2年前に出た AppleWorks 5 のコミュニケーションモジュールを入れ替えた。今の段階で、私は AppleWorks 6 のプレゼンテーションモジュールがどの程度良いのかについてのコメントは出来ないが、Apple が AppleWorks のプレゼンテーションモジュールからフル機能の Keynote へとその開発努力をどの様に変換していったのかを知るのは興味深いことであろう。ひょっとすると、他のAppleWorks のモジュールについても同様のことが起っているのかもしれない。本題からははずれるが、もし統合ソフトウェアの歴史に興味がある方は、下記の一番下のリンクで ClarisWorks がどの様な経緯を辿ってきたかについての話が、このプログラムの創始者の一人によって書かれているので、読んでみられたい。[ACE](カメ)

<http://www.apple.com/appleworks/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07042>
<http://www.apple.com/keynote/>
<http://www.swiss.ai.mit.edu/%7Ebob/clarisworks.php>


Macworld Expo San Francisco 2003 報告その 1

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: 倉石毅雄 <takeo.kuraishi@attglobal.net>
訳: 佐藤浩一 <koichis@anet.ne.jp>

毎年、私は Macworld Expo が何らかの理由で盛り上がらないのではないか、展示の数が少ないのではないか、誰も来ないのではないか、興味を引くものが無いのではないか、色々と心配してしまう。しかし、毎年私の恐れは実現せず、Expo はやる気に溢れた発明心溢れる開発者と忠実なユーザらを誇示する場となる。今年も例に漏れず、330 の会社が製品を 90,000 以上の来場者に展示していた。使用された会場面積は過去数年に比べて格段に狭かったとか、IDG World Expo が飴を投げるかのように無料入場券を配っていたことなど気にすることはない。私が話しを聞く機会があった来場者は、例外無く明るかったし、展示する側も来場者数や売上に満足していた。

個人的には今までで一番忙しい Macworld Expo だった。4 日間、12 のサイン会、インタービュー、そしてイベント登場だけでなく、記者会見や他の会議もあった (TechTV での短い出演もあった。生放送を見逃したのなら以下のリンクでも見られる)。慌ただしかったとはいえ、楽しかった。また、展示場全てをまわれて、Macintosh のディベロッパーが開発している最新で最高の製品のデモも見られた。前置きはこれだけにして、一緒に参加した Jeff Carlson、Matt Neuburg、そして Mark Anbinder ら TidBITS スタッフからの報告も交えた、報告をしたい。記事の大きさに制約があるので、TidBITS 次号での続きをも楽しみにして欲しい。毎回ながら、皆、有難う!

<http://ftp.tidbits.com/pub/misc/adam-techtv-small.mov>
<http://www.techtv.com/>

一番安い AirPort の距離延長方法 -- ワイアレスのネットワークが成立するためには二者必要だ。ラップトップの信号強度を高めたかったら、AirPort Base Station をもっと中心的な位置に配置する必要がある。しかし、理想的な位置に電源がないためにためらっていたのなら、MacWireless が解決策を提供してくれた。MacWireless Power Over Ethernet 製品は AirPort Base Station をネットワークにつなげている Ethernet ケーブルの使用されていない電線を通して電力を供給してくれるアダプタの二点セットだ。たったの $30 で、数週間で発売を開始するはずだ。 [ACE]

<http://www.macwireless.com/html/products/poe.html>

iTrip へ旅立ち -- Griffin Technology は最近の Macworld Expo に手作りの試作機器を持って現れるのを常としている。今年のおもちゃは、数ヵ月後に発売予定の iPod 用 FM 送信機の iTrip だ。iPod の上部に iTrip を差し込むと、FM ステレオへ音楽を送信できる (オーディオ入力端子がついていない車に便利だ)。他の FM 送信機とは異なり、iTrip は FM ラジオの周波数帯なら、iPod にインストールしたソフトを使用してどの周波数でも設定して使用でき、追加の電池を必要としない。充電の為に FireWire ポートを使用する必要があれば、iPod に直角にも取り付けられる。 [JLC]

<http://griffintechnology.com/products/itrip/>

ステレオへの最高の追加部品 -- この賞は Gloo Labs の HomePod と Slim Devices からの SliMP3 双方に授与したい。SliMP3 はコンピュータから Ethernet 経由でステレオに直接音楽をストリームする MP3 プレーヤだ。コンピュータの極小スピーカより音質の良い音響システムへ MP3 を流す素晴らしい方法だ。SliMP3 は $250 で購入でき、Ethernet ネットワークにつなぐ必要がある。では、Mac から簡単に Ethernet ケーブルをつなげられない場合はどうすれば良いのか? $100 の Linksys WET11 を SliMP3 につないでも良いかもしれないが、それは $200 の HomePod を購入するよりも高い。これは Ethernet ではなく、802.11b ワイアレスネットワークを使用して通信する MP3 プレーヤだ (同時にこれは TidBITS-661 の“2002 年を振り返り、2003 年に期待する”での 2003 年の最初の予告を実現するものだ)。HomePod は三月に MacSense から発売開始の予定だ。双方の MP3 プレーヤー共、リモコンを提供しており、コンピュータから操作でき、ディベロッパーが機能を拡張できるよう、オープンソースのプラットフォームだ。(私達から見える) 違いがあるとすれば HomePod にはハードドライブもしくは iPod を接続できる FireWire ポートがあるのに対して、SliMP3 はインターネットラジオをサポートしており、SliMP3 は前面に明るい蛍光画面があるのに対して HomePod は上部に液晶画面があるなどくらいだろうか。どちらもクールだ。 [ACE]

<http://www.slimp3.com/>
<http://linksys.com/products/product.asp?prid=432&grid=33>
<http://www.gloolabs.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07035>(日本語)2002 年を振り返り、2003 年に期待する

最も巧妙な内蔵機能の使用法 -- 最初に Riccardo Ettore 氏が彼の有名なユーティリティ、TypeIt4Me を Mac OS X に移植したと聞いたとき、私は“まさか!”と思った。何しろ、TypeIt4Me はアプリケーションへの入力を監視するためシステムに入り込み、設定してある略語が入力されるのを待って、それをあたかも小人がコンピュータの中にいるかのように、完全な形に展開するコントロールパネルなのだ。しかし、Mac OS X ではコントロールパネルは存在しないし、システムへ入り込むことも許されない。それでは TypeIt4Me はどのように動作するのだろうか? 実は言い忘れたことがあって、Mac OS X にはすでに入力を監視してそれを別の文字に置き換える機能が備わっていたのだ。それはInput Manager と呼ばれ、インプットメソッドを導入するために使われている。それがつまり、日本語やほかの Unicode 文字を入力するのに使われているのだ。つまり、TypeIt4Me はインプットメソッドとしてインストールされる。使用するには、キーボードメニューから選ぶだけで良い (追加されたメニューアイコンから設定ウインドウにアクセスできる)。単純さにおいてこれは素晴らしい方法であり、非常に良く動作する。毎回一つ一つ入力したいと思わないような決まり文句 (電話番号、住所など) があるなら、TypeIt4Me が大きな助けとなるだろう。[MAN]

<http://typeit4me.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06780>

Macworld Expo での最優秀ウインドー -- ここで紹介するのは Connectix社の Virtual PC 6.0 (現在は 6.0.1 アップデートがあり、これは特に PowerPC G3 ベースの Mac ユーザに役立つ) だと思っただろうか? 今回の答えはノーだ。というのも、この最高の賛辞が、Macworld Expo のかなり大きなブースで各種のウインドー (家の壁に付ける、ガラス製の) やドアを展示していた Andersen Windows 社に贈られるからである。ショーが行われているフロアでは、長年無視されてきた内国税歳入局用のテーブル (査察は無料です! さあ、どうぞ!)のように、全く関係のないブースが常にいくつかあるが、Andersen Windows のようにどう頑張っても説明がつかないものはまず無い。少なくても、手書きの看板を掲げるだけのユーモアはあったようだ。これにはこう書いてあった。「Mac ユーザのための最高の窓」[ACE]

<http://www.andersenwindows.com/>
<http://www.connectix.com/support/vpcm_online.html>

ニッチなマーケットの中で最もニッチな製品 -- iGo は、普通の机とは少し違い、新しい iMac を持っていて、書きものをするスペースが必要なく、レトロなインテリアに囲まれているような場合だけ役に立つものである。iMac の下部は球の上半分のような形をしているのはご存知だと思うが、これの下半分の半球からクロームメッキの大きな足が 4 本生えて、手前の 2 本には厚板が取り付けられているところを想像して欲しい。iMac は半球上に鎮座し、キーボードとマウスは厚板に載せる (他の物を置く余裕は無い)。確かにインパクトはあるが、はたしてこれで本当に何か仕事ができるだろうか? さらに、あなたの家具や壁紙、ナイトガウンに本当にマッチするのだろうか? まあ、たぶん全国的には 10 ヶは売れると予測するが、インターネットなんて将来なくなると予想したことのある私の言うことだから、きっと希望はあるのかも。[MAN]

<http://igo4mac.com/intro.html>

ワースト・ドレッサー賞 -- ここ何年かで、肌が露な女性を使ってエキスポの観客をブースに呼び込むという方法はほとんど影を潜めた。このような野卑なやりかたが消えていくのを見るのはうれしいが、下記のリンク先の画像で分かるように、さまざまな色のレオタードと羽で飛び跳ねていた Microsoft のMSN バタフライお兄さんを見れば、彼女達の気分もだいぶ良くなることだろう。私たちはまた、彼が食事を取っていたとき、とても快適だとはいえない状態だったことを発見した。たぶん、花の蜜が恋しかったのだろう。[MHA]

<http://www.msn.com/>
<http://www.tidbits.com/resources/663/msn-butterfly.jpg>

星の下のベストブース -- ほとんどのブースは、機能一辺倒か魅力的に作られているが、私たちが気に入ったブースは自分たちの製品をフルに活用していた。Starry Night 社のブースは、持ち運びできるプラネタリウムであるSciDome が呼び物で、座りながら頭上のカーブした天空に映し出された天文学ソフトウエアの映像をじっくりを見られるものだ。プログラムを展示する素晴らしい方法だということだけではなく、会場の蛍光灯の光から休むためにも、たびたび寄らせてもらった。以下の画像をチェックしてほしい。[JLC]

<http://www.starrynight.com/>
<http://www.spitzinc.com/esky.html#scidome>
<http://www.tidbits.com/resources/663/starry-night.jpg>

DVR と PAL がお友達に -- 私たちは、アメリカ以外の地域には興味が無いなどと言わないで欲しい。この発表はアメリカでは大見出しを飾らないかもしれないが、海外の多数の読者には大ヒットとなること間違いない。Macworld Expo で、El Gato Software 社は、Mac 用のデジタルビデオ録画用ハードウエアとソフトウエアパッケージ (Mac 用 TiVo だと思えばよい) である EyeTV のPAL と SECAM バージョンをリリースした。1 月末までには PAL 版 EyeTV がドイツ、フランス、イタリア、そして英国で販売が開始されることだろう。他のヨーロッパのユーザも、その後すぐ購入できるようになるはずだ。このヨーロッパで最初のバージョンは電子プログラムガイド機能がサポートされていないが、国ごとに順次追加される予定だ (エンジニアは、すでに英国、イタリア、そしてドイツで電子プログラムガイドの統合に着手している)。さらに、El Gato はMac プログラマに対し、Karelia 社の Watson がアメリカで行なっているのと同様に EyeTV へプログラムガイドのサポートを追加するよう後押ししている。オーストラリア、南米、アジア、そしてアフリカでは PAL 版 EyeTV はまだ入手不可能だが (テストも出来ない)、El Gato は必要な販売契約の作業を進めている。

<http://www.elgato.com/eyeTV/>
<http://www.ee.surrey.ac.uk/Contrib/WorldTV/>
<http://www.karelia.com/watson/>

PayBITS:現地に行かなくても、Macworld Expo の素晴らしいところを感じられましたか? Macworld のハイライトをお届けし続けるためにご協力を!
PayBITS の説明 <http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/paybits-jp.html>


AirPort (AirMac) Extreme: “G”の基調

by Glenn Fleishman & Adam C. Engst <editors@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

1999 年のこと、Apple は業界の先頭を切って Wi-Fi のワイヤレスネットワーク機器を手頃な値段で消費者に提供する道を開いたのだった。けれども、その主力ゲートウェイ製品である AirPort (AirMac) ベースステーションは、既に2001 年末の時点で、機能の乏しい割には高価だという風に見られ始めていた。特に、内蔵モデムを使う必要の無いブロードバンドユーザーたちにとってその感じが強かった。

それでも、Apple は姿勢を変えなかった。$300 の AirPort (AirMac) ベースステーションに、$100 の AirPort (AirMac) カード、このカードは Apple 独自のもので普通の PC カードスロットに似た特別の専用スロットがすべての機種の Macintosh に付けられた。ここ3年間の Mac モデルの多く(特に iMac、eMac、Cube、iBook)が PC カードや PCI のスロットを装備してこなかったので、この AirPort (AirMac) スロットが $150 以内の予算でワイヤレスを実現しようというユーザーにとっては唯一の現実的オプションとなっていた。

ところが今月の Macworld Expo において、Apple は自社以外のワイヤレスの世界に追い付いたばかりでなく、それを全部凌駕してみせた。それが、 AirPort(AirMac) Extreme の発表だ。この新しい AirPort (AirMac) Extreme 製品は現在はまだドラフト版の仕様に過ぎない IEEE 802.11g 規格に基いており、この802.11g は 802.11b と全く同じ 2.4 GHz のラジオスペクトラムを使用するので、802.11b と完全に下位互換でありながら最大 54 Mbps で動作できるというものだ。

<http://www.apple.com/airport/>

筆者2名が最近出版した本、The Wireless Networking Starter Kit の補遺として出版もする予定にもなっているこの記事では、802.11g と AirPort(AirMac) Extreme にまつわる互換性の諸問題について検討し、各種機器の仕様の詳細についても概観してみたいと思う。記事の後半では、他のメーカーの802.11g 機器、例えば Linksys や Belkin、それに D-Link などの製品も調べ、これら各社から出始めている製品のラインアップや価格にも触れる。また、この本のウェブサイトでは、Mac 関係のワイヤレスについてのニュースを集めたウェブログも新たに始めたので、AirPort (AirMac) や AirPort (AirMac)Extreme にどんなことが起こっているのかに関心のある方は、どうぞ時々立ち寄って覗いて頂きたい。(または、お好きなヘッドラインワッチャーにここのRSS フィードを加えて頂くこともできる。)

<http://wireless-starter-kit.com/>
<http://wireless-starter-kit.com/airportblog/>

過去、および未来との互換性 -- この 802.11g 仕様では、データをラジオ電波にエンコードするために比較的新しい方法を採用しており、1つのチャンネルの中に最大 54 Mbps の生データを詰め込むことができるようになっている。但し、理論的ネットワーク処理量で一般に言えることだが、現実のデータの実際の処理量はその理論値通りには行かず、実際にファイル内容を転送する際の速度は 20 から 30 Mbps の間程度だと見られる。一方、理論値 11 Mbpsの 802.11b の場合は現実の速度がせいぜい 4 から 6 Mbps と見られ、さらにベースステーションからの距離が増えればそれよりも低い速度に落ちてしまうことも珍しくない。

802.11g の魅力の1つはそれが 802.11b と完全に下位互換だという点だ。この互換性は製造者へのオプションなのではなく、義務的なものとして仕様自体に規定されている。802.11g にはまた中間的な速度もいくつか規定されているので、54 Mbps が駄目ならいきなり 11 Mbps に落ちるということもない。

802.11b に比べて 802.11g が大きく進んでいる点の1つは、避けることのできない信号の反射というものを 802.11g がより巧みに扱うことができる点だ。ラジオ電波はさまざまな物体にぶつかって反射する。床や、金属物、あるいはあなたの周りの空気にも、さまざまの角度や速度で反射するのだ。電波のレシーバーは、同じ電波がこうしたさまざまの反射によって引き起こす、少しだけずれて到達する信号をすべて受け入れて、それを1つのデータとして見分けなければならない。802.11g は(802.11a もそうだったが)電波のスペクトラムを切り分けて、802.11b よりも単純な、けれどもより効果的なやり方でレシーバーがこのような反射を扱えるようにしている。

Steve Jobs は Macworld Expo のキーノート講演で自信ありげに 802.11g が“標準規格”だと宣言したが、実は現在のところまだこの規格は、新規格を開発する技術グループである IEEE によって最終化され認可されたわけではない。この規格の認可はかなり近いうちに、おそらく 2003 年の末には実現されるだろうが、その時までは、この 802.11g “標準規格”はただの草案(ドラフト)の形に過ぎない。但し、いくつものチップ製造元がこのドラフトの 802.11g を実装するのに必要なシリコンを既に出荷しているという現実は止められない。(現在は Apple のウェブサイトでも現実に即した“ドラフト仕様”という表現で 802.11g を呼んでいる。)

もう1つ注意すべきなのは、Wi-Fi Alliance もまだ 802.11g をその認証内容の一部として含めていないことだ。Wi-Fi Alliance は、機器をテストしてそれが仕様通りに動作するかどうか、他の認証済み機器すべてと共に相互動作できるかどうか、を調べる。このテストに合格して初めて、その機器のメーカーはWi-Fi のロゴを使用することが許されるのだ。802.11g がまだ最終化されていない現在、Wi-Fi Alliance はさまざまの 802.11g 機器が互いにうまく動作することを保証できるだけの方法を持ち合わせていない。つまり、802.11g が認可された後も、Wi-Fi Alliance が 802.11g を Wi-Fi 認証内容に組み入れてくれるまでにはしばらく時間がかかることが予想される。テスト用のプログラムが早ければ夏ごろまでにも用意されるという情報もあるが、いずれにしても最終的な認証が動き出すのは早くても 2003 年の終わりごろと見るべきだろう。

とは言え、実際に互換性が大きな問題になるということは考えにくい。どの製造元も、自社の製品が他社の製品と互換であるようにしようという強い動機を持っているのだから。他の製品と相性が悪いような機器を売りたいと思うような人は誰もいない。そんなことをしたら、業界の中での会社の信用度を大きく下げてしまうのだから。実際には、最悪の場合でも、その特定のハードウェアがよほど極端に悪いデザインによるものでない限り、非互換な 802.11g 機器同志の間でも、少なくとも 802.11b の速度でならば通信できるはずだ。

同じ製造元の機器同志の間でならば、なおさら互換性の問題が生じる可能性は低くなる。例えば、Apple の AirPort (AirMac) Extreme ベースステーションは、問題なく AirPort (AirMac) および AirPort (AirMac) Extreme カードと通信できるだろう。けれども、別の会社同志であっても良い互換性が期待できるケースもある。Apple の機器は Broadcom 製のチップに依存しているし、Linksys 製の 802.11g 機器もやはり同じチップを使っている。この理由から、また Apple と Linksys とは共同で最初の 802.11g 機器を市場に送り出したという経緯からも、Apple と Linksys の機器はきっと相互に互換であろう。それだけでなく、後発の機器メーカーも、やはり Broadcom の仕様に合わせるように努めるに違いない。時として、スタンダードというものは単に一番多数の機器を出荷したというだけの理由で決まってしまうのだ。

いずれにしても、あなたが今ハードウェアを買うにせよ後日に延ばすにせよ、長い目で見れば互換性はそう大きな問題ではないだろう。Apple はスタンダードが固まって行くに応じてファームウェアのアップデートを出すと約束してくれているし、また旧型の AirPort (AirMac) 機器に対してのその種のアップデートについても、これまでのところ Apple は良い実績を残しているのだから。

関連した話題として、暗号化における問題を解決してローカルなワイヤレス接続におけるセキュリティーの複雑度を減らそうというセキュリティーのアップデート、WPA (Wi-Fi Protected Access) について述べれば、Apple はこれをサポートするともしないともまだ言明していない。Apple は、この WPA が広く使われているかどうかに常に注目し、実際の使用度に基いて今後の対応を検討して行くとしている。この場合も、もしも Apple が WPA をサポートすると決めたならば、そのサポートは無料のファームウェアアップデートという形で登場するだろう。他の会社の対応を見ると、どうやら多くのベンダーが既に WPA のサポートを約束しているようだ。例えば、D-Link は今年第2四半期までに新しい 802.11g 機器は WPA をファームウェアアップデートによってサポートすることになると述べている。

802.11a は死んだのか? -- 現存の規格の1つである 802.11a については、Apple は AirPort (AirMac) Extreme の一部分としてのサポートはしない道を選んだ。802.11a は 5 GHz 帯という別の周波数を使っており、そのため802.11b との間の下位互換性は無い。現在いくつかの会社が 2.4 GHz および5 GHz のデュアルバンドラジオを提供して両者の互換性を実現しているが、このアプローチはコスト・複雑度の両面ともに増加させてしまう。

現在市場に出回っている何百万もの 802.11b 機器にこの互換性が無いことから、Steve Jobs は 802.11a が消え行く運命にあると発言した。しかし、もう少し適切に述べるなら、802.11a は特定の目的のためだけのものという居場所に落ち着いた、というのが現状なのだ。例えば会社の社屋内での密集したインストール、サーバールーム内でのバックアップリンク、あるいは二点間での高速度ブリッジなどの用途だ。

802.11a には 12 個の独立したチャンネルがあって同時に互いに干渉し合うことなく使用できることから、通信同志の間の干渉を避けることが重要な場合には 802.11a に大きな利点がある。また、この 5 GHz 帯の上端部に設定されている4つの専用のチャンネルは 802.11a を戸外で使うためのものであり、よりハイパワーのレベルが二点間での通信で利用できることから、同じ状況での802.11g よりも良いスループットが達成できるだろう。

AirPort (AirMac) Extreme ベースステーション -- Apple は2種の異なった機種の AirPort (AirMac) Extreme ベースステーションを用意しており、価格はそれぞれ $200 と $250 となっている。どちらの機種も 10/100 Mbps のWAN および LAN ポートを持ち、プリンタ共有用の USB ポート(ただしスプールはできない)も1基あって、他の AirPort (AirMac) Extreme ベースステーションにブリッジすることもできる。つまりアクセスポイントおよびブリッジの双方の役割を同時に果たすことができるのだ。$250 の機種には 56K モデムと外部アンテナ用のジャックも付いている。

WAN ポートでの 10/100 Mbps という高速化は、10 Mbps を超える帯域幅を提供する広域ネットワークやブロードバンド接続を利用できるユーザーが出てきた、という現実を踏まえてのものだ。(残念ながら筆者たちにはそのような環境は無いので、そういう機能をテストすることはできない。)あなたが仮に 10 Mbpsの有線 Ethernet しか持っていないとしても、もしも AirPort (AirMac)Extreme 機器を導入して高速の内部ネットワークを使おうとしているのならば、やはり今こそ 10/100 Mbps にアップグレードしておく良い機会なのかも知れない。ただ、注意して頂きたいのは、AirPort (AirMac) Extreme に替えてもインターネット接続の速度は何も変わらないということだ。ほとんどのインターネット接続の現状は、802.11b の現実速度である 4 から 6 Mbps よりもずっと遅いからだ。

USB のプリンタ共有を追加したことにより、プリンタを Mac に繋ぐことなく数台の Mac から成るネットワークが1台のプリンタを共有することが可能となる。プリンタを Mac に繋ぐ場合は、誰かが印刷をしようとする度にその Macのスイッチを入れなければならないからだ。しかしながら、プリンタ自身のスイッチはやはり自分でオンにしなければならない。Apple の発表においても、この機能はあくまでも「プリンタ共有」、すなわちあたかもそれぞれのマシンごとにプリンタが接続されているがごとくに動作させる、ということであって、「プリンタスプーリング」、すなわちプリントジョブがまずプリントスプーラに送られてファイルに保存され、それからいつでもプリンタの準備が出来次第印刷がおこなわれる、ということではない、と明言されている。(Adam はもうとにかくプリントスプーリングが大好きだ。なぜなら、彼のプリンタはたいていスイッチが切られており、たまに彼がプリンタのスイッチを入れる度に、彼の AppleShare IP ベースのプリントスプーラが、溜まっているプリントジョブをすべて即座に印刷にまわしてくれるからだ。)

以前には、AirPort (AirMac) ベースステーションに外部アンテナを取り付けるには大げさな分解作業が必要で、保証も無効になってしまい、かなりの手先の器用さも要求された。今回は、$250 の方の機種の AirPort (AirMac) Extremeベースステーションならば、Apple-独自仕様のアンテナジャックに外部アンテナを差し込むだけでよい。

またまた独自仕様のジャックを作ったことで Apple を責めてはいけない。アンテナに繋ぐことのできるすべてのワイヤレスネットワーク機器にはありきたりでないコネクタを使用しなければならない、というのが FCC の課した義務規定なのだ。誰でも勝手に規定外のアンテナを繋いで法定量以上の電波信号を撒き散らせる、という事態を FCC は防ぎたかったのだろう。(規定外のアンテナとは、その製造者が FCC に提出して該当するワイヤレスゲートウェイまたはカードと共にテストを通過したもの以外すべて、という意味だ。)

その機種の AirPort (AirMac) Extreme ベースステーション用に、2種の外部アンテナを購入することができる。この2種のアンテナの初期モデルはどちらも古参の Mac 関連部品メーカーである Dr. Bott が製造・販売する。Apple によれば アンテナ市場に参入するのは気が進まなかったということだが、とにかく Apple は $250 の AirPort (AirMac) Extreme ベースステーションと Dr. Bott 製のアンテナシステムとを一体として FCC に承認してもらおうとしている。(認可を申請する会社は、各承認案件ごとに手数料を支払うことになっている。この結果、低価格版の方の AirPort (AirMac) Extreme ベースステーションには外部アンテナジャックが付かなかったのだ。)

<http://www.drbott.com/>

Dr. Bott の ExtendAIR Omni ($100) は 3.5 dBi の無指向性アンテナで、AirPort (AirMac) Extreme ベースステーションの到達範囲を 360 度全方向に拡げるのに適している。ExtendAIR Direct ($150) は 6.5 dBi の 70 度指向性アンテナだ。(到達範囲を拡げるためにアクセスポイントにアンテナを追加する際の注意点の詳細については、The Wireless Networking Starter Kit のChapter 8、“Going the Distance”を読んで頂きたい。)

ダイヤルアップのインターネット接続に 56 Kbps モデムを使い続けるのも確かに可能(ただしこれは V.90 モデムのみで、残念ながら V.92 モデムは使えない。Kevin Savetz による V.92 モデムに関する2つの記事、下記リンクを参照)だが、たとえブロードバンドのインターネット接続があるにしてもモデム装備版の AirPort (AirMac) Extreme ベースステーションに切り替えた方が良いかも知れない。何故かと言うと、AirPort (AirMac) Extreme ベースステーションは PPP ダイヤルイン接続もサポートしているからだ。旅行中、あるファイルを持って来るのを忘れたとしよう。この時、留守宅の Mac が動いていてファイル共有がオンになっている限り、あなたは旅行先のラップトップ機のモデムを使って留守宅の AirPort (AirMac) Extreme ベースステーションにダイヤルアップ接続し、欲しいファイルを転送させることができるのだ。この機能の実際の手順についてはまだ実地にハードウェアでテストをしていないので定かではないが、うまく行けば非常に便利な追加機能になるだろう。(もちろん、データ受信専用の電話回線が前提となる。)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06431>(日本語)V.92 モデムでダイヤルアップアクセスは速くなるか?
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06996>(日本語)V.92 速度を上げる

AirPort (AirMac) Extreme ベースステーションのブリッジ機能は、この価格帯の製品としてはかなりユニークな機能だ。これを使って、ワイヤー結線を使わずにネットワークの範囲を拡げることができる。単に2台の AirPort (AirMac)Extreme ベースステーションを購入し、片方をあなたのインターネット接続に繋ぎ、もう片方をブリッジモードで動作するようにしておくだけだ。このブリッジユニットは、マスター側の AirPort (AirMac) Extreme ベースステーションに接続して、自分からの到達範囲にあるコンピュータたちのためのアクセスポイントとして働くのだ。以前は、1台でアクセスポイントとブリッジの双方として働くことのできるこのような機器を揃えるにしろ、Linksys WAP11 と WET11のような別機器を組み合わせて同様の効果を得るにしろ、ゆうに $500 以上もの出費が必要だった。(ワイヤレスブリッジの動作の詳細については、The Wireless Networking Starter Kit の 152 ページから 160 ページまでを参照)

見逃してならないのは、たとえ AirPort (AirMac) Extreme カードも 802.11gアダプタもどこにも無い、というネットワークであったとしても、2台のAirPort (AirMac) Extreme ベースステーションさえあれば、それらの相互間に最大速度 54 Mbps の 802.11g 接続が実現するということだ。あなたの既存の有線ネットワークが 100 Mbps で動作しているなら、この高速のブリッジを利用して新型機の 10/100 Mbps WAN ポートの能力が充分に発揮できるだろう。

このように、AirPort (AirMac) Extreme ベースステーションを使って、いくつもの島のように、いわば衛星ネットワークを作ることができる。それぞれの島ネットワーク内部は有線でもワイヤレスでもよい。島と島との間にはワイヤーを張る必要はない。こうして、ワイヤレス到達範囲を拡げたり、近所の家庭やオフィスを結んだりして、必要に応じたネットワークが組めるようになるのだ。

AirPort (AirMac) Extreme ベースステーションのブリッジ機能は同時に最大4台のユニットで稼働させることができるが、伝えられるところによるとブリッジモードの AirPort (AirMac) Extreme ベースステーションをデイジーチェインで結ぶことはできないらしい。つまり、個々のブリッジユニットはそれぞれマスターユニットを指定して接続しなければならない。もっと費用をかけてもよいのならば、Ethernet で数台のマスター機の AirPort (AirMac) Extremeベースステーションを結び、それぞれからネットワーク末端へ繋ぐブリッジ機を使うこともできるだろう。

AirPort (AirMac) Extreme カード -- 新しい AirPort (AirMac) Extremeカードは mini-PCI カードのフォームファクターに基いており、新しい形、新しいコネクタを使用している。このカードは 17 インチ PowerBook G4 には全機標準装備で内蔵されており、12 インチ PowerBook G4 についてはユーザー拡張可能、または注文時内蔵指定オプションも可能、となっている。(これら2機種の PowerBook は、AirPort (AirMac) Extreme と同時に発表された機種 だ。)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07041>(日本語)新型 PowerBook: ミニ・ミーとランチ・トレイ

これら2機種の PowerBook モデルには、Bluetooth と2基のアンテナも内蔵されている。Apple によればこの2基のアンテナは動的に自己再設定を行ない、Wi-Fi つまり 802.11g の信号のより良い受信のためにアンテナの多様性を重視するか、それとも Bluetooth 専用と 802.11 専用とに1基ずつのアンテナを振り分けて使うかの選択を、必要に応じて選ぶそうだ。

また、このアンテナの再デザインは、チタニウム PowerBook G4 のデザインに宿命的だった問題、つまりコンピュータが受信・送信する信号の強度が制限を受けていた問題を、同時に解決することにもなった。新型の PowerBook G4 のアルミニウム外材のデザインにおいては、2基のアンテナが LCD ディスプレイ両側の上部にラバーシールで取り付けられており、ラジオ電波が「そのまま」届くように工夫されている。

古い Mac をアップグレードして AirPort (AirMac) Extreme カードを使えるようにすることはできるのだろうか? その答えは、はっきりとした「ノー」だ。Apple のハードウェア製品関係の副社長である Greg Joswiak が、我々の質問に答えてその点を確認してくれた。旧型の AirPort (AirMac) カードは Mac 内部で非常に低速のバス、つまりコミュニケーションチャンネル、に依存している。この低速のバスは 802.11g の要求するようなスピードで動作することができないので、いくらカードに修正を加えても、あるいは別のカードをそのスロットに差し込んでも、通信そのものが不可能なのだ。

私たちの予想では、今後の新型 Power Mac が、AirPort (AirMac) Extreme スロット、または(こちらは可能性が少し低いと思うが)PCI-ベースの AirPort(AirMac) Extreme カードのオプションを許容するような最初の世代の Mac となると思う。それより前の iMac、eMac、それに iBook などは、AirPort(AirMac) Extreme をサポートするためにはマザーボードの再デザインが必要となるだろうし、よほど極端 (extreme) な製品ラインの再編成をしなければ802.11g の Extreme 機能を組み込むのは実現できないだろうと思うからだ。

間違いなく、他のメーカーたちも舞台に登場してくるだろう。例えば Asante、Proxim、MacWireless、Belkin などだ。これら各社は Macintosh 用のネットワークをサポートしてきた実績がある。これまで通りなら、これらの会社はまず PC カードを出してくるだろう。つまりいくつかの PowerBook モデルだけがまず 802.11g を扱えるようになるだろう。PCI カードアダプタは既に市場に出ている。その後は Ethernet、あるいはひょっとしたら FireWire のコンバータなども登場するかも知れない。(USB は 802.11g に使うには低速すぎる。)

他の 802.11g メーカーたち -- 確かに Apple は 802.11g に早期参入したが、最初に製品を出荷したのは Apple でななかった。その栄誉に輝いたのはLinksys で、早くも 2002 年末に同社の最初の“54G”ゲートウェイとカードを発表していた。すぐにそれに続いたのが Buffalo で、その後 D-Link と Belkinも続いた。(以下の価格はいずれも Amazon.com または各社のオンラインストアでの最低価格を記した。)

多くの Mac ユーザーにとって Belkin はケーブル類のメーカーとして馴染みがある。けれどもこの会社は以前からさまざまのネットワーク関係製品を扱っており、安価な Bluetooth アダプタなどにも定評がある。この記事が皆さんの目にとまる頃には、Belkin から4つの機器が出荷されているはずだ。ワイヤード/ ワイヤレスのゲートウェイ (F5D7230-4、小売価格 $150)、単機能アクセスポイント (F5D7130、$140)、PC カード (F5D7010、$80)、それに PCI カード(F5D7000、$80) の4つだ。Belkin は Mac OS 8.6 以降用の 802.11g 機器用ドライバを 2 月までには用意すると述べている。

<http://www.belkin.com/>

Linksys には2つの 54G ゲートウェイと2つのカードがある。WRT54G はワイヤードスイッチとワイヤレスゲートウェイとの組み合わせで、同社の BEFW11S4モデルをアップデートするものとなっている ($130)。WAP54G はシンプルなアクセスポイントで、WAP11 に 802.11g のサポートを追加している ($130)。WPC54G PC カード ($70) は既に出荷済みで、WMP54G PCI アダプタ ($70) は近日出荷予定だ。Linksys のこれまでの製品には Macintosh 用のサポートはほとんど見られない。

<http://www.linksys.com/splash/54g_splash.asp>

D-Link はちょっと複雑なブランド名、AirPlus Xtreme G の名前で製品を出している。ワイヤード / ワイヤレスのゲートウェイ (DI-624、$150)、単機能アクセスポイント (DWL-2000AP、$140)、PC カード (DWL-G650、$80)、それに PCIカード (DWL-G520, $90) がある。D-Link は過去の製品で部分的な AppleTalkのサポートを提供したことがあるが、Mac 用のドライバを出してはくれそうにもない。

<http://www.dlink.com/products/wireless/airxtreme.asp>

Buffalo からは AirStation G54 ブロードバンドルータ・アクセスポイント(WBR-G54) が定価 $200 で、PC カード (WLI-CB-G54) が $100 で、それぞれ出ている。実際の小売価格はもう少し低いはずだ。この会社は部分的ながら過去に Mac のサポートを提供したことがある。

<http://www.buffalotech.com/wireless/>

“G”の未来は -- その機能の充実度、それに早くも多数の製品が市場に出始めていることからも、802.11g の未来は明るいと思う。機器を今購入しても、しばらく待ってから購入しても、価格はそれほど変わらないと思う。過去の実績から見ても、Apple はおそらく価格を下げることはしないか、してもほんのわずかに過ぎないだろう。他のメーカーの 802.11g 機器も、何か大きな製造上の変革が起きるか、チップの価格が暴落するかでもしない限り、価格の下降は2003 年の1年間でもせいぜい $10 から $30 程度の幅に止まるだろう。

私たちは 802.11g を楽観的に見ている。下位互換だし、未確認のテクノロジーには頼っていないからだ。ほぼ変わらない価格で高速化が実現するって? 僕らは乗ったぞ!

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<https://www.paypal.com/xclick/business=glenn%40glennf.com>
PayBITS の説明 <http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/paybits-jp.html>


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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA